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勇者「ニートになりたい」
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240 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/17(水) 19:37:34.99 ID:MJCk7GC0O
勇者「父上も……? 父さんは勇者の家系なんて聞いたことがない。それに、“聖痕”とはいったい」ボソッ
妖精「ほら、こっちこっち! これ見て!」
勇者「これは……?」
妖精「ルビス様だよ!」
勇者「ルビス? ……これが……? そんな、これじゃまるで」
妖精「? なにに驚いてるの?」
勇者「こ、これが女神……?」
妖精「あー! そういうこと? チッチッチッ。違うんだなぁ。魔族も人間もなぁーんだか勘違いしたままだけど」
勇者「勘違い……」ザリッ
妖精「――……そうだよ! だってルビス様は精霊王なんだもん!」
241 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/17(水) 20:15:43.83 ID:MJCk7GC0O
【森の中 馬車】
魔法使い「あーあ、暇だなぁ。モンスターでもでてこないかなぁ」
戦士「鍛錬にもなるしな。どうだ? 武闘家。一戦交えないか?」
武闘家「同じ相手とばかりやるのはやめたほうがいいよ。慣れすぎちゃうから」
戦士「む、そ、そうか」シュン
武闘家「素振りでもしてればいいじゃないのさ」
戦士「相手がいないとどうにもなぁ。あたしは実践型なんだ」
馬「ヒヒーーンッ」パッカパッカ
魔法使い「ねぇ、見間違い? こっちに向かってくるのってどこかで見覚えのある馬じゃない?」
武闘家「ちぃっ!」シュバッ
僧侶「……勇者さまが乗っていませんけどぉ」
戦士「武闘家! 傷つけるなよ!」
武闘家「わかってる!」シュタッ
馬「⁉︎ ヒヒーンッ⁉︎ ブルルッ!!」バタンバタン
武闘家「どぅどぅ、落ち着いて……大丈夫、こわくない」ナデナデ
馬「……ブルッ」タンタン
魔法使い「またあのバカは。どこでなにやってるのよ」
僧侶「どうしましょうねぇ〜連絡手段がないので〜」
武闘家「アタイが村に戻って確認してくる! アンタ達はここで待ってな!」グイッ
戦士「お、おい。武闘家」
武闘家「はぁっ!」バンッ
馬「ヒヒーン!」パッカパッカッ
僧侶「――……武闘家さんの行動力は見習わないといけませんねぇ」
242 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/17(水) 20:52:18.73 ID:MJCk7GC0O
【森林 祠】
勇者「ルビスは、神じゃない……?」
妖精「そもそも神の定義って、絶対的なものを指す場合だってあるでしょ? それだけルビス様がすごかったって意味でもあるけど」
勇者「神と思えるような能力を持ってた、とか?」
妖精「そのほかにも、“マネできない偉業を達成した”とかね。伝説のさらに上にあるのが神ってもんよ」
勇者「じゃあ、ここに描かれてるのは、神と崇められるの前の?」
妖精「そう、精霊王ルビス様その人! いつのまにか女神っていうのが定着しちゃってるけど、精霊を束ねるお方なんだよ!」
勇者「も、もしかして、まだ、生きてたり?」
妖精「うん? ばっかだなぁ」
勇者「そ、そうだよな。生きてるはずない――」
243 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/17(水) 20:53:13.12 ID:MJCk7GC0O
妖精「あったり前じゃない! ルビス様は今もピンピンしていらっしゃるよ!」
勇者「は、はぁっ⁉︎ い、いいいっ生きてる⁉︎」
妖精「そだよ?」キョトン
勇者「え、ええ……じゃ、じゃあ、俺のケツにある聖痕っていったいいつ……そもそも何故俺に。わ、わけがわからなすぎるぞ」
妖精「直接聞いてみたら?」
勇者「どうやって? 会える方法があるのか? というか、今どこにいるんだ?」
妖精「……時のハザマ。そう呼ばれるところにいらっしゃるよ」
勇者「時の、ハザマ?」
妖精「だけど残念! 特殊な結界で往来の制限がされてるから行けないんだ!」
勇者「だけど、制限ってことは、行く方法はあるってことだよな?」
妖精「あるよ? 勇者じゃないと無理だけど」
勇者「ちなみに、勇者だったらどうやって行くんだ?」
妖精「通行手形があるでしょ?」
勇者「どこに? どうやって手に入れるんだよ」
妖精「手に入れるぅ? 身体に刻まれてるでしょ?」
勇者「……あっ! そ、そうか! 聖痕か⁉︎」
妖精「んー、たぶんそれ」
勇者「聖痕は、目印じゃない。通行証だったのか」
妖精「勇者じゃないのに知ってどうするの?」
勇者「会ったら教えとく。それで、どこから? 聖痕があると仮定して」
妖精「鏡から」
勇者「どこの? 主語がない」
妖精「クイーンズベルのお城」
勇者「く、くくくっクイーンズベルっ⁉︎」
妖精「そこがゲートになってるの」
勇者「な、なななっなんでそんなところに」
妖精「ルビス様ゆかりの土地らしいから」
勇者「く、クイーンズベルといえば……」ポワンポワン
『オーッホッホッ! オーッホッホッ! オーっげふっ、ごほっ、おぇっ、む、むせたんですの……うぇっ』
勇者「こ、こいつがいるところじゃないか……」ガタガタ
妖精「大丈夫? 顔青ざめて震えてるけど。なにか思い出したの?」
勇者「だ、だがしかし、戦わなくちゃ現実と!」ゴソゴソ
妖精「?」
勇者「じゃじゃーん! 世界地図ぅ〜!」ピロリン
妖精「わっ、それってニンゲンの? けっこう精密なんだねぇ」
勇者「北から迂回しても南から迂回してもダーマまでの距離はほとんど変わらないか……ならば」
妖精「おっ?」
勇者「行かねばなるまいっ! クイーンズベルへっ!!」クワッ
244 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/17(水) 22:27:51.74 ID:9R/bsapZO
今日はここまで。
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/17(水) 22:39:15.56 ID:n7ewC2m90
乙
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/17(水) 22:59:36.40 ID:CSzSwaQyO
おつ
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/17(水) 23:11:27.24 ID:CK/GBaZsO
乙
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/17(水) 23:59:29.80 ID:pG/pOiLVo
乙
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/18(木) 02:10:47.75 ID:pLlh0tJz0
[sage]
乙
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/18(木) 02:15:51.65 ID:pLlh0tJz0
乙
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/18(木) 03:04:14.53 ID:9Td8A0Td0
乙
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/18(木) 14:05:11.73 ID:zRP/gIar0
ドラクエSSと聞いてこれを貼らざるを得ない
https://youtu.be/KdHYS2OWYW0
ロトシリーズってことは1〜3が関係してるのかな?
舞台はアレフガルドだよね?
253 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/18(木) 18:38:12.38 ID:0bN6bfFxO
今後もドラクエ用語は随所に出てきます。
ただどこまで関連性をつけるかなどは書きながら決めてる部分があるので明言いたしません。
多くのSSがぼかしてますが魔王勇者SSの原典はドラクエだと個人的に思ってるんで、そういうものだと思っていただければ。
254 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/18(木) 19:44:48.58 ID:0bN6bfFxO
【ミンゴナージュの村】
武闘家「すまない、若い男を見なかったか?」
村人「え? 俺のこと?」
武闘家「そうではなくて。旅の者なんだが」
村人「いや? 見てないよ」
武闘家「……ありがとう」スッ
店主「さぁ〜安いよ安いよぉ〜!おっ! へへ、さっきはどうも」ペコペコ
武闘家「道具屋の店主。早朝は無理をいって店をあけてもらって悪かった」
店主「あぁ、気にしないでくださいよ。こちとら稼がなきゃおまんま食いっぱぐれちまうで。かあちゃんも取り戻すんだーってはりきってますし」
武闘家「連れの者を覚えてないか?」
店主「へぇ? 連れの者というとどちらさまで? 若いお姉さんたちがいましたが」
武闘家「もう一人いただろう? その中に若い男が混じって」
店主「ああ、はい、はい。いらっしゃいましたね。荷物持ちさせられてた小間使いさん」
武闘家「い、いや。小間使いではないんだけどさ」
店主「その方がどうか?」
武闘家「村に戻っているはずなんだけど見当たらないのよ。見かけてない?」
店主「見てないですね……。見たらわかるんですが」
武闘家「本当か? 見落としてるだけとか」
店主「ありえませんよ。客商売をしているとね、お客さんの顔は覚えてるもんなんです。それに、こんな田舎村でしょう? 店舗に来るなんて珍しいんで」
武闘家「そうか……」
店主「ほかのお姉さん達はいらっしゃらないので?」
武闘家「ああ、別の場所にいる」
店主「小間使いさんとはぐれちまったんですかい? そりゃ大変だ」
武闘家「いや、だから小間使いではないと――」
店主「どこではぐれたんですか?」
武闘家「北に数キロいったところに森林があるでしょ。あそこから出てきたはずなんだが」
店主「森林……というと、精霊さまの……」
武闘家「精霊さま?」
店主「へぇ。あの森にゃ古くからある言い伝えで精霊さまのお膝元なんて言われてる森なんでさ。村の者ですら忘れかけてますが」
武闘家「そうか。でも、今はそういう話は」
店主「もしかしたら、神隠しにあったのかもしれませんねぇ」
武闘家「ん……?」ピクッ
店主「いや、これも古くから。子供を危険な場所に行かせない与太話なんですがね。妖精がいるって噂が一時期たったらしいんですよ」
武闘家「妖精……」
店主「いつだったかなぁ。ボヤ〜っとした姿の妖精を見たっていう子がいて。もうだいぶ昔の話なもんで」
武闘家「神隠しとは、どんなもの?」
店主「ふらふら〜っと迷って、いつのまにやら別世界の扉の中に入っているっていう伝承みたいなもんですよ」
武闘家「……そう」
店主「もう一度、森に入って探してみては?」
武闘家「そう、ね。村にいないのならいつまでもいても仕方ない。あ、それと店主」
店主「へい?」
武闘家「トンカチとロープ。貰える?」
店主「お買い上げですかい? ありがとうございます!」
255 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/18(木) 20:11:57.45 ID:0bN6bfFxO
【森林】
妖精「ねぇ、ニンゲン。なにを知りたいかわかんないけど、勇者じゃないと無理だよ?」
勇者「元気でな、スラリン」ナデナデ
スラリン「ピッ!」スリスリ
妖精「聞いてるのー?」
勇者「ちゃんと聞いてるよ。お前らもいきなりお邪魔して悪かったな」
スライムベス「……ピッ」
勇者「わはは。そんな簡単にゃ警戒心解けないか」
妖精「当たり前。スライムが懐くなんてありえないんだから」
勇者「人間だって同じだよ。いきなり分かり合える人なんてなかなかないないもんさ」
妖精「種族の壁があるってわかってないの? モンスターと人間ってそういうもんじゃないでしょ?」
勇者「まぁ、そうだけど。大事なのは調整であってだね」パンパン
妖精「ほんっとーに変わったニンゲンね。向いてる方向が違うのに調整もないわ。宗教みたいな統一思考でもない限り無理よ」
勇者「“私こそが魔物と人間をつなぐ架け橋である!! 皆の者! 手を取り合おう! 争うのをやめるのだ!” 」スラッ
妖精「い、いきなり剣を抜いてなにやってるの? 気でも狂った?」
勇者「やってみたかったんだ」チャキン
妖精「あながち間違いではないかも。夢という理想で覆い隠せば、人も魔物もいっときの幻想に溺れるかもね。もちろん、反発もあるだろうけど」
勇者「やけに他人事じゃないか。人間と魔物が本格的な争いに突入すれば、精霊だって迷惑だろ?」
妖精「そうだけど、大きな流れの前ではなにやったって無駄だもん。争いはやめてっていってやめる?」
勇者「やめないねぇ」
妖精「魔物と人間ってどちらかが滅びるまで争いをやめないんだと思う」
勇者「……」
妖精「私は、傍観者としてひっそりと生きてくだけ。この子たちと一緒に」
スラリン「ピィッ!」
勇者「楽しそうでいいな」
妖精「一緒に住む? 私が見えるんだから考えてあげてもいいよ」
勇者「人生プランの選択肢のひとつとしていれておくよ」
妖精「ほかになにがあるの? ……やっぱり、魔物を殺すの?」
勇者「いいや、ニート」
妖精「へ?」
勇者「無職とか遊び人」
妖精「ぷっ、きゃははっ! 変なの〜」
勇者「……グータラしたいんだよなぁ」
256 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/18(木) 20:33:56.74 ID:0bN6bfFxO
【馬車 荷台】
魔法使い「あっ! 帰ってきた! おーい、ここここ!」
僧侶「……やっぱり勇者さまの姿が見えませんが
〜」
馬「ブルルッ」タンタン
武闘家「どぅどぅ」ナデナデ
戦士「村にいなかったのか?」
武闘家「ええ。そんなに遠くには行ってないはずだけどね」ボトッ
僧侶「修理道具は買ってきていただけだんですねぇ」
武闘家「このままだとここで夜を明かすことになる。それはできれば避けたい、戦士」
戦士「合点承知。あたしが直しておけばいいんだろ?」
武闘家「このままアタイは近辺を探してまわってくる」
魔法使い「もし、もしなんだけど、落馬して気絶してるなんて理由だったら目が覚めたら帰ってくるんじゃない?」
僧侶「それもそうですねぇ〜。さっきまで変わった様子はありませんでしたしぃ〜」
戦士「それもそうだな。馬も疲れてるし、少し様子を見ないか? 武闘家?」
武闘家「……わかった。けど、数時間戻って来なければ探しに行くよ」
僧侶「私たちだって心配してますよぉ〜」
魔法使い「武闘家って世話焼きなのね」
武闘家「アンタらが能天気すぎるんだ。何度も言うが、勇者はアタイらの核なんだぞ。勇者がいて、魔王討伐の旅があって、アタイらがいる」
僧侶「……そうですけどぉ」
武闘家「勇者がいなければ、アタイ達に行動を共にする理由はない。違うか?」
僧侶「それはそれで、さみしいっていいますかぁ」
武闘家「慣れ合うだけだろ。アンタ達、っと」タンッ
馬「ブルルッ」
武闘家「おつかれ」ナデナデ
戦士「な、なにをぅっ! 旅は道連れ世は情けというじゃないか! 寝食を共にするからこそ、絆も深まる!」
魔法使い「そうよ! それに、いざというときコンビネーションは必要だわ! 信頼できるかどうかだって大事なの!」
武闘家「……そうかい。だったら、もっと強くなりなよ。信頼されるように」
戦士「……っ!」ギリッ
武闘家「なに歯をくいしばってんのさ。わかってんだろ? ……自覚してんだろ? アタイがこのパーティで二番目に強い」
戦士「うぬっ⁉︎ こ、こいつ……へ? 二番目?」
魔法使い「むきーっ! 一番は武闘家でしょ! ここにいる戦士と勇者は同じぐらいなんだから! ちっともそんなこと思ってないくせに、嫌味なやつぅ!」ダンダン
戦士「そ、そうかっ! 嫌味で言ったのか!」
武闘家「……はぁ」
257 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/18(木) 21:01:59.20 ID:0bN6bfFxO
【数時間後 馬車】
武闘家「日が傾きだしてきた。やっぱり、探しに」
ガサガサ ガサガサ
戦士「待て。なにかが、いる」
武闘家「……魔物か」スッ
魔法使い「強いモンスターはいないから、平気だと思うけど」
ガサガサ ガサガサ
勇者「お、いたいた」ピョコ
戦士&武闘家&魔法使い「……」ポカーン
勇者「ただいま戻りましてでござ〜い。いやぁ、迷っちゃってさぁ、森って見通し悪いもんなんだね」
僧侶「おかえりなさいませぇ〜」
勇者「くるしゅうない。草だらけになってしまった」パンパン
戦士「おい、勇者」ゴゴゴッ
勇者「ん?」
魔法使い「まずは、“ごめんなさい”じゃないかしら……?」ゴゴゴッ
勇者「え〜。意味わかんなぁ〜い。無事に帰ってきてなんで謝らなきゃいけないのぉ〜? マジ意味わかんないんですけどぉ」
武闘家「……誤魔化してるつもりなんだね」ゴゴゴッ
勇者「や、やっぱ、ダメ?」タラ〜
魔法使い「ダメに決まってるでしょ!」スパーン
勇者「暴力反対!」ドサ
魔法使い「散々心配かけておいて謝罪の言葉もないとかクズかあんたは!!」
勇者「堪忍や〜。自分で自分を守るため開きなおるしかなかったんや〜」
戦士「どこほっつき歩いていた。このグータラ勇者」
勇者「そ、それが、その。馬がね……あっ! 馬いるやんけ! いつのまに帰ってきたんだ! 俺を置いて!」
馬「……」チラ
勇者「俺、どーなることかと思って……!」
馬「ブルルッ」プイッ
勇者「な、なんだぁこの野郎! 調子のってんじゃねぇぞ! 俺を誰だと思ってやが――」
武闘家「呀ァッ(ヤ)!!」ブンッ
勇者「本気の一撃⁉︎」ドサァ
魔法使い「うわっ、いったそぉ」
武闘家「……おい、勇者」
勇者「〜〜ッ! うぉぉぉ、腹が、腹が」ゴロゴロ
武闘家「ふざけるのはよせ。真面目に聞け」
勇者「は、はい」ピタッ
武闘家「アンタがアタイを、アタイ達をどう思っていてもいい。だけど、心配をかけるな。止むを得ずそうなった場合は、誠意を見せろ」ジロ
勇者「す、すんません」シュン
戦士「さっきの話じゃないが、この際はっきりさせとくか」
勇者「話とは? ……なんのことでございましょ?」
魔法使い&僧侶「……」
戦士「あたしらは、お前にとってなんなんだ? 勇者」
258 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/18(木) 21:21:59.76 ID:0bN6bfFxO
勇者「は、はぁ?」
戦士「さっき、武闘家に言われて思ったんだ。あたしらの旅の目的。その中心に勇者がいる。その指摘自体は間違っちゃいないってね。言い方はきにいらないが」
武闘家「ふん」プイッ
戦士「あたしらはそれぞれ目的がある。勇者といけば、その目的が叶うと思っている。だから、一緒にいる」
勇者「ふむ」
魔法使い「勇者は何のために私たちと一緒に旅をしてるの? 仲間がいるにこしたことはないでしょうけど」
僧侶「……」
魔法使い「――そもそも、勇者は私たちを仲間だと思っているのかしら? そう思ってないから、適当な対応しかしないの?」
勇者「そんな深刻にならんでも」
戦士「ふざけるのはなしだ」
勇者「……ふぅ、あのなぁ。ついてきたいと言ったのは、お前らだろう? 武闘家は、爺さんに頼まれてってのもあるが」
魔法使い「つまり?」
勇者「今後についても決めるのはお前らだと言ったはずだ。淫魔を逃した時に」
戦士「なるほど。では……あたしらは仲間じゃなく、ビジネスな取り引き相手だと言いたいわけか?」
勇者「うっ、そ、そうは言っちゃいないが」
魔法使い「そういうことでしょ。逃げるのは卑怯よ」
僧侶「私たちは責めているわけではありません〜。ただ、知りたいのですぅ〜。本心を〜」
勇者「……」ポリポリ
戦士「リーダーの方針には従う。そうであるというのならば、今後の付き合い方にも影響する」
魔法使い「慣れ合いがしたいって言ってるわけじゃないのよ? 仲良しサークルじゃない。それはわかってる」
戦士「あたしの本心を言わせてもらえば、できれば、その、うまく付き合っていきたい」
勇者「つ、付き合うって……」ソワソワ
魔法使い「童貞か! ……ふざけるんじゃないって言ってるのに」キッ
勇者「ついつい。……わかってるよ。人間関係的な話だろ」
戦士「そうだ。所詮は他人同士。時にはぶつかることもあるだろう、こうして話合いの機会を設けることだって少なくないかもしれない。それ自体は悪いとは思わない」
魔法使い「……でも、そればっかりじゃ、疲れちゃうでしょ? どうせなら、楽しくしたい」
武闘家「……」
勇者「うん、言ってる意味はわかるよ」
戦士「だが、それはあくまであたしらの希望であって決めるのはリーダーだ」
魔法使い「勇者、あんたのことよ」
僧侶「……」
勇者「よし、こうしよう」ポンッ
259 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/18(木) 21:49:56.11 ID:0bN6bfFxO
戦士&武闘家&魔法使い&僧侶「……」ジィ
勇者「一度、みんなで風呂にでもはいって親睦を深めあうってのは? 俺ももちろん一緒に」
魔法使い「あ、あんたね……」
勇者「すべてを分かりあうなんて不可能だ。他人同士の壁、性別の壁。色んな壁がある。ケツに泥ついちまった」ムクッ
戦士「……」
勇者「お前らが旅を楽しくしたいと望んでるのなら、俺はそれにできるだけ応えるよ。必要ならそうする」
僧侶「それだとぉ、私たちがそうさせてるっていうかぁ」
勇者「結局のところ、お前らはどーしたいんだよ。そういう話になった時に、言ったんだろ」
戦士「それは、そうだが」
勇者「俺はその要望を汲み取るって言ってるんだ。リーダーとして」
武闘家「でも、それだと、こいつらが言ってるのとはたぶん違う気がする」
勇者「(ふぅ、やれやれ)」
僧侶「私たちは勇者さまのお言葉がほしいのですぅ」
魔法使い「これは、私たちも卑怯かもしれないけど、理由がほしいのよ。それさえあればいい」
勇者「ただひとつ言えるのは、俺は、お前らのことが必要だと思ってるよ」
戦士「本当か……?」
勇者「当たり前だろ。だから要望を聞いて合わせようとしてるんじゃないか」
僧侶「それは、お優しいからではぁ〜」
勇者「いんや。助かってる部分はあるし、旅の中でそれは思った。本心でだ」
魔法使い「続けて」
勇者「本心を言えば、戦士や魔法使いが要望通りすれば得られるものがある。その損得勘定の一方で、仲良くできればいい、そう思ってる」
魔法使い「じゃあ……」
勇者「だが、勘違いするな。仲良くなれるかどうかなんて個人間の問題だということを。旅は楽しければいい。そりゃそうさ」
戦士「……」
勇者「無理して仲良しを装うほどつまらないもんはないだろ。努力は必要だが、合う合わないはある。分かり合えるきっかけなんて些細なものだが、それが生まれない場合もあると理解しろ」
僧侶「はい〜」
勇者「まずはお互いがなにを求めているのか、そこからはじめたのは良いことだと俺は思う。良い方向に考えればだが」
戦士「……」
勇者「気楽にやりましょーってことで」ゴソゴソ
戦士「お、おい。まだ話は終わりじゃ」
勇者「うーるせぇなぁ。時間が解決してくれることだってあんだよ。なに生き急いでんだ」ピラ
武闘家「地図広げてどうしたんだ?」
勇者「方針を発表します! 今から、南のクイーンベルに向かいます!」ビシィ
僧侶「あらまぁ……」
魔法使い&戦士&武闘家「――……はぁぁっ⁉︎」
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/18(木) 23:30:44.01 ID:OswWr4Z00
乙?
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/18(木) 23:32:20.34 ID:RJfqGOvoO
乙
寝落ちかな?
262 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/19(金) 07:06:10.59 ID:bvIfG7NGO
すいません、寝落ちしてました。
今日は午後〜夜ぐらいに再開すると思います
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 07:27:26.32 ID:AGFEP+cDO
乙
264 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 14:50:11.88 ID:+r3xFqGgO
【魔王城 玉座】
キングヒドラ「なぁにぃ⁉︎ 勇者の居場所がわかっただぁ⁉︎」ドンッ
シンリュウ「ならば、消せば良い」
オーガ「そうだ! 勇者を殺しッ! 残った人間は一匹残らずすり潰してやるッ!!」
サキュバス「コトは……そう単純ではなくなってしまったのよ」
オーガ「なにがだ⁉︎ 我ら魔族の連合軍を前にして敵など皆無! 力を存分に発揮して蹂躙しつくしてやればいいだろうッ!」
魔王「……時期ではない」スゥ
シンリュウ「我らが王よ。なぜ? なぜでございましょうか。人間を過大評価するのは」
魔王「まず一つに、数だ。我ら魔族は強力な個体を強みとするが、人間共の母数に比べれば半分にも満たない」
オーガ「数など……っ!」
魔王「次に、数を活かした組織力にある。有象無象の衆を相手にしたとなれば……たやすく蹴散らせる。しかし、戦局が複雑化すれば次第に我らと均衡するであろう」
キングヒドラ「なぜだッ⁉︎」ビターン
魔王「やつらもやつらで団結するからである。生産能力は侮れぬ。首脳陣が保身しか考えない無能であれば話は別だが……あれを見よ」ピタ
四天王一同「……」
魔王「知っておろうが、ニンゲン共が作った世界地図だ。アレフガルドには、人間達の国が四つある」
サキュバス「アデル、クィーンズベル、ハーケマル、サルマニアですね」
魔王「我らの大地は“裏にある”。地図を裏返してみよ」
大臣「ははっ!」ペラ
魔王「……して、見てどう思う?」
四天王一同「……?」
魔王「気がつかないか。領土の広さは人間どもの治める大地に比べて……」
シンリュウ「当たり前のことすぎて……」
オーガ「なにが言いたいのですか⁉︎」
魔王「我らもいずれはやつらの治める大地……有り体に言えば人間界へと侵攻するであろう。準備が足りないのだ」
キングヒドラ「ですから! 準備などせずとも!」
魔王「黙れ……」ギロッ
キングヒドラ「……っ!」ビクゥッ
265 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 14:51:35.27 ID:+r3xFqGgO
魔王「ラクに勝てる道を前にしてなぜイノシシのごとく突進するのか。我らは個を有利とすればこそ、失った時の損失もまた大きいのだ」
サキュバス「領土を広げるには、子を産み、魔族の母数を広げることが最重要課題」
魔王「で……ある。そうなればどちらにせよ今の領地では足りなくなる。資源も、土地も」
シンリュウ「勇者は……?」
魔王「やつは殺す。これ以上力をつけられる前に」
キングヒドラ「ならば! 私におまかせを! 必ずや勇者の息の根を止めてごらんにいれましょう!」
魔王「……場所はわかっておるのであろう?」
サキュバス「はっ。ミンゴナージュで遭遇してから日数がたっておりません」
魔王「キングヒドラよ」
キングヒドラ「ははっ!」ザッ
魔王「人間共のをなるべく刺激しないようにできるか?」
キングヒドラ「うっ……」
シンリュウ「そういう理由ならば我におまかせを。竜族は時に激しく、そしてまた時には静けさを持ち合わせております」
魔王「シンリュウよ。王、自ら動くのか?」
シンリュウ「サキュバスからの周知徹底によると、勇者はとんでもない力を秘めているとか。……であれば、下っ端にまかせるわけにもいくますまい」
魔王「返り討ち、なんて顛末にはなるまいな?」
シンリュウ「所詮は人の子。戦闘向きではない淫魔族が遅れをとったとて、古代から続く竜に敵うものですか」
魔王「良いか。よく聞け」
四天王一同「……」
魔王「先走るな。繰り返し念を押すが、お主らのどこが欠けてもまた時間をかけねばいけないくなる。我らに欠如して良い部族はない」
四天王一同「……」
魔王「狙うは勇者のみだ。よいな?」
四天王一同「……ははぁっ!」ドゲザ
266 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 15:11:09.58 ID:+r3xFqGgO
【魔王城 通路】
シンリュウ「これはこれは……サキュバス殿ではありませんか」
サキュバス「……」スッ
シンリュウ「なぜ、通路でお待ちに? 招集会議なら終わったばかり――」
サキュバス「勇者を、侮ってはいけない」
シンリュウ「ふっ、ふふっ、笑わせないでいただけますか。我らをどの一族だと思っておいでか」
サキュバス「どの一族でもだ。巨人族でも、獣族でも同じこと。油断すれば、消されるぞ……! やつの……力に」ゾワッ
シンリュウ「相当、恐ろしい思いをなさったようだすねぇ。竜族を、理解しておられないようで」
サキュバス「我ら魔族は、力がある。その特異性もあってか、力のある個体を好む。魔王様に従い、尊敬するのも同じことよ」
シンリュウ「おやおや。では、貴女は勇者の力にときめくものでもあったと? 魔王様に反旗を?」
サキュバス「ち、違うわっ! 私は、そんなこと……。貴女の心配をしてるのよ!」
シンリュウ「ですから、その心配が我が一族に対する侮辱だと申しているのです。人間でしょうが」
サキュバス「あ、あれは人じゃないっ! 人間の強さじゃないのよ!」
シンリュウ「では、ガタガタと震えていらっしゃいませ」
サキュバス「な、なに……?」
シンリュウ「ニンゲンがこわいよぉ〜、と……。淫夢城の片隅で」
サキュバス「き、貴様ぁっ!! 私をバカにしているのかえっ⁉︎」キィィィン
シンリュウ「きっかけを作ったのは貴女でしょう。では、失礼。淫魔の王よ」コツコツ
サキュバス「……ぐっ! ……おのれっ……おのれえええぇえええっ!!」ギリギリ
267 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 15:24:12.96 ID:+r3xFqGgO
【数十分後 竜王城 玉座】
ベビードラゴン「おかえりだす!」
シンリュウ「ただいも。えんらく疲れちまっただよ。堅苦しい空気は苦手だぁ」
ベビードラゴン「口調は大丈夫だったか?」
シンリュウ「いや〜、危なっかしい場面チラっとあったけんど、気がつかれてなかったっぽい。ハラハラしちまったよ」
ベビードラゴン「威厳もへったくれもあったもんじゃないもんな!」
シンリュウ「そりゃあなぁ。奥地に住んでたらいつのまにかこんな方言定着してたなんて知られたら笑いものだっぺ」
ベビードラゴン「なんの招集会議だっただか?」
シンリュウ「……なんでも、勇者の居場所をつきとめらし」
ベビードラゴン「へぇ〜! 勇者ってあの勇者だろ? ずーーーーっと昔には協力関係にあったかもしれないっていうあの!」
シンリュウ「その時代に生きとるやつなんかいんね。伝説なんじゃねの」
ベビードラゴン「そうはいうけど、壁画が残ってるし」
シンリュウ「戦ってる壁画もあんだべよ。時には戦い、時には協力。こんれもまた、時代なんだっぺなぁ」
ベビードラゴン「今は魔王様いるしな! 勇者を殺すのか?」
シンリュウ「ほんとは行きたくなかっただすぅ。でも、あの場の雰囲気がワタスを動かしてぇ」
ベビードラゴン「わかるわかる。やらねばって感じになるよな」
シンリュウ「おめぇがいづから部族の代表になったのよ。しんねぇくせに」コツン
ベビードラゴン「いたっ。えへへ、で、どうすんだ?」
シンリュウ「人間、だもんなぁ。サキュバスはああいうけど、正直負ける気がしねぇ」
ベビードラゴン「サキュバス? 負けるのはありえないんじゃないか?」
シンリュウ「んだども、どうすっぺかなぁ」
268 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 16:09:22.04 ID:+r3xFqGgO
【三日後 クィーンズベル 国境 砂漠地帯】
魔法使い「照りつける太陽、からからに乾いた大地。景色がゆらゆらぁからゆらゆらぁ〜」
武闘家「最後のひと瓶だ。それ」ポイ
魔法使い「あっ、えっ、わっ」アタフタ
武闘家「ばっ、ばかっ⁉︎」
魔法使い「あっ」ツル パリンッ
僧侶「あらあらぁ、水がぁ」
武闘家&魔法使い「う……あ……」
魔法使い「ど、どどどどっどうすんのよ⁉︎」
武闘家「どんな壊滅的な運動神経をしてるのさ⁉︎」
魔法使い「う、うるさいわねっ! 暑くてだるかったの!」
戦士「暑いんだから喧嘩しないでくれぇ〜」
僧侶「勇者さまぁ、最後のひと瓶がぁ」ヒョコ
勇者「……」
僧侶「勇者さまぁ?」
戦士「心頭滅却すれば火もまた涼し。ここにきて、勇者、ついに悟りを……」
勇者「」コテ
魔法使い「気絶してんじゃないの!」
武闘家「無理もない。この炎天下の中、ずっと外で座ってちゃ」
僧侶「一日ですっかり肌も焼けてしまってますねぇ」
魔法使い「ま、真っ赤よ⁉︎ 火傷しちゃってない⁉︎」
勇者「う、うぅ。み、水を。水……」
僧侶「それがぁ、先ほどお伝えいたしたとおり、魔法使いさんが割ってしまいましてぇ」
魔法使い「私のせいじゃない! 武闘家が悪い!」
武闘家「アタイのせいにすんなよ⁉︎ アンタの運動神経が――」ギャアギャア
勇者「な、なんでもいいから、水くれぇぇぇ…………」
269 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 17:36:32.95 ID:wf16flOjO
【クイーンズベル城 寝室】
姫「ふぅ……今日の外気温度はいかほど?」
メイド「39度でございます。お嬢様」
姫「今日もいつもと変わらずね」
メイド「左様でございますね、お嬢様。この砂漠土地独特の気候で」
姫「紫外線対策は?」
メイド「こちらに。UVケアクリーム、日傘、靴下、手袋、ありとあらゆる品をとりよせてございます」ササッ
姫「黒なんてもう流行らない、女は白い肌。ましてや私は姫……」
メイド「んまさにっ! 透き通るような珠のお肌でございます、お嬢様」
姫「オーッホッホッホ! もっとよぉ〜! もっと言ってちょうだぁ〜い!」
メイド「素敵です! さすがです! ビューーーティホーーーッでございます!」
姫「はぁ……そう。私こそがこの国一番の淑女にして美女……美しいって……つ・み」
メイド「素晴らしい!」パチパチ
姫「使者はどうか?」スッ スタスタ
メイド「間も無く帰ってくるかと思われます。お椅子を」スッ
姫「……んふっ」フワッ
メイド「噂によると、いよいよ勇者が旅立ちを迎えたとか。懐かしゅうございますね」
姫「口紅を」スッ
メイド「こちらを。……時を同じくして生まれたおふたりはいわば幼馴染。アデルのお城に特使として訪れた際には大層仲の良かったことで」
姫「あぁ……勇者よ。どこにいるのであろうか。あの嫌がる顔をもう一度見とおてたまらん」ヌリヌリ
メイド「お嬢様、それぐらいに」
姫「今日も美しい。この“鏡”にうつる私は、今日も美しくてよぉ〜〜! オーッホッホ! オーッホッホッ!」
メイド「素敵でございます! お嬢様!」パチパチ
270 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 19:46:56.82 ID:bvIfG7NGO
【クイーンズベル城 玉座】
姫「な、なななっ⁉︎ このあたくしがお見合い⁉︎ どういうことですの⁉︎」
王様「姫も18になった。そろそろ婚礼を迎えてもいいであろ」
王妃「ええ、貴方。相手は北のハーケマル。その第一子嫡男であるハーゲよ」
姫「朝の身支度を終えて来てみれば……そんな……っ! それになんですの⁉︎ ツルピカってそうな名前は!」プルプル
王様「これ、失礼であろ。名前は親がつけたもんじゃ。親はもう毛根が……ゲフンゲフン」
姫「やっぱりハゲるんじゃありませんこと⁉︎」
王妃「ハゲハゲ言うんじゃありません。髪の話などしても不毛よ。髪がないだけに」
王様「……座布団没収」ボソ
姫「お父様! お母様! ダジャレを言い合っている場合ではないんですの!!」
王様「しかしのぅ、この縁談は政治的側面もあるんじゃよ」
姫「……っ!」
王様「姫も知っておろ? 四つ国は西と東、南と北でそれぞれ兄弟国になっておる」
王妃「私も元々はハーケマルの姫だったのよ?」
王様「うむ。こうして代々、王家同士で和睦と太平の契りを交わすため、家族となるのじゃ」
姫「そ、それは……でもっ」
王妃「夫婦生活なんて慣れよ。この人と結婚するのなんて、私も最初は嫌々だった」
王様「本人を前にして言うかの」
王妃「よく聞きなさい、姫。王家の女はね、男と結婚するのではない」
姫「……お母様」
王妃「いいから聞きなさい。王家の女は、民と結婚しなくちゃいけないのよ」
王様「ふむ」
王妃「所詮、女なんて道具に過ぎない。慰めにならないと思うけど……貴女の勇気が、民を安心させる」
姫「い、いやですわ。そんなの納得いかないんですのっ!!」タタタッ
王様「おう⁉︎ ひ、姫っ」
王妃「……今はほっときましょう。私もそうでした。あの子は帰ってきます。身体に王族の血が流れている限り」
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 19:57:29.68 ID:Lagy0bRpO
他の登場人物は勇者を持ち上げるためにいる
そのため勇者に魅力は感じず、他の登場人物も総じて薄っぺらく見える
272 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 20:02:51.88 ID:bvIfG7NGO
【砂漠の国 クイーズベル 城下町】
荒くれ者「ヒャッハーッ!! 水だ水だぁっ!!」ドン
老人「あうっ」ドサッ チャリン
荒くれ者「ん……? なぁ〜んか今、金目の音がしなかったかぁ〜?」
老人「あわわっ」ササッ
荒くれ者「おぉ〜い爺さん! 金だしなァッ!!」グィ
老人「ひ、ひぃっ! やめてくだされ! それはモミの木を買う金でっ」
荒くれ者「しらねぇなぁ〜!!」ブンッ
勇者「……待て」
荒くれ者「あァん?」チラ
勇者「お前らの血は何色だ?」
荒くれ者「なんだぁテメェ?」
勇者「おまえらの血は何色かと聞いているゥッ!」ビシ
荒くれ者&老人「……」ポカーン
勇者「この俺の前で悪事を働いたのが運の尽き。この北斗神拳の餌食に――」
魔法使い「さっさと助けなさいよ!」スパーン
勇者「み、見事だ。天に還る時が」ドサ
戦士「そのまま寝てろ」ゴツン
勇者「」
荒くれ者&老人「……」ポカーン
武闘家「はぁ……おい、そこのお前。お爺さんから手を離しな」
荒くれ者「な、なんだァ、テメェは⁉︎ 俺は女だからって容赦しねぇぜぇ⁉︎」
戦士「奇遇だな。あたしらも男だからって容赦しないんだ」スラッ
荒くれ者「……あ、あれ?」
武闘家「さぁ、覚悟はいいかい」ポキポキ
荒くれ者「〜〜〜〜ッ! 舐めんじゃねぇぞおっ!!」ブンッ
273 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/19(金) 20:10:34.85 ID:bvIfG7NGO
>>271
何度も書いてますがあえてのそこをやってるのですよ
感想をいただけるだけでもありがたいのですがせっかくなら読んでからもらえるともっとありがたいです
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 20:24:53.23 ID:1aVovlAg0
相手にしなくていいから続きはよ
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 20:29:19.45 ID:Lagy0bRpO
勇者SSとしては結構王道路線なんですけどね
多くのSSがぼかしてますが魔王勇者SSの原典はドラクエだと個人的に思ってるんで、そういうものだと思っていただければ。
何度も言っているとありますが、それは上記の発言のことを言っているのですか?
あなたは勇者魔王の王道、原典はドラクエと言っていますが、他のSSも見てみることをお勧めします。
長文失礼しました。頑張って下さい。
276 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/19(金) 20:33:41.56 ID:bvIfG7NGO
【数分後】
荒くれ者「」
戦士「大丈夫だったか? 爺さん」
老人「あ、ああ。それにしても強いんだねぇ、お嬢ちゃんたちゃ」
僧侶「危ないところでしたぁ」
老人「……あっちの若者はいいのかね」チラ
勇者「」
魔法使い「あぁ、いいのいいの。いつものことだから」
老人「ふ、ふむ」
戦士「どーなってるんだい? 井戸に水がはいってないなんて」
老人「旅人か。この地方は雨が降る割合が極端に低いのは知っとるかい?」
武闘家「見ればわかる」
老人「であるからして、こうして地下の源泉を掘り当てた湧き水を使っとるんじゃが……」
僧侶「聞いたことがありますねぇ。いずれ乾いてしまう場合があるとか」
老人「大抵の場合は風で運ばれてきた土が原因じゃ。ここが枯れた理由はさっぱりわからん」
戦士「水がわかなくなったってのはたしかだ。生活できないだろ?」
老人「水を宅配してもらっとるんじゃ。その金がまたバカにならんくての」
魔法使い「水のデリバリー?」
勇者「ほーん」ムク
僧侶「今回は復活まで時間がかかりましたねぇ〜」
277 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/19(金) 20:35:49.66 ID:bvIfG7NGO
>>276
もちろん見ていますよ。
その上で書いている通り、“個人的に”そう思っているというお話です。
応援ありがとうございました。今度はちゃんと読んでいただけるとありがたいです。
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 20:42:09.27 ID:1aVovlAg0
クソSS作者の横槍だから相手しなくていいんだって
みんながみんな普通の感想書くわけじゃないんやで
279 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/19(金) 20:52:46.67 ID:bvIfG7NGO
これだけは名言しておきますがこのSSの基本方針は
>>153
で書いている通りです。
読んでないなってレスや感想は一発でわかります。
とりあえず今日はここまでということで。また明日にでも続きは書きます。
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 20:59:36.87 ID:J6JjSiGRO
ブチ切れとるやんけ……
まぁ確かに読まずに批判されたら嫌だよな
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 21:19:53.68 ID:ApqVeiBmO
読んでる読んでないは作者の判断
賞賛する感想しか受け付けないってことだろ
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 21:24:22.68 ID:fO1Q7Wgyo
懐かしい感じのSSで面白いよ
大震災前に戻った感がある
283 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/19(金) 21:26:52.73 ID:bvIfG7NGO
批判になるかはわかりませんが
>>144
や
>>13
のような指摘や感想はすでにもらっています。
にもかかわらずなのですから「あ、読んでないな」とわかってしまうのです。
投稿するときはsagaしてるので多くの人の目につくようになります。
感想をいただくのはありがたいのですが、読んでからの方がもっとありがたいのです。
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 21:35:30.63 ID:p+1sVl9mO
開始時の勇者ニート目指す云々は面白かったし
途中の勇者ツエーも面白かった
今はダラダラしてる展開だな、今後の話のために必要な部分なのかもしれんけど
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 21:40:19.68 ID:fluJfznvO
よく喋る作者だな。気に入らないなら無視すればいい、いちいち反応するな。
286 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/19(金) 21:44:35.38 ID:bvIfG7NGO
それはその通りですね^^
武闘家加入までが量が一番多くて投下ペースもはやく、タタリ〜はちょっとペースが落ちて短くなってます。
なので現在進行してる部分は尺をもう少しとろうかなと思って。あと書くペース自体もどんどん落ちてきてるのもあるんですけどね。
ダラダラしてるのは自分でも思います。
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 21:46:35.04 ID:1aVovlAg0
感想返し熱心にやると変なの住み着くからやめたがいいよ
荒らし目的のやついるから
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 21:57:26.00 ID:giqh0n5CO
いきなりのケンシロウワロタw
乙
289 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/19(金) 22:07:00.58 ID:bvIfG7NGO
お目汚し失礼しました。
とりあえずまた明日以降に投下します。
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 22:23:10.14 ID:1aVovlAg0
乙
レスバトルで笑わせんでいいからSSで頼む
せっかく面白いの書いてるんだからもったいないよ
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/19(金) 22:46:16.36 ID:sHt9D2M60
>>285
←ほんとこれ
こういう
>>1
のSSは大概キチ○イを刺激して荒らされて終わる
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 00:41:04.93 ID:BG+MdVIA0
乙
実のない批判は右から左に流すぐらいでよか
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/20(土) 05:48:31.24 ID:SlWGw2FX0
この作者のレベルに満たない嫉妬の相手なんざしなくてえーさね
低レベルの相手をしても経験値はしょっぱい
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 06:42:11.64 ID:q70nxd5BO
これだけ
>>1
がクサくても信者が守ってくれるなんて平和なスレだなぁ
都合の悪い意見は読んでないか嫉妬扱いとか、SSも痛ければ作者も読者も痛いんだな
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 07:17:27.44 ID:vwfkHJ8G0
>>294
どう見ても嫉妬なんだよなぁ
他人のSSスレ卑下してないでお前が面白いと思われるもん書いてこい
どうせ奇をてらって逆に安易にグロとかに走るゴミSS作者なんだろ
王道系はひねくれた作者が面白くないと書きたがらないからそれだけで需要あるってなぜわからんのよ
最近の勇者SSは地の文とか変に凝ったもんが主流になってるからあっさり読めるっていうのも拍車をかけてるんだろ
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 07:42:00.27 ID:J+VnI0y/O
自分の意見が認められなければ作者はおろか読者まで攻撃するという荒らしのテンプレ乙
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:05:54.25 ID:RXY8gYNsO
>>295
このSSのどこが王道なわけ?
自分の好きなSSが認められなければ他作者はおろか読者にまで噛み付くという荒らしのテンプレ乙
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:09:51.92 ID:vwfkHJ8G0
>>297
面白くないと思ってるお前はなんのためにこのスレいるんだよw
荒らしはお前だろw
更新きたのかと思うからアホくさい煽りはもうやめてくれ
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:24:29.43 ID:J+VnI0y/O
・ハーレム?
・勇者TUEEE
・微勘違い
・ギャグ(メタネタ)
・ツンデレ、世話焼き、トロい、ヤンキー
中身どの角度から見てもテンプレすぎるほどの超王道一直線やんけ
だから作者もそこは踏まえて読んでねと
>>153
で言ってるんじゃねの
批判的意見にしても読んでないと思われるのはそこだろと
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 08:48:39.29 ID:TzH5r5ZTO
一々反応するなよバカ共
更新きたのかと思うからアホくさい煽りに構うのはやめてくれ
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:05:29.76 ID:AIitjHRDO
>>295
正直、何でもかんでも嫉妬で片付けるのはどうかと思うわ
作者が臭いのは事実だし、何で必死になって擁護してるのか分からん
荒らしに構ってる時点でお前も荒らしと同レベルの立派なゴミ読者だよ
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:14:36.31 ID:vwfkHJ8G0
嫉妬な理由は充分書いてるわ
というかお前同一人物だろ
コロコロID変えてまで荒らすなよ
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:16:59.84 ID:7TRuGib4O
構うなよ……
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:30:47.74 ID:awvROrJVO
叩かれるほど酷いもの書いてるなら作者クサイとかにも加勢するがそうじゃないやん
構成とかちゃんと練ってるのわかるしこのSSの書き方はうまい部類だろ
なんでもかんでも信者で片付けるのはよくないと思うわ
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 09:49:05.71 ID:awvROrJVO
王道要素を
>>299
とかで列挙しても信者ガーいってるから嫉妬とか言われる
嫉妬と言われて反発してるやつの感想も中身もほんと薄っぺらい
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 10:48:15.92 ID:q70nxd5BO
この薄ら寒い俺TUEEEEハーレムが王道SSって評されるがそもそも腹立たしいレベルなんだが
嫌なら読むなってなら分かるけど、ペラペラテンプレをつまらんって指摘して嫉妬乙って頭おめでたすぎるでしょ
むしろ必死に擁護してるやつは
>>1
の自演なのかとすら思うわ
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 10:54:35.49 ID:WVwCXAoA0
結論:
>>1
はレス返し止めよう
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:38:15.61 ID:vwfkHJ8G0
王道とは
https://dic.pixiv.net/a/王道
http://dic.nicovideo.jp/t/a/
王道
「楽なやり方」という意味より転じて、「多くの者が選びそうなやり方」「ありがち」となった
テンプレ盛りだくさんのありがち展開なんだから王道だろ
自分が書いてる矛盾点を棚にあげて自演疑うとかキチガイかよ
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:41:02.69 ID:/CUsXBBs0
ここまで議論が白熱するSSそうないだろ
人気だからこそ、注目されているからこそだと思うわ
>>1
はレスなど気にせず自分を信じて頑張ってほしい
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:46:30.03 ID:lVxB/B2TO
久しく忘れていたが昔は信者アンチに分かれて賑わっていたなぁ(遠い目)
アンチがついてから一人前とはよく言われたもんだ
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 11:59:58.89 ID:lVxB/B2TO
>>306
が支離滅裂すぎんよ
情緒不安定か?ペラペラテンプレのことだぞ王道は
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 12:45:11.31 ID:S1AMsUPTO
更新来たと思ったのに
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 17:46:13.78 ID:Tl3ZyAejO
>>306
ようやく言われてる自分のおかしさを理解していなくなったか
ただのバカだったんだな
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/20(土) 18:26:47.27 ID:WSIQJxrPO
>>1
更新待ってるよ!
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 01:36:58.18 ID:VinFDaA60
続ききてなかったのか
待ってる
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 02:19:52.10 ID:R9WK4agqO
何故ここまで荒れて病的とも言える信者が湧いたのか理解に苦しんでたが
>>311
>>313
自演に反応してる松尾〇…ぁ(察し
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 02:52:54.51 ID:c1sSRHPdO
>>316
まだいたのかよ粘着クソ野郎
お前も末尾同じじゃねーかカス
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 06:28:30.12 ID:3bscdxcAO
末尾なんて二種類しかないんだし
流石に末尾だけで判断するのは無理がある
その論法だと1/2はもれなく同一人物ってことになるじゃねーかwwwwww
まあ自演の可能性は否定しねえけど
この板も末尾を細分化してくれたらいいんだけどな
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 07:46:32.11 ID:VinFDaA60
荒らしの方が自演までして荒らしてる現実
なぜにそこまで必死になって貶してるのかが理解できない
つまらないといいつつレスつく度に覗きに来てるかと思うと陰湿さにゾッとする
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 07:59:01.81 ID:IEmY5NOYO
>>318
理論ならアンチ側も一人とは限らないってことなんだけど信者くんには理解できないらしい
なんでそこまで必死に反論するのかな、つまんないって言う人もいるけど僕は好きです!でいいじゃん
そんな信者がつくほどのSSにも思えないが
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 08:07:48.88 ID:oxkpUtxmO
アンチの言ってるのがズレてたり破綻してるからツッコミもらいやすんいだよ
どうしても自演にしたいんだろうけど荒らしも自演できるのは同条件なのはその通りだろ
アンチはなぜか作者の自演と擁護してるんだとこだわってるけど
そんなのツッコんでくださいって言ってるようなもんじゃね
かまってほしくてやってるんなら素直に書きゃいいじゃん
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 10:22:35.22 ID:EqOv8bsy0
>>271
が沸くまで平和スレだったのにいきなりアンチがどっとわくのが不自然すぎるだろW
作風変えたわけでもあるまいW
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 13:05:37.62 ID:3bscdxcAO
よし、おれは自演説を支持するぜ
実はID変えまくってる二人の壮絶なレスバトルなんだろ?wwwwwwww
まあSSは面白いから作者さんには気にせず頑張ってほしいわ
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 18:09:20.08 ID:flBnTyAKO
褒めるも自由、貶すも自由、規制なんて出来ないんだから無視しろよ
作者が臭いってあるけど、今のところクソ読者とクソ荒らしの方が臭いわ
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 19:06:12.96 ID:VinFDaA60
投下こないからまとめサイトにあがってる分を読み返してみたけどやっぱ凄く面白い
ありがちな展開はたしかにそうだけど何度も読める
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:31:16.79 ID:fZXUDyqx0
更新来ないねぇ…
>>1
がアンチに反応してそれに信者が便乗して荒れるいつものやつ。書くか書かないかだけはっきりしてほしいな
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:43:06.67 ID:IIa1IZ1l0
今日も更新なしっぽいか、期待して待ってる。
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 08:02:22.70 ID:qfqhMQIrO
投下こないからまとめサイトにあがってる分を読み返してみたけどやっぱ凄く面白い
ペラペラテンプレな王道でありがちな展開はだけど何度も読める
329 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/22(月) 13:31:16.44 ID:azsEVe4VO
しゃしゃりでると火に油を注ぎそうだったんで静観してました。続き更新してもよかったんですがそういう雰囲気でもないかなと。
反省点を踏まえ今後は良い悪いにかかわらず一区切りつくまで、これを最後に個人レス(報告含む)はひかえます。
明日にチラ裏(ただのメモアプリ)に書いてるのを更新しようと思います。そんなに量はありませんので投稿し終えたらリアルタイム更新になります。
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/22(月) 18:26:23.41 ID:7bKL85fy0
>>329
乙!
楽しみに待ってるから
よろしくね!
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 18:42:14.98 ID:8XC/lP5z0
ドンマイ
首長くして楽しみに待っとる
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 21:33:23.11 ID:318ZbTYNO
期待
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/23(火) 10:52:41.38 ID:icbp46Pf0
これだけ騒ぎになった時点でSS的には大成功の部類
334 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 13:42:50.44 ID:1oCodxxaO
【数分後】
荒くれ者「」
戦士「大丈夫だったか? 爺さん」
老人「あ、ああ。それにしても強いんだねぇ、お嬢ちゃんたちゃ」
僧侶「危ないところでしたぁ」
老人「……あっちの若者はいいのかね」チラ
勇者「」
魔法使い「あぁ、いいのいいの。いつものことだから」
老人「ふ、ふむ」
戦士「どーなってるんだい? 井戸に水がはいってないなんて」
老人「旅人か。この地方は雨が降る割合が極端に低いのは知っとるかい?」
武闘家「見ればわかる」
老人「であるからして、こうして地下の源泉を掘り当てた湧き水を使っとるんじゃが……」
僧侶「聞いたことがありますねぇ。いずれ乾いてしまう場合があるとか」
老人「大抵の場合は風で運ばれてきた土が原因じゃ。ここが枯れた理由はさっぱりわからん」
戦士「水がわかなくなったってのはたしかだ。生活できないだろ?」
老人「水を宅配してもらっとるんじゃ。その金がまたバカにならんくての」
魔法使い「水のデリバリー?」
勇者「ほーん」ムク
僧侶「今回は復活まで時間がかかりましたねぇ〜」
勇者「なぁなぁ、じいちゃん。井戸の水て突然枯れるもんなの? 原理としては」
老人「む? ワシもくわしいことはわからん。だが、現実として枯れてしまった。はっきりしてるのはそこじゃ」
勇者「原因を探ろうとしないのか? 例えば、もっと深く掘ってみたとか」
老人「そりゃするさ。なにせ水は生活に欠かせないものじゃからな。クイーンズベル王国の調査団が水脈を調べておる」
勇者「ほむ」
魔法使い「近いうちに究明されるんじゃない? 学者達もいるだろうし」
老人「左様、ワシらよりもうんと賢いお方が調べておるんじゃ。いっときの辛抱じゃよ」
勇者「……そうは言うけど、干上がってどれくらいになんの?」
老人「かれこれ、二週間になるか」
勇者「その間、生活水を実費で購入してるわけだろ? 国から補助が出るわけもなく?」
老人「そういう段階ではなかろうて。ワシらはお国を信じて待っとりゃいいんじゃ。ぜぇ〜んぶ、国王さまが良くしてくれる」テクテク
勇者「……」
武闘家「爺さんは行ってしまったぞ。考えこんでいるようだが」
魔法使い「どうせ晩ご飯なににしようとか悩んでるんでしょ」
戦士「なにっ⁉︎ メシっ⁉︎ 一緒に考えよう! あたしはケバブがいいぞ!」
勇者「行きつく先々で。なんでめんどくせぇんだよ。俺はコナンくんじゃねーぞ」ブツブツ
335 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 13:44:48.37 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 南西方向 廃墟 】
お頭「おい、割符はちゃんと配ったか」
手下「へへ。これを忘れちゃ報酬が受け取れませんもんね」スッ
お頭「もうすぐ緋の月だ。それまで水を干上がらせておく……」
手下「風の噂によると姫に縁談の話があるとか。北のハーケマルから第一皇子がわざわざ出向いてまで」
お頭「そうなりゃ国を挙げての催事になる。水はもちろん使う。なにせここは暑いからな」
手下「さすがお頭(かしら)。国王を相手にぶんどろうなんてちんけな小物にゃ考えつきませんぜ」
お頭「まだ計画は道半ばだ。明日の朝日一番で城にいく準備をしておけ」
手下「へい」
お頭「いいか、あくまでもお前らは兵の配置を調べるための偵察にいくだけだ。あまり深入りすんじゃねぇぞ」
手下「わかってますって。おい新入り! 馬の餌やりおわったんならボサッとしてんじゃないぞ!」
ガンダタ「……悪い」ムクッ
手下「けっ。山賊だかなんだか知らねーがいい歳こいたおっさんが。こうなっちゃおしまいっすね」
お頭「ガンダタよ。オレも驚いたぜ。この業界でちったぁ名の知れたお前さんが……まさか給料の未払いで手下どもに逃げられちまうとはよ。今はどんな気分なんだい? 聞かせてくれよ」
ガンダタ「……」
お頭「なんだァ? 喋る気もねぇってのか? え? 下働きさんよ」
ガンダタ「暇してんのか? お頭」
お頭「あ?」
ガンダタ「下働きにかまってるんだ。見たまんまの感想だろ」
お頭「からかってるんだよ。それすらもわからねぇのか」
ガンダタ「俺は暇じゃねぇんだ。馬の洗体が残ってるんでね」
お頭「おい……。ガンダタさんよ」
ガンダタ「……」
お頭「郷に入っては郷に従えってしらねぇんだな。言葉遣いにゃ気をつけろよォ?」
ガンダタ「……へい。お頭」
お頭「ふん……おい、野郎ども! 明日は骨董屋に戦利品を売りさばきにいく! うんとふっかけてやれ!」
手下達「へいっ!」
お頭「いいか! 先の大仕事が終われば、お宝が俺たちを待っているッ! なんでも好きなことができるぞ! 報酬は弾む! だから気合いを入れろ!」
手下達「おおおぉぉぉっ!!」
336 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 14:22:07.21 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 玉座】
学者「こ、国王さまぁ〜〜っ! 国王さまぁ〜っ!」バタバタ
大臣「騒々しいぞ。国王様ならあちらに。御前である」
学者「はひっ! ひっ、ひっ、ふぅっ……ふぅ……なにしろ、取り急ぎお伝えしたいことが」ドゲザ
国王「よいよい。申して見よ」
学者「水が枯れた原因がわかりませんっ!!」クワッ
国王「……」ズルッ
学者「どうしたらよいのでしょうか⁉︎ 国王さま!」
国王「おまっ、そこは普通わかりました! じゃろう」
学者「そ、それが……水は止まっていないはずなのですぅぅ」
国王「なに……? どういうことじゃ?」
学者「一週間前に派遣団を結成いたしておりまして、地奥深くに流れる水脈を調査開始致しました」
国王「知っておる。余が承認したからの」
学者「そ、その結果、水が、逃げていることが判明致したのです」
国王「逃げとるじゃと? 枯れたではなく?」
学者「そ、そうなのでございます。棒を突っ込むと先端は濡れておりまして。ならばと思いそれを目印に掘り進めど水は一向に出てこず」
国王「……んぅ〜?」
学者「本来ならばそこに在るはずの水源がないのでございます!! 我ら学者一同頭を抱えておりまして」ペラ ペラ ペラ
大臣「なにを広げておるのだ、勝手に」
学者「こ、これは調査記録でございます。井戸というのはですね、地層水と呼ばれるもので――」
国王「能書きは良い。水は、民この国にかかせない資源じゃ」
学者「は、はいィッ!」ビシィ
国王「“逃げている”、か。にわかには信じられん話じゃが、それで間違いないのか?」
学者「わ、我々も何度も何度も手作業で掘り当て……岩盤層が出てくると爆薬を使い、そしてさらに掘り進みましたが」
国王「……ラチがあきそうにないのぅ」
学者「も、もうしわけまりませんんんんっ!!」ドゲザ
国王「大臣よ。水売りにきている者たちはどうじゃ? 暴利をふっかけてきておらなんだか?」
大臣「今のところは。しかし、最近は、なにやらどうも出し渋りはじめてきたようで」
国王「もう二週間にもなる。長期的になると薄々感づいてきておるのかもしれんな。商人の嗅覚は侮れないものよ……」
大臣「足元を見られるわけにもいくますまい」
国王「同時に、国王が圧力をかけるなどあってはならぬことよ。いくら困っているとはいえ、商人には商人の道理があり、権利がある」
大臣「国の一大事に発展するとならば話は別っ! 水! 水なのですぞ! ない生活など不可能です!」
国王「なにか妙案はないものかのぅ」
337 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 14:43:42.95 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 姫の個室】
メイド「姫様。もっとお腹にお力を。息をめいっぱい吸いこんでくださいまし」ギュ ギュ
姫「……はぁ」
メイド「吐いてはコルセットが……縁談の件で心を悩ませておいでなのですか?」
姫「そうですの。ねぇ、貴女は恋をしたことはある?」
メイド「いえ。私は王宮に、そして姫様に仕える身として従事させていただければ本望でございます」
姫「楽しいんですの? そんな人生が」
メイド「私にとっては全てでございます。……お悩みは、同じ女としてお察しします」
姫「お父様もお母様もひどいんですの。まるで、私に心を殺して生きる人形になれとおっしゃっているかのよう」
メイド「国王両陛下もお苦しいのだと思われます。一人娘です。決してそのような――」
姫「そんなの! 私は望んでいないんですのっ!!」
メイド「ひ、姫様……?」
姫「わたくしは恋をしたい! もっと一人でいたい! 結婚して妻になれば民は安心する⁉︎ 私はどうなるんですの⁉︎ 幸せは⁉︎」
メイド「……」
姫「いやです。会ったこともない人の妻になるなんて……うっ」ポロ ポロ
メイド「泣くのはおやめください。ハンカチです」スッ
姫「うっ」
メイド「覚えていらっしゃいますか。姫様は昔、泣き虫でした。そのたびに私がこうしてハンカチを差し出してましたね」
姫「忘れたんですの、そんな昔の話」グスッ
メイド「ふふ。私は全て覚えております。……姫様、強くおなりください」
姫「……」
メイド「この国は王子が生まれませんでした。子を授かる、それ自体は誰しも責められぬこと。一部の者は妃様の陰口を叩いておりますが、王様の人望が黙らせております」
姫「ええ、知っています」
メイド「この国の未来は、貴女様にかかっているのでございます。民たちの笑顔をさせることも、がっかりさせることも」
姫「……貴女まで、そんなこと……」
メイド「姫様だからこそです。お立場と向き合うというのならば、私はこれからも、いいえ、死ぬまで片時もお側から離れません。おこがましい申し出ですが、辛さを分け合えたらとさえ思っています」
姫「……」
メイド「男など、手のひらで転がしてやればよいのです。お妃様のように、王様に惚れさせて」
姫「惚れ、させる……」
メイド「必ずや、姫様にはその器量があると信じております」
姫「うぅ〜ん」
メイド「まずは、会うだけ会ってみましょう。それから判断しても遅くはございませんよ。……ね?」
338 :
◆7Ub330dMyM
[sage]:2018/01/23(火) 15:02:47.50 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 姫の部屋前】
メイド「……ふぅ」ギィー パタン
衛兵「お疲れ様です」
メイド「これはこれは、衛兵殿。そちらこそ。では、私はこれで」スッ
衛兵「お待ちください」
メイド「……なにか御用でしょうか? 忙しいのですが」
衛兵「――……お頭からの指示がある。城の見取り図を手に入れてほしいそうだ」
メイド「……! 城内では接触しないでとあれほど……!」
衛兵「決行がそろそろ近くなりそうだ。ハーケマルの王子がくれば兵は各地の警備に分散され、人の出入りで慌ただしくなる」
メイド「……」
衛兵「なぜ返事をしない? お前の弟が人質なのを忘れるなよ。ここにきて裏切ったらどうなるか」
メイド「……っ、わ、わかっていますっ! 弟は、勘弁してやってください」
衛兵「お前次第だ。心配すんな、全部終われば無事に帰ってくるさ。この国はやばいことになるだろうがな」
メイド「せ、せめて、無事だと思える確証を」
衛兵「なら見取り図を手に入れろ。俺たちにはどうしても必要なんだ。王に水の交渉を持ちかけている間に、宝物庫に忍びこみごっそりといただくためには」
メイド「ほ、本当にそうすれば……弟に、合わせていただけるんですね……?」
衛兵「何度も言ってるだろうが。めんどくせえ女だな」
メイド「……」ギュゥ
衛兵「いつまでに手に入れられる?」
メイド「3日、時間をくださいまし。城の見取り図は重要な情報。必要な時だけ取り出せるよう厳重に保管してあります」
衛兵「いいだろう。さっさといけ。誰かに見られたら厄介だ」
メイド「……」スッ スタスタ
衛兵「(何度見てもいい女だぜ。個人的に楽しむってのもありかもしれねぇな)」
339 :
◆7Ub330dMyM
[saga]:2018/01/23(火) 15:23:17.17 ID:1oCodxxaO
【クイーンズベル 宿屋 食堂】
勇者「なんで鍋なんよ?」
魔法使い「……」タラ〜
勇者「なんでっ! 外気温が39度もあるのにっ! 地獄鍋なんよっ!」バンバン
戦士「はふはふ、うまいっ、暑いっ、あつうまっ」モグモグ
勇者「お前もうなんかペット化してきてんな!」
僧侶「しょうがありませんよぉ〜。これしかないっておっしゃるんですからぁ」
勇者「我慢大会やってるんじゃないんだぞ!」
魔法使い「暑くなるんだから、騒がないでよ。バカ勇者」ダラダラ
勇者「滝の汗になってるけど、平気?」
武闘家「……アタイ、やっぱり店員に」
戦士「待て」ガシッ
武闘家「はぁ……なんだよ」
戦士「出されたものをすべて平らげてからだ。それこそが道理」
勇者「お前ルール押し付けてんじゃねぇ! 俺はもう我慢ならん! 店員さぁーん! ちょっとカマン!!」パチン
魔法使い「指鳴らすとかやめてくれない?」
店員「チッス。追加の鍋ご注文ッスか?」
勇者「いらねーよ! どうなってんのよ!鍋って!」
店員「暑い中食う鍋が今年のトレンドなんスよ」
勇者「いや、ほら。ほかにもあるだろ? 本当は」
店員「あるにはあるすけど。激辛ラーメンとか」
勇者「な、なんでそんなもんばっかり」プルプル
店員「サーセン。お客さん、旅人っスよね? この地方ってみんなこうなんすよ。どこいってもこうすっよ」
勇者「そんなの絶対おかしいよ!!」バンッ
店員「たくさん汗かいてたくさん水のむっス。身体にもいいんスよ。長生きの秘訣っス」
勇者「す、住めない。ここには絶対に……!」
魔法使い「はふぅ」コテ
勇者「お、おいっ! 魔法使い! しっかりしろ!」
魔法使い「ゆ、勇者……水……」
勇者「ほら! 飲め!」スッ
魔法使い「んくっ、んくっ」ゴクゴク
勇者「き、きさまああぁぁっ! よくも魔法使いを!」
店員「なに三文芝居やってんスか。注文ないなら失礼シャース」テクテク
勇者「うっ、うっ」ポロポロ
僧侶「勇者さまぁ、泣かれておられるのですか?」
勇者「これだから、これだからこの地方は嫌いなんだ……! なにもかも……」ポロポロ
武闘家「はぁ……」ガックシ
戦士「うまっ、はふっ、はふっ。店員さーん! ラーメン追加ぁー!」モグモグ
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