高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」

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104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 21:06:30.10 ID:eJvlprTto

友奈「……そうだ……高嶋友奈の役目は、まだ……まだ終わってなんかいない……!」

友奈(記憶は大分曖昧になってしまっているけど、これだけは覚えている。風先輩を止めて、それから、それから──!)

友奈「東郷さんの、心を……守って、あげないと……」ズキッ!

友奈(頭痛がひどい。吐き気と共に、今すぐにでも高嶋友奈が消えそうになる。このまま結城友奈で良いような気さえしてくる)

友奈(だけど、耐える! 私は絶対に成し遂げなければならないことがあるから!)

友奈(──私は友奈!)

友奈(ほんの少し前まで知っていたはずなのに、今はなに友奈かは思い出せないけど……友奈であるならそれで十分!)

友奈(どんな友奈であっても友達を助けたいという気持ちに変わりはないから)

友奈(部屋を出て、外に出て、道路に出る。大赦からメールが来ていた。風先輩を止めて欲しいと書かれていた。東郷さんにも注意してあげて欲しいと書かれていた)

友奈(頷く)

友奈(ふらつく足取りが途端にはっきりした)

友奈(──私は友奈)

友奈(結城友奈であり、高嶋友奈!)

友奈(……今度は思い出すことができた。多分、これが最後になるのだろう)

友奈(私は友達を守るため、前へと進んで行った──)






                     高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」終






105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 21:08:59.95 ID:eJvlprTto

【次回予告】

犬吠埼姉妹の女子力を見せてあげるわッ!

                        やるじゃない、先輩!

私がこの悲劇を終わらせてみせる!

      それがきっと! アタシがここに居た理由だからッ!

勇者たちよ! 私に続け!



                『満開!』

一目連っ!

                             七人御先ッ!



               『私たちは!』



             『勇者に──なる!!』






           高嶋友奈の章 第三話「純潔」






106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 21:10:01.95 ID:eJvlprTto

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました

これにて『高嶋友奈の章 第二話「心の平安」』は終了となります
お察しの方もいるかもしれませんが今話は『心の平安=ホオズキ=偽り』が物語のテーマです
と言うことは純潔は……と言うお話なのですが、事前告知通りこの第二話で一旦物語は終了となります

また、執筆時間があまり取れず長期間となってしまい誠に申し訳ございませんでした
加えて誤字脱字、重複表現、違和感のある台詞等が多々ありましたので、ほぼ全編に渡って修正したものを下記に上げております(内容に変更はありません)
もし今からお読みいただける場合はこちらがお勧めです
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9063709

ゆゆゆ2期も先日最終回を迎え、綺麗な終わりでありながら続ける余地を残していたのが嬉しい限りです(ちなみに次の純潔の話で一部似た展開があったりなかったり……)

では、またどこかで

107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 21:11:40.47 ID:eJvlprTto
【おまけ・小ネタ解説】
・なんか凄いマッサージチェア→今住んでいるところのイオンに置いてあったので実際に体験済みです
・北条って結局誰よ?→チャットシリーズから名前だけ友情出演(番外編で肩もみを書いていたため)
・マサオさんとぬーぼー→友奈ちゃんの部屋にある漫画の名前を一部だけ変更
・わかばード→早速取り入れていることからも分かるようにこのSSは割と即興です
・前回の予告の台詞回収→上のため結構大変でした
・番外編で出てきた少女って?→くめゆを読もう!

多々あるけど、パッと思いついたところではこんなところでしょうか?
他にも探してみるのも一興かもしれません
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 21:40:38.82 ID:aJn1eCkK0

次も楽しみにしてる
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/08(月) 01:00:44.90 ID:WsjyoplN0
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/08(月) 19:58:17.10 ID:W+XkJAfGo
多々誤字等ありますが、物語上マズイ誤字がありましたので2レス分修正しておきます


>>91

*上里家・書庫


千景(……ここまであっさり通されると、拍子抜けを通り越して罠でもあるのではないかと警戒してしまうわね)


千景(午前の早い時間、上里家へと訪れた私は『鷲尾須美は勇者である』の小説をこの家の者に渡していた。いくつかの交渉を覚悟していたけれど、彼女は恭しく小説を受け取り、こうして上里家秘蔵の書庫へと真っすぐ通してくれた。……上里ひなた似の女性の様子から、生前の知人が何か言い残したことは明らかであり、私の知る上里さんらしいとも思ってしまう)


千景(……)


千景(そう、先日勇者服姿になったのが悪かったのか、今日に至っては乃木さんたちと行った模擬演習の記憶すら私は所有していた。他方で小学校以前の記憶もあちらの郡千景の記憶に全てすり替わってしまっているようだった。……もう私には猶予がないと言うことだろう)


千景「でも、させないわよ、郡千景。高嶋さんの記憶だけは、あなたに絶対に渡したりなんかしない!」


千景(発声し、私は決意を再び胸に宿す。──閑話休題、手早く目的のものを探し出してしまおう)


千景(屋敷の中の書庫だけあって広く蔵書も多いが、反面整頓は為されていて、家の者から聞いた情報があれば目的に辿り着くことは容易だった。だから、本棚の左上から本を数冊抜き出し、出てきた背面の平板を右へスライドする。……隠し扉の向こうには御記と呼ぶにふさわしい冊子が三冊収められていた)


千景「……なるほど、そう言うこと」


千景(三冊の中の一冊、そこには綺麗な楷書で『勇者郡千景様』と書かれていた。この状況を予測していたのだろうか? ……など色々思うところはあったが、表紙をめくり躊躇なく中に目を通していった)


千景(『西暦の終わり、人の中に神器を扱える者が現れました。彼女たちはその力を用いてバーテックスと戦い、今の世の中の礎を築いたのです。人々は神器に選ばれた少女たちを"勇者"と呼び称えました』)


千景(『初代勇者の数は五名。大赦に残される書物には四名とかしか書かれていないでしょうが、確かにもう一人の勇者が居たのです。彼女の名前は──郡千景。私たちの友人であり、他の勇者たちと戦い抜き世界を守った紛うことなき英雄。しかし、大赦はその独断で歴史から彼女を抹消してしまいました』)


千景(『人に刃を向けようとしたこと、それは確かに人々が思い描く勇者とは乖離してしまうのかもしれません。ですが、我ら人が、その罪が、彼女を凶刃へと駆り立てたことも間違いようのない事実です。周囲の人が彼女を追い詰め、大赦もまた、精霊使用による穢れの累積を認識するところまでたどり着いていても尚、我々が生き残るために、勇者たちへは精霊使用の厳禁を言い渡すことはありませんでした』)


千景(『人の心の醜さが、被害者であるはずの彼女を歴史から抹消してしまったのです。大赦に席を置く身で言えることではありませんが、彼女を決して忘れないために、それ以上に友として、私は彼女に関する記述をこうして残すこととしました。上里の子孫は永延、郡千景が確かに居た証を守り抜くよう厳命とします。──千景ちゃん、これくらいしかできない私を、叶うことなら許してください』)



111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/08(月) 19:59:26.37 ID:W+XkJAfGo

>>92

千景「……」


千景(思うことがなかったかと言えば嘘になる。けれど、今の私に必要な情報であるかと問われればそれも否。几帳面な字でびっしりと書かれているため、最初の数ページを読んだだけで疲労と、それなりの時間が経過していた)


千景「……必要な部分だけ読みこんで、後は流し読みが最善のようね」


千景(改めて続きを読んでいく。先ほどのペースでは本日の夜に至っても三冊の読了に至らないだろう。本当に必要な情報だけを精査しながら目と手を動かしていった)


千景(ふと、ある記述を見つけ手が止まる)


千景「──玉藻前とは、随分大層な名前ね」


千景(一冊目の御記の中ほど、大赦の保有する三大精霊、三大妖怪に関する記述があった。乃木家が保有する大天狗、この世界の高嶋さんが使用したとされる酒呑童子、──そして、郡千景に実装されて結局使われることのなかった玉藻前)


千景(玉藻前、要するに九尾の狐ね。その知名度、妖怪としての格の高さから、相当に強力な精霊だったことは容易に想像がつく。……正直、私の帰還に一切関係しない情報ではあるが、頭の中に念のため留めておこう。なにぶん、現状の七人御先ではバーテックスとまともに戦うことすら難しいのだから)


千景(けれど、あの手甲が精霊の集合体で郡千景の記憶を持つものなら、七人御先と言う精霊はおそらく──)


ブルルル


千景(着信? ……三ノ輪さんからね)


千景「千景よ。動きがあったの?」


銀『あ、千景さん! 実は今、東郷さんの家に呼び出されてしまったんですよ!』


千景「……予想よりも一日早いわね」


銀『しかも東郷さんの家の周りを監視していたところを見つかってしまって、もうすでに東郷さんの家にアタシと風先輩、友奈さんが揃っているんです。今、トイレで電話をしていますけど、そんなに長くは居れないですし、どうしましょう……? あと、東郷さんは何故か千景さんだけ呼んでいないんですよね?』


千景(大方三ノ輪さんの不幸体質で見つかったと言う理由なのでしょうけれど、東郷家への事前配置がアダとなったわね……)


千景「状況は飲み込めたわ。三ノ輪さんはこのまま史実通り物語を進めなさい。私もすぐに上里家から出て次の計画へ進むわ。正直口惜しいことがあることは確かだけれど、臨機応変に対応するしかない場面よ。私が呼ばれていない理由も想像は出来るから、その辺は気にしなくて良いわ」


銀『わ、分かりました。何かあったらまた連絡します。……そんで、東郷さんを思わず止めてしまわないように努力してみます』


千景「ええ、お願いするわね」


千景(通話を切り、早速行動を開始する。全然読み進められていないが、物語は動いてしまい、ゆゆゆで言う第十話から最終話までの局面が一斉に押し寄せてくることは必至。最早贅沢は言っていられない状況だった)



112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/08(月) 20:03:12.33 ID:W+XkJAfGo
上記修正箇所は『初代勇者の人数』と『鴉天狗→大天狗』になります
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 22:20:33.57 ID:QHT5/WDno
続ける予定はないと言っておきながら……下記が次スレとなります

結城友奈「これは勇者たちの物語」
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