【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 03:00:57.12 ID:xtq1vgMe0
あんまり予想書き込むと、>>1が書きづらくなるかもね
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 22:13:42.33 ID:1yeB8UXb0
予想はよそう
423 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:05:01.52 ID:LIybNccU0





アンチョビ「……逸見エリカ。聞いていた話よりずいぶん元気だったな。いい事だ……本当に」

ペパロニ『マカロニ展開完了しましたっ!』

アンチョビ「よし、それじゃあ作戦開……ペパロニ、ちょっといいか?」

ペパロニ『何ですか姐さん』

アンチョビ「マカロニ、何枚設置した?」

ペパロニ『何言ってんすか、全部ですよっ!』

アンチョビ「……はぁ。二枚回収しろ」

ペパロニ『えー?せっかく設置したのに何でっすかー』

アンチョビ「あのなぁっ!全部設置すると11枚だろっ!?10輌しか参加できないのにそれじゃあすぐにバレるだろっ!!」

ペパロニ『なるほど〜!さすが姐さん頭良いっ!!』

アンチョビ「何度も言ったのに何で覚えてないんだお前はー!?」
424 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:10:32.47 ID:LIybNccU0





典子『こちらアヒルさんチーム、カルロヴェローチェ3輌、セモベンテ2輌発見。隊長の予想通りです』

梓『こちらウサギさんチーム、カルロヴェローチェ3輌、セモベンテ1輌が陣取ってます』

エリカ「もう十字路を押さえられてる。さすがね……」

優花里「目的は手薄な中央を突破させて包囲することですかね?」

エリカ「それでしょうね。でも……アンツィオにしてはずいぶん堅実な作戦ね」

優花里「ノリと勢いだけじゃないってことを見せたいんでしょうか」

エリカ「かもしれないわ。相手のほとんどが十字路の制圧に出向いているのならこちらも持久戦で行きましょう。アヒルさんチームをP40の捜索に当てるわ」

桃『そんなのんびりして大丈夫なのか?』

エリカ「待つのも戦いよ桃ちゃん」

桃『桃ちゃん言うな』
425 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:16:25.95 ID:LIybNccU0





エリカ「……動かないわね」

沙織「だね……」

エリカ「アヒルさんチーム、そっちはどう?」

典子『もうすぐフラッグ車の予想地点に到達します』

エリカ「わかったわ。引き続き捜索をお願い」

典子『了解っ!』

エリカ「……相手が動き出すか、こちらがフラッグ車を見つけられるか。どっちが先かしら」

桃『逸見いつまでここでじっとしてるんだっ!?』

エリカ「……はぁ。桃ちゃんうるさいわよ。相手はこちらを待ち構えているの。わざわざ出て行ってあげる必要はないわ」

桃『だからと言ってあいつらに時間を与えるのは危険だっ!!あいつらは馬鹿かもしれんがアホじゃないっ!』

沙織「桃ちゃん先輩が言うと説得力あるんだかないんだか……」

エリカ「……でも、一理あるわ。正直、CV33を迎撃に回したところで大した意味はない。まともにやったところで八九式を倒すのが関の山よ」

優花里「言ってあげないでください……」

エリカ「そう考えるとむしろ違和感ね。……もしかして」

優花里「どうしました?」

エリカ「ウサギさんチーム、敵車両を撃ってもらえる?」

沙織「どうしたの?」

エリカ「念のため退路は確保しておいてね」

梓『了解ですっ!』
426 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:22:40.14 ID:LIybNccU0


ダァンダァン!!   バスッバスッ!




梓『っ!?エリカ先輩っ!!十字路を陣取ってるのはただの看板ですっ!!本物は一輌もいませんっ!?』

エリカ「やっぱりっ……」

優花里「欺瞞作戦っ……」

エリカ「だとしたら、あの人の狙いは……」

ダララララッ


カンカンカンッ!

エリカ「っ!?」

沙織「何なにっ!?」

優花里「機銃ですっ!?」

麻子「囲まれたな」

ねこにゃー『逸見さんどうするっ!?』

桃『早く指示を出せ隊長ー!!?』

エリカ「落ち着きなさいっ!!機銃じゃ撃破判定は出ないわっ!!」

優花里「でもっ、このまま囲まれたらっ!?」

エリカ「ええっ!相手の狙いは包囲した上で追い立てて私たちを前進させること。ならここは左右に分かれるわっ!

    カメさん、カバさんチームはあんこうについてきてっ!アリクイさんチームはウサギさんチームと合流してっ!!」

『了解っ!』

典子『隊長っ!私たちはっ!?』

エリカ『あなたたち一刻も早くフラッグ車を見つけてっ!』

典子『わかりましたっ!』

エリカ「そうと決まればさっさと動きなさいっ!!」
427 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:24:48.34 ID:LIybNccU0





アンチョビ「さーてどう動くか大洗……」

ペパロニ『姐さんっ!!』

アンチョビ「動いたかっ!?」

ペパロニ『はいっ!あいつら姐さんの言った通り二手に分かれましたっ!!』

アンチョビ「よしっ!大洗、悪いがこの試合勝たせてもらうぞっ!!」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 18:27:33.60 ID:X7dg84c5o
ここのアンチョビはこの試合2回目って感じだな
429 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:32:44.13 ID:LIybNccU0





ダラララララッ!!

カンカンカンカン

優花里「こちらにはCV33が3輌追ってきてますっ!」

エリカ「振り切るのは難しそうねっ……」

華「……っ!!」

ダァンッ!

華「また外しました……」

エリカ「行進間射撃なんてそうそう当たらないわよ、ましてや的が小さいんだから。華はそのまま威嚇を続けてっ!!」

華「……はい」

エリカ「カバさん、カメさんしっかりついてきなさいっ!」

エルヴィン『ああっ』

桃『しかし、逃げたままじゃどうしようもないぞっ!?』

エリカ「ええっ!だから今アヒルさんチームにフラッグ車を探してもらってるのっ!!」

沙織「えりりんっ!?」

エリカ「あれはっ!?」

優花里「前方、セモベンテ2輌ですっ!待ち伏せされましたっ!?」

エリカ「最初からこっちが本命だったのねっ……」

優花里「エリカ殿っ!フラッグ車狙われてますっ!」

エリカ「っ……全車森に入ってっ!突撃砲に真正面から突っ込むのはまずいわっ!!」
430 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:37:26.88 ID:LIybNccU0





梓「こちらウサギさんチームっ!アリクイさんチームと合流っ!東方面へ逃げてますっ!!」

ねこにゃー『澤さんっ!今のところ相手は豆戦車2輌、ここは迎撃して逸見さんたちのところへ行ったほうがいいんじゃ……』

梓「……確かに、ならっ……」

優季「梓っ!?前前っ!!」

梓「え……っ!?セモベンテっ!?左に入ってっ!!」

桂利奈「あいっ!!」
431 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:41:08.29 ID:LIybNccU0

ねこにゃー「え?澤さんたちどこに……」

ももがー「ねこにゃー、前方にセモベンテ2輌だももっ!!」

ねこにゃー「えっ!?避けて避けてっ!!」

ももがー「もう遅いもも……」


ギュイイイン ドーンッ!

     
ねこにゃー「っ……って、あれ?」

ぴよたん「何ともない?」

ももがー「……張りぼてっ!?」
432 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:47:07.20 ID:LIybNccU0





アンチョビ「東に逃げた奴らも、マカロニで多少は足止めできるといいんだが……」

『ドゥーチェ!!M3とTipo 3を追ってましたが、M3はマカロニにビビッて森の中へ逃げましたっ!Tipo 3はマカロニを突き破ってそのまま直進っ!!』

アンチョビ「そうか、ならお前たちはそのままTipo 3を追え。こちらのフラッグ車の位置はまだ割れてない。Tipo 3の砲は脅威だ。少しでも時間を稼げっ!!」

『Si!』
 
アンチョビ「……ペパロニっ!そっちの状況はどうだっ!!」

ペパロニ『作戦通り相手を森に追い込みましたっ!!』

アンチョビ「よくやったっ!お前たちはセモベンテと合流して追いかけ続けろっ!挟み撃ちにするぞっ!!」

ペパロニ『任せてくださいっ!!』
433 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:51:37.78 ID:LIybNccU0





沙織「えりりんっ!森に逃げたはいいけど、このあとどうするのっ!?」

エリカ「……おそらく、相手のフラッグ車はこの先で待ち受けているわ」

沙織「えっと、この先で待ち伏せするとしたら……高台があるっ!?」

エリカ「後ろからはセモベンテとCV33。まずいわね……」

優花里「二手に別れたのがまずかったのでしょうかっ!?」

エリカ「いえ、仮に別れなかったとしても、機動性の高いCV33で分断された可能性は高いわ」

優花里「な、なら今すぐウサギさんチームたちを呼び戻してっ……」

エリカ「すでにやってるわ。合流できるのは私達が相手のキルゾーンに到達した後になりそうね」

華「そんな……」

エリカ「桃ちゃんの言うとおりアンツィオに時間を与えるべきじゃ無かったわね。お詫びに後でいなり寿司買ってあげようかしら?」

優花里「のんきなこと言ってないでくださいーっ!?」
434 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 18:56:32.03 ID:LIybNccU0
沙織「……えりりん」

エリカ「何よ?」

沙織「楽しい?」

エリカ「は?何言って……」

沙織「だってえりりん、さっきからずっと笑ってるよ?」

エリカ「……え?」

沙織「えりりん、ケイさんに自分の戦車道は勝つことだって言ってたけど、ほんとはえりりん自身がそう思ってないんじゃないの?」

エリカ「……」

沙織「……ごめんね、試合中に。聞かなかったことに―――」

エリカ「サンダースの時は必死だった。数でも質でも負けてて、その上隊長としての器まで相手のほうが大きくて。

    せめて勝つことで自分のほうが上だって思いたかったのかも」

沙織「えりりん?」
435 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 19:02:33.66 ID:LIybNccU0
エリカ「アンツィオは私たちとよく似てるわ。資金難で碌に戦車も揃えられなくて、だけど安斎さんが全力で強くあろうとしている」

優花里「あれはまさしく『総統』<ドゥーチェ>の姿なんでしょうね」

エリカ「ええ。思えば私たちは聖グロ、サンダースって格上としか戦ったことがなかったわ……初めてなのよ。同格の相手と戦うのは」

沙織「……」

エリカ「沙織、私今楽しいわ。追い詰められてるのに、楽しくてしょうがない。相手が持てる全てを駆使しているって伝わってくる。この、ヒリヒリするような感覚。

    ……だからこそ、勝ちたいっ!!私たちの全力で、持てるすべてを使ってっ!!アンツィオに勝ちたいっ!!」

沙織「……うんっ!」

優花里「はいっ!」

華「私たちだって、負けるより勝ちたいですし」

麻子「そうだな」

エリカ「……安斎さん、あなたの言う通りよ。アンツィオは弱くない―――いえ、強いわっ!!」
436 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 19:03:11.24 ID:LIybNccU0









エリカ「でも、私達だって強いんだからっ!!勝負はここからよっ!!」







437 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/27(火) 19:03:38.39 ID:LIybNccU0
次土曜で
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 19:16:14.41 ID:X7dg84c5o
乙です
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 20:31:04.53 ID:Ce/AL9MgO
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 22:12:08.09 ID:9LBcr/9To
乙ー 熱くなってきた!
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 00:39:57.53 ID:C9mmUne7O
乙!
こういうアンツィオ戦をみたかった!
442 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:03:26.91 ID:Gk158+YA0




アンチョビ「あと少しでこっちに来るぞ。みんな、狙うのは先頭のフラッグ車だけだ!砲撃を集中しろっ!!」

カルパッチョ『はいっ!』





エリカ「もうすぐ相手のキルゾーンよっ!!」

沙織「このままじゃ狙い撃ちだよ!?」

エリカ「良いから、速度を落とさないでっ!!」







アンチョビ「よし……今だ撃――――」

443 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:09:25.99 ID:Gk158+YA0
ダァンッ!!  ガァンッ!


アンチョビ「うああっ!?」

ダァンッ!

ガンッ  シュポッ!


アンチョビ「CV33がっ!?誰が――――あれはっ!?」

カルパッチョ『Tipo 89っ!?』






典子「隊長。命令通り相手フラッグ車を見つけましたよ」






444 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:15:24.84 ID:Gk158+YA0
エリカ「信じてたわ典子っ!!このまま前進っ!!キルゾーンを抜けるわよっ!!」

『了解っ!』

華「せめて、追手のCV33だけでも……っ!!」

ダァンッ

ガンッ!!  

シュポッ!

華「当たった……」

沙織「これで振り出しに戻れたっ!?」

エリカ「いえっ!!依然こちらが追われてることにかわりはないわっ!!でも、勝ちの目が見えたっ!!」
445 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:17:22.69 ID:Gk158+YA0




アンチョビ「逃げられたっ……89式はっ!?」

カルパッチョ『そちらも逃げられました……』

アンチョビ「してやられたっ……ええいっ!!回り込むぞっ!!!」
446 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:19:39.28 ID:Gk158+YA0




エリカ「沙織っ!追手はっ!?」

沙織「先頭にCV33が2輌っ!遅れてセモベンテが2輌だよっ!!」

エリカ「よし、各車射線を取られないようにっ!!」

杏『あいよー』

エルヴィン『走り回るのもいい加減飽きてきたな』

エリカ「安心しなさい。そろそろ追いかけっこは終わりにしましょう。梓、準備は良いっ!?」

梓『はいっ!』





ペパロニ「くっそーあいつら中々射線取らせないな……」


ギュィィンンッ!!

ペパロニ「M3っ!?森に隠れてたのか!?」

ダァンッ!  


シュポッ!!



ペパロニ「セモベンテがっ!?」

『姐さんすみませんやられましたっ!!』

ダァンッ!  ダァンッ!

ガァンッ!

シュポッ!

ペパロニ「前からもっ!?まずい、今度はこっちが挟み撃ちだっ!?残った車両は私についてこいっ!一旦逃げるぞっ!!」
447 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:26:13.01 ID:Gk158+YA0




エリカ「……よし」

優花里「なんとかしのげましたね」

沙織「今度こそ振り出しだね」

エリカ「梓、助かったわ。特に相手のセモベンテを落とせたのは大きいわよ」

梓『はいっ!先輩たちこそ無事で何よりですっ!!』

エリカ「おかげさまでね。――――アリクイさんチーム!今どこにいるっ!?」

ねこにゃー『CV33が逃げたから今そっちに向かってるとこだよ』

エリカ「なら、これから言う地点にそのまま向かって」

ねこにゃー『わかった』

エリカ「相手はおそらく戦力を集結させてフラッグ車を強襲してくるわ。

    依然、機動戦は相手に分がある。ならやることは一つ。相手の戦力が整う前にこちらから攻める」

沙織「でも、フラッグ車の場所がわからないよ?」

エリカ「……典子」

典子『はい』

エリカ「相手のフラッグ車の場所、わかる?」

典子『ええ。すでに捉えています』

エリカ「さすがね」

沙織「アヒルさんチーム凄っ!?」

エリカ「これがあの子たちの戦い方よ。――――さぁみんなっ!!今度はこちらから仕掛けるわよっ!!」

『了解っ!!』
448 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:30:57.07 ID:Gk158+YA0




ペパロニ『姐さんすみませんっ!!挟み撃ちを食らってCV33とセモベンテ1輌撃破されましたっ!』

アンチョビ「いや、最初の挟撃を失敗した時点で一度退くべきだった。深追いさせた私が悪い」

ペパロニ『姐さんどうしますかっ!?』

アンチョビ「このままじゃジリ貧だ。戦力を集結させて立て直しを図るぞっ!!全員戻ってこいっ!!」

『Si!』

アンチョビ「私たちも移動するぞ。カルパッチョ付いてこい」

カルパッチョ『はいっ!』




典子「フラッグ車が移動する。このまま追跡するぞっ」

忍「はい」




アンチョビ「…………撃てっ!!」


ダァンッ!

典子「なっ!?」

ガンッ


シュポッ!!


アンチョビ「やっと顔をだしたな。追跡に気がせったか」

カルパッチョ『これでこちらの居場所はもう伝えられませんね』

アンチョビ「いや、現在位置からの予測は立てられるだろう。一刻も早く移動するぞっ!!」
449 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:35:37.58 ID:Gk158+YA0





典子『隊長っすみませんやられましたっ!!』

エリカ「そう。大丈夫よ、敵の現在位置から予測は立てられる。あなた達は良くやってくれたわ」

典子『……っはい!』

エリカ「私たちはこのまま移動するわよっ!!」
450 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:38:14.95 ID:Gk158+YA0





ペパロニ『アンチョビ姐さんっ!!』

アンチョビ「ペパロニよく来たっ!!このまま残りのCVと合流して―――――っ!?」


ダァンッ!!




エリカ「見つけたわよ安斎さんっ!!」

優花里「まだ残りのCVとは合流していないみたいですっ!!」

エリカ「なら、その前にっ!!」




アンチョビ「っ……仕方ない、賭けに出るぞっ!セモベンテはV突とM3の足止めを頼むっ!!」

カルパッチョ『はいっ!』
451 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:41:42.08 ID:Gk158+YA0
優花里「セモベンテ2輌、こっちに向かってきますっ!!」

エリカ「ウサギさんっ!!カバさんっ!!頼んだわっ!!」

カエサル『任されたっ!!』

梓『はいっ!!』




カルパッチョ「あのマーク……たかちゃんッ!!」

カエサル「悪いが先を急がせてもらうぞひなちゃんッ!!」




エリカ「カメさんチームはこのままついてきてっ!一気に仕留めるわよっ!」

杏『あいよー』

桃『絶対に逃がさんぞっ!!』

エリカ「ええっその通りよ桃ちゃんっ!!」
452 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:44:14.98 ID:Gk158+YA0








エリカ「この先は……なるほどね。いいわ、そのケンカ買ったわよっ!!」







453 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/03(土) 18:44:48.52 ID:Gk158+YA0
ここまで。次は火曜で。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 20:20:49.19 ID:4Xd6OLElo
乙ー
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 23:33:41.66 ID:9sXz3jyRO
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 08:06:48.43 ID:tUFISi1EO
別スレのせいで変な笑いが

乙です続き待ってる
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 14:28:54.88 ID:8jE8846H0
滅茶苦茶面白いな
エリみほ入れ換えなんて単純なもんじゃなく、本編で負けたキャラが活躍してて面白い
458 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:03:33.50 ID:XlGgpb2d0






アンチョビ「開けた場所に出た……ここで決めるぞっ!!」



エリカ「決着を着けるわよっ!!」





ダァン ダァン

桃「ええいっ!何故あたらんっ!?」

柚子「こっちが聞きたいよー……」

杏「ごめーん逸見ちゃん、まだ河嶋にこの距離は難しいみたい」

エリカ『いいわ、そのまま撃ち続けて相手の注意をそらしてっ!!』

杏「はいよーって、ん?」
459 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:08:40.34 ID:XlGgpb2d0
『姐さんっ!!』

アンチョビ「お前らっ!!」




優花里「敵CV2輌合流っ!!」

エリカ「っ……」

杏『逸見ちゃんあいつら何か仕掛けてくるっぽいよ』
460 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:13:26.87 ID:XlGgpb2d0
アンチョビ「CVが揃ったなら……ペパロニっ!!」

ペパロニ『Si!!お前ら、やるぞっ!!」


ギュィィンンッ!

ガン ガン ガン


エリカ「なっ!?」

優花里「CVで3方を塞がれたっ!?」

沙織「動けないっ!?」







アンチョビ「足止めは一瞬で充分だ―――撃てっ!!」







461 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:19:04.30 ID:XlGgpb2d0
ギュィィンンッ!




桃「逸見いいいいいいいいっ!!」




ダァンッ!


シュポッ!!


優花里「カメさんチームが盾に……」

エリカ「麻子っ!!」

麻子「ああっ」
462 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:22:51.39 ID:XlGgpb2d0
ペパロニ「っ……下がられたっ!!お前ら、もう一度行く―――」

ダァンッ!!

シュポッ!

ペパロニ「なにっ!?」




ねこにゃー「アリクイさん、参上……」


ダァンッ!!  ダァンッ!!

シュポッ!   シュポッ!

ペパロニ「うわぁっ!?」

アンチョビ「Tipo 3、V突にM3っ……」
463 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:28:31.29 ID:XlGgpb2d0
カエサル『今度は蚊帳の外にならずにすんだな』

梓『エリカ先輩っ!!護衛は全て排除しましたっ!!』
 
エリカ「ええっ!!―――――華っ!!」

華「はいっ!!」




アンチョビ「っ……撃てっ!!」

エリカ「撃てっ!!」



ダァン! ダァンッ!



シュポッ!



464 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:29:36.55 ID:XlGgpb2d0





『アンツィオ高校フラッグ車走行不能っ!よって、大洗女子学園の勝利っ!!』




465 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/06(火) 18:30:18.51 ID:XlGgpb2d0
ここまでー。逸見エリカさん誕生日おめでとうございます。

次は土曜で
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 18:37:40.97 ID:20LEsnQVo
乙ですー
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 18:45:20.03 ID:ZDVclnTGo
乙です
いいチームワークだ
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 19:21:26.94 ID:zs4T6kuKO
乙です
未だ嘗てここまで桃ちゃんが輝いているSSを見たことがあっただろうか
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 20:33:47.02 ID:LDCQoEPio
乙ー
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 20:38:30.42 ID:NNdbZbnYO
多分無いな、乙
後エリカおめ
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 21:29:00.89 ID:w+Zt3m+w0
さてはコンタクトに変えたな
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 22:57:30.29 ID:LU3gXiJK0
片眼鏡からコンタクトか、キャラ的には薄くなっちゃうな
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 00:20:52.06 ID:opx3IIjiO
熱すぎる!
乙です
474 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:10:23.03 ID:mjo7sVJM0





エリカ「……ふぅ」

沙織「勝ったーっ!!」

優花里「これでベスト4ですよっ!!」

エリカ「ええ、なんとかなったわね」

杏「逸見ちゃんやったねー」

エリカ「会長。最後は助かったわよ」

杏「お礼なら河嶋に言ってよ」

エリカ「桃ちゃんに?」

柚子「桃ちゃんが『逸見を守るぞっ!!』って」

エリカ「そうだったの……」

桃「フラッグ車がやられたら私たちの負けなんだから当然の事をしたまでだっ!!」

エリカ「……桃ちゃん」

桃「な、なんだ?」

エリカ「ありがとう。あなた、意外と頼りになるのね?」

桃「っ……あ、当たり前だっ!!私は誉ある生徒会の広報なんだぞっ!!あと桃ちゃん言うなっ!!」

エリカ「……ふふっ」
475 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:15:51.53 ID:mjo7sVJM0
アンチョビ「おーい!」

エリカ「安斎さん?」

アンチョビ「いやー負けたよ」

エリカ「いえ、こちらもギリギリでした。特に最初の欺瞞作戦はさすがです。そこからの読みも完璧でした」

アンチョビ「それで勝ったお前たちはもっと凄いさ。……試合前に言ったこと覚えてるか?」

エリカ「え?」

アンチョビ「試合、楽しもうって。逸見、楽しかったぞ」

エリカ「……はい。あなたたちの全力を私たちの全力で迎え撃ちました。本当に……楽しい試合でした」

アンチョビ「……そうか。なら良かった」ギュッ

エリカ「あ、安斎さん?」
476 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:20:35.16 ID:mjo7sVJM0
アンチョビ「決勝まで行けよ?応援するからな」

エリカ「……はい」

アンチョビ「ん。それじゃあ―――お前たちっ!!」

『はーいっ!!』

沙織「なになに?」

優花里「何が始まるんですか?」

アンチョビ「大洗諸君には我々の戦車道を最後まで知ってもらわないとな」

エリカ「……?試合はもう終わって……」

アンチョビ「チッチッチ、試合だけが戦車道じゃない。勝負を終えたら試合に関わった選手スタッフを労う。―――これが、アンツィオの流儀だっ!!」
477 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:26:07.70 ID:mjo7sVJM0





アンチョビ「せーのっ!!」




『いただきまーすっ!!!』





ザワザワ ガヤガヤ



沙織「うわぁ、美味しいっ!!」

華「おかわりいいですか?」

ペパロニ「どんどん食べろっ!!」

麻子「……うまい」モグモグ

優花里「フィールドキッチンをここまで活用する学校はそうそうないですよっ!!」
478 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:32:43.36 ID:mjo7sVJM0
ねこにゃー「良質なたんぱく質……」

ももがー「美味しいももっ!!」

ぴよたん「でも、ちょっとカロリーが……」

典子「大丈夫っ!!」

ぴよたん「キャプテン?」

典子「どんなに食べても、バレーをすれば全消費。つまり、カロリー0だっ!!」

ぴよたん「キャプテンっ!!」

典子「食べろっ!!それがお前たちの明日の肉体を作るんだっ!!」

『はいっ!!』



忍「……いや、カロリー0にはならないでしょ」

妙子「もっとバランスよく食べないと……」

あけび「まぁ、今日ぐらいは……」
479 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:36:47.93 ID:mjo7sVJM0
ワイワイガヤガヤ


カルパッチョ「今日は負けたわ。たかちゃん達、凄く強かった」

カエサル「ううん、こっちもギリギリだったよ」

カルパッチョ「でも、たかちゃんも装填手だったなんて、なんだか運命ね?」

カエサル「な、何がさ」

カルパッチョ「んー?……ふふっ」

カエサル「ひなちゃん?」

カルパッチョ「……いいえ、私はカルパッチョ。偉大なるドゥーチェアンチョビの副官。……強い人、あなたの名は?」

カエサル「……私はっ!栄光ある大洗女子学園の将が一人、カエサルっ!!」

カルパッチョ「……来年は負けないわ」

カエサル「こっちだって」

カルパッチョ「ふふふっ」

カエサル「あはははっ」
480 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:43:16.46 ID:mjo7sVJM0

カルパッチョ!

カエサルサマッ!




左衛門座「……二人の世界」

おりょう「あれは、割り込めないぜよ……」

エルヴィン「いや、二人とも連れてけばいいだろ。ごはん冷めるからさっさと行くぞ」
481 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:49:15.40 ID:mjo7sVJM0

エリカ「……」モグモグ

アンチョビ「どうだ、我が校の戦車道は」

エリカ「……とても素敵です。こんな戦車道、私には思いつきもしなかった」

アンチョビ「我が校は食事のためならどんな労もいとわないからなっ!!……このやる気をもうちょっと試合に活かせるといいんだけど」

エリカ「いえ、きっとこれが、これこそが。あなたたちの強さの秘訣なのかもしれません」

アンチョビ「そう言ってくれるとありがたいよ」

エリカ「……安斎さん」

アンチョビ「なんだ?」

エリカ「戦車道にとって、勝利って何なのでしょうか」

アンチョビ「みんなで騒ぐための口実の一つだ」

エリカ「……は?」

アンチョビ「……冗談だ。まぁ、嘘でもないけどな。……そんな顔して聞くことだ、何かあったんだろ?」

エリカ「……私、サンダースの隊長に言ったんです。私の戦車道は、勝つことだって」

アンチョビ「……」
482 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 18:53:49.02 ID:mjo7sVJM0
エリカ「勝たなきゃ自分の、みんなの努力が無駄になるから。勝利こそが全てだって……思ってたはずでした」

アンチョビ「今は違うのか?」

エリカ「……あなた達との試合、本当に楽しかった。試合中、勝ち負けとかじゃなくて、ただただ全力でぶつかることが。

    ―――――だからこそ、私の戦車道は間違ってるんじゃないかって。沙織……チームの子にも同じことを言われて」

アンチョビ「……負けた私たちが言うのも何だけど、勝つことが全てだってのも間違いじゃないと思うぞ?」

エリカ「え?」

アンチョビ「お前が言ったじゃないか、みんなの努力を無駄にしたくないって。考えた作戦は、積み重ねてきた努力は、勝利のためにあるものだ」

エリカ「……はい」

アンチョビ「私たちだって勝つために練習して、無い予算を絞って新しい戦車を買ったりしてるんだ。

      試合後に宴会をするのだって、負けを引きずらずさっぱりした気持ちで次の試合に臨むため。

      なら、これもまた勝利のための行動だ」

エリカ「……」
483 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 19:04:27.38 ID:mjo7sVJM0
アンチョビ「まぁ、だからって負けたらそれらが全部無駄になるかっていうとそんなことは無いと思うが……んー、あー……

      逸見。なんていうか、お前はもうちょっと適当でいいと思う」

エリカ「適当?」

アンチョビ「お前の戦車道はお前の自由にしていいんだ。悩んでもいいが、凝り固まるな」

エリカ「……だけど」

アンチョビ「戦車道を楽しむ事と勝利を目指すことは矛盾しない。それは、今日の試合でお前たちが証明したことだ」

エリカ「……」

アンチョビ「いいじゃないか、戦車道なんて人それぞれなんだから。『楽しければいい』でも『勝利が全て』でも、あるいは『楽しんで勝つっ!』って戦車道だって良いさ」

エリカ「……私はそんな器用になれるでしょうか」

アンチョビ「器用になろうなんてするな。不器用でも、取りこぼしても、やりたいことをやれ。……ゆっくり見極めればいい、お前の戦車道を」

エリカ「……はいっ!」
484 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 19:05:40.46 ID:mjo7sVJM0
アンチョビ「元気出たな?ならっ、よーしっ!!お前たち今日はこのまま夜通しの宴会だっ!!」

エリカ「えっ?」

アンチョビ「安心しろ!食事はまだまだあるっ!!飲んで食べて騒ごうじゃないかっ!!」

エリカ「え、あの」

アンチョビ「よーしどんどん食べろっ!!」

エリカ「い、いや、私食事はもう……」

アンチョビ「ダメだぞ逸見ーお前はちょっと細すぎる。もっと食べて健康的になれっ!!」

エリカ「いや、一応健康管理には気を使ってて……」

アンチョビ「そんなん今気にすることじゃないっ!!明日のお前が何とかしてくれるさっ!!」

エリカ「それは後先考えてないだけじゃ……」

アンチョビ「ほらパスタにピザに肉に魚っ!!野菜も食べろっ!!」

エリカ「あ、あのっ!?ん〜〜〜〜っ!?」モゴモゴ
485 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/10(土) 19:06:08.42 ID:mjo7sVJM0
ここまでー。次火曜で
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 19:09:20.48 ID:hz/1YrZ7o
乙です
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 19:20:22.13 ID:zD+64EDGO
桃ちゃん会長から自立し始めてるのかな
会長としちゃ面白くなさそうだが
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/10(土) 19:35:59.33 ID:3eSw1NW+0
ほんとアンチョビはいいお姉さんだね
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 04:13:35.67 ID:2L8bJy2Wo
乙ー
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 09:24:48.04 ID:Z0k0+zbHO
ドゥーチェイケメン!乙
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 07:56:35.90 ID:SV0j+hjmO
ドゥーチェ!ドゥーチェ!!
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 09:38:15.28 ID:ax9AORhd0

面白かった
カルパッチョは、OVA本編では最後に初めてその名前が出てきたのを知って衝撃だった
493 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:02:09.11 ID:46PVShV/0







エリカ「……」

沙織「えりりんっ!」

エリカ「沙織?」

沙織「こんなところで何してるの?」

エリカ「別に。……月がきれいだなって」

沙織「……ホントだ。高地だからいつもより大きく見えるね」

エリカ「……ええ。照らすものすべてが煌めいて見える銀色の光」

沙織「えりりん?」
494 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:07:13.80 ID:46PVShV/0







『私、昔は月って好きじゃなかったわ。太陽の、誰かの力を借りないと輝くこともできない弱い存在に思えて』

『今は違うの?』

『……私たちは太陽があるから生きていられる。熱を、光をもらって。だけど、それは時に命を奪うこともあるわ。

 誰も太陽に近づけないし、直接見ることはできない』

『そうだね』

『でもね、月は違う。太陽の見えない夜でも、太陽の光を私たちに届けてくれる。その光は、私たちに熱をくれないけれど、この世のどんな宝石よりも美しい光だと思うわ』

『……』

『それに気づいたから、私は月が好きになった。誰かの力を借りたものだとしても、自分だけの輝きを持ってる。とても、素敵だと思わない?』

『……うん』

『※※。あなたは誰かに阿って自分を変えられるほど器用じゃないわ』

『え?』





495 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:11:36.72 ID:46PVShV/0







『あなた、自分が思っている以上に頑固で不器用なんだから。自信をもってあなたのやりたいようにやりなさい。副隊長さん?』

『……だけど、みんながそれを許してくれるかな』

『なら、やりたいことがあったら私に言いなさい。あなた、説明するのあんまり得意じゃないんだからそういうのは私がやるわよ』

『エリカさんに迷惑だよ……』

『言ったでしょ?私は月が好きって。私ひとりじゃダメでも、誰かと一緒なら私も輝けるのよ』

『なら、エリカさんの太陽って……』

『……内緒よ』

『そんなぁ!?はっきり言ってください!!』

『ダメよ。聞きたかったらあなたが隊長になってみなさい』

『お姉ちゃんがいるからまだまだ先だよ……』

『……どうかしら。案外早くその時はくるかもよ?』





496 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:15:49.83 ID:46PVShV/0
エリカ「……」

沙織「……えりりんって意外とかわいい系の顔してるんだね?」

エリカ「いきなり何?」

沙織「えりりんいつも難しい顔してるからさ、そういう風にしてれば私たちが声かけなくてもきっと誰かが友達になってくれたと思うよ」

エリカ「……あなた達みたいなお節介じゃないと無理でしょうね」

沙織「そう?」

エリカ「……ほら、そろそろ戻るわよ。風邪ひくわ」

沙織「そうだっ、だから呼びに来たんだった」

エリカ「安斎さんたち毛布とか貸してくれるかしら?」

沙織「ゆかりんが寝袋人数分持ってきてたから大丈夫だよ」

エリカ「……いや、あの子なんでそんなの持ってきてるのよ」
497 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:18:32.95 ID:46PVShV/0





チュンチュン

沙織「えりりん、みんなの撤収終わったよ。あとは私とえりりんだけ」

エリカ「そう、わかったわ。アンツィオの皆さん、いろいろお世話になりました」

アンチョビ「気にするな。私たちも楽しかった!大会が終わったらまた交流試合でもしようじゃないか」

エリカ「ええ、是非とも」

ペパロニ「次は負けないからなっ!」

エリカ「ふふっ、こっちもよ」

アンチョビ「……逸見」

エリカ「はい」

アンチョビ「次の試合頑張れよ」

エリカ「……言われなくても」

アンチョビ「……そうか。なら安心だっ!」
498 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:20:17.73 ID:46PVShV/0
エリカ「……それじゃあそろそろ」

アンチョビ「ああ」

ペパロニ「……」ジーッ

エリカ「……?まだ何かあるの」

ペパロニ「……なー大洗の隊長さん。西住みほの事、あんまり悔やむなよ?」

沙織「え?」

ペパロニ「私も詳しい事情は知らないけどさ、事故だったんだろ?なら――――」

アンチョビ「馬鹿っ!?」

ペパロニ「もがっ!?ふぇ、ふぇーふぁん?」

アンチョビ「黙ってろっ!すまない逸見、こいつは本当に何も知らないんだ……」

エリカ「……沙織、帰るわよ」

沙織「え……えりりん?」
499 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:21:21.87 ID:46PVShV/0
アンチョビ「っ……逸見!!」

エリカ「……」

アンチョビ「うちの学校の近くに来ることがあったら寄ってくれ!!予算は無いが美味しい食事ならいくらでもあるんだ!!」

エリカ「……ええ、近くに寄ったら」

アンチョビ「あ、ああっ!!まってるからなっ!!絶対にだぞ!!」

エリカ「……さ、戻りましょう」スタスタ

沙織「……」
500 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:21:50.74 ID:46PVShV/0








沙織「西住、みほ……」






501 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/13(火) 17:22:17.57 ID:46PVShV/0
次木曜で。
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 18:22:31.06 ID:7q8KxbODo
おつ
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 19:44:34.45 ID:EF94tikSo
乙です
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 22:09:08.64 ID:Ha6V2lKpO
乙です
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 19:52:53.91 ID:cdcKFQ0Go
乙ー
アンチョビは知ってるっぽいな
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/14(水) 23:06:43.13 ID:wrr6H/l5O
追いついた

和やかなムードと見せかけて、また一波乱ありそうな展開だな……
507 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 17:46:49.88 ID:D5UGscx/0




エリカ「……」ピッ







―AKIYAMA FILM―





508 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 17:48:33.81 ID:D5UGscx/0
〜♪





伝統と格式が彩る学びの園 聖グロリアーナ女学院

学業はもちろんのことスポーツ、芸術、ボランティアなど課外活動にも力を入れており世界に羽ばたく淑女の育成に力を入れています

一歩踏み入れればあなたも淑女の仲間入り





『私もこの学校に入ったおかげですっげぇ礼儀正しく優雅になりましたわよっ!』(1年 Rさん)





509 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 17:51:20.21 ID:D5UGscx/0



そんな聖グロリアーナがもっとも力を入れているのが戦車道です

高い実力を誇る戦車道チーム

どんな時でも優雅に美しく戦うその姿は学園中の憧れです

今回は戦車道チームの隊長、3年ダージリンさん(通称)にお話を伺いました


510 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 17:53:57.30 ID:D5UGscx/0
― 戦車道は荒々しいイメージもありますが、優雅にというのはどういうことでしょうか?




ダージリン『戦う事と優雅である事は決して矛盾しません。大事なのは美しくあろうとする気概。心の持ちようですわ』




511 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 17:57:10.73 ID:D5UGscx/0



― 聖グロの戦車道チームでは戦車の中でも紅茶を嗜むそうですが、何故そのような風習を?





ダージリン『単純に好き。というのもありますが、何よりも戦いの最中であっても冷静に、優雅にという気持ちを持ち続けるためです』





512 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:03:16.73 ID:D5UGscx/0


― 同じ3年生であるアッサムさん(通称)にも話を聞いてみましょう




アッサム『え?私は……正直やめてほしいなって思ってます。たまにこぼして火傷しそうになるので』

ダージリン『あら?昔ならいざ知らず、最近はそんな事ないわよ』

アッサム『あのですね……大洗との練習試合の時に盛大にこぼしたの忘れたんですか?あなたがどっか行ってたせいで私が掃除したのですけど』

オレンジペコ『ローズヒップさんも盛大にこぼしていますね。整備の生徒から結構苦情が来てますよ』

ダージリン『……ここ、カットでお願いするわ』

513 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:05:22.03 ID:D5UGscx/0



1年生にして未来の隊長候補と目されるオレンジペコさん(通称)にも話を聞いてみました
 


― 1年生にして隊長の副官ポジションにまでなっているオレンジペコさんですが、やはり聖グロはキャリアに関係なく能力のあるものを取り立てるという事でしょうか?



オレンジペコ『はい、伝統と格式を重んじる我が校ですが、決してそれに凝り固まってるという訳ではありませんから』

ダージリン『これで、OG会をもうちょっと静かにできたらいいんだけどね』

アッサム『ダージリン、声入ってますよ』


514 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:08:33.06 ID:D5UGscx/0



― 最後に、聖グロリアーナ女学院について一言ずつお願いします




オレンジペコ『努力と才能を認めてもらえる。これ以上は無いです』

アッサム『データじゃ学べない経験を教えてくれます』

ダージリン『こんな格言を知ってる?『成功するために大切なのは、どこから始めるのかではなく、どれだけ高く目標を定めるかである。』』

オレンジペコ『ネルソン・マンデラですね』

ダージリン『我が校は優秀な淑女を求めるのではないわ。高い理想に、高い目標に、真摯になれる人を求めているのよ。――――貴女たちと共に学べる日を待っているわ』



― ありがとうございました。


515 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:10:02.59 ID:D5UGscx/0



オレンジペコ『よくよく考えたら、ダージリン様は3年生だから来年入学の子と一緒に学ぶには留年する必要がありますね』

ダージリン『……あ』












〜優雅で高貴な淑女の学園〜 聖グロリアーナ女学院








(制作:秋山フィルム    ナレーション:秋山優花里)




516 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:11:41.28 ID:D5UGscx/0



エリカ「……」ピッ!



エリカ「……ねぇ、優花里あなた何しに行ったんだっけ?」

優花里「はっ!プラウダ高校の偵察でありますっ!!」

エリカ「それで、何で聖グロのPV撮ってきてるの?」

優花里「……プラウダは今までの高校と違って警備が厳重でして……途方に暮れてるところを聖グロの皆さんに声をかけられてPVを撮ってきました」

エリカ「……うん。わからないわ」

沙織「はぁ……いいなぁ、聖グロ……」

華「花の香に満ちてそうな素敵な学園ですね……」

麻子「ゆったりできそうだな」

桃「お前ら何言ってるんだっ!我が校だって良いとこ一杯あるだろっ!?」

柚子「お金は無いけどね……」

杏「まーまーよそはよそ、うちはうちって事でさ」
517 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:14:39.31 ID:D5UGscx/0
エリカ「まったく……」

パゾ美「古き良き映画の1シーンのような雰囲気、憧れますね」

エリカ「……誰?」

パゾ美「パゾ美です」

エリカ「……何しに?」

杏「パゾ美じゃーん」

パゾ美「会長、園、後藤、金春いつでも大丈夫です」

杏「おっけー、それじゃあ後で迎えに行くね」

パゾ美「……失礼します」バタンッ

エリカ「やっぱり誰なのよ……」

優花里「あ、お礼にティーセット貰ったんで、この間の紅茶でも飲みましょうか」
518 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:18:02.96 ID:D5UGscx/0





華「さすがダージリンさんが選んだだけあっていい香りですね」

麻子「よくわからん」

沙織「カップもなんだか芸術品みたいだね」

杏「ねーねー逸見ちゃん、秋山ちゃん。これ来客用に生徒会室に置いてもいい?」

エリカ「私は構わないけど……」

優花里「私もいいですよ。役立ててもらえるならそっちのほうがいいですから」

柚子「ありがとー!来客用の茶器ぐらい良いのを揃えようって前々から言ってたの」

エリカ「……それで、本題だけど。次のプラウダ戦どうするかって事よ」

桃「次の試合からは参加車輛が15輌になるな……」

柚子「また戦力差が広がるね……」

エリカ「B1は次から参加できると良いんだけど、それでも7輌……一回戦の参加上限にすら達してないわ」

杏「それでも、やるっきゃないんだよねー」

エリカ「……ええ、そうよ。あとは……相手がどう出るかね」

優花里「すみません私が調べられれば……」

エリカ「気にするような事じゃないわよ。相手の使う戦車に関しては今までのデータを参考に対策を立てましょう」
519 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:20:13.98 ID:D5UGscx/0
コンコン

杏「どうぞー」

ナカジマ「失礼します。……あ、いたいた逸見さん」

エリカ「ナカジマさん?」

ナカジマ「依頼通りW号の長砲身への換装、B1の修理完了したよ」

エリカ「本当ですか?まさかこんなに早くできるだなんて……ありがとうございます」

ナカジマ「いいよいいよ、やりがいがあったし。それと、ちょっと外出てもらえる?」

エリカ「え?」
520 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/15(木) 18:25:30.54 ID:D5UGscx/0





ナカジマ「それじゃあみんな、行くよっ!」


ドドドドド キュラキュラキュラ


エリカ「……ポルシェティーガー。レストア完了してたんだ……」

優花里「本物が動いているのを見る日が来るなんてっ!!生きててよかったっ……」

沙織「そんなに?」

優花里「そんなにですっ!この戦車はまともに動かすのも難しいんですよっ!?」

沙織「……それ使えるの?」

優花里「火力と装甲は凄いんですってっ!!」

沙織「でも動かすのが難しいんだよね?」

優花里「いやいやですが――――」


キュラキュラ ボンッ!!

沙織「火事っー!?」

優花里「……ちょっとエンジンが燃えやすくて壊れやすいだけですよ」

エリカ「改めて言われるとほんっとにひどい戦車ね……」

ナカジマ「あちゃー、ホシノー消化器消化器ー!!」
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