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バットマン「グランド……オーダー?」 マシュ「その2です」
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388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 10:13:38.77 ID:rUfgYqOT0
>>387
トゥーフェイスさんなんだろ
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 10:16:21.88 ID:i47AKwrDO
コイントスしたのか…
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 10:57:04.99 ID:7nWXSdG8O
トゥーフェイスなら書き込む前にコイントスするだろ
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 20:17:31.86 ID:skaZ/19mO
ID被せきっしょ
こんなSS読んで喜んでる奴らもどうかしてるわ
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 20:21:13.22 ID:nSX8YWPZ0
被せとか出来ないんだよなぁ……。悪いことは言わないから病院行っといで
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 20:24:11.89 ID:skaZ/19mO
自分が知らないだけのことを出来ないとか原始人かな
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 21:26:54.26 ID:o5arfW5T0
どう取り繕っても君はトゥーフェイスさんだけどね
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 21:31:55.27 ID:skaZ/19mO
作者もガイジなら読者もガイジだわこりゃ
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 21:59:26.89 ID:2evgI7XJo
ID被りなら聞いた事はあるが被せ(=意図的)というのは新しい
ちなみに被る確率はおおよそ小数点以下%のレベル
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 22:14:07.21 ID:BvrKiejDo
二重人格系だとスカーフェイス好きだわ
ノーマンズランドで知ってめっちゃ好きになった
398 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/03/03(土) 22:40:26.56 ID:4nPBd23Q0
………………
所詮、もがいても報われない。
所詮、手を伸ばしても届かない。
大切な記憶は、ウロコの海へ飲まれて行く。思い出せるのは、自分が怪物という事くらい。
鏡を見れば、鋭い牙が映る。身体を見下ろせば、硬いウロコが目に入る。
何を間違ったのだろうか。前世で大罪でも犯したのか、それとも生まれたのがそもそもの間違いだったのか。
何処かで聞こえた声。お前なんか産まれなければ良かった。怪物。悪魔の子。気持ち悪い。早く死ね。
何を間違ったのだろうか。オレも自分を誤魔化して、周りにヘコヘコしていれば良かったのだろうか。牙を折り、ウロコを剥ぎ、痛みを隠して笑みを浮かべれば、それで普通になれたのだろうか。
(((だから、いつかあなたが、皆にとってのかいぶつじゃなくなった時に)))
クソくらえだ、盲目のカス共め。オレを見ろ。オレは……
399 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:41:14.54 ID:4nPBd23Q0
………………
ドクター『待った、アルゴナウタイの船の上に新たな反応を確認!』
バットマン「解析を頼む」
ドクター『……これは、黒髭とキラークロック、そしてアステリオスくんのものだ!』
エウリュアレ「……アステリオス?」ピクッ、モゾモゾ
バットマン「まだ動くな、傷は深い」
エウリュアレ「馬鹿ね、もう半分治ったわよ。それで、アステリオスというのはどういう意味かしら?」ヒョコ
ドクター『恐らく彼は生存したんだ。向こうの船に乗って……今、戦っている』
バットマン「……急ごう」スタスタ
マシュ「ま、マスター。休息は……」
バットマン「後で取ろう。今はアルゴナウタイが先だ」
400 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:41:55.55 ID:4nPBd23Q0
………………
ヘクトール「ほっ、そぉらっ!」ダッダッ、シュバッ
ヘクトール(うーん、こりゃ無理だ。いくら防衛戦が得意とはいえ……)
キラークロック「グルルルルルルァ……」ガシッ、ブォンッ
大砲「」ゴゴォッ
ヘクトール「うっお!?」ガギャァ、ドッシャシャ
黒髭「へいへーい! ピッチャービビってるゥ!」パァンパァン
ヘクトール「ぴっ……?」ガキィ、ガガァン
アステリオス「うるあああああっ!!」ドゴシャァッ‼
ヘクトール「うおっち!?」ガッシャァァァ、ゴロゴロッ
イアソン「馬鹿が! 何をしている! 本当にお前は使えん奴だな……」
メディア「……」ニコニコ
イアソン「……メディア、ヘラヘラするな! お前も戦え!」
メディア「はい」ニコニコ
401 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:42:25.41 ID:4nPBd23Q0
バットマン「船へ上がるぞ、掴まれ」シュポッガシッ
マシュ「はい」ギュッ
エウリュアレ「……」グッ
バットマン「フッ!」ギュル、ギュル、ギュル、ギュギュ……
マシュ「……いつもより上昇が遅くありませんか?」
バットマン「総重量がオーバーした。少し遅れる」ギュ、ギュギュ……ギュルギュル
マシュ「へ!? そ、そうですか……」カァァ
バットマン「……?」
エウリュアレ「……貴方ねえ、乙女相手に……言葉を選びなさいよ」
バットマン「? ……三人の上昇は流石に想定されていないだけだ。引き上げサポート付きならもっと速く上がる」
マシュ「い、いえ、気にしていませんので……」
バットマン「……次はアップグレードさせておく」ギュル、ギュル、ギュギュ……
エウリュアレ「……」ハァ
402 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:42:56.47 ID:4nPBd23Q0
メディア「どれほど傷付いても、癒してさしあげます……」ポゥ
ヘクトール「……はいよ、ありがとさん。それじゃあもうちょっと頑張るかね……」ムクリ
キラークロック「なら、一撃で潰す……」ドシドシ、ブォンッ
ヘクトール「っとぉ! 迂闊な一撃だな……貰ったァ!」ズバァッ‼
キラークロック「グルゥ……」ヨロ
黒髭「ホヒョーッ!」ババッ
ヘクトール「おっと、行かせねえぜ!」ガギィン‼
黒髭「そのメディアとかいう女が生命線ですな? ならば最初に潰すべし!」
ヘクトール「できるならヨロシクってとこだな!」グイッ
黒髭「是非とも!」バッ、ドゴォ‼
ヘクトール「ほっ!」バシィ
403 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:43:54.80 ID:4nPBd23Q0
スタッ
バットマン「……」
マシュ「到着です!」
エウリュアレ「……アステリオス、アステリオス!!」
アステリオス「……えう、りゅあれ」
ヘクトール「やべえ奴らまで来やがった……!」
メディア「……」ジッ
メディア(近くで見ればより分かる。油断ならない目付き……やはり間違いない。あの方が警戒するよう仰っていた存在)
イアソン「クソ、クソ、クソがあ!! 何もかも上手く行かん……! 何故だ、何故だああああああああ!!!」ダンダン
404 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:44:38.57 ID:4nPBd23Q0
バットマン「降伏しろ。勝敗は決した」
イアソン「降伏……降伏だと、馬鹿め! こちらにはこれがある!」バッ
聖杯「」カッ
イアソン「貴様らなど! 聖杯の絶大な魔力の前には、ごみ屑同然だ! 塵と消えろ!」
影A「……」ズォォォッ
影B「……」ムクリ
影C「……」ドス、ドス
影D「……」ユラリ
バットマン(シャドウサーヴァント……)
バットマン「マシュ、エウリュアレ。やれるな」
マシュ「はい!」
エウリュアレ「任せてちょうだい!」
405 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:45:04.57 ID:4nPBd23Q0
マシュ「たあっ!」シュドッ
影A「……」ヨロッ
影B「!!」ブゥン‼
マシュ「はっ!」ガキィン‼
影C「……」シュッ
マシュ「……! しまっ」
キラークロック「グルォォォォォォオ!」ガシッ、グッシャァァァァァ‼
影C「……」ドサッ
マシュ「キラークロックさん!」
キラークロック「いつまでたっても甘い小娘だ!」
406 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:45:31.70 ID:4nPBd23Q0
アステリオス「うるああああ!!」ドッシャァァァァ‼
影E「……」ガギィ、ババッ
アステリオス「らあっ!!」ブンブンッ
影E「……」ガシ、シュドッ
アステリオス「っぐう……」ジリッ
エウリュアレ「そこ……!」シュパッ
影E「!?」ドシュウ、バタッ
アステリオス「……えう、りゅあれ」
エウリュアレ「余所見をしない! まだ来てるわよ!」
影F〜H「「「ッ!!」」」ババッ
407 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:46:13.63 ID:4nPBd23Q0
イアソン「はは、ふはははははははは!! 下らん、このまま影が制圧しつくして……!」
ドレイク「野郎ども!! 向こうの船を乗っ取りなァ!!」
海賊達「「「あいあいさー!!」」」ドドドドドドドドッ‼
イアソン「なっ……屑以下の連中め、この俺の船に土足で……! クソ、聖杯!」
聖杯「」パァァァァァァ
イアソン「もっとだ、もっと力を出せ! 奴らを殲滅……!」
バットマン「……そうはさせない」バサササササ、スタッ
イアソン「なんだ……! なんだ、貴様は!」
バットマン「私の名など知らなくとも良い。貴様が生み出した影のひとつだ」
イアソン「こ、この……!」ブンッ
408 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:46:57.47 ID:4nPBd23Q0
バットマン「……」スッ、グルリ、パシ
イアソン「なっ」
バットマン「いくら素早かろうと、いくら力があろうと……そこに技術が無ければ、所詮は児戯」ゴキリ
イアソン「ぐああああああああ!?」バッ、フラフラ
バットマン「……ブーディカを殺した報いは受けてもらうぞ」ジリジリ
イアソン「ブーディカだと……!? 知らんぞ! 知った事か! 屑が何人死のうと、俺には関係ない!!」ブォン‼
バットマン「……」スッ、シュルッ、ゴキリ
イアソン「あが……!?」ヨロヨロ
バットマン「……さあ、両肩の骨は外した。まだ使える部位はあるか?」
イアソン「嘗めるな……!」ダン、ズォッ
バットマン「そうだろう、蹴りだ」スルリ、ゴキッ
イアソン「ひっ……」ドシャッ
バットマン「もう片足も残っているな。その骨も外す」シュルシュル、ゴキリ
イアソン「ぐあああああ……や、やめろ! 欲しいモノならやる! 聖杯か! くれてやる!」
バットマン「……責任者には一通りの責任を取らせる。当然だ」ガシッ
イアソン「ひ、ひぃっ……」
メディア「……」ニコニコ
バットマン(……!!)ゾワリ
409 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:47:47.48 ID:4nPBd23Q0
バットマン「ッ!!」ババッ
メディア「あら、終わりですか? もっと痛めつけても良かったんですよ?」ニコニコ
イアソン「め、メディア! 貴様、見ていて助けなかったな!? 愚図め、早く俺を治療しろ!」
メディア「……」ニコニコ
バットマン「……お前は何だ……」
メディア「私はメディア。魔女メディア」
バットマン(メディア。確か、神アフロディテによってイアソンに恋をさせられた、コルキスの姫……だが、肝心のイアソンに裏切られ、離別)
バットマン(……少なくとも、狂気の姫ではなかったハズだが……この目は、明らかにおかしい)
メディア「……」ニコニコ
バットマン(……)
410 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:48:57.41 ID:4nPBd23Q0
メディア「……ふふ、面白い人ですね。本当に笑わない、何一つ感情を表に出さない……」
バットマン「……」
メディア「本当に……まだ、冷たい雨の中に居るみたい」
バットマン「……どういう事だ。何故知っている」
メディア「あの方は何でも知っていますよ? 私の過去、貴方の過去、人類の過去……愚かな軌跡を」
バットマン「あの方だと……」
メディア「貴方はもう知っていますよね? ふふ……そうです。圧倒的な力を持つ、あの方」
イアソン「くそ、何を言っている!? さっさと俺を治せ、でなければ船が制圧されるぞ!」
メディア「もう遅いですよ、イアソン様。見て下さい、甲板に居る8割が敵の海賊達……きっと彼らは、私達を切り刻むでしょうね。痛みを想像するだけで、身の毛がよだちます」
イアソン「クソ、クソ、クソォ! 使えん奴らめ、使えんカスめ……!」
メディア「……ふふ」
411 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:49:37.36 ID:4nPBd23Q0
ヘクトール「チ……限界か」シュウシュウ……
黒髭「ほい、お疲れさん。……次はもっとマシな形で会いたいモンだぜ」
ヘクトール「まーそうだね、おじさんもそう思う……にしても、やっぱり最後に残るのはメディアか。やっぱりオンナは怖いねえ」シュウシュウ……
黒髭「……うーむ、それについては否定できませんな。怖いオンナは多いですぞ」
ヘクトール「ははっ……それじゃ、一足先に失礼しますよ」シュゥゥゥゥゥゥゥ……
黒髭「はいはい。拙者もすぐに行きますぞ」
キラークロック「グルルルルルル……」
影W「……」シュゥゥゥゥゥゥゥ……
マシュ「はあっ、はあ……」
影X「……」ドシャッ
アステリオス「やっ、た……」
エウリュアレ「少し、きついわね……」ヨロ
アステリオス「っ、だいじょうぶ?」ガシ
エウリュアレ「……ええ、平気よ」
412 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:50:06.88 ID:4nPBd23Q0
メディア「……」パシッ
聖杯「」パァァァァァァ……ピタッ
イアソン「は、はやくしろ。死んでしまうぞ」
メディア「……」
イアソン「メディア! 貴様、使えんだけでなく耳まで聞こえなくなったのか! 早く! 俺を! 治せ!」
メディア「……ふふ、ふふふふふ。大丈夫ですよ、イアソン様。どれだけ痛くても、治してあげます」ドシュッ
バットマン「!?」
イアソン「あ……がはっ……なに、を……」プルプル
413 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:50:34.76 ID:4nPBd23Q0
メディア「本当の私はずっと昔に殺されている。イアソン様に恋をする呪いを神々にかけられた時から、私はずっと死んだまま」
メディア「愛しています、イアソン様。心の底から、殺したいほど。心が壊れてしまうほど」
メディア「……だから、復讐します。私を殺した世界に復讐するのなんて、当然ですよね?」
メディア「ああ、イアソン様、痛いですか? 痛いですよね? でも大丈夫です。すぐに治します」
メディア「治して、殺します。私、アナタのために魔女になったんですから」
414 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:52:09.72 ID:4nPBd23Q0
イアソン「き、貴様……初めからそのつもり、だったんだな……!」
メディア「初めから……?」
イアソン「女神を櫃に触れさせれば、無敵になれるというのも……全て嘘っぱち、だったんだろう!」
メディア「ああ、イアソン様……貴方に嘘など吐きません。この不安定な世界の中、女神などという大きな存在が櫃に触れ、消滅すれば……その消滅は、世界を巻き込む。この世界が消える。人類が消える」
メディア「ほら、敵が居なくなるでしょう? 貴方は無敵の存在になれた」
イアソン「こ、この……! 魔女め! お前は嘘つきの魔女だ! 化け物め! 怪物め!」
メディア「……そう呼ばれるのも、初めてではありません」ニコリ
バットマン「……そいつを離せ、メディア」
メディア「ふふ、断ります。敵を気にかけるなんて、本当におかしな人……」
バットマン「離せ。聖杯を渡せ」スッ
メディア「断ります」ニコ
415 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:52:45.63 ID:4nPBd23Q0
メディア「イアソン様を触媒に……もう、召喚しています」
バットマン「……何だと」
イアソン「ひっ……い、いやだ! 助けて、助けてくれ!」
バットマン「……」ジリッ
イアソン「俺はッ、俺はまだ何も成し遂げていない! 俺は今度こそ、誰もが俺を敬い、満ち足りて争いの無い、理想の国を作るハズだったんだ! これは俺の、二度目のチャンスだったはずなんだ!!」
メディア「……それは叶わない夢なのです、イアソン様。だってアナタには為し得ない」
メディア「アナタは理想の王にはなれない。たとえ人々の平和が手に入っても、また自分の手で壊してしまう。アナタの魂は、運命は、絶望的なまでにねじ曲がっているから」グチャッ
イアソン「ひっ……何する、やめろ、やだ、身体、溶ける……!?」グチャ、グチャチャチャ……
メディア「聖杯よ。我が願望をかなえる究極の器よ。
顕現せよ。牢記せよ。これに至るは七十二柱の魔神なり」
バットマン(七十二……魔神……!)
バットマン「全員構えろ! 来るぞ!!」
416 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:53:24.26 ID:4nPBd23Q0
イアソン「が、ぎ、が、あ、ぎいいいいいいいいいいいいいいい!!」グチャチャチャチャチャ
メディア「……戦う力を与えましょう。抗う力を与えましょう。ともに、滅びるために戦いましょう」
メディア「さあ、序列三十。フォルネウス。その力を以て、アナタの旅を終わらせなさい」
イアソン?「あ……が……」グチャチャチャチャチャ……ズオオオオオオッ
マシュ「あ……に、肉が、盛り上がって……柱のように……」
バットマン「……古代ローマで観測したものと同じか……!」
ドクター『魔神……! これで二柱目か……! 本当に居るのか、そんなものが……!』
417 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:53:52.86 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「……」ズォォォォ……
ドレイク「アレ、倒せんのかい?」
バットマン「……以前戦った時は、物理攻撃も通用した。だが、あの時は弱っていたと……」
ドレイク「よっし、それならやるしかないねえ! おい野郎ども! ここが意地の見せ所だ、悪魔なんぞに負けられないよ!」
ボンベ「ひゃっはー! これだから海賊はやめらんねえぜ!」
ドレイク「ほら、ブルース、マシュも! しっかりしな、これをブッ倒すためにやってきたんだろ!?」
バットマン「……ああ、その通りだ。行くぞ、倒す!」
マシュ「はい!」
エウリュアレ「ええ!」
418 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:54:22.67 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「消滅を提案する」ドドドドドッ
マシュ「っあ……ぶない!」ガギャギャギャ‼
キラークロック「ヴォオオオオオオオオオオオオ!!」ドスドス、ガシッ
フォルネウス「無意味なり」ドォッ‼
キラークロック「ッ……」バシィ
エウリュアレ「そこ!」シュパパッ
フォルネウス「動体、発見」ガキィン
マシュ「くっ、歯が立たない……!?」
フォルネウス「聖杯の使い方も知らぬ下等生物。我が力の前にひれ伏すが良い」
バットマン(やはり、前の個体と比べて隙が少ない……あの時のレフの言葉は強がりでは無かったか)
バットマン(……だが、船上に出たのが運の尽きだ)
419 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:54:50.40 ID:4nPBd23Q0
アステリオス「……うるあああっ!!」ガギィ、シュバッ
フォルネウス「無意味である……すべての行為は」ユラ、ドドドドドドドドッ
黒髭「ほれほれぇーい! ホヒョーッ!!」バシッ、ドゴッ
フォルネウス「……」グラッ
メディア「『補修すべき全ての疵』(ペインブレイカー)」ポゥッ
フォルネウス「……無益である」ポゥゥゥゥッ
マシュ「くっ、与えた傷が治っていく……」
キラークロック「なら、先にあの女を殺す」ドシドシ
420 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:55:20.01 ID:4nPBd23Q0
メディア「……」
キラークロック「……」ガシッ
メディア「……」プラァン……
キラークロック「……?」
キラークロック(なんで抵抗しねえ……?)
メディア「殺さないのですか?」
キラークロック「……ナメるな」ギチギチギチ……
フォルネウス「……」ドドドドドドドドッ
キラークロック「チイッ」バシィ
メディア「っ」ドサッ
黒髭「ちょっとキラークロック殿、手ぬるいのでは〜!?」
キラークロック「うるさい。次は殺すだけだ」ドスドス
フォルネウス「……無意味、である」ドドドドドドドドッ
キラークロック「クソが……」ババッ
421 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:55:56.39 ID:4nPBd23Q0
黒髭「いまいち火力が足りないでござるな……」
砲弾「」ヒュオオォォォォッドッガァァァァァァァ‼
フォルネウス「ぐ……」グラリ
ドレイク「ハッハー! 喰らいな!」パァンパァン‼
黒髭「って言った途端にこれでござる」
ダビデ「よーし、あんなデカい的は外す方が難しいね。皆、どんどん撃っちゃえ」
海賊達「「「おおーーー!!!」」」ガチャガチャ
フォルネウス「不利……」グラグラ
アステリオス「まよえ……さまよえ……しねえっ!!」ズォォォォォォォッ
アステリオス「『万古不易の迷宮』(ケイオス・ラビュリントス)!!」ゴァッ‼
フォルネウス「ぐ……魔力の、著しい減少……呪いを受けている……」
メディア「治療を……」
キラークロック「おっと、今度こそさせねえぞ」ガシッ
422 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:56:31.07 ID:4nPBd23Q0
キラークロック「……」グイッ
メディア「っ……」
キラークロック「……ッグルァァァァァァァ!!」ドッシャァァァァァァァアン‼
メディア「あぐっ……」ゴシャッ
キラークロック「……けっ、歯ごたえのねえ奴だ」
フォルネウス「不利である……」
黒髭「今更怖気づいたかよ、遅いぜ……行くでござる行くでござる! 『アン女王の復讐』(クイーンアンズ・リベンジ)!」ドドドドドドドドォォォォォォッ‼
フォルネウス「ぐ、わ……」グラグラグラッ
マシュ「ここです……!」ドシュッ、ガガガッ、ドッゴォ‼
エウリュアレ「もらったわよ」シュパパパパッ
ドレイク「オラオラオラァ!」パァンパァン‼
フォルネウス「……」グラグラグラ……
423 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:57:01.15 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「……下等生物共が、足掻くものだ……!」グムグムグム
ドクター『マシュ、注意して! フォルネウスと名乗った柱の中、聖杯反応が急激に増大してる! 反撃が来るよ!』
マシュ「っ、了解! 皆さん、下がって……」
ドッゴォォォォォォォォォォォォン‼ ドガァァァァァァァァァァァン‼
マシュ「ふぇっ!?」グラグラ
キラークロック「……なんだ、船底が……爆発しやがった?」グラグラ
424 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:57:34.54 ID:4nPBd23Q0
………………
バットマン(火薬庫は爆発。さて、次は)
ドクター『ブルース!? 何やってんの!?』
バットマン「この船を沈める」
ドクター『しず……へ!?』
バットマン「沈める。これで少なくとも有利な戦場にはできる」
ドクター『有利な……どういう事だい?』
バットマン「……キラークロックが強いのは水中だ。陸上であれほどの戦闘力なら、戦場を海中へ移せば敵無しになる」
ドクター『成程……で、沈めるのかい?』
バットマン「……聖杯の恐ろしさは知っている。魔神ともなれば使い方も熟知しているだろう。まともにやり合うのは危険だ」ザシザシ
バットマン(よし、このまま……船体へ穴をあける)プシューッ、ポチッ
ドッガァァァァ‼
425 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:58:08.94 ID:4nPBd23Q0
………………
マシュ「あわ、わわわ……」グラグラ
バットマン「……すまないな、今戻った。ドレイク、我々の船へ戻るぞ」
ドレイク「へっ……? 何してたのさ?」
バットマン「船を破壊していた。この船は沈む」
キラークロック「何……?」
バットマン「……行くぞ、マシュ、エウリュアレ。ここにはとどまれない」
ドドォォォォォン……ドッガァァァァ‼ ドッガァァァァ‼
フォルネウス「……無意味である」
バットマン「やはり移動は出来ないようだな。好きにすると良い、船と共に沈むのは実に船長らしい振る舞いだ……元、船長だったか」
フォルネウス「策など、無意味だ」
バットマン「……意味を考えないだけだろう。さらばだ」
426 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:58:36.86 ID:4nPBd23Q0
エウリュアレ「アステリオス! 行くわよ!」
アステリオス「……ご、めん。えうりゅあれ。ぼくは、ワルだから」
エウリュアレ「え……?」
アステリオス「だから、いっしょには、いけない。えう、りゅあれは、ワルじゃ、ないから。ここで、さよなら」
エウリュアレ「……なに? どういう事なの……? さよ、なら?」
マシュ「エウリュアレさん! 急いで!」
エウリュアレ「どういう事なの、アステリオス! なんで……」
アステリオス「……たすけたい、ひとが、できたんだ」
エウリュアレ「……っ……」
427 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:59:02.43 ID:4nPBd23Q0
アステリオス「でも、それは……いままでの、ぼくじゃ、むりだから。だから、行って、えうりゅあれ」
エウリュアレ「……二度も、別れさせるなんて。貴方、最低よ」
アステリオス「ご、めん」
エウリュアレ「……良いのよ。さようなら、アステリオス」
アステリオス「さよなら、えうりゅあれ」
428 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 22:59:30.73 ID:4nPBd23Q0
黒髭「あーあー、沈みますな。どうします?」
キラークロック「……お前の船を出せ。それに乗れば良い」
黒髭「ええー!! アレ、聖杯無しじゃ維持するのキッツイんですぞ!?」
キラークロック「文句言うんじゃねえ。やれるんだろうが」
黒髭「そりゃまあ、やれますけど……」
キラークロック「なら、やれ。どうせ長くはかからねえ」
黒髭「……あいよ」ズォォォォォォォッ
429 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:00:00.97 ID:4nPBd23Q0
バットマン「……」
バットマン(黒髭達も宝具を発動し、自分の船に乗ったか。計算通り)
バットマン(……そして、魔神柱。奴らは動けないというのも、計算通り……だが、一つ心配なのは)
メディア「……」
バットマン(……彼女のとどめを刺し損ねている、という事か)
バットマン「……大砲の準備をしろ。嫌な予感がする」
ドレイク「アタシもだよ。野郎ども、大砲準備!」
430 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:00:34.40 ID:4nPBd23Q0
ズズズズズズズズ……バシャァァァァァン……
メディア(……)コポポポ……
メディア(……)
メディア(……落ちていく)
メディア(闇の中へ、落ちて行く)
メディア(魔女になっても構わないと思っていた私は)
メディア(あの日、愛しい人のために、その汚名すら心地良く感じていた)
メディア(押し付けられた、偽物のエゴのせいで)
431 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:01:00.15 ID:4nPBd23Q0
メディア(あぁ……憎い。憎い。愛に応えないあの方が憎い)
メディア(呪いをかけたこの世界が憎い。私を殺したこの世界が憎い)
メディア(こうして伸ばす手に、たとえ権利が無かろうと……)
メディア(私は、憎んでやる。それが私のエゴ)
メディア(さあ、大きくなれ。海を呑み、空を衝き、嘘で固まる世界を見下ろせ)
メディア(魔神柱、フォルネウス。私と同じ絶望を、世界へ)ポゥッ
432 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:01:32.51 ID:4nPBd23Q0
ゴ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……‼
バットマン「……なんだこれは」グラグラ
マシュ「う、海が……揺れてる……!?」
ドレイク「しっかり掴まりなァ!! 落ちるんじゃないよ!」
キラークロック「……」
黒髭「うーん、やな感じ」
アステリオス「……なにか、くる!」
バッシャァァァァァァァァァァ……‼‼
433 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:02:04.36 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「……」ズォォォォォ……
バットマン「……あのサイズは……想定外だ」
マシュ「う、うそ……あんな、大きな……」
ダビデ「ちょっとヤバイぞ! なんだアレは、大きすぎるんじゃないのか!」
ドレイク「……おー、おー。面白い事になって来たねえ!」
ボンベ「姐さん、ヤバくないっすかアレ!?」
ドレイク「そりゃヤバイさ。分かり切ってた事だろう、やっちまうよ!」
黒髭「えぇ……でっかい」
キラークロック「フン……海中なら敵にもならねえ」
アステリオス「いけ、る。やれる」
フォルネウス「は、はははは……今、私は無限の観測を得たり……今こそ、過去、未来、現在のすべてを見通す目を得たり」
434 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:02:47.60 ID:4nPBd23Q0
ドレイク「帆を張りなァ! 目玉が多いだけの肉塊にビビってられるかってんだ!」
ボンベ「よっしゃぁ! こうなりゃヤケだ、やっちまうぞテメェら!」
海賊達「「「オオオオオオーーーー!!!」」」
帆「」バサァッ‼
ダビデ「砲手もラクじゃないね!」ガチャガチャ
ドレイク「泣き言は後にしな!」
ダビデ「はいはい! 狙って……砲火!」ドドォォォォォン‼
フォルネウス「フハハハハハハハハ! 痒い! なんと痒い砲撃よ!」ゴォン、ゴォン……
フォルネウス「そら、おつりをくれてやろう!」ドドドドドドドドォォォォォォッ‼‼
ドッガァァァァァァァ‼ ドッガァァァァァァァ‼
ドレイク「おわっ!? やりやがった、アイツ……! 沈没しちまうね」
バットマン「船体左側の重荷は全て降ろせ! バランスを取り、少しでも沈没までの時間を延ばすぞ!」
ドレイク「はいよ!」
435 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:03:20.60 ID:4nPBd23Q0
キラークロック「……オレが潜れば、一発でカタがつく」
黒髭「おう、まあせいぜい暴れてこいや。一応ここは守っておいてやるよ」
フォルネウス「フハハハハハハ!! そこのワニは未だに自分の犯した罪すら知らず、のうのうと生きながらえるか!」
キラークロック「……ああ?」
フォルネウス「私は知っている。私は観測した。貴様が忘れた最悪の罪を。そのネックレスに隠された闇を!」
キラークロック「……どういう事だ。何を知っていやがる」
黒髭「キラークロック殿、あんまし聞かない方が……」
キラークロック「黙ってろ! どういう事だ! お前はコイツの何をしってる!!」
436 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:04:16.39 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「忘れたのか! 本当に!?」
キラークロック「……ぐ……」ズキン
(((だから、いつか貴方が、皆にとってのかいぶつじゃなくなった時に)))
キラークロック「…………うぐ……」ドサッ
(((撃て)))
(((撃て! 逃がすな!!)))
(((こちら――地区――ブロック、応援を……)))
フォルネウス「ならば教えてやろう! 貴様は食ったのだ、その少女を! 貴様が自分の巣に非常食じみて置いていたその少女を、食ったのだ!!」
キラークロック「……!!」
437 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:05:43.19 ID:4nPBd23Q0
バットマン(不味い……! キラークロックが麻痺すれば、作戦が機能しなくなる!!)
バットマン「ジョーンズ! 違う! お前はホームレスの夫婦に捨てられた子供をかくまっていた!」
バットマン(アレは、ジョーンズがキラークロックとして世に知られる事になった、最悪の事件……)
バットマン(自分の巣へと帰ろうとしていたキラークロックは、通行人にその異様な風貌から怯えられ……何もしていないのに、警察へ通報された)
バットマン(最悪なのは、警察だった……! 腐敗が進んでいた警官たちは、まるでゲームを楽しむかのように、ジョーンズを攻撃……! 大人数の攻撃に瀕死となったジョーンズは、それでも何とか巣に帰り……)
フォルネウス「笑わせるな! 望まれてもいない善意など、ただの傲慢だ! 世界は過程ではなく、結果! お前は少女を監禁し、食いつくした化け物だ!」
438 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:06:54.33 ID:4nPBd23Q0
キラークロック(……思い出した)
キラークロック(あの日、オレは死にかけて……身体を引きずって、帰ったんだ)
キラークロック(……血が足りなくなったからなのか、死にかけていたからなのか……オレは本能的に、目の前にいたガキに喰らい付いた)
(((あ……)))
キラークロック(思い出した。ああ、クソ、なんで忘れてたんだ、オレは)
(((だいじょうぶ。こわくない。いたくないよ。おんがえしって、いうんだよね)))
キラークロック(血に染まった顔。痛みでひきつった笑み。だが、アイツは笑っていた)
(((これね、今日、渡そうと思ってた、ネックレス)))
(((……だいじょうぶ。貴方は皆と少し違うだけ)))
キラークロック(どうしてどいつもこいつも、自分を誤魔化して笑うんだ。もっと、生きたかったクセしやがって)
(((だから、いつか貴方が、皆にとってのかいぶつじゃなくなった時に)))
フォルネウス「怪物め! 貴様は怪物だ!!」
ネックレス「」ジャラ……パカリ
少女の写真「」
キラークロック「……」
キラークロック(やっぱり、そうなのか?)
キラークロック(オレは所詮、怪物なのか?)
439 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:08:16.24 ID:4nPBd23Q0
黒髭「下らねえ」
フォルネウス「……何?」
黒髭「クソ下らねえ!! おいキラークロック、テメエはなんでそこに膝ついてる!? アホか!? さっさとあの肉の柱をぶっ潰しに行け!」
キラークロック「……」
黒髭「……いい加減女々しい野郎だな、テメエも! 良いか、上等だっつってんだ! おう、確かにテメエはそのガキを食ったんだろうよ! 捨てられてたのを拾ったのだって、あっちは助けて欲しくなかったかもしれねえ! けどな、それがどうした!」
黒髭「俺達はワルだ! エゴが赴くままに、奪って押し付け生かして殺す! 上等だろうが! それ以上に高等なモノなんざ、望むんじゃねえ!」
キラークロック「……」
黒髭「立て! 自分勝手がどうした、傲慢がどうした! 常連だろうが、笑い飛ばせ!」
440 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:09:23.75 ID:4nPBd23Q0
アステリオス「だい、じょうぶ」
キラークロック「……」
アステリオス「過去は、変えられなくても、今は、きっとかわるよ」
キラークロック「……」ムクリ
アステリオス「だから、世界を呪わないで。きっと、かいぶつなんて、どこにでもいるから」
キラークロック「……フン」
キラークロック「知ったようなクチ利きやがって。あとで全員、食い千切ってやる」ドシ、ドシ
黒髭「……へっ」ニヤリ
441 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:10:27.64 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「まだ立ち上がるか。その見た目と同じ、醜悪なまでの執念」
キラークロック「全身が目で出来てるクセに、何も見えてないらしいな! オレを見ろ!」
キラークロック「オレは、美しい!」ダンッ、バッシャァァァァァァァァァァ‼
バットマン「……良し、ようやく始動だ。ダビデ、砲撃を休むな」
ダビデ「はいはい……」
ズズズズズズズズ……
バットマン「……船の水を掻き出す。マシュ、シールドで船の穴を塞げるか」
マシュ「は、はい! 頑張ります!」
ドレイク「掻き出すっつって、どうやって……」
バットマン「大丈夫だ。バット吸水ポンプがある」
ドレイク「バット……は?」
バットマン「……ジョークだ。スーツのポンプ機能を使い、ある程度運んで外へ排出する」
442 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:11:15.25 ID:4nPBd23Q0
キラークロック(……でけえ肉の柱だ。食い甲斐がありそうだぜ)ゴポポ……
フォルネウス『無意味である』
キラークロック(……ソイツはオレが決める。黙って食われろ)ギュォッ、ガブッ
フォルネウス『ぐぅっ……小癪な』
キラークロック(……!!)グイッ、ブチィッ
フォルネウス『おのれ、下等生物の分際で……!!』
キラークロック(不味い肉だ……これをずっと食い千切るってのは、気が滅入るぜ)ペッ
――――――
ドレイク「放てー!!」
海賊達「「「オラオラオラァ!!!」」」ドドドドォン‼
フォルネウス「痒いと、言ったはずだ……ぐぅ!?」ドドドォ……グシャァッ‼
アステリオス「……ぼくの、宝具、きいてるみたいだね」ニヤリ
フォルネウス「貴様……魔力を……」
エウリュアレ「良いわよ、アステリオス。そのまま弱らせておきなさい」シュパパパパッ
フォルネウス「ぐああああああ!?」ドシュシュシュシュッ
443 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:11:49.99 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「おのれ……海の藻屑にしてくれる……!」
フォルネウス「焼却式『フォルネウス』起動!!」ドドドドドドドドドドドドッ‼
ドレイク「っ……ありゃ、耐えられないよ!」
バットマン「……くっ、こちらはまだ復旧が完全ではない! なんとか逸らせないか!」
ドレイク「無茶言うな、ぶち当たる……」
ドッガァァァァァァァ‼
ドレイク「っく……」
ダビデ「わわっ、やばいぞ!」
マシュ「マスター!」
バットマン「……!!」
ボンベ「やべーぞ、船体が真っ二つだ!」
444 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:12:30.10 ID:4nPBd23Q0
バットマン「……いや、まだだ」シュポッガシッ
グラップネルガン「」ギュギ……ギギギギギギギギギギギ……
バットマン「マシュ、手伝ってくれ! 船を戻す……!」
マシュ「は、はい!」ガシッ、グググググ……
ドレイク「よしな、無茶だよ!」
バットマン「知っている! だがここでこの船を守らなければ、ドレイク、ボンベ、お前達皆が海に落ち、フォルネウスに殺されるだろう! そんな事はさせない!」グググググ……
ドレイク「あ、アンタ……」
バットマン「……いつか言ったな。人生の意味など後付けで良いと。私は逆なんだ。納得と理解ができなければ、私の人生ではなくなる……ここで守らなければ、私ではなくなる!」グググググ……‼
マシュ「……マスター……!」グググググ……
ドレイク「……くっ、でも無茶なのには変わりないよ!」
バットマン「ぐっ……もってくれ……!」グググググ……
ロープ「」ブルブルブルブル……ブチィッ‼
バットマン「っぐあ!?」ドッサァ
マシュ「きゃあ!?」ドシャッ
ゴズズズズズズズズズズズ……‼
445 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:13:34.24 ID:4nPBd23Q0
ドレイク「くっ……船を捨てろ! ゴールデンハインド号を捨てろ! 全員海へ飛び込め!」
ボンベ「ご、ゴールデンハインド号を……捨てるだって、姐御!? そんな事はできねえよ! ずっとコイツと旅して来たじゃねえか!」
ドレイク「馬鹿野郎! 命と船のどっちが大事なんだい! 飛び込むんだよ!」ガシッ、ドッ
ボンベ「うわぁぁぁぁぁぁぁ……」ボッシャァァァァン
海賊A「姐御!」
海賊B「姐御ぉ!!」
ドレイク「飛び込みな、さっさとしな! 船は後でいくらでも手に入る……!」
ドレイク(……クソ、この船はひとつきりだよ! チクショウめ!!)ググッ
446 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:14:14.05 ID:4nPBd23Q0
バットマン「ドレイク」タタッ
マシュ「……ドレイクさん」
ドレイク「アンタ達も、急いで海に。アタシは船員が全員居なくなったのを確認して、最後に飛び込むよ」
バットマン「……すまない。フォルネウスの力の増大を予測し切れなかった」
ドレイク「後にしな。さあ、早く!」
ダビデ「え、マジで僕も行くの?」
エウリュアレ「冷たそうね。私は遠慮するわ……」
バットマン「……」ガシッ、グイッ
ダビデ「うわあああああああぁぁぁぁ……」ヒュゥゥゥゥゥゥゥ……
エウリュアレ「貴方本当に覚えてなさいよ!」ヒュオオォォォォ……
447 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:15:02.89 ID:4nPBd23Q0
黒髭「……ドレイク……」
アステリオス「いか、ないの?」
黒髭「……ばーか、あの女があの程度でやられるワケねえよ。太陽を落とした女、フランシス・ドレイク。オレの憧れだぞ」
アステリオス「……」
黒髭「……だから、黙って見てりゃあ良いのさ。聖杯は相応しい奴のところにしか行かねえんだからよ。それよりほら、大砲準備の手を休めては駄目でござる!」
アステリオス「ごめ、ん」ゴロゴロ
黒髭「ほれいっちに、いっちに!」ゴロゴロ
448 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:15:31.94 ID:4nPBd23Q0
ドレイク「……世話になったね」
ドレイク「無茶ばっかり押し付けた。その度に、アンタは期待に応えてくれたよ」
ドレイク「……だがまあ、結局はこうなっちまった。できれば、アンタと最期まで……旅をしたかったんだけどねえ」
ドレイク「……じゃあね」バッ、バッシャァァァァァァァァァァン……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ズズズズズズズズ……
449 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:15:59.97 ID:4nPBd23Q0
ドレイク(……冷たいね、海は……)
ドレイク(ああ、チクショウ。もっと力があれば……全員守れたんだろうけどね)
聖杯「」パァァァァァァ……
『願え。全員を助けたいと願え。暗い海の底から引き上げたいと願え』
ドレイク(……こりゃ、さしずめ悪魔のささやきってところか。いいねえ、これでこそ……)
ドレイク(……けど、アタシは『結果』は願わないよ。過程も無くお宝を手に入れても、何の楽しみも無いからねえ……)
ドレイク(……だから黙って、その分の力だけ寄越せ……!)グググググ……
450 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:16:38.36 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「ハハハハハハハ……あとは海中のワニ男だけだ。実に手応えの無い、弱敵であった……?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
フォルネウス「……?」
黒髭「なー? だから言ったでござるよ」
アステリオス「……う、ん」
バッシャァァァァァァァァァァ‼
黒髭(……光り輝く船体……まさにゴールデンってか)
黒髭「……チッ、流石だぜ」クシャクシャ
451 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:17:22.14 ID:4nPBd23Q0
ドレイク「……っふぅ! 海水浴びてサッパリしたよ、ありがとね!」
フォルネウス「なんだと……貴様も、聖杯を使いこなすというのか!」
ドレイク「使いこなすってのが何なのかは知らないけどねえ、生憎こっちはうまい話には飛びつかないように鍛えられてんだ。ロクな事になった試しが無い!」
フォルネウス「おのれ、無為な虫けら一匹の分際をしおって……! ちっぽけで無意味な人生を送るというのに!」
ドレイク「言っただろ? 人生の意味は、後から誰かが見つけてくれる。なら、こっちは一瞬を全力で生きるだけさ!」
ボンベ「あ、姐御ぉ……一生ついていきやすゥゥゥゥゥゥゥ!」
海賊達「「「うおおおおおおおおお、姐御おぉおおおおおおお!!!」」」
ドレイク「おら、泣いてる暇があったら大砲の準備をしやがれ!」
452 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:18:19.16 ID:4nPBd23Q0
バットマン「げほっ、げほ……」バシャッ
マシュ「っはあ、はあ……」
ダビデ「あ゛〜……死んでない……」
エウリュアレ「最悪よ。髪がびしょびしょじゃない」ポタポタ
ドレイク「無事かい、水を飲んじゃいないかい」
バットマン「ああ、無事だ……助かった」
ドレイク「礼なら後でたっぷりもらうよ。立ちな、行くよ」
バットマン「……ああ!」
453 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:18:48.75 ID:4nPBd23Q0
黒髭「よーしアステリオス二等水兵! 帆を張れェい!」
アステリオス「……どうやって張るの?」
黒髭「あっ、拙者が張ります……」ゴソゴソ
ドクロの帆「」バサァッ‼
アステリオス「おおー……ワルだ」
黒髭「にししし、ワルでござる。さあ、BBAと肩を並べて戦うZE!! 大砲よーい!」
アステリオス「はい」ゴロゴロ
黒髭「……撃て!」
ドレイク「まだだよ、もう少し……もう少し、待て……」
ボンベ「……」ゴクリ
海賊A「……」ウズウズ
海賊B「……」ジッ
ドレイク「……撃てェーーーー!!」
ボンベ「撃てェ!!」ドドドドォン‼
454 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:19:17.85 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「ぐ……」ドシュシュ、グラグラ……
キラークロック(フン、ざまぁないぜ……もっと喰らってやる)ブチッ、ブチィ
フォルネウス『やめろ! 無益である!』
キラークロック(生憎だな、怪物には言葉が通じねえんだ)ブチッ、ガシッ、ブチチチチチ……
フォルネウス「ぐわあああああああああ!!!」
ドレイク「……畳みかけるよ! 帆を張りな、面舵一杯!」
ボンベ「どうするんで?」
ドレイク「船首の大砲用意! 突っ込むよ!」
ボンベ「ひゃっほう! 流石姐さん!」
帆「」バサァッ‼
バットマン「マシュ、念のため船へ加護を」
マシュ「はいっ! 真名、偽装登録……行きます! 『ロード・カルデアス』!!」ギュォォォォォォォッ
バットマン「全員しっかり掴まれ!」
455 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:20:45.61 ID:4nPBd23Q0
ドガァァァァァァァァァァァァァァ‼
バットマン「うっ……」グラッ
マシュ「マスター!」ガシッ
フォルネウス「うぐ……」グラ、グラァ……
フォルネウス(負けると言うのか!? 全力の魔神が、このような……連中に……!?)
バットマン「……マシュ! 船首へ駆けのぼれ、トドメだ!」
マシュ「はいっ!」
バットマン「『令呪を以て命ずる』! 全ての魔力をマシュの膂力へ変換しろ!」
マシュ「はあああああああああっ!!」ダダッ
456 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:21:16.62 ID:4nPBd23Q0
フォルネウス「馬鹿な。馬鹿な、あってはならない現象である……!」
ドレイク「撃てェー!!!」
黒髭「撃てェい!!」
バットマン「マシュ!」
キラークロック(やれ、小娘)
マシュ「はあああっ……!」シュッ
ドシュッ‼
457 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:22:07.76 ID:4nPBd23Q0
バットマン「……」
ドレイク「……」
黒髭「……」
マシュ「……」スタッ
フォルネウス「……馬鹿な」ドバッシャァァァァァァァァァ……
聖杯「」プカ……
マシュ「……聖杯、確認。回収します」
ボンベ「……やった」
ドレイク「やった」
黒髭「よおっしゃああああああああああああああ!!」
アステリオス「やっ、た!!」
バットマン「……やったか……!」
458 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:22:38.16 ID:4nPBd23Q0
ドクター『お疲れ様、マシュ、ブルースくん! 聖杯の回収を確認、その特異点もじきに修正される!』
バットマン「……」
マシュ「やりました、マスター!」タタッ
バットマン「……ああ、よくやってくれた」
ドレイク「よくやったね、マシュ、ブルース! お疲れさん!」バシッ
バットマン「ああ、そちらも……世話になった」シュウシュウシュウ……
マシュ「ドレイクさん、ありがとうございました。ダビデさんも、エウリュアレさんも……」シュウシュウ……
ドレイク「……なんだいアンタら、身体が……」
バットマン「……長くは留まれない。礼の話は、悪いが……」シュウシュウ……
ドレイク「……なるほどねえ、踏み倒されちまうってワケか。アンタも相当なワルだねえ」
バットマン「……いつか返すさ」フ
459 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:23:34.21 ID:4nPBd23Q0
エウリュアレ「……」チラ
アステリオス「……」フリフリ
エウリュアレ「……ふふっ」クス
バットマン「……そろそろ消えることになる。会えて良かった、ドレイク」
ドレイク「ああ、こっちも会えて良かったよ。アンタみたいな堅物、博物館に飾りたいくらい貴重だけど……まあ、また会えるさ。じゃあねブルース」ギュッ
バットマン「ああ……またな」
ドレイク「ほら、マシュも。アンタ、最初は根性なしの小娘かと思ってたけど、なかなかやるもんだね。会えて良かったよ、若い頃を思い出した」ギュッ
マシュ「わぷ……は、はい。私も、ドレイクさんのように素敵な女性に出会えて良かったです」
ドレイク「そうかい? そりゃあ……」
ドレイク「海賊やってた甲斐があるってもんだよ」ニィッ
ギュォォォォォォォォォォォォッ
460 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:24:05.96 ID:4nPBd23Q0
………………
バットマン「……」ムクリ
マシュ「……」ムクッ
ドクター「!! ブルースくんとマシュが帰還したぞ!」
レオナルド「お疲れ様、二人とも」
所長「……お帰りなさい!」
フォウ「フォウ、フォーウ!!」ピョコピョコ
マシュ「……マスター」
バットマン「……ああ、ただいま」
461 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:24:38.79 ID:4nPBd23Q0
………………
黒髭「ふー、終わった終わった。キラークロック殿、最後にマシュちゃんに会いに行かなくて良かったのでござるか?」
キラークロック「……良い。オレは満足だ」
黒髭「無欲でござるなぁ……ひとなめくらいは許して貰えたと思いますぞ」
キラークロック「食い千切るぞ」
黒髭「ごめんなちい!」
エウリュアレ「……アステリオス!」タッタッ
アステリオス「エウリュアレ……」
エウリュアレ「ようやく終わったわ! まったく、貴方に言いたい事がたくさんあったのよ? 私を置いて行こうとするし、私を放っておいてむさくるしい男達を優先するし……!」
アステリオス「ごめん、なさい。でも、だいじょうぶ。ぼくは、ぼくだよ」
エウリュアレ「……分かってるわよ! もう、これからは絶対に私から離れない事! 私を護るんでしょう?」
アステリオス「うん、これからはいっしょ……」
エウリュアレ「……それなら許してあげるわ!」
アステリオス「あり、がとう」ニコ
462 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:25:09.90 ID:4nPBd23Q0
黒髭「……チェ―ッ、クソ。リア充末永く爆発しろ!」
キラークロック「うるせえぞ」
黒髭「キラークロック殿はモテ男だから拙者の気持ちわかりません〜〜〜〜!!!」
ドレイク「おーい、髭野郎!」
黒髭「はうあっ!?」
ドレイク「悪くない共同戦線だったよ! じゃあね!」
黒髭「ほ、ほああっ!? そ、そんなもんこっちこそ悪くなかったわ! じゃあなBBA! 二度と来るなよ!!」
キラークロック「……」
黒髭「……うぇへへへ、悪くなかったって……」ニマニマ
キラークロック「気色悪い」
黒髭「ひっど!?」
463 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:25:57.60 ID:4nPBd23Q0
エウリュアレ「……ねえ、アステリオス」
アステリオス「うん?」
エウリュアレ「……私も、貴方みたいだったらなって」シュウシュウ……
アステリオス「……えうりゅ、あれは、今のままで、いいよ」シュウシュウ……
エウリュアレ「……そうよ、そうね。貴方も、ね」シュゥゥゥゥゥゥゥ……
アステリオス「う、ん。きっと」シュゥゥゥゥゥゥゥ……
464 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:26:33.02 ID:4nPBd23Q0
………………
ザサァン゙……ザザァン……
ゴポポポポポ……コポポポポ……
メディア(……)
メディア(……私では、及びませんでしたか……)
メディア(……ですが、ブルース。そしてマシュ。貴方達では、あの方には敵わない)
メディア(あの方にとっては、目的の前の障害など、塵にも等しい)
メディア(ああ……どうか、彼らの道が、余計な希望を持たぬものでありますよう……)
ゴポポポ……コポポポポ……
465 :
◆GmHi5G5d.E
[saga ]:2018/03/03(土) 23:27:05.20 ID:4nPBd23Q0
第三章
封鎖終局四海 オケアノス
生存者 マシュ・キリエライト ブルース・ウェイン
死者 ブーディカ
466 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/03/03(土) 23:27:44.91 ID:4nPBd23Q0
今回の更新はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました。
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 00:28:11.45 ID:yB/UkHano
乙
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 00:31:41.38 ID:73irc+Jko
乙
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/04(日) 00:53:51.98 ID:q1xkKxpHo
乙
相変わらずテンポ良くて読みやすい
次は誰が召喚されるのかね
出来れば一緒にクリア出来ると良いな
470 :
◆GmHi5G5d.E
[saga sage]:2018/03/04(日) 02:01:01.03 ID:k2I85OiD0
・ブルースの年齢を示唆するような描写は時々ありますが、特にそれを本筋へ絡めるつもりはないので読者の皆さんで納得できる年齢として読んで下さい。
・このカルデアでは、サーヴァントは一度消滅すると基本帰って来ません。これまで何の説明もなく申し訳なかったです。
・イアソンは好きです。
471 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 02:51:38.77 ID:DNqFfewYo
乙乙
毎度熱い展開で引き込まれる
472 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 16:06:39.21 ID:LRy33z1Do
>>469
次はダビデ
清姫もブーディカもFGOでの章クリア記念の報酬として配布される鯖で、3章クリア報酬がダビデだから確定してる
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 16:21:59.34 ID:yLLg45H7o
そうなんだ
あんまり強くなさそうだが次は乗り越えられるのか
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 07:38:08.07 ID:wBarX0jD0
>>473
原作だと汎用性の化け物なんだよな……このイスラエル王
475 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 09:30:40.02 ID:kTDRBUlCO
ダビデ育ててると育ってないとで難易度変わる場面がちょくちょくあるからね
まぁ弓☆3が魔境過ぎるのもあるけど、全員強いどころか下位互換すら居ないって割とおかしいレベルでバランス取れてる
476 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/06(火) 14:51:40.40 ID:x8lzu1Gto
いよいよ次回はロンドン。ジャックザリッパー
切り裂きジャックとバットマンといえばやっぱりゴッサム・バイ・ガスライトだな
477 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/07(水) 11:40:40.96 ID:w5SStLIRO
まとめから来て一気に読んだ、次回も期待してます
478 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:41:05.92 ID:6odfkc8I0
ブルース「……」
マシュ「……」
ブルース「…………」
マシュ「…………」
ブルース「………………」
マシュ「………………」
所長「あの……廊下で何やってるの?」
479 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:41:49.56 ID:6odfkc8I0
ブルース「オルガマリー所長か。……いや、イメージトレーニングの特訓だ」
所長「イメージトレーニング?」
ブルース「そうだ。自分と相手の行動を計算し尽くし、現実的空想空間において敵を打ち倒す。……まあ、言うなれば戦う前のリハーサルのようなものだ」
所長「はあ……?」
マシュ「……」ムムム
ブルース「それが一瞬で出来るようになれば、戦闘においてはかなり有利。マシュにはそれを会得してもらう必要がある……これからの戦いの為にも」
マシュ「……」ムムムム……
ブルース「マシュ、蹴りを繰り出した後の動きに隙が多い。盾は取りに戻るな」
マシュ「はい。……え? なんで私の考えてる事が分かったんですか?」
ブルース「……」
所長「相変わらずよく分からない事をやってるわね……ほどほどにしてよ」スタスタ
480 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:42:42.78 ID:6odfkc8I0
マシュ「……」タラ……
ブルース「……集中力が落ちてきているぞ、マシュ。疲労が溜まって来たか?」
マシュ「っ……少しだけ」
ブルース「休みを入れよう。脳が疲れを感じたら、それは感覚以上に酷使している証拠だ」
マシュ「はふっ……分かりました」
ブルース「確か、レオナルドが紅茶と茶菓子の再現に成功していたハズだ。良い休憩になるだろう、行ってくると良い」
マシュ「はいっ。……あの、マスターは?」
ブルース「私は……いや、私も行こう」スクッ
481 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:43:23.81 ID:6odfkc8I0
………………
レオナルド「おっ、工房へいらっしゃい。二人一緒とは珍しい……いや、最近はそうでもないかな?」
ブルース「紅茶の茶葉をもらえないか? 休憩を入れたい」
レオナルド「良いね〜、私もそろそろ休もうと思ってたんだ。ちょっと待ってくれ……おーい、ロマニ」ピッピッ
内線「」ピピピッ、ピピピッ……ガチャッ
ドクター『もしもし? レオナルドか? 今忙しいんだ、お遊びの連絡ならまた今度に……』
レオナルド「おやおやぁ? なら私、マシュ、ブルースだけでティータイムを楽しむとしようか」
ドクター『残念だがそう……なに? 今なんて?』
レオナルド「いやぁ〜実に残念! 皆で紅茶を飲んでワイワイ過ごそうと思ったんだが! キミが忙しいなら無理強いは……」
ドクター『……いやいやいや!! 待て、今ちょうどキリの良いところまで終わったぞう! ははは、皆でそちらへ行けそうだ!』
所長『ちょっとロマニ? 全然終わってないじゃないの!?』
ドクター『所長……! お願いです! ここまでの記録はつけてますから! ちょっと休むだけですから!』
所長『アンタねえ……!』
レオナルド「ははは、期待せずに待ってるよ。それじゃあね」ガチャッ
482 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:44:09.13 ID:6odfkc8I0
………………
レオナルド「……」ニコニコ
ドクター「……」ダラダラ
所長「……」ギロッ
職員A「……」フム
職員B「……」オドオド
職員C「……」ポケッ
483 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:44:40.67 ID:6odfkc8I0
給湯器「」ピィィィィー……
ブルース「……」コポポポポ……
マシュ「……」カチャカチャ
茶菓子「」ズラッ
ブルース「……」カチャ
カップ「」コトリ
ブルース「……」チョポポポポポ……
紅茶「」ホワァ……
ブルース「……」
ブルース(アルフレッドほど上手くは注げないか)
マシュ「……」カチャカチャ
ミルク「」コトリ
ブルース「砂糖は……」
マシュ「右上の引き出しから二つ隣です」
ブルース「ありがとう」ゴソ
484 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:45:34.09 ID:6odfkc8I0
マシュ「はい、お待たせしました。紅茶と茶菓子です」カチャカチャ
職員B「うわあ〜、香りとか本当に紅茶ですね。魔術で再現されたなんて信じられないです!」
レオナルド「フフン、そうだろうそうだろう。まあ天才だからね、私。できない事とか滅多に無いし」
ドクター「……美味しいぞ、コレ……美味しいぞコレ!」ズズ
ブルース「私も失礼しよう……」スッ
職員A「お菓子も程よい甘さで……再現率が高いですね」サクサク
レオナルド「勿論ほぼ完ぺきさ。こだわったからね」
職員C「これうめえ……あっ、これもうめえ」モシャモシャ
レオナルド「ははは、ゆっくり食べたまえ。また余裕が出来たら作ってみるよ」カチャ
マシュ「……あまくて、おいしい……」トローン
485 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:46:17.26 ID:6odfkc8I0
ブルース「……」カチャリ、チラッ
所長「……」ジッ
ブルース(……?)
ブルース「飲まないのか、所長」
所長「……え? 私? あ、私は、その、あの……」チラッ
マシュ「……?」
所長「……いえ、私はやっぱり結構よ。失礼するわね」スッ、スタスタ
ブルース「……」
マシュ「……どうしたんでしょうか」
ブルース「……」
486 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:46:54.08 ID:6odfkc8I0
レオナルド「? どうしたんだ、二人共。ティータイムだぜ、飲んで食べて大騒ぎしろよ」
ブルース「……すまない、私も失礼する。素晴らしい紅茶だった」スッ
マシュ「あ、ま、マスター」
ブルース「マシュ、ここに残っていろ。まだ休憩は必要だ。レオナルド、紅茶と茶菓子に礼を言う」
レオナルド「いや、いいけど……どうしたんだ」
ドクター「ブルースくん?」
職員達「「「?」」」
ブルース「……少し、調べなければならない事があったのを思い出しただけだ」スタスタ
487 :
◆GmHi5G5d.E
[saga]:2018/03/07(水) 22:47:21.19 ID:6odfkc8I0
ブルース「……」ピッピッ
コンピューター『ハッキング進捗率:89%』
ブルース「……」
ブルース(今夜にでもカルデアへのハッキングは完了する。データ最深部へアクセスし、所員達の弱点を見つけ出す……)
ブルース「……」
ブルース(……信用と保険は別物に考えるべきだ。ここには怪しい要素が多すぎる……先程の所長の、あの態度)
ブルース(マシュを見る目は怯えたものだった。だがマシュにその自覚は無さそうに見える……オルガマリー所長は、何かを隠しているか、それとも負い目を感じているのか。アレは自分の罪に怯える目だ)
ブルース(それがカルデアの根幹に関わるものならば、今夜絶対に明らかにする。……場合によっては……)
ブルース「……」ピッピッ
ブルース(……場合によっては、所長を……)
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