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LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです
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550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:16:22.20 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
https://i.imgur.com/OK8WSFs.jpg
P「ドラウプニル!!」ガションッ!
ガキキキキキィンッ!!
GL型「!!」ギュンッ!
P「装甲が抜けない……! やはり貴様は他の奴等とは別格か!」ギュンッ!!
奈緒『コイツら……GL型が来てから、他の白蜂の動きも違う……!?』
ナオ『アインフェリアの歌の効果がないからか、それとも……!』
周子『多分、ホーネットと同じ役割を持ってるなら、コイツ等がいるから白蜂の統率が取れるようになったのかも』
美嘉『こっちの前線……蜂の動きが集中してて……!!』
フレデリカ『ちゃんと考えて動いてる感じ?』
蘭子『愛梨ちゃん!』
愛梨『はい、大型には大型……P少佐、ヴァルキュリアシステム起動します!』
『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!
パシュウンッ!!
愛梨『他の部隊に被害が出ないように、せめて私たちで引き付けておかないと……! ターゲット、ロックします!』ガションッ!
ピピピピッ! ピピピピッ!
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:17:07.85 ID:68gYMTWg0
愛梨『砲身展開、高圧縮プラズマキャノン、ファフニール……行きます!』
ズドォォォォンッ!! ズドォォォォンッ!!
GL型「!?」ブブゥゥゥゥゥンッ!!
蘭子『速い……!』ギュンッ!
加蓮『それなら弾幕を張って足を止めれば……32連装誘導ミサイルランチャー……行くよ!』ボボボボボボシュンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
ナオ『ダメだ相手が速い……足を止めるのにも……!!』
P「くっ、この状態では前線が疲弊するだけか……! 早くクイーンのところに行かなければ……!」ギュンッ!!
ピピッ! ピピッ!
P「くっ……」ハァ、ハァ、ハァ……!
P「蘭子と愛梨のシステム起動が増えて……残りの稼働保証時間は10分か……アインフェリアの負荷が想定以上に高い……」
P「……だが!」ガションッ!
ズドォンッ!!
G型「!?」ドガアアアアンッ!!
P「このままでは終われん……早く、早くクイーンのところに行かねば……皆の歌を届ける為に……!!」ハァ、ハァ……
https://i.imgur.com/B3Xba2Y.jpg
……
…………
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:19:00.48 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(ブリッジ)
晶葉「助手のバイタルデータがイエローゾーンに入ったか……長期戦も視野に入れていたとはいえ、アインフェリアの負荷がこれほどとは……」
美優「Pさん……!」
楓「大丈夫です」
晶葉「楓……」
楓「Pさんなら、大丈夫です。いつも、そうでしたから……どんなときも、最後は……」
楓「だから私たちは、私たちの仕事をしましょう。最後まで」
美優「……はい」
晶葉(私からこれ以上、お前たちにしてやれることは……頼む、アインフェリア……)
……
…………
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:20:42.82 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
GL型「……!」ズドォォォォンッ!!
ドガガガガガァンッ!!
『がっ――』
『だ、ダメだ避けれ――』
ドガアアアアアアアアンッ!!!
凛『くっ、この!!』ギュンッ!!
奏「コイツ、攻撃範囲が異常なほど広い……!」ズドォンッ! ズドォンッ!!
GL型「……!」ヒュバアアアアッ……
奏「粒子膜によるバリア……私たちと同じようなことが出来るのね……!」
卯月『奏ちゃん、コンビネーションマニューバで行きましょう! あの白蜂はみんなで戦いませんと……!』
奏「……仕方がないわね、牽制するわ。粒子膜のバリアを抜けるタイミングがあるのか……誰か、見極めて!」ガションッ!
ボシュシュシュシュシュッ!!
卯月『こっちも……ビフロスト!』ボシュシュシュシュシュッ!!
GL型「!」ブブゥゥゥゥンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:22:42.65 ID:68gYMTWg0
翠『ミサイルが当たっても効果が……ですが!』ギュンッ!!
智絵里『近接戦闘なら……!』ガションッ!
千秋『ええ、ミサイルを受けている隙に!』ブォンッ!!
GL型「……!」ヒュカカカッ!!
奏『っ!? ダメ、離れて!』
千秋『この挙動は……針!?』ギュンッ!
智絵里『えっ――』
ドガアアアアアアンッ!!
智絵里『きゃあああああああっ!!』ビビビビビッ! ビビビビビッ!
翠『智絵里さん!』
未央『ちえりーん!!』
千秋『智絵里さん! コイツは!!』ブォンッ!!
シュパアアアアアンッ!!
GL型「……!?」ブブ……
ドシュシュシュッ!!
千秋『くっ、張り付けない……!! だけど、フラガラッハの手応えはあった……接近さえできれば……!』
……
…………
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:23:56.68 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
菜々「向こうで智絵里ちゃんがやられた!? こ、この白蜂はもうっ……!」カタカタカタッ!!
GL型「……!!」ズドォォンッ!!
菜々「くっ、イージスが効いているうちはまだこっちも……だけど!」ガションッ!
菜々「脚部装甲展開、照準……! ウサミンキャノン!」ドギャァンッ!
GL型「!?」ドガアアアアアンッ!!
菜々「抜けた! このまま一気に……!!」ギュンッ!!
GL型「……!」ヒュカカカカッ!
ドシュシュシュシュッ!!
菜々「針……くっ、さっき近づいたときに倒しきれたらよかったんですけど……!」
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:24:38.72 ID:68gYMTWg0
ピピピッ!
菜々「はい!」ピッ!
桃華『菜々さん、前線ラインが押されていますわ! 手薄になっていた場所をG型の群れが集中して……!』
菜々「まだこっちも終わってないんですよ……! こいつ残したままだと……!!」ボシュシュシュシュッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
千秋『ホーネットだったビーの部隊から連絡があったわ。GL型自身で他の白蜂の統率を取っているらしいわ……早いうちに片付けないと!』
菜々「とはいえ、デカい速い硬い攻撃範囲は広いの4コンボでこっちも中々……大型の対策にARGTや蘭子ちゃんたちの機体があるのに……」
翠『あちらに流れたのは4匹……こちらの前線が押されている状況では、遊撃として立ち回るP少佐たちの動きも……!』
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
菜々「P少佐たちの状況が……!」
……
…………
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:26:22.76 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/EvSVOgn.jpg
愛梨『指定区域に波状攻撃を行います。ナオちゃん加蓮ちゃん、兵装リスト出してください!』
ナオ『索敵データ共有、拡散粒子ミサイル、フローティの発射準備、ガンダルヴ・ミニオンを射出……!』ガショガションッ!!
加蓮『ウィングバインダー展開、バルムンク照準……行けるよ!』
愛梨『蘭子ちゃん、姿勢制御お願いします! フルウェポン、バーストしますよ!』ズドドドドドドッ!!
GL型「!?」ドガガガガガァンッ!!
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
加蓮『他所には行かせない!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
P『早苗さん、そちらも頼む!』ボシュシュシュシュッ!!
早苗『りょーかい! アルヴァルディ、全弾打ち込むわよ! 避けてね!』
ドガガガガガガガガァンッ!!!!
GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
奈緒『くっ、攻撃の手を休めたら前線ラインの維持が……こっちにも他の白蜂は流れてきてるってのに!』ギュンッ!
P『こちらの前線ラインの機体消耗率は戦闘開始時点から3割減……これ以上荒らされると強襲艦隊も抜けられてM-01まで接近される可能性もある……!』
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:26:50.30 ID:68gYMTWg0
G型「……!」ズドォンッ!!
美嘉「こいつら、さっきからずっと!!」カチッ……
美嘉「弾が……あああっ!?」ドガアアアアンッ!!
フレデリカ『美嘉ちゃん!』
周子『大丈夫!?』
美嘉「……」ハァ、ハァ、ハァ……
P『少尉、応答しろ、少尉!』
美嘉「……機体は無事、だけどミサイルとかはほとんど弾切れ状態……補給しなきゃこれ以上は動けない」
周子『それじゃいったん戻るよ! 補給して、機体は破損個所があるなら丸ごと交換で出直せばええから、いいよね少佐!』
P『分かった。LiPSSは前線ラインに出続けていたから補給タイミングも無かったか……随伴機は2人で頼む』
フレデリカ『うん! 戻ろ、美嘉ちゃん』
美嘉「……」
美嘉(なんで、なんで……こんな……!)
……
…………
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:35:42.46 ID:68gYMTWg0
――ノルンM-01(メインブリッジ)
https://i.imgur.com/nmB6e49.jpg
「GS型2匹、前線を抜けて右舷前方より接近してきます!」
ちひろ「こっちまで……ブリンガーの自動掃射! 連装リニアカノン、ヨルズの1番2番を照準!」
ピピピッ!
楓『ちひろさん、こっちも迎撃に出ますか?』
ちひろ「フレイヤは下がってください! M-01はフレイヤの防衛を最優先に動きます、ライブは止めないようにお願いしますよ」
P『M-01、そちらに白蜂が流れたが大丈夫か!』
ちひろ「大丈夫です、フレイヤまでは絶対にこちらで通しません。前線のほうは……」
P『デカいのが暴れているせいで状況が悪い。前線ラインを下げねばこのままでは持たん』
ちひろ「わかりました。M-01で待機させている強襲艦もすべて出します。ここで戦況を崩すのはマズイですし」
P『すまない、頼んだ』
ピッ!
ちひろ「サブブリッジに通達、待機中の強襲艦もすべて出します。M-01の護衛として1隻残して、残りは前線に!」
……
…………
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:36:25.08 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
瑞樹『LiPPS全員収容したわ。補給済ませたらすぐに出させるから待ってて!』
P「了解した。整備班にはなるべく急がせてくれ」
ピッ!
P(宙域での戦闘とは違い、戦力を分断したのもあってこちらが不利だ……前線の消耗率も上がって来て、このままでは……)
P(こちらの進行が遅い……皆のシステム負荷を受け持つ限界時間もあるし、早くアインフェリアの歌をクイーンのところに……)
ピピピッ!
P「どうした」ピッ!
愛梨『Pさん……先に行ってください』
P「愛梨!? だがこの状況では……」
愛梨『もうPさんが、みんなのシステム負荷を受けてから時間も経って……アインフェリアだって、ずっと歌い続けてることはできません』
愛梨『それに……これ以上、長引くと私たちのほうが……』
P「……」
奈緒『……行こうPさん、どの道この状況でデカブツ4匹の相手をしてると足止めをされるだけだ』
P「……LiPPSは補給に戻っている。ニュージェネレーション隊やブリヤントノワールもGL型の相手でこちらには来れん」
蘭子『我らを見くびっては困る。偶像の象徴と共に導かれし魂は、至高の極みへと至っている』
蘭子『……大丈夫です。前もそうでしたし、今回だって……全部は無理かもしれませんけど、行ってください』
P(俺は……俺は……)
ドクンッ、ドクンッ……
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:36:56.73 ID:68gYMTWg0
P「……VPS-001、隊を分ける。ダブル奈緒、北条少尉は俺についてこい。戦闘区域を強行突破し、巣の奥にいるクイーンのところへと向かう」
P「十時大尉、神崎中尉はこの場に残ってGL型の足止め、及び前線ラインの維持だ。フォートレスの役割、ここで成果を上げてくれ」
蘭子『よくぞ言った、漆黒の騎士!』
愛梨『はい! みなさんもお気をつけて!』ガションッ!
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
P「早苗さん! あるだけ打ち込んでくれ!」
早苗『よく分からないけど了解! 主砲ティルウィング1番2番、レーヴァテイン1番、アルヴァルディも撒くわよ!』
P「フォートレス以外はGN形態に移行だ。フォートレスとフレイヤの砲撃に合わせて前線の白蜂の群れを抜ける!」ガションッ!
奈緒『了解!』
ナオ『加蓮、ブースターユニットはいけるか!』
加蓮『大丈夫、まだまだ飛べるから……!!』
早苗『全弾いくわよー……近くのお仲間さん、当たるんじゃないわよ!』
ズドドドドドドドドッ!!!!
愛梨『ガンダルヴ、予備機のガンダルヴ・ミニオンも射出、高圧縮粒子砲リンドヴルム照準! 蘭子ちゃん、高機動形態に移行しますよ!』ガションッ!!
蘭子『我らの希望はここで繋ぐ! 光の翼よ!』ドシュウウウウウウンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!!!
P「着弾を確認した、行くぞ!」ギュオオオオオオッ!!
加蓮『はい!』
奈緒『蘭子、愛梨、戻ってくるまでは頼む!!』
ナオ『必ず戻ってくるからな!』
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:38:20.06 ID:68gYMTWg0
蘭子『みんなの分まで……!』ピピピピッ! ピピピピッ!
愛梨『蘭子ちゃん!』
ズドオオオオンッ!!
蘭子『粒子砲!? くっ……!!』ギュオオオオッ!!
GL型「!!」ギュンッ!!
GL型「!!」ギュンッ!!
愛梨『ああっ、2匹に抜けられた……!?』
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GL型「!」ギュンッ!
蘭子『だが、残りの2匹は!!』ガションッ!
ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!
GL型「!?」ドガアアアアンッ!!
蘭子『我が魂は、偶像の象徴と共に在る……貴様等では止めることは出来んぞ!』
愛梨『Pさんたちを信じて……いきましょう、蘭子ちゃん!』
……
…………
563 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:38:50.85 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
P「ビームウィングを展開する。クイーンへの飛行ルートはこちらで算出する!」カタカタカタッ!!
奈緒『こっちに来る奴は無視していい! 近距離に入られたらあたしが斬る!』ギュオオオオオオオッ!!
ナオ『加蓮、弾幕だ! 飛行ルート上で白蜂の密度の高いポイントにピンポイントで打ち込むぞ!』
加蓮『うん、弾は全部使い切るつもりで……!』
GS型「!!」ブブゥゥゥンッ!!
P「邪魔だ!」ズドオォンッ!!
ドガアアアアアアアンッ!!
ピピッ!
P「この飛行で細かいルートまでは絞り込めん。今転送したルートで向かうぞ」
ナオ『了解、巣は上から飛び越していくか……弾幕の展開ポイントは……』
ビビビビビッ! ビビビビビッ!
P「砲撃……散開!」
ズドドドドドドドッ!!
加蓮『アイツら……!!』
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
564 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:39:42.20 ID:68gYMTWg0
奈緒『蘭子と愛梨でも2匹は漏らしたか……だけど今は!』ギュンッ!!
ピピピピピッ!!
ナオ『P少佐、巣から増援だ、種類は何でもいいけど数は20くらい!』
P「くっ、この状況ではこのルートを使えん……ルート再編成……!」カタカタカタッ!
GL型「……!!」ドシュシュシュシュッ!!
ナオ『針!? 撃ち……落とす!』ピピッ!
ズドォンッ!
ドガアアアアアアンッ!!
奈緒『やっぱりこいつらがいると……それならあたしたちがここで足止めして、Pさんだけでも向かってくれ!』
P「白蜂の群れの中でお前たちを置いていくことはできん!」
加蓮『だけど! このままじゃPさんだって限界でしょ!』
P「俺のことはいい! お前たちだけでは……」
G型「!!」ズドォンッ!!
P「ぐっ……他の奴らも集まってくるか……!」ヒュバアアアアアッ……
ナオ『4人だけだと捌ききれない……くそっ、このままじゃ……!』
……
…………
565 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:40:35.66 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
ピピピッ!
瑞樹『フレイのみんな! 結構マズイ状況だったからP君たちが強行突破でクイーンのところに向かったけど、やっぱり向こうも厳しいみたい!』
瑞樹『誰でもいいから、増援に行けるメンバーいないかしら!』
千秋『ええっ!? この状況で前線を抜けたって……』
翠『こちらも向かいたいところですが、この状況では……』
菜々「Pさん……ナオちゃん、加蓮ちゃん……!!」
菜々『ナナは……私、は……隊長なのに、Pさんのことも、黒井大佐のことも、美優さんのことも……守ってあげられなくて……』
麗奈『……アンタのそんな顔、私は見たくないわ』
菜々「……ナナが行きます! ARGTなら強引にでも!」ガションッ!
卯月『菜々ちゃん!? でも菜々ちゃんのほうにもGL型が……』
菜々「大丈夫です!」ギュオオオオオオッ!!
ガギィィィィンッ!!
GL型「!?」
566 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:41:01.77 ID:68gYMTWg0
菜々「つ、か、ま、え、た……! ここ、で……ウサミンロボ、背面兵装展開、砲身準備!!」
GL型「……!」ブ、ブブ……
菜々「ナナは気合が違うからやれます!! ゼロ距離ウサミンバスター!!!!」
ズドドドドドドドドドッ!!
GL型「――!!」
ドガアアアアアアアアアアンッ!!!!
菜々「……」ハァ、ハァ、ハァ……
奏『GL型を……』
未央『ウサミン……』
菜々「……ブリヤントノワール隊、ニュージェネレーション隊、後の1匹はお任せします! ナナは……」
菜々「……行かなきゃ」ガションッ!
ギュオオオオオオオッ!!
……
…………
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:41:27.67 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(格納庫)
整備長「補給が済んだらすぐに連絡する! 時間が出来たんだ、少しでもいいから休んでおけ!」
周子「りょーかい。だけどそっちも急いでよー?」
フレデリカ「……アレ?」
「パックの交換が先だ! コンテナ持ってこい!!」
「破損個所は全部交換でいいから、後は交換した部分の動作チェックだけやっておけって!」
フレデリカ「……美嘉ちゃん?」
タタタタタタッ!!
周子「……ん? あの2人……」ピクッ
……
…………
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:42:09.39 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(通路)
フレデリカ「美嘉ちゃーん、美嘉ちゃーん! 休憩するならみんなのいるところにしよー!」
タッタッタッタ……
フレデリカ「おーい、美嘉ちゃーん、どこー? しるぶぷれー?」
タッ――
パァンッ!!
フレデリカ「わぁっ!?」ドサッ!!
美嘉「……」ハァ……ハァ……ハァ……
フレデリカ「みか……ちゃ、ん……」
美嘉「アンタが……アンタたちが……いなかったら……」ハァ、ハァ、ハァ……
美嘉「みんな、こんなことしなくて、よかったのに……誰も死ななくて……莉嘉も、本当だったら、アタシと……一緒に……!」
フレデリカ「美嘉ちゃん……違う、アタシは……アタシたちは……」
タタタタタッ!!
周子「いた! ちょっと何やってんの! そんなことしたらあかんって! 美嘉――」
美嘉「アンタたちがいなかったら!!」グッ!!!!
フレデリカ「アタシたちは……ただ、生きて……」
……
…………
569 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:43:43.26 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
P「くそっ、ナオ、GL型に牽制だ。左からのルートを作る!」
ナオ『了解! このっ、こっち来るなよ!』ズドォンッ! ズドォンッ!
GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
奈緒『完全に足止めされたか……くそっ、もう少しで巣を通過できるのに……!!』
ドガアアアアアンッ!!
加蓮『ああっ!? ううっ……ブースターユニットが1つ潰された……P少佐、早く!!』
奈緒(くそっ、ナオもいるんだ……2人でなら……!)
ドクンッ、ドクンッ……
ナオ(必ず出来る、出来るはずだ……奈緒といるなら……!)
ドクンッ、ドクンッ……
P(機体はある、皆がここまで道を作ってくれた……行かなければ……速く、もっと速く飛ばねば……)ハァ……ハァ……ハァ……
ピピッ! ピピッ! ピピッ!
P(俺は、この先に……)ハァ……ハァ……
P(俺は――)
ドクンッ――
……
…………
………………
……………………
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:44:16.74 ID:68gYMTWg0
――???
『Pさん!』
P『誰だ……俺を呼ぶのは……』
美波『間違えないでください、Pさん……1人で行かないで……!』
P『美波……だから、俺は奈緒たちも……』
文香『私たちを……置いて、いかないでください……』
P『文香……』
藍子『あなたが傍にいてくれたから、私たちはここまで来ることができたんです』
夕美『だから……1人で行こうなんて、思わないで』
P『藍子、夕美……』
ありす『歌だけではありません。私たちの想い……私たちの願いを……』
P『ありす……』
ありす『あなたがいてくれたから、私たちは願いを捨てずにいることが出来ました。ずっと、あなたに助けてもらっていたから……』
P『だが、俺は皆に救われた。俺が再び戦うことの意味と、生きる意志を、お前たちから貰った。俺は……皆がいなかったら……』
美波『はい。だから、私たちは貴方を守ります。貴方の傍で……だから、私たちを、連れて行ってください』
P『俺が――』
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:45:06.14 ID:68gYMTWg0
『馬鹿者!!』
P『その声……!?』ビクッ!
572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:45:53.58 ID:68gYMTWg0
黒井『貴様……』
P『黒井、たい――』
黒井『貴様は、こんな場所まで来て何をやっている!!』
P『!?』
黒井『貴様に求められているもの、貴様が求めているもの……これまで何をやってきたというのだ、見誤るな!!』
P『俺に求められている……皆の歌を……いや、想いを、クイーンのところに……』
P『俺が求めているものは……!!』
黒井『フンッ……まったく、いつまでも私の手を煩わせおって。分かったならさっさと行け!』
P『黒井大佐、俺は……』
黒井『馬鹿者、2度も同じことを言わせるな。いつか……いつかは、無駄話にでも付き合ってやる』
P『……何か、みんなに伝えておくことは……ありますか』
黒井『……』
P『……』
黒井『……菜々ちゃんに、約束を守ってあげられなくて、すまなかった……と』
P『分かりました。必ず……』
黒井『さあ行け! 貴様を信じている者たちと共に!』
P『……はい! 行きます!!』
……
…………
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:46:20.51 ID:68gYMTWg0
奈緒『加蓮が待ってくれているから、あたしは戦うことが出来る。加蓮を、守るために……』
ナオ『ああ、あたしも同じだ。だけど、あたしは一度、それが出来なかった』
奈緒『でも、ここにはあたしたち2人がいる』
ナオ『そうだ。それに、あたしたち2人だけじゃない。Pさんも、加蓮も……みんな、みんながいてくれる』
奈緒『想いはみんな一緒なんだ。美嘉も、フレデリカも……だからここにいる。だから、戦うことが出来る。あたしたちは……!』
藍子『はい。大切な人たちを守るための力。私たちだけじゃ、出来ないことはたくさんあります』
夕美『だから、私たちの代わりに奈緒ちゃんたちがいてくれる』
奈緒『そうだ……その為にあたしは戦うことを決めたんだ。みんなの分まで、あたしが戦うって……』
ありす『あなたたちの強い意志が、Pさんや私たちを導いてくれました。そして、この先の未来も……』
ナオ『ありす……ああ、あたしたちの力でいいなら』
文香『ですから、みんなで、共に参りましょう……この先へ……』
美波『私たちが願う未来に、辿り着けるって、信じて……』
574 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:46:48.31 ID:68gYMTWg0
P『2人とも』
奈緒『Pさん……!』
P『……まだ、やれるな?』
ナオ『大丈夫だ。まだ、何も出来ていないんだから』
P『そうだな。俺たちが願う未来を……』
ナオ『今度こそ、選ぶ為にここにいる』
奈緒『ああ、だから……最後まで……!!』
……
…………
………………
……………………
575 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:47:15.26 ID:68gYMTWg0
https://i.imgur.com/5IbeaN9.jpg
……
…………
………………
……………………
576 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:47:54.40 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
ドクンッ!!
『―Limit Over Valkyria System―』 ピシィッ!
P「!!」ガションッ!
ドシュウウウウウウウンッ!!!!
P「うおおおおおおお!!」ブォンッ!!
GL型「!?」
シュパアアアアアアンッ!!!!
GL型「……」ブ、ブブブ……
ドガアアアアアアアアンッ!!
ナオ『奈緒、コンビネーションマニューバI02!!』
奈緒『デュランダル!!』ジャキンッ!
ギュオオオオオオオッ!!!!
GL型「……!」ドシュシュシュシュッ!!
ナオ『甘い! アタシは囮だ、奈緒!!』
奈緒『これで!!』ブォンッ!!
ズバアアアアアアッ!!
GL型「!?」ドガアアアアアアンッ!!
加蓮『Pさん……奈緒……!?』
……
…………
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:48:49.40 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(ブリッジ)
https://i.imgur.com/leZyWSh.jpg
ピピッ! ピピッ!
志希「来たっ!? まさかカレから自発的に……でもそれだけじゃ……!」
ピピピッ!
晶葉『おい志希、助手とダブル奈緒の機体のリミッターが解除された。お前の想定した状況か!?』
志希「システム稼働限界の1時間を超えてレッドゾーンに入ってた、カレのバイタル値が正常値に戻ってる……転送されてるアインフェリアのデータも……」
晶葉『解除コードは渡していたが、このタイミングで外してバイタル値が戻っているということはやはり……』
志希「カレ自身も次の段階に移行した……ううん、違う、アインフェリアも……たぶん、カレとアインフェリアが一緒になっているから、システムを乗り越えた……」
晶葉『ナオも単独でのシステム起動を行っている……抑制剤の投与があるとはいえ、この状態だと、もしかして奈緒たちも……』
早苗「ちょっと何話してんの? いい話?」
志希「……うん、たぶん、ちょーいい話……かも」
志乃「あら、そう……それじゃあ、もう少し頑張りましょうか……」
瑞樹「了解……愛梨ちゃんたちの援護しないとね!」
https://i.imgur.com/W1rvd2g.jpg
……
…………
………………
……………………
578 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:49:29.75 ID:68gYMTWg0
――???
美嘉『莉嘉!!』
莉嘉『……』
美嘉『莉嘉、アンタこんなところで、どうして……』
莉嘉『お姉ちゃんのバーカ!!』
美嘉『え……』
莉嘉『アタシの知ってるお姉ちゃんは、いっつも自信マンマンで、アイドルでメチャクチャ人気あって!』
莉嘉『カリスマギャルで、キラキラしてて……アタシも、お姉ちゃんみたいになりたいって……』
莉嘉『だから……そんなウジウジしてるお姉ちゃんは、ホントにバカなんだから!』
美嘉『だって……アタシは、アンタと……』
ギュッ……
莉嘉『……アタシだって、お姉ちゃんと一緒にいたい。一緒にアイドルやりたいって、今でも思ってるもん』
莉嘉『だからお姉ちゃんのところに行けなくて、寂しくて……だけどね、アタシの分まで、お姉ちゃんのそばにいてくれるヒト、いるから』
美嘉『……!!』
莉嘉『お姉ちゃんのこと、すっごく大好きって思ってるヒト! アタシも、ちゃんとお姉ちゃんのところに行くから! そのヒトたちと待ってて!』
美嘉『莉嘉……』
莉嘉『待ってて……絶対、ぜーったいにお姉ちゃんのところに行くから……ね☆』
美嘉『……うん★』
……
…………
………………
……………………
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:50:12.11 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(通路)
ギュッ……
フレデリカ「ゴメン……ゴメンね、美嘉ちゃん……アタシたちが、莉嘉ちゃんのこと……」
美嘉「ううん……アタシ、莉嘉と一緒にいたかった……だけど、フレデリカだって生きていたいんだって、分かってたのに……」
フレデリカ「うん、アタシ、生きたい……美嘉ちゃんや、シューコちゃんや、奏ちゃん、プロデューサー……みんな、みんなが、一緒にいてくれるなら……」
美嘉「ゴメン、フレデリカ……ちゃんと分かってたのに、莉嘉だってきっと、戻ってくるって、アタシが信じてあげないと、ダメだったのに……!」ギュッ!!
フレデリカ「うん……アタシも、莉嘉ちゃんに会ってみたい……美嘉ちゃんと一緒に、みんなで、笑って……生きていきたい……!」
周子「声が聞こえる……あたしたちだけじゃない、この声は……」
周子「これが、アインフェリアの……」
……
…………
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:51:04.75 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
奏「そうよ、私は逃げてばかりで……!」ガションッ!!
ドガガガガガガガッ!!
GS型「!?」ドガアアアアアアンッ!!
奏「何かを抱えているのはみんな同じって、美嘉に言ったのは私……それなのに、私は自分だけ抱えてる物を降ろそうとして……!」
ズドォンッ!!
奏「フレデリカは美嘉に向き合おうとした、美嘉もずっと悩んで……仲間なら、傍にいてあげないと……ダメなのよ!!」ギュンッ!
GS型「!!」ズドォンッ!
奏「ううっ!?」ドガアアアアンッ!!
ビビビビビッ!
奏「気付くのが……遅すぎたわね……だけどその分、私はあの子たちの分まで、戦わないといけないもの……隊長らしく……!」グッ!!
奏「そうでしょう……Pさん、奈緒……!」
https://i.imgur.com/mPKTEcg.jpg
……
…………
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:51:38.96 ID:68gYMTWg0
――惑星B上空宙域
『陽電子砲発射準備! 各ノルンはフルングニルを巣に向けて撃て!!』
『これ以上巣を星に降下させるわけにはいかん! プランV3に支障を出させはせんぞ!』
『前線、損傷率5割を超えました! これ以上は維持できません!』
『出せる機体はすべて出せ! ここで退いては降下部隊が戻る場所がないぞ!』
『降下部隊の状況、どうなっている! 戦闘はまだ終わらないのか!』
ピピピッ!
『艦長、通信です。これは……所属不明機……どこの機体が……』
……
…………
582 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:52:26.72 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域後方
「そこの戦艦、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」
『……なん……こちら、S-0……この通信……』
『G型……残……フレ……ヴァルキ……』
『ノイズが多くて、通信がうまく拾えていないようですね』
「ギリギリ繋がるなら大丈夫だろう。……攻撃範囲、向こうに送ってやってくれ」
『せやなぁ、巻き込まれたら大変やし……』
『ですが……データを取りましたが、この世界はどうやら次元断層が非常に不安定なようです』
『恐らく…………断層修復機能があっても、振うのは一度しか……』
「だから一度だけって話なのか」
『そうなんです。すみませんけど、お願いしますね』
ピピッ!
『……でーた転送、おわはったよ』
「さてと……じゃあやるか。おいそこの戦艦、仲間がいるなら全員に連絡してくれ。今デカいの飛ばすからな」
「……感じます。たくさんの命と……悲しい声と、怒っている声」
『もう、元には戻れない存在も、いるのでしてー』
「……そうか。それなら猶更、俺たちはこの1回で終わらせるべきなんだろうな」
「はい。あとは……この世界に生きている人たちに、お任せしましょう!」
パアアアアアアッ!!!!
……
…………
583 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:52:56.02 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(ブリッジ)
ピピピピッ!
晶葉「なんだこれは……!?」カタカタカタッ!!
楓「どうしました?」
晶葉「この惑星と宙域で確認されていた断層レベル10の次元断層が急速に修復されていく……」
晶葉「なんだ、これは……アインフェリアの歌によるもの……いや違う!」
ピピピッ!
晶葉「おい志希聞こえるか! 仕事だ、空間構成情報の採取をしてこい!」
志希『こっちも見た見た♪ 初めて見る現象だねー。でもここで外出たらあたし死んじゃうよ?』
晶葉「その為に専用装備組んだだろう! こんな事象は滅多に見られん、直接データ採取してこい!」
志希『うーん仕方がないか……よし、あたしも体張っていこっかー♪』
……
…………
584 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:53:34.62 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(ブリッジ)
https://i.imgur.com/X49M0Hu.jpg
志希「さーてと、お仕事もらっちゃったからあたしも行ってくるねー♪」
志乃「死なないように……気を付けて……」
志希「わかってるってー。あ、整備長? あたしのNGF準備しといてー、今そっちいくから」
ピピピッ!
整備長『あん? ここで出るのか?』
志希「お仕事もらっちゃったからねー。あれ?」
整備長『ん? どうした……おわっ!?』
フレデリカ『あー! 志希ちゃんも外出るのー? それじゃアタシたちとランデブーしよー!』
周子『ちょっとさー、この状況で志希ちゃんおんぶしていくの? いやいや……』
美嘉『いま戦闘中でしょ! そんなことより……』
志希(およ……フレちゃん……)
志希「……んふー♪」
フレデリカ『どしたの志希ちゃん?』
志希「なんでもなーい。それじゃ、あたしがお荷物になるついでに……もう1つ持っていこっか!」
……
…………
585 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:54:17.14 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/bUoGlzU.jpg
菜々「私は、ずっとずっと、目を逸らし続けて……!」
菜々「アイドルになれなくて、黒ちゃんに迷惑ばっかりかけて、ワガママばっかり言い続けて!」
G型「!!」ズドォンッ!!
菜々「くうっ……だから、黒ちゃんも、Pさんも、美優さんもいなくなって……ナオちゃんや加蓮ちゃん、麗奈ちゃんまで!!」ギュンッ!!
ガションッ!
菜々「それでも、みんな戻って来てくれて……黒ちゃんと麗奈ちゃんは、もう戻ってこないけど……!」
カタカタカタッ!!
菜々「アイドルにもなれなくて、ずっと立ち止まって、物忘れするくらいたくさん覚えなきゃならないことや、守らなきゃならないものができて!」
菜々「アイドルになるっていう夢は叶えられなかったけど、それ以上に大切なものがたくさんできたんです!」
菜々「もうあんな悲しい思いをしない為に、みんなを守る為に……だから、だから今の私が、本当に願っているものは!!」
ピッピッピッピッ!
586 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:55:08.70 ID:68gYMTWg0
https://i.imgur.com/gIVbHqO.jpg
菜々「絶対に守るんです、今度こそ!!」
『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!
パシュゥンッ!
菜々「うっ!? この……こ、怖い……なんで……!」ドクンッ!!
菜々「だけど……だけ、ど……本当に、怖いのは……みんなを、守れないこと……だ、か……ら!!」ガションッ!
ドクンッ! ドクンッ!
菜々「胸部装甲展開、イージスフィールド構成変更!!」
菜々「スーパーロボットらしく、バリア展開してそのまま体当たりでPさんたちのところまで!」
菜々「必殺! ウサミンストライク!!」
ドガガガガガガガガガッ!!!!
https://i.imgur.com/wcKiqAY.jpg
……
…………
587 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:56:09.81 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
奈緒『な、なんだ!? とんでもないスピードでこっちに突っ込んでくるのが……』
ナオ『ARGT……菜々さん!? おいおい何やってんだよ!』
菜々『ぬおおおおおおおみなさーん!』
ドガガガガガガガガガガッ!!!!
P「お前ら回避だ!」
加蓮『ちょっ!?』ギュンッ!!
ドガアアアアアアアアンッ!!
菜々『……』
奈緒『ど、どんな質量攻撃だよ……周りの白蜂も吹っ飛ばして……イージスフィールドで突っ込んできたのか……』
菜々『……増援に来ました! あー怖かった』
加蓮『え、ええええええ……あんな離れたところから……』
P「安部中尉、この状況で……」ピピッ!
P「これは……使ったんですか、ヴァルキュリアシステム……」ピッ、ピッ……
菜々『はい! 最初はビックリしましたけど、思ったより何とかなりました! あと結構体が軽くなった気がします!』
P「いやそういう効果はないはず……」
588 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:57:12.05 ID:68gYMTWg0
菜々『……色々無茶苦茶でも、ナナだってやるときはやりますよ! お互い、昔からそうでしたよね、P少尉!』
P「中尉……」
ナオ『え、ちょっと……』
菜々『部下を守るのか隊長の仕事です! P少尉、また一緒に戦いましょう! 状況は!』
P「……ははっ、そうか……はい、現時点の戦闘区域のデータを転送します。巣の後方距離2000の地点にクイーンがいる状況です」
P「俺たちの状況は前線部隊とかち合っている白蜂の群れと、大規模の巣及び地上の巣から出現した白蜂に挟まれている状況です。正直結構キツイ」
菜々『わかりました。じゃあゴリ押ししましょう!』
奈緒『いやだからそれがキツイって話で……』
P「了解! 中尉、マニューバはどうしますか」
加蓮『いやいやいやいや! どうしたのP少佐!』
菜々『ARGTだと通常のマニューバプランが組めません。フォーメーションで行きます』
菜々『先頭はP少尉とダブル奈緒ちゃん、バックはナナと加蓮ちゃんで抑えての一点突破です!』
P「巣を迂回するルートは破棄する。もう面倒だ、そのまま行くぞ!」
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:58:24.99 ID:68gYMTWg0
奈緒『……ま、菜々さんとPさんがメチャクチャやる気出してるし、もうそれでいっか』
加蓮『奈緒まで……』
ナオ『大丈夫だって、5人いれば何とかなるって。それに、なんか久しぶりな気がするし』
加蓮『え? あ……』
菜々『フレイヤ! こちらラピッドストライカー隊です! 小隊の再編成になります。ローカル識別コードの再割り当てをお願いします!』
奈緒『よーし、行くか!』
P「ああ、ここで止まるわけにはいかん。行こうか、隊長!」
菜々『はい! ラピッドストライカー隊、出撃!!』
https://i.imgur.com/dFVY8BN.jpg
……
…………
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:59:06.44 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(ブリッジ)
楓「了解しました。VPS-001はフォートレス単機の編成に変更します」
楓「ラピッドストライカー隊の識別コードを割り当てます。小隊コードはGRS-1、各メンバーをRS-01から割り当てます」
楓「RS-01安部菜々中尉、RS-02はP少佐、RS-03神谷奈緒少尉、RS-04北条加蓮少尉、RS-05はセカンドドライバーになります。フレイヤUに同データを転送します」カタカタカタッ!
ピピピッ!
P『高垣中佐、すまんがクイーンまでの飛行ルート組んでくれ。さっきは勢いよく言った手前だが、やっぱり無理だ』
加蓮『だから言ってるのに、もうっ!』
楓「あらら……」
美優「楓さん、それならこちらの席に……艦長席は、私のほうで……!」
楓「わかりました。お願いします」バッ!
591 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:59:43.85 ID:68gYMTWg0
楓「……戦闘区域をスキャンします。地上コロニー級の巣の規模も想定して、ルートの作成を」
ピピッ!
『RS-06 KAEDE TAKAGAKI』
楓「え……」
美優「……私の知っている、ラピッドストライカー隊には……楓さんもいましたから……』
楓「美優さん……」グスッ!
楓「……ルートの作成を行います。ラピッドストライカー隊は全機、戦闘区域の情報を連携してください。必要であれば口頭での報告も忘れずに」
P『了解した。頼んだぞ、中佐』
ピッ!
楓「……はい」
……
…………
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:00:17.76 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/EYcwA0n.jpg
凛『P少佐たちが持ち直している……! だけど、行けるなら援護に……!!』
GL型「!!」ドシュシュシュッ!!
未央『だけどコイツは何とかしないと、前線ラインが……!』
GL型「……!」ズドォォンッ!
翠『砲撃……しまったっ!?』ギュンッ!
ドガアアアアアンッ!!
翠『あああっ!?』
千秋『翠さん!』ギュンッ!
翠『腕部破損……しまった、ライフルが……!』
ギュンッ!!!!
翠『えっ?』
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:01:00.26 ID:68gYMTWg0
智絵里「……これ、借ります……から」ハァ、ハァ……
ビビーッ!! ビビーッ!! ビビーッ!!
未央『ちえりん!?』
卯月『ダメです智絵里ちゃん! そんな機体の状態じゃまともに飛べないですよ!』
智絵里「だ、大丈夫、です。まだ……!」グッ!
バチッ、バチバチッ!!
ガコンッ!
智絵里「あうっ……バランサーの再設定……GN形態に移行は出来なくなったし、コックピットの脱出機能も壊れちゃった……」ハァ、ハァ……
ピピピッ!
時子『智絵里、何をしているの! そんな状態で前線に出られても邪魔なだけよ、戻りなさい!』
智絵里「と、時子、さん……」ハァ、ハァ……
智絵里「……」グッ!!
https://i.imgur.com/MOWkQ5Q.jpg
智絵里「大丈夫、です!」ギュンッ!!
時子『智絵里!!』
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:01:49.51 ID:68gYMTWg0
智絵里「いつも、助けてもらってばかりで……P少佐も、菜々ちゃんも、あんなに頑張って……私だって、みんなと一緒に最後まで……」
智絵里「時子さんのことも、守りたいから……だから……!」ガションッ!!
ドシュウウウウウウンッ!!!!
GL型「……!!」ズドォォンッ!!
智絵里「私も、みんなを!!」ヒュカカカカッ!!
ギュオオオオオッ!!
凛『避けた!?』
奏『ヤツの懐に……!』
智絵里「ここなら!」ジャキンッ!!
ピピピピッ!
智絵里「この距離で、バリアは張らないでください!!」
ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!
GL型「!?」
智絵里「やあああああああっ!!」ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!
GL型「――!」
ドガアアアアアアアアンッ!!!!
智絵里「あ、う……」ビビビビビッ! ビビビビビッ!
翠『大型を撃破……智絵里さん!』
595 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:02:23.93 ID:68gYMTWg0
卯月『智絵里ちゃん!!』ギュンッ!!
ガシッ!!
智絵里「う、うううう……」
未央『ちえりん……ちえりん、すごいよ……もうなんかスーパーエースじゃん……!』
時子『智絵里、あなた……まったく……』
智絵里「え、えへへ……よかった……」
ピピピッ!
琴歌『翠さんと智絵里さんはフレイに戻してください! こちらの大型はすべて対応しました。みなさんは愛梨さんたちのところへ!』
かな子『ハッチ開けますから、急いで2人は回収します!』
桃華『フレイも合わせて移動しますわ。Pちゃま、艦のヴァルキュリアシステム、ここで使わせてもらいますわよ!』
奏「愛梨と蘭子……そう、行かなきゃダメね。私も……!」ガションッ!
ギュオオオオオオオッ!!!!
……
…………
596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:03:20.68 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
愛梨「蘭子ちゃん、ビフロスト全弾撃ち切っちゃいました。あと懸架したデュランダルVも1つ壊れちゃいました……」カタカタカタッ!
蘭子「漆黒の騎士たちは乗り越えた……私たちもここで頑張らないと!!」
GL型「!!」ギュンッ!!
ドシュシュシュシュッ!!
『がああああああっ!?』ドガアアアアアアンッ!!
愛梨「他の部隊が……!」
蘭子「この意志がある限り、我が剣は折れん! 光の軌跡を!!」ガションッ!
愛梨「はいっ、ビームウィング出力上げます。マニューバモードの移行をします!」
『―Invisible Maneuver Mode Migration―』
蘭子「うおおおおおおおっ!!」ギュオオオオオオオッ!!
GL型「……!」ブブゥゥゥゥゥンッ!!!!
蘭子「これ以上貴様等の好きには!」ブォンッ!
シュパアアアアアンッ!!
GL型「!?」ドガアアアアアンッ!!
ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!
蘭子「くっ!!」ギュンッ!
597 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:03:57.78 ID:68gYMTWg0
GS型「!!」ズドォンッ!!
G型「……!」ギュンッ!
愛梨「他の白蜂も……! 使える兵装もだんだん少なくなってきて、このままじゃフォートレスでも……」カタカタカタッ!
ピピピッ!
奏『他の相手はこっちに任せて!』ギュオオオオオッ!!
https://i.imgur.com/VDoatKc.jpg
愛梨「奏ちゃん!?」
奏『貴方たちはデカブツに集中して! 邪魔はさせないわ!』ギュンッ!!
ズドォンッ! ズドォンッ!!
G型「!?」ドガアアアンッ!!
千秋『残りの厄介な相手はその2匹よ! ニュージェネレーション隊、マニューバプランY09!』
卯月『はい!』
凛『全機支援……でもこの2匹の対処は……!』ギュンッ!
GS型『!!』ドシュシュシュッ!
凛『チッ!』ガションッ!
ズドォンッ!!
GS型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
未央『うううっ、とときんたちのところに行かせたくないのに……!!』
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:04:26.47 ID:68gYMTWg0
奏『諦めないで! シンデレラガールズに任せて、私たちはここを……!』ギュオオオオオオッ!!
GS型「!!」ギュンッ!
奏『遅いわ、サーベル……はあっ!』ブォンッ!
シュパアアアアアンッ!!
ドガアアアアアアアンッ!!
G型「……!」ギュンッ!
ズドォンッ!!
凛『奏!!』
奏『後ろにも……あああっ!?』ドガアアアアアンッ!!
GS型「!」ギュンッ!
GS型「!」ギュンッ!
卯月『奏ちゃん!』
奏『くっ、まだ――』
https://i.imgur.com/BtOBohC.jpg
……
…………
599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:05:13.99 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
フレデリカ『フレデリカビーム!!』ドシュゥンッ!!
美嘉『奏!』ドガガガガガッ!
GS型「!?」ギュンッ!!
GS型「!!」ドガアアアアンッ!!
周子『おーおー、ギリギリセーフってとこ? 志希ちゃん!』
志希『フィールド発振機展開して、イージスフィールド起動。あんまり長持ちしないから急いでね』
奏「貴方たち……」
ピピピッ!
フレデリカ『奏ちゃん生きてる?』
美嘉『ハッチ開けて、コレ持ってきたから!』ガコンッ!
https://i.imgur.com/oTbmDzl.jpg
奏「これ……って」
パシュンッ! パシュンッ!
奏「ヴァルキュリア……私の……」
周子『持ってくるの大変だったんだからさー、落ちないように乗り換えといて』
志希『あ、引っ張って来たけど補助AI使って本体も飛ばしてるから、乗り込んだ後はAI切っちゃってね』
美嘉『急いで奏、まだ終わってないよ!』
奏「……」
フレデリカ『ゴーゴー!』
奏「……ええ、少し待って頂戴」
パシュンッ!!
……
…………
600 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:05:55.86 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
ガションッ!
奏「待機状態のシステム起動、補助AI停止、標準兵装リストの疎通確認、NGF-VS23SXシステムチェック完了」カタカタカタッ!!
ピピピッ!
志希『いける?』
奏「ええ、置いて行ったときのままよ。問題ないわ」
周子『それじゃーあたしたちも頑張ろっか。あのデカいの2匹何とかできれば、前線も持ち直せるだろうし』
美嘉『行くよ奏、フレデリカ!』
フレデリカ『よーし、パパっとやってプロデューサーたち助けにいこー!』
志希『あ、シューコちゃんはあたしのことちゃんと守ってね』
周子『はいはーい……またお守りの仕事に戻るのでした、と』
奏「まったく、貴方たちは……まあいいわ」ガションッ!
奏「それじゃあ……LiPPS、行くわよ!」
https://i.imgur.com/RtSRWMY.jpg
……
…………
601 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:06:36.71 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/XlmxuTA.jpg
GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GL型「……!」ドシュシュシュッ!!
蘭子「くっ! 我が一撃を受けてもなお……!」ズドォンッ!
GL型「……」バシュウウウウウ……
千秋『バリアによる防御……智絵里さんや安部中尉みたいに、接近すれば……!!』
美嘉『それならこっちに任せて!』ギュンッ!!
フレデリカ『クール・タチバナのスゴイマニューバ!!』ガションッ!
ドガガガガガガッ!!
GL型「!!」ギュンッ!
GL型「!!」ギュンッ!
美嘉『よし、食いついた!』
フレデリカ『いやー、やっぱりこれ練習しておいてよかったー』
千秋『貴方たち……!』
奏『ニュージェネは私たちとポジションを交換して! 他の白蜂は任せたわ!』
未央『えええっ!? い、いやいいけど……』
愛梨「奏ちゃん、LiPPSに……それじゃあ!」
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:07:13.27 ID:68gYMTWg0
周子『それじゃ1回で決めちゃおっか。いくよ志希ちゃん!』
志希『データ採取に外に出たはずがこんなことに……まあやるしかないかー』ギュンッ!!
蘭子「え、どうするの?」ギュンッ!
奏『こうするのよ……! 美嘉、フレデリカ、マニューバプランY09!』
フレデリカ『ミサイルだぞーもってけー』ボシュシュシュシュッ!!
美嘉『撃てるだけ全部、ここで!!』ボボボボボボシュンッ!!
愛梨「だ、ダメですよぉ! ミサイルの波状攻撃でもバリアで……」
奏『これでいいのよ、今よ!』
https://i.imgur.com/pKJXdqS.jpg
周子『はいはーい、志希ちゃんいくよ! 引っ張っていくから暴れないでよ!』ガションッ!!
志希『とつげーき!』カタカタカタカタッ!!
フレデリカ『今、志希ちゃんは風になる……』
志希『いやー、死にたくないんだけどねー?』カタカタッ……
志希『よし出来た。イージスフィールドの構成変更、ウサミンがやってたの見てたから多分これでオッケー』
周子『はい、目の前にお届け』ギュンッ!
GL型「!?」ガゴォンッ!!
志希『いやー、大きいねーキミ。バリアとか張れるってことは、やっぱりこの星の大気に影響受けてそうやって進化していったんでしょ?』
志希『だからさー……むふふっ、この距離でイージスフィールド展開して粒子制御すれば、バリアも張れなかったりする?』ピッ!
603 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:07:45.71 ID:68gYMTWg0
周子『今だよ!』
蘭子「刹那の光……愛梨ちゃん!」
愛梨「はい! 高圧縮粒子砲リントヴルム照準……」
早苗『ナイスタイミングよ! ティルウィング1番照準!』
琴歌『追いつきましたわ! ターゲットロックです!』
ピピピピッ!
愛梨「撃ちます!」
早苗『持ってきなさい!』
琴歌『発射!!』
ズドドドドドドドドドドッ!!
志希『ちょっ、戦艦までは聞いてな――』
ドガアアアアアアアアアアンッ!!!!
フレデリカ『志希ちゃーん!!』
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:08:43.90 ID:68gYMTWg0
ピピッ!
千秋『GL型2匹の反応、消滅……これで終わりね……!』
卯月『よ、よかったぁ……』
志希『いやー……あたしは良くないっていうか、誰か助けて、うん……』ビビーッ! ビビーッ! ビビーッ!
愛梨「ご、ごめんなさーい……ちょっとやり過ぎたかも……」
奏『とりあえず、志希は回収しないと……この空の風に流されてしまいそうね……』
美嘉『いやそれはシャレにならないって……』
蘭子「と、とにかく……動ける機体で編成を組んで、私たちも前線を超えてP少佐たちのところに……」
https://i.imgur.com/dGRwDe7.jpg
……
…………
605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:09:36.65 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
楓『ルートプランを提示します。空の巣と地上の巣、展開している白蜂の状況から軸上のポイントを経由して飛行してください』
奈緒「ギリギリ手薄になっているポイントに飛び込むか……よし!」ギュンッ!!
加蓮『私の機体だとこれ以上の速度は……!』ドガガガガガッ!
菜々『ナナもここに来るまででウサミンロボに無理させちゃいましたから何とも……やっぱりP少尉とダブル奈緒ちゃんで向かってください!』
ナオ『分かった。ルートの確保は任せる』ドシュゥンッ!
P『ある程度の距離まで詰めたらこっちは先行します。あと中尉、今の俺は少佐です』
菜々『うぐぅっ……い、いやぁ、若い頃の記憶が蘇ってきちゃいまして……』
奈緒「んな話してる場合かよ!」
G型「!!」ギュンッ!!
P『っとそうだった。この後は突破力が必要になる。ダブル奈緒、ドッキングだ!』
奈緒「よしきた任せろ! 行くぞナオ!」
https://i.imgur.com/Mb7RnH5.jpg
ナオ『VDPS01Fをドッキングモードに移行! 兵装展開、02Sとのポイント接続!』
奈緒「速度調整、背面ユニット展開!」
ナオ『行くぞ!』
奈緒「ああ! これがあたしたちの……!!」ギュオオオオオオオッ!!!!
「「合体!!」」
プッピガン!!
ナオ『完成!!』
奈緒「VDPS00FSヴァルキュリア、ドッキング完了!!」
ガションッ!!
奈緒「行くぞみんな!」
606 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:10:57.87 ID:68gYMTWg0
菜々『ARGTの全兵装展開! 加蓮ちゃん、飛行ルートのポイントに全部飛ばしますよ!』
加蓮『はい! 複装ビーム砲塔展開、ウィングバインダーのバルムンク、照準!』
菜々『ウサミンミサイルもウサミンビームもとにかく全部ぶっ放します! ウサミンフルバースト!!』ボシュシュシュシュシュッ!!!!
加蓮『Pさん! 奈緒! 行って!』ズドドドドドドッ!!!!
菜々『元部下に道を作ってあげるのも元上官の仕事です!』ズドォォォォンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
P『火線に合わせて飛ぶぞ、奈緒!』ガションッ!
奈緒「ああ! 今度こそ……!」カタカタカタッ!
ナオ『高機動モードに移行!』
『―H.I Maneuver Mode Migration―』
ドシュウウウウウウウンッ!!!!
菜々『速っ!?』
https://i.imgur.com/3aPbgWZ.jpg
……
…………
607 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:12:00.44 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/GHGlPq0.jpg
奈緒『巣を超えた、Pさん!』
P「クイーンを確認した。もう少しだ、皆……!」
ピピピピピッ!
ナオ『レーダーに反応……奈緒! あいつだ!』
奈緒『地上の巣から……あれは!』
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
P「あの巨体は……まだいたのか……!!」
奈緒『Pさんは先に行け! ここはあたしたちで抑える!』
P「頼む!」ガションッ!
ギュオオオオオオオッ!!!!
https://i.imgur.com/T4jnttN.jpg
奈緒『ナオ、一撃で決めるぞ!』
ナオ『ああ! 拡散粒子ミサイル、フローティ発射!』シュバババババァンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
GL型「!?」
ナオ『動きを止めた! 奈緒!』
奈緒『デュランダル!!』ブォンッ!
ズバアアアアアアアッ!!
GL型「……」ブ、ブブブ……
ドガアアアアアアンッ!!!!
608 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:13:01.20 ID:68gYMTWg0
https://i.imgur.com/PFFokml.jpg
ナオ『あのとき、あたしたちは一度は選んだ……』
奈緒『だけど、もう二度と諦めない!』
ナオ『あたしたちの命と、お前たちの命も!』
奈緒『そうだ! その為にあたしたちはここにいるんだ! そうだろ!』
「「Pさん!!」」
https://i.imgur.com/rKzK4di.jpg
P「ああ、その通りだ! 借りるぞ麗奈!!」ガションッ! カタカタカタッ!! ピッピッピッピッ!
『―Limit Over Blazing Storm―』
ドシュウウウウウウンッ!!!!
P「うおおおおおおお!!!!」
P(そうだ、俺の……俺たちの願いは――!)
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:13:30.56 ID:68gYMTWg0
ガションッ!!
女王「……」
P「……」
https://i.imgur.com/oxkLUUR.jpg
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:13:56.92 ID:68gYMTWg0
P「……ようやく、お前の元に来ることができた」ピッ、ピッ
パシュンッ! パシュンッ!
ピピッ! ガコンッ!
晶葉『おい助手!? ハッチを……』
ビュオオオオオオッ!!
P「……」
奈緒『Pさん!』
G型「!!」ズドォンッ!!
P「――」
ドガアアアアアンッ!!
奈緒『しまった!?』
ナオ『ヴァリアントが……!? いや、Pさんは……』ピピッ!
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:14:23.97 ID:68gYMTWg0
女王「……」
P「……」
ナオ『クイーンがバリアを……Pさんを、守ったのか……?』
奈緒『……ナオ、あたしたちはヴァリアントを』
ナオ『……ああ』
P「……俺を、守ってくれたのか?」
女王「……」
キィィィィン!
P「今なら聞くことが出来る。お前の声が……皆が、俺をここまで導いてくれた。一緒に、来てくれたんだ」
女王「……」
P「聞こえるか? 皆の歌が……お前たちのことを祈っている。アインフェリアの皆だけではなく、ここにいる人間、ビーたちが……」
キィィィィン!!
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:15:07.33 ID:68gYMTWg0
美波『私たちは生きているの、この世界で……生きる意志が、未来に繋がると信じているの』
文香『同じ世界で……命を育み……穏やかで、平和な世界に生きることを……望んでいます』
藍子『みんな一緒なんです。私たちが貴方に会いに来たのも、それを伝えるため』
夕美『私たちも、貴方も、貴方の大切な子どもたちも、同じ命……大切なものも、同じなんだよ』
ありす『終わりに続くしかない、悲しい旅はこれで最後です。もう、私たちの答えは、決まっているんですから』
P「……そうだな。俺も、皆と一緒だ」
女王「……」
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:15:50.71 ID:68gYMTWg0
P「……以前、奈緒が話したそうだな。俺たちは、互いの世界で生きていける、と」
女王「……」
P「だが、訂正しよう」
P「確かに、俺たちが同じ場所で生きていくことは、難しいのかもしれない」
P「だが……同じ未来に向かい、歩いて行くことはできる。今なら、選ぶことができる」
キィィィィン!!
P「共に生きよう。たとえ困難だとしても、俺たちが同じ世界で生きていく為に……」
女王「……!」
ナオ『Pさん……みんな!』
奈緒『……ああ、そうだな。それが、あたしたちが選ぶ……未来』
……
…………
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:16:38.18 ID:68gYMTWg0
――ノルンM-01(メインブリッジ)
ちひろ「白蜂の動きが……停止していく」
ピピッ!
大佐『どうやら……ついにやったようだな』
琴歌『停戦信号、確認出来ています! 奈緒さんたちのNGFからですわ!』
楓『はい、アインフェリア、ラピッドストライカー……各部隊、現時点をもってプランV3を完遂しました』
時子『そう……終わったのね』
楓『はい。終わりました……みんなが、終わらせてくれました』
大佐『……見ているか、黒井。この星を……美しい、果てまで続く青い空を』
菜々『黒、ちゃん……』
……
…………
………………
……………………
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:17:31.32 ID:68gYMTWg0
――惑星B、地上
女王「……」
P「……ここがお前たちの星か。青い空に、草も花も……咲き誇っている」
P「それでも、お前たちにとっては住むことの難しい星、ということなのか」
ヒュオオオオオ……ガションッ!
P「ヴァルキュリア? ヴァリアントを……そうか、乗り捨ててしまったままだったか」
パシュンッ!
奈緒「Pさん!」
ナオ「無事だったかー!?」
P「ああ、無事だよ。クイーンが俺を守ってくれた」
ナオ「なーにが守ってくれた、だよ」
奈緒「ここまで運んでくれたヴァリアントを乗り捨てるとか、晶葉に怒鳴られるぞ? 結局ぶっ壊したし……」
P「そうだったな。ヴァリアント……ありがとう。今度は、最後まで俺についてきてくれて」
616 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:18:04.58 ID:68gYMTWg0
奈緒「ははは……そうだ、クイーン」
女王「……」
奈緒「……この前、あたしはあんなことを言ったけど……やっぱり、あたしも諦めたくなかった。お前も……応えてくれて、ありがとう」
女王「……」
ナオ「お、フレイヤとフレイが降りてきたぞ。さすが、あの2隻は降りてくるのが早いな」
奈緒「凄い勢いでこっちに向かって走ってきてるけど……」
「「「「「Pさん!!」」」」」
P「皆――」
「「「「「バカッ!!」」」」」
P「うおおおっ!?」
ドサドサドサッ!!
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:18:38.26 ID:68gYMTWg0
P「……」
美波「……」
文香「……」ギュッ
夕美「……バカ」
P「……どうした?」
藍子「私たち、今すごく怒っているんですよ」
ありす「あれだけ、一緒にいたのに……私たちを置いて、1人で行こうとしたんですから」
P「……すまなかった」
文香「貴方が、傍にいてくれたからこそ……私たちも、ここまで来ることが……できたんです」
美波「それなのに……本当に、バカな人……」ギュッ!
618 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:19:50.60 ID:68gYMTWg0
かな子「み、みなさーん! 寝転がって……」タッタッタッタ……
千秋「まったく……まだ慌ただしいのに、呑気なものね」
智絵里「はぁ……生きててよかった……」
翠「ふふふっ。ですが、これが私たちらしいですね」
凛「本当に。でも、仕方がないかな、こんな蒼い空を見たら……」
卯月「すごく綺麗で……地球も、こんな綺麗な空なんでしょうか?」
蘭子「うむ……我が魂の還る場所と違わぬ、荘厳な世界よ」
愛梨「あっ、奏ちゃんたちも降りてきましたよ」
未央「あーらら、みんなぞろぞろと来ちゃって」
志希「はー……生きてるって素晴らしいねー♪」
美嘉「ここが……フレデリカの、住んでいた星……」
フレデリカ「そーそー。すっごく久しぶりだけどねー」
周子「ええとこやん。でも、フレちゃんたちのご飯は、なさそうやね」
奏「まったく、貴方たちは……あそこの人たちと負けず劣らず、呑気なんだから」
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:20:53.33 ID:68gYMTWg0
周子「おっ、きたきた」
志希「家出隊長のお戻りーなんちゃって♪」
美嘉「かな――」
奏「ストップ……ごめんなさいね、いなくなったりして。貴方たちは……仲直りできたのかしら?」
フレデリカ「……チラッ、チラッ!?」
美嘉「……うん、バッチリ★」
フレデリカ「やったー! 美嘉ちゃんだーい好き♪」バッ!
美嘉「わわっ!? ちょ、ちょっと! いきなり抱きつかないでよ!」
奏「そう……それなら、よかったわ」
周子「おーおー、元気なことでまぁ」
志希「で、アタシたちのボスは何やってんのー?」
奏「はぁ……あそこよ」
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:22:03.20 ID:68gYMTWg0
ありす「あなたは、本当にもう……いなくならないでって、言ったじゃないですか」
P「ああ、もういなくならないよ。心配かけた」
夕美「ホント、心配ばっかりかけて……あーあ、私たちも頑張ったんだし、これじゃあたくさんご褒美もらわないとねー?」
P「……」
文香「はい……そうですね……今度は、何をお願いしましょうか……」
P「……昔」
藍子「え?」
P「……昔、地球で、小さい頃……1度だけ、親に連れていってもらった場所があるんだ」
P「丘の上から、海が見える……大きな教会がある場所。今も、残っているのかな」
P「……そこで、いいか?」
美波「Pさん……それって……」
P「俺の……願い……ずっと、一緒に生きていきたい……皆と、これからも……ずっと、ずっと……ダメか?」
藍子「……そんなこと、ダメなんて言うはず、ないじゃないですか」
ありす「ずっと一緒です。これまでだって……これからも、ずっと」
P「……ああ」
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:22:45.59 ID:68gYMTWg0
桃華「まあ、Pちゃまったら!」
楓「これはとっても大変な発言ですね。法律無視ですよ? 何重婚になるんでしょうか?」
琴歌「指で折っても、数えきれないほどですわね。ふふっ、でも、どうしてでしょう? 私は、とても楽しい未来が見えてきそうで……」
楓「美優さんは……どうですか? あの人のあんな発言、許しちゃいますか?」
美優「……楓さんは、許せませんか?」
楓「どうでしょう? でも、私もいい大人ですから、ね?」
美優「そうですね……私も……あの人と一緒に、幸せであれば……ただ、それだけで……」
……
…………
………………
……………………
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 02:28:17.80 ID:68gYMTWg0
次で最後と言った気がしますがあれは嘘です。
時間が遅くなったので次に持ち越します。
残りの分を少し投下したら全部終わりです。
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/16(金) 19:15:23.01 ID:F0wZ8pvCo
乙
大団円
624 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:38:13.01 ID:S/pxFJ/S0
――半年後、木星圏、ナシヤマ、オート・クレール社(オフィス)
「博士、こっちのケースはどうしますか?」
晶葉「ハマヨコに送り付ける。向こうの部署は黒川重工とオフィスは囲むし、うちのほうは規模縮小だからな」
「それじゃ郵便に入れときますよ」
晶葉「ふう……」
楓「……ちょっと、事務所も広くなりましたね」
晶葉「そうだな。次元振動の観測とプロジェクト・ヴァルキュリアの参加、新規兵装の開発……うちの部署はデカい案件ばかり抱えていたからな」
晶葉「新規兵装については、ハマヨコの部署に引き継いだし、まあその分、空間構成情報の修復については重点的に対応していかなければならないが」
楓「戦闘機の開発自体は仕事残ってますけどね」
晶葉「そりゃそうだ。ビーたちとは何とかなったが、今後来るかもしれない外宇宙の脅威に対しては準備しておかなければならん」
晶葉「次元崩壊に対しての対応もあるし、星にいなかった白蜂たちがこちらに来ることもある……もうしばらくは仕事には困らんだろ」
楓「そうですね。でも、女王様もこっちにいますし、そのうち何とかなりますよね」
晶葉「何とかしてくれると、こちらも助かるんだがな……そういえば、助手はどうした? 今日は軍本部に行くとは言ってたが、こっちに戻ってくるとは聞いていないんだが」
楓「ええ、それなら多分、そのうちこっちにも顔出してきますよ。今日はナシヤマの防衛任務に出てますから」
晶葉「珍しいな。非常勤になって防衛任務の編成に入ったのか。何かあったのか?」
楓「まあ防衛任務はこじ付けですよ。今頃、サボってるんじゃないですか?」
……
…………
625 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:39:47.39 ID:S/pxFJ/S0
――木星圏宙域
『最新のユエルについては番組内で交渉して、試乗されたとお聞きしていますが……』
『そうなんですよ! いやぁ、まず凄かったのは何といっても――』
ピッ!
P「……つまらん番組が多いな。上田大尉の出るチャンネルはないのか」
ピピピッ!
P「ん?」ピッ!
奈緒『なあ、Pさん』
P「どうした?」
奈緒『仕事サボるのはまあ……あんまりよくないけど、それにしても宇宙に出ることはないだろ……』
P「まあ、いいだろ。白蜂の対応機会も大幅に減少しているし。それに……しばらくこうして飛んでなかったからな」
奈緒『何であたしまで付き合わされてるんだ……まったく……』
P「……すまなかったな」
奈緒『ん? ああいや別に、あたしもしばらくNGFに乗ってなかったし、たまにいいよ』
P「そっちの話ではなくてお前のことだ。結局、自分の世界に戻れる目途も立たないまま、ここに残ってもらうことになってしまった」
奈緒『あー、まあクイーンの空間転移で起きた次元断層でも、あたし引っ張られなかったからなぁ』
626 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:40:23.07 ID:S/pxFJ/S0
奈緒『晶葉と志希が言ってたよ。あたしがこっちの世界にいる時間がそれなりに長くなって、この世界との繋がりが余計に強くなったからかもしれないって』
P「時限跳躍が実用段階まで進んだら、お前を元の世界に帰してやれるんだがな。いまは、こちらから直接別の次元に転移するための技術が出来ていないが」
奈緒『ま、そこら辺は白蜂の転移頼りだったし、そのうち出来るようになるだろうし……それまでこっちで何してようかなー』
P「長距離航行プランが終わってからあまり時間も経っていないが……何かやりたいことがあるなら、好きにしていい」
P「軍に残ってもいいし、博士の伝手でオート・クレールに移って内勤でもいいし、他のことでも、やりたいことがあるならやっていいぞ」
奈緒『好きにしていいって言われてもな……いっそI@LP受けてこっちの世界でソロデビューでもするか?』
P「ナオがいるからそれは……どうだろうな。セカンドドライバーでいるなら出来るとは思うが」
奈緒『仮面付けたままのアイドルって多分無理だぞ』
P「ああ……まあ、I@LPで落とされるか」
奈緒『まあ、しばらくはこのままでいいよ。あたしより、Pさんのほうが大変だろ?』
P「……なんとかなる」
奈緒『その声は何ともならない声だぞ……頑張れ』
……
…………
627 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:41:07.39 ID:S/pxFJ/S0
――土星圏宙域、フレイヤU(ブリッジ)
未央「ふわああああ……眠い……」
凛「ちょっと未央、まだ仕事中」
未央「ごめんごめん……ていうか私はあくびで済んでるけど、あっちは……」
愛梨「……」スヤスヤ
卯月「起こしたほうがいいですよね……」
凛「ここで居眠りする愛梨なんて初めて見たけど……」
蘭子「昔はね……もっと酷かったの……いまは立派になって、ずっと大変だったから……少しくらいは……」グスッ、グスッ……
卯月「そ、そうなんですか……」
凛「……ま、哨戒任務もこれで終わって、ホクドウで整備すれば後はハマヨコに戻るだけだし」
未央「あっちは今頃、バタバタしてるのかねぇ」
卯月「アインフェリアも、ブリヤントノワールもしばらくいなくなっちゃいますし……翠さんたちのお仕事、引継ぎ多いなぁ……」
凛「蘭子も早く戻りたいでしょ?」
蘭子「うむ。我と偶像の象徴だけ出遅れてる……」
未央「まあまあ、長い休暇になるだろうし、その前の最後の仕事だと思ってさ」
凛「それに私たちも、そのうち誰かにこの仕事押し付けることになるだろうしね」
愛梨「うーん……P、さ……」スヤスヤ
……
…………
628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:42:12.70 ID:S/pxFJ/S0
――ホクドウ、軍本部(通路)
『今日のリハビリで階段も降りれるようになったから、もうちょっとで外に出られるって!』
『外出許可貰って外出られるようになったら、お姉ちゃんと一緒に行きたいところいーっぱいあるから、ちゃんとこっちに来てね☆』
ピッ!
美嘉「……」
フレデリカ「容疑者をはっけーん!」ガバッ!
美嘉「ってうわっ!? な、何すんのよ!?」ビクッ!
フレデリカ「なーにやってるのー? 美嘉ちゃーん、白状しろー」グリグリ
美嘉「もー……莉嘉からメール。もうそろそろで外で歩けるようになるって」
フレデリカ「ワオ! それじゃあみんなで遊びにいかないとねー。休暇申請ってどうやって出すの?」
奏「あら、もしかしてタイミング悪かったかしら?」
美嘉「あ、奏。異動の手続き終わった?」
奏「ええ、部隊分まとめて出したわ。ニュージェネも出してるって言ってたし……しばらくはナシヤマでゆっくり出来そうね」
フレデリカ「みんな元気かなー。プロデューサーも無事かなー?」スリスリ
美嘉「ってちょっと! あんまりくっつかないでよ恥ずかしいんだから!」
フレデリカ「えー」
ナオ「……なーにやってんだか」
加蓮「いつものことでしょ」
629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:42:41.59 ID:S/pxFJ/S0
志希「若いっていいねー」
周子「あたしらも若いから」
志希「っていうかあたし、いつになったらこの仕事辞めれるのかなー。失踪したくて仕方がないんだけど」
周子「ホントに失踪する気ある?」
志希「にゃははははっ♪ あたしもナシヤマ帰ってジョブチェンジしようかなー」
ナオ「戻って来てからもそれなりに忙しいけど、この時期にあたしたち全員ナシヤマに行くからな……まあ、大佐が上手く調整してくれたみたいだけど」
加蓮「ま、これで大佐が調整できなかったらアインフェリアとブリヤントノワールに袋叩きにされた後に、Pさんにもやられそうだったしね」
ナオ「だな……はぁ、そろそろ戻る準備しないとな。菜々さんもちゃんとやってるんだろうか……」
……
…………
630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:44:16.67 ID:S/pxFJ/S0
――夜、ナシヤマ、郊外、P家(Pの部屋)
菜々「あっ、あっ、あっ、あっ!!」ガタガタガタガタッ!!
P「……はい」
菜々「あっ、あっ……ああああああのですね、その! お、お……おばさんですみませんでしたぁ!!!!」
P「JKじゃなったんですか」
菜々「勤続年数知ってるじゃないですかぁー!!」
P「いや知ってるけど……今更というか……ていうか、今までよくゾーニング現象我慢出来てましたね」
菜々「そっ、そんな……そんなの気合と根性で何とかしてたに決まってるじゃないですか!!」
P「いや星から戻るのに3ヶ月掛かって、こっちに戻ってからもしばらく経ったぞ……同じ耐性無しのナオも昔は酷かったのに」
菜々「だ、だって……だってぇ……いや、こうなるって覚悟決めてヴァルキュリアシステム積んでもらったんですけど……」」
P「……今は大丈夫なんですか?」
菜々「そ、それがですね……その、こういう空気といいますか、夜だからといいますか……なんというか、その、結構……」
P「まあ、そりゃそうか……」
菜々「このまま我慢してもいいんじゃないかと思ったんですけど、さすがに限界を迎えて緊急搬送されたとなればもう……みなさんからもメチャクチャ言われちゃいましたし……」
631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:45:58.96 ID:S/pxFJ/S0
楓『いいですか菜々さん、私たちよりも年齢的にもうギリギリなんですから、私たちのことは気にせず一発ヤッて成功させてきてください』
美優『そうです……Pさんは、その、そっちの命中率は悪いので……私たちからも、よく言っておきますから……』
楓『むしろチャンスだと思って、今日は無理でも遅くても今年中には作っちゃったほうがいいです。後でどうにでもなりますし』
P「うん……まあ……」
美波『いいですかPさん! 今回のゾーニング現象の解消は今までとは違うんですよ!!』
千秋『菜々さんのことを考えたら、ここで済ませてあげないと後が大変なのよ! 貴方、今回は今までで一番重要なセックスだって本当に分かっているの!?』
夕美『年齢的にも菜々さんはこれ以上無理しちゃうと体も悪くしちゃいそうだし、Pさんが頑張ってあげないとダメなんだからね?』
文香『もしくは……菜々さんが羞恥心を忘れるほど、激しくするのもいいかもしれません……』
ありす『まあ今晩だけで成功させろ、というのは無理があると思いますので、私たちもそこまで厳しく言うつもりはありません。ですが失敗したら見損ないます』
桃華『Pちゃま、今回は菜々さんのことを第一にお考えになってくださいまし!』
藍子『菜々さんが病院でこっそり避妊治療受けていないかは確認していたので大丈夫です。当ててきてくださいね』
翠『ま、まあまあ、みなさんも落ち着いて……』
琴歌『そうです、これではP様も緊張してしまいますわ』
かな子『菜々さんも美味しそうですから大丈夫ですよね、Pさん?』
P「あいつらマジで好き放題言いやがって……」
632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:46:53.43 ID:S/pxFJ/S0
菜々「は、ははは……」ハァ、ハァ……
P「まあ……」スッ……
菜々「うひゃああああおおおおおっ!?」ビクッ!!
P「なんですかその声は……」
菜々「いぃ、いきなり肩を触られるのはですね! あのですね! こう、抑えている何かが!! 崩れそうで!!」ハァッ! ハァッ! ハァッ!
P「……まあ、それじゃあゆっくりやりましょうか。昔話……でもしながら」
菜々「は、は、はい……そ、その……あの……」
菜々「や、優しく、してくださいぃぃぃ……」
……
…………
633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:47:38.25 ID:S/pxFJ/S0
――1ヶ月後、ナシヤマ、軍本部(会議室)
大佐「……以上が、プロジェクト・ヴァルキュリアの今後の体制となる」
大佐「協力してくれているオート・クレール社についても、今後も晶葉君のチームで対応してもらうこととなっている」
大佐「実働部隊については、実質的に規模縮小となるが、ビーたちの星から土星圏までのインフラ整備、クイーンの受入れが終われば次元振動問題の対応も本格的に入ってくる」
大佐「今後についても大変だとは思うが、これまで通り頑張ってもらいたい。私から以上だ」
P「先程の大佐の話の通りシステム稼働限界を考慮し、アインフェリアとブリヤントノワール、シンデレラガールの2人は長期離脱となる」
P「ニュージェネレーション隊とLiPPS隊については業務が増えてしまうが、ナシヤマ勤務に移ったことで俺や高垣中佐、三船少尉と連絡が取りやすくなった」
P「必要であれば業務工数の範囲内で手伝うことは出来るから、業務中、もしくは業務後の家の中でもいいから遠慮なく相談してくれ」
未央「了解です!」
奏「了解」
美優「私は管制塔にいますけど……」
楓「私とPさんは普段はオート・クレールの事務所にいますから、暇なときは遊びにきていいですよ」
晶葉「まああんまり使われるとこっちも困るからな、程々で頼むぞ。あと楓、暇なら仕事増やしてやるぞ」
634 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 04:59:07.79 ID:S/pxFJ/S0
P「さて、事務的な話はこれで終わりだ。最後に良い話だ」
加蓮「良い話?」
P「長距離航行プランにおいて、戦闘及びプランV3を完遂したことによる勲章の授与が来ている」
P「プロジェクト・ヴァルキュリア全体としての勲章はこれが初めて……実質的には2度目ではあるが、貰うのは初めてだな」
美波「対話の日は、色々あって辞退しましたからね」
P「戦闘実績についての勲章もある。小隊単位での授与がラピッドストライカー隊、コンコルディア隊だ」
智絵里「えええっ!?」
フレデリカ「おースゴイねーコッコ隊」
未央「さすがちえりん! よっ、このスーパーエース!」
菜々「ラ、ラピッドストライカー隊も、ついに勲章をもらえるようになるなんて……ううっ!」
ナオ「ほらほら菜々さん、そんな泣かなくても……」
卯月「今更ですけど、コンコルディア隊ってプロジェクト外の部隊なのに普通に混ざってますよね」
千秋「おめでとう、智絵里さん」
智絵里「え……えへへっ……時子さんも、喜んでくれるかな……?」
周子「内心ガッツポーズしてるとか、そんなんだと思うよ」
P「個人単位での授与は十時愛梨大尉、神崎蘭子中尉だ。2人はプロジェクトに参加しているとはいえ、小隊登録自体は無いままだったからな」
蘭子「うむ、栄誉の証よ」
愛梨「よかったですねー、蘭子ちゃん」
奈緒「おめでとう。愛梨も蘭子も、2人にはかなり頑張ってもらったからな」
635 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:01:34.41 ID:S/pxFJ/S0
P「以上で勲章の話は終わりだ。最後に……奈緒」
奈緒「え、あたし?」
P「今更……と思うかもしれないが、いい機会だ」
P「これまで、俺たちは長いことお前に助けられた」
P「アインフェリア隊の長期離脱からクイーンとの対話、そして長距離航行プラン。別の世界の民間人であるお前を戦わせたことは、今でも少なからず思うことはある」
P「だが奈緒、お前は俺たちと共に戦い抜いてくれた。今日この日があるのは、アインフェリアがクイーンと対話することが出来たのは……お前がいてくれたからこそだ」
美波「奈緒ちゃんが、私たちの分まで戦ってくれた……だから、私たちは歌い続けることができた」
ありす「はい。あなただからこそ、Pさんと一緒に、私たちの想いを届けてくれたと思っています」
藍子「思いを届けることができて……みんなと一緒にここにいられることが、私たちの幸せです」
文香「私たちは全員、奈緒さんに導かれました……そう、あのとき……同じ未来を願っていたからこそ……」
夕美「だから……ありがとう、奈緒ちゃん」
P「奈緒がいなければ、この結果に辿り着くことは出来なかった。お前は……俺たちの誇りだ」
奈緒「……」
加蓮「……ほら、奈緒」
ナオ「なんか言うこと、ないのか?」
奈緒「……その、なんだ。改まってそんなこと言われると、恥ずかしいっていうか……」
奈緒「だから、あたしこそ、ありがとう。みんなと出会うことができて、一緒に戦うことができて……本当によかった」
P「ああ。俺も、お前と出会うことができてよかった。ありがとう」
……
…………
636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:05:36.25 ID:S/pxFJ/S0
――ナシヤマ(共同墓地)
菜々「……お久しぶりですね。麗奈ちゃん」
菜々「結構、お墓も綺麗ですね。共同墓地ですし、ちゃんとしてくれてるのかな……」
菜々「……ずーっと長い間、今日まで戦ってきたって、なんだか信じられませんね」
菜々「昔は、麗奈ちゃんや黒ちゃんがいて、Pさんがいて、楓さんがいて、美優さんがいて……」
菜々「その後は、ナオちゃん、加蓮ちゃんがいて」
菜々「最後は……みんなで、一緒にいることができたんです」
菜々「麗奈ちゃんとも……もっともっと、一緒にいたかったって、思ってます」
菜々「だけど、私の中で大切なものがたくさんできて、きっとそれは、麗奈ちゃんに頼ってばかりじゃダメなことで」
菜々「これからはPさんと、みんなで、大切なものを守っていかないと」
菜々「でも私、ちょっと怖がりですから……どこかで見守っていてくれたら、嬉しいです」
菜々「……今日は、風の設定が強い日ですね」
菜々「さて……と、それじゃあそろそろ行きますね。みんなにはナイショで、今日はこっそり来ちゃいましたから」
菜々「……今度は、みんなで来ますね」
……
…………
………………
……………………
637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:07:52.14 ID:S/pxFJ/S0
――???
「ねえちょっとアンタ」
「はーい、どうしましたか?」
「アンタ、勝手にあの世界に手出したでしょ」
「あ、やっぱり気づいちゃいましたか? お助けしたほうがいいかなって思って、私としてはこっそりやったつもりだったんですけど……」
「当たり前でしょ。アタシを誰だと思ってんのよ」
「……何度も、何度も、見ていました。あの世界の、最期を」
「あなたの力があっても、覆らなかった結末。数ある世界の中でも、これほどまでに救うことが出来ないと思った世界」
「……アタシが出張っても、助からない世界があるなら、それまでの世界だったってことよ」
「そうかもしれません。それは……無数に出来た世界のうちの、小さな1つの出来事ですから」
「で? 今はどうなの、いい夢は見れるようになったのかしら?」
「ふふっ♪ 見れるようになったと思いますか?」
「アンタの顔見てれば、大体わかるわよ」
「あら、顔に出ちゃいましたか? 恐らく、あなた以外の力、偶然の1つ……それが、小さな奇跡になったのかもしれませんね」
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:09:07.22 ID:S/pxFJ/S0
「そう……珍しいこともあるもんね。何もないならよかったんじゃないの?」
「もしかして結構気にしてました? お気に入りの世界だったりします?」
「……ま、意外と根性ある奴等ばっかりだったし、そこは褒めてアゲルわよ」
「そうです、平和が一番ってことです♪ 次はどうしますか?」
「さっさと次の仕事に行くわよ。それが、アタシの役目でしょう?」
「そうですけど……うーん、次の世界……あっ、そうです。こんな世界があったんですけど……」
「……アタシの世界と似てるトコね。あれ、あのシンデレラガールもいるじゃない」
「他にも危ないかなーって世界はいくつか見つけたんですけど……どうしますか?」
「どこでもいいわよ。とりあえずここに行くわ。ほら、早く送りなさい」
「はーい、それじゃあ気を付けてくださいね」
「誰に向かって言ってんのよ。忘れたの? アタシは……」
「人類最強……いえ、全次元最強なんだから」
……
…………
………………
……………………
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:09:40.99 ID:S/pxFJ/S0
……………………
………………
…………
……
640 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:12:07.88 ID:S/pxFJ/S0
「ちいさなーひかーりをー……むねにだーいーてー……」
「あおぞらーへと、とーばーそーうー、きーぼーうのーたねー……およ?」
「どうしたのー? ベイビーたち、お散歩に出て元気いっぱいだねー?」
「……うーん! 今日もいい天気ー。雨の予定、まだ先だもんねー」
「こんなにいい天気で……あったかくて、気持ちよくて……」
「……ん、もうこんな時間になっちゃった。ママたち帰ってくるし、先におうちに戻ってお留守番してよっか!」
「キミたちのパパはいつ帰ってくるのかなー? まあでも、真っ先に飛んで帰ってくるかな?」
「よいしょっ……うーん、みんなのカゴも重くなってきたねー。みんなが大きくなったら、アタシはどうしよっかな?」
「いつまでも、みんなと一緒に、のんびり楽しく生きていきたいなー……ずっと、ずーっと……」
「さて、おうちへかえろーかえろー♪」
641 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:12:43.89 ID:S/pxFJ/S0
「フーンフンフフーンフーンフフーンフンフフーン……」
――
――――
――――――
――――――――
642 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 05:18:48.26 ID:S/pxFJ/S0
おしまい
多分、11スレ+6スレ分くらいやりました。もう終わりです。
HTLM化依頼出して終了。
643 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 05:31:11.97 ID:S/pxFJ/S0
(くそ長く続けたし後書きくらい書いてもいいか……)
今回のスレは前々作の奈緒編の奈緒が出征するルートを薄く広げてこねくり回して書き直した内容になってます。
書き直しに当たってこのスレで唯一完全に後付けキャラになった奏が登場人物に追加されました。
美嘉はエロゲ編で藍子ルートに入れば莉嘉の話だけ出ていました。周子は名無しで登場していたので元からいました。
奈緒編の安価分岐でフレデリカが未消化で終わってしまったのが何となく気になったので、安価無しで続くように書き直して終わらせることができてよかったです。
644 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 07:56:51.37 ID:zhxG7O79O
お疲れ様でした!麗奈が出るかもしれない次回作の予定等はあるのでしょうか?
645 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 08:50:14.44 ID:zhxG7O79O
原初の世界?の他のメンバーも他の世界に出張してるのかな?
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 13:15:39.57 ID:PCMsb7R3o
乙
技術関係無しに全次元を観測出来るのは3神と麗奈だけでしょ
そもそもあの芳乃は出張だったのか
647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 14:28:39.59 ID:3mURwcfwo
お疲れ様でした
色々あったけど最後はみんなが笑えて終わってよかったです
648 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/18(日) 20:12:28.00 ID:S/pxFJ/S0
全レス
>>644
ものはあるけどやるのは未定です。別のスレもやりたいと思っていますので。
>>646
あのよしのんも一応あの紗枝はんと同じポジです。
元々の2人は別のことやってます。
完全に自覚があって他所に送り込まれてるのは周子です。
>>647
正直奈緒編の奈緒出征ルートからのバッドエンド(スレの冒頭の元ネタ)にしてもいいかなと思ったんですが
こんだけやってそれもなと思ったので、今回の形にしました。奈緒編やってるときにコレの元ネタのルートに分岐したら
地続きで過去編とかやってもよかったと思ってたんですけどね。別スレでやったけど。
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/18(日) 21:58:05.06 ID:UFkoAe9Y0
奈緒が自分の世界にいる時は奈緒がゲームやってたんだろうけど奈緒が飛んでからは誰がプレイしてたんだろ
晶葉か加蓮かはたまたプロデューサーか
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