千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 22:07:51.17 ID:9LBcr/9To
期待
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 04:42:27.64 ID:RGO8/TWSo
面白くなりそう
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 04:56:18.38 ID:P1Rc6df4o
なんかわからんが凄く微妙
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:04:52.56 ID:1EXSRTGQ0
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一年生教室−


花陽「はぁ…はぁ…!」タッタッタッタッ…!

花陽 「り…凛ちゃん…!」ガララ…!

凛「ん?どうしたにゃ?」

花陽「はぁ…はぁ……た…大変なの…!」

凛「た…大変…!? なにが…!?」

花陽「け…喧嘩の……」

凛「喧嘩の……?」

花陽「喧嘩のカリスマが、この学校に転校してきたの…!!!」

凛「け…喧嘩のカリスマぁ…!?」

花陽「う…うん……」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 14:05:18.40 ID:1EXSRTGQ0
凛「だ……」

凛「誰にゃ……そいつ……」

花陽「ええええええええええええ!!??し…知らないの!!??」

凛「凛はかよちんみたいに、不良界の事は詳しくないにゃ」

花陽「喧嘩のカリスマって言ったら、無敗どころか、まともに攻撃を食らった事すらない、最強のヤンキー…!全ての攻撃を避け、狙いすました必殺のカウンターで相手を一撃でしとめる!その芸術的とまで言える喧嘩スタイルから「喧嘩のカリスマ」と呼ばれるようになった、静岡は浦の星女学院の最強番長…!高海千歌さんの事だよ…!?本当に知らないの!?」

凛「う〜ん……前にかよちんから聞いたような…聞いてないような……」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:05:50.52 ID:1EXSRTGQ0
花陽「と…とにかく…!!そんなすごい人が、この学校に転校してきちゃったって事なんだよ…!」

凛「ふふっ……大丈夫にゃ!そんなの凛が、すぐにぶっ倒してやるにゃ!」

花陽「い…いや……今回ばかりは、さすがの凛ちゃんでも……」

凛「そ…そんなに強いの?」

花陽「うん……噂で聞いた限りだと、もしかしたら……うちの番長の絵里先輩より強いかも……」

凛「絵里先輩よりも…!?」

花陽「うん……あくまで予想だけどね…?」

凛「そ…そんな……じゃあ…」ワナワナ

花陽「うん……番長交代があるかもしれない……」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:06:19.49 ID:1EXSRTGQ0
凛「なっ…! え…絵里先輩は、凛が倒す予定なのに……」ワナワナ

凛 バンッ…!!

花陽「凛ちゃん…!?」

凛「こうしちゃいられないにゃ…!!今すぐでも行って、どんな奴なのか偵察に……」


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


凛「あっ……」

花陽「昼休み終わっちゃったね……」

凛「にゃ……」

花陽「後で行こっか…」

凛「そうするにゃ…」



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50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:06:48.18 ID:1EXSRTGQ0

放課後−

二年生教室−


梨子「えっ……?か…返してくれるの……?」

ヤンキーA「へへっ……いやぁ…その……はは…」

千歌「あっ……!それ、梨子ちゃんの落としたノート!?もしかして、拾ってくれたの!?」

ヤンキーA「えっ…」

千歌「わー!良かったね!梨子ちゃん!!」

梨子「え…?えぇ……そ…そうね…」

千歌「それにしても、君達、実はいい子なんだね!!いやぁ〜!良かった!良かった!」

ヤンキーA「あ…あはは……」

梨子「あはは……」


51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:07:18.51 ID:1EXSRTGQ0

教室前廊下−


凛「あ…あれが高海千歌先輩……」コソコソ

花陽「す…すごい……もう二年の鮫島先輩達を舎弟にしてる……」コソコソ

凛「あんなのは、ただの口だけヤンキーにゃ。それよりも…千歌先輩の隣にいる人の方が気になるにゃ……」

花陽「誰だろう……私も分かんないや……」

凛「かよちんが分かんないなら、ヤンキーじゃないんじゃ……」

花陽「でも、見た感じだと千歌先輩と対等っぽいよ?ただ者じゃないかも……」

凛「たしかに……」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:07:59.04 ID:1EXSRTGQ0


ガタッ…


凛「あっ…!出てくるにゃ…!!」

花陽「う…うん…!!」


千歌「それでね〜、マフラーを変えると全然音が違ってね〜…」

梨子「へぇ〜、千歌ちゃんバイク詳しいのね〜」

凛「……」ジーーー……

千歌「まぁね〜!乗ってたから!」

梨子「えぇ…!?そうなの…!?」

花陽「……」ジーーー……

千歌「う…うん…!前の学校ではね!」

梨子「えぇ…!?バイクで行って良かったの!?」

凛「……」ジーーー……

千歌「あっ…そ…それは……」

花陽「……」ジーーー……

千歌「………」

凛「……」ジーーー……

梨子「………」

花陽「……」ジーーー……

凛「……」ジーーー……

千歌「え…!?なに…!!??」

凛「…!」ビクッ!
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:08:45.54 ID:1EXSRTGQ0
千歌「なんでずっと見てるの!?何か用!!??」

梨子「ち…千歌ちゃん……落ち着いて……」

花陽「あわわ……」

梨子「ほら…怖がっちゃってるじゃない……全く……」

千歌「あ…あはは……ごめんごめん……つい…」

梨子「あなた達…一年生?何か用があったんでしょ?どうしたの?」ニコッ

花陽「あわわ……」
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花陽視点−

梨子「てめぇら一年か!?何の用じゃコラァ!!」

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花陽「あわわわ……」

凛「か…かよちん…!!しっかりして…!」

花陽「り…凛ちゃん……」

千歌「いや、梨子ちゃんも怖がられてるじゃん……」

梨子「あ…あれ……?おかしいな……」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:09:30.54 ID:1EXSRTGQ0
花陽「わ…私の事はいいから……凛ちゃんだけでも逃げて……」

凛「そんな…!かよちんを置いて逃げるなんてできないにゃ!!」

千歌「……」

梨子「……」

花陽「でも…このままじゃ二人とも……」

凛「大丈夫にゃ…!凛がなんとかするから!!」

梨子「あー…あの〜……」

凛「…!」

凛「かよちんに手は出させないにゃ!凛が相手にゃ!!」

花陽「り…凛ちゃん…!」

梨子「え…えぇ……?」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:10:13.08 ID:1EXSRTGQ0
凛「喧嘩のカリスマだかなんだか知らないけど、凛の方が強いにゃ!!」

千歌「…!」

凛「にゃああああ!!」バッ!!

梨子(え…!?速…


パシッ!!


凛「え…?」

花陽(り…凛ちゃんが止められた…!?)

千歌「もぅ……危ないなぁ……」

梨子「千歌ちゃん…!」

凛「そ…そんな……凛のスピードが……」

千歌「えー…っと……その…凛…ちゃん…?いきなり人を殴ろうとしちゃダメだよ…?」

凛「…!」

花陽「凛ちゃん……」

千歌「じゃあ、帰ろ?梨子ちゃん」

梨子「そ…そうね……」

梨子「じゃ…じゃあね…!えっと…凛ちゃんと…か…かよちゃん…!」

凛「………」

花陽「あっ…は…はい…!さようなら……」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:10:49.30 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」

花陽「………」

凛「かよちん……」

花陽「…!」

凛「今まで凛のスピードについてきた人っていたっけ……?」

花陽「え…えっと……絵里先輩…くらいじゃ……」

凛「だよね…」

花陽「凛ちゃん……」

凛「ふっふっふっ……」

花陽「え…?」

凛「さすが喧嘩のカリスマさん……面白くなってきたにゃ……」

花陽「り…凛ちゃん……」

凛「決めた…!凛、絵里先輩の前に千歌先輩を倒す!!」

花陽「えぇ…!?た…倒すの…!?」

凛「うん…!!絶対……」

凛「絶対やってやるにゃ!!」

花陽「…!」

花陽「うん…!!」



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57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:11:21.64 ID:1EXSRTGQ0

帰り道−


梨子「はぁ……怖かった……急に殴りかかってくるんだもん……」トコトコ

千歌「そ…そうだね〜……」トコトコ

千歌(うぅ……喧嘩のカリスマって言ってたし、あれ絶対、私狙ってるよなぁ……)

千歌(はぁ…私は、普通に暮らしたいだけなのに……)

梨子「あの子達、ヤンキーよね…?」

千歌「え…?あ…あぁ……だろうね」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:11:56.38 ID:1EXSRTGQ0
梨子「はぁ……しつこく絡まれたりしないわね…?私…ああいう人達苦手で……」

千歌「えっ…」

梨子「だって、ほら…話が通じないし…気に入らないと暴力振るうし……」

千歌「う…うん……」

梨子「はぁ…何もないように静かに暮らしてたのに……なんで、またこうなるのかしら……」

千歌「ま…また…?」

梨子「うん……その…昔にも、ヤンキーの人達にしつこくされた事があって……」

千歌「………」

梨子「だから…絶対そういう人達には関わらないように!って思ってたの……」

千歌「そ…そっか……」

千歌(うっ…)

千歌(こ…これは……)

千歌(絶対、私が元ヤンだってバレちゃいけないやつだ…)
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:12:33.37 ID:1EXSRTGQ0
梨子「あっ…じゃあ、私の家ここのマンションだから」

千歌「え…!?」

梨子「じゃあね、千歌ちゃん」ニコッ

千歌「え……」

千歌「えええええええええええええええ!!??」

梨子「えぇ…!?な…なに…!?」

千歌「わ……」

梨子「?」

千歌「私の家も……ここ……」

梨子「え……」

梨子「ええええええええええええええ!!??」


60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:13:21.96 ID:1EXSRTGQ0
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マンション−


千歌「え……?」

梨子「うそ……」

千歌「そ…そこ梨子ちゃん家……?」

梨子「う…うん……」

千歌「え……じゃ…じゃあ……」

梨子「うん……お隣……」

千歌「ええええええええええええええ!!??」

千歌「そういえば、隣の人、桜内だった!!」

梨子「私も、そういえば、高海さんが挨拶に来たってお母さんから聞いた…!!」

千歌「こ…こんな事って……」

梨子「あるのね……」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:13:53.96 ID:1EXSRTGQ0
千歌ママ「あっ、千歌おかえり〜」

千歌「お母さん!」

梨子「お母さん!?」

梨子(若っ!?)

千歌「仕事、今終わり?今日早いね」

千歌ママ「愛する娘の面倒見なきゃいけないからね、早めに抜けさせてもらったの」

千歌「おー!ありがとう!お母さん!」

千歌ママ「それより…千歌…?あなた、今日は喧…

千歌「わー!!!わー!!!」

千歌ママ「えぇ…?どうしたの……?」

千歌「な…なんでもないよ……」ダラダラダラ…

千歌(危なかった……お母さん…急に喧嘩とか言うんだもん……梨子ちゃんにバレるじゃん……)
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:14:30.69 ID:1EXSRTGQ0
梨子「あ…あの……」

千歌ママ「あっ…あら!桜内さんのとこの娘さんね!たしか…梨子ちゃんって言ったかしら!美人さんね〜」

梨子「え…!?///」

千歌ママ「なに?千歌、この子と友達になったの?いい子見つけたじゃない!」

千歌「えへへ……まあね…」

千歌ママ「乱暴者だけど、根は優しい子だから…よろしくね?梨子ちゃん」

千歌「あっ…」

千歌(ら…乱暴者って……!)

梨子(乱暴者…?)

梨子「は…はい…!こちらこそ、よろしくお願いします…!」

千歌「ふ…ふぅ……」

千歌(なんとかバレはしなかったか……)
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:15:17.66 ID:1EXSRTGQ0
千歌ママ「それじゃあ、家入りましょう?またね、梨子ちゃん」

梨子「あっ…!は…はい…!失礼します!」

千歌「じゃーねー、梨子ちゃん」フリフリ

梨子「うん、じゃあね、千歌ちゃん」フリフリ


ガチャ…


梨子(………)

梨子(それにしても……)

梨子(千歌ちゃんのお母さん、若いわね……)

梨子(………)

梨子(千歌ちゃんも年取ったら、ああいう感じなのかしら……)

梨子(………)

梨子(まあ、いいや……私も家入ろ……)


ガチャ…



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64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:15:54.08 ID:1EXSRTGQ0

高海家−


鍋 グツグツ…


千歌ママ「どう?学校には慣れた?」

千歌「まあまあ……」

千歌ママ「東京はすごいでしょ?人もたくさんいて、みんな忙しそうにしてて」

千歌「ん…そうだね」

千歌ママ「………」

千歌「………」

千歌ママ「本当にあなた、喧嘩してない?」

千歌「…!」

千歌「し…してない……」

千歌ママ「………」トントントン…

千歌「………」

千歌ママ「まあ…千歌がそう言うな、信じるけどね、もう喧嘩はしちゃダメよ?」ジャーー……

千歌「わ…分かってる……」

千歌「ぼ…暴力は暴力しか生まない……でしょ?」

千歌ママ「そう……分かってるじゃない」

千歌「………」



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65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:16:34.51 ID:1EXSRTGQ0

次の日 朝−


千歌「ふぁ〜あ……眠い……」

千歌「行ってきま〜す……」ガチャ…

凛「あー!!出てきたにゃー!!」

千歌「………」

千歌「……はい…?」

凛「降りてくるにゃー!!勝負にゃー!!」

千歌「こ…これは……」

梨子「さっきからずっとこの調子で……」

千歌「梨子ちゃん!?」

梨子「おはよう…千歌ちゃん…」

千歌「お…おはよう……」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:17:05.53 ID:1EXSRTGQ0
梨子「なんか、喧嘩のカリスマだの…浦の星の番長だの……よく分からない事を言ってて……」

千歌「うっ……」

千歌(わ…私の事だ……)

凛「降りてくるにゃー!!」

千歌「うぅ……」

梨子「はぁ……なんだか分かんないけど登っては来ないみたい……まあ、このままじゃ学校に行く事もできないけど……」

千歌(………)

千歌(狭い所で戦ったら自慢のスピードが生かせないからだろうなぁ……)

千歌(うぅ…めんどくさい……)

千歌(ぶん殴って黙らせるわけにもいかないし……かといってこのままじゃ学校に行けないし……)
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:17:45.76 ID:1EXSRTGQ0
千歌「………」

千歌「しょーがない……」

梨子「千歌ちゃん…?」

千歌「走ろう」

梨子「え…!」

千歌「走って逃げよう」

梨子「む…無理!!」

千歌「大丈夫だよ!私達の方が一個上だし、普通に走っても…」

梨子「無理よ!私すっごい足遅いもん!!」

千歌「………」

梨子「絶対追いつかれるわ」

千歌「………」

千歌「そんな自信満々に言われても……」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:18:23.96 ID:1EXSRTGQ0
梨子「でも、事実よ」

千歌「………」

千歌「はぁ……分かったよ……」

梨子「?」

千歌「じゃあ、私が囮になるから、梨子ちゃん先逃げてて」

梨子「えっ…!」

梨子「ダ…ダメよ…!!そんなの…!千歌ちゃんを置いて私だけ逃げるなんて…!」

千歌「大丈夫……」

千歌「私…梨子ちゃんと違って足早いから!」ニカッ!

梨子「なっ…」

千歌「じゃ!そういう事で!たぶん私、遅刻するから、適当に誤魔化しといてー!」タッタッタッ!

梨子「えぇ…!?ちょっと!千歌ちゃん!?」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:18:55.40 ID:1EXSRTGQ0
凛「ん?」

凛「あっ!降りてきたにゃー!!」

千歌「こっちだよー!!」タッタッタッ!!

凛「待つにゃー!!」ダッ!

千歌「よしっ…!こっち来た…!」タッタッタッ!!

凛「逃げても無駄にゃー!!」タッタッタッ!!


タッタッタッタッタッ……


梨子「…す…すごい……」

梨子「二人とも速い……もう見えなくなっちゃった……」

梨子「………」

梨子「ああいう人達は、きっと運動会とかも楽しかったんだろうなぁ……」

梨子「私、トラウマしかない……」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:19:38.63 ID:1EXSRTGQ0
梨子「はぁ……学校行こ…私も遅刻しちゃう……」

梨子「………」タッタッタッ…

梨子「………」トコトコトコ…

花陽「あ…あの……」

梨子「…!?」ビクッ!!

梨子「か…かよちゃん…!?」

花陽「は…はなよです……おはようございます…」

梨子「あ…そ…そう……はなよ…ちゃん……おはよう……」

梨子「え……?」

梨子「も…もしかして……ずっと居たの…?」

花陽「はい……凛ちゃんと一緒に……」

梨子「見えなかったけど……」

花陽「隠れてました……」

梨子「なぜ……」

花陽「恥ずかしくて……」

梨子「………」

梨子(え…?なんで…!?)
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:20:14.63 ID:1EXSRTGQ0
花陽「そ…その……梨子先輩……」

梨子「え…?な…なに……?」

花陽「ご…ごめんなさい……!」

梨子「えっ…?」



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72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:20:51.42 ID:1EXSRTGQ0

万世橋−


千歌「はぁ…はぁ……」タッタッタッ!!

凛「待つにゃー!!」タッタッタッ!!

千歌(ぐぅ…ま…まだ喋る余裕があるのか……) タッタッタッ!!

凛「にゃあああ!!」タッタッタッ!!

千歌(めちゃくちゃ走るの得意だな…この子……私だって地元じゃ一番二番を争うくらいに速かったのに……) タッタッタッ!!

凛「捕まえたにゃ!」ガバッ!

千歌「わあっ…!」スルリッ…!

凛「あー!避けられたにゃ!!」

千歌「ひぃ…!」タッタッタッ!!

凛「待つにゃー!!なんで勝負しないにゃー!!」タッタッタッ!!

千歌(喧嘩しちゃダメだからだよ…!!) タッタッタッ!!

千歌(あーもー!上手いことまいて、学校行こうと思ってたのにー!!) タッタッタッ!!

凛「往生際が悪いにゃー!!」タッタッタッ!!

千歌「は…速……」タッタッタッ!!

千歌(うぅ…ごめん…梨子ちゃん……今日、私、遅刻じゃなくて欠席かも……) タッタッタッ!!



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73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:21:18.74 ID:1EXSRTGQ0

通学路−


梨子「そ…そんな……花陽ちゃんが謝る事じゃ……」

花陽「いや……私のせいなんです……」

梨子「え…?」

花陽「実は……凛ちゃんが、喧嘩ばかりするのは私のせいで……」

梨子「そ…そうなの……?」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:21:49.67 ID:1EXSRTGQ0
花陽「はい……その…えっと……あんまり言いたくない事なんですけど……私…昔いじめられてて……」

梨子「…!」

花陽「ほら…私……こんな性格だし…鈍臭いから……それで、クラスの子にバカにされて……」

梨子「そ…そう……」

花陽「そういう時はいつも決まって凛ちゃんが助けてくれて……」

梨子「凛ちゃんが…?いい子じゃないの……」

花陽「そうなんです……凛ちゃんは本当はすごく優しくて…人を殴るなんて……よっぽどの事でもない限りしたくないはずなんです……」

梨子「じゃあ、なんで……」

花陽「凛ちゃんは、私を守るためだって言ってくれてます……」

梨子「花陽ちゃんを……?」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:23:10.35 ID:1EXSRTGQ0
花陽「はい……凛ちゃんは私がいじめられないように強くなるんだ!って言ってて……」

梨子「そう……」

花陽「そうやって誰彼構わず喧嘩ばかりしてたら、中学の時に「アキバの暴れ猫」なんて異名まで付いちゃって……」

梨子「アキバの暴れ猫……」

花陽「それで、私……どうしたらいいか分かんなくて……凛ちゃんは私のためにやってくれてる事だから……私も少しでも凛ちゃんの力になろうって思って……」

梨子「それで、不良に詳しいのね……花陽ちゃんは……」

花陽「はい……」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:23:52.06 ID:1EXSRTGQ0
梨子「………」

梨子「花陽ちゃん……」

花陽「は…はい…なんですか…?」

梨子「厳しいことを言うようだけど……それは間違ってるわよ」

花陽「…!」

梨子「花陽ちゃんか本当に凛ちゃんの事思ってるなら、止めてあげなきゃ…!」

花陽「と…止める……」

梨子「そう……このままじゃ凛ちゃんは、いつか大怪我をするかもしれない……それに凛ちゃんだけじゃない……凛ちゃんに傷つけられた人も沢山でる……」

花陽「…!」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:24:20.24 ID:1EXSRTGQ0
梨子「それは、すごく良くない事……分かるでしょ?」

花陽「は…はい……」ウルウル…

梨子「えぇ…!?ちょ…ちょっと…!なんで泣くの!?私、キツく言い過ぎた!?」

花陽「ち…違います……ただ…今までそんな風に言ってくれた人いなかったから……」ウルウル…

梨子「…!」

梨子「そう……辛かったわね……」

花陽「でも、今の言葉で決心がつきました…!私……今日、凛ちゃんに言ってみます…!!」

梨子「えらい!きっと凛ちゃんも分かってくれるわ」

花陽「はい…!ありがとうございます…!」

梨子「あとは……」

花陽「………」

梨子「あの二人が、学校に来るかどうかが問題ね……」

花陽「そ…そうですね……」



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78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:25:01.28 ID:1EXSRTGQ0

秋葉原UDX−


凛「はぁ…はぁ……」

千歌「はぁ…はぁ……」

千歌(やっと止まった……)

千歌(私も、もう走れないけど……)

凛「はぁ…はぁ……」

凛(凛が追いつけないなんて……)

凛「はぁ…はぁ……」

千歌「はぁ…はぁ……」

凛「……ぐっ…」

千歌「…?」

凛「にゃああっ!!」ガバッ!!

千歌「おわっ!」スルリッ…!

凛「ぐぬぬ……また避ける……」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:25:30.08 ID:1EXSRTGQ0
千歌「はぁ…はぁ……」

凛「なんで逃げてばっかりにゃ!強いんだから、正々堂々勝負するにゃ!!」

千歌「ぐっ…」

凛「食らうにゃ!!」サッ…!

千歌「…!」

凛「にゃ!」ブンッ!

千歌「おっと…」スッ…

凛「にゃ!」ブンッ!

千歌「ほっ!」スッ!

凛「にゃ!!」ブンッ!

千歌「わっ…と!」スッ!

凛「なっ…」

凛「凛のパンチが当たらない……」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:26:45.03 ID:1EXSRTGQ0
千歌「………」

千歌「たしかに…凛ちゃんのパンチは速い……」

凛「…!」

千歌「普通の相手なら、これで十分通用するだろうね……」

凛「な…何が言いたいにゃ…!」

千歌「速さだけじゃ、私には通用しないって事!」

凛「…!」

凛「速さ…だけ……」

千歌「やるだけ無駄だよ……?もう完全に遅刻だけど、学校行こうよ」

凛「…!」ムカッ

凛「無駄じゃないにゃ!!第一、千歌先輩は一回も反撃もできてないにゃ!これは凛のスピードについてこれてな…

千歌「…」サッ!

凛「…!」

凛「にゃ…」

凛(す…寸止め……)

千歌「はい…終わり……今のを振り抜いてたら凛ちゃん立てないよ?」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:27:21.63 ID:1EXSRTGQ0
凛「た…立てたにゃ!!だいたい、なんで振り抜かないにゃ!!凛は情けなんて…

千歌「あー!もー!うるさいなー!!喧嘩はやめるって決めたんだよ!!」

凛「え…?」

凛「な…なんでやめるにゃ!!そんなに強いのに!」

千歌「………」

千歌「強くないよ…」

凛「え…?でも……」

千歌「凛ちゃんは強さを分かってない……喧嘩に強いは強さじゃない……」

凛「…?」

凛「ど…どういう事にゃ……?」

千歌「喧嘩が強くても何も守れないって事」

凛「…!」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:27:57.77 ID:1EXSRTGQ0
凛「そ…そんな事ないにゃ…!!凛は今まで喧嘩に強くなる事で、かよちんを守ってきたにゃ…!」

千歌「かよちゃんを…?」

千歌「そう……じゃあ、それは間違ってる」

凛「…!?」

凛「なんで、そんな事言うにゃ…!凛はかよちんの事を思って……」

千歌「凛ちゃんが本当にかよちゃんの事を思ってるなら、喧嘩は辞めるべきだよ」

凛「で…でも…!凛は…」

千歌「………」

凛「凛は……かよちんのために……」

千歌「………」

千歌「はぁ……じゃあ、少し昔話してあげるよ」

凛「昔話…?」

千歌「あんまり話したくない事なんだけどね……凛ちゃんは私と似てるから……」

凛「?」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:28:43.15 ID:1EXSRTGQ0
凛「ど…どういう事にゃ…?」

千歌「このままだと凛ちゃんは、いつか必ず後悔する……私と同じように……」

千歌「そうなって欲しくはないから……」

凛「千歌先輩と同じように……?」

千歌「そう……あれは私が、まだ浦の星にいた頃の話……」

凛「……」ゴクリッ…



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84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:29:15.34 ID:1EXSRTGQ0

同じ頃 二年生教室−


先生「えー…で、あるからして……」

梨子「………」

梨子(千歌ちゃん遅い……もう一限始まっちゃったじゃない……)

梨子(もう……なにやってるのかしら……)

先生「あー…じゃあ、桜内さん、この問題解けるかしら?」

梨子(まさか今頃、凛ちゃんに捕まって、いじめられてるんじゃ……)

先生「………」

梨子(そんな…私を庇ったばっかりに……)

先生「あー……桜内さん…?」

梨子(どうしよう……今からでも助けに……)

先生「………」

生徒「おーい…」ツンッ

梨子「え…!?なに……?」ビクッ!

生徒「指されてるよ…?」

梨子「え…?」

先生「………」ゴゴゴゴゴゴゴ…

梨子「あ……」

梨子「す…すみませんでした……」

先生「次からは気をつけるように…!」

梨子「はい……」

梨子(うぅ……このままじゃ全然集中できない……)

梨子(千歌ちゃん……無事に帰ってきて……)



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85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:30:16.72 ID:1EXSRTGQ0

秋葉原UDX−


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千歌「…それで私は浦の星を退学になって、今は、お母さんを頼って、こうして秋葉原にいるの……」

凛「じゃ…じゃあ、千歌先輩が喧嘩しない理由って……」

千歌「うん……あんな事があったからだよ……」

千歌「暴力は暴力しか生まない……」

凛「…!」

凛「で…でも…!千歌先輩は友達のために…!」

千歌「理由はどうであれ、暴力は暴力……」

千歌「そんな方法でしか訴えられなかった私がバカだった……それだけだよ……」

凛「…!」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:30:47.71 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」

凛(す…すごい……凛と一つしか変わらないのに……こんな事まで考えてるなんて……)

千歌「だから、凛ちゃんには私のようにはなって欲しくない……」

凛(ダメだ……凛……とても、この人には敵わない……)

千歌「かよちゃんなら、喧嘩以外で守る事ができる……それに、きっとその方が、かよちゃんも嬉しいはずだから……」

凛「わ…分かったにゃ……」

凛「いや……分かりましたにゃ…!!」

千歌「う…うん……」

千歌(急に敬語……)
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:31:17.48 ID:1EXSRTGQ0
凛「凛、感動しました…!!千歌先輩、すごいです!凛も千歌先輩みたいな、立派な人間になりたいです!」

千歌「そ…そう…?えへへ……そこまで言われると照れるね…///」

千歌「じゃあ…まあ、頑張ってね!凛ちゃん!私も応援してるよ!」

凛「はい!!ありがとうございます!!凛は、一生千歌先輩についていきますにゃ…!!!」

千歌「え…?」

凛「よろしくお願いします…!!」ペコリッ!

千歌「んん…??」

千歌(あれ…?なんか話がおかしな方向にいってるような……)
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:32:02.98 ID:1EXSRTGQ0
凛「鞄お持ちしますにゃ」スッ…

千歌「え……あ…ありがとう……」

凛「んん…!?すごく軽いにゃ!!」

千歌「あぁ…お弁当ぐらいしか入ってないから…」

凛「お弁当だけ!?す…すごいにゃ…!!教材が無くても授業が分かるなんて…!!」

千歌「え……いや…そうは言ってな…

凛「喧嘩だけじゃなくて勉強もすごいなんて……さすが千歌先輩だにゃ…!!」

千歌「あ…あはは……」

千歌(ど…どうしよ……この状況……)

凛「それじゃあ、学校行くにゃー!!」ダッ!!

千歌「えぇ…!?ちょっと!?また走るの!?」

凛「当たり前にゃ!!早くかよちんに話がしたいにゃ!!」

千歌「えぇ……私、もう疲れたよ〜…」

凛「いいから、早く走るにゃー!」

千歌「うぅ……もうタメ口に戻ってる……」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:32:36.02 ID:1EXSRTGQ0
凛「あっ!それから、千歌先輩!かよちんの本名は「はなよ」だにゃ!かよちゃんじゃ誰か分からないにゃ!」

千歌「えぇ…!?そうなの…!?じゃあ、なんで、かよちんに…?」

凛「昔の事すぎて覚えてないにゃ!」

千歌「えぇ……気になる……」

凛「って、そんな事はどうでもいいにゃ!!早く学校行くにゃ!!さあ、走るにゃ!!」ダッ!!

千歌「あっ…!ちょ……」

凛 タタタッー!!

千歌「あ……」

凛 タタタッー!

千歌「………」

凛 タタタッー…

千歌「うぐぐ……」

千歌「もう…!!分かったよ!!走りゃあいいんでしょ!走れば!!」ダッ!!

千歌「うおおおおおお!!!凛ちゃん待てぇぇいっ!!!」タタタッー!!!



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90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:34:18.49 ID:1EXSRTGQ0

同じ頃 三年生教室−


先生「えー…で、あるからして……」

絵里「………」

ヤンキー「絵里さん…」

絵里「…」

ヤンキー「少しお耳に入れたい事が…」

絵里「………」

絵里「なに…?」

ヤンキー「二年の事なんですが…」

絵里「…」

ヤンキー「〜〜〜〜」コソコソ…

絵里「…!」

絵里「………」

絵里「へぇ……」

絵里「………」

絵里「喧嘩のカリスマ……ねぇ……」

絵里「………」




91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 19:57:36.89 ID:+95GnxzRo
期待
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:14:47.87 ID:1EXSRTGQ0

翌日 昼休み 二年生教室−

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ワイワイガヤガヤ


梨子「時制が間違ってるわ、やり直しよ」

千歌「えぇっー!?どこが!?合ってるよ!!」

梨子「ここよ、これはメアリーが昔から今までずっと住んでいるわけだから現在完了形よ」

千歌「げ…現在完了形……!?」

梨子「そうよ」

千歌「…って、なに……?」

梨子「知らないの!?千歌ちゃん、前の学校で何してたのよ!」

千歌「あ…あははー……えっと…友達とじゃれあってた……かな…?」

梨子「はぁ!?どういう事よ……」

千歌「あはは……」

梨子「あはは、じゃないわよ……このままじゃ千歌ちゃん赤点になるわよ…?」

千歌「そ…そうですね……」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:15:23.35 ID:1EXSRTGQ0
凛「えぇっー!?千歌先輩、赤点なんですか!?」ガララッ!!

千歌「わっ…!り…凛ちゃん…!!」

凛「頭良かったんじゃなかったんですか!?」

千歌「いやぁ〜……あれは凛ちゃんが勝手に勘違いしただけで……」

凛「なっ…!み…見損なったにゃー!!」

千歌「…!?」

千歌「そ…そんな事言ったって、しょーがないじゃん!!私、頭悪いもん!!!」

凛「あー!!開き直ったにゃー!!情けないにゃ!!」

千歌「な…情けなくないもん!!だいたい、私のが先輩なんだから敬語…

梨子「はいはい……もう千歌ちゃん落ち着いて……」

千歌「むぅ……わ…分かったよ……」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2018/02/28(水) 22:16:03.44 ID:1EXSRTGQ0
梨子「凛ちゃんも何か用があって来たんじゃないの?」

凛「あっ、用があるのは凛じゃなくて、かよちんで……」

梨子「その花陽ちゃんが見当たらないけど……」

凛「それは……」

花陽「はぁ…はぁ……凛ちゃん足速い……」

凛「あっ!かよちん、やっと来たにゃー!」

梨子「走ってきたのね……」

千歌「そんな急用なの…?」

花陽「は…はい…!!大変なんです…!!」

千歌「何が…?」

花陽「ち…千歌先輩が…です…!」

千歌「え…?」






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95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 22:16:49.71 ID:1EXSRTGQ0

数分後−


千歌「えぇ…!?私が三年生からマークされてる!?」

花陽「は…はい……目立った事をしてなくても、やはり千歌先輩ほどのビックネームとなると……」

千歌「そ…そんな……」

梨子「?」

凛「あっ…」

梨子「ビックネーム…?千歌ちゃんが?」

千歌「あ…!」

梨子「なにかスポーツでもしてたの…?」

花陽「え…?いや……その…だって、千歌先輩は…もがっ!」

凛「か…かよちん…!!ちょっとこっちに来るにゃ…!!」

花陽「むがっ…!もがもがっ…!?」ガララッ…!ピシャンッ!!
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:17:37.82 ID:1EXSRTGQ0
梨子「え…?な…なに……?」

千歌「わー!!水筒こぼしちゃったっー!!!」

梨子「えぇ…!?ちょっと…なにやってるの!?」

千歌「あはは…ごめんごめん……拭くの手伝って……」

梨子「はぁ……もう、しょうがないわね……」

千歌「ありがとー…!」

千歌(………)

千歌(い…今のは危なかった……) フキフキ

千歌(てっきり、花陽ちゃんにも凛ちゃんが伝えてくれたのかと……) フキフキ

千歌(り…凛ちゃんめ……さては、私が不良辞める話しかしてなかったな……) フキフキ

千歌(これは、お仕置きが必要だね……) フキフキ

千歌(うん…これは暴力じゃない……罰だよ…罰……)

千歌「ふふふっ…」

梨子「え……なに……?」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:18:19.91 ID:1EXSRTGQ0
花陽「す…すみませんでしたっー!!」ガララッ!!

千歌「あはは……いいよいいよ、知らなかったんだから、しょーがないって」

千歌「だから、悪いのは……」

千歌 ギロリッ…

凛「ひっ…!」ビクッ!

千歌「あとでね…?」

凛「そ…そんな……」

梨子「?」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:18:59.90 ID:1EXSRTGQ0
梨子「えっと……なんだか、よく分からないんだけど……その…千歌ちゃんが三年生にマークされてるのは、なんで…?」

花陽「あっ…!そ…それは……えっと……」

凛「ち…千歌先輩が、転校してきたのに、ウチの番長に挨拶にも行かないからだにゃ…!!」

花陽「…!」

千歌(凛ちゃんナイスフォロー!)

梨子「挨拶……?そんなの私もしてないけど……」

花陽「あっ…そ…それは……」

凛「えっと……し…知らないんですか!?ウチの生徒はみんな、番長に挨拶に行ってますよ…!?」

花陽「え…」

凛「ね…!?かよちん!」

花陽「う…うん…!」

千歌(なんじゃそれ……無理があるでしょ……)

梨子「そ…そうなの…!?ど…どうしよう……私も挨拶に行かないと……」

千歌「…!?」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:20:02.37 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」

凛「梨子先輩って…詐欺とかあいそうですね…」

梨子「えぇ…!?なんで急に、そんな事言うの!?」

凛「なんでもないです…」

千歌「じゃ…じゃあ!私と梨子ちゃんで挨拶に行ってこようか…!!」

花陽「えぇ…!?ほ…本当に行くんですか…!?」

梨子「え…?行かなきゃいけないんじゃないの…?」

凛「そうです…!そうです…!行きましょう!今すぐにでも!」

花陽「り…凛ちゃん!?」

凛「大丈夫にゃ……三年生も、そうすぐには仕掛けてこないはずにゃ……」コソコソ…

花陽「で…でも……いきなり敵地の真っ只中に行くなんて……」コソコソ…
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:20:49.82 ID:1EXSRTGQ0
梨子「なんの話?」

凛「な…なんでもないです…!!さっ!行きましょう!行きましょう!」

凛「何かあった時のための護衛として、凛もついて行くにゃ……かよちんは先に教室に戻ってて……」コソコソ…

花陽「う…うん……気をつけてね…」コソコソ

千歌「よーし…!じゃあ、三年生のフロアに向けてしゅっぱーつ…!!」

凛「お…おーーっ!!」

梨子「?」

梨子「おー! ……?」



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101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 23:22:49.69 ID:+95GnxzRo
見てるよ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 04:46:46.30 ID:bsHdGMxRo
メッチャ楽しみ
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:05:53.47 ID:CcrIMi8F0

三年生フロア−


ヤンキー ジロジロ…

ヤンキー ジロジロ…

千歌(や…やばい……)

ヤンキー「おらぁ!!テメェら殺すぞ!!」

凛「ひぃっ…!す…すみません……」

ヤンキー「落ち着けよ……絵里さんがやってくれるって……」

ヤンキー「ちっ…」

凛「……」ホッ…
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:06:20.76 ID:CcrIMi8F0
ヤンキー ジロジロ…

ヤンキー ジロジロ…

千歌「うっ…」

千歌「り…凛ちゃん……」コソコソ…

凛「…なんにゃ……」コソコソ…

千歌「今からでも遅くない……梨子ちゃんは適当に誤魔化して、帰ろう……」コソコソ…

凛「こ…ここまで来て…!?」コソコソ…

千歌「う…うん……だって、三年生めちゃくちゃ気が立ってるし……梨子ちゃん、さっきから恐怖で、意味分かんない事ばっかり言ってるし……」コソコソ…

梨子「………」フラフラ…

梨子「私はかかし…私はかかし……」フラフラ…
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:06:49.16 ID:CcrIMi8F0
凛「で…でも……どうやって……」コソコソ…

千歌「幸い、私達はまだ絵里先輩とやらに会ってない……だから、梨子ちゃんには絵里先輩は今日休みだとか言って…」コソコソ…

ヤンキー「コラァ!!なに喋ってんのじゃ!!おのれは!!」

千歌「むっ…」

千歌(も…もう……うるさいなぁ……)
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2018/03/01(木) 13:07:57.35 ID:CcrIMi8F0
凛「…!」

凛(あ…あそこにいるのって……)

千歌(一人ぐらいぶん殴って黙らせるか……)

ヤンキー「何か言わんかい!!コラァ!!」

ヤンキー「ビビッとんのか!?ワレ!!」

ヤンキー「このアホ毛が!」

千歌「…」ムカッ…

千歌(こ…こんの野郎〜っ……黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって……)

絵里「どきなさい……私の客でしょ?」

ヤンキー「あっ、絵里さん……」

千歌(よしっ…ぶん殴ろう……これは暴力じゃなくて、制裁……)

凛「あ…あぁ……」

梨子「私は…かかし……私は…」フラフラ…

千歌(決めた……次に私に絡んできた奴にしよう……見せしめになるように全力で……)

絵里「こんにちわ…あなたが高海…

千歌(てめぇか…!!)

千歌 キュッ…!!

絵里「え…?」

千歌「ふんっ…!!!」ブンッ!!


ゴシャッ!!!!


凛「…!?」

ヤンキー「…!?」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:08:36.72 ID:CcrIMi8F0
絵里「あがっ…」フラリ…

梨子「私はかかし……私はかかし……」フラフラ…

千歌「パーフェクト…!」

絵里「うっ…」ドサッ…!!!

凛「あ…あぁ……」

ヤンキー「あ……」

絵里「………」

千歌「ふふっ…完璧に入ったね……これは、もう立てないよ……」

ヤンキー「え…絵里さあああああんっ!!!!」

千歌「え…?」

千歌「絵里……さん……?」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:09:09.60 ID:CcrIMi8F0
ヤンキー「絵里さん!大丈夫ですか!?」

ヤンキー「しっかり!!絵里さん、しっかり!!」

千歌「あー…あれ……?」

凛「な…」

凛「なにしてるにゃああああああ!!!!」

千歌「わーっ!ちょ…大声出さないでよ!」

凛「うるさいにゃ!!バカ!!」

千歌「バ…バカァ…!?」

ヤンキー「許さない……絵里さんの仇……」

ヤンキー「二年の分際で、絵里さんに手をあげるなんて……」

ヤンキー「喧嘩のカリスマだかなんだか、知らねぇけど、ここまでされちゃあ黙っていられねぇ……」

凛「や…やばいにゃ……」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:16:12.75 ID:CcrIMi8F0
千歌「あ…あはは……まずは話し合いを……」

凛「そんな事言ってる場合じゃないにゃ!!」

ヤンキー「殺せえええええええええええ!!!」

凛「逃げるにゃああああああああ!!!!!」ダッ!!

千歌「ひ…ひぃっっ!!」ダッ!!

梨子「私は…かかし……私は…」フラフラ…

千歌「梨子ちゃん!!」ガシッ!!

梨子「わっ…」フワリッ…!

千歌「行くよ!!凛ちゃん!!!」タタタッー!!

凛「分かったにゃー!!」タタタッー!!

梨子「えぇ…!?ちょっと!千歌ちゃん!?なにこれ!?なんでお姫様抱っこ!?」

千歌「梨子ちゃん足遅いからだよ!!!」タタタッー!!

ヤンキー「待てコラァアア!!!」ドドドドドドドッ!!

ヤンキー「ただじゃ済まさせねぇぞ!!」ドドドドドドドッ!!

梨子「えぇ…!?な…なんで!!??」

凛「捕まったら、殺されるにゃあああ!!」タタタッー!!

梨子「こ…殺される…!?」

千歌「後で説明するから!!!今はとにかく逃げる!!」タタタッー!!

ヤンキー「オラァアアア!!!」ドドドドドドドッ!!
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 13:31:03.78 ID:jRpKkWPiO
千歌ちゃんやっちまったなw
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:52:03.83 ID:CcrIMi8F0
先生「ん…?」

先生「なんの声……」

ヤンキー「死ねぇえええええ!!!!」ドドドドドドドッ!!

先生「…!?」

先生「コ…コラァ…!!!なにをしとるか!!お前ら!!!」

ヤンキー「げっ…!」

凛「今のうちにゃ!!!」タッ!!

千歌「うん…!!」タッ!!

ヤンキー「あ…コラ!!待て…」

先生「待つのはお前らだろが!!!全員、生徒指導室に来い!!!」

ヤンキー「なっ…」


千歌「急げ!急げっー!!」タタタッー!!

凛「今のうちにゃーー!!」タタタッー!!

梨子「えぇ……な…なんなの……?」



112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:52:38.17 ID:CcrIMi8F0
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校舎裏−


凛「はぁ…はぁ……」

千歌「はぁ…はぁ……」

梨子「だ…大丈夫……?二人とも……」

梨子「あと、5限もう始まってるんだけど……」

千歌「はぁ…はぁ…分かってるよ……ちょっと休んだら行く……」

凛「凛は5限パスで……」

梨子「えぇ…!?ダメよ!?授業はちゃんと出ないと……」

花陽「あっ…!凛ちゃん!みなさん!!」タッタッ…

凛「あ…かよちん……」

梨子「花陽ちゃん!?授業は!?」

花陽「あ…お腹痛いって言って抜けてきちゃいました……凛ちゃんが帰ってこなかったので……」

梨子「えぇ…!?」

梨子(わ…私の感覚がおかしいだけで、授業をサボるのは割と普通なのかしら……)
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:53:15.48 ID:CcrIMi8F0
花陽「さっき、職員室で聞いたんですけど……」

花陽「三年生複数人が一週間の停学、絵里先輩が保健室で休んでるって、どういう事ですか!?」

千歌「て…停学か……」

花陽「はい……なんか、生徒指導の先生を殴ったみたいで…」

凛「はぁ……良かった…一週間は死なずに済むにゃ……」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:53:45.01 ID:CcrIMi8F0
梨子「ご…ごめん……私、あんまり覚えてないんだけど…何かあったの……??」

千歌「そ…それは……」

凛「千歌先輩が絵里先輩を殴ったにゃ……」

千歌「あっー!!凛ちゃん、それ言っちゃ…!」

凛「うるさいにゃ」

千歌「…!?」

梨子「な…殴った!?なんで!?」

千歌「あ…えっと……その…ムカついて……」

凛「…」ピクッ…

凛「なんにゃ!その理由は!!!暴力は暴力しか生まないとか言ってた千歌先輩はどこ行ったにゃ!!」

千歌「あー!もー!うるさいなぁ!!ムカついたもんはムカついたの!!」

梨子「そ…そんな理由で……」

千歌「あっ…」

千歌「ち…違うんだよ!!梨子ちゃん!!」

千歌「その…えっと……三年生の人に梨子ちゃんをバカにされて……それで…つい……」

梨子「…!」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:54:16.24 ID:CcrIMi8F0
凛「?」

凛(そんな事言われたかな…?)

千歌(嘘だけど……)

梨子「そう……そうだったのね……ありがとう千歌ちゃん……でも、理由がなんであれ、暴力は暴力だよ」

千歌「…!」

凛(千歌先輩も、同じこと言ってたにゃ……)

千歌「はい……反省します……」

梨子「もうやっちゃダメだからね?」

千歌「はい……」

花陽「そ…それで、その……どうするんですか!?この後……」

凛「う〜ん…………全面戦争…?」

千歌「凛ちゃん喧嘩辞めるんじゃなかったの!?」

凛「ムカついたから殴るような人に言われたくないにゃー!!」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:54:48.87 ID:CcrIMi8F0
梨子「はいはい……とにかく喧嘩はダメだからね……?」

千歌「わ…分かってるよ……私、喧嘩とか怖くてできないし……?」

凛「なんにゃ…それ……」

花陽「じゃあ、やっぱり謝って許してもらうしか……」

梨子「そうね……ちゃんと心を込めて謝れば、きっと分かってくれるでしょう……」

千歌「………」

凛「………」

千歌(絶対無理だ……)

凛(かよちんも梨子先輩も、不良という人種を分かってないにゃ……)
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:55:17.69 ID:CcrIMi8F0
梨子「停学中の三年生は、一週間後の停学明けに謝るとして……絵里先輩は……」

花陽「今は保健室で寝てるみたいですから、明日でいいんじゃないですかね…?」

梨子「そうね!そうしましょう!」

千歌「………」

梨子「千歌ちゃんもそれでいい?」

千歌「……あぁ…うん…」

千歌(無理だろうけど……)
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:55:43.66 ID:CcrIMi8F0
梨子「よし!じゃあ、授業に戻りましょう!今なら、まだ始まったばかりよ!」

凛「じゃあ、凛はここにいるんで、梨子先輩だけ行ってきてください」

梨子「…!?」

千歌「ダメでしょ!凛ちゃん!!授業はちゃんと出なきゃ!!」

凛「どの口が言うにゃ……」

梨子「さすが千歌ちゃん!凛ちゃんみたいな悪い子とは違うわね!えらい!!」

千歌「えへへ…///」

凛(一番悪い人なんだけどなぁ……)

花陽「花陽も授業に戻りますね、凛ちゃんも元気になったら来てね」

凛「えー!かよちんも行っちゃうの!?じゃあ、凛も行くにゃ」

千歌「おー!凛ちゃん偉い!」

凛「別に寝る場所が変わるだけにゃ」

凛「さっ、教室に行くにゃ、かよちん」

花陽「うん…!それじゃあ、梨子先輩!千歌先輩!失礼します…!」

梨子「うん、じゃあね〜」

千歌「さて、じゃあ、私達も帰りますか……」

梨子「そうね、行きましょう」



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119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:56:29.76 ID:CcrIMi8F0

次の日 朝−


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二年生教室−


ザワザワ…


??「……」ドキドキドキ…

梨子「また転校生か〜、どんな子だろうね?千歌ちゃん」

千歌「あ…あぁ……」

梨子「ん?千歌ちゃん…?」

先生「はーい、みんな静かにー!渡辺さんが挨拶できないでしょー」

千歌「う…嘘でしょ……?」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:56:57.57 ID:CcrIMi8F0
先生「じゃあ、渡辺さん、簡単に自己紹介だけして貰っていいかしら?」

曜「はい…!」ドキドキドキ…

曜「静岡の浦の星女学院っていう所から来ました!渡辺曜です!趣味は空手!!特技は空手です!!みなさん、よろしくお願いします!」

生徒 パチパチパチパチ…!

梨子「へ〜、千歌ちゃんと同じ静岡じゃない、もしかして…知り合いだったりして…」

千歌「よ…よよ……」

梨子「って、そんな偶然あるわけないわよね〜」

曜「………」キョロキョロ…

曜「あっ…!」

千歌「よ…曜ちゃん…!!!」ガタッ!!

曜「千歌ちゃん…!!!」

梨子「………」

梨子「はい…?」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:57:34.41 ID:CcrIMi8F0
千歌「曜ちゃん!曜ちゃん!!曜ちゃん!!!久しぶりだね!!え!?ていうか、なんでこっちに!?いつから!?なんで言ってくれないの!?どういう事!?曜ちゃん!!!」

曜「あ…あはは……そんないっぺんに言われても……」

梨子「え……?し…知り合い……なの……??」

千歌「し…知り合いっていうか……」

曜「千歌ちゃんの右腕です!ヨーソロー!」ビシッ!

梨子「み…右腕ぇ……!?」

千歌「あはは……」

梨子「ど…どういう事……?」




122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 19:41:43.11 ID:3OkYw84SO
ちょっと話しかけただけで殴られたチカ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 20:20:55.70 ID:5Jp5H6Ig0
面白い
最後まで書いてくれ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 20:44:11.10 ID:Bh2QH4C8O
穂乃果ちゃんが音ノ木坂のテッペン取るやつの外伝とかかと思ったら違った?
でもこっちもかなり面白くて期待
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:45:57.21 ID:CcrIMi8F0
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昼休み 屋上−


千歌「…」モグモグ…

曜「……」ドキドキドキ…

千歌「…」ゴックン…

曜「ど…どう……?」

千歌「………」

千歌「曜ちゃん……」

曜「……」ゴクリッ…

千歌「やっぱり、曜ちゃんの手料理は最高に美味しいよ!!!120点!!!」

曜「やったっ〜!!!5日ぶりに千歌ちゃんに褒められた〜!!嬉しい!!!」

梨子「なんで、そんな細かく覚えてるのよ……」

曜「それは、千歌ちゃんの右腕ですから!」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:46:28.61 ID:CcrIMi8F0
千歌「それにしても、私を追って東京に引っ越してくるなんて、さすが曜ちゃんだね!」

曜「えへへ…千歌ちゃん、すごく落ち込んでたから……私が側にいてあげたくて……」

梨子「…?前の学校で何かあったの?」

曜「え…?」

千歌「よ…曜ちゃん…!ちょっと…」

曜「なに…?」

梨子「?」

千歌「ごめん、梨子ちゃん、ちょっとここで待ってて…?」

梨子「え…えぇ……分かったわ…」

千歌「行こ、曜ちゃん」

曜「う…うん……」


ガチャ…バタンッ……


梨子「………」ポツーン…


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127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:47:06.72 ID:CcrIMi8F0
校舎内−


曜「えぇ…!?まだ話してなかったの!?」

千歌「まだっていうか……多分これからも話さない……」

曜「そ…そっか……たしかに、それがいいのかもね……」

千歌「うん……だから、梨子ちゃんには内緒にして欲しくて……」

曜「分かったよ!それにしても、あんなに真面目そうで、可愛い子と友達になってるなんて、不良辞めるってのは上手くいってるんだね!さすが千歌ちゃん!!」

千歌「あっ…あはは……それは…」

凛「あっ!千歌先輩だにゃ!」

花陽「こ…こんにちは…!」

千歌「あっ…」

曜「ん…?」


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128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:47:41.01 ID:CcrIMi8F0
屋上−


曜「えぇ…!?この学校の番長を三年生全員が見てる前で殴ったぁ!?」

千歌「は…はい……」

凛「いや、その前に誰にゃ!!こいつ!!!」

曜「こいつって……」

梨子「渡辺曜ちゃんよ、今日ウチのクラスに転校してきたの……先輩なんだから、こいつなんて言っちゃダメよ?」

凛「ふんっ、凛は自分の尊敬する人にしか敬語は使わないにゃ」

千歌「え!?じゃあ、私は!?」

凛「尊敬してないにゃ」

千歌「…!?」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:48:15.52 ID:CcrIMi8F0
曜「凛ちゃん…だっけ……?それは聞き捨てならないなぁ……」

凛「いや、なんで曜先輩が怒るにゃ……」

曜「私が千歌ちゃんの右腕だからだよ」

花陽「ち…千歌先輩の右腕…!?」

花陽「って事は……まさか……あの…」

曜「あれ?もしかして、私の名前、東京まで届いてる?」

花陽「は…はい……さ…最強のNo.2…渡辺曜さんですよね…?」

曜「そう!いやぁ〜!私も有名になったねぇ〜!」

梨子「最強のNo.2?」

千歌「な…なんでもないよ〜…気にしないで…?」アセアセ…

梨子「?」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:48:49.24 ID:CcrIMi8F0
凛「じゃあ、強いのかにゃ?」

曜「もちろん!千歌ちゃんには及ばないけどね」

千歌「ちょ…ちょっと…!!」

梨子「強い…?なにが…?」

千歌「あっ…そ…それは…

花陽「り…梨子先輩…!!ちょっと来てください…!」

梨子「えぇ…?なんで?どうしたの?花陽ちゃん……」

千歌「…!」

千歌(ナイス!!花陽ちゃん!!ありがとう…!!)

花陽「いいから、早くこちらに…!」

梨子「え…?ちょ…ちょっと…!?」


ガチャ…バタンッ……

131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:49:43.10 ID:CcrIMi8F0
千歌「ふぅ……これで一安心……」

凛「強いって言っても、学校のトップになれない時点で、たかが知れてるにゃ」

曜「トップは千歌ちゃんだからね、私は千歌ちゃんを支えるのが一番あってる」

千歌「ちょ…凛ちゃん……やめなよ…?曜ちゃん、空手やってて普通に強いからね?」

凛「空手…!?」

凛「ふっ、空手なんて喧嘩じゃ役に立たないにゃ」

曜「…」

千歌「いやいや……」

凛「顔を狙わない、狙われない空手なんて、喧嘩になれば…

曜 フッ!!


ピタッ!


凛「にゃ…!」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:50:22.16 ID:CcrIMi8F0
凛(が…顔面に……)

曜「………」

曜「…」ニヤッ…

曜「私がやってるのは、普通の空手とは違う…」

凛「え…?」

千歌「そーだよー?凛ちゃん。曜ちゃんがやってるのは、顔面も目つきもある、なんでもありの超実戦空手なんだから」

凛「ちょ…超実戦空手…?」

曜「まあ、そんな事教えてる道場なんて浦の星にしかないけどね」

凛「で…でも…!だからと言って凛より強いとは…!」

千歌「無理だよ、凛ちゃんじゃ」

凛「…!」

凛「ぐっ……」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:50:48.89 ID:CcrIMi8F0
凛「………」

千歌(………)

千歌(ちょっと、キツく言いすぎたかな…?)

千歌(まあ、凛ちゃん、ヤンキー辞めるって言ってたし……別に大丈夫かな…?)

花陽「し…失礼します……」ガチャ…

梨子「はぁ…はぁ……」

千歌「あ!花陽ちゃん!梨子ちゃん!おかえり!なにしてたの?」

花陽「え…えっと……」

梨子「走ってたわ……」

千歌「えぇ…!?なんで!?」

花陽「あ…あはは……えっと…体力作りをしようと思って……」

千歌「あ…そ…そう……」

千歌(何も思いつかなかったんだね……花陽ちゃん……)
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:51:23.58 ID:CcrIMi8F0
凛「………」

花陽「?」

花陽(凛ちゃん……?)

梨子「それで…?そっちは、何話してたの?」

千歌「え…!?あ…え…えっと……」

凛「絵里先輩に謝る方法を考えてたにゃ」

千歌「…!」

千歌「そ…そう…!それそれ…!」

梨子「そう…それで、どうなったの?」

千歌「あー……えっと…心を込めて…謝る……てきな…」

梨子「普通じゃないの…」

花陽「でも、それしかないですよね…」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:52:04.92 ID:CcrIMi8F0
曜「え…?もしかして、謝って許して貰うつもりなの……??」

千歌「う…うん……」

曜「無理なんじゃ……」

千歌「あ…あはは……」

千歌(そんな事分かってるよ!!)

梨子「大丈夫よ!きっと心は通じるわ!!」

曜「う…う〜ん……不良って、そういう人種じゃないような……」

梨子「そ…そうなの……?」

曜「うん……不良ってのは、なによりも自分のプライドのために生きてるって感じで……」

凛「………」

曜「その番長さんって、全員の前で倒されたんじょ?だったら、プライドはズタズタにされてるはず……」

梨子「え……そ…それって……」

曜「うん……聞く耳を持たないだろうし……会えば、殴りかかってくるまであると思う……」

梨子「そ…そんな……」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:52:42.09 ID:CcrIMi8F0
千歌「あはは……まずいね……」

梨子「まずいじゃないわよ!!千歌ちゃん、殴られちゃうかもしれないのよ!?」

曜「いや、まだそうと決まったわけじゃないよ?」

梨子「え…?」

曜「その番長さんが、どういうタイプの番長かに寄るけど……まだ希望はある……」

梨子「タイプ…?」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:53:10.10 ID:CcrIMi8F0
曜「うん……番長ってのはさ、たとえ不良であっても、大勢の上に立つ以上、何か人を惹きつける魅力がないと務まらないものなんだよ」

千歌(ふふっ…それは確かに……)

曜「それで、大事になってくるのが、まずはもちろん「強さ」」

曜「これは、不良のトップである以上、絶対必要……」

梨子「まあ…そうよね……」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:53:55.56 ID:CcrIMi8F0
曜「ここからはタイプが分かれる。一つは仲間に制裁を加えたりして恐怖政治をひくタイプ」

梨子「きょ…恐怖政治……」

花陽「たしかに……そういうタイプの番長は多いですよね……」

千歌(私は、違うよね……?)

曜「二つ目は、強さと人望で引っ張っていくタイプ」

千歌「…!」

千歌(私、たぶん、これだ…!)

千歌(いや、これであって欲しい…!!)

梨子「そっちは、良い人そうね……」

曜「他にも、頭が良かったり、リーダーシップがあったり、ほっとけないタイプだったり、いろんなタイプの番長がいる」

梨子「なるほど……じゃあ、絵里先輩が、その…良い方の番長だったら可能性はあるって事ね?」

曜「うん……できれば、人望があって頭がいいようなタイプだと良いんだけど……」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:54:29.56 ID:CcrIMi8F0
千歌「そこんとこ、どうなの?花陽ちゃん」

花陽「う…う〜ん……絵里先輩は、あまり口を開かないタイプなので、詳しい性格までは分からないんですが……」

花陽「「氷の女王」……そう呼ばれています……」

梨子「こ…」

千歌「こおりの…」

曜「女王…」

梨子「絶対、恐怖政治のタイプじゃない……」

花陽「そ…そうですね……」

花陽「即殴られてしまうかもしれません……」

千歌「えぇ……そんな……」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:55:20.83 ID:CcrIMi8F0
梨子「だ…大丈夫よ…!!だって、ほら!千歌ちゃんのパンチ一発で倒れちゃったんでしょ?それって、あんまり強くないんじゃない!?」

千歌「…!」

曜(いやいや……その人のパンチ、普通じゃないから……)

梨子「殴られても軽傷で済むかも…!!」

千歌「そ…そうだね…!!私みたいな普通の女の子のパンチ一発で倒れるぐらいだもんね…!!あはは…!!」

凛「………」

凛「…」チラッ…

凛「あ……」

凛「絵里先輩が歩いてるにゃ」

千歌「え!?どこどこ!?」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:55:47.18 ID:CcrIMi8F0
凛「下の木のところ」

千歌「……」キョロキョロ…

千歌「あっ…!」

千歌「は…鼻の所に包帯巻いてる……」

曜「折れたのかな……」

千歌「そんな…!」

花陽「これは怒ってそうですね……」

梨子「報復に千歌ちゃんも鼻を折られるかも……」

千歌「ちょ…ちょっと!?なんで、そんな怖い事言うの!?」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:56:30.30 ID:CcrIMi8F0
凛「謝るなら今がいいんじゃないかにゃ?」

千歌「え…えぇ……今…?」

凛「だって、三年生のフロアだと、周りがうるさいし……」

千歌「あ…あぁ……そっか…」

花陽「行くんですか!?」

千歌「う…うん……行くしかないよね……」

梨子「頑張ってね!千歌ちゃん!きっと分かり合えるわ!」

千歌「だといいね……」

千歌「じゃあ、行ってくる……」トボトボ…

曜「あっ!私もついてくよ!」タッ!

梨子「えぇ…!?なんで曜ちゃんも!?」

曜「右腕だから♪」

梨子「は…はぁ……」
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