【ミリマス】女王閣下をプロデュース

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18 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/12/08(金) 06:28:36.26 ID:zsqJ1R27o

「……粗相をされても困るからな。よかろう、すぐに済ませて戻って来い」

「ありがたきっ!」

なんとか許可を取り付けると、百合子は勢いよく立ち上がった。

長時間の正座でよろける足を動かしてどうにか個室に転がり込む。
そして便座に座るなり彼女はスマホを取り出して。

「エ、エマージェンシー、エマージェンシー。害は無くても危なすぎる! みんなに事情を説明して、注意するよう知らせないと――」

だがしかし、だ。百合子は大切なことを忘れていた。

「……やだ。文字が見えないままだから、メッセージだって送れないよ……!」

正に迂闊! 正に誤算! 起ち上げたアプリの画面からは文字という文字が消えていた。
一応補足しておくと、携帯には音声認識の他にそもそも"通話"という実に便利な機能が搭載されていたのだが。

「電話帳、真っ白! 電話番号、覚えてない!」

当然、数字も"文字"として認識されている。それは絵文字やその発展であるスタンプについても同様だ。

また、なお悪いことに百合子は現在焦っていた。
説明するのも今更だが、太ももを隙間なくもじもじとくっつけて尿意とも戦っていたためだ。

人間焦るとろくなことは無い。思考力の低下、判断力も落ち、
左手のスマホに意識を奪われているためにパンツを下ろす右手もぎこちない。

おまけに外には春閣下。彼女は言った、「すぐに済ませて戻って来い」と。
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