【ダンガンロンパV3】王馬「ロボット差別王にオレはなる!!V3 」

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263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 09:59:53.23 ID:zuBJqGH30
理不尽に転子に投げられる最原見てかごのこの時にキーボが「最原クンは酷い人ですね」って言った場面思い出したwww
264 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:27:17.60 ID:sQCp7TauO
>>260 訂正
真宮寺「ククク…友人のためにここまでやってきて、モノクマを倒すなんて…茶柱さんは素晴らしいネ…!

真宮寺「ククク…友人のためにここまでやってきて、モノクマを倒すなんて…茶柱さんは素晴らしいネ…!」

>>262 
ありがとうございます!無理のない範囲で頑張ります。

>>263
実はその場面意識しました。あのやりとりかなり好きです。キーボが歌う酷い音程のかごのこも聞いてみたかったです

更新しようと思ったらカメムシが突然ぶーんて出てきてちびりかけた(夢野並感)
ロボのキーボはカメムシの臭いを感じることはないでしょうし羨ましい限りです。
では更新再開
265 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:28:28.30 ID:sQCp7TauO


キーボ「…」ウィーン ガシャッ!

ドゴォンッ!!!

王馬「…くそっ!」ゴロッ

ゴン太「大丈夫、王馬君!?」

王馬「ん、なんとか」

星「くらえ…ッ!」パコンッ!

キーボ「…」ビューン シュッ

星「ちっ、空中を動き回って当てられねーな……せめて攻撃してくるあの手だけでも壊せりゃいいんだがな」

ゴン太「だったらゴン太がジャンプして…!」ピョンッ!

キーボ「……」ビュンッ

ゴン太「うわぁっ!?避けられた…!?」ドテッ

星「あぶねーぞ!気を付けろ」

ゴン太「うん…ごめんね」

王馬「………敵に回すと厄介なロボだな…」

キーボ「…」ビュンッ ビュンッ

王馬「くそ、ロボの癖にビュンビュン虫みたいに飛び回りやがって!」チッ

ゴン太「虫さんはあんな飛び方しないよ!」

王馬「はいはい…」

キーボ「…」ビューン ドゴォン
266 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:29:15.79 ID:sQCp7TauO
王馬(…とりあえず動き回って厄介な…翼の部分を壊そう。あれを壊せば少しは有利になるはずだ)

王馬「星ちゃん、ゴン太!とりあえ翼を壊してみない?」

星「そうしたいのは山々だが動き回ってどうにも…」

ゴン太「…どうしよう、無理矢理もいでみる!?」

キーボ「…」ビュンッ ウィーン スチャッ

ゴン太「…!ま、またゴン太達を狙って…!」

王馬「……」

王馬(飛んでいるキーボに見下ろされる形にはなるけど、位置的にはキーボの前に星ちゃんとオレが、うしろにはゴン太がいる)

王馬(そしてキーボは今星ちゃんとオレに向かって攻撃をしようと、その手についているキーボガンを向けている……ん?)

ゴン太「一か八か!…えいっ!」ジャンプ!

星「ゴン太!」

ゴン太「あ、あとちょっとで届――」

キーボ「…………ッ!?」クルッ ビュンッ

ゴン太「うわっ!」ドテッ

星「大丈夫か、ゴン太!」

ゴン太「う、うん…」

王馬(ゴン太がキーボの真後ろにくるまで、キーボはゴン太の存在に気づかなかった…)

王馬(…もしかして視界に入らなかったら気付かないのかな。ロボットだけど後ろに目がついてる、なんてことはさすがにないか)
267 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:29:53.07 ID:sQCp7TauO
王馬(でもそれならなんとか隙をついて攻撃できるかもしれない…でも一旦隠れてその機会を狙った方がいいか)

王馬「…ふたりとも。あの大階段の下まで下りて、建物内に隠れてみよう」

ゴン太「隠れるの?えっと…あの変なモノクマの銅像があるところ?」

王馬「うん」

星「分かった。走るぞ」

王馬「よし、ゴン太!オレを担げ!」

ゴン太「分かった!」ヒョイ

星「…あんたそれでいいのか」

王馬「にしし、一応怪我人なんでね!…よし、ダッシュ!」ビシ!

タタタ!!

キーボ「…」ブイーン

王馬「追ってきてるな…それなら!くらえ、煙玉!」ポチ ボンッ

モクモクモク…

キーボ「…!?」

王馬(やっぱりキーボの目はそんなに高性能じゃなかったな。煙のせいでオレ達を見失ったみたいだ)

星「よく煙玉なんて持ってたな…」

王馬「にしし、悪の総統必須アイテムだよ!今のうちに!」

タタタタ…バタン!

ゴン太「ふぅ、なんとか着いたね…」ヨッコラセ

王馬「ありがと、ゴン太」

星「でもどうして隠れたりしたんだ?」

王馬「あれ、見て」ソロリ ガチャ…

キーボ「…」ウロウロウロ

ゴン太「…?キーボ君、中まで入ってこないね。…もしかしてゴン太達が視界から見えなくなったから、追ってこないのかな?」

王馬「その通り!でも声で見つかっちゃうかもしれないから小声でね!」ボソボソ

ゴン太「分かった!!」超小声

星「…だからここに逃げたのか。下手したら東条たちのところに行くかもしれねーから」

王馬「そういうこと。…そうだ。さっき赤松ちゃんから聞いたんだけど、キーボのうなじにはキーボの活動を止めるスイッチがついてるらしいよー」

星「じゃあそいつを押せば、あいつを壊さずにすむな」

ゴン太「だけど、キーボ君は飛び回ってるから難しそうだね…」

王馬「うん。で、作戦なんだけどさ……」


268 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:30:24.01 ID:sQCp7TauO
赤松「みんな大丈夫かな…」

入間「ケッ…バカは死なねーだろ」

赤松「もうっこんなときくらい…ん?なにこれ?」スッ

鉄屑「」

入間「鉄屑だろ?」

赤松「鉄屑?…あ、元モノタロウか!」

入間「暇だし、スイッチの解析のついでにこいつも修理してやっか」カチャカチャ

赤松「スイッチ?」

入間「あぁ、これはだな――」カクカクシカジカ



赤松「…じゃあそれを押したら出口が見つかるかもしれないんだね!」グイグイ

赤松「みんなで出れるかもしれないんだね!!」グイグイ キラキラ

入間「そ、そんなに近寄るなよぉ……」

赤松「それにしてもちょっと入間さんのこと見直しちゃった」

入間「はぁっ!?オレ様は見直される覚えなんてねーぞ!オレ様で抜かれる覚えはあるんだけどね…?」モジモジ

赤松「何言ってるの…?」
269 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:30:52.63 ID:sQCp7TauO
赤松「そうじゃなくてさ、入間さんが安易にスイッチを押さないで危険物がないかちゃんとチェックしてくれてるってことを見直したんだよ」

入間「はぁ?言っただろーが!下手になんか起こったら、めんどくせーのはオレ様だって!テメーはそんなことこ覚えらんねーんだな!」

赤松「むぅ……覚えてるよ!バカにしないでくれる?」

入間「ケッ、バカ松なんかに付き合ってらんねーぜ!オレ様は部屋であんなことやそんなことやっとくからな!入ってくんなよ、ぜってー入ってくんなよ!?」

タタタ…ガチャバタンッ!!

赤松「…行っちゃった」

赤松「…はぁ、入間さんの才能はすごいんだからもうちょっとその性格をなんとかすればいいのになぁ…」ヤレヤレ

ガチャ!!!

赤松「!?」

入間「…………」

赤松「い、入間さん?忘れ物でもした?」

入間「……はい…て…」

赤松「肺…?手…?」

入間「テメーも入ってこいよぉっ!!…あたし、ひとりじゃ不安なんだよぉ…」グスグス

赤松「え、えぇ……」

赤松(…なんだかんだで不安でいっぱいなんだね、入間さんも…)

赤松「はいはい分かったよ…」スタスタ



東条「…ふんっ!」バキッ

モノクマ「あーん」ベキッ

春川「あのさ…さっきから思ってたんだけど、こいつら弱くない?」バキッ

モノクマ「ぐえー」ベキッ

東条「そうね、だけど戦闘に慣れていない人では破壊に苦労すると思うわ」バキッ

モノクマ「いやー」

春川「…ま、それもそうか。…よし、これでおしま――」

モノクマ「「「「「がおー!」」」」」タッタッタ
270 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:32:48.27 ID:sQCp7TauO
春川「………」

東条「…増えたわね」

春川「はぁ…5体か」

東条「春川さん、貴方ナイフひとつで平気かしら?私だけエレクトハンマーを使うというのも…」

春川「ん…大丈夫。あいつらの左目、あれ狙ったら一発で壊れるんだよ」

東条「あら、そんな弱点があったの?気付かなかったわ」

春川「さっき気づいた。…来るよ」

……バキッバキッバキッ!!!グシャァ…

東条「これでおしまいかしら」

春川「さすがに5体はちょっと大変だったね」フゥ

東条「えぇ、ちょこまかと動いて狙いが定めにくかったわ…けれど、動きがそもそも遅いからそんなに問題なかったわ」

春川「同感。あいつら動き遅すぎ」

春川「…………」ジッ…

東条「春川さん?」

東条(校舎の方をじっと見ているけれど……)

春川「…百田たち、大丈夫かな。モノクマに襲われてないかな…」

東条(…あぁ、心配なのね。私もそうだもの。……でも)

東条「…探しに行くのは――」

春川「分かってる。赤松たちが寄宿舎いるし、一人で動くのも危険だよね」

春川「それに…あいつなら、あいつらなら…大丈夫」

東条「…信じているのね」

春川「……まぁね」リボンイジイジ

東条「…ふふ」

東条(…なんだか微笑ましいわ。子供を持ったらこんな気持ちになるのかしらね)
271 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:36:05.12 ID:sQCp7TauO
東条「…それにしても、モノクマは全て校舎から出てきたわね」

春川「校舎にスペアを作る機械があるってこと?」

東条「………」フーム

春川「もしそうなら一体どこで作られてるんだか…何体いるか分かんないし、自動で作られているなら大本をぶっ壊した方が早いよね」

東条「そうね…だけど、自動で作られていたら、もっと大勢でやってくるんじゃないかしら?」

東条「どのくらいの時間でモノクマが作られるか私には分からないから、あくまで推測だけれどね」

春川「それもそうか…ま、数に限りがあるなら全部ぶっ壊せばいいだけの話だよね」

東条「…頼もしいわね」



王馬「うん。で、作戦なんだけどさ……」

王馬「まずキーボがこっちに気づかないうちに、背後から星ちゃんがボールでキーボの羽の部分を壊す。…できそう?」

星「当てるのは問題ねーが…テニスボールじゃ、ちと強度が足りねぇかもしれねーな」

ゴン太「あ、じゃあこの変なモノクマ銅像の手のところを使ったら?」

王馬「…確かに良さそうだけどさ。それをどうやってちぎるのさ?まさか素手でー…とか言わないよね?」

ゴン太「ゴン太に任せて!」フンッ

王馬「え」

ボキィッ!!!

星「……」アゼン

ゴン太「もう一個も!」フンッ!

ボキィッ!!!
272 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:41:43.11 ID:sQCp7TauO
王馬「……わぁ、すごーい、ゴン太…」パチパチ

ゴン太「ホント?ゴン太、あんまり役に立ててないから嬉しいよ!」

星「十分役に立ってるさ…で、こいつでキーボを撃ち落としてそのあとうなじのスイッチを押すんだな」

ゴン太「じゃあゴン太はキーボ君は暴れないように抑えるよ!」

王馬「うん、任せた。…あ、そうだ。スイッチ押したらキーボガンも壊しとこうか…これで」スッ

ゴン太「エレクトハンマーだね」

王馬「うん。よし、作戦会議は大雑把だけどおしまいだよ。じゃあ…まずはよろしく。星ちゃん」

星「任せろ。後ろを向いた隙に…」ガチャ

星「……」ゴゴゴ

ゴン太「星君…ものすごく集中してるね」超小声

キーボ「……」クルッ キョロキョロ

星「今だッ!」シュッ バコォンッ!!!

バキィッ!!

キーボ「…!?」

星「まだまだ俺の腕も鈍ってねぇみてーだな」フッ

キーボ「………くっ」ヒューン ガシャンッ!!!

王馬「よし!行くぞ、ゴン太!」タタタ

ゴン太「うん!!」

キーボ「……!」ウィー…

ゴン太「キーボ君!じっとして…!」ハガイジメ

キーボ「…ッ!ッ!!」ジタバタ

王馬「………」ジッ

星「王馬、早く―――」

王馬「キーボ」

キーボ「…ッ!…ッ!!!」ジタバタ
273 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:46:52.77 ID:sQCp7TauO
王馬「……ロボの癖に、魚みたいにじたばたするんだね」↑1

キーボ「…ッ!?」ガーン…

星「お、おい、王馬…?」

王馬「あれ、ロボットのくせに驚くんだ?」↑1

キーボ「ロボット差別を感知!ロボット差別を感知ッ!!」ジタバタジタバタ

ゴン太「ちょっと暴れないで、キーボ君!王馬君、早く止めてよ!」

王馬「止めるけどその前にこいつに言いたいことがあるんだよ」

ゴン太「……大事なこと、なんだね?」

王馬「…」コクン

ゴン太「分かった。だったらゴン太、頑張ってキーボ君を抑えておくよ。キーボ君あんまり力ないし」

キーボ「……………」

王馬「ありがとゴン太。…ねぇ、キーボ。お前はロボットであることを受け入れてそれでも人間になりたい、人間に近付きたいって思ったんでしょ?」

王馬「……人間の真似したロボットの癖にさぁッ!!」↑1

キーボ「ロボットさべ……ッ!?」

キーボ「……グッ…!」ショート

キーボ「…………」ピタッ

星「動きが止まった?」

王馬「それなのにこんな風にオレらを襲ってさ、ロボットがそんなことして許されるはずないんだよ」

キーボ「……オ…ウマク…」

星「…キーボ!?おい、しっかりしろ!」
274 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:51:32.62 ID:sQCp7TauO
王馬「…でもね、もっと許されないのは…キーボをこんな風にしたやつだ。オレは絶対にそいつを許さない」

星「………」

キーボ「王…まク、ボ…ク、ハ…」

王馬「…またいつかロボット差別してやるからさ、早く元のキーボに戻ってよね。お前がいないとつまんないしさ」

キーボ「…ロボ…ト差べツは、しな……イ…で、くだ…サ…」

ゴン太「キーボ君…しっかり…!」グスッ

キーボ「……すミ、ま…………アト、の……こ…ハ」

王馬「うん、あとのことはオレ達に任せてゆっくり緊急停止しときなよ」

キーボ「………」ニコ…

王馬「うなじ…あった、これだね」ポチッ

キーボ「ッ……」シュー…

星「止まった…のか?」

ゴン太「もう攻撃してこないの?」

キーボ「………」

王馬「…この危ないロボットパンチだかキーボガンを破壊してと」バキィッ

ゴン太「あわわ…キーボ君の腕が…」

キーボ「……」

王馬「人間と違って、もいでも平気だし大丈夫大丈夫」

ゴン太「そっか!」

王馬「…あ、アンテナも破壊しとこう、これのせいでハッキングされたのかもしれないし」バキィッ

ゴン太「……最後、いつものキーボ君だったよね?」
275 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 22:57:16.16 ID:sQCp7TauO
星「ああ。あのときロボット差別に反応して、元に戻ったように見えた…狙ってやったのか?」

王馬「ううん、全然?まさかホントにロボット差別に反応してくれるとは思わなかったよ」

星「まさか無計画とはな…やれやれだぜ」

王馬「いやぁ、危なかったねー!一歩間違えれば、オレ死んじゃってたかも!」

ゴン太「いきなり王馬君がロボット差別するからゴン太びっくりしちゃったよ…」

ゴン太「でも、キーボ君はもう大丈夫なんだよね…?」

星「…根本的に解決したわけじゃねーんだろ?またいつ暴走するか分からねー…入間に直してもらえるといいんだが」

ゴン太「そ、そっか…」シュン

王馬(入間ちゃんの話では…データを消去されたって…でも、あのときは確かに…)



キーボ『王…まク、ボ…ク、ハ…』

キーボ『…ロボ…ト差べツは、しな……イ…で、くだ…サ…』

キーボ『……すミ、ま…………アト、の……こ…ハ』

キーボ『………』ニコ…



王馬(いつものキーボだった。もしかしたら奇跡………はないな。奇跡なんてありえない)

王馬(…まさか、データは完全に消去されてない、とか?…だけど…消されたのは間違いない、はず)チラ

キーボ「……」

王馬「……」

星「…っと、そろそろ戻らねーとな。東条や春川もモノクマ共と戦ってるだろうしな」

ゴン太「そうだね!じゃあ、キーボ君はゴン太が担ぐよ!」ヨッコラセ

王馬「あ、あのキーボを軽々と…」

276 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 23:02:23.47 ID:sQCp7TauO
今日はここまでにします

久々にロボット差別をしたくなり、ちょっとした番外編的なものを書いたので投下します
本編には無関係です
277 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 23:06:50.68 ID:sQCp7TauO
ロボット差別王〜番外編〜


王馬「え、真宮寺ちゃんが花粉症になったって?」

キーボ「ええ。ですよね、真宮寺クン?」

真宮寺「……」コクン

王馬「へえ…」ニヤニヤ

真宮寺(キーボ君…なぜ僕が花粉症だということを、よりにもよって王馬君にバラしたいんだい?キミは本当に空気が読めないんだネ)鼻水ズズズ

王馬「ねーねー真宮寺ちゃん!」

真宮寺(ククク……やはり人間とロボットは思考回路が違うのかなァ。今まで人間観察しか行ってなかったから実に興味深いヨ……)目ゴシゴシ

王馬「そのマスクじゃ、息苦しくない?鼻水垂れて口まで伝って気持ち悪くならない?っていうか垂れるまでもなく、鼻に密着してるから鼻水がマスクに染みない??」

キーボ「失礼ですよ、王馬クン…」

王馬「えー?だって気になるんだもーん!」

真宮寺(まァだからといって、キーボ君を観察しようとは思わないけど。だってロボットだし。…やっぱり観察するなた人間だよネ。人間の方が…いい、よ………へ、へ……)

真宮寺「くしゅんっ!」ベチョッ

真宮寺「………」ベトォ……

王馬「あーあ!今のくしゃみで間違いなく、マスクに鼻水と涎がベチョッてくっついたね!」ビシィッ!

真宮寺「…………………」

王馬「つまり今、真宮寺ちゃんの口回りはすっげー汚いってことだ!うわーよく平気でいられるね真宮寺ちゃん!」ビシィッ!

真宮寺「……………………………」ゴゴゴ

王馬「まぁ、ロボットのキー坊は鼻水も涎もくしゃみも出ないから関係ないだろうけどねー!」

キーボ「!?」

王馬「あ、そもそもロボは花粉症にならないか……ごめんね?」

キーボ「結局ロボット差別ですか!?」プンスコ
278 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 23:08:38.11 ID:sQCp7TauO
真宮寺「王馬君、キーボ君」ゴゴゴゴゴゴ

王馬「ん?」

キーボ「はい?」

真宮寺「……神経を抜き取るヨ?」

キーボ「なんでボクもなんですか!?」

王馬「そりゃキー坊が、真宮寺ちゃんが花粉症だっていう事実をオレに伝えたからだよ。伝えなきゃ、オレが真宮寺ちゃんをからかうことだってなかったのにさ〜」

キーボ「そ、そうなんですか……すいません、真宮寺クン。キミの気持ちも考えず彼に伝えてしまって…」

真宮寺「いや、もういいんだヨ」

王馬「え、許したってこと?じゃあオレだけ神経抜かれんの?ひどいよー!」

真宮寺「いや、許したわけではないヨ」

キーボ「へっ?」

真宮寺「だって…そもそもキーボ君には神経がないじゃないカ」

キーボ「」

王馬「あははははは!そりゃそーだ!」ゲラゲラ

真宮寺「…」ズズズ

キーボ「まさか真宮寺クンまでロボット差別するなんて……ロボット差別が段々伝染してきているような気がします…キミのせいですよ王馬クン…」ズーン

王馬「あっはっはっはっは!」ゲラゲラ


王馬はしばらく笑っていたが、真宮寺に神経を抜き取られそうになったので、すたこらさっさと逃げたとさ

王馬に逃げられた真宮寺はキーボ内の回路かコードを抜こうかと思ったが壊れたら面倒なので止めたとさ

そんな扱いをされたキーボはしばらく落ち込んでいたが、ロボット差別を撲滅しようとよりいっそう強く決心したとさ

―完―
279 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/08(木) 23:11:55.03 ID:sQCp7TauO
番外編おしまい。楽しんでいただけましたら幸いです
実際、真宮寺が花粉症になったら面白いと思います
それではくますみー
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 09:18:23.51 ID:MSJm/Tb90
才囚学園に花粉が飛んでるかは置いといて
キーボは花粉が詰まっても入間ちゃんにメンテしてもらえるから羨ましいよね
281 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/09(金) 23:02:14.07 ID:oicMLrqwO
>>280
入間ちゃんが花粉症だったら大変なことになりますね…キーボはロボットだからなんともないけど
(花粉がついたキーボってザラザラしたり若干黄ばんでいたりするのだろうか…)

では更新再開です
282 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/09(金) 23:02:52.88 ID:oicMLrqwO
王馬(キーボを連れて寄宿舎に戻った)

王馬(東条ちゃん達はもうモノクマを殲滅させたようで寄宿舎の前でオレ達を待っていたようだ)

東条「…よかった、無事で」

星「そっちもご苦労さん」

王馬「でもなんか残骸多くない?」

春川「あぁ、あれから増えちゃってさ、あいつら」

ゴン太「えぇっ!大丈夫だった!?怪我はない!?」

東条「大丈夫、平気よ」

ゴン太「そっか…ごめんね、ゴン太は紳士なのに女性に戦わせちゃって…」

春川「慣れてる」

東条「私もよ」

ゴン太「…そっか」

王馬(確かに慣れてそうだ…)

赤松「…あ!みんな無事なんだね!よかった……あ、キーボくんは…」

王馬「……」

入間「…キーボ……」ソッ

キーボ「…………」

入間「…くそっ、すぐに直してやるからな…」

ゴン太「直せる…?」

入間「ぶっ楽勝に決まってんだろ!…早速今から…!」

春川「あのさ…」
283 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/09(金) 23:04:29.18 ID:oicMLrqwO
入間「あぁ?なんだよ、まな板女!」

春川「こんなときに…自分勝手で悪いんだけどさ……百田たちを探しに行って、いい?大丈夫だって分かってるけどやっぱり――」

王馬「うん、それに賛成だね!」

春川「…王馬、あんたどういう風の吹き回し?」

王馬「ひどいなー。…オレも心配なんだよ、夢野ちゃん達がね。だから一緒に行く」

春川「……」

赤松「私も行きたい…けど、反対するよね」

春川「王馬はともかくあんたはピアニスト、でしょ。大人しく鍵盤叩いてなよ」

赤松「…うん」ションボリ

赤松「でも…春川さんと王馬くんのふたり…って大丈夫なの?その、いろんな意味で」

王馬「大丈夫、大丈夫!オレ達大親友だもん!」

春川「…………」ギロ

赤松「すごく心配なんだけど…」

星「…だったら、俺も行くぜ。それなら安心だろ?」

王馬「星ちゃん!さっすがオレの大親友!」

春川「……赤松、これでいいでしょ?」

赤松「…うん。みんな仲良くするんだよ?」

春川「それは無理」

東条「決まったかしら?…こっちのことは任せて頂戴、必ず守ってみせるわ」

ゴン太「ゴン太は紳士なんだ!たとえ何が来ても絶対にみんなを守るよ!」

入間「…オレ様はスイッチの解析に鉄屑にキーボの修理に忙しすぎてぶっ倒れそうだが、やることはやっといてやるよ」

赤松「…私に何かできることない?入間さん」

入間「あぁ?テメーなんかにできることなんかねーよ!……まぁ?強いて言うなら…部品がどっかいかねーように見といてくれ」プイ

赤松「うん分かった!…みんな気を付けてね、春川さん…最原くんのこと、お願いしてもいいかな?」

春川「…」コクン

赤松「ありがとう、春川さん!」

王馬「…よし、行こう」ガチャ タッタッタ

モノクマ「がおー!」

王馬「またモノクマかよ!?一体何体いるわけー?」
284 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/09(金) 23:06:45.93 ID:oicMLrqwO
星「…ちっ」

東条「ここは私達に任せて頂戴!」ブンッ

モノクマ「」ゴシャァッ

ゴン太「ここはゴン太が守るんだ!」

春川「あいつらに任せて…行こう」

星「…真正面から突破するのは厳しそうだな」

王馬「うーん…あ、そうだ!テラスから回って入ろうよ、モノクマがいないかもだし」

春川「…そだね」

星「いねーといいがな。…あっちは…よし何もいねーみてーだ、行けるぞ」

王馬「じゃ、今のうちに…!」

タタタ…ガチャ…

王馬「食堂の中は大丈夫みたいだね…なんかゴチャってしてるけど…ん?なんか声聞こえない?食堂の外からさ」タタタ

春川「本当だ…もしかしてあいつら近くに?」タタタ

星「全員無事だといいんだがな…」タタタ

ガチャッ!!
285 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/09(金) 23:08:40.74 ID:oicMLrqwO
――数分前、最原達はアンジー、真宮寺を発見したあと、天海達が隠れている倉庫へ向かっていた

―倉庫―

コンコン

「…誰っすか?」

最原「僕だよ」

天海「最原君っすか。ちょっと待ってください、バリケード作ったんすよ」

百田「バリケードなんて作ってたのか」

白銀「バリケードはゾンビ物で基本だからね!」フンス

百田「ゾンビなんてここにはいねーぞ!?」ビクビク

真宮寺「…ゾンビは置いといて…まァ、効果的ではあるよネ。相手がモノクマであろうとなんだろうとサ」

天海「よ…っと。これでよし」ガラ

夢野「…転子?大丈夫か?怪我などしとらんじゃろうな?」ヒョコ

茶柱「夢野さん!えぇ、転子は無事ですよ!アンジーさんもこの通り、ご無事ですよ!」

アンジー「やっはー秘密子!」

夢野「おお、アンジー!みな無事でなによりじゃ!」

白銀「よかった…!本当に!」

百田「茶柱のやつ、結局素手でモノクマぶっ壊したんだよな…」

最原「彼女のネオ合気道は僕たちの想像以上に強いものだったんだね…」シミジミ

天海「とりあえず一旦中に入ってくださ――」

ガチャッ!!
286 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/09(金) 23:13:50.75 ID:oicMLrqwO
最原「…ッ!?」クルッ

「わぁっ!!」

最原「え!?…ってキミ達は…!」

アンジー「あれま!これはびっくりだねー」

王馬「やっほー驚いた?やっぱりいたんだねー。元気にしてるー?」

春川「…百田!…みんな!無事だったんだね…」ホッ

百田「ハルマキに星に王馬!テメーらなんでここに!?」

王馬「春川ちゃんが百田ちゃんを心配して――」ゴチンッ

王馬「って〜〜!?いきなり叩かないでよ、春川ちゃん!」プンプン

春川「…」

最原「と、とにかく……キミ達も無事だったんだね…本当に良かった」

夢野「王馬……」

王馬「ごめんね、夢野ちゃん。モノクマなんかがいるって分かってたら危険な目に合わせなかったのに」

夢野「ウチは平気じゃ。いざとなったら必殺の魔法をぶちかませばよいのじゃからな」

王馬「…茶柱ちゃん、キミが守ってくれたのかな。…ありがとうね」

茶柱「…当然です。転子の使命は女子を守ることなのですから」

白銀「……」

天海「これで全員無事ってことがわかったんすかね?」

真宮寺「そうだネ……とりあえず全員集まった方がいいのかな?」
287 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/09(金) 23:15:14.45 ID:oicMLrqwO
短いですが今日はここまでにします。くますみー
288 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:21:52.84 ID:gKPHsaEnO
更新再開します
289 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:22:35.78 ID:gKPHsaEnO
春川「…うん、そうだね。外でもいろいろあったしさ…」

アンジー「アンジーはさっきから何がなんだか訳がわからないよー。だから説明がほしいなー誰か説明してくれないかなー」ブンブン

王馬(…これまでに起こったことを簡単に説明した)

百田「キーボが…!?くそ…」

王馬「…とにかくさー今は戻らない?」

春川「うん、そうだね。あいつらも待ってるし…」

最原「あ…ちょっといいかな?」

茶柱「…もしかして、先程の件のことですか?」

夢野「んあ?なんの話じゃ?」

百田「モノクマがどっから湧いてるかっつー話だ」

春川「…どこかに製造する機械でもあるの?」

最原「おそらくね…」

白銀「なるほど!永遠に湧かれても困るし大本を断つんだね!」

天海「……あれ?そういえば、さっきからあんまり襲ってこないっすね。もしかして、モノクマは何体いるか決まってるんじゃないんすか?」

星「確かにさっき見たときも、数が減っていたような…」

アンジー「主は言いました…今すぐ調べるべきでげす、と」

夢野「そうじゃな…今は春川や星もいるしおそらく平気じゃろ。護衛魔法はウチに任せるがよい」フンス

茶柱「転子もいますよ!」グイグイ

夢野「んあーグイグイ来るでない…」

白銀「ちょっと不安だけど…行くしかないよね…」

王馬「そうと決まれば早速レッツゴー!だね」


290 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:23:44.89 ID:gKPHsaEnO
―女子トイレ前―

天海「ドアが開いてるっすね」

最原「……」観察

最原「…!やっぱりモノクマはこの中からやって来たんだ!」タタタ

真宮寺「証拠でもあったのかい?」

最原「これを見て」ピシッ

王馬「扉の内側にモノクマの爪痕か…これでもかってくらいハッキリと痕がついてるね」

最原「扉の外側に同じような痕はないね…やっぱり中から…。あのさ、茶柱さん…中に入っても…って、え!?」

茶柱「がるるる…仕方が…!ありま…!せんね…ッ!!」ジリジリ

最原「さっきは納得してくれたのに、なんでそんなに威嚇してるのさ!?」

茶柱「頭では分かっているのですが、転子は自分の体が押さえられません!」ムググ

最原「なんとかして!」

茶柱「難しいです…最原さん、今すぐ性転換できませんか!?」

最原「無理に決まってるだろ!」

茶柱「……ふーっ、ふーっ…ならば、転子が頑張って体を押さえてますので、どうぞご自由に調べてください」ニコ

最原「なんか怖いな……えっとお邪魔します」スタスタ

百田「……終一、後は任せたぜ」グッ

最原(…なんだか複雑な気分だ)

アンジー「にゃははー!転子の覇気はすごいねー!」

王馬「最原ちゃん、残念だったね。調べ終わったあと、理不尽に投げ飛ばされる光景が目に浮かぶよ」

星「おい…いつモノクマが襲ってくるかわからねー。調べるなら早い方がいいぞ」

白銀「確かに、ここまで静かだと地味に気味が悪いよね…」

夢野「これではおちおちトイレにも行けんのぅ」
291 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:25:22.12 ID:gKPHsaEnO
百田「だったらオレも特攻するか!その方があんぜ――グフッ」ドスッ

春川「どさくさに紛れて入ろうとしないで」

百田「いてーよ……」

王馬「たはー!百田ちゃんまでもが変態だったとはねー!これにはオレもビックリだよ!」

夢野(よく言うわい…)

百田「うるせー!調査が目的だ!やましい気持ちなんて一切ねーよ!」

最原「…」スタスタ

最原「……ん、用具入れが開いてる…?」

最原「……え?なにこれ」

白銀「珍百景!?」

茶柱「どうかしましたか!?…はえっ!?なんですかこれは!?」

アンジー「なになにー?見えないよー」ピョン

王馬「見ーせーてー!」ピョン

白銀「王馬君、地味に入っちゃってるし!」

王馬「いいから、いいから!」ピョンピョン

最原「……」フム

王馬「あ、見えた!へー隠し通路なんてあったんだー!」

春川「隠し通路…?」

真宮寺「へェ…それは驚きだネ」

天海「………!まさか…」ボソ

白銀「……」
292 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:28:52.29 ID:gKPHsaEnO
夢野「して、その先は何があるんじゃ?」

最原「…地下へと続く通路が見えるよ。モノクマの姿は…今は見えないね」

春川「ふーん…じゃああいつらに数に限りがあるってのは間違ってないのかもしれないね」

春川「こんな場所を私達が見つけたって知ったら、あいつら黙ってなさそうだし」

夢野「も、もしやその先は出口に繋がっておるのではないか!?」

アンジー「ってことはーモノクマは外からやって来たの?」

春川「…行けば分かる。なんなら今行く?」

真宮寺「そうだネ…だけどまずはこの情報や今までの情報を全員で共有した方がいいんじゃないかな?」

白銀「でもその間に閉ざされちゃったりしたら…」

天海「………………」

春川「…やっぱ行くだけ行ってみようよ」

百田「ああ、目の前にあるチャンスをみすみす逃すわけにはいかねーぜ」

百田「行かないで後悔するより行って後悔する方がましだ」

星「だがこの人数でゾロゾロ行くのは危険じゃねーか?」

最原「…そうだね、11人もいるとかえって危険かもしれない…」

王馬「んじゃ、さっさと行きたいチームと帰りたいチーム決めようよ。あ、オレは行くよ。だってつまらなくなさそうだしねー!」

春川「私は当然行くよ」

百田「助手が行くのにリーダーが行かねーわけには行かねーぜ!」

最原「僕も行くよ。きちんと自分の目で見届けたいからね」

アンジー「アンジーは戻るねー。小吉達が行けば問題ないって神さまも言ってるしねー」

白銀「わたしは怖いから寄宿舎に戻ってるよ…それに地味に役に立たないだろうしね」

真宮寺「…僕も観察させてもらいところだけど…今は状況を把握したいし戻ろうかな」
293 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:31:08.83 ID:gKPHsaEnO
夢野「ウチも戻るとするかのぅ…これ以上人数が増えても困るじゃろ?」

王馬「まぁ半々くらいがちょうどいいだろうね」

夢野「じゃあ戻る。…王馬、気を付けるんじゃぞ」

王馬「分かってるって!オレは100万回殺しても死なない男だよ?」

茶柱「では、転子も夢野さん達にお供します。女子のみなさんは安心してください!」

天海「……」

最原「…天海くんはどうするの?さっきから何か考えているようだけど」

天海「……俺も行くっす。確めたいことがあるんで」

星「俺はどうするかな…そっちの戦力は大丈夫か?」

春川「…今のとこモノクマの気配は感じないし、こっちは大丈夫。ナイフあるしね」スッ

王馬「オレもエレクトハンマーがまだギリ使えそうだから大丈夫かなー」スッ

星「そうか。最原と百田と天海は?」

最原「砲丸」スッ

白銀「……」

百田「食堂の椅子」グッ 

茶柱「……」

天海「えーっと……頭脳?」

星「…………」

アンジー「モノクマ相手に頭脳戦するのかー?」

真宮寺「なんか段々頼りなくなって……いや、なんでもないヨ」

白銀「ほぼ言っちゃってるよね…」
294 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:33:36.97 ID:gKPHsaEnO
王馬「まぁこっちは大丈夫だって。戦力だってこんだけ話しているのにあいつらぜーんぜん来ないでしょ?安全、安全!」

星「…じゃあ、俺も寄宿舎に戻るか。無理すんなよ?」グッ 

王馬「任せといて」グッ

アンジー「じゃあアンジー達はもどろー!」タッタッタ

百田「あいつは全く自分のペースを崩さねーな…」

真宮寺「…ひとりで行くと危ないヨ」スタスタ

茶柱「くれぐれも女子トイレ内を物色しないように!夢野さん、行きましょう」スタスタ

夢野「んあ…じゃあまた後でのぅ」スタスタ

王馬(こうして夢野ちゃん達は寄宿舎に戻っていった)

春川「…行くよ」

王馬(顔を見合わせて静かにうなずき、春川ちゃんを先頭に通路へ足を踏み入れた)

春川「…」コツ…

王馬(何が起こるか分からない通路を進んでいく…)コツ…

百田「…」ゴクリ

王馬(もしかしたらモノクマやエグイサルより、もっとヤバイやつがいるかもしれない…)コツ…

最原「…」コツ…

王馬(もしかしたら首謀者が向こう側から突然やって来てオレ達を皆殺しにするかもしれない)コツ…

天海「…………」コツ…

王馬(地下へと進んでいるからか、少しひんやりした空気。一歩進むごとに増す緊張感)コツ…

王馬(そんな中オレは)

王馬「…………にしし」

王馬(こんな状況がつまらなくないと、心の底から感じていた)

295 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/10(土) 22:34:48.24 ID:gKPHsaEnO
今日はここまでにします、くますみー
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 11:45:14.83 ID:ETcz5yrF0
いよいよだな…
297 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:49:51.66 ID:1hCPiQWWO
>>296
いよいよ…ですが、その前に星視点です

では更新再開です
298 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:50:39.49 ID:1hCPiQWWO
――王馬達が隠し通路を進んでいる間、星達は寄宿舎で待つ東条達の元へ向かっていた。


星「東条、ゴン太!」タッタッタ

東条「…星君、それにみんな!」

ゴン太「みんな無事だったんだね!よかったぁ…」タッタッタ

茶柱「あ…白銀さんが怪我を負っているんです!手当てはしてもらったのですが…一応見てもらえますか?」

東条「大変だわ、さぁ寄宿舎に入って。急いで傷の具合をみましょう」

白銀「ありがとう…」

ガチャ

東条「赤松さん、入間さん。負傷者もいるけれど、みんな無事だったわ」

赤松「本当!?あぁ、よかった…!」

入間「ケケッ、悪運だけはいいんだな!」

赤松「なんだかんだ寂しかったくせに。さっきまでだって部屋にこもって作業してたのに結局部屋の外で作業してたじゃん」

入間「んなことねーよ!キーボやら鉄屑やら増えすぎて場所がなくなっただけだっつーの!」

夢野「んあ?なぜキーボがそのような姿になっておるんじゃ?」

赤松「話せば長くなるよ…」

東条「傷の手当てをしながら説明するわ」

白銀「地味に器用だね…って東条さんだから当然か。朝飯前だよね」


299 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:51:05.99 ID:1hCPiQWWO


星(とりあえず全員でおおまかに情報を共有した)

星(詳しいこと、気になることはこれから話し合う。まずはキーボについてだ)

星(突然キーボが俺達を襲うようになったことについて簡単に説明した)

アンジー「はえーまさか、キーボがメッカメカになってたなんてねー」

真宮寺「改造…ねェ。どうりで最近、あまり姿を見かけなかったわけだヨ」

茶柱「ですが、なぜ突然襲ってくるようになったのでしょう?」

入間「ハッキング、かもしれねーな」

ゴン太「はっきんぐ?」

入間「あいつの体を隅々まで調べてみたらよ。今はぶっ壊されちまってたが、キーボのアンテナがなにかを受信した形跡が残ってたんだ」

赤松「そんなことまで分かるの?こ
こ、研究教室でもないのに」

入間「オレ様の部屋にいろいろ常備してっからな!あんなものやこんなものまで…」エヘヘ

夢野「一体何を…いや、聞かぬ方がよいな」

ゴン太「ええと、その…はっきんぐでキーボ君が悪いものを受信したってこと?そのせいでゴン太達を襲っちゃったの?」

入間「ん〜…まぁ、そういうことだな。頭の悪いデカチンも少しは理解できるようになったみたいだな!」

ゴン太「ありがとう!」

白銀「お礼を言うところじゃないからね…!」

東条「…だけどどこからハッキングされたの?」
300 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:51:39.54 ID:1hCPiQWWO
白銀「…ここにそんなことができる人はいるとは思えないし…あ、入間さんなら可能なのかな?」

入間「はぁぁ!?なんでオレ様がキーボをハッキングして、キーボに襲われなきゃいけねーんだ!意味わかんねーのはテメーの眼鏡だけにしとけ!この眼鏡ブス!」

白銀「眼鏡ブスはさすがにひどいよ…眼鏡とったら、わたし化けるんだからね?」

星「…まぁ、普通はそんな自殺行為はしねーな」

赤松「入間さん、ある意味普通じゃないけどね……」

白銀「…そうだよね。ごめん、入間さん。となると、一帯どこからハッキングされたんだろう…」

入間「くわしいことは研究教室で調べてみねーとわかんねーよ。現時点ではな」

真宮寺「…そのキーボ君のことだけど。モノクマが急に王馬君の元を訪れたり、エグイサルが王馬君を襲ったりモノクマが大量に現れて僕たちを襲ってきたりしたことと関係があるのかな?」

アンジー「襲われてばっかだねー。でもその答えはもう神さまが出してるよ?」

白銀「え、神さまが?なんて言ってるの?」

アンジー「盛り上げたかったんだろうって言ってるぞー!」

白銀「………………」

茶柱「へ?盛り上げる…?誰がですか?」

アンジー「アンジー達をここに閉じ込めてる人だよ」

アンジー「だってモノクマは言ってたよね?これは恋愛バラエティだって。視聴率とりたいとかそんなこと。だから盛り上げるためにこんなことしたんだよ」

真宮寺「フム…確かに有り得そうではあるネ。ここ最近、運動会以外は目立ってイベントとかもなかったしサ」

赤松「…視聴率をとりたいから、盛り上げるために襲ったの!?イベントとして!?」

赤松「私達は見世物じゃないんだよ!?…最低だよ!」

白銀「で、でもこれを見ている人にとっては見世物…なのかな…許せないけどさ…」

赤松「そんなことって…!」
301 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:53:01.63 ID:1hCPiQWWO
星「赤松、落ち着け。まだそう決まったわけじゃねーだろ。気持ちは分かるが冷静にならねーと見えなくなるものだってあるんだぜ」

赤松「………」

赤松「…そうだね。ごめん」

東条「…なぜ一連の事件が起きたのかは分からないわ。手がかりが少ない以上ここで議論しても仕方のないことよ」

ゴン太「そうだよね…ここまでいろんなことが起こっている以上偶然ではないんだろうけど…」

赤松「…………」

夢野「そういえば、先程スイッチがどうとか言っておったがあれはどうなったんじゃ?」

入間「ああ、あれか…あれはまだ解析途中だ」

東条「けれどさっきから、ずっと解析を行っていたわよね?」

入間「あのなぁ、こちとらキーボやら鉄屑の修理で忙しいんだよ!」

東条「…そうね、ごめんなさい。だったら、そろそろ休憩を取った方がいいんじゃないかしら?」

入間「あ?今何時だ?」

星「…朝の6時だ」

入間「いつの間にそんな時間になってたんだよ!」ガーン

茶柱「転子はまだ動けますよ!」フンス

入間「あのなぁ…こっちはテメーみてーな脳まで筋肉じゃねーんだぞ…」ヤレヤレ

入間「しかも、一睡もしてねーんだよ!おまけに2徹だ、2徹!ふざけんな!」

ゴン太「お、落ち着いて入間さん!肌が荒れちゃうよ!」

白銀「問題はそこじゃないと思うけど…」
302 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:54:18.09 ID:1hCPiQWWO
真宮寺「通りでいつもより暴言が多いと思ったヨ」

赤松「いつも通りじゃない?」

真宮寺「…………」

真宮寺「あァ、それもそうだネ」

入間「どいつもこいつもーッ!!」ムッキー!!

東条「入間さん」ガシッ

入間「…ふぇ?」

東条「寝ましょう。私が子守唄を歌ってあげるから」ヨッコイショ

入間「あ、あぁん!無理矢理(部屋に)入れちゃうの…!?」ズルズル

ガチャ パタン…

赤松「東条さんに連れてかれちゃった…」

白銀「わたしも地味に眠くなってきちゃった…」フワァ

東条「だったら一旦休息を取ることをオススメするわ」ガチャ

茶柱「寝かしつけるの早いですね!?」

東条「隠し通路を調べているという王馬君達には悪いけれど…今はモノクマ達もやって来なくなったし、取れるときに休息を取っておくべきだと思うわ」

東条「そうね…10時頃になったらまた集まりましょう。寝る人は遠慮なく寝て頂戴。時間になったら私が起こしにいくから」

赤松「本格的にお母さんみたいになってきたよ…!」

白銀「だったらお言葉に甘えて…おやすみなさ〜い…」スタスタ
303 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:54:48.93 ID:1hCPiQWWO
夢野「ではウチも寝るとするかのぅ…」フワァ

茶柱「で、でしたら転子も共に…!」ハァハァ

夢野「お主さっきまだ動けると言っておったではないか」スタスタ ガチャバタン

茶柱「ぬがあああ!数分前の転子!恨みますよぉ…!!」

赤松「どっちみちダメだったんじゃないかな…」

真宮寺「じゃあ僕も少し休憩してこようかな…」

星(残ったのは東条、赤松、夜長、茶柱、ゴン太か)

星「あんたは眠くないのか?」

アンジー「ん?アンジーは避難してるときにぐっすり寝たから平気なのだー!」

茶柱「よく眠れましたね…モノクマが襲ってくるかもしれないというのに」

東条「赤松さんは大丈夫なの?」

赤松「…うん。大丈夫だよ!寝ることも忘れてピアノ弾いてたこともあるくらいだし!」

東条「そう…時間はわりとあるのだからいつでも休んでね」

ゴン太「そういう東条さんは大丈夫なの?」

東条「ええ。ちょっと外を見てくるわ、じっとしていると落ち着かないし」

ゴン太「あ、だったらゴン太がやるよ!ゴン太は紳士なんだよ?東条さんは女性なんだから休憩して!」タッタッタ

東条「ちょっと待っ……行ってしまったわ」

星「ゴン太らしいじゃねーか。あいつの言葉に甘えて今は休憩をしたらどうだ?」
304 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:55:36.68 ID:1hCPiQWWO
東条「休憩…?そんな言葉は私の辞書にないわ」コンワク

星「じゃあ追加しろ」

東条「…………」

アンジー「……」グー

アンジー「アンジー、お腹空いてきたかもー…」グゥ

茶柱「モノクマとの戦闘でけっこう体力使いましたしね…」グー

東条「…軽食を作りに行きましょうか?モノクマもいないようだし…」

茶柱「ですが、もしものことがあったら…」

東条「私なら平気よ。それに少し働きたい気分なの」

茶柱「ですが…!」

赤松「あ…ちょっと待って!私にいい考えがあるんだ!」

東条「いい考え?」

赤松「うん。えっと、茶柱さんちょっと手伝ってくれない?私の部屋に来てほしいんだ」タッタッタ

茶柱「もちろんです!」タッタッタ

東条「…私が手伝いたかったわ…」ウズウズ

星(うずうずしてるな…)



赤松「ん…しょ…っと!」ドサッ

赤松「はい、まずは飲み物だよ!飲みたい人は遠慮なく飲んで」

星(赤松が重そうに段ボールを抱えてきた)

星「飲み物?」ノゾキコミ

星(…と覗きこんでみると)

星「大量のウーロン茶だと…?それに他の飲み物もたくさん…なんでこんなもんが部屋に?」
305 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:57:20.72 ID:1hCPiQWWO
赤松「ガチャだよ」

星「…は?」

赤松「ガチャ」キリッ

星「…そ、そうか…」

星(ガチャやりすぎだろ)

アンジー「じゃあアンジーは不死の酒フリーにしよーっと!」プシュ
茶柱「え?それってお酒では…」

アンジー「んぐ、んぐ…ぷはぁ!」

茶柱「なんのためらいもなく飲んじゃいましたね!?」

赤松「ノンアルコールだから平気だよ」

アンジー「…にゃはは〜れんこも飲もうよ〜?」フラフラ

茶柱「思いっきり酔っぱらってますが!?」

赤松「え!?」

東条「…おかしいわね」

赤松「うーん…場酔いってやつかな?飲ませるんじゃなかった…」

アンジー「にゃはは〜転子ぉ〜」ギュウ

茶柱「はう!?て、転子には夢野さんが…!」ギュウギュウ

赤松「えーっと、食べ物の方も見てほしいんだけど…」

東条「どれど…!?」ギュ

アンジー「斬美〜」ギュウ

東条「夜長さん…離れてくれないかしら……」

アンジー「んぅ〜?聞こえないなぁ〜にゃはは〜」フラー
306 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 21:59:43.91 ID:1hCPiQWWO
赤松「アンジーさんが男性だったらセクハラで訴えられてるよ!?」

茶柱「そういう問題じゃないと思いますが…」

星「…ゴン太にも何か渡してくる」ゴソゴソ タタタ ガチャ

茶柱「あっ、星さん、絡まれる前に逃げましたね!?」

ゴン太「あれ、星君。どうしたの?」

星「赤松が飲み物やらなんやら大量に持ってたんだ。どれかいるか?」

ゴン太「わぁ、ありがとう!ええっと…」

ゴン太「あ、ごめん!ゴン太、ここにある飲み物全部苦手なんだ…」ショボン

ゴン太「ごめんね…喉が乾いたらあそこの水道で水を飲むよ」

星「…そうか。まぁだれにだって好き嫌いはあるさ。食べ物はどうだ?」

ゴン太「…あ!うさぎりんごだ!」

星「好きなのか?」

ゴン太「うん!虫さんがね!」

星「…あんたの食いたいもんはねーのか?」

ゴン太「え?ゴン太の……うーん…なんだか変わったものばかりだね…」

星「…確かにそうだな」

ゴン太「じゃあ…この水切りヨーグルトもらおうかな…あと、うさぎりんごもたくさんもらうね」

ゴン太「りんご美味しいなぁ」ムッシャムッシャ

星「…よかったな」

星(…虫さんが好きなんじゃなかったんのかよ、という突っ込みは野暮か?)
307 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 22:04:03.13 ID:1hCPiQWWO
ゴン太「後で赤松さんにお礼を言わないと…星君もありがとうね」ムシャァ

星「ああ、外の見張り頼んだぞ」

ゴン太「うん!」

星(…と中に戻ると)

アンジー「にゃはは〜おーい転子ぉ!もういっぱぁ〜い」ニヘラ

茶柱「もうこれ以上は駄目ですってば!っていうかこれ、ほんとにノンアルですよね!?」

アンジー「いいからぁ〜」ギュウ

茶柱「はうあ!?」

赤松「茶柱さ〜ん、私にもついでぇ〜」ムギュ

茶柱「あうぅ……んっ!?なんで赤松さんまで酔ってるんですか!?」ゴーン

東条「……………星君。これ、本当にノンアルコールなのかしら…」ゴクゴク

星「そう書いてあるが…ってあんたも飲んでるのか。平気なのか?」

東条「ええ。……平気よ。それより掃除しないと…」シャカシャカ

星(そう言いながら東条は歯磨きを始めた)

星(なぜ歯磨き?どこからそのセットは取り出した?掃除……確かに歯の掃除はしているな、うん)グルグル

星(…じゃねーよ!……あんたも酔ってるだろ。これってノンアルじゃなかったのか?もしくはあんたら、疲れてるのか?)グルグル

アンジー「転子〜…いい胸してるなー!」モミ

茶柱「きゃう!?あああ、アンジーさんセクハラです!!」カァァ

赤松「ぐへへ〜お嬢ちゃん、スカートめくっちゃうぞ〜」ペラ

茶柱「はぅあ!?赤松さん、セクハラ親父ですか!?」ガーン

東条「掃除、掃除…」シャカシャカ

星「……」

星(ここが地獄か)ズーン

308 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/11(日) 22:05:00.72 ID:1hCPiQWWO
今日はここまでにします、くますみー
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 12:09:10.65 ID:267XQAOv0
地獄というより天国じゃね?と思ったけどそういえば星さんにエロ本見せた時も渋い顔されたな…
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 19:08:44.89 ID:6JhgiN2ho
ノンアルコールって言っても実際は0.5%くらい入ってたりするし
疲れてると酔いやすくなる。だからおかしくないな
311 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:46:47.05 ID:BXuZnDamO
>>306 訂正
星(…虫さんが好きなんじゃなかったんのかよ、という突っ込みは野暮か?)

星(…虫さんが好きなんじゃなかったのかよ、という突っ込みは野暮か?)


>>309
軽い気持ちでえっちな本を読もうかを選択して後悔した思い出…

>>310
そうです!だからおかしくないです!!(ごり押し)

では更新再開です
312 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:47:13.97 ID:BXuZnDamO


王馬「…………にしし」

百田「…なに笑ってんだよ、テメーはよ」

王馬「え?ワクワクするなぁって」

百田「ワクワクだと…?」

王馬「先に何があるか分からない。何が出るか分からない。ね、ワクワクするでしょ?」

王馬「それにほら…ここ、幽霊とか出そうじゃん…?」

最原「そうかなぁ…どっかっていうとゾンビ…あ」

百田「ゆゆ、幽霊だとぉ!?ゾンビだとぉ!?」バッ

春川「なっ…!?」ギュウ

百田「こ、こんなところにいるわけねーだろ!!」

春川「………ッ!」プルプル

最原「ちょっと、百田くん!何度過ちを繰り返すの!?」

王馬(何回も春川ちゃんに抱きついてるのか…)

天海「…転んだりしたら危ないっすよ?」

春川「ふざっ、けないで!」ドゴォッ

百田「ごふっ…!」

春川「はーっ、はーっ…!」カァァ

王馬「ねぇ早く行こうよ」

天海「王馬君のせいっすよね?」

王馬「え、なんのこと?」

最原「ホントやめてよ…」
313 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:47:48.84 ID:BXuZnDamO
王馬「オレは空気を和ませようとしただけだよ?むしろ褒め称えてよね!」

春川「…」バシッ

王馬「なんで叩くのさ!」ヒリヒリ

春川「叩いてって言ったからだけど…」

王馬「称えてって言ったんだけど!ひどい聞き間違いだよ!」

天海「こらこら兄弟喧嘩は止めるっす」

春川「は?誰がこんなやつと兄弟だって?殺されたいの?」ギロ

最原「火に油を注いでどうするんだよ…」

春川「…早く行こうよ」スタスタ

百田「おいひとりで行くな、ハルマキ!」

コツコツ…

王馬(長い通路の先…そこは)

王馬「扉?」

百田「出口か!?」

天海「……………」

最原「開きそう?」

春川「うん、多分ね。よっ…っと」

ゴゴゴゴゴ

王馬(扉の先に足を踏み入れる。そこは…)
314 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:48:15.69 ID:BXuZnDamO
最原「…なんだ、この悪趣味な部屋は…」ボソ

王馬(悪趣味。その言葉が確かにピッタリくるかもしれない)

王馬(派手な壁、飾り、ソファ。全然オレの趣味じゃないよ。まぁオレの趣味なんて関係ないだろうけど)

春川「…こんな部屋があったなんてね」

百田「出口じゃねーみてーだな」ガッカリ

王馬「あーあ、ガッカリだよね…」

百田「…そうだな。だが、調べてみればきっと何か手がかりを見つけることができるはずだ!」

王馬「時々、百田ちゃんのその呑気さが羨ましくなるよ」

百田「誰が呑気だって!?」

王馬(怒鳴ってくる百田ちゃんを無視してその辺を物色しようと思ったが)

春川「……」ジー

王馬「やっぱそれ気になるよねー」

王馬(赤い布が被せられた”それ”はこの部屋において異常なほどの存在感を放っていた)

王馬「モノクマ製造機ってどこにあるのかなー?怪しいところにありそうだよねー?」

百田「もしかしてこれがそうなのか…?」

最原「いかにも…って感じだね」

春川「布、取るよ?」バサッ

王馬「もう取ってんじゃん…って」

マザーモノクマ「きゃーー!!春川さんのエッチー!!」
315 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:49:31.07 ID:BXuZnDamO
百田「モノクマだと!?いや…頭だけ…なのか?」

春川「……」スゥ

最原「待って!まだ壊さないで!」アセアセ

春川「分かってる。こいつを脅すだけ」

マザーモノクマ「怖いよー」ウエーン

王馬「…で、お前はなんなの?」

マザーモノクマ「なんなの?今、なんなのとおっしゃいましたね!?」

マザーモノクマ「よくぞ聞いてくれました!ボクはすべてのモノクマの祖となる存在なのです!そしてマザーモノクマという特別な名前が与えられているのだー!」

百田「…ってことはやっぱり、テメーがスペアを作ってたんだな!?」

マザーモノクマ「うん、そうだよ!ほら、背後に素晴らしい機械が見えるでしょ?」

マザーモノクマ「これでモノクマの型を作って、ボクの思考をコピーするんだよ」

天海「…なんでそんなにあっさり情報を教えるんすか?」

マザーモノクマ「んー?あえて言うなら…盛り上げるため、かな

春川「…私達をここに連れてきた目的は?」

マザーモノクマ「最初に言ったでしょ?恋愛バラエティうんぬんだよ」

春川「それは変わらない…か。じゃあ誰が連れてきたわけ?」

マザーモノクマ「さぁねー!そもそもそんな人いるのかな〜?」

春川「…ちっ」
316 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:50:05.77 ID:BXuZnDamO
王馬「その辺のことは意地でも教えないつもりみたいだね。じゃあ代わりに今夜起こったことについて聞かせてもらおうか」

王馬「じゃないと問答無用でぶっ壊すよ。…春川ちゃんが!」

春川「は?あんたの言うことなんて聞くわけないじゃん」

王馬「え!?そんな!前世で交わしたかもしれない血の契り的ななにかを忘れたっていうの!?」

百田「テメーも覚えてねーじゃねーか…っていうか、嘘だろーが」

王馬「嘘じゃないって!」

百田「いや嘘だろ!」

王馬「ホントだって!」

春川「そんなことしてる場合じゃないでしょ…」

マザーモノクマ「こらこら喧嘩しない、しない!」

マザーモノクマ「分かったよ、答えてあげる!」

最原「…ずいぶんあっさり答えるんだな?」

マザーモノクマ「まぁそれくらいなら別に問題ないしね!ノープロブレムなのだー!」

最原「…じゃあまず僕から聞こうか。大量のモノクマを製造して外に出るよう命令を下したのはお前か?」

マザーモノクマ「イエス!」

春川「じゃあそいつらを私達を襲わせたのもあんた?」

マザーモノクマ「Yes!」
317 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:50:43.62 ID:BXuZnDamO
百田「ちっ…!とんでもねーことしやがる…怪我人だって出たんだぞ!?」

百田「なんでこんなことしやがった!?」

マザーモノクマ「うぷぷ…盛り上げるために決まってんじゃーん!」

天海「……一体誰が盛り上げようとしてるんすか?俺としてはそこが一番気になるんすけどね」

マザーモノクマ「あのさぁ、ゆとり世代じゃないんだから自分で考えようよ」ヤレヤレ

王馬「分かった!じゃあ考えてみるね!うーん、誰だろうな〜」

王馬「…あ、関係ないけどオレの部屋に来てぶっ壊されたことも覚えてんの?」

マザーモノクマ「あぁ、あれね。もちろん覚えているよ。うぷぷ、あのときは痛かったんだよ?」

マザーモノクマ「まぁ、大量に出産したときの痛みに比べれば、かわいいもんだったけどね!」

春川「大量に出産?…やっぱりモノクマの数は限られてたんだね」

マザーモノクマ「うん、まぁね。とりあえず20体くらいで産むのやめたんだ」

マザーモノクマ「子育ての費用もバカにならないし、大学までちゃんと行かせてあげたいからね」

春川「バカらしい…全部ぶっ壊したっていうのにさ」

王馬「……でもさ、いつものモノクマと今回の大量のモノクマってなんか、普段のモノクマと違う感じしたんだよね」

天海「違う…?」

王馬「なんていうか……そう、知能がない感じ?だって、がおーとかそんなことしか言ってなかったでしょ?」

最原「…確かにそうだね。攻撃に特化しただけのロボットって感じだった」

百田「オレらを見ただけで襲ってきやがったもんな…」

マザーモノクマ「うぷぷ…実は…」

マザーモノクマ「………」
318 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:53:35.19 ID:BXuZnDamO
春川「言いたいことあるならさっさと言いなよ」

マザーモノクマ「…うっうっ…実は…我が子にもっと強くなってほしかったんだ…!」

天海「強く…っすか?」

マザーモノクマ「…だって長男は王馬クンにあっさり壊されちゃったでしょ?」

マザーモノクマ「だからボクは…次に産まれてくる子達はもっと元気に育ってほしいと願ったんだよ」

春川「そんな前置きいらないよ、壊されたいの?」

マザーモノクマ「せっかちだなぁ……ボクはね、愛を込めたんだ、とびっきりの愛をね」

春川「……はぁ?」

百田「愛だと?わけわかんねーこと言ってんじゃねーよ」

王馬「っていうか、ロボに愛なんてあるわけないじゃん」

マザーモノクマ「むかー!あるに決まってるでしょ!ボクは愛を込めたの!」

最原「ロボットであるモノクマに愛なんてないだろうし…隠語?」

王馬「じゃあ適当に言っていこう!えーと、水!」

マザーモノクマ「ぶっぶー!」

天海「電気っすかね?」

マザーモノクマ「ぶっぶー!!」

王馬「ヒントちょーだい!」

最原「なんでクイズみたいになってるんだよ…」
319 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:55:50.05 ID:BXuZnDamO
マザーモノクマ「えーヒントー?いいよ!」

百田「あっさりヒント出すのかよ」

マザーモノクマ「キミ達、スマホ持ってる?…ほら、なんとかバスターとか入れてない?」

百田「…おい、まさかよ。コンピュータウイルス…なんてこたぁねーよな?」

マザーモノクマ「うぷぷ、正解!ピンポンピンポーン!」

王馬(ウイルス…?なんか聞き覚えがあるような…どこで聞いたんだっけ)

王馬(………!)

王馬(そうだ。入間ちゃんがキーボのことを話しているときに、言っていたんだ…!)


キーボ『なにかの…ウイ…ルスが…ボクの中に……』ガガガッ


王馬(もしかして…キーボも?)

春川「コンピュータウイルス、か…」

百田「…オレも感染したことあるぜ。オレんときはパソコンの画面がおかしくなっちまったんだよな」シミジミ

王馬「へー、なんで感染したの?」

百田「…あ?そ、そりゃまぁ……」

百田「…」

王馬「んーどうしたの?言えないの?」

百田「べ、別になんだっていいだろーが!オメーには関係ねーよ」

王馬「にしし!オレには分かるよー。エッチなサイト見たんでしょー!」
320 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 21:57:48.38 ID:BXuZnDamO
百田「!?」

春川「ッ!?」

最原「…………」

天海「……」

王馬「あらら図星だった?百田ちゃんってば見た目通りムッツリだなぁ」

百田「みみみっ、見てねーよ!オレがそんなの見るわけねーだろーが!」

春川「………………」ジロ

百田「ハルマキもそんな目で見んじゃねーよ!オレのこと疑ってんのか!?」

春川「………別に、あんただって男だもんね」プイッ

百田「思いっきり疑ってるじゃねーか………まぁいい。…よくねーけどな」

百田「で…マザーモノクマは今回大量に作ったモノクマ共にウイルスを感染させた…ってことでいいんだよな?」

春川「でも、そんなウイルスなんて本当にあるわけ?」

春川「そいつが嘘ついてる可能性だってあるよね?」

天海「その可能性はあるっすけど…エグイサルとかモノクマがいるくらいっすからそんなウイルスが作られてもおかしくないかもしれないっすよ?」

春川「まぁ……そうか。ここでは今までの常識が通用しない時もあるもんね」

王馬「ホント参っちゃうよね、ウイルスなんてさぁ」

王馬「オレ達は人間だったからいいけど…人間じゃなかったらどうなってたか分かったもんじゃないよ」

王馬「…ねーモノクマー?」

マザーモノクマ「……んー?どういうことかな?」
321 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:00:57.71 ID:BXuZnDamO
王馬「あはは、やだなー。しらばっくれないでよ、ロボットの癖に」

春川「あんた、さっきから何が言いたいの?」

王馬「あぁ、オレ思ったんだよねー。モノクマにウイルスが効くなら他にも効きそうなやつがいるんじゃないかってさ」

王馬「キーボとか……さ」

マザーモノクマ「……」

春川「もしかして…キーボがおかしくなったのは、こいつが原因なわけ?」

百田「おい、どうなんだモノクマ!」

王馬「沈黙は肯定とみなすよー?」

マザーモノクマ「……」

百田「…入間が調べたら、原因だって分かるかもしれないし、ここで黙ってても仕方ないと思うぞ?」

王馬「あはは、そうだね!入間ちゃんってほんっと便利だねー!」

最原「そういう言い方はどうかと思うけど……その通りだよ」

百田「…さっさと吐いちまった方が楽になるぜ?」

王馬「ロボットだから楽とか感じないだろうけどねー」

百田「だーっ!いちいちうっせーな、テメーはよ!」

春川「…壊されたくなかったら、答えなよ」スッ

マザーモノクマ「あーはいはい分かったよ。入間さんが調べるまでもないよ。だって同じウイルスが検出されるだろうしね」
322 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:03:25.40 ID:BXuZnDamO
天海「それはキミがキーボ君にウイルスを送り込んだ…ってことでいいんすね?」

マザーモノクマ「愛だって!…まぁキーボクンはボクの子供でもなんでもない赤の他ロボなんだけど、愛は平等だから…ね?」

天海「…」

百田「くそっ、ムカつくヤローだぜ…!」

天海「…………だけど、どうしてこんなに情報を…」ブツブツ

天海「…なんかきな臭いっすね」ブツブツ

王馬「……」

王馬(……他に聞き出す情報を…あ)

王馬(…そうだ。ちょっとモノクマのスペアでも作らせてみようかな、ホントかどうか分かんないし)

王馬「ねぇねぇ、モノクマ!試しにスペア1個作ってみてよ」

百田「なんで作らんすんだよ?また襲いかかってきたらどーすんだ?」

王馬「オレとしては、いろいろ確認したいんだよね。製造できるのかとかウイルスのこととかさ」

最原「そうだね…嘘を言ってる可能性もあるし一応、確認はしておきたいな」

マザーモノクマ「…」

最原「…作らないのか?」

マザーモノクマ「愛もないのに産めるわけないじゃない!」

王馬「は?ロボに愛とかあると思ってんの?いいから産めよ」

マザーモノクマ「…」
323 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:04:58.27 ID:BXuZnDamO
春川「さっさと産んでみなよ。すぐにぶっ壊すけどね」

マザーモノクマ「…」

天海「……産んでください」

マザーモノクマ「…」

最原「どうしたんだ?産めって言ってるんだ、聞こえないのか?」

マザーモノクマ「あぁんもう、しつこいなぁ!産んだ後の事とか考えてるの!?無責任に産めだなんて言わないでよっ!」

百田「いいから産めっつってんだろーが!」

マザーモノクマ「嫌でーす!」

春川「ちっ…」

最原「…………」フム

王馬(結局その後も何回も産むように言ったけど、マザーモノクマはモノクマを産まなかった…)



マザーモノクマ「そんなに産ませたいの……?でも、あなたたちには屈しないわ!」ゼーゼー

王馬「はぁ、ダメみたいだね。諦めようか」

最原「…えっと他に聞くことはあるかな?」

春川「…あるけど、どうせこいつが答えないことだろうから私はもういいよ」ハァ

天海「俺としても聞きたいことはあるっすけど…才能のこととか。ま、どうせ答えないでしょうね」

百田「おいオメーら――−」

王馬「みんなそんなに簡単に諦めたらダメだよ!」

百田「!?」

王馬「せっかくここまで来たんだからもう少し頑張ろうよ!」
324 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:07:11.66 ID:BXuZnDamO
春川「…悪いけどあんたに励ましの言葉を言われても、嘘臭くにしか感じないよ」

王馬「あはは、ひどいなー。オレだって傷付くときくらいあるんだからね?」

春川「……」

百田「…だが、そいつの言う通りだ。せっかくこいつを追い詰めたんだから聞けることは徹底的に聞かねーとな」

最原「…そうだね。僕達にできることをやろう」

春川「……ん」コクン

王馬「あーあ、みんな百田ちゃんの言うことには聞くんだね。全く、オレも嫌われたもんだよ」

天海「なんだかんだ、そんなことはないと思うっすよ」

王馬「うーん…天海ちゃんに言われてもなんか嬉しくないなぁ…」

天海「なんで……」ガーン

王馬「いやなんかもう、いろいろと?…いや、そんなことより」

王馬「モノクマ!他の質問にも答えてくれない?」

マザーモノクマ「…えー?」

王馬「…オレらのおかげで今日すっごい盛り上がったでしょ?ちょっとはサービスしてくれてもいいんじゃないのー?」

百田「このままじゃフェアじゃねーだろ。勝手に襲ってきたりしてよ」

マザーモノクマ「んー……」

最原「王馬くんがモノクマを壊してエグイサルが襲いかかってきことをぬきにしても、大量のモノクマを僕達に襲わせたことは納得がいかないぞ」

マザーモノクマ「うーーーーーん……」
325 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:09:26.66 ID:BXuZnDamO
天海「そんなことした理由が”盛り上げたいから”って主張したいなら、俺達は別にそれでもいいんすよ?」

春川「だけどそれに釣り合うくらいの情報はくれたっていいんじゃない?確かにあんたの製造の仕方とかは分かったけどさ…これだけじゃ、まだ足りないよ」

王馬「こっちは怪我人出てるし、キーボだって直るか分かんないくらいの被害は出てるんだよ?」

マザーモノクマ「…ん”ん”〜〜」

王馬「それにさ…情報を提供して、またオレ達が動く方が喜ぶんじゃないの?…視聴者とやらはさ」

マザーモノクマ「……」

マザーモノクマ「はぁ、なんでこんなときだけ息がぴったりなんだか……ま、いっか」

マザーモノクマ「はいはい分かったよ。教えられることは教えてあげる」

王馬「わーいありがと!」

マザーモノクマ「これで盛り上がるっていうならね。それに生徒の情熱に答えてあげるのが先生の役割だしさ」

天海「……ホントっすかね?」ボソ

マザーモノクマ「ん?天海クン、なんか言った?」

天海「や、別に何も言ってねーっすよ」

王馬「じゃあ早速聞くけど、ここって出口どこにあるの?ああ、この部屋からじゃなくてこの学園からってことね」

マザーモノクマ「ざーんねん!そんなの教えられるわけないじゃん!」

春川「さすがに答えないか…」

マザーモノクマ「答えは与えないよ。でもヒントはもう与えてあるでしょ?」

王馬「ヒント…もしかして、あのスイッチのこと?」
326 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:11:57.72 ID:BXuZnDamO
マザーモノクマ「そうそう、それ。オマエラああいうの好きでしょ?先生に質問するだけじゃなくて自分でも考えてみなよ」

王馬「うん分かったよ!」

王馬(まぁスイッチの解析は全部入間ちゃんにやらせてるけどね!)

最原「…僕もお前に聞きたいことがある。お前が答えるかどうかは分からないけどな…」

マザーモノクマ「うんうん。何かな?とりあえずレッツ質問!カモン!」

最原「………」

最原「首謀者は…いるのか?」

マザーモノクマ「首謀…者?うーん、コロシアイでもないのにそんなの探して意味があるの?」

天海「意味ならあるっすよ。だってそいつがキミを介してモノクマで俺達を襲わせた可能性が高いんすから」

天海「今までの質問だって全部キミがやったって言ってたっすけど、キミだってロボットなんすから、その裏にはキミに指示を与えた必ず首謀者がいるはずっす」

天海「まさか全部自分で考えて行動…なんて言わないっすよね」

王馬「そいつがキーボみたいに高性能なロボットならその可能性もあるかもしれないけど……ま、首謀者はいるだろうね」

マザーモノクマ「…………」

マザーモノクマ「…ま、いっか。最後だし?こっちもこき使われてちょっとイライラしてたし?ヒントくらいならあげるよ」

百田「また盛り上げるため…ってやつか?はん、皮肉なもんだな。オレらがやることなすこと全部テメーにとっちゃあ好都合ってわけだ」

マザーモノクマ「うぷぷ…まぁいいじゃん、いいじゃん。ウィンウィンな関係ってやつだよ、よく聞くでしょ?」

百田「ちっ…どこがだよ」

マザーモノクマ「うぷぷ…!オマエラが探している人物はー…」

最原「…」ゴクリ

マザーモノクマ「頻繁にこの部屋を訪れているよ!」
327 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/13(火) 22:21:05.58 ID:BXuZnDamO
今日はここまでにします

この辺のくだりでは、マザーモノクマとか隠し部屋等、細かいところを作者が完全に把握しきれていない場合があります……すいません
なるべくそうならないように、チェックしたいと思います。くますみー
328 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 22:59:45.61 ID:O7sAYSqqO
最原「!」

春川「頻繁に…?ってことはやっぱり首謀者はいるんだ。それが聞けただけで十分だよ」

春川「そいつをどうにかすればこんなふざけたところでの生活も終わるんでしょ?」ギロ

マザーモノクマ「やーん!そんなに睨まないでよー」

最原「………」

最原「頻繁に…ってことはずっとここにいるわけじゃないんだな?」

マザーモノクマ「うぷぷ……まぁ言葉通りに受け取ってよ」

王馬(頻繁…)

王馬「……。…ねぇ、先生!もう1個質問するよ」

王馬「…さっきの話をちょいと蒸し返すようになって悪いんだけど、出口の場所は教えなくていいから、出口がひとつかどうかだけ教えてくれない?」

マザーモノクマ「えーそれはちょっとなぁ…」

王馬「残念だなぁ。二度と産めない体になっちゃうね…」スッ

マザーモノクマ「止めて!お腹の子には手を出さないで!」

王馬「じゃあ答えてくれるんだね?」

マザーモノクマ「…………」

最原(モノクマがロボットだから大丈夫だけど言葉だけ聞くと完全にアウトだな…)

マザーモノクマ「あぁんもう…特別だよ?」

マザーモノクマ「出口はひとつ…だよ」

王馬「…にしし、ありがと」
329 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:00:14.98 ID:O7sAYSqqO
百田「つーことは…出口はあるってことだな!」

百田「もうこいつが、オレらの卒業を許すのを待たなくていいってことだなっ!!」

百田「…ぜってー見つけてやる!んで、こんなところからはおさらばだ!」

春川「…………………」

春川「うん…そうだね」

王馬「ま、オレが聞いたのはそれを確かめるだけじゃないけどね」

春川「…どういうこと?」

天海「……」

最原「入間さんが今、スイッチの解析中なんだよね?出口の場所とその出現方法によっては首謀者の手がかりになるかもしれないんだ」

百田「それがどうしたんだ?」

最原「…ごめん、今はまだ推測だから話せない。…僕の予想が当たらないことを願っているけど」

王馬「…ま、覚悟はしといた方がいいかもねー」

百田「…?」

百田「ま、とりあえず聞ける情報は聞けたな」

春川「逆にペラペラ話しすぎて気味が悪いくらいだよ」

天海「…そうっすね。そこんとこもちょっと気になるっすけど…どうせ盛り上げるの一点張りでしょうね」

王馬「……」
330 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:01:29.56 ID:O7sAYSqqO
王馬「あ、モノクマさぁ」

マザーモノクマ「なに?」

王馬「オレが首謀者なのになんでモノクマ産んでくれなかったの?」

春川「え?」

百田「…はっ!?」

マザーモノクマ「…は?なに言ってるの?」

王馬「だーかーらー!首謀者はオレなのに!どうしてモノクマを1体も産んでくれないのさ!」プンスコ

百田「ちょ、ちょっと待て!テメーが首謀者ってどういうことだ!?」

王馬「どうしたもこうしたもないよ。オレが大量のモノクマをけしかけてキミらを襲わせたってことだよ」

百田「なにバカなこと言ってんだ!こんなときまで嘘つくんじゃねーよ!」

王馬「オレが嘘つくわけないでしょ!キミはオレの何を見てたっていうの!?」

春川「あんたが嘘つきってところなら散々見てきたけど?」ギロ

マザーモノクマ「第一、キミにモノクマを産めるわけないじゃない!」

マザーモノクマ「だってボクには声紋認証が組み込まれていて、本人の声でしか産めないんだから!」

王馬「へーそうなんだ!それは知らなかったなー」キラキラ

マザーモノクマ「え?…はっ、言ってしまった!!」

百田「…はぁっ!?」
331 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:02:22.84 ID:O7sAYSqqO
最原「キミが首謀者っていうのはやっぱり嘘なんだね」
王馬「うん、そうだよ!モノクマがオレの部屋に来たときに…」

モノクマ《うぷぷ…ボクはあいつさえいれば、あいつが言えば、何度でも復活できるんだよー!』ミシ…

王馬「って言ってたからちょっと嘘ついてみたんだ!そしたらまんまと喋ってくれたね!」

王馬「…ま、わざと話に乗って、うっかり喋ったのかもしれないけどさー。ねーモノクマー?」

天海「…そうかもしれませんね」

マザーモノクマ「うぷぷ…いやぁ参った参った…」

マザーモノクマ「まぁ聞いてくれたら答えたんだけどね?」

王馬「えーじゃあ余計な芝居しちゃったなー」

王馬「ま、いいや!というわけで、百田ちゃん、見事騙されてくれてありがとう!」ニコニコ

百田「ふざけんな!テメー、ついていい嘘と悪い嘘があるぞ!」

王馬「ごめんって!」

春川「……」ベシッ

王馬「…〜っ!!痛いよ、春川ちゃん…」

春川「…ふん」

王馬「……でもこれで確実な証拠を掴むことができるようになったね!」

王馬「こいつは首謀者の声じゃないとモノクマを産めない。ってことは、首謀者を特定する材料になるわけだ」
332 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:04:02.36 ID:O7sAYSqqO
春川「…そういえば、さっき私達全員こいつに産めって言ったよね?」

最原「ってことは、この5人の中に首謀者はいないんだね」ホッ

百田「ん?なんでオレらの中に首謀者がいるって考えてんだ?首謀者はどっかに隠れている第三者だろ?」

王馬「全くおめでたい頭だねー。まぁ別にいいけどさ」

百田「何が言いてーんだよ…」

天海「俺達の中に…16人の中に、首謀者がいるかもしれないってことっすよ」

百田「…は?」

春川「私達の中に…?なんでそうなるわけ?」

王馬「さっきマザーモノクマが言ってたでしょ。首謀者は”頻繁に”この部屋を訪れているって」

最原「つまり…ずっとこの部屋にいるってわけじゃないんだ。だったらなぜ首謀者はずっとこの部屋にいないんだろう」

百田「それは…定期的に出口を通して外に出ているからじゃねーか?」

最原「それだと僕たちに見つかってしまう可能性もあるよね。この部屋にいる方がずっと安全だよ」

春川「人目につきにくい夜に活動している可能性は?」

王馬「わりと夜ふらふら動いてるやつもいるし、そもそも隠し部屋の外に出ること自体がリスクの高いことだよね?」

百田「出口がここにあるかもしれねーじゃねーか」

天海「確かにそうっすね。入間さんがスイッチの解析を終わらせたらハッキリするっす」

百田「だったらオレ達の中に首謀者なんて……!」

天海「でも、もっとハッキリさせる方法があるっす」

百田「…?なんだよ、その方法って」
333 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:06:00.83 ID:O7sAYSqqO
天海「みんなに、マザーモノクマに産めって言ってもらうんすよ」

百田「…首謀者だったら、モノクマを産むってか?」

百田「……仲間を疑えって言うのかよ…!オレは、オレ達の中に首謀者がいるなんて信じねーぞ!」

最原「………」

王馬「でもさー首謀者がオレ達の中にいたまま外に出るのは危険でしょ?だったらハッキリさせた方がみんなのためだよ」

百田「だがっ…!!」

王馬「ところでさー、百田ちゃんは首謀者のことをどう思う?」

百田「どうって…そりゃムカついてるぜ。閉じ込めやがったりモノクマでオレらを殺そうとしやがったりしたしな」

王馬「やっぱり百田ちゃんもオレと同じ気持ちなんだね!嬉しいな〜実は、オレもこんなことした首謀者がムカつくんだよねー!」

百田「だからどうしたってんだよ…」

王馬「にししし………」

春川「…なんで笑ってるわけ?」

王馬「いや、なんとなく?なんかオレがすっかり悪者みたいな感じになってきたからおかしくってさ。ホントに悪いのは首謀者なのにね?」

最原「……」

王馬「……キーボのことは話したよね?」

百田「ウイルスに感染してテメーらを襲ったんだろ?」

王馬「あとは?」

百田「あとは…データを消されちまったって…言ってたな」

王馬「キーボがそんな風になったのは首謀者のせいだとしたら?ウイルスに感染するのはロボットだから仕方ないとしてデータまで消す必要なんてないよね?」

王馬「それなのにキーボのデータは消された。これって殺されたようなもんだよね」

王馬「キーボ自体は直っても、オレ達との記録はもう戻らないかもしれないんだからさー」

百田「…ッ」
334 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:07:27.55 ID:O7sAYSqqO
王馬「それにモノクマのことだってそうだよ。たまたま無事だっただけでもしかしたら誰か殺されていた可能性だってある」

王馬「ねぇ……百田ちゃん。それでもキミは首謀者を許せるの?もし首謀者が見つかったらどうするの?」

百田「……」

百田「…………」

王馬「答えてよ、百田ちゃん。オレはキミの答えが聞いてみたいなー」

春川「答える必要なんてない」

王馬「あ、部外者は黙っててくれる?今オレはキミとじゃなくて百田ちゃんと話してるんだ。それに首謀者の処遇を決めるのも大事でしょ?」

春川「……ッ!」ブチッ

天海「春川さん、落ち着くっす…」

王馬「百田ちゃん、返答はまだー?」

百田「…」

王馬「あらら、まだ考え中みたいだね。じゃあ他の人に聞いとこうかな、はい最原ちゃん!」

最原「僕…?僕は……第三者だったら許せない…けど」

最原「僕達16人の中にいるとしたら………まだちょっと分からないよ…」

最原(僕は本当に…真実を暴いていいんだろうか……そのせいで、また誰かが…)

最原「………」

王馬「自分で首謀者の話題をモノクマに振っておきながらそんな答え?ま、いっか次、春川ちゃん!」

春川「答える義理なんてない」

王馬「ひどいな〜首謀者を半殺しにする、くらい言ってくれると思ったのに。んじゃ次天海ちゃん」

天海「首謀者が見つかったらどうするか…っすか。俺だけじゃ決められねーっすね。みんなで意見を出し合って決めるっす」

王馬「へー思ったより平和主義なんだね、天海ちゃんは!」

天海「思ったよりは余計っす」
335 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:09:21.28 ID:O7sAYSqqO
王馬「……で、百田ちゃんは答え出た?」

百田「ああ。待たせてわりーな」

王馬「にしし、じゃ聞かせてもらおうか」

百田「オレ達の…16人の中に、首謀者なんているわけねー」

王馬「え?まだ言うんだー。まぁその可能性だって一応あるんだけどさー?」

百田「オメーがどう言おうと、オレはそう信じてる。…オメーらも、外にいるあいつらも信じてるぜ」

最原「百田くん……」

王馬「ふーん。でもさ、そうやって信じてて裏切られたらどうすんの?」

百田「そんときは……信じたオレが悪かったと思えばいい」

王馬「んでんで?そのあとどうすんの?泣き寝入りでもすんの?」

百田「……」

春川「あんたいい加減に…!」バッ

百田「大丈夫だ、ハルマキ」

春川「……!」

百田「オレが泣き寝入りなんてするわけねーだろ?」

百田「…もし、もしもだ。オレ達の中に首謀者がいたとしたら…」

百田「…オレが、オレがそいつを一発殴って目ぇ覚まさせてやる!」

王馬「……………」

王馬「……は?」
336 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:11:34.14 ID:O7sAYSqqO
百田「目ぇ覚まさせて!反省させてやるッ!!」

王馬「……」

王馬「…………」

百田「なんか言ったらどうだ」

王馬「なんか」

百田「そういう意味じゃねーよ!」

王馬「にしし!嘘だって!たうんうん!やっぱキミはつまらなくないよ!」

百田「はっ、テメーに褒められても嬉しくもなんともねーな」

王馬「あはは、ひどいなー」

最原「…話は終わったかな?」

王馬「ん?ま、一応ね」

最原「だったらそろそろ部屋の中を調べない?」

王馬「………」

百田「そういやそーだな…マザーモノクマの話を聞いただけで終わりじゃなかったな」

天海「…春川さんなんてもうその辺あさり始めたっすよ」

王馬「え?」

春川「…」ゴソゴソ

王馬「あらら…じゃあオレも負けないように調べないとねー!よーし負けないぞー!!」フンス

百田「オレも調べるか…っと王馬。テメーよー…」

王馬「…なに?」

百田「オメーって…ホントピュアなやつだな!もうちっと素直になったらどうだ?…なんてな!」スタスタ

王馬「は?オレがピュア?何言って……」

王馬「…言いたいことだけ言ってさっさと行っちゃったよ。オレがピュアなんてありえないよねー最原ちゃん?」ハァ
337 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:13:17.55 ID:O7sAYSqqO
最原「さぁ…案外当たっているかもしれないよ?」スタスタ

王馬「最原ちゃんならまともなこと言ってくれるかと思ったのに、何言ってるわけー?」ヤレヤレ

天海「はは…じゃあそろそろ真面目に調べましょうか」

王馬「はぁ…そーだね」

王馬(こうしてオレ達は隠し部屋の中を調べ始めた)

天海「俺は通路の方を確認してくるっす。位置とか確認したいんで」スタスタ

百田「あ、おい!…ったく一人で行きやがって」

最原「まぁ一本道だし大丈夫だと思うよ」

王馬(天海ちゃんは通路を調べに行ったみたいだ…とりあえず先に調べ始めていた春川ちゃんに話を聞いてみるか)スタスタ

春川「ん?…王馬か。やっと話終わったんだね」

春川「……」ジッ

王馬「やだな、いくらオレの顔がかわいいからってそんなに見つめられると照れるよ」

春川「やっぱあんたってクソヤローだね」

王馬「クソヤローって…ひどくない?」

春川「だってそうでしょ」

王馬(クソヤローとかピュアとか…なんか散々だな、オレの評価。ま、しかたないか)

王馬「…それより何か見つけた?」

春川「ゴミ箱調べようと思ってさ、なんか入ってるかもしれないし」ゴソゴソ

春川「よし、ゴミ袋取り出せた。…けっこう重いな」
338 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:17:06.46 ID:O7sAYSqqO
王馬「うわ、すっげー溜まってるじゃん…」

最原「どうしたの?…ゴミ袋?」

春川「ああ、最原か。あんたゴミ漁るの得意でしょ、手伝ってよ」

最原「な、なんで得意ってことになってるんだよ……いくら探偵だからってそんなことは」

王馬「生ゴミを漁ろうか」

最原「…!!」ギクゥッ

王馬「一緒に調べよっか?」ニコニコ

最原「…うん」

春川「とりあえずどっかにゴミ出そうか」

王馬「…そうだね。あ、じゃあそこの机に出そうよ」

春川「うん」

春川(春川ちゃん、最原ちゃんと一緒に机の上にゴミを出した」

最原「…なんだこれ?」

春川「…意味分かんない」ハァ

王馬(机の上に出されたゴミは…)

王馬(ほぼ全てが、白い紙をグシャグシャと丸めたもので…野球ボールを一回り大きくしたくらいの大きさだね。2、30個くらいはあるな)

王馬(そして他のゴミはというと…)

最原「ロボビタンC?」

王馬(有名な栄養ドリンクの空ビンが20本だった)

王馬(…ゴミはそれだけだった)
339 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:19:44.40 ID:O7sAYSqqO
最原「……」ガサガサ

王馬(突然最原ちゃんはグシャグシャ丸められた白い紙のゴミを手に取ると、それを開き始めた)

春川「…なにしてるの?」

最原「いや、もしかしたらこの紙に何か書かれていないかな…って」ガシャガシャ

王馬「なるほど。木の葉を隠すなら森の中ってことだね!」

最原「それはなんか違うと思う……なんにも書いてないな」ガシャ…

春川「ふーん…じゃあ地道にやっていくか」

王馬「面白そうだからオレも手伝うよ」

王馬(数はそれほど多くないから数分でその作業は終わった)

春川「…で、成果なしと」

最原「あはは…ごめんね。どうやら予想は外れちゃったみたいだ」

王馬「………」

王馬(ホントに何もないのかな?)

王馬(そう思ってゴミ箱をよく観察してみた)

王馬(ゴミ箱はゴミを入れる部分と…さっき春川ちゃんがゴミ袋を取り出すために外した、上の蓋の部分とに分けられている)

王馬(蓋か…)

王馬(何気なく蓋をもちあげて裏の部分を見てみると)ヒョイ

王馬「…!」
340 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:23:53.82 ID:O7sAYSqqO
王馬「最原ちゃん、春川ちゃんこれ見て!」

最原「え?……裏にビニール袋が貼り付けられてる…?」

春川「…これが本当に隠したかった物なの?」

王馬「さぁ…フェイクのフェイクかもね」ベリベリ

王馬「えーっと中身はーっと……あらら」ゴソゴソ

春川「…またグシャグシャになった紙じゃん。今度はさっきより少ないけど」

王馬「…はー残念!全部開いてもなんにもなし、と!」ポイー

最原「…僕たちをおちょくってるのか…?」

王馬「本当に隠したい物はどこか別の場所にあるのかもねー」

最原「そもそも隠したい物なんてあるのかとすら思ってきたよ……」

春川「そうだね…」

王馬(その後もゴミ箱をくわしく調べたり、紙に何か書かれたりなんだりしてないか調べたが成果は得られなかった)

王馬(いつまでもゴミ箱を調べているわけにもいかないな……)

最原「そろそろ他のところも調べようか?」

春川「…そうだね。いつまでもゴミ箱なんか調べてるわけにはいかないし」

百田「よぉ、そっちは随分熱心に調べてたみたいだが、なんか見つかったか?」スタスタ

王馬「残念だけど、文字通りゴミしか見つからなかったよ」ヤレヤレ

最原「ごめんね…」

百田「気にすんなって!そんなこともあるだろ」
341 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:29:28.31 ID:O7sAYSqqO
王馬(他のところをもう一度調べるのも面倒だし百田ちゃんに話を聞くか)

王馬「百田ちゃんは何か見つけたの?」

百田「見つけたっちゃ見つけたが…これなんだけどよ」

春川「これって粘着テープクリーナー?」

王馬「コロコロだね」

春川「…どっちもいいじゃん」

百田「ああ…だが残りがほとんどねーんだよな。こんなんじゃ掃除してもすぐなくなっちまうぜ」

王馬「へー。じゃあもう捨てちゃおうよ」

百田「いや、まだ使えるだろ」

最原「………」

最原「…」バッ

春川「最原…あんたいきなりどうしたの?」

王馬(突然最原ちゃんが床を調べ始めた……)

王馬「なに?埃でも探してるの?最原ちゃんの大好物だもんね、埃」

最原「そんなわけないだろ………うーん、ないな」

王馬「埃が?今度、東条ちゃんに頼んで集めてもらっとくよ」

最原「余計なことしなくていいよ…じゃなくて、埃もだけど……髪の毛がないんだよ」

春川「髪の毛?」

百田「この粘着テープクリーナーで髪の毛やゴミを取ったかもしれねーてことか?」

最原「掃除機を使った可能性もあるけど…なんか引っ掛かってさ。一応調べようと思って」ゴソゴソ

春川「…私も手伝うよ」ゴソゴソ
342 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:30:23.59 ID:O7sAYSqqO
最原「ありがとう、春川さん」

王馬「んじゃ、オレは他んとこ――」ガシッ

百田「オメーも手伝え」ニカッ

王馬「………えー」

王馬(オレも手伝うことになった…全く……服が汚れたじゃんか…嘘だけど)

最原「うーん…僕達の靴に付いていたと考えられる砂粒しか見つからないな…」

王馬「っていうかそもそも首謀者が目出し帽を被ってたり、ハゲだったりロボットだったりしたら髪の毛落ちないかもよ?」

最原「そうだね…うーん、粘着テープが見つかれば確実なんだけどな…」

王馬「そう簡単にはいかないよねー、あー疲れちゃった。ちょっと休憩ー」ボフッ

春川「……百田は私達がゴミ箱を調べている間に隅々まで探したんでしょ?粘着テープのゴミはなかったんだよね?」

百田「ああ、だが見つけられたのは粘着テープクリーナーだけだ」

春川「だったら首謀者が私達の行けないところに捨てたのかもね…」

最原「まだ探していないところか……ん?」キョロキョロ

王馬「はー、ねっむ……今何時なんだろ…」ゴロゴロ

最原「…ソファ」ボソ

王馬「…ん?」

春川「え?」
343 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:33:35.65 ID:O7sAYSqqO
最原「ソファの中に、ないかな」

百田「おいおいさすがにそれは…」

最原「…昔、推理小説で読んだんだ」

最原「詳細は省くけど、探偵も女の子が座っていた椅子の中に犯人が潜んでいた…って。粘着テープは人間の体よりも何倍も小さい。隠すのは簡単なはず…だよ」

百田「…マジか。まぁ調べないよりは調べた方がいいか…」

王馬「そーだね。じゃあ早速破こうか、春川ちゃんよろしく〜」グッ

春川「あんたに指図されるとムカつくけど……分かったよ」ビリ

王馬「ちょ、オレまだ座ってるんですけど!」ピョン

春川「…スポンジ、すごく出てくるんだけど」モフモフ

百田「ここまでくりゃ、あとは掻き出すだけだ!」ザクサク

王馬「スポンジまみれじゃん!」

最原「あ…空洞がある!…何かあるな」

王馬「……袋だ。中身は…」ガサゴソ

王馬「…?……破片?」

最原「破片?…粘着テープじゃないのか…」ガッカリ

王馬「あ、これよく見たらPSVitaの破片だ!間違いないよ!オレは筋金入りのゲーマーだからね、嘘だけど!」

百田「はぁ?嘘くせーな…」

王馬「あ、PSVitaの破片ってのはホントだよ。一応使ったことあるし」

百田「そうかよ。だが、なんでまたPSVitaなんかの破片がこんなかに……この小さい破片はなんだ?チップみてーだが」ゴソゴソ
344 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:35:48.63 ID:O7sAYSqqO
王馬「あー…何かのゲームソフトだね。これも粉砕されて何のソフトかは分かんないけどさ」

王馬「…あーあ、遊べると思ったのになー。ガッカリだよ」

春川「遊んでる場合じゃないでしょ」ゴソゴソ

春川「…あ、こっちにもまだ袋あるじゃん。もっと探しなよ、そんなゲームなんか見てる暇あったらさ」ゴソゴソ

天海「おーい、そっちはどうっすか?」タッタッタ

最原「あっ天海くん!実はかくかくしかじかなんだよ」

王馬「かくかくしかじかって便利だな〜」

天海「そうなんすか…すみませんがこっちは成果なしっす…」

春川「まぁこっちもこれしか成果ないし……っていうかこれも成果と言えるかどうか分かんないよ。ゲームの破片だけだしさ」

春川「それにこっちは…ほら見てみなよ。もう一個の袋の中にあったもの……意味不明なんだけど」

王馬「なになに?」

天海「また粉々になった何かっすね…」

春川「これは無事だけどね」スッ

百田「これは…ポータブルブルーレイDVDプレーヤー…か?」

春川「これで再生して、見てたってとこかな。肝心の中身は分かんないけどね」

天海「じゃあ、粉々になっていたのはDVDかもしれないっすね」

最原「だけど、これ以上は何も見つけられそうにないな…スポンジ全部出したけど何もないし」

王馬「はーあ、こっちのソファは、はずれだね」

天海「もうひとつのソファも調べるっすかね…」

ビリッ!ビリブチッ!!

王馬「あ、奥にまたビニール袋があるよ。うーん届かないな…」グググ…
345 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:38:30.13 ID:O7sAYSqqO
百田「ったく、どこから入れてんだか…」

最原「背もたれと座る部分の境目の隙間からじゃないかな…あの隙間けっこう手とか入るし」

王馬「オレもそう思うなー…あとちょっと…」グググ…

春川「ふーん…ソファってどういう構造してるわけ?」

王馬「構造は知らないけど…オレ、小さい頃によくソファの隙間から色ペンとかを入れてたんだよね〜」グググ

百田「テメーはなにしてんだよ…」

天海「無邪気っすね〜」ニコニコ

最原「え…そう?普通に迷惑じゃない?」

春川「だからなに?小さい頃からクソヤローだったってだけの話じゃん」

王馬「……。んで、そのソファを動かしたら、なんか中からガラガラ聞こえた時があったから…」グググ

王馬「このビニール袋をこの中に入れた奴も、同じようにしたんじゃないのって話をしたかっただけだよ!それだけ!」グググ

春川「へぇそう。それよりビニール袋はまだとれないの?」

王馬「いくらなんでも冷たすぎでしょ…ま、キミにどう思われようがどうでもいいけどさ……っと、やっと取れたよ」

王馬「んーと、中身は……」

王馬「…おーっと、粘着テープだよ!」

百田「粘着テープクリーナーのか!?」

王馬「うん、さすがに嘘つかないよ。あ、くっついてるんだけどめんどくさいから百田ちゃん剥がしてね。オレはビニール袋取るのに疲れたからさ」ヒョイ

百田「なんでオレなんだよ!…くそ、引っ付いて剥がしにくいな…」グイグイ
346 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:42:18.23 ID:O7sAYSqqO
王馬「力仕事は脳筋の百田ちゃんか春川ちゃんがピッタリでしょ?」

春川「………」

王馬「あはは、睨まないでよー。忘れかけてたけど、オレも一応怪我人だからね。あー痛いなー」

春川「…」イラァ

天海「殺意が隠しきれてないっすよ」ドウドウ

百田「くそっ、あとちょ…っと!」ベリィッ!

百田「うっしゃ剥がれた!……」

百田「…………ッ!?」

王馬「見せて見せてー……へぇ、これは……」

王馬(みんなの視線が百田ちゃんの手の中にある粘着テープに集まった)

春川「………え?これ…って」

王馬(そして時が止まった……ような気がする)

最原「…そんな………」

王馬(みんな瞬時にこの粘着テープにくっついている、”あるもの”が持つ意味の重大さに気付いたのだろう)

天海「……………」

王馬(それについて指摘するのが躊躇われたのか知らないけど、みんな黙っていた。真実を知るのが怖かったのかな?)

マザーモノクマ「うぷぷぷぷ…」

王馬(オレが話を切り出してもよかったんだけど、なんとなくオレが非難の的になりそうだったので黙っていた)
347 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:43:31.51 ID:O7sAYSqqO
王馬(…そしてそんな感じで、しばらくたった頃。ようやく……)

百田「………髪の毛…だ、髪の毛が……くっついてる」ポツリ

王馬(百田ちゃんが呆然と呟いた)

最原「……」

王馬(そう、この粘着テープには髪の毛が数本付着していた。長さはうねったり、曲がったりしてるから分かりづらいけど、かなり長いだろう……そして、色もハッキリ分かる)

春川「……」

王馬(該当する人物は一人だけ)

王馬(ま、何はともあれ百田ちゃんがボソッと呟いてくれたので、オレもそれに乗っかることにしよう)

王馬(いつまでも、このまま現実から目をそらしても仕方ないもんね!)

王馬「うん……かなり長いねー、しかも髪の毛の色までハッキリ分かるよ。えーとこの長さで、この色は……」

王馬「うーん…誰だったっけな〜?なーんか見覚えあるな〜?」

最原「……ッ」

王馬「えーと、首謀者はオレ達16人の中にいる可能性が高いんだよね。んでこんな髪の毛をしてるのは〜…」

王馬「あー!思い出した!…一致するのはひとりだけだね。そして、オレ達の知っている人物だ」

百田「……嘘、だろ…?」

王馬「みんなもホントは気付いてるんでしょ?黙ってるだけでしょ?それとも心に嘘ついてるのかな?」

春川「……」

王馬「ねぇ…嘘は嫌いなんでしょ。だったらさ…さっさとこの現実を受け入れようよ」

天海「………首謀者は…」

天海「首謀者は……白銀さん……?」
348 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:45:03.16 ID:O7sAYSqqO
春川「待って」

王馬「ん?」

春川「…嘘の、可能性はないの?」

王馬(静まり返った隠し部屋で春川ちゃんが不意に呟いた)

春川「誰かが……白銀の髪の毛を採取してここに隠したって可能性だってあるよね?」

王馬「へー珍しいね、あの春川ちゃんが擁護するなんて。情でも沸いちゃった?」

春川「あんたは黙ってて…!」

百田「そ、そうだ!白銀が首謀者なわけねーだろ!な、終一!?」

最原「白銀さんは女子だ。女子トイレからここに訪れるのは難しいことじゃないよ」

百田「だからって、まだ白銀が首謀者って決まったわけじゃねーだろ!?」

百田「ハルマキも言っただろ!これが嘘の証拠かもしれねーって!」

最原「……そ、それは…」

最原「……」
349 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:48:12.80 ID:O7sAYSqqO
王馬「あのさー!」

百田「…なんだよっ!?」

王馬「議論はあとでしようよ?」

百田「……はぁっ!?」

天海「…………そう、っすね」

天海「さっきも同じようなことを言ったと思うっすけど、ここで議論しても答えは出ないと思うっす」

百田「……くそ」

天海「…それより確実な証拠を取ればいい。それだけの話ですよね?」

最原「…マザーモノクマの、声紋認証システムだね…」

王馬「白銀ちゃんが首謀者なのか」

王馬「それとも他の誰かが首謀者なのか」

王馬「はたまた第三者が首謀者なのか……が分かるんだね!」

王馬「そしてそれは確実な証拠となって首謀者を追い詰めることになるんだよ…」ニヤ

王馬「ま、今んとこ一番怪しいのは白銀ちゃんだけどねー」

百田「くそッ…!」

百田「……だが。オレは……オレは信じるぞ、最後までな…」

王馬(………)
350 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:49:32.02 ID:O7sAYSqqO


百田『オメーがどう言おうと、オレはそう信じてる。…オメーらも、あいつらも信じてるぜ』

最原『百田くん……』

王馬『ふーん。でもさ、そうやって信じてて裏切られたらどうすんの?』

百田『そんときは……信じたオレが悪かったと思えばいい』



百田『…もし、もしもだ。オレ達の中に首謀者がいたとしたら…』

百田『…オレが、オレがそいつを一発殴って目ぇ覚まさせてやる!』



王馬(なんて言ってたけど、キミはその場面に直面したらどうするんだろうね?)

王馬(キミがどんな風に行動するのか楽しみにしてるよ、百田ちゃん)

王馬「にしし…」

百田「なに笑ってんだよ」

王馬「にしし…いや、別に?うん、好きにすればいいよ!」

百田「…ああ。好きにするぜ」

天海「じゃあ…一旦この話は置いておきましょう」

王馬(その言葉にみんなが頷いた)
351 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/15(木) 23:50:52.96 ID:O7sAYSqqO
今日はここまでにします。くますみー
352 : ◆OGojCRdZkUAa [saga]:2018/03/16(金) 21:19:19.01 ID:vRzpyLX/O


星(ノンアルコールであるはずの不死の酒フリーで酔った赤松、東条、
夜長)

星(俺と茶柱はなんとかそいつらを鎮めていようとしていた…)

星(ちなみに途中でゴン太が騒動を聞き付けて寄宿舎の中に戻ってきたが…)

ゴン太「な、なんだか騒がしいけど大丈夫…?」ガチャ

星「ゴ、ゴン太…」

東条「……」ズーン

ゴン太「東条さん大丈夫!?お腹痛いの!?」

東条「メイドの身なのに酔ってしまうなんて………私はメイド失格ね」ズーン

ゴン太「そんなことないよ!東条さんは立派なメイドさんだよ!」アタフタ

東条「これ…ノンアルコールなのに…?」ズーン

ゴン太「え、えっと…」

星「…そっとしておいてやろう」ポン

ゴン太「う、うん…」

赤松「茶柱さん、スカートめくらせて?」キリッ

ゴン太「!?」

茶柱「真顔で言っても駄目です」

アンジー「転子〜……アンジーとドロドロに溶けちゃおう?」サワサワ

ゴン太「!?!?」目隠し
353 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:20:18.20 ID:vRzpyLX/O
星「ゴン太…わりぃが外出といてくれないか?」

ゴン太「う、うん…」タッタッター

星(…ゴン太の目には毒かもしれないので外に避難させた)

茶柱「嫌ですよ!というかなんで急に転子にアプローチするようになったんですか!!」

アンジー「ん〜…目が合ったから?」

茶柱「そんな理由ですか!?」ゴーン

茶柱「と、とにかく!赤松さんもアンジーさんも寝てください!」グイグイ

赤松「分かったよ〜…今度スカートめくらせてね?」スタスタ

茶柱「嫌です」

アンジー「んぅ〜…」スタスタ

茶柱「…あの、ふたりともスタスタ歩いてますけど本当に酔ってるんですよね…?」ジトー

赤松「…」ガチャ

アンジー「…」スタスタ スゥー…

茶柱「いやいやいやいや」ガシッ

赤松「…ん?なに?」

茶柱「なに?じゃありませんよ!アンジーさんが赤松さんの部屋に、思いっきり入ろうとしてますけど!?気づいていますか!?」

アンジー「気のせいだって神さまが言ってるよー?」

赤松「……らしいよ?」ポケー

茶柱「あ、眠たくて気付いてないんですね。とりあえず、赤松さんは寝ましょうね、はい、おやすみなさーい…」グイグイ

赤松「ん、おやすみ〜…」ガチャバタン

バターンッ!! ウッ…

茶柱「……………」
354 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:21:09.98 ID:vRzpyLX/O
星(赤松のやつ…部屋に入って即、ぶっ倒れたのか…?鼻とか大丈夫か?)

アンジー「じゃあアンジーは楓とドロドロに…」スタス…

茶柱「え、もう心変わりしちゃったんですか……?」

アンジー「あれ、転子。やっぱりアンジーが良かったのー?」ニヤー

茶柱「そ、そういうわけではありませんが…」アタフタ

アンジー「神さまの前で嘘ついちゃダメだよ〜素直になろーよ……ね?」スリスリナデナデ

茶柱「きゃうわ!?」ゾワワー

星「…」

星(……俺はどうすればいいんだ)

茶柱「え、え、…うぅ〜……」

東条「……………」ズーン

アンジー「アンジーと一緒に…神っちゃ………」コックリコックリ

アンジー「お…う……くー…くー…」コテン

茶柱「あぅあ………う?」

星「…寝たようだな」

茶柱「み、みたいですね…。ふぅ、危なかったです……」

星(……なにがだ?)

茶柱「このままアンジーさんも寝かせてきます、えっと東条さんは…」アンジーダッコ

アンジー「んぅ…」クークー

東条「………」ズーン
355 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:21:36.44 ID:vRzpyLX/O
茶柱「…星さんなら信用できますし、東条さんのことお願いしますね」スタスタ

星「ああ」

星(しかしあの茶柱が許可を出すとはな……明日はっていうか今日は大嵐か…?)

東条「…………」ウトウト

星「おい、東条…」

東条「…なにかしら」ウトウト

星「あんたちょっと疲れてんだろ。少しは休め。休まねーとできることもできなくなっちまうぞ?」

東条「…ふふ」

星「…?」

東条「…星君も王気遣ってくれるのね。…王馬君みたいに」

星「…王馬が、か?」ピクッ

東条「ええ。以前、メイドとして働いてばかりの私を気遣ってか、私を映画に誘ってくれたの」ウトウト

東条「…彼の気持ちが本当かどうかは分からなかったけれど…嬉しかったわ」ウトウト

星「……」

東条「王馬君…大丈夫かしら。他のみんなだって。やらなければならないことだってたくさんあるし…私はこんなところで休んでいる場合じゃないわ…」

東条「それなのに、ノンアルコールのお酒で酔って、しかも迷惑をかけてしまうなんて…メイド失格ね」

星「…」
356 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:22:02.10 ID:vRzpyLX/O
星「…こんなとき、俺は王馬や赤松や百田じゃねーから…あんたを励ます言葉は言えねー」

東条「……」

星「…だが、俺にも言えることくらいはある……」

東条「………?」ウトウト

星「…誰だって間違えたり失敗することくらいある。俺だってそうだ、間違って後悔して…このザマだ」

星「俺はもう間違いだらけで戻れねーところまで来ちまった。…そんな俺にしてみれば、あんたの失敗はまだ可愛いもんだぜ」

星「失敗してもあんたはまだ前に進めるんだ。あんたには未来がある」

東条「……」

星「だから…そう簡単にメイド失格だなんて言うな。あんたは立派なメイドだ」

東条「………」

東条「……ありがとう。弱音を吐いてごめんなさいね」

星「たまには弱音くらい吐け。それに…俺はあんたが弱音を吐くことのできる人間でありたい」

星「運動会のときも言ったろ…あんたは俺の”大切な人”だって」

東条「…!」

星「あんたには別の”大切な人”がいるかもしれねーがよ…」

星「…弱音くらい、いつでも吐いていいんだぞ」

東条「…星君。あなたも、みんなも私にとっては大切な人よ。…だけど」コックリ…コックリ…

東条「ありがとうね………」ニコ

東条「……」スースー

星「…寝たか」

星「やれやれ、俺としたことがつい喋りすぎちまったな…俺も酔っちまってたのかもな」

東条「……」スースー

星「さて、どうしたもんかね」
357 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:22:50.40 ID:vRzpyLX/O
茶柱「転子がお連れしますよ」スタスタ

星「…!あんたいつから…」

茶柱「あなたが東条さんに休めと言った辺りからです」

星「…ほぼ全部じゃねーか。あんた、戻ってくるの早いな」

茶柱「星さんのことを信用していますが、一応です。男死はどんなきっかけで狼に化けるか分かりませんからね」

星「……」

茶柱「…東条さんもあなたも、もう少し素直になればいいのに」

星「ふっ、酒が入れば少しは素直になるかもな」

茶柱「未成年のうちは飲酒禁止です」

星「分かってるさ」

茶柱「…あなたも少し疲れているんじゃありませんか?」

星「…そう、見えるか?」

茶柱「えぇ」

星「参ったな…テニスをしなくなってから、思ったよりも体力が落ちているみたいだ」

茶柱「でしたらあなたも休憩をするべきでしょう」

茶柱「転子が外を見張っていますから、あなたとゴン太さんは休んでいてください」

星「だが…」

茶柱「勘違いしないでください!転子だってずっと見張っているつもりはありませんよ!交代交代に決まっています!」

星「…わりぃな」
358 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:23:36.44 ID:vRzpyLX/O
茶柱「女子を守るためです!決して男死と和解したわけではないので、そこのところはよくわきまえてください」

星「…ああ」

茶柱「はっ!うっかりしてました!東条さんをお部屋までお連れしなければ!」

茶柱「女子をこんな固い床の上で寝かせるわけにはいきませんからね!」

星「あぁ、ゆっくり寝かせてやってくれ」

茶柱「もちろんです」ヨッコラセ スタスタ

星「俺はっと…」スタスタ ガチャ

ゴン太「あ、星君どうしたの?」

星「交代交代で見張るってことになってな。あんたは休んでろ」

ゴン太「ゴン太は平気だよ!」フンス

茶柱「心は平気でも身体は疲れているものです!」ババッ

星(来るの早いな…)

茶柱「さぁふたりと早く休んでください!さぁさぁ!」

星「…だとよ」

ゴン太「分かったよ…茶柱さん、何かあったらすぐにゴン太を呼んでね?」

茶柱「そんなことはないと思いますが……分かりました」

星「…頼んだぞ」

ゴン太「じゃあゴン太はちょっと寝るね…」スースー

星(もう寝てるぜ…しかも床で)

星「…」

星(俺も少し仮眠をとるか)

星(そうして壁に寄りかかり、ゆっくり瞼を閉じた…)
359 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/16(金) 21:24:25.28 ID:vRzpyLX/O
今日はここまでにします、くますみー
360 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 22:56:36.24 ID:7Kma0/8cO


天海「この部屋で調べないといけないところが、あともう一ヶ所あるはずっすよね?」

王馬(首謀者の話は一旦置いておくことにしたあと、天海ちゃんがそう切り出した)

天海「少なくとも俺はまだ調べてないところがあるっす」

王馬「どこどこー?」

天海「あれっす」ビシッ!

最原「…ドアだね」

春川「百田、あんた調べてないの?」

百田「あ?オレはだな、粘着テープクリーナーの他になにか物はないかと探してて…」

百田「……」

王馬「つまり調べてないんだね」

百田「…すまん」

春川「いいよ、一緒に調べよう」

王馬「でも調べた瞬間ボンッ!とかならない?…てわけで最原ちゃん、よろしく」

最原「え?僕?…なんでいっつも僕なんだ…」スタスタ

天海「と言いながらやってくれるのが最原君のいいところっすよ。俺も行くから安心してください」

最原「…そう言われるとますます不安なんだけど…本当に爆発とかしないよな?」観察…

王馬「まぁ大丈夫じゃない?ほらオレがベタベタ触ってもなんともないしさー」ベタベタ

最原「そうだね…っておい!」
361 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 22:59:28.91 ID:7Kma0/8cO
王馬「ん?」

最原「キミも調べてるじゃないか!」

春川「最原、そんなやつの言うこと気にしてたらあんたの胃がもたないよ」

最原「…それもそうだね」

百田「…これ、どこに繋がってるんだろうな?やっぱ外か?」

王馬「そうだといいねー」ベタベタ

天海「……」

天海「開けてみればハッキリするっすよ。だってこれ鍵とかなんにもついてないっすから」

春川「ほんとだ…じゃあ私達にも開けられるってことだよね?」

天海「はい。…じゃあ俺が開けるっすよ、いいっすね?」

王馬「どうぞどうぞどうぞ!」

最原「……」

天海「……」ガララ

王馬「あれ?ただの壁?」

百田「なんだよ…」ガッカリ

天海「いえ、きっとフェイクっす。本当はこの奥の壁が…」

王馬(そう呟くと天海ちゃんは、壁に体重をかけた)

天海「よ……っと」グググ

ゴゴゴゴ…

王馬(するとゆっくりと壁は動き始め……)

百田「…動いた!?」
362 : ◆hq9TfeeMlAP9 [saga]:2018/03/17(土) 23:00:54.53 ID:7Kma0/8cO
天海「………」グググ

王馬(天海ちゃんがさらに体重をかけると、その壁は扉のように奥へ開いていった)

ゴゴゴゴゴ…

春川「…え?ここって…」

天海「…………やっぱり、そうだったんすか」

最原「図書室…」

王馬「へーまさか図書室と繋がっていたなんてねー」スタスタ

王馬(早速、扉の向こうへと足を踏み入れた。といっても、ただの見慣れた図書室だけど)

最原「…この本棚は隠し扉になっていたんだね…天海くんが最初に開いた扉を隠すための」スタスタ

王馬「だからこの本棚の周辺だけ本が全然積まれてなかったんだねー」

ゴゴゴゴゴ…

王馬「ん?」

最原「あっ、本棚が閉まっていってる!」

王馬「へー勝手に閉まるんだ」

天海「おっと…俺が押さえておくっすよ」

百田「わりぃな」

春川「…隠し部屋の方から図書室に出るには、鍵は必要ないみたいだけど」

春川「図書室から隠し部屋に入るためには鍵…ここはカードが必要なんだね」

王馬(扉の横にあるカードリーダーに目を向けながら春川ちゃんが呟いた)
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