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テロリスト「「「この列車は俺たちがハイジャックした!!!」」」
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420 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:17:52.03 ID:tXlGsIvuo
執事「何!?」
副運転士「あの声は、魔王さん!? え、ビームが飛んでくるって……」
シュゴ!!!
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ヽ∧ヘ、ヘ人从ヽ∧ヘヘ从ヽ_ノ三|三:::::... ∵ ..:.::=il=::. ・..:.::三ミ:、て ̄
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ヽ∧ヘ、ヘ人从ヽ∧ヘヘ从ヽ∧ヘ、ヘノ(
421 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:18:18.95 ID:tXlGsIvuo
キノコ頭「どああああああああああああ!!!」
運転士長「何を考えているんだ、あの魔王はアァァッ!!!」
教授「うぐ、あ……!!」
副運転士「て、手が……っ!」
不慮の事故が無ければ、女運転士の勇気ある行動は結実したかもしれない。
だが、列車の旅にアクシデントはつきものだった。
魔王が放ったビームの爆風は、ついに教授の体を列車から引き剥がす。
教授「うわああああああああああああ!!!」
副運転士「そんな、教授さん…………っ!!」
422 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:18:46.51 ID:tXlGsIvuo
運転士長「なんだ? どうなっている!?」
フロント「士長! 教授さんが外に!」
車掌「吹き飛ばされました、ここは私が――――」
執事「――――――っ!!」
全身の力を込めた踏み切りと共に、列車の外に飛んだのは、男だった。
列車の外に投げ出された彼女を、誰よりも慕い、誰よりも理解していた、男。
運転士長「……!」
副運転士「執事さん……!」
執事「皆さん……。後のコトは、頼みます」
423 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:19:13.96 ID:tXlGsIvuo
――列車の外 空中
教授「うぐ、あ、ああ……!!」
教授のけっして小さくはない体は、空中で無秩序に回転する。
だが、その回転を止め、彼女の手を取る、白い手袋があった。
教授「……!」
執事「……お嬢様。ご無事ですか」
教授「アンタ。どうして……」
執事「お嬢様は、ご自分が死んでも、俺に生きてほしい、とおっしゃいましたね」
執事「それでは意味が無いのです」
424 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:19:40.49 ID:tXlGsIvuo
執事「お嬢様がいなくては、俺も、生きる意味が無い」
教授「……!」
教授「でも、このまま、地面にぶつけられたら」
執事「ええ。タダでは、すまないでしょう」
執事「だけど。俺は、それでもいい」
執事「最後まで、お前と一緒にいれるのなら……。それが、俺の本望だ」
教授「…………」
教授「……ばか」
425 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:20:08.82 ID:tXlGsIvuo
黒コート「―――させるかァァァァァァッ!!!」
その時、列車の上で駆動する音があった。非効率的で暴力的な鉄の馬が、煙を吐いて嘶く。
教授「え――――?」
執事「あれは……? 黒い……!」
革ジャン「おいおいセンパイ、本当にカっ飛ばす気か!?」
黒コート「ああ! 死にたくなければ捕まっていろ!!」
黒コート「悪魔や天使は、非道だが、契約は必ず守る。なら人間の私がそれを反故に出来るか」
黒コート「そしてっ! 目の前に助けを呼ぶ声あらばっ、それに応えずして何が警察かァァァッ!!!」
426 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:20:36.67 ID:tXlGsIvuo
――12号車【謎車】 屋根の上
革ジャン「だけど、さっきこの車両の格納庫から出したばっかりで」
革ジャン「エンジンもフカしてないのに、何が出来……」
ビュイイイイン
魔王「――――――うわヤベ、エラい方向にビームまた飛ばしちゃった!!」
ドドン!!!
黒コート「エンジンが温まっていないなら……」
黒コート「おあつらえむきに飛んできたビームの爆風で浮いてカっ飛べばいいだろうがあああ!!!」
427 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:21:04.68 ID:tXlGsIvuo
教授「あ――――」
執事「あれは――――――」
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从 //
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428 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:21:33.37 ID:tXlGsIvuo
黒コート「ぐっ! 接地したぞ革ジャン! エンジン全開だ、落ちてくるヒトを受け止めろォォッ!!」
革ジャン「はいはい……。ってぇぇ、オトナ二人かよおおおおおお!!?」
執事「タ、タイムパトロールのヒト!? 潰れますよ!!」
教授「ゴメンなさいどいてどいてどいてぇぇっ!!」
黒コート「ゴメンで済むなら警察は要らないっ、革ジャン何とかしろおおおおおお!!!」
革ジャン「何とかしろで何とかなるなら警察は要らないと思いますがねヨイショっとぉ!!」ガタッ
革ジャン「うんむ……。絶景、絶景。バイクの上に立って見る景色は格別かな」
教授「だからどいてってば―――!!」
429 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:22:00.18 ID:tXlGsIvuo
革ジャン「そして、どいてでどく警察もいないッ! オラァッ!!」
空中を舞う二人に、仁王立ちした男が乗ったバイクが迫る。
しかし二人をまとめて受け止めるのは不可能と判断した男は、代替処置として、回し蹴りを放った。
執事「ぐぼはっ!!」
教授「ちょっ、大丈夫!?」
革ジャン「そらあ吹き飛べ! 俺たちに出来るのはここまでだ!」
革ジャン「あとは列車の屋根の上にいる誰かさんに、何とかしてもらいな!!」
ヒーロー「―――任せろ!!」ダンッ
430 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:22:27.94 ID:tXlGsIvuo
またも飛んだ魔王のビームの光を背に受けて、列車の上にいるそれは輝く。
赤色のポリマースーツ。正義の味方を象徴する、その出で立ち。
執事「あ、貴方は……」
教授「食堂車の変態仮面!!?」
ヒーロー「だから変態仮面ではないとうっ!!」
革ジャンの蹴り上げによって再び空中を舞った二人を、
屋根から空中を突進してきた、とあるヒーローが見事に受け止め抱きかかえる。
そして、ヒーローは突進した先にある線路の脇の木の幹を蹴り飛ばし、
空中で一回転することで、二度のステップと共に列車へと帰還を果たした。
431 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:22:54.83 ID:tXlGsIvuo
革ジャン「よお未来の市民ボランティア! やるじゃねえか!!」
ヒーロー「ふははははっ、これくらいは朝飯前だ!」
ヒーロー「ようやくヒーローの面目躍如、といったところかな!!」
教授「た、助かった……」
執事「ありがとうございます。皆さん!!」
黒コート「気にするな! これも警察の務めだからな!」
執事「あれ。でも、警察のお二人は、どうやって列車に戻ってくるんですかーっ!?」
黒コート&革ジャン「「あっ」」
432 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:23:27.57 ID:tXlGsIvuo
革ジャン「あっ、て……。まさかセンパイ、何も考えてねえのか!?」
黒コート「う、ううん。正直、バイク出して走らせるところまでが、精一杯の想定というか……」
革ジャン「じゃあ、あの天使女に、いいように踊らされたってコトかよ!」ダンッ
黒コート「どうしてそうなる。ううーん。しかし、列車と並走は出来ても、どう戻ったモノか」
黒コート「おい、そこの市民ボランティア! 何か良い案はないか!?」
小型メカ「ゴメンなさい黒コートさん、なんとか助けてあげたいんですが……!」
ヒーロー「すまない! まったく思いつかない!」
革ジャン「言い切りやがってクソがぁぁぁ!!」
433 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:23:54.54 ID:tXlGsIvuo
教授「あっ、でも。待って……」
執事「お嬢様?」
教授「さっきから魔王のビームが飛びまくってるけど、それを利用すれば?」
ヒーロー「それだ!!」
ヒーロー「おい、タイムパトロールの諸君! 魔王のビームを利用するんだ!」
黒コート「なんだと!?」
ヒーロー「さっきから魔王のビームが飛びまくっている! その爆風に乗るんだ!!」
革ジャン「はっ。ヤブから棒に、勝手なコト言いやがるぜ……。爆風なんかでバイクが飛べるか?」
黒コート「だが、それに賭けるしかない。魔王は先頭車両だな、速度を上げるぞっ!!」
434 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:24:22.12 ID:tXlGsIvuo
――1号車【展望車・前】 外部
魔王「オラオラオラオラオラオラオラオラぁっ!!」
剣使い「姐さん! なんとかあの魔法陣、また狙撃で潰せねえか!?」
弓使い「やってるけど数が多すぎ! っとと、うおわぁっ!」ボカン
銃使い「っ! 族長、爆弾! 空中で火をつけて!」ヒョイッ
族長「任せろ!!」ボッ
ドォォォォン!!!!!!
革ジャン「なんとか先頭まで来たが、何だありゃぁ!? この世の終わりか!?」
435 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:24:49.47 ID:tXlGsIvuo
黒コート「爆発の破片が……! かわすぞ!」ギュン ギュン
革ジャン「ってオイ右に左に揺れるうううううううううううう!!!」ガク ガク
魔王「くそっ、チョコマカと逃げ回りやがるせいで狙いがつけにくい……!」ビュイイイイン
ドドン
剣使い「くそっ、逃げ回りながらだから、決め手に欠けるな……!」サッ
魔王「うわヤベ、エラい方向にビームまたまた飛ばしちゃった!! もう気にしない!」ビュイイイイン
ドドン
黒コート「っ! 今だぁぁっ!!!」
436 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:25:16.92 ID:tXlGsIvuo
そのビームは、黒コートたちが乗るバイクの眼前に着弾した。
足下の地面が焼け、爆発し、煙が立ち上る。
だが爆発の瞬間を、黒コートは見逃さなかった。
彼女は革ジャンの体重を大きく後ろに預けさせ、自らはハンドルを引き上げる。
たしかに通常の爆風であれば、鉄の馬をはばたたかせるには不十分だろう。
しかし魔王の放った圧縮光線の爆風は、浮いたバイクの前輪の下を走り、
そして、その役目を果たした。
黒コート「うおおおおっ……」
黒コート「飛べええええええええええええッ!!!」
魔王「―――? なんだっ!?」クルッ
437 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:25:44.18 ID:tXlGsIvuo
剣使い「あ――――」
弓使い「ウソ……」
銃使い「あれは――――」
族長「天馬……! 翼の無いペガサスだっ!!」
魔王「な、なんでバイクが空を飛んでるんだぁぁぁぁぁぁ!!?」
革ジャン「ふ……。良い夜空、だな……。センパイ。星がいつもより近く見えるぜ」
黒コート「ああ……。お前とのランデブーでなければ、いつまでもこうしていたいくらいだ」
黒コート「だが、ただ一点……」
438 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:26:13.25 ID:tXlGsIvuo
黒コート「今からすぐに落ちるという問題点に目をつぶればだがなああああああああああああ!!!」
革ジャン「落ちる落ちる落ちる落ちるうおえいあああああああああああああああ!!!!!!」
魔王「な――――」
バイクの二人の感想に、つけ加えるならば。
その光景は、傍観していた五人の戦士たちにとっても、どこぞの洋画のような幻想的な光景だった。
ただ一点の問題点。
傍観していた戦士たちのうちの一人の頭上。
魔王の上に、そのバイクが落下する、という問題点に目をつぶれば。
魔王「しまった! 魔力防壁……、ってコレは魔力由来の攻撃にしか意味は無い、あっ――――」
439 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:26:40.21 ID:tXlGsIvuo
ドカバキグシャ
魔王「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙――――っ!!!」
弓使い「魔王の顔面にバイクの後輪がメリ込んだ!!」
銃使い「今しかない!!」
剣使い「行くぞ! 族長!」
族長「ああ。剣使い。遅れを取るな!」
剣使い&族長「「うおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」
440 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:27:07.44 ID:tXlGsIvuo
魔王「いてて、ヒドい目に遭った……。はっ!?」
剣使い「これでトドメだ!!」
族長「我が刃、受けるがいい」
魔王「なんでだ、こんなハズじゃあっ……! ぎゃアアアアアアアアアアアア!!!」
剣使いが振り下ろしたのは、白銀の長剣。
族長が振り上げたのは、炎をまとったシャムシール。
刹那。白き雷鳴と、青き紅蓮が、入り混じった。
革ジャン「うおっ、なんかやったみたいだぞ!」
黒コート「私たちが気にしてる場合か!? 1号車に落ちるぞおおおおおお!!!」
441 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:27:35.47 ID:tXlGsIvuo
――1号車【展望車・前】
ドシャ
革ジャン「ぐあっ!!」
黒コート「い、痛い……。ここは?」
桜色の女「…………」
仮面の男「…………」
バイクの二人が落ちた先。そこでは、顔と仮面に無数の傷をつけあった男女が、
お互いの首に刃を入れながら、しかして動かず、永遠とも思える一瞬の時を過ごしていた。
442 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:28:04.14 ID:tXlGsIvuo
桜色の女「……今日は、来客が多い日でござるな」スッ
仮面の男「おや。もう終わりかい?」
桜色の女「ああ。此度の戦い、これで無聊を慰めるには十分だ」
桜色の女「ジャマが無ければ、このまま死合うのも、やぶさかでないが……」
桜色の女「ちと来客が多すぎる。余人にも見られた。今宵はここまでとしよう」チャキ
仮面の男「そうかい。では僕も、これにて」
仮面の男「やはり君は、面白い……。また別な場所での、再会を期待しよう」ガチャ
桜色の女「ああ。そしてまたその時は、私の望みを満たさせてくれ」
革ジャン「ってオイオイなに満足気にどっか行こうとしてんだ!?」
443 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:28:31.64 ID:tXlGsIvuo
桜色の女「ぬおっ!? み、見てたのでござるか!?」
仮面の男「はっはっは。これは手厳しい」
黒コート「剣士さん……。勝負には、勝ったのですか?」
桜色の女「……ははは。そこは想像にお任せするでござるよ」
革ジャン「時空指名手配犯の仮面の男だな。おとなしくしやがれ!」
仮面の男「やれやれ。しかしここで逃げるのも美学に反する。今はお縄につくとしよう」
革ジャン「さてセンパイ。これで目的達成、か?」
黒コート「ああ。それと、この列車の戦いも、おそらくすべて終わったハズ……」
444 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:28:58.68 ID:tXlGsIvuo
――6号車【食堂車】 屋根の上
ウェイター「おっ、静かになった」
ウェイトレス「全部終わったみたいだねー」
ウェイター「ラウンジの爆発に始まって、食堂車の爆発に、色んな車両での大乱闘か……」
ウェイトレス「ニギヤカな年末年始だったねー。疲れたし、今年は平和だといいなぁ」
.,、-ー''ア:;、-'/ ,,、-'7 / ̄/_
ノ ////了 / / ,-ー―" __/
.イ i::/ / / / / ,r',,,,,、- ァ/-z''" /
,| ノ:ノz''"// ,,、-ー ''" ,、-ー''" /// /
,リ /;;;、-''了 / ,、z''"/| / |/ ./ / ./\
i ,、-ー' '"/ / / / // \/;;、-'/
/ 「" ,ノ / / / 、-",、 '
/ / |/ レ / /
| | | /
|/ レ"
ウェイトレス「え!?」グラッ
ウェイター「うおっ。今の音、今の揺れ……。なんだ!?」
445 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:29:25.70 ID:tXlGsIvuo
――1号車【展望車・前】 屋根の上
族長「おい、なんだあれは? 山が噴火している!?」
魔王「くそっ。最悪の展開だ……。謀ったな、白の大天使……!」
白ドレス「え? 私、なんもしてないよー」ザッ
魔王「なっ! えっ、お前、いつからいた……!?」
マスター「どうやら事態はそれどころではないらしいぞ、魔王」
剣使い「あの噴火してる山は、高さと方角からいって……。富士山か?」
魔王「違う。あの山は、富士山だが、富士山ではない。其は、き○こたけ○この生みの親……」
魔王「―――ア○ロ。あれなるは、アポ○富士山だ」
446 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:29:52.45 ID:tXlGsIvuo
__ ,.
,..イ_ / ヘ \−、
.-' ヽ;; ;;ヽ .- ::,、.._
_..-'' ヘ;;;; ;;__ 、 !.
..‐" .. ;;; ;";;;;;;;` ̄\_ ヽ、
_..,-"/ / ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; _ヽ : ヽ
..‐"/': イ'"/: 'ソ: VYニ_. 丿υ/!‐ヘ!v\,;;;;;;;;−''^. : : : : : -、..........
: : : : : : : '' イ: : : ;;: : ノノ: : : : : `¨´: : : ;;;; ''^´_ `‐-´ ^ー: : : ^` -,,,
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-斗三三〈三彡‐i/ニ工ニ辷凵'辷三'亡彡亡ェ辷ュ!': 二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/....
ニ ̄ ''''''''''''''''―‐‐‐‐‐―‐'‐ー‐―‐-/ニニニニニエニ../__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
'´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
`ー-、__,| `"
447 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/29(金) 18:30:20.57 ID:tXlGsIvuo
第七章「未明・前」は以上になります。
今回のコミケも大盛り上がりなようで、いよいよ年の瀬です。
第八章は、明日12/30(土)の18時ごろ開始の予定です。
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2017/12/29(金) 23:09:54.63 ID:nTeabCqC0
列車がどんどん廃墟と化していく…
き○こ、たけ○こ、ア○フォートときて次はア○ロか、○ッキーじゃないのか
残りはあと三章くらいかな?乙です
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 02:15:57.76 ID:55d9FDo+o
乙
列車もうボロボロやな…
最初に出て来た紳士が黒コートなのか?
450 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:00:01.50 ID:gCIL18dHo
だが、列車の旅にアクシデントはつきものだった。
それでは、第八章「未明・後」を開始します。
60レスほどの予定です。
451 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:00:29.24 ID:gCIL18dHo
――1号車【展望車・前】 屋根の上
剣使い「あの噴火してる山は、高さと方角からいって……。富士山か?」
魔王「違う。あの山は、富士山だが、富士山ではない。き○こたけ○この生みの親……」
魔王「―――アポ○。あれなるは、ア○ロ富士山だ」
剣使い「あ。アポ○……? チョコ菓子の?」
魔王「そうだ。チョコ菓子のアポ○だ……」
魔王「…………」
452 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:00:59.06 ID:gCIL18dHo
魔王「おい、白の大天使」
白ドレス「ハイハイ。何かな、まおーちゃん♪」
魔王「ちっ。やっぱチョーシ狂うわ、お前……」
魔王「白の大天使。今、お前は何もしていないと言ったが……」
魔王「それは本当か? お前は本当に今回の事態に何も関わっていないのか?」
白ドレス「うん! いやあ、この列車で事件が起きるのは、天界からフワっと見えてたんだけどね……」
白ドレス「むしろ私は、その事件を止める側っていうか。年末年始の旅行がてら? 来ちゃった?」フリフリ
魔王「来ちゃった? じゃねぇよ、ったく……」
魔王「すると、アレか。アポ○富士山の噴火は、まったく別の要因によるモノか? いったい何が……」
453 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:01:26.36 ID:gCIL18dHo
白ドレス「あ、ソレだけど……。一つ心当たりがあるんだよね」
魔王「何? それは本当か!?」
白ドレス「うん。でも、関係者にはキチンと話したほうがいいし、一回全員集めましょ」
白ドレス「そこの君たちも、それでいいかなー?」
剣使い「お、おう……」
弓使い「なんだかタダゴトじゃなさそうだね。面白くなってきたぁ!」
銃使い「…………」ボリボリ
族長「お前たち、立てるか?」
マスター「ワタクシがご案内します。場所は……、まあ、階下の展望室で良いでしょう」
454 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:01:55.18 ID:gCIL18dHo
――1号車【展望車・前】
弓使い「おっ、教授〜。久しぶり〜」
教授「弓使いさんたち、こんなにボロボロで……。いったい何が?」
ヒーロー「ぬぬっ、貴様らがハイジャック犯だったのか!」
キノコ頭「さっきは知らないで戦ってたのか……」
桜色の女「おっ、おいしそうでござるな。貰っていいでござるか?」
銃使い「どーぞ」ガシュガシュ
副運転士「はいはい!! 皆さん、静かにしてください!!」パン パン
455 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:02:22.32 ID:gCIL18dHo
剣使い「静かに、つったってなぁ……」
族長「この一日で因縁の出来た者も多い。それが一堂に会すれば、騒がしくもなるモノよ」
テロリストA「あ、さっきはハルバードに捕まらせてもらってありがとうございました」
フロント「いえいえ。執事のキミも、ナイスガッツでしたね」
執事「いや。あの時は、無我夢中で……」
魔族A「魔王さま、さっきはどうも……」
魔王「いやいや、戦いは終わったんだから気楽にいこうぜ! それも魔界のコトワリだ!」
小型メカ「次の仕事の件なんですが……こういう場合はいったいどうすれば……」
料理長「ああ、それなら……とにかく上質な素材のゴリ押しで……一個1000円くらいの……えっ、違う?」
革ジャン「そんなクソ高ェのジャンクフードじゃねえよ」
456 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:02:49.84 ID:gCIL18dHo
黒コート「鉄仮面……、それはそれとして。キズだらけだが、大丈夫か? 治療するか?」
仮面の男「ふ……。これは名誉の負傷、というモノだよ。彼女の思いを受け流してはいけない」
マスター「え、今はせいぜい飛ぶくらいの術しか行使できなかった? それは、失礼しました」
白ドレス「ホント! 天界の者だからって、問答無用で斬りかかったりしないでよね!」
ウェイター「増えに増えたってカンジだよなあ」
ウェイトレス「未来人だけで六人もいるって本当かなあ?」
運転士長「ひ、ふ、み……。おそらく、これで全員じゃないか?」
車掌「アバウトですねえ。まあ、誰なら全員を把握してるんだ、って感じですが」
副運転士「あのー、すいません! 今からハナシをまとめるので、聞いてもらっていいですかー!?」
457 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:03:18.93 ID:gCIL18dHo
教授「待って、運転士さん。なんだか知らないけど、私たち、モメてる場合じゃないんでしょう」
教授「だったらせめて、この場で改めて、全員の素性を一通り確認すべきだと思うのだけど?」
魔王「そうだな。今から俺たちは全員が協力する必要がある。なるべく不理解による内ゲバは避けたい」
副運転士「そ、そうですね……。では、お一人ずつ、身分と目的を明かしていただいて良いですか?」
執事「わかりました。では、俺たちから」スクッ
執事「俺たち二人は、ただの一般乗客です。ですが、彼女は。“教授”と言えば通りが良いでしょうか……」
執事「元日の昼、彼女がオーサカで行う発表会のため。オーサカ行きの、この列車に乗車しました」
キノコ頭「情報はマチガイなかったか。だが、もう一度誘拐を試みれる状況でもないな……」
教授「おいそこ」
458 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:03:47.74 ID:gCIL18dHo
副運転士「なるほど。お二人は、この列車自体に何か用があったワケではない、というコトですね」
剣使い「ただオーサカ行きだから乗っただけ、というなら俺たちも同じだな」
弓使い「そうそう。ポストにあった招待状に、この列車のチケットが入っててね」ピラー
ヒーロー「あ。ちなみに彼らに招待状を送ったのは、俺だな」
剣使い「なんだと? 変態仮面、お前が俺たちのところに招待状を?」
ヒーロー「その通りだ。歴史を調べたところ、今日この列車には君たちが乗っていたのでな」
銃使い「そうだったんだ」
運転士長「そういえば、今日のチケットが事前にやたら買い占められていた。犯人は君かね……」
仮面の男「とすると、僕の招待状も、君の差し金か。サプライズパーティーではなかったか」
459 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:04:15.01 ID:gCIL18dHo
キノコ頭「謎が解けたようで結構だ。ならばこの流れで言わせてもらおう。俺たちはハイジャック犯だ」
副運転士「いやなんでこの流れなら言えると思ったんですか!?」
キノコ頭「いずれ言わなければならないのだから、仕方がないだろう……。ああ、だが安心してくれ」
キノコ頭「俺たちの目的は教授の身柄だが、何やら事態が逼迫しているのだろう? なら黙っている」
教授「それは、事態が逼迫しなくなったら、私をさらいに来るってコトかな……」
弓使い「おおっと、教授狙い? だったら、私たちを倒してからにしてよね」
テロリストA「なんでお前たちがジャマをするんだ!?」
副運転士「と、とにかく。き○こ派のテロリストさん、というコトで良いですか? 良いんでしょうか……」
族長「構わんだろうよ。そういう意味なら俺たちも、アル○ォート派のテロリストだな」
460 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:04:44.03 ID:gCIL18dHo
運転士長「魔族……」
族長「そう身構えるな。たしかに俺たちの目的は、この列車の動力源だった」
族長「だが、動力源の場所は皆目見当がつかず……。そして、その動力源は今回の事態のカギだという」
族長「ならば我らも事態を静観するとしよう。むろん、列車がオーサカにつけば、発表会は潰すが」
教授「なななんで私の発表会が今の流れで出てきたんだ!?」
魔族D「初志貫徹の精神、マジリスペクトっす!」
ヒーロー「では私たちも宣言しよう! 私たちの目的は、この列車のハイジャックを阻止することだ!」
小型メカ「はい。正確には、ハイジャックによって未来で起こる、き○こたけ○こ大戦の阻止が目的です」
副運転士「そ、その口ぶりからすると、もしや未来の方ですか……? 味方なのは嬉しいですが」
461 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:05:11.33 ID:gCIL18dHo
黒コート「では、未来繋がりで。私たちは、未来のタイムパトロール。区の警察署の時空環境整備課です」
革ジャン「おらおらおら、この中に時空指名手配犯はいねえか? 逆らうならバラしちまうぞ!」
黒コート「完全に言動が悪党だろうが! 誤解されるから黙ってろ!」ゴスッ
革ジャン「お、おえっ」
仮面の男「シゴト熱心だねえ、時空整備課。それで、時空指名手配犯の僕を捕まえなくていいのかい?」
黒コート「いや。今すぐにでも捕まえたいところだが。だが、事態はそれどころではないだろう」
黒コート「まずは事態の収拾に手を貸せ。だが働き次第では、上に減刑をかけあうコトも考えよう」
仮面の男「おお、温情痛み入る……。ありがたい。あの整備課にも良心はいた。しかもよく見れば美人だ」
黒コート「……大丈夫か? 後ろ、ニラまれてるぞ?」
462 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:05:41.39 ID:gCIL18dHo
桜色の女「……このキザな仮面男のコトは、置いておいて」
桜色の女「拙者は、通りすがりの風来坊。旅を求めて、この列車に立ち寄った者でござる」
桜色の女「いや、この列車、すばらしいでござるなあ! 特に料理が美味でござる!」
フロント「おや……? おかしいですね。このようなお客様には、見覚えが……」
桜色の女「ぎ、ぎく!」
仮面の男「そういえば。根無し草で文無しの君が、どうやってこの列車の乗車券を手に入れたんだい?」
桜色の女「……て、鉄仮面卿! ここは拙者をおぬしの連れ、というコトにしておくでござるよ!」ヒソヒソ
仮面の男「ん? 構わないが。……ふっ、しかしさっきの立ち合いの時の君はどこへやら」
副運転士「お二人はお知り合いなのですか? 腕の立つ方がたくさんいらっしゃるのは、心強いです!」
463 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:06:08.69 ID:gCIL18dHo
魔王「そして、俺たちが最後か。俺については、数時間前も自己紹介したな? 魔王だ」
白ドレス「アーンド、謎の白いお姉さん改め、白の大天使でーす。よろしくぅ!」ビッ
革ジャン「おい。さっきの魔王のハナシじゃお前、今回の黒幕なんだよな? ん?」チャッ
白ドレス「へ、私が黒幕? 何それ!? 私、今回はなにもしてないよ。清廉潔白。だ、だから銃下ろして」
魔王「ああ、すまん……。コイツが黒幕というのは、俺の早とちりだったようだ」
革ジャン「なんでえ。チッ!!」サッ
白ドレス「舌打ちの音が大きい! で、まおーちゃん……。何でも私のせいとか、そりゃないよねぇ?」
魔王「うぐ……。だが、今回は、だろう。今までお前がしてきたコトを思い出してみやがれ!!」
黒コート「まったくだな。億万回思い出して、爪の垢ヒトカケラほどでも良心が苛むなら、自首するといい」
464 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:06:36.88 ID:gCIL18dHo
白ドレス「揃って同じようなコトを言わない! 仲良しかっ!!」
副運転士「え、ええと……。とりあえず、事態に関わった普通じゃない乗客の方は、これで全員ですか?」
運転士長「あとは我々だな。もう察していると思うが、私たちは、この列車の乗務員だ」
車掌「こちらは、この列車の副運転士、運転士長。私は車掌です。そして……」
ウェイター「ウェイターでーす。日雇いで雇われてる、掃除屋の中年でーす」
ウェイトレス「ウェイトレスでーす。ドライ・ブラー号には、ごヒイキしてもらってる美少女でーす」
料理長「皆さんの食事を任されているコックです。雑菌は即消毒、がスローガンです」
マスター「ラウンジのマスターでございます。お見知りおきを」
フロント「ロビーのフロントです。……さて、ではそろそろ本題に入りたいのですが」
465 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:07:04.10 ID:gCIL18dHo
魔王「ああ。まずは、この列車―――いや、この世界に迫っている危機についてハナシをしたい」
白ドレス「はいはい! 詳しいコトは私から! このウソツキ冤罪野郎の魔王なんてアテにならないよ!」
副運転士「白ドレスのお姉さん。またお会いしましたね!」
白ドレス「へいガール、今まで頑張ったね。あとはお姉さんに任せなさいっ!」ドンッ
魔王「お前が出てくるとハナシがこじれるから黙ってて! 疑ったのは悪かったから!」
魔王「オホン……。まずは、この世界の現状を説明したい」
魔王「カンタンに言うと。アポ○富士山が噴火して、世界の危機だ」
剣使い「アポ○富士山……? さっきも聞いたが、そりゃ何だ? 富士山じゃねぇのか?」
466 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:07:31.03 ID:gCIL18dHo
魔王「いい質問だ。まずはアポ○富士山の来歴から説明しよう」
魔王「富士山とは……。この日本で最大の標高を誇る山で、世界文化遺産にも登録されている霊峰だ」
魔王「だが、今の富士山は、あれが完全なカタチではない」
教授「何? あの台形みたいなカタチじゃないの?」
魔王「違う。富士山の真のカタチとは、こういうモノだ。車内販売の、ちょっと、貸してくれるか?」
副運転士「はいはーい。どうぞ」コト
△
△△
△△△
△△△△
▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲
467 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:07:59.01 ID:gCIL18dHo
銃使い「あっ、アポ○チョコレートだ」
魔王「そうだ。だいたい誰でも知っているだろう。いわゆるアポ○だ」
魔王「そしてコレが、アポ○富士山の真の形態でもある」
執事「は? どう違うんですか?」
魔王「富士山は台形だが、アポ○は三角だろう。上に三角がついた富士山こそが、アポ○富士山だ」
弓使い「は? ちょっとついていけないけど皆ついてきてる?」
魔王「ハナシを続けよう。古来、アポ○富士山とは台形ではなく三角だった」
魔王「だが……。古に、血で血を洗う、ある大戦があった。神々はその争いに怒り、富士山を噴火させた」
魔王「このままでは、世界が終わる。故にそれを防ぐため、古の大術士たちは、“最強の兵器”を作った」
468 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:08:52.00 ID:gCIL18dHo
教授「“最強の兵器”……?」
魔王「大戦を終わらせたという兵器だ。別に、スゴい爆弾とかじゃないぞ」
教授「ふうん。そこの発想は同じなんだ」
魔王「は……? ともかく、“最強の兵器”の開発によって、大戦は終わった」
魔王「そして、古き人間と魔族の約定……。人間と魔族が和平協定を結ぶことで、争いは終息を迎える」
魔王「その和平協定の内容とは!!」
魔王「―――人間と魔族が、き○この山と、たけ○この里では、もう争わないというコト!!」
魔王「き○こたけ○こ戦争、ひいては、き○こたけ○こ大戦を起こさないというコトだッ!!!」
副運転士「な……!!」
469 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:09:19.67 ID:gCIL18dHo
キノコ頭「なんだとっ? き○この山が!?」
革ジャン「おいおいマジかよ……! ココでソレが繋がってくるのかよ!!」
族長「思わぬところで登場したな、我らの戦いが……」
ザワザワ ザワザワ
魔王「え……、何? 今のとこ、アホらしすぎて絶対ドン引きされるから」
魔王「勢いで押し切ろうと思ったんだけど……」
魔王「むしろ、『そうだったのか!』『なるほどなー』みたいなこの空気はナニ……?」
白ドレス「そっか……。なるほど、私にも事態の全貌が見えてきたよ」
魔王「なんで一人でナットクしちゃってるんですかねこの天使は」
470 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:09:47.21 ID:gCIL18dHo
副運転士「そ、それでは、昔のヒトは……」
副運転士「き○この山と、たけ○この里が、原因で争ったために」
副運転士「神々の怒りを受けてしまったと……?」
魔王「うん。そういうコトだ」
魔王「アポ○といえば、き○この山や、たけ○この里の製造方法の元となったというお菓子」
魔王「ゆえに神々は、上位たるアポ○富士山のチカラで、き○こたけ○こ大戦を押しつぶそうとした」
魔王「そこで、古の大術士は、アポ○富士山の頂点の三角の部分をもぎ取り、“最強の兵器”に変えた」
魔王「そして富士山はチカラを封印され、不完全なカタチとなり、台形の姿で知られている……」
魔王「というのが、アポ○富士山の来歴、ひいては古のき○こたけ○こ大戦の顛末だ」
471 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:10:15.33 ID:gCIL18dHo
運転士長「なるほど、古のき○こたけ○こ大戦とやらのコトは、よくわかった……」
運転士長「だがそれが、今回のアポ○富士山の噴火と、何の関係がある?」
運転士長「ハナシによれば、“最強の兵器”とやらで、アポ○富士山は封印されたのではないのか?」
魔王「そこだ。俺には、そこだけがわからない」
魔王「“最強の兵器”で、アポ○富士山は封印されている。二度と噴火するハズが無い」
魔王「だが事実、アポ○富士山は噴火した。とすれば、考えられる原因は二つ」
魔王「まず一つ目。古の“最強の兵器”が破壊された、という可能性だ。だがそれはありえない」
魔王「なぜなら“最強の兵器”とは、このドライ・ブラー号の動力源。今も12号車に安置されている」
運転士長「なんだと? ……いや、それがさっき言っていた……!」
472 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:10:43.30 ID:gCIL18dHo
族長「……と、いうコトは、我々が狙っていたのは。魔力塊ではなかった?」
魔王「いや、“最強の兵器”は優れた魔力塊には違いない。古の大術士たちの魔力が込められている」
魔王「だが、間違ってもソレを持ち出そうなどとは思わぬコトだ」
魔王「“最強の兵器”は、アポ○富士山の周囲を回遊する、この列車だからこそ安置されている」
魔王「アポ○富士山から近すぎては魔力が集まりすぎるし、遠すぎては封印の効力が薄れるからな」
魔王「まあ、ドライ・ブラー号の動力源は優れた魔力塊だ、というウワサが独り歩きしすぎて」
魔王「この列車を狙う魔族が後を絶たないが……。そこはそれ、防衛をコイツに一任している」
マスター「ワタクシです。もちろん、この列車の乗務員は、皆精強。ワタクシだけのチカラではありません」
族長「な、なるほど……」
473 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:11:14.62 ID:gCIL18dHo
魔王「しかし、“最強の兵器”は今もココにある。なら、アポ○富士山の噴火の原因とは、何か」
白ドレス「そう! 考えられるのは、二つ目の原因」
白ドレス「“き○こたけ○こ戦争が再び勃発したんじゃないか”……」
白ドレス「だよね? まおーちゃん」
魔王「そうだ……。しかし、これも。そんな馬鹿げたコト、あるハズが……」
キノコ頭「…………」
革ジャン「…………」
族長「…………」
魔王「なぜアイマイな表情で沈黙しているっ」
474 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:11:41.59 ID:gCIL18dHo
副運転士「あの……、魔王さん?」
魔王「なんだ?」
副運転士「実はこの列車の騒動の原因、き○こたけ○こ戦争です」
魔王「なんだとっ!!?」
魔王「……ははあ。ああそう、ああそういう……。うんうん」
魔王「うーん。え、マジで?」
白ドレス「大マジだよ。まおーちゃん。き○こたけ○こ戦争が中心なのは、私にも見えてたけど」
白ドレス「まさか、最後のアポ○富士山の噴火の原因まで、き○こたけ○こ戦争とはなー」
魔王「うっわー、頭イタくなってきた……」
475 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:12:09.35 ID:gCIL18dHo
白ドレス「そこで私は、ある一つの結論に行き着いた」
白ドレス「今、封印の要たるこの列車では、き○こたけ○こ戦争が起こっていた」
白ドレス「それは、人間と魔族が、き○この山と、たけ○この里では、もう争わない、という」
白ドレス「古き人間と魔族の約定を根底から揺るがすモノ。ゆえに“最強の兵器”はチカラを失った」
白ドレス「だから、封印が徐々に解かれ、アポ○富士山が噴火した……」
白ドレス「ってところかな?」
副運転士「う……。ニワカには信じがたいハナシですが……」
魔王「そう考えると、ガテンがいく……。いっちゃう」
車掌「まさか、き○こたけ○こ戦争が、諸悪の根源だったとは……」
476 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:12:40.72 ID:gCIL18dHo
ヒーロー「すまない。ややこしすぎて意味がわからないのだが」
副運転士「そ、そうですね。では情報をまとめましょう。ホワイトボード、あります?」
車掌「ここに」
1.昔、古のき○こたけ○こ大戦を、神々がアポ○富士山の噴火で止めようとしたので封印した
2.アポ○富士山を封印したのは、古の大術士たちの“最強の兵器”である
3.“最強の兵器”とは、現在のドライ・ブラー号の動力源である
4.しかし、き○こたけ○こ戦争で封印のチカラが弱まったため、アポ○富士山がまた噴火した
副運転士「こんなところでしょうか……」キュッ
477 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:13:33.17 ID:gCIL18dHo
桜色の女「おお。字がキレイでござるな」
副運転士「あ、ありがとうございます」
仮面の男「それは状況を理解していないがゆえの指摘だな、君」
桜色の女「難しいコトはよくわからんでござる」
桜色の女「しかし。肝要なのはコトの仔細、その把握ではなく」
桜色の女「今、拙者たちは何をすべきなのか、ではないでござるかな?」
副運転士「む。たしかに……。魔王さん、私たちはいったいどうすれば?」
魔王「そうだな。もう一度言うぞ。今、アポ○富士山が噴火して、世界の危機だ」
478 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:14:01.49 ID:gCIL18dHo
魔王「そも、アポ○富士山の噴火とは、神々の怒り……」
魔王「き○こたけ○こ大戦ごと世界を押し流す、という物騒極まりないモノだ」
黒コート「もうちょっと別の方法は無かったのか? 神々というのは」
白ドレス「だって神々だからね。脳ミソまで筋肉だよ」
魔王「お前に言われたかないーっ」
魔王「そして、俺たちは何をすればいいか? これは単純明快だ」
魔王「まず、アポ○富士山の噴火の原因。“最強の兵器”の封印のチカラの弱まり」
魔王「これを解決しなくてはならない」
副運転士「つまりソレは、具体的に言うと……?」
479 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:14:29.80 ID:gCIL18dHo
魔王「き○こたけ○こ戦争の休戦」
キノコ頭「……!」
革ジャン「なるほどね」
族長「ほう……」
魔王「“最強の兵器”の封印のチカラの弱まりは、この列車で起こったき○こたけ○こ戦争が原因だ」
魔王「だから、まずはその休戦。そして和解」
魔王「その後、世界からき○こたけ○こ戦争が無くなるよう、しかるべき措置を施すのが理想的だ」
キノコ頭「だが、待て! 俺たちは確固たる理想を持ってき○こたけ○こ戦争に参加している!」
480 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:14:59.04 ID:gCIL18dHo
キノコ頭「なのに、急に和解しろなどと言われても!」
魔王「お前らかよ原因は。とっとと和解しろや」
族長「だが、魔王様……。俺もアル○ォート派として、一言物申したい」
魔王「あっ、そうかお前らアル○ォート派か! こじれてきたなぁ」
族長「我らのチョコ菓子を愛する気持ちはホンモノ。だからこそ、お互いを認めろなどと……」
族長「そのようなコトは不可能だ。俺も、アル○ォートこそが至高だと信じている」
魔族A「そうだそうだー!」
キノコ頭「笑止。俺たちは、き○この山こそが最強と主張する。その思いに揺るぎは無い」
魔王「はぁー……、やっぱ根深いんだな、こういうの。たかがき○こたけ○こ戦争と侮ったか」
481 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:15:26.75 ID:gCIL18dHo
副運転士「しかし、ここは和解してもらわないと……。それも心から」
副運転士「そうでないと、アポ○富士山の噴火は止まらないんですよね?」
魔王「ああ。まずは封印のチカラを復活させないコトには……」
教授「―――ちょっといい?」
魔王「なんだ? ヘンクツそうなガキンチョ」
教授「ヘンクツそうは余計だ。その、封印のチカラの主、“最強の兵器”って言った?」
魔王「ああ。具体的には、アポ○富士山の頂点にあった、三角の部分。あれこそが“最強の兵器”だ」
魔王「今も12号車にはアポ○富士山の頂点にある三角の部分が存在するってワケだな」
教授「そう。古の大戦を止めた発明も、“最強の兵器”……。これも何かの因果なのかな」
482 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:15:55.79 ID:gCIL18dHo
教授「みんな、聞いてください」
教授「私は教授と呼ばれている、若き天才科学者です。発明とかやってます」
執事「自分で言いますか、お嬢様」
教授「私は先日、たけ○こ派から、ある依頼を受けました。その内容は――――」
教授「き○こたけ○こ戦争を終わらせる、“最強の兵器”を開発するコトです」
族長「……!」
キノコ頭「…………」
魔王「えっ、“最強の兵器”? 同じ通称!?」
483 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:16:24.22 ID:gCIL18dHo
教授「はい。き○こたけ○こ大戦を止めるのは、いつの時代も“最強の兵器”、というコトなのでしょう」
教授「き○こたけ○こ戦争に勝利する、のではなく、終わらせる。私はそう依頼を受けました」
教授「そして、私には。その“最強の兵器”の、具体的なプランがあります!!」
キノコ頭「なんだと! それは本当か!?」
族長「明日の、いや、日付で言えば今日。オーサカで、発表されるという……」
執事「ああ、また大ボラを……。“最強の兵器(仮)”は、まだアイデアの一つも出ていないのに……」
教授「…………」ニヤ
執事「……?」
484 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:16:51.41 ID:gCIL18dHo
執事「あれ、ちょっと待て。さっきから仰っているのは、“最強の兵器(仮)”じゃなく、“最強の兵器”……」
執事「というコトは、まさかお嬢様、本当に“最強の兵器”のプランが組み上がっている!?」
教授「ええ、その通り。この発明は、き○こたけ○こ戦争を止め……」
教授「き○こたけ○こ大戦の勃発を阻止する、神の一手」
教授「今日の昼のオーサカでの発表会で、私は、現代の“最強の兵器”を公開する」
教授「その内容は、き○こ派、たけ○こ派の双方がナットクできるモノであり……」
教授「かつ、き○こたけ○こ戦争をココで終わらせるモノだと、私は約束しましょう!」
キノコ頭「…………」
485 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:17:19.62 ID:gCIL18dHo
キノコ頭「……信じていいんだな?」
教授「ええ。誓えるモノは無いけど、この私を信じなさい」
キノコ頭「…………」
キノコ頭「……わかった。その言葉、信じよう。教授」
テロリストA「いいんですか? リーダー」
キノコ頭「ああ。あの小娘が今日の昼、何を発表するのか。それを見届けてからも遅くはあるまい」
革ジャン「あ、先に言っとくけど、俺はたけ○こ派をそこまで強硬に主張する気は無いからなー」
黒コート「誰も聞いてないぞ。ハナシがこじれるようなコトを言うな」
486 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:18:09.08 ID:gCIL18dHo
族長「そうか……。俺のアル○ォートへの思いは変わらぬ」
族長「だが俺もその発表会、馳せ参じよう。貴様が何を発表するのか、小娘」
教授「人間でも魔族でも、誰でも来なさい。目にモノ見せてあげる」フフン
族長「ああ。だがそれは今は関係の無いコト。魔王様、ハナシを続けてください」
魔王「わかった」
魔王「この列車におけるき○こたけ○こ戦争は、一旦和解、というコトでいいな?」
魔王「なら、古の“最強の兵器”の封印は、徐々に復活するハズだ。放っておけば問題ない」
魔王「だが……。現在、既にアポ○富士山は噴火を始めている。それも止める必要がある」
487 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:18:35.98 ID:gCIL18dHo
ウェイター「たしかに、アポ○富士山の山頂から、煙が出ていたなあ。悪化するとどうなる?」
魔王「おそらく、火砕流、土石流、火山弾が世界を覆い尽くす」
副運転士「……! それは、もしかして……」
冥王「―――エンマ帳に書かれている死亡理由と、同じこと。ですなあ」ザッ
運転士長「……! 何者だ!?」
副運転士「士長! あの男のヒトが、私の会った、冥王さんです!」
運転士長「何、彼が……!?」
冥王「乗務員さん、さっきぶりですなあ。皆さん、冥界を管理してる冥王です。よろしゅう」
488 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:19:03.91 ID:gCIL18dHo
魔王「冥王。何かあったか? どうして出張ってきた?」
冥王「そら、魔王はん。あのアポ○富士山がやっぱり噴火したて、聞いたさかい」
冥王「わてもアポ○富士山の封印に立ち会った一人やからなあ。気にならへん言うたら嘘になる」
魔王「なるほど……。そうか、ならチカラを貸してくれ」
冥王「情報の共有はどこまで?」
魔王「アポ○富士山の噴火の原因が、き○こたけ○こ戦争であるコト」
魔王「最終的に、アポ○富士山を物理で止める必要がある、というコトまでだ」
冥王「なるほど。ほぼ全部ですか。エンマ帳に書かれていることが現実になってもうたら、困るやろなあ」
副運転士「その、エンマ帳に書かれているコトは……。覆せるんですか?」
489 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:19:31.33 ID:gCIL18dHo
冥王「基本的には無理や。せやけど、発行者が内容を改変するなら、その限りやない」
副運転士「……! それはつまり?」
冥王「天界のもんに内容を書き換えさせる、いうことやなあ」
魔王「さて。この中で天界の者、というと……」
白ドレス「げ! 私ぃ?」
魔王「そうだ。アポ○富士山を物理で止めるコト。お前も協力してもらうぜぇ……」ガシ
白ドレス「ひーん。私はただ、年末年始の旅行を楽しみに来ただけなのになあ……」
革ジャン「けっ、本当かよ」
黒コート「それはいちおう、本当だ。私が保障できる」
490 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:19:59.49 ID:gCIL18dHo
革ジャン「なんでお前が保障するんだよ……」
魔王「さて。天界の者がエンマ帳に書かれているコトを打ち消す行動をすれば、エンマ帳は効力を失う」
魔王「つまり、このドライ・ブラー号の乗員乗客は、誰も死なずに済むというワケだ!!」
ウェイトレス「ひゃっほーう。生きれるのバンザーイ」
冥王「ただし、一つだけ注意点があります」
冥王「エンマ帳に書かれているコトは、内容が消えるまでは、絶対。効力を失いまへん」
冥王「そして、このエンマ帳の今日の分の有効期限は、当然今日まで……」
冥王「冥界の基準で言うたら、次の朝日が昇るまで、いうことになります」
491 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:20:30.06 ID:gCIL18dHo
副運転士「というコトは……?」
魔王「ああ。エンマ帳の書き換えが有効なのは、次の朝日まで」
魔王「つまり、初日の出までに、すべての決着をつける必要がある!!」
ヒーロー「なるほど。わかりやすくなってきたな」
小型メカ「つまり、き○こたけ○こ大戦の勃発を止めるには……」
小型メカ「あとは、朝までにアポ○富士山の噴火を止めればいいと」
桜色の女「ここまで理解しやすくなれば、拙者にもわかるでござるよ」
仮面の男「ああ。アポ○富士山の噴火を物理で止める……。それだけだ」
492 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:21:24.18 ID:gCIL18dHo
副運転士「しかし、物理で止める、と言っても、どうやって?」
副運転士「やっぱりアポ○富士山に向かってビームでも撃ちますか?」
魔王「ううん。俺一人がビーム撃っても、たかが知れてるしなあ……」
冥王「…………」
冥王「……これは、“あの機能”を使う時が来たようですなあ」
副運転士「“あの機能”? それはいったい……」
冥王「きたるべき、再決戦の日に備え、大術士たちが遺した、最後の遺産」
冥王「―――“最終決戦艦ドライ・ブラーモード”の起動です」
493 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:21:51.58 ID:gCIL18dHo
運転士長「さ。最終決戦艦……」
車掌「ドライ・ブラーモード!!?」
副運転士「な、なんですか? そのいかにも、変形しそうなカンジの名前は!!」
冥王「なんでもなにも、文字通りの意味です」
冥王「かつて、古の“最強の兵器”を作った大術士は、あることを恐れました」
冥王「き○こたけ○こ大戦の再びの勃発です」
冥王「もしまたアポ○富士山が噴火したら、自分たちのおらんそん時は、始末がつけられへん……」
冥王「せやから、自分たちの代わりにと、ある列車をこの世界に遺しました」
冥王「それが、このドライ・ブラー号。そして“最終決戦艦ドライ・ブラーモード”いうわけです」
494 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:22:18.61 ID:gCIL18dHo
副運転士「は、はんなりした言い方で、何ロボティクスなコト言ってるんですか」
冥王「おや、興味あらへん? おもろいよ? ロボット」
車掌「もしやその最終決戦艦ドライ・ブラーモードとかいうの、最初に言い出したの、このヒトじゃ……」
運転士長「ううむ……。私はドライ・ブラー号の運転を開始から見てきたが」
運転士長「とすると、その古の大戦とは、案外最近のコトなのか……?」
魔王「まあ、き○この山やたけ○この里が既にあるくらいだからな」
魔王「人間の時間感覚は、俺たち魔族には正直よくわからんが」
副運転士「と、ともかく……。そのモードを起動できれば、アポ○富士山を止められると?」
副運転士「だったら、さっさと起動しちゃいましょう! そしてアポ○富士山をやっつけましょう!」
495 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:22:46.35 ID:gCIL18dHo
冥王「血が騒ぐなあ。でも、その前にやらなあかんことが一つある」
副運転士「やらなければいけないコト?」
冥王「そう。最終決戦艦となったドライ・ブラー号を操縦する、艦長の存在を探すことや」
運転士長「艦長か……。このドライ・ブラー号の責任者は私だが、あいにく戦艦の操縦経験はな」
マスター「そのような機能があると知っていれば、ワタクシが勉強しておいたのですが……」
車掌「これは、困りましたねえ。一介の一般人である私たちには、どうにも」
副運転士「むむ……。艦長、戦艦……。そういえば一連のどこかで、誰が言及してませんでしたっけ?」
桜色の女「……?」
496 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:23:14.60 ID:gCIL18dHo
桜色の女「ああ、それなら。拙者のコトではござらんか?」
副運転士「え? 剣士さん、もしや戦艦の操縦経験が?」
桜色の女「あいや、操縦したのが拙者、というコトではなく。言及したのが、というコトでござる」
桜色の女「たしかに拙者は言ったでござる。あの男を戦艦ごと落としたコトがある、と」
仮面の男「……待ちたまえ、君。それは、もしかすると。いや。もしかしなくても……」
桜色の女「そう! このムッツリ仮面のコトでござる!」ババーン
仮面の男「君に言われたくはないのだがね!?」
副運転士「ええっ! 仮面さんが……、戦艦を……?」
497 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:23:42.13 ID:gCIL18dHo
仮面の男「ああ……。実は、ちょいと戦艦を調達して、小さな国を征服に乗り出したコトがある」
仮面の男「その時は彼女に嗅ぎつけられて、出航少しした後に戦艦ごと爆散、となったがね」
桜色の女「へへへ。やりすぎちゃったでござる」
副運転士「やりすぎちゃったって規模ですか……? いや、ともかく!」
副運転士「仮面さん! お願いします、ナントカモードの操縦をお願いできませんか!?」
仮面の男「おお……。麗しき女性の頼みは、断りがたい……」
仮面の男「いや、しかし……。僕は決闘の直後。満身創痍でね。体力の使う戦艦の操縦などは……」
教授「変態仮面。私からもお願いしたい」
仮面の男「喜んでぇっそれでも呼びたければ教授さん!!!」
498 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:24:09.22 ID:gCIL18dHo
教授「ああもう、その名前でいいよ……」
桜色の女「現金な奴でござるなあ」
副運転士「良かった……! ありがとうございます、仮面さん!」
運転士長「しかし、そのモードの起動は、いったいどうやって……?」
冥王「もうええの? それやったら、運転室に赤い自爆スイッチがあるやろ? それを、ポチっとな」
運転士長「じば……? あの、謎の赤い!?」
冥王「ああ、安心してええで。間違って押さんよう、自爆スイッチとか言うてるだけやし」
冥王「そんなん、ほんまに自爆するためだけのスイッチなんかつけるわけないやん! あっはっは」
運転士長「た、たしかにそうだな……。それでは、さっそく起動してくるとしよう」
499 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:24:37.62 ID:gCIL18dHo
――1号車【展望車・前】 運転室
副運転士「運転室は、無事でしたか……。展望室に大穴開いたし、もうダメかと」
運転士長「ここまで侵入されたコトも、たびたびあったがな……。おっと、コレだな」
\ ', ___________ / / , ´
丶 \ ',. /| ./| / , '
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` 、 ` 、| | l| 謎の自爆スイッチ | | l| _,,.. -‐ "´
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` ‐- | | l! 〃, --、ヽ .| l!
二ニ=― − | | l!o {{::{::::::::::}::} o | l! − =≡ニ 二
_,,. -‐ "´ | | | ゝ ` ー'ノ | | ‐- ..,,_
| l |  ̄ l | ` '' ..,,_
, ´ | l ! | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| l ! 丶 `
,. ´ / | | .l: |_______| | .l `丶、
/ / | レー――――――――一ァ' ヽ 丶、
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/ 〃 /' /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ' , \
500 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:25:04.18 ID:gCIL18dHo
副運転士「うわ、胡散くさ……。コレ、本当に押すんですか?」
運転士長「う、うむ……。だが、それも安易に押さないための対策というコトらしい」
運転士長「まあ、イチかバチかだ!」ポチ
副運転士「…………」
運転士長「…………」
副運転士「何も、起きませんね……」
運転士長「ああ、そうだな……」
ゴウン!!!
501 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:25:32.03 ID:gCIL18dHo
副運転士「え? 今――――」
アナウンス『―――対アポ○富士山決戦仕様、起動要請、確認』
アナウンス『―――最終決戦艦ドライ・ブラーモードを起動します』
アナウンス『―――これより本艦は空中に浮上します。急な揺れにご注意ください』
ゴウンゴウン ゴウンゴウン
運転士長「く……? いったい、何が……」
副運転士「あ、士長! 窓の外見てください、窓の外!」
運転士長「……な―――に? まさか、そんな―――!」
502 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:25:59.69 ID:gCIL18dHo
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503 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:26:26.81 ID:gCIL18dHo
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504 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:26:55.93 ID:gCIL18dHo
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_⊥_ __
f´_⊥LL斗孑ァ
「i、」」 ̄_」_Yーイ
|二ニ弋ニ=- i{」」ト._|_ ,/
| ノゝ‐‐'" |i::::::「|丁二...// .._ 00 __n__ __ ∩
,rクヘ::,x=x_|i:_:_∪/ト、/ ./ └‐┐ | └冖 ! └┘/7 ∪
: | ハ{::::::::}::|:::::_」_⊥_\/ ┌‐┘ | くノ .....<ノ ○
ト、| /:::::Y⌒i:::|⌒i:::|;;;;;;;,ィ′ . ̄ ̄
_ | ト、r==≠¬' ̄/()_::::|=-
-''" >ーァ''".: 厂厂ヽ、_ | / ハ::::/:::::::::ノ///()/()
/ /: : : ノ;;;;;;;;;;;;:.:.:`ヽ、⌒,''^ヽー'´``〜、、__ノ/_/‐|∨== //////^|i_,,....、、...、、 -‐
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505 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:27:24.53 ID:gCIL18dHo
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ヽ::/ l,/ /::/ヽ' .ヽ/ . / _ -‐, ./'/-‐=== ...:::::::-=z ..::: ̄>--< ,斗
/::/ ,ィヘ /:::....才 / /´ -‐= ―=''゙´ ..::::-=:::::::::
l,/ ヽ/ ノγ)/ /''゙´ /斗 ''゙~^´ ̄ ̄>―__
γー '' /' // /ー<
:/ ー=ン::..ノ _ノー´⌒
/ 〃っ -‐''゙´ ´> ''゙´
/, /´ /´
ノー''/ 〃
γ/´
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506 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:27:52.59 ID:gCIL18dHo
鬥鬥鬥只鬥鬥鬥 // //
 ̄ ̄rz幵幵┐ ̄ // //
xヘ 「|_7_|_|_う // _ ‐¨/
| \\ _」__ |─|─|‐ノ| 「|_ // _ ‐¨ /
\ \> ∠/:::ハ二二>'゚ |zzz辻_ // _ -ァ''" /
 ̄\\ [;;;] 〕:::し'─i|__|///__/|∠∠ / / /
\\ ━只7´ ̄ ̄ ̄/〉|cccニ〔__|_|//〉─〉━/ / /
\\<\∧(__)::::::::〈__ム=-─辷n辷e二。s彡'゚/ ___/
γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ 〉'´ [三三三三二=-=≦_/ _/
圦`¨¨¨¨¨¨¨¨´/ ``7''''''''''''''''''´ >'___/
o三〕/⌒ヽ __/ / ∠ニ>、 <__ノi:i:i:シ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/(_ - + ± ( _00二⊥-<`¨´
_、厶=- +± ¨ _) 弌二二ア⌒ `丶、、 最終決戦艦
. ´ '´ ± ¨ _ - ⌒ _ - ⌒ く/
<二二ア〈  ̄y ̄\ _─ _ _ - ⌒ _-_ ̄_______>、、 『 ドライ・ブラーモード 』
〈У_`¨¨´ /7 ヽ_ -  ̄____/`ヽ 。s≦ニ=-ァァ========rrrrrr──=彡
{ ∩ ∩ `y'7 }r‐┐_>'^ヽ_、<二二ニ=- / ━乂_乂━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
{ リ リ 〔_{] .: [二i o。s≦ィ(⌒ ooo_、-⌒
∨ ̄ ̄乂「 / _〕‐ ⌒ィi〔⌒ _ _
ゝ ⌒>'゚⌒ ィi〔⌒ | | | | __
 ̄>─ュィi〔⌒ | ̄| | ̄| | | | | ___ / / | ̄|
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 ̄ / | | \ ∧ |/ <二二二二> / ̄ ̄ /
 ̄ ̄  ̄ ̄ |/  ̄ ̄ ̄
507 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:28:20.30 ID:gCIL18dHo
副運転士「ド、ドライ・ブラー号が……」
運転士長「飛んだぁぁぁぁぁぁっ!!?」
冥王「いや、それだけやあらへん」ザッ
副運転士「冥王さん!」
冥王「最終決戦艦モードとなったドライ・ブラー号は、並外れた戦闘能力も有しとる」
冥王「たいていの障害物は撃ち落とす主砲を始め、小うるさいハエを叩き落すアーム」
冥王「機関砲、光線砲、数十門……。極めつけは、一日一発だけの、とっておきの切り札や」
副運転士「とっておきの切り札や、じゃありませんよいったい何言ってるんですか!?」
508 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:28:52.07 ID:gCIL18dHo
冥王「でも、この艦なら、アポ○富士山を倒すことが出来る」
冥王「もはや最終決戦艦ドライ・ブラーモードを使う以外に道はない、いうことやな」
副運転士「そんな〜」
白ドレス「ところで――そんな装備で大丈夫かな?」パチーン
ドクン…
副運転士「え……?」
運転士長「白ドレスの女!」
白ドレス「さて、エンマ帳の打破には、天界のチカラが必要と言ったかな? ならば私もチカラを貸そう」
509 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:29:18.27 ID:gCIL18dHo
白ドレス「戦艦に翼! なかなか良いシュミしてるね! だから今、私は、戦艦の翼に加護を与えた!」
白ドレス「それは、不沈の加護! 墜落するという運命を覆す、“再び羽ばたく”ための翼!」
副運転士「え? いったいどういうコトなんですか!」
白ドレス「人が持つ唯一絶対の力――それは自らの意思で進むべき道を選択する事だ」
白ドレス「ほぼ全知の私だからこそ知り得るコトだけど、ある世界の堕天使は言った」
白ドレス「君は常に人にとって最良の未来を思い、自由に選択していけ」
白ドレス「さあ! キザハシの向こう側の世界はすぐそこに! クズカゴだってカっ飛ばしていけ!」
白ドレス「神じゃなくとも私が言おう―――! 全てを救え、と―――!!」
副運転士「だからどういうコトなんですか――――――ッ!!!」
510 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:29:46.50 ID:gCIL18dHo
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511 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/30(土) 18:30:18.59 ID:gCIL18dHo
第八章「未明・後」は以上になります。
ドライ・ブラーのスペルは「DRI BLAH」。墜落する、の反対です。
最終章は、少し文章量が多いので、時間を早めて
明日12/31(日)の17時ごろ開始の予定です。
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 18:53:55.89 ID:XYoaSOkX0
魔王「アポ○といえば、き○この山や、たけ○この里の製造方法の元となったというお菓子」
そーなの?
ドライ・ブラー、名前意味あったんだな
戦場になって廃墟になって戦艦になって空飛んで…
他の乗客達は驚いているだろうな
513 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/31(日) 17:01:22.03 ID:ZeTj+wVPo
らしいですね、公式ホームページに載ってあります。
それでは、最終章「薄明」を開始します。
100レスほどの予定です。
514 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/31(日) 17:01:59.37 ID:ZeTj+wVPo
鬥鬥鬥只鬥鬥鬥 // //
 ̄ ̄rz幵幵┐ ̄ // //
xヘ 「|_7_|_|_う // _ ‐¨/
| \\ _」__ |─|─|‐ノ| 「|_ // _ ‐¨ /
\ \> ∠/:::ハ二二>'゚ |zzz辻_ // _ -ァ''" /
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\\ ━只7´ ̄ ̄ ̄/〉|cccニ〔__|_|//〉─〉━/ / /
\\<\∧(__)::::::::〈__ム=-─辷n辷e二。s彡'゚/ ___/
γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ 〉'´ [三三三三二=-=≦_/ _/
圦`¨¨¨¨¨¨¨¨´/ ``7''''''''''''''''''´ >'___/
o三〕/⌒ヽ __/ / ∠ニ>、 <__ノi:i:i:シ /´〉,、 | ̄|rヘ
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 ̄ 二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
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515 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/31(日) 17:02:30.72 ID:ZeTj+wVPo
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516 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/31(日) 17:02:57.68 ID:ZeTj+wVPo
――1号車【展望車・前】
副運転士「発進してから、かれこれ二時間は撃ち合っていますが……」
運転士長「一向にラチが開かないな」
黒コート「一気に突撃してアポ○富士山を沈黙させるコトは出来ないのか?」
仮面の男「不可能だね」
仮面の男「叩くとすれば、火山弾やら一切合切を放っている火口だが……」
仮面の男「あまり火口に近づきすぎると、艦全体を覆うシールドが破壊される」
仮面の男「だからこうして中距離からチマチマと砲撃せざるを得ないんだ」
517 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/31(日) 17:03:23.54 ID:ZeTj+wVPo
冥王「さすがに火砕流や土石流は空中に飛んでこおへんやろうし」
冥王「エンマ帳に書かれとることが実行されるとしたら、原因は十中八九、火山弾やろうからなあ」
車掌「防護シールドを放棄して、特攻に転じるコトは……」
車掌「アポ○富士山にみすみす弱点を晒すも同じ……」
黒コート「それで決め手に欠ける攻撃を続けざるを得ない、というワケか」
革ジャン「くそっ。しゃらくせえな」
運転士長「……だが、そう悠長なコトを言っていられる状況でもなくなったようだぞ」
副運転士「え?」
運転士長「窓の外を見てみなさい」
518 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/31(日) 17:03:50.89 ID:ZeTj+wVPo
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副運転士「あれは、アポ○富士山の向こうに見えるのは……」
車掌「朝日……!!」
魔王「くそっ、タイムリミットが迫ってるってコトかよ!」
519 :
◆9xXTDlz//k
[saga]:2017/12/31(日) 17:04:17.77 ID:ZeTj+wVPo
冥王「さっきも言うたとおり、朝日が昇りきれば、冥界での一日は終わりです」
冥王「となれば、今日の分のエンマ帳の事項は確定。わてらの敗北や」
魔王「そういうワケにはいかねえだろうがぁッ! この列車の乗員乗客の命がかかってんだぞ!?」
副運転士「魔王さん……」
白ドレス「ふむ……」
.,、-ー''ア:;、-'/ ,,、-'7 / ̄/_
ノ ////了 / / ,-ー―" __/
.イ i::/ / / / / ,r',,,,,、- ァ/-z''" /
,| ノ:ノz''"// ,,、-ー ''" ,、-ー''" /// /
,リ /;;;、-''了 / ,、z''"/| / |/ ./ / ./\
i ,、-ー' '"/ / / / // \/;;、-'/
/ 「" ,ノ / / / 、-",、 '
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| | | /
|/ レ"
副運転士「っ……?」
運転士長「こ、今度はなんだ!?」
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