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17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:52:55.83 ID:9z+7Ciky0
私「??そう仕向けるために、私を誘拐したんだ?」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:54:50.16 ID:9z+7Ciky0
私「ーーそう仕向けるために、私を誘拐したんだ?」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:55:32.02 ID:9z+7Ciky0
>>17
は文字化けしたので見なかったことにしてやって下さい
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:56:05.66 ID:9z+7Ciky0
糸が震えた。
それはまるで隠し事がバレてしまった幼い子供を連想させる振動だった。
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:56:47.53 ID:9z+7Ciky0
【糸】:……ピン、ピン。
あくまで否定するつもりらしい。
私「理由が知りたい?」
【糸】:ピン
私「簡単な話よ。最後の記憶が"あなた"とお酒を飲んでいた記憶なのだから、真っ先に"あなた"を疑うのは当然でしょ。私のお酒に一服盛って、私が酔い潰れた所でここに運ぶ。これが出来るのはあなたしかいないんだから」
【糸】:……ピン、ピンピンピンピンピンピンッ!
私「不服なの?」
【糸】:ピン!
私「それはそうよね。仮に誘拐犯さんが私とお酒を飲んでいた"彼"だったとしても、"彼"と"あなた"が同一人物か否かまでは、本来私には分からないはずだものね」
【糸】:……ピン。
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:57:21.80 ID:9z+7Ciky0
糸越しに困惑が伝わって来る。
本当に私が確固たる確信を得ているのか、それともただ"カマ"をかけているだけなのか、測りかねているらしい
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:57:49.20 ID:9z+7Ciky0
私「まず不審に思ったのはあなたが『話せない』という点」
【糸】;……。
私「最初はさして不思議に思わなかったわ」
【糸】:……。
私「あなたはガムテープで口を塞がれているのかもしれないし、猿轡のようなものを嵌められているのかもしれない。何にせよ、人の口を塞ぐというのはそう難しくはない」
【糸】:……。
私「誘拐犯が、被害者の口を塞ぐのは自然よね。だって騒がれて助けを呼ばれたら困るもの」
【糸】:ピンッ。
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:59:29.04 ID:9z+7Ciky0
しばらく沈黙を貫いていた糸が震えた。
彼は意外とひょうきんな所がある
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 00:59:56.99 ID:9z+7Ciky0
私「でも不自然なのは、そこまでしておきながら、犯人が私の口を塞がなかったこと。そしてあなたに『糸を介して私と意思の疎通をはかる自由』を与えたこと」
【糸】:……。
私「私が助けを呼べる状態で放置した以上、あなたの口を塞ぐ意味はない。私から視界を奪う理由も分からない」
【糸】:……。
私「でもね、"あなた"が"彼"と同一人物だと考えれば全て説明がつくの」
【糸】;ピ、ピンッ。
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:01:00.70 ID:9z+7Ciky0
また糸が震えた。
これは"YES"や"NO"というより、彼のこぼれ落ちた感情の震えがそのまま糸を伝って伝わってきたといった感じだった
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:04:22.87 ID:9z+7Ciky0
私「あなたは声を出せないのではなく出さなかった。何故なら声を出した途端私に"あなた"が"彼"と同一人物であることがバレてしまうから」
【糸】:……。
私「私から視界を奪った理由も分かりやすい。それは私を精神的に不安定にするため」
【糸】:……。
私「さながら地獄に垂らされた蜘蛛の糸ってところかしら。私は物理的にも精神的にもこの細い糸と、その先にいるあなたに縋るしかない」
【糸】:……。
私「さっきはつり橋効果といったけど、どちらかというとストックホルム症候群よね?あなたがやりたかったのは」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:07:33.85 ID:9z+7Ciky0
ストックホルム症候群。
誘拐事件や監禁事件などの被害者が犯人と長い時間を共にすることにより、犯人に過度の連帯感や好意的な感情を抱く現象。
分かりやすくいえば『洗脳』である
私は危うく洗脳されてあばばる所だったのだ
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:08:15.91 ID:9z+7Ciky0
【糸】:ピ、ピン!ピピピン!ピン!
一瞬糸が動揺したかのように震えた後、激しく震えた。
どうやら彼は異議ありと言いたいらしい。
私「そうね。今のはあくまで私の想像。ひょっとすると、あなたの口を封じたのも、私の視界を封じたのも、愉快犯の気まぐれかもしれない」
【糸】:ピ、ピン……。
糸が安心したように、一回震えた。
なんて分かりやすいのだろう。
彼はひょっとすると、思っていた以上にひどく純粋な男の子なのかもしれない。
試しに付き合ってみればよかったかも。
私「でもあなたは一つ、間違いを犯した」
【糸】:ピ、ピン!?
『な、なんだってー!?』
直訳するとこんな感じだろうか。
もう何もいうまい。
私「わたしが『……さっき私が起きた時の靴のアレ、驚かせちゃったかな』と言った時、あなたはすんなりと肯定した」
【糸】:……ピン?
『え、それの何がまずかったの?』
振動の強弱だけで彼の言いたいことが分かるようになって来た自分が怖い。
私「確かに私は起きた直後に靴を壁に向かって投げた。その結果大きな音が出てあなたを驚かせたかもしれない」
【糸】:ピィ〜ン。ピピン
『あー、確かにあれは驚いたよ。君は何を考えてたんだい?』
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:09:03.54 ID:9z+7Ciky0
私「でも『私が起きた直後に』『靴を投げて』大きな音がしたことは、あなたには分からないはず。だってこの部屋は真っ暗で何も見えないし、そもそもあなたは隣の部屋にいるのだから。なら『さっき私が起きた時の靴のアレ』じゃ、本当ならあなたには意味が伝わらないはずなのよ」
【糸】:ピッ??!
『しまっ??!』
私「私が起きた直後に靴を投げたことを知り得る唯一の人物。それはこの部屋に暗視カメラを設置した??犯人のあなたよ」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:09:58.16 ID:9z+7Ciky0
しんっーー
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:10:33.78 ID:9z+7Ciky0
静寂が、場を支配した。
何も聞こえない。
何も見えない。
さっきまで糸越しに感じていた彼の存在を感じ取れない。
目の前にあるのは暗闇。
確かなのは掌に握りしめた糸の感触だけ。
それなのに。
糸は、何の反応も示さない。
………………。
…………。
……。
【糸】:ピン
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/08(月) 01:11:15.09 ID:9z+7Ciky0
私「……そう。認めるんだ、全部」
【糸】:ピン。
私「そうね。パッと目につく範囲の携帯通信機器なんかも取り上げられてるし。あなたから見れば、私は絶対絶命ってわけね」
【糸】:ピン。
私「……もしかして、これから私に酷いことをするつもり?」
ピン、と糸が引っ張られた。
それは、死刑宣告に等しい。
私は息を大きく吸って、"彼"がいるであろう天井を見上げ??思い切り地団駄を踏んだ。
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:11:57.31 ID:9z+7Ciky0
パァン、と乾いた音が轟いた。
それは銃声にとてもよく似ていた。
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/08(月) 01:12:23.45 ID:9z+7Ciky0
続いて何かが倒れた音がした。
人が脱力して床に倒れた伏したら、丁度このくらいの音がするだろう。
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/08(月) 01:13:25.68 ID:9z+7Ciky0
続いて何かが倒れた音がした。
人が脱力して床に倒れた伏したら、丁度このくらいの音がするだろう。
私「そう、でも残念でした」
『大丈夫ですかお嬢』『助けに来ましたぜお嬢』『一人暮らしなんかするからですよお嬢』
天井付近から聞き慣れた声が聞こえてくる。
私は少しばかり安堵して、暗闇の中で頬を緩めた。
彼らは私の救援信号を聞きつけ駆けつけ??そして私の突撃の合図でもって彼を狙撃した私の部下である。
正確に言えば私の部下ではなく、実家にいる私のパパの部下なのだが、語ると長くなる上にここでは関係ないので割愛。
そしていつの間に救援信号なんて発していたのかといえば、それは私がこの部屋で起きるのとほぼ同時。
靴を投げた瞬間である。
私の靴の中には、緊急用の発信機が入っていて、それは一定以上の衝撃を与えることで作動し、実家の部下へと位置情報を発信する。
その状態で更にもう一度強い衝撃が加えると、『突撃』の合図になるのだ。
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:13:59.97 ID:9z+7Ciky0
天井が開いた。
部下に引きあげてもらい上にあがると、見知った男の子が、血を流して倒れていた。
彼の薬指には血の色と同じ真っ赤な赤い糸が巻かれている。
なるほど、暗闇で糸の色なんて見えなかったけど、彼にしては中々に洒落がきいている。
私は彼に向かって別れの言葉を告げた。
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:14:30.82 ID:9z+7Ciky0
私「そもそも何故私が"暗視カメラ"なんて物騒なものの手触りを知っていたのか、あなたは気にするべきだったのよ」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/08(月) 01:15:01.14 ID:9z+7Ciky0
赤い糸をピンと引っ張ってみる。糸はもう何の反応も示すことなく、するりと彼の指から抜け落ちた
40 :
◆MzoIYE0fBBRx
[saga]:2018/01/08(月) 01:19:12.25 ID:9z+7Ciky0
以上です
文字化けばっかでごめんなさい
タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part5
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1495349569/
このスレからアイディアをもらいました
41 :
◆MzoIYE0fBBRx
[saga]:2018/01/08(月) 01:21:58.99 ID:9z+7Ciky0
https://www.novelchan.wgt.jp/testplay/129301/5/?t=1515342080&hash=e0ac8b1d28d0ecb7c19c78cb8a370854&api_key=60bd03f2f7942f8e146be8252b9e471a7e809b2b499700466ec20665b8a039e4
ちなみに「のべるちゃん」というゲームでノベルゲーム風にしてみたのでよかったらみてください
読んでくれた方、ありがとうございました!
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 02:19:03.14 ID:MLtYTWnA0
乙
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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