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LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです
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483 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:03:45.71 ID:/sFNO9CC0
整備長「まーこれで、少佐の機体を毎回オーバーホールしなくて済むようになれば、俺たちも助かるんだけどなぁ」
晶葉「出撃の度に機体をオーバーホールさせるのなんて普通有り得んからな。どれだけぶっ壊す気で乗り回しているんだとぶん殴りたくなるが」
P「まあ……それはすまん。俺の操縦が荒いだけだ。整備長にも、いつも手間を掛けさせてしまっているが」
整備長「ま、俺はいいんですけどよ。とっくに慣れちまってるし」
晶葉「後は指揮官用ヴァルキュリアシステムだ。こちらについては現行の改良型から更にシステムテストを行った試作分も含めて、負荷分散、軽減の面において全てテスト結果をフィードバックしている」
晶葉「現時点でもパイロット1人あたりの負荷がある程度軽減されていることもあり、現行稼働しているシステム搭載機全ての負荷を受け持ったとしても、1時間以上の戦闘が可能になっている」
晶葉「お前自身の負荷も、これで相当減っているはずだ。後は、アインフェリアの分をどれだけ受けることが出来るか……」
P「……」
晶葉「今回の機体については3機共、リミッターを掛けている部分も含めてシステムや機体性能に大分余裕を持たせている」
晶葉「マニューバについても今回はHMMとIMMを同時使用できるよう対応しているから、存分に使うことができるはずだ。後はお前たち次第だ……頼んだぞ」
P「……いけるか、2人とも」
ナオ「ああ、大丈夫だ」
奈緒「これで最後にする……コイツと一緒に、今度こそ……!」
……
…………
484 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:05:05.02 ID:/sFNO9CC0
――数日後、圏外宙域、フレイヤ(格納庫)
晶葉「……」
整備長「博士! M-01から借りてたコンテナ返してくるけど、もう使わねえよな?」
晶葉「ん、ああ……後はこっちが持ち込んでいる分で足りる。返しておいてくれ」
整備長「へい了解」
晶葉「……」
志希「どーしたの?」フワッ
晶葉「志希か……フレイヤUはどうした」ピクッ
志希「だって暇なんだもん。フレちゃんもさ、どんよりしちゃってるし」
晶葉「仕方がないだろう。事情が事情だ、何かしてやればいいだろう」
志希「最初はさー、そう思ったんだけどねー」
志希「だけど……」
……
…………
485 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:07:25.57 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(艦長室)
フレデリカ「……ねえ、プロデューサー」
P「どうした?」カタカタカタッ!
フレデリカ「……怒らないの?」
P「怒られるようなことやったのか?」
フレデリカ「……」
P「なら、怒る必要はないだろう。何もしていないヤツを、俺は怒らんよ」カタッ……
フレデリカ「……だって、何もできてないんだもん。美嘉ちゃんのこと」
フレデリカ「プロデューサー、アタシに言ってくれたよね。美嘉ちゃんのこと、どうしたいかって」
フレデリカ「アタシが、メッセンジャーとお話ししたときみたいに……美嘉ちゃんのことも、分かりたいって」
P「……もう1つ、俺は話したよな」ピピッ!
P「分かり合う為に一緒にいると……だが、もしかしたらそれは、一生分からないかもしれないことなんだ」
フレデリカ「それじゃあ、アタシが美嘉ちゃんと一緒にいてどうなるの? どうにもならないの?」
フレデリカ「美嘉ちゃんと一緒にゴハン食べたくても、お風呂入りたくても、おんなじところに行こうとしても、美嘉ちゃんはどっか行っちゃって……アタシ、アタシ……」
フレデリカ「リカちゃんのことも、どうしてあげたらいいのかって……やっぱり……分かんない……」
486 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:07:56.49 ID:/sFNO9CC0
P「そうだな。お前たち2人が、どうなればいいのか……俺にも分からん。だがなフレデリカ、あと1つだけ教えてやる」
P「お前のその悩みと、涙も……1つの答えだ」
フレデリカ「え……?」
P「城ヶ崎少尉……美嘉のことを、理解できなかったとして、お前はその後どうしたい?」
フレデリカ「……どう、しよ」
P「離れて別の場所に行きたいか?」
フレデリカ「……ううん」
P「それでも美嘉の近くにいたいか?」
フレデリカ「……う、ん」
P「お前の悩みと涙は、美嘉を思ってのものだ。誰かの為に悩み、涙を流すことが出来るのは……その人のことを好きでいるからだ」
P「最後にはフレデリカの望んだ結果で終わらないかもしれない。だがどんな結果になろうとも、お前はそれを受け入れるしかない」
ガタッ!
P「フレデリカ、こっちに来い」
487 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:08:44.35 ID:/sFNO9CC0
フレデリカ「……ん」スッ……
P「昔、俺にこうしてくれた人がいたんだ。俺が悩んでいるとき、自分がどうしたいか分からずにいたとき……こうして膝を貸してくれた」
フレデリカ「……」
P「その人の膝の上で、また悩んで、色々考えもした。だが……それも忘れるほど、穏やかな気持ちになれた」
フレデリカ「……うん、プロデューサー……あったかい……膝、硬いけど」
P「もし、辛くて、苦しくて、結果を受け止められないのであれば、俺がお前を受け止めてやる」
P「だから最後まで悩んで、悩み抜いて、お前自身が答えを出して、美嘉と向き合ってやれ」
フレデリカ「うん……もうちょっとだけ……頑張って、みる……アタシ……美嘉ちゃんの、こと……」
フレデリカ「……」スー、スー……
P「……頑張れ。お前はもう、俺たちと同じなんだ。だから……頑張れ」
……
…………
488 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:09:56.29 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤ(格納庫)
志希「多分フレちゃんって、もうあたしたちと同じ人間なんだよ。だから、悩んじゃって、諦めることや、妥協することが受け入れられないんだよね」
志希「本人は理解してないんだと思う。だけど本質的なところはきっとそう。ビーって元々はお互いで意思疎通し合ってるから、そういう感情は初めてなんだよ」
晶葉「だから、何もしてやらんのか?」
志希「うん。その心はフレちゃんが自分で育てていかなきゃダメだから。あたしだと、全部話しちゃうもん。それじゃ成長にならないし……だから……」
志希「だからカレも、あたしと同じようにフレちゃん自身に任せたんだと思う。けど、ありすちゃんの時みたいに、あたしと違ってカレは加減出来るから、フレちゃんの背中を押してあげることも出来る」
志希「アインフェリアをここまで育てたカレだから、とりあえずはあたしも気にしないんだけどねー」
晶葉「……」
志希「最初の対話でみんな壊れたときは、やっぱりダメだったかーって思ったけど、何とかなるもんだね、ホント」
晶葉「……違うな」
志希「ん?」
晶葉「本来ならば、そんな事態になってしまわないように……その為に、私たちがいるはずなんだ」
489 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:11:02.28 ID:/sFNO9CC0
晶葉「アイツから事象を聞き、観測も出来た。志希のほうでも初期理論の構築は出来た」
晶葉「だが……私はそれを、完全に実現させることは出来なかった」
晶葉「何が科学だ。私たち科学者は、人の未来の為に科学者として存在しているのに」
晶葉「助手を、アインフェリアを……あいつらを不幸にしてはいけなかった」
『P……さ……たすけ、て……』
『身体が、熱い……みんなが、私に話しかけてくる……たくさんの声が、怖い……』
『皆の……恐れ、恐怖……俺の、中で……俺は……おれ、は……』
志希「そーだね、あたしも同罪。だからここにいる」
志希「だけど、みんながここまで辿り着く為に必要な力は、晶葉ちゃんが与えたモノだから……それは、胸張って良いんじゃない?」
志希「せめてそこだけは胸張っておかないと、みんな不安になっちゃうし……ね?」
晶葉「……ああ。グレイプニールも、NGFも……私の成果だ。何も問題はない……それだけは、信じてやらないとな」
志希「そうそう、信じようよ。自分のことも……みんなのことも」
……
…………
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:12:00.07 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(ナオの部屋)
ナオ「この戦いが終わったらさ」
奈緒「いやいやちょっと待て、その発言はフラグとしか……」
ナオ「んなわけあるかっ! いや、ほら、ニュージェネが跳躍テストとかやってたんだけどさ」
奈緒「あー……そういやそんなことやってるのも見たな」
ナオ「いまはまだテストしてる最中だけどさ、いつかはそれが完成して、クイーンの力が無くても、安全に奈緒の世界と繋がるようになったら……」
奈緒「そうだなぁ……遊びに行ったり、来れるようになったりするのかな。次元崩壊しないように慎重になってるみたいだけど」
ナオ「これ以上クイーンが穴開けまくったらどうなるか分からないからな……」
奈緒「ま、あたしがこっちの世界にまた来れたのも、その穴見つけて飛び込んだからっていうのもあるし……ていうか、次帰れるのかな……」
ナオ「そんなこといきなり言うなよ……前も帰れたし、次も帰れるんじゃないか……多分」
奈緒「今回は、やること全部やって……それでしっかり終わらせてから帰らないとな。加蓮が……待ってくれているから」
……
…………
491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:13:16.20 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(美嘉の部屋)
美嘉「……」
『それでね、アタシ絶対ぜーったいアイドルになるんだから、お姉ちゃんみたいに!』
『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』
『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど、おかーさんお小遣いくれなくてさー、まだ行けてないんだよねー』
『それでね、この前お姉ちゃんが話してくれた雑誌、おかーさんが買ってきてくれたんだけどさ。お姉ちゃんメッチャキマッてたもんね!』
美嘉「……」
P『フレデリカのことを、信じてやってくれ』
奏『仲良くしてあげて。あの子も、貴方と仲良くしたいって思っているから』
美嘉「莉嘉……」
……
…………
492 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:14:28.04 ID:/sFNO9CC0
――数日後、圏外宙域、ノルンM-01(メインブリッジ)
「S-01から待機通知が届きました。探査ポッドの再射出を実施するとのことです」
ちひろ「ま……待機通知っていっても」
ピピッ!
「対象惑星、スクリーンに出ます」
「生き残っているポッドからの映像、順次切り替えていきます」
ちひろ「前回ばら撒いてここまで辿り着いたポッドが捉えた映像と同じ……当たりですね」
P『撒いたポットが物凄い勢いで食われていくな。さすがに白蜂もこちらの位置を捉えたか……』
ちひろ「そうですね……クイーンは宙域にはいない、となれば……」ピッピッピッ!
楓『あの緑の星……そこにいるのかしら』
愛梨『綺麗ですねー。どんな星なんでしょうか?』
ちひろ「綺麗って……観光に来るだけならよかったんですけどね」
ピピッ!
「S-01から全体通知です。惑星周辺の白蜂、及び蜂の巣が移動を開始したのことです。移動先は……」
ちひろ「光学レーダーの映像をスクリーンに回してください」
フォンッ……
ちひろ「……こちらにまっすぐ向かってきていますね。ま、そりゃそうですか」
……
…………
493 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:16:07.82 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(ブリッジ)
P「フレデリカ、白蜂から何か感じ取ることは出来るか?」
フレデリカ「……わかんない。いつもみたいに、怒ってるだけ」
周子「……めちゃくちゃな数やね」
志乃「GS型、G型……数えるのも面倒……」
早苗「前に相手したの、どれくらいの数だったっけ?」
P「大規模級との戦闘の話であれば、恐らくそれよりも遥かに多い。現時点でレーダーで捕捉している数で140……全て白蜂だ。巣は3つ、大規模級程はありそうか……巣の中にもまだまだいるな」
美嘉「これ、全部……これだけじゃなくて……」
瑞樹「あの星にもいるかもしれないってことね、分かるわ」
フレデリカ「みんな……もう、いなくなっちゃったのかな。みんな、アイツらに……」
加蓮「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。クイーン、ここにいないなら……」
ピピッ!
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
ナオ「これは……加蓮!」
加蓮「フィールドジェネレーターに反応……次元振動!?」
奈緒「ってことは、空間転移か……!」
……
…………
494 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:18:13.93 ID:/sFNO9CC0
――ノルンS-02(メインブリッジ)
「空間転移を確認! 一部の探査ポッドがクイーンを捕捉しました!」
時子「スクリーンに出しなさい」
フォンッ……
千秋『これは……あの星のすぐ近くに……財前大佐!』
時子「こちらを迎える気があるのかどうか……まあ、少なくても」
「宙域の白蜂、蜂の巣は進行を続けています! 減速は確認できません!」
菜々『白蜂たちにとっては、いつもと変わらない……ですね』
翠『ではやはり戦闘に……』
「S-01から全体通知、待機状態を解除、コンディションレッドに移行しました!」
時子「チッ……ここからだと、あの馬鹿達の歌も意味はない……戦闘準備をしなさい」
琴歌『わかりましたわ。わたくしたちの為すべきことをしましょう』
時子「M-01とフレイヤ、フレイヤUに個別回線を繋ぎなさい」
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:18:40.76 ID:/sFNO9CC0
ピピピッ!
ちひろ『はい、はい……戦闘準備ですね』
P『フレイヤUは予定通り出撃させる。フレイヤは……』
時子「恐らく、こちらの戦力は分断させることになる……前線部隊の消耗を少しでも抑える為に、アインフェリアは出しなさい」
美波『了解しました。アインフェリア隊、宙域ライブを行います』
時子「退避判断は楓が出しなさい。そのタイミングになる可能性はあるわ」
楓『そうですね。宙域から場所を移して星で後半戦をするかもしれませんし、どこかで切り上げないといけませんね』
P『では俺は出撃準備をする。高垣中佐、フレイヤをお願いします』
楓『はい、いってらっしゃい』
……
…………
496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:20:11.36 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(ブリッジ)
パシュンッ!
志乃「彼も行ったわね……さて、戦闘準備よ。出撃、頑張りましょうか」
ナオ「今回の戦闘は、アインフェリアの歌をクイーンに届けることだ。通常の攻略戦とは違う、消耗戦になる前に誰かがクイーンのところまでいかなきゃならない」
ピピッ!
加蓮「ありす大尉がいないからこっちで説明するけど、今回は後方支援担当のノルンS-06以外のノルンS-01、02、03、05、09、M-01、それの搭載艦はすべて前線になるから」カタカタカタッ!
加蓮「それ以外の補給部隊やモリアン艦は護衛のヴェールと一緒に宙域から離脱。基本的な立ち回りはプランV2と同じ」
加蓮「前線ノルン艦隊の脇にフレイヤを配置して、アインフェリアの宙域ライブを実施……ナオが言った通り、誰かがクイーンのところに行くまで、アインフェリアは歌い続ける」
奈緒「前線部隊もそうだけど、アインフェリアのことも考えたら、どうあれ長期戦は出来ない。時間との勝負でもある」
周子「だからあたしたち全員、フレイヤとフレイヤUは温存だったからねー」
ナオ「プランV3のメインでもあるからな……艦隊の進行ルートの確保はニュージェネ側の仕事だ。それは向こうに任せよう」
ピピピッ!
ありす『すみません、こちらの準備もあってブリッジに行けない状態で』
フレデリカ「メッセンジャー! ううん、大丈夫だよー」
ありす『こちらもフレイヤの専用ステージの展開準備に入っています。フレイヤUはM-01から出撃し前線の強襲艦隊に加わってください』
志乃「ええ……そっちも、よろしく」
ありす『最善を尽くします。P少佐は?』
ナオ「志希と一緒に医務室に行ったよ。すぐフレイヤのほうに行くはずだ。あたしは先に済ませたから大丈夫」
ありす『わかりました。では……お願いします』
ピッ!
奈緒「……よし、あたしたちも出撃だ」
……
…………
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:20:54.74 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(医務室)
プシュッ!
志希「はい、おしまい♪」
P「……」グッ!
志希「キミはアインフェリアと、戦いに集中して。キミ自身が、やらなきゃならないことを見失わないで」
P「ああ、分かっている。手間を掛けさせてすまんな」
志希「まあまあこれくらいはねー。降下する事態になったら、早めに環境情報は取るようにするから心配しないでね」
P「俺や蘭子なら大丈夫だ。それに、恐らくは奈緒も」
志希「ま、それもそっか♪ 他のメンバーは苦労しそうだねぇ」
P「その為の訓練は行っている。後は本人たち次第だ」
パシュンッ!
P「では行ってくる。博士、後は頼んだぞ」
志希「あたしじゃなくて海賊たちが頑張るんだけどねー。にゃはは、そっちも頑張って♪」
P「当然だ」
……
…………
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:22:58.24 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤ(通路)
P「いた……皆」フワッ
美波「Pさん……!」
文香「準備のほうは……よろしいのですか?」
P「ああ。ここから格納庫に向かってカタパルトに移動する。皆は、大丈夫か?」
藍子「はいっ、準備はしてきましたから」
夕美「今度こそちゃんと想いを届けようって、みんなで決めたもんね」
ありす「はい。だからPさん……私たちのことを信じてください。そして、戻ってきてください」
P「必ず戻ってくる。皆の歌が俺の中に響く限り、俺は死なん」
美波「簡単に言うんですから……でも、それなら私たちも、安心してステージに立つことができます」
P「……アインフェリア隊、これよりフレイヤは長距離航行プランの主目的、プランV3の実行に移る」
P「宙域に出た後、専用ステージ上で宙域ライブを実施、クイーンとの相互理解を図り、戦闘を終了させることが今回の任務になる」
P「皆の負担が大きいことは分かっているが……頼んだぞ」
「「「「「はい!」」」」」
……
…………
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:25:47.41 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU、カタパルト(機体内)
瑞樹『フレイヤU、ノルンM-01から出撃して宙域に出たわ。ハッチ開放、出撃していいわよ』
ナオ『加蓮、ウィングバインダーとアサルトパックは大丈夫か?』
加蓮『うん、シミュレーターも回してるし大丈夫、ちゃんとやれるよ』
奈緒「頼りにしてる。あたしとナオの後ろは任せた」
加蓮『心配しないで。私より、LiPPSのほうが心配でしょ?』
奈緒「……ま、何だかんだで上手くやってくれる、そう思っていいんだよな?」
周子『そうするしかないでしょ? まあまあ、ゆるーく頑張るからさ。いいよね、フレちゃん、美嘉ちゃん』
フレデリカ『オー! 美嘉ちゃん、友情パワーで頑張ろー! 待ってろクイーン!』
美嘉『とにかく、ここまで来て四の五の言ってられないでしょ。やることはしっかりやるから』
ナオ『……ああ、その勢いで頼んだぞ』
500 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:26:18.06 ID:/sFNO9CC0
ピピピッ!
整備長『お前ら、しっかり頼むぞ!』
志希『頑張ってねー♪』
おばちゃん『気を付けて行っといで。終わったら何でもご飯作ってあげるから』
奈緒「そっか。よし、それじゃあ行くか……!」
周子『りょーかい。LiPPS、出撃するよ!』
美嘉『行くよ!』
フレデリカ『はっしーん!』
加蓮『それじゃ、私たちも行こっか』
ナオ『ああ……NGF-VDPS01Fヴァルキュリア、出るぞ!』ガションッ!
奈緒「あたしがここに戻ってきた理由……今度こそ、選ぶ為に……」
奈緒「……神谷奈緒、NGF-VDPS02Sヴァルキュリア、出撃する!」
……
…………
501 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:27:03.75 ID:/sFNO9CC0
――ノルンS-02、カタパルト(機体内)
菜々「ARGT-R4のシステム起動、疎通確認完了です」ピッ、ピッピッ!
『Union』
『Striker』
『Armord』
『Module』
『In』
『Next G』
菜々「これで……」
ピピピッ!
卯月『ニュージェネレーション隊、全員出撃しました!』
千秋『ブリヤントノワールも出たわ。戦闘中は、お互いに上手くやりましょう』
翠『奏さん、戦闘中のマニューバについては気を付けてください。何かあれば連絡をお願いします』
奏『ええ……了解』
智絵里『私も出撃しました。菜々さん、ARGT……大丈夫ですか?』
菜々「……はい、やれます。いつも通り、バッチリです!」ギュッ!
菜々(ナナは……)
『出撃準備完了、発進タイミングを安部中尉に譲渡します』
菜々「……RS-01、安部菜々、出撃します!」
……
…………
502 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:28:03.28 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤ、カタパルト(機体内)
P「標準兵装確認、粒子制御システム起動確認……」カタカタカタッ!
P「ヴァルキュリア各機もすべて出撃したか。システム対応機の識別コードを確認」パチッ、パチッ!
愛梨『P少佐、私たちのほうも機体チェック完了しました』
蘭子『宵闇を舞い、魂の鼓動を響かせる為の我が力……ブリュンヒルデは今、覚醒の時を迎えた』
P「出撃後のマニューバについては予定通り頼むぞ」
愛梨『はーい。あ、そうですP少佐、アインフェリア隊、大丈夫そうでしたか?』
P「大丈夫だ。皆も落ち着いていた。俺たちは信じていればいい」
蘭子『はい。私たちもいつも通り、頑張りましょう』
ピピピッ!
美優『Pさん……』
P「美優……どうした?」
503 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:29:36.78 ID:/sFNO9CC0
美優『帰ってきてください。私のところに……必ず……』
楓『私たちのところに、じゃないですか? 独り占めですか?』
美優『あっ!? い、いえ、そういうわけじゃあ……』
P「何やってんだか……俺は大丈夫だ。2人も気を付けて。アインフェリアのことは頼んだぞ」
楓『あ、はい、そこは心配しないでください。晶葉ちゃんも準備が終わったらブリッジに上がってくるみたいですし』
ピピピッ!
晶葉『助手よ、専用ステージの生命維持装置の最終チェックは完了した。お前が出撃した後にフレイヤは積層イージスを展開させる』
P「了解した。ステージの状況については何かあれば俺に知らせてくれ」
晶葉『ああ。こちらの面倒は見る。お前たちは気にせずに行ってこい』
愛梨『それじゃあ行きましょうっ! Pさん、蘭子ちゃん!』
蘭子『はい! NGF-F-VPS13フォートレス、発進します!』
P「さて……行くか。VWPS-02PNヴァリアント、出撃する!」ガションッ!
……
…………
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 00:32:21.31 ID:/sFNO9CC0
今日はこれで終わります。多分次が最後です。
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 15:19:05.83 ID:h8AClS9to
乙
最後が楽しみ
506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 17:25:24.83 ID:e/rEt4Lko
新型機!乙!
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/07(水) 10:37:24.84 ID:rfejvKXrO
2スレ目の909の匿名のセリフはもしかして…
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/12(月) 07:32:38.51 ID:8CFLoXS6O
イベント終わったから更新くるかと思ったけど来ないな
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/15(木) 02:41:31.04 ID:vhA1A+Mr0
ちょっと半額期間でヘイローやらマグナ2やらに夢中だったので
次イベまで跨ぎたくはないので週末くらいに纏めます
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:28:27.35 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
P「LiPPS小隊応答しろ、戦闘準備は大丈夫か」
ピピピッ!
周子『はいはーい、LiPPSでーす。VP-005、006、007全員準備完了だよ』
P「了解した。LiPPS小隊の識別コードはVPS-002だ。こちらはラピッドストライカー小隊と共にVPS-001小隊になる」
ナオ『菜々さんは今回の戦闘ではニュージェネと智絵里と統合しているから、一時的にコンコルディア隊所属になってる。間違えないでくれよ』
加蓮『こっちのほうが元部隊メンバーも含めて人数多いしね』
フレデリカ『コッコ隊大丈夫かな……』
奈緒『智絵里なら大丈夫だよ。フレデリカはこっちで頑張ってくれ』
フレデリカ『うん! 美嘉ちゃん、ガンバロー!』
美嘉『P少佐、前線見て!』
P「前線部隊のヴェールの配置も済んだか……ある程度クイーンに接近するまで、こちらは他部隊の援護も行う。前線のラインを上げねばならん」
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:28:54.45 ID:68gYMTWg0
ピピピッ!
ちひろ『こちらM-01です。所属部隊に連絡、クイーンの粒子砲については反応を確認次第こちらから展開しますので対応をお願いします』
ちひろ『また、クイーンの背後の星……暫定惑星Bについては降下する事態になった場合は速やかに付近の艦に着艦するように』
P「こちらVPS-001、了解」
周子『VPS-002も了解』
ピピピッ!
瑞樹『前線、先頭に出てるNGF小隊と白蜂がそろそろぶつかるわよ。距離は1000!』
P「了解した。よし、これより俺たちも戦闘を開始する。北条少尉、ブースターユニットは可能な限り増設しているな?」
加蓮『はい、不要になった分は順次パージしていきます』
P「こちらとのマニューバが困難になったらLiPPSと合流して行動しろ。それまでは頼むぞ」
蘭子『機体性能差も結構あるから……』
愛梨『加蓮ちゃん、無理はしないでくださいね!』
加蓮『了解です。奈緒!』
奈緒『よし、こっちも行くぞ。LiPPSも落ちるなよ!』ガションッ!
美嘉『分かってる!』
フレデリカ『待っててね、クイーン!』
……
…………
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:29:21.62 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
GS型「!!」ギュンッ!
翠「ロングライフル、ガラティーンを照準……索敵範囲内の白蜂を牽制します!」ガションッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
GS型「!?」ドガアアアンッ!!
翠「良い具合です。P少佐からお借りした武器、上手く使いませんと」ピピピッ!
智絵里『な、菜々さんとニュージェネは弾幕をお願いしますっ! 千秋さん!』ギュンッ!
千秋『各機、展開されている進行ルートを確認しつつ障害を排除するわよ』
翠「申し訳ありませんが、援護をお願いします」
凛『了解!』
卯月『弾幕展開も頑張ります!』ボシュシュシュシュッ!!
未央『ウサミン中尉! デカいのお願いします!』
菜々『はい! ARGTの腕部装甲展開、索敵範囲のG型とGS型にターゲット……!』ピピピピピッ!
ガショガショガションッ!!
菜々『いきますよ、ウサミンホーミングミサイル!!』ボボボボボボボボッ!!
ドガガガガガガァンッ!!!!
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:30:09.68 ID:68gYMTWg0
千秋『流石、うちの会社の強化兵装ね。相変わらず大したものだわ……はぁっ!』ブォンッ!
シュパアアアアンッ!!
G型「……」ブ、ブブブ……
ドガアアアアアアンッ!!
智絵里『G型は通しちゃダメだから……ええいっ!』ドシュウンッ! ドシュウンッ!
G型「!?」ドガァァァンッ!
ピピピッ!
琴歌『こちらフレイ、これより強襲艦隊によるミサイル攻撃を行いますわ』
桃華『着弾範囲を転送しますわ。各機避けてくださいまし』
かな子『アルヴァルディ発射します。射出後、次弾装填準備に入ります!』
ドガガガガガガァンッ!!!!
凛『こっちの出だしは大丈夫……P少佐たちのほうが……』
菜々『あちらは遊撃部隊として編制されています。プランV3の対応についてはP少佐たちのほうが率先して行いますし、ナナたちはこっちを頑張りましょう!』
卯月『は、はいっ!』
……
…………
514 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:46:47.00 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
蘭子「愛梨ちゃん、GNS-071小隊のほうに!」ギュオオオオオッ!!
愛梨「はい、GS型6匹、G型1匹にターゲットロック……ガンダルヴ、射出します!」バシュシュシュシュンッ!!
蘭子「これだけの誘導兵装があれば、後はマニューバで!!」ガションッ!!
GS型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
愛梨「そこです!」ドシュゥンッ!!
GS型「!?」ドガアアアアアンッ!!
G型「!!」ギュンッ!
蘭子「この先は通さん……我が魔力を込めた刃の一撃を……!」ブォンッ!
シュパアアアアアンッ!!
ドガアアアアンッ!!
蘭子「うむ、偶像の象徴と共にあるのならば……!」
愛梨「Pさん奈緒ちゃん、マニューバは分かれましたけどそっちは大丈夫ですか?」
ピピピッ!
……
…………
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:48:15.11 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
奈緒「ああ、まだ大丈夫だ……!!」
P『クイーンに向かうには巣を突破しなければならないか、大きく迂回するべきか……』
G型「……!」
G型「……!」
G型「……!」
『GNS-063から065、集団で動いているG型がいる。突破されるぞ!』
『まだ弾幕が効いている! 牽制して立体機動戦闘に持ち込ませるな!』
ナオ『この状態じゃまだルート算出をしている余裕は無いな……こっちの前線が上がらないと下手に動くことも出来ないし』
奈緒「なら前線部隊の頭を叩いて流れを作るか。Pさん、加蓮!」ガションッ!
ナオ『よし、2人は前に出てくれ。あたしと加蓮で弾幕を張る。いけるか?』
加蓮『大丈夫。P少佐、マニューバは?』
P『コンビネーションマニューバはH04で行く。奈緒、G型を優先するぞ』
奈緒「わかった、GN形態に移行……行くぞ!」ドシュウウウウンッ!!
P『光波推進システムの状態確認、ビームウィングを展開……ハイパーマニューバに移行しなくとも……!』ガションッ!
G型「!!」ギュンッ!
奈緒「そこだ!!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
G型「!?」ドガアアアアアンッ!!
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:48:42.85 ID:68gYMTWg0
P『ようやく速度で貴様たちを上回ることが出来たか! これで後れを取ることは無い!!』ヒュカカカッ!!
G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
P『遅い、ドラウプニル!』ガションッ!
ドガガガガガガッ!!
『その機体……プランV3のところか!』
ナオ『G型はこっちで優先して抑える。他の部隊は足並み揃えて進んでくれ、M-01とフレイヤをクイーンに近づけるのが優先だ!』
『そちらはプランの実行を優先してくれ……と言いたいがこちらも少しばかり苦しい。すまないが頼んだ』
加蓮『ちょっとあの2人メチャクチャ動きすぎ……バルムンク照準、2人とも、当たらないでよ!』
G型「!!」ズドォンッ!!
P『粒子砲か、だが!』ヒュバアアアアア……
P『フロートシールドユニットか。ピンポイントの防御だがイージスよりも燃費がいい。これなら!』ズドォンッ!!
ドガアアアアアンッ!!
奈緒「いやあんまり無視して突っ込まないでくれよ。こっちだって追いつくの大変なんだから……」
P『っと……そう、だったな。すまん』
ピピピッ!
志乃『前線……強襲艦隊のミサイル攻撃が入るわ。後方の白蜂の群れ……分断させるから、前はよろしく』
早苗『いくわよー! 今のうちに動いて数減らしなさいよ!』
ドガガガガガガガァンッ!!
奈緒「この調子のまま進めればいいけど、クイーン……!」ギュオオオオオッ!!
……
…………
517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:49:09.27 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(専用ステージ)
晶葉『前線部隊については現状問題はない。クイーンの粒子砲が来ない限りはこのまま動くとは思うが、艦が大きく動いた時は気を付けてくれ』
美波「大丈夫です。博士にも手間を掛けさせてしまいますけど……」
晶葉『これが私の仕事だ。お前たちは何も気にしないでクイーンと向き合ってくれ』
楓『お願いしますね。あ、降下する事態になったら一旦中に戻ってくださいね』
ありす「分かりました。そのときは連絡ください」
ピッ!
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:49:38.28 ID:68gYMTWg0
藍子「……いよいよですね」
文香「はい……もう、何度目になるのか」
夕美「でも、本当はこんなこと……しなくてよかったら……」
ありす「違います。しなければならないから戦っているんです。私たちと、クイーンと……分かり合う為に」
夕美「……うん、そうだね。みんな、ここにいるから……たぶん、同じ気持ちなんだよね」
美波「ええ、きっとそうなんだって……私たちは信じていないと。だから、クイーンには分かってもらわなきゃならない」
文香「貴方の、思う心は……私たちと同じかもしれない……怒りの心も……だけど、そう望んだのは……何より……」
藍子「あなたの子供たちが選んだ道は、とっても明るい、未来に向かう為の道だって……ちゃんと、分かってもらいませんと」
ありす「もし逆の立場だったとしたら、私たちでは選べないかもしれません。だから、その思いは……必ず伝えないといけません」
美波「ええ……だからみんな、行きましょう」
美波「私たちの、アインフェリアとしての……使命の為に!!」
「「「「はい!!」」」」
……
…………
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:50:51.06 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
https://i.imgur.com/mfBoJbC.jpg
周子『おー始まった。まあまだ、あっちまで届かないんだろうけど』
フレデリカ「メッセンジャーの歌……美嘉ちゃん、がんばろ!」
美嘉『分かってる! そっちも手抜かないで!』
GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
フレデリカ「みんな!」ギュンッ!!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
GS型「……!」ヒュカカカッ!!
ズドォンッ!
フレデリカ「メッセンジャーの歌だよ! アタシたち、この歌があったから……だから、みんなも聞いて!」
周子『あんまり激しくなっちゃダメだからねー。マニューバ、Y02で行くよ。フレちゃん、よろシューコ』
フレデリカ「あっ、うん! 美嘉ちゃん、アタシ前出るから!」ギュンッ!!
周子『美嘉ちゃんも左側頼むよ。あたし右やるから』
美嘉『り、了解……このっ!』ガションッ!
ズドォンッ!!
……
…………
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:51:21.32 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
智絵里『前線のラインが上がってる……このまま進めば!』ギュンッ!!
翠『千秋さん、マニューバを!』
千秋「ええ、合わせて頂戴! P少佐!」
ピピピッ!
P『アインフェリアの宙域ライブが開始されたのを確認した。進行状況は順調だ。ヴァルキュリアシステムはどのタイミングで使っても構わん』
千秋「そのつもりよ。ヴァルキュリアシステム、起動!!」
『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!
翠『P少佐、ご負担にさせてしまって申し訳ありませんが……!』パシュゥンッ!
P『構わん。長引いた場合、1時間を目途にしてくれ。それまでは各機好きにしてくれ』
未央『はい! こっちも行くよ!』
智絵里『みんなの機動力が上がってる……!』
菜々『智絵里ちゃん、ナナたちはGNブーストで行きましょう! あ、ナナのほうはARGTだから使えないんでした……』
智絵里『は、はい! GNブースト、起動します……!』ピピッ!
GS型「!!」
智絵里『連続稼働はできないけど……動けるときに……!』ギュンッ!
ドガガガガァンッ!!
菜々『はい! アインフェリアが元気なうちに頑張りますよ!』
https://i.imgur.com/nSDKlsu.jpg
……
…………
521 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:51:50.49 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
https://i.imgur.com/E6BHhlC.jpg
ピピピッ!
奏「アインフェリアの宙域ライブが……始まったのね」ピピピピピッ! ピピピピピッ!
GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
奏「このっ……ダインスレイヴ!」ガションッ!
ズドォンッ! ズドォンッ!
ドガアアアアアアアンッ!!
奏「まだ始まったばかりよ。落ちるわけにはいかないわ……!」
ピピッ、ピピッ
奏「……周子たちも、まだ大丈夫そうね。あっちには、P少佐や奈緒たちがいるから……当然よね」
奏「私は……」ギュンッ!!
ドガガガガガガッ!!
GS型「……!」ドガアアアアアンッ!!
奏「私……は……」
https://i.imgur.com/OgilBIp.jpg
……
…………
522 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:52:20.61 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
https://i.imgur.com/UdzzfCq.jpg
P「黒川少佐たちがシステムを起動したか。ならこちらも……!」
『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!
パシュウンッ!!
P「指揮官用ヴァルキュリアシステムを起動、各機のヴァルキュリアシステムとのデータリンク正常……!!」ドクンッ!
P「……以前よりも体が軽い。問題ない」
P「出撃済のシステム搭載機12機中7機が起動。奈緒や蘭子たちはまだ通常飛行で大丈夫か。アインフェリアの分のシステム負荷もここで受ける……!」カタカタカタッ!
ピピピッ!
愛梨『P少佐、前線ラインが上がってきていますよ。抜けるタイミングを作りますか?』
奈緒『いやまだ早い。3つの巣からどれだけ増援が出てくるかもまだ分からないし、クイーンがどう動くつもりなのかも見えてない』
ピピピッ!
瑞樹『一応前線なら消耗状態もそこまで早いペースじゃないし、まだ十分やれるわね。後々でもう少し有利な場面も出るかもしれないわよ』
523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:52:50.70 ID:68gYMTWg0
https://i.imgur.com/AFKKE4O.jpg
P「……可能であれば……いや、もう少し待とう。時間は限られているとはいえ、前線が優勢であるならば確実に動いておきたい」
愛梨『はーい。それじゃあもう少し頑張りますね』
P「十時大尉も、必要であれば神崎中尉とヴァルキュリアシステムを起動して構わん」
愛梨『まだ大丈夫ですっ! 蘭子ちゃんと一緒ならまだまだ頑張れますから!』
ナオ『あたしたちのほうはドッキングしたらシステム使わなきゃ機体捌けないからな……そのまま2人乗りは無理だな』
愛梨『えへへっ、蘭子ちゃんといつも一緒ですから♪』
蘭子『あ、愛梨ちゃーん……管制ちゃんと見て……』
愛梨『あっ、はーい』
P「……まあいい。判断は間違えないだろうから、そちらのタイミングに任せる」ギュンッ!
GS型「……!」ヒュカカカッ!!
P「遅い!」ブォンッ!!
シュパアアアアンッ!!
ドガアアアアアアンッ!!
ピピピッ!
P「俺だ」ピッ!
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:53:46.04 ID:68gYMTWg0
周子『少佐、こっちも2人、システム起動したからね』
P「こちらで確認できている。問題はないか?」
周子『いまのところは大丈夫。こっちは予定通り前線ラインに混ざって動いてるけど、極端に押されてるところもないし』
P「それないい。何かあれば連絡をしてくれ。フレデリカ、美嘉」ピピピッ!
美嘉『はい』
フレデリカ『なーに?』
P「……クイーンの動きはまだ見えないが、このまま前線が優勢であればこちらのメンバーの誰かがクイーンのところまで飛ぶことが出来る」
P「長期戦も視野に入っている戦闘ではあるが、アインフェリア側の負担を考慮すると長引かせるわけにはいかない。頼んだぞ」
フレデリカ『うん、フレちゃんに任せて!』
美嘉『アインフェリアの代わりに前に出るのがアタシたちの仕事なんだから、それくらい当然!』
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
P「全軍通達……!!」
時子『前線の各機、クイーンの周囲に高エネルギー反応が確認されたわ』
ピピッ!
時子『ヤツの粒子砲の有効範囲を転送したわ。急いで射線上から退避しなさい!』
奈緒『来たっ!!』ガションッ!!
P「流石前回とは違って今回は発見が早い。各機、GN形態に移行して射線上からなるべく離れろ」
瑞樹『ちょっと喋ってる間にもう……粒子砲、来るわよ!』
https://i.imgur.com/RCo0Okr.jpg
……
…………
525 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:54:34.61 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
女王「……」ギ、ギギギギ……
キィィィィン……
女王「……!!」
ギュドォォォォンッ!!!!
――キィィィンッ!
……
…………
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:55:03.89 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(専用ステージ)
キィィィンッ!!
美波(ダメ! クイーン……まだ、ここからだと私たちの声が……!)
ありす(その光は、あなたの大切なものを守るための光……だけど、その光で失われるのも……)
文香(貴方の、大切なもの……ですから、どうか……!)
夕美(やっぱり、見失ってる。怒って、悲しくて……だから、気付いてもらわないと……)
藍子(お願いします。Pさん、奈緒ちゃん……みんな……!)
……
…………
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:55:42.37 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
ドドドドドドドドドドッ!!!!
『回避だ! 各小隊、今の粒子砲で損害が出たところは報告しろ!』
『サブブリッジ、S-03の全システムの稼働状況を確認しろ! 異常があればリカバリに入れ!』
ナオ『くっ、効果範囲が広すぎる……!!』ギュオオオオオオッ!!
奈緒『加蓮、大丈夫か!』
加蓮『私は大丈夫! P少佐、他のみんなは!』
ピピピッ!
志乃『こっちは……大丈夫よ』
楓『フレイヤも大丈夫です。アインフェリアの専用ステージも特に問題有りません』
P「了解した。システム起動済のヴァルキュリアとは疎通状態を維持している。艦も無事であるなら問題ない」
フレデリカ『クイーン……もうっ、クイーンのおバカ! そんなことばっかりやって!』
周子『フレちゃんプリプリするのはストーップ。あたしらが回避したところ、前線ラインの穴になるからカバーしに行くよー』
ナオ『P少佐、あたしたちも一度LiPPSと合流しよう。この前の戦闘みたいに後手に回るのは避けたほうがいい』
P「了解した。VPS-001と002は一度合流だ。合流後は――」
――キィィィンッ!
P「……っ!」ビクッ!
P「……合流後は、前線ラインが整うまで纏まって行動する。その後は状況に応じて別途立ち回る」
P(またこの感覚か……まだ、まだ持ってくれ。始まったばかりなんだ……この前のようになるわけにはいかない……!)
……
…………
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:56:11.23 ID:68gYMTWg0
――ノルンM-01(メインブリッジ)
「艦長、前線各部隊からの応答がありました。被害状況の集計出します」
ちひろ「完全回避、とまではいきませんよね……被弾した機体については必要であれば随伴機を立てて帰艦させてください」
ちひろ「小隊編成を維持できなくなった隊については再編成リストを展開します。対象部隊は一度下がって、識別コードの振り直しを」
ピピピピピッ!
「S-02から通信です」
時子『そっちの状況は?』
ちひろ「問題ありません。フレイヤについても宙域ライブは問題なく続行しています」
時子『チッ……戦況としてはこちらのほうが優勢ではあるけれど、クイーンが出ている限りは立て直しの手間が掛かるわね』
ちひろ「仕方がありません。どのタイミングで動くかと言われると……」
「艦長! クイーンに動きがあります」
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:57:11.91 ID:68gYMTWg0
ちひろ「とか言ってるうちに……スクリーンに出してください」
ピピピッ!
女王『……』
ちひろ「後ろに下がって……? いえ、これはもしかして」
時子『後ろの星に向かって降下する気なのか……』
ちひろ「フィールドジェネレーターは?」
「最初の空間転移による次元断層は残っていますが、新たな次元振動の発生は確認できません。断層レベルは10を維持しています」
ちひろ「まだ断層が……そうですか、そのまま落ちていくつもりですね……財前大佐」
時子『艦隊を分けることになるわね……予定していた通り、降下部隊は移動するわよ。S-01と確認して展開するわ』ピッ!
ちひろ「今のうちに、前線部隊の交代を。予備部隊を出して、戻した部隊は補給後に降下準備に入ります」
……
…………
530 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:58:19.84 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
ピピッ!
奈緒『クイーンに動きが……』
加蓮『これ、後退してる?』
P「ブリッジ、クイーンの状況は確認できるか?」
ピピピッ!
志乃『たった今、M-01から通知が来たわ……女王様、星に帰るみたいね』
ナオ『星に戻るのか? だったらこれから……』
瑞樹『艦隊を分けて降下準備に入るわ。S-01、S-02、M-01のノルン、及び所属する強襲艦隊は降下準備に入るわ』
瑞樹『みんなも、ほどほどにしてこっちに戻ってきて頂戴。今のうちならギリギリ収容まで間に合うし、間に合わなかったら甲板で待機してもらうわよ』
ナオ『どうするP少佐?』
P「クイーンの粒子砲で出来た前線の穴をカバーしている最中だが……ここで戦力を分けると宙域で戦闘する部隊が持たないぞ」
ピピピッ!
ちひろ『そこは頑張ってもらうしかありませんね。私たちだって降りた先がどうなってるか分かりませんし』
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:58:48.79 ID:68gYMTWg0
P「くっ……フレイヤ、アインフェリア隊の宙域ライブは一時中断だ。メンバーはヴァルキュリアシステムを維持したまま艦内に戻して降下準備に入ってくれ」
楓『わかりました。そちらはどうしますか?』
P「こちらはギリギリまで戦闘を行う。互いに苦しい状況になるだろうが、宙域の白蜂は少しでも減らしておかなければならん。志乃さん、悪いが付き合ってもらうぞ」
志乃『あら……ふふっ、分かったわ』
早苗『うへぇ……下がったっていいじゃないの……』
美優『後方支援の……S-06が上がってくるそうです。それでも、大規模の巣が3つの状態で、ノルン艦4隻では苦しいとは思いますが……』
P「だがやるしかあるまい。ブリヤントノワール、ニュージェネレーション、聞こえるか?」
ピピピッ!
千秋『聞こえているわ。降下準備ね?』
P「ああ。艦隊の進行ルートの確保をしていたそちらのほうが消耗が激しいだろうから、そちらは先にフレイに帰艦しておけ」
千秋『了解。ニュージェネ―レーション隊もいいわね?』
未央『はいっ! ってP少佐たちはまだ前線残るんだ……』
532 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 00:59:26.97 ID:68gYMTWg0
P「ギリギリまで数を減らしてから俺たちも動く。降下するときは同じタイミングだ」
美嘉『って喋ってるのはいいけど! こっち結構来てるよ!』ズドォンッ!!
蘭子『微かな隙を突いてくるとは……女王の意思ではなく、本能がそうさせているのか……!!』ギュンッ!!
G型「!!」ドシュシュシュッ!
奈緒『針か……くっ! ナオ!』
ナオ『抜けさせるかよ! ビフロスト……!』ピピピピッ!
ボシュシュシュシュシュッ!!
P「とりあえずこちらは可能な限り残る。フレイヤはM-01と合わせて降下準備をしてくれ」
……
…………
533 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:00:18.65 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(ブリッジ)
志乃「というわけで……整備長、裏で降下準備、お願いね」
整備長『へい了解! タイミング合わせてすぐやれるようにしとく! そっちも艦の移行は任せたぞ!』
ピッ!
早苗「うひゃー……他所の星に降りることになるとはねぇ」
瑞樹「作戦プランの中にあったでしょう? ほら、弾幕張りながら準備するわよ」
志希「……そうだ、ちょっとS-02、聞こえる? 探査ポッドまだ残ってるの?」
ピピピッ!
時子『煩い』
志希「いやーゴメンゴメン、でもこっちにいるうちにまた撒いてもらわないとさー」
時子『他の調査部隊からも同じ話が来ているわ。今残っている分を撒かせるから、現時点での惑星Bの環境情報の採取はしておきなさい』
志希「そのつもりだってー。それに降下した後も急いでやらないと、アインフェリアを外に出せるか分からないし?」カタカタカタッ!
ピピピッ!
晶葉『こちらのほうでもある程度はやっておく。降下直前に互いのデータを渡して突合せしておくか』
志希「はいはいりょーかい♪」ピッ、ピッ!
……
…………
534 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:00:47.84 ID:68gYMTWg0
――数分後、戦闘宙域
ピピピッ!
ちひろ『フレイヤU、VPS-001と002、降下する全艦の準備が整いました。これより戦闘宙域から離れて惑星Bへ移動、クイーンの降下予測ポイントに向かって降下を開始しますよ』
P「了解した。VPS-001、002、これより前線から離れて惑星Bへの降下を開始する。対象艦隊は既に移動を開始している」
P「こちらはフレイヤUの甲板に着艦後、機体保護の為にハイパーマニューバモードに切り替えて降下に備える」
周子『りょうかーい。奏ちゃん、何しとるんやろか』
美嘉『……』
P「補給の必要がある機体は間に合うなら艦内に戻って補給だ。必要な機体はあるか?」
愛梨『フォートレスは大丈夫です。弾も節約してましたし、降りてからも十分戦闘できます』
ナオ『加蓮は大丈夫か?』
加蓮『こっちはオプション兵装で増設した分がほとんどだから、むしろ降下した後は軽いほうがいいかも……今のうちに半端に使ってるミサイルコンテナは使い切るから』
P「であれば全機、フレイヤUの甲板に着艦する。降下前のマニューバの移行は忘れるなよ」
……
…………
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:01:53.38 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(格納庫)
パシュンッ!
美波「……」ハァッ、ハァッ……
夕美「とりあえず……いったん、休憩……」ハァ……
晶葉「お前たち、よくやったぞ! 艦隊がクイーンに接近しきれずに有効範囲に入れなかったのは残念だが、前線が有利に進んでいたのもお前たちの歌が白蜂に影響していたのもある」
文香「そう、だと……よろしいのですが……」ハァ……ハァ……
藍子「み、みなさんは……?」
晶葉「みんなも降下準備に入ったと連絡が来ている。お前たちは今のうちに休んで、降下後のライブの再開に備えておいてくれ」
ありす「はい……」
晶葉「私は星の環境情報の取得をしなければならん。水や必要な物はカーゴに纏めているから端のほうで休んでくれ」フワッ
夕美「……みんな」ハァ、ハァ……
文香「はい。このまま、では……」
美波「Pさん、ダメです。このままだと……」
……
…………
536 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:02:23.82 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域後方
P「くっ、ここまで追いかけてくるか!!」ギュンッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
GS型「!?」ドガアアアアンッ!!
GS型「……!」ギュンッ!
『少佐! 少佐は降下準備のほうを急いでください!』ギュンッ!
ドガガガガガァンッ!!
P「降下部隊の近くまで白蜂たちも向かっている。もう少し抑えねば……」
『ここは私たちのほうで抑えます! なあに、巣の3つほど、少佐たちが戻ってくるまで抑えてみせますよ』
P「だが……」
ピピピッ!
志乃『時間よ……間もなく、降下開始するわ。貴方が戻ってこないと、私たちだけ置いていかれるわ……』
P「くっ……すまん、苦しいだろうがここは任せた!」ガションッ!
『―Hyper Maneuver Mode Migration―』
ドシュウウウウウンッ!!
『了解! 少佐もお気をつけて!』
……
…………
537 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:03:55.37 ID:68gYMTWg0
――惑星B上空宙域、フレイヤU(甲板)
ガションッ!!
P「フレイヤU、ヴァリアントは着艦させた。降下準備に入ってくれ」
瑞樹『もうっ、遅いわよ? それじゃあ降下準備行くわよ。艦全体にイージスを展開!』
ピッ!
P「……ここでは無理だったか」ハァ……ハァ……
P(すまん、皆……もう少しだけ、頑張ってくれ……)
ピピピッ!
P「……なんだ」ピッ!
志希『降下前だけど、一応取得した環境情報見た限りだと大気があるね。ちゃんとデータ取らないとだけど、やっぱり地球と似た環境かも』
P「ビーたちが俺たちの環境に順応するのも早かったし、降下準備もそれを想定しての体制だから、予想通りだ。アインフェリアは外に出せるのか?」
志希『降下終わった後にすぐデータ取って確認するから待ってて。問題無かったらそのままライブやらせるから』
P「ああ、頼んだ」
志希『……大丈夫?』
P「問題ない。まだ1時間も経っていない」
志希『……ま、キミなら大丈夫か』
P「すまんな、気に掛けさせてしまって。志希はそのまま作業を続けてくれ」
志希『……うん、りょーかい』
ピッ!
P「……もう少し、もう少しだ」ハァ、ハァ……
……
…………
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:04:49.69 ID:68gYMTWg0
――惑星B上空宙域、フレイヤU(甲板)
奈緒「……」
ピピピッ!
奈緒「ん? 個別回線……」
ピッ!
加蓮『奈緒』
奈緒「加蓮か、どうした?」
加蓮『……いまのうちに、言っておこうと思って』
奈緒「いやいやちょっと待て、このタイミングでそんなこと言われると、あたしならともかく加蓮が言うとフラグにしか聞こえないっていうか」
加蓮『何言ってんのよ! その……さ、前は、言えなかったから』
加蓮『奈緒には、ずっと助けてもらっていたのに、あの時、お礼も言う前に帰っていっちゃったから』
奈緒「加蓮……」
539 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:05:58.29 ID:68gYMTWg0
加蓮『……ありがとう、奈緒。ずっと私たちのことを助けてくれて。今だって……だから私、あなたに出会うことが出来て、本当によかった』
加蓮『本当は、もっと一緒にいたい。できれば、ずっと……だけど、奈緒には帰る場所があるんだって、ちゃんとわかってる』
加蓮『奈緒の世界の私が、奈緒の帰りを待っているから……だから今度はちゃんと、奈緒が帰ることが出来るまで……私が奈緒を守るから』
奈緒「……いつか、晶葉たちの研究が進んだら、あたしの世界と、この世界はちゃんと繋がることが出来るかもしれない。次元崩壊とか、あたしは難しいことはよくわかんないけど」
奈緒「だから、もしあたしがそのうち帰ったとしても……また会える。あたしだって、加蓮とずっと一緒にいたい。ナオとだって……」
加蓮『奈緒……』
奈緒「信じよう。あたしたちが一緒にいられる未来……平和な世界で、一緒に歩ける明日があるって」
奈緒「それまでは……一緒に戦おう。あたしたちの為に、ビーたちの為に……この世界の為に」
加蓮『……うんっ』
……
…………
540 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:06:57.12 ID:68gYMTWg0
――惑星B上空、フレイヤU(ブリッジ)
瑞樹「降下……大気圏? 抜けたわよ! っていうか体が重いわね……!」
志乃「ふぅ……疲れるわね……」
早苗「これ重力でしょ? ってことは……」
志希「回線接続オッケー……晶葉ちゃん!」カタカタカタッ!
ピピピッ!
晶葉『環境情報を採取を開始する。解析データ全部共有に回して急いで片付けるぞ』
志希『りょーかい、アインフェリア待たせちゃったら、クイーンもいつ怒っちゃうか分からないもんねー」カタカタカタッ!
志乃「各機……大気圏みたいな空間、抜けたわよ。キレイなところね……」
ピピピッ!
愛梨『わぁ……ここが……』
周子『ビーの世界……ね。てっきり、赤い空でも広がってるのかなーって思ってたけど』
加蓮『空は青いし、海……みたいなのもあるし、それに……』
ナオ『奥に見える……地面、森……? あたしたちの住む世界と、ほとんど変わらないように見える……』
奈緒『……』
美嘉『……』
フレデリカ『おー、我が故郷だー』
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:07:27.55 ID:68gYMTWg0
奈緒『……なあ、フレデリカ。ここって、本当にフレデリカがいた星なんだよな?』
フレデリカ『うん、そうだよー。鉄はないなぁー』
奈緒『……あたしたちの住む世界と、ほとんど変わらないんだな。いや、綺麗な景色ってだけなら、ここのほうがずっと綺麗かもしれない』
ナオ『奈緒?』
P『皆、話はそこまでだ。アレを見ろ』
ピピッ!
瑞樹「スクリーンに……あれ、巣?」
早苗「え、何アレ……え、ちょっと、え、デカくない? え、デカいってあれ!」
晶葉『アレは……大地に埋まっているが、コロニー級の巣か……? ノルン級の巣とほぼ同サイズのクイーンが入れるほどの……』
P『クイーンは上空で移動し続けているが、降りる気はないのか……? いや、だが……』
フレデリカ『……あそこでね、アタシたち、生まれたんだ』
周子『へー、それじゃああそこがフレちゃんの実家かー』
フレデリカ『うん、でもみんな、ゴハンも無くなって、どこ探しても何もなくて、だから……』
P『……』
542 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:07:54.08 ID:68gYMTWg0
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
瑞樹「警報!? あ、ちょっとみんな!」
志乃「降下してきたの……どうやら、クイーンと私たちだけじゃ、ないようね」
P『くっ、このまま降下が完了してクイーンに接近出来ればよかったが……!!』
奈緒『3つあった巣のうちの1つか……大規模の巣1つなら……!』
ピピピッ!
時子『降下した前線部隊、再度展開して戦闘続行しなさい。追いかけてきた奴等もそのつもりみたいね』
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
早苗「うっそ、巣から白蜂まだこんなに……30、35……!」ピピッ!
ちひろ『ちょっと待ってください、まだ来ますよ。陸地の巣からも何か来ます!』
志乃「スクリーンに出して……」
フォンッ……
加蓮『デカっ……あれも、白蜂……』
奈緒『G型以上の重量級……あれだけデカいのは初めて見たぞ……』
P『ともかく、対応しないことには始まらん。各機、動くのは艦の姿勢が安定してからだ』
……
…………
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:08:36.37 ID:68gYMTWg0
――ノルンS-02(ブリッジ)
「データ照合、未確認種です!」
時子「大型の暫定コードはGL型にしなさい。数は?」
「索敵結果……GL型、6匹確認できました。他、G型及びGS型もコロニー級の巣から出現しています!」
時子「チッ、上も下も、どこも煩わしいわね……NGF小隊を出撃させなさい。重力があるから、落ちないように飛びなさい!」
ピピピッ!
智絵里『と、時子さんっ!』
時子「智絵里……戦闘中よ、さっさと行きなさい」
智絵里『は、はいっ、あの……時子さん、私……ちゃんと頑張りますねっ!』
時子「……ええ、気を付けなさい」
智絵里『はいっ! コンコルディア隊、出撃しますね!』
ピッ!
時子「……」
……
…………
544 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:09:36.55 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(ブリッジ)
志希『そっちに渡したデータ、照合どうだった?』
晶葉「そちらの解析結果と一致した。大気の構成情報は地球とほとんど変わらん。ただし粒子濃度が地球のそれより多い」
志希『多分、ビーたちが体で粒子を生成出来ているのも影響してるんじゃないかなー。この星の環境に合わせて、ビーもそうやって進化していったっていうか』
楓「大丈夫そうですか?」
晶葉「データ上は問題ない。生命維持装置のチェックと、積層イージスを再展開して専用ステージを起動させる」
美優「アインフェリア……聞こえますか? 外に出ても大丈夫みたいです……ステージの準備が終わったら、お願いします」
ピピピッ!
美波『……はい、わかりました』
晶葉「ステージ上では重力や大気の影響はほぼ受けないとは思うが……助手よ、応答しろ」ピピピッ!
P『どうした、アインフェリアか?』
晶葉『解析したところ、恐らくは外に出ても大丈夫だ。ステージ上は積層イージスによる保護領域が展開されるから宇宙と同様に環境の心配はほぼないが、何か異常があったらすぐに艦内に戻す』
P『了解した。こちらも出撃する』
楓「お願いします。落ちないでくださいね」
P『俺なら大丈夫だ。この感覚なら慣れている』ピッ!
……
…………
545 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:10:23.40 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
未央『ニュージェネレーション隊、出撃しました!』
卯月『体が重い……これ、ちゃんと飛べるかなぁ……』
翠『大丈夫です。この場面を想定して、P少佐はこれまでNGFによる通常飛行の技術を重要視していました。それに、フレイやフレイヤについても同様です』
琴歌『はい! 宇宙での稼働を前提として開発されてなお、強襲揚陸戦艦としてロールアップされたフレイとフレイヤであれば、存分に動くことが出来ますわ!』
千秋『どこの誰がそんな想定をしていたのか……ともあれ、ここからが正念場ね。これまでの戦闘とは違って、被弾したら落ちるだけよ』
菜々「みなさん、下に落ちたら助けられませんから頑張ってください! 無理だけはしないように!」
卯月『は、はいっ!』
智絵里『ううう……だ、大丈夫かな……』
奏『そうならない為にも、しっかり動いて的にならないようにしましょう』
凛『待ってみんな、クイーンの動きが止まった……』
女王「……」
千秋『降下してきた巣の後ろに……下からも来ているし、これは少し厳しいわね……』
菜々「大丈夫です! みなさん、アインフェリアを……アイドルを信じましょう!」
未央『私たちもアイドルだからね……っと、それじゃあアインフェリアが頑張ってくれると信じて、もうひと頑張り行くよ!』
……
…………
546 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:10:50.29 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(専用ステージ)
夕美「綺麗……ここが、ビーたちの……」
ありす「地球と似ています。いえ……地球と、何が違うのでしょうか……?」
文香「わかりません……ですが、少し安心しました。私たちも……もしかしたら、ビーたちと……」
藍子「……よかった。本当に……あとは、分かり合うだけ……」
美波「まだ終わらないわ。私たちの歌を……この空に!」
……
…………
547 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:12:50.18 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/EO4OfoC.jpg
P「VPS-001、002、俺たちのポジションは宙域での戦闘と変わらん。同様に立ち回るぞ」
ナオ『この感覚は……空の下で飛ぶことなんて無いからな……!』ギュンッ!
P「訓練した通りに動けばいい。蘭子、奈緒は大丈夫か?』
蘭子『我ならば存分に己の魔力を放てる! 荘厳なる光の元、頂きに見えるのは我と偶像の象徴!』
愛梨『大丈夫ってことですよね?』
蘭子『うん』
奈緒『あたしも大丈夫だ。空を飛んだことはないけど、この感覚なら慣れてる』
フレデリカ『フレちゃんだって大丈夫だからねっ!』
P「了解した。ではVPS-002は前線部隊と戦闘を頼む。VPS-001は同様に空域を飛び回るぞ」
奈緒『デカいのはどうする?』
P「俺とダブル奈緒、神崎少尉と十時大尉で対応する。向こうに行った分は安部中尉が対応する」
愛梨『GL型、4匹はこっちに来て、2匹はニュージェネのほうに……わかりましたっ!』
GL型「……!」
GL型「……!」
P「白蜂たちにとってのホーネットのような存在といったところか……よし、行くぞ!』ギュオオオオオオオッ!!
……
…………
548 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:13:17.42 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
GL型「!!」ドシュシュシュシュッ!!
『うわああああああっ!?』
ドガガガガガァンッ!!
翠『速い……あの巨体で、あれほどの速度で飛行するとは……!』ドシュゥゥゥゥンッ!
GL型「!?」ギュンッ!!
翠『外した!? 的は大きいはずなのに……!』
千秋『迂闊には接近できない……それならミサイルで!』ボシュシュシュッ!
ドガガガガガァンッ!!
GL型「……」
千秋『なっ……あれは、粒子膜……まさかバリアを!?』
菜々「ブリノワはもう1匹のGL型や他の白蜂の対応を! ここはナナが行きます!」ガションッ!
ドドドドドドドドドッ!!
卯月『菜々ちゃん!?』
菜々「ARGTが大型なのは、こういう相手を想定してたから……ウサミンロボ、行きますよぉ!!」ガコンッ!
GL型「!!」
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:13:43.98 ID:68gYMTWg0
菜々「機体前面にイージスを展開……ウサミーン……アターック!!」ギュンッ!
バゴォォォンッ!!
GL型「……!!」ギ、ギギギ……
菜々「ふんっ! う、くぅ……!」グッ、グググ……!!
未央『えっ、えええええっ!?』
凛『うそ……蜂と取っ組み合いしてる……』
菜々「ウ、サ、ミーン……パワー!!」ガションッ!
ズドドドドドドッ!!
GL型「!?」ギュンッ!
菜々「み、みなさんはもう1匹のGL型を! 前線は他の白蜂もいますし、こいつはナナが抑えます!」
GL型「……!!」ブブブゥゥゥゥゥンッ!!
未央『ウサミンロボと同じ大きさの白蜂を相手にするのはちょっと……でもやらないとね、行くよ!』
凛『宇宙と違って押されているところもあるし、こっちの前線は結構キツイかも……!』
……
…………
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:16:22.20 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域
https://i.imgur.com/OK8WSFs.jpg
P「ドラウプニル!!」ガションッ!
ガキキキキキィンッ!!
GL型「!!」ギュンッ!
P「装甲が抜けない……! やはり貴様は他の奴等とは別格か!」ギュンッ!!
奈緒『コイツら……GL型が来てから、他の白蜂の動きも違う……!?』
ナオ『アインフェリアの歌の効果がないからか、それとも……!』
周子『多分、ホーネットと同じ役割を持ってるなら、コイツ等がいるから白蜂の統率が取れるようになったのかも』
美嘉『こっちの前線……蜂の動きが集中してて……!!』
フレデリカ『ちゃんと考えて動いてる感じ?』
蘭子『愛梨ちゃん!』
愛梨『はい、大型には大型……P少佐、ヴァルキュリアシステム起動します!』
『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!
パシュウンッ!!
愛梨『他の部隊に被害が出ないように、せめて私たちで引き付けておかないと……! ターゲット、ロックします!』ガションッ!
ピピピピッ! ピピピピッ!
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:17:07.85 ID:68gYMTWg0
愛梨『砲身展開、高圧縮プラズマキャノン、ファフニール……行きます!』
ズドォォォォンッ!! ズドォォォォンッ!!
GL型「!?」ブブゥゥゥゥゥンッ!!
蘭子『速い……!』ギュンッ!
加蓮『それなら弾幕を張って足を止めれば……32連装誘導ミサイルランチャー……行くよ!』ボボボボボボシュンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
ナオ『ダメだ相手が速い……足を止めるのにも……!!』
P「くっ、この状態では前線が疲弊するだけか……! 早くクイーンのところに行かなければ……!」ギュンッ!!
ピピッ! ピピッ!
P「くっ……」ハァ、ハァ、ハァ……!
P「蘭子と愛梨のシステム起動が増えて……残りの稼働保証時間は10分か……アインフェリアの負荷が想定以上に高い……」
P「……だが!」ガションッ!
ズドォンッ!!
G型「!?」ドガアアアアンッ!!
P「このままでは終われん……早く、早くクイーンのところに行かねば……皆の歌を届ける為に……!!」ハァ、ハァ……
https://i.imgur.com/B3Xba2Y.jpg
……
…………
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:19:00.48 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(ブリッジ)
晶葉「助手のバイタルデータがイエローゾーンに入ったか……長期戦も視野に入れていたとはいえ、アインフェリアの負荷がこれほどとは……」
美優「Pさん……!」
楓「大丈夫です」
晶葉「楓……」
楓「Pさんなら、大丈夫です。いつも、そうでしたから……どんなときも、最後は……」
楓「だから私たちは、私たちの仕事をしましょう。最後まで」
美優「……はい」
晶葉(私からこれ以上、お前たちにしてやれることは……頼む、アインフェリア……)
……
…………
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:20:42.82 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
GL型「……!」ズドォォォォンッ!!
ドガガガガガァンッ!!
『がっ――』
『だ、ダメだ避けれ――』
ドガアアアアアアアアンッ!!!
凛『くっ、この!!』ギュンッ!!
奏「コイツ、攻撃範囲が異常なほど広い……!」ズドォンッ! ズドォンッ!!
GL型「……!」ヒュバアアアアッ……
奏「粒子膜によるバリア……私たちと同じようなことが出来るのね……!」
卯月『奏ちゃん、コンビネーションマニューバで行きましょう! あの白蜂はみんなで戦いませんと……!』
奏「……仕方がないわね、牽制するわ。粒子膜のバリアを抜けるタイミングがあるのか……誰か、見極めて!」ガションッ!
ボシュシュシュシュシュッ!!
卯月『こっちも……ビフロスト!』ボシュシュシュシュシュッ!!
GL型「!」ブブゥゥゥゥンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:22:42.65 ID:68gYMTWg0
翠『ミサイルが当たっても効果が……ですが!』ギュンッ!!
智絵里『近接戦闘なら……!』ガションッ!
千秋『ええ、ミサイルを受けている隙に!』ブォンッ!!
GL型「……!」ヒュカカカッ!!
奏『っ!? ダメ、離れて!』
千秋『この挙動は……針!?』ギュンッ!
智絵里『えっ――』
ドガアアアアアアンッ!!
智絵里『きゃあああああああっ!!』ビビビビビッ! ビビビビビッ!
翠『智絵里さん!』
未央『ちえりーん!!』
千秋『智絵里さん! コイツは!!』ブォンッ!!
シュパアアアアアンッ!!
GL型「……!?」ブブ……
ドシュシュシュッ!!
千秋『くっ、張り付けない……!! だけど、フラガラッハの手応えはあった……接近さえできれば……!』
……
…………
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:23:56.68 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
菜々「向こうで智絵里ちゃんがやられた!? こ、この白蜂はもうっ……!」カタカタカタッ!!
GL型「……!!」ズドォォンッ!!
菜々「くっ、イージスが効いているうちはまだこっちも……だけど!」ガションッ!
菜々「脚部装甲展開、照準……! ウサミンキャノン!」ドギャァンッ!
GL型「!?」ドガアアアアアンッ!!
菜々「抜けた! このまま一気に……!!」ギュンッ!!
GL型「……!」ヒュカカカカッ!
ドシュシュシュシュッ!!
菜々「針……くっ、さっき近づいたときに倒しきれたらよかったんですけど……!」
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:24:38.72 ID:68gYMTWg0
ピピピッ!
菜々「はい!」ピッ!
桃華『菜々さん、前線ラインが押されていますわ! 手薄になっていた場所をG型の群れが集中して……!』
菜々「まだこっちも終わってないんですよ……! こいつ残したままだと……!!」ボシュシュシュシュッ!!
ドガガガガガガァンッ!!
千秋『ホーネットだったビーの部隊から連絡があったわ。GL型自身で他の白蜂の統率を取っているらしいわ……早いうちに片付けないと!』
菜々「とはいえ、デカい速い硬い攻撃範囲は広いの4コンボでこっちも中々……大型の対策にARGTや蘭子ちゃんたちの機体があるのに……」
翠『あちらに流れたのは4匹……こちらの前線が押されている状況では、遊撃として立ち回るP少佐たちの動きも……!』
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
菜々「P少佐たちの状況が……!」
……
…………
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:26:22.76 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
https://i.imgur.com/EvSVOgn.jpg
愛梨『指定区域に波状攻撃を行います。ナオちゃん加蓮ちゃん、兵装リスト出してください!』
ナオ『索敵データ共有、拡散粒子ミサイル、フローティの発射準備、ガンダルヴ・ミニオンを射出……!』ガショガションッ!!
加蓮『ウィングバインダー展開、バルムンク照準……行けるよ!』
愛梨『蘭子ちゃん、姿勢制御お願いします! フルウェポン、バーストしますよ!』ズドドドドドドッ!!
GL型「!?」ドガガガガガァンッ!!
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
加蓮『他所には行かせない!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
P『早苗さん、そちらも頼む!』ボシュシュシュシュッ!!
早苗『りょーかい! アルヴァルディ、全弾打ち込むわよ! 避けてね!』
ドガガガガガガガガァンッ!!!!
GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
奈緒『くっ、攻撃の手を休めたら前線ラインの維持が……こっちにも他の白蜂は流れてきてるってのに!』ギュンッ!
P『こちらの前線ラインの機体消耗率は戦闘開始時点から3割減……これ以上荒らされると強襲艦隊も抜けられてM-01まで接近される可能性もある……!』
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:26:50.30 ID:68gYMTWg0
G型「……!」ズドォンッ!!
美嘉「こいつら、さっきからずっと!!」カチッ……
美嘉「弾が……あああっ!?」ドガアアアアンッ!!
フレデリカ『美嘉ちゃん!』
周子『大丈夫!?』
美嘉「……」ハァ、ハァ、ハァ……
P『少尉、応答しろ、少尉!』
美嘉「……機体は無事、だけどミサイルとかはほとんど弾切れ状態……補給しなきゃこれ以上は動けない」
周子『それじゃいったん戻るよ! 補給して、機体は破損個所があるなら丸ごと交換で出直せばええから、いいよね少佐!』
P『分かった。LiPSSは前線ラインに出続けていたから補給タイミングも無かったか……随伴機は2人で頼む』
フレデリカ『うん! 戻ろ、美嘉ちゃん』
美嘉「……」
美嘉(なんで、なんで……こんな……!)
……
…………
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:35:42.46 ID:68gYMTWg0
――ノルンM-01(メインブリッジ)
https://i.imgur.com/nmB6e49.jpg
「GS型2匹、前線を抜けて右舷前方より接近してきます!」
ちひろ「こっちまで……ブリンガーの自動掃射! 連装リニアカノン、ヨルズの1番2番を照準!」
ピピピッ!
楓『ちひろさん、こっちも迎撃に出ますか?』
ちひろ「フレイヤは下がってください! M-01はフレイヤの防衛を最優先に動きます、ライブは止めないようにお願いしますよ」
P『M-01、そちらに白蜂が流れたが大丈夫か!』
ちひろ「大丈夫です、フレイヤまでは絶対にこちらで通しません。前線のほうは……」
P『デカいのが暴れているせいで状況が悪い。前線ラインを下げねばこのままでは持たん』
ちひろ「わかりました。M-01で待機させている強襲艦もすべて出します。ここで戦況を崩すのはマズイですし」
P『すまない、頼んだ』
ピッ!
ちひろ「サブブリッジに通達、待機中の強襲艦もすべて出します。M-01の護衛として1隻残して、残りは前線に!」
……
…………
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:36:25.08 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
瑞樹『LiPPS全員収容したわ。補給済ませたらすぐに出させるから待ってて!』
P「了解した。整備班にはなるべく急がせてくれ」
ピッ!
P(宙域での戦闘とは違い、戦力を分断したのもあってこちらが不利だ……前線の消耗率も上がって来て、このままでは……)
P(こちらの進行が遅い……皆のシステム負荷を受け持つ限界時間もあるし、早くアインフェリアの歌をクイーンのところに……)
ピピピッ!
P「どうした」ピッ!
愛梨『Pさん……先に行ってください』
P「愛梨!? だがこの状況では……」
愛梨『もうPさんが、みんなのシステム負荷を受けてから時間も経って……アインフェリアだって、ずっと歌い続けてることはできません』
愛梨『それに……これ以上、長引くと私たちのほうが……』
P「……」
奈緒『……行こうPさん、どの道この状況でデカブツ4匹の相手をしてると足止めをされるだけだ』
P「……LiPPSは補給に戻っている。ニュージェネレーション隊やブリヤントノワールもGL型の相手でこちらには来れん」
蘭子『我らを見くびっては困る。偶像の象徴と共に導かれし魂は、至高の極みへと至っている』
蘭子『……大丈夫です。前もそうでしたし、今回だって……全部は無理かもしれませんけど、行ってください』
P(俺は……俺は……)
ドクンッ、ドクンッ……
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:36:56.73 ID:68gYMTWg0
P「……VPS-001、隊を分ける。ダブル奈緒、北条少尉は俺についてこい。戦闘区域を強行突破し、巣の奥にいるクイーンのところへと向かう」
P「十時大尉、神崎中尉はこの場に残ってGL型の足止め、及び前線ラインの維持だ。フォートレスの役割、ここで成果を上げてくれ」
蘭子『よくぞ言った、漆黒の騎士!』
愛梨『はい! みなさんもお気をつけて!』ガションッ!
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
P「早苗さん! あるだけ打ち込んでくれ!」
早苗『よく分からないけど了解! 主砲ティルウィング1番2番、レーヴァテイン1番、アルヴァルディも撒くわよ!』
P「フォートレス以外はGN形態に移行だ。フォートレスとフレイヤの砲撃に合わせて前線の白蜂の群れを抜ける!」ガションッ!
奈緒『了解!』
ナオ『加蓮、ブースターユニットはいけるか!』
加蓮『大丈夫、まだまだ飛べるから……!!』
早苗『全弾いくわよー……近くのお仲間さん、当たるんじゃないわよ!』
ズドドドドドドドドッ!!!!
愛梨『ガンダルヴ、予備機のガンダルヴ・ミニオンも射出、高圧縮粒子砲リンドヴルム照準! 蘭子ちゃん、高機動形態に移行しますよ!』ガションッ!!
蘭子『我らの希望はここで繋ぐ! 光の翼よ!』ドシュウウウウウウンッ!!
ドガガガガガガァンッ!!!!
P「着弾を確認した、行くぞ!」ギュオオオオオオッ!!
加蓮『はい!』
奈緒『蘭子、愛梨、戻ってくるまでは頼む!!』
ナオ『必ず戻ってくるからな!』
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:38:20.06 ID:68gYMTWg0
蘭子『みんなの分まで……!』ピピピピッ! ピピピピッ!
愛梨『蘭子ちゃん!』
ズドオオオオンッ!!
蘭子『粒子砲!? くっ……!!』ギュオオオオッ!!
GL型「!!」ギュンッ!!
GL型「!!」ギュンッ!!
愛梨『ああっ、2匹に抜けられた……!?』
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GL型「!」ギュンッ!
蘭子『だが、残りの2匹は!!』ガションッ!
ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!
GL型「!?」ドガアアアアンッ!!
蘭子『我が魂は、偶像の象徴と共に在る……貴様等では止めることは出来んぞ!』
愛梨『Pさんたちを信じて……いきましょう、蘭子ちゃん!』
……
…………
563 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:38:50.85 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
P「ビームウィングを展開する。クイーンへの飛行ルートはこちらで算出する!」カタカタカタッ!!
奈緒『こっちに来る奴は無視していい! 近距離に入られたらあたしが斬る!』ギュオオオオオオオッ!!
ナオ『加蓮、弾幕だ! 飛行ルート上で白蜂の密度の高いポイントにピンポイントで打ち込むぞ!』
加蓮『うん、弾は全部使い切るつもりで……!』
GS型「!!」ブブゥゥゥンッ!!
P「邪魔だ!」ズドオォンッ!!
ドガアアアアアアアンッ!!
ピピッ!
P「この飛行で細かいルートまでは絞り込めん。今転送したルートで向かうぞ」
ナオ『了解、巣は上から飛び越していくか……弾幕の展開ポイントは……』
ビビビビビッ! ビビビビビッ!
P「砲撃……散開!」
ズドドドドドドドッ!!
加蓮『アイツら……!!』
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
564 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:39:42.20 ID:68gYMTWg0
奈緒『蘭子と愛梨でも2匹は漏らしたか……だけど今は!』ギュンッ!!
ピピピピピッ!!
ナオ『P少佐、巣から増援だ、種類は何でもいいけど数は20くらい!』
P「くっ、この状況ではこのルートを使えん……ルート再編成……!」カタカタカタッ!
GL型「……!!」ドシュシュシュシュッ!!
ナオ『針!? 撃ち……落とす!』ピピッ!
ズドォンッ!
ドガアアアアアアンッ!!
奈緒『やっぱりこいつらがいると……それならあたしたちがここで足止めして、Pさんだけでも向かってくれ!』
P「白蜂の群れの中でお前たちを置いていくことはできん!」
加蓮『だけど! このままじゃPさんだって限界でしょ!』
P「俺のことはいい! お前たちだけでは……」
G型「!!」ズドォンッ!!
P「ぐっ……他の奴らも集まってくるか……!」ヒュバアアアアアッ……
ナオ『4人だけだと捌ききれない……くそっ、このままじゃ……!』
……
…………
565 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:40:35.66 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
ピピピッ!
瑞樹『フレイのみんな! 結構マズイ状況だったからP君たちが強行突破でクイーンのところに向かったけど、やっぱり向こうも厳しいみたい!』
瑞樹『誰でもいいから、増援に行けるメンバーいないかしら!』
千秋『ええっ!? この状況で前線を抜けたって……』
翠『こちらも向かいたいところですが、この状況では……』
菜々「Pさん……ナオちゃん、加蓮ちゃん……!!」
菜々『ナナは……私、は……隊長なのに、Pさんのことも、黒井大佐のことも、美優さんのことも……守ってあげられなくて……』
麗奈『……アンタのそんな顔、私は見たくないわ』
菜々「……ナナが行きます! ARGTなら強引にでも!」ガションッ!
卯月『菜々ちゃん!? でも菜々ちゃんのほうにもGL型が……』
菜々「大丈夫です!」ギュオオオオオオッ!!
ガギィィィィンッ!!
GL型「!?」
566 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:41:01.77 ID:68gYMTWg0
菜々「つ、か、ま、え、た……! ここ、で……ウサミンロボ、背面兵装展開、砲身準備!!」
GL型「……!」ブ、ブブ……
菜々「ナナは気合が違うからやれます!! ゼロ距離ウサミンバスター!!!!」
ズドドドドドドドドドッ!!
GL型「――!!」
ドガアアアアアアアアアアンッ!!!!
菜々「……」ハァ、ハァ、ハァ……
奏『GL型を……』
未央『ウサミン……』
菜々「……ブリヤントノワール隊、ニュージェネレーション隊、後の1匹はお任せします! ナナは……」
菜々「……行かなきゃ」ガションッ!
ギュオオオオオオオッ!!
……
…………
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:41:27.67 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(格納庫)
整備長「補給が済んだらすぐに連絡する! 時間が出来たんだ、少しでもいいから休んでおけ!」
周子「りょーかい。だけどそっちも急いでよー?」
フレデリカ「……アレ?」
「パックの交換が先だ! コンテナ持ってこい!!」
「破損個所は全部交換でいいから、後は交換した部分の動作チェックだけやっておけって!」
フレデリカ「……美嘉ちゃん?」
タタタタタタッ!!
周子「……ん? あの2人……」ピクッ
……
…………
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:42:09.39 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(通路)
フレデリカ「美嘉ちゃーん、美嘉ちゃーん! 休憩するならみんなのいるところにしよー!」
タッタッタッタ……
フレデリカ「おーい、美嘉ちゃーん、どこー? しるぶぷれー?」
タッ――
パァンッ!!
フレデリカ「わぁっ!?」ドサッ!!
美嘉「……」ハァ……ハァ……ハァ……
フレデリカ「みか……ちゃ、ん……」
美嘉「アンタが……アンタたちが……いなかったら……」ハァ、ハァ、ハァ……
美嘉「みんな、こんなことしなくて、よかったのに……誰も死ななくて……莉嘉も、本当だったら、アタシと……一緒に……!」
フレデリカ「美嘉ちゃん……違う、アタシは……アタシたちは……」
タタタタタッ!!
周子「いた! ちょっと何やってんの! そんなことしたらあかんって! 美嘉――」
美嘉「アンタたちがいなかったら!!」グッ!!!!
フレデリカ「アタシたちは……ただ、生きて……」
……
…………
569 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:43:43.26 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
P「くそっ、ナオ、GL型に牽制だ。左からのルートを作る!」
ナオ『了解! このっ、こっち来るなよ!』ズドォンッ! ズドォンッ!
GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
奈緒『完全に足止めされたか……くそっ、もう少しで巣を通過できるのに……!!』
ドガアアアアアンッ!!
加蓮『ああっ!? ううっ……ブースターユニットが1つ潰された……P少佐、早く!!』
奈緒(くそっ、ナオもいるんだ……2人でなら……!)
ドクンッ、ドクンッ……
ナオ(必ず出来る、出来るはずだ……奈緒といるなら……!)
ドクンッ、ドクンッ……
P(機体はある、皆がここまで道を作ってくれた……行かなければ……速く、もっと速く飛ばねば……)ハァ……ハァ……ハァ……
ピピッ! ピピッ! ピピッ!
P(俺は、この先に……)ハァ……ハァ……
P(俺は――)
ドクンッ――
……
…………
………………
……………………
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:44:16.74 ID:68gYMTWg0
――???
『Pさん!』
P『誰だ……俺を呼ぶのは……』
美波『間違えないでください、Pさん……1人で行かないで……!』
P『美波……だから、俺は奈緒たちも……』
文香『私たちを……置いて、いかないでください……』
P『文香……』
藍子『あなたが傍にいてくれたから、私たちはここまで来ることができたんです』
夕美『だから……1人で行こうなんて、思わないで』
P『藍子、夕美……』
ありす『歌だけではありません。私たちの想い……私たちの願いを……』
P『ありす……』
ありす『あなたがいてくれたから、私たちは願いを捨てずにいることが出来ました。ずっと、あなたに助けてもらっていたから……』
P『だが、俺は皆に救われた。俺が再び戦うことの意味と、生きる意志を、お前たちから貰った。俺は……皆がいなかったら……』
美波『はい。だから、私たちは貴方を守ります。貴方の傍で……だから、私たちを、連れて行ってください』
P『俺が――』
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:45:06.14 ID:68gYMTWg0
『馬鹿者!!』
P『その声……!?』ビクッ!
572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:45:53.58 ID:68gYMTWg0
黒井『貴様……』
P『黒井、たい――』
黒井『貴様は、こんな場所まで来て何をやっている!!』
P『!?』
黒井『貴様に求められているもの、貴様が求めているもの……これまで何をやってきたというのだ、見誤るな!!』
P『俺に求められている……皆の歌を……いや、想いを、クイーンのところに……』
P『俺が求めているものは……!!』
黒井『フンッ……まったく、いつまでも私の手を煩わせおって。分かったならさっさと行け!』
P『黒井大佐、俺は……』
黒井『馬鹿者、2度も同じことを言わせるな。いつか……いつかは、無駄話にでも付き合ってやる』
P『……何か、みんなに伝えておくことは……ありますか』
黒井『……』
P『……』
黒井『……菜々ちゃんに、約束を守ってあげられなくて、すまなかった……と』
P『分かりました。必ず……』
黒井『さあ行け! 貴様を信じている者たちと共に!』
P『……はい! 行きます!!』
……
…………
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:46:20.51 ID:68gYMTWg0
奈緒『加蓮が待ってくれているから、あたしは戦うことが出来る。加蓮を、守るために……』
ナオ『ああ、あたしも同じだ。だけど、あたしは一度、それが出来なかった』
奈緒『でも、ここにはあたしたち2人がいる』
ナオ『そうだ。それに、あたしたち2人だけじゃない。Pさんも、加蓮も……みんな、みんながいてくれる』
奈緒『想いはみんな一緒なんだ。美嘉も、フレデリカも……だからここにいる。だから、戦うことが出来る。あたしたちは……!』
藍子『はい。大切な人たちを守るための力。私たちだけじゃ、出来ないことはたくさんあります』
夕美『だから、私たちの代わりに奈緒ちゃんたちがいてくれる』
奈緒『そうだ……その為にあたしは戦うことを決めたんだ。みんなの分まで、あたしが戦うって……』
ありす『あなたたちの強い意志が、Pさんや私たちを導いてくれました。そして、この先の未来も……』
ナオ『ありす……ああ、あたしたちの力でいいなら』
文香『ですから、みんなで、共に参りましょう……この先へ……』
美波『私たちが願う未来に、辿り着けるって、信じて……』
574 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:46:48.31 ID:68gYMTWg0
P『2人とも』
奈緒『Pさん……!』
P『……まだ、やれるな?』
ナオ『大丈夫だ。まだ、何も出来ていないんだから』
P『そうだな。俺たちが願う未来を……』
ナオ『今度こそ、選ぶ為にここにいる』
奈緒『ああ、だから……最後まで……!!』
……
…………
………………
……………………
575 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:47:15.26 ID:68gYMTWg0
https://i.imgur.com/5IbeaN9.jpg
……
…………
………………
……………………
576 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:47:54.40 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
ドクンッ!!
『―Limit Over Valkyria System―』 ピシィッ!
P「!!」ガションッ!
ドシュウウウウウウウンッ!!!!
P「うおおおおおおお!!」ブォンッ!!
GL型「!?」
シュパアアアアアアンッ!!!!
GL型「……」ブ、ブブブ……
ドガアアアアアアアアンッ!!
ナオ『奈緒、コンビネーションマニューバI02!!』
奈緒『デュランダル!!』ジャキンッ!
ギュオオオオオオオッ!!!!
GL型「……!」ドシュシュシュシュッ!!
ナオ『甘い! アタシは囮だ、奈緒!!』
奈緒『これで!!』ブォンッ!!
ズバアアアアアアッ!!
GL型「!?」ドガアアアアアアンッ!!
加蓮『Pさん……奈緒……!?』
……
…………
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:48:49.40 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(ブリッジ)
https://i.imgur.com/leZyWSh.jpg
ピピッ! ピピッ!
志希「来たっ!? まさかカレから自発的に……でもそれだけじゃ……!」
ピピピッ!
晶葉『おい志希、助手とダブル奈緒の機体のリミッターが解除された。お前の想定した状況か!?』
志希「システム稼働限界の1時間を超えてレッドゾーンに入ってた、カレのバイタル値が正常値に戻ってる……転送されてるアインフェリアのデータも……」
晶葉『解除コードは渡していたが、このタイミングで外してバイタル値が戻っているということはやはり……』
志希「カレ自身も次の段階に移行した……ううん、違う、アインフェリアも……たぶん、カレとアインフェリアが一緒になっているから、システムを乗り越えた……」
晶葉『ナオも単独でのシステム起動を行っている……抑制剤の投与があるとはいえ、この状態だと、もしかして奈緒たちも……』
早苗「ちょっと何話してんの? いい話?」
志希「……うん、たぶん、ちょーいい話……かも」
志乃「あら、そう……それじゃあ、もう少し頑張りましょうか……」
瑞樹「了解……愛梨ちゃんたちの援護しないとね!」
https://i.imgur.com/W1rvd2g.jpg
……
…………
………………
……………………
578 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:49:29.75 ID:68gYMTWg0
――???
美嘉『莉嘉!!』
莉嘉『……』
美嘉『莉嘉、アンタこんなところで、どうして……』
莉嘉『お姉ちゃんのバーカ!!』
美嘉『え……』
莉嘉『アタシの知ってるお姉ちゃんは、いっつも自信マンマンで、アイドルでメチャクチャ人気あって!』
莉嘉『カリスマギャルで、キラキラしてて……アタシも、お姉ちゃんみたいになりたいって……』
莉嘉『だから……そんなウジウジしてるお姉ちゃんは、ホントにバカなんだから!』
美嘉『だって……アタシは、アンタと……』
ギュッ……
莉嘉『……アタシだって、お姉ちゃんと一緒にいたい。一緒にアイドルやりたいって、今でも思ってるもん』
莉嘉『だからお姉ちゃんのところに行けなくて、寂しくて……だけどね、アタシの分まで、お姉ちゃんのそばにいてくれるヒト、いるから』
美嘉『……!!』
莉嘉『お姉ちゃんのこと、すっごく大好きって思ってるヒト! アタシも、ちゃんとお姉ちゃんのところに行くから! そのヒトたちと待ってて!』
美嘉『莉嘉……』
莉嘉『待ってて……絶対、ぜーったいにお姉ちゃんのところに行くから……ね☆』
美嘉『……うん★』
……
…………
………………
……………………
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:50:12.11 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(通路)
ギュッ……
フレデリカ「ゴメン……ゴメンね、美嘉ちゃん……アタシたちが、莉嘉ちゃんのこと……」
美嘉「ううん……アタシ、莉嘉と一緒にいたかった……だけど、フレデリカだって生きていたいんだって、分かってたのに……」
フレデリカ「うん、アタシ、生きたい……美嘉ちゃんや、シューコちゃんや、奏ちゃん、プロデューサー……みんな、みんなが、一緒にいてくれるなら……」
美嘉「ゴメン、フレデリカ……ちゃんと分かってたのに、莉嘉だってきっと、戻ってくるって、アタシが信じてあげないと、ダメだったのに……!」ギュッ!!
フレデリカ「うん……アタシも、莉嘉ちゃんに会ってみたい……美嘉ちゃんと一緒に、みんなで、笑って……生きていきたい……!」
周子「声が聞こえる……あたしたちだけじゃない、この声は……」
周子「これが、アインフェリアの……」
……
…………
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:51:04.75 ID:68gYMTWg0
――戦闘区域
奏「そうよ、私は逃げてばかりで……!」ガションッ!!
ドガガガガガガガッ!!
GS型「!?」ドガアアアアアアンッ!!
奏「何かを抱えているのはみんな同じって、美嘉に言ったのは私……それなのに、私は自分だけ抱えてる物を降ろそうとして……!」
ズドォンッ!!
奏「フレデリカは美嘉に向き合おうとした、美嘉もずっと悩んで……仲間なら、傍にいてあげないと……ダメなのよ!!」ギュンッ!
GS型「!!」ズドォンッ!
奏「ううっ!?」ドガアアアアンッ!!
ビビビビビッ!
奏「気付くのが……遅すぎたわね……だけどその分、私はあの子たちの分まで、戦わないといけないもの……隊長らしく……!」グッ!!
奏「そうでしょう……Pさん、奈緒……!」
https://i.imgur.com/mPKTEcg.jpg
……
…………
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:51:38.96 ID:68gYMTWg0
――惑星B上空宙域
『陽電子砲発射準備! 各ノルンはフルングニルを巣に向けて撃て!!』
『これ以上巣を星に降下させるわけにはいかん! プランV3に支障を出させはせんぞ!』
『前線、損傷率5割を超えました! これ以上は維持できません!』
『出せる機体はすべて出せ! ここで退いては降下部隊が戻る場所がないぞ!』
『降下部隊の状況、どうなっている! 戦闘はまだ終わらないのか!』
ピピピッ!
『艦長、通信です。これは……所属不明機……どこの機体が……』
……
…………
582 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/16(金) 01:52:26.72 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域後方
「そこの戦艦、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」
『……なん……こちら、S-0……この通信……』
『G型……残……フレ……ヴァルキ……』
『ノイズが多くて、通信がうまく拾えていないようですね』
「ギリギリ繋がるなら大丈夫だろう。……攻撃範囲、向こうに送ってやってくれ」
『せやなぁ、巻き込まれたら大変やし……』
『ですが……データを取りましたが、この世界はどうやら次元断層が非常に不安定なようです』
『恐らく…………断層修復機能があっても、振うのは一度しか……』
「だから一度だけって話なのか」
『そうなんです。すみませんけど、お願いしますね』
ピピッ!
『……でーた転送、おわはったよ』
「さてと……じゃあやるか。おいそこの戦艦、仲間がいるなら全員に連絡してくれ。今デカいの飛ばすからな」
「……感じます。たくさんの命と……悲しい声と、怒っている声」
『もう、元には戻れない存在も、いるのでしてー』
「……そうか。それなら猶更、俺たちはこの1回で終わらせるべきなんだろうな」
「はい。あとは……この世界に生きている人たちに、お任せしましょう!」
パアアアアアアッ!!!!
……
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