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【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】
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120 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:11:19.69 ID:Q82r3i52o
ウーナ「不知火! スライム、燃えて縮んでる! 今だ!」
不知火「了解です……!」ジャキッ ドォン
砲弾→ヘルファイアー<ボワァァァ!!
全員「「うわあああ!?」」
潮「す、す、すごい火柱なんですけど!?」
フウリ「ウ、ウーナちゃん大丈夫なの!?」
ウーナ「ダイジョブ! あれ見ろ!」
スライム「MIIIYYYYAAAAAAA!!」プルプル
古鷹「スライムが殆ど吹き飛んでます!」
加古「提督の姿がばっちり見えるよ!」
如月「今だわ! 大和さん!」
大和「ええ、ユリアさんお願いします!」
ユリア「さあ、かっとばすわよ! いっちにーの、」
ユリア「さぁぁん!」
カタパルト<ズバァァン!
如月「!」バヒューン
大和「!」バヒューン
121 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:12:29.32 ID:Q82r3i52o
那智「いいぞ、まっすぐ提督に向かっている!」
敷波「……あ、だめっ!」
スライム「MIIIIGGYYYYYYYYYYY!!」
ズオァ!
吹雪「!? スライムの壁が!?」
如月「きゃあっ!?」ズボォ
大和「いやああ!」ドブッ
長門「おい、まずいぞ! 二人がスライムの壁に取り込まれた!」
オリヴィア「……こっちが罠にかけられたってことかい!?」
ルミナ「やってくれるね……くそっ!」
摩耶「ど、どうすんだよ!」
泊地棲姫「ソレダケジャナイ。切リ離シタ奴ノ手足ヲ見テミロ!」
スライム群「UZZZZOOOOOOO...!」ズルズルズルッ
グローディス「げっ! 氷が解けて手足の分が集まってきてやがる!」
コーネリア「やらせるか!!」
122 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:13:22.25 ID:Q82r3i52o
ギルティランス<ガシャッ!
スライム群「DRDRDRDR...」ドロッ
コーネリア「くっそ、液状なせいで全然ダメージが通らねえ……!」
カトリーナ「ならあたしのハンマーならどうだ!」
スイングハンマー<ブオンッ!
スライム群「BRRRRRR...」ベチャベチャッ
コーネリア「飛び散るだけで時間稼ぎにしかならねえぞ……」
カトリーナ「ど、どうすりゃいいんだよ……!」
加古「んじゃ、これならどうだ!」
Fフローラ「……」ジャコッ
チュウシャキ<ポイーン
スライム「!」ブスッ
スライム「BRRROOOONN!」ブルブル ポイッ
チュウシャキ<カランカランッ
加古「く、薬でもだめかあ」
古鷹「全身に行き渡らせないと、効果は薄いみたい……」
123 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:13:59.16 ID:Q82r3i52o
長門「くっ……それならこれでどうだ!」ドォン!
ドカァン
陸奥「飛び散るだけでダメージにならないわ……!」
敷波「も、もう一回凍らせられないの!?」
ディニエイル「そ、それが……」
コールドアロー<バシュッ
スライム「」ピキパキッ
スライム「」ヴヴヴヴヴッ
ディニエイル「耐性がついたのか知恵がついたのか、凍らせても細かく振動して、凍結しないようになってしまったんです」
敷波「……ど、どうすりゃいいの?」
スライム→魔神「GRRRRAAAAAAAAAAAAAAA!!」ズシーン
利根「大和と如月を取り込んだまま、元に戻ったと言うのか……!」
ルミナ「最悪だ……!」
武蔵「大和はどうなるんだ!!」
ナンシー「如月ちゃん……!!」
摩耶「あの二人が中にいたんじゃ、攻撃できねえぞ!?」
ニーナ「どうにかして、あのお二人を助けないと……!」
魔神「GAAAAAAAAA!」
124 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2018/08/25(土) 17:14:48.32 ID:Q82r3i52o
今回はここまで!
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/26(日) 19:21:01.20 ID:9Wk/KOxqO
おつ
126 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:30:47.43 ID:r32lG1imo
続きです。
127 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:31:33.76 ID:r32lG1imo
魔神「GAAAAAAAAA!」ブンッ
瓦礫<ゴシャアァァ
「「きゃああああ!」」
タチアナ「こちらから攻撃すれば、あの二人がどうなるかわかりません……!」
マルヤッタ「で、でも、このまま攻撃しないわけにはいかないじょ!?」
霧島「……いったい、どうしたら」
鳥海「司令官さん……!」
ゴポゴポ…
大和(なんて苦しい……! 早く、抜け出さないと……!)
大和(いえ、それよりも、提督を……!)グッ
大和(くっ、スライムとはいえ、なんて頑丈な……)
――ちくしょう……許せねえ……!
大和(!?)
――なんで、私たちが死ななきゃならないの?
――どうして海軍は、俺たちを守ってくれないんだ!
大和(この声は……まさか、メディウムに殺された人たち!?)
128 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:32:24.03 ID:r32lG1imo
――お前は、艦娘か……!?
――どうして艦娘がこいつを助けようとするんだ!
――こいつは俺たちを殺した原因だぞ!
――艦娘だったら、私たちを助けるのが役目のはずよ!
――艦娘のくせに、人間を裏切るのか!?
大和(なっ……そんなつもりはありません!)
――じゃあどうして人間じゃないこいつを助けようとする!
大和(それは……!)
――裏切り者!
――お前が大和だと!? 人間の味方じゃない奴が、大和なんて名乗るな!
――お前なんか大和じゃない! 偽物!
大和(……っっ!!)
――偽物! 偽物め!!
――俺たちを見殺しにしやがって!
――ここにいる奴らは、全員敵なんだろう!?
――私たちの恨みを思い知れ!!
129 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:33:32.08 ID:r32lG1imo
ガシャァン!
ヨーコ「うわああ!?」
ヴェロニカ「ちょっと、見境なしに暴れ始めたわよ!?」
五月雨「い、一旦避難しましょう! 早くこっちに!」
ブゥン!
霞「やばっ……!」
朝潮「霞!!」
Fジェニー「!」バッ
霞「えっ……!?」ダンッ
ゴシャァ!
ジェニー「ふ、フォージド兵の私が……」
霞「私を庇って……!?」
ジェニー「偽物だけど……よくも私を……っ!」
フォージド兵たち「「!」」ババッ
長門「!? ど、どうしたんだ!? フォージド兵たちが、魔神の前に並んで身構えてるぞ!?」
リンダ「な、なあ、これ……」
ナンシー「私たちの偽物が、私たちを庇ってる……!?」
130 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:34:28.80 ID:r32lG1imo
初春「こ、これ! しっかりせぬか!?」
武蔵「今度はなんだ!?」
ヒサメ「わ、わらわの偽物が……」
Fヒサメ「……」コックリ コックリ
筑摩「か、体が透けて見えませんか!?」
ルミナ「フォージド兵はね、不完全な模倣体なんだ」
ルミナ「彼女たちは私たちと同じように作られるが、殆どは作られて間もなく消えてしまう運命だ」
泊地棲姫「力ヲ使イスギタト……私ノセイ、カ?」
Fヒサメ「……」フルフル
泊地棲姫「違ウ……ノカ!?」
ヒサメ「泊地棲姫よ、このわらわはこう言うておる」
ヒサメ「力になれず、すまなかった、と……」
Fヒサメ「……」ニコリ
スゥ…
初春「……消えてしもうた」
泊地棲姫「……」
長門「彼女たちは自分の最期の時を理解しているというのか……?」
ニーナ「ならば、彼女たちのためにも、なおのことあの偽物の魔神を止めないと!」
131 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:36:41.11 ID:r32lG1imo
霧島「……!」
鳥海「霧島さん、どうしました?」
霧島「あれを見て。大和さんが……」
武蔵「ど、どうしたんだ!? 大和のあの顔……!」
大和(やめて! やめて!!)
――俺たちがどんな惨たらしい殺され方をしたか、知ってるのか!?
――私たちがどんな屈辱的な死に方をしたのかわからないから、あいつらとつるんでるんでしょう!?
――人間を守れない役立たずのくせに!
大和(勝手なことを!)
――お前は俺たちを守るのが役目じゃないのか!?
――俺たちを守れない奴が、どうして生きていられるんだ!?
――役立たず! 役立たず!
――死ね! お前だけじゃない! みんな、死んでしまえ!
――そうよ! 私たちだけが死ぬなんて、不公平よ!
――死んじゃえ!!
大和(……っ!)ギリッ
武蔵「……」ゾク
利根「……武蔵よ」
武蔵「……どうしたらいいんだ」ポロ…
武蔵「大和が、苦しんでいる……誰か、大和を助けてくれ」ポロポロ…
利根「……」
132 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:37:42.64 ID:r32lG1imo
ゴポゴポ…
如月(……こんな罵詈雑言を、司令官は一人で受け続けていたなんて……!)
――可哀想とでも言うつもりか!
――一人だけ安全なところに逃げやがって!
如月(……)
――お前はこいつの部下か!
――艦娘のくせに、俺たちを殺したやつらに協力したやつだ!
如月(……)
――こいつらも敵だ!
――殺せ!
――殺せ!
――全員、ぶち殺せ!!
ドズゥウウン!
ミーシャ「きゃああ!?」
白露「だめだめ! こっちはだめ! 早く逃げるよ!」ウデグイッ
島風「あなたも早く!」
アーニャ「う、うん!」
133 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:39:15.98 ID:r32lG1imo
ガシャアン
千歳「手当たり次第ね……!」
ヴィクトリカ「見てる場合じゃねーって! ずらかるぞ!」
霧島「比叡お姉様、どこへ行くんです!?」
比叡「暁ちゃんが、隣の部屋に! まだ空っぽになった魔力槽のなかにいるんです!」
由良「私も行きます!」
イサラ「あ、その、イーファの様子、見てくるッス!」
カサンドラ「わ、わたしも!」
タチアナ「休んでるキャロラインたちにも連絡を!」
ヨーコ「外で見張ってるシャルロッテたちはどうするんだ!?」
ルミナ「ここより上のフロアで待機させてくれ! 最悪、総力戦になる……シルヴィア、呼んできて!」
シルヴィア「わ、わかったわ!」
武蔵「……大和ぉ……!」グスッ
魔神「GWOOOOOOO!!」ゴォッ!
オリヴィア「武蔵!?」
コーネリア「ぼけっとしてんじゃねええ!!」
134 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:40:20.14 ID:r32lG1imo
ドガァン!
全員「「!?」」
龍驤「な、なんや今の爆発!」
リンダ「見てみい! 魔神の腹が裂けとるで!!」
川内「あれじゃない! あの砲塔!」
武蔵「……大和!」
魔神の腹から見え隠れする大和(大破)「……」プスプス…
潮「ま、魔神のおなかの中で砲撃したんですか!?」
榛名「そんなことをしたら暴発することくらい理解っているはずです!」
武蔵「……大和の顔が、鬼のようだった」
敷波「!」
武蔵「あいつは……あの魔神は、大和の逆鱗に触れたんだ」
若葉「……」
若葉「ふむ、試してみる価値はあるな」
利根「む?」
135 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:41:26.29 ID:r32lG1imo
若葉「フォージド兵のオリヴィア、すまないが一緒に来てくれるか?」
Fオリヴィア「?」
若葉「フォージド兵のクレアも手を貸してくれ」
Fクレア「?」
若葉「若葉を、あの魔神の右足めがけて吹き飛ばして欲しい」
Fクレア「……」コク
利根「お、おい若葉、おぬしいったい何をす」
スマッシュフロア<ズバーーン!
若葉「おおお!?」ビューン!
利根「る気じゃあああ!?」
若葉「これでいボブッ!」ズボッ!
初春「若葉の上半身が魔神の右足に突っ込んでおる……」
ルミナ「若葉君はいったいなにをしているんだ!?」
136 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:42:14.96 ID:r32lG1imo
若葉(……よし、ここだ。フォージドオリヴィア、頼む)
Fオリヴィア(!)
――裏切り者の艦娘め! 何をする!!
若葉(……メディウムに殺された人間の声か。しれたことだ、お前たちを供養しに来た)
Fオリヴィア(!)ニヤリ
クエイクボム<ズズゥン!
ゴチャァ!
利根「ぬおお!?」
ルミナ「魔神の右足が……!?」
川内「破裂した!?」
オリヴィア「あれは……あの脚の内側からクエイクボムを炸裂させたんだね!」
リンダ「んなムチャクチャな……!」
魔神「GGAAAAAAAAAAA!」ヨロッ
若葉「ぷはっ!」ピョンッ スタッ
Fオリヴィア「……!」サムズアップ
若葉「ああ。いい仕事をした、協力感謝する」
Fオリヴィア「……」スゥゥ…
若葉「……」ケイレイ
137 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:43:01.82 ID:r32lG1imo
如月(大和さん……! なんだかわからないけど、魔神の動きが遅くなったわ!)
如月(いまのうちに司令官を!)ザバザバッ
霧島「……如月さんが提督に向かって泳いでいます!」
朝潮「本当ですか!?」
ナンシー「如月ちゃん……お願い、無事でいて!」
グローディス「魔神様……!」
――やらせるか!
――俺たちだって、復讐するんだ!
――邪魔をしないで!
如月(!)ジュゥ…
如月(服が……溶けてく!?)
如月(ふ、服だけじゃないわ!? 体が……焼かれてる!)ジュゥ…!
古鷹「如月さんの様子が変です!」
ノイルース「もしや、あの周辺のスライム、メルトスライムでは!?」
グローディス「げっ! あの遺物か!?」
138 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:43:56.49 ID:r32lG1imo
朧「遺物……って、なんですか、そのあからさまにやばそうなのは」
ディニエイル「掻い摘んで言えば、対象の衣服などを溶かしてしまうスライムです」
ミリーエル「メディウムとして目覚めていないので、ただのスライムなのですが……」
カトリーナ「なんたって昔のやつだぞ!? 制御できるかだって怪しいんだ!」
ニーナ「魔神の力を無理矢理引き出しているようですね……!」
ナンシー「如月ちゃん……!!」
如月(くう……! か、髪が傷んじゃう!)ジュゥ…
――溶けろ!
――そのまま俺たちの一部になれ!
如月(そ、そんなのお断りよ! あなたたちと同じになんかなりたくないわ!)
――誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!
――そうよ! 責任を取りなさいよ!
如月(責任!? 笑わせないで! 無理矢理取らせたところで、どうせ元に戻せだの、無理難題を押し付けるんでしょう!?)
如月(それなら、司令官がこんなことになった責任は誰がとってくれるのよ!)
――それは俺たちのせいじゃない!
――そんなのは海軍の勝手だ!
――お前らのせいだ!!
139 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:44:58.13 ID:r32lG1imo
如月(他人のせいにするしかないの!? ふざけないで!)
如月(人の不幸を望む存在でしかないのなら、あなたたちのほうがよっぽど悪魔じゃない!)
――違う! 俺は人間だ!
――そうよ! 私は人よ!! 艦娘もやめたあなたに言われたくない!
如月(なにが人よ! あんたたちの姿を見なさいよ! 魔神にすらなり損ねた、醜い異形じゃない!)
如月(それで人を名乗ろうだなんて、笑わせないで! この、ひとでなし!)
――……っ!!
魔神「UUUUWWWWGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
――俺は人間だ! 正しい人間だ!!
――俺は間違ってない! 正しいんだ!
――ひとでなしなんかじゃない!
如月(流れが止まった……今だわ!?)
如月「司令官!!」ザババッ
提督「……」
140 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:46:13.08 ID:r32lG1imo
霧島「如月さんが……今、提督を捕まえました!」
金剛「で、でも、彼女たちはまだ魔神の inside デス!」
キュプレ「私たちじゃ引っ張り出せないわ!」
ニコ「別にいいよ」
比叡「ニコちゃん!? どういう意味!?」
ニコ「魔神様が、如月の呼びかけに応えてくれれば、それでいいんだ」
如月「司令官! 司令官っ!」ギュッ
提督「……」
如月「司令官っ!!」ギュウゥッ
提督「……この手のぬくもり……誰だ」
如月「司令官……! 私よ!」
提督「如月、か?」
如月「そうよ!」ブワッ
如月「ずっと……ずっと、会いたかった! お話がしたかったの!!」
如月「見て! みんないるわ! メディウムのみんなも! 艦隊のみんなも! 大和さんも!!」
提督「大和……ぼろぼろじゃねえか。大丈夫か……」スッ
大和「! あ、あああ……提督……提督!!」ボロボロボロ…
141 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/09/01(土) 21:47:33.16 ID:r32lG1imo
魔神「GOOOOWAAAAAAAAAAAAAAA!!!」ゴボゴボゴボッ
ウーナ「な、なんだなんだ!? また、魔神、暴れ始めた!」
武蔵「3人はどうなるんだ!?」
ニコ「もう、大丈夫だよ」ニコッ
魔神の足元に展開される魔方陣<パァ…
ニコ「人間どもが夢を見る時間は、もう終わり」バッ
魔方陣<カッ!
魔方陣からの光に包まれる魔神「!!!」
ゴォォォォ!!
魔方陣<ピカーーーッ!
「「きゃあああ!?」」
「ま、眩し……!」
ドドドドドド…
長門「くぅ……なんだ、この音」
ザバーーーーーー!!
龍驤「な、な、なんやああああ!?」ザバー
リンダ「ビッグウェーブやあああ!?」ザバー
ダパーーーーーン!
142 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2018/09/01(土) 21:48:14.47 ID:r32lG1imo
今回はここまで。
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/09/02(日) 12:13:18.00 ID:CDBtPIPeO
乙だ
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/25(木) 23:45:47.96 ID:ZDsHqziA0
復旧してホント良かった…もう続きも過去分も読めないままかと思ってたよ……
145 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 17:55:22.63 ID:dU/gqv+wo
お待たせしました、こちらもだいぶまとまったので続きです。
146 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 17:56:05.53 ID:dU/gqv+wo
* *
ニーナ「……」ビッショリ
ナンシー「やーん、もう髪がびしょびしょー」
長門「とんでもない鉄砲水だったな……」
シエラ「ひ、ひどい目にあったデスゥ……」ゼーゼー
黒潮「ほんまやぁ……うう、服が引っ付いて気持ち悪ぅ」
ル級「アレハ、アノ魔神ヲ構成シテイタ水カ?」
雲龍「……そうみたい。でも、あの邪悪な気配も感じなくなったわ」
不知火「ニコさんだけ長門さんの背中に避難していて無事ですか」
長門「いつの間に……」
ニコ「この本を濡らすわけにはいかないからね。一度乗せてもらったし、要領は掴んでたから」
ノイルース「私の火も危うく消えそうだったのですが」
ウーナ「ウーナも、ずぶ濡れだぁ……」
ディニエイル「私の氷も解ける寸前です……」
吹雪「メアリーアンさんの服が水を吸って動けなくなってます!」
メアリーアン「た、たすけてけろ〜〜!」ズッシリ
ミリーエル「雪玉も水を吸うと重くなりますからね……」
147 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 17:56:46.18 ID:dU/gqv+wo
グローディス「なあ、あたしの隣にいた神通が電撃で痺れて気を失ってんだけど」
敷波「何やってんの!? 神通さんしっかり!」ユッサユッサ
神通「……う、うーん」クラクラ
イブキ「シェリルやカサンドラは大丈夫だったのか?」
シェリル「私はグローディスみたいにしょっちゅう放電してないし」
オリヴィア「カサンドラならイサラと一緒に向こうの部屋に引き籠……避難してたよ」
初雪「なにそれ……羨ましい」
金剛「それよりテートクはどうなったんですか!?」
ナンシー「そうよ、如月ちゃんは!?」
武蔵「大和もだ!」
「全員生きてるよ。一応な」
金剛「その声は」
吹雪「司令官……!」
艦娘たち「「提督!!」」「「司令官!」」キャー!
メディウムたち「「魔神様ー!!」」キャー!
148 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 17:58:33.82 ID:dU/gqv+wo
提督「おう、お前らも大丈夫か」
(両脇に大和と如月を抱えて現れる提督、ただし全裸)
全員「「「……」」」
提督「……」
全員「「「キャアアアァァァーーーーー!」」」
提督(うるせえ)
雲龍「大変。陸奥さんが顔から火を噴いて倒れたわ」
龍驤「おい陸奥!? しっかりせえ!」ペチペチ
潮「ふ、フウリちゃんも倒れちゃってます!!」カオマッカ
ジェニー「潮はなんとか大丈夫なんだ……ほらー、シエラも目をさましなよー」ペチペチ
扶桑「山城? 大丈夫? 提督よ?」
エレノア「この子、立ったまま気絶してない?」
那珂「那珂チャン、提督ニ汚サレチャッタ……」タハー
川内「その割には嬉しそうな顔してない? ねえ神通?」
神通「」プルプル
川内(耳まで真っ赤にして涙目になって固まってる……)
那珂(神通チャン、乙女ダァ……)
149 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 17:59:46.27 ID:dU/gqv+wo
クロエ「ほかにも何人か恥ずかしさで倒れてる方がいますねえ。みなさん大丈夫ですか?」
榛名「はい、榛名は大丈夫です!」ハナヂドバーー
オボロ「それがしも……問題なく……」ハナヂダラダラ
朧「二人とも駄目じゃないですか」カオマッカ
吹雪「でもまあしょうがないよ!」ハナヂポタポタ
鳥海「……そう、ですね」ハナヂポタポタ
大淀(むっつり系の人が鼻血出してますね)ハナヂポタポタ
明石「大淀、はい、ティッシュ。鼻血出てるよ」
大淀「え!? わたしがむっつりだとでも言いたいんですか!?」
明石(自覚なかったんだ……)
泊地棲姫「意外ダナ……ココマデ慕ワレテイルノナラ、裸クライ見慣レテイルモノダト思ッタガ」
朝潮「司令官! 朝潮は興味があるので、もう少しよく見せてほしいです!」キョシュ
若葉「若葉にも見せてくれ」
霞「……」ズツウ
初春「……」ズツウ
摩耶(駆逐艦の連中はいいなあ、自分に正直で……)モジモジ
黒潮「ええなあ、うちもこの流れにどさくさに紛れて乗っかりたいわ……」ウズウズ
不知火「黒潮。口に出ていますよ」
黒潮「!?」カオマッカ
150 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:01:10.55 ID:dU/gqv+wo
ルイゼット「魔神様の裸体に欲情するなんて、みなさん精神修行が足りませんね」
電「みんながルイゼットさんのように悟りを開いてるわけじゃないのです!」カオマッカ
初雪「なんでもいいから、司令官は早く前を隠して欲しい」ポ
伊8「提督、はっちゃんの水着、着る?」ヌギッ
マルヤッタ「やめとくじょ!」ガシッ
オリヴィア「しょうがないねえ、それじゃあアタイがひと肌脱ごうじゃないか」ヌギッ
武蔵「おいやめろ」ガシッ
オリヴィア「冗談だよ」
伊8「二人とも裸リボンみたいな恰好してるのに常識的なのね」ボソッ
武蔵&マルヤッタ「「!?」」
提督「……相変わらず騒がしいな」
如月「う、うーん……」
大和「……ううっ」
提督「ん、如月も大和も気が付いたか?」
如月「し、しれいか」ピタッ
大和「ていと」ピタッ
提督「?」
如月「……」カァァァ…
大和「……」ボシューーー
如月「き、如月はいつでも大丈夫ですわ!?」
大和「や、大和も大丈夫です!?」
提督「何言ってんだお前ら」
151 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:02:45.06 ID:dU/gqv+wo
金剛「時間と場所は弁えるべきデース!!」カオマッカ
提督「お前も何言ってんだ」
Fノイルース「……」スタスタ バサッ
提督「ん? ノイルース……少し雰囲気違うな。このマントを俺にくれるのか?」
Fノイルース「……」ニコ
提督「体を隠せってか。ありがとな、あとで洗って返す」
Fノイルース「……」フルフル
Fノイルース「……」スゥ…
提督「!」
ノイルース「やれやれ。これは偽物においしいところを持っていかれましたか」
提督「おい、今のは……」
ルミナ「フォージド兵。偽メディウムと言えばいいかな?」
グローディス「私たちの世界で、魔神様に対抗するために作り出された人造メディウムさ」
提督「……どうして消えてしまったんだ?」
ミリーエル「私たちメディウムを作り出すためには、専用の炉と、素材を使います」
リンダ「その炉を使わんと、メディウムが不完全な形で生まれるって話らしいんよ」
提督「だから Forged(偽造)兵ってか」
ルミナ「そのおかげで短命でね。時間が経って魔力が尽きると雲散してしまうんだよ」
152 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:03:41.35 ID:dU/gqv+wo
ヨーコ「それはそうとさ、今まで出会ったフォージド兵って、みんな私たちに敵対してたよね?」
アーニャ「うん! 昔、ミーシャの偽物と戦った時も、全然話を聞いてくれなかった!」
カトリーナ「そうそう。やけにあたしたちに協力的っつうのが……なんでだ?」
タチアナ「今もこうして魔神様の前に傅いているというのが信じられません」
ル級「長門。アナタ、ナニカ知ッテルンジャナイノ?」
長門「……確信はないが」
シェリル「心当たりがあるのか」
長門「このフォージド兵たちは、妖精たちに頼んで建造ドックで作ってもらったんだ」
長門「かつて大和たちを建造した時に、妖精たちの意識……提督への好意が大和に反映されていただろう?」
長門「その時と同じように、ドックで作られた彼女たちには、提督を救いたいという意思が込められていたのかもしれないな」
ニーナ「人間が魔神様を討伐するために作った偽物とは、存在意義そのものが違うということですか」
提督「好きに生きればいいのによ。俺のために尽くすなんてな……ったく」
長門「提督……」
提督「安心しろ、ここまでしてもらって、俺なんか死ねばいいなんて言い出したりはしねえよ」
金剛「Oh, 良い意味で生まれ変わったみたいデスネー」
如月「良かった……!」ウルッ
大和「ええ、本当に……!」
153 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:05:06.23 ID:dU/gqv+wo
武蔵「とりあえずそのマントは腰に巻いておいてくれ。目の毒だ」ポ
提督「おう」マキマキ
明石「……お風呂上りみたい」ボソッ
大淀「!」ハナヂドパァ
明石「えっ!? なんでそこで鼻血!?」ビクッ
如月(ああ……)カオマッカ
大和(シチュエーションだけ考えればそうですよね……)マッカッカ
ルミナ「えーと、それでニコ君? あの偽魔神がただの水になったようだけど、いったい何をしたんだい?」
ニコ「あの水に宿っていた人間どもの魂を、魔力に変換したんだ」
ソニア「えええ!? ちょっとぉ、最初からそれやってよぉ!」
ニコ「簡単に言わないでよ。ぼくだけでやろうとしたら、床にちゃんと魔方陣を書いたり、いろいろ準備しなきゃいけないんだ」
ニコ「魔神様の力を借りないと、あんな芸当簡単にはできないんだから」
ナンシー「ってことは、さっきまではマスターの力を借りられなかったの?」
ニコ「あの人間どもの魂のせいで、魔神様が意識と魔力を外へ出さないようにさせられてたんだよ」
提督「つうと、あれか。俺が精神的に引き籠ったせいで、お前らに迷惑かけてたのか」
ニーナ「いえ、それだけではありません。魔力を変換できるニコさんが、捕獲牢に閉じ込められたのも事態が悪化した一因ですね」
154 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:06:11.90 ID:dU/gqv+wo
ルミナ「そういう魔神君は、体は大丈夫なのかい?」
提督「だるさが残るが、それほどじゃねえな。あとは少し頭が痛いくらいか」
如月「確かに、あれはひどかったわ。あの中に取り込まれたとき、人の怨嗟の声があちこちから聞こえてくるんだもの」
提督「人の意識に入り込んできて、やれ償えだの、やれ生き返らせろだの、ぎゃあぎゃあがなりたてやがって」
提督「ああ言えばこう言うで主張が一貫してねえ。数百人と口喧嘩してるみたいで、かなり分が悪かったぜ」
ニコ「とにかく、助け出せたのは如月と大和のおかげだよ」
ニコ「二人が取り込まれて魔神様に触れたことで、魔神様の意識と力が初めて外を向いたんだ」
ニコ「そのタイミングで魔神様の肉体を媒介にして、魔力変換を試みたんだ」
イブキ「まー、それもこれも、あいつが引き起こしたんだけど……」チラッ
軽巡棲姫「Zzz……」
吹雪「のんきに寝てるんだ……油性マジックで顔に落書きでもしてあげよっか」
龍驤「いや、そんな程度で許す気なんかい」タラリ
五月雨「吹雪ちゃん、変わってないみたいで安心しますね!」ニコー
リンダ「せやなあ、吹雪はちょっとお子ちゃまやしなあ!」ニマー
吹雪「お子様じゃないですーー!」プンスカ!
155 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:06:54.04 ID:dU/gqv+wo
とりあえずここまで。
ぼちぼちエンディングに向けて投下していきます。
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/27(土) 18:51:03.75 ID:P/dsKppao
乙乙。とりあえずよかったよかった…後始末大変そう(棒
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/10/28(日) 22:31:56.28 ID:5/V8ogSh0
http://stardustorbt.web.fc2.com
158 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:24:45.20 ID:RfN4sFNMo
お待たせしました、続きです。
159 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:26:34.17 ID:RfN4sFNMo
ドタドタドタ
シルヴィア「ちょっと、今の魔力の放出は何!?」
ロゼッタ「あー! 魔神様が起きてる!!」
エミル「ほら、さっきのはやっぱり魔神様復活の波動だったんだよ!」
ミュゼ「外でお掃除してる場合じゃなかったんですね……」
ブリジット「内装が滅茶苦茶でありますよ!?」
シャルロッテ「それに、なんか水浸しになってなーい?」
マーガレット「おかげで滑って転んで大変だったんですよー!」プンスカ
カオリ「あなたはいつも何もないところでコケてるじゃない……」
カトリーナ「お、見張組が戻ってきたか」
ロゼッタ「っていうかヨーコ! 勝手に持ち場を離れないでよー!」
ヨーコ「そうはいかないよ、こっちで悪の波動を感じたんだ!」
カオリ「単に退屈だからこっちに来たんじゃないの?」
ヨーコ「違うってば!」
ニコ「……ヨーコの独断というか、暇を持て余したからぼくたちが助かったっていうのは複雑だね」
160 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:27:25.44 ID:RfN4sFNMo
ティリエ「中間のフロアを守ってた私たちにも、労いを寄越せー!」
ジュリア「……わたくしたち、退屈でしたわ」ハァ
フローラ「ゲンスイさんという方のところに、誰も来なかったのは意外でした〜」
千歳「フローラが元帥のところにいたの?」
フローラ「ええ、一応看護師のようなものですから〜」
ティリエ「新しいお薬の実験台が来なくて一番退屈してたぞ!」
フローラ「そんなことはありませんよ!?」
黒潮「ジュリアがツッコミ入れへんあたり、ホンマぽいなあ」
フローラ「そんな!?」
扉<ガチャバーン!!
キャロライン「ダーーーリーーーーーーーン!!」ダッシュ!
ケイティー「旦那様ああああああ!!」ダッシュ!
シルヴィア「なに!? 今度はなによ!」
コーネリア「こっちは休憩組かい」
161 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:28:27.67 ID:RfN4sFNMo
メリンダ「すみません、こっそりと様子をうかがっていました」
ツバキ「うちのカビンも入らへんやろしなあ、て、控えておりんした」
マリッサ「私は違う意味で拘束されてたわぁ〜」
パメラ「あなたはわざわざ若葉ちゃんを呼んで、縛ってもらってたんじゃないの」
初春「……」アタマカカエ
リンメイ「またくもて意味不明ね。なんで縛られたいか?」
スズカ「そんなん、理解できんほうがええに決まっとるけぇの」
キャロライン「ダーーーリーーーン! 生き返ったノ!? もとに戻ったノーー!?」ダキツキー!
ケイティー「旦那様あああ!! 私は信じておりましたああああ!!」ダキツキー!
提督「うお!?」ヨロッ
大和「ふ、二人とも、提督は目覚めたばかりですし、あまり体に負担を……」
キャロライン「ウワーーン! 良かったヨーーー!」スリスリ
如月「感激しすぎて聞こえてないみたいね」
ケイティー「うふふふふ……旦那様、ここに式場を建てましょう? なんならこの場で私と甘い夜を」サワサワ
ゴッ
ケイティー「」ガクッ
金剛「調子に乗ってる子には当て身デース」
ニコ「……助かるよ、金剛」ハァ
162 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:29:42.17 ID:RfN4sFNMo
ニーナ「ほら、キャロラインもそろそろ離れて」
キャロライン「ウン、でも、本当に良かったヨー……!」グスングスン
イサラ「騒ぎは終わったッスか……」
イーファ「ご主人様、大丈夫?」
朝潮「イーファさん! 無事だったんですね!」パァ
イーファ「うん!」
カトリーナ「ケイティーも同じように潰されてたんだけど……」
チェルシー「そこは日頃の行いってやつでしょ」
長門「なにはともあれだ。全員、無事だな?」
ニコ「……そうだね。みんなのおかげで、魔神様復活の本懐を遂げることができた」
ニコ「ありがとう……!」
全員「……」ウンウン
長門「提督。あなたも一言何か言ってくれ」
提督「何かって……別にいいだろ。面倒くせえな」アタマガリガリ
「「「……」」」
不知火「あなたという人は……」
163 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:31:11.56 ID:RfN4sFNMo
如月「くすっ……」
吹雪「あはは……『面倒くさい』だって!」
朧「全然変わってないですね」
初春「まったく、相変わらずすぎてあきれるのう」
電「なのです!」
不知火(照れると頭を乱暴にかく癖もそのままですか……)フフッ
ハハハハ…
提督「まあ、和やかなのは結構だが、お前らこれからどうするんだ?」
千歳「それは私たちこそ訊きたいわ。提督こそこれからの身のふりを考えないと」
提督「それだったら、俺は海軍に戻る気はさらさらねえぞ」
日向「海軍を離れる気か」
提督「どうせもう除籍されてんだろ。今の俺はメディウムたちを取りまとめる、魔神さ」
提督「だから、俺はこいつらと一緒に向こうの世界に帰ることにした」
伊勢「向こうの世界?」
キャロライン「ということは……!」パァッ
ニコ「ぼくたちと一緒に、神殿に帰るんだね?」
エミル「やったぁ!」
シエラ「これでやっと落ち着けるデス……」
164 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:32:28.83 ID:RfN4sFNMo
チェルシー「あー、でも、また海のない生活に戻っちゃうのかー」
シルヴィア「そうねえ……」
提督「まあ、そういうわけでだ、俺はこっちの世界からはおさらばさせてもらう」
榛名「そんな……!」
霧島「いえ、それは無理もないことです、榛名お姉様。今、司令が海軍にお戻りになられたとしても、おそらく歓迎されないでしょう」
長門「そうだな。海軍陸軍がこの施設奪還に投入した人員、この施設の近隣の住人、その被害だけでも数千人に及んでいる」
長門「提督が戻ったとしても、この騒動の原因を追究されて、責任を押し付けられる可能性のほうが高い」
提督「第一、戻りたいと思える場所がねえ。どこへどう転んでも面倒にしかなんねーよ」
提督「だから、俺を悪役にしておけ。人外の魔神が、深海棲艦を呼び寄せて暴れた、ってな」
提督「魔神はお前らが倒したことにして、悪者の俺たちはこのままドロン、のほうがいい」
武蔵「……むう……不本意だが、そうするしかないのか」
提督「あとは泊地棲姫たちがどうしたいか、だが……」
泊地棲姫「……ニコ。オ前タチノ故郷カラ、海ハ遠イノネ?」
ニコ「うん。そうだね」
泊地棲姫「ソレナラ、私ハ元ノ場所ニ帰ルワ。私タチト海ハ切ッテモ切レナイ関係ダ」
鳥海「あの……私も泊地棲姫さんと一緒に行っても良いでしょうか?」
摩耶「鳥海!?」
加古「なんでだよ!?」
165 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:33:39.98 ID:RfN4sFNMo
鳥海「なんでって、見ての通りよ。私の体は、もう7割くらい深海棲艦化してきてる」
鳥海「私が那珂ちゃんみたいになるのも、時間の問題だと思うわ。自分の体のことだから、わかるの」
摩耶「鳥海……」
鳥海「司令官さんが無事だったこともわかったし……いい機会だから、少しみんなから離れて、これからを考える時間が欲しいの」
鳥海「私が今の『鳥海』でいられる時間がどれくらいあるか、わからないから」
摩耶「そっか……あ、軽巡棲姫とル級はどうすんだ?」
泊地棲姫「彼女ハ私ガ預カロウ。提督、貴様ノ忘レ形見ダ。私ノ手ノ下ニ置クコトヲ許シテホシイ」
提督「何言ってんだ。俺たちが勝手に押し付けた軽巡棲姫を見ててくれたんだ、許す許さねえなんて話になるわけねえ」
提督「艦娘の敵だってのに、面倒かけさせた。ありがとうな」
泊地棲姫「……フフ。ナラバ、コレクライハ許シテモラエルノダロウナ?」ズイ
提督「!」チュ
全員「「!!」」
泊地棲姫「フフ……私ハコレデ引キ下ガロウカ」
オリヴィア「大人の女の余裕ってやつかねえ」
カオリ「ケイティーが気絶してて良かったわ……」
キュプレ「ああいう人こそ、くっつけてあげたくなっちゃうわ!」
166 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:35:09.39 ID:RfN4sFNMo
加古「えーっと、ごめん、ちょっといいかなあ……泊地棲姫! あたしも途中までついて行っていいかな!?」
古鷹「え、ええ!? 加古、どうしたの!?」
加古「あたしもさ、ちょっとだけ海軍から離れたくなっちゃってさぁ……」
加古「どうにも居づらいんだよねぇ、あたしも鳥海も轟沈経験艦だから。だから、泊地棲姫を送るついでに暇をもらおうかなって」
泊地棲姫「……オ前ハ、一緒ニ来ナイノカ?」
加古「居候がいきなり増えちゃあ迷惑だよ。あたしはまだ艦娘だし、気兼ねしたくないよね、お互いに」
鳥海「で、でも!」
加古「いいからいいから! これからのことは、どっかの島にでも停泊して寝ながら考えるって!」
古鷹「加古……」
那智「ところで泊地棲姫。貴様はここから地上に出るのか?」
泊地棲姫「イヤ、コノ施設ノ隠シ水路ヲ使ッテ外海ニ出ル」
那智「そうか……提督」
提督「なんだ?」
那智「私は外で待機している本営の艦隊に、戦闘が終了したことを報告しに行く」
那智「そこで、泊地棲姫とその艦隊にこれ以上の継戦の意思がないことを伝え、彼女たちが外洋に抜けるまで突入を待つように進言する」
167 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:36:12.92 ID:RfN4sFNMo
泊地棲姫「私ニ恩ヲ売ル気カ」
那智「恩ならすでに我々が受け取っている。提督を助けるために、共闘したのは紛れもない事実だ」
那智「今度は我々がそれに応える番だろう?」
泊地棲姫「……フン」
千歳「というか、地上に戻れるのかしら?」
足柄「この上のフロアの床も突き抜けてるんだけど……」
エミル「それなら大丈夫だよ? 階段はちゃんと残ってるから!」
ミュゼ「でないと、私たちもここに戻れませんでしたからねー」
日向「那智、私たちも外へ出るために、泊地棲姫の言う隠し水路を通ってはいけないのか?」
那智「我々が帯同しては、泊地棲姫たちの居場所を明確に教えてしまう。狙われないように、我々と別ルートを通ったほうがいいでしょう」
伊勢「そっか……じゃあ、鳥海と加古とはここでお別れね」
那智「……提督。貴様とも、だな」
提督「ああ。俺たちは地上に出る気はねえ。そのまま向こうの世界に行く」
千歳「……提督。今まで本当にお世話になりました」ペコリ
足柄「いきなり押し付けられて、迷惑だったと思うけど……」
提督「そんなことねえよ。むしろそんなやつしかいねえからな、うちは」
足柄「……ふふ、そうね」
168 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:37:06.30 ID:RfN4sFNMo
那智「心残りは貴様と一献、呑めなかったことくらいか」
提督「馬ぁ鹿、俺は下戸だ。そもそもお前、禁酒してたんじゃねえのかよ」
那智「ああ。あの島が燃えたあの日から、また禁酒を始めたが……そうだな、今夜ばかりは呑ませてもらう」
那智「貴様の顔を見ることができた祝いと、これからの貴様の無事を祈って、な」
提督「……そうかい」
那智「ではな、提督! 貴様の武運を祈る」ケイレイ
千歳「私たちも行きますね。もし、また会えたときは、一杯おつきあいしていただきますよ?」
足柄「そのときまで、どっかの誰かに負けたりしちゃダメよ?」
提督「ああ」フフッ
泊地棲姫「……私タチモ行クゾ。サラバダ、提督」スッ
鳥海「摩耶、司令官さん……みなさん、お元気で」ペコリ
加古「提督なら大丈夫っしょ。古鷹も! じゃーねー!」
伊勢「……日向。私たちも那智たちと一緒に行こっか」
日向「そうだな……提督」
提督「ん?」
169 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:37:48.50 ID:RfN4sFNMo
日向「深海棲艦はどこから来たのか? 艦娘とは何者なのか」
日向「メディウムとは? そして、君自身の存在する理由はなんなのか……君となら有意義な話ができただろうな」
日向「じっくりと、話してみたかった。それだけが心残りだ」クルリ
伊勢「……また逢えたら、話してあげてよ。それじゃ!」タッ
金剛「みなサン、行動力が早すぎデス。せっかくなら記念撮影の一枚くらい、あって良いと思いマース」
朝雲「記念撮影……あ、あれ!? ねえ、青葉さん見てない!?」
山雲「……あら〜〜?」
五十鈴「そういえば、いつの間にか姿を見てないわ! どこへ行ったの!?」
瓦礫<ガラン ガシャンガシャン
イサラ「ヒィッ!?」
扉<ガコン! ガコガコッ!
三隈「瓦礫の裏に扉が……」
マルヤッタ「反対側から誰かが叩いてるじょ」
最上「歪んで開かないのかな?」
170 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:38:39.17 ID:RfN4sFNMo
扉<ガシャバン!
青葉「ども! ご心配おかけしました、青葉ですぅ!」ニカッ
ベリアナ「もう、ひどい目にあったわ〜」
霧島「何をしてたんですか、この非常時に!」
ニーナ「ベリアナもどこに消えていたんですか!?」
青葉「実はちょっとこういったものを撮影してまして」
霧島「!」
朝雲「なに? 何を撮ったの?」
霧島「見てはいけません」
青葉「ええ、見ないほうが賢明ですよ〜」
伊8「……もしかして」
青葉「はい! 伊8さんもよーく御存知の、この施設の裏側を撮影してきました!」
青葉「メディウムのみなさんがこの施設を支配してることはわかってましたから、こっちから攻撃さえしなければ協力を得られると思いまして!」
ベリアナ「あたしもそっちのほうが面白そうだったし」
ミルファ「もしかして、ベリアナはずっと青葉さんと一緒だったの?」
青葉「はい! 施設の道案内をお願いしてました! いいものをたくさん撮ってきてますよ〜!」
171 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:39:32.27 ID:RfN4sFNMo
霧島「もしかして、それを使ってお上を脅迫する気ですか?」
青葉「いえいえ、脅迫だなんてとんでもない! 青葉たちの身の安全の保証書として利用させてもらうだけです!」ニマー
提督「本営がお前らに責任転嫁しようとしたときにさす釘、ってところだな」
青葉「はい! いやあ、すごいですよ!? 一世一代の大スクープですよね、これは!」ニマー
霧島「……」アタマオサエ
提督「おう、じゃあその画像、お前ごと消されないように、くれぐれも気を付けて帰れよ」
青葉「いやあ、司令官が言うとシャレになりませんねえ……」
提督「あいつら、くそつまんねーことで命狙ってくるからな。お前も経験者だろ?」
青葉「ええ、重々承知の上ですね。そういうことですので、こういう重要な情報は、ぱぱっと遠地に通信しちゃいましょう!」
通信機『ピピー……』
青葉「そうそう、この通信機ですけどね?」
通信機『ザー……あー、あー、テストテストー。どう? 聞こえるー?』
ヴィクトリカ「その声は……」
提督「隼鷹か?」
通信機『おぉ〜、ご名答! さっすがだねえ提督! まさかほんとに生きてたなんて! 今夜は祝杯だよぉ!』
青葉「隼鷹さんは今ショートランド泊地にいるんです!」
172 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:40:25.05 ID:RfN4sFNMo
通信機『残念ながら、今のあたしはここから動けなくてさあ。それで青葉に頼まれて、データの仲介役を受けたんだよ〜』
青葉「場所が場所ですので、本営が動く前にいろいろできますからね」
通信機『それより青葉、カメラを提督に向けてくれよ〜。みんな無事〜!?』
通信機『おぉ〜、もしかして吹雪!? あんた育ってんじゃん! 電も朧も……うわー、みんないるねえ!』
エレノア「あら、映像見られるの?」
通信機『おぉ! 元気だったかいエレノア! ヴィクトリカやユリアもいるんだろ!?』
ヴィクトリカ「おう! なんだ隼鷹、あんたこっちに来なかったのか!」
ユリア「一緒に飲みたかったけど、また今度の機会になるわね」
提督「ま、今度があるかどうかわかんねえけどな」
通信機『ありゃま。なんだい、もうお別れかい?』
青葉「残念ですけど、司令官がこちらの世界で提督業を続けていくのは難しいかと」
通信機『そっかあ。ま、ちゃんと顔を見てお別れできるだけ、踏ん切りがつくかねえ』
通信機『おっと、あんまり長話してるとまずいんだっけ?』
青葉「あー、まあ、そうですね。とりあえず画像データの転送も終わりましたし、この辺で青葉もおいとましようかと!」
通信機『青葉、あんたはちゃんとあとでショートランドに来るんだよ? 酒の肴に土産話を期待してるんだからね!』
青葉「了解、了解ですよー! では、青葉もこれで失礼します! 司令官!」
提督「ん」
青葉「今までお疲れ様でした!」ビシッ
通信機『じゃあね、元気でやりなよ!』
提督「……ああ、ありがとな」
青葉「では!」タタッ
173 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/11/11(日) 11:42:01.06 ID:RfN4sFNMo
今回はここまで。
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/13(日) 20:31:09.91 ID:A06JrV2uo
保守
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/16(土) 05:02:12.11 ID:/9mBACFr0
ほしゅ
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 04:59:15.65 ID:QU/JCdqc0
保守
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/31(日) 21:30:40.49 ID:tMpbaq4j0
ほっしゅん
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/04/24(水) 08:02:30.16 ID:CenTU2Ij0
保守
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/24(金) 20:51:57.39 ID:scGUtqUA0
ほしゅしゅしゅしゅ〜
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/15(土) 01:05:17.65 ID:hFRR0Ten0
保守
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/05(金) 04:45:18.67 ID:HtVzexxi0
ほしゅ
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/08/11(日) 08:09:35.35 ID:kQhfN97A0
ほしゅう
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/11(水) 16:05:42.77 ID:fZtskeOA0
ほしゅうぅ
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/14(木) 17:27:21.40 ID:K6dbwsaA0
ほしゅる
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/09(月) 14:07:23.00 ID:o3KHoe7N0
ほしゅ
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/13(月) 17:31:24.10 ID:R9QTkGuQ0
保守
187 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:33:10.09 ID:B4/8xNuCo
まずは一年以上の放置、お詫び申し上げます。
いつの間にやらWikiも消えてしまい、
キャラクターを覚えている方も少ないかもしれませんが、
一応は完結目指して書き進めます。
というわけで、続きです。
188 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:35:46.57 ID:B4/8xNuCo
朝雲「……そっか、そういう考え方もあるわね」
山雲「朝雲姉〜?」
朝雲「ううん、青葉さんが言ってた通り、司令官が退任したって考えれば、別れ方もすっきりするわよね」
五十鈴「……そうね。そういうのもありね」
利根「まあ、今の提督の立場からすると、戦いの中に身を置くさだめに変わりはないのかもしれんが」
明石「そうなっちゃいますねえ」
若葉「私たちと変わらないと言うことか」
白露「そういうことなら、花束でも用意してくればよかったね?」
島風「白露が女の子らしいこと言ってる!?」
白露「それどういう意味!?」
陸奥「ほら、こんなところでまで騒がないの」
龍驤「そん通りや。提督の新しい旅立ちやで、もう少しおめでたいムードちゅうもんがあるやんか!」グスッ
敷波「ちょっ、龍驤さん泣いてるの!? やめてよ!」グス
龍驤「言うて敷波も泣いとるし!」グスグス
敷波「しょ、しょうがないじゃない! 今までたくさんお世話になったし!」
189 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:38:01.46 ID:B4/8xNuCo
摩耶「ほんとだよ、世話になりっぱなしだったぜ」グスン
提督「そんなことはねえよ。俺はおまえらが頑張ってたのを見てただけだからな」
五月雨「……それが嬉しかったんですよ。ずっと、見守ってくださったんですから」
提督「……そうか」
扶桑「……あの、提督?」
提督「ん、なんだ扶桑」
扶桑「こんな中で大変不躾なお願いですが、この扶桑……提督について行ってもよろしいでしょうか?」
山城「扶桑お姉様!?」
扶桑「我儘であることは重々承知しております。ですが私は、最期の時まで、あなたのお役にたちたいと思っています」
ル級「覚悟ハ出来テルノ? 向コウノ世界ハ、オ前タチニハツライ世界ヨ?」
扶桑「ええ。製油、製鉄技術も乏しく、火薬の生成もままならない世界だと、由良から聞いてるわ」
扶桑「それでも、もう私はこちらの世界で生きていけると思えないの。つらいことが、たくさんありすぎて」
山城「扶桑お姉様……」
190 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:38:46.41 ID:B4/8xNuCo
扶桑「きっと、あなたもそうなんでしょう? ……大和?」
大和「……はい」
武蔵「大和、本気か……!?」
大和「ごめんなさい、武蔵。私は……もう、人間のために戦っていく自信がないわ」
大和「メディウムに殺されたとはいえ、あの人たちの怨嗟の大合唱は、私には耐えられなかった……」ポロッ
武蔵「……」
提督「……なあニコ、向こうの拠点は山の中なのか?」
ニコ「うん。そうだね」
提督「そこから一番近い海はどのへんだ?」
ニコ「! そうだね……」
摩耶「お、おい、提督、まさか……」
提督「拠点を海の近くに移せられれば、少しはマシになるだろ。海好きなメディウムも多いしな」
チェルシー「今の話、本当!?」
シルヴィア「さっすが魔神君! 話が分かるわ!」
191 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:39:31.29 ID:B4/8xNuCo
摩耶「本気で、魔神になるつもりかよ……」
提督「ああ。いくら俺が指示したわけじゃないとはいえ、俺のためにこいつらがやってくれたことだ」
提督「ここで俺がメディウムを見捨てるような真似はしたくねえし、お前らと直接やりあいたくもない」
提督「俺が向こうへ行ってこいつらの面倒を見るのが、一番すっきりした落としどころだと思うぜ?」
摩耶「そりゃあそうかもしんないけどよ……」
提督「一応聞いとくが、由良やはっちゃんはどうする?」
伊8「一応聞くまでもないと思うけど?」
由良「ね?」
敷波「……」
電「敷波ちゃん……」
吹雪「そっか、そういえば敷波ちゃんは電ちゃんや由良さんと同じ鎮守府出身だったんだよね」
シルヴィア「うーん、言わせてもらうけど、あなた、迷ってるくらいなら来ないほうがいいわよ?」
敷波「え……あ、うん」
オリヴィア「ああ、こりゃあ納得いってない感じだねえ」
192 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:40:16.38 ID:B4/8xNuCo
提督「敷波。俺はもう人間の敵だ。だが、お前はそうじゃないだろう?」
敷波「……」ウツムキ
提督「敷波。お前、人間を撃てるか?」
敷波「そ、それは……」
提督「そこで躊躇するんならやめとけ。お前はこっちに来ないほうがいい」
榛名「……」
黒潮「あー、司令はん? うちもちょっとひとこと言わせてもらいたいんやけど」ズイ
提督「なんだ?」
黒潮「うちは、司令はんが向こうの世界に行くのは、まあ、しゃあないなー、って思うんよ。経緯が経緯やし?」
黒潮「頭ではしゃあない思っとんやけど、それがめっちゃ気に入らんねん。わかる?」
提督「……」
黒潮「司令はんは、何もしてないやん。貧乏くじ引かされとるだけやんか」
黒潮「あの島が燃えたのも、もとはと言えば海軍の内輪揉めに巻き込まれただけやんか。ええように利用されとっただけやんか!」
黒潮「なんちゅうか、うちらの不幸を全部押っ付けて追い出してるみたいで、めったくそ気分悪いわ……!」
193 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:41:02.82 ID:B4/8xNuCo
潮「わ、私だって、納得できません……今まで、たくさんお世話になったんです。そのお礼もできないまま、お別れなんて……!」グスッ
潮「ここで別れたら、もう会えないんでしょう? 朧ちゃん、元に戻すこと、できないの……?」
朧「それは……もう、無理じゃないかな」
電「……ごめんなさい」
敷波「それで謝んないでよ……! どうしようもないんでしょ? 謝られたって、別れるしかないんでしょ……?」グス
朝潮「……霞。敷波さんのこと、お願いできますか」
霞「朝潮!?」
朝潮「司令官。朝潮は、司令官についていきます」
敷波「!」
明石「本気なの!?」
朝潮「はい、朝潮は本気です。司令官のために、本営と事を構えることも覚悟の上……むしろ、信用できないとまで思っています」
朝潮「その証拠に、私の体も、鳥海さんのように深海の側に傾きつつありますから……」
敷波「なんなのさ……みんな、そうやって理由つけてどっか行っちゃってさ」
敷波「あたしは……みんなで一緒にいたいだけだったのに、どうしてこうなっちゃうんだよ……!」
霞「……」
194 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:41:46.31 ID:B4/8xNuCo
敷波「いいよもう……こうやって泣いてたって、迷惑かけるだけって、わかってるし」
敷波「ほかにあたしが納得できるような良い方法も、あたしには思いつかないしさ」
敷波「由良さんもはっちゃんも、この施設で解体されるはずだったんでしょ? こっちの世界に留まったって、いいことないのはわかってる」
敷波「しょうがないんだよね……」グス
提督「……那珂。お前はどうする」
榛名「!」
川内「!」
神通「!」
那珂「ンー、那珂チャンハモウ、コンナダシー。コッチノ世界ニ残ッテ、万ガ一、ミンナト戦ウコトニナルノモ嫌カナァ」
榛名「……」
那珂「ソウイウワケダカラ、那珂チャンハ向コウヘ行ッテキマス! 提督、コレカラモヨロシクネ!」
川内「那珂……」
那珂「川内チャンゴメンネ! デモ、コレカラ戦ウ相手ニ、那珂チャンガイナイッテコトガ確実ナラ、夜戦デモ躊躇シナクテスムデショ?」
川内「そりゃそうだけどさ……」
195 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:42:31.32 ID:B4/8xNuCo
神通「そう、ですね……那珂ちゃんは、向こうで、元気にやっていくって思えば……」グスン
那珂「モー、神通チャン笑ッテヨー。コレジャ、アイドル失格ジャナイ!」グスッ
山城「ええ、那珂ちゃんなら大丈夫よ。私も一緒に行くから」
那珂「!?」
扶桑「山城……!?」
山城「泊地棲姫と一緒に那珂ちゃんをこちら側に引き込んだのは私よ……!」
山城「少しの時間だけでもいい。私の艤装を解体して鋼材なり燃料なりにして、那珂ちゃんと扶桑お姉様に役立てて欲しいんです!」
龍驤「ちょっ、大丈夫なんか!?」
由良「解体するしないにかかわらず、そのほうがいいかもしれないわ。山城さんも、深海の側に傾きかけているし……」
伊8「むしろ扶桑さんのほうが心配かもしれないです」
龍驤「そっか、そうなるんか……」
長門「留まるにしても、深海棲艦になりつつある艦娘は、海軍に居続けても由良のように狙われる可能性もある」
武蔵「ああ。同じ艦娘にも、深海棲艦に恨みを持ってるやつは少なくないだろう」
武蔵「海軍に残るとなれば、最悪、背中を撃たれることも覚悟しなければならん」
長門「そう考えれば、鳥海のように深海に行くのも間違ってはいないな」
陸奥「……そうかもしれないわね」
196 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:43:16.43 ID:B4/8xNuCo
霧島「……金剛お姉様はどうなさるおつもりですか」
比叡「!」
榛名「!」
金剛「Hm... 私は、海軍に残ろうと思いマス。テートクと一緒には行けまセン」
榛名「ええ!? ど、どうしてですか!?」
金剛「私がテートクと一緒に行ったところで、お役にたてるとは思えまセン。むしろ足を引っ張ると思いマス」
金剛「私は、テートクが『みんな』と仲良くしてほしいと思っていまシタ。この世界の人間たちも例外ではありまセン」
金剛「そして、世の中にテートクのやっていることが間違っていないことを広めたかったんデス」
金剛「轟沈した艦娘に手を差し伸べ、暴力や悪意で傷付いた艦娘を守ってくれたテートクが、認められて欲しかった……」
比叡「金剛お姉様……」
金剛「テートクは今、世界と決別しようとしていマス。私がそれを拒むことは、テートクを否定することにほかなりまセン」
金剛「テートクが生きているかもしれないことを知って、テートクのもとに集まったあなたたちを否定する気もありまセン」
金剛「私は、この世界に残って、テートクの功績を後世に残したいと思いマス」
榛名「金剛お姉様……!」ウルッ
197 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:44:01.28 ID:B4/8xNuCo
金剛「比叡、榛名、霧島。あなたたちがテートクと一緒に行くと言うのなら、私は引き留めまセンヨ」
霧島「いえ、金剛お姉様のご心配に及ばず。私は海軍に戻ろうと思います」
摩耶「え!?」
霧島「……摩耶? 今の『え』はどういう意味かしら?」
摩耶「だ、だって、霧島さん言ってたじゃないっすか、司令についていくって……」
霧島「残念だけど、私の持ち得る知識と力と経験は、あちらの世界で司令が戦うに当たっての助力にはならないと思うの」
霧島「それよりも今、金剛お姉様が進む道のほうが困難に思えます。私の力は金剛お姉様のために振るうべきかと……!」
金剛「霧島……!」
比叡「……司令、ごめんなさい!」バッ
提督「!」
比叡「私も、金剛お姉様と一緒に戦います!」
榛名「……!」
比叡「ただ……暁ちゃんだけは、お願いしてもいいですか? あれからずっと目を覚まさなくて……」グスッ
提督「わかった、預かろう。フローラ、向こうで治療を続けられるか?」
フローラ「ええ、お任せください」
電「電も看病をお手伝いするのです!」フンス!
198 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:44:46.52 ID:B4/8xNuCo
摩耶「霧島さんが海軍に残るんなら、あたしもそうするかな。鳥海も心配だし……今の海軍を放っておけねえもんな」
榛名「……」
武蔵「ほかに提督と一緒に向こうの世界に行くつもりの者はいるか?」
金剛「榛名、あなたはどうしマスカ?」
榛名「……榛名は……」
PPPP... PPPP...
武蔵「! 私の通信機か」ニュッ
吹雪(胸の谷間から!?)
ニコ「」ハイライトオフ
ニーナ(ニコさんの目から光が消えてる……!)
武蔵「もしもし? おお、那智か、どうした」
武蔵「……うん……うん……わかった。急がせる、那智はもう少し時間稼ぎを頼む」
大和「なにかあったの……?」
武蔵「ああ、この研究所を憲兵隊が取り囲んでいるそうだ」
提督「憲兵隊?」
199 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:45:31.14 ID:B4/8xNuCo
武蔵「なんでも、艦娘は見逃してもらえるが、それ以外の者は捕縛するつもりでいるらしい」
提督「……艦娘以外、ね」
ニコ「どっちみちぼくたちが外に出るつもりはないけどね」
武蔵「那智は瓦礫などの後始末のために我々が残っていると伝えたんだが、それを陸軍がやると言っていて……」
武蔵「この研究所に踏み込まれたくないであろう海軍幹部が、連中を抑え込んでいる状態だ」
龍驤「ああ……まあ、見られたくないもんばっかりやろうしなあ……」
武蔵「陸軍もこれまでの鬱憤を晴らしたがっているようで、にわかに殺気立っている」
長門「無理もない。今回の深海棲艦とメディウムの狼藉は陸の上での話だからな」
武蔵「我々艦娘も、もたもたしていると憲兵たちにしょっ引かれかねないと言っていた」
霧島「司令との別れをせっつくなんて、無粋な人たちですね」ムスッ
提督「仕方ねえよ、俺たちは数千人の人間を殺してるんだからな。連中にしてみりゃ十分すぎるお情けだろうさ」
提督「でもまあ……」チラッ
艦娘たち「!」
提督「あの時よりはましだな」フフッ
不知火「司令……」
200 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:46:16.17 ID:B4/8xNuCo
朝雲「まるで、さよならを言いに来たみたいになっちゃったわね」
金剛「十分じゃありませんか、そうでショウ? テートク?」
提督「これだけ迷惑かけておいて、労力に見合ってない気もするがな」
ナンシー「なんだか、初めて鎮守府に来たときを思い出すわね〜」
ルミナ「ああ、あのときも艦娘のみんなを罠にかけようとしたんだったね」
ニコ「……やっぱり、ぼくたちと艦娘は相容れないものなのかな」
若葉「それは違うな」
オボロ「!」
若葉「最初こそ敵対したが、提督がいてくれたおかげで艦娘とメディウムが手を取り合ったことは事実だ」
若葉「そして今も、みんなが提督の身を案じている。それは提督自身が我々を気遣ってくれたおかげだ」
初春「若葉……」
201 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:47:00.41 ID:B4/8xNuCo
若葉「それから、メディウムとの生活も、悪くはなかった……楽しかった」
若葉「若葉は、こちらの世界に戻る。提督は、向こうの世界で戦うのだろう?」
提督「ああ、そうだな」
若葉「若葉は提督と同道できない。だが、幸運を祈っている」クルリ
初春「若葉!」
若葉「若葉たちがもたついて外に出てこないと、あいつらがなにをするかわからないからな」スタスタ
若葉「初春姉、みんな、提督を頼む」スッ
川内「若葉……」
オリヴィア「うーん、いい男……じゃないな、いい女だねぇ」
長門「……ああ。確かに、いつまでも名残を惜しむ暇はない、か」
武蔵「そうだな、急ぐか」
202 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:48:03.21 ID:B4/8xNuCo
* 地上 *
憲兵「だからいい加減突入させろと言っているんだ!」
海軍「まだ安全の確認が取れていないと言っているだろう!」
那智「……まだか、あいつらは」
別の大将「那智よ、本当に生存者は他にいなかったのか」
那智「これは大将殿。そうです、生存者は元帥だけでした」
大将「そうか。しかしその元帥閣下でさえ、心神喪失状態にある。犯人たちは薬物を扱えるのか?」
那智「いえ。おそらくは、直に精神を操ったものかと」
那智「深海棲艦もまた、負の感情から生み出されたと言われておりますが……」
大将「それと理屈は同じだと」
那智「定かではありませんが」
大将「……本来ならば、あの深海棲艦どもを見逃すつもりはなかった」
大将「だが、貴様らが協定を結んだと言うのなら目を瞑る他あるまい」
那智「……はっ」ケイレイ
203 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:48:46.17 ID:B4/8xNuCo
ゾロゾロ…
海軍「おい、施設から誰か出てきたぞ!」
海軍「大丈夫か!?」
那智「やっと戻ってきたか……」
大将「……施設から出てきた艦娘は全員保護せよ! 急げ!」
憲兵「待て! 何があったか話して貰わねば……」
大将「艦娘は海軍の所属である! 我らが先に治療すると決めたのならば、それに従え!」
憲兵「お、横暴な!」
那智「……」
那智(憲兵に捕まれば、地下で起こったことを話させるだろう)
那智(余計なことを言わせないために、私たちを『保護』する、か……)
那智「折角、酒を断ったのにな……また、悪い酒になるか」ハァ
204 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:49:31.05 ID:B4/8xNuCo
* 地下 *
不知火「……」
提督「最後は不知火か」
不知火「……如月」
如月「? なあに?」
不知火「如月は、これで良かったのですか」
如月「今更よ。私は、艦娘ではなくなってしまったもの」
不知火「……そう、ですね。私たちの道理を押し付けるのは筋違い……」
不知火「司令も、私たちとは道を違えるのですね……」ウツムキ
如月「……」
不知火「司令。如月たちを、よろしくお願いいたします」
提督「……ああ」
不知火「そして、これまでのご指導ご鞭撻……ありがとうございました……!」ケイレイ
提督「……ああ。俺のほうこそ、今まで助けてくれて、ありがとうな」ケイレイ
不知火「……では、これで、失礼致します」ペコッ クルリ
タッ
提督「……」
205 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:50:16.37 ID:B4/8xNuCo
ニコ「……行っちゃったね」
提督「仕方ねえさ。これから俺は人間の敵になるんだからな」
提督「お前たちも、覚悟はできてるか? 引き返すなら今のうちだぞ」
那珂「那珂チャンハ大丈夫ダヨー!」
山城「扶桑お姉様……!」
扶桑「心配いらないわ……一度は、人に失望した身だもの」
朝潮「朝潮は、司令官にどこまでもついていきます!」
大和「大和も、地の果て、水平線の果てまで、ご一緒致します……!」
由良「行きましょう……向こうの世界に」
伊8「……」コクン
提督「よし、これでこの世界とはおさらばだ。ニコ」
ニコ「うん」コク
バッ
床に浮かび上がる魔法陣 < カッ…!
ニコ「みんな、集まって。僕たちの世界に帰るよ」
206 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:51:00.25 ID:B4/8xNuCo
シエラ「や、やっと帰られるデスか……」ホッ
イサラ「早く引き籠りたい……」
シルヴィア「でも、これで暫くは海とお別れねえ」
チェルシー「うああああ、言わないでよ〜! ああ、憂鬱〜〜!」
アーニャ「もっとたくさん釣りたかったなあ……」
ミーシャ「で、でも、それは艦娘さんたちも、一緒ですから……」
ミュゼ「それまでは私たちがお世話しましょう!」
アマラ「お掃除のし甲斐がありますね!」
ルミナ「んー、そうだねえ、ついでに研究にも付き合ってもらえると助かるよ」
ニーナ「そう言ってずっと付き合わされるのは駄目ですからね!」
ナンシー「ルミナってば、研究のことになるとそればっかりだもんねー」
提督「……」
ニコ「魔神様?」
提督「向こうの世界の拠点は山の中だ。まずはとにかく海に進出したい」
207 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:52:00.53 ID:B4/8xNuCo
提督「もし海を目指すとしたら、いくつ町を潰せばいい?」
ニコ「魔神様……!」
コーネリア「魔神様が本気になられたぞ……!」
ルイゼット「ついに、愚かな人間たちに鉄槌を下す日が来たのですね……!」
提督「俺たちは向こうの世界じゃ人間の敵だ。鉄槌云々は置いといても、人間どもにおとなしく滅ぼされる気はねえ」
提督「俺たちは俺たちの平和を手に入れる……!」
カトリーナ「よおっし! やってやるぜえええ!」
初春「うむ、そうと決まれば、わらわも本気を出さねばのう」
ヴァージニア「我等が歩むは覇道、それは最初から決まっていたことだ」
提督「ああ。面倒臭いのが嫌で、人から離れて過ごそうとしていたが……逃げたり隠れたりするのはもうやめだ」
提督「この世界で果たせなかった理想の世界を……俺たちの、国を作る」
吹雪「司令官……!」
提督「だから、頼むぜ。お前らが頼りだからな」
如月「勿論よ。どこまでもついて行くわ」
メリンダ「私たちも、御主人様の仰せのままに……!」
208 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:52:46.46 ID:B4/8xNuCo
オボロ「我ら、御屋形様の手となり足となり、敵を討つ所存……!」
電「私たちが、やっつけちゃうのです!」
オリヴィア「問題は、向こうの世界に戻ってからだね」
ミリーエル「そうね。大分人間を狩ってしまったし……」
クロエ「どのくらい人間が勢力を戻しているでしょうねえ」
グローディス「それに、あれだけ大勢狩ったんだ、私たちのことも警戒しているだろうな」
クリスティーナ「一筋縄ではいかなそうね」
ニコ「大丈夫だよ。今のぼくたちには、魔神様が付いているんだ」
全員「!」
ニコ「眠ってた魔神様の力を、呼び戻せたんだ……ぼくたちの力も、強くなってるはずだよ」
ニコ「さあ、帰ろう……ぼくたちの家へ。アルス=タリア封印神殿へ……!!」
提督「……」
朧「提督? どうしたんですか?」
提督「いいや。封印なんてされたりしねえよ、と思ってな」
提督「二度も三度も失ったこの命だ、そう簡単に失ってたまるかよ……!」
209 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:53:31.73 ID:B4/8xNuCo
* 施設内 階段 *
明石「さあ、早く外に出ましょ!」タタタッ
不知火「はい……!」タタタッ
大淀「……」タタ…ッ
霞「……? 大淀さん、どうしたの?」タタタッ
大淀「あ、い、いいえ、なんでも……」タ…ッ
初雪「……?」
不知火「大淀さん?」
大淀「……」ピタ…
明石「大淀……!?」
大淀「っ!」クルッ ダッ
霞「ちょっ……!」
不知火「大淀さん!!」
210 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:54:16.47 ID:B4/8xNuCo
大淀「ごめんなさい……私、やっぱり提督のもとに行きます!」ダッ
明石「ちょっと、今更!?」
初雪「先、行ってて」タッ
霞「は、初雪!?」
初雪「私も、大淀さんと一緒に行くから……!」
初雪「駄目だったら、引き返して連れてくるから、待ってて……!」
霞「ちょっと……!」
不知火「……先に行きましょう」
明石「不知火ちゃん……!」
不知火「怪我をして遅れたことにしましょう。不知火も、二人の気持ちはわからなくはありません」
霞「……」
明石「……」
211 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:55:31.13 ID:B4/8xNuCo
* 地下 最下層 *
大淀「はぁ、はぁ……」タタタタッ
初雪「大淀、さん……!」
大淀「……私、戻っても、行くところなんかないの」
大淀「大淀として、海軍の任務を、引き受ける自信がないの……!」
大淀「でも、提督は、こんな私に、仕事を与えてくれた……私に、居場所をくれたの……!」
大淀「だから初雪ちゃん、行かせて! 私は……」
初雪「私、止めに来たわけじゃない」
大淀「!」
初雪「私も、一緒にあっちの世界に行って、大丈夫か不安だった」
初雪「でも、ここから海軍に戻った方が、私は不安……!」
大淀「……!」
初雪「行けるんだったら、私も、ついてく……!」
大淀「……急ぎましょう!」ダダッ
初雪「……」コク
212 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:56:31.46 ID:B4/8xNuCo
*
大淀「あった、あの扉……!」
初雪「……提督……!」
大淀「提督……提督っ!」ウルッ
扉<バァン!
大淀「提督っ!!」
初雪「……!」
シ…ン
大淀「てい、とく……?」
初雪「……」キョロキョロ
初雪「なに、これ……部屋の真ん中に、大きな穴が……」
大淀「ていとく……」ヘタッ
初雪「……っ」タッ
初雪「どこかに、隠れてたり……してる、かも……」ウロウロ
初雪「どこかに……」タタッ
大淀「……」
大淀「あ、あああ……」ジワッ
大淀「うわぁぁぁああああ……! 提督ぅぅぅ!」
初雪「……本当に、行っちゃったんだ」
初雪「……ぐすっ」
213 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/01/20(月) 00:57:51.07 ID:B4/8xNuCo
今回はここまで。
残るはエピローグのみ。
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/20(月) 09:24:55.14 ID:35lHkbDlo
乙乙。どちらも幸せになってほしいね…
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/25(火) 05:22:40.59 ID:6Jq2jIDB0
ほしゅ
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/03/02(月) 17:33:44.53 ID:wCnE6hQgO
ほしゅ
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/05/17(日) 05:41:33.90 ID:S8UToAtp0
ほしゅん
218 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:16:48.82 ID:80gS1WPZo
少しだけ続きです。
219 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:18:04.74 ID:80gS1WPZo
*三か月後 *
* 太平洋上 某所 無人島 *
ザザーン…
浜辺の樹木にかけたハンモックで眠る加古「Zzz...」
加古「……ふぁぁ……むにゃむにゃ」
加古「うん……!」ピク
ザザァ…
摩耶「……よう」
加古「ふあ……あー、摩耶か……おはよ」
摩耶「ったく、相変わらず寝てばっかだな」
加古「まあ、起きたところでご飯を確保する以外、何もすることないしねー」ボリボリ
摩耶「そうか? 全く体を動かしてねえってわけじゃないならいいけどさ」
ザザァ…
??「摩耶……!?」
摩耶「! その声……鳥海か!?」
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