バットマン「グランド……オーダー?」 マシュ「その2です」

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325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 00:38:08.34 ID:7T04VAoOo
ブーディカカッコいいけど、ちょっと寂しい感じ…
死んで教えたり助けたりは無しって言ってたじゃないですか姉さん
326 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:30:33.74 ID:pRO31/Br0

………………

ザザァン……ザザァン……


(化け物め! 殺せ!)

『なん、で。ぼく、なにも、してない』

(あの子が殺されたのも、あの化け物のせいよ!)

『ただ、触れようと、しただけ、なのに。かんたんに、くずれてしまう』

(生贄を捧げます。どうか鎮まり給え)

『ぼくは、いらない。いけにえなんて、いらない』

(やだ! やだあああああ!! 来るな、化け物おおおおおお!!!)

『やめて、いたい、いたい。ころさないで。ぼくは、なにも、しない』

(怪物)

『ちがうよ、ぼくは』

(お前は怪物だ)

『ぼくは、ただ』

(怪物め、死んでしまえ)

『みんなみたいに、みんなとおなじになりたくて』

(あの迷宮には近寄るな。怪物が棲んでいる)

『ただ、かいぶつを、やめたかっただけなのに』


327 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:31:10.61 ID:pRO31/Br0


ザザァン……ザザァン……

(……お前なら治療できるだろうが)

(いやぁ、でも正直拙者のこまやかな愛の対象外って言うか〜)

(つべこべ抜かすんじゃねえ。オレがお前を助けたんだぞ)

(ちぇっ、強引でござるなぁ……)

アステリオス「……?」


328 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:31:44.04 ID:pRO31/Br0


アステリオス「う、うぅ」ムクリ

黒髭「あっちょっと! まだ動いたら駄目でござる!」

アステリオス「ここ、は」キョロキョロ

キラークロック「……フン、しぶとい野郎だ。生き返りやがった」

アステリオス「ここ、は……おまえ、たちは!」ザザッ‼


329 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:32:12.14 ID:pRO31/Br0

アステリオス「ここ、は、どこだ! なんで……うっ」ズキッ

キラークロック「……静かにしてろ。面倒な奴め」

黒髭「ったく、なんでキラークロック殿はイチイチこういうのを助けたがるんだか……」

キラークロック「……黙ってろ」

アステリオス「えう、りゅあれは……えうりゅあれは、どこ……」

キラークロック「無事だ。逃げおおせた。……あの偏屈コウモリ野郎のところなら、まだ安全だ」


330 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:33:00.14 ID:pRO31/Br0

アステリオス「……なんで」

キラークロック「ああ?」

アステリオス「なんで、たすけたの。ぼくは、てきだよ?」

キラークロック「……」

黒髭「そーそー! 助ける必要性皆無だったのに、なんで拙者と牛小僧をおぶって泳いできたんでござるか!」

キラークロック「……ムカついたからだ」


331 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:33:45.03 ID:pRO31/Br0


黒髭「え?」

キラークロック「ムカついたからだ。お前が」

アステリオス「……え?」

キラークロック「それだけだ」

アステリオス「……」

黒髭「……え、拙者は? 拙者はなんで?」

キラークロック「お前はついでだ」

黒髭「酷くないですかな!!??」


332 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:34:18.28 ID:pRO31/Br0


キラークロック「理由なんざ、後で考えてやる。お前はとっとと傷を治せ」

アステリオス「なおして、どうする、の」

キラークロック「悔しくないのか。あの連中はお前を見下してたぞ。取るに足らない化け物が数匹片付けられたと喜んでいたぞ」

黒髭「……」

キラークロック「……復讐だ。滅茶苦茶にしやがって。奴らはいつもそうだ……自分達と違うから、見下しやがって……目に物を見せてやる」

アステリオス「……」

キラークロック「……自分と違うモノに何が出来るのか、見せつけてやる」


333 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:34:56.34 ID:pRO31/Br0

………………

黒髭「……」ヌリヌリ

アステリオス「いたっ……」ビク

黒髭「あーあー動くんじゃねえよ、動かねえだけでだいぶマシになんだから」

キラークロック「……」

黒髭「……」チラ

キラークロック「……」

黒髭「……はぁ」


334 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:35:25.06 ID:pRO31/Br0

黒髭「んで、どうして助けたか、そろそろ教えていただけます?」

キラークロック「……何がだ」

黒髭「俺らをだよ。もう何のかかわりもねえだろ、ほっときゃ良かった。テメェだけ生き残っちまえばよかっただろ」

キラークロック「……」

黒髭「俺は船と一緒に沈んだ方が良かったぜ。船長として、船と共に最期を迎えられねえのは恥だ」

キラークロック「……下らねえプライドで死ぬのか。じゃあ今からでも遅くない、そこに海がある。溺死すりゃあいい」

黒髭「……」

キラークロック「……」

アステリオス「……」


335 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:36:03.73 ID:pRO31/Br0

キラークロック「……チャンスだ」

黒髭「ああ?」

キラークロック「チャンスだ。オレは証明がしたかった。全員に、やり直すチャンスがある事を」

アステリオス「……?」

キラークロック「……ムカついたんだよ。どいつもこいつも、満足そうな顔で、自分を誤魔化して死にやがって……」

(((だから、いつか貴方が、皆にとってのかいぶつじゃなくなった時に)))

キラークロック「……」ジャラ……


黒髭「……」

キラークロック「……オレは、まだ、怪物だ」

黒髭「……はあ? はあああ〜〜〜〜〜???」


336 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:36:42.53 ID:pRO31/Br0

黒髭「何を言うかと思えば……くっだらねえ、見た目の割りに繊細なヤロウだな」

キラークロック「……何だと」

黒髭「取り繕おうとすんじゃねえっつってんだよ! 過去は変えられねえ、俺達はワルだ! この牛の小僧だって、どんだけ取り繕おうが所詮人殺しの怪物だ!」

アステリオス「……」

黒髭「……けど、それがどうしたんだ? ああ? 神サマとかいう大層立派な阿呆から見れば、俺達は皆一緒らしい。なら、あとは俺達のエゴ次第だろうが!」

キラークロック「……」

黒髭「その顔をやめろっつってんだ、ワニ男! 怪物上等、悪党上等! 俺達はどう足掻いてもワルだ、なら……だからこそ、それなりに通す筋ってモンがあるだろうが!」


337 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:37:13.86 ID:pRO31/Br0

キラークロック「……なりたくてなったんじゃねえ」

黒髭「どうせ世界は過程より結果だ、バカヤロー」

キラークロック「クソが……クソが、お前はいつか食い千切ってやる」

黒髭「ああ、俺もお前は嫌いだよ」

キラークロック「フン……」



……ォォォォォォォォオオオオオオン……


キラークロック「今の、聞こえたか」

黒髭「おう、聞こえたぜ」

キラークロック「行くぞ」

黒髭「よっしゃあ!」


338 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:37:42.39 ID:pRO31/Br0

黒髭「何を言うかと思えば……くっだらねえ、見た目の割りに繊細なヤロウだな」

キラークロック「……何だと」

黒髭「取り繕おうとすんじゃねえっつってんだよ! 過去は変えられねえ、俺達はワルだ! この牛の小僧だって、どんだけ取り繕おうが所詮人殺しの怪物だ!」

アステリオス「……」

黒髭「……けど、それがどうしたんだ? ああ? 神サマとかいう大層立派な阿呆から見れば、俺達は皆一緒らしい。なら、あとは俺達のエゴ次第だろうが!」

キラークロック「……」

黒髭「その顔をやめろっつってんだ、ワニ男! 怪物上等、悪党上等! 俺達はどう足掻いてもワルだ、なら……だからこそ、それなりに通す筋ってモンがあるだろうが!」


339 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/03/01(木) 02:39:00.63 ID:pRO31/Br0
338は無視して下さい。
340 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:39:37.72 ID:pRO31/Br0

アステリオス「……」

キラークロック「……お前はどうする」

アステリオス「……ぼく」

キラークロック「……」

アステリオス「ぼく、も、いきたい」

キラークロック「……なら、来い。連れて行ってやる」

アステリオス「うん」



341 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:40:11.36 ID:pRO31/Br0

………………

ドドドッ、ドドドッ、ドドドドドドドドド……

コンピューター『ボディ損傷率、10%』

バットマン「マシュ、集中しろ。このモービルの頑丈さはお前にかかっている」

マシュ「は、はいっ! く……」ガシャリ

レオナルド『エンジンの調子はどうだい?』

バットマン「悪くないが、音から察するに前部エンジンが少し損傷している。修理は可能か」

レオナルド『無理だね、使い捨てと割り切ってくれたまえ。一秒の稼働でも甚大な負荷がかかっている、何もしなくても走っているだけで壊れるさ』

バットマン「了解した。早期決着を試みる」カチャカチャ、カチャカチャ……グイッ



バットモービル「」ギュォン、ギュオン……グォォォォォオオオオオオオオッ‼


342 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:40:45.93 ID:pRO31/Br0

ヘラクレス「……■■■■■■■■■!!」ムクリ


バットマン(推察するに、奴が一度死んでから生き返るまでのタイムラグは10秒ほど。できれば反撃する暇もなく潰すのが一番だが、そう上手くもいくまい)


バットマン「……無駄な接触は避ける。ガトリング砲展開」

コンピューター『ガトリング砲、展開します』


砲台「」カパッ、ウィィィィィィ……



ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドスドス


マシュ「きっ、来てますよ!! 敵!!」

バットマン「見えている。ガトリング砲発射開始」ポチッ

コンピューター『ファイア』


ガトリング砲「」ババババババババババババババババババ……‼


ヘラクレス「■■■■■■■!!」ギャリリリリリリリリリリィ‼


マシュ「ぜ、全部見切って弾いてますよ!?」

バットマン「狙い通りだ」グイッ


バットモービル「」グォォォォォオオオオオオオオッ‼


343 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:41:14.27 ID:pRO31/Br0


マシュ「あああっ、当たります! 轢いちゃいます!」

バットマン「このままだ。コンピューター、轢殺の成功率は」

コンピューター『敵、こちらを目視。体格、技術レベルから計算中……轢殺成功率、55%』

バットマン「轢いた後も射撃を続行するぞ」


バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ、ガガガッ‼


ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドドッ、ゴロゴロ……


ガトリング砲「」ババババババババババババババババババ……


ヘラクレス「……」チュゥン、ドドッ、グチャチャチャチャ……


バットマン「……」


バットマン(……7、6、5……)


ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガバッ


バットマン(残り8つ)


344 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:41:42.63 ID:pRO31/Br0

イアソン「な、な、な……なんだアレは!」

ヘクトール「いや、俺に訊かれても……分かんねえとしか言えねえっつうか……」

イアソン「なんでもいい、さっさと何とかしろ! 使えん奴だな!」

ヘクトール「あいよ……」カチャリ


ヘクトール(正直、アレを吹き飛ばせる気がしねえんだけど……)

ヘクトール「『標的確認、方位角固定……』」


バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ‼


ヘクトール(ち、よく動きやがる……)


ヘクトール「『不毀の槍』(ドゥリンダナ)!!」ブォンッ‼


345 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:42:09.04 ID:pRO31/Br0


ガッシャァァァァァァァ‼


バットマン「……! ヘクトールの槍か」

マシュ「きゃっ!? す、すみませんマスター、貫通されました!」

バットマン「問題無い。コンピューター、損傷率を」

コンピューター『損傷率37%。ガトリング砲破損。走行に問題はありません』

バットマン「……ドレイク、エウリュアレ。プランBを開始するぞ」ピッピッ

ドレイク『オッケー、プランBだね。野郎ども、イカリをあげろ、帆を張りな! 大砲の準備だ!』

エウリュアレ『……入るわよ、開けなさい』


346 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:42:38.97 ID:pRO31/Br0


バットマン「第二砲門、開け。ヘラクレスをその場に縫い付けろ」


ガトリング砲「」カパッ、ウィーン……ババババババババババババババババババ‼


ヘラクレス「■■……!!」ギャリギャリギャリギャリィン‼



装甲ハッチ「」プシュー……


エウリュアレ「邪魔するわよ!」ガタッ

マシュ「うわわっ、せまいですね……」ガタガタッ

バットマン「エウリュアレ、何処かへ掴まれ。飛ばすぞ」ガチャ、ガチャリ。ポチッ……グイィィィッ


347 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:43:24.65 ID:pRO31/Br0

エンジン「」ドドォッ、ドドドドドドドドォッ‼

バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ‼



イアソン「なんだ、奴らめ……逃げる気か! 逃がすな、ヘラクレス! 潰せ!」


ヘラクレス「■■■■■■■!!」ダッダッダッダッ



バットマン(……瞬間ブーストでも問題なく追尾してくる脚力。つくづくサーヴァントはムチャクチャだ)カチャカチャ、ポチッ


コンピューター『レーダーに飛行体を感知』

バットマン「……」グインッ


槍「」ドサァッ‼


バットマン(……加えて、ヘクトールの槍攻撃の支援は続いている。やはり、これではガトリング砲の照準もブレる……)


バットマン「……ドレイク、準備は良いか」

ドレイク『はいよ、いつでも!』

バットマン「砲撃を開始しろ」

ドレイク『野郎ども! 地獄を見せてやりな!!』

ボンベ『あいあいさー!!』


348 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:44:00.73 ID:pRO31/Br0

ドドォン……ドッサァァァァァァァン‼ ドッサァァァァァァァン‼


イアソン「!? なんだ、奴らは何をやっている!?」

ヘクトール「ありゃあ、船が戦車と並走しながら大砲を撃ってるねえ……やっこさん方、どうあってもここでヘラクレスを潰すつもりらしい」

イアソン「ぐ、ぐぬぬ……どんなに足掻こうと、所詮は猿の浅知恵だ! ヘラクレス! 戦車を潰せ!」



バットマン(……やはり、あのイアソンは自ら戦場に出る、またはヘクトールを此処に参加させて一人になる根性がない。このまま並走し続け、ヘラクレスを潰す)ポチポチッ

コンピューター『アラート。アラート。多数の飛行体を感知』

マシュ「マスター、砲弾が!」

バットマン「……ッ!」グインッ


砲弾「「「」」」ドッサァァァァァァァン‼


エウリュアレ「荒っぽい運転ね!」

バットマン「コンピューター、ヘラクレスは何処だ」

コンピューター『頭上です』

バットマン「……!!」


349 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:44:49.73 ID:pRO31/Br0

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ヒュオオォォォォッ


バットマン「くっ!!」グイインッ


バットモービル「」ギュリリリリリリリリィィィィ‼


ヘラクレス「っ!」ドッサァァァァァァァン‼


バットマン「ガトリング砲撃て!」

コンピューター『第二砲門、射撃再開』


ガトリング砲「」ババババババババババババババババババ‼

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ギャリギャリギャリギャリィン‼


砲弾「」ヒュォォォォォンッ

ヘラクレス「!?」ドグシャァッ‼


バットマン「……」

バットマン(残り、7つ……!)



350 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:45:20.97 ID:pRO31/Br0


槍「」ヒュオオォォォォッガガッ‼

バットマン「なっ……」

コンピューター『ガトリング砲、第二砲門破損。予備武装展開』

エウリュアレ「昨日準備をしたにしては、すごく武装が整ってるのね?」

バットマン「……すまない。予備武装は……」


装甲ハッチ「」プシュー……


エウリュアレ「……なんで出入口が開いたの? なんで私の椅子がせり上がっているの?」

バットマン「予備武装はお前だ。そこから弓を射るんだ」

エウリュアレ「……アナタ、後で覚えておきなさいよね」

バットマン「ムチウチに注意してくれ」ガチャ


351 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:46:04.69 ID:pRO31/Br0


ヘラクレス「……■■■■■■■!!」ガバッ

エウリュアレ「く……!」シュパパパパパ……

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガキィィィィン‼

エウリュアレ「ナマイキ……!」


バットモービル「」グォォォォォオオオオオオオオッ‼


エウリュアレ「あうっ!?」ガゥンッ

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドスドスドスドス‼


砲弾「」ヒュォォォォォンッ

ドッサァァァァァァァン!


エウリュアレ「全く……! 騒がしい戦場ね!」ムクッ


エウリュアレ(狙って……! 狙って、撃つ……)カチャ……



352 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:46:34.02 ID:pRO31/Br0

槍「」ドッサァァァァァァァン!


コンピューター『アラート。アラート。飛行体感知。飛行体感知』

バットマン「くっ……」グインッ、グインッ

マシュ「わ、わわわ、わわわわわ……!」ガックンガックン

エウリュアレ「ちょっと! 狙い撃ちさせる気はあるの!?」

バットマン「お前の腕による!」グインッ

エウリュアレ「……言ってくれるわね!」

バットマン「……マシュ!」

マシュ「はい!」

バットマン「エウリュアレをシールドで守れ! モービルへの加護は今は一旦良い!」

マシュ「了解しました!」


353 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:47:03.85 ID:pRO31/Br0


マシュ「失礼します!」ガバッ

エウリュアレ「……良いわよ、そのまま……」


エウリュアレ(盾のおかげで風圧も無い。砲弾も、槍も降って来ない。あるのはただ、目の前の敵と私)


ヘラクレス「■■■■■■■!!」ダッダッダッダッ


エウリュアレ(……よくもやってくれたわね、アステリオスを。お返しをたっぷりあげるわ……)ググググググッ


エウリュアレ「シッ!」ヒュパゥンッ


矢「」ギュォォォォォッ、ドシュッ‼


ヘラクレス「……■、■……!?」ドサッ

エウリュアレ「……ごめんなさい、心臓を奪っちゃったかしら」フッ

マシュ「お、おおお……カッコいい……」


354 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:47:37.05 ID:pRO31/Br0

バットマン(あと6回……!)


バットマン「ドレイク、あと6回だ。攻撃の手を緩めるな」

ドレイク『あいよ! 野郎ども、気張りな! ここが正念場だ!』

ボンベ『ウッス! 牛小僧の仇、取ってやろうじゃねえか!!』

海賊達『『『オオオオオオーーーー!!!』』』



イアソン「……こ、この……! カス共が、クズ共が、ゴミ共が……!!」ワナワナ

ヘクトール「……」アチャー

イアソン「ヘラクレスッ!! 手を抜くんじゃないッ!!」



ヘラクレス「……」ピクリ


バットマン「……マシュ、エウリュアレ、戻れ……嫌な予感がする……」カチャ、カチャリ

マシュ「……」ゴクッ

エウリュアレ「……」スチャッ


装甲ハッチ「」プシュー……ガコン



ヘラクレス「……」ムクリ


355 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:48:08.85 ID:pRO31/Br0

ヘラクレス「……」ジリ


ドクター『……ブルースくん、ヤバいぞ。ヘラクレスの魔力が、膨れ上がって来ている……』

バットマン「……」

ドクター『仮説として、考えられるのは……十二の試練も終盤になり、何か……リミッターのようなものが、解放されて……』


バギャンッ‼


ヘラクレス「■■■■■■■■■!!」ガンッ、ガンッ、ガンッ‼

バットマン「何……!?」

バットマン(一瞬で、モービルに取りついて……)


エウリュアレ「何をしてるのっ、さっさと走らせなさい!」

バットマン「ッ!!」グインッ


バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ‼



356 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:48:48.52 ID:pRO31/Br0

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガン‼ バキ‼ バキャリ‼

バットマン「ク……振り払うために蛇行するぞ、掴まれ!」カチャッ、ポチポチポチッ、グイッ

エウリュアレ「何処に!?」

マシュ「ハッチが壊されます、壊されます!!」

バットマン「マシュ、盾に意識を集中させろ! モービルの強度を限界まで上げるんだ!」グイグイグイッ‼

マシュ「っはい!」ガシャリ



バットモービル「」ギュオオオオオオオオオオッ、グインッ、グイングイングインッ


バットマン「……!!」グイイイイイイイン……‼

マシュ「あわわわわわ……」ガックンガックン

エウリュアレ「この、ヘタクソ、二度とこんなのに乗らないわよ!」ガクガクガクガク

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガギン‼ ガギリ‼ ドゴォッ‼


バットマン(振り払えない……!)


357 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:49:25.78 ID:pRO31/Br0

バットマン「マシュ! エウリュアレ!」

マシュ「行けます!」

エウリュアレ「ええ!」

バットマン「頼んだぞ!」

マシュ「はいッ!」

装甲ハッチ「」ゴゴン、プシュー……

マシュ「ハアッ!」ババッ

ヘラクレス「!!」バッ

エウリュアレ「そこッ!」シュパッ

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガギィン‼


358 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:50:02.41 ID:pRO31/Br0


マシュ「たあっ!」ヒュンッ

ヘラクレス「■■■■■■■!!」バッ、ブウン

マシュ「っく……!」ガギィ‼

バットマン「……もう少し、もう少しだ……!」

ドレイク『マシュと女神サマが上に乗ってるけど、砲撃は!?』

バットマン「継続しろ! 二人共、砲弾に注意しろ! コンピューター!」

コンピューター『聴いています』

バットマン「ロケットブースターの使用可能回数は!?」

コンピューター『計算中……あと4回です』

バットマン「……燃料はできる限り温存する……!」


359 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:50:50.74 ID:pRO31/Br0

マシュ「やあっ!」ガガッ

ヘラクレス「■■……!」ガギン‼


砲弾「」ヒュオオォォォォッ


ヘラクレス「!! ■■■■■■■!!」ガッギャァァァン‼

マシュ「そこっ!」シュドッ‼

ヘラクレス「■■!?」ヨロッ

エウリュアレ「降りなさい」シュパッ

ヘラクレス「……!!」ドシュゥッ、ドッサァァァ‼


バットモービル「」グインッ、ギュゥゥゥゥン……

バットマン「よし……」

コンピューター『ボディの損傷率をチェック中……損傷率76%。次にまた大きな衝撃が加われば、走行に問題が出る可能性大』

バットマン「二人とも降りろ。次がモービルの最後の一撃だ」


360 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:51:23.29 ID:pRO31/Br0


ヘラクレス「……」

バットモービル「」ドドッ、ドドッ、ドドドドドドドドド……



バットマン(ヘラクレスの命はあと5つ……)カチャ、カチャリ。ポチッ

コンピューター『緊急脱出装置、準備中』

バットマン「ありがとう」

コンピューター『短いお付き合いでした』

バットマン「……悪くない働きだった」

コンピューター『それはどうも』



ヘラクレス「……■■■■■■■■■!!」ムクリ


バットマン「行くぞ、ロケットブースターを作動させろ!」グイン

コンピューター『了解。ロケットブースター作動』


バットモービル「」グォォォォォォオ……ゴォォォォォォォオオオオオオオオオオッ‼


ヘラクレス「■■■■■■■■■!!」バッ


バットマン「……!!」ポチッ

コンピューター『グッバイ』


バシュゥッ


361 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:51:54.17 ID:pRO31/Br0


バットモービル「」ゴッシャァァァァァァァァァ……ゴアンッ、ゴアン……


バットマン「……」バッ、バサササササササ……スタッ

マシュ「無事ですか、マスター!」

エウリュアレ「ふん、しぶといのね」

バットマン「まだ終わっていない。ヘラクレスの命はあと4つだ」


ゴアン、ゴアン……ガシャリ、ドス、ドス


ヘラクレス「……■■……!!」ドス、ドス

バットマン「……」

エウリュアレ「……」

マシュ「……」


362 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:52:23.19 ID:pRO31/Br0


イアソン「は、はは、ははは……!! カス共が、いくら無い知恵を絞ったところで……ヘラクレスには勝てんッ!! 見ろ!」

イアソン「あの妙な戦車も破壊されたッ!! ヘラクレスの命はあと4つも残っている! あーはははははは!! 楽しませてもらったぞ、ゴミ共!!」

ヘクトール「……一応、俺も加勢に行った方が良いんじゃ……」ポリポリ

イアソン「馬鹿め、お前が居なくては誰がこの俺を守る? メディアのような貧弱な女では無理だ」

メディア「……」ニコニコ

ヘクトール「……」ポリポリ



バットマン(……さて、どう動くか……)

マシュ「マスター、下がってください……危険です」ジリッ

エウリュアレ「……」ググッ

ヘラクレス「……」



363 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:52:56.07 ID:pRO31/Br0


ヘラクレス「■■■■」スッ

エウリュアレ「……?」ジリッ


バットマン(なんだ……? 今まで、片手で構えていた大剣を……両手で、構えた……?)

ヘラクレス「■、■、■」ジッ

マシュ「……!!」


マシュ(本能が警鐘を鳴らす。アレは何度も、自分が体験してきた感覚……それまで力押しだった構えに、明らかな違いが生まれている……!)

マシュ(アレは、技術の、芽吹き……!)ゾワッ


ヘラクレス「……」ダンッ

マシュ「ッエウリュアレさん下がって!!」ババッ‼


ガッギャァァァァァァァァァ‼


364 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:53:37.74 ID:pRO31/Br0

ドクター『ブルース! 危険だ! ヘラクレスの魔力がなおも増大して……』


バットマン「マシュ!」

マシュ「あああああああ!!」ガギィン、ギャリィ、ガガッ‼

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ブン、ブォンッ、ダッ

マシュ「くっ、マスター! エウリュアレさん! 支援をお願いします!」ジリッ、ダダッ

バットマン「シッ!」シュパッ

エウリュアレ「そこ……!」ヒュパパパパパッ‼


矢「「「」」」ギュゥゥゥゥンッ

バットラング「」シュンッ


ヘラクレス「■■■■■■■!!」グルッ、ギリリリリリリィン‼


バットマン(……! たった一閃で弾いた!?)


ヘラクレス「■■■■■■■!!」ダンッ

バットマン「!!」

マシュ「行かせないッ!!」ガギィ‼


365 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:54:04.99 ID:pRO31/Br0

ヘラクレス「……!!」ググググググッ

マシュ「……!!」ギリギリギリギリ……!


マシュ(猛獣を相手にするのとはわけが違う。これは、命を懸けた戦士のやりとり……!)グググググ……


ヘラクレス「……!」グオッ

マシュ「なっ……」ヨロッ


マシュ(しまった、引き込まれ……!)

ヘラクレス「……」ブンッ


バットマン「させるか……!」シュパッ

ヘラクレス「■■ッ!」ギャリィンッ

エウリュアレ「かかったッ!」シュパパッ

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドシュシュゥ、ドサッ


366 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:54:37.76 ID:pRO31/Br0

バットマン(ヘラクレスの命、あと三つ……!)


ヘラクレス「……■■■■■■■■■!!」ムクリ

バットマン「蘇生までの時間も短くなっている……! マシュ、まだいけるか!」

マシュ「はい!」

エウリュアレ「ふぅっ、働かせてくれるわね!」

ヘラクレス「……」グム、グムグムグム

バットマン(……?)


367 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:55:04.91 ID:pRO31/Br0


イアソン「ハーハハハハハ! 馬鹿共め! とうとうヘラクレスを本気にさせたな!」

ヘクトール「こりゃ、やべえな。船をちょっとでも島から離した方がいいんじゃないですかい?」

イアソン「必要ないッ! 虫けら共が潰れる様を見ていてやろう!」




バットマン「不味い、何か来るぞ……!」

ドクター『魔力反応、急激に増大! ヘラクレスの宝具が来るぞ!』

バットマン「……!! マシュ、『令呪を以て命ずる』!! 宝具を解放しろ! エウリュアレ、下がれ!」

エウリュアレ「ええ!」

マシュ「っはい!」


マシュ(ブーディカさんは居ない、私の盾を支えてくれる人は誰一人いない……! それでも、やらなきゃ!)



368 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:55:40.17 ID:pRO31/Br0

マシュ「真名、偽装登録……!」


マシュ(私が、私がやらなきゃ……!)


パシ

マシュ「……?」

バットマン「一緒に支えるぞ、離すな……!」

マシュ「……! はい!」ガシャリ


マシュ(……そうだ、一人じゃない……! 信じて、戦うんだ!)



ヘラクレス「■■■■■■■!!」ググググッ、ダンッ‼


マシュ「『ロード・カルデアス』!!」ギュオオオオオオオオオオオ‼



369 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:56:10.78 ID:pRO31/Br0


ヘラクレス「■■!」ギャリィ‼

マシュ「っ……」ギギッ

ヘラクレス「■■■■!!」ギャリィ、ガァン‼

マシュ「く……!」ジリジリ

ヘラクレス「■■■■■■■■■■■■■■!!」ギャリィ‼ギュリィ‼ギィン‼ギャガァン‼バギィ‼ドゴォッ‼

マシュ「おも、い……!」グググググ

バットマン「……諦めるな……いつか終わる……!」グググググ……!


ヘラクレス「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」ギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ……


バットマン「う……うぐ……」ヨロ

マシュ「……あああああああ!!」ググググググググ‼


370 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:56:48.78 ID:pRO31/Br0


ゴォォォォォォォ……

マシュ「……っはあ、はあ……!」シュゥゥゥゥゥウウウウ……

バットマン「……っぐ……」ドサッ


ヘラクレス「……」ドシ



エウリュアレ「良い余興だったわよ、勇者(ヘラクレス)。そしてよくぞここまでの力に至ったものです」

ヘラクレス「……」

エウリュアレ「ええ、私も閉ざした目を開く時が来た……!」

マシュ「……えうりゅあれ、さん……?」

エウリュアレ「離れていなさい。放つわ……『女神の視線』(アイ・オブ・ザ・エウリュアレ)!!」ギュドォッ


ヘラクレス「ッ」ギュガガガッ、ドッサァァァァァァ……


371 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:57:19.57 ID:pRO31/Br0


マシュ「や……やった、やりました!」

エウリュアレ「ふっ、こんなものよ」

マシュ「やった……って、そうだマスター! マスター、ご無事ですか!」ガバッ、ユサユサ

バットマン「う……あ、ああ、無事だ、少し気を失っていただけだ……」

マシュ「やりました、私達、ヘラクレスを……!」


バットマン「……っ、マシュ! 伏せろ!」

マシュ「え?」


ドゴォッ‼


372 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:57:49.49 ID:pRO31/Br0

マシュ「あぐっ……」ドササササァァァ

エウリュアレ「なっ……」

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ドッゴォ‼

エウリュアレ「うっ!?」ドシャアッ、ゴロゴロ……


バットマン「マシュ! エウリュアレ!」

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ゴォッ


バットマン(しまった、宝具を防いで油断したか……! 奴にはまだ、二つの命が残っている!)



373 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:58:17.45 ID:pRO31/Br0


マシュ「……」

エウリュアレ「……」


バットマン(……二人共、動かない……)

バットマン「……」ジリッ

バットマン(私も、下手には動けない……動作ひとつが、死に直結する)

ヘラクレス「……」ドス、ドス


ドレイク『……ブルース』

バットマン「撃て!」ダッ

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ダダン‼


374 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:58:49.04 ID:pRO31/Br0

イアソン「ひゃははははははは!! 虫けらが、一匹になった途端に逃げ始めやがった!」

ヘクトール「……」ジッ

ヘクトール(いや、アレは……)



砲弾「」ヒュォォォォォンッ、ドッサァァァァァァァン……

バットマン「くっ……」ダダダッ

ヘラクレス「■■■■■■■!!」ガシッ、ブォン‼

バットマン「ぐああ!?」ドッサァァァ、ゴロゴロッ

ヘラクレス「……■■!」ドシ、ドシ

バットマン「く……ぐ……」


バットマン(もう少し、もう少しだ……!)


砲弾「」ヒュオオォォォォッ


ドッサァァァァァァァン‼


ドレイク「何やってんだい、しっかり狙いな!」

ダビデ「そうは言ってもだな……!」ゴロゴロ、ガチャリ


375 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 02:59:28.12 ID:pRO31/Br0


砲弾「」ヒュォォォォォンッ、ドッサァァァァァァァン……


バットマン「……もう少し……」ジリ、ジリ……

ヘラクレス「……■■■■■■■■■■■■■!」ドスドス、ガシ


バットマン(ここだ!)


バットマン「コンピューター!」ガバッ


バットモービルの残骸『聴いています』バチチッ


バットマン「燃料も使って自爆しろ!」

バットモービルの残骸『喜んで』バチバチ、ギュィィィィィィィィッ



ドガァァァァァァァァァァァァッ‼

ヘラクレス「■■■■■■■!?」ゴォッ、ドッシャシャシャシャシャシャ……


376 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 03:00:15.17 ID:pRO31/Br0

バットマン「く……」ゴォォォォォ……ピタッ

バットマン(……これで、ヘラクレスの命は、残りひとつ……!)

ドゴッ


バットマン「っぐ……!?」ドサァッ


ヘラクレス「■■■■■……」ユラユラ、ガシッ

バットマン「が……」ギチッ、ギチギチ

バットマン(そんな、馬鹿な……蘇生が早すぎる……!)


通信機『ザザッ……ブルース、ブルース!』

377 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 03:01:04.99 ID:pRO31/Br0

ドレイク「砲手! 何ちんたらやってんだ、アイツが死んじまうよ!」

ダビデ「待て……今撃つ」シュッ、シュゥゥゥゥゥゥゥ……ドドォン‼


砲弾「」ヒュォォォォォンッ、ドッサァァァァァァァン……

ドレイク「馬鹿! 外しっぱなしじゃないか! お前に砲手を任せたブルースがどうかしてたんだ!」

ダビデ「……」

ダビデ「……いいや、彼の計算通りさ」ガチャリ

ドレイク「はあ!?」




ヘラクレス「■■■■■■■……!」ギチギチギチギチギチ……

バットマン「あ……あが……ぐ……」ガシ、グググググ……


バットマン(……視界が、ぼやけ……狭くなって……)



砲弾「」ヒュォォォォォンッ

ヘラクレス「■■■、」ドガァッ、ドササササァァァ

バットマン「っげほっ、ごほ……」ドサッ


378 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 03:01:46.12 ID:pRO31/Br0

ダビデ「いやー当たった当たった! うん、絶好調だな!」

ドレイク「な、何ィーッ!? さ、最後の一発だけ側頭部に大当たりかましやがっただってえ!? どんな手品を……」

ダビデ「いやあ、ゴリアテの逸話、知らない? 僕は石を五個投げて、四個外れたけど最後の一つがゴリアテの急所にクリーンヒットしたっていう話」

ドレイク「……そういや、聞いた事があるような」

ダビデ「うん、今日の僕も逸話通りで大変結構だね!」



バットマン「……っく、ごほ……」ムクリ

バットマン「……マシュ、起きろ。エウリュアレ」ザシザシ

マシュ「う、うぅ……マスター?」

エウリュアレ「くっ……ちょっと動けないわね……」ピクピク

バットマン「負ぶってやる。次はアルゴナウタイの船だ、行くぞ」


ヘラクレス「……」シュウシュウ……シュゥゥゥゥゥゥゥ……



379 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 03:02:13.19 ID:pRO31/Br0

イアソン「ヘラクレスが……うそだ、ヘラクレスが負けるハズがない……」

ヘクトール「どうします? アイツら、こっちに来てますけど」

イアソン「あ……ば、馬鹿共! なにをぼさぼさしている、ここから離れるぞ! 策を練り直す!」

舵手「……? だ、駄目です!? 船が進みません!!」

イアソン「進まないだと!? 何を言っている、何が原因だ!」

舵手「分かりません! これは……船の下で、何かが進行を止めているとしか……」

イアソン「……なんだと……?」


380 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/03/01(木) 03:03:26.04 ID:pRO31/Br0

ドレイク「ようやく追い詰めたよ、クソ野郎どもめ……」

ボンベ「どうします、姐御?」

ドレイク「接舷させな。……海賊の本領発揮だよ!」

ボンベ「あいあいさー! 野郎どもォ、海賊稼業のお手本を見せてやれェ!」

海賊達「「「ウッス!」」」



イアソン「クソ、クソ、クソ……どれもこれも皆、お前が無能なせいだぞ!」

ヘクトール「ええ、俺? ……いや〜まあ、否定はしねえけど……それより、船の下。もっと警戒した方が良いぜ」

イアソン「何を言って……」



バッシャァァァァァ……


ガシ、ガシ、ガシ……ドスッ


キラークロック「……よう、また会えたな……お待ちかねの怪物だぜ」ズ、ズ……

黒髭「呼ばれて飛び出てーってヤツでござるぞ! 槍の返却サービスでござる、今なら弾丸のおまけつき」

アステリオス「……こん、にちは」


イアソン「あ……ああ……ヘクトール! 殺せ!」

ヘクトール(……どう考えても、殺されるのは俺らでしょ……)ポリポリ


メディア「……」ニコニコ



381 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/03/01(木) 03:05:01.17 ID:pRO31/Br0
今回の更新はここまでです。連投本当に申し訳ない……お付き合いいただきありがとうございました
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 03:10:46.56 ID:D4QrSXJ4o
恐ろしいこと
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 05:30:06.67 ID:jJRy16vDO
かわいそうなヘクトール
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 08:01:02.01 ID:LUItC5MX0

メディアが怖い…ブルースの現在の年齢はマシュの倍なのかな
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 03:38:43.88 ID:skaZ/19mO
まだやってたのかよクソつまらんさっさとやめろや
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/03(土) 04:18:27.75 ID:skaZ/19mO
乙! キャラクターの描写が秀逸で最高だわ
最近の生き甲斐
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 09:19:24.40 ID:yhwZpbCpo
たった40分の間にどんな心境の変化があったのか
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 10:13:38.77 ID:rUfgYqOT0
>>387
トゥーフェイスさんなんだろ
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 10:16:21.88 ID:i47AKwrDO
コイントスしたのか…
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 10:57:04.99 ID:7nWXSdG8O
トゥーフェイスなら書き込む前にコイントスするだろ

391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 20:17:31.86 ID:skaZ/19mO
ID被せきっしょ
こんなSS読んで喜んでる奴らもどうかしてるわ
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 20:21:13.22 ID:nSX8YWPZ0
被せとか出来ないんだよなぁ……。悪いことは言わないから病院行っといで
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 20:24:11.89 ID:skaZ/19mO
自分が知らないだけのことを出来ないとか原始人かな
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 21:26:54.26 ID:o5arfW5T0
どう取り繕っても君はトゥーフェイスさんだけどね
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 21:31:55.27 ID:skaZ/19mO
作者もガイジなら読者もガイジだわこりゃ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 21:59:26.89 ID:2evgI7XJo
ID被りなら聞いた事はあるが被せ(=意図的)というのは新しい
ちなみに被る確率はおおよそ小数点以下%のレベル
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 22:14:07.21 ID:BvrKiejDo
二重人格系だとスカーフェイス好きだわ
ノーマンズランドで知ってめっちゃ好きになった
398 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/03/03(土) 22:40:26.56 ID:4nPBd23Q0
………………

 所詮、もがいても報われない。

 所詮、手を伸ばしても届かない。

 大切な記憶は、ウロコの海へ飲まれて行く。思い出せるのは、自分が怪物という事くらい。

 鏡を見れば、鋭い牙が映る。身体を見下ろせば、硬いウロコが目に入る。

 何を間違ったのだろうか。前世で大罪でも犯したのか、それとも生まれたのがそもそもの間違いだったのか。

 何処かで聞こえた声。お前なんか産まれなければ良かった。怪物。悪魔の子。気持ち悪い。早く死ね。

 何を間違ったのだろうか。オレも自分を誤魔化して、周りにヘコヘコしていれば良かったのだろうか。牙を折り、ウロコを剥ぎ、痛みを隠して笑みを浮かべれば、それで普通になれたのだろうか。


(((だから、いつかあなたが、皆にとってのかいぶつじゃなくなった時に)))


 クソくらえだ、盲目のカス共め。オレを見ろ。オレは……


399 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:41:14.54 ID:4nPBd23Q0

………………

ドクター『待った、アルゴナウタイの船の上に新たな反応を確認!』

バットマン「解析を頼む」

ドクター『……これは、黒髭とキラークロック、そしてアステリオスくんのものだ!』

エウリュアレ「……アステリオス?」ピクッ、モゾモゾ

バットマン「まだ動くな、傷は深い」

エウリュアレ「馬鹿ね、もう半分治ったわよ。それで、アステリオスというのはどういう意味かしら?」ヒョコ

ドクター『恐らく彼は生存したんだ。向こうの船に乗って……今、戦っている』

バットマン「……急ごう」スタスタ

マシュ「ま、マスター。休息は……」

バットマン「後で取ろう。今はアルゴナウタイが先だ」


400 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:41:55.55 ID:4nPBd23Q0

………………

ヘクトール「ほっ、そぉらっ!」ダッダッ、シュバッ


ヘクトール(うーん、こりゃ無理だ。いくら防衛戦が得意とはいえ……)


キラークロック「グルルルルルルァ……」ガシッ、ブォンッ

大砲「」ゴゴォッ

ヘクトール「うっお!?」ガギャァ、ドッシャシャ

黒髭「へいへーい! ピッチャービビってるゥ!」パァンパァン

ヘクトール「ぴっ……?」ガキィ、ガガァン

アステリオス「うるあああああっ!!」ドゴシャァッ‼

ヘクトール「うおっち!?」ガッシャァァァ、ゴロゴロッ


イアソン「馬鹿が! 何をしている! 本当にお前は使えん奴だな……」

メディア「……」ニコニコ

イアソン「……メディア、ヘラヘラするな! お前も戦え!」

メディア「はい」ニコニコ


401 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:42:25.41 ID:4nPBd23Q0


バットマン「船へ上がるぞ、掴まれ」シュポッガシッ

マシュ「はい」ギュッ

エウリュアレ「……」グッ

バットマン「フッ!」ギュル、ギュル、ギュル、ギュギュ……

マシュ「……いつもより上昇が遅くありませんか?」

バットマン「総重量がオーバーした。少し遅れる」ギュ、ギュギュ……ギュルギュル

マシュ「へ!? そ、そうですか……」カァァ

バットマン「……?」

エウリュアレ「……貴方ねえ、乙女相手に……言葉を選びなさいよ」

バットマン「? ……三人の上昇は流石に想定されていないだけだ。引き上げサポート付きならもっと速く上がる」

マシュ「い、いえ、気にしていませんので……」

バットマン「……次はアップグレードさせておく」ギュル、ギュル、ギュギュ……

エウリュアレ「……」ハァ



402 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:42:56.47 ID:4nPBd23Q0


メディア「どれほど傷付いても、癒してさしあげます……」ポゥ

ヘクトール「……はいよ、ありがとさん。それじゃあもうちょっと頑張るかね……」ムクリ

キラークロック「なら、一撃で潰す……」ドシドシ、ブォンッ

ヘクトール「っとぉ! 迂闊な一撃だな……貰ったァ!」ズバァッ‼

キラークロック「グルゥ……」ヨロ

黒髭「ホヒョーッ!」ババッ

ヘクトール「おっと、行かせねえぜ!」ガギィン‼

黒髭「そのメディアとかいう女が生命線ですな? ならば最初に潰すべし!」

ヘクトール「できるならヨロシクってとこだな!」グイッ

黒髭「是非とも!」バッ、ドゴォ‼

ヘクトール「ほっ!」バシィ


403 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:43:54.80 ID:4nPBd23Q0

スタッ

バットマン「……」

マシュ「到着です!」

エウリュアレ「……アステリオス、アステリオス!!」


アステリオス「……えう、りゅあれ」

ヘクトール「やべえ奴らまで来やがった……!」

メディア「……」ジッ


メディア(近くで見ればより分かる。油断ならない目付き……やはり間違いない。あの方が警戒するよう仰っていた存在)


イアソン「クソ、クソ、クソがあ!! 何もかも上手く行かん……! 何故だ、何故だああああああああ!!!」ダンダン


404 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:44:38.57 ID:4nPBd23Q0


バットマン「降伏しろ。勝敗は決した」

イアソン「降伏……降伏だと、馬鹿め! こちらにはこれがある!」バッ

聖杯「」カッ

イアソン「貴様らなど! 聖杯の絶大な魔力の前には、ごみ屑同然だ! 塵と消えろ!」


影A「……」ズォォォッ

影B「……」ムクリ

影C「……」ドス、ドス

影D「……」ユラリ


バットマン(シャドウサーヴァント……)

バットマン「マシュ、エウリュアレ。やれるな」

マシュ「はい!」

エウリュアレ「任せてちょうだい!」


405 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:45:04.57 ID:4nPBd23Q0

マシュ「たあっ!」シュドッ

影A「……」ヨロッ

影B「!!」ブゥン‼

マシュ「はっ!」ガキィン‼

影C「……」シュッ

マシュ「……! しまっ」

キラークロック「グルォォォォォォオ!」ガシッ、グッシャァァァァァ‼

影C「……」ドサッ

マシュ「キラークロックさん!」

キラークロック「いつまでたっても甘い小娘だ!」


406 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:45:31.70 ID:4nPBd23Q0


アステリオス「うるああああ!!」ドッシャァァァァ‼

影E「……」ガギィ、ババッ

アステリオス「らあっ!!」ブンブンッ

影E「……」ガシ、シュドッ

アステリオス「っぐう……」ジリッ

エウリュアレ「そこ……!」シュパッ

影E「!?」ドシュウ、バタッ

アステリオス「……えう、りゅあれ」

エウリュアレ「余所見をしない! まだ来てるわよ!」

影F〜H「「「ッ!!」」」ババッ


407 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:46:13.63 ID:4nPBd23Q0


イアソン「はは、ふはははははははは!! 下らん、このまま影が制圧しつくして……!」



ドレイク「野郎ども!! 向こうの船を乗っ取りなァ!!」

海賊達「「「あいあいさー!!」」」ドドドドドドドドッ‼



イアソン「なっ……屑以下の連中め、この俺の船に土足で……! クソ、聖杯!」

聖杯「」パァァァァァァ

イアソン「もっとだ、もっと力を出せ! 奴らを殲滅……!」

バットマン「……そうはさせない」バサササササ、スタッ

イアソン「なんだ……! なんだ、貴様は!」

バットマン「私の名など知らなくとも良い。貴様が生み出した影のひとつだ」

イアソン「こ、この……!」ブンッ


408 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:46:57.47 ID:4nPBd23Q0

バットマン「……」スッ、グルリ、パシ

イアソン「なっ」

バットマン「いくら素早かろうと、いくら力があろうと……そこに技術が無ければ、所詮は児戯」ゴキリ

イアソン「ぐああああああああ!?」バッ、フラフラ

バットマン「……ブーディカを殺した報いは受けてもらうぞ」ジリジリ

イアソン「ブーディカだと……!? 知らんぞ! 知った事か! 屑が何人死のうと、俺には関係ない!!」ブォン‼

バットマン「……」スッ、シュルッ、ゴキリ

イアソン「あが……!?」ヨロヨロ

バットマン「……さあ、両肩の骨は外した。まだ使える部位はあるか?」

イアソン「嘗めるな……!」ダン、ズォッ

バットマン「そうだろう、蹴りだ」スルリ、ゴキッ

イアソン「ひっ……」ドシャッ

バットマン「もう片足も残っているな。その骨も外す」シュルシュル、ゴキリ

イアソン「ぐあああああ……や、やめろ! 欲しいモノならやる! 聖杯か! くれてやる!」

バットマン「……責任者には一通りの責任を取らせる。当然だ」ガシッ

イアソン「ひ、ひぃっ……」


メディア「……」ニコニコ


バットマン(……!!)ゾワリ


409 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:47:47.48 ID:4nPBd23Q0

バットマン「ッ!!」ババッ

メディア「あら、終わりですか? もっと痛めつけても良かったんですよ?」ニコニコ

イアソン「め、メディア! 貴様、見ていて助けなかったな!? 愚図め、早く俺を治療しろ!」

メディア「……」ニコニコ

バットマン「……お前は何だ……」

メディア「私はメディア。魔女メディア」


バットマン(メディア。確か、神アフロディテによってイアソンに恋をさせられた、コルキスの姫……だが、肝心のイアソンに裏切られ、離別)

バットマン(……少なくとも、狂気の姫ではなかったハズだが……この目は、明らかにおかしい)


メディア「……」ニコニコ

バットマン(……)


410 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:48:57.41 ID:4nPBd23Q0


メディア「……ふふ、面白い人ですね。本当に笑わない、何一つ感情を表に出さない……」

バットマン「……」

メディア「本当に……まだ、冷たい雨の中に居るみたい」

バットマン「……どういう事だ。何故知っている」

メディア「あの方は何でも知っていますよ? 私の過去、貴方の過去、人類の過去……愚かな軌跡を」

バットマン「あの方だと……」

メディア「貴方はもう知っていますよね? ふふ……そうです。圧倒的な力を持つ、あの方」

イアソン「くそ、何を言っている!? さっさと俺を治せ、でなければ船が制圧されるぞ!」

メディア「もう遅いですよ、イアソン様。見て下さい、甲板に居る8割が敵の海賊達……きっと彼らは、私達を切り刻むでしょうね。痛みを想像するだけで、身の毛がよだちます」

イアソン「クソ、クソ、クソォ! 使えん奴らめ、使えんカスめ……!」

メディア「……ふふ」



411 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:49:37.36 ID:4nPBd23Q0

ヘクトール「チ……限界か」シュウシュウ……

黒髭「ほい、お疲れさん。……次はもっとマシな形で会いたいモンだぜ」

ヘクトール「まーそうだね、おじさんもそう思う……にしても、やっぱり最後に残るのはメディアか。やっぱりオンナは怖いねえ」シュウシュウ……

黒髭「……うーむ、それについては否定できませんな。怖いオンナは多いですぞ」

ヘクトール「ははっ……それじゃ、一足先に失礼しますよ」シュゥゥゥゥゥゥゥ……

黒髭「はいはい。拙者もすぐに行きますぞ」


キラークロック「グルルルルルル……」

影W「……」シュゥゥゥゥゥゥゥ……

マシュ「はあっ、はあ……」

影X「……」ドシャッ



アステリオス「やっ、た……」

エウリュアレ「少し、きついわね……」ヨロ

アステリオス「っ、だいじょうぶ?」ガシ

エウリュアレ「……ええ、平気よ」



412 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:50:06.88 ID:4nPBd23Q0

メディア「……」パシッ

聖杯「」パァァァァァァ……ピタッ

イアソン「は、はやくしろ。死んでしまうぞ」

メディア「……」

イアソン「メディア! 貴様、使えんだけでなく耳まで聞こえなくなったのか! 早く! 俺を! 治せ!」

メディア「……ふふ、ふふふふふ。大丈夫ですよ、イアソン様。どれだけ痛くても、治してあげます」ドシュッ

バットマン「!?」

イアソン「あ……がはっ……なに、を……」プルプル


413 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:50:34.76 ID:4nPBd23Q0

メディア「本当の私はずっと昔に殺されている。イアソン様に恋をする呪いを神々にかけられた時から、私はずっと死んだまま」

メディア「愛しています、イアソン様。心の底から、殺したいほど。心が壊れてしまうほど」

メディア「……だから、復讐します。私を殺した世界に復讐するのなんて、当然ですよね?」

メディア「ああ、イアソン様、痛いですか? 痛いですよね? でも大丈夫です。すぐに治します」

メディア「治して、殺します。私、アナタのために魔女になったんですから」


414 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:52:09.72 ID:4nPBd23Q0

イアソン「き、貴様……初めからそのつもり、だったんだな……!」

メディア「初めから……?」

イアソン「女神を櫃に触れさせれば、無敵になれるというのも……全て嘘っぱち、だったんだろう!」

メディア「ああ、イアソン様……貴方に嘘など吐きません。この不安定な世界の中、女神などという大きな存在が櫃に触れ、消滅すれば……その消滅は、世界を巻き込む。この世界が消える。人類が消える」

メディア「ほら、敵が居なくなるでしょう? 貴方は無敵の存在になれた」

イアソン「こ、この……! 魔女め! お前は嘘つきの魔女だ! 化け物め! 怪物め!」

メディア「……そう呼ばれるのも、初めてではありません」ニコリ

バットマン「……そいつを離せ、メディア」

メディア「ふふ、断ります。敵を気にかけるなんて、本当におかしな人……」

バットマン「離せ。聖杯を渡せ」スッ

メディア「断ります」ニコ



415 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:52:45.63 ID:4nPBd23Q0

メディア「イアソン様を触媒に……もう、召喚しています」

バットマン「……何だと」

イアソン「ひっ……い、いやだ! 助けて、助けてくれ!」

バットマン「……」ジリッ

イアソン「俺はッ、俺はまだ何も成し遂げていない! 俺は今度こそ、誰もが俺を敬い、満ち足りて争いの無い、理想の国を作るハズだったんだ! これは俺の、二度目のチャンスだったはずなんだ!!」

メディア「……それは叶わない夢なのです、イアソン様。だってアナタには為し得ない」

メディア「アナタは理想の王にはなれない。たとえ人々の平和が手に入っても、また自分の手で壊してしまう。アナタの魂は、運命は、絶望的なまでにねじ曲がっているから」グチャッ

イアソン「ひっ……何する、やめろ、やだ、身体、溶ける……!?」グチャ、グチャチャチャ……

メディア「聖杯よ。我が願望をかなえる究極の器よ。
顕現せよ。牢記せよ。これに至るは七十二柱の魔神なり」


バットマン(七十二……魔神……!)


バットマン「全員構えろ! 来るぞ!!」


416 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:53:24.26 ID:4nPBd23Q0

イアソン「が、ぎ、が、あ、ぎいいいいいいいいいいいいいいい!!」グチャチャチャチャチャ

メディア「……戦う力を与えましょう。抗う力を与えましょう。ともに、滅びるために戦いましょう」

メディア「さあ、序列三十。フォルネウス。その力を以て、アナタの旅を終わらせなさい」

イアソン?「あ……が……」グチャチャチャチャチャ……ズオオオオオオッ


マシュ「あ……に、肉が、盛り上がって……柱のように……」

バットマン「……古代ローマで観測したものと同じか……!」

ドクター『魔神……! これで二柱目か……! 本当に居るのか、そんなものが……!』


417 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:53:52.86 ID:4nPBd23Q0

フォルネウス「……」ズォォォォ……



ドレイク「アレ、倒せんのかい?」

バットマン「……以前戦った時は、物理攻撃も通用した。だが、あの時は弱っていたと……」

ドレイク「よっし、それならやるしかないねえ! おい野郎ども! ここが意地の見せ所だ、悪魔なんぞに負けられないよ!」

ボンベ「ひゃっはー! これだから海賊はやめらんねえぜ!」

ドレイク「ほら、ブルース、マシュも! しっかりしな、これをブッ倒すためにやってきたんだろ!?」

バットマン「……ああ、その通りだ。行くぞ、倒す!」

マシュ「はい!」

エウリュアレ「ええ!」


418 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:54:22.67 ID:4nPBd23Q0

フォルネウス「消滅を提案する」ドドドドドッ

マシュ「っあ……ぶない!」ガギャギャギャ‼

キラークロック「ヴォオオオオオオオオオオオオ!!」ドスドス、ガシッ

フォルネウス「無意味なり」ドォッ‼

キラークロック「ッ……」バシィ

エウリュアレ「そこ!」シュパパッ

フォルネウス「動体、発見」ガキィン


マシュ「くっ、歯が立たない……!?」

フォルネウス「聖杯の使い方も知らぬ下等生物。我が力の前にひれ伏すが良い」



バットマン(やはり、前の個体と比べて隙が少ない……あの時のレフの言葉は強がりでは無かったか)


バットマン(……だが、船上に出たのが運の尽きだ)


419 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:54:50.40 ID:4nPBd23Q0

アステリオス「……うるあああっ!!」ガギィ、シュバッ

フォルネウス「無意味である……すべての行為は」ユラ、ドドドドドドドドッ

黒髭「ほれほれぇーい! ホヒョーッ!!」バシッ、ドゴッ

フォルネウス「……」グラッ

メディア「『補修すべき全ての疵』(ペインブレイカー)」ポゥッ

フォルネウス「……無益である」ポゥゥゥゥッ


マシュ「くっ、与えた傷が治っていく……」

キラークロック「なら、先にあの女を殺す」ドシドシ


420 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:55:20.01 ID:4nPBd23Q0

メディア「……」

キラークロック「……」ガシッ

メディア「……」プラァン……

キラークロック「……?」


キラークロック(なんで抵抗しねえ……?)


メディア「殺さないのですか?」

キラークロック「……ナメるな」ギチギチギチ……

フォルネウス「……」ドドドドドドドドッ

キラークロック「チイッ」バシィ

メディア「っ」ドサッ

黒髭「ちょっとキラークロック殿、手ぬるいのでは〜!?」

キラークロック「うるさい。次は殺すだけだ」ドスドス

フォルネウス「……無意味、である」ドドドドドドドドッ

キラークロック「クソが……」ババッ



421 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:55:56.39 ID:4nPBd23Q0

黒髭「いまいち火力が足りないでござるな……」


砲弾「」ヒュオオォォォォッドッガァァァァァァァ‼

フォルネウス「ぐ……」グラリ

ドレイク「ハッハー! 喰らいな!」パァンパァン‼


黒髭「って言った途端にこれでござる」


ダビデ「よーし、あんなデカい的は外す方が難しいね。皆、どんどん撃っちゃえ」

海賊達「「「おおーーー!!!」」」ガチャガチャ



フォルネウス「不利……」グラグラ

アステリオス「まよえ……さまよえ……しねえっ!!」ズォォォォォォォッ

アステリオス「『万古不易の迷宮』(ケイオス・ラビュリントス)!!」ゴァッ‼

フォルネウス「ぐ……魔力の、著しい減少……呪いを受けている……」

メディア「治療を……」

キラークロック「おっと、今度こそさせねえぞ」ガシッ


422 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:56:31.07 ID:4nPBd23Q0

キラークロック「……」グイッ

メディア「っ……」

キラークロック「……ッグルァァァァァァァ!!」ドッシャァァァァァァァアン‼

メディア「あぐっ……」ゴシャッ

キラークロック「……けっ、歯ごたえのねえ奴だ」


フォルネウス「不利である……」

黒髭「今更怖気づいたかよ、遅いぜ……行くでござる行くでござる! 『アン女王の復讐』(クイーンアンズ・リベンジ)!」ドドドドドドドドォォォォォォッ‼

フォルネウス「ぐ、わ……」グラグラグラッ

マシュ「ここです……!」ドシュッ、ガガガッ、ドッゴォ‼

エウリュアレ「もらったわよ」シュパパパパッ

ドレイク「オラオラオラァ!」パァンパァン‼

フォルネウス「……」グラグラグラ……


423 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:57:01.15 ID:4nPBd23Q0

フォルネウス「……下等生物共が、足掻くものだ……!」グムグムグム


ドクター『マシュ、注意して! フォルネウスと名乗った柱の中、聖杯反応が急激に増大してる! 反撃が来るよ!』

マシュ「っ、了解! 皆さん、下がって……」


ドッゴォォォォォォォォォォォォン‼ ドガァァァァァァァァァァァン‼


マシュ「ふぇっ!?」グラグラ

キラークロック「……なんだ、船底が……爆発しやがった?」グラグラ



424 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2018/03/03(土) 22:57:34.54 ID:4nPBd23Q0

………………

バットマン(火薬庫は爆発。さて、次は)

ドクター『ブルース!? 何やってんの!?』

バットマン「この船を沈める」

ドクター『しず……へ!?』

バットマン「沈める。これで少なくとも有利な戦場にはできる」

ドクター『有利な……どういう事だい?』

バットマン「……キラークロックが強いのは水中だ。陸上であれほどの戦闘力なら、戦場を海中へ移せば敵無しになる」

ドクター『成程……で、沈めるのかい?』

バットマン「……聖杯の恐ろしさは知っている。魔神ともなれば使い方も熟知しているだろう。まともにやり合うのは危険だ」ザシザシ


バットマン(よし、このまま……船体へ穴をあける)プシューッ、ポチッ


ドッガァァァァ‼


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