【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 02:03:39.41 ID:AxmsjjnP0
何が起こったのかは全くわからんが、隊長として姉としてみほを守れなかったことは確かなのに、随分偉そうだなまぽりんは
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 02:59:57.64 ID:sGEBV3fyo
どう考えてもまほに関わりないエリカ単体が原因でみほが死んだか死にかけてるでしょ
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 06:28:32.36 ID:UpVupTtF0
みほは寝たきりとかにしてハッピーエンドの可能性を諦めない
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 10:25:29.25 ID:CgucIQ4UO
エリカの闇
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 23:00:49.56 ID:tFjYUEznO
闇深い話やなー
226 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:46:27.90 ID:MgbXd2K60




エリカ「優花里、今日の練習来なかったわね。風邪でもひいたのかしら?」

沙織「ゆかりんが戦車道の授業休むって相当だからね。たぶんそうかも」

華「なら、お見舞いにいきましょうか」

エリカ「そうね」
227 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:47:39.04 ID:MgbXd2K60




―秋山理髪店―



淳五郎「まさか優花里に友達ができるだなんてっ!!」

好子「ええ、本当に嬉しいわ。あの子、戦車戦車ってうるさいかもだけど、よろしくね」

エリカ「はい、こちらこそ」

沙織「優花里さんにはいつもお世話になってますから」

好子「ふふっ、でもごめんなさい。優花里まだ学校から帰っていないんですよ」

エリカ「え?」

沙織「学校って……」

麻子「サボりか」ボソッ

好子「だからちょっと待っててもらえます?お茶とお菓子くらいは出しますから」
228 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:48:51.95 ID:MgbXd2K60






麻子「……」モグモグ

華「麻子さん、ちょっとは遠慮したほうが……」モグモグ

沙織「華、説得力0」

好子「ふふっ良いんですよ。喜んでもらえて嬉しいわ。それじゃあごゆっくり」


バタン


エリカ「……いいご両親ね」

麻子「……」

華「はい、優花里さんのことをとても大事におもっているんでしょうね」

沙織「でも、ゆかりん学校に行ったって……えりりん、何か心当たりない?」

エリカ「……そういえば昨日、『せめてサンダースの編成かフラッグ車だけでもわかれば……』って優花里に愚痴ったわね」

華「それって……」
229 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:51:26.18 ID:MgbXd2K60
ガララッ


優花里「よいしょっと」

沙織「ゆかりんっ!?」

優花里「あれ?みなさんどうしたんですか?」

エリカ「それはこっちのセリフよっ!優花里、あなた戦車道どころか学校までサボって何やってたのっ!?」

優花里「サボって……いや、確かにそう思われても仕方ありませんが、私も大切な任務をしてきたんですっ!!」

沙織「任務って?」

優花里「ちょうどいいですっ、皆さんに見て頂きたい物があって……」

華「見てほしいもの?」

麻子「なんだ」
230 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:53:04.50 ID:MgbXd2K60




エリカ「―――――なるほどね、サンダースに偵察に行ってたってわけ」

優花里「はいっ!!」

エリカ「偵察はルール上認められているし、それについてはよくやったわ。

    ……でも、最後のサンダースの機甲師団との壮絶な撃ち合いの末、隠し持っていた大日本帝国時代の巨大化薬で

    巨人と化した優花里をサンダースの隊長が戦車での壮絶な特攻で打ち倒し、残った隊員は隊長の意志を胸に刻み

    大洗との一回戦に挑むって下り、明らかにサンダースの手が入ってたわよね?」

優花里「……さぁ?」

沙織「誤魔化し方雑っ!?」

華「ラストの『サンダース!!サンダースッ!!』の大号令はお国柄を感じましたね」

麻子「B級映画甚だしかったがな」

沙織「ていうか、協賛にがっつりとサンダースって入ってるじゃんっ!?」

華「技術協力にサンダース映画研究部も入っていますね」

優花里「いやー向こうの映像技術は凄く勉強になりましたー!!」

エリカ「何を学んできてるのよ……こっちの情報漏らしてないでしょうね?」

優花里「それはもちろんっ!!捕まったときはどうなるかと思いましたが、向こうの隊長のはからいで、無傷で帰してもらえましたっ!

エリカ「……それが余裕なのか、コチラなんて相手にもしていないのか、はたまた隊長個人の性格なのかはわからないけどね」

優花里「あ、でもアリサっていう人にはデータを消すようにせまられました」

エリカ「それが普通よ」

沙織「なら、さすがに編成は変えてくるんじゃ……」

エリカ「それは多分無いわね」

沙織「どうして?」
231 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:55:28.39 ID:MgbXd2K60
エリカ「サンダースの基本戦術は数を活かした正面からのぶつかり合い。輌数制限がある一回戦であってもその戦法は今まで変えてないわ

    単純。故にどんな状況でも効果的。むしろ、下手に編成を変えたら私たちに怯えていると取られかねないわ」

優花里「ですね」

沙織「なるほどー。だったら私達でも勝てるかもっ!!」

エリカ「話聞いてた?向こうは編成がバレたって良いのよ。元より正面からこちらをすり潰すつもりなんだから」

沙織「……それじゃあどうするの?」

エリカ「……M4自体はそこまで堅い戦車じゃないわ。W号やV突で充分貫ける程度よ。でも、同じ戦車を使い続けてる私たちと違って
    
    サンダースは車両保有数1位の高校。どんな時でもベストな状態の戦車で戦うことができるわ」

優花里「いいなぁ……」

エリカ「数で負けてる私たちに正面からの突破は無理。なら、やることは一つよ。戦力分断からのフラッグ車撃破。

    でもそのためにはもっと戦車が必要ね……」

優花里「三式の乗り手が見つかれば良いんですが……」

エリカ「うーん……」
232 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:57:11.47 ID:MgbXd2K60




エリカ「うーん……」

沙織「えりりん昨日からずっとそれだね」

エリカ「しょうがないでしょ……生徒会の連中もまだ乗員を確保できてないのだから」

華「一応、交渉中ではあるそうですが……」

エリカ「そんなちんたらしてる余裕は無いのよ。こうなったら弱みでも握って……

    ってそれじゃあ生徒会の奴らと一緒じゃないっ!?やっぱり私が探すしか……」

沙織「一応私も何人かに声かけてるけど中々ね……」

優花里「私はそもそも友人が少ないので……」

沙織「……世知辛いね」

優花里「……はい」

エリカ「うーーーーーん……」
233 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:57:46.29 ID:MgbXd2K60













『やっぱり、戦車はかっこいいな……』










234 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 17:58:49.38 ID:MgbXd2K60
エリカ「―――――今誰か戦車って言ったっ!?」

沙織「え?言ってないよ」

優花里「私も……」

華「私もですが」

エリカ「いえ、確かに聞こえたわっ!戦車かっこいいって!!」

沙織「えりりん、戦車のことを考えすぎてついに頭が……」

華「そんな……」

優花里「おいたわしや……」

エリカ「違うわよっ!!確かに戦車って……こっちからっ!!」ダッ

沙織「ちょっ!?えりりんどこ行くのっ!?」
235 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:01:01.14 ID:MgbXd2K60




ダダダキキーッ!!


エリカ「っ!!ここねっ!!」



ガララッ!




ねこにゃー「やっぱり戦車はレオパルト2が一番だにゃー」カチカチ

ももがー「いやいやメルカバMk.4だって負けてないナリ」カチカチ

ぴよたん「それを言ったらチャレンジャー2だって良いってばよ」カチカチ
236 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:02:44.65 ID:MgbXd2K60
エリカ「……え?」

ねこにゃー「あれ?逸見さん……?」

ももがー「ねこにゃー殿のご友人ですか?」

ねこにゃー「えっと、クラスメイトの人……逸見さん、どうしたの?」

エリカ「あの、今戦車の話してなかった?」

ねこにゃー「ああ、それならこれだよ……」

エリカ「これって、ゲーム?」

ねこにゃー「ボクたちがやってるネトゲの携帯版なんだ。この人達もネトゲの友達。携帯版が発売したから、いい機会だってこないだ初顔合わせしたの」

ももがー「ももがーももよ!」

ぴよたん「ぴよたんぴよ!」

ねこにゃー「それで……逸見さんもこのゲームに興味があるの?」

エリカ「……ごめんなさい、私の聞き間違いだったわ。私は戦車道の履修者を探していたのよ」

ねこにゃー「戦車道……」

エリカ「邪魔して悪かったわね。とはいえ空き教室でゲームやるならもうちょい声は抑えなさい。……それじゃあね」

ねこにゃー「ま、待ってっ!!」

エリカ「何かしら?」
237 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:05:23.10 ID:MgbXd2K60
ねこにゃー「せ、戦車道の履修者求めてるって……」

エリカ「ええ、今度公式戦に出るのだけど人数が足りなくてね。戦車はあるのだけれど……」

ねこにゃー「それ、ボクに乗らせてくれないっ!?ねぇ、ももがー、ぴよたんさん一緒にやらない?」

ももがー「戦車乗れるのっ!?」

ぴよたん「願ってもない話しだっちゃっ!!」

ねこにゃー「あの、逸見さん。そういうことだから私達……」

エリカ「……………遊び気分でもいないよりマシか」ボソッ

ねこにゃー「え?」

エリカ「良いわ。あなた達を戦車道の履修者として受け入れます」

ねこにゃー「わぁ……」

エリカ「ただし、やるからには本気でやってもらうわよ。戦車道は授業の一環なんだから、単位とかの特典分は頑張ってもらうわ」

ねこにゃー「も、もちろん」

ももがー「がんばるですっ!!」

ぴよたん「本物の戦車に乗れるんだなー!」

エリカ「それなら早速今日から練習に参加してもらうわ。必修選択の時間に車庫前に集合よ」

ねこにゃー「はいっ!!」

ももがー「了解ももっ!」

ぴよたん「任せてぴよっ!!」

エリカ「それじゃあ……まずは、あなた達の本気を見せてもらおうかしら?」

『え?』
238 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:07:54.79 ID:MgbXd2K60





キュラキュラキュラ

ももがー「ぐぬぬぬぬぅーーー!!」グググ

エリカ「三式遅れてるわよっ!!隊列を崩さないでっ!!」






ダァンダァン!!


ぴよたん「はぁっ、はぁ……」

ねこにゃー「うぅ……」

エリカ「三式、狙いが甘いし装填も遅いっ!!気合い入れなさいっ!!」
239 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:10:51.71 ID:MgbXd2K60





チーン



ねこにゃー「せ、戦車って動かすの大変なんだね……」

ももがー「そ、そうだねー……」

ぴよたん「ぴよぴよ……」

エリカ「お疲れ様」

ねこにゃー「あ、逸見さん……」

エリカ「どう?初めて戦車動かした感想は?」

ねこにゃー「大変だね……」

ももがー「シフトレバーが重いってばよ……」

ぴよたん「砲弾も重くて腕がぷるぷるするだっちゃ……」

エリカ「……なら、辞め―――」

ねこにゃー「でも、楽しかった」

ももがー「うんっ!!」

ぴよたん「ずっと、憧れてたからね」

エリカ「……戦車、好き?」

『うんっ!!』


エリカ「……」
240 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:14:10.36 ID:MgbXd2K60










『あなた、戦車嫌いなの?』

『……違うよ、戦車は好き。……だけど、戦車道は楽しいって思えないな』

『なら、戦車道を好きになる素質はあるわよ』

『……そうかな』

『私は好きよ、戦車も戦車道も。戦車に乗れることが楽しいし、その上で負ければ悔しいし、勝てば嬉しいわ』

『……』

『でも、一番好きなのは……競い合ってる時。相手が本気で向かってきて、こちらが本気で迎え撃つ時

 戦車と乗員と一体になったような瞬間、私は最高に楽しいわ』

『……エリカさんは凄いね。ちゃんと、みんなと一体にになれるんだから。……私は、そんな風にできないよ』

『なら、今度一緒の戦車に乗りましょう?』

『え?』

『たしかうちってII号戦車があったわよね。あなたが車長兼砲手で、私が操縦でいいかしら?』

『で、でも……』

『あくまで練習の一環よ。あなたの手腕、間近で見せてもらうわ』

『……うん』

『どう?少しは戦車道楽しめそう?』

『……うんっ!』









241 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:16:34.09 ID:MgbXd2K60

エリカ「……そう、ならとりあえず合格ね」

ねこにゃー「ご、合格って?」

エリカ「中途半端な覚悟で戦車道やられるといるだけで邪魔だからね。でも、少なくとも戦車が好きならいいわ。……一緒に頑張りましょう」

ねこにゃー「は、はいっ!!」

ももがー「がんばるももっ!」

ぴよたん「やぁーってやるぜっ!!」

エリカ「……とはいえあなた達には体力が足りないわ」

ねこにゃー「そ、それは……ボク達インドア派だから……」

エリカ「体づくりはゆっくりやっていきましょう……って言ってあげたい所だけど、時間がないのよ。だから」パチッ

典子「隊長っ!!お呼びでしょうかっ!!」ズザーッ

ねこにゃー「え?」
242 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:18:04.78 ID:MgbXd2K60
エリカ「磯辺さん、彼女たちを一ヶ月間バレー部に体験入部させてもらえない?」

ももがー「え?」

典子「ほ、本当ですかっ!?三人もっ!!?」

エリカ「ええ、運動なんてろくにしてこなかったらしいから、基礎からみっちりやってあげて欲しいの」

典子「任せてくださいっ!!」

ぴよたん「ちょ、ちょっと待ってほしいぴよ!?」

エリカ「幸い、戦車道は授業でバレー部は部活だから時間が被ることはない。昼間は皆と一緒に戦車に乗って基礎を体に染み込ませて、

    休日と放課後はバレー部の特訓に参加してもらうわ」

ねこにゃー「い、いきなりハードな運動は体に良くないって思うなー……」

エリカ「若いんだから大丈夫よ。その辺りのケアも大丈夫でしょ?」

典子「はいっ!!倒れる寸前までやっても、次の日には全快させてみせますっ!!」

エリカ「ほら、大丈夫だって?」

ねこにゃー「で、でもっ!?」

エリカ「戦車、好きなんでしょ?なら、彼女の特訓を乗り越えればもっと好きになれるわ――――頑張りましょう?」ニコッ

ねこにゃー・ももがー・ぴよたん「」

典子「さぁっ!早速練習だっ!!気合い入れていこーっ!!」



ズルズルズル





エリカ「……頑張ってね」




243 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/26(金) 18:18:56.45 ID:MgbXd2K60
ここまでです。
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/26(金) 18:51:28.57 ID:mSWf8hRvO
指先一つで出てくるキャプテンェ・・・

245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/26(金) 19:11:37.99 ID:OiW9P29po
乙です
アリクイさんチームって大洗一根性あるよね
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/27(土) 01:13:33.79 ID:Vj5mK9xZ0
おーこういう風に変えて来たか。戦車1台早期参戦はデカい
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/27(土) 10:37:07.32 ID:TqYnXFJbo
乙ー
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/28(日) 11:39:09.31 ID:GPgjwAlK0
大洗エリカすこ
無理せず完結までお願いします!
249 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 17:57:36.24 ID:U50sD0t50





エリカ「チーム名?」

梓「はい。この間の聖グロ戦で負けたのが堪えたみたいで戦車の色はみんな戻したんですけど、

  それならせめてチーム名とエンブレムで区別できるようにしたいって……」

エリカ「今までどおりABCDEでも区別つくでしょ?」

梓「さ、流石にそれは味気ないかなーって……三式も合流したのでいい機会ですから」

エリカ「……そうね。チーム名やエンブレムで士気高揚を図るのはよくある話だからね。何かいい案はある?」

梓「え!?う、うーん……私達のチームはそうだなぁ……あ!ウサギさんチーム!!」

エリカ「ウサギさんって……どうして?」

梓「M3ってウサギ小屋で見つけたんです!だから、ウサギさんチーム!!可愛くていいかなって」

エリカ「……なるほどね。そういえば大洗の名物はあんこうだっけ?なら、私たちはあんこうチームでどうかしら?」

梓「それ良いですねっ!!」

エリカ「なら、そんな感じで決めておくわ」

梓「よろしくお願いしますっ。ところで……」
250 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:00:26.39 ID:U50sD0t50
ねこにゃー「はぁ、はぁ……も、もう無理ぃ……」

ももがー「もう10周も走ってるぜよ……」

ぴよたん「ぜぇ……ぜぇ……」

典子「ペース落ちてるよー?あと20周頑張ろう!!」

ねこにゃー「む、無理ですにゃぁ……」

典子「うんうん、根性だっ!!」












梓「あの人達は何か悪いことをしたんですか?」

エリカ「……まぁ、今までの怠惰な生活のツケが来てるってところかしら?」
251 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:04:07.84 ID:U50sD0t50





―試合会場―



エリカ「いよいよ当日ね……」

優花里「緊張します……」

エリカ「できる努力はしてきたつもりよ。……って、あら?アリクイさんチームは?」

優花里「アリクイさん……?ああっ、ねこにゃー殿達ですか。そういえばまだ来ていませんね」

エリカ「何やってるのよ……遅刻とかシャレにならないわよ。……って、バレー部もいないじゃないっ!?」

優花里「これは……何かあったのでしょうか?」

エリカ「試合前だって言うのにどこに行ったのよもうっ!!」
252 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:08:41.49 ID:U50sD0t50









『ここにいるさっ!!』








253 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:09:33.43 ID:U50sD0t50
エリカ「っ!?」

優花里「ね、ねこにゃー殿達……それに、バレー部の皆さん……」

エリカ「……遅れた言い訳、聞かせてもらえるのよね?」

典子「……隊長、命令通り仕上げてきましたよ」

エリカ「は?」

典子「……」スッ

エリカ「それって、砲弾?75mmの」

典子「安心してください。これはレプリカです。……重量以外は」

エリカ「えっと……それで?」

典子「遅れたのは最後の仕上げをしていたからですよ、見ててください。……ふんっ!!」ブンッ

エリカ「ちょっ!?何投げてんのよっ!?」

典子「お前達の成長、見せてやれっ!!」
254 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:11:15.39 ID:U50sD0t50
ねこにゃー「……まかせるにゃ」キラッ

ぴよたん「ふんっ!!」バンッ

優花里「ほ、砲弾をレシーブしたっ!?」

ももがー「うりゃぁっ!!」ドンッ

エリカ「それをトスっ!?」

ねこにゃー「……ダッ!!」ダンッ

エリカ・優花里「「飛んだぁ〜〜〜っ!?」」

典子「……決めろっ!!」

ねこにゃー「ッ!!ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」バッシィ!!




ドゴォン!!



ねこにゃー「……」スタッ
255 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:14:51.18 ID:U50sD0t50
エリカ「れ、レプリカだって言ってたわよね?」

優花里「で、ですが爆発音が……着弾点にクレーターが……」

典子「……隊長、言われた通りあいつらにみっちり基礎を叩き込んでやりましたよ」






ねこにゃー「逸見さん、ボクたち逸見さんの期待通りになれたかな」ムキッ

ももがー「辛いこともあったけど、戦車のためにがんばったももっ!!」メキメキッ

ぴよたん「……最高だぴよ」ボッ
256 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:18:07.34 ID:U50sD0t50
エリカ「」

典子「褒めてやってください。あいつら、根性ありますよ」

優花里「え、エリカ殿……」

エリカ「……ふっ、あなた達見違えたじゃない。……あなた達のポテンシャルは私の想像以上だったようね」


『ありがとうございますっ!!』


優花里(いや、想像以上っていうか異常って顔してますけど……絶対あそこまでのポテンシャルは求めてなかったでしょ……)

エリカ「とはいえ、まだ試合はこれからよっ!その鍛え上げた体がハリボテじゃないとこを見せてもらうわっ!!」

『はいっ!!』

エリカ「それじゃあ各員準備に入りなさいっ!!」

『了解ですっ!!』 ダッ!!
257 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:21:28.52 ID:U50sD0t50
エリカ「……ねぇ優花里」

優花里「何でしょうか?」

エリカ「最近のインドア派って、凄いのね」

優花里「……ですね」

アリサ「アンタ達っ!!試合前になにやってんのよっ!?」

エリカ「あなたは達は……」

優花里「アリサ殿にナオミ殿っ!!この間はお世話になりました」

ナオミ「礼は良いさ。うちの隊長がお前のことを気に入ったみたいだしな」

アリサ「それよりっ!今の音、砲弾が暴発したのっ!?」

エリカ「……いや、ちょっと砲弾が落ちてきてね」

アリサ「砲撃を受けたっ!?」

エリカ「いや、ち、違うのよ?ただ、想定以上の結果を受け止めきれてないのは私達も一緒で……」

アリサ「何言ってるかわかんないけど、試合前に怪我人出して試合に影響が出るとかやめなさいよ。

    ……もっとも、弱小チーム相手に試合をするのも時間の無駄だから棄権するなら構わないわよ?」
258 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:27:30.91 ID:U50sD0t50
エリカ「……へぇ?随分と弱気ね。勝ち目が薄いと知って盤外戦術?勝利にこだわるその姿勢は好きだけど、優勝候補にしてはちょっと情けないんじゃない?」

アリサ「なんですって?」

沙織「ちょっと、何騒いでるの」

エリカ「……別に騒いでなんかいないわよ」

ナオミ「すまないな。ところで、大洗の皆さん、もしよかったらうちにこない?交流も兼ねてお食事でも」

沙織「わっナンパだ」

エリカ「いや、なんでわざわざ敵陣になんか……」

杏「いいじゃんいいじゃん。行こ行こ」

優花里「会長殿?」

杏「向こうの誘いをわざわざ無碍にするのもねー」

エリカ「……まぁ、いいか。行ってあげるわよ案内しなさい」

アリサ「なんでそんなに偉そうなのよ……」

沙織「ごめんなさい、えりりんこういう子だから……」
259 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/01/28(日) 18:28:15.66 ID:U50sD0t50
ここまで
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/28(日) 19:37:09.22 ID:v4oO0gjK0
この時点でうさぎさん半覚醒にアリクイさんチーム参戦とか
しかもここの片眼鏡本編より使えそうだし
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/28(日) 20:00:27.64 ID:WzCSGOWJ0
サンダースの主力はM4
史実にもアニメ本編にもなかった三式の75mm砲がM4に向けて火を噴くのか…
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/28(日) 22:39:09.70 ID:/ldFF8Zeo
乙ー
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/30(火) 04:25:52.24 ID:c7/oE1GdO
乙です
264 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:02:36.22 ID:JnDuCeuZ0



優花里「わぁーっ!!救護車にシャワー車、ヘアサロン車まで……」

麻子「いや、ヘアサロン車はいらないだろ」

エリカ「うちはこんだけお金持ってますよって自慢なんでしょ」

沙織「またえりりんはそんなこと言って……」

華「さすがサンダースですね、食事のサイズもアメリカンですっ」モグモグ

沙織「もう食べてるっ!?」

麻子「しかもタダだ」ペロペロ

沙織「麻子までっ!?」   

優花里「右手にハンバーガー左手にホットドッグ……。5段のアイスクリーム……」

エリカ「馴染みすぎでしょ……」

ケイ「ハーイ!大洗のみんなー!!」

杏「やぁ、お誘いありがとう」

ケイ「良いっのよアンジー!」

優花里「ケイ殿っ!」

ケイ「オッドボール監督っ!来てくれてありがとうっ!!」

優花里「そ、その呼び方はちょっと……」

ケイ「あなたの撮影した映画、サンダースの学園艦で人気なのよ?」

優花里「そうなんですかっ!?」

ケイ「ええ、次回作はもっと凄いのを期待するわっ!もちろん、資金提供は任せてっ!」

優花里「はいっ!」
265 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:12:45.96 ID:JnDuCeuZ0
エリカ「あの潜入動画人気なのね……サンダースの人たちの感性はわからないわ……」

麻子「食べ物も映画も大雑把で脂っこいのが好きなんだろ」

ケイ「ハーイ、エリー!あなたも来てくれたのねっ!」

エリカ「ご招待を無碍にするほど礼儀知らずじゃないですよ。ていうかエリーって……」

ケイ「エリカだからエリー。いいでしょ?それとも白雪姫様がいい?」

エリカ「……は?」

ケイ「ダージリンが言ってたのよ、大洗の逸見エリカのソウルネームは白雪姫だって。よく似合ってるじゃないっ!」

優花里「ダージリン殿広めてるんですね……」

沙織「えりりんいいなぁ……」

エリカ「あ、あのドヤ顔紅茶女王なんてことをっ……!?」

ケイ「それで、エリーと白雪姫どっちがいい?」

エリカ「エリーでお願いします」

沙織「ええー?もったいない……」

エリカ「沙織は黙っててっ!!」

ケイ「あははっ、仲いいわねっ!!」
266 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:18:15.97 ID:JnDuCeuZ0
エリカ「そういえば、優花里が世話になったみたいですね、ありがとうございます」

ケイ「良いのよ別にっ!諜報はルール上認められてるんだからっ」

エリカ「……それをわざわざ見逃すのもルールにありましたっけ?」

ケイ「ノンノン!違うわよ、どんなに手の内を暴かれても私たちはいつも通り正々堂々と戦わせてもらうってことよ!」

エリカ「そのフェアプレイ精神、黒森峰でも有名でしたよ」

ケイ「そうなの?それは光栄ねっ」

エリカ「……でも、その余裕が仇にならないといいですけどね」

ケイ「エリーそれは違うわ、フェアプレイは余裕じゃない。正々堂々は私たちの全力勝負なのよ」

エリカ「……甘い事を」ボソッ

ケイ「……エリーの戦車道ってなに?」

エリカ「え?」

ケイ「私にとって戦車道は、勝敗関係なくお互いを高めるためにあるものよ。勝っても負けても試合後はノーサイドっ!

   だって戦車道は戦争じゃないんだからっ!!楽しまなきゃ損。でしょ?」

エリカ「……私は、私の戦車道は―――――」
267 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:22:15.05 ID:JnDuCeuZ0








『間もなくサンダース大付属高校と大洗女子学園の試合を開始いたします。選手はすみやかに集合してください』













エリカ「……時間みたいですね」

ケイ「そうね、さっきの答えは試合後に聞かせてっ!―――――いい試合にしましょう」

エリカ「……ええ」
268 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:29:51.80 ID:JnDuCeuZ0





エリカ「……カメさんチーム、カバさんチーム、アヒルさんチーム、ウサギさんチーム、アリクイさんチーム全員準備はできてる?」

『はいっ』

桃『気の抜けるチーム名だな……』

エリカ「聞こえてるわよ。……それじゃあ作戦の確認ね。説明した通り彼我の戦力差は大きいわ。とはいえ試合はフラッグ戦、相手のフラッグ車さえ倒せばこっちの勝ちよ」

麻子「それができれば苦労しないんだがな」

沙織「麻子っ!」

エリカ「スタート後森に入り相手を誘い出し、敵戦力を分断。その後フラッグ車を誘い出し、隠れたV突で撃ち抜く」

桃『そんなに簡単に行くのか?』

エリカ「……たぶん、簡単にはいかないでしょうね」

桃『それじゃあまずいじゃないかっ!!?』

エリカ「落ち着きなさい桃ちゃん。……今回の鍵はアリクイさんチームよ」

ねこにゃー『えっ?ボク達……?』

桃『桃ちゃん言うなっ!』
269 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:37:26.58 ID:JnDuCeuZ0
エリカ「あなた達の乗ってる三式はM4に対抗するために作られた戦車。おまけにギリギリでの出場登録――――嫌でも相手はあなた達に注目するわ。あれは大洗の秘密兵器では?って」

ねこにゃー『っ……』

エリカ「初試合のあなた達には酷かもしれないけど、今回のあなた達の仕事は生き残ることよ」

ねこにゃー『生き残ること……』

エリカ「そう。相手のM4を正面から倒せる三式は相手にとって脅威よ。だからこそ、あなた達は存在するだけでプレッシャーになるわ」

ねこにゃー『……』

エリカ「一瞬でも相手の意識を反らせればいい。後は他の子達が狩るから。だから、無理に攻撃しないで。あなた達がやられるとしたら最後よ――――フラッグ車である私達は、絶対に生き残るから」

ねこにゃー『はいっ!!』

エルヴィン『頼もしい将だな』

エリカ「以上よ。―――全員、健闘を祈るっ!!」

『了解っ!!』
270 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:39:01.88 ID:JnDuCeuZ0




『試合開始っ!!』










エリカ「パンツァー・フォー!!」









271 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/01(木) 17:39:36.71 ID:JnDuCeuZ0
ここまで
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/01(木) 18:19:26.76 ID:usWTE1DiO
ネトゲチーム頑張れ!
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/01(木) 22:34:26.84 ID:I6mTTu1Io
乙ー
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/01(木) 22:51:25.79 ID:2UAhJwCwO
おつー
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/02(金) 00:25:19.46 ID:eVci1ikn0
乙ぅ!
276 :以下、名無しのかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/02(金) 00:54:43.35 ID:wc77wDOW0
乙!エリカには勝敗にこだわって欲しいな
277 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:13:46.38 ID:4B7i6UF50




エリカ「……全員いるわね。まずは相手戦力を分散させるわ。ウサギさんチームはD55地点に、

    アヒルさんチームはG44地点に偵察に向かって。敵車両を発見次第陽動して分断を図って。撃破は考えなくていいわ」

『了解』

エリカ「残りはこのまま前進。……戦車の数も性能も、練度も相手の方が上。……私たちが勝つのに必要なのは作戦と」

優花里「運。ですか?」

エリカ「……勝利の女神様が微笑んでくれるのを期待するわ」

沙織「なら、えりりんに期待だね」

エリカ「なんでよ?」

沙織「だって、私達の勝利の女神はえりりんだもん」

エリカ「……あなたねぇ、よくそんな恥ずかしいこと言えるわね」

優花里「私は沙織殿の意見に賛成です」

華「私も」

麻子「私は知らん」

エリカ「……ま、良いわよ。女神だなんて言われて悪い気はしないからね」
278 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:19:18.88 ID:4B7i6UF50





梓『こちらウサギさんチーム。敵のシャーマン3輌発見』

エリカ「よし、そのまま陽動に入って」

梓『わかりま―――っ!?さ、下がってっ!!』

エリカ「どうしたの!?」

梓『敵シャーマンに発見されたようですっ!!まだ距離はあるはずなのにっ……嘘っ!?もう3輌っ!?』

エリカ「っ!?とにかくそこから離れてっ!!救援を出すわっ!!」

梓『はいっ!』

エリカ「カメさんとカバさんはウサギさんの救援に向かってっ!!ここで一輌失うのは痛いわっ!!」

エルヴィン『了解』

杏『任されたー』

ねこにゃー『あの、ボクたちは……』

エリカ「アリクイさんはこのまま私たちについてきて!下手に敵の前に晒すよりここぞって時に陽動になってもらうからっ!」

ねこにゃー『わ、わかった』
279 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:25:53.34 ID:4B7i6UF50





エリカ「まさかこんなに早く見つかるだなんて運が悪いわ……」

優花里「相手は強豪校……偵察の技術も上ということでしょうか」

エリカ「そういうことなんでしょうね」

杏『あー逸見ちゃん逸見ちゃん』

エリカ「どうしたの?」

杏『ごめん、挟み撃ちされてる。ウサギさんチームとは合流できたんだけど、私達の後ろからシャーマン3輌来てね。内1輌はファイアフライ』

エリカ「はああああああああっ!?」

エルヴィン『どうやらこちらの動きは完全に読まれていたようだな』

優花里「ファイアフライを含むシャーマン9輌を森に投入だなんて随分思い切った作戦ですね……」

沙織「えりりんどうするっ!?」

エリカ「っ……挟み撃ちの状況で下手に立ち向かってもやられるだけだわ。木を障害物にしてなんとかバラバラに逃げてっ!!」

『了解っ!』

典子『隊長っ!我々も救援に向かったほうがいいですか!?』

ねこにゃー『い、逸見さんボク達も……』

エリカ「……っ!!」バッ

沙織「えりりん急にどうしたの?」

優花里「外に敵車両がいるんですか!?」
280 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:30:27.06 ID:4B7i6UF50
エリカ「……やっぱり。―――アヒルさんチームはその場で待機しててっ!」

典子『しかしっ!』

エリカ「いいからっ!!M4の集団に八九式が突っ込んだところでやられるのがオチよっ!だったらさっき指定した高台でフラッグ車を探してっ!!」

典子『っ……了解』

沙織「えりりん一体……」

エリカ「無線が傍受されてるわ」

沙織「えっ!?ほんと!?」

エリカ「ええ、傍受機が上げられてる」

沙織「ズルじゃん!?」

優花里「いえ、確か無線傍受についてはルールの記載がなかったかと……グレーゾーンってとこでしょうか?」

沙織「でもでもっ!!」
281 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:37:59.12 ID:4B7i6UF50
エリカ「……優花里、サンダースの隊長は無線傍受をするような人だと思う?」

優花里「……私の感想としてはそんなことをする人とは思えません」

エリカ「私もケイさんがそんなことをするとは思えないわ」

沙織「それなら誰が無線傍受だなんて……」

エリカ「無線傍受してそれを元に指示を出しているなら、やっているのはサンダースのTOP3のどれか……

    ケイさんは違う。いくらルールに規定が無いからと言ってグレーゾーンな無線傍受なんてするとは思えない」ブツブツ

沙織「えりりん?」

エリカ「なら、あのナオミって人?……いや、そもそも前線に出ている人が傍受なんてする?たとえ主犯だったとしても戦いながら指示をする余裕があるとは思えない。

    だとしたら―――フラッグ車のあいつか」

優花里「エリカ殿、現状ばらばらに行動していますから無線での意思疎通ができないとなると各個撃破の危険が……」

エリカ「……よし」













ぴよたん「ど、どうなっちゃうんだっちゃ……」

ももがー「いきなり大ピンチだぞな……」

ねこにゃー「……あれ?逸見さんが何か……止まれ?」
282 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:40:04.77 ID:4B7i6UF50
エリカ「猫田さん聞こえるっ!?」

ねこにゃー「聞こえるよ……」

エリカ「悪いけど時間がないから手短に話すわねっ!!私達の無線は傍受されてるわっ!!」

ねこにゃー「えっ!?」

エリカ「だから現状無線は使えないわっ!」

ねこにゃー「そ、それじゃあどうするの……?無線が使えなきゃ連携なんて……」

エリカ「そうよ。だから、私達でフラッグ車を仕留めるのよっ!!」

ねこにゃー「……え?」
283 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:44:01.67 ID:4B7i6UF50






ケイ『アリサ、ごめんなさい。取り逃がしちゃったわ』

アリサ「大丈夫です隊長。大洗の戦車は6輌。内3輌をそちら側に投入したということはフラッグ車を守っているのは三式と八九式。

    八九式なんていないようなものですから実質護衛は1輌ということになります。そのまま逃した車両を追いつつ森を捜索してください」

ケイ『オッケー!』





エリカ『こちらあんこうチーム。各車状況を伝えて』

杏『カメさんチームは生きてるよー』

梓『こちらウサギさんチーム。なんとか生きていますが、カメさん、カバさんチームとは離れてしまいました……』

エルヴィン『上に同じだ』

エリカ『っ……仕方ないわ、こうなったら戦力を集結させて、一点突破。敵フラッグ車を直接叩きにいきます!

    敵が戦力の殆どを遊撃に費やしているなら勝機はあるわっ!!アヒルさんチームはそのまま偵察を続けてっ!

    残りの車両は私達のいるB23地点に集まってっ!!』

『了解!』
284 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:47:24.56 ID:4B7i6UF50

アリサ「勝機ですって?……残念だけどそんなものは無いわよ。――――敵フラッグ車はB23付近にいる。

    おそらく戦力を集結させてこちらのフラッグ車に仕掛けてくるわ。先回りしてフラッグ車を仕留めてっ!!」

ケイ『オーケー!でも、相手が仕掛けてくるつもりならこちらも何輌かフラッグ車の護衛に回しましょうか?』

アリサ「いえ、そのままで大丈夫です。相手との距離を考えるとそのままフラッグ車を叩きに行ったほうが早いですから」

ケイ『わかったわ!』
285 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:48:52.41 ID:4B7i6UF50






典子「……偵察っていっても敵全然いないなぁ……」

妙子「やっぱり私達も皆のところに行ったほうが……」

典子「いや、隊長はここを指定したんだ。なら、何か意味があるはず……」

ギャギャギャッ

典子「っ敵!?」

キュラキュラ


エリカ「……っと。あ、いたわね」

典子「隊長!?どうして!?」

エリカ「悪いけど説明は後よ。ついてきて」

典子「っはい!!」

エリカ「物分りが良くて助かるわ――――さぁ、反撃開始よ」
286 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/04(日) 18:49:32.00 ID:4B7i6UF50
ここまで
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 22:35:51.02 ID:sQqdIe7Oo
乙ー
288 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:11:18.85 ID:TRvl/PIH0





エリカ『こちらフラッグ車、敵のシャーマンを視認。B23からC25まで後退するわ!みんな、早く来てっ!!』

杏『あいよー』

エルヴィン『今行くぞっ!!』

梓『待っててくださいっ!!』




アリサ「ふっ、逃げても無駄よ。―――敵のフラッグ車はC25地点まで後退したわ!」

ケイ『Really!?なんでそんなことまでわかるのっ!?』

アリサ「サンダースで培ってきた経験と、女の勘ですっ!」

ケイ『ふふっ何それ?まぁいいわ。乗らせてもらうわよっ!!』

アリサ「……無名校が全国大会にでるのがどういうことか、しっかりと味わってもらいましょう」
289 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:16:03.43 ID:TRvl/PIH0
ダァンッ!


アリサ「きゃぁっ!?砲撃っ!?」






あけび「命中ですっ!!」

典子「よしっ逃げろーっ!!」






アリサ「八九式!?なんでこんなところにっ!?」

操縦手「どうしますっ!?」

アリサ「追いなさいっ!あんなポンコツ私たちだけで充分よっ!!」





妙子「追ってきてますっ!!」

忍「どこまで逃げ切れるかっ……」

典子「隊長が信じてくれてるんだっ根性見せるぞっ!!」
290 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:20:46.46 ID:TRvl/PIH0
――――
―――
――




エリカ「いい?戦力の殆どを遊撃に費やしてるということはフラッグ車は無防備な状態ということよ。

    本隊から離れた場所にいるでしょうけど離れすぎると今度は自身が攻撃された時に助けを呼べなくなる。

    それを踏まえた上でフラッグ車の位置を予測すると……おそらくここね」


沙織「森の端っこのほうだね……」

エリカ「ここにいられると木々が邪魔で砲撃が通りにくいわ。敵主力が来るまでに終わらせないといけないからここから動いてもらう必要がある」

沙織「それじゃあどうするの?」

エリカ「八九式に引っ張ってきてもらうのよ」

沙織「……つまり、また囮作戦?」

エリカ「……少数で強敵を撃破するには一番効果的なのよ」

優花里「そうですよっ!」

エリカ「アヒルさんチームっ!」

典子「はいっ!」

エリカ「今から言うポイントに敵のフラッグ車がいるわっ!!あなた達にはそいつを平原まで引きずり出してほしいっ!」

典子「なるほどっ!!」
291 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:24:58.48 ID:TRvl/PIH0
エリカ「相手はM4、そちらは八九式。相手の撃破はまず無理だけどとにかく逃げて、生きて、おびき寄せてっ!!」

典子「任せてくださいっ!!」

エリカ「頼んだわっ!!……典子」

典子「……了解っ!!」


エリカ「それじゃあ各自移動を……」

ねこにゃー「逸見さん、作戦名は?」

エリカ「は?」

ねこにゃー「い、いや、なにか作戦名があるといいなーって」

エリカ「あのね……時間がないって言ってるでしょ」

沙織「いいじゃん、なにか決めてよ」

優花里「少数で大軍をかき回すのですから何かしらの暗号名があったほうが燃えますっ!」

エリカ「……作戦名ねぇ」
292 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:30:25.14 ID:TRvl/PIH0











『……※※、さっきの作戦はなんなの?』

『え、何かまずい手を打ってた?』

『違うわよ名前よ名前、何よボコボコ作戦って。気が抜けるわ』

『相手を挟み撃ちにして手も足も出させないうちに撃破する作戦だったから……』

『あなた、意外とエグイ事考えるわね……』

『え?可愛くないですか?ボコみたいでっ!!』

『……まぁいいけど』

『なら、エリカさんも作戦名に使っていいよっ!ボコボコ作戦ツヴァイとかっ!』

『遠慮しておくわ』

『そんなぁー!?』







293 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:34:30.62 ID:TRvl/PIH0

エリカ「……それじゃあ、コッソリ作戦で」

沙織「コッソリ作戦?」

エリカ「この作戦の事を知ってるのは今ここにいる3チームだけよ。敵も味方も欺いてコッソリ勝利を勝ち取りに行くわっ!!」

ねこにゃー「チーム名もそうだけど、逸見さん意外とかわいいネーミングセンス……」

エリカ「あなたが作戦名が欲しいって言ったんでしょっ!?もう、いいから行くわよっ!!」
294 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:40:52.49 ID:TRvl/PIH0
――
―――
――――



典子「避けろ避けろーっ!!」

忍「っ!!」

あけび「効かなくても挑発くらいにはっ!!」


ダァンッ  ガンッ!


アリサ「はっはーっ!!豆鉄砲が痒いわねっ!!」

砲手「連絡はいいんですか?」

アリサ「あの程度の相手に隊長たちの手を煩わせる必要はないわっ!」

295 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:45:38.81 ID:TRvl/PIH0







ケイ「アリサの言う通りならそろそろなんだけど……」


ダァンッ!!

ケイ「っ!?みんな、気を付けてっ!!敵は近くにいるわっ!!」





ねこにゃー「んー……やっぱり当たらないか」

ぴよたん「目的は撃破じゃないって言ってたぴよ」

ももが「とにかく、相手を引き付けるももっ!!」

ねこにゃー「そうだね……どんどん撃とう!」


ダァンッ!   ダァンッ!



296 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:48:46.63 ID:TRvl/PIH0





ケイ『三式のものだと思われる砲撃を確認っ!!』

アリサ「っ!?三式はフラッグ車の護衛。なら、近くにフラッグ車もいるはずです!数で押し切ってくださいっ!!」

ケイ『オッケー!!』




典子「逃げろ逃げろー!!」






アリサ「ちょこまかとっ!!……撃てっ!!」


ドォン! ガァンッ!

シュポッ





典子「痛つつ……」

妙子「やられちゃいましたぁ……」
297 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:52:40.87 ID:TRvl/PIH0
アリサ「全く、手間取らせてくれたわね。本隊から離れすぎたわ。急いで戻りま――――っ下がって!!」


ダァンッ!!


ドォンッ!




華「っ……」

沙織「外れたっ!?」

エリカ「いえ、避けられたのよっ!!装填急いでっ!!」

優花里「待ち伏せがバレたなら下がったほうがいいのではっ!?」

エリカ「逆よっ!あっちはもう主力を呼び戻しているわ、一対一の今を逃したらもう勝ち目はないっ!!追ってっ!!」

麻子「おう」

エリカ「っ……サンダースの副隊長の肩書は伊達じゃないってことね」

梓『こちらウサギさんチーム、カメさん、カバさんと合流してポイントまで到達しましたっ!!あんこうチーム達はどこですかっ!?』
298 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 19:58:42.62 ID:TRvl/PIH0
アリサ「W号っ!?なんであんなところにっ!?」

ケイ『アリサっ!38tとM3、V突が来たわっ!!だけど、相手のフラッグ車が全然見つかんないんだけどっ!?』

アリサ「すみませんっ!!それは囮だったみたいですっ!!フラッグ車は、W号は今目の前にいますっ!!」

ケイ『っ!?すぐ救援に行くわっ!!』











ダァンッ! ダァンッ!!


ナオミ「……チッ、さっきからあの三式傾斜に隠れてなかなか顔を出さないな……」

ケイ『ナオミっ!!それは囮よっ!フラッグ車は今アリサのとこにいるってっ!!三式たちはほかの子に任せて、私たちは戻るわよっ!!』

ナオミ「何っ!?」
299 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 20:04:56.79 ID:TRvl/PIH0




ダァン!  ダァンッ!

アリサ「さっさと逃げなさいっ!!合流地点まで行けばあんな奴らボッコボコにできるんだからっ!!」

操縦手「だから連絡しなくていいんですかって聞いたのに……」

アリサ「うるっさいわねっ!!?ほら、こっちもどんどん撃ち返しなさいっ!!」

装填手「傍受機のせいで弾が遠くて……」

アリサ「っ〜〜〜〜〜!?なんで、なんでなのよっ!!あんな奴らさっさと倒して今頃タカシと電話してるはずだったのにっ!!」

装填手「番号交換してたんですか?」

アリサ「初電話よっ!!やっと番号手に入れたんだからっ!!」

装填手「ほかの人から聞いたんですね……」

砲手「もしくは不正アクセス?」

アリサ「黙って働きなさいっ!!」
300 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 20:10:08.22 ID:TRvl/PIH0

ダァンッ!!

エリカ「麻子っ!!絶対に逃がさないでっ!!」

麻子「わかっている」

ダァンッ!!

華「っ……動いている的に当てるのは、今の私にはっ……」

エリカ「華落ち着いてっ!この距離ならどこかに当たれば倒せるわっ!!」

優花里「どういうわけか相手は砲撃に時間がかかっています!!今ならっ!!」





ダァンッダァンッ!!



ケイ『アリサ!ごめんっ、全速力で戻ってるけどもうちょっとかかりそうっ!!』

アリサ「っ……深追いさせすぎた……」

装填手「相手の砲撃、どんどん精度があがってますっ!?」

アリサ「なんなのよあいつらはぁッ!?」

砲手「どうしますっ!?」

アリサ「っ……そうだ、こうなったらっ!!」
301 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 20:14:54.49 ID:TRvl/PIH0
梓『先輩っ!?エリカ先輩っ!?今どこにいるんですかっ!?』

沙織「えりりん、返さなくていいの?」

エリカ「今はそれどころじゃないわっ切っといて!!」

優花里「……相手の砲撃が止みましたね」

エリカ「え?」

華「弾切れですか?」

優花里「チャンスですっ!!一気に仕留めましょう」

華「はいっ!!」

エリカ「……っ!?まずい、砲撃待っ―――――」

華「っ!!」



ダァンッ!!



アリサ「今よっ!!」

キキーッ!!

302 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 20:18:49.42 ID:TRvl/PIH0
エリカ「急停止っ……冷泉さんっ!!曲がってっ!!」

麻子「っ!!」

ギィイイイイイ!





アリサ「停止射撃ならっ……撃てっ!!」


ダァンッ!!    ダァンッ!!


シュポッ! シュポッ!!
303 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 20:19:36.42 ID:TRvl/PIH0







『大洗、サンダース両校のフラッグ車の走行不能を確認、これより判定に入ります』







304 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/06(火) 20:20:05.80 ID:TRvl/PIH0
ここまで
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 23:39:54.18 ID:7q1y1TlDo
乙ー ギリギリの戦いだ
306 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 17:26:46.48 ID:UmuUGmen0





『大洗、サンダース両校のフラッグ車の走行不能を確認、これより判定に入ります』








梓「……え?どういうこと?」


桃「あいつら、どこで何してるんだ?」


左衛門佐「人知れず果し合いでもしてたのか?」

307 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 17:29:52.81 ID:UmuUGmen0
優花里「……相打ちですか?」

華「……こちらは撃っていません」

沙織「え?ならなんで」






『判定の結果、サンダース大学付属高校フラッグ車が先に走行不能と確認。よって、大洗女子学園の勝利っ!!』





308 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 17:34:44.08 ID:UmuUGmen0
沙織「え?………………やった、やったやった勝ったよっ!?勝ったよえりりんっ!!?」

優花里「あのサンダース相手に勝てたんですね私たちっ!!」

華「ですが、誰が相手のフラッグ車を……」

麻子「……あれだろうな」チラッ

沙織「あれって……ん?アリクイさんチーム?なんであんなところにっ!?」

エリカ「直接聞いたほうが早いわね」

沙織「あ、そっか。試合終わったから無線使えるね」

エリカ「猫田さん?」

ねこにゃー『逸見さん?ボクたち、勝てたんだね……』

エリカ「ええ、あなたたちの砲撃のおかげでね。そんなところからよく当てられたわね?」

ぴよたん『足止めしようって適当に撃ったら当たったぴよっ!!』
309 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 17:41:37.11 ID:UmuUGmen0
エリカ「……ていうか、あなたたちなんでそんなとこいるの?敵の主力をおびき寄せるために森の奥にいなさいって言ったわよね?」

ねこにゃー『ほ、ほかのチームが見えた段階で囮は任せてこっちにきたの……コッソリ作戦の事、知ってるのボクたちだけだったから……』

エリカ「……つまり命令無視の独断専行ってことね」

ねこにゃー『ご、ごめんなさいっ!?』

エリカ「黒森峰だったら謹慎10日は食らうわよ?……でも、今回は助けられたわ。よくやった、とは口が裂けても言えないけどね」

ねこにゃー『……うん!』

エリカ「次からはちゃんと命令は遵守しなさいよ。それじゃあ、後でね」

優花里「ねこにゃー殿たちお手柄ですねっ!」

エリカ「……っ!!」ガンッ!!

沙織「わっ!?えりりんどうしたのっ!?」

優花里「エリカ殿、手がっ!?」

エリカ「……負けたわ。完璧に」ギリッ

優花里「そ、そんなこと」

エリカ「猫田さんたちが偶然当ててなかったら負けてたっ!!わかるでしょっ!?」

優花里「それは……」

エリカ「偉そうに指揮して、大口叩いて、その結果がこれ?私は……私にはやっぱり……」

沙織「……えりりんっ!!」

エリカ「……沙織?」
310 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 17:47:38.39 ID:UmuUGmen0
沙織「ほら、手だして。……ちょっと切れてるじゃん!?消毒して、絆創膏貼るから!!もう、女の子なんだからもっと体は大事にしてってばっ!!」

エリカ「……」

沙織「えりりん、さっき言ったこと覚えてる?」

エリカ「……?」

沙織「私たちの勝利の女神はえりりんだって」

エリカ「……ええ」

沙織「えりりんは偶然勝ったことに納得してないのかもしれないけど、えりりん言ってたじゃん相手のほうがずっと強いって」

エリカ「……練度も車両性能も、数も相手が上。普通にやって勝てるわけがなかったわ……」

沙織「でも、私たち勝ったんだよ。偶然でも、たまたまでも、勝ち目がない試合で勝ちを引っ張ってこれたのはえりりんが指揮したからだよっ!!」

エリカ「私が……」

沙織「猫田さんたちだってそう、この試合に猫田さんたちが参加できたのはえりりんが見つけたからなんだよ?」

エリカ「……」

沙織「その猫田さんたちがちゃんとえりりんの指示を聞いて、その上で自分たちで何とかしようって動いた結果なんだよ」

エリカ「それは……」

沙織「えりりん。納得できない気持ちはわかるけど、それでも勝ちは勝ち。喜んだってバチはあたらないって思うな」

エリカ「……そう、ね」

沙織「そうそう♪」

華「ですね」

優花里「はいっ!!」

麻子「結果オーライだ」
311 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 17:53:47.50 ID:UmuUGmen0
沙織「はい、絆創膏貼ったからもういいよ」

エリカ「沙織……ありがとう」

沙織「ん。そうだほかのチームのみんなに連絡しないとっ!?」

エリカ「そういえばそうね」

優花里「アヒルさん、アリクイさんチーム以外は何が起きたかわかってないでしょうしね」

沙織「えっと……あーっ!?」

エリカ「どうしたの?」

沙織「携帯っ!!これ使えば良かったじゃんっ!?」

優花里「あー……確かにチーム内ならメールでの連絡もとくに規定はなかったはず……」

沙織「これでみんな集めればあんなギリギリの試合しなくても良かったのにぃー」

エリカ「……ま、いいじゃない勝ったんだから」

沙織「えりりんがそれを言う!?」

エリカ「っと、ごめんなさい私ちょっと出るわね。ほかの子たちへの連絡は沙織がやっといて」

沙織「えりりん?」
312 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 17:58:07.71 ID:UmuUGmen0




栗毛の少女『……』




エリカ「……言ったでしょ?あなたの策には乗らないって。私は、あなたなんかに頼らない。――――さっさと消えなさい」




栗毛の少女『……』スゥー




313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 17:59:46.31 ID:3iXoEjyTO
やっぱり亡くなってるのかなあ...? 乙
314 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/02/08(木) 18:00:29.19 ID:UmuUGmen0
今日はここまでで
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 18:02:53.11 ID:GruonK1/o
乙です
なんだかんだサンダースって強いよなぁ
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 18:49:39.45 ID:VAlrg9laO
気になるなぁ・・・乙
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 22:55:39.25 ID:xOuiz61Zo
乙ー
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 09:31:16.80 ID:39gUdHmK0

アニメ時決勝戦ではエリカの攻撃をアリクイが防いだことを考えると、今回の更新は感慨深い
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 12:07:30.86 ID:Z9RJoKDf0
さおりんそういうことは男の子に言えばモテモテなのになあ
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/10(土) 00:54:04.38 ID:bXXyo1TmO
乙です!
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