【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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550 : ◆CiPcK8.1Gc [saga]:2018/03/17(土) 18:53:40.99 ID:MJksQBve0





優花里「待ってくださいっ!エリカ殿!!」

エリカ「……何?」

優花里「あのっ、沙織殿達ともう一度話してもらえませんかっ!?」

エリカ「言ったでしょ?やる気の無いやつにいられても迷惑だって」

優花里「違いますっ!!お二人は決して戦車道が嫌になったとかじゃっ」

エリカ「……わかってるわよ。でも、私の指示に従えないなら同じことよ」

優花里「お二人は、え、エリカ殿の事を誤解してるんです!!あの、本当の事を話せばきっとっ!」

エリカ「っ……黙れっ!!」

優花里「っ!?」ビクッ
551 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/17(土) 18:54:46.90 ID:MJksQBve0
エリカ「あなたに……あなたに何が分かるのよっ!?知識だけで、何も知らないあなたにっ!?」

優花里「っ……」

エリカ「あ……ごめんなさい、私……帰るから」スタスタ

優花里「……なんで、なんでですかっ!!?こないだは、アンツィオ戦後はあんなに笑ってたじゃないですかっ!!?

    敵も味方も関係なしに笑って、はしゃいで……エリカ殿だってっ!!なのにっなんでこんな事になっちゃうんですかエリカ殿っ!!?」

エリカ「……それが、偽物だったってだけでしょ」

優花里「っ!?何、言って……」

エリカ「じゃあね、優花里。……また明日」

優花里「……エリカ殿の、エリカ殿の……っ馬鹿あああああああああああああああああっ!!」
552 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/17(土) 18:55:23.90 ID:MJksQBve0







エリカ「……ええ。ほんと、救えないわね」





553 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/17(土) 18:56:28.54 ID:MJksQBve0






初めてあなたと一緒の戦車に乗った日

私は長い間、本当に長い間忘れていた気持ちを思い出した

小さなII号戦車に私が車長と砲手であなたが操縦手

私が指示をし時にはあなたが指示をして……あの瞬間、私は一人じゃなかった

ひたすら夢中で戦車を動かして、試合が終わった後になってようやく気付いた

ああ、そうだ。戦車道ってこんなに楽しかったんだって

それを思い出した瞬間涙が流れて、止まらなくて

そんな私を見てあなたはあたふたしながらもそっと、頭をなでてくれた

貴女がいたから、私は私を思い出せた






私は、貴女に――――エリカさんに救われたんだよ






554 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/17(土) 18:58:31.26 ID:MJksQBve0
>>547 ド派手にミスしました。上の部分は無視してください。

続きは水曜で。

555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 19:11:20.67 ID:jnyG5xnK0
乙です
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 19:26:33.80 ID:5Q/FE+ASO
>>520
ホシノの消化器はどうなったんだ?
557 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/17(土) 19:54:02.18 ID:MJksQBve0
>>520 これもですね。

ナカジマ「あちゃー、ホシノー消化器消化器ー!!」
      ↓
ナカジマ「あちゃー、ホシノー消火器消火器ー!!」

上記の訂正でお願いします。消火器今回は一発で変換できたのに……
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 20:45:59.07 ID:hfwr+C9XO

これもエリカの偽悪なんやろか・・
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 21:33:26.51 ID:324ylkero
乙ー
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 00:52:01.01 ID:U/Uvb0aq0
自分のせいでみほが死んだのが受け入れられないのと、周りがみほを悪く言うのに耐えられなくて自分を偽ってるのかな
まほはそれを分かっていながら、分かっているからエリカを許せないとか
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 01:45:02.47 ID:K+rnhAUTo
乙乙
れまこはなんか感づいてそうな感じでもあるな
やっぱこれエリカが○○なんだろうか
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 14:59:52.74 ID:tdacCBqqo
うんちだった…さいこうに
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 00:00:17.44 ID:tyUBBHed0

今回、かなり大事なところかも
とにかく次が気になる
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 00:40:52.94 ID:1k1Nl+IsO
よし、水曜日になったな(錯乱
565 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:07:21.20 ID:6ScmyZv60
始める前に、

>>547 はやっぱり エリカ「馬鹿な副隊長よ―――あぁ、『元』だったわね」

でお願いします。

  
566 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:08:15.55 ID:6ScmyZv60






エーリっカさん♪



――やめて







567 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:10:02.71 ID:6ScmyZv60





エリカさんっ!



――黙れ




568 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:11:29.39 ID:6ScmyZv60





エリカさん



――私は、



569 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:12:51.35 ID:6ScmyZv60







エリカさん。貴女に会えて、良かった







弱いあなたが憎くてたまらない





570 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:16:13.05 ID:6ScmyZv60




エリカ「っ!?」バッ


チュンチュンチュン


エリカ「……っ、最悪の目覚めね」





『私……もうあなたの戦車には乗らないッ、あなたのような人と一緒に戦えないッ!!』

『死者を、それも命の恩人を愚弄するような輩と共に歩く道は、私にはありません』






エリカ「……全部夢だったらいいのに」


571 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:21:46.61 ID:6ScmyZv60






エリカ「……」モグモグ

麻子「逸見さん?」

エリカ「麻子?どうしたのよこんなところで」

麻子「ここは私の昼寝スポットの一つだ。校舎の影で人通りも少なくて涼しいからな」

エリカ「そう」

麻子「逸見さんこそ、こんなところで昼食か」

エリカ「たまには一人でパン食べるのもいいかなって思っただけよ」

麻子「……そうか」

エリカ「……っと、私は食べ終わったから戻るわね。あなたも昼寝は良いけれど授業はちゃんと出なさいよ」

麻子「沙織みたいなことを言うんだな」

エリカ「……じゃあまたね」

麻子「……ああ」
572 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:26:57.78 ID:6ScmyZv60





桃「いよいよ次は準決勝だっ!!相手は前回の優勝校であるプラウダ高校っ!!全員、気を引き締めろっ!!」

杏「……あれ?武部ちゃんと五十鈴ちゃんは?」

優花里「そ、それは……」

エリカ「二人とも今日はお休みよ。体調が悪いんじゃない?」

杏「……そっか」

桃「二人ともたるんでるなっ!」

杏「まーまー、いいじゃないの。そんな時もあるよ」

桃「ですが会長……」

エリカ「とりあえず今日の練習はいつも通りの基礎訓練よ。参加車輛が増えたとはいえ、相手の15輌に比べれば依然心もとない数。

    だからこそ各車、各チームの技量を高める必要があるわ。数の少ない有象無象を少数精鋭にまで押し上げる。そのための基礎よ」

梓「はいっ!」

あゆみ「また基礎かぁ……」

あや「たまにはドンパチした練習がやりたいなぁー」

梓「あゆみ、あやっ!!」

エリカ「気持ちはわかるけれどこれも必要な事よ。それじゃあ早速始めましょう」
573 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:30:32.14 ID:6ScmyZv60





優花里「今日は3人で動かすことになるんですね……」

エリカ「仕方がないでしょ。ほら、さっさと乗って」

麻子「ん」

優花里「はい……」

エリカ「……っと」

麻子「それじゃあ出すぞ」

エリカ「……」

優花里「エリカ殿?」

エリカ「……やっぱり今日はW号は出さないでおきましょう」

優花里「え?」

エリカ「皆、悪いけど練習内容を変更するわ。W号を抜いた7輌で4対3の紅白戦をしましょう」

梓『え?』

エルヴィン『こちらは構わないがどういう風の吹き回しだ?』
574 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:32:36.15 ID:6ScmyZv60
エリカ「……基礎はもちろん大事。でも、チームの実力を把握しておくのも連携には必要なことよ。

    その点紅白戦はそれにうってつけって事。初心者のカモさんチームとレオポンさんチームは一緒でお願い」

桃『キリが悪いな……お前たちは参加しないのか?』

エリカ「あら?今さら私たちの実力を図る必要がある?」

ねこにゃー『逸見さん超強気……』

エリカ「……冗談よ。麻子と優花里にはカモさんとレオポンさんチームのサポートをお願いしたいからね」

そど子『私たちはまだ初心者なんだからそのあたり頼むわよっ!!』

ナカジマ『こっちも動かす以外は素人だからお願いねー』

エリカ「って事だから麻子、優花里お願いね」

優花里「は、はい」

麻子「……わかった」
575 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:35:42.45 ID:6ScmyZv60
桃『お前はどうするんだ?』

エリカ「私は監視台から皆の試合を見させてもらうわ。桃ちゃん、最近は0距離なら当てられるようになったけど、もうちょっとなんとかなるようにしなさい」

梓『0距離なら当たるようになったんだ……』

優花里「エリカ殿の必死の指導でなんとかそこまで持ってけるようになりました……」

エルヴィン『ある意味才能だな……』

桃『うるさいうるさいっ!あと桃ちゃん言うなっ!!』

エリカ「桃ちゃんだけじゃないわ、ウサギさんチームは指示を守るために他がおろそかになる時がある。指示を守るのと自分の頭で考えないのは別よ。

    隊長からの指示をただ受けるだけなら車長なんていらないわ。その事をよく考えなさい」

梓『っ……はいっ!!』
576 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:36:52.39 ID:6ScmyZv60
エリカ「カバさんチームはなまじV突に火力があるせいか攻め急ぐ癖があるわ。突撃砲の運用は待ち伏せが基本よ。

    聖グロの時のように瞬時に地形を把握して自身に有利な状況を見つけられるようにしなさい」

エルヴィン『耳が痛いな』

エリカ「アヒルさんチーム、火力も装甲もない八九式で偵察をこなせるようにしたのは良いけれど、それはほかの戦車でもできることよ。

    あなた達がその子を選んだのだから、誰にも負けないっていう自信を持って、もっと技術を高めなさい」

典子『はいっ!!』

エリカ「アリクイさんチームはラッキーパンチを狙いすぎ。桃ちゃんほどじゃないけれど闇雲に撃つ癖があるわ。

    三式は砲撃に車長と砲手の息を合わせる必要がある。もっとタイミングを見極めて確実な瞬間をとらえなさい」

ねこにゃー『りょ、了解』
577 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:39:30.01 ID:6ScmyZv60
エリカ『カモさんチームはまだ戦闘は難しいでしょうけど、B1は装甲が厚いわ

    焦らず、麻子たちの指示を聞いて出来る事からやって』

そど子『はい』

エリカ「レオポンさんチームは操縦に関しては心配してないわ。でも、癖が強い戦車には変わりがない。

    実戦形式で動かす中で、そのあたりを掴んで本番でもしっかり動かせるようにして」

ナカジマ『オッケー』

エリカ「それじゃあ始めましょう」
578 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:43:11.47 ID:6ScmyZv60





桃『アヒルさんチームだ撃て撃てーっ!!』

エルヴィン『うぉおおおおおっ!?なんでっ!?なんでこっち飛んでくるっ!?』

桃『また外れか……』

ねこにゃー『いやあれはもはや空間が曲がってないとおかしい弾道だったような……』

典子『何か知らないけど今のうちに逃げよう』
579 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:45:12.89 ID:6ScmyZv60






ゴモ代『う、うわわっ、冷泉先輩どうすればっ!?』

麻子『こう、レバーをグイっとしてなんかこう、シュッってやった後ウィィィンってやればいい』

ゴモ代『わかりませーんっ!』

そど子『ちょっと冷泉さんっ!ちゃんと教えなさいよっ!!』

麻子『……めんどくさいな』
580 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:47:41.73 ID:6ScmyZv60





ホシノ『ナカジマーエンジンがお熱っぽいぞ』

ナカジマ『仕方ない、ちょっとあやすね』

梓『嘘っ!?走りながらっ!?』

優花里『設備の無いところであのレベルの修理をできるだなんて!信じられないです!!』
581 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:48:48.38 ID:6ScmyZv60





左衛門座『ウサギ狩りだーっ!!』

梓『あんなところにっ!?』

エルヴィン『背の高いお前らはよく見えていたぞ』
582 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:49:41.57 ID:6ScmyZv60




シュポッ シュポッ

エルヴィン『……相打ちか。まさか車高の高さを利用してあんな攻撃をしてくるとはな』

梓『まさか車高の低さをあんな形で利用してくるだなんて……』

エルヴィン・梓『『……ま、実戦じゃ絶対できない動きだけど』』





エリカ「終わったわねー?それじゃあチームを変えてもう一回よ」

『はーい!』

エリカ「……」






エリカ「沙織、華……」ボソッ





583 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:52:26.38 ID:6ScmyZv60






エリカ「……」モグモグ

麻子「……逸見さん」

エリカ「麻子?なんでこんなところに……」

麻子「私の昼寝スポットは学園艦の各地にある。ここもその一つだ」

エリカ「そ、そう」

麻子「逸見さんはまたぼっち飯か」

エリカ「言ってくれるわね……」

麻子「秋山さんはどうした」

エリカ「……正直、今はあの子と話しても傷つけるだけよ」

麻子「……隣、いいか?」

エリカ「いいけど……昼寝はどうしたのよ」

麻子「少し、話をしよう」

エリカ「……」
584 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:57:00.35 ID:6ScmyZv60
麻子「逸見さん。沙織が何であんなに怒ったかわかるか?」

エリカ「……説教ならやめてほしいわ」

麻子「そうじゃない。ただ、沙織が誤解されているのはあまり嬉しくないから」

エリカ「誤解?」

麻子「沙織は、逸見さんが西住さんとやらの死を侮辱したから怒ったんじゃないんだ」

エリカ「……なら、何よ?」

麻子「沙織は逸見さんの『酷い言葉』に怒ったんじゃない。酷い言葉を『逸見さん』が言ったから怒ったんだ」

エリカ「……」
585 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:59:15.76 ID:6ScmyZv60
麻子「私は沙織が誰かをぶつのも、あからさまに人を避けるのも初めて見た。……沙織は誰とでも仲良くできる。

   もちろん中には反りが合わなかったりする奴がいたかもしれん。それでも沙織は表面上を取り繕って波風をたてないようにする。お互いのためにな」

エリカ「よくやるわね」

麻子「ああ、私もそう思う。だけど逸見さんにはああいう態度をとった。その意味を、その理由を……理解してほしい」

エリカ「……」

麻子「言いたいことはそれだけだ。こないだ言った通り、二人が仲直りしようがしまいが私は最後まで逸見さんについていく。……後は好きにするといい」スクッ 

エリカ「麻子」

麻子「……」

エリカ「私は、沙織を誤解したことなんて一度もないわ」

麻子「……なら、それをちゃんと言ってやれ。話せばわかるのに勝手に決めつけて、それが最後になるだなんてのを私は……もう見たくないんだ」スタスタ

エリカ「……はぁ、私って本当に馬鹿ね」
586 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 19:00:31.89 ID:6ScmyZv60
相変わらず自分の文章は三点リーダーの消費が多いなぁと思います。

今日はここまで。次は土曜で。
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:02:47.47 ID:9qORbLqq0
乙ー
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 00:41:11.09 ID:jhCntQN90
乙ッ!
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 04:17:12.98 ID:VHgu0Gl7o
乙ー
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 09:25:27.78 ID:RwdfsBLcO
乙、桃ちゃんやるやん
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 09:54:06.97 ID:HNnspzTSO
でもモテない
592 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:10:14.83 ID:bE28mdZg0




キーンコーンカーンコーン


ザワザワ

カエリドッカヨローヨー

ジャア、ワタシ アマイモノタベターイ




エリカ「……」

沙織「……華、帰ろう」

華「……はい」
593 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:13:51.12 ID:bE28mdZg0
エリカ「……っ沙織、華っ!!」ガタッ

沙織「……」

エリカ「あなた達と話がしたいっ!!」

沙織「……私は、逸見さんと話したくない」

エリカ「っ……」

沙織「……華、行こ」スタスタ

華「……沙織さん」


ガシッ

エリカ「お願い、話を聞いてっ……」

沙織「っ……うるさいっ!!」ダッ

エリカ「沙織……」
594 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:16:00.97 ID:bE28mdZg0






優花里「追ってくださいっ!!」






エリカ「優花里……?」

優花里「いいからっ!!早く行ってっ!!ここで諦めたら――――きっと後悔しますよっ!?」

エリカ「――――うんっ!!」ダッ
595 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:21:41.53 ID:bE28mdZg0
優花里「……エリカ殿、頑張ってください」

麻子「まったく、騒がしいやつらだな」

優花里「麻子殿……」

麻子「……秋山さん」

優花里「?」

麻子「……大丈夫だ」

優花里「……はいっ」





華「……私、置いてけぼりですね」

優花里「あ……」
596 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:25:19.89 ID:bE28mdZg0





ダダダダダッ!!

エリカ「沙織っ!!」

沙織「ついてこないでっ!!」

エリカ「嫌よっ!絶対に逃がさないわっ!!」



カエサル「何やってんだあいつら……」

エルヴィン「ラップランドか?」

カエサル「ゲルマン民族大移動だ」

左衛門座「いや、島津の退き口だな」

おりょう「いやいや逃げの小五郎ぜよ」

「「「それだっ!」」」



典子「隊長、ランニングですかっ!?お付き合いしますっ!!」

ねこにゃー「キャプテン、それは違うと思うな……」
597 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:28:53.75 ID:bE28mdZg0




ダダダダダッ!!


沙織「逸見さんとはもうなんでもないんだからっ!!」

エリカ「今さら他人行儀な呼び方しないでっ!!」






梓「エリカ先輩に武部先輩……?」

あや「どうしたんだろ?」

優季「痴話喧嘩かもよぉ?」

あや「男の取り合い……」

梓「変なこと言わないでっ!!」

紗希「……」ボーッ
598 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:32:07.85 ID:bE28mdZg0





ダダダダダッ!!


エリカ「お願いっ話を聞いてっ!!」

沙織「うるさいうるさいっ!!」





杏「逸見ちゃんたち何してんだろ」

柚子「廊下は走っちゃだめだよー……」

桃「武部の奴、体調不良だと言ってたのに元気じゃないかっ!?」



ナカジマ「廊下でレースかな?」

ホシノ「学校での交通ルールは守らないと」



ダダダダッ!

そど子「あなた達廊下を走るとか何考えてるのー!!」

ナカジマ「……参加者が増えたね」
599 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:38:46.59 ID:bE28mdZg0





―屋上―



沙織「はぁっ……はぁっ……」

エリカ「ぜぇ……ぜぇ……もう、逃げ場はないわよ……」

沙織「……もう、なんなのっ!?あなたと私はもう何の関係もないんだからっ!!」

エリカ「……沙織。私は……ここで終わりだなんて嫌」

沙織「っ……」

エリカ「沙織、私が嫌いなら、信頼できないならそれでも良いわ。だけど、私は――――」

沙織「こないでっ!!」

エリカ「……」

沙織「ねぇ、あなたは誰なの……?」

エリカ「っ!?何、言って」

沙織「私、あなたの事何も知らない……みほさんの事も、黒森峰での事も……」

エリカ「……沙織」
600 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:42:10.96 ID:bE28mdZg0
沙織「えり、逸見さんがみほさんをどう思ってるかっていうの、あれ本当なんだよね……?」

エリカ「……ええ。あの言葉は間違いなく――――私の本心よ」

沙織「それがわかったから私は……でも、私はあなたの優しいところもたくさん見てきたっ……」

エリカ「……」

沙織「あなたが戦車道に強い思い入れがあるって知ってる。だけど、あなたはそれを押し付けたりしなかった。

   厳しい時もあったけど、それがあったから皆戦車道を楽しんでる。一年生チームだって、あなたの厳しさがあったから本気になれたって

   アリクイさんチームも、あなたが見つけてきたんだよ……?」

エリカ「勝つために必要だと思ったから。……かもしれないわよ」

沙織「バレー部やアリサさんのために自分を傷つけて」

エリカ「……それが最適解だと思ったから」

沙織「自動車部の皆にだって、ずっと仲間だと思ってたって……」

エリカ「……それも、」

沙織「あなたはそんなに器用な人じゃないよ」

エリカ「……何も知らないだなんてよく言うわね。私の事、よく見てるじゃない」
601 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:47:36.16 ID:bE28mdZg0
沙織「ねぇエリカ。私達、あなたと出会ってまだ半年も経ってないんだよ?なのにエリカと出会ってから今日まで、本当に長かった。あなたとの思い出が沢山できたっ……」

エリカ「……私もよ」

沙織「でもね、だからかな。……あの時のあなたがどうしても許せなかった」

エリカ「それは、あなたが優しいからよ」

沙織「違う、違うのエリカ……私は、私はただ嫌だったのっ!あんな事を言うエリカがっ!」

エリカ「……」

沙織「誰だって嫌いな人や苦手な人はいるよ。私はそれを否定できるような聖人じゃない。なのに……あなたがみほさんの事を悪く言っているのが、どうしても耐えられなかった……

   あなたがあんなにも誰かを蔑んで、憎む顔を、見たくなかったっ……」

沙織「あなたの言葉は間違ってる。だけど、そんなの些細な事なのっ、私は……私はただ……あなたと一緒に笑顔でいたかっただけッ!!」

エリカ「……」

沙織「……エリカ、もう一度言うね。誰かを悪く言うあなたが嫌い」

エリカ「……」

沙織「だけど――――それ以上に、あなたを嫌いになる私が嫌い」

沙織「あなたは厳しくて、だけど優しい人だから。誰かを嫌ったり、憎んだりしないだなんて決めつけて、

   それが違ったから裏切られただなんて思って、こんなエゴにまみれた私に、あなたの友達でいる資格なんて――――」
602 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:53:16.10 ID:bE28mdZg0

   

ギュッ





沙織「エリカ……?」

エリカ「……沙織、あなたには感謝してる」

沙織「……え?」

エリカ「初めて話しかけてくれたこと、今でも感謝してるわ」

エリカ「一緒に戦車道をやると言ってくれたこと、本当はとっても心強かった」

エリカ「今日の訓練、私は見学してたわ。だって3人じゃ戦車動かせないもの……そんな誤魔化しでみんなを、自分を納得させた」

エリカ「3人だって動かすぐらいできるわ、戦闘は無理でもやろうと思えば練習できた。……でも、したくなかった」

沙織「……」

エリカ「初めてよ。あんなに戦車に乗りたくないと思ったのは。あなた達がいない戦車は……あんまりにも寒かったから」

沙織「えり、」

エリカ「私も同じよ沙織。あなた達と出会ってから本当に長かった。たくさんの思い出ができたの」

沙織「……うん」

エリカ「……沙織、あなたは何も間違ってない。間違ってるのは私なの。優しいあなたを無遠慮な言葉で傷つけたのは、私なの」

沙織「……」
603 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:57:52.58 ID:bE28mdZg0
エリカ「だけど、それでも私は―――――――あなた達の乗る戦車に乗りたい。あなたを傷つける事になっても、それでも私には……あなたが必要よ」

沙織「……えりりん」

エリカ「……何?」

沙織「私は、みほさんとえりりんがどんな関係だったのか何も知らないよ」

エリカ「……話すつもりはないしね」

沙織「えりりんが私たちに何か隠してるのも知ってる」

エリカ「……そう」

沙織「だから、きっとえりりんにも何か事情があるのかもしれない、理由があるのかもしれない。

   それでも、私はえりりんにあんな言葉を言ってほしくなかった」

エリカ「……ええ。でも、撤回するつもりはないわ」
604 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 20:04:26.65 ID:bE28mdZg0
沙織「私は、初めてえりりんの嫌いなところができたよ」

エリカ「……」

沙織「だからもっとえりりんの良いところを私に見せて」

エリカ「私には、戦車道しかできないわ」

沙織「それでいいから、それが見たいから――――いっぱい笑って、いっぱい楽しんで、みんなとの思い出をたくさん作ろうよ。ね?えりりん」

エリカ「……沙織」

沙織「なあに?」

エリカ「……ありがとう」

沙織「ううん、私こそありがとう。それと、ごめんね。ぶったりして……」

エリカ「ええ、痛かったわよ。誰かにぶたれたのなんて久しぶりだったから結構効いたわ」

沙織「ふふっ、私も鍛えられてるのかな?」

エリカ「かもね」

沙織「……えりりん」

エリカ「なあに?」

沙織「あなたと友達になれて良かった」

エリカ「……ええ、私も」












優花里「ううぅ……エリカ殿、沙織殿ぉ……」グスッ

麻子「ほら、あんまり大声出すと見つかるぞ」

優花里「す、すみません……」ズビッ

麻子「……良かったな逸見さん、沙織」
605 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 20:05:31.19 ID:bE28mdZg0
はいここまで。次は火曜で。
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 20:07:20.92 ID:o16woxkl0
雨降って地固まり乙

>>あなた達がいない戦車は……あんまりにも寒かった

オッサンなのでファントム無頼思い出した
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 20:17:36.76 ID:j9hXV4F00
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 21:35:00.50 ID:HNnspzTSO
逸見がファントムだって?
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 01:05:17.61 ID:XUF5iAMSO
>>608
さあ、ショータイムだ
などというボケはさておき、誰か管理局の白い魔王かワシちゃん呼んで来て〜と思ったけど、その必要は無くなった、のかな?
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 03:28:22.81 ID:/QBny/c7o
乙ー
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 09:29:41.30 ID:z2V1paBL0

しかし華さん忘れてンだけどこの後華さんでもうひと悶着あったりしたら笑うなw
612 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:01:06.98 ID:0ALf6fSk0






エリカ「沙織、私はまだ話さないといけない人がいるの」

沙織「……華、だよね」

エリカ「ええ」

沙織「……話しづらいなら、私から」

エリカ「駄目よ。……わかるでしょ?あなたにそうしたように、華とも向き合って話したいの」

沙織「……うん」
613 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:03:47.82 ID:0ALf6fSk0





キーンコーンカーンコーン



エリカ「華っ!」ガタッ

華「申し訳ありません。私この後お稽古事がありますので」スタスタ

エリカ「あ……」

沙織「完っっっ全に脈無しだね……」

エリカ「……どうしよう」

沙織「……こうなったら」
614 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:07:24.32 ID:0ALf6fSk0





沙織「手紙だよっ!」

優花里「ある種由緒正しいやり方ですね」

沙織「そうっ!メールとは違って手書きの手紙には温もりがあるのっ!」

麻子「私が就活するころにはそんな風潮全て滅んでて欲しいものだな」

優花里「就活するんですか?」

麻子「……別にニート志望というわけではない」

沙織「とにかくっ!想いを伝えるのに手紙を使うのは古今東西の常套手段っ!そこに恋も友情も関係ないよっ!」

エリカ「でも、何を書けばいいの?」

沙織「そこはほら、華に伝えたいことがあるでしょ?」

エリカ「伝えたい事……」カキカキ
615 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:14:13.05 ID:0ALf6fSk0






『この度は私、逸見エリカの不用意な発言によって五十鈴華様の気分を害してしまい大変申し訳ありませんでした。

 今後はこのようなことが無いよう、最大限配慮し、注意致します。     逸見エリカ』





616 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:14:54.65 ID:0ALf6fSk0
沙織「謝罪文っ!!?」

エリカ「え……だって、とりあえず謝るところから始めないと……」

沙織「始まるどころかこれじゃあただ謝ってるだけでしょ!?それも事務的なっ!

   謝るにしてもちゃんとえりりんの気持ちを伝えるようにしないと」

エリカ「そう……」カキカキ
617 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:20:26.57 ID:0ALf6fSk0






『この度は私、逸見エリカの不用意な発言によって五十鈴華様の気分を害してしまい大変申し訳ありませんでした

 今後はこのようなことが無いよう、最大限配慮し、注意致します。

 しかしながら、私の発言自体には華様への侮辱、あるいは不快にさせるような意図が含まれていたわけではなく

 あくまで私個人の西住みほへの感想であったため、発言を撤回することは無く訂正もいたしません。

                          
                                             逸見エリカ』



618 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:21:01.86 ID:0ALf6fSk0
沙織「そうじゃなーーーーーーーーいっ!!」

エリカ「えぇ……?」

沙織「確かに気持ちを伝えろとは言ったけどこれじゃあ開き直ってるだけじゃんっ!?」

エリカ「でも、私は私の考えを変えるつもりはないし、でもそのせいであなた達を傷つけて……私、ほんとに馬鹿みたい」

沙織「その話は終わったからっ!今は前を向いて華への思いを書き連ねてっ!!」

エリカ「私の華への思い……」

沙織「えりりんだって手紙書いたことぐらいあるでしょ?家族に、友達に。変に格式ばった書き方する必要ないんだよ。

   大事なのは何を伝えたいのか。口に出せない思いを文字に込めるのが手紙なんだから」

エリカ「……」
619 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:29:06.37 ID:0ALf6fSk0






『エリカさんお待たせっ!』

『別に待ってなんかいないわよ』

『そう?なら良かった。それじゃあ学校行こ』

『ええ、でも途中ちょっとポストに寄るわよ』

『手紙でも出すの?』

『ええ、陸の家族にね』

『へー。エリカさんちゃんと手紙で家族と連絡とってるんだね』

『別にメールや電話もしてるわよ?でもね、自分でペンをとって日々の事を書いてると、その時思った事、伝えたい気持ちが自然と文章に現れるのよ』

『そういうものなんだぁ』

『あなたもたまには家族に手紙でも書いてみれば?』

『お父さんはともかく、お母さんに下手な手紙書くと赤字で修正入って、お説教されそうだし……』

『あなた自分の母親をなんだと思ってるのよ……じゃあ隊長に出せば?』

『毎日会ってるのに?』





620 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:30:15.04 ID:0ALf6fSk0





『いいじゃない。交換日記みたいなものよ』

『……だったら私はエリ―――』

『二人とも、おはよう』

『隊長っ!?おはようございますっ!』

『エリカは朝から元気だな』

『そうでなくては黒森峰で戦車道なんてできませんよ』

『中々言うじゃないか。なら、今日も期待しているぞ』

『はいっ!』

『……むー』

『どうしたんだ※※?』

『お姉ちゃんはずるいよ』

『?』

『※※、なんか言った?』

『なんでもないよっ!ほら、ポスト寄るんでしょ。早く行こっ』

『あ、ちょ、引っ張らないでよ。隊長、それじゃあまた後でっ!』






621 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:38:07.08 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……」

沙織「えりりん?」

エリカ「……やっぱり私が今、華に伝えたいのはこの言葉ね」カキカキ
622 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:38:50.85 ID:0ALf6fSk0





『放課後、体育館裏で待つ  逸見エリカ』





沙織「果たし状っ!?」
623 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:45:34.16 ID:0ALf6fSk0





―体育館裏―





エリカ「……」











沙織「……華、来てくれるかな」コソッ

優花里「さすがにあれを無視するような方ではないかと……」コソソッ

麻子「あまり騒ぐなよ。逸見さんは一人で行くと言っていたのだから。それに、心配することは無いと思うぞ」コソソソッ

沙織「……来たっ!?」
624 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:48:52.03 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……華」

華「中々古風な誘い文句ですね、つい足が向いてしまいました。それにこの絵、

  判別ができませんでしたが、おそらく私の内臓をぶちまけてやるという意思表示だと解しました」

エリカ「え……あんこう、なんだけど……ちょっと余白があったから何か描こうかって。

    私たちのチームエンブレムだし、いいかなって……」










優花里「ほんとに何なんでしょうあれ……エンブレム見ながら書いてましたよね?」

沙織「だからやめとけって言ったのに……」

麻子「生まれ持ってのセンスはどうしようもなかったな」
625 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:52:48.74 ID:0ALf6fSk0
華「それで?私とのタイマンをお望みでしたら受けて立ちます」スッ

エリカ「なんであなたはそんなに好戦的なのよ……華、私ともう一度戦車に乗って欲しい」

華「……私はもうあなたと共に歩むつもりはありません。果し合いではないというなら私はもう帰らせていただきます」

エリカ「っ……華っ!!」

華「……なんでしょうか」
626 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:53:33.17 ID:0ALf6fSk0





エリカ「ご飯食べに行くわよっ!」




627 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:59:34.11 ID:0ALf6fSk0





エリカ「……」モグモグ

華「……」モグモグ







沙織「こっそりついてきたけど……さっきから無言だね」

優花里「ただ黙々と口にものを運んでいるだけです……」

麻子「デザート頼んでいいか?」
628 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:00:10.25 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……ここのハンバーグ結構おいしいでしょ」

華「そうですね」

エリカ「遠慮しないでもっと頼んでもいいわよ?ここは私が出すから」

華「遠慮します。あなたにそこまでされるいわれはないので」

エリカ「……」

華「……」







沙織「あぁ……また黙っちゃった……」

優花里「見ているこっちのお腹が痛くなります……」

麻子「フォンダンチョコッシュか……ちょっと気になるな
629 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:01:22.95 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……華、私ともう一度戦車に乗って欲しい」

華「同じことを言わせないでください」

エリカ「私にはあなたが必要なの」

華「あなたがそうであっても、私は違います」

エリカ「っ……」








沙織「っ……えりりん」

優花里「頑張ってくださいっ……」

麻子「熱っつ!?なんだこれ中のチョコが熱っつ!?めっちゃこぼれるなこれ」
630 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:08:13.46 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……そうね。あなた意外と頑固だものね」

華「わかってくれたようで何よりです」

エリカ「……沙織も、あなたも、優花里も麻子も。自分だけの意志を、信念を……道を持ってる。それは、私には無いものよ」

華「……」

エリカ「私は、道や信念だなんて立派なものを持ってない。戦車道も私にはそれしか無いからやってるだけ」

華「……」

エリカ「……だけど大洗に来て、戦車道を再開して、私……楽しかった。戦車も練度も、何もかも足りなくても……それでも。

    あなた達と、みんなと。全身で全力で勝利を求め続けた今日まで本当に楽しかったわ」

華「……」

エリカ「華、私はあなたに許してもらおうとは思わない。だけど、もう一度チャンスをちょうだい。もう一度だけ、私と共に歩んでほしい」

華「……あなたは、私に弁解しないのですか?自分が死者を愚弄するような輩であることを否定しないのですか?」

エリカ「……しないわ。私にとって西住みほはどうしても許せない存在だから」

華「つまり、私に道を曲げてあなたと共に歩めということですね」
631 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:09:03.37 ID:0ALf6fSk0
エリカ「そうよ。そう、私は……私にはあなた達が必要なの。だから絶対に離さない――――たとえ、あなたの意志を無視しても」

華「……ワガママ、自分勝手。でも……情熱的ですね」

エリカ「……同じ事を最近私も思ったわ」

華「あなたは、私以上に頑固ですね。自分が間違っているとわかって、その上で押し通すと言っているのですから」

エリカ「……かもね」

華「……正直なところ元々私はあなたへの怒りはそれほどもっていません。私が離れたのは西住みほさんの事もありますが、何よりもあなたが沙織さんを悲しませたからです」

エリカ「……」

華「ですから、あなたが沙織さんと和解した時点で私もあなたへのわだかまりはなくなっていました。沙織さんは優しい方です。

  だけど、人を見る目は確かですから。……だからと言って何もなしに元の鞘に収まるつもりはありませんでしたが」

エリカ「……」
632 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:10:29.82 ID:0ALf6fSk0
華「エリカさん」ピッ

エリカ「何、その指?」

華「望み通りチャンスをあげます。……代わりに誓ってください」

エリカ「……何を」

華「もう、沙織さんを悲しませないと。私はあなたの主義思想についてとやかく言うつもりはありません。

  ですが、沙織さんは私にとって大切な友人です。たとえ沙織さんが自分で選んだ道だとしても、私は……沙織さんのあんな顔をもう見たくないのです」

エリカ「……」

華「戦車道を始めたことで私は自身の華道をより深めることができました。優花里さんや、麻子さんだけでなく、たくさんの方々と出会えました。

  戦車道は私にとって大切な物になりました。……あなたには感謝しています。だから……エリカさん、お願いです。私に、この指を折らせないでください」

エリカ「……誓うわ。もう、沙織を悲しませない」

華「……信じます。エリカさんの言葉ですから」










優花里「なんか結婚の許しをもらいに来た恋人と、娘を愛するお父さんの会話みたいですね」

沙織「やだもー!私、ちゃんと素敵な旦那さんと幸せになるからねお父さんっ!!」

麻子「うっわ制服についてしまった……沙織、洗ってくれ」

沙織「えー?もうしょうがないなぁ……」

優花里「亭主関白だ……」
633 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:18:42.40 ID:0ALf6fSk0
華「……あなたの闇は決して小さくない。でも、例えそれで傷つく人がいたとしても歩みを止めないというのであれば……それもまた、道なのでしょう」

エリカ「華……」

華「エリカさん、我がままで、頑なで、歪で、だけどひたむきなあなたの想い。しかと受け止めました」

エリカ「……」

華「そして、忘れないでください。私たちと今日まで歩んできた足跡は間違いなくあなただけの道なのだということを」

エリカ「……」

華「その道に何を見出すのかはまだわかりません。ですが、どんな結果であろうとも私たちはあなたのそばにいます――――友達ですから」

エリカ「……うんっ!」









沙織「えりりんっ……良かった……」

優花里「エリカ殿、やりましたねっ……」

麻子「だから言ったろ。心配することは無いって」
634 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:21:21.38 ID:0ALf6fSk0
エリカ「華……ありがとう」

華「こちらこそ――――ごちそうさまです」ピンポーン

エリカ「……え?」

華「あ、ここからここまで全部お願いします。……ああ、サラダも」

エリカ「ちょ、華?」

華「ここはエリカさんが出してくれるのですよね?」

エリカ「いや、あなた断っ……」

華「それは、エリカさんと仲直りしていなかったからですよ。もとの関係に戻れた以上、遠慮するほうが無粋というものです」

エリカ「いや、それはそう……なの?」

華「ええ。だからこそエリカさんも食事代を持つだなんて言ったんですよね?」

エリカ「……はぁ、わかったわよ。好きにしなさい」

華「はいっ♪じゃあデザートも……このフォンダンチョコッシュというの、美味しそうですね?」

エリカ「……いいわよ。好きにしなさい」

華「はい、遠慮しません♪」










沙織「華のあんな振る舞い初めて見た……えりりん大丈夫かな」

優花里「た、たぶん……ほら、余裕な表情を」

麻子「……いや」
635 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:29:12.01 ID:0ALf6fSk0





エリカ「私の財布、頑張ってっ……負けないでっ……1円でも多ければ大丈夫だからっ……」ブツブツ










沙織「……まずそうだったら私たちも出そう?」

優花里「……ですね」

麻子「逸見さん、まぁあれだ。……頑張れ」
636 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:30:58.59 ID:0ALf6fSk0
華「エリカさん、ほらアーン」

エリカ「んっ……」モグモグ

華「美味しいですね?」

エリカ「……ええ」

華「今度は……そこにいるみなさんと来ましょう」コソッ

エリカ「……そうね、みんなには心配かけてばっかだから」

華「ふふっ、エリカさん?」

エリカ「何?」

華「試合、頑張りましょう」

エリカ「……言われなくても。華、頼りにしてるわ」

華「任せてください」
637 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:31:41.73 ID:0ALf6fSk0
ここまで。次土曜。
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 19:53:55.82 ID:ubCA1C/aO
乙乙

お役所かってツッコミと外野の3人よ
後まほは何故伏せてたのか・・
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 21:40:52.28 ID:vH06qkgI0

エリカの財布は大丈夫かな…
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 22:25:55.06 ID:/zy1/ofiO
最初の謝罪文が完全に世界のヘイポーで草
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 22:45:59.51 ID:eFqYGM7pO

絵が下手・・・?考えすぎ・・・?
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 23:23:14.99 ID:Ph1XzNBe0
あ……
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 00:27:50.04 ID:DA3kf/vo0
そういえばどこぞの妹さん美術が苦手でしたねぇ
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 01:00:16.56 ID:zjVZIW0x0
そういやまほもずっとお前って呼んでるよな...
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 01:13:19.66 ID:X/cnOfpoO
エリカ最初に昔の癖でクラスメイトのフルネームくらいは覚えてる、って言ってるけどエリカそんな雰囲気ないよね・・・?でもエリカ=みほ説はみほの元の知名度が高いだろうから色んなキャラと出会って決勝まで顔出しで上がって行ってる事を考えたらやっぱ無理があるか?
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 01:52:23.44 ID:obCoqTS0O
本編見る限りみほの知名度は低いぞ
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 09:23:01.33 ID:aPAdTzBBO
そいや本編でみほが言ってたっけ名前云々って
ヤバい続きが気になって仕方ない
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 11:18:56.89 ID:pNQDlUl+0
とりあえず展開予想は止めといた方がええと思うぞ
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 12:20:15.46 ID:gNxgVwaPo
予想はよそう
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