【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 22:59:54.29 ID:3NMTT9P50
ゆうき「はじめまして、わたしは王野(おうの)ゆうき!」

ゆうき「私立ダイアナ学園に通う中学二年生なの」

ゆうき「新しい一年の始まりの日、ぬいぐるみみたいに可愛い妖精、ブレイと出会って、」

ゆうき「いつの間にやら伝説の戦士をやることに!?」

ゆうき「迫り来る闇の欲望『アンリミテッド』の魔の手からブレイたちを守り抜き、」

ゆうき「闇に飲み込まれ消滅した光の世界『ロイヤリティ』を復活させるために!」

ゆうき「勇気と誇りを胸に、精一杯がんばるよ!」


めぐみ「はじめまして。わたしは大埜(おおの)めぐみです」

めぐみ「私立ダイアナ学園に通っています」

めぐみ「新学年の始まりの日、王野さんを想った言ったことで、王野さんを傷つけてしまいました」

めぐみ「不器用で優しくないわたしにどこまでできるかわからないけど、」

めぐみ「妖精のフレンを守るため。光の世界『ロイヤリティ』を救うため」

めぐみ「そして、わたしたちの住まう人間の世界『ホーピッシュ』を守るため」

めぐみ「伝説の戦士としてがんばります!」




   「「プリキュア・エンブレムロード!」」


   「立ち向かう勇気の証! キュアグリフ!」


   「守り抜く優しさの証! キュアユニコ!」


   「「ファーストプリキュア!」」





ゆうき「……っていうことで、大埜さん、がんばろうね!」

めぐみ「ええ、王野さん。わたしたちにできることを精一杯やりましょう」

ブレイ 「ブレイもがんばるグリ!」

フレン 「フレンもニコ」




めぐみ「新番組、ファーストプリキュア!」

ゆうき「12月24日(日) 午前10時よりスタート!」

    「「お楽しみに!」」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1513432793
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 23:01:09.64 ID:3NMTT9P50
・毎週日曜10時に更新する予定ですが、お休みをすることや、時間をずらすこともあると思います。

・感想・質問等、たくさんいただけると嬉しいです。更新中の書き込みも大歓迎です。

・スイートプリキュアの頃から書いていたものなので、他のプリキュアとの色々な被りは悪しからずご了承ください。
 (というかめぐみという名前がそもそも最初から被っています)

・キャラクターの容姿等、ご想像にお任せします。本編で描写はします。

・50話ほどで完結です。一年間お付き合いいただければ幸いです。

>>1の番宣もどきは台詞形式ですが、通常の話は小説形式です。

・プリキュア好きの方、その他の女児アニメ好きの方、見て頂けたらうれしいです。



来週からよろしくお願いします。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:04:10.32 ID:k8A6T+9F0
奈良来週立てろよ

期待
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 10:02:34.25 ID:3zYuh2uB0
【結成! 「おーのコンビ」はプリキュアコンビ!?】


★          ★          ★


 ジューッと。ベーコンの焼ける音が小気味良い。

「えっと、たまごは、っと……」

 フッとこうばしい香りがはじけて、頃合いだと分かった。冷蔵庫から取り出しておいたたまごを手に取る。室温で汗をかいたたまごは、キッチンに差し込む朝日に照らされて、キラキラと輝いている。

「……うんっ。きれいな目玉焼きにしてあげるからね」

 フライパンの縁でからを割る。少し力を入れて、片手でパカッ、と。

 ふと、頭上からりんりんとやかましい音が聞こえた。目覚まし時計がねぼすけをがなり立てているのだろう。時計に目を向けてみれば、もう七時だ。

「いっけない。トーストも焼いておかないと」

 たまごをさっさとフライパンに落とし、少し間を置いてから水を少々注いでフタをする。少しキッチンから身を乗り出すと、のろのろとやってきた小さい人影が見えた。

「あ、ひかる、ちょうどいいところにきた!」

「……?」

 寝ぼけまなこをこすりこすり、弟のひかるが自分を認めたようだった。

「あ……おはよ、お姉ちゃん」

「はい、おはよう、ひかる」 にこっと挨拶を返してから。「ごめんね、食パンをトースターで焼いておいて」

「あー……うん」

「まずは顔を洗ってからね」

「あー……」

 基本的に、寝起きはボーッとしている弟だった。のそのそと向かう先は、洗面台だろう。

「……それにしても、ともえが起きてこないなぁ」

 妹のともえが降りてこない。目覚まし時計も鳴りっぱなしだ。

 そんなことを考えていると、フライパンにかぶせておいたフタがカタコトと音を立て始めた。

「あ〜、黄身が固くなっちゃう」

 ――ただでさえドジばかりやる自分が、よくここまで家事をこなせるようになったものだ。

 どこか感慨深い思いで、ゆうきはふっと微笑んだ。



 王野 (おうの) ゆうき、13歳。

 今日から中学2年生だ。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 10:04:46.30 ID:3zYuh2uB0

☆          ★          ★


 結局、ともえはひかるが起こしにいくまでリビングに来ることはなかった。

「まったくもう。ともえ、もう小学6年生なんだから、自分で起きられるようにしなさい」

「はーい」

 まるっきりの生返事。反抗期というやつだろうか、最近この妹は自分の言うことをきかないことがままある。

「ちょっと、ともえっ」

「分かったってば。明日から気をつけるよ」

 少しつり上がったまなじりに、ぷるんと艶やかな唇、サラサラの亜麻色がかった髪、歯に衣着せぬ性格、何をとっても自分とは正反対の妹だ。

(それに比べてわたしは……)

 嫌になる。トロンと垂れたやる気のない目つき、リップをつけなければすぐ乾いてしまう薄い唇、しっかりリンスをしなければ翌日言うことを聞かない真っ黒の髪、天然と言われることが多いボケた性格。それが自分、王野ゆうきという姉だ。

「お姉ちゃん?」

 気づけばぼーっとしていたようだ。ひかるが自分の顔をのぞき込んでいる。その末弟もまた、ともえとは異質にせよよく整った美男子だ。

「あ……なんでもない。早く食べて学校行こ」

 少し気弱で優しい弟を心配させまいと、ゆうきは気丈に笑った。

 父は単身赴任中。母は看護師のお仕事の関係で夜と朝はいないことが多い。

(だから、わたしがしっかりお母さん代わりをやらなくちゃ)

 新しい1年の始まりの日。ゆうきは慌ただしく弟妹を見送って、自分も学校へと向かった。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 10:07:15.80 ID:3zYuh2uB0

 私立ダイアナ学園女子中等部。

 長い伝統と格式を持つ中学校らしいが、ゆうきにはいまいちピンとこない。せいぜいが自分の通っている中学校は少し古い、といった程度の認識だ。

 まばらに自分と同じ制服を身につけた少女たちが目につくようになると、住宅街の向こうに校舎が見えてくる。友達は古くさいと言うが、ゆうきはオシャレな感じがして気に入っている。なんでも、英国の著名な建築家が設計したのだそうな。

「ゆうきぃー!」

 背後からの慌ただしい足音がふたつ。振り返る前に、両肩をパシパシと叩かれる。

「おっはよー、ゆうき」

「おはよう」

「もうっ、両側から挨拶しないでよ。どっちを向いて返せばいいの?」

 怒るポーズだけしてみせて、けれどすぐに顔がほころんでしまう。

「おはよ、ユキナ、有紗(ありさ)」

 当たり前だ。春休み中に何回かは会ったが、それでも登校途中で会うのは昨年度の三学期ぶりなのだから。

「ふふー、ゆうきは相変わらずかわゆいのうかわゆいのう」

 ゆうきにぐりぐりと顔を押しつける小柄な方が更科(さらしな)ユキナ。ハムスターのような少女で、栗色のボブカットがかわいい同級生。

「おっさんくさいぞ、ユキナ」

 それに呆れながら返すのが、背が高い栗原(くりはら)有紗。長い髪をひとつにまとめた大人っぽい美人だが、さばさばした男らしい同級生だ。

「ふたりも相変わらずだねぇ……ちょっとユキナ、暑苦しいよ」

「えへへー、ごめんごめん」

「謝るくらいなら離れなさい」

「ぐへぇ」

 見かねた有紗が引きはがしてくれて、ようやくユキナから解放された。

「うぅ〜、今日から新しいクラスかぁ。ドキドキしちゃうよねっ」

「そうだね……今年も、ふたりと一緒だと嬉しいけど」

 ユキナの言葉にそう返すと、突然がばっと両側から抱きつかれた。

「おっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。このこのー」

「このこのー」

「ちょっと、歩けない! 歩けないから!」

 友達ふたりを半ば引っ張るようにして、ゆうきは校門まで行くハメになった。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 10:08:18.81 ID:3zYuh2uB0

 そこは、黒い場所だった。

 光源はある。しかし暗い。一面が黒いからだ。

「……で、取り逃がした、と」

 響く涼やかな声。しかしそれは清涼感というよりは、荒涼とした大地を思わせる冷たい声だった。

「それで、奴らは人間の世界、『ホーピッシュ』に行ったのだな? それぞれの “ロイヤルブレス” と “紋章” を持って」

「申し訳ありません、デザイア様」 声の主に会釈程度に頭を下げるのは、たくましい身体つきの男だった。「しかし問題はありません。奴らの位置は割れています」

「ほう?」

「我々がロイヤリティから奪ったエスカッシャン……これらが奴らの紋章と反応しあっています。これを頼りに捜索すれば、見つかるのも時間の問題でしょう」

「……なるほど」

 涼やかな声は、男の言葉に納得したように。

「分かった。ならば任せよう。しかし事は急がねばならん。ロイヤリティにはとある伝説があるからな」

「伝説?」

「ああ。ロイヤリティから光が消えたとき、伝説の戦士が現れ、4人の王者を助けるだろう、と……」

 声の言葉に、男は目を丸くしていた。

「……まさか、デザイア様ともあろうお方が、そんなおとぎ話を信じていらっしゃるのですか?」

「さあ、な」 男の馬鹿にしたような言葉にも、声は何の感情も見せない。「しかし、くれぐれも侮ることはないように」

「分かっております。同じ愚は犯しません」

「ああ。では行くのだ、ゴーダーツ。ロイヤリティの腑抜けきった王族どもから、紋章を奪い取れ」

 声の言葉は決然と、男に申し渡した。

「それが我ら “アンリミテッド” の欲望だ。ゆめゆめ忘れるな、ゴーダーツ」

「はっ。我らアンリミテッドの欲望を満たす、ただそれだけのために」

 そして、ゴーダーツと呼ばれた男は、闇に溶けるようにかき消えた。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 10:11:09.55 ID:3zYuh2uB0

 自分たちの住まう場所に何かが迫っていても、女子中学生には関係ない。

「やったー! 今年も一緒だね、ゆうき!」

「ちょっと、私は?」

「もちろん有紗と一緒も嬉しいよ♪ 演劇部でずっと一緒だけど」

「まったく……調子がいいんだから」

「えへへー」

 クラス替えの結果。それほど女子中学生の心を揺さぶることがあるだろうか。

「…………」

 けれど、どうしてだろう。ゆうきは仲の良い友達ふたりと同じクラスになれたことも気にならないくらい、何かに気を取られていた。

(なに……?)

 わからない。いま、ほんの一瞬だけ、ぞわっと総毛立つような感覚に陥ったのだ。

(何か、来る……ううん、“来た” ?)

「……? ゆうき?」

「どうかしたの? 具合悪い?」

「えっ……?」

 ふたりの声でようやく我に返る。

「あ……な、なんでもないよ。ちょっとボーッとしちゃって」

 ゆうきの言い訳に、ユキナと有紗は顔を見合わせ、深いため息をついた。

「まったく」

「ゆうきは相変わらず天然だねー」

「てっ……天然じゃないよー!」

 憤慨して言い返す。ようやく自分の日常に戻れた気がした。

 ふっ、と。頭の隅を何かがよぎった。

「えっ……?」

「……?」

 目を向けた先、女子中等部の制服を整然と着こなす、伸びやかな背筋が印象的な少女。そして何より、その少女もまた、驚いたような顔で、自分を見つめていることが印象に残った。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 10:11:53.95 ID:3zYuh2uB0
「……何か?」

 少女が切れ長の目で自分を射抜く。

「えっ、あっ、いや……」 ゆうきはしどろもどろになりながら。「な、なんでも、ない、です……」

「……そう。私も。ごめんなさい」

「う、ううん。こちらこそ」

 少女はそれだけ言うと、小さく会釈をしてゆうきに背を向けた。げた箱へ向かうのだろう。

「? どうしたの、ゆうき?」

「……わかんない」

「今の、大埜(おおの)さんじゃない。ゆうき、知り合いなの?」

「大埜さん?」

 有紗の問いに反応する。あの少女の名前だろう。

「うん。去年となりのクラスだったけど……あ、今年は同じクラスだね」

「大埜……大埜さん……」

 ふしぎと引っかかる。なんだろう。考えてみても答えはでそうにない。もう一度クラス替えの発表を見る。王野ゆうきのすぐ後ろ、大埜めぐみ。

「なんでも、勉強もスポーツもできるすごい子らしいよ」

「なにそれなにそれ! 文武両道ってこと!?」

「……大埜、めぐみさん」

 有紗とユキナの言葉がどこか遠く感じられた。心のわだかまりは、消えそうにない。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 10:12:26.27 ID:3zYuh2uB0

「――グリ!」

 ひとりめ。こてん、ころんころん、と。まるでゴム鞠のようによくはねた。

「ニコっ……」

 ふたりめ。少しバランスを崩しながら、けれどしっかりと着地した。

「……レプ」

 さんにんめ。何か問題がある? とばかりに澄まし顔で両足そろえてきれいに着地した。

「…………」

 よにんめ。落ちてこない。

「……グリ? パーシーはどこグリ?」

「知らないニコ」

「はぐれたレプ?」

 どこかギスギスした3人。

「じゃあ、探しに行かなくちゃグリ!」

「どこへニコ?」

「ナンセンスレプ」

 どこか歯車のズレた3人。

「じゃあどうするグリ!」

「知らないニコ!」

「……パーシーも情熱の王女レプ。自分でなんとかするレプ」

 どこかおかしい、3人

「そんなのおかしいグリ! ブレイはパーシーを探しに行くグリ!」

 ひとりめは、何のアテもないのに、消えたよにんめを探しに行く。

「ち、ちょっと待つニコ! “弱虫ブレイ” !」

 ふたりめは、ひとりめに反発しながらも、ひとりめについていく。

「……ふん。勝手にすればいいレプ。ラブリはラブリで勝手にやらせてもらうレプ」

 澄まし顔のさんにんめが、やっぱり澄ました顔で、そう言った。ふたりについていく気は、ない。

「せいぜい、アンリミテッドの連中に紋章を奪われないように気をつけるレプ」

「言われなくたって気をつけるグリ!」

 そうして、3人は別れた。たった4人の仲間だというのに、ひとりははぐれ、ひとりはケンカ別れ。

 もう、バラバラだった。
1111.54 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)