唯「バイバイ、さん きゅ〜♪」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/31(日) 23:54:09.69 ID:57Kb2bxZ0

けいおんSS + α です。シリアス寄り

キャラが作中で男性と結婚とか、年取ったりしてます。注意



ネタも、題材も、書き出すタイミングも

作中の時系列も何から何までアレだけど、書いてみた


どうか許しておくれ〜


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1514732049
2 :1 [sage saga]:2017/12/31(日) 23:55:03.81 ID:57Kb2bxZ0

【N女子大・寮 唯の部屋】

午前3時21分



唯(20)「ふわぁぁ……」

唯「むにゃむにゃ……」

唯「もう4時か…………」
3 :1 [sage saga]:2017/12/31(日) 23:56:42.35 ID:57Kb2bxZ0

唯「変な時間に起きちゃった」

唯「このまま寝るのもいいけれど」

唯「なんだか、ココアが飲みたい気分」


唯「……」


唯「よし、コンビニで買ってこよー」
4 :1 [sage saga]:2017/12/31(日) 23:57:41.11 ID:57Kb2bxZ0

【15分後 コンビニ前】

店員「ありがとうございましたー」

ティコティコティコーン♪


テクテクテク


唯「ふふふ、ホットココアをゲットだぜ!」

唯「さっそく一口!」


唯「……」

唯「うーん、あま〜い!」


唯「ふぅ〜、沁みるなぁ〜」
5 :1 [sage saga]:2017/12/31(日) 23:59:09.39 ID:57Kb2bxZ0

唯「おー、気づけば、今日は雲ひとつない、スッゴクいい夜空♪」


唯「お星さまが、いつもよりも沢山!」

唯「沈みかけた満月も、みんなキラキラ耀いてる!」


唯「今日は、いいことが起こりそう♪」

唯「ふふふー、何が起きるかなー」
6 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:00:33.49 ID:TaOAbahR0

唯(あー、こうして夜の空を眺めていたら、)


唯(この前、みんなで行ったキャンプを思い出したよ!)

唯(あの日の夜は、反対に真っ暗ヤミだったなぁ)




唯(迷子のあずにゃんを見つけに)

唯(みんなで日の暮れた山に入っていったけど)

唯(私たちあずにゃん捜索隊も、森の奥で迷子になっちゃったんだよね)


唯(まさに、ミイラとりになったミイラ!)
7 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:02:02.70 ID:TaOAbahR0

唯(ドコに行けばいいか途方に暮れて、小雨も降ってきて)

唯(もう駄目だーっ、死んでしまうー……って絶望してたら)


唯(ムギちゃんがキャンプ地で着けてくれてた、焚き火が遠くからホンノリ見えて)

唯(みんなでそれを目印にして、無事に戻ってこれたんだよねー)


唯(真っ暗を照らす火に、暖かみを感じた一件でした♪)


唯(ムギちゃんにも感謝カンシャ! めでたしめでたし!!)
8 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:03:07.93 ID:TaOAbahR0

唯「……」

唯「風が出てきたなぁ」


唯「さ、早く部屋に戻って、もう一眠りしますかっ!」

唯「二度寝、二度寝〜♪」




テクテクテク
9 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:03:57.95 ID:TaOAbahR0

【寮 1階廊下】

ヒックヒック

唯「ん?」


ヒック、ヒック

唯「……誰かの、泣き声?」


唯「共同トイレから、聞こえる……!」
10 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:05:11.22 ID:TaOAbahR0

唯「はっ、そう言えばちょっと前、憂が、」

唯「音楽室で出た、オバケの話をしていた様な……」

ヒックヒック

唯(音楽室に響く水音に、床に落ちた赤いシミ……)

唯(実はその正体は……!)




唯「うぅ、コワイけど……」

ヒック、ヒック……

唯「このトイレから響く泣き声も、気になる……!」
11 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:06:24.58 ID:TaOAbahR0

唯「ちょっとだけ、見てみよう……」

唯「もし、ほんとのオバケだったらスグ逃げよ!」


唯「…………」







唯(ポマードポマードポマード!!!)
12 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:07:47.92 ID:TaOAbahR0

唯「そーっ」


紬「……ヒック、ヒック」


唯「あれ、何だ。ムギちゃんじゃん」

紬「……ヒック、ヒック」


唯(……泣いてるみたいだけど、どうしたんだろ?)
13 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:08:39.36 ID:TaOAbahR0

唯「ム〜ギちゃん!」

紬「ゆ、唯ちゃん!」


唯「こんな所でどしたの?」


唯「もしかして、お腹いたい??」

紬「うぅぅ、うぅぅぅ」



唯「えっ!?」

ガバッ!

むぎゅぅぅぅぅぅぅぅ

唯「あわわわわえあわ!?」
14 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:09:53.73 ID:TaOAbahR0

唯(い、いきなり抱きつかれた!?)

紬「うぅ……」



唯「ど、どうしたのムギちゃん? 何があったの??」

紬「ごめんね、ごめんね。唯ちゃん、みんな……」

唯「えっ??」
15 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:10:58.34 ID:TaOAbahR0

紬「私ね」

紬「妊娠しちゃってるみたい……」








唯「…………」

唯「どぅえええええええええ!??」
16 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:11:49.53 ID:TaOAbahR0

5日後

【ムギの部屋 午後10時12分】


澪「それで、病院で検査結果は!?」

律「まちがい、ないんだな!?」

紬「うん。お腹に赤ちゃんがいるって。1ヶ月の」

全員「ぅぉぉぉ……」


幸「おめでとう!ムギちゃん!」

晶「いや、おめでとう……なのか?」

菖「おめでとうだよ、そういうことにしとくの!!」




唯「……」
17 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:12:57.24 ID:TaOAbahR0

梓「それでムギ先輩! 相手の方は分かってるんですか!?」

紬「……うん」


律「ち、ちなみに誰なんだ?」

唯「私たちの知ってるヒト?」

澪「っていうか、ムギに彼氏とかが居たとか気づかなかった……」


紬「……ごめんね」

紬「……相手は、一応みんなも知ってるヒト」

梓「だ、誰なんです?」


紬「半年前に、皆でバンドマン同士の合コンに行ったでしょ。その時に来てた、ドラマーの人」


澪「あー、あの合コンで!」

律「えっ、でもあの時は全員が全員に脈なしだったろ?」

紬「う、うん。その時はね」
18 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:14:58.51 ID:TaOAbahR0

紬「でも。後日、バイト先で偶然出会って」



みんな「へー」



紬「ライブのチケット貰って、行って見たの」



紬「勢いあって力強くて、でもどこか暖かくて安心できるドラムを叩く人でね」

紬「何だか凄いなって思って、連絡先を交換して……」



紬「そこから一緒にお茶して音楽の話をしたり、」

紬「スタジオでキーボードとドラムのセッションしたり、買い物に行ったり……」

みんな「おぉ……」

唯「……」
19 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:15:44.36 ID:TaOAbahR0

紬「なんでもない日に、こっそりあって、二人きりで過ごしたり///」

紬「映画行って、バーでカクテル飲んで、それから、えーと……」



みんな(お、大人だー)


唯「……」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/01(月) 00:17:11.99 ID:TaOAbahR0

梓「っていうか、彼氏さんができたなら教えて下さいよ!」

澪「そうだよ! 水くさいじゃないか」

紬「ご、ごめん」

律「皆で、ムギと彼氏さんのデート、こっそり尾行したかったのに……!」プンプン

紬「……うぅ、みんなの期待に沿えなかった」



晶・幸・菖(や、デートに付いて来られるとか嫌だよ。私なら彼氏ができたの、内緒にしとく)


唯「……」
21 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:18:53.92 ID:TaOAbahR0

唯「それで、ムギちゃんはこの後、どうするの?」



紬「……この子を、生みたい。あの人と、人生を歩みたい」



唯「……」


紬「あの人には話をして、『いいよ。責任とるから』って、言ってくれたんだ」

みんな「おおー!」
22 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:20:32.47 ID:TaOAbahR0

紬「……でもね、琴吹家は許してくれそうにないの」

みんな「ええっ!?」


紬「あの人と結婚するのも、この子を生むことも……」


澪「厳格な家だもんな、ムギの実家って」


律「でも、家が反対だとすると、どうすりゃいいんだ?」


紬「……」

唯「……」
23 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:21:42.11 ID:TaOAbahR0

紬「夜逃げするの、あの人と二人して」


みんな「えええええええ」


梓「そんな、夜逃げだなんて」

澪「いや、でも、それしかないんじゃないか?」

唯「じゃぁ、大学やバンドはどうするの?」


紬「……どっちも、辞めるわ」

みんな「!」

紬「……ここに居たら、琴吹家に連れ戻されてしまうから」


唯「……」
24 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:22:28.01 ID:TaOAbahR0

紬「ごめんね、みんな」

紬「特に、唯ちゃんに澪ちゃんに、りっちゃんに梓ちゃん……!」

紬「勝手なお願いになっちゃうけど、どうか、こんな私を、許して……」


梓「あ、頭をあげてください! ムギ先輩!」
25 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:23:19.91 ID:TaOAbahR0

澪「……それで、いいのか。よく考えた上での、答えなんだな」


紬「……うん!」


律「だったら、だいじょうビッ!」

梓「寂しくなりますけど、ムギ先輩の意志を尊重します!」



澪「あぁ。バンドも大学も大切だけど、ムギの人生が、一番だいじだからな!」



紬「……みんな、ありがとう」
26 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:24:51.36 ID:TaOAbahR0

澪「それで、夜逃げったって具体的にいつから始めるんだ?」

紬「……今日の、午前零時。日付が変わると同時に、ここを発っていくわ」

律「ちょ、急だな!」

紬「……これ以上遅れると、琴吹家の追跡チームに追い付かれてしまうから」

唯「……」


梓「でもでも、それだともう2時間もありませんよ!」

梓「荷物とか、どうするんですか!?」

紬「……ホントに迷惑かけてばかりだけど、みんな、纏めるの手伝ってくれないかしら」


唯「……」
27 :1 [sage saga]:2018/01/01(月) 00:26:16.40 ID:TaOAbahR0

律「おうとも! 任せとけ親友(マブダチ)よ!」

律「ふふふ〜。りっちゃんの旅行収納術を披露する時が来たようだな!」


澪「あぁ。他にも、できることあったら言ってくれ!」

梓「私もお手伝いします」

晶・幸・菖「うんうん!」
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