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五十嵐響子「ただいまを聞いて、おかえりを言いたい」
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8 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:25:50.27 ID:16FvpUZA0
かな子「響子ちゃん、すごいなぁ。なんでそんなに頑張れるんだろう?」
智絵里「うーん?」
悠貴「あっ、もしかして、プロデューサーさんが帰ってくるのを待ってるとかっ」
P「ただいま帰りました」
響子「!」
響子「プロデューサーさん、おかえりなさい♪」
かな子(すごい嬉しそうな顔してる)
智絵里(すてきな笑顔だなぁ)
悠貴(今日1番の笑顔ですねっ)
9 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:26:37.28 ID:16FvpUZA0
# 甘えてもらいたい
P「ただいま戻りました」
響子「おかえりなさい、プロデューサーさん」
P「響子もお疲れ様、今日はレッスン?」
響子「はいっ! トレーナーさんにもばっちりだって褒められちゃいました」
P「それは順調だな、今度はちゃんと見に行くよ」
響子「ありがとうございますっ。あの、それで、ですね」
P「ん?」
響子「えっと、Pさん、今お疲れですか?」
P「そうだなぁ、ちょっと寝不足かも……これから仮眠しようかなって思ってたところ」
10 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:27:06.74 ID:16FvpUZA0
響子「それはナイスタイミングです!」
P「えっと?」
響子「今の私は、お姉ちゃんモードなんですっ」
P「お姉ちゃんモード」
響子「はいっ。プロデューサーさんにお世話を焼きたくなっちゃうんです」
P「……」
響子「……」
P「誰にそそのかされたの?」
響子「み……通りすがりの猫ちゃんからアドバイスされました」
11 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:27:41.56 ID:16FvpUZA0
P「みくか……あとでお魚送りつけるか」
響子「違います、名無しの猫ちゃんなんですっ」
P「冗談だよ。それで?」
響子「こちらのソファーにちょっと座ってください!」
P「はいはい」
響子「そうしたら、目をつぶって力を抜いて、リラックスしてください」
P「ふむふむ」
響子「えいっ……えいっ。なんでプロデューサーさん、目開けてるんですか!」
P「そりゃ急に引っ張られたら目も開けますよ」
12 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:28:14.15 ID:16FvpUZA0
響子「私は膝枕してあげたいんです!」
P「やだ」
響子「どうしてですかっ。きっとぐっすり寝れますよ♪」
P「恥ずかしいです」
響子「まぁ、まぁ。そんなこと言わずに」
P「絵面がダメすぎるから、ほんとダメだから」
響子「あっ、隙ありですっ」
P「おわっ」
響子「ふふっ。Pさん、いつもお仕事お疲れ様です」
P「女の子に甘えるなんて、そんな……あっ、力抜ける」
響子「もう逃げられませんよ〜。ゆっくり目閉じてみてください」
P「き、きょう……こ……Zzz」
響子「おやすみなさい、Pさん」
響子「私にだって、Pさんから甘えてもらいたいときがあるんですよ?」
13 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:28:59.08 ID:16FvpUZA0
# 甘えたりもしたい
P「ただいま」
響子「おかえりなさいっ」
P「……?」
響子「……」うづうづ
P「どしたの、響子? なんか待ってる?」
卯月「それは、」
美穂「わたしたちが説明しますっ」
P「卯月と美穂か……響子に何を吹き込んだんだ?」
卯月「今の響子ちゃんは、妹モードなんです!」
美穂「私達があらかじめいっぱい甘やかしておきました」
14 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:29:25.18 ID:16FvpUZA0
P「甘やかしておいたって……で?」
美穂「なので今度はプロデューサーさんの番です」
卯月「さぁ、響子ちゃんをたくさん甘やかしてあげてください!」
響子「……」うづうづ
P「えっと、甘やかすって言ってもなぁ……」
響子「……」
P「……」ジーッ
響子「……」プイッ
P「あ、目逸らした」
P「これはこれで楽しいな」
15 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:30:02.62 ID:16FvpUZA0
P「うーん……」
響子「……うづうづ」
P「漏れてる、漏れてる」
P「こんなことしかできないけど」
響子「あっ」
P「いつもお疲れ様。響子がいてくれるだけで助かってるよ」
響子「え、えへへ、頭ぽんぽんされるの好きですっ!」
卯月「やりました♪」
美穂「作戦成功だね、卯月ちゃん!」
16 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:30:39.65 ID:16FvpUZA0
P「はい、これでおしまい」
響子「あっ。もっと、やっても……いえ、なんでもないですっ」
P「ふたりきりの時にしてくれ……俺も恥ずかしいよ」
響子「あ、はいっ。また、お願いしますねっ♪」
P「それで、なんで急に妹モードに?」
美穂「響子ちゃんがぼそっと」
卯月「プロデューサーさんにも甘えてみちゃおうかな……って呟いてたので」
響子「あーっ、それは内緒だって言ったじゃないですかっ」
卯月「あっ」
美穂「あっ」
P「詰めが甘いピンクチェックスクールでした」
17 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:31:19.59 ID:16FvpUZA0
# たまにはふざけてみても
P「ただいまー」
響子「旦那様、おかえりなさいませ」
P「……」
響子「あれっ、この格好似合ってない……ですか?」
P「……似合ってる」
響子「えへへ、嬉しいですっ」
P「それで、なんで執事服なんだ?」
響子「由里子さんにお借りしました!」
P「ゆりゆりぃ!!!」
由里子「ひえっ、良かれと思ったんだじぇ〜」
P「いい仕事するじゃねぇか!!」
由里子「さっすがPさん、わかってるね!」
18 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:31:48.07 ID:16FvpUZA0
響子「ん〜、こういう服も新鮮でいいですねっ。かっこいい系というか」
P「響子はかわいい系が基本線だからなぁ」
響子「そうですよね!」
P「でも表情だけなら結構いけると思ってた。かっこいい響子もありだな」
響子「ふふっ。大切な人には、ドキッとする味もお届けです♪」
P「これはご家庭にもオススメできるな、セクシー路線と違って」
響子「もうっ、もうっ。あれは心の準備がいるというか、あの夜だけですっ」
19 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:32:16.46 ID:16FvpUZA0
P「そんな響子さんに……新しいお仕事が」
響子「はいっ、なんでもいけちゃいますよ! 料理のレパートリーと一緒ですからね♪」
P「またセクシー系なんだけど」
響子「……」
P「……」
響子「旦那様、その衣装はわたくしには過ぎたお仕事にございます」
P「もういれちゃった」テヘペロ
響子「私のご家庭での安心感がぁ〜」
20 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:32:44.14 ID:16FvpUZA0
# 支えて、支えられて
響子(弱いけど雨降ってきちゃったな……Pさん、傘持ってないだろうし……)
響子(拭く用のタオル用意しておこっと)
P「……」
響子「あっ、Pさん。おか……ってびしょ濡れじゃないですか!」
P「っ! ただ、いま……」
響子「!」
響子「とりあえずそれで頭拭いちゃってくださいっ。ちょっとだけ待っててくださいね!」
P「……響子?」
21 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:33:11.70 ID:16FvpUZA0
響子「はい、あったかいはちみつレモン作ってきました♪ あったまりますよ〜」
P「あ、あぁ。ありがとう」
響子「Pさん、まだ髪濡れてるじゃないですか! 私が拭いてあげますねっ」
P「ち、ちょっと――」
響子「……」ギュッ
P「き、響子?」
響子「何かあったんですか? Pさん」
P「……なんでもないよ」
響子「落ち込んでるんですよね、私分かりますっ」
P「それは……」
響子「大丈夫ですよ、大丈夫……」
響子「誰も笑ったりしませんよ、だから思い切り泣いちゃってもいいんですよ」
P「……お、女の子に……なでられるなんてな……」
響子「男の人だから泣いちゃダメだなんて、そんなことありません」
響子「悲しいことは私とはんぶんこしましょう!」
22 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:33:38.70 ID:16FvpUZA0
P「……くっ……ううっ」
響子「いつも私達のために頑張ってくれて、ありがとうございます」
P「……せっかく上手くいきそうだった、みんなの仕事がさ……」
響子「うん、うん」
P「……どっかのだれかの……身勝手な都合でなくなっちまったんだ……」
響子「私、いつもPさんに支えてもらってます。でも、二人三脚で頑張ろうって言ってたじゃないですか」
P「あぁ……ぐすっ」
響子「私だってPさんのこと支えてあげたいんです!」
響子「頼りない女の子かもしれませんけどっ、それは譲れません」
23 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:34:22.87 ID:16FvpUZA0
P「ぐすっ……みっともないところを見せたな……」
響子「みっともないなんて思っちゃ、だーめーでーすっ! つらい時は誰だってつらいんですよ」
P「はい、響子先生のおっしゃる通りです」
響子「ふふっ。よろしい、ですっ♪」
P「しかし、よく分かったな」
響子「それは……」
P「それは?」
響子「……笑いませんか?」
P「今更笑うことなんてないよ」
響子「Pさんの『ただいま』が変な感じだったので……」
P「ははっ」
響子「あっ、笑いましたねっ!」
P「いや、その、なんか嬉しくてな」
響子「嬉しい、ですか?」
P「そんなことも分かるくらい、こんなやり取りをしてきたんだなぁって」
響子「えへへ、確かにそうですね♪」
P「よーし、響子に元気も貰ったし、諦めずに頑張るかー!」
響子「はいっ。いつものPさん、おかえりなさいっ!」
24 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:34:58.18 ID:16FvpUZA0
# 肉じゃがのひと手間
P「ただいま」
響子「Pさん、おかえりなさい。お昼、食べてきちゃいましたか?」
P「いや、まだだな。お腹ぺこぺこだよ」
響子「やった♪ お弁当作ってきたのでどうぞっ」
P「15歳の担当アイドルに手作り弁当を差し入れさせるなんてな……」
響子「もうっ。せっかく作ってきたのに、いらないんですか?」
P「いります」
響子「素直で良い子です♪」
25 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:36:06.50 ID:16FvpUZA0
P「それで響子お手製弁当には何が入ってるんだ?」
響子「からあげとかウィンナーとか、あと私自慢の肉じゃがが入ってます」
P「ほー。肉じゃがって弁当箱に入れるの大変じゃないか?」
響子「よくぞ、聞いてくれましたっ!」
P「ほうほう」
響子「作るときに片栗粉を混ぜてとろみをつけたり、かつお節を下に敷いて汁を吸ったりしてるんですよ」
P「ひと手間、必要なんだな。大変だなぁ」
響子「でも、大事で、愛情のこもったひと手間だと思います! 食べる人のことを想う、というか」
P「そんなものがいただけるなんて、感謝の極み」
26 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:36:34.64 ID:16FvpUZA0
響子「はいっ」
P「あの……響子?」
響子「なんでしょう?」
P「届かないんだけど……」
響子「あの、あーんってやってみたくてですね」
P「ここで!?」
響子「やっぱり、気持ちこもってるので、肉じゃがかな?」
P「聞いて!?」
響子「どーれに、しよっかな〜♪」
P「ダメだ、このモードになった響子には勝てない」
27 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:37:01.62 ID:16FvpUZA0
響子「それで?」
P「……肉じゃがで」
響子「ふふっ。Pさんってちょっぴり子どもっぽかったりします?」
P「そうかも……なんかおべんとって嬉しくてさ」
響子「はい、あ〜ん♪」
P「あーん…もご、むぐ」
響子「お味はいかがですか?」
P「恥ずかしくて分かりません」
響子「……Pさん?」
P「うそうそ、とっても美味しいです」
響子「えへへ、あー、良かったぁ」
28 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:37:48.98 ID:16FvpUZA0
# おかえりの少し前
響子(レッスンも終わったし、おっそうじ、おっそうじ〜♪)
響子「あなたにTiny Tiny♪ ちっちゃなHeart、キュッと詰め込んで♪」
響子「あっ、Pさんまた書類散らかしてっ」サッ
響子「今日はとっておき、ミラクルレシピ〜♪」クルッ
琴歌「響子さん、どうしてあんなにご機嫌なのでしょう?」
星花「ふふっ、もうすぐ分かりますわ」
29 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:38:19.53 ID:16FvpUZA0
響子(ええっと、Pさんのスケジュールは……)
響子(うん、15時に帰社予定で間違い無しっ)
響子「よしっ、綺麗になった!」
響子(箒は片付けちゃって。あっ、今日は寒かったから……よーしっ♪)
響子(お湯を沸かして、コーヒー2杯に砂糖が1杯、ミルクちょこっと)
響子「あなただけの、ミラクルレシピ〜♪」
琴歌「なんというか……」
星花「新妻ってきっとこんな感じなのでしょうね……」
30 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:39:07.76 ID:16FvpUZA0
響子「もうすぐ15時っ」
響子(Pさんの机の上よし、玄関よし)
響子(あっ、私!)
響子(髪は大丈夫、服はちょっと整えて、ネックレスの位置は直して……)
響子(にこっ! 笑顔よしっ。かわいい、かわいい)
パタパタパタ
響子(お出迎え、お出迎えっ♪)
「ただいまー」
響子「Pさん、おかえりなさいっ」
31 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:39:57.78 ID:16FvpUZA0
# ただいまの少し前
P(ふーっ、しんどかった……)
P(でも時間通りにきっちり会議が終わってくれると助かる、助かる)
P(この後は帰社して、事務仕事かー)
P(アイドルのみんなは……外のお仕事は誰も入ってない)
P「よし、ちょっと一服してから帰るかなぁ」
P(ん?……そういえばレッスン組は、琴歌と星花と……響子か)
P(……)
P(……いやいやいや、別に期待してるわけじゃない、わけじゃないけど)
P「……やっぱり直帰しよ」
32 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:40:28.45 ID:16FvpUZA0
P(帰ると、響子が出迎えてくれるようになったのはいつからだろう)
P(もちろん響子にも俺にも仕事があるから、いつもってわけじゃないけど……)
P(それでも遭遇率というか、出迎えてくれることの方が多いような気がする)
P(もしかして待っててくれてんのかな)
P(それは流石に甘えすぎじゃないかな……でも言っても聞かないしなぁ)
P(私がやりたいからやってるんですって言われると勝てない……響子は意外と押しが強い
33 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:40:55.90 ID:16FvpUZA0
P(それになにより……)
P「いつのまにかこの時間が楽しみになってる……ってか」
P(ドアを開けるといつも誰かがいる)
P(前は気にしたことなんてなかったけど)
P(帰りを待っててくれる人がいるって、出迎えてもらえるってすごく嬉しいことだ)
P(今日はどんな格好で、どんな服装で、どんな笑顔で迎えてくれるんだろう)
P(そんなことを考えながら、今日もこのドアノブを回す)
P「ただいまー」
「Pさん、おかえりなさいっ」
34 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:41:29.09 ID:16FvpUZA0
# つめたいもの
P「ただいま」
響子「おかえり、なさい」
P「!」
P「……」
響子「Pさん、顔が怖いですよっ。どう、したんですか?」
P「……」
響子「ひゃあっ。ぴ、Pさん、顔ちかっ」
P「……あっつ。響子、熱出してるじゃないか!」
35 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:42:15.73 ID:16FvpUZA0
響子「えへへ、ちょっと調子悪いかなーって思ってたんですけど、みん――」
P「無理は良くないっていつも言ってるだろ!!!」
響子「で、でも、たぶん微熱ですし、」
P「体調をおしてまで、こんなことしてちゃダメだ!!」
響子「〜っ!」
響子「こんなことなんかじゃありません!! 私にとっては、私にとっては……」
響子「ぐすっ……Pさんなんかもう知りませんっ!」
P「あっ……やっちまった……」
P「……」
P「美世……すまん、車出して響子を寮まで送ってやってくれないか」
美世「いいけど、いいの?」
P「……頭冷やしてからにするよ」
美世「はーい。じゃあ、Pさん、お疲れ様。ちゃんと仲直りしなきゃダメだよ!」
36 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:42:43.30 ID:16FvpUZA0
P「はぁ〜……」
美玲「なにあれ?」
志希「心配するあまりつい強く言ってしまって崩れ落ちるプロデューサーの図〜」
P「そこ、やかましい!」
志希「にゃはは〜、でも今のは乙女心が分からないプロデューサーが悪いよ〜」
P「うぐっ」
美玲「志希! トドメを刺してどうすんだよっ!!」
P「そうだよな、どうせ俺なんか……」
37 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:43:35.61 ID:16FvpUZA0
P(朝飲みかけたコーヒーが残ったままだ)
P(響子がいてくれたら、あったかいコーヒーいれてくれたのかな……)
P(いやいや、体調管理はアイドルの基本。ちょっとしたものでも無視するなんて……)
P(それよりも、誰かに会える嬉しさの方が強かったのかなぁ)
P「つめたいな……コーヒー」
38 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:44:18.59 ID:16FvpUZA0
# あったかいもの
P「……」
響子「……」
裕美「ふたりとも黙ったまま動かないけど……大丈夫かな?」
あずき「あれっ、あずきの仲直り大作戦がっ」
P「……」
響子「……」
ピィィィィィィ
P「……ちょっと行ってくる」
響子「……」
39 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:44:52.26 ID:16FvpUZA0
コトン
P「これ」
響子「……あっ、カフェオレ……」
P「その……ごめん。あったかいものでも飲んでさ、落ち着こうぜ」
響子「ふふっ、Pさんがそれを言うんですか?」
P「悪かった」
響子「えへへ、私、これで強がれなくなっちゃうなんて、安上がりですね」
響子「体調管理をちゃんとしてなくてごめんなさい」
P「響子の気持ちも考えずにきついこと言ってごめんなさい」
裕美「わぁっ」
あずき「作戦大成功だね!」
40 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:45:24.54 ID:16FvpUZA0
P「はぁー、良かった……響子に嫌われたら生きていけないところだった」
響子「もうっ。おおげさですよっ」
P「今度からはもうちょっと響子の気持ちも考えていくよ」
響子「ありがとうございます……あの、」
P「ん?」
響子「その、仲直りのしるしにやって欲しいことがあるんです」
P「なんでも言ってくれ、悪いことしたって思ってるからな」
響子「『ただいま』って言ってくれませんか」
響子「私にとっては、お節介かもしれないけど、大切にしたいことなんです」
P「それだけでいいのか?」
響子「はいっ。大事な大事な、おまじないみたいなものですっ」
P「……」
響子「……」
P「ただいま、響子」
響子「えへへ。Pさん、おかえりなさい!」
41 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:45:53.80 ID:16FvpUZA0
# わたしの仕事
P「ただいま−」
響子「おか――」
千佳「Pくん、おかえりっ」
舞「プロデューサーさん、おかえりなさい」
桃華「Pちゃま、おかえりなさいませ」
小春「Pさん、おかえりなさい〜」
P「おうおう、ちびーず揃ってどうした、どうした?」
千佳「あのね、あのね――」
響子「……むぅ」
42 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:46:21.65 ID:16FvpUZA0
杏「五十嵐響子、ちびっ子に嫉妬するの巻」
響子「うわぁっ、杏ちゃん、どこにいたんですか! というか嫉妬なんてしてませんっ」
杏「え〜、でも、今私のPさんを盗られた〜って目だったよ」
響子「そんなこと、そんなこと……ない、ですっ」
杏「おかえり係は響子ちゃんの仕事だったしねー」
響子「なんですか、その係! それに私だっていつもやってるわけじゃ……」
杏「あんなにみんなの前でいちゃついておいて?」
響子「いちゃついてないです! 普通のやり取りです!!」
杏「でもちょっとくらいは?」
響子「……あります」
43 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:46:49.93 ID:16FvpUZA0
P「あっ、いたいた」
響子「Pさん……」
P「響子、ただいま」
響子「え、あっ、はい。おかえりなさいっ」
P「なんかいつもやってるから、響子に言われないと落ち着かなくてな」
杏「ほらぁ〜」
P「なにがほら〜なんだよ」
杏「響子ちゃんを見れば分かるでしょ」
響子「えへへ、えへへ。やっぱり私のお仕事なんですねっ」
44 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:47:30.78 ID:16FvpUZA0
# 新婚ごっこ
P「ただいまー」
響子「……」
P「響子?」
響子「あなた、おかえりなさいっ。ご飯にしますか、お風呂にしますか、それとも…あ、あた…」
P「あた?」
響子「や、やっぱり無理です〜っ」
P「あっ、ち、ちょっと……逃げちゃった」
レナ「まだまだうぶね、響子ちゃん」
P「レナさんの仕業ですか……あんまり響子で遊ばないでくださいね?」
レナ「あら、亜里沙と清良も一枚噛んでるわよ。それにP君だってまんざらでもなかったでしょ?」
P「そりゃ、あんな可愛い子に言われたら嬉しいですよ」
響子「はうっ」
レナ「妬けちゃうわね、Pさんはもし私がやってもドキドキしてくれる?」
P「もちろんです!」
響子「むぅ……」
45 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:48:11.11 ID:16FvpUZA0
響子「ありさ先生〜」
亜里沙「よしよし、響子ちゃん。ウサコちゃんも応援してますよ〜。ガンバレ、ガンバロー!」
清良「プロデューサーも癖になっちゃうような処置だと思ったんですけど……あんまり効果なかったかな?」
P「亜里沙さんも清良さんもほどほどでお願いしますね」
亜里沙「Pくんがもっと響子ちゃんを気にかけてあげなきゃ」
清良「そうですよ、プロデューサー」
P「うーん、自分的には結構甘やかしてるつもりなんですが」
レナ「逆じゃないの?」
P「それは否定できませんね」
46 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:48:47.49 ID:16FvpUZA0
P「例えば、お疲れ様って頭をぽんぽんすると顔がふにゃってなって、サイドテールが尻尾みたいに揺れるんですよね」
響子「……Pさん?」
P「おっと」
P「最近は髪にもいじらせてくれる――」
響子「Pさん!」ポカポカ
P「はははは、どすこい、どすこい」
響子「あっ、Pさん。ネクタイが曲がっていますよ」
P「えっ。いつからだろう、恥ずかしっ。こうか?」
響子「違います、私が代わりにやりますよっ」
P「すまんなぁ」
響子「はいっ……うん、格好良くなりましたよ♪」
P「響子に褒められると調子に乗っちゃうからやめて」
響子「じゃあ、もっと褒めちゃいますからねっ」
レナ(夫婦なんだよなぁ)
亜里沙(夫婦なんだよなぁ)
清良(夫婦なんだよなぁ)
47 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:49:27.58 ID:16FvpUZA0
# みんながきっと想ってる
P「ただいま」
響子「おかえりなさいっ♪」
P「今日の打ち合わせはしんどかった……緊張すると肩がこるな」
響子「あっ。じゃあ、肩もみしましょうか?」
P「申し訳ないけど、お願いしてもいい?」
響子「いいですよ♪ ぐりっと」
P「響子、痛い、痛い!」
響子「変な姿勢で固まってるPさんが悪いんですよっ」
P「あ゛ー……あ゛ー」
48 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:49:55.42 ID:16FvpUZA0
こずえ「……」
忍「こずえちゃん、どうしたの?」
こずえ「ねぇ、しのぶー」
こずえ「きょうこは……ぷろでゅーさーのよめ、なのー?」
響子「えっ」グリッ
P「ぐぇっ」
忍「それは、えっと、アタシには分からないかなー。Pさん、パスっ」
P「こっちに投げられても!」
49 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:50:23.84 ID:16FvpUZA0
こずえ「ぷろでゅーさーは……しあわせものー」
響子「ですって、Pさん♪」
P「なんで響子もそっち側なんだよっ」
こずえ「みんな、そう、いってるー」
響子「 」
P「みんなに言われるくらいだったか……」
響子「あわわわ、私にそんなつもりは、ちょっとお世話を焼いてるくらいで」
こずえ「はやく、くっつけーって」
響子「あぅぅぅ」
P「こずえ、そのへんにしといてやってくれ! 響子がオーバーヒートするっ」
こずえ「ぷろでゅーさーも……まっかー」
P「はぅわっ」
50 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:50:58.76 ID:16FvpUZA0
# おかえりを言いたい
P(今日の会議は長引いたな……さすがにもう誰もいな…あれ、電気がついてる)
P(もしかして……)
P「おーい……やっぱりか」
響子「あっ。Pさん、お疲れ様です!」
P「こんな遅くまで待ってなくていいんだぞ?」
響子「えへへ、その、もう習慣になっちゃってるので」
P「まったく……ありがとな」
響子「はいっ。その……ちょっとお話したくて、ですね」
51 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:51:25.74 ID:16FvpUZA0
P「じゃあ、カフェオレでもいれようか」
響子「あっ。準備してあります!」
P「もう手慣れてるな」
響子「いつものやり取りですからね」
P「ふーっ、響子が淹れてくれるとちょうどいいなって思うよ」
響子「Pさんの好みはばっちり、ですっ」
P「ははっ。俺、響子に甘えてばかりで何もしてあげられてないんじゃないか」
響子「そんなことないです! Pさんは、なんていうのかな……」
響子「たまにお姉ちゃんを、アイドルを、やめたくなるときに帰ってこられる場所なんです」
響子「甘やかしてくれて、お世話してくれたりするのはPさんだけですよっ」
P「それなら良かった……なんか、いつもと逆だな」
52 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:51:53.14 ID:16FvpUZA0
響子「逆、ですか?」
P「いつもは俺が帰ってきて、響子に出迎えてもらうだろ?」
響子「はいっ」
P「そう言われるとさ、お互いの心に帰ってきてるんだなって」
響子「えへへ、そう、そうですよね」
P「……」
響子「……」
響子「あの、聞きたいこと、というか、聞いてほしいことがあって」
P「……ん」
響子「その、Pさんは事務所のみんなが……くっつけーって言ってること、どう思ってます、か?」
P「それは……」
53 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:52:40.17 ID:16FvpUZA0
響子「私、Pさんにアイドルにしてもらって、とっても幸せです」
響子「だから、私の1番大切な人が誰なのか分かってもらえたらなって思って」
響子「そんな打算的な気持ちもちょっぴりあって、ずっとお世話を焼いちゃってたんです」
P「……うん」
響子「Pさんとただいま、おかえりってやり取りするの、すごくあったかくて優しくて」
響子「ケンカしちゃった日もありましたけど、たくさんの幸せの日がそれを忘れさせちゃうくらい」
P「そんなこともあったなぁ」
響子「はい。小さい頃から、私の将来の夢はお嫁さんになること、でした」
響子「でも、今はアイドルだから、Pさんのくれるお仕事に夢中だから」
P「……」
響子「本物のお嫁さんになれるのは、まだまだ先です、よね」
響子「今はこれからもPさんと一緒に、こんなやり取りができたらいいなって」
響子「私もいつだってPさんの帰ってこられる場所になりたいんです。おかえりなさいってあなたに言いたいんです」
P「……」
響子「どう、ですかっ?」
54 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:53:22.16 ID:16FvpUZA0
P「正直……好きだって、付き合ってくれって言われるかなって思ってた」
P「響子は、俺が思っているよりずっとずっと偉いな。こんな良い子にそんなこと言ってもらえるなんて」
響子「えへへ、でも……」
P「でも?」
響子「お仕事に夢中になりすぎて、いき遅れちゃったりしたら……責任取ってくれるんでしょうか?」
P「……」
響子「なぁんて♪ 困っちゃいますよね、」
ちゅっ
響子「あ、あれっ。い、今……」
P「今はほっぺたで我慢な」
響子「え、えっと、は、はいっ」
P「あれだけ一緒にいるとさ、惚れるよ、そりゃ」
響子「……」
P「今は、これからも一緒に、ってことしか誓えないけど……」
P「それでも自分のすべてをかけて誓うよ」
響子「えへへ、それで十分ですっ」
55 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:53:51.62 ID:16FvpUZA0
響子「はいっ」
P「その手は?」
響子「Pさんも、もう分かってるんじゃないですか?」
P「……そうだな、いつもどおりだな」
響子「はいっ、いつもどおりですよっ♪」
P「……」
響子「……えへへ」
P「ただいま」
響子「おかえりなさい、Pさんっ」
56 :
◆tues0FtkhQ
[saga]:2017/12/31(日) 21:54:18.55 ID:16FvpUZA0
おしまい。
ただいま、おかえりの何気ない日常のやり取りが好きです。
響子ちゃんはかわええなぁ。
前に書いたの。
喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514102608/
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 09:33:07.31 ID:gIJmOCFfo
おつおつ
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