バットマン「グランド……オーダー?」 マシュ「その2です」

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674 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/04/02(月) 20:06:07.92 ID:XAEQl6mw0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/02(月) 21:09:18.40 ID:QsmxHJe5O

尋常じゃないなヴェイン
強化されてる上にブルースと頭脳プレーで張り合い出したら勝ち目が見えん
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/02(月) 21:34:13.40 ID:A3TYWi4n0
乙。そしてMr.Jの声が聞こえた気がするが気のせいだな!
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 00:03:54.88 ID:WL5wJbPD0
乙乙
やっぱヴェインは洒落にならんな……

678 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/04/20(金) 22:30:08.94 ID:tE+Nq4fB0
生存報告です。申し訳ありません、忙しさにかまけて更新が遅れています。失踪はしないので気長に待っていただけると幸いです。
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 23:51:26.35 ID:BTvl3HKPo
がんばれ
カレンダーを眺めながら>>1を待っているぞ
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 13:05:24.21 ID:9F8D/DSV0
ゆっくりでええんやよ
大事なのは最後まで行くこと
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/09(水) 22:18:57.06 ID:4j+nzZi40
まってる
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/12(土) 08:17:46.48 ID:+Pzod3BfO
おれもまってる
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/14(月) 17:14:06.63 ID:tTtXMBB/0
おれもおれもまってる
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/23(水) 23:29:29.14 ID:y7MX5fKg0
いつまでも待つぞ
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/01(金) 12:31:23.97 ID:Mdn9lDls0
6月になったけど待ってます
686 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:13:59.52 ID:iNQLdeY80

………………

M「……つまり、こういう事か。ベインが潰したと断言できるのは、結局、敵サーヴァント一騎だけだと」

スケアクロウ「ただ座しているだけの者よりよほど誇るべき成果だろうさ、ククク」

M「……」ギシッ

P「落ち着きなさい。次の手を考えねば」

M「……ふん。バベッジ、聞こえるか」ピピッ

バベッジ『聞いている』ブゥン

M「植物園へ向かえ、奴らが賢いなら、そこへ来るはずだ」

バベッジ『……了解した』


687 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:14:46.90 ID:iNQLdeY80

P「……」

M「言いたい事があるなら言うが良い、パラケルスス」

P(パラケルスス)「いえ……ただ、変わったのだと、実感しただけです」

M「……人は変わってしまう。ならば、気高いままで仕事を終えたい」

パラケルスス「……」

スケアクロウ「……」


688 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:16:16.06 ID:iNQLdeY80


M「結果、自分が変わってしまったとしてもだ。……過ぎた贅沢だと、思わないでもないのだがね」

パラケルスス「……贅沢ですか」

スケアクロウ「……見てきたハズだ、マキリ。人間の本質は恐怖だ。絆、博愛、平和。そんな綺麗事を囁いていた連中が、一口でもガスを吸えばどうなった?
結局、世界は嘘で覆われているのだ。見栄えだけは良い、輝かしい嘘でな」

M(マキリ)「……そう、だったな。ああ、無論、我々の目的が揺らぐ事はない」

スケアクロウ「……私は行く。恐怖ガスを更に改良しよう」スタ、スタ……

パラケルスス「……」


689 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:16:45.44 ID:iNQLdeY80


マキリ「……」

パラケルスス「……悪は止まれない。私がそう言ったのを覚えていますか」

マキリ「……覚えている。勿論だ」

パラケルスス「ですが、毒がその分量によって薬にもなるように……必要悪というのは、存在するのです。
今、その魂が悪に染まっていても。きっと世界は良い方向へ変わっているのです。変化に犠牲は、つきものですから」

マキリ「……ふふ、魂か。なあ、パラケルスス」

パラケルスス「はい、マキリ」

マキリ「私の理想は──」


690 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:17:11.58 ID:iNQLdeY80

………………


ゴポッ、ゴポポポポポ……


(ブルース)

(ブルース)

((バットマン))

バシャアッ、ポタ、ポタ……

((坊ちゃま……))

(((ブルース)))

(((お父さん……)))

(((逃げろ)))


バットマン「……」ポタ、ポタ……

???「ぅあ……」バシャバシャ……

バシャ、バシャ……


???2「おーい! こっちだ、こっち! 運んできてくれ!」


691 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:17:37.59 ID:iNQLdeY80



(((ハハハァー!! 命を持つ痛みすら叫ばず!)))

(((果てには死が待つというのに、私の破壊行動に怒りを燃やす! それがアナタ達の弱点だ!)))



???「う……」バシャバシャ

???2「酷いな……ブルースが特に不味い。早く緩和剤を打たなきゃ」カチャカチャ

バットマン「……ぐ……」



(((貴方も本当は気付いているんじゃないですかァ? 限りある命なんて、所詮……)))


(((今度は信念だ、バットマン。お前は肉体をいくら潰しても這い上がってくる。ならば、精神を先に潰す)))

(((お前を殺せば、きっと世界は終わるのだろう)))


(((世界は狂っている……貴様は狂っていない)))

(((こちらへ来い、ブルース)))

(((ブルース)))


(((逃げろマーサ、ブルース)))

692 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:18:06.69 ID:iNQLdeY80



バットマン(……)

(((私達はお前にそうなって欲しくなかった、ブルース)))

バットマン(……)

(((ただ、お前が幸せに生きてくれれば、それだけで良かったのに)))

バットマン(……)

(((……だが、もう良いんだ。こっちへ来い、ブルース。一緒にいこう。もう、これ以上苦しむ必要はない)))スッ

ブルース(……)

(((ブルース、大丈夫よ。お母さんだってついてるわ。こっちへいらっしゃい)))


ブルース(……)


バットマン(……違う)


693 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:18:47.69 ID:iNQLdeY80


(((ブルース)))

バットマン(向き合え。真の恐怖とは何だ。私は何を恐れている)

(((ブルース、こっちへいらっしゃい)))

バットマン(一時の暖かさでそれを誤魔化すな。私は何を恐れている。仮面を剥がれる事か? それとも)

(((ブルース)))

バットマン(また、闇の中で動けなくなる事か?)



バチチィッ、ドクン‼


バットマン「ッ!!」ガバッ

???「ゥー……」バチ、バチチチ

???2「ブルース!」

694 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:19:18.21 ID:iNQLdeY80


バットマン「ここは一体……ジキル博士?」

ジキル「僕だよブルース。通信が途切れたから、電波の発信源を追って駆け付けた。助けてくれたのは、この子だけど」

???「……」

バットマン「……」チラッ


排水口「」バシャシャシャシャ……


マシュ「……」グタッ

モードレッド「……」グッタリ


バットマン「……本当に、お前が?」

???「ウ!」コクコク


695 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:19:49.91 ID:iNQLdeY80


バットマン「……ありがとう、あのままでは死んでいた。助かった」

???「ウゥ……」フリフリ

バットマン「ジキル、恐怖ガスの緩和剤はまだあるか? マシュとモードレッドも恐らくガスの影響下にある」

ジキル「駄目だ、ストックの一本分は既にキミに使った。何処かに隠れて調合しないと」

バットマン「そうか……」


通信機『』ピピー‼ ピピー‼

バットマン「もしもし、ドクターか」ピッ

ドクター『ブルースくん! 良かった、応答しました! 生存を確認!』

所長『ブルース! 生きてたのね……!! どうして連絡しなかったの!? マシュは!?』

レオナルド『ほら言ったじゃないか、絶対生きてるって』

ドクター『何度もバイタルを確認してたクセによく言えるな!?』

レオナルド『恐怖に勝るのはいつだって事実さ……早速だが、状況を確認したい。良いね、ブルース』

バットマン「ああ、報告する」


696 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:20:28.78 ID:iNQLdeY80


………………


ドクター『……成程、ベイン。それにB・P・M・Sのうちの「B」、バベッジの登場か』

レオナルド『サーヴァント三騎を相手に全く退かず、それどころか遊びじみて返り討ちにしただって? そのベインというヤツは何者なんだ、ホントにただのサーヴァントなのかな?』

バットマン「……怪しいものだが、生前から考えると妥当な強さではあった」

レオナルド『うーん……滅茶苦茶だな。ブルース、キミは平気かい?』

バットマン「一撃もらったが、スーツのアイソメトリック機能で持ちこたえている」

ドクター『……そのまま休んでいて欲しいところだが、マシュのバイタルがひと呼吸ごとに悪化している。可及的速やかに屋内へ退避してくれ』


ジキル「ここから近いのは……図書館だな。こちらとしても、広めのスペースを確保したい」

バットマン「分かった、では行くぞ。ジキル、モードレッドを頼む。私はマシュを担ぐ」

ジキル「了解。よいしょ……うっ、重いな……」ガシ、グイッ

モードレッド「……ちち、うえ……」グタッ


697 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:20:55.88 ID:iNQLdeY80


バットマン「……」ガシ、グイッ

マシュ「……先輩……」

バットマン「……」スタ、スタ

マシュ「……ごめんなさい……」

バットマン「……」


698 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:21:21.34 ID:iNQLdeY80


コツ、コツ……


ドクター『ブルース、その……肝心な時にサポートが行き届いていなかった。すまない』

バットマン「……あぁ、大丈夫だ。私も、現場で常に策を考えるハズが、犠牲を出しながらの撤退になってしまった……まるで最悪を受け入れたようだった。情けない話だが」ポタポタ、グイッ

ドクター『……』

バットマン「……それに、フランケンシュタイン博士を助けられもしなかった。すまない」

ジキル「……良いんだ。キミ達が帰って来た、それで十分だよ」

???「……ゥ……」フリフリ

バットマン「……良ければ、キミの名を教えてもらえないか」

???「ふらん……」

バットマン「フランか……」


699 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:22:00.00 ID:iNQLdeY80


バットマン「ダビデを……ダビデを助けようとしてくれた事に、感謝する。ありがとう」

フラン「……ゥ」

ドクター『……ダビデも、消滅したんだね。アイツ、最期に何か言ってたかい?』

バットマン「あぁ。息子を頼むと、そう言われた」

ドクター『えっ……息子って、そ、ソロモンを?』

バットマン「ああ、そうだろう」


700 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:22:25.50 ID:iNQLdeY80


ドクター『……そうか、そんな事を……』

バットマン「ドクター、やはり……ダビデは、お前が思っているほどは、悪い奴ではないと思う」

ドクター『……そう、か。
……そうだね。僕も少し、言い過ぎたかもしれないなぁ』

バットマン「……」

ドクター『……ありがとう、ブルース。ごめんね』

バットマン「謝る事ではない。ダビデにも息子を思う気持ちがあった、それだけの事だ」

ドクター『そうだね……』


701 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:23:04.04 ID:iNQLdeY80


バットマン(しかし、今回の黒幕がソロモンだと直接ダビデに明かした事があっただろうか)

バットマン(……覚えはないが、第三特異点であれほど強く問い詰めたのだ。何かしら察するところはあったのだろう)


ジキル「あれが図書館だ、ブルース。もう少し踏ん張ってくれ」

バットマン「ああ、大丈夫だ……」

フラン「ウ!」スタスタ


702 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:23:32.60 ID:iNQLdeY80


バットマン「……」


霧「」ズォォォォォォ……


街路「」……、…………


バットマン(私達以外の足音などしていない。その筈だ、だが……この胸騒ぎは何だ?)

バットマン(また恐怖ガスの幻覚か? いや、それにしては……)


ジキル「どうした?」

バットマン「……」

フラン「?」

バットマン「……いいや、何でもない。行くぞ、止まらず」スタスタ



703 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:24:02.31 ID:iNQLdeY80


………………


ナーサリー「……」

アンデルセン「……ほら、紅茶だ。飲め」カチャ

ナーサリー「いらないわ。紅茶なんて……」パシッ

アンデルセン「いつまでヘソを曲げているつもりだ、お前……」

ナーサリー「いつまで、ですって?」

アンデルセン「……」

ナーサリー「……マッドハッターさんが帰ってくるまでにきまってるわ」


704 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:24:31.54 ID:iNQLdeY80


アンデルセン「……死人は戻らん」

ナーサリー「じゃあ……じゃあ、どうして助けに行かせてくれなかったの!? 私、わたしは……私は、ようやく『物語』になれたのに……っ」ギュッ

アンデルセン「……」

ナーサリー「これじゃまた、誰も読んでくれない。誰も私を見てくれない。誰も……」ブルブル

アンデルセン「いつまでも同じ事を言うんじゃない。あそこで無駄死にするのがお前の役割だったなら、とっくに放り出してる」

ナーサリー「……だからあなたは嫌いよ、アンデルセン」キッ

アンデルセン「フン……」


705 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:24:59.76 ID:iNQLdeY80


アンデルセン「……?」ピクッ

ナーサリー「? アンデルセ……」

アンデルセン「静かに。……チッ、侵入者か。動くなよ、俺が向かう」

ナーサリー「わたしも向かうわ。一人は駄目よ、ぜったい駄目」

アンデルセン「座っていろ。マッドハッターの最期の言葉まで無碍に扱うつもりか」

ナーサリー「……大人ってズルいわ、だから嫌いなの!」

アンデルセン「奇遇だな、俺も理想論ばかりの子供は大嫌いだ!」ガチャッ、バタンッ‼

ナーサリー「っ……」


706 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:25:26.00 ID:iNQLdeY80


………………

ドクター『……すまない、感知が遅れた。図書館内の魔力反応に揺らぎが出た。キミ達は何やら結界じみたものを踏み越えてしまったようだ』

バットマン「ジキル、確か図書館に居るサーヴァントは……」

ジキル「ああ、帽子をかぶった男だったハズだ」

バットマン「……」


バットマン(マッドハッターの仕業か? いや、だが奴はわざわざこんな回りくどい事をする性格ではなかったハズ……)


バットマン「ドクター、図書館内のサーヴァント反応をサーチできるか」

ドクター『待ってくれ、今やってみてる……うぅ、相変わらずノイズまみれだな。恐らく二人居るぞ、それで……この体格、どっちも子供みたいだな』

バットマン「子供?」


バットマン(……マッドハッター……ではない?)


707 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:26:13.48 ID:iNQLdeY80


ドクター『あぁっ、駄目だ! ノイズが激し過ぎて捕捉しきれないぞ……二階に居るらしい事は分かったんだが』

バットマン「十分だ。……二人とも注意しろ、この建物も安全という訳では無さそうだ」

ジキル「困ったな……」

フラン「まも、る」

バットマン「……行くぞ」スッ


裏口「」ガチャ、ギィィィィィィィ……



708 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:26:39.44 ID:iNQLdeY80



コツ、コツ……コツ……

蜘蛛の巣「」ハラリ

ろうそく「」ユラァ……


バットマン「……」


バットマン(やはり、つい先ほどまで人が居た痕跡がある)


ジキル「うわっ……酷い状態だな、ここは……」

バットマン「迂闊に動くな。……それと、扉をきちんと閉めてくれ」

フラン「ウ!」ガチャン


裏口「」ガチャリ


709 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:27:39.91 ID:iNQLdeY80



バットマン「……そこの机の上を片付けるぞ。マシュとモードレッドを寝かせる」

ジキル「ああ、緩和剤製作のスペースも作らなくちゃな」

フラン「きたない……」ガサゴソ

バットマン「……いや、待ってくれ。少しだけ」スタスタ


バットマン(机の上にあるのは……赤ずきん、蟻とキリギリス、赤い靴、ある母親の物語……『あ』から始まる本ばかりか)ペラ

バットマン(読まれた形跡はどれも古いものだ。各ページの湿り気、クセの付き方から判断して……恐らく、他の本を探す際に本棚から放り出されていたのだろう)ペラ、ペラ

バットマン(では目的の本とは? ……考えるまでもない。『アリスズ・アドベンチャー・イン・ワンダーランド』『不思議の国のアリス』。マッドハッターの愛読書)

バットマン(……だが、捜索は途中で打ち切られたようだ。中途半端に残ったあ行の本棚、冷めたままで放置された紅茶とカップ……急な来客でもあったか、それとも)


ビュォォォッ……

本「」パララララララ……

バットマン「……風?」

ジキル「扉か窓でも開いてるんじゃないか?」


710 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:28:13.98 ID:iNQLdeY80



バットマン「……ここに残っていてくれ、見に行く」スクッ

ジキル「了解。緩和剤も調合を開始するよ」

バットマン「頼んだ。フラン、ここの守りは任せた」

フラン「まかせて!」フンス

バットマン「……」スタスタ



ヒュォォォォォォォォォオオオ……


裏口「」……キィ……



711 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:28:48.55 ID:iNQLdeY80


コツ、コツ……


バットマン(何かが起こったのは間違いない。ここにあるのは三人分の足跡だ。本を蹴飛ばし、垂れたインクを踏みながら『その現場』へと急いだらしい)コツ、コツ

バットマン(ここまで急ぐとなると、敵か)


ドクター『気を付けてくれ、ブルース。二階のサーヴァント反応がひとつ減った』

バットマン「……了解。慎重に行動する」コツ、コツ


ビュオォォォォォッ……


バットマン「……これは……」ピタッ


バットマン(凄まじい攻撃力でもって図書館の正面玄関が破壊されている。粉々の木片を踏みながら侵入者は入って来た……脳内で木片を元の位置に再構築。足跡を分析する……)

バットマン(……この足の形は、ベイン)ピクッ

バットマン(成程、ようやく事態が把握でき始めたぞ。図書館に居た三人は団結してベインを攻撃したんだ……しかし、我々が遭遇したベインには傷一つ付いていなかった。虚しい抵抗か)

バットマン(図書館には未だに二つのサーヴァント反応。つまり、ひとりを犠牲に残りが逃げた……さあ、犠牲になったのは誰だ?)


ビュォォォォォォオオッ……


帽子「」コロコロコロ……

バットマン「……」パシッ


バットマン(……マッドハッター)


712 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:29:29.65 ID:iNQLdeY80


???「……手を上げろ、黒猫男」

バットマン「……」


バットマン(しまった、後ろを取られた……)


???「手を上げろと言ったんだ、聞こえなかったか」

バットマン「……」スッ

???「聞き分けの良い奴だ。敵か味方か分からない状況ではこうするのが賢明でな」

バットマン「……我々は味方の可能性が高い」

???「さあ、どうだろうな……少なくとも、その帽子にすぐ目を付けた時点では怪しいものだが」

バットマン「……」


713 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:29:58.49 ID:iNQLdeY80



バットマン「マッドハッター。そうだな」

???「……なんだ、お前もあの狂人の知り合いか?」

バットマン「古い付き合いだ……嫌になるほどのな」

???「含みのある言い方だな。どうしてアイツの知り合いはマスクしか居ないんだ」


バットマン(マスク……という事は、やはり)

バットマン「……やはり、ベインも来たのか」

???「ますます怪しいな、お前は。何故そこまで知っている? 何故ここに来た? 何故黒猫のコスプレなんだ?」

バットマン「それは……」


ドゴォォォォォォォォォォォォ……


バットマン「……!!」バッ


714 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:30:29.87 ID:iNQLdeY80


???「ええい、今度は何の音だ!?」

バットマン「あれは……!」


バットマン(しまった、ジキル達が居る方角……!)ダッ


???「待て、動くな! 今の音は何だ!?」

バットマン「敵だ! 侵入を許した!」

???「敵だと!? お前達はどうなんだ!」

バットマン「敵ではない!」

???「その証拠は!」

バットマン「恐れている! 悪いが行くぞ!」ダダッ

???「待て!! ええい、待てと言っているだろう!!」ダッ


715 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:31:05.84 ID:iNQLdeY80



………………

ジキル「くっ!?」ガギィ‼

???「フッ」クルクルスタッ、ダダッ

フラン「!!!」ガッギャァァァァァァ‼

???「やああっ!」ガギャギャギャギャ、ズバァッ

フラン「ッ……」ドサァッ

???「解体するよ」スッ


バットラング「」ヒュォォォォォォォッ


???「っ!!」ガギャア‼


バットラング「」クルクル……カラン


バットマン「……間に合ったか!」ダッダッ


716 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:32:26.66 ID:iNQLdeY80



バットマン(幼い姿、両手に握ったナイフ……乾いた血が体に点々と散っている)


バットマン「何者だ」

???「……わたしたち?」

バットマン「……」ジリッ


バットマン(……私達、だと? 複数? 二人以上がこの場に襲ってきたのか?)


717 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:32:52.19 ID:iNQLdeY80


ジキル「来てくれて助かった……急にそこの少女が襲ってきたんだ、恐らくはサーヴァント」

バットマン「……一人でか?」

ジキル「ああ、恐らくは彼女が『ジャック・ザ・リッパー』だろう。まだ新聞が刊行されていた頃に、容姿を見たという者のスケッチが載っていた」

バットマン「……成程、了解した」


バットマン(……この位置は不味い。下手に動けばジャックがモードレッド、マシュを人質にとる)


ジャック「……」ジッ


718 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:33:20.18 ID:iNQLdeY80


ジャック「あなたなの?」

バットマン「……?」

ジャック「あなたが、わたしたちのお母さんになってくれるの?」

バットマン「……私は男だが。『お母さん』とは、何だ」

ジャック「ずっと探してた。どれだけお腹を開いても、どうしても見つからなかった」

バットマン「……探していた?」

ジャック「うん。だって、帰りたいもん」


719 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:33:55.15 ID:iNQLdeY80


ジャック「……あぁ、やっぱり、その目。私達のおかあさん。全部を諦めて、仕方がないって思ってる目」

バットマン「……私にも諦めていないものはある」

ジャック「じゃあ、諦めてねッ」ダンッ、ギュオッ‼

バットマン「ッ」ガギィィィィィィィッ、ゴロゴロッ


バットマン(良し、喰らい付いた)


バットマン「ジキル博士! マシュとモードレッドを安全な場所へ! フラン、ジャックを抑えるぞ!」ゴロゴロ、スクッ

ジキル「了解!」

フラン「ウァァァァァ!!」ババッ

ジャック「邪魔だよ!」ヒュンッ


720 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:34:33.65 ID:iNQLdeY80



ジキル「よい……しょっ!」グイッ

モードレッド「……クソ……俺の、価値……!」ブラァ……

ジキル「……大丈夫、助けるから」スタ、スタ


ハイド(((助けるだって? おいおい、よく言えるな)))


ジキル「……黙れ、違う……」スタ、スタ


ハイド(((何が違うんだよ、後ろじゃ戦いの音が響いてるぜ? 『あの薬』を飲めよ……そんで加勢しろ、それがベストだ。ベストを尽くさない人間が未来を語る資格はない。そうだろ?)))


ジキル「……僕には僕の役割があるんだ。黙って、従え……!」


ハイド(((ケッ……)))


721 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:35:02.32 ID:iNQLdeY80


バットマン「くっ……」ガギィ、ギャリギャリギャリ

ジャック「このまま……!」ギリギリギリ

フラン「させない!」ブォンッ

ジャック「!!」ババッ、スタッ

バットマン「……」


バットマン(やはり熟練したサーヴァント相手にはかすり傷一つ負わせるのも難しいか……ならば)スッ

バットマン(マッドハッターの帽子を使う)


722 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:35:41.84 ID:iNQLdeY80



バットマン「フラン、少しの間の時間稼ぎを頼む。ドクター、私の脳波の観測を」スチャッ

ドクター『え、え、え!? わ、分かった!!』

フラン「わかった!」ブォン、バチバチバチバチィッ

ジャック「っ、電気……」ジリッ

フラン「ここからは、通さない!!」ダン‼


バットマン(……肉体面で捉えられないなら、精神面から捕捉する……!)ギュゥゥゥゥゥォォォォォォ……


ドクター『ブルースくん、β波が危険域だ! ……え、安定した!? どういう事だ!?』

バットマン「まだ大丈夫だ、ドクター……!」ギュォォォォォォォォォォ……

ドクター『ど、どうなってるんだ!? 何だその帽子!?』


723 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:36:10.28 ID:iNQLdeY80



フラン「ハアッ!」ブォン‼

ジャック「っ」ババッ、タタッ

フラン「ウァァァァアアアアアアアア!!!」バチバチバチバチバチィ‼

ジャック「遅いよ」タタッ、ダダッ


フラン(当たらない……!?)


ジャック「そろそろ、終わらせるね」タンッ

フラン「!!」バッ

バットマン(っ、間に合わない……!)ギュォォォォォォォォォォ……


光弾「」ギュドドドドォッ‼

ジャック「!!」バッ


???「……フン、間に合ったようで何よりだ」シュゥゥゥゥゥゥ……


724 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:36:37.64 ID:iNQLdeY80


バットマン「お前は……あの時の、子供か」

???「子供ではない。アンデルセンと呼べ……全く、追いついてみればこれだ。図書館で大乱闘とは不届き千万、せめて本の無い場所でやれ!」

フラン「ウゥ……」

バットマン「……協力如何による」

アンデルセン「小生意気な男だ、お前は!」

バットマン「同意してもらえたようだな」


ジャック「……解体するひとが、増えただけだよ」カチャッ

アンデルセン「フン、少女の殺人鬼か。今度お前を題材に小説でも書いてやろう」

バットマン「構えろ。来るぞ」


725 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:37:15.31 ID:iNQLdeY80


ジャック「……」タタ、スゥッ

フラン「ウゥ……!」ダッ

バットマン「待て、追うな。奴の戦略だ」バッ


バットマン(真正面から掛かって来ず、障害物の陰に隠れ、気付かれない内に敵の命を掠め取る……生粋のアサシンだ。迂闊に誘い出されれば破滅する)


アンデルセン「どうする、見失ったぞ」

バットマン「…………アンデルセン、フラン。固まれ。あちら側の本棚を破壊し尽くせ。策がある」

アンデルセン「全く、本に対する冒涜だ!! ……商売敵の本ばかりだから喜んでやろう」ギュォォォッ、ドシュシュゥッ

フラン「ウ、ウゥ!」ブォンッ、バキャァ‼


本棚「「「」」」」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ドッシャァァァァァァァアン……‼


726 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:37:44.00 ID:iNQLdeY80


………………

ジャック(……あっちにわたしたちは居ないのに、本棚を倒してる……足音も聞こえなくなってこっちには好都合だけど)


ズグググググググググ……ドッシャァァァァァァン……


ジャック(自暴自棄、なのかな。ヤケになっちゃったんだね、かわいそう……すぐに片付けてあげなきゃ)タタ、タタタタ……



バットマン(当然そう考えるだろう。だが派手な動きに気を取られ、私を見失うようでは甘い)プシューッ、プシュー……カチャカチャ、ピンッ


727 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:38:11.17 ID:iNQLdeY80



ジャック(あの位置を取れば……)タタタッ……


ジャック「……?」ピタッ


ジャック(……これ、ワイヤー? 罠だ)ジッ


カタッ

ジャック「!!」バッ


バットマン「……」コソコソ


ジャック「……見つけた」ダンッ



728 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:39:38.73 ID:iNQLdeY80


バットマン「!!」ガギィィィィィィ、バッ


バットマン(誘導成功だ)


ジャック「ひとりだけ、逃げようとしてたの? わるいお母さんだね」クルクルッ、スタッ

バットマン「……さあ、どうだろうな」

ジャック「でも、解体して、かえるから」

バットマン「母は変えられない」

ジャック「かえれるよ。これからはずっと一緒だもん」


バットマン(……机の上に乗った。ジャックの精神捕捉にはまだ時間が掛かる。作戦通り)


729 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:40:10.94 ID:iNQLdeY80


バットマン「フッ!」シュババッ


バットラング「」ギュギュォォォォォォッ‼


ジャック「!!」ガギャッ

バットマン「フッ!」スタッ、ヒュンッ

ジャック「あたらないよ!」シュンッ、ヒュォッ

バットマン「くっ……」ギャリリリィ‼


バットマン(良し。高所レベルは同程度を確保。机の上は足場が制限される分、ジャックも迂闊に大幅な回避、攻撃はできない……ならば近距離戦闘、身体能力の差は技術と予測で誤魔化し互角の戦いに持ち込む!)



730 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:40:56.73 ID:iNQLdeY80


ジャック「っ!」ババッ

バットマン「シッ」シュババッ


バットラング「「「」」」ヒュオォォォォォォォオォォッ


ジャック「あたらないって言ってるよ!」バッ

バットマン「無論そうだろう!」ヒュンッ

ジャック「ふっ」パシッ

バットマン「……!!」グッ、グッ……

ジャック「……駄目だよ、お母さんは人間だもん。わたしたちには勝てないよ」ググググググ……

バットマン「……そうかもしれないな、ジャック・ザ・リッパー」

ジャック「……」

バットマン「だが、後ろに注意しておいた方が良いだろう。リバースバットラングは『帰って来る』」

ジャック「!?」バッ


バットラング「「「」」」グォンッ、ヒュォォォォォォォォオッ‼


731 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:41:32.20 ID:iNQLdeY80



ジャック「っくぅ!?」ガギギギギィ‼

バットマン「そこだ……!」シュポッガシッ、ギュチチィ‼

ジャック「ぐ……なにを!」

バットマン「フラン、今だ! 思い切り叩き込め!」


ダッダッダッダッダッダダンッ‼

フラン「ウゥゥゥゥゥゥァァァアアアアアアアァァァア!!」バチバチバチバチィッ、ドッゴォォォォォォォォ‼


732 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:41:59.85 ID:iNQLdeY80



モクモク……バチ、バチチ……


バットマン「……どうだ……」

フラン「……」バッ


バチ、バチバチチ……ジリッ


ジャック「……きか、ないよ……!」バチチチチチ……ググググググ……‼

フラン「……!」


733 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:42:27.39 ID:iNQLdeY80


バットマン(ならば)


バットマン「アンデルセン! 二階のサーヴァントを借りるぞ!」

アンデルセン「!? 待て、それは……!」

バットマン「最終手段だ! フラン、机の端を叩け! アンデルセン、私を撃て!」

フラン「!?」

アンデルセン「なにぃ!?」

バットマン「やれ! 策があると言っただろう!」

アンデルセン「つくづく狂った熱の男だ! どうなっても知らんぞ!」ギュギュギュオォォォッ‼

フラン「ウ、アアアアァァァァ!!!」ドッシャァァァァァァァァン‼



734 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:43:31.30 ID:iNQLdeY80


(ここだ)


 一瞬を捉える。ブルース・ウェインは投げ技の厳しい修行を思い出していた。血反吐を吐きながらも起き上がり、何度も投げられたあの修行だ。身体が覚えている。


 重心が全てだ。ジャックを腕に捉え、倒れ込む準備をした。フランのメイスが机の端を叩き、シーソーじみて逆の端を跳ね上げる。バットマンのマントが翻り、凄まじい勢いで重心が移動する。二者が空中へ放られる。

 光弾が肩に着弾。ブルースは衝撃を受け、まるで水の流れのようによどみなく回転した。ジャックを腕に捉えたままだ。ブルースは遠心力、重心、そして筋力の最高パフォーマンス点を計算した。

 その瞬間、バットマンは目を見開いた。そしてジャックの身体を僅かに引っ張り上げ、巴投げのように頭上へ、天井へと放った。


 三人の全力が乗算され、一瞬の回転の中から砲弾じみてジャックが弾き飛ばされた。天井を突き破り、少女は二階へと放り込まれた。数秒遅れ、コウモリの騎士も羽を広げ、急制動で二階へと突入した。


735 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:44:08.24 ID:iNQLdeY80



ジャック「ごほっ、ごほっ……」ガラガラ……

バットマン「……」バササササッ、スタッ

ジャック「……くっ」キッ

バットマン「……」


バットマン(……ジャックの精神捕捉にはまだ掛かるか。警戒が激しいと捕捉も遅れるらしい……)ジッ



736 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:44:38.57 ID:iNQLdeY80


???「……どなたかしら?」

バットマン「……お前が、第二のサーヴァントか」

???「第二の……? よく分からないけど、私にはナーサリーという名前があるのよ。それに、その帽子を何故貴方が被っているの?」

バットマン「深い理由がある、ナーサリー。だが今は力を貸して欲しい」

ナーサリー「……」チラッ


ジャック「……」ボロッ


ナーサリー「……いたいけな少女を敵に回して、そんな説得では無理よ」ジッ


バットマン(成程、アンデルセンが共闘を勧めなかった理由か)


737 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:45:35.68 ID:iNQLdeY80


バットマン「……私はマッドハッターの……友人だった」

ナーサリー「……嘘はそんな嫌そうに言ったら駄目よ、黒猫さん」

バットマン「嫌な思い出もある」

ナーサリー「……」

バットマン「……嫌な思い出だけだ。敵同士だったが、守るべきものは必ずしも相違していた訳ではない」

ナーサリー「今回は何を守っているの?」

バットマン「世界だ。手を貸してほしい」

ナーサリー「……わたし、子供だけど、大丈夫かしら?」

バットマン「世界の危機に立ち上がらせないというのは、いくら子供でも酷なものだ……」

ナーサリー「……ええ、勿論よ! 手を貸すわ、黒猫さん!」


738 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:46:05.58 ID:iNQLdeY80


ナーサリー「さあ、そういう理由よっ。名前を聞かせてちょうだい、そこのあなた」

ジャック「……ジャック・ザ・リッパー」

ナーサリー「まあ……大量殺人のあのジャックなのね」

ジャック「邪魔をするなら、解体するよ」カチャッ

ナーサリー「でも私だって負けないわ。ご存知かしら、お姫様だってスカートを上げれば走れるのよ」

ジャック「……? よく分からないけど、邪魔するんだね。なら、容赦しないよ」ジリッ


739 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:46:52.48 ID:iNQLdeY80


ナーサリー「……」ヒュオォォゥゥ……

ジャック「っ」ダンッ

ナーサリー「くるくるくるくる回るドア……」バッ、ギュォォォッ


光弾「」ギュドドドドッ


ジャック「あっ……!?」ギャリィ‼ ギャリィン‼

ナーサリー「行き着く先は、鍋の中!」パパパッ

パキィィィィィィ……

ジャック「つっ……!?」


ジャック(手が、凍った……!?)


740 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:47:30.70 ID:iNQLdeY80


バットマン(いいぞ、このまま……)


ジャック「っ、こんな程度!」バキャァァァァァ、ブンッ

ナーサリー「きゃっ……!?」ドサッ

ジャック「わたしたちは、かえらなきゃ駄目なの! 邪魔しないで!!」ダンッ

ナーサリー「……! 駄目よ、私にだって世界があるもの!」スクッ、ギュォォォッ

ジャック「じゃあわたしたちの世界は何処なの!? 消えるのが世界のためなの!? そんな世界なら、最初から……」ブォンッ


(((捉えた)))


ジャック「っ!?」ビクッ

ナーサリー「……?」


(((捉えた。捉えた)))


ジャック「……え? なに、これ」ジリッ

(((捉えた捉えた捉えた捉えた捉えた捉えた捉えた捉えた)))

ジャック「……なに。なんで」

(((捉えた捉えたお前の捉えた捉えた精神を捉えた捉えた見せてもらう捉えた捉えた捉えた)))


バットマン(捉えたぞ、ジャック・ザ・リッパー。精神に動揺をきたしたな……見逃すものか)


741 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:48:03.30 ID:iNQLdeY80



ジャック「……やだ。やだよ、何……なんで」ペタン

バットマン「このまま、精神の深層へ潜り込む……ドクター。10分経過しても私が戻って来なかった場合は、スーツの蓄電機構を解放し、電気ショックで呼び戻してくれ」ギュォォォォォォォォォォ……

ジャック「……う……」ドサッ

バットマン「……ナーサリー、見張りは頼んだぞ」ギュォォォォォォォォォォ……

ナーサリー「ど、どうなって……どうするつもりなの?」

バットマン「……」


バットマン(このまま戦意の元を取り除く。もしくは、精神を崩壊させる)ジッ


742 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:48:31.71 ID:iNQLdeY80


──────

『産めるワケがないでしょう、自分ひとりが食べていくのに精いっぱいで……』

『愛してる。愛してる。ごめんね、ごめんね……』

『大丈夫よ、愛してるのは貴方だけ』

『堕ろすわ』

『……許して、お願い……許して……』

『神様……』


バットマン(……)

マッドハッター『やあ、バットマン。お前なら必ず来ると思っていたぞ』

743 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:49:07.74 ID:iNQLdeY80



マッドハッター『そうだな。例えば赤ずきんは、男に襲われる少女としてその物語が解釈される事が多い』

バットマン『……お前は、マッドハッター? 死んだハズだ』

マッドハッター『勿論死んだ。肉体はね。だが見ろ、お前は私の帽子を被った……そこにあった残留思念が、私を形作っている。どうだ、ロマンチックだろう?』

バットマン『……』

マッドハッター『……そして、アレを見ろ』


『愛してなんかなかった』

『父親なんて分からない』

『だけど出来た。だから堕ろす』

『悪い事だけど、胎児に意識なんて無いでしょう? だから、これは罪じゃない。……罪じゃ、ない』


マッドハッター『うーっ、これはロマンチックには程遠いな……なあバットマン、人を最も苦しめる恐怖とは何だと思う?』

バットマン『……』

マッドハッター『……それはな、罪の意識だ』


744 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:49:42.90 ID:iNQLdeY80


マッドハッター『勿論、サイコパスを自称する人間は多い。だが良心の呵責は大なり小なり無意識下に積み重なるものだ。人生の澱みと言い換えても良い……ウフフフ、物語に入り込む際の足かせになるから、私は切り捨てるがね』

バットマン『何が言いたい』

マッドハッター『何が? 言いたいか、だって? バットマン、もう明白だろう! ここはあの殺人鬼の深層心理じゃないのさ。澱みはもっと下の部分にある。もっと降りる必要がある』

バットマン『……もっと降りる?』

マッドハッター『そうとも。集中を深めろ、ウサギに導かれる少女の如く……私はついて行けないが、「そこ」に辿り着けるハズだ』

バットマン『……』ジッ

マッドハッター『……そうだ、深めろ……』


745 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:50:12.41 ID:iNQLdeY80




………………

ちがう。

ちがうよ。迷惑なんてかけない。だからやめて。

産まれたい、それが一番強い望みだったのに。

どうしてこうなの? 何が駄目だったの? わたしたちが、悪い子だったから?

それとも、世界が駄目だったの?


746 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:51:09.92 ID:iNQLdeY80



なら、わたしたちが消えたんじゃない。おかあさんが消えたんだ。だって、まだわたしたちはここに居る。

だから、探さなくちゃ駄目。探して、探し出して、もう一度一緒になる。

そして、今度こそ、一緒に────


747 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:51:40.07 ID:iNQLdeY80



バットマン『……それがお前か、ジャック』

ジャック『……』

バットマン『娼婦達が妊娠し、堕胎する。その水子の霊が集まって出来たのが、お前という存在なのか』

ジャック『……おかあさんに、会うんだ。だって、そうしないと、私達はずっと迷子だから』

バットマン『……』

ジャック『会って、もう一度、産んでもらうの。そうしたらやり直せるから。もう一回、やり直せるから』

バットマン『……』


748 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:52:09.25 ID:iNQLdeY80



バットマン『……いいや』

ジャック『……』

バットマン『死者は帰らない。絶対に』

ジャック『……じゃあ、どうすればよかったの? わたしたちは死んだまま? 産まれたかったのに。忘れ去られたままになっておけばよかったの? それが世界なの?』

バットマン『だが、殺しは正当化されない』


749 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:53:05.26 ID:iNQLdeY80


ジャック『殺しじゃない。帰りたかっただけ』

バットマン『被害者達は死んでいったぞ。訳も分からず、理由も分からず』

ジャック『……わたしたちだって……! わたしたちだって、生きたかった! でも叶わなかった! だって、生まれる前から、世界が終わっていたんだもん!!』

バットマン『……』

ジャック『……お母さんは泣きながらわたしたちを殺したよ。知ってるもん。だから、帰らなきゃ。帰って、安心させてあげるの。そうすれば、もう一度やり直せるから』


750 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:53:45.55 ID:iNQLdeY80


バットマン『……』

ジャック『……だから、あなたも、おかあさんになってね。わたしたちを、受け入れてね』

バットマン『……』

ジャック『一緒に、幸せをやり直そうよ。おかあさんとなら、大丈夫』

バットマン『……』


751 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:55:21.91 ID:iNQLdeY80


バットマン『……私の目』

ジャック『……?』

バットマン『諦めた目だと言ったな。それは間違いだ』

ジャック『何が言いたいの』

バットマン『能動的に人を変える事などできない。だが世界は変えられる』

ジャック『……』

バットマン『変えてみせる。お前達の世界が破滅しているならば、救う』

ジャック『無理だよ』

バットマン『できる。私も無理だと思っていた』

ジャック『……』


752 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:55:57.88 ID:iNQLdeY80


ジャック『……でも、おかあさんのところに……戻らなきゃ』

バットマン『……』

バットマン『……ならば、私が母親になろう。私の手を取れ、ジャック』

ジャック『……え……』

バットマン『今度こそ、お前を置き去りにはしない。お前を腹に宿す事はできないが、共に戦う事はできる』

ジャック『……』

バットマン『……親の愛が信じられないなら、私は諦める訳にはいかない』



753 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:56:35.25 ID:iNQLdeY80



ジャック『……信じて、いいの?』

バットマン『決して後悔はさせない』

ジャック『ほんとう? ほんとうに? 今度こそ、捨てられないの?』

バットマン『……マーサの名にかけて、誓おう』

ジャック『わたしたちは、まだ幸せになれるの?』

バットマン『お前が諦めないのならば、いつまででも』

ジャック『そう、なんだ……まだ……』


754 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:57:05.59 ID:iNQLdeY80


ジャック『……』

バットマン『……行くぞ、ジャック。手を取れ。あちらでもまだやるならば、相手はしよう』

ジャック『うん……』キュッ

バットマン『……』ギュォォォォォォォッ

ジャック『今度は、捨てないでね』

バットマン『……勿論だ』


ギュォォォォォォォォオオオオオオオ……


755 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:57:51.12 ID:iNQLdeY80



………………

フラン「……ウゥ!!」ダダダッ

アンデルセン「ナーサリー! 怪我は無いか!!」タタタ

ナーサリー「大丈夫よ、平気……だけど、二人が」

ジャック「……」

バットマン「……」

アンデルセン「でかしたぞ、チャンスだ。今の内にこの殺人鬼を放り出すとしよう」

ナーサリー「駄目よ! この黒猫さんとジャックは今戦ってるの、起こしちゃ駄目」

アンデルセン「おのれ……これだから! 低い可能性に賭けられるかと言うのだ、全く!」

ナーサリー「駄目なのっ!!」

アンデルセン「駄目なものか!!」

ナーサリー「ゼッタイダメ!!!」

フラン「ウゥ……」


756 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:58:18.47 ID:iNQLdeY80


アンデルセン「この……」

ナーサリー「分からずやさんの……」


バットマン「ッッ!!!」ババッ、ズササァッ

ジャック「ッ!!」ダンッ、クルクル……スタッ


アンデルセン「!?」

ナーサリー「きゃっ!?」

フラン「!!」スッ


757 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:58:48.08 ID:iNQLdeY80


バットマン「……ハァッ、ハァッ……」ジリッ

ジャック「……」ジッ

アンデルセン「おい。どうなっている」

ナーサリー「……」

バットマン「……ジャック。答えを聞こう。これを続けるならば相手になる」

ジャック「……」

フラン「……」


758 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 17:59:29.70 ID:iNQLdeY80



ジャック「……勝ち目もうすいし、やめるよ」パッ


ナイフ「「」」カラン、カラン


バットマン「……そうか。なら、やめよう」スッ

ジャック「……」

バットマン「……」

ジャック「……っ、おかあさん……っ!」タッタッ、タンッ

バットマン「……」ガシッ

ジャック「おかあさん、おかあさん……おかあさん……」ギュゥゥゥゥゥッ……

バットマン「……大丈夫だ、ジャック」



アンデルセン「……ナーサリー、一部始終を見ていたんだろう。なんだこれは」

ナーサリー「さっぱり……だけど、素敵」

アンデルセン「ワケが分からない事を素敵で済ませるんじゃない!」

ナーサリー「もう! だから人魚姫はバッドエンドになっちゃったのよ!」

アンデルセン「現実をしっかりと……ああクソ、お前はリメイク版でも観ていろ!」


759 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:00:28.18 ID:iNQLdeY80

ダダッ、ガチャリ‼


ジキル「ブルース! 加勢に……え?」

バットマン「……大丈夫だ、博士。少し時間をくれ」

ジャック「……」ギュゥゥゥゥゥゥゥ……

ジキル「……え? どういう……え?」

アンデルセン「ようやくまともな感性の男が来たか! こっちへ来い、貴重なんだ!」

ジキル「……???」

フラン「ウゥ……」



760 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:01:01.76 ID:iNQLdeY80



………………


ジキル「……うん、結論から言うと……やっぱり解毒剤の精製が不可欠だ。二人の精神状態は安定しつつあるが、いつまた恐怖に飲まれるか」

バットマン「……やはりか。ドクター、聞いているか」

ドクター『あぁ、勿論。そちらでも準備しやすい成分の解毒剤を模索しているが……どうにもね。できるだけ簡易化した成分表を送る』ピッピッ

バットマン「……どうだ、ジキル博士。これを作るのは可能か?」

ジキル「……うーん……少し厳しいな。東南アジアとかアメリカ辺りにしか自生していない植物の成分が含まれてる」

バットマン「そうか……いや待て。キャプテンドレイク……大航海時代の名残だ。世界中の植物が植物園に集められているハズ。そこにも無いか?」

ジキル「ああ! そこならあるハズだ、きっと見つけられる!」

バットマン「良し。ならそこへ向かうとしよう」



761 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:01:43.87 ID:iNQLdeY80


………………

バットマン(……植物園は少し遠い。巡回する自動人形、ロボット達とはあまり遭遇したくない)

地図「」ペラ……

バットマン(……ロボットの武装は遠距離もカバーしてくる。直線の道は避け、曲がり角の多い道を採用しつつ……)

バットマン(……しかし、無理だ。最低でも何度か戦う事になる。消耗した状態で、B・P・M・Sの面子に出くわさないとも限らない)

バットマン(……)


762 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:02:12.60 ID:iNQLdeY80


モードレッド「おい。オレ達を連れて行かねえなんて言うんじゃねえだろうな」

バットマン「……モードレッド。回復したか」

モードレッド「恐怖なんざ、下らねえ。行けるぜ、オレは……ちょっと取り乱してただけだ」

バットマン「……」

モードレッド「連れて行け。戦力になる。今度こそ負けねえ」

バットマン「……当然、そうする。休む暇などないぞ」

モードレッド「上等だ……」


763 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:02:46.12 ID:iNQLdeY80


………………

バットマン「マシュ。行けるか」

マシュ「! マスター……はい。その、ご迷惑をおかけして……」

バットマン「大丈夫だ。行けるなら準備をしろ。まずは植物園へ向かう……長丁場になる」

マシュ「……はい。平気です」

バットマン「今からちょうど15分後、全員で出発だ。正面玄関で会おう」スタスタ

マシュ「……あの、マスター!」


764 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:03:13.09 ID:iNQLdeY80


バットマン「どうした」クル

マシュ「……」

バットマン「……どうした、マシュ」

マシュ「……あの、ベインさんに……手も足も出ずに……負けてしまって」

バットマン「……」

マシュ「……これから先、ずっと……戦って、勝っても、いつかあの人が立ちはだかるんじゃないかって」

バットマン「……」


765 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:03:45.99 ID:iNQLdeY80


バットマン「……きっと奴は、そうなるように全力を尽くすだろう。もう一度ベインと闘うその時は来る。だが、マシュ」

マシュ「……」

バットマン「我々は破滅の為に戦っているのではない。この戦いの先にあるのは破滅ではない。乗り越えるべき壁だ」

マシュ「……」

バットマン「それに、戦いだけが全てではない。作戦で勝てる事もある……悲観するな、奴は完璧ではないさ」

マシュ「……はい」

バットマン「15分後だ。正面玄関で会おう」スタスタ


766 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:04:12.03 ID:iNQLdeY80



バットマン(……きっと奴はもう一度現れる。ベインは)

バットマン(作戦で勝てる事もある。事実だ……だが、言っていない事実もある)

バットマン(戦略的視点ですら、ベインは私と拮抗、または上を行く)

バットマン(……果たしてこの恐怖は、恐怖ガスの影響によるものか。それとも……)


バットマン「……破滅が待つ、か」


767 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/06/02(土) 18:04:40.48 ID:iNQLdeY80



(((お前を殺せば、きっと世界は終わるのだろう。悲しむべき事だ)))

(((だが、それがどうした)))

(((世界の破滅も良いだろう、見てやろう。所詮守るべくもない)))


バットマン「……」


バットマン(破滅に身をさらし、世界を守る。その価値は、あるか?)



768 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/06/02(土) 18:07:06.72 ID:iNQLdeY80
今日の更新はここまでです。マッドハッターの帽子の能力を拡大解釈してすみません……ジャービスファンの方、どうか怒らないで。

あと遅れてすみません。待って下さった方本当にありがとうございます
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 18:24:13.72 ID:KA56htl1O
舞ってたぞ
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 18:41:02.16 ID:YaWSfu6Go
乙乙
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 19:54:56.94 ID:IXECUp1vo
相変わらずのクオリティ
安心した
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 22:39:59.32 ID:I3T3MhJFo
毎度面白い乙乙
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 10:25:00.69 ID:JPWn3ng4O
乙、こうしてみると4章は内面に問題がある面子が多かったんだな、まともなのはバベッジくらいか?
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