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夜神粧裕「デスノート?」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:11:49.74 ID:TWqzOMXa0
粧裕ちゃんかわいい。
でもSS少ない。
だからカッとして書いた、反省もしない。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1511856709
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:12:42.81 ID:TWqzOMXa0
粧裕(早く授業終わらないかなー?)
粧裕(あれ?)
粧裕(何だろ? 校庭に何か落ちてる)
粧裕(後で見てみよーっと)
ソレデハジュギョウヲオワリマース
粧裕(あ、授業終わった)
テクテクテク
粧裕「……」キョロキョロ
粧裕「黒いノート?」キョトン
粧裕「DEATH NOTE……です……のーと? ぎゃっ! 中にも英語だらけ……はうとぅーゆーず……あーん! 英語よめなーい!」
粧裕「こういうときは〜〜……お兄ちゃ〜〜〜ん!!」タタタタッ
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:15:04.71 ID:TWqzOMXa0
夜神家
粧裕「助けて、お兄ちゃーん!」
幸子「どうしたの粧裕?」
粧裕「あれ? お兄ちゃんは?」
幸子「もう塾に行ったわよ」
粧裕「げ! なんでー? いつもより早ーい」
幸子「参考書とかを買いたいって本屋に寄って行くって言ってたわよ」
粧裕「何それー。もー、お兄ちゃんは本当に優等生〜〜〜!」
幸子「粧裕、あなたもライトを見習って……」
粧裕(げげっ! これ長くなるやつ!)
粧裕「はーい! 勉強しまーす!」タタタタ
幸子「あら? 聞き訳がいいのね」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:18:34.18 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋
粧裕「むぅ、お兄ちゃんを頼れない」
粧裕「仕方無いけど頑張って翻訳してみよっかな」
ペラペラカキカキジュショデシラベチュウ
粧裕「えーっと、何々? デスノート? 直訳で死のノート……死?」
粧裕「……このノートに名前を書かれた人間は死ぬ?」
粧裕「……」
粧裕「書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない。ゆえに同姓同名の人物に一遍に効果は得られない」
粧裕「名前の後に人間界単位で40秒以内に死因を書くとその通りになる」
粧裕「死因を書かなければ全てが心臓麻痺となる」
粧裕「死因を書くと更に6分40秒、詳しい死の状況を記載する時間が与えられる」
粧裕「ぷっ」
粧裕「きゃはは! ばっかみたい! なにこれー!」
粧裕「もー、調べて損した」
粧裕「テレビでも見よーっと」ポチ
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:23:00.33 ID:TWqzOMXa0
『昨日新宿の繁華街で無差別に六人もの人を殺傷した通り魔は今もなお、幼児と保母八人を人質にこの保育園にたてこもっております』
粧裕「わっ、怖ー……」
『警視庁は犯人を音原田九郎 無職42歳と断定。音原田は一昨日……』
粧裕「……あっ、そうだ」
粧裕「こんな悪い人はー、こうだー!!」
『音原田九郎』
粧裕「はい、これでこの犯人は死んじゃって保育園の人達は助かるね。人助け人助けー♪」
粧裕「なーんちゃってー」
『あっ、人質が出て来きました』
粧裕「?」
『皆無事のようです、入れ替わるように警官隊が突入! 犯人逮捕か!?』
粧裕「え? 何?」
『あっ、もう出てきました!?』
『今情報が入りました!! 犯人は保育園内で死亡!! 犯人は死亡した模様です!!』
粧裕「へっ?」
『警官が射殺したのではないと強調しております。人質の証言では犯人は突然倒れたと……』
粧裕「…………え?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:26:09.39 ID:TWqzOMXa0
粧裕(え? こ、このノート、嘘だよね?)
粧裕(あ、あたしが人を殺したなんて、嘘だよね?)
粧裕(そ、そうだよ、ぐ、偶然、絶対に偶然。そんな事ありえないよ)
粧裕(そう、偶然。偶然だよ、偶然……)
粧裕(……)
粧裕(偶然だって、証明しないと……)
粧裕(テレビ……悪い人、いない……)
粧裕(それなら……外に……)
ガチャットントントン
幸子「あら? 粧裕? どこかにいくの?」
粧裕「うっ!? う、うん、ちょ、ちょっと外に」
幸子「もう暗いんだから遠くまで行かないようにね」
粧裕「は、はーい」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:28:48.47 ID:TWqzOMXa0
繁華街
粧裕(わ、悪い人、死んでもいいような悪い人……)
粧裕(しょ、証明しないと、悪い人の名前を書き込んで、死なないって証明しないと……)
粧裕(早く、早く……あっ)
シブタク「俺、渋井丸拓男。略してシブタク。へへ、付き合ってよおねーさん」
女性「こ、困ります……」
シブタク「キャワイー!! 困った顔キャワイーーー!! さらっちゃいたくなってきたぜーーー!!」
女性「や、やめてっ! 誰か助けて!」
粧裕(あっ、悪い人だ……)
粧裕(顔も見える……あの人で証明、できる)
『渋井丸拓男 事故死』
『渋伊丸拓男 事故死』
『渋井丸拓夫 事故死』
『渋伊丸拓夫 事故死』
粧裕(お、お願い! 死なないで!)
粧裕(あっ、女の人が走って、あたしが名前を書いた人、追いかけて……)
ゴシャッ!!
粧裕「ひうっ!?」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:32:34.65 ID:TWqzOMXa0
『ば、バカヤロウ急に飛び出しやがっ……ひっ、ひええっ!!』
『キャーーーー!!』
『えっ、事故!?』
粧裕(……)タタタタッ
粧裕(はっ……はっ……)タタタタタ
粧裕「はぁっ! はぁっ!」タタタタタ
粧裕「ぜぇっ! はぁっ! うっ……」フラフラペタン
粧裕「こ、ここここ、これ、ほほほほ、本当、ほんとに、し、ししししし、死ん、死んじゃ……」
粧裕「うっ、うえぇぇぇぇっ、ひっく、ち、ちが、あたし、そんなつもりじゃ。ち、ちがうのぉ」
粧裕「お、おとうさ…………あっ、あぁっ…………」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:35:26.28 ID:TWqzOMXa0
粧裕(お、お父さんにバレたら……お父さんがあたしを捕まえるの?)
粧裕(警察官の子供が、殺人犯……お父さんも警察を辞めないといけなくなっちゃう?)
粧裕(そ、そうしたらお兄ちゃんももう警察官になれない……あ、あたしのせいで……)
粧裕(警察で一番偉い人になるはずのお兄ちゃんがあたしのせいで?)
粧裕(大好きなお父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、あたしのせいで世間から犯罪者の家族だって非難されちゃうの?)
粧裕(……だ、だめ)
粧裕(そ、それだけは、絶対に、だめ)
粧裕(だめ、だめ、だめだめだめだめだめ……)フラフラフラ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:42:13.65 ID:TWqzOMXa0
夜神家
粧裕「だめ……だめ……だめ……」ブツブツ
幸子「粧裕、おかえりなさい。あら? どうかしたの?」
粧裕「だめだから……ちがうから……」ブツブツフラフラ
幸子「ライトもお父さんももうすぐ帰ってくるからご飯はそれからよー」
粧裕「!?!?!?」ビクン
幸子「粧裕ー? 聞いてるのー?」
粧裕「お、おおお、おとう、おにい……や、やだ、ば、ばれちゃ……」バタンッ
幸子「……どうしたのかしら?」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:43:24.36 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋
粧裕(あたしは人殺し? ちがう、あたしはノートに名前を書いただけ)
粧裕(でも、人が死んでる。違う、あれはただの偶然)
粧裕(二人目は偶然じゃないよね? 事故死って書いたよね? ううん、それも偶然)
粧裕(もし偶然じゃないとしても、悪い人だったししょうがないよね? 二人共死んでもいい人だったもんね?)
粧裕(そうなの? 本当にそうなの? そうじゃない。死んでもいい人なんていない)
粧裕(でも、それならどうするの? お兄ちゃんに相談するの? できない!! 絶対にできない!!)
粧裕(人を殺したなんて相談できない!! でもどうしよう? お父さんに? お母さんに? できないってばぁ!!)
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:44:44.95 ID:TWqzOMXa0
二日目
粧裕(あれからみんな心配してあたしの様子を見に来てくれたけど誰にも顔を合わせてない)
粧裕(顔向けなんて出来ないよ。あたし殺人犯なんだよ?)
粧裕(もうやだ。何でこんな事になっちゃったの? やだよ、こんなのおかしいよ)
粧裕(誰か助けて。もう悪いことなんてしませんから、神様……助けてください)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:45:50.76 ID:TWqzOMXa0
三日目
粧裕(頭がボーっとする)
粧裕(なんだかよくわかんなくなってきちゃった)
粧裕(そもそもノートに書いただけで人って死ぬんだっけ?)
粧裕「あはっ、そんなわけないじゃん」
粧裕「そうだよ、そんなわけないって!」
粧裕「あははっ、そうだって! 死ぬわけないって! ばっかじゃないの?」
粧裕「こんなノートに名前書くだけで死ぬなんてありえないって! あははははっ!」
粧裕「殺人? あたしはそんな事できないでーす! 殺人犯はーそのテレビに映ってる人ーーー!!」
『生中継。強盗殺人犯逮捕! 中岡字松四郎。犯人は昨夜未明コンビニへ押し入り……』
粧裕「こんなノートインチキだってしょうめーい!! はいっ!」
『中岡字松四郎』
粧裕「38、39、40〜〜〜はい! 証明完了〜〜〜!!」
『こ、これはどうしたことでしょうか? 護送中の犯人が急に倒れましたよ!?』
粧裕「ん〜?」
『どうやら犯人は護送中に死亡、死亡した模様です!』
粧裕「ぎゃっ! またまたまたぐうぜーん! きゃはははっ!」
粧裕「次次ぃ〜!」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:47:03.93 ID:TWqzOMXa0
『放火魔現行犯逮捕。白身正亜希。犯人は現行犯で逮捕、現在は生中継で……』
粧裕「3度目の正直は終わっちゃったよ〜〜〜?」
『白身正亜希』
粧裕「はーい! これでどーだ!!」
『おや? 現場で動きがあった模様です』
粧裕「おやおや〜?」
『は、犯人が倒れていますね……えっ!? し、失礼いたしました。どうやら犯人は死亡したという情報が……』
粧裕「ぎゃーーーーー!! ぐっうぜーーーん!! あっはっはっはっはっはっは!!」
粧裕「もーーーうっ、次ーーー!!」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:48:25.80 ID:TWqzOMXa0
数時間後
粧裕「はっははっあははははっ、これで300人目ー!!」
粧裕「偶然が続きすぎるからすぐに死んだかわかんない人達まで書いちゃった!!」
粧裕「そーれーもー、世界中の凶悪犯罪者の名前っ!!」
粧裕「これでー、しんだらー、あたしはー、さーつじーんはーん……」
粧裕「あー……つかれた……」
粧裕「」バタン
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:50:14.00 ID:TWqzOMXa0
四日目
粧裕「…………」
『世界中の刑務所で起きた謎の伝染病!? 連続獄中死!!』
粧裕「…………」
『世界中で相次いだ凶悪犯罪者の不審死、どう思いますか○○さん?』
粧裕「…………」
『現在分っているだけでも52人という話ですが、突然死亡したとの……』
粧裕「…………ごぽっ」
粧裕「うっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」ゲロゲロゲロ
粧裕「げぽぽぽぽぽっ、ごぽぽぽっ、げほっ」ロロロロロロロ
粧裕「」バタン
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:53:13.16 ID:TWqzOMXa0
五日目
粧裕「あっ、あーっ、あーーーーっ」
リューク「お、おい?」
粧裕「悪魔? それとも死神? ねぇどっち!?」
リューク「お、おう。俺、死神のリュークだけど」
粧裕「やっぱり!! はーいおっしまーい!! あたしおっしまーい!! きゃはははははは!!」
リューク(な、なんだこいつ?)
粧裕「あたしの魂もってくんでしょーーー? ねーーー? もってってよーーー! はーやーくーーー!」
リューク「あー……こりゃあれか。デスノート使って他人を殺した事実に耐えきれられなくなったってことか?」
粧裕「なにー? ねー死神さーん。はやくあたしを殺してよー。そうしないとあたしまた誰か殺しちゃーう」
リューク「普通の人間がデスノートを使うと恐怖や苦悩に囚われるというが……こいつは普通の人間だったってわけか」
リューク「つまらな……んん?」ノートカクニン
リューク「おおっ!? 何だこりゃ!? お前一体何人殺したんだ!?」
粧裕「んー? 304人だけどー?」
リューク「たった五日でここまで殺るとは……おまえ凄いな」
粧裕「もー、そんな事いいからはやくあたしを殺してよ。死神さんが殺さないとあたし何人殺すかわかんないよーーー」
リューク「ん? 俺はお前を殺したりしないぞ?」
粧裕「……え?」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:55:00.76 ID:TWqzOMXa0
リューク「俺はお前に何もしない」
粧裕「…………」
リューク「俺はそのノートの落とし主であり、そのノートが人間界の地に着いた時点でノートは人間のものになる。そして俺はノートの所有者に憑くだけだ」
粧裕「…………」
リューク「そのノートはもうお前の物で、俺はお前に憑く。ただそれだけの事だ」
粧裕「…………ころさないの?」
リューク「ああ」
粧裕「…………」
リューク「ん? 何やってんだ?」
『夜神粧』
リューク「お、お前何やってんだよ!?」
粧裕「死ぬ」
リューク「待て待て! そんなことしたら折角人間界に落とした……あぁ、まーいいか。ここならすぐ別の奴が見つけるだろ」
粧裕「」ピタリ
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:56:58.20 ID:TWqzOMXa0
粧裕「どういうこと?」
リューク「うおっ!?」
粧裕「あたしが死んでもこのノートを持って帰らないの?」
リューク「ああ」
粧裕「なんで?」
リューク「そりゃ、俺は人間界に来る為にそのノートを落としたんだからな」
粧裕「意味が分からない。説明して」
リューク「お、おう。俺がそのノートを落とした理由は、退屈だったからだ」
粧裕「……たい、くつ?」
リューク「ああ、死神がこんな事を言うのもおかしいが、生きているって気がしなくてな……」
リューク「今の死神ってのは暇でね。昼寝してるか博打打ってるかだ」
リューク「死神が人間を殺すなんて普通のことだ。だからといって死神界の奴をノートで書いても死なない。退屈で退屈で……人間界にノートを落として人間に使わせるのを眺めるのが面白いと俺は踏んだ」
粧裕「……なに、それ」
リューク「と、いう訳だ。お前が使わないなら使わないでいい。ノートに自分の名前を書くのも自由だ。そうなったら俺は次に拾う奴に憑くだけだ」
粧裕「……つまりこういうこと? あたしはあなたの退屈しのぎの為に殺人犯になっちゃったっていうこと?」
リューク「使ったのはお前だろ?」
粧裕「ふっ、ふふ、ふはっ、あはっあは、あはははははははははははははははははっ!!」
リューク(!?)ビクッ
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 17:58:44.45 ID:TWqzOMXa0
粧裕「死神さん死神さん。ちょっと聞いてもらえる?」
リューク「お、おう」
粧裕「あたしのお父さんは警察官なの。すっごく正義感が強くて悪いことは許せないお父さん。尊敬できてすごく頼りになる最高のお父さん。お母さんもそんなお父さんを信頼して警察官の妻という事に誇りを持っているお母さん。たまに厳しいけどどんなことも相談できるし大人になったらこんな女の人になりたいなって思ってるお母さん。そしてお兄ちゃんはほんとうにすごいお兄ちゃん。高校生なのにお父さんもお兄ちゃんのことを頼りにしていてお兄ちゃんのおかげで解決した事件もあるの。頭もよくってかっこよくってなんでもできてあたしにも優しくてほんとうにほんとうにほんとーーーーに自慢の最高のお兄ちゃん」
リューク(な、なげーな)
粧裕「でもあたしは殺人犯」
リューク(顔怖っ!!)
粧裕「どうしてなのかな? ううん分ってる。自分のした事を認めたくなくって現実逃避をして何人も何人も殺しちゃった最低最悪の殺人犯」
粧裕「それがあたし」
リューク(だから顔怖ぇーよ!?)
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:03:34.38 ID:TWqzOMXa0
粧裕「いいよ。使ってあげる、これ」
リューク「お?」
粧裕「最低最悪の殺人犯になったけど、そんな最悪の人間にしか出来ないことがあるって思いついたんだ」
リューク「それって何だ?」
粧裕「このノートで世の中を変える」
リューク「?」
粧裕「1日、たった1日であたしの殺した凶悪犯罪者のことが話題になっている。もしもこれがずっと続いたらどうなると思う?」
リューク「どうなるんだ?」
粧裕「犯罪者が皆心臓麻痺で死んでいく。どんな人でも「悪人が誰かに消されている」って事に気がつく。そうなったら誰も悪いことが出来なくなる」
リューク「ほぉ」
粧裕「毒を以て毒を制する。あたしに出来ることなんてもうこれしかない」
リューク「お前どれだけ殺すつもりだよ?」
粧裕「うるさい」
リューク「まあ、使うんだったらいいけどよ」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:05:40.19 ID:TWqzOMXa0
月の部屋
月「はぁ……」
月(粧裕が部屋に閉じこもってもう五日)
月(一体どうしたって言うんだ? 今までこんな事など一度も無かった)
月(粧裕に聞こうとしても、放っておいての一点張り。この二日は急に笑い声を上げるなど精神状態がおかしくなっている行動を取り始めている)
月(まさかとは思うが粧裕が学校でいじめられている可能性も考えてこの数日で粧裕の中学を調べたが、粧裕のクラスの子は粧裕を心配していた。怪しいところなど何も無かった)
月(何が原因だ? 家族間は良好だ。学校の悩みでもない。……まさか男か!? い、いや、それも無い。粧裕が誰かと付き合うなんてすぐ分かることだ。それなら何だ? 一体何が原因で……)
月(……今までは時間が解決するだろうと、粧裕が自分から出てくるのを待とうと考えていたが、これ以上は無理だ。悪い方向へと向かっていっている)
月(多少強引になるが粧裕が部屋のドアを開けるまで呼び続ける。ドアを開けたら粧裕を連れ出して僕の部屋で何があったのかを聞き出す)
月(僕の行動で更に状況が悪くなるかもしれない……いや、粧裕は僕のことを信頼してくれている。その僕が心から粧裕の事を考えての行動だと伝われば粧裕も僕にだけ悩みを打ち明けてくれるはずだ)
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:07:20.73 ID:TWqzOMXa0
月(よし……行くぞ)ガタッ トントントン
月「粧裕、僕だ」コンコン
月「このままでいいから少しだけ……え?」ガチャッ
月(この数日がなんだったのかと思うほどあっけなく開いたそのドア)
月(真っ暗な粧裕の部屋に廊下からの明りが差し込んで五日ぶりに見る粧裕の姿がそこにあった)
月「さ、粧裕?」
月(自分の目を疑った)
月(ボサボサになった髪で目元が全く見えない。口元には嘔吐物がこびりついていて服も自分の嘔吐物に塗れている。そして粧裕が生み出す雰囲気というものは負のオーラをこれでもかと含まれるものだった)
粧裕「お兄ちゃん」
月「あ、ああ」
月(しかしそれも全て粧裕が顔を上げた途端消えうせたのだ)
粧裕「ごめんっ! 何だかちょー具合悪くって今までぴくりとも動けなかったの!」
月(いつもの表情だ。頬はこけて目も焦点があってはいないが、表情だけはいつもの表情だった)
粧裕「お父さんもお母さんも心配してるでしょ? 早く謝んないといけないよー」
月(それが僕に更なる不安を抱かせた。だけどそれを問いただす前に粧裕はおぼつかない足取りで歩いていく)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:08:43.85 ID:TWqzOMXa0
月「お、おい、そんなフラフラで階段を下りようとするな。危ないだろ!」
粧裕「平気平気」
月「そんな訳あるか!」
月(そうやって粧裕を抱きかかえようとしたのだが)
粧裕「触んないで!!」
月「っ!?」
粧裕「あっ……よ、汚れるから! あたし、今げーげーでばっちいから!」
月(粧裕は僕を力なく突き飛ばした。その力は到底僕をたじろかせるようなものではなかったのに、僕は粧裕からの拒絶を受けてその場に立ち尽くしてしまう)
月(そのまま粧裕はふらふらと階段を下りて、階下から父さんと母さんの驚きとも安心ともとれる声が聞こえ僕もやっと足を動かすことが出来た)
月(不安はあった。だけど、数日するとその不安も殆ど無くなっていた)
月(粧裕が元に戻ったからだ。この数日が一体なんだったのかというほど粧裕はいつも通りの姿に戻ってくれたのだ)
月(いくつかの疑問はあった。しかし粧裕が元に戻ってくれたというだけで僕は安心してしまったんだ)
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:10:51.06 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋
粧裕(あの日からあたしは凶悪犯をこのノートで殺し続けている)
粧裕(もう1週間。最初にあったノートに書き込むことで人の命を奪うという恐怖感や罪悪感はもうない)
粧裕(我ながら信じられない。いや、もしかしたらあたしは元々こういう人間だったのかもしれない)
リューク「粧裕ー、リンゴくれー」
粧裕(あれから死神には様々なことを聞いた)
粧裕(ノートのルール。死神について。人間界と死神界のこと)
粧裕(ノートの所有権を放棄することによって記憶を失うことが出来ると聞いたときは心が揺らいだ)
粧裕(だけどすぐにその誘惑を断ち切った)
粧裕(所有権を放棄したらこの死神は別の人間にこのノートを渡す。そしてこの死神は次の人間がノートを使った後にいけしゃあしゃあと現れるのだろう)
粧裕(あたしが放棄することによって別の人がこんな苦しみを味わう。もしそれがお兄ちゃんだったら? お父さんだったら? お母さんだったら?……ありえない)
粧裕(もう使ってしまったあたしが持ち続けないといけない。そして使い続けないといけない)
粧裕(何度か話をしてわかってしまった。この死神は人間がノートを使って死神には考え付かないような事を見たがっている。それが自分の意にそぐわないこと……退屈なことだと判断した場合、この死神は所有者も簡単に殺すのだろう)
粧裕(普通にノートを使うだけではいけない。それが分った時、あたしは自分が最初に思いついたことに対して、運がよかったと心底思った)
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:13:38.19 ID:TWqzOMXa0
リューク「それでお前ってノートを使って世の中を変えるって言ってたけど今はどんな感じなんだ?」
粧裕(来た)カチャカチャ
リューク「ん? 救世主キラ伝説? なんだこりゃ?」
粧裕「あたしの事」
リューク「ほぉ」
粧裕「言ったよね? 犯罪者が心臓麻痺で死んでいけばどんな人でも悪人が誰かに消されてることに気がつくって」
リューク「ああ」
粧裕「これがそう。キラ……殺し屋から名前を取っているらしいけど、あたしはもう世界的に「キラ」になってる。もう「キラ」で検索するだけでこの手のページがごまんとあるの」
粧裕「みんなもう気付いてる、わかってる。悪人が誰かに消されてるって」
粧裕「たったの1週間でこれ。これから世の中は変わっていくよ」
リューク「そーなのか?」
粧裕「そう。これは始まり」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:14:57.10 ID:TWqzOMXa0
粧裕「誰だって死ぬのは嫌。だけど悪いことをしたら確実に殺されるのが分ってしまう世の中に変わる。そうしたらどうなると思う?」
リューク「悪いことをしなくなる? のか?」
粧裕「そう。その意識が芽生える。悪いことをしたら駄目だっていう意識が。誰の心に芽生えるの。恐怖心としてね」
粧裕「目に見える恐怖って人の行動を束縛するの。誰もが悪いことをする前に躊躇するようになる。悪いことができなくなる」
リューク「そんなもんなのか?」
粧裕「まあ、それでも人って言うのはふとした拍子に、感情が思い通りに行かなくて衝動的に犯罪を犯してしまう。でもその頻度は絶対的に少なくなるのは間違いないの」
粧裕「まずはそうなるように世の中の意識を変えていく。ううん、世の中は変わっていく」
粧裕「その次は……」ザザッ
リューク「ん? 何か始まったぞ?」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:16:37.98 ID:TWqzOMXa0
『番組の途中ですがICPOからの全世界同時特別生中継を行います。日本語同時通訳はヨシオ・アンダーソン』
『私は全世界の警察を動かせる唯一の人間、リンド・L・テイラー。通称「L」です』
粧裕「……何? L?」
『相次ぐ犯罪者を狙った連続殺人。これは絶対に許してはならない史上最大の凶悪犯罪です』
『よって私はこの犯罪の首謀者、俗に言われている「キラ」を必ず捕まえます』
リューク「必ず捕まえるってよ。くくっ」
粧裕「……」
『キラ。お前がどのような考えでこのような事をしているのか大体想像はつく。しかし、お前のしている事は……』
『悪だ!!』
粧裕「あたしが、悪…………」
リューク「お? どうした? こいつ殺すの?」
粧裕「…………そんな事分かってる」
リューク「あん?」
粧裕「……」プチッ
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:18:17.48 ID:TWqzOMXa0
リューク「おい、あいつ殺さねーの?」
粧裕「殺さないよ」
リューク「何で? お前を捕まえるとか言ってたぞ?」
粧裕「あの人は全世界の警察を動かせるような人みたいだし、あたしを捕まえようと動いてる人なんて正義の人に決まってるでしょ。そんな人は殺す必要なんて無い」
粧裕「それにあたしを捕まえるなんて誰にもできやしない」
粧裕「このデスノートをおさえない限り証拠なんて何も残らない。あたしを捕まえるなんて絶対に不可能なの」
リューク「それもそうだな」
粧裕「あたしは坦々と悪人を殺していく。それだけだよ」
リューク「なんだよ、面白い事になると思ったんだけどな」
粧裕「……面白い事なんてすぐ起きない。リンゴでも食べながらあたしのすることを見てて。いつか面白いものを見せてあげるから」ポイッ
リューク「ウホッ、リンゴ!」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 18:19:15.92 ID:8FhUG3vp0
月より優れてるぞw死神の眼もすぐ契約しそう...
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:24:42.04 ID:TWqzOMXa0
Lの部屋
L(あの生中継から1週間。結局リンド・L・テイラーは今もなお生存している)
L(関東から順に人口の多い地域に生中継を行なったが、何の反応も無い……)
L(この一連の事件の最初の犠牲者は新宿の通り魔だと考えてキラを炙り出してみようと思ったのだが、キラは動かず、か)
L(あれほどキラを挑発してもキラはテイラーを殺さなかった。私の予想では高い確率でテイラーは何らかの形で死亡するものだと考えていたのだが……)
L(テイラーが今も生存しているという事はやはり、テイラーがテレビでもネットでも報道されていない犯罪者。テイラーを犯罪者だとキラは認識できなかった……そう考えるのが自然)
L(となるとキラは犯罪者以外は殺さない……いやそう考えるのは早計だが……)
L(……キラの人物像、修正を加えなければならないな)
L(そして、次の一手……この犯罪者たちの死因、凶悪犯で今だ死亡していない人間たち……これらの事を全て考えて…………)
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 18:32:20.44 ID:FsrYFZqPO
だいぶ前にも粧裕が拾ったSSがあったな
あれはなんとか数人の犠牲で済んだがこのSSだともう手遅れ感半端ないしどうなる事やら
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:35:54.31 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋
粧裕「ふぅ……」
リューク「今日はノート使わねーの?」
粧裕「まあね」
リューク「何かのんびりしてるな。世界中の警察が動き出したってのに余裕じゃないか」
粧裕「言ったでしょ。警察が動いても証拠が出ないって」
リューク「楽観的だな」
粧裕「そんな事はないよ。いつだって気を張ってる」
コンコン
粧裕「っ!」
月「粧裕、少しいいか?」
粧裕「……お兄ちゃん? どうしたの?」ガチャ
月「いや、そのな」
粧裕「?」
月「最近お前の宿題を見ていないと思って、勉強のほうは大丈夫か? 良かったら見てやるけど」
粧裕「……」
粧裕(お兄ちゃん……あたしが部屋に閉じこもった時から、ちょくちょく理由をつけてあたしの事を気にしてくれる)
粧裕(とても嬉しい……お兄ちゃんのおかげであたしは正気を保っていられるのかも……)
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:41:23.78 ID:TWqzOMXa0
粧裕「え! いいのー!? それじゃ、お願い! 数学の二次関数が難しいのー」
月「ああ、お安いご用さ」
粧裕「えへへー」
リューク「気を付けろよ、粧裕……」
粧裕「?」
リューク「今、机の中にあるデスノート。触られたら触った人間は俺の姿が見える」
粧裕「!!」ピクッ
粧裕(そういう大切な事を今頃……この死神は……)
月「どうかしたか? 粧裕」
粧裕「お兄ちゃんの部屋いこーよ」
月「え?」
粧裕「あたしの部屋よりお兄ちゃんの部屋で勉強した方が頭良くなる気がするのー! ほらほら早くー!」
月「お、おいおい、押すなよ。わかったって」
リューク「おー、行動が早いな」
粧裕(せっかくお兄ちゃんとの時間なのにこの死神のせいで……)
粧裕(駄目……平常心、平常心……)
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:48:23.94 ID:TWqzOMXa0
約1時間後
月「凄いじゃないか。前に見た時よりも問題を理解出来てる。というか全部合ってるぞ」
粧裕「えっへへー! あたしも努力してるのです!」
月「それなら次の問題を……」
『あなた、おかえりなさーい』
粧裕「あ、お父さん帰ってきたみたいだね」
月「っと、それじゃもう夕飯か」
粧裕「ご飯の後次の問題お願いしまーす!」ガチャ タタタタ
月「ああ、わかったよ」カチャ トントントン
粧裕「お父さん、お帰りなさーい」
月「おかえりなさい」
総一郎「ああ、ただいま」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:58:34.82 ID:TWqzOMXa0
夜神家ダイニング
月「父さん、粧裕が最近勉強を頑張ってるんだ」
粧裕「ぎゃっ! いきなりどーしたのお兄ちゃん!?」
月「さっきの問題、あれは普段から努力していなければ出来ないほどの問題だったからね。隠れて努力してる粧裕の事を父さんや母さんにも知ってもらいたくてね」
総一郎「そうなのか?」
幸子「あらあら? ライトに頑張ってるなんて言わせるなんて凄いじゃない」
粧裕「んもー! やめてよ、はずかしーよ!」
月「ははは、父さんも粧裕を褒めてやってよ」
総一郎「ああ、そうだな……偉いぞ粧裕……」
幸子「あなた?」
月「……」
粧裕「お父さん? 何だか疲れてる?」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 18:59:26.72 ID:TWqzOMXa0
総一郎「っ! いや、少し考え事をだな」
月「食事中まで考え込むようならそれはもう重症だよ。今回の事件のこと?」
総一郎「……まあ、そうだな。雲をつかむ様な事件だ」
月「犯罪者を狙った連続殺人事件……キラ、か」
粧裕「……」
総一郎「ああ……犯人の目星も浮かび上がらない。現状分っている情報では死亡推定時刻から犯人は学生じゃないかと言われているが……」
粧裕「……」
幸子「お父さん、食事のときにそういう話は」
総一郎「まあいいじゃないか。前にライトの意見で進展した事件もあったこともある」
リューク「学生ね。くくっ」
月「学生……か。学生って言うのは僕が考えている犯人像の一つだね」
幸子「もう、ライトまで」
総一郎「ライトはどんな犯人像を描いているんだ?」
幸子「ああもう。粧裕、こうなったらどうしようもないわ。ご飯を食べて早めに片付けちゃいなさい」
粧裕「んー、わかったー」
幸子「本当に二人共どうしようもないんだから……」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 19:04:53.51 ID:TWqzOMXa0
月「犯人は、単独犯であり裕福な子供」
粧裕「……」
月「そして恐らくは念じるだけで人を殺せるような能力を手にしてしまった子供」
粧裕「!」
総一郎「……ライトにしては珍しいじゃないか。そんな突拍子の無いことを」
月「いいや、これはもう間違いない。心臓麻痺で凶悪犯のみが殺されている。それも世界各地で同じように。そして日本で殺された被害者と同時刻に別の国で殺されている。こんな芸当をやってのけることなんてもう普通の殺人事件じゃない」
総一郎「……続けてくれ」
月「最初は組織立っての犯行かとも考えたが、こんな事をやってのける組織なんてかなり大掛かりで大人数の組織になる。そして、そんな組織なら手がかりの一つくらい絶対に出てくる。だけどそれもない」
月「犯人の証拠一つも見つけられない。現場にも何も残っていないし、手がかり一つ現れない。何故? それは犯人が犯行時に現場にいないから。そんな事どうやって? と、言う形で可能性をどんどん潰していったら、自分でも信じられないがそういう結論にたどり着いたんだよ」
総一郎「そうか……」
粧裕「……」
リューク「あってるな」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 19:08:14.78 ID:TWqzOMXa0
月「そしてそんな能力を人間が手に入れたとすれば……犯罪者を減らしていくと共にそれを見せしめにして世の中を良くしようなんて考えるのは、せいぜい小学生高学年から高校生くらいまでだ」
粧裕「……」
リューク「あってるぞ」
月「幼い子供ならそんな能力使えないか、自分の周りの嫌いな人間を殺してしまうくらいだろう……」
月「逆に成人以上の大人なら自分の幸せのためだけに使う。出世やお金のためだ。その能力を利用すれば大金持ちになる方法なんていくらでも考えられる」
月「犯人は純粋な子供。犯罪者だけを殺していることからも自分の確たる正義感も持っている。何不自由なく暮していて急に人を殺せてしまう能力を手に入れてしまった裕福な子供。自分専用の携帯、パソコン、テレビも持っている中学生が一番妥当かな」
粧裕「…………」
リューク「おい、お前の兄貴、お前の部屋覗いてんじゃねーの?」
粧裕(黙れ死神……お兄ちゃんがそんな事をする訳ない……もしお兄ちゃんがあたしがキラだって知ってたら……)
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 19:20:00.58 ID:TWqzOMXa0
月「あくまでこれは現段階でのプロファイリングでこれからの捜査状況でいくらでも変わってくる。僕が今言えるのはこれ位までかな」
総一郎「……お前にはいつも驚かされてばかりだな」
月「?」
総一郎「今お前が話した内容と同じような話を捜査本部の一番お偉い人が言っていた。そのお偉いさんが言うには……」
月「待って父さん。それは僕にも話していい内容なの?」
総一郎「!!……すまない、やはり疲れているようだ……今の話は忘れてくれ」
月「わかったよ。粧裕……お前も今の話は友達とかに言ったら駄目だぞ」
粧裕「へ? 何の話だっけ?」
月「……しっかりしてきたなと思ったらぼーっとして。ああ、テレビ見てたのか?」
粧裕「お父さんとお兄ちゃんが何か難しいこと話してるからテレビに集中してたの! もうテレビの音量上げてもいいの?」
月「ほら」リモコンワタシ
粧裕「ありがとーお兄ちゃん!」トトトトト ソファーニポフン
月「父さんも疲れてるんだ、片づけ位やっておくから早く休んでくれよ」
総一郎「……ああ、すまないな」
粧裕「あっ、早樹! 新曲だしたんだー! きゃーーーーカッコイイーーー!!」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 19:27:56.46 ID:TWqzOMXa0
粧裕(お父さん……あんなに疲れて……これも、あたしのせい……)
粧裕(ごめん……でも……もう止める事なんてできない……)
粧裕(そしてお兄ちゃん……)
粧裕(やっぱり、お兄ちゃんは凄いね……このままだとあたしのやってることばれちゃうかも……)
粧裕(……いやだ!! そんなの絶対嫌!! お兄ちゃんにあたしが人殺しだ何てばれるのは絶対に嫌だ!!)
粧裕(ばれないようにしないと。お父さんもお母さんもお兄ちゃんにもばれないように、騙し続けないと。その為にやれることを、どんなことでもやれるようにならないと……)
粧裕(自分一人の力で何でも……やってみせる)
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/28(火) 19:28:51.00 ID:TWqzOMXa0
今日はこれくらいで。
また続き書いてきます。
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 19:29:34.57 ID:W/JJC8sVO
期待
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 19:36:15.34 ID:H1Ngi/+Ho
乙
どこまでいけるか
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 19:42:40.42 ID:ftbbY3Oio
乙 楽しみ
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 19:55:58.06 ID:bAy+MyKD0
乙です
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 20:24:57.34 ID:6MFI0bdk0
学校行かなくなった時期や笑い声などから月はもうわかってるかもね
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 20:45:09.01 ID:rr8I3vhu0
ミサミサや高田、魅上の反応が気になるな
後ろ二人が出るとこまで行かんかもしれないけど
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 21:57:40.21 ID:tr35TClqO
ライトは邪魔なら家族でも見捨てる気だったけど
それがないのがかえって面白い
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/28(火) 22:08:55.59 ID:8pEJF+goo
でもぶっちゃけ学生までは絞れてもそこから先は絞れないよな
月は挑発のために時間ズラしたしサユもビビって変えそうだけど普通にやってたらまず特定ムリ
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/28(火) 22:39:12.65 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋
リューク「おいおい、お前もしかして実の兄貴に捕まるんじゃねーの?」
粧裕「少し黙って」
リューク「でもよー、アイツなんか半端ねーぞ? バレる前にデスノートに書いて……」
粧裕「黙れって言ってんでしょ!?」
リューク(怖っ!?)ビクッ
粧裕「ふーーっ! ふーっ! ふぅ……ふぅ」
粧裕「あたしが家族をデスノートに書き込むなんて天地が逆さまになってもありえないこと。冗談でも、二度と、そんな事言わないで」
リューク「お、おう」
粧裕「言ったらもうリンゴあげないから」
リューク「!? そ、それは困る!! 絶対に言わない!!」
粧裕「分ればいいの」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/28(火) 22:40:38.55 ID:TWqzOMXa0
粧裕「……でも、学生か。死亡時間から……そういう事も考えておかないと……」
リューク「時間なんてデスノートに書いてばらばらにできるだろ」
粧裕「できるね」ノートトリダシ
リューク「お、さっそくやるのか?」
粧裕「やらないよ」
リューク「ん? なんで? 死ぬ時間からお前のことばれるんじゃねーの?」
粧裕「バレるわけないでしょ。学生なんて世界中にどれだけいると思ってるの? あたしは変わらずに凶悪犯を殺し続けるの。世の中が変わり始めるまで坦々と毎日変わることなく」
リューク「その世の中が変わり始めるってどーいうことだよ?」
粧裕「聞いたら楽しみなくなっちゃうよ?」
リューク「くっ、それは困るな……楽しみにしておくとするか」
粧裕「そうだね、それまでは……ほらっ」ポイッ
リューク「ウホッ」キャッチ
粧裕「リンゴを食べることを楽しみに毎日すごせばいいでしょ」
リューク「お前、俺の事わかってるじゃないか」シャリシャリ
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/28(火) 22:42:29.25 ID:TWqzOMXa0
粧裕(このまま凶悪犯を殺し続けていって、世界中の犯罪が少なくなっていけば)
粧裕(もしかしたら、本当にもしかしたらだけど……あたしのやっていることが、犯罪の抑止力になるって認められて……)
粧裕(警察に認めてもらえれば……あたしは、お父さんやお兄ちゃんと一緒に世界を守ることができる……)
粧裕(お父さんやお兄ちゃんは表から……あたしは裏から……表と裏で世界をより良く犯罪の無い素晴らしい世界にできる……かもしれない……)
粧裕(……分ってる。そんな可能性なんて、無いに等しいって)
粧裕(……でも、今のあたしが、殺人鬼になってしまったあたしが持てる希望なんて……)
粧裕(それくらいしか……)
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