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【鬼滅の刃】貴方の刃【あんこ】
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225 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/01/25(木) 21:36:13.73 ID:ev9+YBkVo
チュン(開始未定、終了も定めずしばらくだらだらやります。ごめんね)
226 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/01/25(木) 21:41:46.21 ID:ev9+YBkVo
>>224
太陽「海怜!」
海怜「ああ、君と僕なら!」
眼鬼「遅い!」
太陽(こいつの回復は……早い)
太陽(このままだと海怜がまた攻撃されるだろう)
すたっ
眼鬼「俺の術を受けよ!」
海怜「ち……!」
太陽(常人から見ても見えない海怜の剣術……あの状態でも鈍ってるなんて思えない)
太陽(だけど間違いなく海怜は苦しめられている!)
海怜「……ッ!」
太陽「……そこっ!」
弐ノ型 細雪
ぼっ
太陽(この突きで足を崩す!)
ド……ッ
眼鬼「!?」がくんっ
太陽「今!」
海怜「!」
幻の呼吸 壱ノ型
【 狩初 】
ザンッ
227 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/01/25(木) 21:47:26.37 ID:ev9+YBkVo
ごろんっ!
海怜「頸をッ……」
眼鬼「がっ……は、俺を倒したくらいで……楽しそうだな、ガキ……」
海怜「お前が……この街を支配していたのか……」
眼鬼「……」
眼鬼「誰が俺一人と言った」
海怜「!」
太陽「!?」
眼鬼「こんなデカい街、俺一人では無理に決まっているだろう……はは、ははは……」
しゅうううう……
太陽「ま、待て!」
海怜「いや、あいつはもう死ぬ……!」
しゅうううう……
太陽「……くそっ!」
海怜「鬼を斬れたはいいが、もう何体かいるかもしれないのか」
海怜「だが、本当だろうか」
太陽「え?」
海怜「鬼は狩りをする雑魚を除けば、群れない生き物だ。自分の取り分が減るからね」
海怜「それに血鬼術を使える鬼だった。ひとりでこの街を支配していてもおかしくない」
太陽「……確かに……そうかもしれない」
太陽(おれ達を動揺させるために嘘を言った?動揺?……何のために動揺させるんだ?)
▼
壱:肩の傷、大丈夫?
弐:とりあえず外に出てみようか?
参:鴉に聞いてみよう
肆:意識を集中して……(要/高コンマ)
伍:そのほか
↓2
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 21:49:10.76 ID:bWVnTv8SO
肆
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/25(木) 22:16:24.90 ID:4LQdMdpC0
参で
230 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/01/26(金) 23:47:28.73 ID:ir3UaU4Vo
>>229
おれは迷った。敵はおれを驚かし、そして不安にさせたいだけなのかもしれない。その可能性は大いに有り得た。
それに、海怜が言うこともなんとなく理解できたのだ。……あの鬼は今のおれ達から見たって強かったし。
太陽「おい、鴉!鬼を退治したけど、」
鴉「気ヲヌクナ!指令ガ下ッタ!」
太陽「」!?
鴉「近クニ新タナ鬼ノ気配アリ!」
海怜「……なに?」
太陽「もしかして……ほかのところにいたけど、たまたま偶然ここを通りかかった!?」
海怜「いや、あの鬼……何か仕組んでいたのかも」
太陽「! 鬼同士が協力したとでも言うのか!?」
海怜「有り得るが、それならなぜこの眼の鬼は最後に仲間を裏切ったのかと言うことにもなる」
太陽「うーん……」
海怜「……死ならば諸共、もしくはもうひとりの鬼が強いから、俺達では敵わないと知っていて報復のために?」
太陽「海怜、ひとりで話を進めないでくれよ。おれにはぜんぜん分からない……」
とにかく今分かっているのは、まだ鬼が近くにいると言うことだ。海怜の方に視線をやると、利き腕である右の肩を浅く斬られていた。大きな怪我ではないが、致命傷を招きかねない。
おれ自身は怪我らしい怪我はしていないが、不安の中にいた。何も情報が得られないままで、新たな鬼がすぐ近くにいると言われたのだ。
しかもどこにいるのか、まだ鬼切りの戦士として初陣を踏んだばかりのおれでは気配を察知できない。もしかしたら、隣に突然立っているとかそういうことも───
海怜「……もうひとり、いるなら」
太陽「うん」
海怜「僕達のところに来るような真似は、もうしないだろうね」
太陽「この街を解放したいなら、外に出るしかないのか……」
▼
壱:ふたりで外に出よう
弐:海怜、君はここにいてくれ
参:まずは建物をありったけ探すぞ
肆:鬼に対する殺意を高めて……(要コンマ80↑)
伍:そのた
↓2
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/26(金) 23:52:58.76 ID:pjIAonKHo
壱
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 00:13:01.02 ID:Y7XKgsMp0
壱
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/28(日) 22:10:15.74 ID:iZ++Zra/0
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234 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/01/29(月) 13:38:10.50 ID:302qRhh+O
>>232
太陽「ここにふたりでいても駄目だ。外に出よう」
海怜「ああ、その方が良いと僕も思った」
───が。
がたんっ
太陽「? 扉が閉まってる……それに開かない……」
海怜「御免」
斬ッ!
太陽「あーっ、ふすま!」
海怜「先を急ぐんだ。後から弁償するとして、さっさと……ん?」
何か言い掛けた海怜が、外の景色を見て疑問符を浮かべながら瞬きをした。おれも慌てて部屋の外に出た。
……別な部屋に繋がっている。いや、おかしい。この外は確かさっきまで廊下だったはず!
海怜「血鬼術か!」
太陽「もうかかってたのか!?」
……ひょっとすると、この建物自体が血鬼術で作られてるとか、そう言うのあるんじゃないか!?まずいぞ……!
このままじゃ外に出られない、ばかりかすぐそばにいるはずの鬼にたどり着くことも……!
▼
壱:建物内を走り回り中を確認する
弐:建物をあちこち傷つけてみる
参:外から増援が!(コンマ80以上で自動成功)
肆:そのた
↓2
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/29(月) 14:27:22.70 ID:FMduXHMSO
弐
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/29(月) 17:31:14.57 ID:nXHCOQlw0
参…。
237 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/01/29(月) 20:59:26.83 ID:cFvOjJ/vo
>>236
太陽(このままじゃあじりじりと追いつめられ───)
??「ふえぇ〜ん」
太陽(……え?)
海怜「泣き声?」
ザンッッッッ!!
海怜「な、なにが……」
太陽「!?」
何者かの声。刀剣で切り裂く音。
そして次の瞬間、おれ達の前には……!
鬼「がああああ!?」
背から血を流す鬼が現れた。
鬼「二人じゃ……なかったのか!油断した……!」
太陽「え、っと……」
海怜「援軍!」
それは分かるの!でもどこにいるのかが……!
??「ぐすん……やっぱりアカリには無理でした……」
太陽「!」
この声、あの時確かに聞いた、ような、いやでもほとんど自信ない!
で、そいつは一体どこに?
ドウゥゥゥゥッ
太陽(呼吸音?!でも、音からでも分かる明確な殺意!なんだ、これ……ッ!?)
ぶわっ
太陽(! 目の前に……これは……血!?)
ずばっ
鬼「ぐぎがああ!?」
海怜「血が刃のように……これって……」
238 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/01/29(月) 21:05:00.92 ID:cFvOjJ/vo
??「うう……誰かいますか……ぶ、無事ですか?こちらに鬼がいるはず、なんですがぁ……」
??「やっ、やっぱりアカリみたいな下手くそに来られても困ります、よね、ごめんなさいたまたま近かったのがアカリでそれで……」
??「ふ、ふええーん!折角練習したのに意味がないよ、下手くそぉー!」
太陽(……! 下!?でもおれ達、一階に……いや、建物が変化していたから)
太陽(上の階に追いやられている!?と、とにかく下のやつと合流……)
ざしゃっ
鬼「こ、れは……!【稀血】の匂いか!!」
太陽「? まれち?」
海怜「説明は後!」
鬼「ひはは!それなら手っ取り早い!稀血を食った方が鬼は強く───」
斬
鬼「……な……?」
駆け出そうとした鬼の頸が一瞬で飛び跳ね、そのまま落ちたのをおれ達は見た。
その斬撃を放ったやつが、おれ達より下にいるのも分かった。
なんだ……何が起きてる……?
海怜「! 階段がある!脱出しよう!」
▼
壱:鬼は本当に倒せた?
弐:外にでるのを優先
参:アレ誰だよ!?
肆:ほか
↓2
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/29(月) 21:10:31.45 ID:Js8oXcx9o
壱
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/29(月) 21:48:51.11 ID:FMduXHMSO
参
241 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/02/02(金) 21:06:19.28 ID:9dhphI1Io
>>240
太陽「ちょっと待って!」
海怜「……何?」
太陽「誰だよ今の!?おれ知らないよ!」
海怜「いや、君は知ってるよ。彼女は【血矢 アカリ】……僕達と一緒に試験を合格した女性だ」
太陽「ちや……?」
い、いたっけそんなやつ!?
(太陽の回想。水の呼吸が使える子供が半泣きになっている場面が何度も出てくる)
太陽「思い出せない!」
海怜「言うと思った。君と出会ったのは最後の一回だけだからね」
太陽「」!?
海怜「とりあえず降りてから話そうか」
血鬼術が解けた建物を抜けて、おれ達は一番下まで降りていた。
そしてそこにいたのは……。
長髪の女性「ああ〜、ああ〜っ」
どたどた
長髪の女性「人の血の匂いを感じたので、近くから立ち寄ったのですが、ええと……その……」
長髪の女性「ぶ、無事ですか!」
手がしっ
腕ぶんぶんぶんぶん
長髪の女性「ああ〜っ、来るのが遅くてごめんなさい、そちらの方もごめんなさい」
太陽「お、おう……?」
海怜「助かった。礼を言うよ」
長髪の女性「いえいえそんなそんな、わざわざいいんですよ」
こいつが……剣士なのか……?
▼
壱:自己紹介とか
弐:怪我を確認
参:外の様子は!?
肆:そのほか
↓2
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/02(金) 21:47:02.88 ID:fvow9efho
壱
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/03(土) 00:07:22.90 ID:ug75lIMSO
肆:海怜の怪我は大丈夫か?
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/03(土) 08:47:43.21 ID:ug75lIMSO
あ、すまん。弐と被ってた。
↑は弐で。
245 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/02/08(木) 19:26:17.03 ID:KS/KInwHo
>>243
>>244
太陽「それより」
挨拶もそこそこにして、おれは振り返った。
海怜の傷、そんなに浅くはない気がする。
海怜「僕なら無事だよ」
長髪「ああ〜っ、ああ〜っ、来るのが遅くなったからぁ〜っ」
がしっ
手ぶんぶん
海怜「無事だけどいたた、いたたたた」
長髪「ごべんなざい〜、ああ〜っ……」ぽろぽろ
太陽「……も、もう大丈夫だよ」
泣いている彼女の手をほどいてやる。
地味に海怜が痛がってたぞ!?
太陽「ええっと……おれ、東雲 太陽。きみは?」
長髪「ふぅああっ!?そうだ、挨拶もせずに!すみません……」
太陽「いや、き、気にしないで……」
長髪「ああ〜っ……」
◆数分後
長髪「す、すみません……」
太陽「ほんと大丈夫だから……」
長髪「えと、アカリは【チヤ アカリ】と言います。分かりますかね、血液の血と、弓矢の矢です」
太陽「物騒な!」
アカリ「えへへぇ……すみません。本当に、こればっかりは」
太陽「い、いやいいけどさ……」
海怜「……」
そして地味に後ろで痛がっている海怜が気になる。大きな怪我ではないといいんだけど。
▼
壱:ここを離れよう
弐:稀血ってなに?
参:海怜の手当を……
肆:そのた
↓2
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/08(木) 20:25:26.09 ID:9+GHdhDBo
かそくした
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/08(木) 23:45:11.94 ID:mxlJnuCSO
刀の状態(刃こぼれとか)を確かめてから惨
248 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/02/09(金) 20:44:24.61 ID:H2ck24Fro
>>247
太陽「……」
あ、そう言えば。
あんな戦闘をしたが、刀は無事だろうか?もしも壊したりしようものなら、あの刀鍛冶に何されるか分かったもんじゃあない。
おれは慌てて鞘から剣を抜き、それを確かめる。……よかった、刃こぼれのひとつもないようだ。
太陽「それより海怜、思ったより怪我が深いんじゃないか?」
海怜「そんなことは……」
アカリ「ふえぇーん……」
太陽「……ここを出てまず簡単な手当をしよう」
アカリ「は、はい、そうですね。ええっと、何か薬は使いますか?」
そう言うとアカリは何かを取り出す。
よく見ると彼女は小脇に荷物を抱えているようだった。(※今で言うショルダーバッグみたいなものだよ!)
ぱか、と開くとそこにはずらっとたくさんの薬が。
アカリ「アカリはよく怪我をするので、こういうのが手放せないんです」
ぽかんとするおれ達にアカリは付け足すようにそう言った。稀血、それにさっきの血の刃みたいなもの。彼女は……。
アカリ「さあ、手当しましょう。外に」
◆
建物の外は真っ暗だったが、多くの人間がざわついていた。
倒れて死んでいる人も数名見てしまったが、それ以上におれ達が無事に中から出てきたことに悲鳴が上がっている。いや、悲鳴おかしいよな!
町人「まさかおめぇら……」
海怜「はは、勝ってしまったようですよ」
ざわざわ……。
アカリ「お黙りなさい!」
びくっ!
アカリ「清潔な布、それから水を!この街に電気はありますか?あるなら明かりをこちらにひとつ!」
太陽「……」
アカリ「大丈夫ですからねえ、海怜さん。簡易的な手当しか出来ませんが、ここでなるべく痛みなく歩けるようにしておきましょう」
海怜「……」
▼ぽかーん。
壱:もしかして裏表激しいとか……
弐:薬に詳しいのか?
参:結局、稀血って?
肆:海怜、そんなにひどい怪我か?
伍:そのほか
↓2
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/09(金) 20:53:19.37 ID:9bdM1CxSO
「俺は加速する、猪突猛進をこの胸に!!」
安価なら下
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/10(土) 00:01:15.64 ID:DFGz0x220
弐
251 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/02/10(土) 20:42:23.93 ID:MGYReDydo
>>250
猪突猛進!猪突猛進!
ぽかーん
海怜「……」
太陽「……」
アカリ「は、あ、な、何かしてしまいましたか!?」
海怜「あ、いや……」
太陽「薬に詳しいのか?」
アカリ「は、はい!常備していないと行けないので、普段使う薬は覚えていますよぅ?よく怪我しますし、怪我させちゃいますし」
太陽(させちゃう?)
町人「水と灯りだ!」
町人「それから布!」
アカリ「ありがとうございます!」
太陽「おれに出来ること、あるか?」
アカリ「私の手元を照らしてください……ええと、こういう痛みには……」さっさっ
アカリ「この丸薬を飲んでくださいね。傷口は南蛮渡来の『消毒液』で」
しゅしゅ
アカリ「清潔な布を使って当てて……」
海怜「ーーーー!?」染みた
アカリ「ああ〜っ!?そうか、慣れてませんもんね、痛いですよね〜!?す、すみません……」
◆
……それから数分して、海怜の処置は終わった。
腕を吊ってる。だけど悪くないみたいで、案外けろっとした顔をしながら立ち上がる。
海怜「驚いた。本当に痛みがほとんどない」
アカリ「ええっとお、この薬を明日まで飲んでください。痛みは引くでしょう」さっさっ
アカリ「後は自然治癒を待ってくださいね」
太陽「色々とありがとうな、アカリ」
アカリ「ひ、ひええ!?そんな、お礼なんてそんな、むしろ……アカリは役に立てて嬉しいです……!」
何もないなら、一晩ここに止まるか、あるいはさっさと帰ってしまおう。
▼
壱:一泊
弐:屋敷に帰る
参:アカリに何か一言
肆:そのほか
↓2
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/11(日) 00:02:00.94 ID:ib3bW9/VO
壱
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/11(日) 00:39:02.64 ID:KvyARe8SO
本当に何もないか、安全を確認してから壱
254 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/02/12(月) 21:06:48.21 ID:Z9ZA55fQo
>>253
アカリ「それではアカリには行くところがありますので」
海怜「そうか、本当にありがとう。また会ったら次は僕がこの礼を返すよ」
アカリ「そ、そんな、いいんですよぉ〜……」顔真っ赤
と言うわけで、アカリは去っていった。
そう言えば、近くから来たとか何とか言っていたし、本当に彼女がきたのは偶然だったのだろう。
おれ達は偶然に救われたのだ。
かくして街の人達としても、おれ達としても、長い戦いは終わった。
太陽「……一泊しよう、海怜。無理は出来ないし」
海怜「ああ、そうだね。君に気を遣われるんじゃ申し訳ないし」
海怜「……宿を借りたいのですが、良いですか?」
町人「ああもちろん、勿論だとも!好きなだけ飲み食いしてくれ、あの鬼共が消えたんだからな!」
男「君らのおかげであの鬼がみんないなくなった!ありがとう、ありがとう」ぎゅう
太陽「あはは……は、で、本当に鬼はもういないのですか?」
男「やっぱり疑うよな……」ずーむ
太陽「落ち込まないでください!?」
その後おれと海怜の二人で、建物や街を全て確認したが鬼の気配は全くなくなっていた。
あの二体がこの街を支配していたのだ。支配者が一体しかいないと言う錯覚を起こさせ、寝たおれ達を襲う算段だったのかもしれない。
それに……街の人達からは嘘をついているような様子は伺えなかった。
つまり、本当に鬼を倒しきったのだ。
太陽「長かった……」
街の人からたらふく飯をもらい、腹一杯になった後で布団の上でぐったりする。
本当に長い一日だった。それも、階級もないような鬼相手にこの苦戦っぷりだ。
おれはまだ弱いなあ。
◆
壱:朝になったら即屋敷に戻ろう
弐:一応現場を見てから帰ろう
参:情報集めしてみよう
肆:鍛錬していこう
伍:そのほか
↓2
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/12(月) 21:43:39.76 ID:ATbW1V+70
加速
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/12(月) 21:45:26.25 ID:IvuLGojBo
壱
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/12(月) 21:45:46.44 ID:Z+68LguSO
壱
258 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/02/12(月) 22:18:28.86 ID:Z9ZA55fQo
>>256
太陽「朝になったら、即屋敷に戻ろう」
海怜「!」
おれは海怜にそう提案した。
海怜が怪我をしていたのもあったが、それ以上に、普段通りの戦略を取らない鬼達が小さな村を占拠している可能性が否めなかったからだ。
これに海怜もすぐさま頷いた。色々と確かめることが増えてしまったことが気がかりだ。
けれど、鬼狩りだってバカではない。
敵が進歩するのは勿論想定の範囲内。
これからの対策を練らなければ。
◆
そして朝。街の人は優しくしてくれた。ああ、すいません、本当に。
鬼はどうやら跡形もなく消え去ってしまったらしく、この街も何とか再建できそうだと町長らしき人が言っていた。
この人は鬼ではないはずだ。いいや、鬼ではない。鬼ならおれの殺意が伝わって感じ取れるはずなのだから。
海怜「さ、帰ろうか」
太陽「うん」
ふたりとも死なずに済んで良かった。
鬼を殺せてよかった。
ほんとうに良かったなぁ。
太陽「よかった、んだよな」
◆
259 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/02/12(月) 22:31:55.64 ID:Z9ZA55fQo
◆
屋敷に着くと、新免と家の人が待っていた。いやあ、悪いことをしてしまった、と新免が笑う。
なにが?と聞いたら、
新免「我の剣は力を試すための剣よ。さらば、強い敵がいるならそれを試す必要があったろう」
とのこと。よっぽど自分に自信がある……のか?しかし、確かに強そうなのは間違いない。
新免に着いてきてもらったらもしかしたら余裕だったのかなあ、なんて思わないことはなかった。
自分の弱さをよくよく分かったからこそそんなことを言ってしまうのだけれど。
海怜「はは、そう言うわけだから少し休ませてもらうね」
新免「そうするのがよかろう。万全の体勢で挑むのが武士の常なり」
そうだね、と海怜が返事をする。
海怜「いや、それにしても血矢さんの薬は本当にすごい。よく効くよ」
太陽「そんなに効くのか!?」ひょええー
海怜「ああ。また彼女に会うことがあったらもらってみるといいよ」
新免「しかし、稀血の少女……噂には聞いていたが、まさか真に剣士を目指していたとは」
太陽「……」
新免が難しそうな顔をしてから頷いた。アカリのこと、知ってるのかな?……けど、語ってくれそうな様子はなかった。
さて、これからまた指令が下るまでは暇があるが……。
▼
壱:次の指令まで飛ばす
弐:鍛錬をしておくよ
参:誰かと話をするよ
肆:屋敷に誰か来るよ
伍:そのほか
↓2
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/12(月) 22:44:12.59 ID:IvuLGojBo
参
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/12(月) 23:08:03.55 ID:iu69HaAJ0
4
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 20:35:47.03 ID:bzTh0nnSO
>>1
は無事だろうか。
263 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/02/28(水) 23:31:14.99 ID:QWAZAzEoo
そこそこ無事に過ごしています。
物語がぜんっっっぜん思いつかず手一杯になっておりました。申し訳ありません。
本編上で語られた内容が増えてきましたので、そのうちまた再開いたします。が、いつごろとお約束が出来ないので、まったりお待ちいただければ幸いです。
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/01(木) 00:30:52.25 ID:OhBN9Lh8o
うい
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 15:39:41.57 ID:LugJlzUh0
生きてるならおkおk
修行とか(多分今回の鬼退治で)階級上がったりとかあと本編じゃ解体された下弦の鬼達登場させたりとか
太陽の恋模様とか新免や海怜の過去とか別の刀鍛冶登場させたりとか色々できそうだなぁ
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/01(木) 20:01:33.38 ID:i7taXi/SO
>>1
さんが元気いっぱいで風邪もひいてないようでなによりです。
続きを楽しみにしています。
267 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/02(金) 15:45:15.13 ID:XhjZ4AQ5O
チュン(下弦の鬼は入れ替わりが激しいそうなのでいっそ全員おりじなるにしてしまおうかと思っていたり。内部判定はこのレスで)
268 :
待たせたな
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/03(土) 20:29:24.64 ID:xTsqq4yAo
>>261
あれから数日が経った。
海怜はまだ腕が痛そうだが、それでもほぼ以前と変わらない振りを取り戻している。
海怜「いや、だめだ」
太陽「えっ?」
海怜「まだ遅い。もっと早く、素早く剣を抜かなければ」
太陽「……」ほけーっ
【幻の呼吸】を使うなら、相手をもっと惑わせなければいけないよ、と海怜は言った。
おれには既に目で追いきれない速度だが、それでも足りないのだろうか。
新免「良い良い。鍛錬とは無限のものなり」
妙に納得したようにそう言ったのが新免だった。お前は……まあいいや。何か言ったところでこの人にかなうとは思えなかった。
ふ、と。
そんな風にのんびりやっていたところ、屋敷の入口に誰かが立っていた。
何の気配も出さずに、おれ達に気取られずに、突然そこに現れたようだった。
あいつは確か───、
金髪「グーッド、モーニング?ああ、おはよう!」
海怜「君は……」
金髪「おや、私を覚えているのかい?どちらでもいいけどネ!」
金髪「サテ、君達。まもなくクロウが到着するだろう。それから話を……」
太陽「いや、おれは苦労してないぞ」むりむり
新免「だそうだが」
金髪「のぉーーーっ!!か、らーす?かっらーすがきマス!」
太陽「ああ、烏か……」
◆
269 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/03/03(土) 20:40:47.94 ID:xTsqq4yAo
◆
【鬼殺の剣士達へ】
太陽(達筆だなあ、誰が書いたんだろう)
【××日までに、この手紙が届いた剣士は『怨念谷』に全員集合すること】
【今作戦は、【十二鬼月】の一月、【下弦ノ六】を討伐するための大規模攻略戦である。】
太陽「十二鬼月?」
金髪「ああ。鬼達の中でも特に優れた血鬼術を扱う、ヘヴィな集団さ」
新免「聞けば、あの【鬼舞辻 無惨】自ら選んでいるのだとかな」
太陽「きぶつじ?」
そう言えば、その辺のこと一回も説明されてないなぁ。
してくれると思って待っていたんだが、全然されなかったなぁ。
海怜「……鬼側の首領、鬼を作った始まりの鬼、それが鬼舞辻」
海怜「人を鬼に変えることが出来るのはあいつだけだ」
太陽「……」
金髪「そしてキブツージが選んだマーヴェラスな鬼12体を【十二鬼月】と呼びマス」
太陽「十二体も……!」
海怜「しかも聞けば十二鬼月、【上弦】と呼ばれる究極の鬼六体はこの百年以上入れ替わらず、生きながらえているとか」
太陽「!」
金髪「イエス。そして【下弦】……これらも選ばれてますが、上弦から比べれば型落ちネ」
金髪「だから今度、みんなでバトルしようと言う話になったようデスよ?」
太陽「下弦ノ六か……どんな鬼なんだ……」
金髪「それで、家が近い言いましたから、迎え来ましたよ!」
新免「ほう、主が迎えか」
▼
壱:名前名乗れよ
弐:その性格は誰かに騙されたのか?
参:とにかく行こう
肆:下弦ノ六について教えて
伍:そのた
↓弐
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 20:44:49.90 ID:v0iGIslio
参
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 20:50:46.12 ID:rmGNZocDo
壱
272 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/03/04(日) 21:41:54.13 ID:4l8+Es2Wo
>>271
太陽「いや名乗れよ 名乗らずしゃべるとか失礼だと思わないのかよ」真顔
金髪「ははは!ソーリー、確かにその通りデスね」
真顔で突っ込んでしまった。そしてそれを笑って受け止める金髪。何でこんな余裕なんだ?
金髪「改めて、私は【ハインリッヒ】」
新免「……ほう?」
金髪「【望月 ハインリッヒ 夜拌(ヨハン)】。外国人は初めてかい?」
───時は大正、実は外国人を招いていたことは、江戸初期から確認されている。
───高い技術を持つ者達を当時では考えられないほどの高額で招き、
───『お雇い外国人』として欧米の技術や文化を継承させていたようである。
───もちろん。
───任期が終われば帰ったものや、日本をさげすんだ者もいた。
───中には、生涯を日本で終えた者や、日本で妻子を持った者などもいる。
───余談だが、ハインリッヒもヨハンもドイツの名前であり、それがどうして『ドイツ語ではなく英語をしゃべるのか』
───……という疑問を持つ者はこの場にひとりもいなかったと言う。
───賢明な読者の方はお分かりだろう。そう、彼も秘密を抱えているのである。
太陽「……」ほけー
夜拌「そう言う訳さ。厳密には、ンン……ハーフ、というやつだけどネェ」
新免「また面妖な武士もいたものだ」
夜拌「ノンノンノン。私は武士ではなく鬼殺の剣士!」
太陽「……」ほけー
夜拌「Are you allright?太陽」
太陽「へっ!」
夜拌「先ほどからぼーっとしてますよ?」
太陽「あ、ああ……髪の毛綺麗だなぁと思って……」
夜拌「Thank you!! 生まれつきでしてね」
……そんな夜拌の姿を、海怜が訝しんでいた。何かを隠しているんじゃないかとか、明らかに信用していないという風だ。
▼
壱:ヨハン、集合場所に行こう
弐:どうしたの?海怜
参:今日はひとまず休んでいきなよ
肆:そのほか
↓弐
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 22:21:42.53 ID:rU2gcMn0o
参
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/04(日) 23:31:54.06 ID:3UufHgyb0
参
275 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/03/05(月) 12:53:02.29 ID:eSORNMy7O
>>274
太陽「せん……?」
夜拌「ありがと、の意味デスよ、太陽」
太陽「というか何でおれの名前知ってるの……」
海怜「それはごめん、多分僕達の会話を聞かれたんだろうね」
夜拌「イエース!」
新免「……」
なんだろうなあ、辛いのかな、新免が「頭痛が痛い」と言うような顔をしているのをおれは見た。頭痛が痛いだと言葉が重複してるけど、まさしくそんな感じだったんだ。
たぶんだけど、新免は夜拌のことあんまり好きじゃないんだろうな。
夜拌はそれ気付いてるのかなあ。もしかして嫌われてないとか思っ………いや、考え過ぎかぁ。
太陽「ええと……ここまでお疲れ夜拌。約束の日にはまだ時間があるし、今日は休んでいきなよ」
夜拌「りありぃー?いいんですか?ありがと、Thank youねー!」
太陽「お、おう」
夜拌は嬉しそうに笑顔を作って玄関から中に入っていく。しかし、何だろう、この妙な違和感は。なにか大切なことを見落としているのだろうか?
新免「……喧しいのは苦手でな」
夜拌が中に入った後、新免がつぶやくように言う。ああ、夜拌は透き通るような声だったから、耳にキーンと来たんだろう。
海怜「太陽、ちょっといいかな」
太陽「? どうしたんだよ海怜」
そして今まで黙っていた海怜が口を開き、おれの方に歩んできて耳元でささやいた。
海怜「多分、これは罠だ」
太陽「」!
海怜「行けば危ないと思う。でも、行かなければもっと危ない」
▼
壱:罠ってどういうこと?
弐:海怜はどっちがいいと思う?
参:……それでも鬼がいるなら行くよ
肆:新免はどうするの?
伍:そのほか
↓弐
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 13:20:08.18 ID:Rs4JFtbTo
壱
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 13:36:37.27 ID:cdkZczy3O
参
278 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/03/06(火) 15:44:46.96 ID:sfEHDEeEO
>>277
太陽「でも、行くよ」
海怜「どうして……」
太陽「そこに鬼がいるなら、おれは行く。鬼を倒さなきゃいけないんだ、おれが倒さなきゃいけないんだ」
太陽「だから、そこに鬼がいるなら行くよ」
その言葉を聞いた海怜は、何とも言えない不思議な顔をした。嬉しそうでもあったし、どこか悲しそうにも見える。
能面のようだ。アレは確か、当てる光や見える角度で感情が全く違うように見える面だったはず。まさに今の海怜の表情みたいだった。
しばらくの沈黙ののち、海怜がようやく口を開く。
海怜「……それなら、引き留めないよ。ただ、帰ってきてくれ。無事で」
太陽「へ?」
驚いてしまったんだ。こいつからそんなことを言われるのが意外すぎて。
海怜「はは、まあいいか。食事の頃合いだろうか、行こう」
なんか、悪いことしたかな。海怜が話を終わらせすたすたと内の方に入っていく。
新免もそれを聞いて頷き立ち上がると、「あの小僧と一緒か……」と苦い顔をしながら歩いていってしまった。
鴉『……』
太陽「あ、おれの鴉」
鴉『……カァー』
太陽「ん?ここにいるのはおれの鴉か。じゃあさっきの鴉は……」
(oh……これはクロウではない……)
太陽「……」
◆
279 :
◆z.6vDABEMI
[saga]:2018/03/06(火) 15:52:19.41 ID:sfEHDEeEO
◆
その夜。
屋敷の人はやっぱりいい人だ。おれ達に、特に急いでやってきていただろう夜拌に馳走を振る舞ってくれた。
こんなに優しくしてもらってしまって、いいんだろうか?
せめてものお礼として、おれ達が報酬でもらった金銭をいくらか渡したら、一度は断られたが後は勢いで流されて受け取ってくれた。
そこまでしないと受け取ってくれないのもまたなんだか申し訳ない。
だってこの人達はおれ達と関わらずに生きていける道だって絶対にあるのに。なのに、先祖が助けられたからとか、そんな理由で、縁もないおれ達を助けてくれる。
……だからおれは、こういう人達に報いたい。そう感じていた。
新免「……ふむ、話せば分かるものだな」
夜拌「だろう?見た目でよく誤解されるのだけれどネ!」
新免と夜拌は語らっていた。よく見たら酒のようなものがある、気がする。新免はともかく夜拌はまずいんじゃないかな?
海怜はそんなふたりを少し遠巻きに見ながら、鴉の様子を見たり、時折手首を気にしたりしている。
海怜「どうしたの?」
太陽「あっ、みんなが楽しそうだからつい、そちらを見てしまってた」
海怜「ふふ。食事を食べないともったいないよ、暖かい内に食べるのが一番だ」
太陽「ああ!」
夜拌「それにしても……こんなもの、食べたこと無かったデスよー、アメイジング!」
海怜「ははは」
新免「やはり主には馴染みが薄いようだな」
四人での語らい。
一見とても和やかなのにどうしてだろう、すごく独特な雰囲気だった。
新免「時に東雲」
太陽「うん?どうしたんですか?」
新免「山にはいつから向かうのだ?」
▼
壱:明日には
弐:数日中には
参:そのた
↓弐
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/06(火) 16:29:01.36 ID:dqTyXAxk0
壱
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/06(火) 18:57:04.90 ID:e3rIvwA40
弐
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/07(水) 09:04:07.33 ID:7A/MEy2lO
乙です
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/07(水) 19:11:26.93 ID:lgOWwjySO
乙です。
>>1
さんのSSは今回も面白い、きっと続きも面白いぞ
284 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/09(金) 08:17:45.10 ID:uWPwueqUO
チュン(今日も出来る範囲で!)
285 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/09(金) 08:28:11.15 ID:uWPwueqUO
>>281
太陽「そうだなぁ、数日中には出るつもりだけど……」
約束の刻限に間に合わないことの方が問題なので、急いで外に出る必要はないかに思える。ましてや全員で指し示して行う討伐だ、先走るのは不味いだろう。
勿論、相手も生物なのだし、約束にぎりぎり間に合わせるなんて状態では予測不能の未来に対応出来ない。だから多少二日三日の余裕は持たせつつも、無理のない範囲で徒歩移動、が一番だ。
新免「それがよかろう」
新免がふ、と笑って頷いた。おれの案に賛成なのだろう。聞いていた夜拌は少し不満そうだったのだが、まあそれはそれ。
それに夜拌は、聞けば相当遠くから歩いてきたらしい。呼吸を使えるとは言え、少し休むのが妥当だろう。
夜拌「ノーノーノー、私のことなどノープロブレムなのに……」
太陽「海怜の怪我も治りきってないし、急ぎすぎるのはだめだよ」
夜拌「……」
海怜「はは、いいんだよ太陽。僕の怪我もどうってことはないんだから」
とは言いつつも、海怜の顔は少し険しかった。なぜ今それを?と言うような顔だけど、おれに任せ……任せられても困るのかもしれない、だけどやっぱ任せて。
そんなことを話しつつその日はお開きになり、数日の鍛錬ののち、おれ達は出発することを決めた。
◆
286 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/09(金) 08:40:04.12 ID:uWPwueqUO
◆
そして。
いよいよ明日出発をしよう、と全員で定めてた日のことだ。
「鬼殺の剣士はここにいるか」
とおれ達を呼ぶ声がしたと言う。家主さんが取り次ぎ、おれ達を玄関に向かわせてくれた。
はてさて、そこにいたのは妙に髪がつやつやした隊員だった。
先輩剣士「ああ、いたな。お前達、鴉から手紙は受け取ったか?」
太陽「は、はい。聞けば大人数での【十二鬼月討伐任務】だとか」
先輩剣士「それがな、俺もその手紙をもらったので行ってみたんだけれど、ひとっこ一人集まる気配がなかったんだ」
太陽「え?」
新免「集まるはずの剣士達が刻限より前に集まろうとしなかっただけでは?」
先輩剣士「その可能性はあるが、それなら計画実行の要となる剣士の姿が……周囲の拠点含め影も形もないのはおかしい」
先輩剣士「あまり考えたくはないが、計画が中止になってしまったか、あるいは」
海怜「計画そのものが偽りだと?」
夜拌「ノォーッ!そんな訳ないです!」
先輩剣士「……」
新免「……ふむ」
……あれ。ちょっと待てよ。
太陽「じゃあ、先輩はこの辺りの藤の家紋を手当たり次第回ったんですか!?」
先輩剣士「まあそうなるな」
海怜「そうなってくるといよいよおかしい。鴉の寄越した手紙が偽りだったのか……?」
先輩剣士「はぁ……俺に手紙持ってきてくれた鴉も後輩の剣士もいなくなっちゃうし、ほんとどうしたらいいんだ……」
太陽「……」
罠ってそういうことか。気を逸ってそこに向かったら鬼に殺されていたかもしれない。
……でも、気になるな。本当にただ罠なのだろうか?いや、きっと罠だろうけれど。
それにさっきから先輩が夜拌にキツい目線を送っている。もしかするとはーふ?ってのが初めてなのか……あるいは……
太陽(やっぱり、こいつは)
だけど証拠がない。それにここで戦闘を始めてみろ、家主さん達にひどく迷惑だ。
夜拌もやろうと思えばやれるはずなのに、どうして寝込みを襲ったりしなかったのだろうか。ひょっとして敵じゃないのか?ほんとに味方なのか?
▼
壱 行ってみよう、山に
弐 行ってみよう、山……の振りしてその辺の茂み
参 先輩剣士とこそこそ裏話
肆 そのほか
下弐
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/09(金) 12:09:22.38 ID:DhGWGGC7o
参
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/09(金) 12:13:29.60 ID:zz3OykTvo
参
289 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/10(土) 00:54:49.67 ID:CQIQzvduo
>>288
こそこそ
太陽「先輩、せんぱい」
先輩剣士「なんだ?」
こそこそ
太陽(どう思います?)
先輩剣士「何がだ?」
太陽(いや、今の状態です)
先輩剣士(おおかた……十二鬼月が、俺達を一網打尽にしようとしてるんだろうな)
先輩剣士(俺がもう少し強ければ、あえてその罠に乗って返り討ちにするとこなんだが)
太陽(そんなあ)おろおろ
先輩剣士(恐らく、罠であることを看破してその周辺に剣士がまだいるだろう)
太陽(!)
先輩剣士(さすがにおかしいからな。上層が調べ始めない訳がないし)
太陽(……夜拌についてどう思います?)
先輩剣士(よはん?)
太陽(あの金髪です)
先輩剣士(あいつ、夜拌なんて名前だったか?いや、分からないが……)
先輩剣士(まあいい。あいつもしばらくみていなかったが、随分成長したんだな)
先輩剣士(あんなにたくましくなっちゃって……外人との合いの子らしいが、それってやはり血筋的には得なんだろうか……)
太陽(……)
先輩剣士(ああ、お前は罠に乗っかる予定なのか、もしかして?)
太陽(え?)
先輩剣士(命の危険を感じた瞬間にその場を離脱すれば死ぬことはないだろう、が……)
先輩剣士(タイミングを誤れば死ぬ。それだけは忠告しよう)
▼
壱:山に行こう
弐:先輩に聞きたいことを聞こう
参:そのほか
下弐
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/10(土) 02:28:33.90 ID:GzedJMj4O
壱
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/10(土) 02:34:58.65 ID:Ha9kdCo6o
壱
292 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/10(土) 08:05:52.51 ID:XV6hS8YkO
※お詫び。※
>>289
にて、先輩が『タイミング』と言うカタカナを使っています。
×こっちは間違い
先輩剣士(タイミングを誤れば死ぬ)
↓
○こっちが正しい
先輩剣士(離脱の機会を誤れば死ぬ)
鬼滅世界でカタカナ表記の言葉(外来語含め)を使う人間は限りなく少ないのにも関わらず、
このような凡ミスを犯し、大変申し訳ありません。
今後も何卒よろしくお願いします。
293 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/10(土) 08:17:53.50 ID:mT7FACHiO
>>291
太陽(……やっぱり、山に行ってみましょう)
先輩剣士(本気か?)
太陽(はい。そうすれば何か分かるはずですから)
先輩剣士(分かった……お前が本気なら止めるつもりはない)
すっ
先輩剣士「死ぬなよ」
太陽「はい!」
先輩は最初の困り顔などどこに行ったのだろう、と言う決めた顔をしてこちらをみる。
そして同時に、おれ以外の仲間達にもさっきと同じようなこと……もしかしたら十二鬼月の罠かもしれない、と言うことを話した。
新免「真の剣士ならば、いかような罠もこの剣でねじ伏せるのみ」
太陽「たっ、頼もしい……」
とにかくおれ達は山に向かってみることにした。
で、その山なんだけど、その名も【怨念山】と言う。
……昔は尾根山と呼ばれていたらしいんだけど、あまりにも多発する山での事故、そして夜中に人を呼ぶようなうなり声がする、と言うので今は怨念が住んでいる山と呼ばれている。
海怜「近付くと分かるね、なるほどこれは怨念がいそうだ」
三日かけて山に到着した時には、本当に今からここに入るの?と聞きたくなったほどだった。あまりにも禍々しい雰囲気が肌に刺さる。
しかし実際全員本気だ。ここに鬼がいることは間違いなかった。……死体がその辺に転がっていたのだ。
新免「死後から七日も経っていないだろうな」
太陽「ぐっ……」
もしかしたら。おれが早くここに来ようと言ったら、助かったのかな。
▼
壱:みんなで中に入ろう
弐:手分けしよう
参:一度鴉をとばそう
肆:その他
下弐
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/10(土) 12:18:05.96 ID:Ha9kdCo6o
参
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/12(月) 17:28:58.67 ID:a/Lcb81AO
弐
296 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/21(水) 20:42:25.20 ID:Jwe31/NLo
>>295
太陽「手分けして見ましょう」
新免「探すのか?生存者を」
太陽「……はい。きっとまだいるはずです」
海怜「止めないよ、僕は。新免さんは?」
新免「……面白そうな提案ではあるか。乗らない手はない、我も行くとしよう」
太陽「はい!それじゃあ」
新免「我はこちらに。御免」
しゅんっ
太陽「……」ほべ
夜拌「? おう……早いネ……」
言うが早いが、新免はもうどこかに行ってしまっていた。
おれ達も移動しようと思い、ふと海怜を見た。
海怜「……そうだな、僕は夜拌と行くよ」
夜拌「リアリィー!?」
太陽「えっ?でも」
海怜「大丈夫。怪我は治ったから」
その笑みはどこか力なく見えたのだが、おれの気のせいであって欲しい。
海怜が夜拌を手招きしながら、ゆるやかにほほえんで見せた。
海怜「それじゃあ太陽、後で会おう」
太陽「う、うん」
夜拌「何もなければ戻ってキマース!」
がさがさ
太陽「……」
さて、おれはどうしようかな。
◆
297 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/21(水) 20:47:14.27 ID:Jwe31/NLo
◆
がさがさ……
太陽「はぁっ、はぁっ……この人も……」
その山で見つかるのは、無惨な死体ばかりだった。
腕がない人、頭からちぎれた人、腰から下を裂かれている人。いずれも死んでいたし、体の一部を食べられている。
ひどい……むごい、むごすぎる。
こんなことをしていいわけがない!
太陽「……はぁ……」
心が荒んでいくのが分かった。辛さや疲れもあるが、それ以上に鬼に対する怒りがおれの体を動かしている。
絶対に許さない。絶対に許さない!
ここにいると言う十二鬼月を倒し、この周辺に平穏をもたらすのだ。そしていつの日にか、鬼舞辻を倒して───
と。
太陽「……?」
ぐすんぐすん
太陽「……っ!?」
そこに子供がいるのが分かった。
岩肌が剥き出しの山の中だ。その中に、汚れた着物を着た子供がひとり、座って泣いているのだ。
……こんなところで泣いている子供は、本当にただの人間なのか?疑いの心が持ち上がるのをどうしても止められない。
周りに人もいないようだし、いったいどうすれば……。
▼
壱:素直に声をかけよう
弐:試しに石でも投げてみよう
参:もういい。斬る。
肆:その他の行動
下弐
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/21(水) 21:52:40.83 ID:41HmHWL/o
おかえり
壱
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/21(水) 22:21:02.41 ID:i47B2MLvO
壱
300 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/21(水) 23:21:03.67 ID:Jwe31/NLo
>>299
>>298
ただいま
……いや、いや。
疑ってどうなると言うのだ。ここは素直に、声をかけるのが剣士ではないのか。そうだろう、太陽!おれの脳内にそんな言葉がひりつく。
泣いている子供のすぐそばまで近寄った。
太陽「おうい、おうい」
子供「しくしく……」
太陽「だ、大丈夫?親はどうした?」
子供「うう……」
太陽「……立てるか?」
おれが声をかけると、子供は顔を上げた。
白目の部分が黒く変色し、黒目だったところが銀色になっている。遠目から見たって分かるくらいに八重歯が牙のように尖って、それで、それで……。
これは……鬼だ。
子供「おれ、おれ……みんなと遊びたいだけなんだ」
子供「だけど、おれの手がみんな……ざくざくって……」
見た。その手を。
まるで狼の鉤爪のように尖った五本の爪を両手に備えている。触れば一瞬でずたずただろう。
子供「遊んでくれる?おにいさん」
ゆらっ、とその陰が立ち上がり、おれの前に立ちふさがった。
太陽(子供だ!明らかにアレは子供だ!)
太陽(だけど鬼だ!人に害を成す鬼なんだ!)
太陽(どうする……どうする!おれはこれを斬るのが正解なのか!)
太陽(だけど斬らなければおれが死ぬ!)
▼
壱:戦う
弐:せめて苦痛がないように、新たな型を
参:逃げる
肆:話し合う
伍:そのほか
下弐
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/21(水) 23:53:12.32 ID:41HmHWL/o
弐
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/21(水) 23:55:51.88 ID:o3NiCSWE0
2
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 01:42:41.12 ID:foeGZHfSO
>>1
が来た! 読みに行くぞォオ!
304 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/22(木) 19:04:33.10 ID:P7NMNvZWo
>>302
太陽(鬼は斬らなければ!けれど……)
子供「ううっ……」
太陽(子供の鬼がいること、想定していなかったわけじゃない)
太陽(それでもどうして、おれの剣はそんな姿に鈍ってしまう)
太陽(決めたのだろう、おれは決めたのだったろう)
太陽(どんな鬼でも斬り伏せて、全てを滅するのだと心に誓ったのだろう)
ビュウゥゥゥゥゥゥゥ
太陽(だと言うのに、どうして今)
その心を惑わせるようなことになってしまうんだろう。
子供「おに……い……」
太陽(全集中───ッ)
氷の呼吸
肆ノ型
一陽来復
ジャァッ
───【一陽来復】
───冬が終わり春が来ること。
───あるいは
───長く続いた悪いことが良い方に好転すること。
───それは、氷の呼吸特有の滑らかな動作から放たれる剣技だった。
ヒュウ
子供「 」ぱくぱく
どちゃっ
太陽「───あ、ハァーッ……ハァーッ……!」
───体を大きく捻り力を蓄えた後、独特の足捌きで距離を縮め敵の頸に向かい横凪ぎの剣を振るう。
───剣の軽さ、本人の筋力、敵との距離、全てが揃わなければ完成しないまさに死の型であり。
───幾万と練習を繰り返し、無駄な所作は刹那とて存在しない、まさに氷像のごとく、完成された作品である。
太陽「……斬った……!」
305 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/22(木) 19:12:02.18 ID:P7NMNvZWo
太陽「鬼は……!」
背後を見る。
恐ろしかったのか?それとも悲しかったのか?
おれはその落ちた顔を見た。
なんて安らかに笑いながら、その子は逝くのだろうか。
子供「おにいさん……ありがとう……」ぽろぽろ
ぽろぽろぽろ……
太陽「子供の……鬼、なんて……そんなの、そんのっ……!」
ありかよ。
怒りがさらに湧き上がった。勿論大人だから良いとかそういうことではない。だけど、あの子はもっと世界を知ることが出来たはずなのに。
鬼がいるから、鬼なんてものがあるから!
怒りは糧だけれど、それだけでは死んでしまうとおれは知っていた。震える両手を押さえつつ、剣を鞘に仕舞い───
ずがあああああんっ
太陽「!?」
突然大音がする。それは戦闘のせいだとすぐに分かった。木々が倒れ、山をそれなりに注ぐ太陽光から防ぐための木陰がいくつか消失しただろう。
鬼にとってはあまり芳しくない結果だろうけれど、だからって鬼が強いか弱いかなんて分からないし、そもそも誰が木を倒したかも分からないし
ええっと、ええっと……
太陽「……しまった」
よくよく見れば、夜が近づいている。木が倒れるくらいどうでもいいのかな?
太陽「……じゃなくて!あの方角は確か、海怜と夜拌が!」
▼
壱:急ごう
弐:新免と合流したい
参:他に鬼がいないか探す
肆:その他
下弐
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 19:30:58.20 ID:foeGZHfSO
ゴメンネ 加速シテ
安価なら下
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 20:00:22.56 ID:nrvlPWEWo
壱
308 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/22(木) 23:42:48.64 ID:P7NMNvZWo
>>306
イインダヨ キニシナイデ
>>307
太陽「……急ごう」
嫌な予感がする。そう、すごく、すごく嫌な予感だった。
全身に空気を回す。力を回転させて、全力でその場を駆け上がり、音のした方へと一気に!
すたっ!
太陽「海怜!」
海怜「無事だよ、まだね」
太陽「!」
おれが到着した時、海怜は剣を右手に握り、その場に片膝を付いていた。怪我は……していないようだ。よかった。
太陽「夜拌は!」
すぐさまそう口にしていた。海怜の無事が分かったところで、もうひとりがどうなっているか分からなかったからだ。
海怜「……」
太陽「海怜?」
「私を呼んだカイ」
太陽「! よは……」
声がしたのだ。聞き馴染んだ声が。
けれど振り返った先には、夜拌らしき人間がふたりいた。
ん?『夜拌らしき人間がふたり』?
太陽「……よ、はん……」
まさか、なんて、そんなこと。
夜拌?「まさか、本当にほんとーに、私を信用したくれたのかい?」
その男は手を真っ赤にしながら言った。右手には、同じ顔の男がいる。いや、いや……半分腐って……いったい、いつから……?
▼
壱:切りかかる
弐:話を聞く
参:新免との合流を目指す
肆:その他
下弐
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 12:21:22.95 ID:G1pwoXxSO
海怜を連れて参っ フガフガ プピー
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/23(金) 17:18:18.54 ID:2SZ8o2TgO
上
311 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/25(日) 18:44:35.06 ID:zZtPG9cro
ちゅん
312 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/25(日) 18:55:32.20 ID:zZtPG9cro
>>310
>>309
太陽「……!!?」
脳が混乱している。事実を受け入れたいけど受け入れられない、むしろ消化できなくて気持ち悪くさえ思えてくる。
太陽「考えても分かんないことはもう今考えない、まずは新免さんと合流しよう!」
海怜「その方がいいだろうね、僕もそう思う」
ヒュウウウウ
二人で息を整えて、その場を一瞬で離脱する。
夜拌?の方はおれ達を追いかけようと思えば出来たはずなのにそこから動かなかった。
理由はどちらだろう。動かなかったのか、動けなかったのか。
とにかく新免さんが行った方向に向かって全力で駆けた。さすがに高低さがあり、足場も不安定で非常に疲れが溜まりやすくなっていたけれど、それでも走った。
じゃなきゃ、たぶんおれ達はここで全滅だ。それだけは避けなければいけない。
ザザザザザ!
不意に木々が揺らめく音がした。
獣が立てるような音ではない、もっと不自然な物音!……きっと新免さん!
ざっ!
新免「む?どうした、主らは別方向に行っていたのでは?」
海怜「ところがそんなこと言ってる場合じゃなくなった」
新免「……?」
海怜「罠だった。夜拌なんてやつ、いなかったんだよ」
新免「ほう?」
太陽「海怜も新免さんも、あいつと話したことあるんじゃなかったのかよ!」
新免「ある。あるが、あの一度きりだ」
ああ、試験が終わったあの後か!
太陽「え?じゃあ………」
海怜「名前も聞かずに離れてしまったからね、あの時は」
(回想のようなコマで、山中で偶然出会う海怜と血矢 アカリの図)
海怜「数名話をせず終わったんだった」
太陽「……そう言えば何人か名前聞いてない!」
※このレスのコンマで鬼の数判定
-30 夜拌+下っ端鬼が4体
-60 夜拌+下っ端鬼が2体
-90 夜拌+夜拌より格下鬼1体
ゾロ目で夜拌のみ
313 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/25(日) 19:10:17.30 ID:zZtPG9cro
(コンマが20だったので、怨念山には夜拌?含め鬼が5体います。ただし1体は先ほど退治しました)
太陽「ええっと、おれの仲間って……」
>>129
太陽「おれ、イツミ、アカリ、海怜、新免」
海怜「夜拌(仮)。多分名前は他にあるんだろうね」
新免「それと別に二名いる。名前は聞いたか?」
太陽「いや、聞いてない」ふるふる
新免「恥ずかしい話だが、我も聞かずに別れたのだ。乙津、お主は?」
海怜「……分からない。僕も聞いた記憶がないんです」
確か、残りは道着のようなものを着た坊主と、水の呼吸を使える子供だったか……。
きっとその内、また会う機会があるだろう、と信じる。信じたいところだ。少なくとも、今の夜拌のようなコトになっていないことを祈ろう。
新免「話を戻すとしよう。夜拌と称していた青年は鬼なのだな?」
海怜「察しがよくて助かります」
新免「つまり、奴が……」
太陽「じ、十二鬼月!?」
海怜「参りましたね、僕たちだけでやれるかな?」
太陽「せめて、アカリと連絡が付けば……」
新免「それか、【御薬袋(みない) イツミ】がいればまた話が違うのであろうな。確か彼女は、薬師の知識を持った継子であるはず」
太陽「イツミ……」
イツミとも最初以外喋っていない。無事でいることを祈っているのだが、果たして……。
新免「あまり時間の余裕もないだろうな。さて、どうする?」
▼
壱:全員で夜拌を囲む
弐:まだ敵がいるかもしれない、山を見回る
参:雑魚を新免に任せ海怜と夜拌退治へ
肆:おれひとりで夜拌を倒す
伍:そのほか
下弐
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/25(日) 19:44:32.15 ID:AsvzrfF8o
壱
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/25(日) 19:52:19.98 ID:wj0JY60wo
弐
不意打ちされたら不味いし
316 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/26(月) 08:16:11.95 ID:IP1Ci8W+O
>>315
良
太陽「さっき、子供の姿の鬼?鬼の姿の子供?を見たよ」
海怜「! 予想はしてたけどやはり巣窟か」
新免「奴め、上手くやったつもりなのだろうな」
海怜「それで、その鬼は?」
太陽「……斬った。おれが」
新免「あい分かった。しかし、まだ鬼がいるやもしれんな」
太陽「うん。じゃなきゃこんな回りくどいことする理由が分からないし」
海怜「理由はまず置いておこう。問題は、まだ鬼が山にいるかもしれないってことだよね」
太陽「さっきの子供みたいな鬼がたくさんいるのかもしれない」
新免「どうであろうか?よもや精鋭集団が揃っていると言う可能性もあろう」
太陽「どちらにせよ、今夜拌と戦うのはまずい。挟撃されたら一巻の終わりだ」
太陽「だからまず山に他に鬼がいないか見て回り、その後夜拌退治に行く。どうですか?」
新免「ふむ、そうか。それなら向こう側の探索は請け負った」
そう言いながら新免は、背後の木々や森の類を指さしながら目を光らせる。
明らかに不自然に木々が揺らめいた瞬間を見逃さなかったのだ。
新免「何人いるか分からないが、我一人でどうにでもなろう」
太陽「で、でもそんな」
何か言うより先に、新免は飛び出していた。おれの目にも追いかけられるかどうか微妙なほどの速度だ。はっや!!
太陽「はっや!!」
海怜「だらだらと話している暇がないのも事実だからね」
海怜は新免の肩を持つ。と言うか正論を行ってくる。ぐう、分かってるよ……。
と言うわけで再び新免と逆方向に進むために、おれ達は振り返った。
317 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/26(月) 08:29:21.81 ID:IP1Ci8W+O
がさっ
太陽「!」
海怜「!」
がささささ
明らかに何かが茂みから飛び出してこようとしている。獣か?いや、それにしちゃ体が高いような気がする。
もちろん。ここで大きなイノシシが来たところで、おれ達は戦うだろう。
それを放って置いても問題なのは間違いがないのだから、それなら戦うだろう。
しかしどうだ、茂みから出てきたのは───
女「……」
和装の女だった。着物がずたずたになっていて、足は裸足。しかしその目は真っ赤に染まっており、明らかに常人ではない。
鬼か。
ふたりで構える。
女「あら……あなた達は」
海怜「やるよ」
太陽「う、うん」
生気を失った目がおれ達を見た。
女「ねえ?あなた達」
海怜「……」ちゃきっ
女「あの鬼を、『陽炎』を殺してくれるのでしょう?」
太陽「陽炎?」
女「ええ、ここの頭領ぶってるあの鬼よ」
太陽「……? ??」
ええと、夜拌になりすましてたあいつか?
海怜「それならどうする?」
女「共闘しない?」
海怜「何……?」
女「私にもあいつは目障りでね。今私があなた達と戦っても負けるのは分かり切ってるでしょう?」
女「だから、それならせめて死ぬ前に嫌がらせをしたいのよ」
▼
壱:……信用してみよう
弐:信じられるか!
参:海怜はどう思う?
肆:そのほか
下弐
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/26(月) 09:12:55.94 ID:qmMJNQYUo
ええ…怪しすぎるな
加速
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/26(月) 13:50:47.31 ID:ZTTuF97SO
加速ばっかするんじゃねぇ!!(頭突き)
肆:太陽が信じたふりをして鬼から夜拌(陽炎)の情報を聞き出しつつ、その隙に海怜が攻撃。
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/26(月) 14:57:07.89 ID:4Qi8thFRO
信じた上で嘘なら真っ向から叩き潰したいところだがそこまでの力がないのも事実
321 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/29(木) 22:44:51.08 ID:6T0IdEdao
>>319
信用する価値なんて始めから無い。
のだが。
海怜「……」じゃり
女「悪い話ではないと思わない?」
太陽「……」
目配せする。
女が言っていることが全て正しいとは思えなかった。
まず、ここにいる時点でこいつも戦闘を経験しているはずだ。おれ達よりもずっと強い隊員との戦闘を。
それなら、おれ達に勝てないと言う道理がない。つまり、その時点でおれ達を嵌めようと言う算段なのは丸わかりだ。
そして鬼同士が連携をすることがある、と言うのも前回で学んだことであり、こいつが言っていることを完全に正しいと言い切れない以上、誘いに乗るわけには行かない。
さて……それでどうしたものか。
太陽(海怜、おれは信用してみる。……ように振る舞う)
太陽(海怜が信用ならないと思った段階で斬ってくれ)
海怜(……、……勺だけど仕方がないね。正面突破でかなう相手じゃない)
女「勿論信用できないのはよくよく分かるわ」
太陽「ああ、今のところは信用に値しない」
女「……そうよね」
太陽「だからこそ信用してみることにする」
女「!?」
太陽「話せばすぐに分かるはずだからな、それが事実か否か」
女「ふふ、話が分かる人で助かるよ……」
太陽「時間がない。陽炎について早速教えてくれないか?」
女「勿論よ」
322 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/29(木) 22:51:24.74 ID:6T0IdEdao
そう言いながら女は煙管を懐から取り出した。
すぐさまおれ達は刀に手をかける。これが血鬼術の引き金と言う可能性もあったからだ。
悪びれた様子で煙管を戻した女は口にする。
女「すまないねえ、生前の癖で。さてと何から話したものか」
女「陽炎、この怨念山の主、そして【元 十二鬼月】」
海怜「……元?」
女「はっは、そうだよ。十二鬼月は元々入れ替わりが激しい。そして、そのうちのひとりってことだ、彼は」
太陽「その時点で足下を掬われていたのか……!」
女「能力は【皮被り】。なんて大したこと無い、ちんけな能力だろうねえ?けれどそれが一番恐ろしい」
太陽「ずいぶんベラベラ喋るんだな」
女「言ったでしょう?私がしてるのは嫌がらせよ」
吐き捨てるせりふ。
女「あいつは……陽炎は【皮被り】を使って、私の家族を……ぐうう……!」
太陽「……」
鬼を鬼にすることが出来るのはごく限られた人物だけだ、と聞いていたが。
もしかして十二鬼月にもそれが許されているのか?
あるいは。
女「しかもあいつ、降格の目に遭い、能力を取り下げられたせいで……家族を元に戻すことさえ叶わない!」
女「おぞましい……恐ろしい……忌まわしい……」
海怜「そうか、分かった」
女「え……」
幻の呼吸
壱ノ型 狩初
ザンッ!
323 :
◆z.6vDABEMI
[sage]:2018/03/29(木) 22:57:55.36 ID:6T0IdEdao
海怜「……お前の言葉は最初から疑わしかった」
女「……」
海怜「煙管、火を付けていないように見せかけて既に血鬼術の準備が整っているな。その時点で交渉の余地はない」
海怜「そして情報を開示したことで自分を信用させようとしているのだろうが、仲間の能力の名を明かして」
海怜「仔細を明かさぬ魂胆だったこと、すぐに分かった。話を流そうとしていたのも悪印象だったな」
女「く……」
海怜「だが、家族が何らかの血鬼術にかけられているのは事実なようだな」
海怜「安心しろ、俺達が一族皆、空に返してやる」
海怜「天国に行けるかどうかは分からないが」
女「お、まえ……おまえおまえおまええええ!!」
海怜「ふっ!」
太陽「海怜!」
どしゅっ
太陽「───!!」
海怜「ぐ、ああああ!」
首を完全に斬られていなかった鬼。
そして海怜がとどめを刺す直前、鬼の煙管が海怜の肩を貫いた。
左肩からとめどなく溢れる鮮血、それを見つめて鬼はせせら笑いながら砂に還っていった。
太陽「海怜ッ!」
海怜「太陽!君のやるべきことをしろ!」
太陽「でも……」
海怜「今やるべきはなんだ!」
太陽「……」
海怜「この山にいるはずの鬼の殲滅だ!」
海怜「鬼滅の戦士は何があっても立ち止まってはならない、それが喩え仲間の死であっても!」
海怜「俺はまだ死んでいない……ここにいる、だから安心して、鬼を狩れ!」
▼
壱:残った鬼を探す
弐:陽炎討伐へ
参:せめて海怜を山の外に出したい
肆:そのほか
下弐
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 23:09:59.44 ID:S2Z4gzo8O
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