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【ラブライブ】海未「私の罪を」【仮面ライダーW】
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42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/17(日) 09:54:52.34 ID:iMsdtN4cO
ことりちゃんヤバない…
43 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 12:27:07.80 ID:zyxiwmN+0
更新します。
44 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 12:32:57.74 ID:zyxiwmN+0
ーーーーーー
海未「…………はぁぁぁ」
どうにか穂乃果を見つけた私でしたが、思わずため息を吐きます。
それも、大きなものを。
穂乃果「……しょ、しょうがないじゃん!」
テンション上がっちゃったんだもん!
そう言って、穂乃果は膨れました。
まぁ、気持ちはわかりますが……。
海未「…………はぁ」
穂乃果「うー! また!」
とにかく、穂乃果も見つかったことですし。
……えぇと。
45 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 12:36:31.32 ID:zyxiwmN+0
海未「…………はて」
穂乃果「どーかしたー?」
膨れながらもそう尋ねてくる穂乃果。
いちいち気にしていては際限がありませんから、それには普通に応答することにします。
海未「ことりからの連絡がないんです」
穂乃果「ことりちゃんから?」
海未「はい」
穂乃果を見つけてくるので、ことりは落ち合える場所を探してもらえませんか。
そんな旨のことを送ったのですが……。
穂乃果「まだ見てないとか?」
海未「いいえ。既読はついていますから、見てはいるはずなんですが」
おかしいですね。
そう言って、携帯の画面をもう一度ーー
ーー ポツリッ ーー
海未「あっ」
携帯の画面に、水滴が一粒。
空を見上げると、嫌な雲が空を覆っていました。
46 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 12:45:12.07 ID:zyxiwmN+0
海未「……やはり降ってきてしまいましたか」
穂乃果「えー! 天気予報は雨じゃなかったのに!」
海未「まぁ、そういうときもあるでしょう」
穂乃果「……雨やめ……って叫んだら……」
海未「止めなさい」
なんて、冗談を言ってる場合ではありませんね。
このままではずぶ濡れです。
ことりからの返信はないですが、仕方ありません。
海未「穂乃果!」
穂乃果「なに?」
いつの間にか膨れっ面も止めていた穂乃果は、首をかしげました。
海未「近くにあることりが好きそうなお店を探してもらえますか?」
穂乃果「うん! 了解だよ!」
ことりが好きそうな、と言ったのは、少し思うところがあったから。
ことりを待たせてしまったことへのお詫びと、ことりの気晴らし。
なぜかことりの様子が変でしたからね。
こういうときは、好きなものを眺めたりして元気を出してもらうのが一番です!
そこで雨宿りがてら、ことりを待ちましょう。
穂乃果はすぐにことり好みの……つまり、私にとっては可愛すぎる喫茶店を見つけてくれました。
その場所の名前と住所を、メッセージで送信し、私たちもそこへ急ぎました。
ーーーーーー
47 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 12:50:59.85 ID:zyxiwmN+0
〜〜〜〜〜〜
ことり「穂乃果ちゃん……」
ポツリと呟いたはずの声が、その場所一杯に広がった。
コツコツと、頼りなさげな屋根に落ちる雨の音も予想以上に響き渡っていた。
キョロキョロと辺りを見渡して……あっ。
ことり「穂乃果ちゃんっ」
「……………………」
姿を見つけて、駆け寄る。
そこにいたのは……え?
穂乃果「」
ことり「う、うそ…………え、え?」
この場に座り込む。
だ、だって……え、え……?
なんで、穂乃果ちゃん……っ?
穂乃果「」ゴロッ
ことり「ひっ……」
力なく横たわる。
まるで、
『死んでしまったみたい』
ことり「っ」
48 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 12:56:53.20 ID:zyxiwmN+0
声に振り返る。
そこにはーー
ことり「か、かい、ぶ……っ」
『えぇ』
怪物がいた。
ボロボロのローブで体は見えない。
だけど、フードの下にあった……ううん、そこには顔がなかった。
フードの中には、真っ青に光るふたつの目。
それだけで、目の前の存在が人間じゃないってことはわかってしまった。
ことり「ほ、ほのかちゃんはっ」
けれど、ことりはその怪物に怯えるよりも先に、それを聞いていた。
今は、穂乃果ちゃんが!
『……フフフ』
ことり「な、なんで笑ってるの……っ」
『目の前のそれを見て、まだ聞くのかしら?』
『穂乃果ちゃんはどうしちゃったの……って』
クスリ、と。
怪物は笑う。
それが意味するのは、
『高坂穂乃果はもう死んでるわ』
49 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 13:05:00.19 ID:zyxiwmN+0
ことり「っ、う、うそ……っ」
『じゃないわよ』
見なさい。
そう言って、怪物はことりの前の穂乃果ちゃんを指差した。
『死斑が現れて、顎関節の硬直が始まっている』
『つまり、死後二時間が経過してるわ』
『心臓は勿論、脳も内臓も』
『全ての生命維持機能が停止している』
まるで、物の状態を並べるように。
怪物は言葉を続ける。
って、
ことり「やめ、て……」
『…………なんで?』
ことり「ほのかちゃんを……そんな風に言うの……やめてよぉ……」
『穂乃果ちゃんを……フフッ、何を言っているのかしら?』
『それはもうただの『高坂穂乃果だったもの』よ』
ことり「いや、いやっ……」
ーー ドクッ ーー
50 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:07:44.31 ID:zyxiwmN+0
吐き気がする。
嫌だ、いやだよっ。
そんなのうそだよ……っ!
『嘘じゃないわ』
『目の前にいるでしょう?』
違う、ほのかちゃんじゃない!
うそだっ!
『確かにそうね』
『目の前のそれはもう『高坂穂乃果』じゃない』
いや、やめて。
ちがう、うそ。
ーー ドクッ ーー
『…………フフ』
『そろそろいいかしら』
ーー カチャッ ーー
51 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:14:07.22 ID:zyxiwmN+0
怪物が近づいてくる。
そして、
ーー グイッ ーー
袖をまくられる。
そこにはあの痣があった。
ただ、前に見たときよりも大きくなっていた。
『……綺麗ね』
ポツリと呟いたのが聞こえた。
怪物の声。
ノイズがかかったみたいな声が、震えてるのがわかった。
きれい……?
なにが……。
『絶望に反応して……『コネクター』が成長しているわ』
『やはりあの方の言った通り』
ことり「ほのか、ちゃ……」
もう、わけがわからないよ。
なんで、ほのかちゃんはどこにいったの?
なんで、ことりはこんなところにいるの?
なんで、この怪物は私をみているの?
なんで
ことり「うみちゃん……」
52 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:18:15.29 ID:zyxiwmN+0
『……………………フフ』
怪物が笑った。
なんで?
なんでわらうの?
『うみちゃん……』
『それは『園田海未』のこと?』
ことり「え……」
なんで怪物が海未ちゃんの名前を知ってるの?
混乱した頭で考える。
でも、その答えはわかんない。
けど、その思考は怪物に中断される。
『…………ねぇ』
『…………ことり』
ことり「…………………………え……?」
怪物に名前を呼ばれた。
53 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 13:24:33.99 ID:zyxiwmN+0
かいぶつ?
あれ?
なんで、その声……?
『……ことり、ひとつ教えて差し上げます』
『穂乃果を殺したのはーー』
『貴女の目の前にいる怪物です』
それは、なんとなくわかってた。
でも、それを認めたらほのかちゃんが死んじゃったって認めちゃうから……。
『その顔は分かっていたという表情ですね』
ことり「っ、ほのかちゃんはっ」
『死にました』
ことり「っ」
『殺されたのですよ。貴女の目の前にいるーー』
怪物がフードを取る。
今まで光っていた青色の光は消え、そのかわりに怪物の素顔が見えた。
そこにあったのは、
ことり「う、み……ちゃ…………」
海未『そうです』
目の前の海未ちゃんはにこりと笑う。
そして、こう言いました。
海未『私が穂乃果を殺しました』
悲鳴が聞こえた。
自分の悲鳴が。
そして、ことりの意識は、消えた。
〜〜〜〜〜〜
54 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:31:08.21 ID:zyxiwmN+0
ーーーーーー
海未「っ」
穂乃果「海未ちゃん?」
どうかした?
喫茶店でメニューを見ていた私の体が跳ねました。
そんな私を見て、聞かれます。
えぇと……。
そんなの私が知りたいですよ。
なぜか嫌な感じがしただけで……。
ーー prprpr ーー
海未「っ」
穂乃果「海未ちゃんの携帯?」
海未「そ、そのようです……」
携帯の音が鳴りました。
って、マナーモードにするのを忘れていましたね。
周りには幸い誰もいないようですが……。
喫茶店の店員さんに、一礼だけしてから席を外します。
穂乃果「穂乃果も行く?」
そう聞かれましたが断り、ひとり、店の外へと出ました。
55 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:36:47.50 ID:zyxiwmN+0
店外へ出て、携帯の画面を確認しました。
って
海未「花陽?」
画面に出ていたのは、小泉花陽の文字。
なんのようでしょう?
急に予想外の人物から電話がかかってきたことに驚きつつも、通話ボタンを押しました。
海未「もしもし、お久しぶりです」
『あ、うん! 久しぶり、海未ちゃん』
電話の向こうの声は確かに花陽でした。
2ヶ月ぶりでしょうか。
声の調子からも変わっていないことが分かり、少し落ち着きました。
どうですか?
最近のアイドル研究部は?
そんなことも聞いてみようと思ったのですが、
『今、海未ちゃん、ことりちゃんと一緒!?』
電話口から響いた声に驚き、聞くタイミングを逃してしまいました。
56 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:41:14.80 ID:zyxiwmN+0
海未「え、えぇと……そうですね。出かけているという意味では一緒ですよ」
突然の大声でしたが、なんとかそう答えます。
花陽がそんな声を出すなんて珍しいですね。
なにか……
『今は!?』
海未「え?」
『今は一緒にいるの!?』
海未「……えぇと」
花陽の質問に混乱しつつも答えます。
それを聞いた花陽は、
『っ、今、ネットで!』
海未「はい? ネット?」
『ことりちゃんが風都の廃工場に向かったのを見たって情報があって!!』
『そこ、不良の溜まり場だってことも言ってる人いて!!』
57 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:46:08.47 ID:zyxiwmN+0
理解は、できませんでした。
いきなりのことすぎて。
けれど、
海未「花陽!」
海未「それはどこですか!!」
反射的にそう言っていた。
『風見埠頭2番地だって……』
海未「分かりました! すぐ向かいます!」
『で、でも、危ないって……!』
海未「大丈夫です! 不良程度相手にもなりませんっ!!」
それだけを言って、電話を切りました。
そして、すぐに体が動く。
ーー バタンッ ーー
海未「穂乃果!」
穂乃果「ふほ!? ふ、ふみひゃーー」
海未「ここのお勘定お願いします!!」
穂乃果「ーーゴクンっ! え、ちょ、ちょっと!?」
海未「ことりが危ないかもしれないんです!」
穂乃果「!」
58 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:50:45.46 ID:zyxiwmN+0
海未「穂乃果はここでーー」
穂乃果「マスター! ここに置いとくね! お釣りはいらないよ!!」バンッ
待っていてください。
私がそれを言う前に、穂乃果はテーブルに五千円札を叩きつけて。
穂乃果「行こう! 海未ちゃん!」
海未「っ、はい!」
二人で店を出ました。
雨はまだ止む気配を見せず。
私の体に冷たく刺さっていて。
体が冷えていく感覚と、嫌な予感を抱えながら、私は走った。
間に合ってくださいっ!
ーーーーーー
59 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 13:51:15.08 ID:zyxiwmN+0
一旦ここまで。
60 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 19:36:27.69 ID:2Akf5wqO0
もう少ししたら更新します。
61 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:07:45.87 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
62 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:08:54.38 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
63 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:15:20.13 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
海未ちゃんが花陽ちゃんから教えてもらったと言う場所。
風見埠頭2番地。
そこは確かに廃工場で、いかにもってところだった。
穂乃果「海未ちゃん……」
海未「えぇ」
小さな声で声を掛け合う。
すっと手を伸ばしたのは海未ちゃんの意思表示だ。
穂乃果は後ろに。
私が前に行きます。
声にしなくてもそう言ったのが分かった。
穂乃果もコクリと頷く。
穂乃果「…………」
海未「…………」
落ちていた鉄の棒を海未ちゃんも持ってる。
確かに、海未ちゃんは強い。
たぶん不良3、4人くらいなら大丈夫だと思う。
……でも、もしそれ以上だったら?
その時はーー
穂乃果「後ろは、任せて」
海未「……はい」
それだけ告げて、穂乃果たちは中へ入った。
海未「ことり!!」
穂乃果「ことりちゃんっ!」
64 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:17:52.77 ID:2Akf5wqO0
穂乃果「あ、あれ?」
穂乃果の不安に反して、そこには不良はいなかった。
それどころかだれも……。
海未「……いえ」
穂乃果「え?」
海未「そこにいるのは誰ですっ!!」
海未ちゃんの声。
それが工場に反響して。
少しの静寂。
それからーー
『フフフッ』
『本当に来たのね』
ーーそれが現れた。
65 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:23:51.11 ID:2Akf5wqO0
真っ黒な布を服がわりに着て。
フードを被った人物。
…………ううん。
穂乃果「っ、ちがう……」
フードの中……!
顔がない!?
穂乃果「…………化け物……」
『心外ね。化け物だなんて』
言葉は通じる。
エコーとノイズのかかった不気味な声だけど。
それに、心外だって言った言葉とは裏腹に、笑っていた。
ほんとに、不気味。
穂乃果「……っ」
一歩、下がる。
……怖い……。
海未「……………………穂乃果」
穂乃果「う、うみちゃん……?」
海未「下がっていてください」
穂乃果「っ……………………うん」
さらに二歩下がる。
その前には、穂乃果を守るように、海未ちゃんが立っていた。
66 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 20:29:45.85 ID:2Akf5wqO0
海未「…………連れが失礼しました」
『……いいえ。それより貴女は怖がらないのね』
海未「……人を見た目で判断するなと母から厳しく言われてきたものですから」
『……それは……フフフ、いいお母さんね』
海未「……………………」
きっと海未ちゃんも怖いはず。
なのに……負けないようにって耐えてるんだ。
海未「つかぬことをお聞きしますが…………」
海未ちゃんが指をさす。
その先には、
海未「そちらの方は……どうされたのですか」
男の人が横たわっていた。
なんの力も、生気すら感じられないほど脱力して、横たわっていた。
『…………フフ』
海未「……亡くなっている、のですか」
『………………えぇ。二時間ほど前に』
穂乃果「っ」
海未「…………貴女が殺したのですか」
『………………』
『えぇ、そうよ』
海未ちゃんの問いに、それは答えた。
私が殺した、のだと。
67 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:35:29.30 ID:2Akf5wqO0
穂乃果「こ、ころ……っ」
海未「っ」
化け物の答えを聞いて、海未ちゃんは鉄の棒を構える。
その体制のまま、言葉を交わした。
海未「…………それともうひとつ……よろしいでしょうか」
『…………なにかしら?』
海未「貴女が持っている『それ』はなんですか」
化け物は『それ』を持っていた。
丸いもの。
右腕で大事そうに持っている『それ』は、化け物が着ている真っ黒な布とは正反対の白色。
まるでーー
『卵よ』
穂乃果の予想通りの答え。
化け物は、白色のそれを卵だと言った。
68 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 20:39:02.65 ID:2Akf5wqO0
海未「……卵……」
穂乃果「っ」
気持ち悪い。
人一人殺しておいて笑うような化け物が大切そうに卵を抱えている。
不気味だ。
変だ。
『………………不思議……いいえ、不気味だと思う?』
穂乃果「っ」
心を読まれたような質問に、体がビクリと震える。
そんな穂乃果の様子を見て、化け物はまた笑った。
『…………卵というのは少し違うかしら』
『彼女はーー』
『『エッグドーパント』』
69 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:46:29.93 ID:2Akf5wqO0
『昔、それをただの『チキンメモリ』のパワーアップのために使った愚か者がいるらしいけれど』
『このメモリの真の力は別にあるの』
メモリ?
ドーパント?
理解かま追いつかなかった。
その間にも、化け物は卵ーー『エッグドーパント』と呼ばれたそれを撫でながら続ける。
『このメモリを使用するとほとんどの人間が卵形のドーパントに変身する』
『能力は卵形のエネルギー弾や卵の殻のような防御形体』
『私も最初はただのドーパントだと思っていたわ』
『けれど、違った』
『『あの方』はこのメモリを可能性だと称した』
『適合率が異常に高い者……過剰適合者が使うことによって進化するメモリだと。そう言ったわ』
『そして、この通り!!』
『実験は成功したわっ!!』
70 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:52:16.49 ID:2Akf5wqO0
化け物はそれを掲げた。
そして、告げた。
『このドーパントは生まれ落ちる』
『…………人間を捨て、新たなるドーパントへと生まれ変わるっ!!』
『フフフ……アハハハハッッ!!』
海未「っ」
穂乃果「…………っ、うみ、ちゃん」
逃げよう!
逃げて、早く警察に!
そう言うために、海未ちゃんの袖を握った。
海未「……………………っ」
穂乃果「うみ、ちゃん…………ねぇ」
海未「穂乃果…………あの化け物の言葉…………聞きましたか……」
穂乃果「……え」
海未「…………あの卵は……人間だと……」
穂乃果「っ」
71 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 20:54:50.89 ID:2Akf5wqO0
え、え……?
いや、ううん。
海未ちゃん、なに言ってるの?
海未「…………最後にひとつ確認をさせてもらってもよろしいですか」
『………………なぁに? うみちゃん?』
やめてよ。
待って、ちがうよ!
ちがうからっ!
だからーー
海未「それは…………『南ことり』ですか」
『ええ、そうよぉぉぉ』
72 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:00:27.43 ID:2Akf5wqO0
海未「はぁァァァァっ!!!」
ーー ガァァァンッ ーー
気づけば、海未ちゃんは化け物に殴りかかっていた。
海未「っ、はぁっ! アァぁっ!!」
ーー ガンッ ーー
ーー ガァァンッ ーー
何度も、何度も。
鉄の棒で殴りかかる海未ちゃん。
でも、化け物は
『は、フフフ……』
笑いながらそれを受け止めていた。
まったく、効いて、ない……。
海未「ことりをっ!!」ガンッ
海未「返せッ!!!」ガァンッ
殴り続ける。
殴って、殴って。
殴って、殴って……。
ーー カランッ ーー
それでも、
海未「はっ、はぁ……はぁ……」
『フフ……』
なにもなかった。
化け物は平然と立っていた。
73 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:03:11.25 ID:2Akf5wqO0
穂乃果「うみ、ちゃん……」
穂乃果は、ただ海未ちゃんの名前を呼ぶしかできない。
一歩も、動けない。
海未「はぁ……ことりを……返せ……っ」
『……気丈なのね』
海未「っ!」
ーー ガンッ ーー
鉄の棒が化け物の顔に。
それでも、
『フフフ……痛いわよ、うみちゃん?』
笑っていた。
74 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 21:06:50.67 ID:2Akf5wqO0
ーー ドクンッ ーー
『…………あら?』
海未「……は、ことりを……はぁ……」ガンッ
『…………そう。この子もなの…………フフフ……』
海未「返せ……」ガンッ
ーー ガシッ ーー
穂乃果「っ、うみちゃん!」
海未「っ」
海未ちゃんが握っている鉄の棒。
それを化け物が握り返してきた。
海未ちゃんも殺されちゃうっ!!
そう思っても、動けない。
っ、動いて!
うごいてよっ!!
75 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:07:26.36 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー カランッ ーーーーーー
76 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:11:25.10 ID:2Akf5wqO0
穂乃果「………………え……?」
予想外のこと。
化け物は、なにかを投げた。
小さな、USBメモリのようなもの。
それを海未ちゃんの足元に投げた。
海未「は……はぁ……」
『拾うといいわ』
海未「なに、を……」
『私を倒したいのでしょう?』
海未「はぁ……はぁ……」
『…………いえ』
『殺したいのでしょう?』
海未「…………」
穂乃果「……うみ、ちゃん?」
化け物の問いに、海未ちゃんは答えない。
きっと疲れてて……答えられないだけ、だよね。
きっとそうだ。
77 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 21:16:23.23 ID:2Akf5wqO0
『私にも分かるわ』
『私も『あの方』を失って……殺した相手をこの手で殺したいと思って、今まで生きてきたのだもの』
海未「………………」
『フフフ……』
『拾いなさい』
『それは、貴女を強くしてくれるもの』
『私と同じ化け物にしてくれるもの』
海未「………………」
穂乃果「海未ちゃん……だ、ダメだよっ」
『貴女が私を殺したいと思うのならばーー』
『ーーそれを使いなさい』
海未「……………………」
ーー スッ ーー
穂乃果「海未ちゃんっ! ダメぇぇーー
78 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 21:17:18.83 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
『アームズ』
ーーーーーー
79 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:17:57.50 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
80 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:18:29.13 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
81 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 21:23:57.85 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんは『ドーパント』になった」
穂乃果「ことりちゃんはその化け物に連れ去られて、海未ちゃんはその化け物を追ってる」
穂乃果「…………殺すために」
にこ「…………」
花陽「そんな…………」
真姫「っ」
凛「…………ことりちゃん……海未ちゃん……っ」
今まで連絡しなかったこととか。
隠し事をしてたこととか。
穂乃果を責める声はもうなかった。
穂乃果は悪くない。
理事長「…………本当、なのね……」
穂乃果「…………はい」
理事長「っ、ことりが……っ」
穂乃果「っ、ご、ごめんなーー」
理事長「謝らないでっ」
穂乃果「っ」
82 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:27:57.74 ID:2Akf5wqO0
そう、よね。
一番辛いのは、理事長に決まってる。
にこ「っ、ことり……」
拳を握る。
爪が、食い込んでるのが分かっても、そうしなくてはいられない。
その場にいなかったことが……悔しい……。
穂乃果「…………理事長。ううん、ことりちゃんのお母さん」
理事長「っ」
穂乃果「穂乃果はなにもできませんでした。ただ、見てるだけで……幼馴染失格です」
理事長「そんなことーー」
ーーない。
そう言おうとした、理事長の言葉を遮って、穂乃果は続ける。
穂乃果「でも、必ず助けます」
83 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:31:37.25 ID:2Akf5wqO0
穂乃果「そのために、穂乃果は……」
にこ「!」
凛「っ!」
穂乃果と目が合う。
そうよ。
確かにその時はいなかった。
いても、きっと、穂乃果と同じで、なにもできなかった。
けど、今は違うわ!
にこはーー
穂乃果「『仮面ライダー』を見つけたんです」
穂乃果「穂乃果たちが絶対に助けます!」
ーーーーーー
84 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:32:36.13 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
85 :
◆6cZRMaO/G6
:2017/12/17(日) 21:35:50.95 ID:2Akf5wqO0
ーーーーーー
ポツ、ポツ、と。
雨の音が聞こえてきます。
不快な音。
海未「…………ことり」
必ず助けます。
だから、
海未「待っていてください」
ーーーーーー To be continued ーーーーーー
86 :
◆6cZRMaO/G6
[saga]:2017/12/17(日) 21:43:55.32 ID:2Akf5wqO0
以上で
『海未「私の罪を」』完結になります。
レスをくださった方
読んでくださった方
稚拙な文章・表現にお付き合いいただき、ありがとうございました。
以下過去作等です。
よろしければどうぞ。
前々作
【ラブライブ】にこ「さぁ、お前の罪を数えろ!」【仮面ライダーW】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500978922/
前作
【ラブライブ】凛「さぁ、お前の罪を数えろ!」【仮面ライダーW】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510213255/
過去作
真姫「マキマキ超会議?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430039332/
【ラブライブ】千歌「テニスをしよう!!」【サンシャイン】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1490169182/
前回、次は百合ものと言っていたのにも関わらず書きました。
すみませんでした。
次作は何になるか未定ですが、またお付き合いいただけると幸いです。
では、また。
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/17(日) 21:45:15.60 ID:sSTDMGYMO
乙
海未ちゃんの「それは…………『南ことり』ですか」の後『君のような勘のいいガキは嫌いだよ』って来るかと思った
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/17(日) 22:46:12.21 ID:c3TJtckvO
乙
今回重いな
あとエックってWに出てきてないよね
>>1
のオリジナル?
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 08:42:22.84 ID:wZiTaDiuO
>>88
ハイパーバトルDVDに出てきた親子丼ドーパントが持ってたメモリが『エッグ・チキンメモリ』
二つの記憶(エッグの記憶とチキンの記憶)が入ってるらしい
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 11:23:36.87 ID:JpcJ3UAOO
>>89
ありがとう
そんなのがあるのか
はじめて知ったわ
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/29(金) 21:29:51.60 ID:mDRHVOv1o
乙乙
続き期待
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