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勇者「ドラゴンハート」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:00:11.44 ID:PP+Zd6eA0
魔王「ほう、この子供が勇者だと?」
少年「う……あ……」ガタガタ
奴隷商「疑うのであればこの勇者の紋章をご覧ください」
魔王「ふん、まさか商人風情が勇者を生け捕るとはな」
奴隷商「もちろん様々な困難がございましたがそれはそれ」
奴隷商「偉大なる魔王様が地上侵略を計画中と聞き、及ばずながら何かお手伝いできないかと…」
魔王「よく回る舌だがまあ良い。誰か、この者に望むだけの褒美を与えよ」
家臣「はっ!」
奴隷商「商談成立ですな。さすればこれ≠ヘ魔王様のモノでございます」
魔王「ふふ、まずは目障りな紋章を消すか。焼印の用意は?」
家臣「こちらに」
魔王「皆も心得よ!この者、この時より勇者にあらず!!」
ジュウゥゥゥ!!!
少年「ぎゃあぁぁぁぁ!!!」
魔王「我が、奴隷なり!!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1513778406
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:05:39.35 ID:PP+Zd6eA0
【数年後 魔界闘技場】
道化「レディースあ〜んど、ジェントルメン!!」
道化「今宵、皆さまがご覧いたしますわ勇者様の一大スペクタクルショー!」
観客「「「ブーー!ブーー!」」」
観客「しね勇者!」ポイ
奴隷「・・・・」ベシャ
道化「はいはい、モノ投げない」
道化「対するは神話の時代からの生きた伝説」
道化「鋭利な爪はあらゆる盾を切り裂き、強固な鱗はあらゆる剣でも傷付けず、空を飛び、地上を焼きつくす…」
道化「最古にて最強、そして、おそらくは最後の一頭」
道化「ドラゴンの登場だ!!」
ドラゴン「グオォォォ!!!」
観客「「「うおぉぉぉ!!!」」」
観客「すげえ」「かっけえ!」
観客「勇者なんかぶっ殺せ!」
奴隷「・・・・」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:09:40.82 ID:PP+Zd6eA0
道化「さあ、両者構えて」
ドラゴン「グルル」
奴隷「・・・・」
道化「おい、もうちっとやる気見せろ」ボソッ
道化「あんま呆気ないと惨めな姿を期待した皆さんから苦情出んだよ」
奴隷「・・・・」
道化「チッ!しゃ〜ない!ドラゴンさん、やっちゃってください!!」
ドラゴン「グオォォォ!!」ドスドスドス
奴隷(やる気を見せろ?)
奴隷(戦い方もわからず、どうやって見せろってんだ!!)
ドラゴン「ふん!」
ドゴッ!
奴隷「がはっ!」
奴隷(ほら見ろよ、一撃で腕が折れたぞ)
奴隷「げふっ、ごほっ!」
ドラゴン「・・・・」ギロッ
奴隷「ひい!」
奴隷(ぼろい剣でこんなんが斬れると思ってんのかよ…)
ドラゴン「・・・・」
観客「いいぞドラゴン!そのまま殺せ!」
観客「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」
奴隷(もういいや、どうせ、だれも、おれなんて……)
ドラゴン「情けない…」
奴隷「え?」
ドラゴン「少しは、期待したんだがな…」
グ シ ャ !
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:15:35.27 ID:PP+Zd6eA0
奴隷「」
オーガ「よいしょ」ポイ
奴隷「」ドシャ!
ゴブリン「ったく、オレラも闘奴だぜ?死体運びまでやらすんじゃねえってえの」
奴隷「」
オーガ「運んだの、俺だぞ?」
ゴブリン「いいんだよ。そのでっかい図体の正しい使い方じゃねえか」
オーガ「こいつ、どうする?」
ゴブリン「水汲んでぶっかけてやんな」
オーガ「わかった」
奴隷「ごほっ!」
ゴブリン「あ、生き返った」
オーガ「水汲んで来たぞ」
ゴブリン「よ〜し、ぶっかけろ」
オーガ「わかった」
バシャッ!
奴隷「・・・・」ポタッ
ゴブリン「よう、起きたな。生き返るとはうらやましい」
ゴブリン「だが女神の加護は健在だろうが、闘技場のど真ん中で踏まれ続けてたのを運んでやった、こいつに礼の一言でも…」
奴隷「・・・・」ヨロッ
ゴブリン「お、おい…」
奴隷「」スタスタ
ゴブリン「行っちまった…」
オーガ「ケガ、治ってたな」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:21:46.53 ID:PP+Zd6eA0
奴隷「・・・・」スタスタ
「あ、おい…」
「チッ、あれだけやられてピンピンしてら」
「忌々しい」「化物が」
奴隷(見世物にされて数年)
奴隷(好き勝手言うだけの連中にも慣れた…)ゴロン
奴隷(部屋の隅で体を丸めて、耳を閉じてなにもかもやり過ごせば…)
ドラゴン「どっこいしょ!!」ドスン!
奴隷「!!」
ドラゴン「隣座るぞ」
奴隷「・・・・」
ドラゴン「大量♪大量♪」っレタス
ドサドサドサ
奴隷「・・・・」
ドラゴン「食べるか?」モシャモシャ
奴隷「・・・・」
ドラゴン「まったく、1個だけだぞ?」
っレタス
奴隷「いらん…」
ドラゴン「ん?言っとくがこれ以上はやらんからな」
勇者「いらんって…」
ドラゴン「・・・・」
奴隷「・・・・」
ドラゴン「はぁ…」
っレタス(2個目)
奴隷「おい」
ドラゴン「わかっておる、確かに農作物は日の差さぬ魔界では貴重品だ…」
ドラゴン「だがな、食べ盛りが遠慮などするな」
奴隷「いらないって言っでりゅんだ!!」
「噛んだ?」「噛んだぞ」
「普段喋らないから…」
「急に大声出して噛んだ!?」
奴隷「////」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:27:37.69 ID:PP+Zd6eA0
奴隷「・・・・」プイッ
ドラゴン「まあそう言わずもらってくれ」
ドラゴン「なんせ、先ほどお前さんと戦った報償金で得たレタスだからな」
奴隷「・・・・」
ドラゴン「くっくっくっ、一方的でつまらん試合に見合わん、驚くほどの金額に気が引けてな」
奴隷「……俺が、」
ドラゴン「うん?」
奴隷「俺が、ぼろぼろになるほど、魔王が喜ぶんだよ」
ドラゴン「ふむ、自分に仇なす勇者が魔物相手に手も足も出ぬのは愉快かも知れんな」
奴隷「…やっぱりな」
ドラゴン「ん?」
奴隷「たまにいるんだ、勇者の肩書きに釣られて来るのが」
ドラゴン「儂がか?」
奴隷「ああ、女神の加護だか知らんが、どいつもこいつも期待するだけ期待して…」
ドラゴン「くっくっくっ…」
奴隷「勝手に失望して消えて……何笑ってんだ?」
ドラゴン「くはっ!幾百万を超える歳月を生きた儂が新参ぺてん師のおちからを期待していると言うか?」
奴隷「どういう意味だ?」
ドラゴン「くだらんという事だ。儂も神とは縁があるが拝む価値なしだ」
奴隷「…それじゃあ、なんで俺なんかに話しかけてきた?」
ドラゴン「それは…
衛兵「全員、静まれ!!」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:31:57.04 ID:PP+Zd6eA0
ドラゴン「ん?」
衛兵「静まれ!静まれ!!」
衛兵「おそれ多くも魔王様がご息女、姫様が貴様らに治癒魔法をかけてくださる」
衛兵「傷ついた者は軽微にかかわらず名乗り出よ!」
姫「よ、よろしくお願いいたします…」
「姫さま…」
「ありがとうございます」
「お腹さわって…」
「はあはあ、なでなでして…」
ドラゴン「ふむ、列に並ばんのか?」
奴隷「すぅ…すぅ…」
ドラゴン「おや?」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:37:08.85 ID:PP+Zd6eA0
ドラゴン「さっきまで起きておったがどうした?」
奴隷「す〜〜す〜〜」
ドラゴン「ふむ、急な昏睡状態はいかんな。もしや強く殴りすぎたか…」
奴隷「す〜」
ドラゴン「それとも、可愛い姫の前に出るのは照れるのか?」
奴隷「!!」
奴隷「げふっ!げふっ!ごほっ!げふっ!」
ドラゴン「ふ〜〜〜ん」ニヤ----リ
「姫さま〜」
「ぼくも」「わたしにも…」
姫「あ、あの…、ちゃんと全員治療しますからおとなしくしてくださいね」
ドラゴン「ふむふむ、このタイミングで眠るとは残念だ。あの魔王の娘とは信じられぬ、可憐な姫君だというのに」
奴隷「ぐ〜!ぐ〜!」
ドラゴン「それに見ろ、あの細く美しいくびれから下に続くなめらかな曲線…」
奴隷「ぐ〜」
ドラゴン「まさに男を虜にする造形美よ!」
奴隷「ぐ〜…」
奴隷「」チラッ
ドラゴン「気が合うな、勇者も尻派か?」
奴隷「ぅぁ.....」
ドラゴン「くっくっくっ」ニヤニヤ
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:46:08.37 ID:PP+Zd6eA0
姫「あ、あの…」
ドラゴン「おおっ♪」
姫「よろしければ、治療しましょうか?」
ドラゴン「どうぞどうぞ♪」グイッ
奴隷「ぐ〜」フルフル
姫「それとも…ご迷惑でした?」
奴隷「ぐ〜」コクコク
ドラゴン「とんでもない!」ガシッ!
奴隷「ぐっ!」ボキッ
ドラゴン「繁殖期のオスが同世代のメスに話しかけられて迷惑などとあるはずがありましょうか?」
ドラゴン「彼の態度はお気になさらず、求愛用の巣を黄金で飾り付けできなくて照れておるのです」
奴隷「」
姫「は、はぁ…」
衛兵「姫様、お待ちを、この者はよいのです」
ドラゴン「ああん?」
姫「え?ですが、先ほどの試合では目を背けたくなるような大怪我をおっていたではありませんか」
ドラゴン「そうだそうだ〜!」
衛兵「姫様もこいつが誰かご存知のはず、本来はお父上に仇なす勇者なのです」
姫「でもね、折れた腕はきちんと治療しないと癖になってしまうし。潰された衝撃で内出血してるかもしれないでしょう?」
衛兵「だから何だと言うんです? 野垂れ死のうが関係ありません」
ドラゴン「黙れ小僧!! 貴様には姫様の慈愛に満ちたお心がわからぬか!!」
衛兵「おまえがやったんだろうが!!」
ドラゴン「それを言ったら…」ガクッ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:51:30.93 ID:PP+Zd6eA0
ドラゴン「儂がどんなに強く、賢く、生命体として高位の存在だとしても、闘技場奴隷である以上命じられたら戦うしかないのです」シクシク
姫「ええ、つらいですよね」
ドラゴン「はい、竜とは本来は温厚で嘘を嫌う心優しき生物、誰も傷つけたくなどないのです…」
姫「それなのに父に無理矢理連れてこられて恨んでますよね」
ドラゴン「よいのです、姫様には命を助けていただき感謝しております」
ドラゴン「ですが儂で最後の一頭、死ねばこの世に何も残せぬ身にして。この少年が、何故か死んだ息子と重なってしまうのです」
姫「まあ!!」
ドラゴン「というわけで、思春期の若者が気になる異性の接近で慌てふためく様子を笑い、からかい、面白がる」
ドラゴン「などと、そんなことは全くなく、純粋な気持ちで心配しておるのです」
姫「まかせてください!」
衛兵「騙されてますよ!!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:56:36.02 ID:PP+Zd6eA0
衛兵「そろそろ部屋にお戻りになりませんと。魔王様より許された時間を過ぎてしまいます」
姫「衛兵、控えなさい」
衛兵「姫さま?」
姫「あなたはドラゴンさんがどんなにこの方を心配しているかわからないのですか?」
衛兵「はい」
姫「え?ほんとにわかりませんか?でも…」
衛兵「…ですが、姫様が一度言い出したら聞かないのも知ってますから手短にしてください」
姫「……衛兵さん、ありがとう」
姫「それでは、はじめましょう!」
ドラゴン「はい!ベッタベッタ触って治療しましょう」グイッ
奴隷(いや!ダメだって!)
姫「は〜い、じっとしててくださいね〜♪」
奴隷(物心つくぐらいに誘拐されて。これが女子との初接触なんです)
姫「・・・・」す〜
奴隷(近い!ヤバい!ニオイとか!もろもろヤバい!)
姫「ん…」ピトッ
ぽうっ
奴隷()ビクン!ビクン!
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 23:59:31.66 ID:PP+Zd6eA0
【30分後】
姫「思っていたより体内の損傷が蓄積して残ってましたね」
奴隷「」グッタリ
姫「あとは何か栄養のあるものが…」
ドラゴン「レタスがあります!」
ドラゴン「だがレタスは嫌いなようでな、姫様からも食べるよう言ってもらえませんか」
姫「ふふ、好き嫌いしちゃダメですよ」
奴隷「・・・・」
姫「じ〜〜〜」
奴隷「……わかりました」
姫「ふふ、約束ですからね?」
ドラゴン「くっくっくっ」ニヤニヤ
衛兵「…姫様」
姫「は〜い、それではお大事に」
ドラゴン「はは〜!姫様の恩情はこのドラゴン、いつか必ずお返しいたします」ドゲザ
衛兵「・・・・」
ドラゴン「?」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 00:06:28.10 ID:D1ozbiZA0
ドラゴン「いつまで寝たフリしておる?もうとっくに行ったぞ」
奴隷「ぷはっ!!」
ドラゴン「息まで止めておったのか?情けない」
奴隷「お前ほんとなんなんだ!」
ドラゴン「子供にはわからぬだろうが、恋に恋する少年少女の背中を押してやるのが大人の義務というものなのだ」
奴隷「わけわからん!」
ドラゴン「まあ、今日のように情けない負け方してるようでは話にならんがな」
ドラゴン「もっと格好いいところを見せねば」
奴隷「戦うなと言われ続けて来たのに、格好つけかたなんかわかんねえよ!」
ドラゴン「儂でよければ教えてやろうか?」
奴隷「…聞けば強くなれるか?」
ドラゴン「何事もやってみなければわからんさ」
奴隷「そうだな…」
ドラゴン「どうやら負けん気は残っておるようだな」
ドラゴン「ならば自己紹介といこう。最古にて最強、そして最後のエンシェントエルダードラゴン」
ドラゴン「まあ、ドラゴンでいい」
奴隷「…奴隷。ただの、奴隷」
ドラゴン「よろしく、ただの奴隷」アクシュ
奴隷「…ほんとに強くしてくれるんだろうな?」
ドラゴン「勿論。竜の心臓にかけて、望むなら魔王にだってしてやろう」
14 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2017/12/21(木) 00:09:18.12 ID:D1ozbiZA0
今日はここまでです
こんな感じで勇者の下剋上風魔王堕ちを目指していこうと思ってます
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 02:14:34.67 ID:rzPk9847O
ドラゴンさん調子良いなww
映画は名作だよね
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 09:26:12.04 ID:wHYhHIY9O
乙
楽しみにしてる
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 10:26:06.78 ID:p0gOjEJdo
ドラゴンハートdvd持ってる!楽しみ!
18 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2017/12/21(木) 22:08:12.20 ID:D1ozbiZA0
乙ありがとうございます。更新します
映画俺も好きです
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 22:13:14.64 ID:D1ozbiZA0
【翌日 魔界闘技場】
道化「レディースあ〜んど、ジェントルメン!!」
道化「さあ、始まりましたるは勇者様の殺戮ショー」
道化「まぁ、ぶっちゃけ前座なんですが」
奴隷「・・・・」
キュイィィィン!!
奴隷「痛っ…」
『お…い……』
奴隷「頭が、痛い…」
ドラゴン『何を呆けておる?』
奴隷「え?」
ドラゴン『さあ、始まるぞ、準備はいいな?』
奴隷「え?は?なにこれ?」
ドラゴン『どうした!何か問題発生か!』
奴隷「頭ん中でおまえの声がすることだよ!!」
ドラゴン『ま、気にするな』
奴隷「気にするわ!!」
奴隷「え?呪い?病気的な何か?」
ドラゴン『すぐに分かるから前を見ろ。対戦相手が出てくるぞ』
道化「今宵の玩具は魔王様が御自ら作り上げた特注品」
道化「気性の荒いトロルを厳選し、瘴気をふんだんに吸い込ませてより巨大に!より狂暴に進化した!」
道化「ボストロルの登場だ!!」
ボストロル「ゴオオォォォ!!!」ガシャン!
20 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/21(木) 22:18:39.28 ID:D1ozbiZA0
ボストロル「フゴッ!フゴッ!」ガシャン!ガシャン!
道化「さあ、この鎖が切れた時!血に飢えた妖魔が今宵も勇者を血祭りに上げる」
ドラゴン『ふむ、さてどう戦ったものか』
観客「いいぞ〜!勇者をぶっ殺せ!」
観客「今日もぶざまに死にな!」
ドラゴン『殺すと一口に言っても色々ある。あの巨躯だ、捕まったら一握りで圧死』
奴隷「おい」
ドラゴン『地面に叩きつけて、引き裂かれて、散々殴られて…』
奴隷「おい!」
ドラゴン『くっくっくっ…、まあ、なんだろうと即死だな』
観客「ま…
奴隷「もう黙ってろ!!」
シーーン
奴隷「あれ?」
観客「だ、黙ってろとは何様だ!」
観客「そうだ!さっさと殺されてしまえ!」
観客「死ーね」「死ーね」「死ーね」
ドラゴン『よく言った。ああいう手合いにはガツンと言ってやらんとな』
奴隷「今のわざとだな?」
ドラゴン『心外な、儂がそんな狡猾なドラゴン見えるか?』
奴隷「今までのなかで一番、狡猾に見える」
ドラゴン『だろ?つまり儂にまかせとけば勝てるってことだ』
ボストロル「フッゴ!」ギリギリ
ブツン!
ドラゴン『くるぞ!捕まるなよ』
21 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/21(木) 22:24:15.72 ID:D1ozbiZA0
奴隷「くそっ、簡単に言いやがって!」タッ
ドゴッ!
奴隷「あ…れ?」
ボストロル「ふご?」ポカーン
奴隷「…今の衝撃は?」
ドラゴン『おい、大丈夫か?』
奴隷「…殴られたのか?」
ドラゴン『いや、違うな』
奴隷「でも、なんで俺、壁に埋もれてんだ?」
ドラゴン『自分で後ろに下がっただろ?』
奴隷「下がったけどさ…、なんでボストロルがあんなに遠くにいるんだ?」
ボストロル「フガァァ!!」ドスドス
奴隷「とりあえず壁から出ないと!」グググ
ドラゴン『あ、待て!そんな力の調整も出来ぬうちに全力出せば…』
すぽーん
奴隷「うおぉぉぉ!!」
ひゅ〜〜ん…
奴隷「飛んだ!」
ドラゴン『正確には跳んだ≠セ』
ドラゴン『だから落ちる』
奴隷「へ?」
ベチョ!
奴隷「ぐふっ!」
ドラゴン『もっと地に足つけろ!筋肉を意識的に動かせ!』
ドラゴン『そんな有り様ではせっかく分け与えた儂の魔力が無駄になる』
奴隷「ちょっと待て!今の儂の魔力ってなんだ!」
ドラゴン『儂の魔力は儂の魔力だ』
ドラゴン『昨日の食事に竜の魔力≠混ぜといた』
22 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/21(木) 22:26:37.28 ID:D1ozbiZA0
ドラゴン『つまり、竜の眷族になったのだ』
23 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/21(木) 22:28:57.39 ID:D1ozbiZA0
奴隷「け…けんぞく?」
ドラゴン『呆ける時間はないぞ!前を見ろ!』
奴隷「はっ!」
ボストロル「グオオォ!!」
ブオン!
奴隷「くっ」タッ
ドゴン!
奴隷「・・・・」パラパラパラ
ドラゴン『動くたびに壁に埋まる気か?いい加減馴れろ!』
奴隷「状況整理もままならないのに無理言うな…」パラパラ
ボストロル「フッゴッ!」ドスドスドス
奴隷「あれ?」ググッ
ドラゴン『どうした?さっさと逃げろ』
奴隷「抜けない…」グググ
ボストロル「フガァァ!!」
ブオン!
ドラゴン『もう間に合わん!腕を交差して防げ!』
奴隷「くっ!」サッ
ガキーン!
ボストロル「うが?」
奴隷「痛くない?」
ドラゴン『腕に生えた鱗が身を守ったからな』
奴隷「もうなんでもありだな…」
ボストロル「グガアアァァァ!!!」
ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!
奴隷「があ!」
ドラゴン『奴め、攻撃がきかんことにプライドを傷つけられたのか?がむしゃらに殴ってきおったわ』
奴隷「落ちついてないでなんとかしろ!」
ドラゴン『ならば深呼吸しろ』
24 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/21(木) 22:32:03.55 ID:D1ozbiZA0
奴隷「はあ!?」
ドラゴン『深呼吸だ』
奴隷「おまえ、ふざけ…」
ボストロル「グッガ…」
グッグッグッ…
ボストロル「グガアアァァァ!!!」
ブオン!
ガキーーン!!
奴隷「ぐっ…」ミシミシミシ
ドラゴン『攻撃きかずともそのままでは生き埋めだぞ?』
奴隷「だから…」
ドラゴン『だからこそ深呼吸だ!!』
奴隷「・・・・」スゥ
ドラゴン『まだまだもっと!』
奴隷「」スゥゥ
ドラゴン『恥や外聞は捨てろ』
奴隷「」フォォォ!
ドラゴン『まだだ!胸に溜めた空気を燃焼させるイメージで更に空気を取り込んでいけ!』
奴隷「」コオォォォォ
ドラゴン『ならば共に叫ぼう!』
ドラゴン『ドラゴンブレス!!』
奴隷「」カッ!
ゴオォォォ!
ボストロル「うが?」
チュドォォォォン!!!
ボストロル「グワアァァァ!!」
25 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/21(木) 22:33:44.77 ID:D1ozbiZA0
ボストロル「」フラフラ
ボストロル「」ドサッ
奴隷「」
道化「」
観客「」
シーーン…
ドラゴン『よし!』グッ!
奴隷「『よし!』じゃねえよ!!」
26 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/21(木) 22:38:12.34 ID:D1ozbiZA0
奴隷「なんか出た!なんか、口から、火の玉が!出たぞ!!」
ドラゴン『これぞ、必殺の竜の息吹《ドラゴンブレス》だ』
奴隷「ぺっぺっ、口の中が焦げ臭い…」
ドラゴン『下手だからな、始めてなら仕方ないが数をこなせば上達しよう』
奴隷「…今何処にいる?」
ドラゴン『ずっと後ろにいたぞ』
ドラゴン「ずっと後ろにいたぞ」
奴隷「そうか…。ところで、こうか?」コォォ
ドラゴン「違う違う、もっと息を丸める感じだ」
奴隷「こう?」コォォォォ
ドラゴン「だいぶ良くなった。儂の息吹は火球だからな、その形を作るように心がければ良い」
奴隷「そう…」コォォォォォォォォ!!
ドラゴン「それだ!そして叫ぶのも忘れるな」
ドラゴン「意外と軽視されがちだが儂は叫ぶことで簡単に身体のリミッターが解除できる説を侮ってはいかんと思うておる」
奴隷「わかった、やってみる」
奴隷「ドラゴンブレス!」カッ!
ドラゴン「oh」
チュドォォォォン!!!
27 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2017/12/21(木) 22:40:56.12 ID:D1ozbiZA0
今日はここまでです
書き溜めなくなったし筆遅いけど出来るだけ早く更新したいです
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 01:22:10.27 ID:mYgzFGvwO
乙
少年とドラゴンはいいものだ
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 08:23:58.03 ID:QAa1pU/KO
やったねドラゴン友達がふえたよ
30 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/22(金) 22:16:25.73 ID:Up1ZoiTA0
ドラゴン「」メラメラ
奴隷「確かに、叫んだ方が威力上がった気がするな」
ドラゴン『くっくっくっ…、まだまだ甘いな』
奴隷「なに!?」
ドラゴン『あれは魔力で作った分身だ』
ドラゴン「」ドロッ
奴隷「何処にいる!!」
ドラゴン『くっくっくっ…』
ドラゴン『はぁ〜はっはっはぁ〜!儂は昨日と同じ場所にいる!』
ドラゴン『心の準備が出来たらはやく来い』
奴隷「上等だ!聞きたいことが山ほどある」
道化「you win !」
奴隷「あ…」
道化「いや〜びっくりしたよ、驚いたよ♪」
道化「壁まで一瞬で移動するかと思ったら飛んだり跳ねたり」
道化「あれ、鱗生えてたよね?」
道化「おまけに最後は口から火の玉…」
道化「ねえねえ、君と僕との仲だろ?ちょ〜っと教えてほしいな〜♪」
奴隷「・・・・」
奴隷(ガツンと言ってやらねば、か…)
奴隷「」スウ
奴隷「惨めな姿が見れなくて、残念だったな」
道化「なっ!?」
奴隷「じゃあな」タッ
31 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/22(金) 22:19:59.64 ID:Up1ZoiTA0
奴隷「言ってしまった…」
タッタッタッ
奴隷「いや、今までの事を思えばあれぐらい当然だよな?」
ピタッ
奴隷「影響受けてる気がする…」
奴隷「・・・・」
奴隷(ま、まあ、悪い奴ではないよな?)
奴隷(魔力だっておかげで体が軽いし)ピョンピョン
奴隷「試してみるか…」
奴隷「走って」タッタッタッ
奴隷「壁走り」ダダダダダ
奴隷「そのまま天井走り」シュババババ
奴隷「天井蹴って床に着地」シュタッ
奴隷「・・・・ふふっ」
奴隷(ふぉぉ〜!ちょう楽し〜〜いぃ!!)
奴隷(はっ!これもしかして空飛べんじゃない!?)
奴隷(あ、ありえる…、鱗生えるぐらいなら羽根も生えるでしょ)
奴隷(どうする?ドラゴンに聞けば…)
奴隷(いやいや、ないない…、文句言って結局喜んでるとか思われたらシャクだし)
奴隷「そう!これは実験!!」
奴隷「自分の、体の異変を確認するのは、とても大切!」
奴隷「すぅ〜はぁ〜〜」
奴隷「いくぞ!」カッ!
ドラゴン「あ、おりましたぞ」
姫「奴隷さん」
奴隷「とりゃあぁぁぁ!!!」バッ!
32 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/22(金) 22:22:57.80 ID:Up1ZoiTA0
奴隷「とりやあぁ……」
ドラゴン「・・・・」
姫「・・・・」
ドラゴン「…空は飛べんぞ」
奴隷「と、鳥や…草木が、生い茂り……」
姫「あ、あの…初勝利おめでとうございます……」
姫「その…ドラゴンさんが直接伝えたら喜んでくれるって」
姫「えっと、それから……」
姫「何も見てませんから!!」
奴隷「ぐ〜」
ドラゴン「寝たふりするな」
33 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/22(金) 22:25:56.64 ID:Up1ZoiTA0
ドラゴン「いやいや姫、これは儂が悪いのです」
奴隷「やめろ」
ドラゴン「説明もなく、あまりに一方的な魔力の譲渡」
奴隷「やめて」
ドラゴン「渡されたら使いたくなるは道理、つまり彼がとりゃあぁなどと 「ぷふっ!」
ドラゴン「?」
姫「つ、続けてください」
ドラゴン「彼がとりゃあぁと 「ぷぷ!」
ドラゴン「・・・・」
姫「なにか?」
ドラゴン「とりゃあぁぁぁ〜〜〜〜!!!!」バッ
姫「ぷっはぁ〜〜〜♪」
姫「うっふっふっふ」
姫「あっはっはっは」
姫「ひぃひぃひぃひぃ………」
奴隷「」
姫「はぁはぁ…わ、わたし、急用を思い出したので…これで失礼します」
タッタッタッタッ
ドラゴン「とりゃあぁぁぁ〜〜〜!!!」
プッハァ-
奴隷「」
ドラゴン「よし、一歩進展したな」
奴隷「黙れ」
34 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2017/12/22(金) 22:27:39.63 ID:Up1ZoiTA0
今日はここまでです
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 23:05:25.07 ID:bD8F8fjJO
乙
ドラゴンさんとお姫様が仲良しで何よりです
36 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:17:39.98 ID:988hXKVA0
ドラゴン「くっくっくっ…、そうむくれるな」
奴隷「うっさい」
ドラゴン「恋愛とは良い面ばかり見せてもいかんのだ、悪い面を見ても呑み込む度量がなければ長続きしないぞ」
奴隷「知るか!」
ゴブリン「おう、サンキュー」ポン
奴隷「?」
オーガ「ありが、と」
奴隷「なんだ?」
妖魔A「お、来たな」
妖魔B「はやく来いよ」
妖魔C「こっちだこっち」
奴隷「??」
闘士A「もう先食べてるぞ」
闘士B「食い溜めてるぞ」
闘士C「食べ終わったぞ」
奴隷「食べてる?」
コボルトA「みんな〜肉追加持って来た〜♪」
コボルトB「まだまだ報償金はヨユ―あるよ〜♪」
コボルトC「全部、奴隷のおごりだよ〜♪」
一同「「「ごちんなります!!」」」
奴隷「ちょっと待てーー!!」
37 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:22:14.82 ID:988hXKVA0
奴隷「俺のおごりってどういうことだよ!」
ドラゴン「報償金は勝者の総取り、勇者が勝ってもちゃんと払われる」
ドラゴン「ひとりで使いきるには多い額だ」
奴隷「だからって、何でこんな奴らに!!」
ドラゴン「ふん」ベチッ
奴隷「痛っ」
ドラゴン「ま〜だ、おまえはそんな事言って」
ドラゴン「隅で背中丸めていじけておって、彼等の何を知ったつもりになっておる?」
ドラゴン「おい、ゴブリン!」
ゴブリン「俺か?」
ドラゴン「そうだ。おまえは何故、ここにいる?」
ゴブリン「ん〜…、弟とふたり、家の近くで遊んでたら瘴気浴びちまってさ」
ゴブリン「んで、気がついたらこんな姿よ」
ドラゴン「ところで、妖魔の大多数が瘴気を浴びて変異した元人間だが…、知っておったか??」
奴隷「……いや」
ゴブリン「んで、家追い出されてブラブラしてるとこを妖魔狩りに捕まってここに連れて来られたワケ」
ゴブリン「ちなみに、こいつが8才になる俺の弟」
オーガ「肉うまうま」ガブガブ
38 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:24:16.40 ID:988hXKVA0
ドラゴン「コボルト」
コボルトA「わんわん!俺たち、城産まれ」
コボルトB「俺たち、城の地下で産まれる」
コボルトC「俺たちの母ちゃんは普通の犬」
コボルトD「母ちゃんが産んだら、瘴気を吸わせて妖魔にする」
コボルトE「それが、俺たち」
ドラゴン「他も様々な理由だが、望んでここにいる者はひとりもおらぬ…」
ドラゴン「そこは勇者と同じだろ?」
奴隷「だからなんだって!?仲間だから恵んでやれと?」
ドラゴン「はっはっはぁ〜、それもいいな」
ドラゴン「戦士の代わりに妖魔パーティー引き連れて、魔王と戦うわけだ」
奴隷「バッカじゃねえの?」
ドラゴン「それはともかく、タダでくれてやるのではない。ちゃんと見返りは払ってくれるぞ」
「ほう、それは興味深い」
39 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:25:27.50 ID:988hXKVA0
魔王「見返りが何なのか、余にも教えてくれ」
40 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:32:15.88 ID:988hXKVA0
ドラゴン「ぬあ!魔王!」
魔王「ふっ」
ザシュ!
ドラゴン「ぐあぁ」
奴隷「ドラゴグッ!」
魔王「何を吹き込まれたか知らんが…」グググッ
奴隷「くっ…かっ…」
魔王「はっきり言うが、貴様程度脅威でも何でもない。殺そうと思えばいつでも殺せる」
魔王「生かしておいたのは滑稽な姿を民に見せ、余に逆らおうなどと馬鹿が考えぬようにだ!」ギリッ
奴隷「ぐっ……」
魔王「それを目先の勝利に浮かれ、自らの役割を忘れるならば用はない!」
魔王「この場で殺してやろうか!!」
ゴブリン「何も殺すこたあ…」
ザシュ!
ゴブリン「え?」
魔王「下等妖魔の意見など聞いてない」
ゴブリン「」ドサッ
オーガ「兄ちゃん!」
ゴブリン「ダメだ…来るな……」
魔王「…可哀想に、後を追わせてやろう」
ザシュ!
41 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:35:20.23 ID:988hXKVA0
奴隷「はぁ…はぁ…」
魔王「・・・・」ポタッポタッ
奴隷「…これは?」
魔王「今度は爪が生えたか…」ペロッ
魔王「氷結魔法」
奴隷「うわあぁぁ!!」パキパキパキ
魔王「どうだ? 自力で砕かねば、そのまま氷に埋もれて死ぬことになるぞ?」
奴隷「ぐぅ…、くそ!」ガチガチガチ
魔王「氷像と化し、身の程を知れ。貴様は所詮その程度なのだ」
奴隷「ドラ…ゴ…ン……」カチカチ
ドラゴン「ぐおおぉぉぉ!!!」
ガシャーーーン!
魔王「何っ!」
ドゴッ!
魔王「ぐふぅ!」
ドラゴン「ぬぅん、りゃあぁぁ!」ブン!
ドゴン!ガシャン!ドガァン!ゴロゴロ!
魔王「くう…」ザザー
ドラゴン「ふぅ〜」
ドラゴン「ま、この程度よ」ニィッ
42 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:38:03.85 ID:988hXKVA0
魔王「やはり、あの場あの時に殺しておくべきだったか!」
魔王「ドラゴン!」
ドラゴン「おい、大丈夫か?」
奴隷「げほっ!ごほっ!…ゴブリンは?」
ゴブリン「はぁ…はぁ…」
ドラゴン「いかん、はやく姫を呼んで来い」
オーガ「わかった!」ダッ
魔王「今度は姫がなんと言おうと貴様を殺す!!」
ドラゴン「くっくっくっ…、やるなら早くやろう」
ドラゴン「娘に無様な格好を見せたくないだろ?」
魔王「無様な姿を見せるのは貴様だ!」
ドラゴン「ふん!」バッ!
魔王「出でよ、魔杖!」
ガキン!
魔王「やるな!」
ガキン!ガキン!
ドラゴン「魔王もな!」
ガキーン!
魔王「吹雪!」
ブュオォォ!
ドラゴン「効かん!」
魔王「馬鹿な!」
ドゴッ!
魔王「くっ…」
ドラゴン「どうした?攻撃が効かず動揺したか?」
魔王「氷壁結界!」
ドラゴン「くっくっくっ…」
ザシュ!
ドラゴン「良い事教えてやろう。氷は熱で溶ける」
ジュウゥゥ……
43 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:39:52.13 ID:988hXKVA0
魔王「魔力で体内の熱量を高めて氷を溶かしたか」
魔王「膨大な魔力とそれに耐えうる強靭な肉体をあわせ持った竜族だからこそ出来る力業だな」
ドラゴン「そんな分析している余裕があるのか?」
ダン!
魔王「無論、余裕とは圧倒的な実力差から生まれるのだ」
魔王「凍てつく波動!」
ゴオォォォ!!
ドラゴン「ぐおぉっ!!」
フッ
ドラゴン「熱がかき消された!」
魔王「吹雪」
ザシュザシュザシュ!
ドラゴン「ぐわあぁぁぁ!!」
魔王「さあ、今一度不様に命乞いをしろ!」
44 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:44:36.75 ID:988hXKVA0
ドラゴン「命乞いなど、誰がした!」グオッ!
ガキン!
魔王「ほう、下級魔法では耐えるか…。やはり頑丈だな」
ドラゴン「腕がなまったんじゃないか?」ニヤッ
魔王「大口は最上級魔法を浴びてから言え」
魔王「氷壁結界」
ドラゴン「そんな暇など…与えるか!!」
バキャッ!
魔王「残念だが、貴様の弱点は熟知している」
ドラゴン「言ってろ!」
バッ!
衛兵「…これはいったい?」
姫「父様?」
魔王「来たか」グイッ
姫「きゃあ!」ヨロッ
ドラゴン「ぬぉ、いかん!姫にあたる!?」
ピタッ…
魔王「まったく、その甘さには驚嘆する」
魔王「最上級氷結魔法」
ビュウゥゥゥ
ドラゴン「しまった!」ガチガチガチ
姫「ドラゴンさん!」
ドラゴン「儂は大丈夫です、姫はゴブリンを!」パキッペキッ..
魔王「世にも珍しい、竜の氷像は王の間に飾ってやろう」
ドラゴン「ぬぅ…」パキッパキッ
ドラゴン「」カチーン
ドラゴン『狙う相手を間違えるなよ』
奴隷「ああ、よく溶けるよう全力でいく」コオォォォ!
奴隷「ドラゴンブレス!!」カッ!
ドラゴン「」
チュドォォォン!!
45 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2017/12/29(金) 00:48:39.58 ID:988hXKVA0
ドラゴン「」メラメラ
ドラゴン「」プスプス
ドラゴン「」
奴隷「そんな…」
魔王「作戦は悪くなかった」
ドゴッ!
奴隷「がはっ!」
魔王「ただ、氷を溶かすには少しばかり火力が不足していた」
奴隷「もう一度!」コオォォォ!
魔王「氷結魔法」
奴隷「ゴォ!」パキパキッ
魔王「自分が勇者であると忘れられぬ哀れな奴隷よ」
魔王「未だ勇者の夢を見るなら、魔王として目を冷ましてやろう!」
奴隷「勇者だなんて、思って…な……い……」パキパキパキッ
奴隷「」
魔王「…そこを退け」
姫「嫌です!」
46 :
◆VTkGRpPzmUQh
[sage]:2017/12/29(金) 00:56:47.24 ID:988hXKVA0
今日はここまでです
魔王無双は書いてて楽しいです
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/29(金) 05:37:08.08 ID:l9KXNiwg0
乙!
魔王と同等のドラゴンさん凄え!
48 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/01(月) 21:25:35.94 ID:r1XfLrOA0
魔王「もう一度だけ言おう…」
魔王「魔王としての命令だ、そこを退け」
姫「嫌です」
魔王「そうか…」
魔王「警告はしたぞ」バチバチ
姫「父様…」
衛兵「ままま、魔王さま、お待ちを!」バッ!
姫「衛兵さん!?」
衛兵「わ、わた、わたしの任務は姫の護衛…も、もし、姫に何か危害を加える者がいるなら…」
衛兵「私が守ります!」
ベシーン!
衛兵「おうっふ!」
ゴブリン「ほっそい体だな、そんなんで魔王の攻撃喰らったら死んじまうぜ!」
衛兵「げほっごほっ…なにをする?」
オーガ「兄ちゃん、死んでない」
ゴブリン「おうよ、つまり盾になるなら俺が適任ってことよ!」
コボルトA「グルル!」
コボルトB「わん!わん!わん!」
妖魔「先越されたな」
闘士「ま、頭数は多いほうが良いわな」
ぞろぞろ…
魔王「貴様ら全員、何のつもりだ?」
ゴブリン「へ、甘く見たな魔王様。ここには姫様に命を救われた奴らがごまんといるんだぜ!」
オーガ「兄ちゃんは、特に多い」
ゴブリン「だからよ、魔王様」
ゴブリン「姫様に手え出すってんなら、ここにいる奴等全員が相手んなるぜ!」
49 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/02(火) 00:44:08.77 ID:2UGElP/A0
妖魔A「ゴブリンが代表面してんのは気に食わねえが」ジャキ!
妖魔B「姫の為だ」
闘士A「右に同じ」ガチャ!
姫「いけません、皆さんが束になっても父には敵わないでしょう」
ゴブリン「そんじゃあ俺らが時間稼ぎますんで、姫はその間ドラゴンの旦那を氷から溶かすってのは?」
姫「無理です…」
衛兵「簡単に言ってくれるが魔王様の氷結魔法だぞ? 溶かすには膨大な魔力か深い魔術知識が必要なんだ」
ゴブリン「やべえ、打つ手ねえじゃん」
魔王「ふふふ、今ごろ気づいたか」
闘士A「焦んな!この人数で囲めばなんとかなんだろ」
闘士B「俺らには闘技場で戦い続けた経験値がある」
魔王「そんな脅しで、余が躊躇うと思ったか?」グオォォ!!!
ゴブリン「あ、駄目かもしんねえ」
オーガ「兄ちゃん!?」
50 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/02(火) 00:46:45.12 ID:2UGElP/A0
魔王「全員まとめて氷漬けにしてやる! 」
魔王「最上級ひょっ
道化「膝カックン」
魔王「ぬぉ!?」カックン!
道化「か〜ら〜の〜、鎖拘束魔法」
ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ
ガッシャン!
魔王「道化、貴様…」
道化「睨まないでよ、魔王様」
道化「無理をすれば余計こんがらがっちゃいますよ?」
道化「鎖も、子供もね」
51 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/02(火) 00:50:29.00 ID:2UGElP/A0
魔王「闘技場はどうした?」
道化「とっくにメインまで終わりましたが…。いやはや参った参った」
道化「メインまで全然盛り上がらないんだもの。こんなの初めてですよ」
魔王「それで? 何の用でこの場に現れた」
道化「だって、み〜んな前座の勇者様を注目してるんだもん」
道化「噂になってますよ? 奴隷に堕ちた勇者がついに使命に目覚めた…、ってね」
魔王「だからこそ、こうして芽のうちに摘もうとしているのだ!」
道化「まったまた!魔王様は噂の怖さをご存じない」
道化「火のないところに煙はたたぬ。たった噂は七十五日も続きますよ?」
魔王「回りくどいな、何が言いたい?」
道化「メインイベント♪」
道化「生かすも殺すも客呼んで、衆人環視の場でつけまっしょう♪」
52 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/02(火) 00:54:13.00 ID:2UGElP/A0
魔王「ふん、良いだろう。処分は明日のメインまでいったん保留とする」
道化「流石は魔王様。ほらほら、勇者様もお礼言って」
道化「火炎魔法」ボボボ
奴隷「うっ」ガクッ
道化「ほらね、勇者様も頭を垂れて感謝してますよ」
魔王「帰るぞ」
道化「は〜〜い♪」
奴隷「くそ、ドラゴン無事か?」
ドラゴン「・・・・」
奴隷「無事なわけないよな…」
奴隷「今出してやるよ」チャキ
ガキーン!
姫「…奴隷さん、無理です」
奴隷「くそ!くそ!」
ガキン!ガキン!
奴隷「くっそ!!」コオォォォ!!
奴隷「ドラゴンブレス!」カッ!
ドゴン!
ドラゴン「・・・・」
奴隷「くそ…やっぱり俺は、勝ったらダメだったんだ」
姫「奴隷さん…」
ドラゴン「」コオォォォ!!
奴隷「ドラゴン?」
ドラゴン「」ボフン!
奴隷「」ビクッ!
ドラゴン「」ジュウゥゥゥ〜〜
コボルトA「くんくんくん!肉の焼けたニオイがする」
コボルトB「わぉ?ほんとだ!」
ドラゴン「くっくっくっ…はぁ〜はっはっはぁ〜!」
ドラゴン「 復 活 !!」
ドラゴン「これぞ、氷河期を生き抜いた秘技《ドラゴンブレス体内撃ち》だ」ブスブス
ドラゴン「魔王の奴め、勝ちをゆずってやったのを気づかず得意げにしておった!」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/03(水) 00:13:15.66 ID:InC/NuDe0
ドラゴンさん可愛い
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 15:44:22.07 ID:Zir6FnTA0
おつんこ
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/09(火) 10:47:02.42 ID:Nlp8TbvDO
続き!続き!
56 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/11(木) 23:25:01.17 ID:GYg+nuUA0
ドラゴン「くっ、あ〜〜〜〜! 身体がきしむ!」ノッビ---
ドラゴン「やはり変温動物に氷属性はキツいな。体温奪われると急に眠くなっていかん」
奴隷「ふ〜ん」
ドラゴン「何をむくれておる?」
奴隷「別に?ただもっと戦えたと思っただけ」
奴隷「ドラゴンブレスも使わずじまいだし、一撃必殺が聞いてあきれる!」
ドラゴン「そうは言うが不用意に室内でドラゴンブレスを放てば死人が出るしな」
ドラゴン「かといって威力を抑えるのも美学に反する」
奴隷「意味わからん」
ドラゴン「分かりやすく言えば無理な使用は喉を痛める≠セな」
奴隷「それなら分かる」
ドラゴン「機嫌はなおらんか?」
奴隷「…悔しくないのか?」
ドラゴン「くっくっくっ…」
奴隷「何だよ?」
ドラゴン「不思議と悔しいなどとこれっぽっちも思っとらん」
ドラゴン「何故かな?」
ドラゴン「代わりに悔しがってくれる者がいるからかな?」
奴隷「馬鹿じゃねえの…」
57 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/11(木) 23:31:28.11 ID:GYg+nuUA0
ドラゴン「馬鹿とはなんだ、馬鹿とは」
奴隷「馬鹿だろ、大馬鹿、馬鹿ドラゴン」
姫「ぷぷぷ」
衛兵「姫様、そろそろ戻りませんと」
姫「あ、そうでした! それでは失礼します」
ドラゴン「おお、姫様を巻き込んでしまいこのドラゴン…。返すべき御恩が増えてしまいました」
姫「恩だとか貸しだとか、気にしてませんよ」
ドラゴン「小僧もただの金魚の糞だと思っておったが、その身を盾にするとは見直したぞ」
衛兵「・・・・」
ドラゴン「ん?どうした?」
姫「あの…」
ゴブリン「あいつ女だぞ」
ドラゴン「!!??」
奴隷「いや、どう見ても女にしか見えないだろ」
オーガ「女だ」
コボルト「臭いでわかるぞ?」
ドラゴン「そうなのか?すまぬな、竜族から見れば人間の性別は分かりにくくてな」
衛兵「いや……」
ドラゴン「だから胸のふくらみで判断しておるのだ」
衛兵「なっ!?」
ドラゴン「だからせめて、せめてもう少し姫のように色気があればわかっただろうに…」
衛兵「殺す!我が家名にかけて、貴様に決闘を申し込む!!」
ドラゴン「は〜〜…、そうか、家系からくる遺伝か…」
衛兵「殺す!!」
姫「はいはい、行きますよ〜」ズルズル
衛兵「姫、放してください!これはプライドの問題なんです!」ズルズル
ドラゴン「また遊びに来てくだされ」パタパタ
衛兵「魔王様に頼み、試合の場を用意していただくから楽しみにしてろ!!」
ドラゴン「ほら、勇者も」パタパタ
奴隷「いや、俺は…」
ドラゴン「ほらほら♪」ガシッ
奴隷「・・・・」パタパタ
姫「ふふふ」ペコ
ドラゴン「くっくっくっ…」
べしーん
奴隷「ごふっ!」
奴隷「げほっ、ごほっ…何で背中叩いた?」
ドラゴン「すごいじゃないか、今日だけで二歩も前進した♪」
奴隷「はぁ!?」
58 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/11(木) 23:34:39.10 ID:GYg+nuUA0
ドラゴン「昨日までは恥ずかしくて姫の前に出ることも出来なかった子供が」
ドラゴン「たった1日で姫の側にいながら最後まで寝たふりなどせずに談笑に加わる」
ドラゴン「それを前進と言わずなんと言おう」
奴隷「」
ドラゴン「背中を押す身としても実に感慨深い」
ドラゴン「そうだ、明日勝ったら赤飯を炊こう」
奴隷「言ってろ」
奴隷「だいたい、寝たふりじゃない! 本当に寝てたんだ!」
ドラゴン「うんうん、わかったわかった」
奴隷「それに明日の試合は勝ち目ゼロの実質、処刑だ」
ドラゴン「ほう、気付いていたか。感心感心」
ドラゴン「だが明日を楽しみにしていろ、儂が必勝法を伝授してやる!」
59 :
◆VTkGRpPzmUQh
[saga]:2018/01/11(木) 23:39:08.58 ID:GYg+nuUA0
【翌日 魔界闘技場】
道化「レディース、あ〜んど、ジェントルメン!!」
道化「奇跡の勝利から一夜明け、本日のメインイベント!」
観客「待ってました!!」
ワー ワー
道化「ありがとうございます! 本日、過去の入場者数を大幅に更新した 満 員 御 礼 !」
道化「大注目のあの人の前に、対戦相手から紹介だ!」
騎士「」チャキッ!
道化「魔王軍の精鋭のみで構成される親衛隊のニューカマー!」
道化「きーしーー!!」
騎士「」ドキドキ
観客「お前にかけたから負けんなよー!」
道化「そして、そして!」
ゴブリン「出番だぞ!」
道化「噂どおりの勇者か、はたまた奴隷か…」
道化「真価はこの試合の勝敗で判明する」
ドラゴン「行ってこい!」ドン!
奴隷「」ガシャン
E はがねのつるぎ
E はがねのたて
E はがねのよろい
奴隷「いっくぞ〜!」
ダン!
道化「あ、まだ口上の途中で!」
奴隷「知ったことかぁ〜!」
ガキィィン!!
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