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LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです
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12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:27:06.57 ID:t42ldpeL0
――木星圏宙域中継コロニー『ナシヤマ』、軍病院(診察室)
「ゾーニング現象については、前回の検査からフラッシュバックも起きていない……でしたか」
P「はい。その前からも……ここ数ヶ月は大分落ち着いています」
「ふむ……バイタル値の変動も収まってきています。時期としては……そうですね、リハビリプログラムのNGF操縦訓練が始まった頃でしょうか」
P「そうですね。オート・クレールの仕事の都合もあって、自社のほうでやらせて頂いてますが」
「となれば……変動値の振れ幅も小さくなっていますし、ほぼ治療プログラムは完了したといっても良いでしょう」
「残っているリハビリプログラムは続けて、抑制剤の投与だけは忘れないでください」
夕美「先生、それじゃあ……!」
「はい、今週末に退院でよろしいです。正直な話をすると、私も参ってしまうほどの状態でしたが……2年間、頑張りましたね」
P「先生……いえ、先生たちや、みなさんのご協力があったからここまで回復することが出来ました。ありがとうございます」
「流石というべきでしょうか。何はともあれ嬉しい限りです。今日は検査も長かったので、退院に際しての手続きはまた別途、お話しましょう」
夕美「ありがとうございます。それじゃあ、今日は失礼します」
P「ありがとうございます。明日もよろしくお願いします」
……
…………
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:28:17.38 ID:t42ldpeL0
――軍病院(隔離病室)
夕美「本当によかった……これで、またみんなで一緒にいられる……」
P「長い間、皆にも迷惑を掛けてしまったな。夕美も、今日の仕事を休んでもらって悪かった」
夕美「ううん。楓さんや美優さんのところじゃないし、ビーのみんなが融通利かせてくれたから、全然大丈夫だよ」
夕美「I@LPも今日はスケジュール入ってないし、1日ずっとPさんの傍にいられるから……」
ギュッ……
夕美「よかった……本当、に……」
P「ああ、どうにか間に合ってよかった。これなら……」
夕美「……」
P「……夕美?」
夕美「あ……ご、ごめんなさい。そうそう! 愛梨ちゃんと蘭子ちゃん、次にこっちに来るの、今週末なんだって!」
P「そうか、丁度良いな。退院と合わせて、また2人にはシミュレーターの起動を頼んでおこうか」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:29:31.01 ID:t42ldpeL0
夕美「そうだ、みんなにも連絡しておかないと……Pさんは、今週末退院になったよ……っと」ピピッ!
P「おいおい、まだ退院手続きもしていないだろう? それに、前からリハビリプログラムも始まって会社にも顔を出していたんだし、今更だ」
夕美「いいの。みんな、Pさんのこと心配してたんだから。今までだって……」
P「……今回、入院することになったのが俺だけでよかった。そうでなければ、あの戦いの意味もなかったからな」
夕美「でも……私たちのゾーニング現象を、全部Pさんが負担したから、Pさんは……」
P「それでいい。夕美を……皆を守ることが、俺の仕事だ。これまでも……これからも、それは変わらない」
夕美「……Pさん」スッ……
P「どうした、夕――」
夕美「んっ……ちゅっ、んん……んふっ……」
P「ん……いきなりだな。どうした?」
夕美「退院したら……2人きりになる時間も減っちゃうかなって。私だけじゃなくて、みんなも同じだけど」
P「そうだな」
夕美「だから……2人きりでいる今のうちに……セックス、しよ?」
P「……ああ、おいで」
……
…………
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:30:57.75 ID:t42ldpeL0
――――ナシヤマ、オート・クレール社工場(オフィス)
晶葉「そうか、丁度ホクドウに着いたところだったか。悪いな整備長、馬鹿デカい荷物まで運んでもらって」
整備長『いやいや、俺も早くフレイヤに戻らねぇと、嬢ちゃんたちのことも心配だし、それにせっかく用意したモンも持って行ってやらねぇと』
晶葉「開発中のとっておきの3機だが、やはり搭載させるヴァルキュリアシステムの完成度を上げてこそだ。最後の運用テストとデータ収集になるだろうし、後少しだ」
晶葉「こちらの都合で土星圏と木星圏を何度も往復させてしまってすまないが、フレイヤに来る新顔と、ありす達の分も合わせてテスト機の運用は頼むぞ」
整備長『へいっ、任せてくだせぇ』
パシュンッ!
楓「失礼します……あら、晶葉ちゃん、整備長と通信ですか?」
晶葉「丁度ホクドウに着いたらしくてな、状況を聞いていたところだ」
整備長『おお楓中佐、今日は軍のほうじゃないんですかい?』
楓「長距離航行プランの会議が午前だけだったので、時間も空いたからこっちに来ちゃいました」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:31:49.85 ID:t42ldpeL0
整備長『時期が悪くなっちまったが、そっちもそろそろかぁ……そういや、少佐の旦那から連絡ありましたよ。今週末退院だって』
楓「え?」
晶葉「なんだと、聞いていないぞ」
整備長『ありゃ、そうだったんですかい。俺はさっきメールもらったんだけどなぁ……』
晶葉「あいつ、一番先に連絡する相手は整備長なのか……」
楓「あらあら……いけませんねPさんは。後で病院に行って、おしおきが必要かも……しれませんね?」
整備長『いやいやいや、何もそんな……』
楓「冗談です。あ……私のほうも、夕美ちゃんからメール来てましたね。気づきませんでした」
晶葉「まあ、私が言うのも違うだろうが、もうしばらくの間はありすと2人で頼むぞ」
整備長『了解。それじゃ、本部に顔出す用事もあるんで』
晶葉「気を付けろよ」
ピッ!
晶葉「ふぅ……」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:34:07.28 ID:t42ldpeL0
楓「新システムのテスト機のお話ですか?」
晶葉「ああ、今度の新型に積む予定の奴だ。ニュージェネには先行してテスト機は渡して、次元跳躍のテストと並行稼働させている。システム部分については開発が一部追いついていなかったから、少し遅れていたがな」
楓「新システム、一般機のNGF用に作ったヴァルキュリアシステムのデータで、ようやく開発も進みましたからね」
晶葉「そうだな。一般機用に落とし込んだシステムも、ようやくゾーニング現象を抑制することが出来て実装することが出来た」
晶葉「プロジェクト・ヴァルキュリアのメンバーに関しては、その先があるからゾーニング現象を抑えきることは出来ないが……」
楓「単純に戦力の為のシステムであれば、一般機向けのシステム改修でいいと思います。でも、あの子たちには、あの子たちにしか出来ない仕事がありますから」カタカタカタッ!
ピピッ!
晶葉「……とはいえ、これまでのテスト結果からも、フラッシュバックの頻度は以前と比べて相当抑えることが出来ているはずだ」
晶葉「そうでなければ、ニュージェネもフレイの部隊も助手が不在の現状、持たなかっただろう」
楓「そう……ですね」
晶葉「さて、と……すまんが現場のほうに行ってくる。明日の次元跳躍の打合せに使うデータを集計したくてな」
楓「あら、大変ですね」
晶葉「助手のこともあるし、楓は軍本部からの帰りだし仕事を残してないなら定時で上がっていいぞ」
楓「そうですか? それじゃあ早めに上がらせてもらいますね」
……
…………
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:36:21.16 ID:t42ldpeL0
――土星圏、戦闘宙域
未央「あと2匹! しまむー!」
卯月『はい! ビフロストで飛行ルートを制限します! 凛ちゃん、予測データです!』ピピッ!
ドガガガガガガガァンッ!!
GS型「!!」ギュンッ!
凛『そこ! サーベル……やああああっ!!』ブォンッ!
シュパアアアアンッ!!
未央「最後の1匹! 逃がさないよ、ダインスレイヴ!」ズドォンッ!
ドガアアアアアアンッ!!
ピピッ!
ありす『宙域のGS型、すべて撃破……コンディショングリーンです。お疲れさまです』
未央「追加でやってきそうな反応もないし……うん、とりあえず終わりだね」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:37:09.17 ID:t42ldpeL0
卯月『はぁ……終わりましたぁ』
凛『ありす大尉、フィールドジェネレーターは?』
ありす『……反応無しです。戦闘中であればもしかしたら、と思いましたが』
卯月『やっぱり、ホクドウで待機していた時に観測されたものって、偶然なんでしょうか?』
ありす『いえ、ここ1年弱の間で再びGS型、及びG型が土星圏宙域付近に出現するようになったのと併せて、次元振動の観測頻度も増えてきています』
ありす『空間転移現象については未だ確認出来ていませんので、設置されている干渉装置自体は効いているとは思いますが……時間の問題です』
未央「やっぱり、白い奴らも何か動き出したってことですよね? 長距離航行プランがようやく始まるっていうところで……」
ありす『仕方がありません。どの道、私たちがクイーンに会いに行くときには戦闘を行う想定だったんですから。それが少し早まっただけです』
凛『それだけで済むならいいけど……とりあえず、帰艦します』
……
…………
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:37:55.02 ID:t42ldpeL0
――フレイヤ級小型強襲揚陸戦艦『フレイヤU』(ブリッジ)
パシュンッ!
未央「次のヴァルキュリアシステムの新型、Pさん用のなんだよね?」
凛「そう聞いてるけどね。それとナオの分の機体も。私たちのほうで収集したテストデータもフィードバックして、整備長が持ってくる新しいヤツに移行するみたいだけど」
ありす「お疲れ様です。みなさん、良いマニューバでしたよ」フワッ
卯月「あっ、ありすちゃん! えへへ、褒められちゃいました!」
ありす「島村少尉、まだ勤務中です。上官に対する口の利き方がなっていませんよ」
卯月「あう……す、すみません……」
ありす「まあ、艦制御もオートメーション機能に移行しましたので、休憩に入りますからね。今なら構いませんけど」
卯月「だったら怒らないでくださいよぉ……」
未央「まあまあ、家にいるときじゃないんだからさ、任務中は切り替えないと」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:38:58.00 ID:t42ldpeL0
凛「そうだ大尉、今回の戦闘の私たちのマニューバ、何か指摘とかありますか?」
ありす「後で映像記録は見直しますけど、大分良くなったと思いますよ。これならS-02に行っても戦力になると思います」
未央「はぁー、ホクドウに戻って、整備長から新しい機体を受け取って新入りとちょっと戯れたら移動かぁ……ちょっと寂しいかも」
ありす「仕方がありません。土星圏外ではここよりも白い奴らが発見されていますし、戦闘機会も格段に増えてきています」
ありす「フレイのほうも運用体系を変更して一時的にS-02預かりにしましたし、それでも人手が足りていないみたいですから」
凛「そうだね。土星圏も少し前の木星圏くらいに落ち着いたけど、それよりも外は以前と同じくらいの戦闘規模になってきているし」
卯月「どうなっているんでしょうか……せっかく、あの時の戦闘でみんな頑張ったのに……」
未央「まあ、私たちだけで考えても仕方ないよ。Pさんが離脱して、アインフェリアも運用凍結状態になっちゃったし……」
ありす「Pさんが動けないとなると、美波さんたちがフラッシュバックを起こした場合の対応が困難ですから、仕方がありません」
凛「一時期は本当に大変だったからね……私たちも、避妊治療は受けてたけど妊娠するかと……まあ、あの時期に孕まなかったナオは奇跡だったけど」
卯月「でも、美波さんたちもPさんと一緒にいられて嬉しがってましたよね? 私もPさんと一緒がよかったんですけど……」
ありす「あの人たち、今でもPさんがフラッシュバックを起こすのを期待してますからね……信じられませんよ」
未央「まあいつも通りのアインフェリア隊ってことで」
ありす「私をそこに混ぜないでください」
未央「おっと失礼」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:39:35.51 ID:t42ldpeL0
凛「同じ部隊なのに……あ、そうだ大尉、ミーミルを使ってもいいですか?」
ありす「いいですよ。何か調べものですか?」
凛「私たちと入れ替えでフレイヤに来るメンバー、確認しておこうかと思って」
未央「ホクドウ着いたら受け入れだもんね。最初だけは私たちのほうで色々教えておかないと」
凛「加蓮とナオも入れ替えでこっちに戻ってくるから、運用テストはそっちに引き継ぐけど……」カタカタカタッ!
ピピッ!
凛「あった。こっちに来るの、この3人だよね。あとはおまけの2人も」
卯月「この人とこっちの人、軍の入隊時期は私たちと同期なんですね……スコアいいなぁ……」
ありす「選定した大佐が言うには、ヴァルキュリアシステムの適性としては貴方達のほうが上みたいですけどね。技術的な面では新しい方々のほうが良いみたいですけど」
未央「うーん、複雑……しぶりん、他のデータ見せてよ」
凛「ちょっと待ってよ。えーっと……」
……
…………
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:40:31.10 ID:t42ldpeL0
――土星圏外宙域、CG-346ノルン級大型宇宙戦艦『ノルンS-02』(艦長室)
時子「ラピッドストライカー隊の体制についての詳細は以上。後は向こうで上手くやりなさい」
ナオ「了解です」
加蓮「あれ、でも菜々さんは?」
菜々「ナナは智絵里ちゃんとしばらく一緒ですので」
智絵里「コンコルディア隊とラピッドストライカー隊は、ニュージェネレーション隊と一時的に統合して……加蓮ちゃんたちが、戻ってきたら……また再編成、ですよね?」
時子「そうね。菜々が黒川重工から預かってる機体の運用テストもあるから、出撃編成は考える必要があるけれど……まったく、いつまでも向こうの小間使いな部隊ね」
菜々「まーそれがラピッドストライカー隊ですからねぇ。リアルロボットの中にスーパーロボットが混じるのも結構大変でして……」
時子「どうでもいい」
菜々「あ、はい」
ナオ「菜々さんも一緒に来れたらよかったんだけどな。こればっかりは仕方がないか……」
菜々「どんなに遅くても、長距離航行のタイミングで合流ですけどね。そういえば時子さん、S-01の子は先にフレイヤに向かうんですよね?」
時子「今回の補給部隊の帰艦に合わせて先行する予定よ。貴方達は、さっさと引継ぎを済ませてフレイヤに行きなさい」
ナオ「やること多いからなぁ……凛たちがこっちに来た時に面倒にならないようにしておかないと」
加蓮「ま、そこは先輩的にもしっかりやっておかないとね」
……
…………
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:42:06.96 ID:t42ldpeL0
――ノルンS-02(通路)
菜々「あ、ちょっと格納庫行ってきますね。前回戦闘で収集したウサミンロボのシステムログ、出しておきませんと」
ナオ「何か手伝うか?」
菜々「すぐ終わりますから、先にお部屋に戻って待機してていいですよ」フワッ
加蓮「……まあ、菜々さんのARGTは色々面倒くさいし、先に戻ってよっか」
ナオ「そうだな……」
加蓮「待機時間なら食堂でも行こうかなー。でも次の出撃編成に入ってるし……」
ナオ「なあ、加蓮」
加蓮「ん、何?」
ナオ「残念だったな。凛たちと一緒に任務できなくて、入れ替わりになったしさ」
加蓮「別に、ニュージェネならもう3人でも十分やっていけるでしょ? それに、ナシヤマに帰るときはみんな一緒だし」
ナオ「まあな。別件で木星圏まで戻るタイミングでもないと、会う機会は減ったけど……今はフレイもこっちにいるし、大丈夫か」
加蓮「そうそう。いつまでも新人じゃないんだからさ。それに……」スッ……
ナオ「……なんだよ」
加蓮「私には、ナオがいるもん」ギュッ……
ナオ「は、恥ずかしいこと言うなよなぁ……」
加蓮「私は恥ずかしくないもん。ナオは、恥ずかしい?」
ナオ「そ、そりゃあ……通路だし誰かに見られたら恥ずかしいけど……」
加蓮「……私ね。今でも思うんだ」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:43:07.07 ID:t42ldpeL0
加蓮「また、こうしてナオと一緒にいられること。色んな奇跡が積み重なって、奈緒が私たちを助けてくれて……だから、またこうしていられる」
加蓮「もっともっと……奈緒にはたくさん、ありがとうって言いたかった。私を守ってくれて、こうしてまた、ナオと出会わせてくれて……」
ナオ「……そっか」
加蓮「奈緒……元気かな?」
ナオ「きっと、元気だよ。あっちの世界は平和なんだ。平和で……平和だから、アイツが自分の世界に戻ることが出来て、良かった」
加蓮「……そうだね」
ナオ「後は、あたしたちの仕事だ。この世界でやるべきこと……全部、全部終わったら……」
加蓮「奈緒に……また会えるかな? 次元跳躍のテストも、ニュージェネが進めてるし」
ナオ「会えるといいな。今度は……平和な世界で」
……
…………
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:46:15.43 ID:t42ldpeL0
――ノルンS-01(格納庫)
「速水少尉! 補給部隊の回収物資、全部積み込みが終わったんで3NXもモリアン艦に移動させてください!」
奏「ええ、分かったわ。オプション兵装、装備したままだけどこのまま移動させていいのよね?」
「はい、装備したままでオッケーです」
奏「ホクドウに戻るまでの護衛部隊の編成、モリアンに入ってからもらえばいいのかしら?」
「隊のほうで連絡されていなければ向こうで通知されると思います。ヴェールも1隻戻るので護衛はそっちがメインになると思いますが」
奏「そう、ありがとう。あら……?」ピピッ!
奏「端末に通知……神谷少尉と北条少尉、後から来ることになったのね」
奏「国際連合防衛本部宇宙軌道防衛軍所属、第6防衛隊……新しい配属先。まあ、なるようになる、かしらね」
……
…………
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/20(水) 19:54:35.19 ID:t42ldpeL0
というわけで今日はこれで終わります。
今回は奈緒編の時期くらいのノリでスレを進めたいと思います。
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 21:31:05.27 ID:EHrP1i1hO
乙
初っ端がとても明るく元気なお話ではないんですが大丈夫なんですかね…
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 04:30:13.46 ID:DSyY4FIdo
新作期待
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 15:33:17.56 ID:iYFM8CR+O
ありすは特別大尉→中尉→大尉に昇進したのかな?
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 18:37:42.61 ID:SWVu0IjW0
>>28
詐欺にはならないんじゃないかなーと思っています
>>30
主要メンバー全員不在になったので中尉昇進後に艦運用権限付与の為特別大尉→美波が戻ってきたので中尉に→結局みんな不在になったので正式に昇進
の経緯です
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 18:51:50.64 ID:SWVu0IjW0
――数日後、フレイヤU(艦長室)
ありす「そうですか。Pさん、ようやく退院ですか」
文香『はい……今週末だそうで……私も、先ほど夕美さんからお聞きしました』
ありす「よかった……お祝いもしたいですし、どこかで都合付けてナシヤマに戻りたいですね」
文香『Pさんも、またありすちゃんや、ニュージェネレーションの3人とお会いできるなら……とても喜ぶと思います』
ありす「そういえば、そちらはI@LP、どこまで進みましたか? 通しまで出来ているのであれば、映像データを送ってもらえればこちらも合わせることができるんですけど」
文香『昨日……一通りの記録は取り終わったので、後で転送しておきますね』
ありす「ありがとうございます。私はフレイヤにいるので、やっぱりみなさんと一緒に練習できないのは大変ですね」
文香『申し訳、ありません……私も、できればありすちゃんと一緒に、フレイヤに戻りたいとは、思っていましたが……』
ありす「仕方がありません。Pさんも含めて、みなさんはフラッシュバックの危険性も残っていましたから」
ありす「あの時の戦闘、対話の日とは違ってPさんが私たち全員の負荷を受けてくださったおかげで、耐性持ちの私や愛梨さんは早くに復帰できましたが、こればかりはどうしようもないと思います」
ありす「それに……私は、帰ったらPさんにたくさん甘えようと、思っていますから」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 18:58:08.35 ID:SWVu0IjW0
文香『……そう、でしたか。それでしたら……Pさんには、ありすちゃんから送られてくるI@LPの記録は……しっかりと見て頂くよう、お話しておきます』
ありす「べ、別にそんなことしなくても……あの人も、後遺症でNGFに乗るのが困難になって、暇な時間が出来てようやく私たちのアイドル活動も見てくれるようになりましたね」
文香『喜ばしい……と言いますか……ですが、そうなってしまった経緯を思うと、素直には……喜ぶことが出来ませんね』
ありす「……」
文香『……』
ありす「私たちは、いつも助けられてばかりです。だから……最後は、私たちが……私たちの本来の役目を、果たしましょう」
文香『……はい。私たちも、なるべく早く仕上げて……そちらに戻ります。それまでは……よろしくお願いします』
ありす「今回のみなさんは、実質的にはプランV3の準備の為にナシヤマに残っていますし、それほど心配はしていません。私は待っていますから」
文香『はい……ニュージェネレーションのみなさんや、加蓮さん、ナオさんにもよろしくと……それでは』
ピッ!
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 18:59:04.78 ID:SWVu0IjW0
ありす「……よかった。Pさん」
ピピピッ!
ありす「ん……はい、どうしましたか?」ピッ!
卯月『ありす大尉、ホクドウの入港手続き完了しました! コードも発行されたので、各班から来てる補給物資の申請リストも出しておきますね』
ありす「わかりました。整備班には、整備長が合流したときの準備もしておくようにと連絡しておいてください」
卯月『はい!』
ありす「あと良いお話を1つ。Pさん、近いうちに退院するそうですよ」
卯月『ホントですか!? 凛ちゃーん! 未央ちゃーん! Pさん退院するみたいですよ!』
未央『おお! 吉報だねぇ!』
凛『よかった……これで、みんな揃うんだね』
ありす「他のメンバーとの合流はまだ先ですけどね。まあ、どこかでナシヤマに戻る用事を作って、家に戻ってもいいかもしれませんね」
……
…………
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:01:59.82 ID:SWVu0IjW0
――数日後、土星圏宙域コロニー『ホクドウ』入港口、フレイヤU(ブリッジ)
凛「フレイヤを港のアームに固定しました。入港作業終わります。搬入口を開けて、整備班の作業を開始させます」
ありす「それではフレイヤの整備作業についても予定通り実施とします。ニュージェネレーション隊は1時間後に本部に向かいます。外出準備をしてください」
未央「はーい……およ?」ピピピッ!
ありす「未央さん? どうしましたか?」
未央「おおっ! ありす大尉!」
……
…………
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:15:13.84 ID:SWVu0IjW0
――ホクドウ(入港口)
整備長「よーお前らー! 元気だったかー?」
未央「整備長! お待たせー!」
卯月「お疲れ様です!」
整備長「待ったも待った。暇過ぎて酒飲む金も使い切っちまったよ」
凛「またそんなこと言って……整備長、新システムは?」
整備長「VSTGに積み替える分は持ってきたぜー。コックピットブロックの換装作業、やっとくからよ」
ありす「お疲れ様です。新型のほうはどうしますか?」
整備長「基本設定は美波の嬢ちゃんにやってもらったからよ、残りは新入りが来たらやらせりゃいいだろ」
ありす「そうですね。換装用のコックピットと、新型3機の搬入作業、お願いします」
整備長「へい了解! そっちはどうすんだ?」
ありす「1時間後に新入りの受け入れの為に本部へ向かいます。全員揃っているはずですから」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:21:57.03 ID:SWVu0IjW0
整備長「新入り3人ねぇ……ようやくフレイヤも人が増えたっつーか」
ありす「アインフェリア隊と愛梨さん、蘭子さんが常駐できれば人数的には問題ないんですけどね」
ありす「ただ、プランV3のことも考慮すると今の体制では賄いきれませんし、人員を増やすしかありません」
整備長「まあ、フレイヤに来るってことはよ……」
ありす「……はい」
卯月「またPさんのおちんぽ狂いになっちゃう人が……」
凛「いや大丈夫でしょ……私たちが使ってたときのシステムから改修が入ってるんだし、そこまで酷くはならないとは思うけど」
未央「まあでも、好きだよねそういうの」
ありす「貴方達……美波さんじゃないんですから外でそんな話をしないでください」
……
…………
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:23:44.61 ID:SWVu0IjW0
――ホクドウ、軍本部(会議室)
ありす「直接顔を合わせるのは初めてになりますので、改めて互いに自己紹介をしましょうか」
ありす「私はプロジェクトV……正式にはプロジェクト・ヴァルキュリアの運用艦であるフレイヤUの艦長代理、橘ありす大尉です。今後の貴方達の上官になりますので、よろしくお願いします」
ありす「あとは……こちらの3人は、もしかしたら何度かI@LPで顔を見る機会があったかもしれません。ニュージェネレーション隊です」
卯月「島村卯月少尉です! よろしくお願いします!」
凛「渋谷凛少尉です。よろしく」
未央「本田未央少尉です! 私たちは別件があって長く一緒にいれないけど、短い間でもよろしくね!」
奏「S-02から来ました。速水奏少尉……です」
美嘉「城ヶ崎美嘉少尉です」
周子「えーっと、塩見周子少尉です。よろしくお願いしまーす」
ありす「お互いに少し硬いですね。私と塩見少尉以外、入隊時期は同期になりますし、広報のアイドルでもありますので、もっと気楽で構いませんよ」
未央「と、いうわけでヨロシク!」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:25:09.18 ID:SWVu0IjW0
凛「他所だともう少ししっかりしなきゃいけないけど、ここは相当緩いから、仲良くやっていこうか」
卯月「色んなところが緩いですからね」
奏「あら……それじゃあ遠慮なく。よろしく」
周子「それじゃーあたしも、そこそこ適当にさせてもらおっかなー。よろシューコ、ってね」
卯月「はい! えーっと……美嘉、さん? 美嘉……ちゃんは?」
美嘉「……ん、それじゃみんなアイドルならアイドルらしく、やってこっか。ヨロシク★」
ありす「まあ、うちはこれくらいでいいですかね。この後少し、絶望を覚えるようなお話をもしなければなりませんし」
奏「何の話……ですか?」
ありす「詳しい話は艦に戻ってからしますが、本プロジェクトの詳細は一部を除きアルヴィスの秘匿階層レベルの情報になります」
ありす「プロジェクト遂行にあたっての試作機、試作兵装の運用テスト、それらの作戦への導入実施が行われます。また、既に全体に展開されているプランV3の件」
ありす「対話の日に実施されたプランV、クイーンとの対話を行ったプランV2も合わせて私たちの部隊の任務となっています」
ありす「プランV3の作戦詳細や貴方達のポジションについては別途お話します。長距離航行プランにおいて重要な立ち位置となっていますので、活躍を期待しています」
「「「はい」」」
……
…………
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:28:55.38 ID:SWVu0IjW0
――数時間後、フレイヤU(会議室)
ありす「以上が、プロジェクト・ヴァルキュリアの全体概要となります。各項目についての詳細は、端末に転送している資料を参照してください」
奏「3NXや4Nに搭載されているGNブースト……ここで運用されていたヴァルキュリアシステムっていうのが……」
ありす「はい。ヴァルキュリアシステムはこれまで標準配備されていたNGF-3Nのアップデート版であるNGF-3NX、及び次世代機であるNGF-4Nに搭載されたGNブーストの元となった先行システムとなっています」
ありす「ただし、新規格のパイロットスーツを使用しNGF搭乗者へ働きかける効果はGNブーストとは大きく異なります」
美嘉「大きく違う……GNブーストは新しいパイロットスーツを着て、機体から受けた電気信号でアタシたちの戦闘技術を向上させるって……」
ありす「その部分については大きく変わりません。ヴァルキュリアシステムもGNブーストと同じく、基本的にはパイロットに直接適用される専用システムです」
ありす「ヴァルキュリアシステムは各機体共通仕様の360度フルスクリーンモニター、擬似立体音響、運動制御補助プログラム用の脳波受信装置の3つで成立しています」
ありす「システム起動中はフルスクリーンモニターにより映される光景、擬似立体音響から伝わる音、そして脳への情報伝達率をより高度にすることによって」
ありす「搭乗者へ戦闘中でに適切な状況判断、行動の最適化を円滑に促すことでより高次元の戦闘を行うことができます」
周子「あーそうそう、なんかそんな感じだったような……」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:30:52.96 ID:SWVu0IjW0
ありす「ですがヴァルキュリアシステムはそれだけではありません。GNブーストとは違い、脳に与える付加効果が一部追加されます」
未央「追加っていうか、GNブーストはその効果がオミットされてるってことだけどね」
ありす「ヴァルキュリアシステムは、システムとダイレクトリンクしているパイロットスーツから、電気信号が随時全身に送られることになります」
ありす「その効果は大脳の扁桃体を初め、体の様々な器官に影響を及ぼすことで、機体搭乗者の精神に直接働きかける物となります」
ありす「搭乗者はシステム起動後は恐怖心、闘争本能を活性化させて人間の生存本能を莫大に発現させることでゾーニング現象を発生させます」
ありす「これにより通常戦闘内であれば、先程話した効果がゾーニング現象と併用することで、更なる戦闘力の向上が見込めます」
美嘉「なんか、ちょっと怖い気がするけど、戦闘だけならヴァルキュリアシステムを使うほうが全然良いと思うんだけど……」
ありす「いえ、戦闘中はゾーニング現象を維持する為、電気信号により強制的にその効果を維持することになります」
ありす「通常では有り得ない肉体的、精神的負荷を継続的に受けたことにより、戦闘終了後も搭乗者の身体には後遺症として、ゾーニング現象が残ることになります」
ありす「そして、生存本能が活性化されたことにより、戦闘後は激しい性衝動が襲ってきます。性衝動については自慰行為等で別途発散させることでゾーニング状態を解消し、対応していきます」
奏「は?」
美嘉「は?」
周子「は?」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:31:50.18 ID:SWVu0IjW0
凛「私たちのときと同じ反応してる」
卯月「ま、まぁそうなりますよね……」
美嘉「ちょ、ちょっと待って! そんなのって有り得なくない!?」ガタッ!
周子「いやー……ビックリ」
奏「……さすがにそれは、非人道的なシステムだと思うけれど」
ありす「そこについては否定できません。現に私やニュージェネレーション隊は効果の大小はあれど、何かしらの影響を受けています」
美嘉「え、ちょ……ええええ……」
奏「いや、影響って……何、それ」
卯月「あ、で、でも心配しなくていいですよ!」
凛「後遺症については、ありす大尉の時期が特に酷かった頃で、私たちが配属した時期には後遺症の抑制も進んでいたし」
ありす「はい。今回貴方達にお渡しする新型については、オート・クレール社が更に改良した新型のヴァルキュリアシステムが採用されています」
ありす「後遺症及び肉体的な負荷も、従来のシステムより大幅に軽減されています。後遺症によるフラッシュバックも、ほぼ起きないとは思いますが……」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:36:33.33 ID:SWVu0IjW0
奏「……冗談を言う場ではないし、秘匿階層の情報っていう理由は分かったわ。ただ……ちょっとね」
美嘉「あっ、あわっ、あわわわわわ……」ガクガクブルブル
ありす「まあ、しばらくしたらゾーニング現象の対策として、この艦にそれ相応の方が来てくれます。それまでは頑張ってください」
周子「アフターケアは万全……ってわけじゃなさそうだけど、ちなみに、その人は何する人?」
ありす「みなさんとセックスする……だけではありませんが、私たちの部隊を統括する方が合流します」
ありす「アインフェリア隊、及びニュージェネレーション隊の上官であるP少佐になります。セックスをご希望であれば、その方にお願いしてください」
美嘉「セッ!? セセセセセセセセ!!」
周子「ちょっ、ちょっと落ち着きなって……ま、まあこっちが騒いでも、何か変わるわけでもないしええけど」
ありす「まあ、特にシステムについてはプランVにおける重要な物となりますので……プロジェクトとシステムの説明については以上になります」
ありす「この後は一度艦内施設の案内をします。その後は格納庫に行って、みなさんの機体の調整とシミュレーターを起動してもらいますので、移動しましょうか」
……
…………
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:37:59.71 ID:SWVu0IjW0
――フレイヤU(食堂)
周子「ま、食堂はどこもこんなもんだよね」
ありす「同型艦のフレイが、乗員の趣味で内装を変更しているみたいですけど、ここは特にそういった趣味の方がいませんので標準のままです」
未央「おばちゃーん、新しく来た人たち連れてきたよー!」
おばちゃん「おや? みんな来たのかい? いらっしゃい」
美嘉「ど、どうも……」
おばちゃん「この艦、仕事大変だからねぇ。みんなも体壊さないように頑張って頂戴ね」
奏「……はい」
ありす「まあ、フレイヤの乗員は全員プロジェクト要員なのでみなさんの事情は知っていますから」
おばちゃん「大丈夫だよ! ニュージェネのみんなだってすぐ慣れたんだし、ねえ?」
卯月「はい!」
凛「慣れっていうのは恐ろしいね」
美嘉「慣れたくない……」
ありす「そういえば、厨房が忙しそうですね。仕込みですか?」
おばちゃん「整備班に弁当用意してるんだよ。今回は搬入出の作業多いみたいで、休憩時間少ないからね」
ありす「整備長が持ってきた物も相当ありますからね。すみませんが、よろしくお願いします」
おばちゃん「あいよ。はぁ……智絵里ちゃんがいれば、もう少し楽だったんだけどねぇ……」
未央「最早パイロットなのかコックなのか扱いが良くわからなくなってるちえりん……」
凛「まあ智絵里は菜々さんと一緒にS-02に戻って、中尉に上がったからね」
ありす「おっと、お話が長くなりましたね。それでは移動しましょうか」
……
…………
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:39:18.89 ID:SWVu0IjW0
――ナシヤマ、オート・クレール社工場(開発室)
晶葉「……そろそろ終わりか」
ピピッ!
パシュンッ!
P「……」
愛梨「……」
蘭子「……」
『P NGF-3Nシミュレーター評価 SS』
『神崎蘭子 十時愛梨 NGF-F-VPS13シミュレーター評価 SS+』
愛梨「やりましたぁ!」ピョンピョンッ!
蘭子「うむ! 我も神の頂きへと上り詰めた!」
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:41:56.37 ID:SWVu0IjW0
晶葉「5回シミュレーターを回して、3回がこのスコアか。助手も、ついにシミュレーターのスコアが抜かれるようになってきたか」
P「そうだな……俺も、リハビリプログラムをやっている間に調子が良くなったと思っていたが、そろそろ引退かもしれん」
愛梨「そ、そんなことないですよぉ! Pさん、シミュレーターは3Nで動かしましたし、私たちは新型ですから……」
蘭子「単独マニューバだと勝負にならないもん……」
晶葉「2人のサードの搭乗経験から、やはりこういった形で運用するほうが単体としての成果は上がるか……どうする?」
P「悩ましいな。恐らくは単機での突破力も、集団での殲滅力も必要になる」
愛梨「ビーさんたちのお話を聞いた感じですと、星に行ったらたくさんのG型がいるかもしれませんし……」
晶葉「単独でのシミュレータースコアであれば……そうだな、単独出撃した愛梨程のスコアでもなければG型を相手にするのは厳しいか」
愛梨「ニュージェネのみなさんはどうなんですか?」
P「防衛ラインを任せようと思っている。3機でのマニューバであれば、上手くやれるとは思っているが」
晶葉「となると、こちらから最前線に出すのはラピッドストライカーとブリヤントノワールの2部隊、あとは愛梨と蘭子か」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:43:22.63 ID:SWVu0IjW0
蘭子「新しく来る人たちはどうするんですか?」
P「前線任務をメインにする予定だ。アルヴィスで過去の戦闘記録を閲覧したが、腕は悪くなさそうだ」
P「ニュージェネと比較しても、単独でのマニューバは新しいメンバーのスコアが上のようだしな」
晶葉「なんだ、他所から来る2人はそんな面子なのか? 今のあの3人も悪くはないが、それくらい動けるならこの時期なら土星圏外に回されてもいいとは思うが」
P「そっちでの戦闘をやっていたメンバーもいる。まあ……フレイヤに来ることになったのは、色々ある」
晶葉「なんだ珍しい、歯切れが悪いな」
P「1人は……まあ、前線に出続けていれば稀にあるというか、少し前に起きたノルン級の巣の攻略戦でな。指揮伝達が遅れたタイミングだったらしいが」
晶葉「なるほどな。で、そいつはこっちに来て使い物になるのか?」
愛梨「多分、大丈夫だと思います。その後の戦闘記録も、出撃編成には入っているみたいですし、ただ……」
晶葉「ただ?」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:43:48.98 ID:SWVu0IjW0
P「単独マニューバでの出撃機会が増えたと聞いている。本人の要望かどうかは知らないが」
晶葉「この時期に単独出撃が出来るなら大したもんだ。お前たち程だとは思ってはいないが、確かにそれなりだな」
愛梨「フレデリカちゃんや、桃華ちゃんくらい飛べるみたいですから、私もこの人ならいいかなーって思ったんですけどね」
P「そうだな。もう1人は……」ピピピッ!
P「っと……会社の端末か。打合せの時間か」
晶葉「もうこんな時間か。仕方がない、行くぞ」
蘭子「暗黒会議……私たちどうしようかな」
P「本部に戻る用事も、I@LPもないなら家に帰ってていいぞ。今日の打合せは櫻井からも人が来てるから、少し時間が掛かる」
愛梨「はーい。それじゃあ先に帰ってますね。蘭子ちゃん、いきましょう?」
蘭子「我、甘美なる誘惑に惑わされる」
愛梨「それならどこかでお茶して帰りましょう♪ それじゃPさん、お先に失礼しますね」
P「ああ、気を付けて帰れよ」
……
…………
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/21(木) 19:50:17.39 ID:SWVu0IjW0
というわけで今日はこれで終わります。
実は周子はエロゲ編で名無しで台詞だけ登場していたりします。
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 23:25:11.71 ID:8Z+GW0/nO
待ってた
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 17:26:40.11 ID:KteWYZ6cO
バッドは見たくないなぁ…グッドじゃなくても…
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:44:51.28 ID:Du4XMlAW0
――数時間後、フレイヤU(格納庫)
パシュンッ!
卯月「凛ちゃん、やりました!」
凛「うん、いつもよりスコア伸びてるし、今日は調子いいんじゃない?」ピピッ!
奏「……」
美嘉「……」
周子「……」
卯月「頑張りました!」ブイッ!
『島村卯月 NGF-3Nシミュレーター評価 D+』
『渋谷凛 NGF-3Nシミュレーター評価 C−』
『本田未央 NGF-3Nシミュレーター評価 C』
未央「おーおー、しまむーも1ランク上がったねぇ。安定すればもう1ランク上げられそうじゃん」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:47:12.04 ID:Du4XMlAW0
周子「……ま、あたしはあんまり人のこと言えないし」
『速水奏 NGF-3Nシミュレーター評価 B−』
『城ヶ崎美嘉 NGF-3Nシミュレーター評価 B−』
『塩見周子 NGF-3Nシミュレーター評価 C−』
卯月「うわぁ……3人とも凄いスコアですね! Bランク帯以上って凄く判定厳しいんですよね……」
奏「まあ、この判定もギリギリのところだけど……3NのシミュレーターでB以上は行ける気がしないわね」
美嘉「まあまあ、スコアも大事だけど、実戦で上手くやるのが重要だからさ」
未央「いやそれにしても私たちの立場がないねこれは……もっと一緒にシミュレーターやりたかったなぁ」
周子「そういやさっき話してたね。S-02に行くって」
凛「元々フレイヤにいたメンバーが何人かS-02に行っててね。そのメンバーもヴァルキュリアシステムを使ったことがあるんだよ」
未央「そうそう。抑制剤もあるし、フラッシュバックは頻発しなくなったけど、長期間フレイヤから離れた分のメディカルチェックも兼ねて私たちと交代ってこと」
奏「……もしかして、それって神谷少尉と北条少尉かしら?」
凛「そうだよ。あ、奏はS-01から来たから2人の名前は知ってるんだ?」
奏「直接会って話したことはないけれど、ここに来る前に少し連絡を取り合っててね。あの2人がいる部隊、結構有名だもの」
卯月「ラピッドストライカー隊、菜々さんのARGTって目立ちますからね……」
凛「あっちの部隊も、試作兵装のテスト運用やってるからね」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:48:16.92 ID:Du4XMlAW0
美嘉「……そういえばさ」
未央「ん、どしたの美嘉ねぇ?」
美嘉「美嘉ねぇって……変なあだ名付けないでよ……アタシのほうが後から来たんだし」
未央「まあまあ、私たちより年上だしさ」
美嘉「まあいいけど……いや、機体の話で思い出したんだけどさ、さっき向こうで機体の確認してた時に見かけた機体」
美嘉「開けっ放しだったコンテナの中にあった3N、カスタム機だったけど誰が乗ってるのかなって」
卯月「あ、それは……」
凛「NGF-3N-SD、今は誰も乗ってないよ」
周子「誰も使わないの? 勿体無いやん?」
凛「うん。パイロットはもういないけど……まあ、私たちのお守りみたいなもの、かな」
美嘉「……誰が乗ってたの?」
凛「それは……私たちが話しても、ね。今度、北条少尉……加蓮が来た時に、聞いてみるといいよ」
……
…………
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:50:31.26 ID:Du4XMlAW0
――数日後、ホクドウ(入港口)
ありす「長距離航行プランについては内々で大佐から連絡を頂いている通り、時期になりましたら再度招集を掛けます」
ありす「また、フレイヤUに関しても土星圏外での戦闘状況、または上層からの指示により別宙域に移動する場合もあります」
ありす「合流についてはその都度指示を出しますので、圏外での戦闘はラピッドストライカー隊とコンコルディア隊と協力してお願いします」
未央「はい!」
卯月「頑張ります!」
凛「大尉も気を付けてください」
ありす「……まあ、しばらく離れることになりますし、少しくらいは普段通りにして構いません」
凛「それじゃあ3人で頑張って、ありすに良い報告できるようにしようか」
卯月「はい! 向こうは翠さんたちもいますしね!」
ありす「貴方たちは本当に翠さんのこと好きですね……私の立場がありませんよ」
未央「まあ長いことお世話になったから……大丈夫、ありすちゃんのことも私たち、大好きだから!」
ありす「恥ずかしいのでやめてください」
整備長「お前ら、S-02でもしっかりやるんだぞ!」
おばちゃん「怪我しないようにね。お弁当、シャトルの中で食べるんだよ」
周子「ずいぶんゆるーい挨拶やね。ていうか整備長もおばちゃんも来とるし」
凛「まあ、うちの部隊はこんな感じだから」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:51:23.27 ID:Du4XMlAW0
卯月「みなさんも、頑張ってくださいね!」
美嘉「バッチリやっとくよ★ そっちも気を付けてね」
凛「対応予定の宙域で次元振動の観測結果が出てるから、戦闘のときはありす大尉の指示に従って、加蓮やナオと協力してよ」
奏「2人は明日、ここに来る予定だものね。わかったわ」
周子「合流したらすぐにあたしたちも宙域に出て戦闘でしょ? いやーどこに行っても大変だね」
ありす「アルヴィスの更新履歴を見たところ、他宙域でも次元振動が観測されているようです。やはり、白蜂もこちらで設置した干渉装置の効果をすり抜けて来ているみたいですが……」
美嘉「……」
ありす「まあ、どこにいても大変なのは変わりません。3人とも、NGFの積み込みも終わっていますから、そろそろシャトルに行きませんと」
卯月「あ、そうだった……それじゃあ、いってきます!」
ありす「はい、いってらっしゃい」
整備長「気を付けていけよー!」
……
…………
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:52:16.35 ID:Du4XMlAW0
――フレイヤU(艦長室)
ありす「各宙域に設置されている干渉装置の効果……やはり、とりあえず有効にはなっていますね」カタカタカタカタッ!
ありす「ちひろさんから頂いている連絡では、まだ火星圏ではG型は確認できていない。次元振動も……」
ピッ!
ありす「エネルギー測定をした際の波長から外れる何か別の要因が……分かりませんね。オート・クレールの解析結果が出るまでは何とも……」
ピピピッ!
ありす「はい」
奏『大尉、お時間良いかしら?』
ありす「構いませんよ。どうぞ入ってください」
パシュンッ!
奏「失礼します……何か作業を?」
ありす「上から来ている直前の任務について確認していました。土星圏内で観測された次元振動……断層発生と、空間転移予測の詳細が来ていましたので」
奏「初報だと、断層発生まであまり時間が無いって書いていたけれど……間に合うのかしら?」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:53:42.20 ID:Du4XMlAW0
ありす「合流予定のお2人が到着次第出発すれば十分間に合います。貴方は他の2人と一緒に、ブリッジ作業のマニュアルを覚えておいてください」
奏「それはいいけど……その、1つ神谷少尉からお話を聞いていたんです。4人くらい来るって」
ありす「ああ……次のブリーフィングで話そうとは思っていました。神谷少尉、北条少尉の他にも2人、合流を予定しています」
奏「それって……」
ありす「はい。先に来た貴方達3人を含めた5人小隊として運用を予定している2人です。追加の2人はくだらない理由で合流が遅れている状態ですけどね」
奏「だからまだ新規の小隊手続きが無かったのね……そんな気がしていたわ」
ありす「ちなみに広報のほうから私に連絡が来ていますが、貴方達の今後のアイドル活動も5人ユニットで行う方針に変わります。そのうち、I@LPにも通知が来るはずです」
奏「……なんだか、色々と環境が変わってくるのね。目まぐるしく感じるわ」
ありす「そういうものです。貴方も、環境に合わせて変わってくれることを期待しています」
奏「……」
ありす「さて……すみませんが私はこれから格納庫に行ってきます。ブリッジのコンソールマニュアルの確認が終わったら各部屋で待機していてください」
……
…………
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:54:37.63 ID:Du4XMlAW0
――フレイヤU(通路)
奏「……」
ありす『そういうものです。貴方も、環境に合わせて変わってくれることを期待しています』
奏「……別に、私が変わったわけじゃない。私は……裏切られただけ」
奏「そういえば……アイドルの仕事も変わること、周子と美嘉にも話したほうがいいかしらね。大尉からも話が行くと思うけれど」
奏「あまり、お節介はしたくないけど……そうね、チームでやるもの、少しなら……」
奏「……見透かされているのかしらね、私自身も」
……
…………
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 18:59:22.17 ID:Du4XMlAW0
――フレイヤU(美嘉の部屋前)
奏「まだブリッジに2人とも来ていなかったし、部屋にいるとは思うけれど……」スッ
ピピピッ!
奏「奏よ。美嘉、少しいいかしら?」
奏「……返事、ないわね」スッ……
奏「ロックがされてないから、部屋にいる……わよね。美嘉、入るわよ」ピッ!
パシュンッ!
『それでね、アタシ絶対ぜーったいアイドルになるんだから、お姉ちゃんみたいに!』
美嘉「コラコラ、アイドルなんてそんな簡単になれるもんじゃないんだからね?」
『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』
美嘉「もー、アンタってばいつも勝手に決めようとするんだから、アタシだって仕事あるんだからさぁ」
奏「美嘉?」
美嘉「……ん? あ、どうしたの?」
『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど――』
ピッ!
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:01:00.80 ID:Du4XMlAW0
奏「……今のは?」
美嘉「アタシの妹。莉嘉っていうんだけど、いつも話す度に元気でうるさくてやかましくてさ」
奏「あら、いいじゃない。仲が良いならそれで。妹さんだって、楽しそうに貴方と話していたじゃない」
美嘉「もう、恥ずかしいって。まだまだやんちゃでね、アタシの真似してアイドルになりたいーって何度も言ってくるし」
奏「可愛らしいじゃない。せっかく話していたのに、邪魔してごめんなさいね」
美嘉「いいよいいよ。何か用事?」
奏「そうだけど、莉嘉ちゃんとお話していたなら、後にするわ。いきなり切っちゃったでしょう?」
美嘉「大丈夫だって。仕事のほうが優先でしょ?」
奏「いいの?」
美嘉「気にしなくていいって、それで?」
奏「さっき大尉から聞いたけど、神谷少尉と北条少尉の他にも2人、合流するみたいなの。私たちも混ぜた5人で、ユニットを組んでアイドルをやれって広報から来ているみたい」
美嘉「えー何それ、I@LPからまだ何も来てないけど……今まで持ってた仕事、どうなるんだろ?」
奏「上手くスケジュールとかは合わせて来るとは思うけど、お互いのスケジュール確認なら早いうちにやっておいたほうがいいかと思って」
美嘉「それじゃ周子も呼んで、3人で擦り合わせしておこっか。追加で来る2人にすぐ渡せる物、用意しておいたほうがいいよね」
奏「そうね。悪いけど少し付き合って頂戴。マニュアルの確認もしたいし……ブリッジでやりましょう」
美嘉「オッケーオッケー★ それじゃ行こっか」
……
…………
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:03:37.67 ID:Du4XMlAW0
――翌日、フレイヤU(ブリッジ)
ありす「整列してください。こちらが先日お話した神谷奈緒少尉と北条加蓮少尉です。お2人も2年程前から本プロジェクトのメンバーになっています」
ありす「ナオ少尉は前線、北条少尉は状況を見てブリッジ、前線任務の兼任となります。前線ではお2人の指示に従ってください」
ナオ「よろしく……といっても、同じ階級だしお互い気楽にやろうか。ここ緩いし」
奏「凛たちも同じことを言ってたわ。こちらも、そのほうが気楽だしよろしくお願いね」
加蓮「とはいえ、戦闘中の指示には従ってもらうことになるけどね……今回はギャルっぽいメンバーなんだ」
美嘉「ま、アタシはギャル売りしてるからね」
周子「あたしそんなにギャルっぽくないと思うんやけど……」
ありす「ナオさんについては前線での運用体系が特殊なので、後でシミュレーターで互いのマニューバの確認を行ってくださいね」
ナオ「普段はNGFに乗ってるんだけど、こっちだと状況次第でオプション兵装で出撃することもあるからな。P少佐が来ない限りはそういう機会はないけど」
美嘉「P少佐?」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:05:28.93 ID:Du4XMlAW0
加蓮「私たちがお世話になってる人。まあ、ゾーニング現象が起きたときの……ね?」
ありす「……コホンッ」
美嘉「あっ、あわわわわわわ……!」ガクガクブルブル
奏「ああ……そういうことね」
ナオ「おいおい、あまり脅かすなよ」
加蓮「ゴメンゴメン。ふふっ、でも今のヴァルキュリアシステムなら早々お世話になることはないと思うから、心配しなくていいよ」
周子「いやめっちゃ心配だけど……」
ナオ「ていうか、Pさんのこと話してなかったのか?」
ありす「話すとまたややこしくなりそうなので、別の機会の時でいいかと思っていたんです。さて、話が脱線してきたので……」
ありす「各員、現在ホクドウの軍本部から土星圏宙域内での次元振動が観測されています」
ありす「少し前から圏内での観測はされていましたが、今回は久しぶりに次元断層まで発展する規模の振動となります」
ナオ「つまり、土星圏に設置した干渉装置の効果をすり抜けて来たってことか」
ありす「そうです。残念ながら……とはいえ、そういった事態が起こることも想定されていました」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:07:07.32 ID:Du4XMlAW0
ありす「本艦はこれより3時間後に出航、提示されている指定宙域ポイントまで移動し次元断層の発生を確認後、空間転移されてくる対象に対して対応を取ります」
ありす「ビー種であれば本部に連絡後、識別信号及び広域電波伝達式の対話プログラムを用いて受入れ、G型及びGS型であれば迎撃を行います」
ありす「また、戦闘中に圏外観測されている超空間転移……次元跳躍現象の発生を確認した場合は、NGFの跳躍テストを兼ねた追跡行動に作戦を移行させます」
ありす「こちらについては事前に説明した通り、ナシヤマでの稼働テストとニュージェネレーション隊による運用テストを引き継ぐ形で実施します」
ありす「次元跳躍後は正規の手順を踏めば元の場所に戻れますので、マニュアルには再度目を通しておくように」
奏「了解です。跳躍テストが一番怖いわね……」
周子「他所の場所に行って帰ってこれないとかになったら、遭難だもんねー……」
ありす「ニュージェネの3人は慣れてからは楽しそうにテストやってましたけどね。それではこれより出航準備に入ります」
ありす「各自事前展開している作業を済ませておいてください。整備班の作業終了後に出航します」
……
…………
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:12:43.88 ID:Du4XMlAW0
――数時間後、土星圏宙域、フレイヤU(通路)
奏「ごめんなさい、少尉……じゃなかったわね。ナオ、作業手伝ってもらってありがとう」
ナオ「来たばかりだと、まだ慣れないだろ? フレイヤはブリッジメンバーが少ないから機材の移動もこっちでやらないと回らないしな」
奏「ホント、最初に聞いたときはとんでもない場所に来たと思ったけれど……本当に覚えることが多いわ」
ナオ「ノルンにいると前線任務だけやってればよかったからなー。あたしも、しばらくフレイヤにいたら裏方作業も覚えちゃったよ」
奏「そうね……そうだ、この後時間あるかしら? 今はブリッジの作業、美嘉と周子がやっているから早めに食事にしない?」
ナオ「ああ悪い、ポイントに向かう前にそうしておきたいんだけど、ちょっと整備長に頼んでた作業があってさ……コックピットブロックの換装、終わった後の再設定しなきゃならなくて」
奏「あら、それなら仕方がないわね。それじゃあ一人で寂しく食事にしておこうかしら」
ナオ「そ、そういわれると何だか気が引けるな……」
奏「ふふっ、冗談よ。それじゃあ後でね」
……
…………
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:13:52.46 ID:Du4XMlAW0
――フレイヤU(格納庫)
ナオ「ん、あれは……」
加蓮「……」
ナオ「加蓮、何やってんだ、こんなところで」フワッ
加蓮「あ、ナオ……ううん。何でもない」
ナオ「……3N-SDか」
加蓮「うん。定期メンテでコンテナから出してたんだって。フレイヤにいると、見に行きたくなっちゃってさ」
ナオ「そっか」
加蓮「この機体がここにあると、奈緒が私たちを見守ってくれているような気がして……もしかしたら、実は奈緒がまだ3N-SDに乗ってて、いきなり出てくるんじゃないかなって思って」
ナオ「みんな、この機体はお守りだって言ってるからなあ……アイツは、帰ったよ。自分のいるべき場所に」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:14:48.31 ID:Du4XMlAW0
加蓮「うん。さよならも言わせてくれなかったのは、ちょっとズルいけど……奈緒、元の世界でアイドルやってるのかな?」
ナオ「アイドル、やりたがっていたからな。アイツはNGFに乗って戦場に出るより、マイクを持ってステージに出るのが正しいんだから」
加蓮「ねえ、ナオ」
ナオ「なんだ?」
加蓮「ナオは、ずっと私の傍にいてくれる?」
ナオ「……何の為に、あたしが戻ってきたと思ってるんだよ。恥ずかしいし、わざわざ聞かなくてもいいだろ?」
加蓮「ふふっ、分かってる。だけど、言葉が欲しいから……言葉があると、もっと安心できる」
ナオ「……はぁ、このっ、このっ! 甘えん坊め、そんなんだと奈緒が安心できないだろ?」
加蓮「あんっ、もう……それもそっか。あ、そういえば奈緒にとっては私たちの世界はエロゲーの世界だから……もしかしたら私たちの様子、本当に見ていたりして……」
ナオ「え」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:16:47.05 ID:Du4XMlAW0
加蓮「だってそうでしょ? 奈緒って元々は私たちの様子は見れてたみたいだし」
ナオ「ははは、そんなまさか……いや待て、あたしも向こうに行ったときにプレイしたぞ……てことは、まだあの通信端末が繋がってるならその可能性も……」
加蓮「それじゃあ、私とナオがPさんにお願いして3Pしてもらった時の様子も見られてるってこと……かな?」
ナオ「う……うわああああああ!? そ、そんな……まさか、ア、アイツから見たらあたしも、エ、エロゲーのキャラみたいに……!」
加蓮「だってナオ、私がPさんとセックスしたときも見てたんでしょ? それならナオがPさんとセックスしているときだって……」
ナオ「あ……あ、あ……ああ、あああああああ嘘だ、嘘だそんなああああああああ!!!!」
整備長「お前らさっきから何騒いでんだよ」フワッ
加蓮「あ、整備長」
ナオ「これが騒がずにいられないだろ! あたしがPさんとセックスしてるの、奈緒に見られてるかもしれないんだぞ!? 自分にセックスしているところ見られるなんてどんな羞恥プレイだよ!」
整備長「今更過ぎるだろお前……んなことより、ほれ、コックピットブロックの換装終わったから再設定しといてくれよ」
ナオ「あ、わ、悪い……ありがとう。ヴァルキュリアシステムの入れ替え……これで、大分良くなったのかな」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:18:12.23 ID:Du4XMlAW0
整備長「前よりもっと後遺症の抑制も出来るようになったからな。アインフェリアのみんなもテストに入ったしよ」
加蓮「みんな、前の戦闘から色々大変だったのに……Pさんだって……」
整備長「まっ、嬢ちゃんたちもそうだけど、少佐の旦那なら大丈夫だって。これまでもそうだったろ?」
加蓮「まあ……そうだよね」
整備長「そういやお前ら、新入りはどうするつもりなんだ?」
ナオ「前線任務で使おうと思ってるけどな。フレデリカたちがこっちに来たら、ブリッジ担当も1人増えるし」
加蓮「そこら辺はありすともう少し話しておくけどね。私はしばらく留守番かな?」
ナオ「ま、ブリッジにありす1人だけってのは難しいだろ」
整備長「ナオはVPSPは使わねえのか?」
ナオ「奈緒もPさんいないからヴァルキュリアシステムは使えないし、3NXも貰ったからしばらくはそっちで十分だよ」
ナオ「もう少しメンバーが集まって、支援担当が必要になったらそっちに乗り換えるつもりだけどさ」
整備長「整備は済ませてるから、乗りたいときは言ってくれよ。今んとこはそんな規模の大きい戦闘はしない予定だけどよ」
ナオ「そうだな……もう少し先だ」
……
…………
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:23:22.65 ID:Du4XMlAW0
――数日後、フレイヤU(ブリッジ)
周子「指定宙域ポイントまで後10時間……遠いねぇ」
奏「そうね。ホクドウからここに来るまでの時間も長く感じるのに、これで長距離航行プランなんてあるんだもの」カタカタカタッ!
美嘉「……そうだね。でも、それで、その作戦で最後になるなら――」
パシュンッ!
ありす「お疲れ様です。様子はどうですか?」
美嘉「あ、大尉……今のところ何もありません」
ありす「そうですか。オートメーション機能の航路誤差は?」
周子「んー……マイナス1やね」
ありす「わかりました……おや奏さん、何を見ているんですか? ミーミルを起動させていますが」
奏「アルヴィスで公開されてる、長距離航行プランの概要です。実際にプランが実行されると、長い移動になるなと思って……」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:27:27.39 ID:Du4XMlAW0
ありす「とはいえ、光波推進システムの導入により随分と期間短縮がされています。超空間転移の導入が決まれば、更に短い期間になったと思いますが」
奏「確か……元々は、ずっと前に現行稼働されている戦艦に搭載予定のシステム、だったかしら……」
ありす「はい。光波推進システムについては、20年以上前に稼働していた艦……アウズブラ級大型宇宙航行艦アウズブラの一部で試験的に搭載されていました」
奏「随分昔ね……10年前ではもう、ユミルからノルンに移行していた時期だったって聞いたけれど」
ありす「ですが、システムを搭載していたアウズブラが有人による惑星探査……長距離航行試験も兼ねて行っていた最中、当時のキラー・ビーが発見されて……」
美嘉「……」
ありす「……まあ、キラー・ビーの存在により、後続艦への光波推進システムの搭載は見送られ、長距離航行プランは一時凍結せざるを得なくなりました」
ありす「その後はキラー・ビーの対策として、軍部拡張とグレイプニールの生産配備、ユミル等の戦闘用戦艦の実装が優先されることになりました」
周子「大変だねー、まったく」
ありす「まあ、今回の任務には関係の無い話です。長距離航行プランについても時期になれば展開されます。まずは今回の作戦を第一に考えましょう」
……
…………
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:29:02.12 ID:Du4XMlAW0
――10時間後、指定宙域ポイント、フレイヤU(ブリッジ)
ありす「次元振動発生地点の指定宙域ポイントに到着しました。これより、作戦を開始します」
ナオ「次元断層までには間に合ったか。編成は?」
ありす「ナオ少尉、速水少尉、城ヶ崎少尉、塩見少尉の4名は暫定アルファ小隊としてNGFで出撃、私と北条少尉はブリッジを担当します」
加蓮「そっち、まだI@LPに新しいユニット申請出してないもんね」
美嘉「ま、戦闘するだけなら関係ないよ」
ありす「各員、パイロットスーツに着替えて出撃準備をしてください。このチームでは初の実戦です。気を引き締めていきましょう」
「「「「「了解!」」」」」
……
…………
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:31:23.19 ID:Du4XMlAW0
――フレイヤU、カタパルト(機体内)
奏「新型で初めての実戦……シミュレーターでの戦闘は問題なくできたけれど……」カタカタカタッ!
ピピピッ!
ありす『各機、新型の性能はG型、及びGS型に十分対抗できる物になっています。空間転移で戦闘対象が出現した場合は、速やかに対処してください」
美嘉『了解』
周子『ちゃっちゃと頑張りますか』
ナオ『しっかりやってくれよ……加蓮、フレイヤは任せたぞ』
加蓮『大丈夫だよ、ナオも気を付けて。奏、持って来てたディフェンスパックの接続は大丈夫?』
奏「ええ、問題無いわ」
周子『ていうかこのパイロットスーツさぁ……』
美嘉『う、ううう……』
奏「随分と攻めたスーツだこと……他人の視線が怖くなりそうね」
ありす『そのうち慣れます。体のラインを見られるのが恥ずかしいのであれば、体型維持は怠らないように』
周子『いやそういう話じゃなくて……』
ナオ『ま、あたしも最初はエロスーツには戸惑ったけど、そのうち気にならなくなるって。それじゃあ行くぞ!』
加蓮『ハッチ開放完了、各機出撃どうぞ』
ナオ『了解、NGF-3NX、出撃する!』
奏「NGF-VS23SX、NGFヴァルキュリアでいくわよ」
……
…………
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/22(金) 19:35:34.61 ID:Du4XMlAW0
というわけで今日はこれで終わります。
今回の投下に伴って前作最後にやったおまけは半分無かったことになっています。
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 19:41:32.32 ID:KteWYZ6cO
おまけ…究極桜花斬のことかな?
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 19:50:32.91 ID:KSBX8iRJO
奏たちがダイオウカーの世界に行ってるからそれは無くならないんじゃ?
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/23(土) 16:17:33.29 ID:TrJeYTsyo
>>69
一人当たりの負担が減るから人数増やしますねってしんどさ変わってない……
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/23(土) 19:04:09.83 ID:hyD8eX9ao
ありすの両親の職業って出てたっけ
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:26:29.82 ID:77dB1cBt0
>>75
奈緒編の4スレ目の一番最後にちらっとやった奈緒がいなくなった後のおまけです。
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:30:14.40 ID:77dB1cBt0
――フレイヤU(ブリッジ)
ありす「北条少尉、フィールドジェネレーターを起動、次元振動情報を再取得してください」
加蓮「はい、観測データを更新……指定宙域ポイントで次元振動の発生を確認しています。次元断層まで残り30です」
ありす「ビー側からの情報と事前観測から、白蜂の可能性が高いです。フレイヤは戦闘準備を行います」
ありす「複合ミサイル発射管1番から20番にアルヴァルディを装填。高エネルギー単装砲レーヴァテイン1番を準備」
加蓮「ミサイル装填準備完了。次元断層まで20、10……次元断層発生しました。レベルは2……空間転移です!」
ありす「レーダー情報の再取得! 対象は!」
加蓮「予測通り極小規模の蜂の巣、GS型が3匹です!」
ありす「敵性と判断、コンディションレッド! 戦闘行動に移行します。アルファ小隊はGS型の迎撃、フレイヤの弾幕支援後に行動してください!」
加蓮「索敵結果をNGF各機に転送します。ポイントに向けてアルヴァルディ、発射!」
……
…………
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:31:41.77 ID:77dB1cBt0
――戦闘宙域
GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
GS型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!
ズドドドドドドドドォンッ!!
ナオ『アルヴァルディ着弾確認、戦闘開始だ。コンビネーションマニューバはH05、速水少尉、城ヶ崎少尉、あたしと前に出る。塩見少尉は支援だ』
奏「了解」
周子『はいはーい。頑張ってね』
美嘉『行くよ!!』ギュオオオオオッ!!
ナオ『おい、動くのが早いっての! 速水少尉、行くぞ!』
奏「張り切ってるんだから……了解!」ギュオオオオオッ!!
ナオ『塩見少尉、左の1匹に追加の弾幕で牽制!』
周子『ほーれ、ミョルニル!』ボシュシュシュッ!
GS型「!」ギュンッ!!
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:37:42.61 ID:77dB1cBt0
美嘉『分断出来た……このっ!』ガションッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
GS型「!?」ドガァァァンッ!
GS型「!!」ギュンッ!
ナオ『1匹止めた、速水少尉!』
奏「抑えるわ! そっちはお願い!」ガションッ!
奏「CG形態……立体機動戦闘で遅れを取るつもりはないわ、そこよ! ドラウプニル!」
ドガガガガガガッ!!
GS型「!」ヒュカカカッ!
奏「チッ……!」
ナオ『HCW-211ロングソードを展開する!』ガションッ!
ギュオオオオオオッ!!
GS型「……!」ギュオオオオオッ!
ナオ『セカンドドライバーじゃないが、近接戦闘で逃がすわけには! はあああああっ!』ブォンッ!
シュパアアアアアンッ!!
GS型「……」ブ……ブブ……
ドガアアアアアアンッ!!
ナオ『1匹!』
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:38:44.75 ID:77dB1cBt0
周子『うえっ、こっちで引っ張ったのが……!』
ナオ『速度上げろ!』ボシュシュッ!!
ドガガガガガッ!
GS型「!?」ギュンッ!!
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
奏「巣からGS型が……!」
ありす『各機、追加のGS型が3匹です! レーヴァテインで牽制します、現在戦闘中の奴らの対応を急いでください!』
ナオ「追加のお出ましか……!」
美嘉『まだこっちが終わってないのに……このっ、いい加減落ちろ!!』ドシュゥンッ!
GS型「……!」ヒュカカカッ!
ドシュシュシュッ!
美嘉『針……ぐぅっ!』ギュオオオオッ!
奏「美嘉!」ギュオオオオオッ!
ドガガガガガガッ!!
美嘉『奏……っ!?』
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:41:03.31 ID:77dB1cBt0
奏「無理していいコトなんて無いわよ。早いところ――」
GS型「!!」ギュンッ!
奏「こっちにも……!」
周子『後ろだって! ダインスレイヴ!』ズドォンッ!
ドガアアアアアアアンッ!!
奏「周子……!」ギュンッ!
周子『そっちが美嘉ちゃんフォローするなら、こっちだってフォローするからね』
奏「……」
周子『なーに、以外やった?』
奏「……いえ、そうね。チームってそういうものだものね」
周子『そうそう、美嘉ちゃんもしっかりやりなって』
美嘉『……ゴメン、ありがと』
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:43:31.44 ID:77dB1cBt0
ナオ『各機、コンビネーションマニューバをH02に、残りの2人もCG形態に切り替えて立体起動戦闘に移るぞ!』
周子『追加分も手っ取り早くすませないとね』
奏「了解。アレ、使っていいかしら?」
キィィィィン……
ナオ『……』
奏「ナオ! このタイミングでいいかしら?」
ナオ『ん……ああ、今のうちにシステムに慣れておいたほうがいい。急いでくれよ!』
美嘉『オッケー、行くよ! ヴァルキュリアシステム、起動!』ピシィッ!
パシュウンッ!!
奏「この感覚……! 視界が広くなって……いけるわ!」ドクンッ!
周子『残り4匹、さっさと終わらせよっか』
奏「ええ……!」ギュオオオオオッ!!
……
…………
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:47:51.42 ID:77dB1cBt0
――フレイヤU(ブリッジ)
加蓮「VS23SXの3機、ヴァルキュリアシステムを起動しました」カタカタカタッ!
ありす「バイタルデータを取得。システムログの採取は忘れずにお願いします」
ピピッ!
ありす「GS型の増援に伴い、艦を前進させます。ティルウィング発射準備、巣の破壊を試みます』
加蓮「陽電子砲は?」
ありす「ティルウィングで十分です。ティルウィング1番2番準備! 前進に合わせて再度アルヴァルディを射出します」
加蓮「弾幕支援を行いつつ前進します。射線データを各機に転送、艦速度上げます」カタカタカタッ!
ありす「アルファ隊の支援後、艦の――」ピクッ!
キィィィィンッ!
ありす「……」
加蓮「……大尉?」
キィィィィンッ!
ありす「……いえ、艦の正面にイージスの展開準備を。白蜂の砲撃に備えます」
ありす「この感覚は……」
……
…………
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:51:05.45 ID:77dB1cBt0
――同時刻、木星圏宙域、夕方、ナシヤマ、オート・クレール社工場(オフィス)
晶葉「すまんな、新型のテストデータの分析に付き合わせて」
P「いや、これくらいは構わん。今日は楓さんも一日中現場に行ってるし、それに自分が乗る機体だ。時間があればこれくらいはやる」
晶葉「テスターと合わせてやると、お前の稼働時間がな……とりあえず、後は私のほうで処理しとくから上がっていいぞ」
P「いいのか? 出力比の見直しも時間掛かるだろう」
晶葉「天才に向かって何を言っている。これくらい大した手間じゃない」
P「ならいいが……それじゃあ、すまないが今日は失礼する」
晶葉「ああ、しっかり休めよ。前からリハビリプログラムでこちらに来ていたとはいえ、退院したばかりなんだからな」
P「もう、だいぶ調子もいいんだがな……では博士、明日な」
……
…………
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:54:03.39 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ、ショッピングモール(広場前)
P「今日は楓さんに車出してもらっていたのを忘れてたな……美波たちはまだ本部だし、運動がてらに歩くか」
P「……」
『宇宙統一アイドルオーディション!! 期間登録受付中!』
『次期予定されているビー居住区画の改修計画、区画拡大については現状の受入体制の見直しと合わせ、増設予定のコロニーへの移住者の募集を開始しました』
『それにしても今年のシティホール、例年以上に賑わいましたね!』
『今年一番のアイドルユニット参加数ということですから当然! 軍の広報部にも依頼して例年以上にアイドルを参加させて頂きましたからね!』
P「……」
「次のライブどうする? チケット応募したんだけどさー」
「うちの会社なんだけど、この前ビーの勤務内容変わってね。採掘場に行くって話になって」
「今日はパパ、おうち帰ってくるからね。一緒にご飯作って待ってよっか」
P(……平和だな。人も、ビーも……誰もが……)
P(共に生きていく中で、決して小さくない問題もある。だが……皆で辿り着いた、価値のある平和)
P(そうだろう……黒井大佐、麗奈、奈緒……)
……
…………
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 00:58:30.04 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ(緑地公園)
P「晩飯、何か用意しようとしているもの、あったんだろうか」ガサッ
P「皆帰ってくるだろうし、鍋もいいかと思ったが……」
P「スーパー寄る前に聞いておけば――」
キィィィィン……
P「……?」ピクッ!
P(……なんだ?)
キィィィィン……
P(なんだ……何か、違和感が……)
P「この感覚は……」
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
P「端末から緊急速報……?」ピッ!
P「木星圏宙域……ナシヤマ防衛圏外に、蜂の巣……!?」
P「そんな、まさか……観測していた予測時期よりも随分と早い……いや、今はそれより……くそっ!」
タタタタタタッ!
……
…………
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:01:56.22 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ、オート・クレール社工場(オフィス)
晶葉「楓、現場に出ているスタッフも全員まとめてすぐにオフィスに戻ってこい! この宙域で次元断層が発生した!」
楓『そんな! それじゃあ、やっぱり……』
晶葉「認めたくないが、やはり観測データの推移通りだったということだ……とにかく来い!」カタカタカタカタッ!!
ピピピッ!
晶葉「おい大佐、さっさと通信に出ろ! 録音聞いたら掛けなおせ!」
ガタッ!
晶葉「くそっ! 木星圏宙域から内部、いや端末1台じゃ無理か。土星圏と火星圏の分は他の端末で取るとして……」
晶葉「対象宙域の空間構成情報の採取と次元振動、断層状況を……!」
ピピピッ!
晶葉「なんだ!」ピッ!
P『博士、俺だ!』
晶葉「助手か! 今どこにいる!?」
P『港にいる! 管理センターからの緊急速報を見た、どこの倉庫だ!』
晶葉「B7-2だ! だがまだ、こちらに空間転移後の情報が来ていないぞ!」
P『緊急時だ、悠長にしていられん。愛梨と蘭子には楓さんから連絡させてくれ、アインフェリアもだ!』
晶葉「分かった。後でこちらの測定状況は送りつけておく。頼むぞ!」
P『当然だ!』
……
…………
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:05:05.34 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ(戦闘宙域)
「隊長! 空間転移地点から蜂の巣の出現を確認! 中規模の巣が1つです!」
「迎撃部隊の編成が足りん。管制塔から本部に連絡させて待機部隊も出させろ!」
「レーダー照合、表に出ているのはGS型10、G型3です!」
「中規模ならばG型まで出てくるか……3Nのパイロットは支援、残りは前に出る! コンビネーションマニューバだ!」
GS型「!」ギュンッ!
G型「!!」ギュオオオオオオオッ!!
「迎撃行動に入る。待機部隊の出撃まで無理はするなよ!」
「了解!」
……
…………
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:08:21.05 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ、軍本部
キィィィィンッ!!
美波「この声は……あの時と同じ、みんなの……いえ、でもそれだけじゃあ……!?」
キィィィィンッ!!
「ダメだよ! アンタたちはみんな食べるつもりなんでしょ!? ヒトだって、私たちだっているんだから!!」
夕美「どうして!? 前にお話ししたときより……ずっと、ずっと怒っている声……」
キィィィィンッ!!
藍子「ダメです、ここにはみなさんがいるんです! あの時、分かってもらえたんじゃなかったんですか……!?」
キィィィィンッ!!
文香「いけません……全てを、衝動に変えてしまっては……これ以上は、命ある者として……二度と、戻れなくなります……」
……
…………
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:09:40.15 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ(戦闘宙域)
G型「!!」ヒュカカカッ!
ドシュシュシュッ!
「うわあああああああっ!?」
ドガアアアアアアアンッ!!
「迎撃部隊稼働率低下! GN-003、006、007の反応がありません!」
「巣もナシヤマに向けて接近しています! このままでは部隊が持ちません!」
「3NX、4Nについては全機GNブーストの使用を許可する! 巣の対応を行うヴェールの出撃はまだか!!」
「間に合いません! このままでは防衛ラインを突破されます……ああっ!?」
GS型「……!」ブゥゥゥンッ!!
「しまった、1匹抜かれた!?」
「このままでは――」
ピピピピピッ!!
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:10:58.51 ID:77dB1cBt0
ズドォォォォンッ!!!!
GS型「!?」ドガアアアアアアアンッ!!
「防衛ラインを抜けたGS型の反応が消滅! 管制塔側よりコロニー周辺に積層イージスの展開が行われます!」
「今のは……今の砲撃はどこから来た!?」
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
「宙域に接近するNGFが1機……い、いえ、NGFではありません、グレイプニールです!」
「この時代に戦闘機だと!? 機体コードは!」
「機体コード……VILS-01R……未登録のコードです」
「なんだ、なんだあの機体は……!?」
P『VILS-01Rヴァルキュリア、出るぞ!』ギュオオオオオオオッ!!
……
…………
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:15:52.75 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ、管制塔(管制室)
「積層イージスの展開完了。コロニー内で避難完了済の連絡がある一般住居区画の機能を順次停止させます」
「避難誘導、各シェルター点灯しています。工業区画にいる住民の一部は軍用地下施設へ誘導しています」
「何だあの機体は!? 海賊がこちらまで出張ってきたのか?」
美優「十時愛梨大尉、神崎蘭子中尉より……出撃申請が来ています。迎撃部隊出撃用のカタパルトへ、NGFを移動させます」
「あの戦闘機は! ミーミルで過去の戦闘記録から類似機種を探せ!」
ピピッ!
「アルヴィス内の対話の日の戦闘記録で、同一機種と思われる機体の戦闘データが存在しています」
「VILS-01、プロジェクト・ヴァルキュリアが保有していたグレイプニールの派生機です」カタカタカタッ!
「プランVのところか!?」
ピピピッ!
美優「管制室への直接通信です。回線開きます」カタカタカタッ!
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:17:40.63 ID:77dB1cBt0
P『こちらオート・クレール社ナシヤマ支部技術開発部門所属技師、Pだ。古い機体だが戦線に参加したい。ローカル識別コードをもらえるか』
美優「え、Pさん……!?」
「P、P……P少佐か! 何故オート・クレールの立場で……」
P『2年前までは嘱託扱いで軍に戻っていたが、またしばらく離脱していたのでそちらに機体を置いていなかったんだ。頼めるか?』
「いや構わん、すまないが迎撃部隊に手を貸してやってくれ。間もなくシンデレラガールズも出撃するところだ」
P『2人も出るか……美優、すまんが管制室で測定している宙域データとレーダー状況をウチの開発室に転送しておいてくれ。後で報告書は出す』
美優「は、はいっ……識別コードについても振り分けます……」
P『では行ってくる。機体が機体だ、あまり無理はしないさ』
ピッ!
……
…………
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:22:24.93 ID:77dB1cBt0
――ナシヤマ、軍管区施設、カタパルト(機体内)
蘭子『愛梨ちゃん、準備は大丈夫?』
愛梨「はいっ、整備点検も終わっていたみたいだからバッチリです!」カタカタカタッ!
蘭子『Pさん、VILS-01で出るなんて無茶苦茶なんだもん……もう……』
愛梨「Pさんなら大丈夫ですよ。私たちも頑張りましょうね」パチッ、パチッ!
蘭子『……うむ! 宵闇の中、我が堕天の翼を羽ばたかせ眷属の元へ!!』
愛梨「戦闘中は標準語、ですよ♪」
蘭子『はーい』
『出撃準備完了。発進お願いします』
愛梨「わかりました。十時愛梨、NGF-VSTG4-FWでいきまーす!」
蘭子『漆黒の翼、ブリュンヒルデ……NGF-VS02CS、出撃します!』
……
…………
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:29:48.26 ID:77dB1cBt0
――戦闘宙域
P「貴様たち……グラム発射!」ズドォンッ!!
GS型「!?」ドガアアアアアンッ!!
P(干渉装置の効果はあるはずだ……だが、それを抜けてきたということはやはり……このままでは持たないのか!)
G型「……!!」ブブゥゥゥゥンッ!!
P「……それでも、貴様たちにコロニーをやらせるわけにはいかん!」ピッ!
『―Super Maneuver Mode Migration―』
G型「!!」ヒュカカカッ!
ドシュシュシュッ!!
P「……!」ギュンッ!
キィィィィン……
P「……っ!?」ピクッ!
P(また、この感覚は……違和感が……いや、今はそれより……!)
P「貴様等の動きは……見える。針になぞ当たらん!」ギュオオオオオオオッ!!
ガションッ!!
P「ダインスレイヴ!」ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!
G型「……!」ドガァンッ!!
P「そこだ!」ズドォンッ!
G型「……」ブブ……
ドガアアアアアアアンッ!!
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:37:31.20 ID:77dB1cBt0
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
P「巣から追加の奴らが来たか……G型2、GS型8……!」
ピピピッ!
愛梨『蘭子ちゃん!』
蘭子『はい、ウイングバインダー展開、バルムンク照準!』
愛梨『指定区域内のスティングにターゲット……フルウェポン、バーストします!』ピピピピッ!!
ズドドドドドドドドッ!!!!
P「十時大尉、神崎中尉か!」
愛梨『はーい♪ Pさん、大丈夫ですかぁ?』
蘭子『うむ! 眷属を守護するのは当然のこと!』
P「戦闘中は少佐と呼べ。後お前は標準語だ」
蘭子『はぃぃ……』
P「来てくれて助かるが、流石にこの機体でお前たちとマニューバを組むのは……」
愛梨『いけると思いますよ〜? グレイプニールとNGFの混成マニューバって初めてですけど』
蘭子『Pさんだからあんまり心配してないから……』
P「あ、そう……それならコンビネーションマニューバはY03で行う。中尉、前を頼む」
蘭子『了解です!』
愛梨『私、この装備じゃGN形態になるの大変ですし支援しますね』
P「よし、では行くぞ。コロニーを背にしてG型を相手するのは、迎撃部隊では荷が重い。なるべくこちらで片付ける」
愛梨『頑張りまーす!』
……
…………
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:40:46.04 ID:77dB1cBt0
――同時刻、土星圏、戦闘宙域
奏「これで最後よ! 美嘉!」
美嘉『オッケー! 足止め任せたよ!』
周子『りょうかーい。16連装誘導ミサイルランチャー、ミストルティン発射!』
ボシュシュシュシュシュッ!!
GS型「……!」ギュンッ!
奏「そこよ!」ドシュゥンッ!
美嘉『サーベル! これでええええええ!!』ブォンッ!!
シュパアアアアアンッ!!
GS型「……」ブ、ブブブブ……
ドガアアアアアアアンッ!!
美嘉『やった……!』
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:41:43.78 ID:77dB1cBt0
奏「巣のほうは!」
ズドドドドドドドドッ!!!!
ナオ『ティルウィングが……フレイヤも巣の破壊は終わったか』
ピピピッ!
ありす『はい。こちらも完了しました。コンディショングリーンです』
加蓮『みんな、お疲れ様』
奏「ふぅ……終わったわね」
周子『あー疲れた。よかったよかった』
美嘉『大尉、もう大丈夫?』
ありす『はい。レーダー情報からもこの宙域にこれ以上白蜂はいません。また、次元振動についても停止しているので、これで作戦終了です』
ナオ『了解……それじゃ帰艦するか』
……
…………
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:42:44.11 ID:77dB1cBt0
――フレイヤU(格納庫)
パシュンッ!
奏「ふぅ……良い機体ね。システムも……確かに、S-02で戦闘をしていた時よりも、随分と視界がクリアだったわ」
奏(これが、新型……これなら、何があっても……)
周子「奏ちゃーん。よしよし、元気そうやね」
奏「どうしたの? 別に、被弾は無かったじゃない」
周子「いやいや、ほら、あのシステム使ったしさ……何ともないかなって思って」
奏「そう、ね……少し、興奮しているかもしれないけれど、これくらいなら……あら?」ピクッ!
美嘉「……」
奏「美嘉、どうしたの?」フワッ
美嘉「あ……う、ううん。なんでも……」
奏「……まったく、最初に前に出られたときは少し焦ったわ。だけど……上手くやれてよかった」
美嘉「奏ちゃん……」
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:44:24.81 ID:77dB1cBt0
奏「こっちも、美嘉のマニューバにも、周子の支援にも助けてもらったもの、ね」
周子「そりゃそうでしょ。あたしたち、チームなんだからさ」
美嘉「……そーそー、これくらい、お互いフォローし合うのは当然でしょ★」
奏「……そう、そうね。そうよね……ありがとう」
奏(そう、チームなのよね……私たちは……)
ナオ「……なんだ、結構仲いいじゃん」
整備長「同じ時期に来たんだし、仲良くなるだろうよ。嬢ちゃんたちには上手くやってもらわねぇとな」
周子「んー? おっ、整備長が迎えにきてくれてる」
奏「ナオも、ありがとう。戦闘中は助けられっぱなしだったわね」フワッ
ナオ「これくらいなら問題ないよ。3人も、シミュレーターで見た以上に動けていたからビックリしたよ」
周子「いやーでもさ、剣振り回して突っ込んで帰って来るなんて真似、あたしには出来ないかなー」
美嘉「ナオだから出来るんでしょ。アタシたちはアタシたちで、一緒にやっていこうよ★」
奏「そうね。しばらくはこのメンバーで組むんだもの……よろしく、お願いするわね」
……
…………
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/24(日) 01:47:09.36 ID:77dB1cBt0
というわけで今日はこれで終わります。
明日からデレステも4倍期間に入るので頑張りましょう。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/24(日) 02:12:56.38 ID:VnF6j3K4o
乙
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/24(日) 03:54:36.94 ID:Yow6dZw9o
乙
G型とか細かく覚えてないから読み直さないとな
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/25(月) 18:44:13.90 ID:E0UcN+C4O
冒頭見るに多数の犠牲を払っての生還ENDなのかな?
セカンドドライバーさんはまた合体しにくるんだろうか
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/26(火) 20:01:46.12 ID:WDvFwgF60
――木星圏、ナシヤマ(入港口)
パシュンッ!
P「では、やはり火星圏から土星圏まで、度重なる次元振動の影響で空間が安定していないのか」
晶葉『そういうことだ。干渉装置の稼働データや各宙域の情報も定期的に採取して分析していたが……予測よりも随分と早まっている』
P「予測データが出ていたとはいえ、こうも事態が前倒しになると対応も困難か。次元崩壊……大佐にこのことは?」
晶葉『今日中には連絡する。それに、奴らが再び空間転移でここまで来たんだ。気にして向こうから開発室に顔を出しに来るだろう』
晶葉『恐らく、土星圏外で確認されていた白蜂共の他にも、こちらの宙域に気付いて空間転移を試みようとしていた奴らも相当数いるんだろう』
晶葉『奴らの空間転移による次元振動、及び次元断層によって発生するエネルギーに対し、干渉装置が同量のエネルギーを与えて相殺している』
晶葉『だがそれも、あくまで応急処置として行っていた対応……もっと早くにクイーンとの相互理解を図ることが出来たら、ここまでにはならなかったが』
P「しかし、こちらの準備が出来ていなかった。アインフェリアも、俺たちも……こればかりは、どうしようもない」
晶葉『そうだな……そちらはどうなった?』
P「巣は出撃したヴェールが破壊した。コンディショングリーンになったから戻ってきたが……これから俺も会社に戻る」
晶葉『いや、お前は今日はもう帰れ。それなりに健康体に戻っているのは分かっているが、先日退院したばかりの病み上がりだ』
P「そうも言ってられないだろう。こうなってしまった以上、ここだけではなく他の宙域にも奴らが再び空間転移してくることになる」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/26(火) 20:03:47.63 ID:WDvFwgF60
晶葉『馬鹿者、だからといってお前1人でどうにかなる話ではない。少し休め……上司からの命令だ』
P「……分かった」
晶葉『しかし、このままでは……だが、この状態が続けば高い断層レベルの発生がなくとも、他の次元との境界が曖昧になる。そうなれば、また――』
P「晶葉」
晶葉『……そうだったな。もう、アイツは帰ったものな』
P「奈緒は自分のいるべき世界に帰った。もう、何があってもこちらの世界に戻ってくるべきではない」
P「この世界で、奈緒は俺たち共に戦ってくれた。だから……あんな物も、必要ない」
晶葉『……ああ。だがな、私は開発者として……1人の人間として最善を尽くすだけだ。少しでもその可能性があるなら、未来に繋がるのならば』
P「……」
晶葉『お前の気持ちは分かる。私たちは奈緒に助けられた、アイツの戦う意思と、願いに……私たちが、応えてやらないとな』
P「ああ」
……
…………
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/26(火) 20:08:56.25 ID:WDvFwgF60
――ナシヤマ(港前)
P「……俺たちが、応えなければな」
「Pさん!」
P「美波……どうした?」
美波「どうしたじゃありません! 美優さんから聞いて……愛梨ちゃんたちも出撃したって」ギュッ!
P「そうか。皆は大丈夫だったか?」
美波「みんな、今日はI@LPの前に本部に来ていましたから……でも、私たちよりPさんが! 退院したばかりなのに……」
P「心配掛けたか。すまなかった」
美波「Pさんに何かあったら……私たちが行かないと……」
P「アインフェリアの……美波のやることは別にある。俺のやることは、お前を守ることだ」
美波「……もう」チュッ
P「ん……どうした。外でこういうことは……」
美波「昔から、無茶ばかりして……貴方は、いつも私たちに……」
P「ああ、もう無茶はしない。それより、帰る前に軍本部に行こう。愛梨も蘭子も、そっちに戻ったはずだ。みんなも迎えに行かないとな」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/26(火) 20:14:47.25 ID:WDvFwgF60
美波「はい……でも、その前に……んっ……んふっ……」チュッ
P「……だから、やるならここじゃなくて」
美波「はぁ……ダメ、我慢出来ない……はぁっ、はぁ……」
P「待てまて、こんなところでやめてくれ。公道で堂々とセックスするのは流石にマズイ」
美波「セックスって……私、セックスなんて一言も言ってないのに。もう、エッチなんですからっ」
P「お前にだけは言われたくない……これまでの経験からそう思わざるを得ないだろ……」
美波「ふふっ、でもその気になってくれているなら……今晩、楽しみにしていますね」
P「……とにかく、軍本部に戻るか」
美波「はい……あ、Pさん。戻りながらでいいんですけど、1つお話が」
P「なんだ。あまり変態的なプレイは……」
美波「違います! その……私だけじゃなくて、文香さんたちも……聞こえたんです、声が」
P「声?」
美波「怒りの声が……恨みの声が……悲しんでいる。ずっと、ずっと……とても長い間、私たちと、みんなが出会う前から……」
P「……それは、クイーンのことか?」
美波「そう、かもしれません。だけど、声が聞こえたのに、ちゃんと聞くことが出来なくて……私たちの言葉も……」
P「お前こそ無理をするな。必ず、そのときが来る。俺たちがクイーンに会いに行くときに」ギュッ!
美波「……はい」
……
…………
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