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LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです
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283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/28(日) 00:54:59.79 ID:h2S7R3zf0
今日はこれで終わります。
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/28(日) 07:10:55.56 ID:XGAgGVdIo
おつ
でしょうね……
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/28(日) 12:26:03.06 ID:72q+wkEs0
マユでーす。でもごめんなさい。マユは今電話に出られません
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/01/31(水) 00:19:27.64 ID:774xfv5O0
今日でエムステの咲ちゃんイベが最終日です。和装で百人一首しているので命懸けで頑張りましょう(宣伝)
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:22:31.23 ID:b/L10Fpk0
――木星圏宙域、フレイヤ(ブリッジ)
楓「航路誤差修正、前方ヴェール艦、後方モリアン艦との距離は維持……次の宙域チェックポイントまで艦制御のオートメーション機能を設定……」ピピピピッ!
美優「アインフェリア……I@LPの休憩時間になったみたいです。愛梨ちゃんと、蘭子ちゃん……一度こちらに、戻ってくるようです」
楓「それじゃあこちらも、少し休憩で」ピッ……
美優「……」
楓「……」
美優「……」
楓「……あの人、大丈夫かしら」
美優「そう、ですね……うちの主人のことですし、万が一……ということには、ならないと思いますけど……」
楓「私の夫ですから、危ないことにはならないと思いますけど」
楓「……」
美優「……」
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:23:51.49 ID:b/L10Fpk0
楓「……なんて、もう私の夫、でもないですからね」ハァ……
美優「楓さんは……最初から、違うじゃないですか……」
楓「それを言ったら美優さんだって、違うじゃないですか。ギリギリ」
美優「むぅ……」
楓「まあ、私はこんなこと言える立場じゃないんですけどね」
美優「それは……」
楓「Pさんも入院しながらあの子たちに付きっきりで、何だか一足飛び越えて、お母さん……にでもなった気分ですし」
楓「それに、今更言っちゃうんですけど、私最初はあの子たちのこと嫌いだったんですよ、割と本気で。いまは好きですけど」
美優「えっ、ええええ……」
楓「だって私の知らないところでPさんが寝取られてたんですよ? しかも集団逆レイプで。ヒドイですよね?」
美優「わ、私から見れば楓さんだって同じような感じでした……私の見てないところで、Pさんに色々やって……」
楓「まあそれは時効ということで……美優さんだって、嫌だったんじゃないですか? せっかくあの人のところに戻ってきたと思ったら、大家族みたいな状態になってて」
美優「それは……でも、いまはもう……そんなことはありません」
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:25:04.80 ID:b/L10Fpk0
楓「そうですね……最初は、あの子たちがPさんの体が目当てかと思っちゃいましたけど、ずっと、ずっとあんなに頑張って……」
美優「……あの日、最後に、黒井大佐に言われたんです」
楓「黒井大佐に?」
美優「あの人のことを、支えてあげてほしいって……私たちを逃がす為に、自分が犠牲になろうとしているときに……黒井大佐は、Pさんのことを心配していました」
美優「今思えば……どんな形であれ、Pさんが辛くて苦しい思いをするのを、黒井大佐は分かっていたんですよね」
楓「厳しかったけれど、優しい人でしたからね。菜々ちゃんのワガママにも最後まで付き合ってあげていた人でしたから」
美優「だから、結局私が、あの人の傍にいることが出来なかったときも……あの子たちが、Pさんの支えになってくれて……今では、それが嬉しいんです」
楓「はい。支えて、支えられて……Pさんとアインフェリアは、ここまで来れたんだと思います」
楓「だから……これで本当に最後に出来るよう、私たちがあの子たちを守ってあげませんとね」
美優「はい……」
……
…………
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:25:45.14 ID:b/L10Fpk0
――フレイヤ(レッスン場)
愛梨「それじゃあ20分休憩でーす。私と蘭子ちゃん、今のうちにブリッジに戻っていますから、ちゃんとバイタルチェックしておいてくださいね」
蘭子「翼を休め、次なる試練に備えよ!」フワッ
パシュンッ!
藍子「はぁ……はぁ……」
夕美「いまのトコ……ターンの部分ズレたよね……?」
文香「待ってください……いま、映像記録を……」ハァ、ハァ……
美波「ありすちゃんから貰った映像データと合わせてから次に移らないとダメね……」
夕美「ちゃんと仕上げて、全力で歌えるようにしないと……まだ、私たちの歌じゃみんなには届かない……」
美波「ええ、Pさんが……みんなが命を懸けて作ってくれるチャンス、絶対に掴まないと」
文香「はい……生き残る為に……未来に、向かう為に……」
藍子「みんなの命を守って、私たちの想いを届けないと……!」
……
…………
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:26:13.00 ID:b/L10Fpk0
――フレイヤ(通路)
蘭子「アインフェリア……大丈夫かな」
愛梨「ぜーったい大丈夫ですっ! みんなとっても頑張っていますし、Pさんも私たちも、信じてますから!」
蘭子「愛梨ちゃん……」
愛梨「だから、みんなのことを信じるためにも、私も蘭子ちゃんも、もっともっと頑張ってお手伝いしましょうねっ」
蘭子「……うんっ」
……
…………
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:27:04.86 ID:b/L10Fpk0
――2日後、土星圏宙域、フレイヤU(艦長室)
P「搬入出作業に1日、艦メンテに1日、急ピッチで本部に応援を頼んだが、整備班には無理をさせ過ぎているな……」
ありす「はい、時間に多少の余裕があるとはいえ、S-02と合流した後は追加作業も入ってくるでしょうし、作業が遅れている現状では少々厳しいかもしれませんね」
P「もう少し本部から整備部隊を借りるか。うちのメンバーを交代で休ませておかなければ後が持たん」
ありす「そうですね……整備長にはもう少し頑張ってもらうしかありませんが、ある程度まとめて休ませるか……作戦後でもありますし、せめて1日は欲しいですね」カタカタカタッ!
ガタッ!
ありす「ちょっとこれから現場に行って来ます。今応援に来ている整備部隊に振り分けている作業を整備長と見直しますので、Pさんは本部に行って増援の申請をお願いします」
P「頼むぞ。とにかく外装メンテまで終わらせないと、装備交換まで手が付かん。現場監督であれば後で俺のほうも立ち合いに出る」
……
…………
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:27:41.55 ID:b/L10Fpk0
――フレイヤU(格納庫)
ナオ『……』ピッ、ピッ! ピピッ!
加蓮「……ミッション追加、もう1セット……終わったらデータ入れ替えするよ。次……」
奏「……」
美嘉「……」
フレデリカ「おー……」
志希「……」スヤスヤ……
周子「いやぁ……これは……」
加蓮「次最後ね……時間まだあるよ……うん、コンディショングリーン。おしまい」ピッ!
パシュンッ!!
ナオ「はー……終わったぁ、疲れた」バサッ!
加蓮「お疲れ様。次どうする? オンラインスコアやっとく?」
ナオ「んー、1回入っとくか……ん、みんな来てたのか」
美嘉「いや、うん」
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:28:54.96 ID:b/L10Fpk0
奏「大したものね……それ、グレイプニールのシミュレーターよね?」
ナオ「ん? いや、入れてるのオプション兵装。VPSPだよ」
周子「えええええ……いや、オプション兵装ってレベルの武装じゃないでしょそれ、3NXより豪華に動いてたやん」
フレデリカ「コレすごいんだよ? 前もびゅんびゅん飛ばしてたし」
ナオ「まーオプション兵装とはいえ、ヴァルキュリアサードのデータも使ったハイエンド機だからな。これくらい動かせておかないと」
奏「サード?」
加蓮「グレイプニールの時代にPさんが使ってたヴァルキュリア。もう壊れてなくなっちゃったらしいけどね」
ナオ「あーそうそう、引退試合の時に盛大に大規模の巣に特攻レベルで突っ込んで派手に壊したんだよな。あたしモニターで見てた」
美嘉「大規模の巣に突っ込むって何それ」
ナオ「いやあたしもさ、まさか『巣をぶっ壊すまで暴れる』って選択肢選んで本当にぶっ壊して帰ってくるなんて思わなかったけどさ……最後はノルンが間に合ったから壊せたようなもんだったけど」
志希「まーヴァルキュリアサードもアレ、大概オーパーツレベルの奇跡の出来だったしねー。あたし現物見たことないけど」
フレデリカ「あれ、志希ちゃんいつ起きたの?」
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:29:51.89 ID:b/L10Fpk0
ナオ「愛梨や蘭子でもスペック持て余してたレベルだったからなぁ。再生産しようかって時期はもうNGFが出てきた頃だったから移行することになって作り直さなかったみたいだけどさ」ピクッ
整備長「おーい! VPSPの調整はどうなんだー!」
ナオ「ん、あーとりあえず大丈夫! もうちょっとシミュレーター回してから声掛ける!」
整備長「こっちの作業、手離せなくなりそうだから早めに頼むぜー!」
奏「あら……整備班、忙しそうね。本部からも人手借りているし」
周子「邪魔にならないようにあたしら先に戻ってよっか」
美嘉「それじゃアタシ――」
フレデリカ「アタシもシミュレーター回そっかなー? 巨悪を成敗する為に力が必要ってネ?」
美嘉「……じゃ、ブリッジ戻ろっか」
フレデリカ「でも今日はアタシもお仕事やったしみんなで戻ろー♪」
志希「りょーかーい」
美嘉「……」
周子「ブリッジ戻っても清掃入ってるし、食堂か休憩所でいいんじゃない?」
加蓮「みんな戻るんだ。それじゃ、私たちもう少しここにいるから」
ナオ「ありすからは外出許可も出ていると思うけど、連絡が来たら出てくれよ」
奏「ええ、それじゃあナオも頑張って」
……
…………
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:30:32.95 ID:b/L10Fpk0
――フレイヤU(食堂)
フレデリカ「おばちゃん、社会人の共の唐揚げ定食!」
おばちゃん「あいよ、残すんじゃないよ」
志希「宙域のさ、データ収集もついでにやりたいんだけど……んぐぅっ、こっちはそんな余裕ないみたいだからね」モグモグ
美嘉「前線には出ないんでしょ?」
志希「そりゃ出たらあたし死んじゃうし。あたしが知ってるトコの部隊もデータ取りに来るらしいから、貰うつもりなんだけどさー」モグ……
奏「オート・クレールも大変ね……P少佐もデスクワークはそっちの仕事ばかりしているし」
志希「あーカレはね、まあテスターだし開発もやってるし、晶葉ちゃんのお気に入りだから色々振られてるの」
奏「どうして、オート・クレールに移ったのかしら。わざわざ戻ってくるくらいなら、そのまま――」
志希「ま、アインフェリアやシンデレラガールの面倒見る為、ってね」
周子「……ふーん」
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:31:06.02 ID:b/L10Fpk0
志希「誰かから聞いてるかもしれないけど、昔のヴァルキュリアシステムって随分と欠陥品でね。まあ、そうしなきゃならなかったってトコはあるんだけど」
志希「概念もジョーカーから聞いて、さあ初期構築! ってトコで今の人類じゃまともに作れそうもない代物だったから、少しずーつ形にしていったけど」
志希「使ってもらう側に、あそこまで辛い目に遭わせるつもり、なかったんだけどね」
フレデリカ「……フーン、志希ちゃん、そういうの好きだからなーって思ってたけど」ガタッ
志希「あたしがおかしくなるのは別にいいんだけどね。おかしくなって楽しくなるかもしれないし、作った本人としては満足できるかもしれないし」
志希「だけどさ、誰かにそれを押し付けるのって、違うんだよね」
志希「あたしが楽しいって思うことは、誰かは楽しくないことかもしれない。相手はあたしじゃない、違う存在。人も、ビーも」
美嘉「……」
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:33:22.16 ID:b/L10Fpk0
志希「だからさ、違うってちゃんとわかってないと、本当にヤバイことしちゃったら後悔しか残らないんだよね」
志希「間違えてもいい。遠回りしてもいい。だけど、最後の最後だけは……ってね」
志希「だからあたしでも、アインフェリアのときはゴメンって思っちゃった♪」
志希「カレにもね、ヒドイことしちゃったって思うんだ。まあ、そう思ってるのはあたしだけじゃないけど? だからこっちにも来たし」
周子「ま、そこはね? 人それぞれやし」
志希「そーそー。まあ早いうちに手打たなかったら人類負けてたかもしれないし? そこは結果オーライってことで♪」
奏「……ちなみに、アインフェリアがどうなっていたのかは?」
志希「あ、具体的に知りたい? 別に教えてもいいけど、たぶん後悔するよ?」
奏「まあ、参考にして心構えくらいは、しておこうかと思って」
志希「別にいいけどー……それじゃあ……」
……
…………
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:35:55.66 ID:b/L10Fpk0
――翌日、フレイヤU(ブリッジ)
周子「港との接続アーム解除。艦制御確認、出発準備オッケー」
加蓮「大尉、各班から確認通知が来ています。出港可能です」
ありす「了解です。それではこれより、フレイヤUは土星圏外宙域の防衛ラインに向かいます」
ありす「目的は圏外宙域で観測されている次元振動の対処です。S-02と合流後、作戦行動について確認を取り指定宙域ポイントへと向かいます」
奏「……」
ありす「……速水少尉、どうしましたか?」
奏「いえ、別に……」
ありす「そんなに人の顔をじろじろ見て……何かありましたら、話してくれたほうがこちらも助かります」
奏「大丈夫、大丈夫……ええ」
美嘉(昨日あんな話きいちゃうとね……まさかあの大尉が……)
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:36:25.29 ID:b/L10Fpk0
美嘉「ってあれ、P少佐は?」
加蓮「ナオと2人で格納庫。シミュレーター回してる」
ありす「P少佐も復帰してから間もないですからね。もう少し調整をしておきたいとのことです」
志希「あとでみんな、カレと訓練すれば?」
加蓮「Pさんの訓練、大変だけどね」
奏「……まあ、出来るなら頼んでみましょうか」
ありす「移動中の戦闘予定はありません。白蜂と遭遇した場合はLiPPSで対応します」
美嘉「了解。蜂が出てくるなら……!」
フレデリカ「ゴーゴー!」
ありす「ではこれより出港します。港から出た後はオートメーション機能による自動航行に切り替えます」
……
…………
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/01(木) 02:37:24.51 ID:b/L10Fpk0
今日はこれで終わります。
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/01(木) 03:13:14.50 ID:CF0ESVx20
おつ
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/01(木) 06:57:45.73 ID:zBCJb32Zo
おつ
ありすちゃんはそんなに酷くなかったんや……
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/01(木) 17:19:22.35 ID:Y8QIukDWO
ようやく楓さんと美優さんが会話したと思ったらお互い刺し合ってるなんて
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:01:34.92 ID:c44Tjnl00
――フレイヤU(艦長室)
P「ありす、S-02に合流予定のタイミングは?」
ありす「連絡済みです。私たちの他にも数隻、合流予定の艦があるみたいですね」カタカタカタッ!
P「今の圏外防衛の戦力状況で、大規模の巣を攻略に行くとなれば防衛ラインが手薄になる。また内部で次元振動が発生するようになっている現状、そちらから戦力を引っ張ってくるのも厳しいが」
ありす「再編成指示が出て展開が終わったばかりですからね。まだ手が回っていない場所もあるでしょうし、一部は長距離航行プランの為にホクドウに集めていますし」
P「アインフェリアの復帰に合わせて、か……思うところはあるが、現状ではこのタイミングが妥当か」
ありす「アルヴィスの更新履歴を見ましたが、干渉装置の見直しも始まっているみたいですね。どれほど効果が戻るかは分かりませんけど」
ありす「あ、そういえば履歴を見たついでに火星圏の状況も確認しましたけど、M-01もホクドウに向かっているそうですよ」
P「ちひろさん、文句言いながらこっちに来てるだろうな」
ありす「仕方がありません。巣の攻略には参加しませんが、長距離航行プランの参加自体は決まっていましたし」
P「フレイヤの旗艦になっているから仕方がない。火星圏にいてコロニー級の巣やクイーンとの戦闘経験がなまじあるだけ、招集する理由もあるし」
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:02:12.73 ID:c44Tjnl00
ピピピッ!
P「俺だ」ピッ!
志希『あ、キミ? 暇?』
P「暇ではない」ピッ!
ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!
P「なんだ」ピッ!
志希『薄情者。あーあ、大事な話なんだけどなー』
P「なら早く話してくれ。こちらも暇ではないんだ」
志希『フレちゃんのこと』
P「……そちらに行く。少し待て」ピッ!
ありす「Pさん?」
P「すまん、少し席を外す。時子から連絡が来たら受けておいてくれ」フワッ
……
…………
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:02:38.38 ID:c44Tjnl00
――フレイヤU(志希の部屋)
志希「フレちゃんね、美嘉ちゃんのことお気に入りなんだって」
P「そうか」
志希「ん、あれ、驚かないんだ?」
P「……フレデリカが誰と仲良くなろうと構わんだろう」
志希「わかってるくせにー?」
P「城ヶ崎少尉のこと、誰から聞いた?」
志希「藍子ちゃんから。あのおじさんがあたしたち選んだときに、キミならある程度調べてるだろうなーって思って」
志希「それにしても、問題ばっかりな人選じゃない? フレちゃんに美嘉ちゃん、おまけに奏ちゃんにあたしもいるんだから」
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:03:06.90 ID:c44Tjnl00
P「……能力を見た上での大佐の選定だ。プランそのものに対するバックアップ体制はこれまでのメンバーでも対応できる」
P「今回必要だったのは、運用に必要な根本的な戦力だ。前回のクイーンとの戦闘では、皆がヴァルキュリアシステムを使用できる状況だった」
P「だが俺がこの現状では、それも難しい。運用としてシステムを使う必要がある以上、GNブースト機を使用するわけにもいかない」
P「長いこと問題だった長時間戦闘に対しての課題も、システム改修である程度賄うことが出来ているが、これまでのシステム起動による負荷も無視できん」
志希「ま、今のシステムから使い始めた奏ちゃんたちなら、そんなに大変なことにはならないからねー」
志希「それにしても、融通してくれたメンバーだからって、問題有りって子ばかり抱えるのはどうかなぁ」
P「フレデリカなら、上手くやれるとは思う」
志希「……ま、そう思うならいいけど。でも、フレちゃんの為にも、ちゃんと美嘉ちゃんとは話しといたほうがいいんじゃない?」
志希「あたしはね、いまの人間もそうだけど、フレちゃんにだって……最後には絶望したまま終わってほしくないから」
P「……そうか。前に一度、少し話をしようと思っていたが……それなら頃合いを見て話しておく」
……
…………
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:08:16.02 ID:c44Tjnl00
――数時間後、フレイヤU(会議室)
P「移動中に広報から提示されたI@LPだが、ハマヨコで放送予定のアイドルアルティメットフェスの広告のパフォーマンスシーンが欲しいとのことだ」
P「スクリーン映像のデータは配布されている。モーションガイドについても全員分あるから、パート分けについてはこちらで決めることになる」
周子「センターは奏ちゃんね」
奏「どうして私なのよ」
周子「リーダーでしょ?」
美嘉「ま、それが無難かもね」
フレデリカ「それじゃアタシ真ん中ー!」
志希「センター、つまり真ん中、オッケー?」
フレデリカ「真ん中が2人いればもっと楽しいと思うんだけどねー」
周子「まあ真ん中が1人じゃないとダメって言われてないか……うん」
奏「そもそも2人並ぶとモーションガイドの動きに嵌めれないでしょ」
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:09:35.29 ID:c44Tjnl00
P「広告の短い時間の中でどうアピールするかだな。ガイドの無いフリー部分を全体で上手く使うか、短い時間で画面映えするメンバーをセンターにするか」
フレデリカ「あ、センセー! それなら美嘉ちゃんが真ん中がいいと思いまーす!」
美嘉「え」
奏「……そうね、私たちの中で時間の短いカットでも良いパフォーマンスが出来そうなのは美嘉かもしれないわね」
周子「一番派手ってトコを上手く使えればええかなー?」
志希「あたしよくわかんないけど、プロデューサーはどうなの?」
P「俺か? まあ……このメンバーなら全員アクが強いし、誰が正面にいてもいいとは思うが」
志希「はぁー……職務怠慢」
奏「そこで上手い意見を出すのがプロデューサーでしょう……」
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:11:07.14 ID:c44Tjnl00
P「そ、そうか……城ヶ崎少尉はどうだ? 30秒程度の時間で、その中のセンターだ」
P「モーションガイドの要求時間もあるし、フリー部分はそこまで負担にはならないと思うが」
美嘉「……別にいいけど、アタシじゃなくて他の子とか、考えないの?」
P「ん……そうだな、今回は民間主催のフェスの広告だし、どちらかと言えば要求されるパフォーマンスも、盛り上げを図る為のものだ」
P「そういう視点で見れば、このメンバーの中では城ヶ崎少尉が正面に立つと画面映えするとは思うな」
美嘉「フーン……まあ、それじゃあセンターやろっか」
志希「……」スヤスヤ……
周子「こっちのサボり博士はもう寝てるし……」
奏「それじゃセンターは美嘉で決まりね。他のメンバーは……」
……
…………
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:19:33.69 ID:c44Tjnl00
――数時間後、フレイヤU(美嘉の部屋前)
P「……」
P(……打合せも終わって、監視の交代も済んでいるからこのタイミングか。前回は間が悪かったが)
P「……少尉、いるか?」ピッ!
ピピッ!
P「……少尉、俺だ。少し話がある」ピピッ! ピピッ! ピピッ!
ピッ!
美嘉『あっ、はい! いま開けるから!』
ピピッ!
P「すまんな。失礼する」
……
…………
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:20:31.50 ID:c44Tjnl00
――フレイヤU(美嘉の部屋)
美嘉「ゴ、ゴメンなさい……ちょっとボケっとしてて」
P「いや、休憩時間中にすまん。しっかり休んでもらおうとは思っていたんだが……」
美嘉「……で、用事……あるの?」
P「ああ。そうだな……I@LPだが、上手くやれそうか?」
美嘉「んー、まあ広告用の収録なら何度もやってきたし、あのフェスの広告も去年に同じ仕事してたから大丈夫、任せといて★」
P「そうか。それならいいんだ、頼んだぞ」
美嘉「……え、それだけ?」
P「いや……」
美嘉「……」
P「……聞いておこうかと思ってな」
美嘉「なに?」
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:22:04.67 ID:c44Tjnl00
P「フレデリカのことを、どう思う?」
美嘉「……」ピクッ
P「ビーとの混成部隊も、以前よりは増えたが現状はそこまで多くない。気になっていたものでな」
美嘉「どう、思うって……良い子、だと思う」
P「そうか。それならいいんだ」
美嘉「……アタシに、そんなこと話すんだ。少佐って……知ってるんでしょ? アタシのこと」
P「……経歴を含めたある程度のことは、復帰前に渡されていた資料に載っていた」
美嘉「それでも、アタシにそんなこと言うんだ。莉嘉のこと……分かってて……」
P「5年程前、だったか。ギチトーからハマヨコへ向かうエイルの1隻が蜂に遭遇して被害に遭い、大破した」
P「大破したエイルから救助された生存者数名は、ギチトーに搬送されて治療を受けたが……」
美嘉「あの子は……莉嘉だけは、ずっと起きない。眠ったまま」
……
…………
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:23:07.75 ID:c44Tjnl00
――木星圏宙域、フレイヤ(休憩所)
夕美「その子がね、いまフレイヤUにいる城ヶ崎少尉の妹さんみたいで……」
夕美「丁度そのエイルが被害に遭った日って、私が前にいたヴェールで最後の任務をやってたときだったの」
夕美「MN-13も含めた数隻の艦で、オート・クレール本社の幹部が乗ってる別のエイルの護衛……それ自体は何も無かったんだけどね」
夕美「木星圏の防衛部隊にエイルの引き渡しが終わって、任務完了で引き上げた後に、ギチトーの監視局から緊急の連絡が入って……」
美波「そうだったの……その子は?」
藍子「はい、莉嘉ちゃんって子で、ギチトーの病院に昏睡状態で運ばれてからは、今も病院で眠ったままで。私も、莉嘉ちゃんを見たのはお部屋のチェックをするのに病室に何度か入ったくらいでしたけど」
藍子「Pさんも、気にしていたんです。多分、フレデリカさんと一緒の部隊になったから……」
文香「……まるで、城ヶ崎少尉と、Pさんは……同じような境遇なのですね」
美波「ええ……そうね」
……
…………
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:23:43.11 ID:c44Tjnl00
――土星圏宙域、フレイヤU(美嘉の部屋)
P「……昔、もう俺が子供の頃、少尉と同じように、蜂が俺の両親を殺した」
美嘉「えっ……!」
P「それから俺は1人になった。色々あって大佐に引き取られて、それから大人になってから軍に入って、こうして戦うことを選んだ」
P「しばらく経って、その時俺が所属していた旧艦のユミルが、蜂との戦闘中に介入してきた白塗り……白蜂との戦闘で大破した」
P「俺以外の前線部隊と、艦長の黒井大佐を含めた艦搭乗員のほとんどはその時に死んだ。当時俺の愛している人は……運よく生きてくれていたが、次に会うことが出来たのは8年も後だった」
P「俺が今でも戦っているのは、俺のような境遇の人間を1人でも無くしたいと思っていたから……だが、改めて難しいことだと……思った」
美嘉「……なんで、なんでそんなに! アイツらに大切な人たちみんな殺されて! どうしてあの子と一緒にいることが出来るの!」
美嘉「なんであの子の前で笑っていられるの!? おかしい……おかしいよ! アタシは、一緒にいるだけで……」
P「フレデリカは……俺の命を救ってくれたからだ」
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:27:00.28 ID:c44Tjnl00
P「対話の日に、仇だった白蜂と戦闘をした。これまでの蜂とは別格の強さの敵だった。実際に以前、負けたこともあった」
P「その時は負けるつもりは毛頭なかったが、それでも相打ちまで持ち込んだが奴はまだ動ける状態で、俺は死を覚悟したが……」
P『だ、誰か俺を庇って……』
蜂『……』
P『お、お前は……俺を、助けたのか……』
P「俺はフレデリカに命を救われた。まだお互いに言葉も分からない、敵同士だったはずなのに、あいつは身を挺して俺を助けてくれた」
P「そのときにようやく気付いた。俺はこれまで、恨みを持って戦っていた、守るべき者の為に戦っていた。だがそれはビーたちも同じだった」
P「あいつらも仲間を守る為、生きる為にここまで来た。俺たちが互いに理解し合えていなかったから、すれ違い、争いになっていた……だがそれも、お互いに生きる為に仕方がないことだったんだ」
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:28:52.22 ID:c44Tjnl00
P「互いに理解することが出来たのであれば、俺たちは互いを守り、生きていくべきだと……人間と蜂と、姿は違えど俺を救ってくれたフレデリカの優しさを感じて、そう思ったんだ」
美嘉「何よ……それ……だったら!」ガタッ!
美嘉「だったら、助けてもらったからって、アイツらのこと許せって言うの!? アイツらがいなかったら、莉嘉は今頃……大きくなって、アタシと同じように、アイドルになって……ずっと、一緒に……」
P「……少尉に、俺の考えを強制させるつもりはない。だが、考えてほしい」
P「俺たちから大切な人を奪ったのは、ビーであることに変わりはない。だが……俺たちを理解し、平和の為に共に生きようとしているフレデリカも、同じビーなんだ」
美嘉「……」
P「恨みを抱えたままでいるか、フレデリカの思いを受け止めるか、最後は……少尉に任せる」
美嘉「……アタシ、は」
P「……少し話過ぎた。思うことはあるかもしれないが、巣の攻略戦も控えている。LiPPS小隊についてはこれまで通り任務にあたってくれ」フワッ
パシュンッ!
美嘉「……莉嘉」
……
…………
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:35:22.53 ID:c44Tjnl00
――フレイヤU(美嘉の部屋前)
パシュンッ!
P「……」
ありす「終わりましたか?」フワッ
P「ありす……」
ありす「志希さんからお話があったので。あの人、こういうところには気が回るんですよね」
P「そうか」
ありす「あなたも、そんな顔をしないでください。美嘉さんも、分かってくれると思います」
P「……そうだな。だが、こういう話は今でも慣れん」
ありす「仕方がありません。艦長室に戻りましょうか」
P「ありす」
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:36:34.49 ID:c44Tjnl00
ありす「はい?」
P「最後に……俺の父さんと母さんと、どんな話をした?」
ありす「どうしたんですか? 今までそんなお話はしませんでしたけれど……」
P「いや、少し気になってな。覚えていなければ、それでいい」
ありす「……ずっと、あなたのことを話していましたよ。帰ったら野球のチケットを渡すんだって。みんなで見に行くんだって」
ありす「しばらく留守にしていたから、あの子の好きなことをさせてあげたい、ワガママを言われないだろうかって……ずいぶんと楽しそうに話していました」
P「そうか。俺は……幸せ者だな。両親の最後の話も聞けて、ありすが生きてくれて、美優も戻って来てくれて……」
ありす「はい。私も幸せです。こうしてあなたと、出会うことができたんですから」
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:40:04.39 ID:c44Tjnl00
ありす「……あなたが、奈緒さんがこちらに戻ってくることを拒むのは、あなたなりの優しさだということは、みんな分かっています」
ありす「加蓮さんのところに戻る為に戦っていた奈緒さん。私たちの為に共に戦ってくれた奈緒さん。どちらの奈緒さんも……同じですから」
ありす「ですが晶葉さんたちも、現状の戦力では厳しい場面が想定されるから、奈緒さんのことを含めて動いているんです」
ありす「甘えてはいけないと分かっています。ですが現状を考えると、止むを得ないことだとも思います」
P「ああ、奈緒は俺たちが求めれば戻ってくる。それが分かっているからこそ、俺は戻ってきてほしくないと思っている」
P「それが奈緒の願いなんだ。あの日最後に、奈緒と話した……あいつの意思と決意は、揺ぎ無いものだった」
P「だから、もうこの世界にはいなくとも……俺たちと共に自分の為すべきことを成し遂げた奈緒を、守ってやりたい」
ありす「……ええ、そうですね」
P「戻ろうか。長く話し過ぎた」
……
…………
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/05(月) 01:41:09.70 ID:c44Tjnl00
今日はこれで終わります。
>>303
>>1
はロリコンじゃないんですが、そこまで酷くなったありすもいいんじゃないかなと最近では思ったりしますね。
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/05(月) 01:43:11.21 ID:aAgP6Z6Wo
おつ
ストッパーなしとかちょっとやばすぎます(見たい
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:34:51.27 ID:PaVNfJGk0
――土星圏外宙域、ノルンS-02(メインブリッジ)
ちひろ『そちらも、フレイヤUとは合流できたそうで。M-01は予定通りホクドウで待機しています』
時子「頼むわよ。巣の対応が終わり次第、プランの対象部隊を連れて戻るから」
ちひろ『もう少し来るが早まってたら私も巣の攻略戦に参加させられていたのかも……おおこわ』
時子「は?」ギロッ
ちひろ『冗談、冗談ですって……とりあえず向かってる艦については間に合ったらということで、編成には考えておかなくていいですよ』
時子「無い物をアテにするつもりはないわ。元々予定していた戦力については揃えているもの」
ちひろ『まあまあ……それじゃあこっちの準備は進めておきますから、気を付けてくださいね』
時子「ええ」ピッ!
「艦長、フレイヤUの収容が完了しました」
時子「P少佐と橘大尉は会議室に向かわせなさい」フワッ
……
…………
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:36:17.98 ID:PaVNfJGk0
――十数分後、ノルンS-02(会議室)
菜々「いやぁ、Pさんも元気そうでよかったですねぇ」
P「ナシヤマからこっちに戻って1年くらいか……菜々さんも変わらないですね」
菜々「いやほら、そこはJKなので……」
時子「誰が無駄話をしていいと言ったかしら?」
菜々「いえ、誰も」
千秋「まあその辺にしておいて……琴歌さん、宙域マップを」
琴歌「スクリーンに出しますわ。今回の次元振動の発生予測ポイントについてはこちらです」ピッ!
ありす「圏外宙域のC13……防衛ラインからは少し離れていますね」
P「艦の配置については妥当か。編成リストは来る途中で確認したが、戦力的にはギリギリといったところだな」
千秋「干渉装置の効果範囲から外れている防衛ラインを手薄にするわけにはいかないもの。フレイヤU以外の土星圏の防衛部隊も引っ張ってきてようやく、かしらね」
時子「後は……貴方たちの話しでは、クイーンの出現が予想されるという話ね」
ありす「はい、確証はありませんが、過去の戦闘と同様の感覚がありました。恐らく……」
P「ここから準備して向かうとなれば、木星圏からホクドウに向かっている最中のフレイヤを待つにしても次元振動の発生まで時間が無い。アインフェリアの宙域ライブについては今回は無しだ」
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:41:36.89 ID:PaVNfJGk0
時子「合流艦の整備、防衛ラインの再配置が済み次第の出発で、次元振動の発生にはギリギリ間に合う程度……腹が立つわね」
菜々「S-01からS-06までは光波推進システムの搭載も出来ましたから、移動はもっと早くなったんですけどねぇ」
P「S-07以下はどの道長距離航行プランの対象艦ではないし、圏外防衛として置くしかないからな。出現に合わせて戦闘準備が出来る分、間に合うだけよかったと思うしかない」
ありす「あとは前回と同様に、クイーンが帰ってくれることを祈るしかないですね。空間構成情報は安定しているポイントみたいですし、予測レベルも8で止まっていますから完全に転移できるかと言われるとクイーン側も困難かと」
琴歌「各強襲艦隊についての配置ですが、前線、ノルン防衛の配置はこのように……長引くことになれば私たちのほうが不利ですし、やはり突破を優先という話になりましたわ」ピピッ!
時子「艦隊の移動ルートを速やかに確保して、陽電子砲の射程圏内まで移動する。これまでと同様のやり方よ」
ありす「メインでぶつかるのはヴェールですからね。そこは先に決めてもらっていた編成で構いません」
琴歌「はい。フレイヤU、フレイについては前線のヴェール艦隊の脇に配置となります。もしもの際を想定しての配置となりますけれど……」
P「プランV3のことを考えて、か……仕方がないか」
千秋「とはいえ、貴方やナオさんは現状の最高戦力よ。特に貴方は特殊部隊として指揮系統から外れているし、指示がない限りは自由に動いてもらって構わないわ」
時子「そうね。しっかり働きなさい」
P「ニュージェネレーション隊はどうする? こちらに戻してもいいのか?」
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:43:06.06 ID:PaVNfJGk0
菜々「あ、ニュージェネは今回は艦隊の進行ルート確保の為の前線部隊になりました。ナナと智絵里ちゃんと一緒の編成になりますので」
菜々「あ、でもその代わりナオちゃんと加蓮ちゃんはそっちで対応させるんですよね」
ありす「今回、ナオさんはVPSPで出撃予定です。こちらとしても今のタイミングでそちらに戻られてしまうと苦しい部分もありますので、頑張ってもらいます」
琴歌「P様の機体については、3Nでよろしいのですか? S-02には予備機も残っていますが……」
P「VPSPとのドッキング用に3N調整は済ませている。今回はこのままで出る」
ありす「とりあえずそちらで決めていた編成内容とこちらのポジションについては分かりましたので、後は内部で調整しましょう」
時子「住居スペースは用意させているから、出撃までは待機しておきなさい。道中の戦闘も、出させるつもりはないわ」
P「わかった。こちらとしてもそのほうが助かる。土星圏での任務からここに戻るまで、あまり休む時間もなかったんだ」
千秋「そう。それなら丁度いいわね」
P「……何がだ」
時子「チッ、豚が……話は終わりよ。私は戻るわ」フワッ
パシュンッ!
琴歌「千秋さん、そのお話はお部屋に戻ってからにしましょう?」
菜々「ぶふぉっ!」
ありす「菜々さん、ナシヤマで1年間私たちと一緒にいたのに今更泡吹いてどうするんですか」
菜々「い、いえ……」
P「……まあ、先にやることをやってからだ」
……
…………
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:43:41.29 ID:PaVNfJGk0
――ノルンS-02、住居スペース(ニュージェネレーション隊の部屋)
未央「いやそれにしても元気そうでよかったよかった! システム使ってもあんまり変わりなさそうで!」
奏「そうね……この時期にフレイヤに行くことになって、まだマシだったって思えばいいのかしら」
桃華「まあっ、フレイヤも良い艦なのですよ? Pちゃまがもう少し落ち着いてくださればいいのですが」
卯月「落ち着いたほうがいいのってアインフェリアですよね」
美嘉(……ありす大尉もそうだったけど、この……子? も小さい)
奏「それにしても、最初はフレイヤ以外でシステムを使っているところがあるとは思わなかったわ」
かな子「私たち……んぐっ、元々予備部隊だったけど……はぐっ……いまはニュージェネのみんなもいるし……通常任務が多いけど……」モグモグモグモグ
ナオ「口に入れてるもの片付けてから話せよ……」
翠「LiPPS部隊の稼働実績、中々良いですね。跳躍テストも実施しているみたいですし」カタカタカタッ!
周子「まあねー。最近の圏内宙域にしちゃ戦闘多かったし」
凛「戦闘は気にしていなかったけどね。私たちより適性高かったし、それにPさんも合流したって聞いてたから」
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:44:07.90 ID:PaVNfJGk0
周子「あーあの人、やばいわホント。一緒にシミュレーターやっても訓練にならないし」
加蓮「加減してくれてるからいいんだけどね。でもLiPPSだって十分動けるし、凛たちよりは心配しないかな?」
周子「ま、あたしもそこそこ乗ってるから」
ピピッ!
パシュンッ!!
フレデリカ「メンテ終わったー!」フワッ
志希「終わらせた―」
未央「お帰り。どうだった?」
フレデリカ「スーパーアドバイザーの志希ちゃんがいてくれたからね、元気元気!」
志希「ビーの体のメンテってまとめてやるのは楽だけど、ちゃんと診ておかないと精密検査に引っかかって再調整送りになると面倒だからねー。あたしもここら辺は仕事しないと」
フレデリカ「美嘉ちゃーん、お肌のお手入れをした後のアタシ、1日限りの輝く肌でキレイだと思うんだけどカワイイ?」
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:44:37.16 ID:PaVNfJGk0
美嘉「まあ……うん、いいんじゃない」
フレデリカ「やったー! I@LPに頼んで宣材写真撮り直してもらおー!」
未央「いや絶対却下されるってそれ」
卯月「……」
周子「おーおー元気なことで……はぁ、この後のことを考えると気が重い……」
翠「今回私たちは圏外宙域ポイントまでの戦闘で出撃編成に入っていませんから。巣との戦闘まではゆっくり休んでおいてください」
周子「もーさー、巣と戦闘するのが一番嫌だっていうのに……はぁ」
加蓮「仕方ないでしょ。巣の戦闘は仕方がないけど、プランV3の主要メンバーってことで温存させてもらったんだから。時子さんに感謝しておかないと」
凛「ま、こうしてみんな集まったんだし、少しはゆっくり休んでおこうよ」
……
…………
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:45:34.33 ID:PaVNfJGk0
美嘉「まあ……うん、いいんじゃない」
フレデリカ「やったー! I@LPに頼んで宣材写真撮り直してもらおー!」
未央「いや絶対却下されるってそれ」
卯月「……」
周子「おーおー元気なことで……はぁ、この後のことを考えると気が重い……」
翠「今回私たちは圏外宙域ポイントまでの戦闘で出撃編成に入っていませんから。巣との戦闘まではゆっくり休んでおいてください」
周子「もーさー、巣と戦闘するのが一番嫌だっていうのに……はぁ」
加蓮「仕方ないでしょ。巣の戦闘は仕方がないけど、プランV3の主要メンバーってことで温存させてもらったんだから。時子さんに感謝しておかないと」
凛「ま、こうしてみんな集まったんだし、少しはゆっくり休んでおこうよ」
……
…………
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:46:01.87 ID:PaVNfJGk0
>>331
訂正
――同時刻、フレイヤU(格納庫)
整備長「おーいちえりーん! 外装チェックしてるメンバーの分の弁当、10個頼むわ!」
智絵里「は、はいっ! えっと……定食のお弁当4つと、フライ定食のお弁当3つと、火星丼のお弁当3つ出しますね」ガサガサガサッ!
整備長「わりぃな、後1時間くらいで交代するところも出てくるから、リストの人数分の弁当も追加で用意しといてくれよ」
智絵里「えっと、次はコンテナ班と、増設班が交代の時間っと……わかりました」
整備長「それじゃ頼んだぜ!」フワッ
おばちゃん「智絵里ちゃん、これノルンのスタッフに渡す分のお弁当ね。人数分カゴに入れてるからこのまま持ってって頂戴」
智絵里「はいっ、えっと……搬入出しているところはまだ落ち着いてないみたいだから、先に機体整備のお手伝いしてもらっているところから持っていきますね」
おばちゃん「ごめんね。こっちも任務から戻ってきてすぐの移動だったから整備班も手一杯みたいでねぇ。ノルンのスタッフの分のお弁当もこっちで用意しなきゃならないから人手が足りなくてね」
智絵里「だ、大丈夫ですっ! 私も、待機中だったし……おばちゃんのお手伝いですから」
おばちゃん「ありがとうね。後で落ち着いたらご飯作ってあげるから」
智絵里(ううう……みんな集まって楽しくお話してるみたいだけど……おばちゃんのお手伝いなら断れないし……仕方ないよね……)
……
…………
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:47:17.73 ID:PaVNfJGk0
――ノルンS-02(格納庫)
P「デカいな……これ、前のヤツよりデカくなってませんか?」
菜々「そうなんですよねぇ……ARGTもある意味強化外骨格みたいなものですから、もう少し形が整ってくれるといいんですけど」
P「途中からオート・クレールも混ざってくるようになって、R1から随分と変な方向に進んだな……」
菜々「黒川重工的には中規模の巣の攻略も視野にいれた結果みたいなんですけどね。稼働データ2つ回すの大変なんですよ。出力爆上げしたみたいでイージスフィールドもこのまま使えるみたいですし」
菜々「まあ試作機だからって無理やり色々詰め込んだ結果ですし、R4で使えるものは全部使い切る予定ですけどね」
P「そうだなぁ……戦闘中、ニュージェネのことはお願いします。次の戦闘の配置はお互い離れていますし」
菜々「それはもう、まっかせてください! ナナが――」
『――さん、P――、これからは、私が――』
『加蓮――、――すま――、――菜々――』
菜々「……」
P「菜々さん?」
菜々「えっ? あ、ああ……大丈夫です、ナナがちゃーんと一緒にいますから!」
……
…………
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:47:55.18 ID:PaVNfJGk0
――数時間後、ノルンS-02(休憩所)
美嘉「フレイヤも強襲艦のわりに結構快適だったけど、やっぱりノルンのほうが広いし便利べんりっと……」ピッ!
ガコンッ!
美嘉「えーっと、これでみんなが頼んできた飲み物は全部っと……」
卯月「美嘉ちゃーん!」フワッ
美嘉「あれ、どうしたの卯月?」
卯月「菜々ちゃんとPさんの分、戻ってきたときに何か飲み物あったほうがいいかなって思って」
美嘉「ああ、2人分特に買うつもりなかったもんね。アタシたちが駄弁ってる間に戻ってくるの?」
卯月「格納庫に行ってるってお話でしたし、戻ってくると思いますよ。えーっと、何がいいかなぁ……」ピッ、ピッ!
ガコンッ!
卯月「よしっ! それじゃ戻りましょう♪」
美嘉「栄養ドリンクはいいけど、お汁粉って……」
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:48:31.39 ID:PaVNfJGk0
卯月「お汁粉は菜々ちゃんのです。最近はこういうのが好きみたいですし……あ、こっちの栄養ドリンク、今は鈴帆ちゃんのラベルになってるから、Pさん喜ぶかなーって」
美嘉「ま、まあいいけど……」
卯月「あ、そうだ。美嘉ちゃん、フレイヤに来てから大変じゃないですか?」
美嘉「んまあ大変っていえば大変だけど……圏外防衛に出てる卯月たちのほうが大変でしょ?」
卯月「それならいいんですけど……」
美嘉「大丈夫だって、確かに変なことやってる艦だとは思うけど、これくらいは――」
卯月「なんだか、ちょっと元気なさそうに見えちゃって」
美嘉「……」
卯月「でも、私の気のせいならいいんです。早く戻りましょうか」
美嘉「……そうだね」
……
…………
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 18:50:04.44 ID:PaVNfJGk0
――ノルンS-02(ナオの部屋)
ピピッ!
加蓮『ナオいる? 入るよ?』
パシュンッ!
ナオ「ん……」ピクッ
加蓮「ナオ、菜々さんが言ってたメディアあった?」
ナオ「ああ、あたしの部屋に置きっぱなしにしてたよ。フレイヤに戻る前に菜々さんと徹夜してアニメ見てたからな……」
加蓮「そんなことばかりやって……あれ? それ……」
ナオ「……ああ」
加蓮「そのダサい仮面……奈緒の……」
ナオ「いやカッコいいだろこれ……あいつが、最後にあたしに残していった物だからさ」
ナオ「次の戦闘、ありすやフレデリカが言ってた、クイーンが来るかもしれない……あたしも、何か感じるんだ」
加蓮「ナオ……?」
ナオ「クイーンの声が聞こえている……かは分からない。アインフェリアとは違うし……ただ、確かに感じている」
ナオ「奈緒と一緒に戦っていた時の感覚と、よく似ている……奈緒と繋がっていた時はあたし自身、どこか1つ上のところに手が届いているような気がしていた」
ナオ「それが、ヴァルキュリアシステムを使えていたってことなのかもしれない。だけど、それだけじゃない……奈緒が自分の世界に帰ってからは、しばらく忘れていた感覚……」
ナオ「またそれを感じているってことは、前のような戦いになるんだと思う。今度は……奈緒がいない、あたし1人で戦わなきゃならない」
加蓮「違うよ、ナオ1人じゃない。私も、Pさんも、菜々さんも、凛も……みんな、みんないるから」
ギュッ……
加蓮「クイーンが来るのに、アインフェリアがいない……確かに大変だけど、みんながいるから大丈夫。今までだって……これからも」
……
…………
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 19:02:11.02 ID:PaVNfJGk0
――フレイヤU(格納庫)
パシュンッ!
美嘉「はぁ……」ガコンッ!
奏「お疲れ様」
美嘉「あ、奏……こっち来てたんだ」
奏「向こうは向こうで楽しいけれど、少し騒がしいもの。気分転換に戻って来たわ。それにポイントまでの移動が始まったけれど、私たちは待機のままだし」
美嘉「そっか」
奏「……どう、少しは……あの子と仲良くする気になれたかしら?」
美嘉「……さあ」
奏「無理に仲良くして、とまでは言わないわ。だけど、同じ場所にいるもの。せめて嫌わないであげてほしい……貴方にどんな理由があるのかは知らないけれど」
美嘉「……聞かないんだ」
奏「聞いてほしいの?」
美嘉「……」
奏「みんな同じよ。何かを抱えている……貴方も、私も、フレデリカも……何も抱えていないヒトなんて、いないと思うわ」
美嘉「……結構さ、アタシにこの話してくるよね。どうしてそんなに気にしてるの?」
奏「……」
奏「……私自身が、好きでいたいからよ。良い部隊だもの。このまま、今度は……好きでいたい」
……
…………
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 19:03:21.58 ID:PaVNfJGk0
>>337
訂正(抜けがありました)
――翌日、ノルンS-02(メインブリッジ)
「予備ブリッジ、2層共にシステムチェック完了しています」
「S-01より展開。これより圏外宙域C13ポイントに向けての移動を開始します」
時子「指定宙域ポイントまでに戦闘が発生した場合は編成している部隊で対応、全艦指示についてはS-01より展開されるわ」
時子「S-02、艦速度2から前進。予定航路はオートメーション機能で進行。後は上手くやりなさい」
「了解です。S-02、S-01に続き移動開始します。S-03以下についても移動開始です」
P「こちらが戻ってくる前に、防衛ラインに何も問題がなければいいがな」
時子「貴方は自分と豚共の心配でもしていなさい。ここで実績を上げている艦が、数隻入れ替わった程度で問題が起きるならもっと早くに起こっているわ」
P「それもそうだな……道中は頼んだぞ」
時子「アァン? 誰に向かって言っているのかしら?」
P「ちひろさんもいないし、フレイヤとしては時子を頼るしかないからな……巣との戦闘までは荷物にしかならんし」
時子「通常編成、貴方の分も登録しているわよ」
P「助かる。安部中尉の負荷が高くなる前には入れ替わるつもりではいたからな」
時子「チッ……どの道、私のほうで特殊部隊には強制指示は出せないのよ」
P「大佐側から特別指示が出ないとな……まあ、指示を出してくれたら合わせて行動する。巣との戦闘では上手く使ってくれ」
時子「そのつもりよ。駒を無駄に遊ばせておくつもりはないわ」
……
…………
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 19:04:11.91 ID:PaVNfJGk0
――フレイヤU(格納庫)
パシュンッ!
美嘉「はぁ……」ガコンッ!
奏「お疲れ様」
美嘉「あ、奏……こっち来てたんだ」
奏「向こうは向こうで楽しいけれど、少し騒がしいもの。気分転換に戻って来たわ。それにポイントまでの移動が始まったけれど、私たちは待機のままだし」
美嘉「そっか」
奏「……どう、少しは……あの子と仲良くする気になれたかしら?」
美嘉「……さあ」
奏「無理に仲良くして、とまでは言わないわ。だけど、同じ場所にいるもの。せめて嫌わないであげてほしい……貴方にどんな理由があるのかは知らないけれど」
美嘉「……聞かないんだ」
奏「聞いてほしいの?」
美嘉「……」
奏「みんな同じよ。何かを抱えている……貴方も、私も、フレデリカも……何も抱えていないヒトなんて、いないと思うわ」
美嘉「……結構さ、アタシにこの話してくるよね。どうしてそんなに気にしてるの?」
奏「……」
奏「……私自身が、好きでいたいからよ。良い部隊だもの。このまま、今度は……好きでいたい」
……
…………
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/08(木) 19:09:26.41 ID:PaVNfJGk0
今日はこれで終わります。
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/08(木) 20:55:52.08 ID:8HI0mq0C0
乙
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/10(土) 13:16:35.72 ID:NSAASHSTo
みんな抱えすぎぇー
乙
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:16:51.72 ID:Z4U2Y4iu0
――2週間後、圏外宙域、ポイントC13宙域、フレイヤU(ブリッジ)
加蓮「ノルン各艦、光波推進システムの停止……次元振動発生予測ポイントの到着に合わせて初期配置の展開が行われます」カタカタカタッ!
ありす「来ましたね。財前大佐、私たちも出ます。発進の許可を」
ピピピッ!
時子『艦制御は返却しているわ。さっさと出なさい』
ありす「了解です。加蓮さん、後は私のほうで対応しますので出撃準備をお願いします。そのうち志希さんも戻ってきますし」
加蓮「でも……」
ありす「大丈夫です。今回のフレイヤは遊撃部隊となっています。足の速さは十分ありますし、Pさんやナオさんたちの援護をお願いします」
ありす「ただ、ノルン艦隊が巣に近づく頃には一度拾いに来ますので、合流タイミングは外さないでください。それまでの敵の誘導は頼みますよ」
加蓮「……了解です」フワッ
パシュンッ!!
……
…………
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:18:07.53 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(医務室)
プシュッ!
P「……」
志希「MTF-6の投与量増やしたから、通常より無茶な戦闘になってもある程度は大丈夫。だけど通常の抑制剤とは違って何度も使えないからそのつもりでね」
ナオ「ああ。ありがとう」グッ!
志希「ナオちゃんのほうは、ホントに短時間なら単独でもヴァルキュリアシステム使えると思うけど、基本的には単独じゃ使わない方針で」
P「使わせる気はない。ドッキング後に俺のほうでも負荷を受け持ってからだ」
志希「それでオッケー。よっぽど長時間の戦闘にでもならない限りは効果は持つだろうから、心配しないで暴れてきていいよ」
ナオ「好きで暴れるわけじゃないけどな……よし、それじゃPさん、行こうか」
P「うむ。博士、すまんがブリッジではありすのことを頼むぞ」
志希「まーあたしほとんど役に立たないけどね。ありすちゃんがシステム使って不調になってきたら一応フォローしとくよ」
……
…………
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:20:21.60 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU、カタパルト(機体内)
P『LiPPS、ナオ、北条少尉、聞こえるか』
奏『聞こえているわ』
P『今回の戦闘、フレイヤは他強襲艦隊とS-04、S-05と共に白蜂を引き付ける。陽電子砲で巣の破壊を行うS-01、S-02、S-03が進行ルートを確保するまではこちらで戦闘を行う』
P『だが頃合いを見てこちらもフレイヤと合わせて進行部隊と合流する。移動のタイミングは橘大尉から指示が出る』
美嘉『了解……!』
加蓮『S-02のほうは菜々さんやフレイのみんなもいるけど、ニュージェネは大丈夫かな……』
ナオ「大丈夫だ。3人だっていつまでも新人じゃないんだし、今じゃ十分戦力になってくれているだろ?」カタカタカタッ!
周子『ま、あたしたちはあたしたちで、ちゃんと仕事しよっか』
フレデリカ『プロデューサー、早くいこー』
P『わかっている。ナオ、機体の調整は大丈夫か?』
ナオ「問題ないよ。ドッキングのタイミングはP少佐の指示に合わせる。それまでは援護に回るから」ピッ、ピッ!
ピピッ!
ありす『フレイヤU、S-02から発進しました。ハッチ開放完了、各機出撃してください』
ナオ「了解。VPGO-53NP、VPSPで出るぞ!」ガションッ!
……
…………
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:21:08.91 ID:Z4U2Y4iu0
――ノルンS-02(メインブリッジ)
時子「フィールドジェネレーター、次元振動の状況は」
「次元振動の発生は確認できています。断層発生まで後100です」
ピピピッ!
琴歌『財前大佐、フレイ、フレイヤU共に配置につきましたわ』
ありす『システムについての起動判断はこちらで行います。全体指示についてはよろしくお願いします』
時子「わかっているわ。貴方たちはそれよりも、長距離航行プランの実行前に落ちないようにしなさい」
琴歌『はいっ! 任せてください!』
ありす『了解です。それでは、間もなく断層が発生しますので』ピッ!
「断層発生まで20、10……次元断層です。断層レベル8、空間転移です!」
時子「レーダー、転移してきた奴等は」
「G型、及びGS型を確認、白蜂の巣です! 大規模級……ですが、クイーンについてはまだ……」
時子「チッ……まだ出てこないか、それとも……とはいえ、奴らが来たことに変わりはないわ。各艦、各NGF小隊、戦闘開始!」
……
…………
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:21:40.42 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
GS型「!!」ギュンッ!
G型「!」ギュンッ!
フレデリカ『やっぱりあいつらだ!』
P「戦闘開始だ。ナオ、北条少尉、VPS-001小隊はコンビネーションマニューバY07だ」
加蓮『はい!』
ナオ『援護は任せろ。P少佐は加蓮を置いてくなよ!』
P「わかっている。LiPPS、小隊コードはVPS-002だ。そちらもあまり出過ぎるなよ」
奏『大丈夫よ。いいわね、美嘉?』
美嘉『わ、分かってるって!』
P「任せるぞ、速水少尉」
奏『……ええ、了解』
ピピピピッ!
ありす『強襲艦隊の初動、アルヴァルディが着弾します。下手に混戦状態にならないように気を付けてください』
ドドドドドドドドォンッ!!!!
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:22:17.58 ID:Z4U2Y4iu0
G型「……!」ブブブゥゥゥゥンッ!!
P「ロングライフル、ガラティーンのロックを解除……狙撃する!」ピピッ!
ドシュウウウウンッ!!
G型「!?」
ドガァァァンッ!
ナオ『抜けてきた奴らの頭を叩く。ビフロスト……!』ボシュシュシュシュシュッ!!
加蓮『初動で数は減らしておかないと……こっちも持ってきたミサイルコンテナ、1つ使い切るよ!』ボボボボボシュンッ!
ドガガガガガガァンッ!!
ピピピピピッ!
P「追加の弾幕を抜けてきた奴は……まずは40弱か。後続もいるし、巣から出てきていない奴らもいる。まだ増えるぞ」
ナオ『これだけで済むとは思ってないさ。行くぞ!』ガションッ!
……
…………
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:22:56.77 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)
ありす「フレイヤの右舷、左舷にイージスを展開します。艦姿勢を高機動戦闘形態に移行、複合ミサイル発射管にはアルヴァルディを再装填します」
志希「えーっとえーっと、ミサイル設定……」ピピッ!
ありす「高機動戦闘形態への移行に伴い、艦のヴァルキュリアシステムを起動します。起動後は白蜂が集中しているS-04側に向けて移動します」カタカタカタカタッ!
『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!
ありす「システム起動完了。レーヴァテイン1番2番、前方GS型の群れに照準。移動開始と同時に発射します」パシュウンッ!
志希「みんな聞こえるー? 後で戻ってくるから死なないでねー」
ピピピッ!
フレデリカ『おー!』
ありす「レーヴァテイン発射! ではP少佐、この場はお任せします。フレイヤ艦速度上げ、移動を開始します」
P『了解した。そちらも気をつけろよ』
……
…………
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:23:40.86 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
千秋『HCW-721、フラガラッハTを展開。翠さん、行くわよ!』ガションッ!
翠『はい! ニュージェネレーション隊もお気をつけて!』ドシュウウウウウンッ!
卯月『はいっ! って、安部中尉がまだ……』
ドドドドドドドドドドッ!!
菜々『呼ばれて飛び出てなんとやら! ARGT-R4、到着しましたよ!』
智絵里『お、お待たせしました……』
凛『ようやく来た……艦隊の進行に合わせて、私たちはキツイところに回るんでしょ?』
菜々『はい! メイン火力はウサミンロボが担当しますので、みなさんは抜けてきた白蜂の相手をお願いしますね!』
未央『りょうかーい。はー、黒川少佐も水野中尉も、ウサミンも揃って武闘派過ぎる……』
……
…………
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:24:21.51 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
奏「マニューバ合わせて、H03に切り替えるわ。美嘉、フレデリカ!」
フレデリカ『びゅーん!!』ガションッ!
美嘉『ちょっと、しっかりやってよ!』ドシュウウウンッ!
周子「2匹誘導するよ、3連装誘導ミサイルランチャー、ニフルヘイム……!」ボシュシュシュンッ!
GS型「!!」
GS型「!!」ギュンッ!!
奏「直線機動で遅れは取らないわよ……! このっ!!」ギュオオオオオオオッ!!
ズドォンッ! ズドォンッ!
GS型「……!」ヒュカカカッ!
美嘉『そこ! やああああああっ!』ギュオオオオオッ!
シュパアアアアアンッ!!
GS型「……」ブ、ブブブ……
ドガアアアアアアンッ!!
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:24:54.77 ID:Z4U2Y4iu0
フレデリカ『もう1匹……ってあれ?』ピピピピピッ!
GS型「……!」ブブゥゥゥゥゥンッ!
フレデリカ『うわっ、こっちまだ来てる!!』
奏「このっ――」
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
GS「……」
GS「……」
ドガアアアアンッ!
奏「今の複数砲撃……ウィングバインダー……」ハッ!
ピピピッ!
加蓮『気を付けてよ。私あんまりコレ得意じゃないんだから』
フレデリカ『危なかったー……』
奏「ありがとう、助かったわ」
加蓮『蘭子みたいに上手く使えればいいんだけど……』ガションッ!
……
…………
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:26:23.26 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)
ありす「こちらは問題ありません。宙域を走り回ることにはなりますが、S-02へ向かった後はそちらの負担のほうが増すかと」
『向こうの艦隊が陽電子砲を打ち込んでくれれば何とかなります。頼みますよ、向こうはもたついているみたいですから』
ありす「はい、申し訳ありませんがよろしくお願いします」ピッ!
志希「巣から白いの追加―。えーっと、数、数……G型16、GS型28。多いねー」
ありす「……」
志希「やばいねーありすちゃん。ん、どしたのありすちゃん?」
ありす(戦闘開始から15分、大規模の巣でこの白蜂の数であれば進行が困難なのは仕方がないとして、進行艦隊の巣との距離はまだ5200……)
ありす(クイーンの出現を想定して通常よりも後方から展開したとはいえ、これでは進行が遅すぎる……)
志希「ありすちゃーん?」
ありす「一ノ瀬博士、空間構成情報の取得を。フィールドジェネレータの状態も確認してください」カタカタカタカタッ!!
志希「え? いいの? じゃやるよ」カタカタカタッ
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:26:59.99 ID:Z4U2Y4iu0
ありす(白蜂の展開状況……巣の規模は想定通りとはいえ、現時点での交戦状況としては思った以上に陽動部隊に白蜂が食いついていない……)
ありす(Pさんたちの戦闘……いえ、それでも間もなく混戦状態になる……そろそろ前線部隊を拾わないとS-02との合流が……だけど、進行部隊の白蜂の数が……)
ありす(混戦……)ピクッ!
ありす「VPS-001、VPS-002小隊!」ピピピッ!
P『どうした』
奏『こっちはギリギリまで白蜂を引き付けてから移動でしょう? もう少し――』
ピピッ!
ありす「合流ポイントを指定します! そこから早く移動して下さい!」
ナオ『なんだ、どうした!?』
ありす「S-04、S-05、聞こえますか、前線部隊を下げてください!」
S-04艦長『どうした、まだ進行部隊の進みが遅いぞ!』
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:27:55.80 ID:Z4U2Y4iu0
ありす「こちらが誘われています! 弾幕を展開して今ならまだ――」
キィィィィンッ!
ありす「しまったっ!?」ビクッ!
フレデリカ『メッセンジャー! 聞こえる、クイーンだよ!』
ありす「聞こえています! このタイミング、とは言えませんがそれでも狙われたとしか……!」
ビビビビビッ! ビビビビビッ!
志希「追加の次元断層……! しかも今度は……巣の目の前って、ちょっとみんな!」
ありす「空間転移が――」
……
…………
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:28:24.46 ID:Z4U2Y4iu0
――ノルンS-02(メインブリッジ)
ビビビビビッ! ビビビビビッ!
時子「出てこないと思っていたら、今更……しかもこの距離は……!!」
「空間転移です! 断層レベル……10、映像出ます!」
フォンッ!
女王『……』
時子「チッ……! この状態は……粒子減衰ミサイル、発射しなさい!」
「クイーンとの距離4000……前回戦闘時のクイーンの粒子砲の射程圏内に入っています!」
「クイーンの周辺に高エネルギー反応、粒子砲です!」
時子「さっさとしなさい! 他部隊も、進行を……!?」
「か、艦長! クイーンの射線はこちらではなく……」
……
…………
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:28:53.25 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
ビビビビビッ! ビビビビビッ!
P「S-02からクイーンの射線……狙いはこっちか!?」
ナオ『くそっ、この状態で……クイーン!!』
加蓮『ナオ!』
美嘉『アイツ……!!』
P「全員GN形態に移行して下がれ! しつつ交戦中の白蜂には弾幕、捕まるな!」ガションッ!
女王「……」ギ、ギ、ギギギギ……
キィィィィン……
フレデリカ『ダメ、クイーン!!』
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:29:33.02 ID:Z4U2Y4iu0
女王「……!!」
ギュドォォォォンッ!!!!
ドドドドドドドドドドッ!!!!
周子『ううううううっ!?』ギュオオオオオオッ!!
フレデリカ『美嘉ちゃん!』
美嘉『くぅっ……!』
P「前線部隊が……後方は!? ありす!!」
ドガアアアアアアアンッ!!!!
……
…………
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:30:58.36 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)
ピーッ……
ありす「しまった……!」ハァ、ハァ、ハァ……
志希「やっば……ちょっと、この状況……!」カタカタカタッ
ありす「艦の状況……破損個所は……動けますが、粒子砲には当たらなかったとはいえイージスを最大展開したせいで出力が……」ピピッ!
ピピッ!
ピピピピッ!
ありす「いえ、それよりも前線の部隊の被害が……ヴェール艦隊の反応……SN-13以降の射線に入っていた艦の反応がまとめて……S-04も……!!」ガンッ!
ピピピッ!
P『ありす、無事か!!』
ありす「P少佐……こちらは、右舷ブロックが一部損傷しましたが動けます。ですがS-04周辺で展開していた前線ヴェール艦が4隻まとめて……S-04も避けきれなくて出力機構が軒並みやられたみたいです。航行不能とのことです」ピッ、ピッ……
キィィィィンッ!
P『こちらもやられた……射線上にいたNGF小隊はまとめて落とされている。この状態では前線の維持が出来ん』
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:31:24.09 ID:Z4U2Y4iu0
ピピピッ!
琴歌『ありすちゃん、大丈夫ですか!?』
桃華『クイーンがそちらのほうに……このままではそちらが持ちませんわよ!』
ありす「わかっています! ですがS-04が動けない状態です。S-05がフォローに回るか、S-04の乗員の退避が完了するまではこちらも動くに動けません!」
ピピッ!
志希「うげっ! ありすちゃん、巣からまた出てきてる。G型8、GS型13……」
ありす「くっ……前線、各VPS小隊はS-04の退避が完了するまで前線を維持、後退する場合は近くのヴェールからの援護を受けてからにしてください」
キィィィィンッ!
奏『でも維持って、この状態だとそもそも前線が持たないわ!』
加蓮『まだ下がれないでしょ! 弾幕貼って、少しずつ後退するよ! 他艦の予備部隊が出るまでは粘らないと!』
361 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:32:21.09 ID:Z4U2Y4iu0
ありす「合流ポイントについては取り消します。こちらで直接拾いにいきますのでそれまではお願いします」
ありす「S-05聞こえますか。フレイヤは穴になった前線のフォローに向かいます」ピピピッ!
ありす「大破及び航行不能になった艦については他の艦で対応してください!」ピッ!
志希「ええっ、もっと前出るの!?」
ありす「ここで足の速さを使わないでどうするんですか! それにみなさんを拾いにいかなければならないでしょう!」
キィィィィンッ!
ありす「くっ……さっきからずっと、この感覚が……!」
……
…………
362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:33:09.73 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
ナオ『くそっ、LiPPSは前に出るな! 体勢が崩れている各小隊のフォローに回れ!』ズドォンッ!!
奏『私たちだってキツイわよ! この状態だと……くっ!』ギュンッ!
P「GNS-042、051……7小隊分が落ちたのか! だがそれよりもヴェールの被害のほうが……!」ガションッ!
G型「!!」ドシュシュシュッ!
P「貴様!」ギュオオオオオオッ!
ドガガガガガッ!
G型「……」ブ、ブブ……
ドガアアアアアンッ!!
P「完全に立て直せなくとも、まずは被害の大きい前線部隊のフォローに回らねば……ナオ!」ギュオオオオオオオッ!!
ナオ『ああ、このままじゃマズイ!』
加蓮『Pさん、ナオ!』
P「北条少尉はLiPPSと合流だ。俺とナオはドッキングして対応する!」
女王「……」ギギギギ……
――キィィィィンッ!!!!
P「っ!?」ドクンッ!
……
…………
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:33:35.24 ID:Z4U2Y4iu0
キィィィィンッ!!!!
ナオ「くっ……こ、この感覚……いや、この前感じた……だけど、それ以上に……ぐっ、う……」
P『ぐっ……あ……がっ、あああああああ!!!!』
ナオ「Pさん!?」
……
…………
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:34:10.47 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)
P『があああああああっ!!!!』
ありす「Pさん!?」
美嘉『何、どうしたの!?』
奏『少佐!?』
P『あ、頭、が……こ、この、声……あああああああっ!?』
ありす「Pさん、Pさん!!」
志希「ちょっと待って、カレの……!」カタカタカタッ!
ピッ!
志希「ウソ……誰の負荷軽減も受けてないのに、そもそもヴァルキュリアシステムも起動してないのにバイタルが異常値に……!」カタッ……
ありす「そんな……Pさん、そこから退避してください! Pさん!」
……
…………
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:35:28.13 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
P「なん、だ……この、声は……違う、お前たちでは……」ハァ、ハァ、ハァ……
女王「……」ギ、ギギ……
P「お、まえが……俺、を……」
GS型「!!」ズドォンッ!!
ドガアアアンッ!!
P「がああっ!?」
ビビビビビッ! ビビビビビッ!
ありす『Pさん! 下がってください! Pさん!』
ナオ『ダメだありす! あたしも、変な感覚が……加蓮、Pさんを連れて後退しろ! 早く!』
加蓮『う、うん! Pさん!』ギュンッ!
ナオ『くそぉ、このままじゃ!!』ボシュシュシュシュッ!!
ドガガガガガガガァンッ!!
……
…………
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:36:11.38 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
ナオ「お前らの相手ばかりしてられないんだよ!」ズドォンッ!
G型「!?」ギュンッ!
ナオ「ガンダルヴ・ミニオンで!」ガショガショガションッ!
ドシュシュシュッ!
G型「……!」ドガアアアアアンッ!!
『GNS-053小隊、反応ありません!』
『ヴェール全艦、予備のNGF小隊はすべて出せ! 被害の大きい前線の穴埋めを急げ!』
『進行部隊はどうした! クイーンが前に出ているからこれ以上進んでいないのか!?』
ナオ「くそっ、このままじゃあ……」ハァ、ハァ、ハァ……
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:36:47.06 ID:Z4U2Y4iu0
加蓮『Pさん、動けるなら下がって! 早く!!』
P『ぐ、あああああ……』
美嘉『コイツらあああああああ!!』
奏『ダメよ美嘉、前に出過ぎないで!』
周子『ちょっとそんなに飛ばれると援護できないって、あかんって!』
フレデリカ『クイーン……どうして……』
ナオ「くそっ、くそっ……!」ハァ、ハァ……
ナオ「やっぱり、あたしだけじゃ……だけど、あたしがやるしか……!」ハァ、ハァ……
ナオ「みんなの、分まで――」ドクンッ!!
キィィィィンッ!!
ピピッ!
……
…………
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:37:14.68 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)
ピピッ!
ありす「これは……!」ピッ!
フォンッ!
ありす「こちらの前線に向けての陽電子砲の射線……グングニル……まさか!?」
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
……
…………
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:39:35.34 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域
ズドドドドドドドドドドッ!!!!
G型「!!」ドガアアアアンッ!!
GS型「!?」ドガアアアアンッ!!
奏『この状況で後方からの援護!?』
周子『でも今のうちに立て直しとかんとあかんって!』
加蓮「なに、陽電子砲!? どこのヴェールが……」
ピピッ!
加蓮「新しい識別コード? え――」
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:40:17.55 ID:Z4U2Y4iu0
加蓮「どう、して……」
ナオ『この、感覚はまさか……』
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……
『NGF-3N-SD SecondDriver』
加蓮「奈緒……?」
……
…………
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:40:48.76 ID:Z4U2Y4iu0
奈緒「……!」
……
…………
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/12(月) 23:41:16.57 ID:Z4U2Y4iu0
今日はこれで終わります。
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/13(火) 04:50:44.45 ID:4JPrINI90
乙
盛り上がってまいりました
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/13(火) 06:44:32.30 ID:vTtxLcGxo
ヒーローは遅れて現れる
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/13(火) 08:46:37.57 ID:DO7PICg0O
この英雄って前作までエロゲーやってハハッてたんだぜ
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 23:44:02.08 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域後方、フレイヤ(ブリッジ)
『―Valkyria System Start Up―』
文香「指定区域の到着に合わせて、複合ミサイル発射管1番から20番のアルヴァルディを前方GNS-032小隊と戦闘中の白蜂の群れに発射……」
文香「21番以降のアルヴァルディは前面にばら撒き弾幕を貼ります。弾幕を展開しつつ光波推進システム用ハイパーブースターを全機停止……回頭しつつフレイヤUの代わりにフォローに回ります……」
楓「はい、はい……アルヴァルディ発射……着弾確認、残りで弾幕っと」カタカタカタカタッ!
美優「宙域のノルン艦隊……増援に来ました。識別コードを登録願います……S-04、S-05の戦闘に参加します」
文香「続いて……直線距離上で提示した各ポイントでハイパーブースターを2機ずつ……6機切り離します」
楓「え、もうシステム使わないで捨てちゃうんですか? 怒られませんか?」
文香「切り離したハイパーブースターはレーヴァテインで爆破し、白蜂を巻き込みます……爆破範囲については各NGF小隊に展開してください……」ピッ、ピッ!
ピピピッ!
ありす『フ、フレイヤですか……どうして……!』
文香「ありすちゃん……はい、ホクドウでハイパーブースターを8機ほどお借りしました……ギリギリ、追いつけたようで良かったです」
ありす『い、いえ……そういう話ではなく、どうしてここまで……3N-SDも……』
文香「お話は後で……状況については、私たち全員……システム起動済なので、把握しています。Pさんの回収を……お願いします」
楓「ハッチ開放完了。アインフェリア、出撃お願いします。気を付けてくださいね」
……
…………
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 23:44:45.79 ID:PM31JiPH0
――フレイヤ、カタパルト(機体内)
美波「Pさんの機体反応を見つけ次第2人は向かって頂戴。混戦中だから気を付けて!」
夕美『うん! 藍子ちゃん、フレイヤUがPさんを回収するまでは私たちで食い止めるよ!』
藍子『はい、必ず……こちらも出撃準備完了しました!』
美波「了解、NGF-VS23CSX、新田美波行きます!」ガションッ!
……
…………
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 23:45:38.63 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域
G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
奈緒「Pさんの位置……加蓮が向かっているか」カタカタカタッ!
G型「!!」シュシュシュッ!
奈緒「針か! そんなものに!!」ギュオオオオオッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
G型「!」ギュンッ!
奈緒「くっ、G型の数が多い……!」
ピピピピピッ!
ドガガガガガガァンッ!!
奈緒「ビフロスト!? これは――」
ピピピッ!
ナオ『奈緒、ドッキングだ!』ギュオオオオオッ!!
奈緒「……ああ、行くぞおおおおお!!」ガションッ!!
「「合体!!」」
プッピガン!!
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 23:46:05.74 ID:PM31JiPH0
奈緒「お前たちは……!」
ガションッ!!
『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!
パシュウンッ!!
G型「!!」ギュンッ!
G型「!!」ギュンッ!
奈緒「どうして、まだこんなことをするんだ!」
ナオ『ターゲットロック……バルムンク発射!』
ドガガガガガァンッ!
ナオ『奈緒、今はこの状況を何とかするのが先だ。他部隊が落とせないG型に切り込むぞ!』
奈緒「兵装は……ソード!? デュランダルがない……」
ナオ『あの時折ってから帰っただろ』
奈緒「そういやそうだった……ソードを展開する!」ジャキンッ!
奈緒「待ってろ、加蓮、みんな……!!」ドシュウウウウウンッ!
……
…………
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 23:46:36.19 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域
菜々「P少佐……!」
凛『安部中尉! こっちの動きは!』
菜々「っ! ナ、ナナたちはこのまま進行します! クイーンの動きが止まっているうちに、巣を壊しますよ!」
未央『アインフェリアのみんながこっちに来てくれるなんて……!』
卯月『お願いします、P少佐を!』
ピピピッ!
千秋『向こうの被害がこれ以上大きくならないうちに、私たちのほうも急ぐわよ!』
翠『ええ、P少佐を助ける為にも……!』
菜々(楓さん、美優さん……Pさんを……)
……
…………
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 23:47:03.95 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域
加蓮『ウィングバインダー展開……バルムンク!』ドシュシュシュシュッ!
GS型「!」ギュンッ!
G型「……!」ヒュカカカッ!
加蓮『くっ、この数じゃあ……Pさん……!』
P『う……ぐ、うううう……!』
藍子『Pさんの反応……加蓮ちゃんも同じ場所にいます!』
夕美「リフレクトパックSの反射装甲板展開、イージスフィールド最大出力……!」カタカタカタッ!
GS型「!!」ヒュカカカッ!
ドシュシュシュッ!
藍子『今は、来ないでください!』ドシュゥンッ!
GS型「!?」ドガァァンッ!
夕美「加蓮ちゃん、Pさん!」ギュンッ!
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 23:47:51.27 ID:PM31JiPH0
加蓮『夕美!? 藍子も、どうしてここに!?』
藍子『奈緒ちゃんと一緒に追いかけてきました。早くPさんを……!』
GS型「!!」ズドォンッ!
夕美「フレイヤU、ありすちゃん! Pさんの周りは3人で抑えてるから、早くこっちに来て!」ドガァンッ!!
ピピピッ!
ありす『向かっています。ですが、この混戦で艦が損傷した状態だと……!』
美波『大丈夫よ。構わずに行ってPさんをお願い……白蜂はらこっちで対応するわ!』
ありす『ですが! 前線が崩れている状態で奈緒さんと美波さんが向かっただけでは――』
愛梨『大丈夫です!』
……
…………
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