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勇者「ドラゴンハート」
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211 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/11/29(木) 00:24:44.01 ID:QRwq3FvA0
奴隷「だってさ…」
ドラゴン「・・・・」
姫「あ、あの…」
姫「なんでもないです…」
ドラゴン「くっくっ、余計な気遣いなどいらぬ。儂のような幾万を越える歳月を生きたら人の一生など一瞬。 よくあることと笑ってすませる」
奴隷「ドラゴン…」
姫「無理しまいでください。 わたしの知るドラゴンさんはそんな方ではありませんよ?」
ドラゴン「買いかぶり過ぎなのです。 それにあの地には悪い思い出も多い…」チラッ
奴隷「?」
ドラゴン「儂の巣となる山裾をわけた4つの国は仲が悪くてな。 争いが絶えなかった…」
ドラゴン「争いはいつも些細な火種から始まり、一度火がつけば消す者もおらず」
ドラゴン「儂もそれを止めることなぞ考えることなく、逆に黄金を略奪する好機としか思っておらぬ有り様…」
ドラゴン「人々を襲い、傷つけ、殺し、喰らい、恐れられ…」
ドラゴン「そんな時だ」
ドラゴン「儂の前に勇者を自称する男が現れたのは」
212 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/11/29(木) 00:27:59.23 ID:QRwq3FvA0
【800年前 竜の巣】
自称勇者「くっくっくっ、おまえがこの近辺を荒らしているエルダードラゴンだな?」
ドラゴン「貴様が勇者だと?」
213 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/11/29(木) 00:31:38.53 ID:QRwq3FvA0
自称勇者「いかにも、俺こそ勇者だ!」
自称勇者「しかし俺が勇者と名乗る前に見抜くとは…。 やはりエルダードラゴンともなれば人を見る目も違うもんだ」
ドラゴン「いや、その…首から下げた木札に書いてあるではないか?」
自称勇者「ああ、気にするな。 これはこの地に来て最初に訪れた村の奴らがやったことだ」
ドラゴン「そ、そうか。 ところで何故縛られておる?」
自称勇者「それは二番目に訪れた村の連中に縛られたからに決まっているだろ?」
ドラゴン「う、うむ…まあそれは正直どうでもよい? よくはないが…その……」
ドラゴン「どうして全裸なのだ?」
自称勇者「はぁ〜はっはっはぁ〜! どうやらエルダードラゴンとやらも大したことはないな!」
自称勇者「知らなければ教えてやろう! 平和のためなら屋外露出魔になることも躊躇わない者」
自称勇者「それを勇者≠ニ呼ぶのだ!!」
214 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2018/11/29(木) 00:33:38.23 ID:QRwq3FvA0
今日はここまでです
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/11/29(木) 13:55:55.32 ID:nanBucOdO
ただの生け贄だろこれ
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/11/29(木) 15:39:05.20 ID:EdO2qjIQ0
勇者(意味深)
217 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/25(火) 23:41:29.17 ID:OMFu6NOA0
更新します
218 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/25(火) 23:44:09.42 ID:OMFu6NOA0
ドラゴン「儂が知ってる勇者と違う」
自称勇者「あんたは想像したとおりの邪悪なドラゴンって感じだ」ブチッ
ドラゴン「ほう、縄ぐらいいつでも切れたか。 それで? 勇者よ、弱き村人共の為に儂と戦うか?」
自称勇者「逆に聞くが、縄にしばって竜の生息地に放り投げるような村人の為に戦えると思うか?」
ドラゴン「ふふ、そうであろうな」
自称勇者「ところで、名誉の為に言っておくが俺だって最初から裸で旅をしていたわけじゃない」
自称勇者「白銀に輝く鎧、あらゆる物を斬り裂く魔法の剣、そして剣と対になる魔法の盾」
自称勇者「道行けば誰もが俺を勇者として歓迎してくれた」
ドラゴン「それからどうしたら身ぐるみ剥がされる?」
自称勇者「別に? ただ歓迎の宴でさんざん飲み食いした後で村人全員酔いつぶして村を出ただけさ」
219 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/25(火) 23:53:05.49 ID:OMFu6NOA0
ドラゴン「それは…」
自称勇者「そう、連中だって最初は迷う」
自称勇者「『わ〜、きっと、勇者様は見送られるのが恥ずかしかったのね〜』『奥ゆかしい勇者様もカッコいいわ〜』とかなんとか」
自称勇者「自分たちに都合のいいことでっち上げて真実には見てみぬふりしちまう」
ドラゴン「そこまで思わんだろ」
自称勇者「だが、すぐにそんな甘い考えも消え去る」
ドラゴン「当ててやろう。 貴様は違う村でも無銭飲食を繰り返したからだ」
自称勇者「無銭飲食とは人聞きが悪い」
自称勇者「俺はここらに悪いドラゴンがいるか聞いただけだ、倒すとは一言も言ってない」
ドラゴン「ふはっ、そんな言い訳が通用せぬからここに捨てられたのだろ?」
自称勇者「まあな、6つ目の村で薬盛られて眠らされ、騙した村人達からタコ殴りにされて今に至る」
ドラゴン「はっはっ! 馬鹿だ、馬鹿がおるわ」
自称勇者「そんなこと言うなや、こうでもしないと あんたは笑って話もしてくれなかったんじゃないか?」
ドラゴン「!?」
自称勇者「無茶はしないことにしてるんだ。 勇者がやられちゃ格好がつかんからな」
ドラゴン「では何を考えているか教えてくれてもよかろう」
自称勇者「実は勇者になるのは簡単だ」
自称勇者「困ってる奴らを助けてやればいい」
自称勇者「だったら、俺達で勇者を仕立て上げたって構わないよな?」
220 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/25(火) 23:57:32.42 ID:OMFu6NOA0
自称勇者「だからさ、ちょっくら俺乗せて村襲ってくれないか?」
ドラゴン「!!?」
自称勇者「飲み食いした村は6つだがなるべく大事にしたいから倍は襲って欲しい」
ドラゴン「…村人が気の毒になってきた」
自称勇者「くっくっ、連中もいい加減知るべきだ。 他人に苦労を押し付けて手にはいるほど平和は安くないってな」
ドラゴン「村を襲ったらどうする?」
自称勇者「そのまま暴れて4国を巻き込みさらに混乱させる」
自称勇者「そして、俺達に いちばん最初に立ち向かってきた奴を勇者に仕立てる」
ドラゴン「そう上手くゆくか?」
自称勇者「昨日までなら泣き寝入りしてたかもしれん。 だが、偶然にも素晴らしい武具を奴らは手に入れちまった…」
自称勇者「白銀に輝く鎧、あらゆる物を斬り裂く魔法の剣、そして剣と対になる魔法の盾」
自称勇者「俺から剥いだ身ぐるみ着こんだお人好し、それが勇者さ」
ドラゴン「ふっふっ、今まで数多くの助力を乞われたことがあるが」
ドラゴン「しかし、ここまで心踊る救援要請ははじめてだ」
自称勇者「人助けだからな、善行は楽しい」
自称勇者「さあ、2人で仲良く世界征服といこう」
221 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:00:30.19 ID:dx503BWA0
自称勇者「協力してくれたなら、この巣にある全ての黄金つぎ込んでも買えないような宝を見せてやる」
ドラゴン「それは何だ?」
自称勇者「論より証拠。 実物見たら分かる」
ドラゴン「…まあよい。 ところで名はなんと言う?」
自称勇者「俺のか?」
ドラゴン「ああ、勇者をかつぎ上げるなら勇者≠ェ2人いては不味いのだろう?」
自称勇者「そうだな、そもそも勇者とは他称されて はじめて勇者たりえるのだ」
自称勇者「自称勇者の偽物は勇者にしか倒せず、勇者に敗れることで平和が訪れる存在≠ノ相応しい名で呼んでくれ」
ドラゴン「それは?」
自称勇者「それは……」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
【現在】
ドラゴン「実に懐かしい…」
奴隷「魔王かな?」
222 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:05:14.96 ID:dx503BWA0
ドラゴン「それから、あやつの提案を飲んだ儂は指示通り村を襲い、家畜を拐い、家を焼き…」
奴隷「おい、もうそれ魔王だろ?」
ドラゴン「西のエルフの森から魔具を盗み、南からは婚礼間近の姫君を連れ去り、東の鉱山に立てこもると逃げ遅れたドワーフ達を不眠不休で働かせ黄金の城を建てさせると、そこを根城とした」
奴隷「すげえ! ドラゴンよりタチ悪い奴がいる!!」
ドラゴン「だが攻撃はここまで。 事態を重くみた4ヵ国は争いをやめ、手を取り合って反撃を開始した」
奴隷「それが魔王の狙いだものな」
ドラゴン「まず、話し合いでまとめ役をかって出た北国の王子のために国中でもっとも優れた武具≠用意させると」
ドラゴン「囚われた姫の身を案じ、少数精鋭による奇襲が計画された」
ドラゴン「パーティーには王子のほか、エルフの魔法使いにドワーフの戦士。 そして南からは僧侶の4人組」
奴隷「画面が魔王対勇者になってる!」
ドラゴン「で、あろうな」
ドラゴン「この露出魔の変態こそ、世界で最初の魔王だからな」
223 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:09:26.59 ID:dx503BWA0
姫「あの! もしかするとその方は…」
ドラゴン「いやいや、姫様の血縁ではないです」
ドラゴン「あやつのなろうとしたのは、もっと陳腐なものだ」
奴隷「陳腐?」
ドラゴン「ああ、子どもが悪さをすると母親が悪いことすると魔王が来るわよ≠ニ、叱るだろ?」
ドラゴン「他にも喧嘩したら∞勉強しないと∞飯を残す∞夜更かしすると≠ネどなど…」
ドラゴン「あやつはそういう存在になりたがっておった」
奴隷「だから自分から騒ぎを起こした」
ドラゴン「そして誰よりも自分の身を犠牲にした」
姫「善い人ですね…」
ドラゴン「くっくっ、老人の昔ばなしだ。そうとう美化しておる」
ドラゴン「ほんとはただ理由をつけて裸になりたかっただけかもしれぬ」
姫「あの、質問なのですが…」
姫「そんな方が何故ドラゴンさんに協力を求めたのでしょう? ご自身のお力で出来そうなのに」
ドラゴン「そりゃあ、あれです…。 儂が邪魔だからです」
224 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:11:38.94 ID:dx503BWA0
姫「じゃま?」
ドラゴン「考えてもみてくだされ。 せっかく4つの国が仲良くなっても、その真ん中に儂が居座ったら邪魔だと思いませぬか?」
姫「ええ…、まぁ、そうですね……」
奴隷「なんだ? けっきょくは騙されて利用されたのか?」
ドラゴン「利用か…」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
【再び、800年前】
北の騎士「王子に敗れ、手負いのドラゴンを見つけた! 魔王をこのまま逃がすな!」
パカラッ!パカラッ!
南の騎士「苦労して森に誘い込んだんだ! 弓で射殺せ!」
ガタッン!
東のドワーフ「おい、儂らの作って馬車をもっと丁寧に扱え」
西のエルフ「ちょっと耳もとで怒鳴らないでよ!」キリキリキリ
西のエルフ「狙いが…、ハズレる!」
シュパン!
ドス!!
ドラゴン「ひっ、ひいぃぃ〜〜〜!!」
自称勇者「くっくっくっ…はぁ〜はっはっはぁ〜!」
225 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:14:08.20 ID:dx503BWA0
ドラゴン「なにが楽しい! なにが可笑しい!?」
自称勇者「だって笑えるだろ? あいつらつい数日までにらみ合って争ってたんだぜ?」
ドラゴン「数日前…」チラッ
ドワーフ「下手くそが! なに外してる!!」
エルフ「五月蝿いわね! あんたの仕掛け弓が欠陥品なんじゃないの?」
ドワーフ「儂の作品が気に入らんなら馬車からさっさと飛び降りろ!」
エルフ「嫌よ!怪我しちゃうじゃない馬鹿!!」
南の騎士「どっちも黙れ!後ろで喧しいと馬車ごと切り離すぞ!」
ドワーフ「やってみろ三下ぁ」
エルフ「末代まで祟ってやるわよ」
北の騎士「いい加減にしろお前ら!まもなく本陣とはさみ撃ちにする事を忘れるな」
エルフドワーフ南の騎士「「「北が仕切ってんじゃねえ(わよ)!!」」」
南の騎士「あんまデカイ顔すると」
エルフ「森の養分か」
ドワーフ「機械の部品にしてやろうか?」
北の騎士「上等だぁ! おまえら後で決闘だからな!」
ドラゴン「仲良く?」
自称勇者「死人が出ないうちは笑って見てろ」
226 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:17:08.53 ID:dx503BWA0
ドラゴン「な〜んか、ものすごい詐欺に引っ掛かった気がする」
自称勇者「なにを言うかと思えば、約束通り最高の宝を見せてやっただろ?」
ドラゴン「宝なぁ…」
自称勇者「最高だったろ? 北の王子が助けにきた時の南の姫の笑顔」
自称勇者「寒さに凍える花の蕾が朝日を浴びて開いたようだった」
ドラゴン「だから詐欺だと言ったんだ!!」
自称勇者「そう言うな、望まぬ相手と政略結婚する前に逢いたい人は昔みた君ってな」
ドラゴン「南の姫のことか?」
自称勇者「うんにゃ、北の王子」
ドラゴン「はあぁぁぁ〜〜〜!!??」
自称勇者「そのうちわかるさ。 恋に恋する少年少女を からかうことほど笑えるもんはないってな!」
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ドラゴン「そうかもしれんな……」
227 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:22:56.20 ID:dx503BWA0
姫「ドラゴンさん?」
奴隷「急に黙ってどうした?」
ドラゴン「…その後、もともとあった婚約が破談になった南の姫を北の王子がプロポーズして結婚」
ドラゴン「それをきっかけとして、いがみ合っていた4つの国が融和への道を話し合いはじめたと聞いたのは儂らが去った数年先のことだ…」
姫「めでたしめでたし♪」
ドラゴン「だが滅んだ」
姫「あ…」
奴隷「おい、そんな言い方は…」
ドラゴン「事実であるなら仕方あるまい」
ドラゴン「もう一度言うが、儂にとってはよくあること…」
ドラゴン「それは殺しても死なぬと思うていた、あやつとて例外ではない」
ドラゴン「皆が儂の横を通りすぎて行く」
奴隷「あのさ…」
ドラゴン「……少し飲みすぎたようだ」
バサッ!
奴隷「お、おい、どこ行くつもりだ?」
ドラゴン「酔いざましに追手の様子を探ってみるか」
ドラゴン「明日からは儂の巣目指して強行軍となる、やることあるなら今夜中に済ましておけ」
バサッバサッ!
奴隷「行っちまった…」
姫「素敵なお話でした」
奴隷「どこが!??」
228 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:25:37.42 ID:dx503BWA0
姫「きっと、今のお話はドラゴンさんの大切な思い出だったんです」
奴隷「そうか? 年寄りの昔は悪かったって自慢されただけじゃないか」
姫「ああ、そうですね、そういう見方もあるかもしれません」クスクス
奴隷「じゃあ姫の見方は?」
姫「自称勇者の自称魔王…。でもドラゴンさんにしてみたら やっぱりこの方が勇者さまなんです」
姫「だから、このお話は奴隷さんにこそ聞かせたかった。 奴隷さんがお話の勇者さまみたいに立派になって欲しいから」
奴隷「勇者さまなんてガラじゃない…」
姫「では、あいだを取って奴隷さまにしましょう」
奴隷「奴隷をさま付けって…」
姫「もう、すねないでください奴隷さま」ダキッ
姫「ドラゴンさんの一番大切な人はわたし達じゃないからって」ギュー
奴隷「くそ…」
姫「ふふ♪」
229 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:29:44.76 ID:dx503BWA0
姫「ねえ、奴隷さま…」
奴隷「なんです?」
姫「もうすぐ、わたしの誕生日なんです」
奴隷「え? あ〜、それはおめでとうございます…。 もうちょっと早ければプレゼント用意出来たんだが」
姫「そんなのいりません。 そういえば奴隷さまのお年は?」
奴隷「とし? 拐われてから数えてないが拐われたのが9才だったかな?」
姫「では同い年ですね」
姫「そうだ! 奴隷さまのこれまでの分を含めて、今年の誕生日は3人でお祝いしましょう!!」
奴隷「ん〜、そうだな、それも楽しいかもしれないな」
姫「はい♪ きっと、楽しいですよ」
奴隷「じゃあ、ドラゴンの巣に着いたらやってみるか」
姫「ふふ、決まりですよ」ギュー
姫「奴隷さま?」
奴隷「なんです?」
230 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/12/26(水) 00:32:11.66 ID:dx503BWA0
姫「わたし、いままでの人生で今がいちばん幸せです」
奴隷「ああ、俺もです…」
231 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2018/12/26(水) 00:42:55.03 ID:dx503BWA0
今日はここまでです
次回は逃走14日目で行う勇者の誕生日なんですが
今読み返すと
>>133
でもっと2週間を強調すればよかったと後悔してます
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/31(月) 03:03:57.41 ID:75XEEgODO
乙
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/26(土) 18:07:31.23 ID:+o4mJ/gA0
生存報告
プロットはあるんよ、プロットは…
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/27(日) 03:18:39.67 ID:ZeZyagcDO
能書きなど要らん
欲しいのは続きだ!
235 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/03/20(水) 00:27:08.23 ID:M0a22y/A0
【逃走14日目 竜の巣のある山中】
姫「雪だ〜」ザックザック
奴隷「あまり遠くに行くとはぐれるぞ!」
姫「わかってます♪」ザックザックザック
奴隷「わかってんのかね?」
ドラゴン「元気があっていいではないか」ガタガタガタ
奴隷「平気か?」
ドラゴン「寒さに弱くてな」
奴隷「なんでそんな場所に巣つくるかね?」
ドラゴン「仕方あるまい、まさか800年後に火山活動が停止して雪山にかわるなどと誰がわかると思う!」
奴隷「おまえ、本当そればっかだな!」
奴隷「この調子で竜の巣にあるお宝売って逃走資金にあてる計画は大丈夫だよな?」
ドラゴン「たどり着けたらな…」
奴隷「……おまえまさか」
ドラゴン「まあ、ここは定番のセリフといこうではないか?」
ドラゴン「まず勇者が遭難したのか≠ニ……いや、スマン蹴るのは止めてくれ」
奴隷「遭難したのか!!?」
ドラゴン「遭難です!」
奴隷「死ね!」ドゴッ!
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/21(木) 03:27:49.96 ID:yXO0C2PDO
やっと来たか乙
237 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/14(水) 01:59:39.58 ID:zIpWw6PA0
奴隷「このポンコツ!!」
奴隷「地上に来て緩んだのか!? さっさとポンコツ化した頭を治せ!」
ドラゴン「むう、儂とて無策でつれてきたのではないぞ? 昔出かける時には長期の留守にそなえ魔法の符丁、目印、暗号などなど… 思いつくだけ残しておいた」
奴隷「おお、じゃあさっそくそれを探しだせば…」
ドラゴン「うむ、問題は全部雪の下に埋まっとる点だが」
奴隷「この、 ド ポ ン コ ツ !!」
奴隷「どうすんだよ!シャレになんなくなるまえに山を下りるか?」
ドラゴン「だが収穫もある」
奴隷「おお!?」
ドラゴン「そうだな、実際この地に来てみて。わかった事が悪い事と良い事の2つあるのだが どちらから聞きたい?」
奴隷「え?遭難しておいてさらに悪い事あるの?」
ドラゴン「先に良い事から話そう!」
ドラゴン「良い事はエルフがこの地より離れた理由がこの寒さだという点だ」
奴隷「ん〜、その良い事≠チて少なくとも状況の改善になるような事とは違うような…」
ドラゴン「くっくっ、どんな素晴らしい発見だろうと必ずしも状況の改善につながるとは限らぬ」
奴隷「ああ、なるほど! それが悪い事≠ネんだな」
ドラゴン「まさにそれよ! 勇者もわかって来たではないか」
奴隷「はっはぁはぁ〜」
ドラゴン「はっはぁはぁ〜」
奴隷「死ね!」ドゴッ!
238 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/14(水) 02:03:45.41 ID:zIpWw6PA0
ドラゴン「ぐう、あまり本気で蹴るな…。寒さで縮んだウロコが響く」
奴隷「山を下りよう」
奴隷「暗くなって動けなくなる前に山を下りよう」
ドラゴン「うむ、それなんだがな…」
奴隷「まだ何かあるのか?」
ドラゴン「追っ手が周囲に囲まれておってな、下手に下りたら見つかるかもしれん」
奴隷「詰んでんじゃねえか!」ガシッ
奴隷「ひどい」ギリギリ
ドラゴン「あ、イタッ」
奴隷「雪山に連れてきて道に迷っただけでも相当なのに下りたら捕まるって空前絶後の壮絶ひどい」ギリギリギリ
ドラゴン「痛い痛い痛い!! 頭をしめるな!!」
奴隷「ゆるんだ頭に刺激あたえてんだからさっさと思い出せ!!」
ドラゴン「そんな都合よく思い出せるか!」
ドラゴン「よいか! 儂の巣とはそれすなわち儂が生涯をかけて集めた財宝を隠した宝物殿」
ドラゴン「見た目はただの洞窟なれどあらゆる者の侵入を防ぐために施された術は、高位の魔術師でさえ不可能!!」
姫「あっちに洞窟があったので休みませんか♪」
ドラゴン「おお! それこそ儂の巣に違いあるまい!」
ドラゴン「なにをしておる、置いていくぞ」ザックザックザック
奴隷「この旅の行先が心配になってきた…」
239 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/14(水) 02:05:35.11 ID:zIpWw6PA0
ドラゴン「ふむ、やはりここで正解か…」ペタペタ
奴隷「そんな入口で何やってんだ? 先に奥 行くぜ?」
ドラゴン「わかっておらぬな〜、そんなあからさまな場所罠があるに決まっておるだろ」
奴隷「あ〜、そうかい。 んで?秘密の入口に「開けゴマ」と呪文を唱えるのか?」
ドラゴン「くはっ、おとぎ話じゃあるまいし、勇者は自分の家に帰る時にはそう言うのか?」
奴隷「こいつ、巣を見つけたとたんに偉そうに」
ドラゴン「自分の家に帰る時はこう言うのだ」
ドラゴン「ただいま」
コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/08/14(水) 10:39:09.61 ID:KJSuxD1rO
生きてたんか!
ただ期間空きすぎて内容忘れたから少し読み直さんといけんな
乙
241 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:31:11.16 ID:1iyQQEhA0
姫「ふわぁ」
奴隷「すげえ…」
キラキラキラキラ
ドラゴン「くっくっくっ、素晴らしいであろう?」
ドラゴン「数多の権力者を見てきたが金山まるごとくり貫いた天然の宝物殿を所有するのは、儂ぐらいよ」
姫「わたしの城とはスケールが違います…」
ドラゴン「で、あ〜ろ〜う〜な〜♪ ま、卑屈になることはない」
ドラゴン「魔界が出来て精々800年」
ドラゴン「それに比べて儂の黄金収集歴はざっと5000万」
姫 奴隷「ごせんまん!!?」
ドラゴン「くっくっくっ、言っておくが正解な時間はわからぬぞ。 何しろその時代には人間の祖先すら見当たらぬでな、暦の概念がまだなかったのだ」
奴隷「おまえ、歳いくつだよ?」
ドラゴン「ふむ、儂も実はよく知らぬのだ。 一度学者にいちばん古い記憶を聞かれ隕石の墜落≠ニそれによる氷河期≠ニ答えたらえらく驚いておったから驚くほど古いのであろう」
242 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:32:04.11 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「ま、こんな物は序ノ口よ」ガシッ
奴隷「急になんだよ?」
ドラゴン「よいか? ここでモテる雄のアドバイスよ」
奴隷「ああ、あのいつも役にたたないやつな」
ドラゴン「よいか? 雌は雄のナニを見て魅了されるかわかるか?」
奴隷「はいはい、財宝財宝。 すごいすごい」
ドラゴン「ブッブー! やっぱり勇者にはわからぬか〜〜」
奴隷「巣を見つける前もイラッとしたけど今も別の感覚でイラっとさせるな」
ドラゴン「それは強さ、すなわちパワー≠誇示させるのだ」ムキッ
姫「わーー」パチパチパチ
奴隷(疑いの眼差し)
243 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:34:39.43 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「これを見よ!」バッ
奴隷「木片?」
姫「わーー」パチパチ
ドラゴン「否っ! これこそ深海の主が住まい、竜宮城の大黒柱であるぞ!」
奴隷「つまり…木片?」
姫「わーわー」パチパチ
ドラゴン「これは大昔に儂と深海の主が知恵比べをした時の戦利品」
ドラゴン「当時のあやつは儂の所有するとある宝具にえらくご執心でな、儂に取り入ろうと猫なで声でまと割りついてきたのだ」
ドラゴン「それこそイカのように」
奴隷「それはどうでもよくね?」
ドラゴン「そこで下心の見抜いておった儂が双方の住みかで最も価値のあるものを交換しようと提案してな。乗ってきた瞬間、竜宮城の大黒柱をへし折って崩壊させてやったのよ」
奴隷「ひでぇ…」
姫「わぁ…」
244 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:35:43.04 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「いやいや、儂とて無傷とはいかぬかったのだぞ?」
ドラゴン「見よ見よ、柱のここに触手の跡がはっきりと残ってあるだろ?」
奴隷「その上のでっかい凹みは?」
ドラゴン「儂の反撃の一撃を頭に叩きつけた跡だな」
奴隷「ひでぇ」
ドラゴン「そうは言っても深海の主と豪語する海生軟体動物の高周波をともなう猫なで声は寛容な儂でも我慢の限界というのがあって」
奴隷「だからって家壊す必要ないだろ!」
ドラゴン「ならば次だ!」
ドラゴン「こちらは北端の呪術士集団ドルイドが造りし最古の魔獣!!」
ドラゴン「知識の象徴であるオウムの頭と当時の最強生物、人喰いクマをあわせもったその名もアウルベア!!」
ドラゴン「くっくっくっ、その噂を聞きつけた儂はさっそく挑みかかり、一捻りで倒したのち剥製にして持ち帰ったのだ…」
姫「この頭部、作り物ですね」
ドラゴン「ギクッ!」
姫「それにこれ剥製じゃなくて服のように着ることが出来るようになってます」
ドラゴン「ギクッギクッ!」
奴隷「ドラゴンさん?」
245 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:36:53.56 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「はい?」
奴隷「この魔獣はつまり偽物だったんだな?」
ドラゴン「だがよく出来た作りでな、動いたところなど本物と見間違えても仕方ないと…」
奴隷「よく出来た偽物だったんだろ!」
奴隷「何か? 噂聞きつけて行ったはいいが中に人が入っただけの偽物で?」
ドラゴン「うむ…、見た目は中に人間が入っているとは知らなかったのでな…」
奴隷「んで? 中の人ごと戦利品として持ち帰ったのか?」
ドラゴン「勇者よ、中の人などおらぬと言ってだな…。そこはなかなか繊細な案件なのだ」
奴隷「要するにただの着ぐるみじゃん!」
姫「着てみました♪」
246 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:39:56.95 ID:1iyQQEhA0
奴隷「ジー」
ドラゴン「なんだその目は?」
奴隷「おまえの言ってることをどこまで信じたらいいかと疑ってる目」
ドラゴン「何を言っておる、金銀だけが財宝ではない。 こういった物にも文化的価値というものが存在し」
奴隷「んで? これ見せたメスの反応は?」
ドラゴン「・・・・」
奴隷「ほらな〜」
ドラゴン「いや、これ、あれだから、まだ古い時代のだから」
ドラゴン「これから先は人間の他に亜人も生まれ文化も多様性に富み、儂の収集物も多彩な彩りをもってゆくぞ」
奴隷「多彩なゴミじゃないのか?」
ドラゴン「くっくっ、舐めてもらっては困る」
ドラゴン「儂の巣は次元の断層を利用しており想像よりずっと広い」
ドラゴン「見てまわるだくでも幾日もかかるダンジョンのような構造は全…」
ドラゴン「全…、何部屋だったかな?」
道化「全57部屋にそれを結ぶ305の通路と清潔な水場が30」
247 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:43:42.34 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「なっ…」
姫「どうして…」
奴隷「ここに?」
道化「ずっと待ってたのに遅いよ」
248 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:45:27.45 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「逃げるぞ!」ガシッ
バサッ!
姫「ドラゴンさん!」
道化「逃がすか! 槍隊整列!」
兵士「はっ!」
ガシャガシャガシャ
ドラゴン「くっ!」
バサッ!
姫「ドラゴンさん!」
ドラゴン「くはっ、逃げ道などいくらでもあるから心配するな!」
姫「うしろーー!!」
ドラゴン「なに?」
道化「無駄無駄ァ!」
ズバッ!
ドラゴン「ぐうっ」
ドザァーーー!!!
姫「ドラゴンさん!」
道化「さあ、年貢の納め時だせドラゴンさん」
ドラゴン「ナメるなぁぁーーー!!!」コォォォォ!!
ドラゴン「ドラゴンブレス!」
道化「灼熱閃光魔法!」
ドゴオォォーーン!!!!
ドラゴン「ぜぇぜぇ…」
姫「嘘? 相殺した?」
道化「今のはメラではない……」
道化「ギラだ」
249 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:48:03.69 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「それがどうしたー!」
ブォン!
道化「これはイオ」
ボゴン
ドラゴン「ゴホッ!」
道化「これはバキ」
ザシュザシュザシュ
ドラゴン「ぬう…」
道化「んで、こいつがメラ」
ボム!
ドラゴン「ぐっ!」
姫「大丈夫ですか?ドラゴンさん!」
ドラゴン「頭を出すな! こやつは姫を狙っておる」
道化「そうだよ♪ だからちゃんと守ってあげないと、姫様に当たったら僕が魔王様に叱られちゃう」
ボッボッボッボッボッボッボッボッボン
ドラゴン「ぐふっ!」
ドスーン!
姫「ドラゴンさ〜ん!」
ドラゴン「」
道化「ほい、拘束魔法」
じゃらじゃらじゃらじゃら
道化「ガッキン!」
道化「はい、一丁完了。 姫様のお帰りは魔王様もずっと待っておられます」
姫「嫌…」
道化「嫌って言われても三人仲良く捕まっちゃったらどうしようも…」
道化「あれ? 勇者様は?」
奴隷「後ろだ!!」
道化「後ろだ!!」
ガキーン!!
奴隷「ちっ」
道化「よう、久しぶり。 また剣の腕あげた?」
250 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:49:02.85 ID:1iyQQEhA0
道化「でもな」
パキッ!
奴隷「剣にひびが!」
道化「いけねぇな、勇者様。 地上より魔界のほうが武器の性能がいいのはロールプレイングゲームの基本だぜ!」
251 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:51:29.53 ID:1iyQQEhA0
道化「つまり、馬鹿にハサミ持たせたら危ねえってことだ!」
ザンッ!
奴隷「ちっ」
道化「さあ、いつまで持つかねぇ」
ザンッザンッザンッ
奴隷「くっ」
キン!
パキッ
道化「そらそら、気をつけないと折れちゃうぞぉ〜っと♪」
奴隷「くぅ…」
キン、キン、キン!
バキッ!
道化「さあ、こいつで仕舞いだ!!」
ブォン!
奴隷「くっはっ、うまくいった」
パーーーン!!!
道化「なっ、白羽取りだとぉ〜!?」
奴隷「馬鹿は馬鹿だな」
ドゴッ!
252 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:53:08.47 ID:1iyQQEhA0
道化「ごはっ、糞…」
奴隷「悪いな、折れた剣のかわりにこっちをもらうぜ」
道化「そりゃないんじゃない? 人の物を盗るなって言われなかった?」
奴隷「どの口が? まあ、惜しむ気持ちもわかるほどの良い剣だけど…」
奴隷「…なんだろう? 手に馴染む」
ドラゴン「勇者よ、ボサッとするより止めを!」
奴隷「お、おう」チャキッ
道化「きゃ〜助けて〜!」
道化「衛兵さ〜ん!」
衛兵「…気色の悪い声を出すな」スタッ
奴隷「なに!?」
ガッキーーン!!
衛兵「・・・・」
姫「衛兵さん…」
奴隷「おまえは…くそ! 敵か味方かはっきりしろ!!」
衛兵「悪いな、私も微妙な立場なのだ」
253 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:55:04.56 ID:1iyQQEhA0
奴隷「だから微妙じゃなくてはっきりしろと言ってるんだ!」
衛兵「…本心では戦いたくないと思ってるよ」
ドスッ!
奴隷「がはっ!」
衛兵「だがそれ以上に魔王様が怖いのだ!」
ドム!
奴隷「なんだそれ! 魔王のどこが怖いってんだ!」
衛兵「おまえは知らないだけだ」
ガスッ!
奴隷「またそれか、ドラゴンも何かあるならちゃんと言え」
衛兵「知ろうともしなかった子供が偉そうなことを言うな!!」
ボゴッ!ドガッ!
奴隷「なら俺はどうしたらいいか教えろ!」
衛兵「姫をつれて遠くまで逃げて欲しかった…」
奴隷「!!?」
ドゴッ!
メキッ!
奴隷「ぐうっ」
衛兵「それをピクニック気分であっさり見つかって、期待外れもいいとこだ」
奴隷「…ごめん」ドサッ
254 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 01:57:24.07 ID:1iyQQEhA0
ドラゴン「いかんな…」
姫「衛兵さんは魔界でも選り抜いた実力者ですから」
ドラゴン「それもあるが勇者に攻撃の意志がなさすぎる」
姫「なさすぎる?」
ドラゴン「うむ、どうも勇者は敵味方の判定が極端でな。一度仲間と思えば訓練中の手合わせでも剣筋に乱れがでるのだ」
姫「…長く友人がいない年月が続いたせいでしょうか?」
ドラゴン「…それ、本人には言うでないぞ」
姫「でも、それならどうしたら?」
ドラゴン「拘束を砕いて援護する。姫は隠れていてくだされ」グッグッグッ
姫「戦えますか?」
ドラゴン「お陰さまで友には恵まれておる」
バキッ!
ドラゴン「さあ、逃げろ!」
バサッ!
衛兵「!!?」
ドラゴン「ぬおぉぉぉ!!!」
バサッバサッバサッ!!
ドゴォ!!
衛兵「ぐぉっ! ドラゴン! そもそもはキサマがぁ!!」
ドラゴン「怒るでない、友人だろ?」
255 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 02:01:52.72 ID:1iyQQEhA0
道化「ほい拘束魔法」
じゃらじゃらじゃらじゃら
ガッシャン!
ドラゴン「ぬあ、また!?」
衛兵「道化、私ごと拘束してなんのつもりだ!!」
道化「はぁはぁ、剣はかえしてもらいますよ。 これがなくっちゃ魔王様からの密命が実行出来ないからね」
衛兵「密命だと!?」
道化「ええ、魔王様はこうおっしゃいました」
道化「籠の鳥は籠の中だからこそ価値がある。 価値もないのに手間どるようなら無理に連れて帰ることもない」チャキッ
姫「嘘? お父様が…」
道化「はい、手間なんでちゃっちゃっと死んでください姫様!!」
シュバッ!
奴隷「くそっ!!」
ドスッ!
姫「奴隷さまーー!!」
256 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 02:04:37.41 ID:1iyQQEhA0
道化「ほらよ!」
ズバッ!
奴隷「っあ!」
道化「あらよ♪」
ズブッ!
姫「やめてぇーー!!」
奴隷「はぁはぁ…」
道化「奴隷、さま、ね…」
奴隷「がはっ!」
姫「待っててください! 今、治癒魔法をかけます」
道化「無駄ですよ〜、3度目が致命傷になってます」
姫「なんてことを!」
奴隷「はぁはぁ、安心しろ姫。不本意ながら俺には女神の加護があるかぎり死んでも復活する」
道化「不本意か、そりゃけっこう!!」
ビリッ!
姫「何を!?」
道化「さあ姫様! 勇者様の背中を見てください、ほらここ魔王様の印と勇者の紋章があってごちゃごちゃしてたのがずいぶんとスッキリしたと思いません?」
姫「勇者の紋章が消えたから?」
道化「はい、こいつはまもなく復活することなく死んで本意をとげることとなります」
姫「何をしたの?」
道化「嘘をつきました」
257 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2019/08/15(木) 02:08:55.08 ID:1iyQQEhA0
道化「その1、姫を殺せと魔王様からの密命を受けたと言ったこと」
姫「そんなことでは!」
道化「そう、そんなこと≠ヘあり得ない」
道化「とっても特別な可愛い可愛い一人娘だから」
姫「そんなんじゃないです」
道化「ええ、ええ、そんなんじゃなくても勇者様は身をていしてかばってくれると思ったんです」
道化「だって、勇者様にはこの剣で刺されてもらう必要があったのだから」
奴隷「その剣は…なにがおかしい…」
道化「でしょうね、この剣は魔界の武器と言ったのも嘘なんですよ、勇者様」
道化「さあ、とくとご覧じあれ」
道化「この剣こそまだ幼き勇者が女神より加護と共に授かり」
道化「魔王殺しにして勇者の加護を消し去り勇者を殺せるたったひとつの武器」
道化「そう聖剣≠ネり!!」
258 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2019/08/15(木) 02:13:07.79 ID:1iyQQEhA0
今日はここまでです
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/08/16(金) 20:25:22.52 ID:m2te1SYDO
乙乙
待ってたで
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/08/17(月) 00:57:55.31 ID:IHuDNWy0O
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