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LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです
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601 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:06:36.71 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/XlmxuTA.jpg
GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GL型「……!」ドシュシュシュッ!!
蘭子「くっ! 我が一撃を受けてもなお……!」ズドォンッ!
GL型「……」バシュウウウウウ……
千秋『バリアによる防御……智絵里さんや安部中尉みたいに、接近すれば……!!』
美嘉『それならこっちに任せて!』ギュンッ!!
フレデリカ『クール・タチバナのスゴイマニューバ!!』ガションッ!
ドガガガガガガッ!!
GL型「!!」ギュンッ!
GL型「!!」ギュンッ!
美嘉『よし、食いついた!』
フレデリカ『いやー、やっぱりこれ練習しておいてよかったー』
千秋『貴方たち……!』
奏『ニュージェネは私たちとポジションを交換して! 他の白蜂は任せたわ!』
未央『えええっ!? い、いやいいけど……』
愛梨「奏ちゃん、LiPPSに……それじゃあ!」
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:07:13.27 ID:68gYMTWg0
周子『それじゃ1回で決めちゃおっか。いくよ志希ちゃん!』
志希『データ採取に外に出たはずがこんなことに……まあやるしかないかー』ギュンッ!!
蘭子「え、どうするの?」ギュンッ!
奏『こうするのよ……! 美嘉、フレデリカ、マニューバプランY09!』
フレデリカ『ミサイルだぞーもってけー』ボシュシュシュシュッ!!
美嘉『撃てるだけ全部、ここで!!』ボボボボボボシュンッ!!
愛梨「だ、ダメですよぉ! ミサイルの波状攻撃でもバリアで……」
奏『これでいいのよ、今よ!』
https://i.imgur.com/pKJXdqS.jpg
周子『はいはーい、志希ちゃんいくよ! 引っ張っていくから暴れないでよ!』ガションッ!!
志希『とつげーき!』カタカタカタカタッ!!
フレデリカ『今、志希ちゃんは風になる……』
志希『いやー、死にたくないんだけどねー?』カタカタッ……
志希『よし出来た。イージスフィールドの構成変更、ウサミンがやってたの見てたから多分これでオッケー』
周子『はい、目の前にお届け』ギュンッ!
GL型「!?」ガゴォンッ!!
志希『いやー、大きいねーキミ。バリアとか張れるってことは、やっぱりこの星の大気に影響受けてそうやって進化していったんでしょ?』
志希『だからさー……むふふっ、この距離でイージスフィールド展開して粒子制御すれば、バリアも張れなかったりする?』ピッ!
603 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:07:45.71 ID:68gYMTWg0
周子『今だよ!』
蘭子「刹那の光……愛梨ちゃん!」
愛梨「はい! 高圧縮粒子砲リントヴルム照準……」
早苗『ナイスタイミングよ! ティルウィング1番照準!』
琴歌『追いつきましたわ! ターゲットロックです!』
ピピピピッ!
愛梨「撃ちます!」
早苗『持ってきなさい!』
琴歌『発射!!』
ズドドドドドドドドドドッ!!
志希『ちょっ、戦艦までは聞いてな――』
ドガアアアアアアアアアアンッ!!!!
フレデリカ『志希ちゃーん!!』
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:08:43.90 ID:68gYMTWg0
ピピッ!
千秋『GL型2匹の反応、消滅……これで終わりね……!』
卯月『よ、よかったぁ……』
志希『いやー……あたしは良くないっていうか、誰か助けて、うん……』ビビーッ! ビビーッ! ビビーッ!
愛梨「ご、ごめんなさーい……ちょっとやり過ぎたかも……」
奏『とりあえず、志希は回収しないと……この空の風に流されてしまいそうね……』
美嘉『いやそれはシャレにならないって……』
蘭子「と、とにかく……動ける機体で編成を組んで、私たちも前線を超えてP少佐たちのところに……」
https://i.imgur.com/dGRwDe7.jpg
……
…………
605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:09:36.65 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
楓『ルートプランを提示します。空の巣と地上の巣、展開している白蜂の状況から軸上のポイントを経由して飛行してください』
奈緒「ギリギリ手薄になっているポイントに飛び込むか……よし!」ギュンッ!!
加蓮『私の機体だとこれ以上の速度は……!』ドガガガガガッ!
菜々『ナナもここに来るまででウサミンロボに無理させちゃいましたから何とも……やっぱりP少尉とダブル奈緒ちゃんで向かってください!』
ナオ『分かった。ルートの確保は任せる』ドシュゥンッ!
P『ある程度の距離まで詰めたらこっちは先行します。あと中尉、今の俺は少佐です』
菜々『うぐぅっ……い、いやぁ、若い頃の記憶が蘇ってきちゃいまして……』
奈緒「んな話してる場合かよ!」
G型「!!」ギュンッ!!
P『っとそうだった。この後は突破力が必要になる。ダブル奈緒、ドッキングだ!』
奈緒「よしきた任せろ! 行くぞナオ!」
https://i.imgur.com/Mb7RnH5.jpg
ナオ『VDPS01Fをドッキングモードに移行! 兵装展開、02Sとのポイント接続!』
奈緒「速度調整、背面ユニット展開!」
ナオ『行くぞ!』
奈緒「ああ! これがあたしたちの……!!」ギュオオオオオオオッ!!!!
「「合体!!」」
プッピガン!!
ナオ『完成!!』
奈緒「VDPS00FSヴァルキュリア、ドッキング完了!!」
ガションッ!!
奈緒「行くぞみんな!」
606 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:10:57.87 ID:68gYMTWg0
菜々『ARGTの全兵装展開! 加蓮ちゃん、飛行ルートのポイントに全部飛ばしますよ!』
加蓮『はい! 複装ビーム砲塔展開、ウィングバインダーのバルムンク、照準!』
菜々『ウサミンミサイルもウサミンビームもとにかく全部ぶっ放します! ウサミンフルバースト!!』ボシュシュシュシュシュッ!!!!
加蓮『Pさん! 奈緒! 行って!』ズドドドドドドッ!!!!
菜々『元部下に道を作ってあげるのも元上官の仕事です!』ズドォォォォンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
P『火線に合わせて飛ぶぞ、奈緒!』ガションッ!
奈緒「ああ! 今度こそ……!」カタカタカタッ!
ナオ『高機動モードに移行!』
『―H.I Maneuver Mode Migration―』
ドシュウウウウウウウンッ!!!!
菜々『速っ!?』
https://i.imgur.com/3aPbgWZ.jpg
……
…………
607 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:12:00.44 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/GHGlPq0.jpg
奈緒『巣を超えた、Pさん!』
P「クイーンを確認した。もう少しだ、皆……!」
ピピピピピッ!
ナオ『レーダーに反応……奈緒! あいつだ!』
奈緒『地上の巣から……あれは!』
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
P「あの巨体は……まだいたのか……!!」
奈緒『Pさんは先に行け! ここはあたしたちで抑える!』
P「頼む!」ガションッ!
ギュオオオオオオオッ!!!!
https://i.imgur.com/T4jnttN.jpg
奈緒『ナオ、一撃で決めるぞ!』
ナオ『ああ! 拡散粒子ミサイル、フローティ発射!』シュバババババァンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
GL型「!?」
ナオ『動きを止めた! 奈緒!』
奈緒『デュランダル!!』ブォンッ!
ズバアアアアアアアッ!!
GL型「……」ブ、ブブブ……
ドガアアアアアアンッ!!!!
608 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:13:01.20 ID:68gYMTWg0
https://i.imgur.com/PFFokml.jpg
ナオ『あのとき、あたしたちは一度は選んだ……』
奈緒『だけど、もう二度と諦めない!』
ナオ『あたしたちの命と、お前たちの命も!』
奈緒『そうだ! その為にあたしたちはここにいるんだ! そうだろ!』
「「Pさん!!」」
https://i.imgur.com/rKzK4di.jpg
P「ああ、その通りだ! 借りるぞ麗奈!!」ガションッ! カタカタカタッ!! ピッピッピッピッ!
『―Limit Over Blazing Storm―』
ドシュウウウウウウンッ!!!!
P「うおおおおおおお!!!!」
P(そうだ、俺の……俺たちの願いは――!)
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:13:30.56 ID:68gYMTWg0
ガションッ!!
女王「……」
P「……」
https://i.imgur.com/oxkLUUR.jpg
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:13:56.92 ID:68gYMTWg0
P「……ようやく、お前の元に来ることができた」ピッ、ピッ
パシュンッ! パシュンッ!
ピピッ! ガコンッ!
晶葉『おい助手!? ハッチを……』
ビュオオオオオオッ!!
P「……」
奈緒『Pさん!』
G型「!!」ズドォンッ!!
P「――」
ドガアアアアアンッ!!
奈緒『しまった!?』
ナオ『ヴァリアントが……!? いや、Pさんは……』ピピッ!
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:14:23.97 ID:68gYMTWg0
女王「……」
P「……」
ナオ『クイーンがバリアを……Pさんを、守ったのか……?』
奈緒『……ナオ、あたしたちはヴァリアントを』
ナオ『……ああ』
P「……俺を、守ってくれたのか?」
女王「……」
キィィィィン!
P「今なら聞くことが出来る。お前の声が……皆が、俺をここまで導いてくれた。一緒に、来てくれたんだ」
女王「……」
P「聞こえるか? 皆の歌が……お前たちのことを祈っている。アインフェリアの皆だけではなく、ここにいる人間、ビーたちが……」
キィィィィン!!
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:15:07.33 ID:68gYMTWg0
美波『私たちは生きているの、この世界で……生きる意志が、未来に繋がると信じているの』
文香『同じ世界で……命を育み……穏やかで、平和な世界に生きることを……望んでいます』
藍子『みんな一緒なんです。私たちが貴方に会いに来たのも、それを伝えるため』
夕美『私たちも、貴方も、貴方の大切な子どもたちも、同じ命……大切なものも、同じなんだよ』
ありす『終わりに続くしかない、悲しい旅はこれで最後です。もう、私たちの答えは、決まっているんですから』
P「……そうだな。俺も、皆と一緒だ」
女王「……」
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:15:50.71 ID:68gYMTWg0
P「……以前、奈緒が話したそうだな。俺たちは、互いの世界で生きていける、と」
女王「……」
P「だが、訂正しよう」
P「確かに、俺たちが同じ場所で生きていくことは、難しいのかもしれない」
P「だが……同じ未来に向かい、歩いて行くことはできる。今なら、選ぶことができる」
キィィィィン!!
P「共に生きよう。たとえ困難だとしても、俺たちが同じ世界で生きていく為に……」
女王「……!」
ナオ『Pさん……みんな!』
奈緒『……ああ、そうだな。それが、あたしたちが選ぶ……未来』
……
…………
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:16:38.18 ID:68gYMTWg0
――ノルンM-01(メインブリッジ)
ちひろ「白蜂の動きが……停止していく」
ピピッ!
大佐『どうやら……ついにやったようだな』
琴歌『停戦信号、確認出来ています! 奈緒さんたちのNGFからですわ!』
楓『はい、アインフェリア、ラピッドストライカー……各部隊、現時点をもってプランV3を完遂しました』
時子『そう……終わったのね』
楓『はい。終わりました……みんなが、終わらせてくれました』
大佐『……見ているか、黒井。この星を……美しい、果てまで続く青い空を』
菜々『黒、ちゃん……』
……
…………
………………
……………………
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:17:31.32 ID:68gYMTWg0
――惑星B、地上
女王「……」
P「……ここがお前たちの星か。青い空に、草も花も……咲き誇っている」
P「それでも、お前たちにとっては住むことの難しい星、ということなのか」
ヒュオオオオオ……ガションッ!
P「ヴァルキュリア? ヴァリアントを……そうか、乗り捨ててしまったままだったか」
パシュンッ!
奈緒「Pさん!」
ナオ「無事だったかー!?」
P「ああ、無事だよ。クイーンが俺を守ってくれた」
ナオ「なーにが守ってくれた、だよ」
奈緒「ここまで運んでくれたヴァリアントを乗り捨てるとか、晶葉に怒鳴られるぞ? 結局ぶっ壊したし……」
P「そうだったな。ヴァリアント……ありがとう。今度は、最後まで俺についてきてくれて」
616 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:18:04.58 ID:68gYMTWg0
奈緒「ははは……そうだ、クイーン」
女王「……」
奈緒「……この前、あたしはあんなことを言ったけど……やっぱり、あたしも諦めたくなかった。お前も……応えてくれて、ありがとう」
女王「……」
ナオ「お、フレイヤとフレイが降りてきたぞ。さすが、あの2隻は降りてくるのが早いな」
奈緒「凄い勢いでこっちに向かって走ってきてるけど……」
「「「「「Pさん!!」」」」」
P「皆――」
「「「「「バカッ!!」」」」」
P「うおおおっ!?」
ドサドサドサッ!!
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:18:38.26 ID:68gYMTWg0
P「……」
美波「……」
文香「……」ギュッ
夕美「……バカ」
P「……どうした?」
藍子「私たち、今すごく怒っているんですよ」
ありす「あれだけ、一緒にいたのに……私たちを置いて、1人で行こうとしたんですから」
P「……すまなかった」
文香「貴方が、傍にいてくれたからこそ……私たちも、ここまで来ることが……できたんです」
美波「それなのに……本当に、バカな人……」ギュッ!
618 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:19:50.60 ID:68gYMTWg0
かな子「み、みなさーん! 寝転がって……」タッタッタッタ……
千秋「まったく……まだ慌ただしいのに、呑気なものね」
智絵里「はぁ……生きててよかった……」
翠「ふふふっ。ですが、これが私たちらしいですね」
凛「本当に。でも、仕方がないかな、こんな蒼い空を見たら……」
卯月「すごく綺麗で……地球も、こんな綺麗な空なんでしょうか?」
蘭子「うむ……我が魂の還る場所と違わぬ、荘厳な世界よ」
愛梨「あっ、奏ちゃんたちも降りてきましたよ」
未央「あーらら、みんなぞろぞろと来ちゃって」
志希「はー……生きてるって素晴らしいねー♪」
美嘉「ここが……フレデリカの、住んでいた星……」
フレデリカ「そーそー。すっごく久しぶりだけどねー」
周子「ええとこやん。でも、フレちゃんたちのご飯は、なさそうやね」
奏「まったく、貴方たちは……あそこの人たちと負けず劣らず、呑気なんだから」
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:20:53.33 ID:68gYMTWg0
周子「おっ、きたきた」
志希「家出隊長のお戻りーなんちゃって♪」
美嘉「かな――」
奏「ストップ……ごめんなさいね、いなくなったりして。貴方たちは……仲直りできたのかしら?」
フレデリカ「……チラッ、チラッ!?」
美嘉「……うん、バッチリ★」
フレデリカ「やったー! 美嘉ちゃんだーい好き♪」バッ!
美嘉「わわっ!? ちょ、ちょっと! いきなり抱きつかないでよ!」
奏「そう……それなら、よかったわ」
周子「おーおー、元気なことでまぁ」
志希「で、アタシたちのボスは何やってんのー?」
奏「はぁ……あそこよ」
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:22:03.20 ID:68gYMTWg0
ありす「あなたは、本当にもう……いなくならないでって、言ったじゃないですか」
P「ああ、もういなくならないよ。心配かけた」
夕美「ホント、心配ばっかりかけて……あーあ、私たちも頑張ったんだし、これじゃあたくさんご褒美もらわないとねー?」
P「……」
文香「はい……そうですね……今度は、何をお願いしましょうか……」
P「……昔」
藍子「え?」
P「……昔、地球で、小さい頃……1度だけ、親に連れていってもらった場所があるんだ」
P「丘の上から、海が見える……大きな教会がある場所。今も、残っているのかな」
P「……そこで、いいか?」
美波「Pさん……それって……」
P「俺の……願い……ずっと、一緒に生きていきたい……皆と、これからも……ずっと、ずっと……ダメか?」
藍子「……そんなこと、ダメなんて言うはず、ないじゃないですか」
ありす「ずっと一緒です。これまでだって……これからも、ずっと」
P「……ああ」
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:22:45.59 ID:68gYMTWg0
桃華「まあ、Pちゃまったら!」
楓「これはとっても大変な発言ですね。法律無視ですよ? 何重婚になるんでしょうか?」
琴歌「指で折っても、数えきれないほどですわね。ふふっ、でも、どうしてでしょう? 私は、とても楽しい未来が見えてきそうで……」
楓「美優さんは……どうですか? あの人のあんな発言、許しちゃいますか?」
美優「……楓さんは、許せませんか?」
楓「どうでしょう? でも、私もいい大人ですから、ね?」
美優「そうですね……私も……あの人と一緒に、幸せであれば……ただ、それだけで……」
……
…………
………………
……………………
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:28:17.80 ID:68gYMTWg0
次で最後と言った気がしますがあれは嘘です。
時間が遅くなったので次に持ち越します。
残りの分を少し投下したら全部終わりです。
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/16(金) 19:15:23.01 ID:F0wZ8pvCo
乙
大団円
624 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:38:13.01 ID:S/pxFJ/S0
――半年後、木星圏、ナシヤマ、オート・クレール社(オフィス)
「博士、こっちのケースはどうしますか?」
晶葉「ハマヨコに送り付ける。向こうの部署は黒川重工とオフィスは囲むし、うちのほうは規模縮小だからな」
「それじゃ郵便に入れときますよ」
晶葉「ふう……」
楓「……ちょっと、事務所も広くなりましたね」
晶葉「そうだな。次元振動の観測とプロジェクト・ヴァルキュリアの参加、新規兵装の開発……うちの部署はデカい案件ばかり抱えていたからな」
晶葉「新規兵装については、ハマヨコの部署に引き継いだし、まあその分、空間構成情報の修復については重点的に対応していかなければならないが」
楓「戦闘機の開発自体は仕事残ってますけどね」
晶葉「そりゃそうだ。ビーたちとは何とかなったが、今後来るかもしれない外宇宙の脅威に対しては準備しておかなければならん」
晶葉「次元崩壊に対しての対応もあるし、星にいなかった白蜂たちがこちらに来ることもある……もうしばらくは仕事には困らんだろ」
楓「そうですね。でも、女王様もこっちにいますし、そのうち何とかなりますよね」
晶葉「何とかしてくれると、こちらも助かるんだがな……そういえば、助手はどうした? 今日は軍本部に行くとは言ってたが、こっちに戻ってくるとは聞いていないんだが」
楓「ええ、それなら多分、そのうちこっちにも顔出してきますよ。今日はナシヤマの防衛任務に出てますから」
晶葉「珍しいな。非常勤になって防衛任務の編成に入ったのか。何かあったのか?」
楓「まあ防衛任務はこじ付けですよ。今頃、サボってるんじゃないですか?」
……
…………
625 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:39:47.39 ID:S/pxFJ/S0
――木星圏宙域
『最新のユエルについては番組内で交渉して、試乗されたとお聞きしていますが……』
『そうなんですよ! いやぁ、まず凄かったのは何といっても――』
ピッ!
P「……つまらん番組が多いな。上田大尉の出るチャンネルはないのか」
ピピピッ!
P「ん?」ピッ!
奈緒『なあ、Pさん』
P「どうした?」
奈緒『仕事サボるのはまあ……あんまりよくないけど、それにしても宇宙に出ることはないだろ……』
P「まあ、いいだろ。白蜂の対応機会も大幅に減少しているし。それに……しばらくこうして飛んでなかったからな」
奈緒『何であたしまで付き合わされてるんだ……まったく……』
P「……すまなかったな」
奈緒『ん? ああいや別に、あたしもしばらくNGFに乗ってなかったし、たまにいいよ』
P「そっちの話ではなくてお前のことだ。結局、自分の世界に戻れる目途も立たないまま、ここに残ってもらうことになってしまった」
奈緒『あー、まあクイーンの空間転移で起きた次元断層でも、あたし引っ張られなかったからなぁ』
626 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:40:23.07 ID:S/pxFJ/S0
奈緒『晶葉と志希が言ってたよ。あたしがこっちの世界にいる時間がそれなりに長くなって、この世界との繋がりが余計に強くなったからかもしれないって』
P「時限跳躍が実用段階まで進んだら、お前を元の世界に帰してやれるんだがな。いまは、こちらから直接別の次元に転移するための技術が出来ていないが」
奈緒『ま、そこら辺は白蜂の転移頼りだったし、そのうち出来るようになるだろうし……それまでこっちで何してようかなー』
P「長距離航行プランが終わってからあまり時間も経っていないが……何かやりたいことがあるなら、好きにしていい」
P「軍に残ってもいいし、博士の伝手でオート・クレールに移って内勤でもいいし、他のことでも、やりたいことがあるならやっていいぞ」
奈緒『好きにしていいって言われてもな……いっそI@LP受けてこっちの世界でソロデビューでもするか?』
P「ナオがいるからそれは……どうだろうな。セカンドドライバーでいるなら出来るとは思うが」
奈緒『仮面付けたままのアイドルって多分無理だぞ』
P「ああ……まあ、I@LPで落とされるか」
奈緒『まあ、しばらくはこのままでいいよ。あたしより、Pさんのほうが大変だろ?』
P「……なんとかなる」
奈緒『その声は何ともならない声だぞ……頑張れ』
……
…………
627 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:41:07.39 ID:S/pxFJ/S0
――土星圏宙域、フレイヤU(ブリッジ)
未央「ふわああああ……眠い……」
凛「ちょっと未央、まだ仕事中」
未央「ごめんごめん……ていうか私はあくびで済んでるけど、あっちは……」
愛梨「……」スヤスヤ
卯月「起こしたほうがいいですよね……」
凛「ここで居眠りする愛梨なんて初めて見たけど……」
蘭子「昔はね……もっと酷かったの……いまは立派になって、ずっと大変だったから……少しくらいは……」グスッ、グスッ……
卯月「そ、そうなんですか……」
凛「……ま、哨戒任務もこれで終わって、ホクドウで整備すれば後はハマヨコに戻るだけだし」
未央「あっちは今頃、バタバタしてるのかねぇ」
卯月「アインフェリアも、ブリヤントノワールもしばらくいなくなっちゃいますし……翠さんたちのお仕事、引継ぎ多いなぁ……」
凛「蘭子も早く戻りたいでしょ?」
蘭子「うむ。我と偶像の象徴だけ出遅れてる……」
未央「まあまあ、長い休暇になるだろうし、その前の最後の仕事だと思ってさ」
凛「それに私たちも、そのうち誰かにこの仕事押し付けることになるだろうしね」
愛梨「うーん……P、さ……」スヤスヤ
……
…………
628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:42:12.70 ID:S/pxFJ/S0
――ホクドウ、軍本部(通路)
『今日のリハビリで階段も降りれるようになったから、もうちょっとで外に出られるって!』
『外出許可貰って外出られるようになったら、お姉ちゃんと一緒に行きたいところいーっぱいあるから、ちゃんとこっちに来てね☆』
ピッ!
美嘉「……」
フレデリカ「容疑者をはっけーん!」ガバッ!
美嘉「ってうわっ!? な、何すんのよ!?」ビクッ!
フレデリカ「なーにやってるのー? 美嘉ちゃーん、白状しろー」グリグリ
美嘉「もー……莉嘉からメール。もうそろそろで外で歩けるようになるって」
フレデリカ「ワオ! それじゃあみんなで遊びにいかないとねー。休暇申請ってどうやって出すの?」
奏「あら、もしかしてタイミング悪かったかしら?」
美嘉「あ、奏。異動の手続き終わった?」
奏「ええ、部隊分まとめて出したわ。ニュージェネも出してるって言ってたし……しばらくはナシヤマでゆっくり出来そうね」
フレデリカ「みんな元気かなー。プロデューサーも無事かなー?」スリスリ
美嘉「ってちょっと! あんまりくっつかないでよ恥ずかしいんだから!」
フレデリカ「えー」
ナオ「……なーにやってんだか」
加蓮「いつものことでしょ」
629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:42:41.59 ID:S/pxFJ/S0
志希「若いっていいねー」
周子「あたしらも若いから」
志希「っていうかあたし、いつになったらこの仕事辞めれるのかなー。失踪したくて仕方がないんだけど」
周子「ホントに失踪する気ある?」
志希「にゃははははっ♪ あたしもナシヤマ帰ってジョブチェンジしようかなー」
ナオ「戻って来てからもそれなりに忙しいけど、この時期にあたしたち全員ナシヤマに行くからな……まあ、大佐が上手く調整してくれたみたいだけど」
加蓮「ま、これで大佐が調整できなかったらアインフェリアとブリヤントノワールに袋叩きにされた後に、Pさんにもやられそうだったしね」
ナオ「だな……はぁ、そろそろ戻る準備しないとな。菜々さんもちゃんとやってるんだろうか……」
……
…………
630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:44:16.67 ID:S/pxFJ/S0
――夜、ナシヤマ、郊外、P家(Pの部屋)
菜々「あっ、あっ、あっ、あっ!!」ガタガタガタガタッ!!
P「……はい」
菜々「あっ、あっ……ああああああのですね、その! お、お……おばさんですみませんでしたぁ!!!!」
P「JKじゃなったんですか」
菜々「勤続年数知ってるじゃないですかぁー!!」
P「いや知ってるけど……今更というか……ていうか、今までよくゾーニング現象我慢出来てましたね」
菜々「そっ、そんな……そんなの気合と根性で何とかしてたに決まってるじゃないですか!!」
P「いや星から戻るのに3ヶ月掛かって、こっちに戻ってからもしばらく経ったぞ……同じ耐性無しのナオも昔は酷かったのに」
菜々「だ、だって……だってぇ……いや、こうなるって覚悟決めてヴァルキュリアシステム積んでもらったんですけど……」」
P「……今は大丈夫なんですか?」
菜々「そ、それがですね……その、こういう空気といいますか、夜だからといいますか……なんというか、その、結構……」
P「まあ、そりゃそうか……」
菜々「このまま我慢してもいいんじゃないかと思ったんですけど、さすがに限界を迎えて緊急搬送されたとなればもう……みなさんからもメチャクチャ言われちゃいましたし……」
631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:45:58.96 ID:S/pxFJ/S0
楓『いいですか菜々さん、私たちよりも年齢的にもうギリギリなんですから、私たちのことは気にせず一発ヤッて成功させてきてください』
美優『そうです……Pさんは、その、そっちの命中率は悪いので……私たちからも、よく言っておきますから……』
楓『むしろチャンスだと思って、今日は無理でも遅くても今年中には作っちゃったほうがいいです。後でどうにでもなりますし』
P「うん……まあ……」
美波『いいですかPさん! 今回のゾーニング現象の解消は今までとは違うんですよ!!』
千秋『菜々さんのことを考えたら、ここで済ませてあげないと後が大変なのよ! 貴方、今回は今までで一番重要なセックスだって本当に分かっているの!?』
夕美『年齢的にも菜々さんはこれ以上無理しちゃうと体も悪くしちゃいそうだし、Pさんが頑張ってあげないとダメなんだからね?』
文香『もしくは……菜々さんが羞恥心を忘れるほど、激しくするのもいいかもしれません……』
ありす『まあ今晩だけで成功させろ、というのは無理があると思いますので、私たちもそこまで厳しく言うつもりはありません。ですが失敗したら見損ないます』
桃華『Pちゃま、今回は菜々さんのことを第一にお考えになってくださいまし!』
藍子『菜々さんが病院でこっそり避妊治療受けていないかは確認していたので大丈夫です。当ててきてくださいね』
翠『ま、まあまあ、みなさんも落ち着いて……』
琴歌『そうです、これではP様も緊張してしまいますわ』
かな子『菜々さんも美味しそうですから大丈夫ですよね、Pさん?』
P「あいつらマジで好き放題言いやがって……」
632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:46:53.43 ID:S/pxFJ/S0
菜々「は、ははは……」ハァ、ハァ……
P「まあ……」スッ……
菜々「うひゃああああおおおおおっ!?」ビクッ!!
P「なんですかその声は……」
菜々「いぃ、いきなり肩を触られるのはですね! あのですね! こう、抑えている何かが!! 崩れそうで!!」ハァッ! ハァッ! ハァッ!
P「……まあ、それじゃあゆっくりやりましょうか。昔話……でもしながら」
菜々「は、は、はい……そ、その……あの……」
菜々「や、優しく、してくださいぃぃぃ……」
……
…………
633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:47:38.25 ID:S/pxFJ/S0
――1ヶ月後、ナシヤマ、軍本部(会議室)
大佐「……以上が、プロジェクト・ヴァルキュリアの今後の体制となる」
大佐「協力してくれているオート・クレール社についても、今後も晶葉君のチームで対応してもらうこととなっている」
大佐「実働部隊については、実質的に規模縮小となるが、ビーたちの星から土星圏までのインフラ整備、クイーンの受入れが終われば次元振動問題の対応も本格的に入ってくる」
大佐「今後についても大変だとは思うが、これまで通り頑張ってもらいたい。私から以上だ」
P「先程の大佐の話の通りシステム稼働限界を考慮し、アインフェリアとブリヤントノワール、シンデレラガールの2人は長期離脱となる」
P「ニュージェネレーション隊とLiPPS隊については業務が増えてしまうが、ナシヤマ勤務に移ったことで俺や高垣中佐、三船少尉と連絡が取りやすくなった」
P「必要であれば業務工数の範囲内で手伝うことは出来るから、業務中、もしくは業務後の家の中でもいいから遠慮なく相談してくれ」
未央「了解です!」
奏「了解」
美優「私は管制塔にいますけど……」
楓「私とPさんは普段はオート・クレールの事務所にいますから、暇なときは遊びにきていいですよ」
晶葉「まああんまり使われるとこっちも困るからな、程々で頼むぞ。あと楓、暇なら仕事増やしてやるぞ」
634 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:59:07.79 ID:S/pxFJ/S0
P「さて、事務的な話はこれで終わりだ。最後に良い話だ」
加蓮「良い話?」
P「長距離航行プランにおいて、戦闘及びプランV3を完遂したことによる勲章の授与が来ている」
P「プロジェクト・ヴァルキュリア全体としての勲章はこれが初めて……実質的には2度目ではあるが、貰うのは初めてだな」
美波「対話の日は、色々あって辞退しましたからね」
P「戦闘実績についての勲章もある。小隊単位での授与がラピッドストライカー隊、コンコルディア隊だ」
智絵里「えええっ!?」
フレデリカ「おースゴイねーコッコ隊」
未央「さすがちえりん! よっ、このスーパーエース!」
菜々「ラ、ラピッドストライカー隊も、ついに勲章をもらえるようになるなんて……ううっ!」
ナオ「ほらほら菜々さん、そんな泣かなくても……」
卯月「今更ですけど、コンコルディア隊ってプロジェクト外の部隊なのに普通に混ざってますよね」
千秋「おめでとう、智絵里さん」
智絵里「え……えへへっ……時子さんも、喜んでくれるかな……?」
周子「内心ガッツポーズしてるとか、そんなんだと思うよ」
P「個人単位での授与は十時愛梨大尉、神崎蘭子中尉だ。2人はプロジェクトに参加しているとはいえ、小隊登録自体は無いままだったからな」
蘭子「うむ、栄誉の証よ」
愛梨「よかったですねー、蘭子ちゃん」
奈緒「おめでとう。愛梨も蘭子も、2人にはかなり頑張ってもらったからな」
635 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:01:34.41 ID:S/pxFJ/S0
P「以上で勲章の話は終わりだ。最後に……奈緒」
奈緒「え、あたし?」
P「今更……と思うかもしれないが、いい機会だ」
P「これまで、俺たちは長いことお前に助けられた」
P「アインフェリア隊の長期離脱からクイーンとの対話、そして長距離航行プラン。別の世界の民間人であるお前を戦わせたことは、今でも少なからず思うことはある」
P「だが奈緒、お前は俺たちと共に戦い抜いてくれた。今日この日があるのは、アインフェリアがクイーンと対話することが出来たのは……お前がいてくれたからこそだ」
美波「奈緒ちゃんが、私たちの分まで戦ってくれた……だから、私たちは歌い続けることができた」
ありす「はい。あなただからこそ、Pさんと一緒に、私たちの想いを届けてくれたと思っています」
藍子「思いを届けることができて……みんなと一緒にここにいられることが、私たちの幸せです」
文香「私たちは全員、奈緒さんに導かれました……そう、あのとき……同じ未来を願っていたからこそ……」
夕美「だから……ありがとう、奈緒ちゃん」
P「奈緒がいなければ、この結果に辿り着くことは出来なかった。お前は……俺たちの誇りだ」
奈緒「……」
加蓮「……ほら、奈緒」
ナオ「なんか言うこと、ないのか?」
奈緒「……その、なんだ。改まってそんなこと言われると、恥ずかしいっていうか……」
奈緒「だから、あたしこそ、ありがとう。みんなと出会うことができて、一緒に戦うことができて……本当によかった」
P「ああ。俺も、お前と出会うことができてよかった。ありがとう」
……
…………
636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:05:36.25 ID:S/pxFJ/S0
――ナシヤマ(共同墓地)
菜々「……お久しぶりですね。麗奈ちゃん」
菜々「結構、お墓も綺麗ですね。共同墓地ですし、ちゃんとしてくれてるのかな……」
菜々「……ずーっと長い間、今日まで戦ってきたって、なんだか信じられませんね」
菜々「昔は、麗奈ちゃんや黒ちゃんがいて、Pさんがいて、楓さんがいて、美優さんがいて……」
菜々「その後は、ナオちゃん、加蓮ちゃんがいて」
菜々「最後は……みんなで、一緒にいることができたんです」
菜々「麗奈ちゃんとも……もっともっと、一緒にいたかったって、思ってます」
菜々「だけど、私の中で大切なものがたくさんできて、きっとそれは、麗奈ちゃんに頼ってばかりじゃダメなことで」
菜々「これからはPさんと、みんなで、大切なものを守っていかないと」
菜々「でも私、ちょっと怖がりですから……どこかで見守っていてくれたら、嬉しいです」
菜々「……今日は、風の設定が強い日ですね」
菜々「さて……と、それじゃあそろそろ行きますね。みんなにはナイショで、今日はこっそり来ちゃいましたから」
菜々「……今度は、みんなで来ますね」
……
…………
………………
……………………
637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:07:52.14 ID:S/pxFJ/S0
――???
「ねえちょっとアンタ」
「はーい、どうしましたか?」
「アンタ、勝手にあの世界に手出したでしょ」
「あ、やっぱり気づいちゃいましたか? お助けしたほうがいいかなって思って、私としてはこっそりやったつもりだったんですけど……」
「当たり前でしょ。アタシを誰だと思ってんのよ」
「……何度も、何度も、見ていました。あの世界の、最期を」
「あなたの力があっても、覆らなかった結末。数ある世界の中でも、これほどまでに救うことが出来ないと思った世界」
「……アタシが出張っても、助からない世界があるなら、それまでの世界だったってことよ」
「そうかもしれません。それは……無数に出来た世界のうちの、小さな1つの出来事ですから」
「で? 今はどうなの、いい夢は見れるようになったのかしら?」
「ふふっ♪ 見れるようになったと思いますか?」
「アンタの顔見てれば、大体わかるわよ」
「あら、顔に出ちゃいましたか? 恐らく、あなた以外の力、偶然の1つ……それが、小さな奇跡になったのかもしれませんね」
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:09:07.22 ID:S/pxFJ/S0
「そう……珍しいこともあるもんね。何もないならよかったんじゃないの?」
「もしかして結構気にしてました? お気に入りの世界だったりします?」
「……ま、意外と根性ある奴等ばっかりだったし、そこは褒めてアゲルわよ」
「そうです、平和が一番ってことです♪ 次はどうしますか?」
「さっさと次の仕事に行くわよ。それが、アタシの役目でしょう?」
「そうですけど……うーん、次の世界……あっ、そうです。こんな世界があったんですけど……」
「……アタシの世界と似てるトコね。あれ、あのシンデレラガールもいるじゃない」
「他にも危ないかなーって世界はいくつか見つけたんですけど……どうしますか?」
「どこでもいいわよ。とりあえずここに行くわ。ほら、早く送りなさい」
「はーい、それじゃあ気を付けてくださいね」
「誰に向かって言ってんのよ。忘れたの? アタシは……」
「人類最強……いえ、全次元最強なんだから」
……
…………
………………
……………………
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:09:40.99 ID:S/pxFJ/S0
……………………
………………
…………
……
640 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:12:07.88 ID:S/pxFJ/S0
「ちいさなーひかーりをー……むねにだーいーてー……」
「あおぞらーへと、とーばーそーうー、きーぼーうのーたねー……およ?」
「どうしたのー? ベイビーたち、お散歩に出て元気いっぱいだねー?」
「……うーん! 今日もいい天気ー。雨の予定、まだ先だもんねー」
「こんなにいい天気で……あったかくて、気持ちよくて……」
「……ん、もうこんな時間になっちゃった。ママたち帰ってくるし、先におうちに戻ってお留守番してよっか!」
「キミたちのパパはいつ帰ってくるのかなー? まあでも、真っ先に飛んで帰ってくるかな?」
「よいしょっ……うーん、みんなのカゴも重くなってきたねー。みんなが大きくなったら、アタシはどうしよっかな?」
「いつまでも、みんなと一緒に、のんびり楽しく生きていきたいなー……ずっと、ずーっと……」
「さて、おうちへかえろーかえろー♪」
641 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:12:43.89 ID:S/pxFJ/S0
「フーンフンフフーンフーンフフーンフンフフーン……」
――
――――
――――――
――――――――
642 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:18:48.26 ID:S/pxFJ/S0
おしまい
多分、11スレ+6スレ分くらいやりました。もう終わりです。
HTLM化依頼出して終了。
643 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 05:31:11.97 ID:S/pxFJ/S0
(くそ長く続けたし後書きくらい書いてもいいか……)
今回のスレは前々作の奈緒編の奈緒が出征するルートを薄く広げてこねくり回して書き直した内容になってます。
書き直しに当たってこのスレで唯一完全に後付けキャラになった奏が登場人物に追加されました。
美嘉はエロゲ編で藍子ルートに入れば莉嘉の話だけ出ていました。周子は名無しで登場していたので元からいました。
奈緒編の安価分岐でフレデリカが未消化で終わってしまったのが何となく気になったので、安価無しで続くように書き直して終わらせることができてよかったです。
644 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 07:56:51.37 ID:zhxG7O79O
お疲れ様でした!麗奈が出るかもしれない次回作の予定等はあるのでしょうか?
645 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 08:50:14.44 ID:zhxG7O79O
原初の世界?の他のメンバーも他の世界に出張してるのかな?
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 13:15:39.57 ID:PCMsb7R3o
乙
技術関係無しに全次元を観測出来るのは3神と麗奈だけでしょ
そもそもあの芳乃は出張だったのか
647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 14:28:39.59 ID:3mURwcfwo
お疲れ様でした
色々あったけど最後はみんなが笑えて終わってよかったです
648 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 20:12:28.00 ID:S/pxFJ/S0
全レス
>>644
ものはあるけどやるのは未定です。別のスレもやりたいと思っていますので。
>>646
あのよしのんも一応あの紗枝はんと同じポジです。
元々の2人は別のことやってます。
完全に自覚があって他所に送り込まれてるのは周子です。
>>647
正直奈緒編の奈緒出征ルートからのバッドエンド(スレの冒頭の元ネタ)にしてもいいかなと思ったんですが
こんだけやってそれもなと思ったので、今回の形にしました。奈緒編やってるときにコレの元ネタのルートに分岐したら
地続きで過去編とかやってもよかったと思ってたんですけどね。別スレでやったけど。
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 21:58:05.06 ID:UFkoAe9Y0
奈緒が自分の世界にいる時は奈緒がゲームやってたんだろうけど奈緒が飛んでからは誰がプレイしてたんだろ
晶葉か加蓮かはたまたプロデューサーか
650 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/22(木) 12:27:01.02 ID:k/2q+dRP0
大作お疲れ様でした
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