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モバP「飛鳥と冬の日」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:34:13.86 ID:PvqJV2Te0
モバP(以下P)「寒い寒い寒い。もうコタツ出してくれてるかなー」
ガチャ
P「おはようございまーす」
ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん」
P「お、コタツ出してありますね。やっぱ寒い日はこれですよね〜」
ちひろ「コタツで仕事するのも良いですけど、しっかりやってくださいね?」
P「わかってますって。では早速……」ゴソゴソ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1514813653
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:35:09.35 ID:PvqJV2Te0
ガシッ
P「ん、何か足に当たったな」
スースー……
P「飛鳥がコタツで寝てる」
ちひろ「飛鳥ちゃんにコタツ出すの手伝ってもらったんですよ。あとそのみかんは飛鳥ちゃんの実家からだそうです」
P「出したあとに入ってたら眠くなった感じですかね」
ちひろ「ふふ、まぁそんなところです」
P「猫はコタツで丸くなるとはこのことか」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:36:13.68 ID:PvqJV2Te0
飛鳥「誰が猫だって……?」
P「うお、起きた」
飛鳥「んー……。おはよう、プロデューサー」
P「おはよう、飛鳥。この時間に来るのは珍しいな」
飛鳥「あぁ、寒さで目が覚めてしまってね。みかんを持っていくついでにもしや、と思っただけさ」
P「それで狙い通りコタツを出そうとしているちひろさんがいたと」
飛鳥「イグザクトリィ」
ちひろ「プロデューサーさんが少ししたら来るって聞いて待ってたんですよ」
飛鳥「ち、ちひろさん! それはっ……」
P「ほほー。あの、飛鳥さんが俺に会いたいとは。ほほ〜ん?」
飛鳥「……ウザい。キミの分のみかんはナシにするよ」
P「ひどい」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:36:57.96 ID:PvqJV2Te0
■4
飛鳥「まぁそのアレだ。宿題でもやろうと思ってね。コタツもあることだし」
P「なるほど。家は一人で寂しいと」
飛鳥「本当にみかんナシにするよ」
P「スミマセン。それだけはどうかご勘弁を」
飛鳥「全く、キミってやつは……」
P「みかん剥いてやるからさ」
飛鳥「元はボクが持ってきたものだが……」
P「まぁまぁ硬いこと言わずに。ほら」
飛鳥「……ありがとう」
飛鳥「おいしい」モグモグ
P「おいしい」モグモグ
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:37:33.75 ID:PvqJV2Te0
カタカタ カキカキ
ガシッ
ガタッ
P(飛鳥め、俺が足を伸ばそうとすると邪魔してきやがる)
飛鳥(ボクが最初に入っていたんだ。なんなら出したのもボクだ。安々と伸ばさせはしない)
ガタガタ
P(とか思ってるんだろうなコイツ……。だがこのコタツは俺が社長に直談判して手に入れたものだ)
ガシッ ガシッ
飛鳥(くっ……強い。腐っても男ということか……)
P(流石に14歳の女の子には負けないぞ!)
飛鳥(プロデューサーめ……譲る気は無いようだ。諦めて少し斜めに伸ばすしか……)
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:38:30.83 ID:PvqJV2Te0
ちひろ「二人とも顔が怖いですけど、どうかしましたか?」
P「え、いや、なんでもないですよちひろさん。なぁ飛鳥」
飛鳥「あ、あぁ。何も無い。何もなかったさ」
ちひろ「? お茶を持ってきましたので、休憩しませんか? 私もコタツに入りたいです」
P「どうぞどうぞ。ゆっくりしていってください」
ゴソゴソ
ちひろ「暖まりますねぇ……」
P(一時休戦だ、飛鳥)
飛鳥(次は負けないさ)
ちひろ「あ、このみかん美味しいですね」モグモグ
ちひろ「それと、場所取り合戦なんかしないで仲良く足を伸ばしてくださいね」
P・飛鳥「バレてた……」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:39:47.71 ID:PvqJV2Te0
別の日
飛鳥「地上に降る雪は多くの人々、車などによってだんだん汚れ、溶けていき、消えてゆく」
飛鳥「だが、この屋上は別だ」
飛鳥「冬になり、立ち入り禁止となるこの地は、さながら空中庭園とでも言えるか」
飛鳥「誰も踏み入らないここは、ただ純粋に雪が降り積もる」
飛鳥「穢れを知らない、白銀の草原……」
飛鳥「もっとも、ボクが踏み入り汚してしまったわけだけどね。フフッ」
飛鳥「……プロデューサーに見つかる前に戻ろう」
ガチャ
飛鳥「あ」
P「やっぱりここか。立ち入り禁止って書いてあるだろ。勝手に鍵持ち出すなよ……」
飛鳥「いいじゃないか。見てみなよ、良い景色だ」
P「わかったよ。あと少しだけだぞ。寒くて死にそうだ」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:41:48.62 ID:PvqJV2Te0
P「これだけ雪が積もってると雪合戦とかしたくなるな」
飛鳥「フフッ」
P「何かおかしいか?」
飛鳥「いや、子供っぽいな、って思っただけさ」
P「たまには童心に返りたくなるんだよ」
飛鳥「ボクにはまだわからない感覚だな。雪合戦の方も含めて、ね」
P「あと十年すればわかるさ。あの頃に戻りたくなる感覚が」
飛鳥「十年……ボクは何をしているだろうか。アイドルか、社会人か、はたまた別の何かに」
P「飛鳥ならそうだなぁ……ファッションデザイナーとか、美容師とか似合いそう」
飛鳥「ファッションデザイナー、美容師……悪くないね」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:42:50.50 ID:PvqJV2Te0
P「まぁ俺としてはまだまだアイドル続けてて欲しいけどなぁ」
飛鳥「ほう?」
P「十分飛鳥には伸びしろがあるからな。まだまだこれからだぞ」
飛鳥「そうだね。ボクたちの物語はまだ終わらない。終わらせないさ」
P「俺らが紡ぐこの物語を、たくさんの読者に、観客に届けないとな」
飛鳥「フッ、相変わらず、キミは痛いね」
P「まぁ飛鳥には負けるけど。とりあえず今日のところはそろそろ戻ろう。寒い」
飛鳥「同感だ」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:44:11.15 ID:PvqJV2Te0
ザクザク、スッ
飛鳥「プロデューサー!」
P「なんだ?」
ドサッ
P「おい! 不意打ちはダメだろこちとらスーツだぞ!」
飛鳥「ハハハ! たまにはこういうのもいいだろう?」
P「雪合戦は子供のやることじゃないのか!」
飛鳥「ボクはまだまだコドモだよ! それ!」
P「お前がそのつもりならこっちも容赦しないからな!」
飛鳥「担当である現役アイドルにそんなことするのかい?」
P「関係ねぇ! おら!」
飛鳥「おっと危な」
ドサッ
P「やりぃ! フェイント決まり!」
飛鳥「……理解った。その気ならこっちも本気で行くよ!」フンッ
P「おっと、そんなの当たらないぞ! はは!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:44:53.15 ID:PvqJV2Te0
────────
──────
────
ちひろ「で、こんなことになったんですか?」
P「はい……」
飛鳥「あぁ……」
ちひろ「全く、はしゃぐのも良いですけど、危ないんですから屋上はやめてくださいね?」
P・飛鳥「わかりました……」
飛鳥「くしゅん」
ちひろ「風邪を引く前に早くコタツで暖まってください」
P・飛鳥「はい」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:47:30.66 ID:PvqJV2Te0
P「まさか後ろから雪を投げられるとは思わなかった」
飛鳥「キミが雪合戦をしたいと言っていたからね」
P「……本当は」
飛鳥「少しはしゃいでしまった」
P「ま、所属直後と比べて打ち解けたと言うか、丸くなった、のか?」
飛鳥「かもしれないね。人との関わりというものは、人を変えていくものだよ」
P「そういうものか」
飛鳥「そういうものさ」
P「三年後、五年後はどんな飛鳥が見れるのか、楽しみだな」
飛鳥「変わりすぎて、ファッションデザイナーになってるかもね」
P「最低限アイドルは続けてて欲しい」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:48:14.70 ID:PvqJV2Te0
飛鳥「そうならないように、しっかりプロデュースを頼むよ、P」
P「あぁ、任せとけ」
飛鳥「くしゅん」
P「……台無しだな」
飛鳥「……」ゲシゲシ
P「やめて、蹴らないで」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 22:50:21.61 ID:PvqJV2Te0
おしまい
飛鳥とコタツでぬくぬくしたいだけの人生だった
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 23:43:19.55 ID:PvqJV2Te0
(あ、書いてる時のメモの「■4」が
>>4
に刺さってる……)
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