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千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/02/27(火) 20:07:58.64 ID:7FYcCPl60
生徒 ザワザワ…
千歌 ドキドキドキ…
先生「はーい、みんな静かにー!高海さんが挨拶できないでしょー」
先生「じゃあ、高海さん、簡単に自己紹介だけして貰っていいかしら?」
千歌「はい…!」ドキドキドキ…
千歌「え…えっと……静岡の浦の星女学院っていう所から来ました…!高海千歌です…!み…みなさん…よろしくお願いします……!」
千歌(よし…!練習通りできた…!)
生徒 パチパチパチパチ…!
千歌「え…えへへ……///」
千歌(おー!好感触だねー!!東京の子達は冷たいって言うから不安だったけど、みんな良い子そうで良かったよ〜!)
千歌(この感じなら私の第二の高校生活も希望が持て…)
ヤンキー ニヤニヤ… ジロジロ…
千歌「あ゛?」ギロリッ…
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1519729678
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:08:56.26 ID:7FYcCPl60
先生「……え…?」
千歌「あ……」
千歌(や…やば……声に出てた……)
生徒 ザワザワ…
千歌(うぅ…もう…!あのアホ共が、ジロジロ見るからぁ…!)
千歌(私が誰だか分かってんのか!?喧嘩無敵の高海千歌さんだぞ!?あん?)
千歌(後でぶん殴ってやる…)
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:09:34.65 ID:7FYcCPl60
千歌(………)
千歌(って…ダメダメ……そういうのは卒業するって決めたんだから……)
先生「え…えーっと……それじゃあ、みなさん…!高海さんと仲良くしてあげてくださいね…!」
千歌(お…!さっきのはお咎め無し?)
千歌(ちゃんと真面目っぽい見た目にしてきたからかな……)
先生「それじゃあ、高海さんは桜内さんの隣の席でいいかしら?」
梨子「え…!」ビクッ…
梨子「は…はい……」
千歌(ふーん…桜内さんね……なんかオドオドしてる子だなぁ……)
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:10:05.26 ID:7FYcCPl60
先生「じゃあ、転校生の紹介も終わった事ですし、ホームルームを始めましょうか」
千歌 スッ…
千歌(廊下側の一番後ろの席……これは良い席だね……)
千歌(寝ててもバレにくい…)
千歌(………)
千歌(って…また、すぐそういう事考えて……バカか私は……)
千歌(これからは真面目に善良な高校生として生きるんだって決めたじゃん…!)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:10:50.80 ID:7FYcCPl60
千歌(よーし…!そうと決まったら、まずは先生の話をキチンと聞いて……)
梨子「………」ドキドキ…
梨子「あ…あの……」コソッ…
千歌「え…?」
千歌(さ…桜内さん…!?)
千歌(話しかけてきたよ!?この子!!なんで!?)
梨子「え…えっと……」ドキドキドキ…
千歌(ま…まさかさっきの私の睨みを見て、元ヤンである事を見抜かれたんじゃ……)
梨子「よ…よろしくね…」ニコッ…
千歌「…!」ドキッ…
千歌(お…おぉ……///)
千歌(よろしく…か……)
千歌「う…うん……こちらこそ…よろしくね…、えっと…桜内さん…!」
梨子「うん…!」ニコッ!
千歌「…!」ドキッ…
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:11:16.23 ID:7FYcCPl60
千歌(おぉ……いい笑顔だ……///)
千歌(なんか優しい感じするね……) ホカホカ…
千歌(こんな優しい気持ちになったの、いつぶりだろ……) ホカホカ…
千歌(よし…決めた……私の第二の高校生活はこの子に捧げよう……) ホカホカ…
梨子「……」ドキドキドキ…
ヤンキー達「………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:11:58.68 ID:7FYcCPl60
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
千歌(お昼休みか……)
千歌(………)
千歌(お弁当……)
生徒 ワイワイガヤガヤ
千歌(うっ……もうグループができてる……)
千歌(そりゃそうだよね……もう9月だし……)
千歌(しょーがない……一人で…)
梨子「………」モグモグ…
千歌「え……?」
梨子「………」
千歌「桜内さん……」
梨子「え…!?な…なに……?」
千歌「もしかして……一人……?」
梨子「…!?」ギクッ…
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:12:35.02 ID:7FYcCPl60
梨子「そそそそそそんな事ないわよ…!?きょ…今日はたまたま仲良い子が休んでて…!!」
千歌「いや…今日、休みの人いないじゃん……」
梨子「あっ……」
千歌「なんで、そんなすぐバレる嘘つくのさ…」
梨子「うぅ……ごめんなさい……実は私…友達作るのとか苦手で……」
千歌「ふーん…そうなんだ……でも、私にとっては好都合だね!」
梨子「え…?好都合……?」
千歌「うん…!だって、私が桜内さんの一番の友達になれるから!」
梨子「…!」
お弁当 ドンッ!
千歌「お弁当!一緒に食べよ!」ニカッ!
梨子「た…高海さん……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:13:14.38 ID:7FYcCPl60
千歌「わー!桜内さんのお弁当美味しそうだね!貰っていい?」
梨子「う…うん……どうぞ…」
千歌「わーい!」ヒョイ! パクッ!
千歌「美味しい!!」
梨子「あ…ありがとう……」
梨子(す…)
千歌「これも美味しいー!!」パクッ!
梨子(すごいグイグイくるわね……)
千歌「これも貰っていい??」
梨子「ど…どうぞ〜…」
梨子(私のお弁当無くなるんだけど……)
千歌「う〜ん!うまい!!」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:13:54.64 ID:7FYcCPl60
梨子(こんな時期に転校してくるから、前の学校で、いじめでもあったのかと思ったけど…)
梨子(絶対そういう子じゃないわよね……)
梨子(なんで転校してきたんだろ……)
梨子(………)
梨子(はぁ……私と同じタイプかと思ったんだけどなぁ……)
梨子(ちゃんと仲良くできるかなぁ……私……)
千歌「ねー!ねー!桜内さん!」
梨子「え…?なに……?」
千歌「名前で呼んでいい?」
梨子「えぇ…!?な…名前で…!??」
千歌「うん…!私のことも名前で呼んでいいからさ!」
梨子「そ…そんな……名前でなんて……」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:14:25.60 ID:7FYcCPl60
千歌「ダメ…?」
梨子「うっ……」
梨子「ダ…ダメじゃないけど……」
千歌「じゃあ、いいって事だね!!梨子ちゃん!」
梨子「…!」
千歌「次、梨子ちゃんの番だよ!名前で呼んで?」
梨子「えぇ……そ…そんな急に……」
千歌「急じゃないよ!もう私たち友達でしょ?」
梨子「…!」
梨子「と…友達……」
千歌「そう!友達!だから名前で呼ぶのは普通だよ!」
梨子「う…うん……」
梨子「えっと……」
梨子「ち……千歌…ちゃん……///」
千歌「お…おぉ……///」
千歌「そんな照れて言われると、こっちまで恥ずかしくなるね……///」
梨子「ご…ごめんなさい……慣れてなくて……///」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:15:21.88 ID:7FYcCPl60
千歌(ち…千歌ちゃん…か……)
千歌(前の学校じゃ、曜ちゃん以外の人からは「千歌さん」だったから、なんか変な感じだなぁ……) ホカホカ…
梨子「あ…あのさ…!千歌ちゃん……!」
千歌「ん?なぁに?」
梨子「えっと……気になってたんだけど……千歌ちゃんって、どうして転校してきたの…?」
千歌「…!」
千歌「うーん……」
梨子「?」
千歌「ごめん……それはちょっと言えない……」
梨子「言えない…の……?」
千歌「うん……」
千歌「………」
梨子「そ…そう……じゃあ、深くは聞かないわ……」
梨子(い…言えないって……)
梨子(それに、この落ち込み様……)
梨子(やっぱり、いじめを受けたんだわ……辛かったわね……)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:16:07.01 ID:7FYcCPl60
梨子(さっきまで、よく喋ってたのに急に黙っちゃった……相当傷が深いのね……) ホロリ…
梨子(でも、もう大丈夫よ……今度は私が守ってあげるからね……千歌ちゃん……) ニコッ…
千歌(な…なんだろ……)
千歌(すごい優しい笑顔を向けられている……)
千歌(ていうか、とりあえず、今は話題変えなきゃ……)
千歌(これ以上、前の学校の話題が続くと、うっかり喧嘩自慢でもしそう……)
千歌「え…えっとさ…!梨子ちゃん…!」
梨子「なに?なんでも言って?」
千歌「私の前の学校の話なんかしても、つまんないからさー、梨子ちゃんの話聞かせてよ!」
梨子「わ…私の……?」
千歌「うん…!趣味とか!」
梨子「趣味………」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:16:41.83 ID:7FYcCPl60
梨子「い…一応……あるけど……」モジモジ…
千歌「ほんと!?なになに??」
梨子「え…えっと……笑わないでね……?」モジモジ…
千歌「笑わないよー!」
梨子「じゃ…じゃあ……」ゴソゴソ…
千歌 ワクワク…!
梨子「うぅ……人に見せるの初めてなんだからね……これ……」スッ
千歌「ん…?ノート……?」
梨子「うん……」
千歌「開けていい…?」
梨子「どうぞ……」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:17:11.36 ID:7FYcCPl60
千歌「…!?」
千歌「が…楽譜…!?」
梨子「うん………その……私……作曲…やってて……」
千歌「さ…作曲……!?」
千歌「す…すごい……私には読めないけど……」
梨子「そ…そう…?」テレテレ
千歌「じゃ…じゃあさ!梨子ちゃんって、なんか楽器弾けるの…!?」
梨子「うん…ピアノを……」
千歌「ピアノ!?すごい!かっこいいね!!」
梨子「え…えへへ……」テレテレ
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:17:41.52 ID:7FYcCPl60
千歌「じゃあさ!じゃあさ!この曲今度聞かせてよ!!」
梨子「あっ…それはまだ作ってる途中で……」
千歌「そうなの?じゃあ、できたら聞かせてね!」
梨子「…!」
梨子「う…うん…!」
ヤンキー達「………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:18:23.02 ID:7FYcCPl60
帰り道−
梨子「………」トコトコ…
梨子(高海…千歌ちゃん……か…)
梨子(………)
梨子(…ふふっ……)
梨子(友達……か……) ホカホカ…
梨子(………)
梨子(この曲今度聞かせて……か……) ホカホカ…
梨子(………)
梨子(しばらくやってなかったけど、また作曲頑張らなきゃね……) ホカホカ…
梨子(よーし…!そうと決まったら、早く帰って…) タッ…!
ヤンキーA「はーい!ストップ!!ここは通行止めでーす!」バッ!
梨子「え…」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:18:57.08 ID:7FYcCPl60
梨子(こ…この人……同じクラスの……)
ヤンキーB「ハロー、桜内さん」
ヤンキーC「あはは、大丈夫大丈夫、そんな怯えないで?」
梨子(さ…3人も……)
梨子(うぅ……からまれないように静かに生きてたのに……なんで……)
梨子「と…通してください……!」ササッ
ヤンキーA「おおっと…!」ドッ!
梨子「きゃっ…!」ドサッ!
鞄 ズサアァァァ…!
梨子「あぁ…!」
ヤンキーA「あはは、ごめんごめん!まさか、当たっただけで倒れるとは」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:19:33.53 ID:7FYcCPl60
ヤンキーB「ふふっ…拾うの手伝ってあげるわよ」
梨子「だ…大丈夫です…!自分で……」
ヤンキーC「ん〜…?なにこれ、ノート?楽譜?」
梨子「あっ…!そ…それは……!」
ヤンキーC「え?なに?大切な物?」
梨子「そ…そうです……返して……」
ヤンキーC「あはは、じゃあ、返してあげる」スッ…
梨子 ホッ…
ヤンキーC「ただし……高海千歌と、つるむの止めたらね?」ヒョイッ
梨子「え…!?」
梨子「な…なんで…千歌ちゃんが……」
ヤンキーA「あれ?見てなかった?あいつ、自己紹介の時、私達の方にガン飛ばしてきたんだよね〜」
梨子「そんな…!ち…千歌ちゃんは、そんな子じゃ……」
ヤンキーB「どういう子かは問題じゃないの、私らにガンくれた時点で、あの子は終わり……苦しんで貰わないと…ね?」
梨子「そ…そんな……」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:20:13.57 ID:7FYcCPl60
ヤンキーC「で?どうすんの??高海千歌と関わるの止める?それとも、この大事な大事なノート…川にでも捨てる?」
梨子「か…川に…!?」
梨子「そんな…!止めてください…!!」
ヤンキーC「じゃあ、明日、高海千歌に「私に関わらないで」って言う事だね」
梨子「…!」
ヤンキーC「そしたら、返してあげるよ」スタスタスタ…
梨子「あっ…!ま…待って……!」
梨子「いたっ……」ズキッ…
梨子「あ…足が……」
梨子「うぅ……そんな……」
梨子「なんで……なんでこんな事に……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:20:51.58 ID:7FYcCPl60
次の日 朝−
千歌(……) チラッ
時計「7:50」
千歌「おぉ……」
千歌(すごい……この私が登校時間の25分前に学校に着いた……)
千歌(真面目だ……偉いぞ…私……) ジーン…
千歌(すっごい眠いけど……)
千歌(午前中の授業は寝てよう……) トコトコ
千歌(あっ…そしたら梨子ちゃんに怒られそうだなぁ……) トコトコ
千歌(まあ、怒られたら謝って、後でノート見せてもらおっと……) トコトコ
千歌(………)
千歌(ふふっ……) ニヤニヤ…
千歌(我ながら、なんか青春って感じだねぇ〜!)
千歌(喧嘩ばっかりしてた昔とは大違いだよ!!)
千歌(さーて……今日も真面目に元気に頑張るかな!)
千歌 ガララ…!
梨子「…!」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:22:00.65 ID:7FYcCPl60
梨子(ち…千歌ちゃん……)
千歌「あっ!梨子ちゃん!おっはよー!」
梨子「…!」
梨子「お……おはよ……」
千歌「あれ?どうしたの?梨子ちゃん元気ない?」
梨子「えっ…!?い…いや……」
ヤンキー ニヤニヤ…
梨子「うぅ…」
千歌「?」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:22:40.21 ID:7FYcCPl60
千歌「いや〜……それにしても良い朝だね〜!早起きすると気持ち良いよ!」
梨子「そ…そうね……」
梨子(い…言わなきゃ……)
千歌「でも、ちょっと眠いかも、あはは」
梨子「う…うん……」
梨子(あのノートは……)
梨子(私の夢なんだもん……)
千歌「?」
千歌(…なんだろ……今日の梨子ちゃん、なんか変だな……)
梨子(子供の頃から作ってきた……)
梨子(大切な…大切なノートなんだもん……)
梨子(言わなきゃ……)
梨子(大丈夫……どうせ千歌ちゃんだって、すぐに私から離れていく……)
梨子(私みたいな地味な子に、友達なんてできるわけない……)
梨子(だから……)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:23:19.77 ID:7FYcCPl60
梨子(ごめん…!千歌ちゃん…!)
梨子「あ…あの…!」
千歌「あっ!そうだ!梨子ちゃん、昨日のノートもう一回見せてよ!私、昨日少し楽譜勉強したんだー!」
梨子「え……?」
梨子(楽譜の勉強……?)
千歌「ほら!梨子ちゃん、誰にも見せた事無いって言ってたでしょ?」
梨子「う…うん……」
千歌「そんな大切な物見せて貰ったのに、何も分からないじゃ梨子ちゃんに失礼かな〜って思って!」
梨子「…!」
梨子「千歌…ちゃん……」
千歌「まあ、そうは言っても、まだ全然分かんないけどね〜、あはは」
梨子(あぁ……)
梨子(バカだ……私……)
千歌「?」
千歌(また黙っちゃった……なんかまずい事でも言ったかな……)
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:24:02.68 ID:7FYcCPl60
梨子(曲なんて…また作ればいいじゃない……)
千歌「……り…梨子ちゃん…?あの〜……楽譜を見せて貰いたいんですが……」
梨子「ノートは………」
千歌「?」
梨子「その……無くしちゃったの……また作るから、そしたら見せるね?」ニコッ
千歌「え…?無くしちゃったの……??」
梨子「うん……でも、いいのよ…私にはもっと大切な物が見つかったから……」
千歌「んん?何の話?」
梨子「ふふっ…千歌ちゃんには絶対教えてあげない」ニコッ
千歌「えぇ!?教えてよー!」
ワイワイ! ワイワイ!
ヤンキーA「…!?」
ヤンキーC「えぇ…!?」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:24:47.05 ID:7FYcCPl60
ヤンキーB「ちょ…ちょっと…!どうするのよ…!桜内の奴、ノートが大切なんじゃないの!?」
ヤンキーC「そ…そのはずなんだけど……」
ヤンキーA「くっそ…!こうなったら、私が直接、高海に文句言ってやる…!」
ヤンキーB「だ…大丈夫なの……?私達、まともに喧嘩とかした事ないけど……」
ヤンキーA「じゃあ、どうすんのよ!あいつは、私達にガン飛ばしてきたのよ!?不良ってのはね!ナメられたら終わりの生き物なんだよ!!」
ヤンキーC「お…おぉ……かっこいい……」
ヤンキーA「へっ……だろ…?」
ヤンキーB「それで…いつやるの?」
ヤンキーA「そうだな……昼休みにでも、校舎裏に呼び出して、3人で袋にしてやろう……」
ヤンキーB「えっ……3人でやるの……?」
ヤンキーA「そ…そうだよ……なんか文句あるかい!?」
ヤンキーB「いや……卑怯じゃ……」
ヤンキーA「うるさいなぁ!しょーがないでしょ!喧嘩なんて怖いんだから!!」
ギャーギャーワーワー
梨子(な…なんか騒いでる……)
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:25:26.04 ID:7FYcCPl60
梨子(私が、言う通りにしないから怒ってるのかしら……)
梨子(ど…どうしよ……)
千歌「あれ?梨子ちゃん…足怪我してる……」
梨子「あっ……こ…これは……」
千歌「どうしたの?」
梨子「えっと……こ…転んで……」
千歌「転んだの!?高校生にもなって!?」
梨子「う…うん……」
千歌(うわぁ……梨子ちゃん、運動神経無いんだろうなぁ……)
梨子(うぐ……なんか、私が運動神経無いみたいに思われてそう……)
梨子(まあ……実際、運動神経無いけど……)
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
先生「はい、じゃあ、みんな席着いてー、出席とるわよー」ガララ…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:26:11.59 ID:7FYcCPl60
昼休み−
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
千歌「zzz………んがっ…!」パチッ
梨子「………」
千歌「あれ……ここは……?」
梨子「学校です……」
千歌「あっ……あぁ……」
梨子「もう……一限から四限まで、ずっと寝てるって、どう言う事よ……」
千歌「あ…あははー……って事は、もうお昼?」
梨子「そうよ……お弁当食べましょ」
千歌「うん…!私もお腹空いちゃったよ〜」
ヤンキーA「お…おい……!」
千歌「?」
梨子「…!」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:26:53.98 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「高海…千歌っつったか…?その……あれだ……ツラ貸せや……」
千歌「…!?」
千歌(んん?? もしかして…私……)
千歌(喧嘩売られてる…!?)
千歌(おぉ……私が喧嘩売られるなんて、いつぶりだろ……)
梨子「ち…千歌ちゃん…!行っちゃダメよ…!」
ヤンキーA「う…うるせぃ!お前は黙ってろ…!!」バチィィンッ!!
梨子「きゃっ…!」
千歌「…!!」
ヤンキーA(や…やばい……結構強く叩いちゃったけど……大丈夫かな……)
千歌「………」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:27:41.88 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「と…とにかく…!!高海千歌!!お前は許さねえぞ…!!校舎裏に来い…!!」
千歌「ふふっ……」
ヤンキーA「な…なに笑ってやがんだ!?お前は!!」
千歌「ただじゃ済まさないからな……?」
ヤンキーABC「…!?」ゾワッ…!
ヤンキーA(な…なんだ……こいつ…寒気が……)
千歌「いいよ…行こうよ……どこ…?」
梨子「千歌ちゃん…!」
ヤンキーA「へっ……物分かりが良くて助かるぜ……ついてきな…!」ザッ…
千歌 ザッ…
梨子「あぁ…!千歌ちゃん…!!」
梨子「い…」
梨子「行っちゃった……」
梨子(そ…そんな………)
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:28:35.20 ID:7FYcCPl60
梨子(このままじゃ、また千歌ちゃんが、いじめられちゃう……)
梨子(なんとか……)
梨子(私がなんとかしなきゃ……)
梨子(………)
梨子(うぅ……ダメ……怖い……)
梨子(私じゃ何もできない……)
梨子(………)
梨子(ごめん……)
梨子(ごめんなさい……千歌ちゃん……)
梨子(せめて…せめて……無事に帰ってきて……)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:29:24.59 ID:7FYcCPl60
校舎裏−
ヤンキーA「へっへっへっ……のこのこ着いてきやがって……バカだぜ…あんた……」
千歌「………」
ヤンキーC「な…何黙ってやがんだ!!お前!」
千歌「………」
ヤンキーB「ちっ……!あんたは、今から私達に袋にされるんだよ…!?ちったあ、怖がんなよ!」
千歌「………」
千歌(………)
千歌(はぁ……)
千歌(弱いな……こいつら……)
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:29:58.85 ID:7FYcCPl60
千歌「………」
千歌「御託はいいからさ……」
千歌「きなよ……?」ニヤッ…
ヤンキーC「…!」
ヤンキーC「く…くそっ…!後で泣いても知らないからな…!!」ダッ!
ヤンキーB「いけ!やっちまえ!」
ヤンキーC「くらえや!」ガバッ!!
千歌「…」 スッ…
ヤンキーC(え…?避け……
ドカッ!!!
ヤンキーC「あ…あがっ……」
ヤンキーC ドサッ…!
ヤンキーB「え…!?ちょ…ちょっと!!なにしてんの!?」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:30:30.23 ID:7FYcCPl60
千歌「ひとつ……」
ヤンキーB「え…?」
千歌「ろくに喧嘩もした事がないのに、喧嘩をふっかけた事……」
千歌 サッ…!
ヤンキーB「…!?」
バキッ!!!
ヤンキーB「う…うぐっ……」
ヤンキーB ドサッ…!
ヤンキーA「ちょ…ちょっと…!?二人とも!?」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:31:02.73 ID:7FYcCPl60
千歌「ふたつ……」
千歌「私の大切な友達を傷つけた事……」
ヤンキーA「さ…さっきから……」
ヤンキーA「何言ってやがんだ!!お前はああああ!!」ガバッ!!
ヤンキーA「おらぁ!」ブンッ!!
千歌 スッ…
ヤンキーA(な…!き…消え……
ゴンッ!!!
ヤンキーA「うぐ……」
ヤンキーA 「つ…強えぇ……」フラッ…
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:31:49.03 ID:7FYcCPl60
千歌「みっつ……」
千歌「「喧嘩のカリスマ」と呼ばれた私に喧嘩を売った事……」
ヤンキーB「…!?」
ヤンキーB(け…喧嘩のカリスマ…!?)
千歌「よっつ……」
ヤンキーA「え…!?ま…まだあ…
千歌「梨子ちゃんを叩いた事…!!」
ヤンキーA「それ、さっき言っ…
ゴシャッ!!!
ヤンキーA「あがっ…」クラッ…
ヤンキーA ドサッ…!
千歌「…よって!死刑!!!」
ヤンキーA「ひっ……ゆ…許して……」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:32:22.58 ID:7FYcCPl60
ヤンキーB「ま…待って…!い…今……あんた…け…喧嘩のカリスマって言った……?」
千歌「言ったけど……なに…?」
ヤンキーB「…!?」
ヤンキーA「ど…どうしたんだい…?」
ヤンキーB「し…知らないの!?け…喧嘩のカリスマって言ったら、不良界じゃ知らない者がいないほどのビックネームだよ!?」
千歌「ふーん…東京にも私の噂届いてたんだ……」
ヤンキーB「む…無敗どころか、まともに攻撃を食らった事すらない、最強のヤンキー…!全ての攻撃を避け、狙いすました必殺のカウンターで相手を一撃でしとめる!その芸術的とまで言える喧嘩スタイルから「喧嘩のカリスマ」と呼ばれるようになった、静岡は浦の星女学院の最強番長…!高海千歌……!!!」
ヤンキーAC「…!?」
千歌「おー!ご丁寧にどうも」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:33:09.50 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「そ…そんなすごい人が、なんでこの学校に……」
千歌「まあ、それは、いろいろあってね〜……」
千歌「浦の星退学になっちゃったんだよ…それで、東京のお母さんの所で叱られてこい!って家も追い出されて……」
千歌「それで、今は、もうヤンキーも辞めて真面目に過ごしてるんだ」
ヤンキーA「い…いや……暴力振るってるじゃないですか……」
千歌「え…?………あっ…!」
千歌「あー!!!もう、こういう事しないって決めてたのにーー!!」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:33:47.36 ID:7FYcCPl60
ヤンキーA「あ…あはは……」
千歌「なに笑ってんだ!」ガンッ!
ヤンキーA「いてっ!」
ヤンキーA「そ…そんな…理不尽ですよ……千歌さん……」
千歌「さん付けで呼ぶな!」ガンッ!
ヤンキーA「いてぇっ…!!」
千歌「そんな風に呼ばれてたら、不良の親玉みたいじゃん!!私、この学校じゃ、普通の人として過ごしたいの!分かる!?」
ヤンキーA「は…はい……すみませんでした……」
千歌「だから、敬語使うなって!」
ヤンキーA「あっ…え…えっと……す…すまん……」
千歌「…」ムカッ…
千歌「なんかムカつく!」ガンッ!
ヤンキーA「いたぁっ…!」
ヤンキーA「そ…そんな……ひどい……」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:34:22.74 ID:7FYcCPl60
千歌「とにかく!私は、これから真面目に生きるの!だから、私が元ヤンだって事は絶対に誰にも言っちゃダメだからね!」
ヤンキーA「わ…分かりました……」
ヤンキーC「じゃ…じゃあ、桜内の奴にもノート返してやりますか…?」
千歌「ん…?」
ヤンキーA「そうだな……普通に可哀想だしな……」
ヤンキーB「ちょ…ちょっと…!!それは言っちゃ……」
ヤンキーAC「あっ……!」
千歌「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…
ヤンキーABC「ひっ…ひいぃ…!!」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/27(火) 20:34:50.35 ID:7FYcCPl60
千歌「……なんで…梨子ちゃんが無くしたノートを、あんた達が知ってるのかな…??」ゴゴゴゴゴゴゴ…
ヤンキーA「あっ…い…いやっ…!その…違うんです…!あ…あれは……」ダラダラダラダラ…
千歌「もしかして…梨子ちゃんが足怪我してたのも、あんた達の仕業…??」ゴゴゴゴゴゴゴ…
ヤンキーB「あっ…そ…それは……」ダラダラダラダラ…
千歌「お仕置きが足りなかったみたいだね……」ゴゴゴゴゴゴゴ…
ヤンキーABC「ひっ…ひぃぃぃ…!!!」
ドカッ!!バキッ!!ゴンッ!!!
ヤンキーABC「ぎゃああああ……!!」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/27(火) 20:35:22.95 ID:7FYcCPl60
物陰−
花陽「は…はわわわわ………」
花陽「た…大変な事に……!!」
花陽 ゴクリッ…
花陽「り……」
花陽「…凛ちゃんに報告しなきゃ……!!!」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/27(火) 22:07:51.17 ID:9LBcr/9To
期待
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 04:42:27.64 ID:RGO8/TWSo
面白くなりそう
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 04:56:18.38 ID:P1Rc6df4o
なんかわからんが凄く微妙
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:04:52.56 ID:1EXSRTGQ0
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−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
一年生教室−
花陽「はぁ…はぁ…!」タッタッタッタッ…!
花陽 「り…凛ちゃん…!」ガララ…!
凛「ん?どうしたにゃ?」
花陽「はぁ…はぁ……た…大変なの…!」
凛「た…大変…!? なにが…!?」
花陽「け…喧嘩の……」
凛「喧嘩の……?」
花陽「喧嘩のカリスマが、この学校に転校してきたの…!!!」
凛「け…喧嘩のカリスマぁ…!?」
花陽「う…うん……」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 14:05:18.40 ID:1EXSRTGQ0
凛「だ……」
凛「誰にゃ……そいつ……」
花陽「ええええええええええええ!!??し…知らないの!!??」
凛「凛はかよちんみたいに、不良界の事は詳しくないにゃ」
花陽「喧嘩のカリスマって言ったら、無敗どころか、まともに攻撃を食らった事すらない、最強のヤンキー…!全ての攻撃を避け、狙いすました必殺のカウンターで相手を一撃でしとめる!その芸術的とまで言える喧嘩スタイルから「喧嘩のカリスマ」と呼ばれるようになった、静岡は浦の星女学院の最強番長…!高海千歌さんの事だよ…!?本当に知らないの!?」
凛「う〜ん……前にかよちんから聞いたような…聞いてないような……」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:05:50.52 ID:1EXSRTGQ0
花陽「と…とにかく…!!そんなすごい人が、この学校に転校してきちゃったって事なんだよ…!」
凛「ふふっ……大丈夫にゃ!そんなの凛が、すぐにぶっ倒してやるにゃ!」
花陽「い…いや……今回ばかりは、さすがの凛ちゃんでも……」
凛「そ…そんなに強いの?」
花陽「うん……噂で聞いた限りだと、もしかしたら……うちの番長の絵里先輩より強いかも……」
凛「絵里先輩よりも…!?」
花陽「うん……あくまで予想だけどね…?」
凛「そ…そんな……じゃあ…」ワナワナ
花陽「うん……番長交代があるかもしれない……」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:06:19.49 ID:1EXSRTGQ0
凛「なっ…! え…絵里先輩は、凛が倒す予定なのに……」ワナワナ
凛 バンッ…!!
花陽「凛ちゃん…!?」
凛「こうしちゃいられないにゃ…!!今すぐでも行って、どんな奴なのか偵察に……」
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
凛「あっ……」
花陽「昼休み終わっちゃったね……」
凛「にゃ……」
花陽「後で行こっか…」
凛「そうするにゃ…」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:06:48.18 ID:1EXSRTGQ0
放課後−
二年生教室−
梨子「えっ……?か…返してくれるの……?」
ヤンキーA「へへっ……いやぁ…その……はは…」
千歌「あっ……!それ、梨子ちゃんの落としたノート!?もしかして、拾ってくれたの!?」
ヤンキーA「えっ…」
千歌「わー!良かったね!梨子ちゃん!!」
梨子「え…?えぇ……そ…そうね…」
千歌「それにしても、君達、実はいい子なんだね!!いやぁ〜!良かった!良かった!」
ヤンキーA「あ…あはは……」
梨子「あはは……」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:07:18.51 ID:1EXSRTGQ0
教室前廊下−
凛「あ…あれが高海千歌先輩……」コソコソ
花陽「す…すごい……もう二年の鮫島先輩達を舎弟にしてる……」コソコソ
凛「あんなのは、ただの口だけヤンキーにゃ。それよりも…千歌先輩の隣にいる人の方が気になるにゃ……」
花陽「誰だろう……私も分かんないや……」
凛「かよちんが分かんないなら、ヤンキーじゃないんじゃ……」
花陽「でも、見た感じだと千歌先輩と対等っぽいよ?ただ者じゃないかも……」
凛「たしかに……」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:07:59.04 ID:1EXSRTGQ0
ガタッ…
凛「あっ…!出てくるにゃ…!!」
花陽「う…うん…!!」
千歌「それでね〜、マフラーを変えると全然音が違ってね〜…」
梨子「へぇ〜、千歌ちゃんバイク詳しいのね〜」
凛「……」ジーーー……
千歌「まぁね〜!乗ってたから!」
梨子「えぇ…!?そうなの…!?」
花陽「……」ジーーー……
千歌「う…うん…!前の学校ではね!」
梨子「えぇ…!?バイクで行って良かったの!?」
凛「……」ジーーー……
千歌「あっ…そ…それは……」
花陽「……」ジーーー……
千歌「………」
凛「……」ジーーー……
梨子「………」
花陽「……」ジーーー……
凛「……」ジーーー……
千歌「え…!?なに…!!??」
凛「…!」ビクッ!
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:08:45.54 ID:1EXSRTGQ0
千歌「なんでずっと見てるの!?何か用!!??」
梨子「ち…千歌ちゃん……落ち着いて……」
花陽「あわわ……」
梨子「ほら…怖がっちゃってるじゃない……全く……」
千歌「あ…あはは……ごめんごめん……つい…」
梨子「あなた達…一年生?何か用があったんでしょ?どうしたの?」ニコッ
花陽「あわわ……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
花陽視点−
梨子「てめぇら一年か!?何の用じゃコラァ!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
花陽「あわわわ……」
凛「か…かよちん…!!しっかりして…!」
花陽「り…凛ちゃん……」
千歌「いや、梨子ちゃんも怖がられてるじゃん……」
梨子「あ…あれ……?おかしいな……」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:09:30.54 ID:1EXSRTGQ0
花陽「わ…私の事はいいから……凛ちゃんだけでも逃げて……」
凛「そんな…!かよちんを置いて逃げるなんてできないにゃ!!」
千歌「……」
梨子「……」
花陽「でも…このままじゃ二人とも……」
凛「大丈夫にゃ…!凛がなんとかするから!!」
梨子「あー…あの〜……」
凛「…!」
凛「かよちんに手は出させないにゃ!凛が相手にゃ!!」
花陽「り…凛ちゃん…!」
梨子「え…えぇ……?」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:10:13.08 ID:1EXSRTGQ0
凛「喧嘩のカリスマだかなんだか知らないけど、凛の方が強いにゃ!!」
千歌「…!」
凛「にゃああああ!!」バッ!!
梨子(え…!?速…
パシッ!!
凛「え…?」
花陽(り…凛ちゃんが止められた…!?)
千歌「もぅ……危ないなぁ……」
梨子「千歌ちゃん…!」
凛「そ…そんな……凛のスピードが……」
千歌「えー…っと……その…凛…ちゃん…?いきなり人を殴ろうとしちゃダメだよ…?」
凛「…!」
花陽「凛ちゃん……」
千歌「じゃあ、帰ろ?梨子ちゃん」
梨子「そ…そうね……」
梨子「じゃ…じゃあね…!えっと…凛ちゃんと…か…かよちゃん…!」
凛「………」
花陽「あっ…は…はい…!さようなら……」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:10:49.30 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」
花陽「………」
凛「かよちん……」
花陽「…!」
凛「今まで凛のスピードについてきた人っていたっけ……?」
花陽「え…えっと……絵里先輩…くらいじゃ……」
凛「だよね…」
花陽「凛ちゃん……」
凛「ふっふっふっ……」
花陽「え…?」
凛「さすが喧嘩のカリスマさん……面白くなってきたにゃ……」
花陽「り…凛ちゃん……」
凛「決めた…!凛、絵里先輩の前に千歌先輩を倒す!!」
花陽「えぇ…!?た…倒すの…!?」
凛「うん…!!絶対……」
凛「絶対やってやるにゃ!!」
花陽「…!」
花陽「うん…!!」
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57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:11:21.64 ID:1EXSRTGQ0
帰り道−
梨子「はぁ……怖かった……急に殴りかかってくるんだもん……」トコトコ
千歌「そ…そうだね〜……」トコトコ
千歌(うぅ……喧嘩のカリスマって言ってたし、あれ絶対、私狙ってるよなぁ……)
千歌(はぁ…私は、普通に暮らしたいだけなのに……)
梨子「あの子達、ヤンキーよね…?」
千歌「え…?あ…あぁ……だろうね」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:11:56.38 ID:1EXSRTGQ0
梨子「はぁ……しつこく絡まれたりしないわね…?私…ああいう人達苦手で……」
千歌「えっ…」
梨子「だって、ほら…話が通じないし…気に入らないと暴力振るうし……」
千歌「う…うん……」
梨子「はぁ…何もないように静かに暮らしてたのに……なんで、またこうなるのかしら……」
千歌「ま…また…?」
梨子「うん……その…昔にも、ヤンキーの人達にしつこくされた事があって……」
千歌「………」
梨子「だから…絶対そういう人達には関わらないように!って思ってたの……」
千歌「そ…そっか……」
千歌(うっ…)
千歌(こ…これは……)
千歌(絶対、私が元ヤンだってバレちゃいけないやつだ…)
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:12:33.37 ID:1EXSRTGQ0
梨子「あっ…じゃあ、私の家ここのマンションだから」
千歌「え…!?」
梨子「じゃあね、千歌ちゃん」ニコッ
千歌「え……」
千歌「えええええええええええええええ!!??」
梨子「えぇ…!?な…なに…!?」
千歌「わ……」
梨子「?」
千歌「私の家も……ここ……」
梨子「え……」
梨子「ええええええええええええええ!!??」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:13:21.96 ID:1EXSRTGQ0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
マンション−
千歌「え……?」
梨子「うそ……」
千歌「そ…そこ梨子ちゃん家……?」
梨子「う…うん……」
千歌「え……じゃ…じゃあ……」
梨子「うん……お隣……」
千歌「ええええええええええええええ!!??」
千歌「そういえば、隣の人、桜内だった!!」
梨子「私も、そういえば、高海さんが挨拶に来たってお母さんから聞いた…!!」
千歌「こ…こんな事って……」
梨子「あるのね……」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:13:53.96 ID:1EXSRTGQ0
千歌ママ「あっ、千歌おかえり〜」
千歌「お母さん!」
梨子「お母さん!?」
梨子(若っ!?)
千歌「仕事、今終わり?今日早いね」
千歌ママ「愛する娘の面倒見なきゃいけないからね、早めに抜けさせてもらったの」
千歌「おー!ありがとう!お母さん!」
千歌ママ「それより…千歌…?あなた、今日は喧…
千歌「わー!!!わー!!!」
千歌ママ「えぇ…?どうしたの……?」
千歌「な…なんでもないよ……」ダラダラダラ…
千歌(危なかった……お母さん…急に喧嘩とか言うんだもん……梨子ちゃんにバレるじゃん……)
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:14:30.69 ID:1EXSRTGQ0
梨子「あ…あの……」
千歌ママ「あっ…あら!桜内さんのとこの娘さんね!たしか…梨子ちゃんって言ったかしら!美人さんね〜」
梨子「え…!?///」
千歌ママ「なに?千歌、この子と友達になったの?いい子見つけたじゃない!」
千歌「えへへ……まあね…」
千歌ママ「乱暴者だけど、根は優しい子だから…よろしくね?梨子ちゃん」
千歌「あっ…」
千歌(ら…乱暴者って……!)
梨子(乱暴者…?)
梨子「は…はい…!こちらこそ、よろしくお願いします…!」
千歌「ふ…ふぅ……」
千歌(なんとかバレはしなかったか……)
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:15:17.66 ID:1EXSRTGQ0
千歌ママ「それじゃあ、家入りましょう?またね、梨子ちゃん」
梨子「あっ…!は…はい…!失礼します!」
千歌「じゃーねー、梨子ちゃん」フリフリ
梨子「うん、じゃあね、千歌ちゃん」フリフリ
ガチャ…
梨子(………)
梨子(それにしても……)
梨子(千歌ちゃんのお母さん、若いわね……)
梨子(………)
梨子(千歌ちゃんも年取ったら、ああいう感じなのかしら……)
梨子(………)
梨子(まあ、いいや……私も家入ろ……)
ガチャ…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:15:54.08 ID:1EXSRTGQ0
高海家−
鍋 グツグツ…
千歌ママ「どう?学校には慣れた?」
千歌「まあまあ……」
千歌ママ「東京はすごいでしょ?人もたくさんいて、みんな忙しそうにしてて」
千歌「ん…そうだね」
千歌ママ「………」
千歌「………」
千歌ママ「本当にあなた、喧嘩してない?」
千歌「…!」
千歌「し…してない……」
千歌ママ「………」トントントン…
千歌「………」
千歌ママ「まあ…千歌がそう言うな、信じるけどね、もう喧嘩はしちゃダメよ?」ジャーー……
千歌「わ…分かってる……」
千歌「ぼ…暴力は暴力しか生まない……でしょ?」
千歌ママ「そう……分かってるじゃない」
千歌「………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:16:34.51 ID:1EXSRTGQ0
次の日 朝−
千歌「ふぁ〜あ……眠い……」
千歌「行ってきま〜す……」ガチャ…
凛「あー!!出てきたにゃー!!」
千歌「………」
千歌「……はい…?」
凛「降りてくるにゃー!!勝負にゃー!!」
千歌「こ…これは……」
梨子「さっきからずっとこの調子で……」
千歌「梨子ちゃん!?」
梨子「おはよう…千歌ちゃん…」
千歌「お…おはよう……」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:17:05.53 ID:1EXSRTGQ0
梨子「なんか、喧嘩のカリスマだの…浦の星の番長だの……よく分からない事を言ってて……」
千歌「うっ……」
千歌(わ…私の事だ……)
凛「降りてくるにゃー!!」
千歌「うぅ……」
梨子「はぁ……なんだか分かんないけど登っては来ないみたい……まあ、このままじゃ学校に行く事もできないけど……」
千歌(………)
千歌(狭い所で戦ったら自慢のスピードが生かせないからだろうなぁ……)
千歌(うぅ…めんどくさい……)
千歌(ぶん殴って黙らせるわけにもいかないし……かといってこのままじゃ学校に行けないし……)
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:17:45.76 ID:1EXSRTGQ0
千歌「………」
千歌「しょーがない……」
梨子「千歌ちゃん…?」
千歌「走ろう」
梨子「え…!」
千歌「走って逃げよう」
梨子「む…無理!!」
千歌「大丈夫だよ!私達の方が一個上だし、普通に走っても…」
梨子「無理よ!私すっごい足遅いもん!!」
千歌「………」
梨子「絶対追いつかれるわ」
千歌「………」
千歌「そんな自信満々に言われても……」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:18:23.96 ID:1EXSRTGQ0
梨子「でも、事実よ」
千歌「………」
千歌「はぁ……分かったよ……」
梨子「?」
千歌「じゃあ、私が囮になるから、梨子ちゃん先逃げてて」
梨子「えっ…!」
梨子「ダ…ダメよ…!!そんなの…!千歌ちゃんを置いて私だけ逃げるなんて…!」
千歌「大丈夫……」
千歌「私…梨子ちゃんと違って足早いから!」ニカッ!
梨子「なっ…」
千歌「じゃ!そういう事で!たぶん私、遅刻するから、適当に誤魔化しといてー!」タッタッタッ!
梨子「えぇ…!?ちょっと!千歌ちゃん!?」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:18:55.40 ID:1EXSRTGQ0
凛「ん?」
凛「あっ!降りてきたにゃー!!」
千歌「こっちだよー!!」タッタッタッ!!
凛「待つにゃー!!」ダッ!
千歌「よしっ…!こっち来た…!」タッタッタッ!!
凛「逃げても無駄にゃー!!」タッタッタッ!!
タッタッタッタッタッ……
梨子「…す…すごい……」
梨子「二人とも速い……もう見えなくなっちゃった……」
梨子「………」
梨子「ああいう人達は、きっと運動会とかも楽しかったんだろうなぁ……」
梨子「私、トラウマしかない……」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:19:38.63 ID:1EXSRTGQ0
梨子「はぁ……学校行こ…私も遅刻しちゃう……」
梨子「………」タッタッタッ…
梨子「………」トコトコトコ…
花陽「あ…あの……」
梨子「…!?」ビクッ!!
梨子「か…かよちゃん…!?」
花陽「は…はなよです……おはようございます…」
梨子「あ…そ…そう……はなよ…ちゃん……おはよう……」
梨子「え……?」
梨子「も…もしかして……ずっと居たの…?」
花陽「はい……凛ちゃんと一緒に……」
梨子「見えなかったけど……」
花陽「隠れてました……」
梨子「なぜ……」
花陽「恥ずかしくて……」
梨子「………」
梨子(え…?なんで…!?)
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:20:14.63 ID:1EXSRTGQ0
花陽「そ…その……梨子先輩……」
梨子「え…?な…なに……?」
花陽「ご…ごめんなさい……!」
梨子「えっ…?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:20:51.42 ID:1EXSRTGQ0
万世橋−
千歌「はぁ…はぁ……」タッタッタッ!!
凛「待つにゃー!!」タッタッタッ!!
千歌(ぐぅ…ま…まだ喋る余裕があるのか……) タッタッタッ!!
凛「にゃあああ!!」タッタッタッ!!
千歌(めちゃくちゃ走るの得意だな…この子……私だって地元じゃ一番二番を争うくらいに速かったのに……) タッタッタッ!!
凛「捕まえたにゃ!」ガバッ!
千歌「わあっ…!」スルリッ…!
凛「あー!避けられたにゃ!!」
千歌「ひぃ…!」タッタッタッ!!
凛「待つにゃー!!なんで勝負しないにゃー!!」タッタッタッ!!
千歌(喧嘩しちゃダメだからだよ…!!) タッタッタッ!!
千歌(あーもー!上手いことまいて、学校行こうと思ってたのにー!!) タッタッタッ!!
凛「往生際が悪いにゃー!!」タッタッタッ!!
千歌「は…速……」タッタッタッ!!
千歌(うぅ…ごめん…梨子ちゃん……今日、私、遅刻じゃなくて欠席かも……) タッタッタッ!!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:21:18.74 ID:1EXSRTGQ0
通学路−
梨子「そ…そんな……花陽ちゃんが謝る事じゃ……」
花陽「いや……私のせいなんです……」
梨子「え…?」
花陽「実は……凛ちゃんが、喧嘩ばかりするのは私のせいで……」
梨子「そ…そうなの……?」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:21:49.67 ID:1EXSRTGQ0
花陽「はい……その…えっと……あんまり言いたくない事なんですけど……私…昔いじめられてて……」
梨子「…!」
花陽「ほら…私……こんな性格だし…鈍臭いから……それで、クラスの子にバカにされて……」
梨子「そ…そう……」
花陽「そういう時はいつも決まって凛ちゃんが助けてくれて……」
梨子「凛ちゃんが…?いい子じゃないの……」
花陽「そうなんです……凛ちゃんは本当はすごく優しくて…人を殴るなんて……よっぽどの事でもない限りしたくないはずなんです……」
梨子「じゃあ、なんで……」
花陽「凛ちゃんは、私を守るためだって言ってくれてます……」
梨子「花陽ちゃんを……?」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:23:10.35 ID:1EXSRTGQ0
花陽「はい……凛ちゃんは私がいじめられないように強くなるんだ!って言ってて……」
梨子「そう……」
花陽「そうやって誰彼構わず喧嘩ばかりしてたら、中学の時に「アキバの暴れ猫」なんて異名まで付いちゃって……」
梨子「アキバの暴れ猫……」
花陽「それで、私……どうしたらいいか分かんなくて……凛ちゃんは私のためにやってくれてる事だから……私も少しでも凛ちゃんの力になろうって思って……」
梨子「それで、不良に詳しいのね……花陽ちゃんは……」
花陽「はい……」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:23:52.06 ID:1EXSRTGQ0
梨子「………」
梨子「花陽ちゃん……」
花陽「は…はい…なんですか…?」
梨子「厳しいことを言うようだけど……それは間違ってるわよ」
花陽「…!」
梨子「花陽ちゃんか本当に凛ちゃんの事思ってるなら、止めてあげなきゃ…!」
花陽「と…止める……」
梨子「そう……このままじゃ凛ちゃんは、いつか大怪我をするかもしれない……それに凛ちゃんだけじゃない……凛ちゃんに傷つけられた人も沢山でる……」
花陽「…!」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:24:20.24 ID:1EXSRTGQ0
梨子「それは、すごく良くない事……分かるでしょ?」
花陽「は…はい……」ウルウル…
梨子「えぇ…!?ちょ…ちょっと…!なんで泣くの!?私、キツく言い過ぎた!?」
花陽「ち…違います……ただ…今までそんな風に言ってくれた人いなかったから……」ウルウル…
梨子「…!」
梨子「そう……辛かったわね……」
花陽「でも、今の言葉で決心がつきました…!私……今日、凛ちゃんに言ってみます…!!」
梨子「えらい!きっと凛ちゃんも分かってくれるわ」
花陽「はい…!ありがとうございます…!」
梨子「あとは……」
花陽「………」
梨子「あの二人が、学校に来るかどうかが問題ね……」
花陽「そ…そうですね……」
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78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:25:01.28 ID:1EXSRTGQ0
秋葉原UDX−
凛「はぁ…はぁ……」
千歌「はぁ…はぁ……」
千歌(やっと止まった……)
千歌(私も、もう走れないけど……)
凛「はぁ…はぁ……」
凛(凛が追いつけないなんて……)
凛「はぁ…はぁ……」
千歌「はぁ…はぁ……」
凛「……ぐっ…」
千歌「…?」
凛「にゃああっ!!」ガバッ!!
千歌「おわっ!」スルリッ…!
凛「ぐぬぬ……また避ける……」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:25:30.08 ID:1EXSRTGQ0
千歌「はぁ…はぁ……」
凛「なんで逃げてばっかりにゃ!強いんだから、正々堂々勝負するにゃ!!」
千歌「ぐっ…」
凛「食らうにゃ!!」サッ…!
千歌「…!」
凛「にゃ!」ブンッ!
千歌「おっと…」スッ…
凛「にゃ!」ブンッ!
千歌「ほっ!」スッ!
凛「にゃ!!」ブンッ!
千歌「わっ…と!」スッ!
凛「なっ…」
凛「凛のパンチが当たらない……」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:26:45.03 ID:1EXSRTGQ0
千歌「………」
千歌「たしかに…凛ちゃんのパンチは速い……」
凛「…!」
千歌「普通の相手なら、これで十分通用するだろうね……」
凛「な…何が言いたいにゃ…!」
千歌「速さだけじゃ、私には通用しないって事!」
凛「…!」
凛「速さ…だけ……」
千歌「やるだけ無駄だよ……?もう完全に遅刻だけど、学校行こうよ」
凛「…!」ムカッ
凛「無駄じゃないにゃ!!第一、千歌先輩は一回も反撃もできてないにゃ!これは凛のスピードについてこれてな…
千歌「…」サッ!
凛「…!」
凛「にゃ…」
凛(す…寸止め……)
千歌「はい…終わり……今のを振り抜いてたら凛ちゃん立てないよ?」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:27:21.63 ID:1EXSRTGQ0
凛「た…立てたにゃ!!だいたい、なんで振り抜かないにゃ!!凛は情けなんて…
千歌「あー!もー!うるさいなー!!喧嘩はやめるって決めたんだよ!!」
凛「え…?」
凛「な…なんでやめるにゃ!!そんなに強いのに!」
千歌「………」
千歌「強くないよ…」
凛「え…?でも……」
千歌「凛ちゃんは強さを分かってない……喧嘩に強いは強さじゃない……」
凛「…?」
凛「ど…どういう事にゃ……?」
千歌「喧嘩が強くても何も守れないって事」
凛「…!」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:27:57.77 ID:1EXSRTGQ0
凛「そ…そんな事ないにゃ…!!凛は今まで喧嘩に強くなる事で、かよちんを守ってきたにゃ…!」
千歌「かよちゃんを…?」
千歌「そう……じゃあ、それは間違ってる」
凛「…!?」
凛「なんで、そんな事言うにゃ…!凛はかよちんの事を思って……」
千歌「凛ちゃんが本当にかよちゃんの事を思ってるなら、喧嘩は辞めるべきだよ」
凛「で…でも…!凛は…」
千歌「………」
凛「凛は……かよちんのために……」
千歌「………」
千歌「はぁ……じゃあ、少し昔話してあげるよ」
凛「昔話…?」
千歌「あんまり話したくない事なんだけどね……凛ちゃんは私と似てるから……」
凛「?」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:28:43.15 ID:1EXSRTGQ0
凛「ど…どういう事にゃ…?」
千歌「このままだと凛ちゃんは、いつか必ず後悔する……私と同じように……」
千歌「そうなって欲しくはないから……」
凛「千歌先輩と同じように……?」
千歌「そう……あれは私が、まだ浦の星にいた頃の話……」
凛「……」ゴクリッ…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:29:15.34 ID:1EXSRTGQ0
同じ頃 二年生教室−
先生「えー…で、あるからして……」
梨子「………」
梨子(千歌ちゃん遅い……もう一限始まっちゃったじゃない……)
梨子(もう……なにやってるのかしら……)
先生「あー…じゃあ、桜内さん、この問題解けるかしら?」
梨子(まさか今頃、凛ちゃんに捕まって、いじめられてるんじゃ……)
先生「………」
梨子(そんな…私を庇ったばっかりに……)
先生「あー……桜内さん…?」
梨子(どうしよう……今からでも助けに……)
先生「………」
生徒「おーい…」ツンッ
梨子「え…!?なに……?」ビクッ!
生徒「指されてるよ…?」
梨子「え…?」
先生「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…
梨子「あ……」
梨子「す…すみませんでした……」
先生「次からは気をつけるように…!」
梨子「はい……」
梨子(うぅ……このままじゃ全然集中できない……)
梨子(千歌ちゃん……無事に帰ってきて……)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:30:16.72 ID:1EXSRTGQ0
秋葉原UDX−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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−−−−−−−−−−−−−−
千歌「…それで私は浦の星を退学になって、今は、お母さんを頼って、こうして秋葉原にいるの……」
凛「じゃ…じゃあ、千歌先輩が喧嘩しない理由って……」
千歌「うん……あんな事があったからだよ……」
千歌「暴力は暴力しか生まない……」
凛「…!」
凛「で…でも…!千歌先輩は友達のために…!」
千歌「理由はどうであれ、暴力は暴力……」
千歌「そんな方法でしか訴えられなかった私がバカだった……それだけだよ……」
凛「…!」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:30:47.71 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」
凛(す…すごい……凛と一つしか変わらないのに……こんな事まで考えてるなんて……)
千歌「だから、凛ちゃんには私のようにはなって欲しくない……」
凛(ダメだ……凛……とても、この人には敵わない……)
千歌「かよちゃんなら、喧嘩以外で守る事ができる……それに、きっとその方が、かよちゃんも嬉しいはずだから……」
凛「わ…分かったにゃ……」
凛「いや……分かりましたにゃ…!!」
千歌「う…うん……」
千歌(急に敬語……)
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 14:31:17.48 ID:1EXSRTGQ0
凛「凛、感動しました…!!千歌先輩、すごいです!凛も千歌先輩みたいな、立派な人間になりたいです!」
千歌「そ…そう…?えへへ……そこまで言われると照れるね…///」
千歌「じゃあ…まあ、頑張ってね!凛ちゃん!私も応援してるよ!」
凛「はい!!ありがとうございます!!凛は、一生千歌先輩についていきますにゃ…!!!」
千歌「え…?」
凛「よろしくお願いします…!!」ペコリッ!
千歌「んん…??」
千歌(あれ…?なんか話がおかしな方向にいってるような……)
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