千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:31:42.18 ID:G6bLkOW+0
千歌「それじゃあ、私も行っていい?罠じゃないなら、むしろそっちの方が安全そうだし」

曜「じゃあ、私も行くよ!ことりちゃんって子、会ってみたいし!」

梨子「そうね、みんなで行きましょうか!私も、千歌ちゃんと曜ちゃんをことりちゃんに紹介したいし」

梨子「凛ちゃんもそれでいい?」

凛「えっ…」

凛「り…凛も……?」

梨子「えぇ…!行きましょう!」

凛「え…」

凛(うぅ…ことり先輩苦手なんだけどなぁ……)
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:33:09.72 ID:G6bLkOW+0
花陽「一緒に行こうよ!凛ちゃん!」

凛「うぅ……か…かよちんがそう言うなら……」

千歌「よーし!じゃあ、凛ちゃんも行くって事で決定ね!」

凛「わ…分かったにゃ……」

梨子「じゃあ、ことりちゃんにもそう言っておくわね」

梨子「………」スッスッスッ…

凛(な…なんで、こんな事に……もう、ことり先輩に会う事は無いと思ってたのに……)

千歌「ん?凛ちゃん、どうかしたの?」

凛「………」

凛「なんでもないにゃ……」

千歌「?」






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389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:36:04.19 ID:G6bLkOW+0

数分後 AKIBAカフェ前−


ザワザワ… ガヤガヤ…


千歌「はぁ〜……またオッシャレ〜な所だね……」

曜「うん……さすが東京って感じ……」

凛「田舎者は黙ってるにゃ」

千歌、曜「…!?」
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:38:01.49 ID:G6bLkOW+0
梨子「さ、入りましょう。ことりちゃん、もう着いてるって」

花陽「そうですね、待たせちゃ悪いですから」

凛「うぅ…ことり先輩に会うのは、気が重いにゃ……」

千歌「ちょ…ちょっと…!?今の発言は聞き捨てならないよ!?凛ちゃん!!」

曜「そ…そうだよ…!!それに、私は千歌ちゃんと違って沼津だから、まだ都会だし!」

千歌「あー!曜ちゃん、内浦をバカにした!!沼津だって、東京に比べたら、内浦と大差ないよ!!」

曜「そ…それはないでしょ!!沼津は高速道路通って…

凛「あーはいはい……どっちも田舎なんだから、もう黙るにゃ」

千歌、曜「なっ…!」

梨子「じゃあ、入るわよー」

千歌「ちょ…まだ決着ついてないんだけど!!」

梨子「はぁ……ついたじゃないの……凛ちゃんが言った通り、どっちも田舎よ……」

千歌、曜「…!?」ガーン!
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:39:09.22 ID:G6bLkOW+0
千歌「そんな……」

曜「ひどい……」

梨子「はいはい」カランカラーン…

店員「いらっしゃいませー」

店員「何名様でしょうか?」

梨子「あ、人を待たせてるので…」

店員「では、あちらの席のお客様でしょうか?」

梨子「あ、そうです!ありがとうございます」

店員「それでは、ごゆっくりどうぞ」

梨子「はい、…さ、みんな行くわよ」

千歌「うぅ……」

曜「田舎だっていい所あるもん……」

梨子「もう…いつまでいじけてるのよ……別に田舎が悪いなんて言ってないわよ?」

千歌「言ってなくても、思ってるもん……」

曜「絶対見下してるもん……」

梨子「いや…そんな事ないわよ……」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:41:41.21 ID:G6bLkOW+0
ことり「?」クルッ…

ことり「あ…!」

ことり「おーい!梨子ちゃーん!」フリフリ

梨子「あ、ことりちゃん!」

千歌「あ…あの子が……ことりちゃん……」

曜「うわぁ〜……すごい可愛い……こういうオシャレなカフェにいそう感がすごい……」

千歌「なんか…絵になるね……」

凛「千歌先輩達と違って、ことり先輩は都会的ですからね〜」

千歌、曜「…!?」

梨子「もう…凛ちゃんも煽らないの…、ほら、行くわよ?」

千歌「は…はい……」

曜「私達……こんなカフェ来ちゃいけなかったのかも……」

花陽「そんな卑屈にならなくても……」



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393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:43:05.23 ID:G6bLkOW+0

着席後−


梨子「あ…あはは……」

曜「なるほど……凛ちゃんが、ことりちゃんに会いたがらなかったのって……」

千歌「こういうわけね……」

花陽「変わってませんね……ことり先輩……」

凛「………」ワシャワシャ

ことり「やっぱり、凛ちゃん可愛い〜♪」ナデナデ
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:44:09.63 ID:G6bLkOW+0
凛「や…やめてほしいにゃ……髪が…」ワシャワシャ

ことり「あっ!ごめんね?久しぶりに会ったら、つい……それにしても、凛ちゃん、また可愛くなったね!!髪は伸ばさないの?」

凛「……邪魔になるにゃ…」

ことり「え〜!?もったいないよ〜!ショートも似合ってるけど、ロングにしても絶対可愛いよ!ねぇねぇ、一回やってみない?伸ばしたら、私がいろいろ髪型教えてあげるから〜」

凛「……遠慮しとくにゃ…」

ことり「え〜!?あ、じゃあ、ショートでもいいから結んでみたら?ほら、ここの横の所で〜」スッスッスッ…

凛「………」スッスッスッ…

ことり「できた…!わ〜!やっぱり可愛いっ!!」

凛「……解いてほしいにゃ…」

ことり「え〜!?でも…

梨子「ことりちゃん…!」

ことり「え?梨子ちゃん?」

梨子「本題に入ってほしいんだけど……」
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:46:29.25 ID:G6bLkOW+0
ことり「あっ…、ごめんごめん……あはは…そうだったね……」

ことり「えっと……そちら、高海千歌ちゃんだったよね?」

千歌「うん…」

ことり「それで……渡辺曜ちゃん…」

曜「そうです…」

ことり「そっか!二人とも、よろしくね!」

千歌「よろしく……」

曜「うん…よろしく……」

ことり「あ…あれ…?二人とも…元気ないの…?」

梨子「あ、気にしないで?この子達、今、田舎者って言われて卑屈になってるの」

千歌「ごめんね…私なんかがいたら、雰囲気壊れるよね……」

曜「田舎臭くなっちゃうよね……」

ことり「え〜!?そんな事ないよ?二人とも、すごい可愛い!!」

千歌「え…?」

曜「わ…私達が…?」
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:47:30.79 ID:G6bLkOW+0
ことり「うん…!モデルさんみたいに可愛い!!」

千歌「モ…」

曜「モデル……」

千歌「私達が……」

凛「………」

ことり「うんうん…!スタイルもいいし、洋服も何着ても似合うんじゃない?」

千歌「そ…そんな……///」

曜「いやぁ〜……でも、洋服あんまり持ってないから……」

ことり「じゃあ、今度ウチにおいでよ!沢山持ってるから、貸してあげるよ!」

千歌「ふ…ふ〜ん……じゃあ…///」

曜「うん…そうだね……ちょっと見せてもらうだけ……///」

ことり「やった〜!二人に似合う服用意して待ってるね!」

凛(二人とも、ことり先輩のおもちゃ行き決定だにゃ……)
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:48:05.22 ID:G6bLkOW+0
梨子「ちょ…ちょっと!ことりちゃん…!」

ことり「あっ…あはは…ごめんごめん……またやっちゃった…」

梨子「全く……急に呼び出すから、何かあったのかと思って、心配してたのよ?その様子なら心配いらなそうだけど……」

ことり「あ…いや……」

梨子「?」

花陽「な…何かあったんですか…?」

ことり「………」

ことり「うん……」

梨子「え…」

花陽「……」
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:49:10.89 ID:G6bLkOW+0
ことり「梨子ちゃん、この前、穂乃果ちゃんに会ったんだよね…?その時……穂乃果ちゃん……何か変わった様子は無かった…?」

梨子「いや……いつも通りの穂乃果ちゃんだったと思うけど……」

ことり「そっか……じゃあ、梨子ちゃんの前では、忘れられたのかも……」

梨子「忘れる……?なにを…」

ことり「………」

ことり「絶対誰にも言わないって約束できる…?」

梨子「うん……言わないわ…」

千歌「私達も言わないよ…」
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:51:12.92 ID:G6bLkOW+0
ことり「………」

ことり「じゃあ…言うね……」

ことり「これは、本当は絶対誰にも言っちゃいけない事なんだけど……」

花陽「……」ゴクリッ…

ことり「穂乃果ちゃん……今、暴走族の人と関わりがあるんだ……」

梨子「…!?」

千歌「…!」ピクッ…

梨子「ぼ…暴走族…!?」ガタッ!
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:51:45.49 ID:G6bLkOW+0
ことり「り…梨子ちゃん…静かに……」

梨子「あ…ご…ごめん……」スッ…

梨子「そ…それで……暴走族って……」

ことり「うん……えっと…焔ヶ丘の変って覚えてる…?もう一年前になるんだけど……」

梨子「え…えぇ……」

梨子(今日、知ったけど……)
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:52:19.99 ID:G6bLkOW+0
ことり「あれね……本当は、穂乃果ちゃんがやった事じゃないの……」

梨子「…!」

花陽「えぇ…!?そ…そうなんですか…!?」

ことり「うん……」

梨子「でも、納得ね……穂乃果ちゃんが、そんな事できるわけないもの……」

花陽「じゃ…じゃあ、誰が……」

ことり「それが、その暴走族の人なの……」

花陽「…!」
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:54:06.28 ID:G6bLkOW+0
凛「……ど…どういう事にゃ……?なんで、暴走族の人がやった事が、穂乃果先輩のやった事になってるにゃ…?」

ことり「………」

ことり「凛ちゃんさ、一年前の秋葉原覚えてる?あの…焔ヶ丘の変が起きる前の……」

凛「え…?そ…そりゃあ、もちろん覚えてるにゃ……鞠莉先輩と果南先輩が暴れ回ってて、みんな酷く怯えてて……なんというか…あの頃のアキバは最悪だったにゃ……」

ことり「そう……あの頃のアキバは、鞠莉先輩と果南先輩に支配されてて、アキバに不良の居場所は無かった……」

花陽「………」

凛「たしかに、そうだったにゃ……凛達は、どっかで鞠莉先輩と果南先輩を恐れながら、不良やってたにゃ……」
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 17:54:51.96 ID:G6bLkOW+0
曜「あれ…?でも、アキバ四天王とかいうのが、あったんだよね?絵里先輩とかは対等だったんじゃなかったの?」

花陽「それは一対一の話です……四天王のうち二人が組んで、それも二人とも喧嘩ジャンキー……絵里先輩は、たしかに強いですが、一人で行って勝てない事は目に見えていました……それに、絵里先輩は、そんなに喧嘩したがりませんし……」

曜「そっか……まあ、二対一は厳しいよね……」

ことり「そう…だから、鞠莉先輩と果南先輩の天下は、誰にも止められないものだと思われた……穂乃果ちゃんが、焔ヶ丘に入学するまでは……」

凛「…? 穂乃果先輩が入学するまで…?」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:01:28.78 ID:G6bLkOW+0
ことり「うん……穂乃果ちゃんね、鞠莉先輩と果南先輩を倒すために、焔ヶ丘に来たの……」

凛「あっ……そ…そういえば、中学の時、穂乃果先輩、そんな事言ってたにゃ……」

花陽「私も覚えてます……「私がアキバを救う」って言ってたような……」

ことり「そう……穂乃果ちゃんは、みんなに言ってた……自分がアキバの救世主になるんだって……みんなを救うって……」

千歌「………」

ことり「だから、沢山の人が、穂乃果ちゃんに期待した……当然、穂乃果ちゃんの周りには人が集まって、穂乃果ちゃんも楽しそうだった……」

千歌「………」

ことり「でも、無理だった……」

ことり「穂乃果ちゃんには、鞠莉先輩と果南先輩を倒す事はできなかった……」

梨子「そんな……」
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:02:03.76 ID:G6bLkOW+0
凛「仕方ないといえば、仕方ないにゃ……穂乃果先輩は強いとは言っても、鞠莉先輩と果南先輩より年下だし……勝てなくても無理ないにゃ……」

ことり「うん……だから、穂乃果ちゃんも、そんなにショックは受けてなかった……また挑めばいい……それで、次は勝つんだって……」

千歌「………」

千歌「でも…周りが許さなかったんだね……」

ことり「…!」

曜「千歌ちゃん……」

千歌「分かるよ……私も、期待される立場だったから……」

ことり「そ…そっか……千歌ちゃんは、こっちに来る前は、番長さんだったんだもんね……」

千歌「………」
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:02:36.70 ID:G6bLkOW+0
ことり「その通り……穂乃果ちゃんに期待した人達は全員、穂乃果ちゃんから離れていった……」

梨子「ひどい……そんなの勝手すぎる……」

ことり「だよね……でも、事実そうなった……」

梨子「嘘……穂乃果ちゃんが可哀想よ……」

ことり「うん……実際、あの時、穂乃果ちゃんは、すごく落ち込んでた……私達でフォローできないぐらい……」

千歌「期待を裏切るのは辛いからね……」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:04:04.98 ID:G6bLkOW+0
ことり「そんな時だった……あの暴走族の人達が、穂乃果ちゃんに近づいてきたのは……」

花陽「…!」

花陽「ま…まさか、それで……」

ことり「うん……その人達は、焔ヶ丘の変を起こす事に、穂乃果ちゃんを誘った……」

ことり「鞠莉先輩と果南先輩に、水見色を襲わせて、そこを待機していた複数の警察で一気に捕まえる作戦だった……」

梨子「け…警察……」

ことり「普段は、鞠莉先輩の家が抑えちゃうんだけどね……その暴走族の頭の人が、警察を動かして……」

花陽「そんな事まで、できるなんて……」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:04:37.44 ID:G6bLkOW+0
ことり「でも、この作戦は、水見色の生徒を犠牲にして成り立つものだった……」

梨子「穂乃果ちゃんは、反対しなかったの…!?」

ことり「しなかった……ううん…そんな事考えられるような状態じゃなかった……」

梨子「…!」

ことり「それで、作戦通り、鞠莉先輩と果南先輩は捕まった……穂乃果ちゃんを英雄にして……そして、水見色と焔ヶ丘の対立を残して……」








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409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:06:14.19 ID:G6bLkOW+0

同じ頃 秋葉原 街中−


ザワザワ… ガヤガヤ…


穂乃果「えっと……ここの角を曲がった所……」トコトコ…

穂乃果「…!」

穂乃果「こ…ここかぁ……」

穂乃果「………」

穂乃果(すっごい高そうなお店……普段だったら、絶対入れないね……)

穂乃果(時間は……)

穂乃果(…ちょっと早いけど、大丈夫かな……)

穂乃果「………」

穂乃果(よし…!入ろう…!)
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:07:03.48 ID:G6bLkOW+0
穂乃果「………」ドキドキドキドキ…

穂乃果(うぅ…緊張する……)

穂乃果(どんな顔して入ればいいんだろ……)

穂乃果(制服で来ちゃったし……)

穂乃果(や…やばい……着替えてくれば良かった……)

穂乃果(せ…制服じゃあ、入店できないとかないよね……???)

穂乃果(うぅ…ど…どうしよう……海未ちゃん、ことりちゃん、助けて……)

ツバサ「あら?穂乃果さん?」

穂乃果「…!?」

穂乃果「ツ…ツバサさん…!!」クルッ!
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:08:06.72 ID:G6bLkOW+0
英玲奈「なんだ?約束の時間まで、まだ1時間はあるぞ?もう来ていたのか?」

穂乃果「あ…は…はい……遅れちゃいけないと思って……」

穂乃果(ツ…ツバサさん、まだ着いてなかったのかぁ……危なかった……私一人で、こんなお店いれないよ……)

ツバサ「ふふっ、それにしても、1時間前は早すぎよ?」

穂乃果「あはは…ですよね……あれ?でも、ツバサさんも……」

あんじゅ「早く来ちゃマズイ?」

穂乃果「あっ…!い…いえ…!そんな事は……」

ツバサ「脅かさないのよ?あんじゅ…ごめんなさいね?穂乃果さん……私との食事、楽しみにしてくれてたみたいで嬉しいわ」

穂乃果「は…はい…!ありがとうございます…!」

ツバサ「ふふっ、それじゃあ、少し早いけど入りましょうか…」

穂乃果「はい…!」







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412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 18:08:35.45 ID:G6bLkOW+0
AKIBAカフェ−


花陽「ま…待ってください…!それじゃあ、焔ヶ丘と水見色の対立って……」

ことり「うん……たしかに、作戦を了承した穂乃果ちゃんも悪いのかもしれない……でも、主犯は穂乃果ちゃんじゃない……悪いのは、その暴走族の人達……」

花陽「そんな……じゃあ、今すぐにでも、その事を伝えて、対立を止めなきゃ…!!」

ことり「……花陽ちゃん……」

花陽「え…?な…なんですか……?」

ことり「無理なの……それは……」

花陽「えっ…な…なんでですか…!?」

ことり「約束なの……穂乃果ちゃんと暴走族の人の……」

花陽「や…約束……?」
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:50:44.29 ID:G6bLkOW+0
ことり「うん…果南先輩と鞠莉先輩を自分の手で倒すまで、暴走族の人の、言いなりになるって約束……」

梨子「い…言いなり…!?穂乃果ちゃんが…!?」

ことり「うん……もう一年になる……」

凛「そ…そんな事が……」

曜「ひどい……そんなのやり方が汚すぎる……」

ことり「でも、それが暴走族……私達とは違う、少し大人の世界……」

千歌「……それで、穂乃果ちゃんは、この事を口止めされてるって事…?」

ことり「うん……他にも、穂乃果ちゃんは話したがらないけど、悪い事もしたんだと思う……」

梨子「…!!」

梨子「そんな……そんなのって……」

梨子「やだよ……穂乃果ちゃんが、そんなに苦しんでたなんて……」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:51:22.45 ID:G6bLkOW+0
ことり「………」

ことり「…ありがとう…梨子ちゃん……でも、もう大丈夫だよ」

梨子「え…?」

ことり「あれから一年……つまり、鞠莉先輩と果南先輩が年少から出てくるんだよ」

花陽「…!じゃ…じゃあ、それで穂乃果先輩が、二人を倒せれば…!!」

ことり「うん…!穂乃果ちゃんは自由になれる…!!昔みたいに戻れるんだよ…!」

花陽「本当ですか…!?そしたら、水見色と焔ヶ丘の誤解も解けて、対立も無くなりますよね…!」

梨子「そうね…!ちゃんと話せば、みんな分かってくれるわ…!」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:51:49.18 ID:G6bLkOW+0
ことり「………」

千歌「………」

梨子「え……?こ…ことりちゃん……?」

ことり「う…うん……その…」

千歌「………」

千歌「もう引き返せないんだね……穂乃果ちゃんは……」

梨子「…!」

ことり「あはは……すごいね…千歌ちゃん……なんでも分かっちゃう……」

梨子「え…そ…それって……」
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:52:52.69 ID:G6bLkOW+0
ことり「穂乃果ちゃんがね、焔ヶ丘の変をやった事になって…「アキバの救世主」だなんて呼ばれるようになった時ね……離れていったみんなが、また戻ったきたの……」

ことり「それに、今年は、その穂乃果ちゃんに憧れた沢山の一年生が入ってきた……」

凛「………」

ことり「穂乃果ちゃんは、それで、また期待を背負った……それも、失った時の苦しみを知っちゃってる分、前より重く……」

梨子「そ…そんなの…!!無視すればいいじゃない…!!そんな関係なんて……!」

ことり「梨子ちゃん……」
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:53:56.24 ID:G6bLkOW+0
梨子「だって、そうでしょ…!?そんな人達いなくたって、私達がいる…!!私達なら、どんな事があっても、穂乃果ちゃんを見捨てたりはしないわ…!」

ことり「……ありがとう…梨子ちゃん……でもね…それは、私も、何度も穂乃果ちゃんに言ったの……」

梨子「な…なら…!」

ことり「でも、ダメだって……もう、引き返せないんだって……」

梨子「…!」

曜「…一度手に入れた物を失うのは怖いからね……それも、「アキバの救世主」だなんて、大きくて偉大な物なら……なおさら……」

千歌「………」








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418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:54:29.31 ID:G6bLkOW+0

高級中華料理店−


ワニ ジュー…ジュー…

穂乃果「………」

穂乃果(ワ…ワニさんが……そのまま……)

ツバサ「………」

ツバサ「珍しい?ワニの姿焼きよ」

穂乃果「す…姿焼き…ですか……はは…」

穂乃果(うそ…こ…これ…食べるの……)
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:55:54.77 ID:G6bLkOW+0
穂乃果(あれ…?ていうか、このワニさんって、さっきお店入った時、入り口にいた……)

穂乃果「…」クルッ…

穂乃果「…!」

穂乃果(い…いなくなってる……!そんな…ワニさん……)

穂乃果(お店に入った時は、眠ってて可愛かったのに……)

料理長「焼き上がりました」スッ…

穂乃果「えっ…」

穂乃果(そ…そのまま出すの……!?)

穂乃果(ど…どうやって食べれば……)
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:57:03.89 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「美味しそうね、いただくわ」スッ…

ツバサ「……」ツッー…

穂乃果(ナ…ナイフ…!)

ワニ ダラァー…

穂乃果(血…!?)

ツバサ「……」バクリッ

穂乃果(いった…!)

ツバサ「……」モグモグ…

穂乃果(あ…味は……)
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:57:50.48 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「……」

穂乃果(………)

ツバサ「うん…変わらないわね!最高の焼き加減よ!」

料理長「ありがとうございます…」

穂乃果(お…美味しいの…!?)

穂乃果「…」チラッ…

ワニ「………」

穂乃果(うっ…目が合っちゃった……)

穂乃果(ワニさん……さっきまで生きてたのに……)

ツバサ「………」

ツバサ「食べないの…?穂乃果さん……」

穂乃果「え…!あ…い…いや……その…」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:58:27.07 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「………」

ツバサ「気に入らなかったかしら……?私の選んだ料理は」

穂乃果「…!」

穂乃果「ち…違いますよ…!!こんな素晴らしいもの、本当に、私なんかが頂いちゃっていいのか悩んでて…!!」

ツバサ「そう……?いいのよ?そんなの気にしないで……」

穂乃果「そ…そうですか…!?じゃあ、い…いっただっきまーす…!!!」

穂乃果「……」ガブッ!!

料理長「…!?」

あんじゅ「そ…そのままいった…!」

英玲奈「か…?み切れるのか……?」

穂乃果「むぐぐ…」ギリギリギリ…

ツバサ「………」

料理長「………」

穂乃果「むんっ…!!」ブチリッ!!

ツバサ「…!」

英玲奈「か…噛み切った……」

穂乃果(うぅ……血の味がするよぉ……)モグモグモグ…
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:59:12.44 ID:G6bLkOW+0
料理長「………」

ツバサ「穂乃果さん……」

穂乃果「ふぁい…?なんですか…?」

ツバサ「豪快なのはいいけど、その……はしたないわよ?」

穂乃果「あっ…!す…すみません……!!つい勢いで…」

ツバサ「ごめんなさいね、料理長。今度は、ちゃんと躾けてから来るわ」

穂乃果「…!」

料理長「いえ、いいんですよ、ツバサさん。ここまで豪快に食べられては、私も嫌な気はしません」

ツバサ「そう…?それなら、良かったわ」

穂乃果「す…すみませんでした……」
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:00:00.76 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「………」

ツバサ「…ところで、穂乃果さん…」

穂乃果「は…はい…なんですか…?」

ツバサ「あなた…最近、水見色狩りなんていう事してるんだって……?」

穂乃果「…!」ドキッ!

穂乃果「あ…あはは……マズかったでしょうか…」

ツバサ「別にマズくはないわよ?ただ、少し気になってね……なんで、そんな事してるのか」

穂乃果「えっ…」

穂乃果「な…なんで……」

ツバサ「えぇ、理由があるんでしょう?」

穂乃果「そ…それは……えっと…」

穂乃果「ほ…焔ヶ丘と水見色は対立してるから……だと思います……」
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:01:42.64 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「………」

穂乃果「………」

ツバサ「…そう……」

穂乃果「……はい…」

ツバサ「じゃあ、何をグズグズしてるのかしら…?たしか、今、水見色は頭がいないんでしょう?いまが好機なんじゃないの…?」

穂乃果「あっ…は…はい……そうなんですが……」

ツバサ「………」

穂乃果「実は、水見色に転校生が来まして…」

ツバサ「転校生…?」

穂乃果「はい……高海千歌っていう子なんですが……」

ツバサ「…!」
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:02:08.46 ID:G6bLkOW+0
穂乃果「え…?ツバサさん、どうかしました?」

ツバサ「………」

英玲奈「ツバサ…」

ツバサ「えぇ……」

穂乃果「…?」

ツバサ「ふふっ……そう…あの子が……」

あんじゅ「………」

穂乃果「え…?ええ…?知ってるんですか…?」

ツバサ「ふふっ…昔、ちょっとね…?それにしても、この街に来てただなんて……」

穂乃果「…?」
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:03:03.06 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「穂乃果さん、水見色潰し……私からもお願いするわ」

穂乃果「えっ…!?ツ…ツバサさんが…?」

ツバサ「えぇ…それと、これは命令ね?逆らう事は許さないわよ」

穂乃果「…!」

穂乃果「は…はい……で…でも…なんで……」

ツバサ「あなたが理由を知る必要は無いわ?知った所で、あなたのやる事は変わらないもの……私の言われた通りに動く……それだけでしょ…?」

穂乃果「…!」

穂乃果「は…はい……すみませんでした……」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:04:17.73 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「必要な物があったら、なんでも言ってね。すぐに準備するわ」

穂乃果「あ…ありがとうございます…」

ツバサ「そうね…今はとりあえず……」

穂乃果「え…?」

ツバサ「英玲奈、この子に」

英玲奈「あぁ」

穂乃果「…?」

英玲奈「無くすなよ…?」ゴトッ…

穂乃果「…!!」


拳銃 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


穂乃果「こ…これって……」
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:06:05.90 ID:G6bLkOW+0
ツバサ「本物よ、あると便利だわ。貸してあげる」

穂乃果「そ…そんな…!!ピストルなんて、私…!」

ツバサ「………」

穂乃果「あっ……」

穂乃果「い…いただきます……」スッ…

拳銃 ズシッ…

穂乃果(お…重い……)

ツバサ「ふふっ、触ったのは初めて…?結構重いでしょ」

穂乃果「は…はい……これじゃあ、ちゃんと撃てるか……」

ツバサ「ふふっ、別に撃つ必要は無いのよ?見せるだけ……それだけで、十分だわ」

穂乃果「…!」

ツバサ「さ、この話はこれで終わり。食事を楽しみましょう?せっかくのご馳走なんだから」

穂乃果「………」

穂乃果「は…はい……」








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430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:07:03.92 ID:G6bLkOW+0
AKIBAカフェ−


凛「じゃ…じゃあ、水見色と焔ヶ丘の対立はどうすればいいにゃ…!?こんな誤解で戦うなんて、最悪だにゃ…!!」

ことり「それは、私がなんとかする………私が、穂乃果ちゃんを説得してみせる……!」

花陽「…!」

梨子「ことりちゃん……」
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:07:50.50 ID:G6bLkOW+0
ことり「だから、みんなは待ってて欲しいの……私が説得できるまで……」

千歌「そっか……それで、今日、梨子ちゃんを呼んだんだね……」

ことり「うん……これを伝えたくて……」

千歌「そういう事なら、分かったよ!私は焔ヶ丘とは戦わない…三年生含め、他のみんなにも、そう伝えとくよ!もちろん、事実は伏せてね」

ことり「千歌ちゃん…!」

千歌「凛ちゃんと曜ちゃんも、それでいいよね?」

曜「もちろん!ヨーソロー!」

凛「………」

千歌「凛ちゃん…?」
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:08:27.45 ID:G6bLkOW+0
凛「凛は……凛は、一発、穂乃果先輩を殴らないと気が済まないにゃ……」

千歌「凛ちゃん…!?」

花陽「………」

ことり「凛ちゃん……」

凛「でも……ことり先輩が代わりににやってくれるって言うなら、凛は辞めるにゃ」

ことり「…!」

ことり「うん…!分かったよ…!私が、凛ちゃんの代わりに穂乃果ちゃんの目覚ましてくる…!!」

ことり「バシンッとね!」

凛「にゃはは…ことり先輩のパンチは凛のより、何倍も効きそうだにゃ」

ことり「じゃ…じゃあ…!」

凛「うん…凛も喧嘩しないにゃ!」

ことり「凛ちゃん…!」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:09:00.26 ID:G6bLkOW+0
ことり「ありがとう…!ありがとう、みんな…!私、頑張るね!絶対、穂乃果ちゃんを説得してみせる…!!」

梨子「うん…!頑張ってね…!!応援してるわ!」

花陽「私も応援します…!ことり先輩、すごいです!」

ことり「えへへ…///」

曜「ところで、その暴走族ってのは、どんなチームなの?結構悪い感じ…?」

ことり「あっ…う…うん……それは…」

ことり「A-RISEってチームなんだけど…」

花陽、凛「…!?」

曜「…!?」

千歌「……!?」

梨子「え…?な…なに…?有名なの…?」
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:10:02.35 ID:G6bLkOW+0
千歌「……」スクッ…

曜「ち…千歌ちゃん…!」

千歌「ごめん…私……帰る……」

梨子「え…!?な…なんで…!?」

千歌「……」スタスタスタ…

曜「千歌ちゃん…!!待って…!!」

千歌「……」スタスタスタ…

曜「っ…!ご…ごめん…!私も帰るね!千歌ちゃんを一人にできない…!!」ダッ!

梨子「よ…曜ちゃんまで…!?ちょ…ちょっと…!」

カランカラーン…

凛「行っちゃったにゃ……」
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:11:03.82 ID:G6bLkOW+0
ことり「あ…あれ……?私、なんかマズイ事言ったかな……?」

花陽「わ…分かりません……確かに、A-RISEは有名なチームですが、その名が静岡まで届いてるとは思えませんし……」

凛「それに…ただ知ってるだけじゃなさそうだにゃ……今の様子からして……」

梨子「な…なんなの……?そのA-RISEっていうのは……」

ことり「………」

花陽「…アキバ最大の暴走族の事です……」

梨子「ア…アキバ最大…!?」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:11:50.24 ID:G6bLkOW+0
花陽「はい…数年前までは、喧嘩はしない走り専門のチームだったんですが……」

花陽「現三代目総長…綺羅ツバサが頭についてからは、突然、武闘派チームになりまして……」

梨子「綺羅…ツバサ……」

凛「たしか、その綺羅ツバサが、一人でアキバの他のチーム全て潰して、A-RISEを最強集団にしたらいしにゃ」

梨子「ひ…一人で…!?そんなに強いの…」

ことり「うん…強さもたしかにあるんだけど……それよりも怖いのが、頭が誰よりもキレるって事…」

花陽「はい……残忍かつ狡猾なやり方で、アキバ中から恐れられています……」

梨子「…!そ…それで…穂乃果ちゃんも……」

ことり「うん……」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:12:24.61 ID:G6bLkOW+0
梨子「で…でも、なんで…!?なんで、そんなすごい暴走族が、穂乃果ちゃんを…」

ことり「………」

ことり「たぶん…楽しんでるだけだと思う……」

梨子「…!」

ことり「自分達は、もう倒す敵もいなくなって…他にやる事がないから……」

梨子「そんな……」

梨子「そんなのって……」

ことり「ごめんね…?今日は、こんな重い話ばっかりになっちゃって……」

花陽「いえ…!大事な事ですし……」

ことり「それはそうなんだけどね……今度は、穂乃果ちゃんや海未ちゃんも混ぜて、楽しい話ができたらいいなって……」

梨子「ことりちゃん……」
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:13:13.25 ID:G6bLkOW+0
ことり「梨子ちゃんにも久しぶりに会って、本当はもっと楽しい話したかったんだけどね……」

梨子「………」

凛「全部、終わってから遊べばいいにゃ。今は、問題の解決が先にゃ」

ことり「そうだね…じゃあ、私も行くね?あんまり遅くなると、お母さん心配するし」

梨子「う…うん……それじゃあ、途中まで一緒に行こっか」

ことり「うん…!凛ちゃんと花陽ちゃんも!」

花陽「はい…!ご一緒させていただきます…!」

凛「何かあったら、凛が守らないとだしね!」

ことり「じゃあ、行こっか!」

梨子「えぇ…!」

梨子(………)

ことり「………」

梨子(ことりちゃん……)








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439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:16:51.49 ID:G6bLkOW+0

秋葉原 路地−


千歌「………」ツカツカツカツカ…

曜「ち…千歌ちゃん…!待って…!一旦、落ち着いて…!」タッタッタッ!

千歌「………」ツカツカ…

千歌「………」ピタッ…

曜「千歌ちゃん……」

千歌「………」

千歌「…曜ちゃん……さっき、ことりちゃん…A-RISEって言ったよね……」

曜「う…うん……言った…」

千歌「………」

曜「………」

千歌「そっか……この街にいたんだ……」

千歌「…綺羅…ツバサ……」

曜「…千歌ちゃん……」

千歌「………」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:17:24.27 ID:G6bLkOW+0
??「あれ?その装束……もしかして、あなた達…闇の組織の一員……?」ザッ…

??「その制服…水見色ずらね?」ザッ

曜「…?」

千歌「………」

曜「だ…誰……?」

善子「くっくっくっ……よくぞ聞いてくれたな…!!我が名はヨハ…

花丸「善子ちゃんと、オラは花丸ずら」

善子「…!?」

善子「ヨハネだってば…!!」
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:18:17.74 ID:G6bLkOW+0
曜「は……はぁ…?ヨ…ヨハ…?」

千歌「曜ちゃん…この子達…たぶん焔ヶ丘…」

曜「あっ…!そ…そっか……それで、私達の制服見て……」

善子「くっくっく…今頃気づいたようね……しかし…!!時すでに遅し…!!このヨハネに出会った時点で、お前達の運命は…

花丸「善子ちゃん……」

善子「ちょ…なによ!ずら丸…!!今、決め台詞言う所だったのに…!!」

花陽「もう、逃げてるずら」

千歌、曜 ピューン!

善子「…って、あっー!!!逃げ足はやっ!!」
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:19:13.31 ID:G6bLkOW+0
善子「コ…コラァー!!!勝手に逃げるな!この腰抜けー!!!」

曜「…」ムカッ…

曜「っ…誰が腰抜け…

千歌「曜ちゃん…!ことりちゃんに言われたでしょ!」タッタッタッ!

曜「む〜……分かってるよ…」タッタッタッ!
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:21:00.88 ID:G6bLkOW+0
善子「腰抜けー!!アホー!!間抜けー!!!」

花丸「善子ちゃん、そんな事言ってないで、あれやるずら」

善子「えっ…?あ…あー…あれね……」

善子「えーっ…と……」ゴソゴソ…

善子「あった…!」

吹き矢 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

善子「行くわよ〜……ヨハネファイナルダーク…

花丸「いいから、早く撃つずら!!」

善子「〜っ…!わ…分かったわよ…!!ヨハネアローッ!!!」フッ!!!

曜の鞄 ピタッ!

善子「よし…!鞄に当たったわ!」

花丸「ナイスずら!善子ちゃん!!」
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:22:10.99 ID:G6bLkOW+0
善子「散々練習したからね!!外す事はないわ!」

花丸「あれ…?その吹き矢は、善子ちゃんが天から授かった相手を追跡する吹き矢って設定だったんじゃ……」

善子「あっ…!」

花丸「忘れてたずらね…?」

善子「ち…違う…!!ていうか、設定って言うな!!」


曜「はぁ…はぁ……」タッタッタッ!

曜の鞄 「………」ピッピッピッ…














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445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 22:49:15.98 ID:YMXK0NL3O
小物感が凄いんだが
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 23:58:23.64 ID:rLpm/ltW0
期待
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:19:02.39 ID:KH0vmilW0

次の日 朝−

千歌達のマンション−


チュンチュン…


梨子「………」

梨子(はぁ…曜ちゃんと千歌ちゃん襲いなぁ……)

梨子(………)

梨子(昨日の事…聞きたいのに……)

曜「行って来まーす」ガチャ!

梨子「あっ、曜ちゃん!」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:20:43.05 ID:KH0vmilW0
曜「梨子ちゃん!おはヨーソロー!あれ?千歌ちゃんは、まだ来てない感じ?」

梨子「うん、なんかバタバタしてるのは聞こえたけど…」

曜「あはは、千歌ちゃん、朝弱いからね〜」

梨子「………」

梨子「あのさ、曜ちゃん…」

曜「あっ…もしかして、昨日の事…?」

梨子「えっ…う…うん……よく分かったわね…」

曜「いやぁ〜…あんな事しちゃったら、当然、梨子ちゃんも心配してるだろうなぁ〜って思って…」

梨子「じゃ…じゃあ…」

曜「ん〜…でも、理由は言えない…かな……」

梨子「え…」
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:21:43.95 ID:KH0vmilW0
曜「千歌ちゃんに口止めされてるの……梨子ちゃんには言っちゃダメだって……」

梨子「口止めって……」

曜「でも、それは私が転校して来たばっかりの時の話で、今は、たぶん、千歌ちゃんも話していいと思ってると思う……」

梨子「そ…それなら…!」

曜「でも、私の口からは言えないよ、千歌ちゃんの問題だから…」

梨子「曜ちゃん……」

千歌「行って来まーす!」ガチャ!

梨子「あ、千歌ちゃん…!」
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:22:42.83 ID:KH0vmilW0
曜「千歌ちゃん!おはヨーソロー!」

千歌「おはよー!二人とも!!ごめんごめん!ちょっと遅れた!」

曜「いいよいいよ、私も今出た所だし!さっ、早く学校行こう!」

千歌「うん…!」

梨子「………」

千歌「ん?梨子ちゃん、どうかした?」

梨子「……いや、なんでもないわ、さっ、行きましょう」

千歌「え…?そう…?なら、いいけど…」



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451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:23:43.91 ID:KH0vmilW0
千歌「よーし!行くぞ〜!オレンジみかん号!」ブロロロ…

曜「千歌ちゃん号も、行くよ〜!!」ブロロロ…

梨子「って、いやいやいやいや!」

千歌「ん?どうかしたの?」

梨子「二人とも、スクーター乗ってくの!?私は!?」

曜「ん〜……後ろ、乗ってくかい?」キランッ!

梨子「いや、犯罪だから!」

千歌「でも、そうしないと梨子ちゃんだけ走る事になるよ?」

梨子「えぇ!?スクーターに乗らないって選択肢は無いの!?」

千歌「えぇ〜!だって、せっかく持ってるのに乗らないなんて!」

梨子「でも、私だけ走るなんておかしいでしょ!」

千歌「だから、乗ればいいよ!二人ぐらいなら余裕だよ!!余裕!!」

梨子「そういう問題じゃないでしょ!?犯罪なの!犯罪!!ルールなの!やっちゃダメなの!!」

千歌「梨子ちゃん…ルールは破るためにあるんだよ!」

梨子「はぁ!?」
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:25:11.85 ID:KH0vmilW0
千歌「さっ!行こう!!」グイッ!!

梨子「わわっ!ちょっ…千歌ちゃ…

千歌「おりゃ!」グイッ!!

梨子「きゃっ!」ドサッ!!

千歌「よし!!出発進行ー!!!」ギュルン!!

梨子「えっ…!?」

曜「ヨーソロー!!」ギュルン!!

千歌「ひゃっほうー!!!」ビューーーンッ!!

曜「いえええいっ!!!」ビューーーンッ!!

梨子「いやあああああああああっっっ!!!」
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:26:03.17 ID:KH0vmilW0
梨子「死ぬ死ぬ死ぬ!!降ろして!!死ぬから!!」

千歌「死なないよ!ちゃんと、私に掴まってれば!」ブーンッ!!

梨子「掴まってるわよっ!!」

曜「あはは!楽しーね!!」ブーンッ!!

千歌「うん!!最高!!!」ブーンッ!!

梨子「楽しくないわよ!!バカじゃないの!?」

千歌「そんな風に目つぶってるからだよ!もったいないよ!目、開けて!!」ブーンッ!!

梨子「怖くて開けられないの!」

千歌「大丈夫!!信じて!!」ブーンッ!!

梨子「う…うぅ……」

梨子(す…少しだけなら……)

梨子「……」スゥ…

梨子「…!」
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:26:30.81 ID:KH0vmilW0
千歌「どう?気持ちいいでしょ!!」ブーンッ!!

梨子「………」

千歌「あれ?気絶でもした?」ブーンッ!!

梨子「すごい……」

千歌「…!」ブーンッ!!

千歌「見えた!?」ブーンッ!!

梨子「うん……景色が流れてく……」

千歌「でしょ!!それに風も気持ちいい!!」ブーンッ!!

梨子「うん…うん…!たしかに…!!気持ちいいわね!!」

曜「おー!梨子ちゃん、分かってきたね!!」ブーンッ!!

梨子「うん…!気持ちいい!バイクって、こんなに気持ちいいものだったんだ…!!」

千歌「あはは、スクーターだけどね〜!」
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:28:06.91 ID:KH0vmilW0
警察官「最近、不良生徒が多いからな…見つけたら、ちゃんと注意しないと…」トコトコ…

オレンジみかん号 ブーンッ!!

千歌ちゃん号 ブーンッ!!

警察官「む…?」

千歌「いえええええいっ!!!」ブーンッ!!

曜「気持ちー!!」ブーンッ!!

警察官「なっ…!?そ…そこの原付!!止まりなさい!!!」ダッ!!

千歌「ん?あ…!警察だ!!」ブーンッ!!

曜「お…!ほんとだ!」ブーンッ!!

梨子「えぇ!?えええ!!??嘘!?捕まっちゃうじゃないの!!」

警察官「ノーヘル禁止ー!!!二人乗りもだー!!!あと、スピード違反だー!!」ダッダッダッ!!

千歌「お勤めご苦労様ですっ!」ビューンッ!!

曜「ヨーソロー!」ビューンッ!!

梨子「…!?」

警察官「コ…コラァー!!待てーー!!!」ダッ!

千歌「あはは、追いつけるわけないよーん」ブーンッ!!

曜「ま、バイクで来たところで、捕まらないけどね〜!」ブーンッ!!

梨子「ちょ…ちょっと!!二人とも!?」
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:28:35.09 ID:KH0vmilW0
千歌「ん?どしたの?梨子ちゃん」ブーンッ!!

曜「何ー?」ブーンッ!!

梨子「い…いいの…!?あんな事して!!」

千歌「いいわけないじゃん!!あはは!」ブーンッ!!

曜「当たり前だよ!梨子ちゃん!!」ブーンッ!!

梨子「え…えぇ……?」

梨子(ダ…ダメだ……私、この子達の事、分からないわ……)

千歌「ひゃっほうー!!!」ブーンッ!!

曜「ヨーソロー!!!」ブーンッ!!












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457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:30:57.71 ID:KH0vmilW0

焔ヶ丘高校 二年生教室−


海未「え…ツ…ツバサさんから……?」

穂乃果「うん…水見色を潰せって……」

ことり「そんな…」

穂乃果「まあ、言われなくてもやる話だったけど、これで、もう本当にやらないわけにはいかなくなった……」

海未「そうですね……」

ことり「…!」

ことり「ま…待って…!!でも、あと少しすれば、そのツバサさんから自由になれるんでしょ!?それなら…!」

穂乃果「……ことりちゃん…」
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:32:35.83 ID:KH0vmilW0
ことり「お願い…穂乃果ちゃん……、だって、こんなのおかしいよ…水見色と焔ヶ丘が争う必要なんて無いんだよ……」

穂乃果「………」

穂乃果「必要だよ……」

ことり「…!」

ことり「そんな…!なんで…!!」

穂乃果「私のため……ことりちゃんも、本当に私の事考えてくれるなら、口出さないでよ……」

ことり「…!」

ことり「穂乃果ちゃ…」ウルッ…

穂乃果「………」

海未「穂乃果っ…!!」

穂乃果「…!」

海未「謝りなさい……ことりに……」

穂乃果「………」

ことり「海未ちゃん……」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:33:02.94 ID:KH0vmilW0
穂乃果「………」

海未「………」

穂乃果「もう、いい……」クルッ…

海未「あっ…!穂乃果…!!」

穂乃果「………」ガララ…バタンッ…

海未「穂乃果……」

ことり「穂乃果ちゃん……」
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:33:34.43 ID:KH0vmilW0
海未「ごめんなさい…ことり……」

ことり「そんな……海未ちゃんが謝る事がじゃないよ……」

海未「いえ…私が悪いんです……私が…あの時、ちゃんと気づいてあげていれば……」

ことり「それなら、私だってそうだよ…!穂乃果ちゃんが、一人で苦しんでるのに気づけなかった…!相談に乗ってあげることもできなかった…!」

海未「………」

海未「…いいんですよ…ことり……ことりは、私達の支えなんですから……」

ことり「海未ちゃん……」
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:34:25.15 ID:KH0vmilW0
海未「でも、だからといって水見色潰しを辞めるわけにはいきません……今、それが無くなれば…穂乃果は……」

ことり「違う…!それじゃあ、繰り返すだけだよ…!!変わんなくちゃダメなんだよ…!」

海未「………」

海未「ごめんなさい…ことり……私は…私は、もう穂乃果を失いたくはないんです……」

ことり「…!」


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


ことり「あっ…」
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:36:05.77 ID:KH0vmilW0
海未「ホームルームが始まります…私は席に戻りますね」

ことり「穂乃果ちゃんは…!」

海未「………」

海未「分かりません…いづれ戻ってくるでしょう……」

ことり「う…うん……」

















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463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:36:49.86 ID:KH0vmilW0

水見色高校 昼休み−

屋上−


千歌「相手を絶対倒す最強のパンチって何か分かる?」

凛「ん…ん〜……ものすごい威力の…」

千歌「はずれ〜」

凛「えぇ〜!?でも、すごい強いパンチなら、相手は立てないにゃ!」

梨子「………」モグモグ…

花陽「……」モグモグ…

千歌「ん〜…まあ、本当にすごい威力なら立てないよ?でもね、人間ってのは、案外、来るって分かってれば、どんなパンチも一発なら耐えられるんだよ」

凛「そ…そんな事…」

千歌「あるって、我慢すればいい、覚悟すればいい、もっと言えば、ガードすればいい。来るって分かってるなら、耐えられないパンチはないよ」

凛「じゃ…じゃあ、正解はなんにゃ」

千歌「簡単だよ!来るって分からないパンチを打てばいい!」

凛「来るって分からないパンチ…?」

曜「ま、その代表例がカウンターだね!千歌ちゃんお得意の!」

凛「カウンター……」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:38:29.90 ID:KH0vmilW0
千歌「喧嘩の中で、相手が一番油断する瞬間っていつだと思う?」

凛「ん〜……攻撃の時…?」

千歌「そうそう、だから、その瞬間を狙う…相手が踏み込んで攻撃を繰り出そうとした瞬間…!」

千歌 バッ!!

凛「…!」フワッ…

千歌「拳を突き出す……」

千歌「相手の見えない角度、タイミング、スピードで打つ…!これがカウンターの原則!」

凛「でも、それって失敗したら……」

千歌「うん…自分が大ダメージを食らう…相手の攻撃に対して、こっちは踏み込んでるわけだからね……」

凛「こ…怖いにゃ…」
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:40:06.64 ID:KH0vmilW0
千歌「でも、そこを乗り切れれば、一発で相手を倒せる!ハイリスクハイリターンってやつだね!」

凛「な…なるほど……」

千歌「だから、カウンターで一番大切なのは、まず相手の攻撃を見切ること!これに尽きるよ!」

凛「見切る……難しそうにゃ……」

千歌「普通にやればね…」

凛「普通に……?じゃあ、普通じゃない方法があるって事かにゃ…?」

千歌「うん…!ズバリ、相手の攻撃を待つんじゃなく、打たせる!」

凛「う…打たせる……?」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:41:17.50 ID:KH0vmilW0
千歌「例えばだけど、不用意に前に出たり、わざとガードに隙を作って狙わせたり……相手の次の攻撃を誘導するの!」

凛「誘導……す…すごいにゃ……」

曜「まあ、失敗すれば、普通に攻撃くらって終わりだけどね〜」

凛「てことは、またハイリスクハイリターンって事かにゃ……」

千歌「だから、練習しないと実践では使えない…まあ、私は、いきなり実践でやったけど……」

凛「え…!?で、できるのかにゃ!?」

曜「いやいや、普通は無理だよ。千歌ちゃんは特別だからね…凛ちゃんは、やりたいなら、ちゃんと練習した方がいいよ」

千歌「いやぁ〜…///」テレテレ
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:41:48.16 ID:KH0vmilW0
凛「分かったにゃ…!じゃあ、さっそくカウンターやってみるにゃ!」

千歌「よっしゃ!じゃあ、私が適当に攻撃するから…

梨子「じゃないでしょ!!なんで喧嘩教えてるのよ!!」

千歌「えっ…」

梨子「喧嘩しないんでしょ!!昨日、ことりちゃんに言われたばっかりじゃない!!」

千歌「い…いやぁ〜……これは、喧嘩というか…スポーツ…?みたいな……あはは…」

梨子「明らかに喧嘩目的だったでしょ!!もう!本当にダメよ?喧嘩しちゃ…」

千歌「わ…分かってるって…!昨日だって、焔ヶ丘に絡まれたけど、黙って逃げ出し…」

梨子「え…?そうなの…?」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:44:19.44 ID:KH0vmilW0
千歌「うん…!ね!曜ちゃん!」

曜「本当だよ、なんか変な二人組で、千歌ちゃんに腰抜けだなんて言うもんだから、キレそうになったけど、逃げてきたよ」

梨子「へぇ〜…偉いわね、二人とも」

千歌「えへへ…///」

曜「いやぁ〜…///」

花陽「…」モグモグ…

花陽「…」ゴクン…

花陽「…変な二人組って、どんなですか?」

曜「え…?ん〜…えっと…片方は、なんか自分の事ヨハネとか言ってて…もう片方は、なんか方言……ずらって言ってたかな…?」

凛「えっ…」

花陽「そ…それって……」
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:47:56.44 ID:KH0vmilW0
曜「あれ?知ってるの?」

凛「…知ってるにゃ……アホのよしまるコンビだにゃ……」

千歌「ア…アホ…?」

凛「アホだにゃ…あいつらは……」

曜「中学の時、なんかあった感じ?」

花陽「隣の中学でした、善子ちゃんと花丸ちゃんが音ノ木二中……私達と穂乃果先輩達が音ノ木三中でした」

曜「へぇ〜…なんか面白いね〜」

梨子「ちなみに、私は一中よ」

千歌「誰も聞いてないよ…梨子ちゃん……」

梨子「…!?」

梨子「なんで、そんな事言うのよ!!」

千歌「いや、なんか梨子ちゃん面白くて…」

梨子「どういう事!?」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:48:30.96 ID:KH0vmilW0
曜「それで、何がアホなの?その二人って」

凛「喧嘩の仕方だにゃ……もう二度とやりたくないにゃ……」

曜「え…?どゆこと…?」


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


曜「あ…ベル鳴っちゃった……」

凛「まあ、そのアホ二人の話は、またどっかでしてあげるにゃ」スクッ…

凛「今は、そんな事構ってられる状況じゃないし…」

梨子「そうね……それよりも、穂乃果ちゃん達の事の方が問題だわ…」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:50:45.75 ID:KH0vmilW0
花陽「きっと大丈夫ですよ…!ことり先輩なら!」

千歌「でもさ、例え説得できて、水見色と焔ヶ丘の対立が無くなったとしても、その…鞠莉…と果南…?って人達倒さないと、穂乃果ちゃんは自由になれないんでしょ?」

千歌「それって、結構大変なんじゃない?」

花陽「いや…!穂乃果先輩は本当に喧嘩強いので、大丈夫ですよ!」

曜「でも、一回負けてるんでしょ?」

花陽「…!そ…それは……二対一だったからで…」

千歌「たとえ、そうだとしてもさ……喧嘩で一度負けた相手に勝つってのは、本当に大変な事なんだよ」

花陽「そ…そうなんですか…?」
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:51:28.68 ID:KH0vmilW0
千歌「喧嘩は、スポーツと違って、ルールなんてないからね……危険な技も使えるし、ストップも無い……だからこそ、精神面が大きく影響するんだよ」

梨子「どういう事…?」

曜「ちょっとでも気持ちで負けてれば、例え実力差があったとしても、一発で形成が逆転するって事だよ」

千歌「それが、一度負けた相手だと、どうしても負けた時のイメージが付きまとう……これがキツイ……それを考えた時点で負けたようなものだから……」

梨子「はぁ…なんとなくだけど、分かったわ…」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:52:17.09 ID:KH0vmilW0
花陽「じゃ…じゃあ、穂乃果先輩が勝つのは相当難しいって事ですか…?」

千歌「まあね…普通に考えたら無理だろうね……」

凛「………」

凛「大丈夫にゃ……」

千歌「…?」

凛「穂乃果先輩なら……昔の…凛の憧れた穂乃果先輩なら……」

花陽「凛ちゃん……」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:53:53.47 ID:KH0vmilW0
凛「………」

凛「…さっ、もう教室戻るにゃ!授業が始まっちゃうにゃ」

梨子「あ!本当だ!早く行かないと!」

曜「ていうか、次、体育じゃん!着替えないとだよ!!」

千歌「えぇ!?今日、体育あったの!?体操着忘れたっー!!」

梨子「えぇ!?じゃあ、誰かに借りないとじゃない!なおさら急がないと!!」

千歌「うん!!そ…それじゃあ、私達行くね!また放課後!!」ダッ!


ガチャッ…バタンッ…!


凛「はぁ…全く忙しい人達だにゃ…」

花陽「あはは…そうだね」
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:54:47.92 ID:KH0vmilW0
凛「じゃあ、凛達は、ゆっくり優雅に教室に向かうにゃ。かよちん、次の授業なんだっけ?」

花陽「えっと…たしか英語だったかな…?」

凛「…!?」

凛「え…英語…!?」

花陽「え…?ど…どうかしたの!?」

凛「しゅ…宿題やってないにゃ…」

花陽「えぇ!?い…今からじゃ間に合わないよ…!?」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:55:20.42 ID:KH0vmilW0
凛「間に合わせるにゃ…!!かよちん、宿題見せて!!」ダッ!

花陽「えぇ!?ちょ…凛ちゃん!?」

凛「かよちん、早く来るにゃー!!」

花陽「ま…待ってよー!!」ダッ!
















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477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:56:59.83 ID:KH0vmilW0

放課後 焔ヶ丘高校−


キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…


ザワザワ…ガヤガヤ…

花丸「うわぁ〜…本当に焔ヶ丘中の不良が集まってるずら……」

善子「まあ、穂乃果先輩直々の呼び出しだからね」

花丸「それにしても、なんだろうね……急に放課後、校舎裏に集まれーだなんて……」

善子「さぁ…?水見色に総攻撃でも仕掛けるんじゃないの?」

花丸「そ…それは流石に……」

ザワザワ…!

善子「ん?あっ…!来たみたいよ!!」

花丸「え!?どこずら!?」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:58:55.20 ID:KH0vmilW0
穂乃果「………」ザッ…

海未「………」ザッ…

善子「いた…!!前の方に!」

花丸「あっ!本当ずら…!!かっこいいずら……」

善子「当たり前じゃない!アキバの救世主よ!救世主!!そして、それを支える最強のNo.2!「武神」こと、園田海未先輩!!やっぱり、焔ヶ丘に入学して良かったわ…!」

穂乃果「………」

シーン…

善子(す…すごい……穂乃果先輩が来てから、ずっと騒がしかった不良が静かになった……)

花丸(これが、高坂穂乃果先輩……すごいカリスマ性ずら……)
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 17:59:21.98 ID:KH0vmilW0
穂乃果「………」

穂乃果「…みんな…今日、あちゅまって…あっ…」

ヤンキー達「「…!?」」

善子「え…?」

花丸「い…今……」

海未「………」

穂乃果「こほんっ…///えー…みんな…今日、集まってもらったのは…」

善子(す…すごい…!無かった事にした……)

花丸(これが、高坂穂乃果先輩……すごいカバー能力ずら……)
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 18:01:06.91 ID:KH0vmilW0
穂乃果「他でもない……水見色と焔ヶ丘の事についてだ……」

善子(やっぱり……でも、今更なにを…?)

穂乃果「単刀直入に言う……今日、総攻撃をかけて水見色を潰す」

ヤンキー達「「…!?」」

花丸(きょ…今日…!?)

穂乃果「今から、配置に分かれて、下校中の水見色生徒を襲う……二度と焔ヶ丘に刃向かえないように…徹底的に……」

善子「…!」ゾッ…

善子(ほ…本気だ……)
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 18:02:22.30 ID:KH0vmilW0
穂乃果「配置は…

ことり「穂乃果ちゃん…!!」ザッ…!!

海未「…!?こ…ことり…!!」

穂乃果「………」

穂乃果「ことりちゃん……」

ザワザワ…

善子「え…?誰…?あの人……穂乃果先輩を呼び捨てで……」

花丸「たしか…二年の南ことり先輩ずら……穂乃果先輩と海未先輩と幼馴染とかいう……」

海未「ことり…!なぜ来たのですか!!ここには来てはいけないと、先程…

穂乃果「海未ちゃん…」スッ…

海未「穂乃果…」
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 18:03:05.07 ID:KH0vmilW0
ことり「………」

穂乃果「私が行く……ここは海未ちゃんに任せてもいい…?」

海未「穂乃果……」

穂乃果「ことりちゃん……話があるんでしょ…?場所…変えよう」

ことり「…!」

ことり「う…うん…!」

ザワザワ…

善子「え…!?なに…!?どういう事!?」

花丸「分かんないずら…!なんで、こんな大事な時に、穂乃果先輩が…」

海未(穂乃果……ことり……)
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 18:03:39.57 ID:KH0vmilW0
ヤンキー「なんだなんだー!?」

ヤンキー「どういう事だー!?」

善子「ちょ…ちょっと……なによ、これ…!急に騒がしくなってきたわよ…!?」

花丸「そりゃそうずら…!本来、不良が静かにしてる方がおかしいずら…!!」

ヤンキー「いって…おい!てめぇ、今、足踏んだろ!!」

ヤンキー「あぁ!?てめぇが、そんな所に立ってるから悪いんだろうが!!」

花丸「け…喧嘩まで……」

善子「や…やばいんじゃない……これ…逃げた方が……」

海未「………」
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 18:05:33.72 ID:KH0vmilW0
海未「…」スッ…

踏み足 ダンッッッッッ!!!!!!

ヤンキー達「「…!?」」ビクゥッッ!!!

善子、花丸「…!?」ビクゥッッ!!!

善子(え…な…なに……?地震……!?)

海未「……あなた達……」

海未「…誰が喋っていいと言いました……?」

ヤンキー達「「…!!」」ゾッ…!

ヤンキー達「す…すみませんでした…!!」ピシィッ!!

海未「全く……」

花丸(こ…怖すぎるずら……)

善子(海未先輩には逆らわないようにしよう……)






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485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 18:07:38.48 ID:KH0vmilW0

校舎内 廊下−


穂乃果「……」

ことり「……」

ことり「ほ…穂乃果ちゃん……」

穂乃果「ことりちゃん……言いたい事は分かるよ……でもね、もう何があろうと、変える気はないから」

ことり「………」

ことり「で…でも……私は…」

穂乃果「………」

ことり「私は…もうそんな辛そうな穂乃果ちゃんを見たくないよ……」

穂乃果「………」

ことり「大丈夫だよ…私達がいるから……変われるよ……今からでも……」

穂乃果「………」

穂乃果「無理だよ…」

ことり「無理じゃないよ…!!みんながいるから…!梨子ちゃんや花陽ちゃん達だって…!」

穂乃果「…!」
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 18:08:16.98 ID:KH0vmilW0
穂乃果「梨子…ちゃん……」

ことり「大丈夫だから……私達がいるから……だから……」

穂乃果「…っ」

穂乃果「なにが……」

穂乃果「なにが分かるのさ……ことりちゃんに…」

ことり「えっ…」

穂乃果「何も知らないくせに……」

ことり「穂乃果…ちゃ……」
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