LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです

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435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 19:11:56.11 ID:7R7/asQG0
――フレイヤU(ブリッジ)

ありす「わざわざこっちで確認してもらってすみません。別件の確認が全然終わってなくて……」

愛梨「大丈夫ですよー。いまはフレイヤも内装点検してますから」

蘭子「もぐ……我らなら……んぐっ、いまふぁら、ふぁいじょうぶ……」モグモグ

ありす「何食べてるんですか……」

蘭子「ピーナッツ」モグモグ

愛梨「こっちに来る前に、楓さんからお酒のおつまみ貰っちゃって」



周子「んー、整備完了済みのブロックのチェック終わりっ! そっちどう?」カタカタカタッ!

美嘉「こっちも終わった」

志希「これドコにデータ置けばいいの?」

フレデリカ「あのね、そこのフォルダ、そっちそっち」

周子「それじゃー全員手空いたことだし、ご飯食べにいこっか」

フレデリカ「お腹すいたー……美嘉ちゃんいこー」

美嘉「……」

志希「ほらほら行こいこ。ご飯食べないと脳みそ回んないし?」

美嘉「うん」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:12:32.76 ID:7R7/asQG0
周子「それじゃ、ご飯食べてくるねー」

ありす「ん、はい。いってらっしゃい」

パシュンッ!


愛梨「……フレデリカちゃん、いつも通りですね」

ありす「いつも通りに、見えるだけだと思います。夕美さんから聞きました。彼女も色々悩んでいるって」

蘭子「……」ボリボリ……

愛梨「私たちは、ずっとフレデリカちゃんと一緒にいるから、何も気にしたことなかったんですけど……」

ありす「ですが、やはり私や美嘉さんのように、過去にビーたちから被害を受けた者もいます。そういう人たちにとっては、現状やりきれない気持ちはあると思います」

蘭子「……ありすちゃんは?」ゴクンッ

ありす「……私は、どうなんでしょうね。怒りとか、恨みとか……そんなことすらも、忘れてしまっていましたから」

ありす「だけど、今は……フレデリカさんのことが心配です。きっと、それがビーたちと言葉を交わすことができた、私の中の正直な気持ちなんです」

……
…………
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:14:12.05 ID:7R7/asQG0
――数日後、ホクドウ、港、ノルンM-01(メインブリッジ)

ちひろ「いやー、時間掛かりましたね。フレイヤもフレイヤUも修理三昧で、ようやく終わってウチに積み込み出来て」

楓「結構やられちゃいましたからね。私たちは、自爆したみたいなものですけど」

P「そりゃ艦がぶっ壊れる速度で飛ばすのはな……」

ちひろ「ま、とりあえずプランV3の主要メンバーが全員無事でよかったです。住居ブロックは全員分割り当てていますから」

ありす「長距離航行プラン、ビーの住む宙域まで移動する為の予定日程は91日でしたか。ずいぶんと長いですね」

ちひろ「システムがなかったら、何年掛かっていたか分かりませんよ? まあこんなに長い任務も中々ありませんね」

楓「往復を考えると半年……ちゃんと戻ってこれるといいんですけどね」

ちひろ「ま、その為に農業プラントから栽培ブロック持っていきますから。モリアンに環境作成するの大変だったみたいですよ?」

P「こちらは乗せてもらう側だからな。移動中は待機と、アインフェリアはI@LPがほとんどだし、何かあれば作業は手伝うが」

ちひろ「道中で戦闘が発生した場合の出撃は、ちょっと考えてからになりますけどね」
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:14:39.54 ID:7R7/asQG0
楓「やることありませんからね。どうしていましょうか、ねえ、Pさん?」

ちひろ「避妊はしてくださいね」

P「バカかお前ら! こんなところで何の話をしている!」

ちひろ「何って、ねえ?」

楓「時間が余っているならその分……ナシヤマで退院してから、ずっと外に出たままですし、ね?」

P「しっかりしてくれよ……」

ちひろ「ま、冗談はこれくらいにして。増援も到着したみたいですし、その艦の整備が終わればプラン開始ですね。頑張りましょうか」

楓「プランの予備編成で割り振られてたとはいえ、突然増援で呼ばれるなんて、緊急招集された艦も可哀そうですよね」

P「……そうだなぁ」

……
…………
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:16:44.73 ID:7R7/asQG0
――フレイヤU(ブリッジ)

早苗「てワケで、ヨロシク!」

フレデリカ「こちらこそまたヨロシク!」

ありす「はい。またお願いします」

瑞樹「まーた若い子ばっかり……ちょっとこの艦どうなってるの?」

志乃「まあ……面白そうじゃない……」ゴクゴク

ありす「というわけで、特殊部隊の柊志乃さんと、愉快な仲間たちです」

美嘉「愉快な……」

周子「仲間ねー。よろしく」

ありす「私はプランV3実施の為アインフェリアと合流して宙域ライブの実施、またニュージェネレーション隊も前線の出撃編成に入っています」

ありす「その為増員としてフレイヤUについては代理指揮官の志乃さんを含め、この3人に操舵をお任せすることになりました」

早苗「前にもやったことあるから、大丈夫ダイジョウブ」

志希「重要プランで再び海賊に依頼……うーん、やっぱりここって自由だねー」

P「まあ、志乃さんがいるから大佐の権限で特殊部隊の範囲で誤魔化せるしな」

志乃「程々にやるわ……よろしく」

早苗「あれ、ところでP君、美優ちゃんどうしたの?」

P「ああ、それならフレイヤのほうにいる。時間があるときは会ってやってくれ」


……
…………
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:17:49.27 ID:7R7/asQG0
――数日後、フレイヤ(ブリッジ)

楓「フレイヤ、艦制御をM-01に譲渡していることを確認しました」

美優「各班からも準備完了の報告が来ています。オート・クレールのスタッフについても……確認しました。フレイヤUは……どうですか?」カタカタカタッ!

ピピピッ!

志乃『こっちも、確認したわ……』

ありす『これで全部ですかね』



ちひろ『それではM-01、及び全ての搭載艦の乗員に連絡します。M-01搭載艦のチェックがすべて完了しましたので、これよりM-01を発進させます』

ちひろ『今回の長距離航行プランについて、全体統括をはじめとした体制は改めて展開されている資料を確認してください』

ちひろ『長距離航行プランでのM-01の主要任務は、プランV3を実施するプロジェクト・ヴァルキュリアに所属するフレイヤの護衛となります』

ちひろ『また、状況により編成配置が見直される場合、他強襲艦についてもノルン艦隊の護衛の他、前線任務に配置される場合もあります』

ちひろ『想定される編成内容についても、再度確認をお願いします』



P「プラン開始……か」

楓「ええ、これで最後に出来るといいですね」

ありす『これで最後にする為に、私たちはクイーンのところに向かうんです』

P「ああ、そうだな」


ちひろ『それでは、M-01発進です。宙域に出た後は光波推進システムを使用し、オートメーション機能による移動に切り替えます』


……
…………
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:19:27.43 ID:7R7/asQG0
――ノルンM-01、フレイヤU(艦長室)

P「91日間の移動の間、予定航路上で複数設定した全艦隊のメンテナンスポイントに到着すれば時間はあるか」

千秋『そうね。タイミング的にも、そこならゾーニング現象の解消が必要なメンバーは貴方のところに向かわせるわ』

千秋『本当はそれとは関係なしに、私たちもM-01に戻れればよかったけれど……』

P「移動中の前線部隊の編成に入ってしまっているから、こればかりはな。S-02には安部中尉もいるし、協力してあげてほしいが」

千秋『わかっているわ。私たちもお世話になっているもの。それにしても、安部中尉は頼りになるわね。防衛ラインでの戦闘でも、ニュージェネレーション隊や私たちのフォローもよくしてくれていたし』

千秋『さすが、貴方の元隊長、かしら?』

P「……そうだな、昔から頼りになるところは、頼りになる人だったよ。まあ、ふざけていたり俺に仕事押し付けて自分はサボってゲームばっかりやってたときもあったが」

千秋『そ、そう……』

P「それでも、面倒は見てくれたからな。ナオや加蓮も、世話になっているし……良い人だよ」

千秋『そうね。貴方、それでもフラれているみたいじゃない?』

P「こればかりは仕方がない。今なら俺も時間があったから話を出してみたが……やはり思うところがあったみたいだ」
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:20:12.85 ID:7R7/asQG0
千秋『対象外になってI@LPの申請を出さなくなって、随分経ったって聞いたけれど……本人がそう言うのであれば、仕方がないと思うわ』

P「千秋は、どう思う?」

千秋『私が思うことは……そうね、強いて言うなら、やっぱり貴方はお節介なのね』

P「……そうか。それでもいいんじゃないかと思ったんだがなぁ」

千秋『あの子、速水少尉のこともね』

P「そちらでの様子はどうだ?」

千秋『内勤なら問題ないわ。シミュレーターでの訓練も、所属時期の割には良い動きをするから、私たちのほうもいい訓練相手になっているわ』

P「それならいい。すまんがしばらく面倒を見てやってくれ。俺も、場合によってはメンテナンスポイント外でもそちらに直接行って様子を見る。機体ごと使って移動すればいいしな」

千秋『あら、それなら……期待してもいいのかしら?』

P「……まあ、構わん」

千秋『ふふっ、それじゃあ待っているわ』


……
…………
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:20:50.04 ID:7R7/asQG0
――数日後、フレイヤU(格納庫)

加蓮「はい終わり」

パシュンッ!

周子「はー……しんど」ハァ、ハァ……

美嘉「これだけぶっ通しだと、ちょっとね……」ハァ……

奈緒「大規模戦闘想定のマニューバ5セット分消化……新しいマニューバ、考えとくか?」ピッ、ピッ

ナオ「ドッキングしたときの運用、他にも何か良いやり方があればいいんだけどなー」

志希「ねー……あたしもこれやんなきゃダメなのー……畑違いなんだけど……」

P「緊急時に必要になる場合もある。自衛の為でもあるし、補助AIも積んではいるが、やれるだけやっておいたほうがいい」

奈緒「フレデリカはまだやれそうだな」

フレデリカ「うんっ! アタシも頑張らないとねー♪」

加蓮「ま、時間だし今日の訓練はおしまい。Pさん、シミュレーター片付けてもらっちゃっていいよね?」

P「ん、そうだな。整備班に声掛けておいてくれ」
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:21:17.53 ID:7R7/asQG0
加蓮「はーい。それじゃみんなはお風呂入ってきちゃっていいよ。片付けておくから」

ナオ「悪い、次の訓練は一緒にやろうか」

加蓮「うん。ブリッジも海賊の人たちが来てくれたから、結構手も空いたしね」

フレデリカ「お風呂オフロー♪」

美嘉「アタシは――」

P「早くしろ城ヶ崎少尉、人数が多いんだ。早く浴場に行くぞ」

奈緒「なっ!?」

美嘉「ぶふぅっ!? あ、ア、ア……アンタ……」プルプルプルプル

P「上官に向かってその口の利き方はなんだ。別にゾーニング現象の解消が必要でないならば何もせん。それに俺はこの後、アインフェリアのレッスンも見なければならないんだ」

ナオ「ああそっか。ありすもレッスンに行ってるしな」

P「そういうことだ。ほら、さっさと行くぞ」

……
…………
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:22:28.79 ID:7R7/asQG0
――フレイヤU(浴場)

奈緒「見るなよ……絶対にこっち見るなよ……!!」ザブンッ!

志希「タオルで隠してるからいいんじゃない?」

P「別に変にジロジロ見たりはせんぞ……というか、この前一緒に入っただろ」

奈緒「こっ、この前、この前は……ああああああ……」

ナオ「Pさん、その話はやめてくれ……あたしも解消が必要だったとはいえ、さすがに今思えばちょっと酷い状況だったし……」

志希「あれねー、あたしもモニターで見てたけど次元を超えたかなりの変態プレイだったね。加蓮ちゃんもテンション高かったしねー」

パシュンッ!

加蓮「ん、何? なんの話?」

美嘉「あ、加蓮も来たんだ」

加蓮「私は計測だけだったけど、時間あるからお風呂入っておきたいし」

フレデリカ「アレ、アタシにも分かったけどヒドイ状況だったよね」

加蓮「ああ、この前の? 『ふふ、どうナオ? 奈緒が見てる前でこんなに興奮しちゃって……Pさんもとっても気持ちよさそう……♪』」

ナオ「ああああああやめろ、やめてくれえええええええ!!!!」

奈緒「……ハハハ……ハハッ」
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:22:57.03 ID:7R7/asQG0
P「再現しなくていい……というか、命令権使って焚きつけたのは加蓮だろ」

加蓮「まあまあ、ナオは耐性ないから仕方ないし、ね?」

志希「艦内映像記録で残ってるから今度見る?」

ナオ「んなもん見るかっ!!」

P「はぁ……」

美嘉「ったく……こ、こんな変態トークしてるところになんて……早く体洗って上がろ……」

フレデリカ「あ、美嘉ちゃんシャワー使う? アタシ体洗ったからお風呂入るから使っていいよ」

美嘉「ん、そう」

フレデリカ「アタシが洗ってあげよっか!?」

美嘉「しなくていいから!」

フレデリカ「ザンネン」

志希「……んふー」

P「ん、どうした博士?」

……
…………
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:23:42.95 ID:7R7/asQG0
――フレイヤ(レッスン場)

ピピッ!

『モニタリング完了。評価結果出力までお待ちください』

ありす「はぁ……やっぱり、まだ合いませんね」

美波「ホクドウではあまり時間も取れなかったし、歌もダンスも合わせる時間がなかったものね。もう少し詰めておかないと」

ありす「むぅ、私だけみなさんと一緒にレッスンが出来ませんでしたから、自分でも仕方がないとは思っていますが……」

文香「そうですね……ありすちゃんとも、もっと早くに練習出来たら、よかったのですが……」

夕美「はいみんなタオル……あっ」

ピピッ!

パシュンッ!

P「どうだ、しっかりやっているか?」フワッ

藍子「Pさんっ、おつかれさまです。いま1パート通したところですよ」

P「評価待ちか。順調であればいい」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:24:22.81 ID:7R7/asQG0
ありす「私のほうがみなさんと上手く合わせられなくて、やり直しが多くなってますね」

P「ありすは外に出ていたから仕方がないさ。モニタリングの結果、俺も見ておきたいんだが」

美波「今取り終わったの、7つ目のデータですよ。あら、Pさん……?」

P「これか。ん、どうした?」ピッ、ピッ、ピッ


美波「……誰とセックスしたんですか?」スン、スンスンスンッ

P「待て、風呂入ったばかりだぞ。何故わかる」


文香「ここの臭いは……正直ですから……」スンスンスンスンスンスンスンスンスンスン……

P「どこを触っている……ブリッジに戻るぞ」

夕美「あ、そ、それはちょっと……ほらほら、みんなもレッスンに戻ろう?」
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:24:55.94 ID:7R7/asQG0

ありす「なんなんですかこの人たちは……」

藍子「ま、まあ……ずっとこんな感じですし……」

ありす「私としては藍子さんも似たようなものだと思っていますけれど」

藍子「」ドスッ!

P「漫才してるんじゃないんだぞ……漫才したいなら上田大尉に教えてもらえ」

ありす「いえ、私たちはそっちの方面で売っているわけではないので……あ、結果出たみたいですね」ピピッ!

夕美「んー……判定、私たちも結構ズレてるなぁ……」

P「思っていたより赤になってる判定が多いな……まあ、1つずつ潰していこうか」

……
…………
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:26:02.19 ID:7R7/asQG0
――数日後、フレイヤ(格納庫)

パシュンッ!

蘭子「うう……」

愛梨「あううう……」

P「はぁ……」ガコンッ!

晶葉「どうだ、調子のほうは」

P「……悪くない。まだシミュレーターでの操作段階だが、これまでのどの機体よりも動かしやすい」

晶葉「そうか。まだニュージェネたちがやったシステムテストのフィードバックが済んでいないが、現時点の実装内容を反映させた。初期設定は整備長がやったがな」

P「整備長か。であれば、動かしやすいのも納得だ。整備長は、俺のことを分かってくれているからな」

晶葉「本人もこっちに来て熱心にやってたよ。まあ、ナシヤマにいたときは設計も少しやってもらったし、お前の機体だから思い入れもあるんだろう」

奈緒「ふぅ……ちょっとレスポンスが良すぎて反応するのがキツイな……」

ナオ「ドッキングは上手くいくんだけどなー……」

晶葉「ダブル奈緒は機体性能に慣れるのに難儀しそうか。ドッキングを一発でやるのは大したものだが」

ナオ「まあこれが出来ないと、あたしたちが乗る意味ないしな」
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:26:51.54 ID:7R7/asQG0

愛梨「……むーっ」プクーッ!

P「どうした愛梨? そんな膨れっ面して」

愛梨「せっかく私たちもPさんに追いついたかなーって思ったのに……」

蘭子「我が眷属め……」

晶葉「ああ、そういえばナシヤマでリハビリプログラムやってたときはスコア勝ってたな」

P「まあ、今度はこっちも3Nじゃなくて新型のシミュレーターだしな」

晶葉「まあフォートレスも、ベースにリサーヴがあるっていうだけで4機とも新型だからな。これだけ動かせるならお前たちも大したものだよ」

奈緒「新型なぁ……それにしても、あたしたちはドッキング機使ってるけど、他の部隊でVPGOみたいなオプション兵装って運用してないよな?」

ナオ「そりゃあ……コンペで負けたからな」

奈緒「あっ、そうなのか……」

P「ドッキング機を運用する為の人員の確保と、そもそもの開発費が4N作るより掛かりすぎて蹴られたからな。性能は評価してもらったが」

蘭子「GNブーストも実装できたから、猶更4Nでいいよねって話になったし……」
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:28:04.60 ID:7R7/asQG0
晶葉「くっ……!」ダンダンダンッ!

奈緒「んな地団駄踏まなくても……」

P「落とされたとき、相当悔しがってたからな」

晶葉「……まあ、上の連中が私の開発した機体の良さを理解できなかっただけだ。だからお前たちの機体には相当予算入れたからな」

晶葉「お前たちなら機体を問題なく動かせるようになるだろうし、あとは機体本体とシステムの完成が間に合えばいい」

愛梨「大丈夫なんですかぁ?」

晶葉「ギリギリまで作り込む。負荷軽減についても助手に使わせる指揮官用ヴァルキュリアシステムで最大限、本人の負担にならないように対応させる」

晶葉「奈緒たちのシステムについては、フォートレスに積んでいるシステムをベースにしているから早いうちに仕上がるとは思うが」

ナオ「出来たらそれも起動して訓練か……まあ、奈緒がいるならあたしの負担も無いからいいんだけどさ」

P「システムが間に合えば、か……」


……
…………
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:28:47.31 ID:7R7/asQG0
――1ヶ月後、戦闘宙域

菜々「卯月ちゃん前に出てください! 未央ちゃんも!」ボシュシュシュシュシュンッ!

未央『しまむー、ウサミンミサイル来たよ!』

凛『こっちも弾幕張るよ! 2人は合わせて前に出て!』

卯月『はい! CG形態で……!』ガションッ!

ピピピピッ!

菜々「ここは大丈夫……あとは……!」ピピッ!


G型「!!」ギュンッ!

G型「!!」ギュンッ!


菜々「まだG型が……あそこのポイントで戦闘しているの……奏ちゃん!」

ピピピッ!

奏『こっちは大丈夫よ……っ! このっ、しつこいわね……落ちなさい!』ガションッ!

ドガガガガガッ!!

G型「……」ブ、ブブ……

ドガアアアアアンッ!!

奏『私はいいから、混戦しているブリヤントノワールのほうを!』ギュンッ!
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:29:29.21 ID:7R7/asQG0
千秋『巣から追加が出て来たわね……中規模とはいえ、このG型の数は……!』

翠『ヴェールの陽電子砲の準備が完了するまではこちらで対応しませんと……』

菜々「は、はいっ! 翠ちゃん、黒川少佐、援護しますよ! ウサミーン……」ガションッ!

智絵里『こっちも、フォローに向かいます! ニュージェネレーションは前線ラインを下げないようにお願いしますっ!』ガションッ!

ドシュゥゥゥンッ!

菜々「ビーム!!」ズドドドドドドドッ!!

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!

G型「!?」

ドガアアアアアンッ!!

千秋『後1匹!』ガションッ!

智絵里『えええいっ!』ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!

G型「……」ドガアアアアンッ!!

ピピッ!

卯月『あっ、陽電子砲の発射準備出来たみたいですよ! みなさん下がってください!』

翠『これで対応も終わりですね』

千秋『ありがとう智絵里さん、助かったわ』

智絵里『い、いえっ……早く下がりましょう』ガションッ!

菜々「残りの白蜂が来ないように弾幕も張っておきませんと……!」

……
…………
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:31:00.90 ID:7R7/asQG0
――数十分後、ノルンS-02(格納庫)

翠「機体は整備が終わったらフレイのほうに戻しておいてください」

「了解しました。ニュージェネレーション隊の機体についても同じようにしておきます」



菜々「ふぃー……さすがに戦闘回数も結構増えましたね」

千秋「そうね。次からの戦闘はしばらくS-03とS-04の部隊で対応することになっているから、とりあえずは休むことが出来るけれど」

翠「はい、次のメンテナンスポイント目前でしたからね。このポイントで次元振動が観測されるとは……」フワッ

千秋「どこでも白蜂が空間転移してくる可能性はあるもの。何も、私たちを狙って転移するだけでもないし」

菜々「こればっかりは運ですからねぇ」

智絵里「1ヶ月経ったけど、予定日までまだまだ先……ううう……」ハァ……

菜々「一応遅延してないんですけどね。どこかで遅れるとその分こっちがキツくなりますし」

456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:31:47.31 ID:7R7/asQG0
凛「はぁ、圏外防衛の任務やっててよかった……」

未央「そうだねぇ……連続戦闘に慣れてないと、やってられなかったかも」

奏「……」フワッ

卯月「あっ、奏ちゃん!」

奏「どうしたの?」

卯月「私たちの出撃もしばらくありませんし、ようやく休憩ですね。後で一緒にご飯食べに行きましょう!」

奏「……そうね。卯月も、良いマニューバだったわよ」

卯月「ホントですかっ? えへへ、凛ちゃん未央ちゃん、奏ちゃんに褒められちゃいました♪」

凛「もう……一応同期でしょ。奏を追い越すくらい私たちも頑張らないと」

奏「貴方たちはシステム起動すれば、私とそう変わらない動きが出来るじゃない。同じようなものよ」

未央「いやー、私たちもリスクなしで動きたいから……」

菜々「ささっ、みなさん、整備班のお邪魔になっちゃいますから、私たちも移動しますよー」

……
…………
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:32:19.99 ID:7R7/asQG0
――ノルンS-02(食堂)

桃華「フレイは出撃せずにオペレーターしかできませんでしたが、やはり千秋さんたちが出るならわたくしたちも出たほうがよろしいと思いますが……」

翠「とはいえフレイもプロジェクトの艦ですし、編成も今のところはヴェールで間に合っていますから、時子さんが出さないように考慮しているのは仕方がありません」

かな子「何かあったときに、私たちのほうですぐに対応出来ないのも困っちゃうけど……」モグモグ



卯月「今日から食堂のメニューも変わりましたよね」モグモグ

未央「長期任務でモチベーション維持する為の一環だって」

凛「ふーん……まあ、片道3ヶ月あるしね」

菜々「負傷したり、体調崩したりするのも心配なんですけどねぇ」

奏「……」

卯月「次にメニューが変わるまで順番に全部食べてみようかなぁ……」

未央「同じメニューだってあるでしょ? 定食とか」

凛「……ん、どうしたの奏?」
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:32:47.68 ID:7R7/asQG0
奏「いえ、貴方たち、相変わらず仲が良いのね」

未央「そりゃあ、同じ部隊だからね」

凛「……奏も、部隊あるでしょ?」

奏「私は……別にいいのよ」

卯月「……い、今からでもPさんにお話しして――」


琴歌「まあP様、こちらに来ていらしたのですか?」

未央「んっ!?」ビクッ!


P「ああ、戦闘があったが皆も元気そうだな」フワッ

凛「プロデューサー……と……」

菜々「おや、お疲れ様ですね」

千秋「セカンドドライバーも一緒だったのね」

奈緒「ああ」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:33:18.88 ID:7R7/asQG0
未央「な……セカンドドライバーもどうしてこっちに?」

奈緒「特殊部隊の運用の件で、財前大佐と話があった。私も特殊部隊の所属だから、P少佐と共に来ることになった」

卯月「な……セ、セカンドドライバーも大変ですね……」

奈緒「お前たち……ふざけているのか?」

凛「いや、久しぶりだからさ……そりゃ間違えそうになるって……」

奏「……」

P「というわけだ。速水少尉、行くぞ」

奏「え……?」ピクッ

P「お前も特殊部隊に所属しているから対象だろう。食事中に済まないが、ついてきてくれ」

奏「……ええ、分かったわ」ガタッ

……
…………
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/26(月) 19:34:02.71 ID:7R7/asQG0
今日はこれで終わります
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 20:27:17.20 ID:41YTQaPao
おつ
智絵里が落ちない……
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 02:42:14.60 ID:xKs4VYjx0
自分と同じ顔のやつが目の前でヤられてるって年頃の女の子にはキツイなあwww奈緒の記憶にバッチリ刻み付けられてそうだ
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:40:28.39 ID:R4+0a3FI0
――数十分後、ノルンS-02(通路)

P「運用についてはこんなものか。時子だから話が早く済んで助かるな」

奈緒「いつものことだろう……こちらとしても、出撃要請があった時に上手く立ち回るだけだ」

奏「……」


「P少佐、お疲れ様です」

「貴方は……セカンドドライバーですか。お久しぶりです」


P「うむ」

奈緒「そうか、久しいな……」スッ

奏「……」


P「いまの、知り合いか?」

奈緒「確か……前にS-02側であった作戦任務で、一緒に戦闘をしたことがある」

464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:40:54.71 ID:R4+0a3FI0
ピピピッ!

P「ん……はい、Pです。はい……ああ黒川重工の、お久しぶりです。であれば、少し顔を出します。格納庫ですか?」

奈緒「……?」

P「はい……では今から向かいます。少し待っていてください」ピッ!

奈緒「どうした?」

P「すまん。別件で呼ばれてしまった。大分前に離れたところだったんだが、少し話したいことがあるらしい」

奈緒「そうか。先に戻っていればいいか?」

P「いや、さすがにお前を1人で帰らせるのはな……戻るなら一緒に戻ろう。少し何処かで待っていてくれ」シュッ!



奈緒「……」

奏「……行ったわね、あの人」

奈緒「……さて、どうしてるか」

奏「……こっちの住居ブロック、来る? そのままだと、貴方も息苦しいでしょう?」


……
…………
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:41:44.44 ID:R4+0a3FI0
――数分後、ノルンS-02、住居ブロック(ブリヤントノワールの部屋)

奈緒「はぁー……久しぶりだから疲れるなぁ」パチッ、パチッ

奏「……貴方、その仮面、セカンドドライバーの時はいつも付けていたの?」

奈緒「ああ、フレイヤの外だとナオのこと知ってる人もいるし、同じ顔の人間が2人いるのは困るだろ?」

奏「そ、そうね。その仮面……」

奈緒「まあ、セカンドドライバーでいるときは顔隠さなきゃダメだし、ちょっと恰好付けすぎかなって思うけど……」

奏(いや……まあ、本人が満足しているなら、いいのかしらね)

奈緒「……ところで、こっちは慣れたか?」

奏「そうね。元々は圏外防衛の任務でS-01には行ってたし、少し違うけれど、元の場所に戻ってきたって感じね」

奈緒「そっか」

奏「……奈緒は、私に何も聞かないのね」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:42:19.49 ID:R4+0a3FI0
奈緒「何か聞いてほしいのか?」

奏「別に、そういうわけじゃないわ」

奈緒「なら聞くなよ……まあ、思うことは人それぞれだし、あたしはあんまり気にしてないよ」

奈緒「それに奏なら、大丈夫だと思ってるし」

奏「……貴方の世界に、私はいたのかしら?」

奈緒「いたよ。だから……ってわけじゃないな。あたしがこっちに戻ってきたのもつい最近で、奏ともそこまで多く話していないし」

奏「それなら、どうして?」

奈緒「……きっと、奏は自分にとって大事なものが何なのか、本当は分かっているんじゃないかって……ただ、いまは見失っているだけで」

奈緒「上手く言えないけど、奏を見てそう思ったっていうか……あたしが、そう信じたいってだけなのかな」

奈緒「少なくとも一緒にここにいるってことは、あたしたちは仲間なんだし……それじゃあダメか?」

奏「……どうかしらね。私自身、自分のことをどう思っているのか……でも、貴方にはそう見えるのね」

奈緒「まあ……はぁー、そういえば翠たちって戻ってこないのか?」

奏「この時間まで戻ってきてないなら……多分、ニュージェネの部屋か、フレイに行ったと思うわ」

奈緒「ふうん……Pさん、いつ頃戻ってくるのかなぁ……」
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:42:45.80 ID:R4+0a3FI0
ピピピッ!

奈緒「ん? はい」ピッ!

P『……セカンドドライバー、M-01に戻る。格納庫まで来い』

奈緒「もう終わったのか?」

P『ああ』

奈緒「……どうした?」

P『何でもない。早く行くぞ』

奈緒「了解。それじゃ奏、あたしは戻るよ。たまには……LiPPSのみんなに連絡くらい入れてあげなよ」ピッ!

奏「……ええ」


……
…………
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:44:20.77 ID:R4+0a3FI0
――ノルンM-01、フレイヤU(ブリッジ)

パシュンッ!

奈緒「ただいま」

志乃「あら……? おかえりなさい」


加蓮「おかえり。あっちどうだった?」

奈緒「戦闘終わった後だけど、みんな元気そうだったよ。集まってご飯食べてたし」

加蓮「ふーん。あれ、Pさんは?」

奈緒「用があるって、戻ってくるなり急いでフレイヤのほうに行ったけど」

加蓮「そっか。こっちも特にやることないし、少し休んでれば?」

奈緒「いや、訓練行ってくるよ。ナオたちは格納庫だろ?」

早苗「熱心ねー。アンタたち、まだ出撃じゃないってのに」

奈緒「今のうちにやれることやっとかないとな。早苗さんも来るか?」

早苗「んー、どうしよ?」

瑞樹「行けばいいじゃない。こっちも暇だもの」

奈緒「まあ……いっか。気が向いたら来てくれよ」フワッ

パシュンッ!

……
…………
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:46:06.07 ID:R4+0a3FI0
――数日後、フレイヤ(格納庫)

整備長「おーい少佐! 機体の設定大丈夫ですかい!」

P「もう少し待ってくれ、晶葉が反映させたデータの確認も残ってるんだ」

整備長「こっちのフレーム調整終わったんで、出来たら俺の端末に連絡してくださいよ! ちょっとS-02行ってくるんで!」

P「ニュージェネの機体の整備か?」

整備長「メンテナンスポイントに着いたし、今のうちに俺のほうでも見とかねえと心配ですから、遅くても半日くらいで戻ってきますよ!」

晶葉「私も同行することにした。そっちはデータの確認は頼んだぞ。なんだったら他のヤツに話して、フィードバックした分も纏めてシミュレーターにも反映させておいてくれ」

P「それじゃあ、こっちが終わったら連絡入れておく。すまんがニュージェネの3人は頼んだぞ。あと、速水少尉の分も」

整備長「へい、一応3NXのほうも見ときますよ、それじゃ!」

470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:47:39.73 ID:R4+0a3FI0
美優「どこも……忙しいですね」

P「仕方がないさ。メンテナンスポイントの滞在期間も3日しかないんだ。ノルンは宙域に出て直接メンテしなければならんし、整備班もしんどいだろう」ピッ、ピッ、ピッ!

美優「機体のほうは……大丈夫、ですか?」

P「シミュレーターも回しているし、何とか間に合ってくれればいいんだがな」

P「とはいえ、今回はフレーム構造も4Nをベースにしないで新規設計した影響で、想定以上に調整の手間が掛かってるみたいで博士も苦労している」カタカタカタッ!

美優「そう、ですか……」

P「フレイヤの作業はどうなっているんだ?」

美優「一度も外に出していませんし、定期メンテだけで……一通り終わっていますので、整備班も他の場所の作業に行ってます」

P「フレイヤは楓さんに任せてしまってるからな。まあ、ちひろさんからは整備班を貸してくれって言われてたし」

P「美優も、時間があるなら休んでいていいぞ。機体のほうは俺や奈緒が自分たちでやるしかないし、志乃さんたちのところに行ってきてもいいが」

美優「いえ……もう少し、ここに……いたいです」

P「そうか」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:48:30.04 ID:R4+0a3FI0
美優「……」

P「……」カタカタカタッ……

美優「……こうしていると」

P「ん?」

美優「2人きりだったときのことを、思い出します……楓さんや、菜々さん、麗奈さんたちが移行訓練に行って……」

美優「どこでも、2人で一緒にいることが出来て……そのときは、ずっとこの時間が続けばいいのにって、思って……」

P「……そうだな、色々と変わった。俺は、変わったことについては、嫌じゃないが」

美優「そ、それは……他の子たちが、いるから……ですか? 若い子たちが……」

P「お前が一緒にいてくれるからだよ」

美優「……もう」スッ……

P「どうした?」

美優「んっ……」

472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:49:50.52 ID:R4+0a3FI0
P「美優」

美優「はい……んっ」



奈緒「……うーん」

ナオ「機体のガワ挟んでるとはいえ、こっちでも作業してるんだけどな……」

楓「ホント、どこでもお盛んですね」ヌッ

ナオ「うわっ!? い、いつの間に……」

奈緒「あっち行かなくていいのか?」

楓「私ですか? そうですね……まあ、今回はハンカチ噛んで見ていようかなって」

奈緒「意外だな……突入しに行くと思ったんだけど」

楓「前に一応、負けちゃってますからね、私。いまはそんな気はしていませんけど」

楓「負けたことがあるのは本当ですから、たまにはこうしておこうかなって」

奈緒「……別にいいじゃん。勝ったとか負けたとか」

楓「そうですか?」

奈緒「だってPさん、楓さんのことも美優さんのことも好きだし。あたしの世界だったら男としてはどうかと思うけど」

ナオ「いやこっちの世界でもどうかと思うぞ……あたしたちが特殊なだけで」

奈緒「好きなら……一緒にいられるなら、そのほうがいいし」

楓「……なるほど、それじゃあ」フワッ

ナオ「あ」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:52:00.19 ID:R4+0a3FI0
楓「Pさーん♪」ガシィッ!

美優「きゃっ!?」

P「うおぉっ!? な、なんですか突然!」ビクッ!

楓「ちょっといやらしい気配を感じたので……私も混ざっていいですか?」

P「いや、そんな気配なんて……」

楓「私はこのまま3Pでもいいんですけど……どうですか美優さん?」

美優「ええええっ……わ、私は……」

楓「いいじゃないですか、この人、家だと6Pとか7Pとかやってるんですよ?」




ナオ「あーあ……」

奈緒「……ま、いっか。こっちも調整終わらせないとな」ピッ、ピッ……


……
…………
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:52:48.01 ID:R4+0a3FI0
――1ヶ月後、フレイヤU(ブリッジ)

瑞樹「M-01から連携されているレーダー情報、異常無し……」

早苗「……これ、帰りも同じルート通って帰るのよね」

瑞樹「そうねぇ」

早苗「長い」

瑞樹「仕方がないでしょ」

志乃「……」スー、スー……

早苗「船長なんて寝てるし」

瑞樹「四六時中飲んでるからでしょ。起きたらまた飲むわよ?」

パシュンッ!

愛梨「お疲れ様でーす♪」フワッ

蘭子「闇に飲まれよ!」

早苗「ん? どうしたのボインちゃん、らんらんも」

愛梨「もうっ、ボインちゃんはやめてください〜っ! みなさん、ずっとブリッジにいると退屈かなって思って」ゴソッ

愛梨「食堂でアップルパイ作ったんです。どうですか?」

蘭子「うむ、甘美なる誘惑……ふぁぼっ、ふぁふぉい……」モグモグ

瑞樹「あらいいじゃない。1つ貰うわ」
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:53:33.86 ID:R4+0a3FI0
早苗「へー美味しそうね。愛梨ちゃんこういうの得意なんだ」

愛梨「えへへ♪ 本当はこういうことやるのはダメなんですけど、こっそり自分で材料持ち込んでいたから、おばちゃんに頼んで隠れて作っちゃいました」

早苗「ま、いいんじゃない? 食堂爆発させないなら誰も文句言わないでしょ」モグモグ

愛梨「志乃さん……寝ちゃってますね。1つ置いておこうかなぁ……」

蘭子「……」モグモグモグモグ

瑞樹「数日は戦闘も無いし、こっちは元から出撃することもないし、暇になって寝ちゃうわよ」

愛梨「到着予定日まで後19日……メンテナンスポイントも、あとは5日後に予定している1箇所だけですし、もう少しですね」

瑞樹「そうねえ……」

愛梨「アインフェリアもレッスンはほとんど終わりましたし、ニュージェネやLiPPSも無事ですし……」

蘭子「我が眷属、漆黒の騎士と次元を超えし勇者が、間に合えばよいのだが……」ゴクンッ

早苗「まだ掛かってんの?」

愛梨「この前の戦闘で取ったテストデータで、システムのフィードバックも全部おしまいって聞いたから、もう少しだと思うんですけど……」

蘭子「……そういえば」

早苗「ん?」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:54:04.10 ID:R4+0a3FI0
蘭子「早苗さんたちって、どうして今回の仕事引き受けたんですか?」

早苗「どうしてって……そりゃあ、コレでしょ」

瑞樹「今回、結構良い仕事よね。うちの船長もホント良い伝手持ってるわ」

愛梨「あー……そうですよね、海賊さんですし、やっぱりお金たくさんもらえるほうがいいですもんね」

早苗「……それだけじゃないわよー? どっかの誰かさんみたいに、ぽわぽわしたような子が危ない仕事してるの見てると、何となく不安なのよねー」

愛梨「そ、そうなんですか? それは……そういう子がいるのも、ちょっと困っちゃいますね」

瑞樹「あははっ! そうねぇ」

蘭子「もう昔とは違うから……こ、こんなに、立派に……なって……」グスッ、グスッ……

早苗「まーアンタたちと仕事するのも楽しいからね。何だかんだと長い付き合いだし、声掛けてくれれば一緒に仕事するわよ」

愛梨「本当ですかっ? それじゃあ……今回のプランが終わったら、次は何のお願いしようかなぁ……」

愛梨「今度は……もっと安全なお仕事がいいですよね」

早苗「そうねえ……ま、のんびりやって稼げれば、お姉さんたちはそれでもいいけどね」

……
…………
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:55:56.14 ID:R4+0a3FI0
――フレイヤU(周子の部屋)

周子「そっか。そっちも暇してるんだ」

奏『この前の戦闘で、次の部隊に交代したもの。後は特に何もなければ、現地での出撃まで待機ね』

周子「現地ねー。フレちゃんたちの星、どんなとこなんやろ」

奏『探査ポッドの映像、見ていないのかしら?』

周子「見た見た、外から見た感じだと、地球とあんまり変わんないよね」

奏『まあ、私も地球には行ったことはないけれど……そうね。思っていたよりは、綺麗だったわ』

周子「まー白いのがうじゃうじゃいるって考えるとね」

奏『……ねえ』

周子「なに?」

奏『美嘉と、フレデリカ……どうしているのかしら?』

周子「聞いちゃうんだ?」

奏『別に……少し、気になっただけよ。何となく……』
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:56:47.47 ID:R4+0a3FI0
周子「冗談だって。あんまり喋ってないかなー……フレちゃん、色々やろうとしてるけど」

周子「プロデューサーやありすちゃんもさ、気遣ってくれるときもあるけど……うん、正直上手くいってない」

奏『そう……』

周子「事情は分かってるから、何も言えないんだけどね」

周子「美嘉ちゃんも、撃っちゃったから後ろめたいって思ってるみたいだけど、それもあってかどうなのか……」

周子「近くにいるだけなら何も言わないけど、くっ付こうとすれば突き放す感じ」

奏『……』

周子「気になるなら、戻ってきてもいいんじゃない?」

奏『お断りよ』

周子「あはは、そっかそっか。ま、そっちで上手くやってるならいいんじゃない? こっちは……ま、終わるまで何も無ければいいなーって」

奏『……そうね』
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:57:22.17 ID:R4+0a3FI0

周子「それじゃ、そろそろ切るね」

奏『ええ、それじゃあ』

ピッ!

周子「……」ボフッ!

周子(上手くやれたら、ね……上手く……)

周子「……」スー、スー……


周子「……うん、そっか。そっち上手くいってるんだ。こっちは……ちょっとあかんなぁって」

周子「なーんも無いのが一番なんだけどね。ほんまに」


周子「……」スー、スー……

……
…………
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:01:55.18 ID:/sFNO9CC0
――2週間後、フレイヤ(格納庫)

P「博士、整備長」フワッ

奈緒「新型、仕上がったのか!」

整備長「おう! ギリギリ間に合ったぜ……」

ナオ「ホントにギリギリだったな……間に合わないかと思ったよ」

晶葉「3人とも来たか。シミュレーターでの訓練もやっているしマニュアルも読んでいるとは思うが、一応話しておこうと思ってな」ピッ!

ガショガションッ!

奈緒「おお……これが、新型……!」


晶葉「まずはダブル奈緒の機体だ。NGF-VDPS01Fヴァルキュリアと、NGF-VDPS02Sヴァルキュリアだ。01Fがそっちのナオ、02Sがこっちの奈緒が搭乗することになる」

晶葉「これまでの3N-VPOとは違い、オプション兵装とのドッキング仕様は変更した。両機共にNGFとして単体運用が可能なヴァルキュリアとなっている」

晶葉「機動性、運動性については、どちらの機体も光波推進システムと通常エンジンのハイブリットを採用しているから従来機よりも大幅に向上している」

晶葉「個別の話に移る。01Fはドッキング時にVPSPの役割を担当する。こちらは追加の大型ブースターの標準採用により、更に高度な立体機動戦闘を行うことが出来る」

晶葉「また、試験中だった面制圧用の広域展開兵装についても一部採用している。これもあってドッキング時の武装の大部分は、01Fから選択することになるだろう」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:02:42.44 ID:/sFNO9CC0
晶葉「次は02Sだ。3N-SDで行われていた近接戦闘、長時間戦闘を考慮し、メインフレームの新造に合わせてフレキシブルスライド装甲を再設計し、耐久性はそのままに機体可動域を増やしている」

晶葉「標準兵装については基本的に3N-SDと同等の物をバージョンアップして採用している。これについては、近接戦闘を行う奈緒の機体操作感を変えないようにしたほうがいいと判断しての対応だ」

晶葉「過去に使用されていたデュランダルWだが、今回新規にHCW-704-SDとして再設計している。追加した仕様としてHCW-211に採用したビーム発信機を増設、超硬度の装甲に対する切断力を更に向上させている」

晶葉「これについては奈緒のソードを使用しての撃破率の高さから、ビーム発信機による斬撃を並行利用することで刀身の消耗を抑えるための対応でもある。実質的にセカンドドライバーの専用装備といったところだ」

奈緒「おおおお……専用、専用装備か……」

ナオ「めっちゃ嬉しそうだな……」

晶葉「あとは……NGF同士のドッキングにより3N-VPOよりも重量は増しているが、光波推進システムと大型ブースターの採用でG型相手にも有利に立ち回ることが出来るはずだ」

晶葉「フレームの改良で高機動戦闘中でもドッキングが可能となっている。ドッキング中に二手に分かれての戦闘や、再度のドッキング等、変則的な立ち回りを求められる状況でもシームレスに行うことが出来る」

ナオ「これでドッキングするときのルート確保もある程度はしなくて済む、か……うん、これならいける」

奈緒「ああ……文句なしだ。ありがとう、晶葉」
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:03:13.25 ID:/sFNO9CC0
晶葉「構わん、これが私の仕事だ。次は助手の機体だ」

晶葉「コイツについては、助手が最初に搭乗したVILS-01から始まり、過去全ての機体運用データを元にお前が動かす前提で機体設計をした。VWPS-02PNヴァリアントだ」

P「ヴァリアント……VWPSか」

晶葉「ダブル奈緒のヴァルキュリアと同様にメインフレームの新造とフレキシブルスライド装甲を再設計したが、そこから更にお前用に調整している」

晶葉「機体の基本性能については限界まで引き上げて、お前の操縦に追従できるよう耐久性、運動性のバランスを取った。現時点では、お前の操縦に対応できる機体でこれ以上の物は作れん」

晶葉「また、光波推進システムによる高機動戦闘やドッグファイトについて考慮した結果、新規兵装としてフロートシールドユニットを搭載している」

晶葉「この機体については通常稼働時にも機体表面に微量の粒子膜を展開し、疑似的にHMMに近い状態を維持して飛行する。その粒子を利用し、機体周辺に粒子保護領域を展開する」

晶葉「これと併せて機体センサーが白蜂の針、粒子砲に反応して機体周辺に一時的な粒子シールドを生成して対象の攻撃を防御する。これにより直接的な回避行動を取らなくとも、ある程度立体機動を維持することが出来るはずだ」

晶葉「ヴァリアントについては、標準兵装以上に基本性能の底上げを徹底的に行っている。これでお前が機体を壊してくるなら、こちらはもうお手上げだ」

P「了解した。操作性についてはシミュレーターでもう十分把握している」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:03:45.71 ID:/sFNO9CC0
整備長「まーこれで、少佐の機体を毎回オーバーホールしなくて済むようになれば、俺たちも助かるんだけどなぁ」

晶葉「出撃の度に機体をオーバーホールさせるのなんて普通有り得んからな。どれだけぶっ壊す気で乗り回しているんだとぶん殴りたくなるが」

P「まあ……それはすまん。俺の操縦が荒いだけだ。整備長にも、いつも手間を掛けさせてしまっているが」

整備長「ま、俺はいいんですけどよ。とっくに慣れちまってるし」

晶葉「後は指揮官用ヴァルキュリアシステムだ。こちらについては現行の改良型から更にシステムテストを行った試作分も含めて、負荷分散、軽減の面において全てテスト結果をフィードバックしている」

晶葉「現時点でもパイロット1人あたりの負荷がある程度軽減されていることもあり、現行稼働しているシステム搭載機全ての負荷を受け持ったとしても、1時間以上の戦闘が可能になっている」

晶葉「お前自身の負荷も、これで相当減っているはずだ。後は、アインフェリアの分をどれだけ受けることが出来るか……」

P「……」

晶葉「今回の機体については3機共、リミッターを掛けている部分も含めてシステムや機体性能に大分余裕を持たせている」

晶葉「マニューバについても今回はHMMとIMMを同時使用できるよう対応しているから、存分に使うことができるはずだ。後はお前たち次第だ……頼んだぞ」

P「……いけるか、2人とも」

ナオ「ああ、大丈夫だ」

奈緒「これで最後にする……コイツと一緒に、今度こそ……!」

……
…………
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:05:05.02 ID:/sFNO9CC0
――数日後、圏外宙域、フレイヤ(格納庫)

晶葉「……」

整備長「博士! M-01から借りてたコンテナ返してくるけど、もう使わねえよな?」

晶葉「ん、ああ……後はこっちが持ち込んでいる分で足りる。返しておいてくれ」

整備長「へい了解」



晶葉「……」

志希「どーしたの?」フワッ

晶葉「志希か……フレイヤUはどうした」ピクッ

志希「だって暇なんだもん。フレちゃんもさ、どんよりしちゃってるし」

晶葉「仕方がないだろう。事情が事情だ、何かしてやればいいだろう」

志希「最初はさー、そう思ったんだけどねー」

志希「だけど……」


……
…………
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:07:25.57 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(艦長室)

フレデリカ「……ねえ、プロデューサー」

P「どうした?」カタカタカタッ!

フレデリカ「……怒らないの?」

P「怒られるようなことやったのか?」

フレデリカ「……」

P「なら、怒る必要はないだろう。何もしていないヤツを、俺は怒らんよ」カタッ……

フレデリカ「……だって、何もできてないんだもん。美嘉ちゃんのこと」

フレデリカ「プロデューサー、アタシに言ってくれたよね。美嘉ちゃんのこと、どうしたいかって」

フレデリカ「アタシが、メッセンジャーとお話ししたときみたいに……美嘉ちゃんのことも、分かりたいって」

P「……もう1つ、俺は話したよな」ピピッ!

P「分かり合う為に一緒にいると……だが、もしかしたらそれは、一生分からないかもしれないことなんだ」

フレデリカ「それじゃあ、アタシが美嘉ちゃんと一緒にいてどうなるの? どうにもならないの?」

フレデリカ「美嘉ちゃんと一緒にゴハン食べたくても、お風呂入りたくても、おんなじところに行こうとしても、美嘉ちゃんはどっか行っちゃって……アタシ、アタシ……」

フレデリカ「リカちゃんのことも、どうしてあげたらいいのかって……やっぱり……分かんない……」
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:07:56.49 ID:/sFNO9CC0

P「そうだな。お前たち2人が、どうなればいいのか……俺にも分からん。だがなフレデリカ、あと1つだけ教えてやる」

P「お前のその悩みと、涙も……1つの答えだ」

フレデリカ「え……?」

P「城ヶ崎少尉……美嘉のことを、理解できなかったとして、お前はその後どうしたい?」

フレデリカ「……どう、しよ」

P「離れて別の場所に行きたいか?」

フレデリカ「……ううん」

P「それでも美嘉の近くにいたいか?」

フレデリカ「……う、ん」

P「お前の悩みと涙は、美嘉を思ってのものだ。誰かの為に悩み、涙を流すことが出来るのは……その人のことを好きでいるからだ」

P「最後にはフレデリカの望んだ結果で終わらないかもしれない。だがどんな結果になろうとも、お前はそれを受け入れるしかない」

ガタッ!


P「フレデリカ、こっちに来い」
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:08:44.35 ID:/sFNO9CC0
フレデリカ「……ん」スッ……

P「昔、俺にこうしてくれた人がいたんだ。俺が悩んでいるとき、自分がどうしたいか分からずにいたとき……こうして膝を貸してくれた」

フレデリカ「……」

P「その人の膝の上で、また悩んで、色々考えもした。だが……それも忘れるほど、穏やかな気持ちになれた」

フレデリカ「……うん、プロデューサー……あったかい……膝、硬いけど」

P「もし、辛くて、苦しくて、結果を受け止められないのであれば、俺がお前を受け止めてやる」

P「だから最後まで悩んで、悩み抜いて、お前自身が答えを出して、美嘉と向き合ってやれ」

フレデリカ「うん……もうちょっとだけ……頑張って、みる……アタシ……美嘉ちゃんの、こと……」

フレデリカ「……」スー、スー……


P「……頑張れ。お前はもう、俺たちと同じなんだ。だから……頑張れ」


……
…………
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:09:56.29 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤ(格納庫)

志希「多分フレちゃんって、もうあたしたちと同じ人間なんだよ。だから、悩んじゃって、諦めることや、妥協することが受け入れられないんだよね」

志希「本人は理解してないんだと思う。だけど本質的なところはきっとそう。ビーって元々はお互いで意思疎通し合ってるから、そういう感情は初めてなんだよ」

晶葉「だから、何もしてやらんのか?」

志希「うん。その心はフレちゃんが自分で育てていかなきゃダメだから。あたしだと、全部話しちゃうもん。それじゃ成長にならないし……だから……」

志希「だからカレも、あたしと同じようにフレちゃん自身に任せたんだと思う。けど、ありすちゃんの時みたいに、あたしと違ってカレは加減出来るから、フレちゃんの背中を押してあげることも出来る」

志希「アインフェリアをここまで育てたカレだから、とりあえずはあたしも気にしないんだけどねー」

晶葉「……」

志希「最初の対話でみんな壊れたときは、やっぱりダメだったかーって思ったけど、何とかなるもんだね、ホント」

晶葉「……違うな」

志希「ん?」

晶葉「本来ならば、そんな事態になってしまわないように……その為に、私たちがいるはずなんだ」
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:11:02.28 ID:/sFNO9CC0
晶葉「アイツから事象を聞き、観測も出来た。志希のほうでも初期理論の構築は出来た」

晶葉「だが……私はそれを、完全に実現させることは出来なかった」

晶葉「何が科学だ。私たち科学者は、人の未来の為に科学者として存在しているのに」

晶葉「助手を、アインフェリアを……あいつらを不幸にしてはいけなかった」



『P……さ……たすけ、て……』

『身体が、熱い……みんなが、私に話しかけてくる……たくさんの声が、怖い……』

『皆の……恐れ、恐怖……俺の、中で……俺は……おれ、は……』



志希「そーだね、あたしも同罪。だからここにいる」

志希「だけど、みんながここまで辿り着く為に必要な力は、晶葉ちゃんが与えたモノだから……それは、胸張って良いんじゃない?」

志希「せめてそこだけは胸張っておかないと、みんな不安になっちゃうし……ね?」

晶葉「……ああ。グレイプニールも、NGFも……私の成果だ。何も問題はない……それだけは、信じてやらないとな」

志希「そうそう、信じようよ。自分のことも……みんなのことも」

……
…………
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:12:00.07 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(ナオの部屋)

ナオ「この戦いが終わったらさ」

奈緒「いやいやちょっと待て、その発言はフラグとしか……」

ナオ「んなわけあるかっ! いや、ほら、ニュージェネが跳躍テストとかやってたんだけどさ」

奈緒「あー……そういやそんなことやってるのも見たな」

ナオ「いまはまだテストしてる最中だけどさ、いつかはそれが完成して、クイーンの力が無くても、安全に奈緒の世界と繋がるようになったら……」

奈緒「そうだなぁ……遊びに行ったり、来れるようになったりするのかな。次元崩壊しないように慎重になってるみたいだけど」

ナオ「これ以上クイーンが穴開けまくったらどうなるか分からないからな……」

奈緒「ま、あたしがこっちの世界にまた来れたのも、その穴見つけて飛び込んだからっていうのもあるし……ていうか、次帰れるのかな……」

ナオ「そんなこといきなり言うなよ……前も帰れたし、次も帰れるんじゃないか……多分」

奈緒「今回は、やること全部やって……それでしっかり終わらせてから帰らないとな。加蓮が……待ってくれているから」


……
…………
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:13:16.20 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(美嘉の部屋)


美嘉「……」


『それでね、アタシ絶対ぜーったいアイドルになるんだから、お姉ちゃんみたいに!』

『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』

『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど、おかーさんお小遣いくれなくてさー、まだ行けてないんだよねー』

『それでね、この前お姉ちゃんが話してくれた雑誌、おかーさんが買ってきてくれたんだけどさ。お姉ちゃんメッチャキマッてたもんね!』



美嘉「……」


P『フレデリカのことを、信じてやってくれ』

奏『仲良くしてあげて。あの子も、貴方と仲良くしたいって思っているから』


美嘉「莉嘉……」


……
…………
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:14:28.04 ID:/sFNO9CC0
――数日後、圏外宙域、ノルンM-01(メインブリッジ)

「S-01から待機通知が届きました。探査ポッドの再射出を実施するとのことです」

ちひろ「ま……待機通知っていっても」

ピピッ!

「対象惑星、スクリーンに出ます」

「生き残っているポッドからの映像、順次切り替えていきます」

ちひろ「前回ばら撒いてここまで辿り着いたポッドが捉えた映像と同じ……当たりですね」

P『撒いたポットが物凄い勢いで食われていくな。さすがに白蜂もこちらの位置を捉えたか……』

ちひろ「そうですね……クイーンは宙域にはいない、となれば……」ピッピッピッ!

楓『あの緑の星……そこにいるのかしら』

愛梨『綺麗ですねー。どんな星なんでしょうか?』

ちひろ「綺麗って……観光に来るだけならよかったんですけどね」

ピピッ!

「S-01から全体通知です。惑星周辺の白蜂、及び蜂の巣が移動を開始したのことです。移動先は……」

ちひろ「光学レーダーの映像をスクリーンに回してください」

フォンッ……

ちひろ「……こちらにまっすぐ向かってきていますね。ま、そりゃそうですか」

……
…………
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:16:07.82 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(ブリッジ)

P「フレデリカ、白蜂から何か感じ取ることは出来るか?」

フレデリカ「……わかんない。いつもみたいに、怒ってるだけ」

周子「……めちゃくちゃな数やね」

志乃「GS型、G型……数えるのも面倒……」

早苗「前に相手したの、どれくらいの数だったっけ?」

P「大規模級との戦闘の話であれば、恐らくそれよりも遥かに多い。現時点でレーダーで捕捉している数で140……全て白蜂だ。巣は3つ、大規模級程はありそうか……巣の中にもまだまだいるな」

美嘉「これ、全部……これだけじゃなくて……」

瑞樹「あの星にもいるかもしれないってことね、分かるわ」

フレデリカ「みんな……もう、いなくなっちゃったのかな。みんな、アイツらに……」

加蓮「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。クイーン、ここにいないなら……」

ピピッ!

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

ナオ「これは……加蓮!」

加蓮「フィールドジェネレーターに反応……次元振動!?」

奈緒「ってことは、空間転移か……!」

……
…………
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:18:13.93 ID:/sFNO9CC0
――ノルンS-02(メインブリッジ)

「空間転移を確認! 一部の探査ポッドがクイーンを捕捉しました!」

時子「スクリーンに出しなさい」

フォンッ……

千秋『これは……あの星のすぐ近くに……財前大佐!』

時子「こちらを迎える気があるのかどうか……まあ、少なくても」

「宙域の白蜂、蜂の巣は進行を続けています! 減速は確認できません!」

菜々『白蜂たちにとっては、いつもと変わらない……ですね』

翠『ではやはり戦闘に……』

「S-01から全体通知、待機状態を解除、コンディションレッドに移行しました!」

時子「チッ……ここからだと、あの馬鹿達の歌も意味はない……戦闘準備をしなさい」

琴歌『わかりましたわ。わたくしたちの為すべきことをしましょう』

時子「M-01とフレイヤ、フレイヤUに個別回線を繋ぎなさい」
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:18:40.76 ID:/sFNO9CC0
ピピピッ!

ちひろ『はい、はい……戦闘準備ですね』

P『フレイヤUは予定通り出撃させる。フレイヤは……』

時子「恐らく、こちらの戦力は分断させることになる……前線部隊の消耗を少しでも抑える為に、アインフェリアは出しなさい」

美波『了解しました。アインフェリア隊、宙域ライブを行います』

時子「退避判断は楓が出しなさい。そのタイミングになる可能性はあるわ」

楓『そうですね。宙域から場所を移して星で後半戦をするかもしれませんし、どこかで切り上げないといけませんね』

P『では俺は出撃準備をする。高垣中佐、フレイヤをお願いします』

楓『はい、いってらっしゃい』


……
…………
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:20:11.36 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(ブリッジ)

パシュンッ!

志乃「彼も行ったわね……さて、戦闘準備よ。出撃、頑張りましょうか」

ナオ「今回の戦闘は、アインフェリアの歌をクイーンに届けることだ。通常の攻略戦とは違う、消耗戦になる前に誰かがクイーンのところまでいかなきゃならない」

ピピッ!

加蓮「ありす大尉がいないからこっちで説明するけど、今回は後方支援担当のノルンS-06以外のノルンS-01、02、03、05、09、M-01、それの搭載艦はすべて前線になるから」カタカタカタッ!

加蓮「それ以外の補給部隊やモリアン艦は護衛のヴェールと一緒に宙域から離脱。基本的な立ち回りはプランV2と同じ」

加蓮「前線ノルン艦隊の脇にフレイヤを配置して、アインフェリアの宙域ライブを実施……ナオが言った通り、誰かがクイーンのところに行くまで、アインフェリアは歌い続ける」

奈緒「前線部隊もそうだけど、アインフェリアのことも考えたら、どうあれ長期戦は出来ない。時間との勝負でもある」

周子「だからあたしたち全員、フレイヤとフレイヤUは温存だったからねー」

ナオ「プランV3のメインでもあるからな……艦隊の進行ルートの確保はニュージェネ側の仕事だ。それは向こうに任せよう」

ピピピッ!

ありす『すみません、こちらの準備もあってブリッジに行けない状態で』

フレデリカ「メッセンジャー! ううん、大丈夫だよー」

ありす『こちらもフレイヤの専用ステージの展開準備に入っています。フレイヤUはM-01から出撃し前線の強襲艦隊に加わってください』

志乃「ええ……そっちも、よろしく」

ありす『最善を尽くします。P少佐は?』

ナオ「志希と一緒に医務室に行ったよ。すぐフレイヤのほうに行くはずだ。あたしは先に済ませたから大丈夫」

ありす『わかりました。では……お願いします』

ピッ!

奈緒「……よし、あたしたちも出撃だ」

……
…………
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:20:54.74 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU(医務室)

プシュッ!

志希「はい、おしまい♪」

P「……」グッ!

志希「キミはアインフェリアと、戦いに集中して。キミ自身が、やらなきゃならないことを見失わないで」

P「ああ、分かっている。手間を掛けさせてすまんな」

志希「まあまあこれくらいはねー。降下する事態になったら、早めに環境情報は取るようにするから心配しないでね」

P「俺や蘭子なら大丈夫だ。それに、恐らくは奈緒も」

志希「ま、それもそっか♪ 他のメンバーは苦労しそうだねぇ」

P「その為の訓練は行っている。後は本人たち次第だ」

パシュンッ!

P「では行ってくる。博士、後は頼んだぞ」

志希「あたしじゃなくて海賊たちが頑張るんだけどねー。にゃはは、そっちも頑張って♪」

P「当然だ」

……
…………
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:22:58.24 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤ(通路)

P「いた……皆」フワッ

美波「Pさん……!」

文香「準備のほうは……よろしいのですか?」

P「ああ。ここから格納庫に向かってカタパルトに移動する。皆は、大丈夫か?」

藍子「はいっ、準備はしてきましたから」

夕美「今度こそちゃんと想いを届けようって、みんなで決めたもんね」

ありす「はい。だからPさん……私たちのことを信じてください。そして、戻ってきてください」

P「必ず戻ってくる。皆の歌が俺の中に響く限り、俺は死なん」

美波「簡単に言うんですから……でも、それなら私たちも、安心してステージに立つことができます」


P「……アインフェリア隊、これよりフレイヤは長距離航行プランの主目的、プランV3の実行に移る」

P「宙域に出た後、専用ステージ上で宙域ライブを実施、クイーンとの相互理解を図り、戦闘を終了させることが今回の任務になる」

P「皆の負担が大きいことは分かっているが……頼んだぞ」


「「「「「はい!」」」」」


……
…………
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:25:47.41 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤU、カタパルト(機体内)

瑞樹『フレイヤU、ノルンM-01から出撃して宙域に出たわ。ハッチ開放、出撃していいわよ』

ナオ『加蓮、ウィングバインダーとアサルトパックは大丈夫か?』

加蓮『うん、シミュレーターも回してるし大丈夫、ちゃんとやれるよ』

奈緒「頼りにしてる。あたしとナオの後ろは任せた」

加蓮『心配しないで。私より、LiPPSのほうが心配でしょ?』

奈緒「……ま、何だかんだで上手くやってくれる、そう思っていいんだよな?」

周子『そうするしかないでしょ? まあまあ、ゆるーく頑張るからさ。いいよね、フレちゃん、美嘉ちゃん』

フレデリカ『オー! 美嘉ちゃん、友情パワーで頑張ろー! 待ってろクイーン!』

美嘉『とにかく、ここまで来て四の五の言ってられないでしょ。やることはしっかりやるから』

ナオ『……ああ、その勢いで頼んだぞ』
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:26:18.06 ID:/sFNO9CC0
ピピピッ!

整備長『お前ら、しっかり頼むぞ!』

志希『頑張ってねー♪』

おばちゃん『気を付けて行っといで。終わったら何でもご飯作ってあげるから』

奈緒「そっか。よし、それじゃあ行くか……!」

周子『りょーかい。LiPPS、出撃するよ!』

美嘉『行くよ!』

フレデリカ『はっしーん!』


加蓮『それじゃ、私たちも行こっか』

ナオ『ああ……NGF-VDPS01Fヴァルキュリア、出るぞ!』ガションッ!

奈緒「あたしがここに戻ってきた理由……今度こそ、選ぶ為に……」

奈緒「……神谷奈緒、NGF-VDPS02Sヴァルキュリア、出撃する!」

……
…………
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:27:03.75 ID:/sFNO9CC0
――ノルンS-02、カタパルト(機体内)

菜々「ARGT-R4のシステム起動、疎通確認完了です」ピッ、ピッピッ!

『Union』
『Striker』
『Armord』
『Module』
『In』
『Next G』

菜々「これで……」

ピピピッ!

卯月『ニュージェネレーション隊、全員出撃しました!』

千秋『ブリヤントノワールも出たわ。戦闘中は、お互いに上手くやりましょう』

翠『奏さん、戦闘中のマニューバについては気を付けてください。何かあれば連絡をお願いします』

奏『ええ……了解』

智絵里『私も出撃しました。菜々さん、ARGT……大丈夫ですか?』

菜々「……はい、やれます。いつも通り、バッチリです!」ギュッ!

菜々(ナナは……)

『出撃準備完了、発進タイミングを安部中尉に譲渡します』

菜々「……RS-01、安部菜々、出撃します!」


……
…………
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:28:03.28 ID:/sFNO9CC0
――フレイヤ、カタパルト(機体内)

P「標準兵装確認、粒子制御システム起動確認……」カタカタカタッ!

P「ヴァルキュリア各機もすべて出撃したか。システム対応機の識別コードを確認」パチッ、パチッ!

愛梨『P少佐、私たちのほうも機体チェック完了しました』

蘭子『宵闇を舞い、魂の鼓動を響かせる為の我が力……ブリュンヒルデは今、覚醒の時を迎えた』

P「出撃後のマニューバについては予定通り頼むぞ」

愛梨『はーい。あ、そうですP少佐、アインフェリア隊、大丈夫そうでしたか?』

P「大丈夫だ。皆も落ち着いていた。俺たちは信じていればいい」

蘭子『はい。私たちもいつも通り、頑張りましょう』

ピピピッ!

美優『Pさん……』

P「美優……どうした?」
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:29:36.78 ID:/sFNO9CC0
美優『帰ってきてください。私のところに……必ず……』

楓『私たちのところに、じゃないですか? 独り占めですか?』

美優『あっ!? い、いえ、そういうわけじゃあ……』

P「何やってんだか……俺は大丈夫だ。2人も気を付けて。アインフェリアのことは頼んだぞ」

楓『あ、はい、そこは心配しないでください。晶葉ちゃんも準備が終わったらブリッジに上がってくるみたいですし』


ピピピッ!

晶葉『助手よ、専用ステージの生命維持装置の最終チェックは完了した。お前が出撃した後にフレイヤは積層イージスを展開させる』

P「了解した。ステージの状況については何かあれば俺に知らせてくれ」

晶葉『ああ。こちらの面倒は見る。お前たちは気にせずに行ってこい』


愛梨『それじゃあ行きましょうっ! Pさん、蘭子ちゃん!』

蘭子『はい! NGF-F-VPS13フォートレス、発進します!』 

P「さて……行くか。VWPS-02PNヴァリアント、出撃する!」ガションッ!


……
…………
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:32:21.31 ID:/sFNO9CC0
今日はこれで終わります。多分次が最後です。
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 15:19:05.83 ID:h8AClS9to

最後が楽しみ
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 17:25:24.83 ID:e/rEt4Lko
新型機!乙!
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 10:37:24.84 ID:rfejvKXrO
2スレ目の909の匿名のセリフはもしかして…
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 07:32:38.51 ID:8CFLoXS6O
イベント終わったから更新くるかと思ったけど来ないな
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/15(木) 02:41:31.04 ID:vhA1A+Mr0
ちょっと半額期間でヘイローやらマグナ2やらに夢中だったので
次イベまで跨ぎたくはないので週末くらいに纏めます
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:28:27.35 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域

P「LiPPS小隊応答しろ、戦闘準備は大丈夫か」

ピピピッ!

周子『はいはーい、LiPPSでーす。VP-005、006、007全員準備完了だよ』

P「了解した。LiPPS小隊の識別コードはVPS-002だ。こちらはラピッドストライカー小隊と共にVPS-001小隊になる」

ナオ『菜々さんは今回の戦闘ではニュージェネと智絵里と統合しているから、一時的にコンコルディア隊所属になってる。間違えないでくれよ』

加蓮『こっちのほうが元部隊メンバーも含めて人数多いしね』

フレデリカ『コッコ隊大丈夫かな……』

奈緒『智絵里なら大丈夫だよ。フレデリカはこっちで頑張ってくれ』

フレデリカ『うん! 美嘉ちゃん、ガンバロー!』

美嘉『P少佐、前線見て!』

P「前線部隊のヴェールの配置も済んだか……ある程度クイーンに接近するまで、こちらは他部隊の援護も行う。前線のラインを上げねばならん」
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:28:54.45 ID:68gYMTWg0
ピピピッ!

ちひろ『こちらM-01です。所属部隊に連絡、クイーンの粒子砲については反応を確認次第こちらから展開しますので対応をお願いします』

ちひろ『また、クイーンの背後の星……暫定惑星Bについては降下する事態になった場合は速やかに付近の艦に着艦するように』

P「こちらVPS-001、了解」

周子『VPS-002も了解』

ピピピッ!

瑞樹『前線、先頭に出てるNGF小隊と白蜂がそろそろぶつかるわよ。距離は1000!』

P「了解した。よし、これより俺たちも戦闘を開始する。北条少尉、ブースターユニットは可能な限り増設しているな?」

加蓮『はい、不要になった分は順次パージしていきます』

P「こちらとのマニューバが困難になったらLiPPSと合流して行動しろ。それまでは頼むぞ」

蘭子『機体性能差も結構あるから……』

愛梨『加蓮ちゃん、無理はしないでくださいね!』

加蓮『了解です。奈緒!』

奈緒『よし、こっちも行くぞ。LiPPSも落ちるなよ!』ガションッ!

美嘉『分かってる!』

フレデリカ『待っててね、クイーン!』

……
…………
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:29:21.62 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域

GS型「!!」ギュンッ!

翠「ロングライフル、ガラティーンを照準……索敵範囲内の白蜂を牽制します!」ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS型「!?」ドガアアアンッ!!

翠「良い具合です。P少佐からお借りした武器、上手く使いませんと」ピピピッ!

智絵里『な、菜々さんとニュージェネは弾幕をお願いしますっ! 千秋さん!』ギュンッ!

千秋『各機、展開されている進行ルートを確認しつつ障害を排除するわよ』

翠「申し訳ありませんが、援護をお願いします」

凛『了解!』

卯月『弾幕展開も頑張ります!』ボシュシュシュシュッ!!

未央『ウサミン中尉! デカいのお願いします!』

菜々『はい! ARGTの腕部装甲展開、索敵範囲のG型とGS型にターゲット……!』ピピピピピッ!

ガショガショガションッ!!

菜々『いきますよ、ウサミンホーミングミサイル!!』ボボボボボボボボッ!!

ドガガガガガガァンッ!!!!
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:30:09.68 ID:68gYMTWg0
千秋『流石、うちの会社の強化兵装ね。相変わらず大したものだわ……はぁっ!』ブォンッ!

シュパアアアアンッ!!

G型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアアンッ!!

智絵里『G型は通しちゃダメだから……ええいっ!』ドシュウンッ! ドシュウンッ!

G型「!?」ドガァァァンッ!

ピピピッ!

琴歌『こちらフレイ、これより強襲艦隊によるミサイル攻撃を行いますわ』

桃華『着弾範囲を転送しますわ。各機避けてくださいまし』

かな子『アルヴァルディ発射します。射出後、次弾装填準備に入ります!』

ドガガガガガガァンッ!!!!

凛『こっちの出だしは大丈夫……P少佐たちのほうが……』

菜々『あちらは遊撃部隊として編制されています。プランV3の対応についてはP少佐たちのほうが率先して行いますし、ナナたちはこっちを頑張りましょう!』

卯月『は、はいっ!』

……
…………
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:46:47.00 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域

蘭子「愛梨ちゃん、GNS-071小隊のほうに!」ギュオオオオオッ!!

愛梨「はい、GS型6匹、G型1匹にターゲットロック……ガンダルヴ、射出します!」バシュシュシュシュンッ!!

蘭子「これだけの誘導兵装があれば、後はマニューバで!!」ガションッ!!

GS型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

愛梨「そこです!」ドシュゥンッ!!

GS型「!?」ドガアアアアアンッ!!

G型「!!」ギュンッ!

蘭子「この先は通さん……我が魔力を込めた刃の一撃を……!」ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!!

ドガアアアアンッ!!

蘭子「うむ、偶像の象徴と共にあるのならば……!」

愛梨「Pさん奈緒ちゃん、マニューバは分かれましたけどそっちは大丈夫ですか?」

ピピピッ!


……
…………
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:48:15.11 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域

奈緒「ああ、まだ大丈夫だ……!!」

P『クイーンに向かうには巣を突破しなければならないか、大きく迂回するべきか……』

G型「……!」

G型「……!」

G型「……!」

『GNS-063から065、集団で動いているG型がいる。突破されるぞ!』

『まだ弾幕が効いている! 牽制して立体機動戦闘に持ち込ませるな!』

ナオ『この状態じゃまだルート算出をしている余裕は無いな……こっちの前線が上がらないと下手に動くことも出来ないし』

奈緒「なら前線部隊の頭を叩いて流れを作るか。Pさん、加蓮!」ガションッ!

ナオ『よし、2人は前に出てくれ。あたしと加蓮で弾幕を張る。いけるか?』

加蓮『大丈夫。P少佐、マニューバは?』

P『コンビネーションマニューバはH04で行く。奈緒、G型を優先するぞ』

奈緒「わかった、GN形態に移行……行くぞ!」ドシュウウウウンッ!!

P『光波推進システムの状態確認、ビームウィングを展開……ハイパーマニューバに移行しなくとも……!』ガションッ!

G型「!!」ギュンッ!

奈緒「そこだ!!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

G型「!?」ドガアアアアアンッ!!
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:48:42.85 ID:68gYMTWg0
P『ようやく速度で貴様たちを上回ることが出来たか! これで後れを取ることは無い!!』ヒュカカカッ!!

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

P『遅い、ドラウプニル!』ガションッ!

ドガガガガガガッ!!


『その機体……プランV3のところか!』

ナオ『G型はこっちで優先して抑える。他の部隊は足並み揃えて進んでくれ、M-01とフレイヤをクイーンに近づけるのが優先だ!』

『そちらはプランの実行を優先してくれ……と言いたいがこちらも少しばかり苦しい。すまないが頼んだ』

加蓮『ちょっとあの2人メチャクチャ動きすぎ……バルムンク照準、2人とも、当たらないでよ!』

G型「!!」ズドォンッ!!

P『粒子砲か、だが!』ヒュバアアアアア……

P『フロートシールドユニットか。ピンポイントの防御だがイージスよりも燃費がいい。これなら!』ズドォンッ!!

ドガアアアアアンッ!!

奈緒「いやあんまり無視して突っ込まないでくれよ。こっちだって追いつくの大変なんだから……」

P『っと……そう、だったな。すまん』

ピピピッ!

志乃『前線……強襲艦隊のミサイル攻撃が入るわ。後方の白蜂の群れ……分断させるから、前はよろしく』

早苗『いくわよー! 今のうちに動いて数減らしなさいよ!』

ドガガガガガガガァンッ!!

奈緒「この調子のまま進めればいいけど、クイーン……!」ギュオオオオオッ!!


……
…………
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:49:09.27 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(専用ステージ)

晶葉『前線部隊については現状問題はない。クイーンの粒子砲が来ない限りはこのまま動くとは思うが、艦が大きく動いた時は気を付けてくれ』

美波「大丈夫です。博士にも手間を掛けさせてしまいますけど……」

晶葉『これが私の仕事だ。お前たちは何も気にしないでクイーンと向き合ってくれ』

楓『お願いしますね。あ、降下する事態になったら一旦中に戻ってくださいね』

ありす「分かりました。そのときは連絡ください」

ピッ!


518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:49:38.28 ID:68gYMTWg0
藍子「……いよいよですね」

文香「はい……もう、何度目になるのか」

夕美「でも、本当はこんなこと……しなくてよかったら……」

ありす「違います。しなければならないから戦っているんです。私たちと、クイーンと……分かり合う為に」

夕美「……うん、そうだね。みんな、ここにいるから……たぶん、同じ気持ちなんだよね」

美波「ええ、きっとそうなんだって……私たちは信じていないと。だから、クイーンには分かってもらわなきゃならない」

文香「貴方の、思う心は……私たちと同じかもしれない……怒りの心も……だけど、そう望んだのは……何より……」

藍子「あなたの子供たちが選んだ道は、とっても明るい、未来に向かう為の道だって……ちゃんと、分かってもらいませんと」

ありす「もし逆の立場だったとしたら、私たちでは選べないかもしれません。だから、その思いは……必ず伝えないといけません」

美波「ええ……だからみんな、行きましょう」


美波「私たちの、アインフェリアとしての……使命の為に!!」

「「「「はい!!」」」」


……
…………
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:50:51.06 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域

https://i.imgur.com/mfBoJbC.jpg


周子『おー始まった。まあまだ、あっちまで届かないんだろうけど』

フレデリカ「メッセンジャーの歌……美嘉ちゃん、がんばろ!」

美嘉『分かってる! そっちも手抜かないで!』

GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

フレデリカ「みんな!」ギュンッ!!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS型「……!」ヒュカカカッ!!

ズドォンッ!

フレデリカ「メッセンジャーの歌だよ! アタシたち、この歌があったから……だから、みんなも聞いて!」

周子『あんまり激しくなっちゃダメだからねー。マニューバ、Y02で行くよ。フレちゃん、よろシューコ』

フレデリカ「あっ、うん! 美嘉ちゃん、アタシ前出るから!」ギュンッ!!

周子『美嘉ちゃんも左側頼むよ。あたし右やるから』

美嘉『り、了解……このっ!』ガションッ!

ズドォンッ!!


……
…………
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:51:21.32 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域


智絵里『前線のラインが上がってる……このまま進めば!』ギュンッ!!

翠『千秋さん、マニューバを!』

千秋「ええ、合わせて頂戴! P少佐!」

ピピピッ!

P『アインフェリアの宙域ライブが開始されたのを確認した。進行状況は順調だ。ヴァルキュリアシステムはどのタイミングで使っても構わん』

千秋「そのつもりよ。ヴァルキュリアシステム、起動!!」

『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!

翠『P少佐、ご負担にさせてしまって申し訳ありませんが……!』パシュゥンッ!

P『構わん。長引いた場合、1時間を目途にしてくれ。それまでは各機好きにしてくれ』

未央『はい! こっちも行くよ!』

智絵里『みんなの機動力が上がってる……!』

菜々『智絵里ちゃん、ナナたちはGNブーストで行きましょう! あ、ナナのほうはARGTだから使えないんでした……』

智絵里『は、はい! GNブースト、起動します……!』ピピッ!

GS型「!!」

智絵里『連続稼働はできないけど……動けるときに……!』ギュンッ!

ドガガガガァンッ!!

菜々『はい! アインフェリアが元気なうちに頑張りますよ!』



https://i.imgur.com/nSDKlsu.jpg


……
…………
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:51:50.49 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域

https://i.imgur.com/E6BHhlC.jpg

ピピピッ!

奏「アインフェリアの宙域ライブが……始まったのね」ピピピピピッ! ピピピピピッ!

GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

奏「このっ……ダインスレイヴ!」ガションッ!

ズドォンッ! ズドォンッ!

ドガアアアアアアアンッ!!

奏「まだ始まったばかりよ。落ちるわけにはいかないわ……!」

ピピッ、ピピッ

奏「……周子たちも、まだ大丈夫そうね。あっちには、P少佐や奈緒たちがいるから……当然よね」

奏「私は……」ギュンッ!!

ドガガガガガガッ!!

GS型「……!」ドガアアアアアンッ!!

奏「私……は……」


https://i.imgur.com/OgilBIp.jpg


……
…………
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:52:20.61 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域


https://i.imgur.com/UdzzfCq.jpg


P「黒川少佐たちがシステムを起動したか。ならこちらも……!」

『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!

パシュウンッ!!

P「指揮官用ヴァルキュリアシステムを起動、各機のヴァルキュリアシステムとのデータリンク正常……!!」ドクンッ!

P「……以前よりも体が軽い。問題ない」

P「出撃済のシステム搭載機12機中7機が起動。奈緒や蘭子たちはまだ通常飛行で大丈夫か。アインフェリアの分のシステム負荷もここで受ける……!」カタカタカタッ!

ピピピッ!

愛梨『P少佐、前線ラインが上がってきていますよ。抜けるタイミングを作りますか?』

奈緒『いやまだ早い。3つの巣からどれだけ増援が出てくるかもまだ分からないし、クイーンがどう動くつもりなのかも見えてない』

ピピピッ!

瑞樹『一応前線なら消耗状態もそこまで早いペースじゃないし、まだ十分やれるわね。後々でもう少し有利な場面も出るかもしれないわよ』
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:52:50.70 ID:68gYMTWg0


https://i.imgur.com/AFKKE4O.jpg


P「……可能であれば……いや、もう少し待とう。時間は限られているとはいえ、前線が優勢であるならば確実に動いておきたい」

愛梨『はーい。それじゃあもう少し頑張りますね』

P「十時大尉も、必要であれば神崎中尉とヴァルキュリアシステムを起動して構わん」

愛梨『まだ大丈夫ですっ! 蘭子ちゃんと一緒ならまだまだ頑張れますから!』

ナオ『あたしたちのほうはドッキングしたらシステム使わなきゃ機体捌けないからな……そのまま2人乗りは無理だな』

愛梨『えへへっ、蘭子ちゃんといつも一緒ですから♪』

蘭子『あ、愛梨ちゃーん……管制ちゃんと見て……』

愛梨『あっ、はーい』

P「……まあいい。判断は間違えないだろうから、そちらのタイミングに任せる」ギュンッ!

GS型「……!」ヒュカカカッ!!

P「遅い!」ブォンッ!!

シュパアアアアンッ!!

ドガアアアアアアンッ!!


ピピピッ!

P「俺だ」ピッ!
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:53:46.04 ID:68gYMTWg0
周子『少佐、こっちも2人、システム起動したからね』

P「こちらで確認できている。問題はないか?」

周子『いまのところは大丈夫。こっちは予定通り前線ラインに混ざって動いてるけど、極端に押されてるところもないし』

P「それないい。何かあれば連絡をしてくれ。フレデリカ、美嘉」ピピピッ!

美嘉『はい』

フレデリカ『なーに?』

P「……クイーンの動きはまだ見えないが、このまま前線が優勢であればこちらのメンバーの誰かがクイーンのところまで飛ぶことが出来る」

P「長期戦も視野に入っている戦闘ではあるが、アインフェリア側の負担を考慮すると長引かせるわけにはいかない。頼んだぞ」

フレデリカ『うん、フレちゃんに任せて!』

美嘉『アインフェリアの代わりに前に出るのがアタシたちの仕事なんだから、それくらい当然!』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

P「全軍通達……!!」

時子『前線の各機、クイーンの周囲に高エネルギー反応が確認されたわ』

ピピッ!

時子『ヤツの粒子砲の有効範囲を転送したわ。急いで射線上から退避しなさい!』

奈緒『来たっ!!』ガションッ!!

P「流石前回とは違って今回は発見が早い。各機、GN形態に移行して射線上からなるべく離れろ」

瑞樹『ちょっと喋ってる間にもう……粒子砲、来るわよ!』


https://i.imgur.com/RCo0Okr.jpg


……
…………
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:54:34.61 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域


女王「……」ギ、ギギギギ……

キィィィィン……

女王「……!!」

ギュドォォォォンッ!!!!


――キィィィンッ!


……
…………
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:55:03.89 ID:68gYMTWg0
――フレイヤ(専用ステージ)

キィィィンッ!!

美波(ダメ! クイーン……まだ、ここからだと私たちの声が……!)

ありす(その光は、あなたの大切なものを守るための光……だけど、その光で失われるのも……)

文香(貴方の、大切なもの……ですから、どうか……!)

夕美(やっぱり、見失ってる。怒って、悲しくて……だから、気付いてもらわないと……)

藍子(お願いします。Pさん、奈緒ちゃん……みんな……!)


……
…………
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:55:42.37 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域


ドドドドドドドドドドッ!!!!


『回避だ! 各小隊、今の粒子砲で損害が出たところは報告しろ!』

『サブブリッジ、S-03の全システムの稼働状況を確認しろ! 異常があればリカバリに入れ!』


ナオ『くっ、効果範囲が広すぎる……!!』ギュオオオオオオッ!!

奈緒『加蓮、大丈夫か!』

加蓮『私は大丈夫! P少佐、他のみんなは!』

ピピピッ!

志乃『こっちは……大丈夫よ』

楓『フレイヤも大丈夫です。アインフェリアの専用ステージも特に問題有りません』

P「了解した。システム起動済のヴァルキュリアとは疎通状態を維持している。艦も無事であるなら問題ない」

フレデリカ『クイーン……もうっ、クイーンのおバカ! そんなことばっかりやって!』

周子『フレちゃんプリプリするのはストーップ。あたしらが回避したところ、前線ラインの穴になるからカバーしに行くよー』

ナオ『P少佐、あたしたちも一度LiPPSと合流しよう。この前の戦闘みたいに後手に回るのは避けたほうがいい』

P「了解した。VPS-001と002は一度合流だ。合流後は――」


――キィィィンッ!


P「……っ!」ビクッ!

P「……合流後は、前線ラインが整うまで纏まって行動する。その後は状況に応じて別途立ち回る」

P(またこの感覚か……まだ、まだ持ってくれ。始まったばかりなんだ……この前のようになるわけにはいかない……!)


……
…………
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:56:11.23 ID:68gYMTWg0
――ノルンM-01(メインブリッジ)

「艦長、前線各部隊からの応答がありました。被害状況の集計出します」

ちひろ「完全回避、とまではいきませんよね……被弾した機体については必要であれば随伴機を立てて帰艦させてください」

ちひろ「小隊編成を維持できなくなった隊については再編成リストを展開します。対象部隊は一度下がって、識別コードの振り直しを」

ピピピピピッ!

「S-02から通信です」

時子『そっちの状況は?』

ちひろ「問題ありません。フレイヤについても宙域ライブは問題なく続行しています」

時子『チッ……戦況としてはこちらのほうが優勢ではあるけれど、クイーンが出ている限りは立て直しの手間が掛かるわね』

ちひろ「仕方がありません。どのタイミングで動くかと言われると……」

「艦長! クイーンに動きがあります」
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:57:11.91 ID:68gYMTWg0
ちひろ「とか言ってるうちに……スクリーンに出してください」

ピピピッ!


女王『……』



ちひろ「後ろに下がって……? いえ、これはもしかして」

時子『後ろの星に向かって降下する気なのか……』

ちひろ「フィールドジェネレーターは?」

「最初の空間転移による次元断層は残っていますが、新たな次元振動の発生は確認できません。断層レベルは10を維持しています」

ちひろ「まだ断層が……そうですか、そのまま落ちていくつもりですね……財前大佐」

時子『艦隊を分けることになるわね……予定していた通り、降下部隊は移動するわよ。S-01と確認して展開するわ』ピッ!

ちひろ「今のうちに、前線部隊の交代を。予備部隊を出して、戻した部隊は補給後に降下準備に入ります」


……
…………
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:58:19.84 ID:68gYMTWg0
――戦闘宙域

ピピッ!

奈緒『クイーンに動きが……』

加蓮『これ、後退してる?』

P「ブリッジ、クイーンの状況は確認できるか?」

ピピピッ!

志乃『たった今、M-01から通知が来たわ……女王様、星に帰るみたいね』

ナオ『星に戻るのか? だったらこれから……』

瑞樹『艦隊を分けて降下準備に入るわ。S-01、S-02、M-01のノルン、及び所属する強襲艦隊は降下準備に入るわ』

瑞樹『みんなも、ほどほどにしてこっちに戻ってきて頂戴。今のうちならギリギリ収容まで間に合うし、間に合わなかったら甲板で待機してもらうわよ』

ナオ『どうするP少佐?』

P「クイーンの粒子砲で出来た前線の穴をカバーしている最中だが……ここで戦力を分けると宙域で戦闘する部隊が持たないぞ」

ピピピッ!

ちひろ『そこは頑張ってもらうしかありませんね。私たちだって降りた先がどうなってるか分かりませんし』
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:58:48.79 ID:68gYMTWg0
P「くっ……フレイヤ、アインフェリア隊の宙域ライブは一時中断だ。メンバーはヴァルキュリアシステムを維持したまま艦内に戻して降下準備に入ってくれ」

楓『わかりました。そちらはどうしますか?』

P「こちらはギリギリまで戦闘を行う。互いに苦しい状況になるだろうが、宙域の白蜂は少しでも減らしておかなければならん。志乃さん、悪いが付き合ってもらうぞ」

志乃『あら……ふふっ、分かったわ』

早苗『うへぇ……下がったっていいじゃないの……』

美優『後方支援の……S-06が上がってくるそうです。それでも、大規模の巣が3つの状態で、ノルン艦4隻では苦しいとは思いますが……』

P「だがやるしかあるまい。ブリヤントノワール、ニュージェネレーション、聞こえるか?」

ピピピッ!

千秋『聞こえているわ。降下準備ね?』

P「ああ。艦隊の進行ルートの確保をしていたそちらのほうが消耗が激しいだろうから、そちらは先にフレイに帰艦しておけ」

千秋『了解。ニュージェネ―レーション隊もいいわね?』

未央『はいっ! ってP少佐たちはまだ前線残るんだ……』
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 00:59:26.97 ID:68gYMTWg0
P「ギリギリまで数を減らしてから俺たちも動く。降下するときは同じタイミングだ」

美嘉『って喋ってるのはいいけど! こっち結構来てるよ!』ズドォンッ!!

蘭子『微かな隙を突いてくるとは……女王の意思ではなく、本能がそうさせているのか……!!』ギュンッ!!

G型「!!」ドシュシュシュッ!

奈緒『針か……くっ! ナオ!』

ナオ『抜けさせるかよ! ビフロスト……!』ピピピピッ!

ボシュシュシュシュシュッ!!

P「とりあえずこちらは可能な限り残る。フレイヤはM-01と合わせて降下準備をしてくれ」

……
…………
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 01:00:18.65 ID:68gYMTWg0
――フレイヤU(ブリッジ)

志乃「というわけで……整備長、裏で降下準備、お願いね」

整備長『へい了解! タイミング合わせてすぐやれるようにしとく! そっちも艦の移行は任せたぞ!』

ピッ!

早苗「うひゃー……他所の星に降りることになるとはねぇ」

瑞樹「作戦プランの中にあったでしょう? ほら、弾幕張りながら準備するわよ」

志希「……そうだ、ちょっとS-02、聞こえる? 探査ポッドまだ残ってるの?」

ピピピッ!

時子『煩い』

志希「いやーゴメンゴメン、でもこっちにいるうちにまた撒いてもらわないとさー」

時子『他の調査部隊からも同じ話が来ているわ。今残っている分を撒かせるから、現時点での惑星Bの環境情報の採取はしておきなさい』

志希「そのつもりだってー。それに降下した後も急いでやらないと、アインフェリアを外に出せるか分からないし?」カタカタカタッ!

ピピピッ!

晶葉『こちらのほうでもある程度はやっておく。降下直前に互いのデータを渡して突合せしておくか』

志希「はいはいりょーかい♪」ピッ、ピッ!

……
…………
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/16(金) 01:00:47.84 ID:68gYMTWg0
――数分後、戦闘宙域

ピピピッ!

ちひろ『フレイヤU、VPS-001と002、降下する全艦の準備が整いました。これより戦闘宙域から離れて惑星Bへ移動、クイーンの降下予測ポイントに向かって降下を開始しますよ』

P「了解した。VPS-001、002、これより前線から離れて惑星Bへの降下を開始する。対象艦隊は既に移動を開始している」

P「こちらはフレイヤUの甲板に着艦後、機体保護の為にハイパーマニューバモードに切り替えて降下に備える」

周子『りょうかーい。奏ちゃん、何しとるんやろか』

美嘉『……』

P「補給の必要がある機体は間に合うなら艦内に戻って補給だ。必要な機体はあるか?」

愛梨『フォートレスは大丈夫です。弾も節約してましたし、降りてからも十分戦闘できます』

ナオ『加蓮は大丈夫か?』

加蓮『こっちはオプション兵装で増設した分がほとんどだから、むしろ降下した後は軽いほうがいいかも……今のうちに半端に使ってるミサイルコンテナは使い切るから』

P「であれば全機、フレイヤUの甲板に着艦する。降下前のマニューバの移行は忘れるなよ」

……
…………
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