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【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」
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21 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:26:20.56 ID:3UUVGVQ/0
エリカ「それだけですか?」
桃「それだけって、何を言って……」
杏「とにかくさー逸見ちゃん経験者なんでしょ?ウチも昔は戦車道をやっていたとはいえ、もう20年以上も前の話でね。経験者がいてくれると色々と捗るんだよ」
柚子「そういうわけなの。やってくれない?」
エリカ「……なるほど。話はわかりました」
杏「おっ、話が早いねー。それじゃあよろしくっ!」
エリカ「その前に一つだけ聞かせてください」
杏「何ー?」
エリカ「あなた達、何か隠していますよね?」
杏「何のことかな?」
22 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:32:49.90 ID:3UUVGVQ/0
桃「そ、そうだぞっ!?我々に隠し事なんてあるわけないだろ!?」
柚子「桃ちゃんっ!」
沙織「エリカ、どうしてそう思うの?」
エリカ「生徒会の皆さん、あなた達の行動にはどこか必死さがある」
杏「そんなこと無いと思うけどなぁ」
エリカ「そもそも経験者を欲しいだけならわざわざ生徒会直々に勧誘しにこなくてもいいんじゃない?」
杏「だからー初心者しかいないより経験者がいたほうがいいじゃん?」
エリカ「そのためにわざわざ私の評判まで調べたっていうんですか?経歴だけなら転校する時に書類に書いたはずですけど」
杏「……あー、明日のオリエンテーションで話す予定だったんだけどさ、数年後に戦車道の世界大会が日本で行われることになってんのよ」
エリカ「聞いたことがありますね」
23 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:35:48.32 ID:3UUVGVQ/0
杏「それでさ、文科省から全国の高校に戦車道に力を入れるようにってお達しがあったわけ。うちが戦車道を復活させたのもそういう理由があるのよ」
エリカ「それでも、そんなの所詮文科省から言われただけですよね?生徒会とはいえただの生徒であるあなた達がそこまで必死になる理由が私にはわかりません」
杏「だからさー」
エリカ「そう……あなた達の言動、行動、隠しきれてない焦り……経験者がいると便利だから?……違う、それだけじゃ……」ブツブツ
沙織「エリカ何ブツブツ言ってるの?」
華「沙織さんちょっと静かに」
エリカ「……何か、あなた達にとって不都合な事態が起きている?」
杏「別にぃ?」
エリカ「いえ、あなた達が。生徒会が隠したいことということは大洗女子学園自体に何か……例えば……学園艦?そういえばそんな話聞いた気が……」ブツブツ
桃「おい逸見!ブツブツ言ってないでさっさと戦車道を履修すると決めろっ!」
エリカ「――――たぶん、これね」
沙織「だから何が?」
24 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:38:44.56 ID:3UUVGVQ/0
エリカ「……猶予はどのくらいなんですか?」
桃「っ!?」
柚子「!?」
杏「……逸見ちゃん、思ってたよりずっと頭がいいんだね」
エリカ「いいから答えてください」
杏「今年度中。……実質今大会が最後だね」
エリカ「……そんなに切羽詰ってたんですね」
杏「こっちもいきなりだったからねぇ。とはいえ、理由はわかってもらったんでしょ?やってよ、戦車道」
エリカ「いいえ」
杏「まだ何かあるの?逸見ちゃんも戦車道の無いうちに転校してきて燻ってたんでしょ?戦車道やりたいんでしょ?なら、こっちの提案を断る理由はないと思うけどなぁ」
エリカ「戦車道のない高校に転校してきたのよ?普通、嫌になって辞めたって思いませんか?」
杏「聞いたでしょ?逸見ちゃんのことを調べたって」
エリカ「……ええ。確かに、戦車道の無い大洗に転校してきたのははっきり言って不本意よ」
沙織「そうなのっ!?」
華「沙織さん」
25 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:44:42.14 ID:3UUVGVQ/0
エリカ「―――それでも、隠し事をするような人たちの頼みを安々と聞くほど、馬鹿でもお人好しでもないわ。――――会長、あなたの口から本当のことを言ってください」
杏「もうわかってるんでしょ。それでいいじゃん」
エリカ「私にじゃないわ。戦車道を履修する子全員によ」
杏「……それはできない」
エリカ「私の想像が合ってるならこの問題は生徒会だけで抱えて良いものじゃないわ。―――少なくともあなた達はそのために戦車道を利用しようとしている。説明責任があります」
杏「知らないほうが良いこともあると思うな―」
エリカ「確かに情報統制も時には必要です。だけど……あなた達だけの問題じゃないんですよ。知らないうちに爆弾を抱えさせられてるだなんて、あんまりだわ」
杏「気づかなければ何もないと一緒だよ」
エリカ「それを予期せぬ時に気づかれたら立て直すのは困難です。一度も負けられない上に、チームプレイが必要な戦車道においてそれは致命的よ」
26 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:48:17.20 ID:3UUVGVQ/0
杏「悪いけど、それについては譲るつもりはないんだ。それに――――隠し事ってのはお互い様じゃない?」ボソッ
エリカ「っ……」
桃「会長今なんと?」
杏「かーしま。悪いけどちょっと静かにしててくれ」
桃「はっはい!」
杏「いくら不本意で転校してきたとはいえ、またすぐに転校ってのは避けたいでしょ?」
エリカ「あなたは、どこまで知って……」
杏「ごめんね。本当はこんな脅すような真似したくなかったんだけどさ。逸見ちゃんの言う通りこっちにも事情があるの。
だから、おとなしく戦車道履修してくれない?」
27 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:52:33.33 ID:3UUVGVQ/0
エリカ「…………わかりました」
沙織「エリカっ!?」
エリカ「納得してないし、あなた達への不信感はあるけれど、それ以上に私は戦車に乗りたいの。――――多少の不満には目をつぶるわ」
杏「ありがと♪」
エリカ「ただし、経験者として私を入れるのなら私が隊長よ。練習・試合その他もろもろ私の指示の下にやってもらいますから」
杏「ああ、もとよりそのつもりだよ。よろしくね、逸見ちゃん」
28 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/29(金) 23:53:13.89 ID:3UUVGVQ/0
今日はこれで終わりです。
あんまり書き溜め無いんで今後はちょっとずつの投稿になると思います。
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 00:42:26.41 ID:5/HwfGiI0
期待
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 01:16:42.60 ID:WqPGSVkuO
あっ…これみほs…
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 02:39:40.41 ID:zbbddYzEo
乙ー
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 05:28:40.43 ID:hHk3HmrNO
乙
本編再編は長くてエタりがちだから気長に頑張って欲しい。ハッピーエンドを祈る
33 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 19:25:51.21 ID:l0RAjsPZ0
・
・
・
沙織「エリカ、ほんとに良かったの?生徒会の人たち何か隠してるんでしょ?」
エリカ「……確かにそれはまだ不安材料だわ。それでも、この学校で戦車道ができることは正直、願ってもないことよ。……私には戦車道しかないのだから」
沙織「それなら、そもそもなんで戦車道のない大洗に転校してきたの?」
エリカ「……色々あるのよ」
沙織「うーん、ミステリアスな女の子ってのもモテ要素なのかな?私も何か秘密もとうかなー」
華「現在の体重なんてどうでしょう?」
沙織「それは乙女の秘密だけどミステリアスとは違うー!!」
エリカ「そういえば、あなた達は必修選択科目何にするの?」
沙織「あっそうだ私達も考えないと……エリカの事で頭がいっぱいだった……」
華「まるで恋する乙女ですね」
沙織「やだもー!確かにエリカは綺麗だけど、私そういう趣味はないからー!ていうか、華はどうするつもり?
華「私は、戦車道を履修しようかと」
エリカ「え?」
沙織「華の家って華道の家元でしょ?てっきり華道選択するかと思ってたんだけど」
エリカ「華道の家元って……その佇まいはハリボテじゃ無かったってわけね」
華「ふふっ、褒めていただけて幸いです」
34 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 19:36:19.15 ID:l0RAjsPZ0
エリカ「華道と戦車道。確かにどちらも乙女の嗜みと言われているけれど、芸術と武道でその方向性は大きく違うわ」
華「ええ、だからこそです。私前々からアクティブな事に憧れていまして……いい機会ですから是非、と」
エリカ「そう。まぁ、授業の一環なのだから好きにすると良いわ」
華「……私が戦車道を選ぼうと決めたのはエリカさんがいるからですよ?」
エリカ「はぁ?なんでよ」
華「先程の生徒会の方への啖呵を切る姿。とても凛々しく、美しかったです」
沙織「あっ、それ私も思った!エリカ生徒会にあんな堂々と立ち向かうだなんて凄いね!」
エリカ「納得出来ないのが嫌なだけよ」
35 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 19:48:23.11 ID:l0RAjsPZ0
華「あなたのその在り方は、道となってあなたの歩みを助けてくれます。私も、その先が見たいのです」
エリカ「……そう。まぁ、好きにすれば?」
華「はい。そうさせてもらいます」
沙織「私はどうしようかな〜」
華「沙織さんも一緒に戦車道をしませんか?」
沙織「え〜?戦車道って鉄臭くて油まみれになりそうでなんかなー」
エリカ「間違ってはないわね」
華「それでもせっかくですから……」
沙織「うーん……」
エリカ「別に今すぐ決めなくても明日オリエンテーションがあるんだから、それからでもいいでしょ」
沙織「そうだね、でも戦車道なぁ……」
エリカ「ま、ゆっくり考えなさい」
36 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 19:56:36.93 ID:l0RAjsPZ0
・
・
・
ザワザワ……
エリカ「……オリエンテーションってこんないきなり呼び出されるものだったかしら」
華「うちの生徒会がすることですから」
桃「それではこれから必修選択科目のオリエンテーションを行う」
デーンデーンデーンデーン♪
エリカ「え、何このBGM?」
37 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:00:37.61 ID:l0RAjsPZ0
女と生まれたからには、誰でも一生の内一度は夢見る「モテモテの淑女」。
戦車道とは、「モテモテの淑女」を育成する武芸のことであるッ!
テッテッテッテッテーレテレレ♪
アイbelieveツキノヒカリ トケルカリソメノメロディー♪
エリカ「」
華「まぁ……神イントロですね」
沙織「わぁ……」
38 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:10:56.27 ID:l0RAjsPZ0
・
・
・
沙織「エリカ、私戦車道やるっ!!」
エリカ「あ、あの紹介でよくやる気になるわね……プロパガンダもいいところだったでしょ……」
沙織「だってモテモテの淑女だよっ!?女の子なら一度は憧れる!!」
エリカ「いや、うん……あなたの理想をどうこう言うつもりは無いけど……」
華「いいじゃないですか。せっかくやる気になってくれたのですから」
エリカ「……はぁ、まぁいいわ。ただし二人共」
沙織「ん?」
華「はい」
エリカ「戦車道はね、確かに安全に配慮して行われているわ。だけど、それでも事故ってのは起きるの。怪我はもちろん時には死者が出たことだってあるのよ」
沙織「……お、脅かさないでよ……」
39 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:13:47.89 ID:l0RAjsPZ0
エリカ「脅しじゃないわ。あなた達がどんな理由で戦車道をやろうと構わない。ただ、戦車道をやるということはそういうアクシデントに見舞われることがあるってことを忘れないで」
沙織「……」ゴクリ
華「……」
エリカ「……ごめんなさい。怖がらせるつもりは無かったの。ただ、そういう事がかつてあったってことよ。
戦車はもちろん砲弾も安全性に配慮したものだから、ちゃんと私の指示に従っていればそんな事には絶対にさせないわ」
沙織「や、やだもー……エリカ急に怖い顔になるからさぁー」
エリカ「だいたい、どんなスポーツでも怪我や事故は起きるけど、重大なモノって大抵ふざけたり、危険を認識できないやつが起こすものなのよ」
沙織「う、うん」
エリカ「だから、ふざけて好き勝手やったりは止めなさいよ?ってこと」
沙織「はいっ!気をつけます!」
華「肝に銘じておきます」
エリカ「なら良いわ」
40 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:17:40.50 ID:l0RAjsPZ0
・
・
・
ザワザワ・・・・
沙織「ここにいるのが戦車道の履修者?」
華「全員で18人ですか」
エリカ「少ないわね……やっぱりあのオリエンテーションで戦車道やりたいってなる奴は学園の少数派……変わり者ばかりなんでしょうね」
沙織「エリカが言うと説得力あるね」
エリカ「ケンカなら買うわよ?」
華「さすが沙織さん。景気づけに一戦交えようってことですね?」
沙織「違うからっ!?」
優花里「……」ジーッ
エリカ「……ん?」
優花里「!?」サッ
沙織「どうしたの?」
エリカ「いや、なんか視線を感じて……」
桃「静かに。これより、戦車道の授業を開始する」
優花里「あの……戦車は、ティーガー?それとも……」
杏「さぁー、なんだっけな?」
エリカ「とりあえず見せてください」
41 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:22:01.90 ID:l0RAjsPZ0
・
・
・
エリカ「これは……」
ウヘー
ナニコレー
ボロボロー
アリエナーイ
華「侘び寂びでよろしいんじゃ……」
沙織「これはただの鉄さび」
エリカ「……W号戦車ね」ソッ
42 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:24:40.42 ID:l0RAjsPZ0
エリカ「……ティーガーと比べると装甲も主砲も貧弱。……でも、あるだけましか」
沙織「エリカ?」
エリカ「この子はまだ生きてる。ボロボロなのは見た目だけよ」
沙織「ほんとっ!?」
華「それでしたら……」
エリカ「それで?他の戦車は?」
杏「無いよ?」
エリカ「は?」
杏「何せ20年以上前だからねー当時使ってた戦車は大体売っちゃったんだよ」
エリカ「そ、それでどうするんですかっ!?この人数なら5両は必要なのに!?」
杏「探すっきゃないねー」
43 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:28:38.70 ID:l0RAjsPZ0
エリカ「あ、あなたねぇっ!そんな適当な状態で戦車道やるだなんて言ったんですか!?」
杏「まあまあ、落ち着いてってば。売っちゃったとは言え全部じゃないからさ、探せばどっかにあると思うんだよ」
沙織「何か手がかりないの!?」
杏「無いっ」
桃「加えて、明後日戦車道の教官がお見えになる。それまでに残り4両を見つけ出すこと」
沙織「嘘ぉ!?」
エリカ「……」
桃「……ん?逸見どうした?」
エリカ「……減に」
沙織「エリカ?」
華「エリカさん?」
44 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:31:24.53 ID:l0RAjsPZ0
エリカ「いい加減にしてくださいっ!!!!!!!!!」
桃「ひっ!?」
杏「うおっ」
柚子「わっ!?」
45 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:38:01.33 ID:l0RAjsPZ0
エリカ「さっきから聞いてれば戦車がない?ヒント無いけど二日後までに探せ?ふざけないでくださいっ!!」
桃「い、逸見?」
エリカ「そんな状態でよく戦車道をやろうって言えましたねっ!?大体W号はもう事前に見つかってたのになんで修理してないんですかっ!?
それなのに明後日ってっ!?戦車道を遊びでやろうともモテるためにやろうとも!どんな理由でも構いませんっ!でも、でもっ!
やるからには本気でやってくださいっ!!ほんとに、ほんとに……っ!もおおおおおおおおおーっ!!!!!!!!!!」
杏「ご、ごめんね逸見ちゃん?こっちも急なことだったからさ……そんな怒んないでって」
柚子「そ、そうなの。逸見さんには悪いって思ってるけど、なんとかお願いできない?」
エリカ「っ〜〜〜〜!!わかりましたっ!!――――あなた達っ!!」
全員『は、はいっ!?』
エリカ「ここにいる生徒会連中がろくに準備もしてこなかったせいで現状戦車は1両しかないわ。あなた達がどんな理由で戦車道を選んだのか知らないけど、
このままじゃ大会出場どころか開講すら危ぶまれる状況よ。だから……残りの戦車死ぬ気で探しなさいっ!!」
全員『は、はい!!』
エリカ「わかったらさっさと行きなさいっ!!」
ダダダダダッ!!
梓「……」チラッ タッタッタ
46 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:44:52.93 ID:l0RAjsPZ0
エリカ「……あなた達」
桃「な、なんだ?」
エリカ「あなた達生徒会チームは最低でも1両は見つけなさい。見つけられなければ――――そこのW号の的にでもなってもらうわ」
桃「わ、わかったっ!わかったからっ!?」
杏「頑張るよー」
エリカ「っ!沙織!華!私達も行くわよっ!!」タッタッタッ
沙織「え、エリカ待ってってばー!」
華「エリカさん!」
桃「…………こ、怖かったよ柚子ちゃ〜んっ!!」
柚子「わ、私も……」
杏「いやー……逸見ちゃん案外激情家だったんだねぇ」
柚子「……会長。戦車探しに行きましょう?」
杏「……だね。逸見ちゃん本気で私達を的にしそうだし」
47 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2017/12/30(土) 20:45:59.97 ID:l0RAjsPZ0
今日はここまでです。
続きは来年ですね。良いお年を。
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 20:56:10.64 ID:bCy5IlYSO
お悩み逸見さん
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 22:23:36.54 ID:zbbddYzEo
乙ー
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/31(日) 10:46:22.73 ID:z+XVQimr0
原作では会長嫌いだったけど、この展開なら嫌いにならずに済むかも
51 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:02:39.16 ID:N7RSQKjm0
・
・
・
エリカ「まったく、あいつら何考えてるんだかっ!!」プンプン!
沙織「エリカ落ち着いてってば。怒ってばっかじゃ戦車探しても見落としちゃうよ?」
華「激情も時には原動力となりますが、今は心を静めて捜索に集中しましょう」
エリカ「……ふぅー。……ええ、もう大丈夫よ」
沙織「よしっ!それにしてもエリカがあんなに怒鳴るだなんて……」
エリカ「キャラじゃなかったかしら」
沙織「いや、キャラ通りっていうか、声かける前はすぐ怒りそうな子だなーって思ってた」
エリカ「なんでそんなのに声かけようと思ったのよ……」
華「ですが……ふふっ、ちょっとだけ良いものを見られたと思います」
エリカ「何がよ?」
52 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:06:31.16 ID:N7RSQKjm0
華「エリカさんは誰に対しても一線を引いているような気がして……ですがあのように苛立ち、それを表に出せる方なのですね」
エリカ「……別に線引いてるつもりはないわ。ただ、どう近づけば良いのかよくわからないだけよ」
沙織「エリカ……」
華「なら、エリカさんはそのままでいいですよ」
エリカ「は?」
華「私達が近づいていきますから」
沙織「そう、そうだねっ!えりりん一緒に頑張ろう!!」
エリカ「え、えりりん?」
沙織「エリカだから、えりりん。とりあえず今までよりちょっと近づいたでしょ?」
エリカ「私的には3メートル位近づかれた感じなんだけど……」
沙織「慣れて慣れて!」
エリカ「……努力するわ」
53 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:13:02.82 ID:N7RSQKjm0
沙織「うんっ……でもさ『もおおおおおおおおおーっ!!!!!!!!!!』って。えりりんあんな可愛い怒り方するんだね」
エリカ「っ!?」
華「確かに。普段見せない姿ですから一層、可愛らしく見えました」
エリカ「う、うるさいわねっ!良いから早く戦車探しに行くわよ!!」
沙織「はーい」
華「はい」
優花里「……」ジーッ
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 18:15:39.88 ID:OPIKcW+SO
ステンバーイ…ステンバーイ…
55 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:20:26.91 ID:N7RSQKjm0
エリカ「……それで、あなたはいつまでそこで隠れてるつもりなの?」
優花里「ひゃっ!?あ、あの、わ、私……えっと……」
沙織「あっ!えりりんが女の子いじめてる!!」
華「本当ですか?」
エリカ「ちょっ、人聞き悪いこと言わないでよ!?」
優花里「あのっ!私、普通二科2年C組の秋山優花里といいます。よろしければ戦車の捜索にご一緒させていただけないでしょうか!?」
沙織「ほんとっ!?一緒に探してくれるなら助かるよー。私、武部沙織!」
華「五十鈴華です」
エリカ「私は―――」
優花里「逸見、エリカ殿ですよね……?」
エリカ「え?よく知ってるわね」
優花里「いや、その……戦車道の履修者の名前は全員覚えてるんです」
沙織「えりりんみたいな人他にもいるんだね……」
華「そうですね」
エリカ「聞こえてるわよ。優花里……って呼んでいいかしら?」
優花里「はいっ!」
56 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:26:53.43 ID:N7RSQKjm0
エリカ「そう、なら私のことはエリカでいいわ」
優花里「本当ですかっ!?」
エリカ「良いも何も、そこの二人にはそう呼ばれてるしね。……内一人には変な呼ばれ方してるけど」
沙織「もー変ってひどいー!」
華「それでしたら私達も優花里さんと呼ばせて頂きます」
優花里「はいっ!」
エリカ「挨拶も済んだし、戦車探しに行きましょうか。裏の山林あたりに行ってみましょう」
優花里「了解であります!」
沙織「えー!?山ー!?駐車場あたりとか探さない?」
華「駐車場に戦車は止まってないかと」
沙織「だって一応は車じゃない……」
エリカ「時間無いんだからさっさと行くわよ」
沙織「はーい……」
57 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:31:01.13 ID:N7RSQKjm0
・
・
・
エリカ「……38t、八九式、V突、M3。ダメ元だったけどなんとか集まったみたいね」
杏「逸見ちゃーん?」
エリカ「……何かしら?」
杏「もう1両忘れてない?」
エリカ「……はぁ、それに三式中戦車も」
優花里「よく見つけましたね!どこにあったんですか?」
杏「ん?職員駐車場に停めてあったのを見つけた」
沙織「ええ―っ!?えりりんやっぱり駐車場にあったじゃん!!」
エリカ「まさか本当にあるとは……」
杏「灯台下暗しってやつだね」
エリカ「……ちっ」
桃「逸見貴様っ!今舌打ちしただろ!?」
エリカ「とにかく、これで履修者分の戦車は見つかったわね」
桃「無視するなーっ!!」
58 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:39:11.56 ID:N7RSQKjm0
沙織「でも一台余っちゃうよ?」
エリカ「とりあえず一番修理に時間がかかるものを後回しにして、明後日はそれ以外の5両を使いましょう。振り分けは……」
梓「あ、あの……!」
エリカ「あなたは?」
梓「私、一年の澤梓です!い、逸見先輩、ですよね?」
エリカ「ええ、そうよ」
梓「あの、戦車なんですけど……私達、自分で見つけたのに乗りたいです!」
エリカ「あなた達が見つけたのって確かこのM3だったかしら?」
梓「は、はい!」
エリカ「どのみち八九式を外して三式を使うつもりだったからこれに乗りたいっていうなら構わないわ。
……でも、言っちゃ悪いけど、このM3は『7人兄弟用の棺桶』なんて悪名がある戦車でね。
見つけてくれたのは嬉しいけど、そんなに良いものじゃないわよ?」
梓「それでもっ!自分たちが見つけたものに乗りたいって皆と話し合ったんですっ!」
エリカ「……そう。なら良いわ、これに乗りなさい」
梓「あ、ありがとうございますっ!!」
エリカ「あなた達が見つけたんでしょ?なら、そっちのほうが愛着持つかもね。……一緒に頑張りましょう」
梓「は、はいっ!!」
59 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:42:16.32 ID:N7RSQKjm0
沙織「えりりん優しいじゃん!『もっと合理的に考えなさいっ!』とか言うと思ってた!」
エリカ「そりゃあそうも思うけど、経験者として戦車に愛着持ってもらえるのは嬉しいしね」
優花里「ですねっ」
華「ですが、修理と時間を考えると……」
???「あーごめん。ちょっとどいてもらえる?」
沙織「あっ、すみません」
???「いいっていいって。あーこれかぁ」
エリカ「えっとあなた達は?」
ナカジマ「ん?ああ、私たちはここの自動車部だよ」
杏「おーはやいねー」
ナカジマ「6台も見つかったって言うからとりあえず修理箇所の確認だけでもしておこうかなってね」
杏「あんがとー。それじゃあよろしくっ!」
ナカジマ「オッケー。皆!」
自動車部『はーい!』
沙織「わ〜凄い……テキパキと動いてる」
華「さすが本職と言ったところですかね?」
60 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:44:58.97 ID:N7RSQKjm0
エリカ「あの自動車部、あなたが呼んだの?」
杏「そうだよ。戦車の修理、整備全般引き受けてくれるって」
エリカ「……あなた、もしかして意外と人望あるの?」
杏「一応生徒会長だからねぇ。それなりには」
エリカ「……あなた達のやり方、言動行動はっきり言って気に食わないわ」
杏「はっきり言ってくれるね」
エリカ「それでも、やろうとしていることは理解しているつもり」
杏「……私は」
桃「おい逸見っ!会長と一体何を話している!!」
エリカ「うるさいわね。なんでもないわよ」
桃「お、お前!敬語はどうした敬語はっ!?先輩だぞっ!!」
エリカ「うるさいって言ってるの。あなた達敬語使ってもらえるような事した?的にされなかっただけありがたいと思いなさい」
柚子「桃ちゃんここは、ね?」
桃「桃ちゃん言うなっ!逸見!お前には上下関係をしっかりとだなっ!」
エリカ「えー?桃ちゃん何か言ったー?」
桃「桃ちゃん言うなー!!?」
ギャーギャー
杏「……逸見ちゃん、ごめんね」
61 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:46:18.41 ID:N7RSQKjm0
杏「私は、逸見ちゃんを理解できないよ」
62 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/02(火) 18:47:05.51 ID:N7RSQKjm0
あけましておめでとうございます。
今日はここまでです。
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 19:34:15.03 ID:5D4RrUaKo
乙です
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 19:59:12.18 ID:evdZDXfWO
乙 凄く面白くて続きが気になるよ
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 21:49:51.82 ID:46MO5R5dO
また明日な!
66 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 18:32:49.92 ID:KDJDXAxD0
・
・
・
ナカジマ「とりあえず全部の戦車を見させてもらったけど」
エリカ「……」
ナカジマ「修理。なんとか間に合うと思うよ」
エリカ「本当ですかっ!?」
ナカジマ「うんうん。見た目ほどボロボロじゃないし、カーボンさまさまってところかな?
生徒会長たちが見つけた戦車も一度エンジンばらしていじくる必要はあるけど状態は良いからなんとかなるね」
エリカ「良かった……」
ナカジマ「とはいえ流石に6台も修理するとなると終わるのは明後日の朝になると思うよ」
エリカ「充分です。……よろしくお願いします」ペコリ
ナカジマ「おっけー。まかせてよ」
杏「戦車が間に合うなら振り分けは一年生チームと同じで見つけたのに乗ればいっか」
エリカ「……そうね。どうやら他の子達も自分で見つけたのに愛着持ってるらしいし」
67 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 18:43:47.47 ID:KDJDXAxD0
杏「それなら私らは三式に――――」
エリカ「いいえ、あなた達は私達の見つけた38tに乗ってもらうわ」
桃「何故だ?」
エリカ「私はまだあなた達を信頼していない。――――だから、いつでも私が見張ってるって思ってもらわないと」ギロッ
桃「ひっ!?」
杏「おー情熱的だねぇ」
柚子「会長、余裕ですね……」
エリカ「それじゃあ私たちはW号に乗らせてもらうわ」
桃「おい、それじゃあ一番損傷のない三式が余るではないか」
エリカ「どうせ明後日には全部直るんでしょ?なら、好きなの選ばせてもらうわ。私、ドイツ戦車好きなのよ」
桃「適当な……それじゃあ三式の乗員も探さないと……」
エリカ「それは私も探しておくわ。とはいえ、私にここの人脈なんて無いに等しいからあなた達に任せっきりになると思うけど」
杏「まぁ、そこは任せてよ」
エリカ「……頼んだわ」
68 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 18:54:10.44 ID:KDJDXAxD0
・
・
・
〜せんしゃ倶楽部〜
エリカ「帰りに寄り道したいっていうからどこかと思えば……こんな店があったのね」
優花里「はいっ!私のいきつけです!」
華「すごいですね……」
沙織「でも戦車ってみんな同じに見えるー」
優花里「ち、違います!全然違うんです!どの子も皆個性というか特徴があって、動かす人によっても変わりますし!」
華「華道と同じですね」
沙織「うんうん。みんなちがって、みんないい。ってやつだね」
エリカ「ざっくりまとめるわね……ん?」
アナウンサー『次は戦車道の話題です。高校生大会で昨年MVPに選ばれて国際強化選手となった、黒森峰女学院、西住まほ選手にインタビューしてみました』
エリカ「……」
沙織「えりりん?」
69 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:02:03.71 ID:KDJDXAxD0
『戦車道の勝利の秘訣とはなんですか?』
まほ『諦めないこと。そして、どんな状況でも逃げ出さないことですね』
エリカ「っ……」
沙織「……そうだっ、この後えりりんの部屋遊びに行って良い?」
エリカ「え?」
華「私もお邪魔したいです」
エリカ「……面白いものなんて無いわよ?」
沙織「いいのいいの♪」
エリカ「そう、なら良いわよ。優花里はどうするの?」
優花里「え!?あ、あの……私もご一緒させていただいてもいい、ですか?」
エリカ「1人増えたって変わらないわよ。遠慮しなくていいわ」
優花里「はいっ!ありがとうございます」
沙織「むぅー……えりりん、なんかゆかりんにだけ優しくない?」
優花里「ゆ、ゆかりん……」
エリカ「無遠慮な子にはそれなりの態度をとってるだけよ」
沙織「えりりんひどいっ!?」
70 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:10:09.08 ID:KDJDXAxD0
・
・
・
エリカ「綺麗にしてるんだから、散らかさないでよ」
沙織「うわー……彩りゼロ。ホントにえりりんここに住んでるの?」
エリカ「失礼ね……最低限の物は揃ってるでしょ?」
華「ある意味エリカさんのイメージ通りな部屋ですね」
エリカ「それ褒めてるの?」
優花里「機能性を追求してて素晴らしいと思いますっ!」
エリカ「そう?ありがと」
沙織「やっぱりゆかりんには優しくない?」
エリカ「そんなことないわよ。ほら、ご飯さっさと作っちゃいましょ」
『はーい』
71 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:17:39.83 ID:KDJDXAxD0
・
・
・
沙織「それじゃあ」
『いただきます』
エリカ「……おいしい」
沙織「おっ?えりりんの口に合ったみたいでよかったー。やっぱ男を落とすにはまず胃袋からだね!」
エリカ「……あなた、口だけじゃなかったのね」
沙織「でしょー?」
華「残念ながら成功に結びついてはいませんが」
沙織「うるさいなぁ!」
優花里「でも、この肉じゃが美味しいです!そう、おふくろの味ってやつですねっ!!」
沙織「彼氏じゃなくて子供ができちゃったっ!?」
エリカ「言ってることはわかるわね」
華「はい」
沙織「もー!」ゴロン
エリカ「ちょっと、食事中に寝転がるんじゃないの」
72 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:24:13.62 ID:KDJDXAxD0
沙織「……あれ?」
華「どうかしました?」
沙織「ベッドの下に何か……ぬいぐるみ?」
華「まぁ……随分と怪我をされてるようで……」
優花里「全身包帯に眼帯……ちょこんと乗ってる略帽がアンバランスです……」
沙織「えりりんの心の闇が垣間見えるね……」
エリカ「失礼なこと言わないで。それに、それは私のものじゃないわよ」
沙織「そうなの?」
エリカ「前の学校の子から預かってたんだけど、引っ越しの時に忘れてこっちに持ってきちゃったのよ」
沙織「え?それじゃあ返さないと」
エリカ「……そうね」
沙織「それにしてもこの子ボロボロで可哀想だね」
73 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:31:42.18 ID:KDJDXAxD0
エリカ「『それがボコだから』だそうよ。気に入ってるんだからそう言わないであげて」
沙織「あっ、でもこの子の着けてる帽子は可愛いね。……あれ?このマークって……」
優花里「黒森峰女学院のマークですね。こんなぬいぐるみも作ってたんですか」
エリカ「いえ、その略帽は手作りよ」
沙織「へぇー!この子の持ち主女子力高いんだねっ!!」
エリカ「……ほら、ご飯食べてるんだからいつまでもぬいぐるみいじってないの」
沙織「はーい」
華「なんだか、お母さんみたいですね」
エリカ「それ、褒めてるの?」
華「ええ」
沙織「えりりんも私と同じお母さん扱いだね!」
エリカ「沙織と、同格……」ズーン……
沙織「なんで落ち込むのっ!?」
74 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:36:16.57 ID:KDJDXAxD0
・
・
・
沙織「それじゃあえりりん、また明日」
エリカ「ええ、また明日」
バタン
エリカ「……」
75 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:41:14.21 ID:KDJDXAxD0
『ボコはどんな相手にでも立ち向かうけど弱いからボコボコにされちゃうのっ!』
『……それのどこがいいの?かっこ悪いだけじゃない』
『いいのっ!それがボコだから!』
『……なら、ファンのあなたもその子を見習って、もうちょっと強気になりなさい』
『う……そ、それはいいかな……』
『なんでよ?』
『だって……私には、エリカさんがいるから』
『……しょうがない子ね』
76 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:47:14.12 ID:KDJDXAxD0
エリカ「……ほんとうにしょうがない子」
77 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:48:02.93 ID:KDJDXAxD0
エリカ「消えてくれて清々したわ」
78 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/03(水) 19:48:30.78 ID:KDJDXAxD0
今日はここまでです。
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/03(水) 23:02:09.21 ID:YZP9KBjo0
乙!
不穏だなぁ
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/04(木) 00:01:26.87 ID:u7JmlKhDO
乙
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/04(木) 06:40:03.60 ID:fMzBgXj+o
乙です
82 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/05(金) 19:21:46.33 ID:Bko7Ey+e0
・
・
・
チュンチュン
エリカ「……ん?」
麻子「……」フラッ フラッ
エリカ「ちょっと、あなた大丈夫?」
麻子「辛い……生きているのが辛い……だが、行かねば……」フラッ
エリカ「……」ガシッ
麻子「……?」
エリカ「ほら、肩貸してあげるからちゃんと歩きなさい」
麻子「……」
エリカ「それと、私の前で生きているのが辛いだなんて二度と言わないで」
83 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/05(金) 19:24:17.70 ID:Bko7Ey+e0
・
・
・
そど子「冷泉さん、これで連続245日の遅刻よ」
エリカ「どんだけ遅刻してるのよ……」
麻子「朝は何故来るのだろう……」
そど子「朝は必ずくるものなの。成績が良いからってこんなに遅刻して。留年しても知らないよ」
麻子「うぁ……」
エリカ「ほら、しっかりしなさい」
そど子「えっと……逸見さん?もし途中で冷泉さんを見かけても、今度から先に登校するように」
エリカ「それは、私が決めることよ」
そど子「……はぁ、ほら行っていいわ」
麻子「……悪かった」
エリカ「勝手にやったことよ。……でも、感謝してるなら『悪かった』じゃなくて『ありがとう』って言ってほしいわ。……誰かを思い出してイラつくから」
麻子「……ありがとう」
エリカ「どういたしまして」
麻子「いつか借りは返す」
エリカ「別に良いわよ」
麻子「……それでもだ」
エリカ「そう。なら好きにしなさい」
84 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/05(金) 19:28:58.56 ID:Bko7Ey+e0
・
・
・
桃「本日我々を指導してくださる戦車教導隊所属の蝶野亜美1尉だ」
蝶野「あなた達の指導を任された蝶野亜美よ!よろしくねっ!」
エリカ「直前に学園長の車スクラップにしといてなんでこんな爽やかな挨拶ができるのよ……」
華「随分とおおらかな方ですね」
蝶野「戦車道は初めての人が多いと聞いていますが、一緒に頑張りましょ!」
沙織「あ、あのっ!戦車道ってモテるって本当ですかっ!?」
蝶野「え?うーん、モテるというより狙った獲物は外さないわ。撃破率120%よ!」バキューン☆
沙織「わぁ……」
エリカ「120%ってなんなのよ……」
華「一度落とした人をまた落としてるんじゃ?」
エリカ「数字の水増しが疑われるわね……」
蝶野「それじゃあ早速、本格戦闘の練習試合をやってみましょう」
エリカ「えっ?あの、初心者が多いのにいきなりですか?」
蝶野「大丈夫よ!何事も実践実戦♪戦車なんてバーっ動かしてダーッと操作してバーンと撃てばいいんだから♪」
エリカ「……本当に教導隊の方なの?」
優花里「腕は確かなはずですよ。体で覚えるのはある種体育会系の基本ですし」
エリカ「……はぁ。やるしかないわね」
85 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/05(金) 19:37:02.37 ID:Bko7Ey+e0
・
・
・
エリカ「ホントに二日で6両修理できたのね……とんでもない集団だわ」
優花里「エリカ殿、役割分担はどうしますか?」
エリカ「そうね……このW号なら車長、砲手、操縦手、通信手、装填手が必要ね。車長は私がやるとして……なにかやりたいのある?」
優花里「わ、私は戦車に乗れればなんでも……」
沙織「私もなんでも良いよ?」
華「私は……どうしましょう?」
エリカ「意志薄弱。今時の子ね」
沙織「えりりんはどこ目線なのさ……もう良いからくじ引きで決めよ?」
エリカ「……で」
沙織「私装填手ー!」
優花里「私が砲手ですっ」
華「私が操縦手ですか」
エリカ「……まぁ、なんとかなりそうね。あと、通信手がいないから沙織兼任ね」
沙織「えー!?私やること多くない!?」
エリカ「しっかりやれとは言わないから。人数が揃うまでの数合わせよ。……それにしても」
86 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/05(金) 19:39:23.85 ID:Bko7Ey+e0
典子「バレー部復活のためっ!一致団結して頑張るぞ!!ファイトーッ!!」
『オーッ!!』
左衛門佐「初陣で初首を取って名を上げるぞー!!」
エルヴィン「戦功名欲しさに散る新兵は多いぞ……」
おりょう「やるからには勝つぜよ」
カエサル「とりあえず早く乗れ」
紗希「……」ボー……
桂利奈「戦車かぁ!怪獣倒せるかなっ!」
梓「二人共早く乗ってってばっ!!」
エリカ「……その、個性的な子が多いわね」
沙織「えりりんが言葉をえらんだっ!?」
87 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/05(金) 19:43:31.78 ID:Bko7Ey+e0
今日はここまでで。次、練習試合入ります。
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/05(金) 23:27:46.89 ID:w01SueEg0
色々想像出来てしまって気になる・・・乙
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/06(土) 00:19:28.94 ID:XQp08FZc0
乙!
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/06(土) 18:47:04.96 ID:n4A7Qb1mo
乙ー
91 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:02:40.16 ID:tONnNcnB0
・
・
・
蝶野『みんな、スタート地点に着いたようね。それじゃあ、試合開始!!』
沙織「えりりんどうするの!?」
エリカ「まずこちら側にいる2両を倒すわ。先に片方を潰して森を目眩ましにもう片方を撃破。
その後橋を渡って川向うのチームを撃破で行くわよ!まずはBチームを――――」
ダァン!
エリカ「なっ!?」
沙織「なになに!?」
優花里「砲撃ですっ!!」
典子「まずはW号Aチームを叩くっ!!」
92 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:09:51.53 ID:tONnNcnB0
エリカ「っ……八九式ねっ。仕方がない先にあっちを――――いや、この様子だと……華っ!前進してっ!!」
華「わかりました!」
優花里「エリカ殿いったい……」
エリカ「初心者だと思って油断したわ!BとCは私達を挟み撃ちにするつもりよっ!!」
沙織「ええーっ!?」
エリカ「とにかく前進して!動いてる的に当てるのはまだ難しいはずよ!!」
華「はいっ!」
優花里「ですが、エリカ殿の言うとおりなら……」
エリカ「ええ、すぐにV突が来るはずよ。華、正面から来たV突に回り込むように側面に入れる!?」
華「すみませんっ!この速度だとまっすぐ走るだけで精一杯で……」
エリカ「なら次の分岐路を右に行ってっ!」
華「はいっ!!」
エルヴィン「っ!?逃げられた!追うぞ!!」
93 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:16:22.04 ID:tONnNcnB0
エリカ「よし、このまま森を抜けて、橋の前まで行って脇に隠れて停止、追ってきた奴らを……っ!?停まって!!」
華「んっーーー!!!」
ズザザザザッ!
優花里「どうしました!?」
エリカ「ちょっと待ってて!!」ダッ
沙織「えりりん危ないよ!?」
麻子「……」グー
エリカ「あなたこんなところで何してるの!?」
麻子「……んあ?」
エリカ「っ!生徒会の奴ら戦闘区域の周知すらろくにできないの!?」
沙織「えりりん早く!!後ろきちゃう!!」
エリカ「仕方ない、こっち来て!!」
麻子「んー……」
沙織「えりりん何やって……って麻子!?何やってるの!?」
麻子「沙織か……私は、シエスタを……」
沙織「授業中でしょっ!!」
エリカ「華、出して!!」
華「はいっ!!」
94 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:21:30.59 ID:tONnNcnB0
エルヴィン「見えたぞっ!撃てー!!」
典子「どんどんスパイク打っていくよー!!」
沙織「えりりん追いつかれちゃったよ!?」
エリカ「この距離じゃ待ち伏せはできない……なら、橋を渡る?いえ、華が運転に慣れてない現状では危険だわ……」
優花里「エリカ殿!」
エリカ「華っ!超信地旋廻よっ!こうなったら真っ向―――」
ズドォン!!
エリカ「くっ!?」
沙織「きゃああ!?」
優花里「うわああっ!?」
95 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:30:13.03 ID:tONnNcnB0
左衛門佐「討ち取ったりー!!」
エルヴィン「いや、まだだ!!」
エリカ「なんとか持ちこたえたみたいね……華?華っ!?」
華「……」
沙織「えりりん!華気絶してるっ!!」
エリカ「っ怪我はない!?」
沙織「大丈夫みたい!!多分音と衝撃で……」
エリカ「それなら良いわ!仕方ない、私が……」
麻子「なら私が変わろう」
エリカ「あなた何言って……」
麻子「今朝の借りを返させてもらう。マニュアルは読んだ」
エリカ「そんなの……」
ダァン!
エリカ「っ……!」
麻子「時間が無いのだろう?」
エリカ「……できるの?」
麻子「任せておけ」
96 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:35:10.58 ID:tONnNcnB0
ギュイイイン!!
エルヴィン「なっ!?こっちに向き直ったぞ!!」
典子「撃たれる前にこちらのスパイクを決めるぞ!!」
麻子「どうすればいい?」
エリカ「右のV突の横に回り込んで盾にしつつ撃破、
そうなったらこっちが見えないから八九式は下がって狙おうとするはず!そこを先に撃つわよ!」
麻子「わかった」
エルヴィン「こっちに来たぞ!撃て撃てっ!!」
左衛門佐「っダメだ!この戦車じゃ横の動きに対応しきれない!!」
エルヴィン「なら下がって!!」
おりょう「もうやってるぜよ!!」
97 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:37:37.01 ID:tONnNcnB0
エリカ「遅いわ!!」
ダンッ!
シュポッ
優花里「やりました!!まずは1両撃破です!!」
エリカ「ならこのまま相手が下がってくるのを待って!沙織、装填急いで!」
麻子「わかった」
沙織「了解!!」
エリカ「優花里!外さないでね!!」
優花里「はいっ!!」
華「……ん」
沙織「あ、華起きた?」
華「あ、私……すみません」
エリカ「華起きたの?なら、無理せずそのまま休んでなさいっ!」
典子「うーん、V突が邪魔で狙えない……仕方ない下がって!!」
忍「はいっ!!」
98 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:41:24.66 ID:tONnNcnB0
エリカ「来るわよ!!……今っ!!」
優花里「っ!!」
ダンッ!!
シュポッ
優花里「やりましたぁ!!2両撃破です!!」
エリカ「よくやったわ!!」
華「今のジンジンする衝撃……なんだか、気持ちいい……」
沙織「華?」
99 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:44:20.76 ID:tONnNcnB0
桃「よしっ!森を抜けたぞってああっ!!?もう2両やられてるー!!?」
杏「逸見ちゃんやるねー」
梓「あの戦車って……逸見先輩の!」
優花里「橋の向こう、38tとM3です!!あちらも協力してこっちを狙ってるみたいです!!」
エリカ「ちっ!とんだ人気者ねっ!!」
麻子「どうする?」
エリカ「……冷泉さん。あの橋渡れそう?」
麻子「任せておけ」
エリカ「……わかったわ。なら、橋を渡って!!」
沙織「危ないんじゃっ!?」
エリカ「冷泉さんの運転技術を信じるわっ!みんな、衝撃に気をつけて!!」
沙織「それ落ちるかもってこと!?」
エリカ「特殊なカーボンを信じなさいっ!!」
沙織「いやー!?」
麻子「……うるさい」
100 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:46:45.43 ID:tONnNcnB0
エリカ「優花里、橋に入る直前で先頭の38tに向けて撃って!」
優花里「ええっ!?動きながら当てるのは難しいです!!」
エリカ「当てなくてもいい!とにかくひるませるのよ!!」
優花里「わ、わかりました!」
麻子「行くぞ」
桃「っ!!W号橋を渡ってくる!?撃て撃てー!!」
柚子「いや、撃つの桃ちゃんでしょ?」
梓「……撃って!!」
あゆみ「わかった!」
あや「おっけー!」
101 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:52:28.32 ID:tONnNcnB0
ダンダンダンッ!!
沙織「向こうも撃ってきたー!?」
エリカ「優花里っ!!」
優花里「はいっ!!」
ダンッ!
桃「うわあっ!?撃ってきたぞ!?」
柚子「そりゃそうだよー」
桃「さ、下がって!!」
柚子「はいはい」
102 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 17:57:44.81 ID:tONnNcnB0
エリカ「よし、38tが怯んだ!今のうちに渡って!」
麻子「了解」
ガタガタガタ
沙織「麻子凄い!?なんでこんなに早く進めるの!?」
麻子「なんでって……やればできるだろ」
エリカ「……掘り出し物ってところかしら?」
ガタガタガタ
杏「かーしま。逸見ちゃんたちこっち来るぞ」
桃「くっ!当たれええええ!!」
ダンッ スカッ
柚子「この距離で外すのー……?」
103 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 18:00:09.52 ID:tONnNcnB0
エリカ「どうやら38tの砲手は精度が悪いようねっ!沙織、眼鏡と頭の交換をしなさいって相手砲手に伝えなさいっ!!」
沙織「えりりん生徒会には当たり強いね……」
華「恨みつらみを吸い取って彼岸花のように咲き誇っていますね」
エリカ「優花里!冷泉さん!3秒後に一旦停止して砲撃。その後即前進で!」
麻子「ん」
エリカ「2、1……撃てっ!!」
キッ ダァン!!
シュポッ
柚子「やられちゃったね桃ちゃん」
桃「桃ちゃん言うなっ!」
杏「……さすが逸見ちゃん」
沙織「やったっ!!」
エリカ「このまま橋を渡ったら次はM3よ!これだけプレッシャーかけたのだから下がるはずっ!そこを狙うわっ!」
優花里「はいっ!!」
あや「こっちくる!?逃げよ逃げよっ!?」
梓「……駄目っ!!」
あや「ええっ!?」
梓「真正面から迎え撃ちたい!!桂利奈、前進っ!!」
桂利奈「う、うん!!」
104 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 18:03:36.92 ID:tONnNcnB0
優花里「ッ!M3前進してきます!!」
エリカ「……へぇ?」ニヤッ
優花里「どうします!?」
エリカ「そのケンカ買ったわっ!!こちらも前進して、真っ正面貫いてやりなさい!!」
優花里「っはい!!」
ダァン!ダァン!!
あや「うぇええ撃っても撃っても止まらないよー!?」
あゆみ「っ!?」
梓「くっ!!」
ダァンダァン!!
エリカ「…………撃てっ!!」
優花里「っ!」
ダァン!
シュポッ
蝶野『DチームM3、Eチーム38t、CチームV号突撃砲、Bチーム八九式。いずれも行動不能。よって、AチームW号の勝利!!』
105 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/07(日) 18:04:20.54 ID:tONnNcnB0
今日はここまでで。
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/07(日) 18:43:30.28 ID:1PE6OzuU0
乙
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/07(日) 22:30:51.63 ID:janVulVv0
乙
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 00:54:10.31 ID:SBR6HKnno
乙ー
109 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:14:31.88 ID:bimZF+EN0
エリカ「……はぁ」
沙織「やったねえりりん!私達勝ったよ!!」
エリカ「ええ、なんとかなったわ」
華「お見事でした」
優花里「さすがですっ!」
エリカ「……あなた達もね。特に冷泉さん、ありがとう。おかげで助かったわ」
麻子「借りを返しただけだ」
エリカ「……そう。っと、ちょっと私出るわね」
沙織「え?えりりんどこ行くの?」
エリカ「すぐ戻るわよ!」
110 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:23:16.55 ID:bimZF+EN0
あや「やっぱり負けちゃったじゃーん!」
あゆみ「とはいえ、逃げても勝てたかどうか……」
桂利奈「でも、楽しかったね!」
紗希「……」ボー
梓「やっぱり、逸見先輩は凄い……」
エリカ「Dチームの車長は誰?」
あや「逸見先輩っ!?」
梓「しゃ、車長は私です!」
エリカ「あら、澤さんだったのね」
梓「覚えててくれたんですか!?」
エリカ「え、ええ。名乗ってくれたし。それにしても、最後なんで前進してきたの?あの状況なら下がると思ったんだけど」
梓「あっ、そ、それは……」
エリカ「どうして?」
梓「そ、その……わ、私、逸見先輩と戦いたかったんですっ!」
エリカ「わ、私と?」
梓「は、はい。私……ていうか私戦車道を取ったのは単位とか色々特典があったからで……」
エリカ「そうなの?まぁ、モテるから取った。なんて子もいるしね」
梓「だ、だけど、エリカさんが生徒会の方たちに怒ってるのを見て、ああこの人は本気なんだって。中途半端は失礼だって思って……」
エリカ「……恥ずかしいところを見せたわね」
梓「そんなことありませんっ!!それで、私達がM3を使いたいって言った時、愛着を持ってくれるならいいって」
111 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:29:30.37 ID:bimZF+EN0
エリカ「そうね、何事もまず愛着を持つところから。自分たちが見つけたっていうのがきっかけになるなら、それに越したことはないわ」
梓「だから、私この戦車で逸見先輩と戦いたかったんです!!」
エリカ「……」
梓「結局負けちゃいましたけど……」
エリカ「……あなた達は怖くなかったの?」
あや「そりゃあ怖かったですし、逃げようって言いましたよ」
桂利奈「でも、梓ちゃんが前にって言うならって……」
優希「まぁ、付き合ってあげよっかなーって」
あゆみ「ねっ」
紗希「……」コクリ
エリカ「……そう。良いわ、あなた達」
梓「え?」
エリカ「敵を前にして前進する勇気。怖くても車長を信頼してそれを実行する乗員。あなた達、良いチームね」
梓「わぁ……」
桂利奈「褒められちゃったっ!」
あや「うんっ!」
エリカ「とはいえ、実際の試合ではちゃんと指示通りにしてよ?突撃だけが作戦じゃないんだから。時には退くことも覚えなさい」
『はいっ!!』
エリカ「ん。それじゃあ戻りましょうか―――――期待しているわよ、新兵さん♪」
112 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:35:44.99 ID:bimZF+EN0
・
・
・
蝶野「みんなグッジョブ!初めてとは思えなかったわっ!特にAチーム、よくやったわね!」
優花里「わぁ……」
沙織「やったっ」
華「ええっ」
エリカ「まぁ、このぐらいはね」
蝶野「これからも訓練励むように!わからないことがあったらメールしてね」
桃「一同、礼!」
『ありがとうございましたー!!』
113 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:45:09.07 ID:bimZF+EN0
沙織「さーってお風呂行こー♪」
華「そうですね」
優花里「流石に疲れましたぁー」
麻子「疲れた……眠い……」
エリカ「……」
蝶野「逸見さん、ちょっといいかしら?」
エリカ「なんでしょうか?」
蝶野「いえ、ちょっと気になってね」
エリカ「……ナンパならお断りですよ?」
蝶野「それは残念ね。……その、あなたがまた戦車道をしているとは思わなかったわ」
エリカ「……ええ、私もこのチャンスを活かしたいと思っています。転校こそ不本意でしたが、どうやら私と戦車道は切っても切れないようですね」
蝶野「……そう。私はあなたの事情を理解しきれていないけど、それでも去年の事は……」
沙織「えりりん何してるのー?お風呂行こーよー!」
エリカ「……すみません、そういうことなのでもういいでしょうか?」
蝶野「……ええ。ごめんなさいね呼び止めちゃって」
114 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:49:11.05 ID:bimZF+EN0
蝶野「……こればっかりは即撃破って訳にはいかないわね……」
115 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:52:47.57 ID:bimZF+EN0
・
・
・
カポーン
沙織「なんか告白されるよりドキドキしちゃったー♪」
エリカ「された事あるの?」
華「沙織さんの脳内での話です」
エリカ「そう……」
沙織「冗談だからっ!?そんな哀れみの目でみないで!?」
華「しかし、今日は後半役に立てなくて申し訳ありません……」
エリカ「しょうがないわよ。むしろ初めてにしてはよくやったほうよ」
優花里「そうですっ!最初の挟撃から逃げられたのも華殿のおかげですからっ!」
華「ありがとうございます……あと、その……私に砲手をやらせていただけないでしょうか!?」
エリカ「え?」
華「あの、撃った瞬間のジンジンとした快感が忘れられなくて……」
エリカ「そ、そう?まぁ、いいんじゃない?華集中力ありそうだし」
優花里「それでしたら私が装填手をやらせていただきますっ!」
沙織「じゃあ私は通信手かなー」
エリカ「それじゃあ操縦手は……」
116 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 18:55:39.20 ID:bimZF+EN0
麻子「……」ザバァ
エリカ「……冷泉さん。操縦手やってくれない?」
沙織「あっ!それいい!麻子、運転すごく上手かったし!」
麻子「断る。それに、もう書道を選択している」
エリカ「……お願い。あなたの力が必要よ」
麻子「借りはもう返した」
エリカ「なら、私への貸しでっ!!」
麻子「人に貸しを作るつもりはない」
エリカ「っ……」
華「なんとか、お願いできないでしょうか!」
優花里「冷泉殿の運転なら安心して任せられます!!」
麻子「悪いが他をあたってくれ」
沙織「っ!単位3倍だよ!!遅刻200日分免除だよ!?どうするのっ!このままじゃ留年して、私達を先輩って呼ぶ羽目になるんだよっ!?
私、実は上下関係には厳しいタイプだから後輩になった瞬間徹底的にこき使うからねっ!それに、おばあちゃんになんて説明するのっ!?」
麻子「っ…………………わかった、やろう」
優花里「やったっ!よろしくお願いします!」
華「よろしくお願いします」
エリカ「よろしく」
麻子「……ん」
117 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 19:01:34.01 ID:bimZF+EN0
・
・
・
沙織「それじゃあえりりんまた明日ー!」
華「エリカさんまた明日」
エリカ「ええ、明日もよろしくね」
優花里「……」
エリカ「……」スタスタ
優花里「あ、あのっエリカ殿!!」
エリカ「優花里?どうしたのよ」
優花里「その、聞きたいことがありまして……」
エリカ「聞きたいこと?さっき聞けばよかったのに」
優花里「その、二人っきりじゃないと聞けなくて……」
エリカ「そう。で、何?」
優花里「その、私ずっと前から戦車道に興味があって……でも、大洗女子学園は戦車道は廃止されてて……
だから、雑誌や試合を見に行って楽しんでたんです」
エリカ「そういう楽しみ方もあるわね。それで?」
優花里「それで……その……」
エリカ「聞きたいことがあるならはっきり言いなさい」
優花里「その、私去年の全国大会の決勝見てたんです。……現地で」
エリカ「……それが?」
優花里「だから、その、あの事故が気になって調べたんです。それで……っ!エリカ殿っ!あなたはっ!!」
118 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 19:05:35.22 ID:bimZF+EN0
ガッ
優花里「ぐっ!?」
ギリッギリ
優花里「え、エリカ殿、く、苦しい………っ」
エリカ「――――あなた、そこまで知っているのね。よく調べたわ」
優花里「エリカ、殿……」
エリカ「でも私言ったわよね?無遠慮な子にはそれなりの態度を取るって」グッ
優花里「ぐぅっ!?」
エリカ「だから、それはあなたの胸に秘めておきなさい。うちのチームにはあなたが必要だから」バッ
優花里「っ!げほっ、えほっ!?」
エリカ「……あなたが何も言わない限り、私は何もしないわ。……せっかく戦車に乗れたんだもの。まだ楽しみたいわよね?」ジッ……
優花里「ひっ……」
エリカ「わかった?」
優花里「は、はいっ!!」
エリカ「それでいいわ。……それじゃあね、また明日」スタスタ
119 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 19:09:14.98 ID:bimZF+EN0
優花里「エリカ殿、あなたは……あなたは何故……」
120 :
◆eltIyP8eDQ
[saga]:2018/01/08(月) 19:09:50.31 ID:bimZF+EN0
今日はここまでです。
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