【艦これ】戌と兎の百年戦争

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41 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:37:15.72 ID:CTEpQFTU0

卯月「それが…なんと!じゃじゃん。魚雷の種だぴょん!」

瑞穂「魚雷の…種?」

卯月「そうだぴょん!妖精さんが新しく作ったんだぴょん!一ヶ月もすれば怒濤の四連装魚雷がぼかぼか採れるぴょん。もう少し待てば、無敵の八連装が生えてくるぴょん!北上さんも垂涎だぴょん!」

瑞穂「まあ!すごいものが開発されたのですね。知らなかったわ」

卯月「そうだぴょん!これはまだ極秘だけど、うーちゃんには隠し事なんて出来ないから勿論知ってるぴょん!」

卯月「ちなみに、これがその種で〜す♪瑞穂さんにあげるぴょん!」

瑞穂「よろしいのですか?ありがとう♪」

瑞穂「これが魚雷の…見た目はホウセンカみたいですね」

卯月「試しに植えてみるぴょん!来月には綺麗なお花を咲かせるぴょん」

瑞穂「そうしましょうか。皆さんのために、たくさん植えないと!」

42 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:37:46.01 ID:CTEpQFTU0

瑞穂「これをこーしてあーして、土も耕して。……はい、完了です♪あとは肥料とお水を与えれば、すくすく育ってくれるでしょう」

卯月「わーい!やったぴょん!」

卯月「それじゃあお水はうーちゃんがあげるぴょーん」

瑞穂「あまりたくさん与えすぎないよう注意してくださいね」

卯月「はーい!」

43 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:38:40.03 ID:CTEpQFTU0

ー翌日ー


瑞穂「〜〜♪〜♪」

瑞穂「魚雷のお花は〜♪血潮の香り〜♪ぱぱっと打ち出す〜二十万円〜♪」

瑞穂「……ふぅ。草抜き、終わりですね。秋になってから根草が少なくなって、助かります。この時期はやっぱり農業に向いてますね」

弥生「……すみません……瑞穂さん……あの」

瑞穂「あら、弥生さん。あらあら、いらっしゃい。千客万来ですね」

弥生「はい……お邪魔します…あの…」

瑞穂「あら、どうしました?弥生さんもお花、育ててみたくなりましたか?」

弥生「…違う。あの……これ」

瑞穂「…?布袋ですか」

44 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:40:20.15 ID:CTEpQFTU0
ちなみに瑞穂の鼻歌、真っ赤なお花のトナカイのリズムで歌うと丁度よく歌えるつもりです。
二十万円は、阿武隈のアレ。
45 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:41:31.59 ID:CTEpQFTU0

弥生「鳳翔さんから…この前頼まれてた物だって。熊本の業者が送ってくれたって…」

瑞穂「あら、そういえば頼んでいましたね。ありがとうございます、弥生さん♪」

弥生「はい……」

瑞穂「うふふ、ここ最近は、なんだか睦月型の皆さんと縁がありますね。卯月さんもこの前来られましたし、他の方にも、いつでも大歓迎だと伝えてくださいな♪」

弥生「……卯月?」

瑞穂「はい。魚雷の種をくれました。もう植えてありますよ」

弥生「……魚雷の…たねぇ…?」

瑞穂「はい♪可愛いお花が咲きそうな予感です」

弥生「……あ、ごめんなさい、瑞穂さん。それ…卯月の嘘です…」

瑞穂「あれ?あらあら、嘘だったのですか?まあ、すっかり騙されてしまいましたね、うふふ♪」

弥生「ごめんなさい……後で卯月、絞めときます…」

瑞穂「いーえ〜。嘘でもないような嘘ですから、問題ありませんよ〜」

弥生「……ていうか、魚雷の種って。なんですか。瑞穂さんももう少し、疑ったほうがいい……」

瑞穂「うふふ♪ついつい、人の言うことは信じてしまうんですよね〜」

46 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:43:14.11 ID:CTEpQFTU0

瑞穂「けれど、植物を育てたいと種を恵んでくだすった卯月さんを、私は責めませんよ♪畑が豊かになるなら、それは人の心も豊かにしてくれますからね」

弥生「はぁ……」

瑞穂「そんなわけで、弥生さんも怒らなくていいですよ♪」

弥生「はぁ……」

瑞穂「ほらほら、眉間にシワを寄せてはいけません。可愛いお顔が隠れてしまいます」

弥生「…これは素です」

瑞穂「あら…怒っていないのですか?」

弥生「怒ってないです…」

瑞穂「本当ですか?」

弥生「本当です…」

瑞穂「こころぴょんぴょんしてますか?」

弥生「してないです…」

47 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:47:00.96 ID:CTEpQFTU0

ー駆逐寮 ガンルームー


清霜「ねえ霞ちゃん!最近鎮守府では嘘を言うのが流行ってるみたいだよ!」

霞「知ってるわ。どこかの犬と卯が元凶らしいわね」

清霜「実はね、霞ちゃん。私、駆逐艦なんだよ!」

霞「なんで事実をさも嘘だと思わせたいのかしら…」

朝霜「チッチッ…甘いな、清霜は。そういう時は、こう言っときゃ霞は騙せんだよ」

朝霜「なぁ霞!お腹減ったからなんか作ってくれ!」

霞「……」

朝霜「か〜す〜み〜!お願いだよ、お腹減ったよー!」

清霜「霞ちゃーん!清霜もお腹空いたよ〜」

霞「だぁぁぁぁ鬱陶しいぃぃぃッッ!!朝潮のバカ、さっさと決着つけなさいよぉぉぉぉぉ!!」

48 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:47:45.67 ID:CTEpQFTU0

ー鎮守府 海岸沿い桟橋ー


曙「……ブゥェッッ……クシュ!!……あぁぁ、なによもう、ちくしょう…」

潮「大丈夫ですか、曙ちゃん?さっき波をおもいっきり被ったから…早くお風呂に入りましょう。体が冷えきってます」

曙「はん。この程度気にすることもないわよ。そんなやわな鍛え方してないわ」

潮「ダメです。風邪を引いちゃいます。体調不良は更なる事故の元ですよ」

曙「いーっての」

潮「よくありません。自分で入るか、私に叩き込まれるか選んでください!」

曙「いらないっての!いたいいたい、ちょっと強引に引っ張んないで!わーかったわよ、お風呂入るわよ!」

潮「よかったです」

49 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:48:28.02 ID:CTEpQFTU0

曙「はぁーもう、なんか最近、あんた乱暴になってきたわ。陽炎の悪いところばっかり吸収してるわね」

潮「そんなことありません。曙ちゃんの悪いところもしっかり吸収してます」

曙「言うわね。ま。それは間違ってないわ」

曙「とりあえずそんだけ軽口叩けりゃじょうと……ハッくしゅ!」

曙「う〜〜。悪寒も走ってきたわ…誰かが噂でもしてるのかしら……」

皐月「あれ、曙達じゃないか。お疲れ様。今帰って来たところ?ケガはないかい?うわびっしょびしょだね!近付かないで!」

曙「出会い頭に心配してるのか喧嘩売ってるのかどっちなのよアンタは!?」

皐月「あははは!もちろん心配してるよ。二人ともお疲れ様。お風呂沸いてるから、泡だらけにならないうちに入ってきなよ」

潮「ありがとうございます皐月さん。さ、曙ちゃん。早く入っちゃいましょう」

曙「わかったわよ。この期に及んで逃げないっての」

50 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:49:23.23 ID:CTEpQFTU0

ー厨房ー


皐月「ふふーん。せっかくだから何か飲み物でも持っていこうかな。どうせなら美味しいものを作ろう。そして感謝されよう。厨房って、結構いろいろ揃ってるんだよなー。前々から弄ってみたかったんだ〜」

長月「おおい、皐月。文月がお前の事を探していたぞ」

皐月「やっほー長月」

長月「……何をやってるんだ?調味料の瓶並べて、ボーリングか?」

皐月「違うよ。今ねえ、曙と潮に何か飲み物でも持っていこうかなと思ってね。あ、長月も何か考えてよ!美味しい飲み物!」

長月「あぁ、飲料物か。ふ、任せろ。この程度、私には造作もない」

皐月「お、なんか自信たっぷりだねぇ。長月って得意なの?こう、バーテンダーがカシャカシャやってるようなの」

長月「いや、そんな経験はない。そもそも飲料を合わせるというのも未経験だ。まあどうとでもなる。フィーリングだ」

皐月「そうだね。じゃあ作ってみようか」

51 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:50:09.38 ID:CTEpQFTU0

長月「とりあえず牛乳をベースにしておけば大抵飲めるんじゃないか?不味くてもスムージーだと言っておけば誤魔化せるだろう」

皐月「残念、牛乳は切らしてあるよ」

長月「そうか。では水をベースに作ろう」

皐月「それだと薄くならない?ちなみにコーラならあるよ」

長月「コーラに調味料を混ぜるのか。炭酸の効いたゴマだれとは、なかなかにカオスだな」

皐月「調味料じゃなくてもお酒とかコーヒーとかあるし。あ、アルコールとカフェインの融合とか面白そう!」

長月「アルコールで神経を鈍らせてからの、カフェインがアッパーカットを決めるわけだ。疲れが吹き飛びそうだな!」

皐月「でしょー!?それじゃあこの、ブランデー?をベースに作ってみようか」

皐月「ふーむ。ぺろ。……うわ熱い!喉が一瞬で熱くなるよこれ!」

長月「理想じゃないか!これでいい、これがいい!」

52 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:51:14.15 ID:CTEpQFTU0

長月「ところで曙と潮はアルコールが飲めたか?」

皐月「大丈夫じゃない?この前、みんなでビールを回し飲みしたじゃないか。特に変わった様子はなかったし、好んで飲まないだけでしょ」

長月「確かに。では問題ないな」

皐月「それよりさあ、このサラトガクーラーって凄い美味しいよ!誰かの作り置きかなあ、サラトガさん?」

長月「ん?これノンアルじゃないか。こっちのカンパリはどうだ?……不味い!苦い!」

皐月「うえ、こっちのパッソアもボクは好きじゃないな〜」

長月「なんだこれ、アブサン…?ぶふっ、ハハハ!阿武隈さんみたいな名前だな!」

皐月「アマレットとかいうのも、ちょっと甘すぎるなぁ〜。こんな甘いのと果物なんて合わせてたらもっと甘くなっちゃうよ。くどすぎるよ」

53 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:52:50.62 ID:CTEpQFTU0

長月「うーむ。意外と飲めないものが多いな……こんな不味いものを、よくまあグビグビとあおるものだ。サイボーグか何かか?」

皐月「僕たちはビールから始めろってことなのかなぁ」

長月「それすらも不味くて吐きそうだった。分からんものだな」

皐月「ちぇー。曙達に美味しいものを飲ませようと思ったのに、全然決まらないや」

長月「いっそのこと牛乳を潮の胸から取り出すか…」

皐月「あはは、それはいいや!あんなに大きいんだから、少しくらいは恵んで貰わないとね!」

長月「……」

皐月「……」

54 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:55:14.93 ID:CTEpQFTU0

長月「我々が飲めない酒を、無理に曙達に飲ます訳にはいかん…疲れてくたくたなのに、それは酷と言うものだな」

皐月「そうだね…仕方ない、もっと滋養が付きそうなものを作ってあげよう」

長月「うむ。滋養と言うなら、あれだな」

皐月「オロナミンCをベースにして」

長月「塩分摂取のためにめんつゆを足して」

皐月「消化を助けるためにショウガを混ぜて」

長月「味を整えるためにミルメークを加えて」

皐長「「完成だ!」」

55 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 21:57:35.14 ID:CTEpQFTU0

―脱衣場―


皐月「はいウーロン茶」コト

曙「あら、気が利くじゃない。さんきゅ………ブゥゥゥゥゥゥフゥゥゥゥゥッッッ!!!??」

潮「グムゥッッッ………!?………〜〜〜〜!!??」

皐月「わあスゴい!虹だよ虹、屋内なのに七色の虹が出来てる!雨も降ってないのに!」

長月「違うぞ皐月。雨ならちゃんと降っているぞ。二人の心の中でな!わはははは!」

皐月「あはははは!確かに降ってるね。こりゃいいや!」

曙「だったらついでに血の雨を降らせてやろうじゃないのよ!?オラー!」

長月「はははは!風呂上がりのダルい体でキレが無くなってるぞ曙。では我々は失礼する」

皐月「僕ももう行くね〜。あ、文月が探してるんだっけ?じゃあね二人とも!」

曙「待ちなさい!私らに何飲ませたのよ!?ちょっと、こらー!」

潮「うぅぅぅぅ………不味いです………あ、でも慣れるとそうでもないかも…?」

曙「冗談でしょ……」

56 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:02:19.55 ID:CTEpQFTU0

―食堂―


陽炎「ねえ不知火、このお酒飲んでみて!」

不知火「いやです」

57 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:03:16.22 ID:CTEpQFTU0

ー廊下ー


朝潮「如月。ちょっといいですか」

如月「あら、どうしたの朝潮ちゃん?」

朝潮「明確に決めていた訳ではないのですが…貴女達四人以外からも騙されたとの報告があるのですが」

如月「知ってるわよ。皆で話し合った結果、睦月型全員でやってみようという話になったからね」

朝潮「事後報告でも、事前にそういうことは知らせてほしいわね。曙たちが変な苦情を入れてきて困ってるわ」

如月「ふふ、ごめんなさい。それじゃあ今伝えたわ。ルールは全員できちんと遵守するわよ」

朝潮「むぅ……納得できる事案ではありませんね」

如月「これは私が悪かったわ。ごめんなさい。でも、私が言ったことを覚えているかしら?朝潮ちゃんの宣戦布告を、睦月型の全員で受けると宣言したはずよ。少なくともルール違反ではないわ」

朝潮「……」

58 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:04:50.10 ID:CTEpQFTU0

朝潮「確かに言いましたね。それは覚えていますし、如月から指摘されなくとも心に引っ掛かってはいましたが……」

朝潮「そういうのは、ズルいと思わないかしら。後だしジャンケンと変わらないわ」

如月「……それを言うなら、高圧的な態度の朝潮ちゃんも、ちょっとズルいんじゃない?あの時私が口を挟まなかったら、うーちゃんに無理矢理頷かせるつもりだったでしょ」

朝潮「反論があるならもちろん聞くわ」

如月「違うわ。そもそも、話し合えという司令官からの言伝ても、朝潮ちゃんは最初に言うべきだったんじゃない?私が尋ねなかったらお口チャックを貫くつもりだったのかしら」

朝潮「……」

朝潮「言いたいことがあるなら、直接言ってもらって構わないわ」

如月「朝潮ちゃんがやろうとしていることは、圧政と変わらないってことよ」

朝潮「…なるほど。別の喧嘩をお望みのようね。構わないわ。普段からデザートばかり食べて常時バルジ装甲の人には負けませんから」

如月「んなっ……!?……ふふん、如月のスリムな体つきが目に入らないなんて、測距擬が壊れてるのね。整備は初心の初心よ」

朝潮「生憎と、醜い脂肪を捉えるためには使っておりませんので」

如月「……っ……」

59 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:05:22.99 ID:CTEpQFTU0

如月「ふふ、ふふふふ……うふふ……」

如月「少し……顔貸して貰えるかしら?」

朝潮「……望むところよ」

川内「ストォォォォッッップゥゥゥゥゥゥっっ!!そぉこまぁでぇぇーー!!」

朝如「「 っ!?」」

60 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:05:56.07 ID:CTEpQFTU0

川内「あっはっはっはっ〜!やあやあ二人とも、偶然だねえ!こんなところで何をしているのかな?じっとりじめじめな空気は良くないぞ〜」

如月「せ……川内さん、どうして?」

川内「どうしてって?そうです!私が変な忍者です!って、まあまあ細かいところはいいじゃない!」

川内「ようし、じゃあ如月、一緒にお風呂に入ろうか!背中を流し合おう、湯船で遊ぼう!よーし行くぞ〜」グワシ

如月「えぇ、ちょっ!?川内さん待って!」ズルズル

川内「いやぁ、駆逐艦の子と一緒にお風呂入れて幸せだなぁ!遠慮なんてしなくていいのにさ!それじゃあまた後でね、朝潮!」

朝潮「は、はい……」

61 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:09:29.24 ID:CTEpQFTU0

朝潮「……」

朝潮「何故急に川内さんが……」

62 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:10:25.59 ID:CTEpQFTU0

ー金剛型の部屋ー


金剛「ン〜〜……少しハングリーな気分デース……」

比叡「それってつまり、私の料理が恋しいってことですよね!?」

Warspite「Reject。拒否するわ」

比叡「酷いです……」

比叡「ていうか、そんなに私の料理って不味いですか?そこまででもないと思うんですけど。確かに調味料とかは私の好みが入ってますけども……」

金剛「それじゃあ自分で作って自分で食べてみるデース(棒)」

スパ子「もし生きて帰ってこれたら、私たちも食べてもいいわよ」

金剛「ダメよウォースパイト!余計な事はミッフィー!」

比叡「分かりました!この比叡、お二人が喜んでくれるような料理を作ってきます!」

金剛「やっちまった…デース……」

63 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:11:40.63 ID:CTEpQFTU0

ー食堂ー


比叡「〜〜♪〜♪」

卯月「くんくん。なんだか料理をしている匂いが……びょわああぁっ!?」

望月「あんだよ卯月。ンな皮を剥ぎ取られたアンゴラウサギみたいな声……っ!!?」

比叡「あ、お疲れ様でーす!すみません今厨房使ってるんですよー」

望月「ひ、比叡……さん……お疲れ様…あの〜、念のため聞くけどさ、何を?」

比叡「え?見ての通りですよ。料理です」

卯月「その時点だけでも驚嘆に値するぴょん…悪い意味で」

望月「鍋の色…赤いなオイ。紅いわ」

比叡「はい!カレーの身上は辛さだって言うじゃないですか!だからとっておきの具材を入れてみたんですよ!」

64 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:12:18.63 ID:CTEpQFTU0

望月「……う、目が痛ってぇ…」

卯月「ひりひりしてきたぴょん…なんで比叡さんは平気なんだぴょん?」

比叡「へ?だって料理してるだけなんですし、そりゃそうですよ。やだな〜二人とも、科学実験してるんじゃないんだから!」

望月「まあフグは自分の毒で死なないしな……それと似た原理か」

卯月「絶対違うぴょん!体からトウガラシがぽんぽん出てきたら怖いぴょん!」

比叡「あははは〜、まあトウガラシはそのままたくさん食べるとお腹痛くなりますからね〜」

比叡「…あ、ところで二人とも、今お暇?」

望月(不味い、バスターコールだ!)

卯月(今のうちに逃げるぴょん!)

65 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:12:58.22 ID:CTEpQFTU0

卯月「い、今暇じゃな……」

望月「私は作業が残っておりますゆえ、今しばらくしたら戻らねばなりません。ですが卯月は今日非番のため、いくらでも時間が余っております。ですので卯月は暇です」

卯月「ぴょぉおおおっ!?何勝手なこと言ってるぴょん!!?」

比叡「あ、そうだったんですね!それじゃあ望月さんは残念ですけど、卯月さん、少し試食していってくれませんか!?自信作なんです!」

卯月「やぁぁぁだぁあああああ!!」

望月「それでは私は失礼しますご健闘をお祈りします我が戦友骨を拾うのは任せてくれそれじゃあな!」

卯月「もっちぃぃぃいいいいいっ……!」

66 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:14:00.60 ID:CTEpQFTU0

卯月「…」

比叡「はい!出来ました!それじゃあレビューお願いします!」コト

卯月(………うわあ、マジで赤いぴょん…)

卯月「これ…材料は何を使ってるぴょん?」

比叡「えーとですね、玉ねぎニンジン豚肉じゃがいも。普通の具材ですね!」

卯月「この赤いのは何ぴょん?」

比叡「ビリーズブートキャンプ的なトウガラシです!スタミナが付くこと請け負いです!」

卯月「絶対嘘びょん!デタラメはダメぴょん!」

比叡「え?でも卯月さん、よく嘘付いてますよね。嘘付くのは良くないですよ〜」

卯月「………何も言い返せねぇ……」

卯月「………」チラ

67 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:18:16.05 ID:CTEpQFTU0
ここのビリーズブートキャンプ的な唐辛子とは、ブートジョロキアのことです。
少し前まではギネス記録に登録されていたほどに辛い唐辛子なんですね。
ちなみに現在世界で一番辛いのは、カロナイナ・リーパー。その名の通り命を刈り取るほどの辛さを持っています。
ですが、なんとなんと、この死神を超える辛さを持つ唐辛子がただいま開発中とのことです。
唐辛子の世界は意外にも激戦区なんですね。
68 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:19:44.41 ID:CTEpQFTU0

卯月(……何度見ても、赤いのは変わらないぴょん)

卯月「これ……味見してみたぴょん?」

比叡「もちろんですよ!えっへん!」

卯月「そんな、太陽みたいな笑顔で言われると疑えないぴょん…」

卯月「………」

69 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:21:30.55 ID:CTEpQFTU0

卯月(こ、これが地獄の業火……閻魔翌様に舌を引っこ抜かれる代わりに、こんなものでうーちゃんの体は燃やされてしまうなんて…)

卯月(もしかしてうーちゃん、嘘を付きすぎてしまったぴょん?神様がうーちゃんを懲らしめるためにこんな罰を用意して……)

卯月「……」プルプル…

比叡「さあさあ卯月さん!是非是非食べちゃってください!自信作ですので!」

卯月「……う、ぉぉぉぉぉ……うーちゃんわぁ……うーちゃんわぁぁ〜……」

卯月「た、たとえこれが罰だとしても、うさぎみたいな可愛い嘘を付いてくことに変わりはないぴょん…」

卯月「だから、例えこれが致死量だったとしても、比叡さんのために嘘をつくんだぴょん!その場しのぎの悲しい嘘になったとしても!」

卯月「うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!」


ガラララ


水無月「お邪魔しま〜す。わあ、なんだか美味しそうな匂いがするね」

卯月「へ……水無月?」

比叡「いらっしゃい水無月さん!水無月さんもこの匂いの良さが分かってくれますか!?」

70 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:22:14.64 ID:CTEpQFTU0

卯月「水無月…?どうしたぴょん、こんな地獄の狭間に」

水無月「ん〜?なんかね、もっちーが食堂にいるうーちゃんを助けてやれって。なんだ、カレーを食べてるだけだったんだね。心配しちゃったよ」

水無月「くんくん……美味しそうなカレーじゃない。少し貰っても大丈夫?」

卯月「か、構わないぴょん…」

水無月「…ぱく。うん、美味しいよ。ちゃんと食べられるようーちゃん」

卯月「え、あ、えぇ?」

比叡「やったぁ!なんだ、私の舌がおかしい訳じゃないんですよね、やっぱり!金剛お姉さまもウォースパイトさんも食べず嫌いなんだからなーもー」

水無月「勿体無いなぁ、美味しいのに」パクパクモグモグ

71 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:22:56.50 ID:CTEpQFTU0

卯月「……」

卯月(うーちゃんは知ってるぴょん。水無月はとっても優しくて、人が傷付く事は絶対にしないんだぴょん)

卯月(これは比叡さんを傷付けまいとして、嘘を付いているんだぴょん!)

卯月(証拠に、水無月の額から汗が永続的に流れてるぴょん……)

卯月「み、水無月?無理は良くないぴょん!今すぐ食べるのを止めて、牛乳を飲むぴょん!潮ちゃんから貰ってくるぴょん!」

水無月「ん?あはは、何を言ってるのさうーちゃん。僕は無理なんてしてないよ。美味しいと思ってるから食べてるんだよ」

卯月「でも汗が……」

水無月「さっきまでランニングをしていたからね。仕方ないよ」

卯月「でも目が真っ赤ぴょん!」

水無月「ランニングしながら映画を見てたんだ。スッゴく泣ける映画だよ」

卯月「でも腕が震えてるぴょん!」

水無月「貧乏揺すりみたいなものだよ」

72 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:23:59.95 ID:CTEpQFTU0

水無月「うーちゃん、いいかい。食べ物は見た目で判断しちゃダメだよ。それは人を見た目で判断するのと同じなんだ。とっても悪いことだよ」

水無月「ほら、このカレーだって、とっても辛いけれど芳醇な味わいで、唐辛子が食欲を刺激して夏なんかにはとっても人気が出そうなマズごぱァっ!?!?」ビシャ

卯月「」

水無月「……おっと、少し噎せたみたいだね。あはは、ごめんね」

卯月「吐血なのかカレーなのか判断出来ないぴょん……」

卯月「ていうか、今不味いって言った!絶対言った!!」

73 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:24:47.19 ID:CTEpQFTU0

―10分後―


水無月「ごちそうさま。ふう、全部食べちゃったよ」

比叡「ありがとうございます!如何でしたか!?」

水無月「そうだね。とっても美味しかったよ。今度は甘口も作ってみるのもアリなんじゃないかな?もしかしたら、そっちのほうが上手く作れるかもしれないよ」

比叡「はい!ありがとうございます!水無月さんからのアドバイス、忘れません!それでは金剛お姉さま達に食べさせてきますね。それじゃあ!」

卯月「……」

水無月「……」

74 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:25:41.80 ID:CTEpQFTU0

卯月「……お腹、大丈夫ぴょん?」

水無月「……うーちゃん。世の中にはね、命を懸けても貫かなくちゃいけない場面があるんだ」

水無月「きっとさっきのは、そういうことだったんだよ。比叡さん、とっても嬉しそうだったよ」

水無月「これくらい、なんてことないよ」ニッコリ

卯月(ま、眩しい……なんて眩しい後光だぴょん…!慈愛に満ちすぎているぴょん!)

卯月「これが、これが嘘を付くということ…うーちゃん、全然分かってなかったぴょん!勉強になったぴょん!」

水無月「うん。そういうことさ。みんなが、笑顔だったら、僕は、う、嬉しいな、っておも、思う…思う…ん……だよ……」フラフラ

卯月「エッ!?み、水無月ぃ!?」

水無月「」

水無月「」ドサリ

卯月「メディーーーーッッック!誰か来て下さぁぁぁぁぁい!!」

75 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:27:09.57 ID:CTEpQFTU0

ー深夜 鎮守府廊下ー


菊月「天は人を作り、そして魂を吹き与えた…それが世界の真実だ……分かるな、三日月?」

三日月「ごめんなさい。分からないわ」

菊月「ふっ…まあこれしきの事、三日月なら容易く理解してくれると信じていた……」

三日月「無理矢理話を続けるつもりね」

菊月「世界は止まらない。いずれはあるべき姿へと還っていく…それが破滅か、進化か、私はそれが見たいんだ……だからそれまで、止まるなよ。ミカ」

三日月「心配しなくても、言いふらしたりなんてしないわよ」

菊月「……なんだと、いつから嘘だと見抜いていた?そうか…それが三日月の心眼の力か…クッ…侮っていた……」

三日月「はぁ……揃いも揃って、皆卯月の話に乗っちゃって。大丈夫かしら」

菊月「こういうのは多少の面白味も必要だ……で?何時になったら、私を辿り着かせてくれるんだ、ミカ?」

三日月「はいはい。トイレはもうすぐよ」

菊月「ふふふ…この菊月ともあろうものが、突然電気が消えて腰が抜けるとはな……笑止」

三日月「それだけ元気ならもう大丈夫よね?」

菊月「あ、いや……もう少しだけ頼む……」

三日月「はいはい」

76 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:28:14.66 ID:CTEpQFTU0

ー資料室ー


神通「これは、一番の棚に。緑のラベルが張ってあるものは二番にお願いします」

朝潮「分かりました」

神通「すみませんね。雑用を頼んでしまって」

朝潮「気にしないでください。お役に立てるのなら冥利に尽きます」

神通「ふふ。相変わらず真面目ですね。朝潮は」

朝潮「人が困っていれば助けるのは当然ですよ」

神通「そうですね。でも少しくらいは、年齢相応のワガママを見せてもバチは当たりませんよ?」

朝潮「……おかしい、ですか?私がこのように振る舞っているのが」

神通「そんなことはありません。駆逐艦を取りまとめてくれて非常に助かっています。ただ、頼まれ事を嫌そうな顔で見つめる朝潮の顔も、新鮮で面白いかもしれないと思っただけ」

朝潮「そんな顔はしません」

神通「ええ。そうね」

77 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:28:50.42 ID:CTEpQFTU0

神通「朝潮は昔からそのような性格を?」

朝潮「どうでしょう……ここまでではなかったと思います。艦娘になってから更に磨きがかかったような、そんな気はします」

神通「あら……となると、船の記憶が影響を与えているのかもしれませんね」

朝潮「記憶……ですか」

神通「そう。艦娘としての使命を与えられた子は皆、大なり小なり過去の影響を受けています。ある者は性格が変わり、ある者はトラウマを与えられ、またある者は勇気に満ち溢れます」

朝潮「座学で何度か扱いましたね」

神通「そうね。だから、割りと繊細なんです。最初のうちは、意図せずして相手の逆鱗に触れるなんてのはしょっちゅうです」

朝潮「面倒なものですね」

神通「そう。面倒なんですよ。でもそうも言ってられない。現実がそうである以上、私達はそれと向き合わなければならない」

神通「人には言えないだけで、悩み苦しみあがき、けれど外では平気な顔をしている。明るい振りをしている。嘘を付くのはその防衛本能からかもしれない」

神通「なかには、そんな艦娘もいるかもしれませんよ?」

朝潮「…………どう、でしょうね。判断しかねます」

神通「ふふ。あくまで個人的な所感です」

78 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:29:37.73 ID:CTEpQFTU0

神通「よければ、朝潮が持つ記憶について、お聞かせ願えないかしら」

朝潮「私のですか?聞いても面白くないですよ」

神通「いいんです。聞くことに意味があるわ」

朝潮「……朧気なので、はっきりとはしていません」

朝潮「私が見えるのは、二つの船が沈むところまでです。交わした約束を守るために死地へと赴く己の姿。それだけが頭に残っています」

朝潮「けれど、それは誇らしげで、もうすぐにでも死んでしまうというところにあって、契りを交わした二人の船長はお互いの約束を守ることに努めたのです。結局船長は、その船と共に沈んでしまいましたが」

朝潮「その記憶に恥じることがないように生きたい。それが、常々思うところです」

朝潮「…………以上です。すみません。やっぱりあんまり纏まっていないですね」

神通「そんな事はないわ。よく分かりました。ありがとう」

神通「とても朝潮らしい記憶ですね。合点がいきました」

79 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:30:16.81 ID:CTEpQFTU0

神通「駆逐艦はその性質上、血気盛んな子がとても多いんです。トラウマよりもむしろ、獰猛な虎のように相手に襲い掛かってやろうというお転婆ばかりで。数もいますし、統率させるのは至難の業です」

神通「その中でも朝潮は、理性的に皆を取りまとめてくれる。本当に感謝していますよ」

朝潮「……そう言われて安心しました。もしかしたら迷惑をかけているかもと、たまに思ったりもしていたので……」

神通「大丈夫です。提督も、他の秘書官歴任の方々も私と気持ち同じですよ」

神通「だから、朝潮が必要だと判断したなら、今回のいさかいも必要でしょう。願わくば、全員が納得する形で決着するよう私も協力します」

神通「だから、心の感じた通りに動いてご覧なさい。それが今回の事態を解決するのに役立つでしょう」

朝潮「……はい。勇気づけられました。ありがとうございます」

80 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:30:59.52 ID:CTEpQFTU0

朝潮「ちなみに、神通さんはどのような記憶を?」

神通「私ですか?そうですね……」

神通「半身を抉られようとも真っ二つに折られようとも、ただ敵を沈めんという闘志と気迫と執念を兼ね備えた自身の姿。それが印象的ですね」

朝潮「…と、とても神通さんらしい記憶ですね…」

神通「あら…そうかしら?」

朝潮「ひっ!?も、申し訳ございません!」

81 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:33:35.63 ID:CTEpQFTU0

―港―


睦月「ねえ如月ちゃん」

如月「なあに、睦月ちゃん?」

睦月「あのね…この出撃が終わったら聞きたいことが…」

如月「そのセリフは止めてちょうだい縁起でもないわ今すぐにしましょう何でも答えるわ」

睦月「わ、スゴい剣幕…うーんとね…如月ちゃんは、なんでそんなに卯月ちゃんを
庇うのかなって。卯月ちゃんが嘘を付くのは、やっぱり悪いことだと睦月は思うんだけど」

如月「なあんだ、そんなことだったの。別に私は、うーちゃんが嘘をついてるかどうかなんて気にしてないわ。重要なのはそこじゃないわよ」

睦月「え?じゃあなんで」

如月「うふふ、決まってるわよ。姉妹艦だから、よ。うーちゃんはもちろん、睦月ちゃんも、他の皆も大切よ。それじゃあ、ダメかしら?」

睦月「ダメじゃ…ないけど」

82 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:34:08.12 ID:CTEpQFTU0

睦月「ホントにそれだけ?」

如月「もちろんよ。だって、せっかく姉妹になれたんだもの。大切にしたいじゃない?」

睦月「それは、睦月もそう思ってるよ」

如月「なら問題ないわ」

睦月「うん…」

如月「ほらほら、出撃の時間よ。行きましょう」

睦月「はーい」

83 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:35:01.92 ID:CTEpQFTU0

ー中庭ー


文月「ネコがいたんだにゃ〜、にゃ〜♪」

朝潮「突然なんの報告ですか」

文月「あのね、さっきそこの中庭でネコを見かけたんだよ〜。可愛かったぁ♪」

朝潮「へえ…それは見てみたい気もするわ。どの辺りにいたの?今もいるかしら」

文月「すぐそこにいるよ〜。出ておいで〜♪」

朝潮「ははは、そんな呼び掛けて出てくるわけが……」

にゃがつき「ところがどっこい、出てくるんだなこれが!」

朝潮「うわあ!?な、長月!なんですか、サンタみたいな格好して!?」

にゃがつき「うるさい!公式が着れと言ってるんだ。仕方ないだろう!」

にゃがつき「私とて転んだからにはタダでは起きんぞ。辱しめを受けたなら、相応に返してやらんと気が済まない。というわけで、朝潮にプレゼントをやろう!」

朝潮「何がというわけで、なのですか!」

84 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:36:45.41 ID:CTEpQFTU0

にゃがつき「知っているか?サンタクロースは夜な夜な煙突から落っこちてはトナカイを馬車馬のごとく乗り回し、世界の子供たちに笑顔とほんの少しの産業生産物を届けるそうだ」

朝潮「ヒドい言い方ね」

文月「夢がないよぉ〜」

にゃがつき「だが、真実は別にある!クリスマスは下手をすれば人類滅亡の日だぞ!」

朝潮「そんなバカなことがありますか!」

にゃがつき「まあ聞け。世界中の子供たちは何人いる?約3億人だ。そして子供がいる世帯数は、おおよそ8700万戸。その家を全て回りきるには、サンタは秒速1040キロメートルでトナカイを走らさなければならん」

にゃがつき「プレゼントの総重量はいくらだ?3億人分だから、およそ30万トン。それらを運ぶためのトナカイも、230万頭必要だ。そんなわけで、何だかんだでサンタクロース一行の総重量は87万トンにも及ぶ」

にゃがつき「そんなもんが音速を越えて移動してたら、大迷惑だろうが!」

朝潮「まあ、計算上は確かに地球滅亡レベルですが……」

朝潮「けど、実際はサンタクロースではなく、お父さんやお母さんか、それに準ずる人が代わりに配っているわ。そんなのは杞憂よ」

にゃがつき「おおっと、夢の無い話しはお断りだ!子供心は大事にしてくれ」

にゃがつき「やれやれ、仕方ないな、純粋な気持ちを思い出してもらえるよう、朝潮にはこれをやろう。受け取ってくれ」ポン

朝潮「は?はぁ…ありがとう…?」

にゃがつき「それではまたな!」

85 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:38:04.95 ID:CTEpQFTU0

朝潮「……怒濤の勢いで消え去っていったわ」

朝潮「ていうか、猫じゃないじゃない。文月ったら、嘘をついたのね?」

文月「えぇ〜?違うよぉ。ちゃんとネコはいるよ〜」

朝潮「長月ならいたわ」

文月「んーとね、えーと、なんだっけ?朝潮ちゃんが受け取ったら、このボタンを押して〜」ポチ

プレゼント「」ボッッフン!!

朝潮「ッッッ?!?!げほ、げほ!な、なんですか!?」

文月「わぁ〜、朝潮ちゃん粉だらけ〜。大丈夫?」

朝潮「大丈夫じゃないです!うぅ、なんか甘ったるいような、変な粉が…」

朝潮「…………」ペロッ

朝潮「なんですか、この粉」

文月「え〜っとねぇ、マタタビだって〜。ネコがごろにゃんするんだよね〜♪」

86 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:38:53.53 ID:CTEpQFTU0

朝潮「マタタビ?そんなものをぶち撒けてなんの意味が…」

ニャー

朝潮「ッ!?」

ニャーニャー

ニャー

朝潮「なっ!こ、この猫たち…いつのまに私を囲んで!」

茶ブチ「ニャーー!」

朝潮「ひゃっ!?なんか目を光らしてます!こないで!」

白黒「ニャニャーー!」

吊るし猫「キシャーーーーっ!!」

朝潮「きゃーーーー!」

文月「朝潮ちゃーん!?」

87 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:39:26.99 ID:CTEpQFTU0

文月「いっちゃった……」

文月「うーーん……如月ちゃんのアイデアだけど、ちょっとやりすきだのかな〜?」

文月「待って待って、朝潮ちゃ〜ん!」

88 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:41:12.16 ID:CTEpQFTU0

ー駆逐艦寮 ガンルームー


朝潮「きぃぃぃさぁらぁぎいいぃぃぃィィッッ!!?」

如月「きゃ!朝潮ちゃん?」

朝潮「なんのつもりですか、どういうつもりですか、腹積もりが見えてきません!ふざけてます!」

如月「あら、朝潮ちゃんたら猫の毛をいっぱい身につけて。楽しそうね」

朝潮「嫌味にしか聞こえません!」

朝潮「津波のごとく猫を侍らせられて……獣臭いったらありません!」

朝潮「そもそも、途中からおかしくなっていることに気が付くべきでした。嘘をつくのが悪いことか、そうではないのかを念頭に置いているはずなのに、何故イタズラが蔓延っているのですか!」

如月「それは、うーちゃんの真骨頂が可愛らしいお遊戯にあるからじゃない?」

朝潮「言葉を濁しても無駄です」

朝潮「あーもう、もう我慢できません!」

89 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:41:51.78 ID:CTEpQFTU0

朝潮「如月、そもそも話が大きくなっている原因は貴女にもあります。試合を受けたった手前私も強くは出ませんでしたが、勝手が過ぎます!」

如月「そういうのも含めて、今回係争中のハズよ。問題はないわ」

朝潮「そんな話しは出ていません」

如月「司令官は納得のいく結論を出せと、そう仰っていたわ。なら、納得のいく方法を採るのは当然よね」

朝潮「あくまで非を認めないつもりですか?」

如月「誰かが悪い、なんて極端に考えなくてもいいじゃない。もっと気楽に構えましょうよ。ね?」

朝潮「……っ、またそうやって論点をずらそうとして…」

90 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:43:07.66 ID:CTEpQFTU0

朝潮「前から言おうと思ってたわ。如月、あなたは人を煽って楽しいかしら?」

如月「あーら、そーいう朝潮ちゃんこそ、他人に主義主張を押し付けようとして、何様のつもり?」

朝潮「猫を被って愛想よく振る舞っても、性格の悪さが滲み出てるわよ」

如月「頭が固いと大変ねえ、古い価値観しか受け入れられないもの」

朝潮「髪が痛むなら、ワックスでぎちぎちに固定すればいいわ!」

如月「そんなに命令されたいなら、奴隷にでもなっていればいいじゃない!そっくりの奴隷ゲームがあるらしいわね!?ほーら、きゅうりなら畑にもあるわよ!」

91 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:43:53.96 ID:CTEpQFTU0

朝潮「ええい、ここまで話が合わないとは思わなかったわ!貴女は私が一番嫌いなタイプです!」

如月「嫌いなのはお互い様よ。優等生で提督に気にかけてもらえてるからって、調子に乗ってないかしら?」

朝潮「そんな適当なことを言わないで!だから三話で訳も分からず沈められるんですよ!」

如月「なぁんですってぇ!?後ろ姿しか出番が無い人に言われたくないわ!」

朝潮「ああ、あぁ、もう、本当にもう………我慢の限界です……!」

如月「あら、その手は何かしら?来るなら来なさいよ。受けて立つわよ!?」

朝潮「……そう出来るものなら……出来るならば……!」


ーー朝潮が、心の感じた通りに動いてご覧なさいな


朝潮「っ、やってやりますよー!」ボカン!

如月「うぐっ…!やったわねー!?」

92 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:45:04.05 ID:CTEpQFTU0

朝潮「耳年増!」

如月「堅物!」

朝潮「ただでさえ薄い装甲で私に勝てるとでも!?」

如月「生身なら大して変わらないわよ!」

朝潮「このすかぽんたんがぁぁぁっ!!」

如月「分からず屋ぁぁぁ!」

川内「遂に始まったーーーー!!神通の言った通りだ!?」

93 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:45:35.27 ID:CTEpQFTU0

川内「二人ともそこまで!喧嘩やめ、殴り合いやめ!」

朝潮「うがああああっ!!」

如月「なんなのよおおぉぉっ!?」

川内「わ、危ない!なんかこれって、私が危険かも?しょーがないなぁ…手刀、えい、えい!」ドスドス

朝潮「グアッ……」ドサ

如月「うぐ…」ドサ

川内「ふぅ……やー落ち着いた落ち着いた。あっははは!私の勝利だ!」

94 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:46:36.25 ID:CTEpQFTU0

ー執務室ー


朝潮「……」正座

如月「……」正座

提督「……ふむ、なるほど。経緯は理解した」

提督「こうなるまでに止められなかった俺にも責任がある。が、二人にも十分に非があることは、分かっているな?」

朝潮「……はい…申し訳ございません……」

如月「…ごめんなさい……」

提督「大事にならなかったのは僥光だ。それを踏まえて二人には追って罰を与える。当然、勝負は中止。以降の蒸し返しも禁ずる。どうしてもと言うなら、まずは俺に言え。以上だ」

提督「戻って良いぞ」

朝潮「…失礼しました…」

如月「失礼します…」

バタン

95 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:47:02.14 ID:CTEpQFTU0

提督「……はぁ」

提督「……」

提督「で、これはお前が仕組んだものか?」

神通「そうであるとも言えるし、そうでないとも。私は好きにやってもらって構わないと、背中を押しただけです」

提督「その結果がこれか。川内を監視に回したからいち早く気が付けたものの、賢いとは言えないな」

神通「やり方は確かに強引でした。けれど、拳を交わしたほうが、お互いに引っ込みがつくのではないかと」

提督「不良ではあるまいし、喧嘩すれば仲良くなると思ってるのか?」

神通「あの子達は駆逐艦です。どれだけ真面目であっても、その血に宿る闘争本能を押さえつけることは出来ません。なら、解放させてあげたほうがすっきりします」

96 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:48:06.44 ID:CTEpQFTU0

神通「必要なのは、あくまでもお互いが納得のいく結論を出すことです。傷も恥も共有した今なら、自身の想いだけでなく、相手の言い分にも耳を傾けるでしょう」

神通「あとはそこで、妥協点を見付けてもらうまでです。そこからは二人で解決できるでしょう」

提督「……はぁ」

提督「やはりお前は、華の二水戦旗艦だな。必要とあらば強行突破も辞さない、か」

神通「はい。私の方針に歪みはありません」

97 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:48:49.13 ID:CTEpQFTU0

ー食堂ー


朝潮「…………………」

如月「…………………」


はーい、お待ちどうさま。A定食大盛です
サンキュー間宮さん!うはぁ旨そう〜
旨そう、じゃなくて旨いのよ。ほら長波、後がつっかえてるから先行ってよ


朝潮「………………」

如月「………………」

98 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:49:24.49 ID:CTEpQFTU0

朝潮「……………」

如月「……………」


いっちばーん。馬刺とマグロの丼くーださーい!
変な組み合わせね。お腹壊すわよ
だって速く走れそうなんだもん


朝潮「………」

如月「………」

99 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:50:07.74 ID:CTEpQFTU0

朝潮「………」

如月「………」


ねえお姉さま!今度はカレー以外も作ってみますから、試食お願いしますね
ワッザ!?不幸な事故に巡り会うのは懲り懲りデース!
故郷のfish&chipsが懐かしいわね…レストランでも不味いところが多かったわ


朝潮「……」

如月「……」

100 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:51:00.10 ID:CTEpQFTU0

朝潮「…」

朝潮「…」

如月「…」

朝如「「あの…」」

朝潮「…あ、先にどうぞ」

如月「ううん。朝潮ちゃんから先に」

朝潮「えーと…あ、じゃあじゃんけんで決めましょう。最初はグー、じゃんけん」

朝潮「ぽん」パー

如月「」チョキ

如月「……で、どっちから?」

朝潮「しまった、決めてなかったわ……」

101 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:51:48.31 ID:CTEpQFTU0

朝潮「あー、わかりました。私から、言わせてもらいます」

朝潮「個人的に、今回で一番許せなかったのは、如月が意図的に嘘をついたりイタズラをしかけたり…卯月に便乗して楽しんでいるみたいで、それがとても頭にきました」

朝潮「それでつい手が出てしまって……申し訳ありません……」

朝潮「でも、今まではそんな素振りはなかった…睦月型のお姉さんというイメージで、変な問題を起こすなんて信じられなくて……どうして今回、こんなことに?」

如月「……」

如月「船の記憶って、なんでそんなものを受け継がないといけないのかしらね」

朝潮「え?」

如月「ほんと、イヤよねぇ。ふとした瞬間に後悔だけが心に溜まるのよ。誰をも守れず、真っ先に沈んだ自分の不甲斐なさが悔しくて……もどかしくて……」

朝潮「前世の記憶…というやつね」

如月「えぇ。忘れたくても、忘れられないの」

102 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:52:42.53 ID:CTEpQFTU0

如月「駆逐艦・如月は、睦月型の中で最初に沈んだわ。それどころかあの戦いの中に於いても、真っ先に沈んで……その記憶がこびりついて、時々吐きそうになるの」

如月「けれど今は艦娘として、睦月型の皆と一緒に出撃ができている。こんなに嬉しいことはないわ。だから何があっても、私はあの子達を守りたいの」

如月「絶対に、守り抜きたい」

朝潮「……分かりました。そういうことだったんですね」ハァ

朝潮「…………むむぅ……」

103 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:53:36.61 ID:CTEpQFTU0

如月「冷静に考えてみれば、確かにうーちゃんが悪いっていうのも、あるわ。けど、どうしても認めたくなくて……ごめんなさい……」

朝潮「いや、いいです。これ以上は言わなくても」

朝潮「………うむむむ…」

朝潮「……ぐぬぬぅ〜」

朝潮「………うーん…」

朝潮「………わかり、ました」

朝潮「私も強く出過ぎたみたいです。もう少しだけ柔軟に考えられるように、努力します…」

如月「……えぇ。ありがとう」

104 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:54:35.10 ID:CTEpQFTU0

朝潮「ただ、やっぱり卯月には如月からも言ってもらいたいです。やっぱり嘘ばかりをつくのは、卯月の名誉にも関わるわ」

如月「そうね。分かったわ」

朝潮「とりあえず今回は、これで手打ち、ですね」

如月「そうね。今後は私も、もう少し身の振り方を丁寧にするわ」

朝潮「はい……」

105 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:55:17.54 ID:CTEpQFTU0

ー鎮守府一階 渡り廊下ー


朝潮「はぁ〜……どっと疲れたわ…」

朝潮「…………ん?」


かご「」ポツネン


朝潮「…………何故廊下にかごが…鳳翔さんが落としたのかしら?届けないと」ヒョイ


パンパラパンパンパーーーン!!


朝潮「っ!!?」

卯月「朝潮、お誕生日おめでとぴょーーーん♪」

朝潮「んなァ!?」

106 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:55:48.32 ID:CTEpQFTU0

卯月「わーー、パチパチパチ〜〜♪」

朝潮「は、はぁ?なんなんですか、いったい」

卯月「だって、今日は朝潮の誕生日ぴょーーん!」

朝潮「私の誕生日はとっくの昔に過ぎてますが?」

卯月「そんなの関係ないぴょーーん!うーちゃんはお祝いしたいときにくす玉を鳴らすんだぴょーん♪」

卯月「あさしおぉ、ぅぅぉお誕生日ぃぃぃ、おぉぉめでぇとぉぉぉぉぉっ!!」

朝潮「………………」

107 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:56:36.58 ID:CTEpQFTU0

朝潮(何かしら……全然嬉しくないわ……)

朝潮(ていうか、紙吹雪を誰が片付けると思っているのですか。今までの慣例上、この子が片付けるとは思えないわ)

朝潮(もしかしてこの子、私に嫌がらせをするためにこんなことを……考えすぎかしら……)

朝潮(………………)

朝潮(…………)

朝潮(……)

108 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:57:28.07 ID:CTEpQFTU0

ー執務室ー


青葉「結局勝負は持ち越しですか〜〜、良い記事が書けると思ったのにな〜」

神通「喧嘩に発展した以上は仕方ありません。看過すべきは心の衝突、制裁すべきは拳の衝突。責任者として、これ以上の揉め事はお預けです」

提督「よく言うな。自分で衝突するように仕向けておいて」

神通「悪役なら幾らでも買って出ますよ」

神通「それに、結果として、朝潮と如月両名のわだかまりは、解けたようです。報告書やその後の経緯を見ても明らかです」

提督「その二人は、確かにな」

提督「だが、根本的なところで解決はしていない。朝潮と卯月は……以前よりも剣呑な雰囲気が感じられる。主に朝潮からだが」

提督「下手にこちらから刺激する必要はないが、艦隊の士気に関わる以上は放置もできん」

109 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:58:46.27 ID:CTEpQFTU0

提督「うーーむ。難しいものだな。上手い解決方法が思い付かん。女の子の気持ちは複雑だ」

青葉「お、提督乙女心分からず、いたいけな少女を泣かす、と」

提督「記事にしたら減俸だ」

青葉「えーー!?メディア弾圧ですかぁ!きょーはくですよ、きょーはく!」

提督「こっちは名誉毀損だ、ばーか」

青葉「バカって言った!提督のばーか!バーガーキング!」

提督「誰の顔がバーガーキング並みに油っぽいってぇ!?」

神通「また始まりましたね…」

神通「それにしても、何か方法を模索しないといけませんね……一番いいのは……」

110 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 22:59:31.94 ID:CTEpQFTU0

コンコン


神通「はーい。どうぞ」

大淀「失礼します」ガチャ

大淀「提督。海の向こうからクリスマスカードです。遭難した後、救難信号ですね」

提督「こんな荒れた天候で船を出さなくても…仕方ない。快速の艦隊を組んで出撃させる」

提督「というか、何故電話で伝えんのだ」

大淀「いえ、それがですね〜。休暇や疲労回復の観点から編成してみたのですが、一つ問題が………」ピラ

提督「?」

提督「…………あ」

大淀「どうします?もう少しだけ待ってもらいますか」

提督「……いや、朝潮も公私混同したりはしない。問題はないだろう」

111 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:02:33.37 ID:CTEpQFTU0
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


川内「というわけで、迷子の子猫ちゃんを助けに行くよ!戌年らしく、警官はウチらだ!」

川内「さぁ、ばっつびょーー!!」

朝潮「……」

卯月「はーーい♪うーちゃん今年はぬーちゃんになりまぁす!ウッソでぇす!」

朝潮「……何故、この子と一緒に……いや気にしてはダメ。司令官のご期待を裏切るわけには…」

荒潮「あら朝潮ちゃん、だいじょうぶぅ?なんだか苦虫を噛んだような顔してるわぁ」

朝潮「えぇ、大丈夫。大丈夫よ」

川内「あーはー。じゃあ行くよー!」
112 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:03:37.59 ID:CTEpQFTU0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


川内「大時化だぁぁぁぁぁっ!!あははははぶぎゃぶるぼふっ!?」バシャァァン

朝潮「こ、こんなに天気が悪くなるなんて…っ!」

荒潮「や〜ねぇ。髪の毛がワカメだわぁ」

卯月「少しくらい任務が楽でもバチはあたらなぶぎゃっ!?」ザッッパーーン!

113 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:04:09.76 ID:CTEpQFTU0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


朝潮「不味いです…無線の音が全く聞こえないわ。全員がばらばらにはぐれちゃう!」

???「た…たす………!海水が……ぎゃん!」

朝潮「誰か……いるの?ええい、手を繋いだほうが安全だわ!」パシ

???「ふぇ?あ、朝潮……危ない……」

朝潮「いいから!」

朝潮「このまま近くの上陸可能な島まで突っ切ります!転ばないようついてきて!」

???「あ、ありがとう……ぴょん」

114 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:04:46.15 ID:CTEpQFTU0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


神通「状況は?」

大淀「川内さん以下四名は、無事に日本大使館のある国までたどり着きました」

大淀「ですが、朝潮さんと卯月さんが、依然としてまだ……」

提督「急いで人員を呼び戻し、捜索隊を編成する。もちろん嵐が収まってからだが…」

提督「くそ!こんなに天候が荒れるとは…なんたる不覚だ…」

神通「落ち着いてください提督。イライラしても事態は好転しません」

提督「分かってる!分かってるが…何も出来ない自分がもどかしい…」

青葉「にしても。よりにもよってその二人が消息不明とは、見えない力が働いているようですねえ」

115 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:05:33.64 ID:CTEpQFTU0

ー群島 洞窟内部ー


焚き火「」パチパチ

朝潮「どうしてよりによって、貴女と二人きりなんですかあああぁぁぁっ!!?」

卯月「朝潮ありがとぴょーん!おかげで助かったぴょーん!ぷっぷくぷぅ〜♪」

朝潮「抱きつかないでください!もう、余計な体力は使わないように!」

卯月「じゃあ、せっかくだからお話するぴょん♪楽しい気分になれば心持爽快ぴょーん」

朝潮「状況が飲み込めているのですか?私達は今、遭難しているのよ。呑気にしている暇はありません」

116 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:06:02.52 ID:CTEpQFTU0

卯月「でも、だからって他にやることがないぴょん」

朝潮「都合よく洞窟があったとはいえ、座して救助を待っているのでは忍びないわ。出来ることを探しましょう」

卯月「え〜?でも、外はまだ大時化だぴょん」

朝潮「だからこそ、模索するのよ。あらゆることを想定するの。救援が遅れたら、食料はどうするの。水は最低限確保しないと。それに、ここが深海棲艦のねぐらかもわかりません」

朝潮「生きるとはそういうことよ。鎮守府ならまだしも、ここは海のど真ん中。警戒してし過ぎるということはないわ。寝首をかかれぬよう、全てに対応するの」

卯月「えぇ〜…面倒くさ〜い!」

朝潮「わがまま言わないの!」

卯月「ぶーー…」

117 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:06:44.93 ID:CTEpQFTU0

卯月「朝潮って、いつもそんなに眉間にシワをよせてるぴょん?」

朝潮「そんなつもりはないけれど。でも、あなたみたいな問題児を見るとストレスが貯まるのは、間違いないわ」

卯月「うーちゃんは、皆の癒し系だぴょーん。だから何時も笑顔でいるんだぴょん!ぴょんぴょん!」

朝潮「自分で言いますか…」

卯月「うーちゃんとしては、朝潮はもっと気楽に考えるべきだと思うぴょん」

朝潮「皆がみんな、卯月みたいに楽観的だと破滅してしまうわ」

卯月「みんながうさみみ付けてたら可愛いぴょん!朝潮も絶対似合うぴょん!」

朝潮「いりません!」

118 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:07:11.25 ID:CTEpQFTU0

朝潮「はぁ…」

朝潮「分かったわ。じゃあ卯月は、そこの入り口を見張ってて。私は洞窟の奥を探索するから」

卯月「えぇ〜、一緒に行くぴょん!」

朝潮「火種だってあんまりないの。風で消えないように見張りが要るのよ」

卯月「うゆぅ〜…一人でいいぴょん?奥はとっても暗いぴょん」

朝潮「夜目はききます。それに、流木で松明も作ったから問題ないわ」

朝潮「それじゃ。あ、擬装の温度が上がらないようにしてちょうだい」

卯月「ぷっぷくぷ〜……」

119 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:07:44.03 ID:CTEpQFTU0

ー洞窟 奥ー


ピチョン…ピチョン…


朝潮「まったく、勝手にも程があるわ」

朝潮「どうしても、彼女とは分かり合える気がしないわね。まさに水と油の関係、と言ったところかしら。必要以上に言葉を交わすと、かえってこじれるわね」

朝潮「…でも、どうしてあの子は私に関わろうとしてくるのかしら。この前のくす玉といい」

120 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:09:13.70 ID:CTEpQFTU0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


朝潮「錆びたフォーク…鉄筋…厚手のビニール。意外とガラクタが多いわ。補食道具もなんとか作れそう」


ピチョン…ピチョン…


朝潮「水の確保もなんとかなりそうね。にしても、まるで人が住んでいたような充実具合…偶然かしら」

121 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:10:10.58 ID:CTEpQFTU0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


朝潮「…舟があるわ。ほとんど朽ちてるけど…一人乗りかしら」

朝潮「燃料も無駄に出来ないし、補修して二人乗り込むのは…無理かしら。さすがにボロいわ」


ピチョン…ピチョン…


朝潮「……それにしても、水滴の音が頭に響くわね…」

122 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:10:49.09 ID:CTEpQFTU0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


朝潮「魚の骨が散乱してる。きれいな山も出来ているわね。やっぱり誰かいたんだわ」


ピチョン…


朝潮「まさか今も住んでるなんて…ないわよね。さすがに」

123 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:11:55.53 ID:CTEpQFTU0

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 


朝潮「布…丁度大人一人が隠れるくらいのテントが張られている…」

朝潮「中に何かあるかしら…」ソー…


ペラ…


朝潮「………」

朝潮「ーーーー」

朝潮「〜〜〜〜っっ」

124 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:12:35.00 ID:CTEpQFTU0






キャーーーーーー……





125 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:13:13.67 ID:CTEpQFTU0

ー洞窟 出発地点ー


卯月「お、帰ってきたぴょーん」

朝潮「……」ズンズンズンズン

卯月「え、ちょ。無言で早歩きでどうしたぴょ…」


ガシィッ!


卯月「ふぇっ?」

朝潮「……」ブルブル…

卯月「朝潮?どうしたぴょん」

朝潮「…ほ……が…」ギュウゥ

卯月「……何か、あったぴょん?」

朝潮「ほ、ねが…人の、ほねが…ありました…」

126 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:14:36.29 ID:CTEpQFTU0

卯月「ほっ!?……じっくり見ちゃったぴょん?」

朝潮「」コクリ

卯月「あー、それは災難だったぴょん」

卯月「きっと、この洞窟はお宝が隠されているぴょん!でもお宝はとんでもない罠で守られていて、その罠に引っ掛かって死んじゃったぴょん!よくある話ぴょん!」

朝潮「…眠るように静かに横たわっていました。おそらく、病気で動けなかったのでしょう…」

卯月「新種のウィルスだぴょん!人の体を養分にして、一瞬で死ぬぴょん。洞窟内の草に寄生しているぴょん!」

朝潮「…一定期間は、元気に生活していた跡がありました」

卯月「あれ」

127 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:15:26.07 ID:CTEpQFTU0

朝潮「…ふふ…」

朝潮「何を意味の分からない嘘をついているのやら…怒る気にもなりません…」

卯月「あ、笑ったぴょーん♪」

朝潮「あなたの言葉がしょーもなさすぎただけです。失笑ですよ」

卯月「それでも、笑ったことに違いないぴょーん」

朝潮「……」

朝潮「…まあいいわ」

128 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:16:08.99 ID:CTEpQFTU0

卯月「それで、他に何かあったぴょん?」

朝潮「ガラクタはそれなりに。刃物もあったし、生き物さえ手に入れば…」


グゥ〜〜〜


朝潮「…お腹が空いたわ…」

卯月「うーちゃんもお腹へったぴょん…レーション、食べてもいーい?」

朝潮「駄目よ。長期保存が出来るんだから、本当にギリギリのタイミングで食べないと」

129 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:16:39.11 ID:CTEpQFTU0

卯月「うゆぅ〜…あ。あそこ…」

朝潮「え?なに…」クルッ

蛇「」ペロペロペロペロ

朝潮「……」

卯月「……」

朝潮「こういう時、映画ではよく蛇を食べているのを見たわ」

卯月「でも、女の子がやることじゃないぴょん」

朝潮「飢え死にするわよ」

卯月「それはイヤぴょん」

朝潮「貴重なたんぱく質だもの。逃す手はないわ」

卯月「毒とか大丈夫ぴょん?」

朝潮「あれは問題ないわ」

蛇「」ペロペロペロペロ

卯月「……」

朝潮「……」

130 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:17:26.50 ID:CTEpQFTU0

バシンバシン!

ソッチイッタピヨン!

ニゲルナァーー!!

シャアアアアアーッッ!

バシン!!

131 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:17:57.32 ID:CTEpQFTU0

〜二十分後〜


焚き火「」パチパチ…

卯月「海水で味付けとか、なかなかやるぴょん」モグモグ

朝潮「ミネラルも摂取できるから、一石二鳥よ」モグモグ

卯月「蛇って初めて食べたけど…鶏肉みたいぴょん。悪くないぴょん♪」

朝潮「初心者は、むやみやたらととっちゃ駄目よ」

卯月「わかってるぴょーん」

132 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:18:24.63 ID:CTEpQFTU0

朝潮「もぐもぐ……卯月」

卯月「?」

朝潮「その…さっきはありがとう。気が楽になったわ」

卯月「そんなのいいんだぴょーん。うーちゃんは皆を笑顔にするのがお仕事なんだから、当然ぴょん!」

朝潮「那珂さんみたいね」

卯月「うーちゃんは個別に笑顔にしていくんだぴょん。そこが違うぴょん」

朝潮「でも、だからって不必要な嘘は許さないわ」

卯月「不必要じゃないぴょん」

朝潮「嘘は、ダメです。さっきのは見逃します」

133 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:19:14.25 ID:CTEpQFTU0

卯月「はぁ〜〜…落ち着いたぴょん」

朝潮「少し休憩して、その後に探索を再開するわ」

卯月「今度はうーちゃんが行くぴょん」

朝潮「いいわよ。けれど、くれぐれもテントの布は捲らないこと。仏様がいるわ」

卯月「夢見る冒険者の成れの果てだぴょん。丁寧におまつりするぴょん」

朝潮「私は責任持たないわ」

134 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:19:48.28 ID:CTEpQFTU0




ピョーーーーーンッッ!!?




135 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:20:23.57 ID:CTEpQFTU0

〜十分後〜


朝潮「……」チラ

卯月「うーちゃんスマーイル♪…いやちょっと違うぴょん。キャピピィッ♪…もっとなんかある筈ぴょん」

朝潮「……」

朝潮(本当に動じた気配が無いわね。いつ救助が来るかも分からない、この状況で)

朝潮(ほかの皆は、大丈夫かしら。いや、きっと大丈夫よ。誰もが航行能力に長けているもの。これくらいの緊急事態、乗り越えられるわ)

朝潮「(むしろ、この子の腕を掴んでてよかったわ。卯月ったら、一人になったら絶対に勝手な行動をとるもの。私がしっかりサポートしないと)」

136 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:21:00.15 ID:CTEpQFTU0

朝潮「……」


ーーうーちゃんはぁ、人を傷つけるような嘘は絶対に言わないんだぴょ〜ん♪


朝潮「……」

朝潮(バカバカしいわ。嘘は嘘よ。いったいどんな差異があると言うの。だいたい、嘘をついてメリットなんてあるのかしら)

卯月「弥生…怒ってないです…ホントです…うっそぴょ〜ん♪弥生にはちゃんと羊羮用意してあるぴょーん!ぷっぷくぷ〜、シミュレーションは完ぺきぴょん」

朝潮「…試してみようかしら」ボソッ

137 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:21:29.15 ID:CTEpQFTU0

朝潮「あ、洞窟の奥からオオカミが」

卯月「ぴょおおおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!?ぴょっ!うにゃあああぁぁっっ!?」

卯月「ど、どこぴょん?どこにいるぴょん!食べちゃいやぴょ〜ん!!びえぇぇ〜っ!」

朝潮「嘘よ。オオカミなんていないわ」

卯月「……」

卯月「朝潮おおおおおぉぉぉっ!!驚いたぴょん!心臓に悪いぴょん!」

朝潮「嘘をついたのは謝るわ。けど、これはあなたがいつもしていることよ。少しは思い知ったんじゃない?」

卯月「だ、だからぁ!うーちゃんのはそんな嘘じゃないぴょん!」

朝潮「何を言っているの。嘘は嘘よ」

卯月「ぶ〜〜…全然分かってないぴょん…」

138 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:22:20.62 ID:CTEpQFTU0

〜十分後〜


朝潮「……」

卯月「……」

卯月「あ、外でバンドウイルカがうち上がっているぴょん!」

朝潮「…ん?」

朝潮「え、イルカ?うそ、どこ?どこにいるのよ」キョロキョロ

卯月「うっそぴょ〜ん♪せいぜい小魚がいるぴょん!あとで拾うぴょん!」

朝潮「…う、卯月!なによ、さっきの仕返しのつもりかしら?」

卯月「そんな意地悪なこと、うーちゃんはしないぴょん」

朝潮「じゃあなんなの」

卯月「さっきの朝潮の嘘とぉ、うーちゃんの嘘が違うものだって証明してやったぴょん」

朝潮「なっ…全然納得できないわ!」

139 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:23:20.48 ID:CTEpQFTU0

卯月「オオカミがいたなんて言われたら、誰でも驚くぴょん。オオカミは危ない奴だから、誰でも危機感を覚えるぴょん?」

朝潮「…そうね」

卯月「でも、イルカがいたって聞いたら、皆見てみたいって思うぴょん。水族館の人気者だぴょん。ここは陸の上だから、イルカが攻撃出来ないことは誰でも知ってるぴょん」

朝潮「……そうね」

卯月「オオカミはいたらイヤだけど、イルカはいても問題ない」

卯月「だから、うーちゃんと朝潮の嘘は、ぜーんぜん違うんだぴょ〜ん」

朝潮「……」

卯月「現に朝潮も、さっきイルカの姿を探していたぴょん。ちょっと見てみたいとも思ったはずだぴょん?」

140 : ◆E7idzvHwo6 :2018/01/07(日) 23:23:56.28 ID:CTEpQFTU0

朝潮「……」

朝潮「(そんな、まさか…)」

朝潮「(嘘はだめなのに…許されるべきではないのに…)」

朝潮「(卯月の言葉に反論できない…すっと胸に落ちる…どうして)」

朝潮「……」

朝潮「私が…間違っていたとでも…?」

朝潮「嘘は…ダメに決まってる…」

卯月「違うぴょん。朝潮は間違ってないぴょん。でも、うーちゃんだって、そんなに間違ったことはしてないぴょん」

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