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久「あんたが三年生で良かった」京太郎「……お別れだな」
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802 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/05/04(金) 13:10:06.22 ID:Aj2foyWG0
乙です!
803 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/04(金) 23:40:10.80 ID:S+Xr+9c10
まぁ、後書きだし多少の誤字は許してください
本編中に散見されるものはごめんなさい
んじゃあ、秘密裏に解放されていたエンディングを投下します
804 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/04(金) 23:44:45.99 ID:S+Xr+9c10
和「いいれすかぁ? らんせいは基本、この世には不要なんれす……ヒック」
咲「和ちゃん、さすがに飲みすぎだよ」
優希「またいつもの男性不要説かー」
和「ガサツで、適当で、デリカシーがなくて……」
咲「わかった、わかったよ。だからもう部屋戻ろう?」
和「うぅ……しゃきしゃぁん」ヒシッ
咲「わっ」
和「……今夜、どうれすか?」サワサワ
咲「ええっ?」
優希「お幸せにー」ヒラヒラ
咲「傍観してないでなんとかしてよっ」
805 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/04(金) 23:49:14.19 ID:S+Xr+9c10
咲「ふぅ……」
優希「のどちゃんは?」
咲「ベッドに入ったらすぐ寝ちゃった」
優希「相変わらずの酒癖だじぇ」
咲「うん……正直、ちょっと複雑だよね」
優希「言い寄られてることが?」
咲「それもあるけど……ほら、原因が」
優希「まあ、いつまでも引きずってるのどちゃんものどちゃんだけど」
咲「どうしてこうなっちゃったんだろうね」
優希「それは言うまでもないんだじぇ」
咲「……だよね」
806 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/04(金) 23:53:49.54 ID:S+Xr+9c10
和(初恋というものは、誰にでもあるものだと思います)
和(もちろん私にも。高校一年の、入学して間もない頃です)
和(鮮烈な記憶です。その時の高揚は、まさに空も飛べそうなほどでした)
和(……しかしながら、初恋は実らないものとも言われています)
和(それが事実かは定かではありません)
和(ですが、私の場合はまさにそれでした)
和(勝手に勘違いして浮かれて、高く高く昇った私の恋心は現実を知り、天から急降下)
和(――以降、男性を信じられなくなった女の出来上がり、というわけです)
807 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/04(金) 23:57:45.73 ID:S+Xr+9c10
和「んん……もう、朝ですか」
和「痛……昨日は少し、飲みすぎてしまいましたか」
和「いけませんね、自己管理の不行き届きです」
――プルルル
和「はい、もしもし」
『おはようございます、先生』
和「おはようございます。仕事の依頼ですか?」
『はい、今朝だけでも何件か』
和「目を通しておくので、メールで送ってください」
『ふるい落としはいつも通りでかまいませんか?』
和「ええ、男性からの依頼は丁重に断ってしまってください」
『わかりました』
和(高校を出て私が選んだ道は、父と同じ弁護士)
和(ただし、女性専門のですが)
808 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:01:00.07 ID:CLbY5vXp0
優希「昨日の乱れっぷりはすごかったんだじぇ」
和「記憶にありませんね」
優希「あれだけ酔ってればやむなしだじぇ」
和「咲さんは?」
優希「早い時間から試合があるからって、マネージャーに引きずられていったじぇ」
和「そうですか……」
優希「ま、今日のところはこの優希さまで我慢するんだじょ」
和「私も仕事があるのでそろそろ行きますけど」
優希「じぇじぇっ」
和「ゆーきは試合、ないんですか?」
優希「私の出番は午後からなんだじぇ」
和「頑張ってくださいね」
優希「おう、今日は東一局で終了だじぇ!」
和「ふふ……」
和(ゆーきは変わりませんね……)
和(それは尊くて、眩しくて、羨ましくもあり)
和(……違いますね。羨ましくはありません)
和(だって、変わってないことを羨むのなら、それは――)
809 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:06:30.54 ID:CLbY5vXp0
優希「あ、そういえば竹井先輩から連絡があったんだじぇ」
和「珍しいですね。なんと?」
優希「今度、清澄麻雀部のみんなで集まらないかーって」
和「いいですね。先輩たちとはあまり会う機会もありませんし」
優希「となると、メンバーは……」
和(ゆーきが指を折り始めてから、気づいてしまいます)
和(竹井先輩が言う、清澄麻雀部のみんな)
和(それは、きっと私が高校一年生の時の面子で)
和(そこには、きっとあの人がいるのだということを)
和「……すみません、私は辞退します」
優希「じぇ?」
和「それじゃあ、仕事がありますから……」
優希「……あー、まったく……先輩はどこまで罪作りなのか」
810 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:09:59.14 ID:CLbY5vXp0
和「……せん、ぱい」
和(思い出すのは、あの人を最後に見た時)
和(父に何度も殴られ、それでもじっと黙っている姿)
和(それが余りに痛ましくて、私は何も言い出せず……)
和(同時に、あの人は絶対に私を見てくれることはないんだと理解してしまって)
和(それから私は――)
和「……まだ、お酒が残っているんでしょうか」
和「全部、綺麗さっぱりなくなったと思ってたのに……」
和(そのはずなのに、この胸の中には渦巻く感情があって)
和(これがなんなのか、私には……)
811 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:13:43.42 ID:CLbY5vXp0
和「――っ」ギリッ
和(違うっ、わからないはずがない!)
和(これは……憎しみです)
和(何も知らなかった私自身と、あの人に向けた憎悪)
和(そうでなければいけないんです)
和「……それなら、何の問題もありません」
和(敵を知り、己を知れば、という言葉の通りです)
和(情報から未知の部分を消していけば、対策も容易に立てられる)
和(それは、法曹界に身を置いて実感したことでもあります)
和「竹井先輩に連絡しましょうか」
和「あんな人のために、せっかくの機会をふいにしたらもったいないですし」
812 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:17:32.52 ID:CLbY5vXp0
優希「それじゃあ、栄光の清澄麻雀部に――乾杯っ!」
『乾杯っ!』
京太郎「いやぁ、この面子で集まるなんていつぶりだよ」
久「さぁね。主にハブられてたのは誰かさんだけど」
京太郎「そんなことより飲んで話そうぜ、せっかく集まったんだしさ」
まこ「あんたは酒には弱いけぇのぉ。飲み過ぎんように」
久「そうね、愛しの奥さんに叱られるわよ」
京太郎「大丈夫だって、なぁ?」
まこ「説得力が欠片もない……」
和(私が立てた対策はシンプルです)
和(とにかく目を向けない、耳を傾けない、なるべく距離を置く)
和(接触しないでいないものと扱えば、何の問題もありませんから)
咲「……和ちゃん、大丈夫?」
和「なにがですか?」
咲「あ、うん……ならいいんだけど」
優希「うんうん、のどちゃんもしっかり成長してるんだじぇ」
813 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:20:56.15 ID:CLbY5vXp0
京太郎「相変わらず三人仲良しだな」
咲「あ、京ちゃん」
優希「先輩、タコス」
京太郎「バカ、ねぇよ」
優希「私たちの絆は何処へ……!」
京太郎「散々たかられる絆とか遠慮願いたいな」
和「……」
和(ここで前提としていたものが崩れ去ります)
和(こちらが接触を避けても、向こうからやってくるのなら無意味です)
和(こうなれば、渦巻くものを抑えるように、私はただ黙って――)
京太郎「……原村も、元気だったか?」
和「……はい」
京太郎「そうか、長い間連絡取れなかったからさ」
814 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:24:06.16 ID:CLbY5vXp0
和(気を使われている……それよりも、気になったのは――)
『和……これでいいか?』
和(……だからどうしたっていうんでしょうね)
和(今更どう呼ばれようと関係ありません)
和(ここは事務的な会話に徹して切り抜けましょう)
和(こうなったら、見ないのも喋らないのも不自然ですし)
和(私は高校一年の三月以来、久しぶりにその姿をちゃんと視界に収めて――)
和「――っ」
和(そして、それを見つけました)
815 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:26:25.97 ID:CLbY5vXp0
京太郎「ああ、これか?」
和(左手の、薬指に光る、指輪)
京太郎「式もやったんだけど、お前だけ呼べなくてさ」
和(言葉が頭に入ってきません)
和(父が拒絶したとか、子供が生まれたとか、そんなことを言っていた気がしますけど、朧気です)
和(自分がどんな受け答えをしているのかさえも曖昧で)
和「すみません、ちょっとお花を摘みに行ってきます」
和(逃げるように、私はその場から離れました)
816 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:31:06.91 ID:CLbY5vXp0
和「うぅ……気持ち悪い……!」
和(胸の中に渦巻く感情はいまや激流となって、私を責め立てます)
和(だけど、どうすればいいのかがまったくわかりません)
和(今は、ただただこの正体不明の感情が気持ち悪い……!)
和「……私は、あの人を憎んでいる」
和(深呼吸して、鏡の中の自分へ言葉を投げかけます)
和(それは突っかかることなく私の中へ落ちていって)
和(正しいのだと。たしかにあの人が憎いのだと)
和「私はあの人が、憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて――」
『――だけど、本当にそれだけ?』
和「――っ」
和(鏡の向こうから投げかけられた言葉は、胸に突き刺さって)
和(胸に空いた穴から、こぼれでた感情は……)
817 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:33:10.14 ID:CLbY5vXp0
和「すみません、戻りました」
久「あら、おかえり」
優希「だらしないじぇ、のどちゃん。一杯目からダウンとは」
まこ「そりゃあそこで寝てる奴に言ってやりんしゃい」
咲「あはは……京ちゃん本当に弱いよね」
京太郎「……zzz」
818 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:36:03.09 ID:CLbY5vXp0
久「まったく……しょうがないわね」
まこ「まぁ、久しぶりに見られた顔もあるけぇ、安心したんじゃろ」
和「……」
久「それもそっか……」
咲「掛けるもの持ってきます?」
優希「むしろ私自身が掛け布団ならぬ肉布団になる! とか」
久「どこの漂白剤よ。しばらく起きそうにないし、ベッドで寝かせるわよ」
和「先輩は部屋を取ってるんですか?」
久「近くのホテルにね。じゃあちょっと抜けるから」
和「いえ、それだったら私が」
久「いいけど……大丈夫なの?」
和「トイレでスッキリしてきましたし」
優希「のどちゃんが下ネタとは珍しいな!」
和「うるさいですよ、ゆーき」
久「鍵は……あった、これね」
和「それじゃあ、先輩を送ってきますね」
咲「気をつけてね、和ちゃん」
まこ「わしも一緒に行こうか?」
和「心配には及びません。すぐ近くなんですよね?」
819 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:40:57.59 ID:CLbY5vXp0
和「先輩、部屋に着きましたよ」
京太郎「……zzz」
和「全然起きない……お酒に弱いのは本当だったんですね」
和(あの頃よりも顔つきは精悍になっていて、それなのにこんな無防備な姿)
和(……きっと私たちを信頼してるんですね)
和(だからこんなところをさらけ出せる)
和(私は、そんな彼が憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて――)
和(――たまらなく愛おしい)
和「ダメですよ、先輩。そんな無防備に寝てちゃ――んっ……悪い女に、食べられちゃうんですから」
和(長年抱え続けた思いは、消えたりなんかしませんでした)
和(先輩への恋慕も、憎しみも)
和(それはグチャグチャに掻き回され、熟成されて)
和(あの日に解けた魔法は呪いとなって、この場で先輩を……私さえも飲み込もうとしています)
820 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:44:25.30 ID:CLbY5vXp0
和「ええ、あなたが指輪をしたままでも構いません。だからこそ、意味があるんです」ギシッ
和「先輩の奥さんが、私たちがこんなことをしてるって知っちゃったらどうなると思います?」
和「ふふ、破滅ですよね」
和「もし許そうとしても、私が絶対それを許しません」
和「グチャグチャに引っ掻き回して、犯して、破滅させてあげます」
和「でも、安心してください」
和「先輩が破滅したら、すぐに私も後を追いますから」
和「それはきっと最低で、素敵なことですよね?」
京太郎「んん……■■■、愛してる……」ムニャムニャ
和「あぁ……楽しみですね」
和「どんな顔、見せてくれるんでしょうか……ふふっ」
和「ね、先輩?」
『エンディング――解けた魔法と残った呪い』
821 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/05(土) 00:51:41.60 ID:CLbY5vXp0
というわけで原村さんの特殊エンドになります
もし自分の思いを清算できてなかったら、というもしもです
京太郎の相手は自由に想像してください
んじゃ、夜更かしして寝ます
822 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/05(土) 01:54:15.19 ID:h+fEeDmko
なんか他の世界線でも違う子が拗らせてる気がしてきた
823 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/05(土) 11:31:49.28 ID:uUSQBeLA0
乙です
単人エンドの爽やかさと複数人エンドの落差を鑑みると確かにやべー娘結構いそうだな
エイスリンルートのシロとか永水ルート絡みとか
824 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/05(土) 15:02:02.86 ID:5CDTmHqW0
乙!こういうのも良いね
825 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/05(土) 15:54:12.25 ID:kn8EcqgDO
すでに破滅してるのに気づいていないのどっち…
826 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/06(日) 13:40:46.30 ID:LzohO0EK0
ムラムラします
827 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/13(日) 00:06:53.36 ID:CX9d3/s60
・もしもの未来、恋の最大の障害とは
セーラ「須賀ー、サッカーせぇへん?」
京太郎「ああ、いいぜ。愛宕の絹さんも呼ぶか?」
セーラ「ついでに姉も呼んでや。サッカーに勝ったら、借金取り立てたるわ」
京太郎「いや、そこは普通に取り立てろよ」
セーラ「なんか負けた気するし」
京太郎「まぁいいけどよ。金の貸し借りはしっかりしとけよ? 関係崩壊の原因になるらしいし」
セーラ「ああ、絶対取り立てる……ジュース一本分!」
京太郎「みみっちいなぁ、おい! それもう奢ってやったってことでいいだろ」
セーラ「なんか負けた気がするし」
京太郎「お前あいつ相手だとそればっかじゃねえか」
828 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/13(日) 00:11:15.24 ID:CX9d3/s60
怜「……」
竜華「……」
怜「あの二人、仲ええなぁ」
竜華「せやな」
怜「むしろ仲良すぎとちゃう?」
竜華「せやな」
怜「うちら三人でくんずほぐれつした仲やん」
竜華「せやな……ってなに言うとんの!?」
怜「や、事実やし?」
竜華「そ、それは……そう、やけど」
怜「それからというものの、昼夜問わず肉欲に溺れた日々……」
竜華「ウソウソ、それウソ!」
829 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/13(日) 00:12:43.50 ID:CX9d3/s60
京太郎「それじゃ、俺たちちょっと遊びに行ってくるな」
セーラ「ちょっと借りてくなー」
竜華「須賀く……京くん! 夜は? 夜は空いとる?」
怜「せやせや。今夜もくんずほぐれつやで、京ちゃん」
京太郎「どさまぎで好き勝手に呼んでんな」
怜「ええやんええやん。ね、京ちゃん」
竜華「せやで、きょ、京くんっ」
京太郎「たしかに今更か……でも夜は約束あるから付き合えないぞ」
竜華「えっ」
京太郎「悪いな、今度また埋め合わせするから」
怜「……時に、その約束の相手とは?」
京太郎「最近こっちで知り合ったやつだよ。リュージって呼んでるけど」
830 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/13(日) 00:15:08.97 ID:CX9d3/s60
竜華「どない思う?」
怜「友情は強し、やな」
竜華「うちら、ベタベタしすぎたから嫌われたんやろか……」
怜「その可能性もなきにしも……いや、やっぱないない」
竜華「そっか……うん、せやな」
怜「かといって浮気の可能性がないわけでもなく」
竜華「えっ」
怜「まぁ、昼はセーラとで、夜は男友達とみたいやし? 心配はいらへんと思う」
竜華「もう、心臓に悪いからやめぇや」
怜「ただ、男女の間に友情が成立するのかという議論もあり、京ちゃんがホモという可能性も」
竜華「ないないないない絶対ない!」
怜「まぁ、うちらに手を出した時点でホモ疑惑は消えるとして」
竜華「問題はセーラ?」
怜「浮気云々の心配はあらへんとしても、一緒の時間減るのはなぁ」
竜華「……そういえば、愛宕の絹さんも呼ぶって」
怜「なんやて? それヤバヤバやん」
竜華「京くん、胸大きい子が好きみたいやし」タユン
怜「うーむ、胸は口ほどに物を言う」
怜「とりあえず、明日はこのはしたないおっぱいを吸わせるとこからやな」ムギュッ
竜華「んっ……」ピクッ
怜「ああ……生娘だった頃の反応が懐かしい」
竜華「とーきー!」
831 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/13(日) 00:18:12.23 ID:CX9d3/s60
セーラ「須賀ー! そっち行ったでー!」
京太郎「華麗にオーバーヘッド決めてやるよ!」
洋榎「絹ー! バッチリ気張れー!」
絹江「よっしゃー! 来ぃや!」
洋榎「その意気やでっ! 二条を盾にすることを許ーす!」
泉「なんで私までー!」
セーラ「須賀がいたらパワーバランス崩れるからやろー!」
泉「しかも盾ってー!」
セーラ「浪速の凶星の意地を見せたれやー!」
泉「だから和訳ー!」
京太郎「てか江口ー! お前キーパーなんだからゴール守れー!」
832 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/13(日) 00:25:01.55 ID:CX9d3/s60
というわけでもしもの未来の話でした
セーラに取られるというよりは友情を優先されたって感じですけど
霞さんがこじらせた結果が小蒔霞エンドです
京太郎が近くにいてしかも小蒔とくっついて、自分の思いも吐き出せなかったからああなりました
他に関しては……まあ
それじゃ、寝ます
833 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/13(日) 10:08:05.31 ID:TZ+FJHCA0
おっつー
雰囲気は良いのだが絹恵が絹江になっとる
これは次スレが必要やなあ
834 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/13(日) 15:50:58.46 ID:ft+Q1NNl0
乙!
835 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/13(日) 16:21:20.90 ID:J9AAURQK0
乙やでー
怜竜から気になってたんだがリュージってなんか元ネタあるん?
836 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/05/14(月) 16:28:24.47 ID:iX96PiSP0
誤字だけは勘弁してや〜
837 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/19(土) 23:53:43.34 ID:afXxgWK00
・もしもの世界、とある三人と一人の出会い
照「行ってくるね」
咲「頑張ってね、お姉ちゃん」
京太郎「ま、照ちゃんなら心配はいらないか」
照「そうでもないよ。今回も強敵ぞろいだと思う」
京太郎「そうか。なら後で差し入れ持ってってやるよ」
照「甘いものがいいな」
京太郎「わかってるよ」
咲「でも、お姉ちゃんが苦戦するとこはあんまり想像できないなぁ」
照「……」
京太郎「……自覚がないのも問題だな」
咲「あれ、どうしたの?」
京太郎「いいからお前は迷子になるなってことだよっ」ワシャワシャ
咲「や、やめてよぉ」
838 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/19(土) 23:57:01.96 ID:afXxgWK00
『宮永選手、また他家を飛ばして一位抜けです』
京太郎「照ちゃんは順調だな」
京太郎「さて……迷子を探さなきゃな」
京太郎「なんでちょっと目を離したすきに消えっかなー」
京太郎「……もういっそ館内放送にかけてみるか?」
「……大丈夫、大丈夫よ。きっと次は……」
京太郎(制服に身を包んだ女の子)
京太郎(名前は覚えていないけど、見覚えはあった)
京太郎(たしか去年、照ちゃんと対局していた子だ)
京太郎(きっと今回の個人戦にも出場しているんだろう)
京太郎(緊張とプレッシャーで余裕がなさそうに見える)
京太郎(多分、周囲も目に入ってない)
京太郎(……こんなのはどこにでもある光景だ)
京太郎(俺には関係ないし、助ける義理も――)
839 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:01:15.40 ID:D+1XWy7P0
『そのかみ、お日さまにあたるとキラキラしてきれいじゃない』
京太郎(――とか、そういうのは関係ないんだよな)
京太郎(……まぁ、見た目が好みだってのもちょっとはあるけど)ピッ
――ガコッ
「次の試合は――つ、冷たっ」ビクッ
「な、なんですか?」
京太郎「悪い悪い、スポドリ嫌い?」
「あ、いえ……」
京太郎「飲みなよ。喉渇いてるだろ?」
「え、ええっと」
京太郎「いいからいいから」
840 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:05:30.49 ID:D+1XWy7P0
京太郎(福路美穂子。言われてみれば、そんな名前だった気がする)
京太郎(近くで見れば思った以上に可愛くて……つい胸元に目がいってしまう)
京太郎(それよりも気になるのが、常に閉じてる片目だ)
京太郎「あれだよな、やっぱり試合の前は緊張しちゃうよな」
美穂子「はい……」
京太郎「俺もそうだよ。試合前になるとすっごく緊張する」
美穂子「あなたも麻雀を?」
京太郎「いや、俺はスポーツ。麻雀はからっきしだ」
美穂子「それなら……いえ、ごめんなさい。私、今失礼なことを言うところでした」
京太郎「まあ、知らないやつにいきなり話しかけられたんだ。しかたないよ」
美穂子「すみません、今は一人になりたいんです」
京太郎「そうか……邪魔しちゃったな。じゃあ俺はそろそろ」
841 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:07:12.83 ID:D+1XWy7P0
京太郎「そういやさ、目、痛いのか?」
美穂子「これは……」
京太郎「はは、知ってる。さっき驚いた時に見えた」
美穂子「そう、ですか……」
京太郎「宝石みたいで綺麗だった。月並みだけどな」
美穂子「……ふふっ、実はさっきも同じこと言われたんです」
京太郎「二番煎じか……なんかカッコ悪いな」
美穂子「そんなことないです。おかげで気がまぎれました」
京太郎「やっと笑った顔も見れたしな」
美穂子「――っ」カァァ
京太郎「じゃ、次の試合頑張れよー」
美穂子「……なんなのかしら、あの人」
美穂子「あ、そういえば名前、教えてもらってないわ」
842 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:10:49.52 ID:D+1XWy7P0
京太郎「やっぱりさっきの子、かわいかったなー」
京太郎「てかさっきのナンパっぽかったかな?」
京太郎「むしろ不審者って思われてないか? そういや名前も教えてないし」
京太郎「……やべ、咲を探すのすっかり忘れてた」
「あれ……もしかして、京太郎?」
京太郎(懐かしい声だと思った)
京太郎(記憶にあるものよりは大人びているけど、芯は変わらなくて)
京太郎(振り向くと、そこには――)
久「……というかあんた、育ちすぎ」
京太郎「成長期なんだ。仕方ないだろ」
久「なんかムカつく。前はあまり私と変わらなかったのに」
京太郎「むしろそっちが縮んだんじゃないか?」
久「ちゃんと育ってますって」
京太郎「ああ、そうだな。前よりも、なんというか……」
京太郎(きれいになった、とか)
京太郎「久しぶり、久ちゃん」
久「……うん」
843 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:15:43.98 ID:D+1XWy7P0
照「京ちゃんと咲、どこ行ったのかな」
照「差し入れ、持ってくるって言ってたのに……」
照「もしかして先にお昼食べてるとか?」
照「それなら、たしか食堂があったから――」
照(……そもそもここ、どこらへんだっけ?)
照「……違う、迷ったわけじゃない。ちょっと道がわからないだけ」
照「なれない場所だし、そういうこともある」
美穂子「あの、宮永さん?」
照「福路さん」
美穂子「今年も出場してたんですね」
照「うん、当たったらその時はよろしくお願いします」ペコッ
美穂子「こちらこそ」ペコッ
照「なんだかすっきりした顔してるね」
美穂子「そうですか?」
照「なんとなくだけど」
美穂子「それは……ふふ、変な人に会ったからかもしれないです」
照「変な人? ……まさか」クンクン
美穂子「ここ、会場からは離れてますけど、宮永さんも散歩ですか?」
照「そ、そんなところ」
美穂子「私はそろそろ戻りますけど、一緒にどうですか?」
照「是非。別に迷ったとかじゃないけど」
844 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:19:09.35 ID:D+1XWy7P0
久「それで、その子の応援に来たんだ……ふーん」
京太郎「ああ、照ちゃんって言うんだけどさ」
久「ふーん、照ちゃんね……ふーん」
京太郎「ちょうど久ちゃんと入れ替わりで転校してきたんだけど、これがまた――」
久「もういい、聞きたくない」
京太郎「あれ、もしかして機嫌悪い?」
久「別に? それよりも彼女の応援はいいの?」
京太郎「いや、別に彼女じゃないけど」
久「ふーん、そうなんだ」
京太郎「それよりも今は咲だよ。照ちゃんの妹なんだけど、迷子でさ」
久「一緒に探してあげようか? 昼休みだから時間あるし」
京太郎「お、心強いな」
久「その照ちゃんの顔も拝んでおきたいしね」
京太郎「有名人だからな。去年も優勝してるし」
久「じゃあ、やっぱりあの宮永照なんだ」
845 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:22:43.49 ID:D+1XWy7P0
照「……京ちゃん、なにしてるの?」
京太郎「あ、照ちゃん……と福路さん?」
美穂子「どうも、さっきはありがとうございました」
照「それよりも京ちゃん、その人は?」
久「照ちゃんに京ちゃんね……」
照「……なにか?」
久「別に? ね、京太郎」
京太郎「ねって言われてもな」
美穂子「あの、上埜さんですよね?」
久「そうだけどあなたは……って、さっき対局したばかりよね」
照「上埜……あなたが」ギリッ
美穂子「次に当たるときは負けませんから」
久「勝負は時の運って言うけど、次も負ける気はないわよ」
美穂子「それで構いません」
照「……私も、あなただけには絶対負けないから」
久「お生憎様、私もよ」
846 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:26:48.15 ID:D+1XWy7P0
京太郎(なにやら白熱している模様)
京太郎(特に、照ちゃんがここまで熱くなるなんてな)
京太郎(いいね、青春って感じだ!)
美穂子「それで、あの……お名前、教えていただけますか?」
京太郎「俺?」
美穂子「はい。さっきは親切にしていただいたのに、聞きそびれちゃいましたから」
京太郎「須賀京太郎。よろしくな、みほっちゃん……ってのは大分馴れ馴れしいな」
美穂子「たしかに慣れないですけど……なんかあだ名みたいで新鮮です」
京太郎「そうか?」
美穂子「はい」
照「……」
久「……」
照「とりあえず、あなたにも負けない」
久「そうね。野放しにしておくと危なそうだし」
美穂子「えっと……はい!」
京太郎「これが青春か……」ウンウン
847 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:39:16.99 ID:D+1XWy7P0
京太郎(これが後に、風越女子の黄金時代を築く三人の出会いだったとさ)
京太郎(この出会いがそれとは全く別の意味合いを含んでいることに、当時の俺は全然気づいていなかったけど……)
咲「こ、ここどこぉ?」
咲「ちょ、ちょっとトイレに行こうとしただけなのにぃ……」ブルブル
京太郎(そして、咲が迷子になっていることはみんなしばらく忘れ去っていましたと)
続かない
848 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/05/20(日) 00:46:07.15 ID:D+1XWy7P0
というわけでもしもにもしもを重ねまくった中学三年のお話です
あの三人がメインで話が進むんじゃないかと
名前をミスった絹ちゃんにはごめんなさい
というわけでおやすみなさい
849 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/20(日) 12:57:43.75 ID:Kdfegg1DO
怜竜アフターはまだか
竜華が本当の幸せを勝ち取れたかどうかが気になる
850 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/20(日) 13:24:06.73 ID:9d7gFgv60
乙です!!
851 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/21(月) 01:09:49.16 ID:6+ji1QI2O
オカルト
……判定が偶奇か
852 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/21(月) 01:10:30.43 ID:6+ji1QI2O
誤爆すまぬ
853 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/22(火) 01:17:14.84 ID:0cqsSrHr0
乙です。
ヒッサのとこが離婚せずに上埜のままなら金銭的に問題なくて、照も姉妹仲良くで、
みんなで風越ってのは割とあるんだけど、超燃えるよね。
最近この設定のおもしろいSSないから残念
854 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/22(火) 12:40:27.65 ID:x6nF1cgA0
人間関係的な意味でも長野って魔境すぎませんかねえ
855 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/22(火) 19:45:05.15 ID:Pi+WE09p0
真田丸
856 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 13:00:00.46 ID:mWkHAeSk0
乙です!
857 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 21:40:56.52 ID:XMtmsqjt0
・どこかの未来、愛妻料理(夜の下拵え)
爽「もしもーし」
京太郎「なんだお前か」
爽「なんだとはなんだよ」
京太郎「いや、今日はどんな騒動の種を持ち込んできたかと思うと」
爽「風評被害だね」
京太郎「思い出せ、二月の終わりになにがあったかを」
爽「……ユキとキスしたとか?」
京太郎「パラシュートなしのフリーダイビングをさせたことを忘れたってか!?」グリグリ
爽「いたたたたっ、記憶にございました記憶にございましたからっ!」
京太郎「ったく、お前もたいがいフリーダムだな」
爽「浪人して勉強漬けの姿を見てもそう思う?」
京太郎「おっとそうだった。チカさんに通報しないとな」
爽「後生だから勘弁してっ」
858 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 21:47:52.07 ID:XMtmsqjt0
爽「ところで成香は?」
京太郎「買い物だよ。今晩は頑張りますってさ」
爽「なるほど、精がつくものをってことだね」
京太郎「頑張るってのは料理のことな」
爽「なるほど、私も召し上がれってやつだね」
京太郎「アイアンクローとグリグリとどっちがいい?」
爽「須賀くんって、私には容赦ないよね」
京太郎「まぁな」
爽「うぅ……これはもう成香に泣きつくしかないかぁ。おたくの彼氏がイジメてくるってさ」
京太郎「どうだろうな。部長になってあいつもしっかりしてきたからな」
859 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 21:50:08.27 ID:XMtmsqjt0
『そんなことよりも、受験勉強は良いんですか?』
爽「ぐふっ、なんて言われるかすごい想像できる」
京太郎「まぁ、そんな落ち込むなよ」
爽「落ち込ませた張本人がなにを言うか」
京太郎「うちの花子たちの餌やりがてらで良ければ、愚痴でもなんでも聞いてやるから」
爽「すっかりここに馴染んだね」
京太郎「住み込みで働いてりゃな」
爽「巨乳の女に猛アプローチされてるらしいね」
京太郎「乳牛に懐かれてると言えよ」
爽「搾りたてミルクをご馳走してくれてもいいよ? あ、須賀くんのじゃないからね?」
京太郎「余計な注釈を入れんなっ」ギリギリ
爽「ギブギブギブ、頭割れるー!」
860 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 21:54:09.97 ID:XMtmsqjt0
成香「どうしましょうか……」
揺杏「いつまで悩んでんのさ」
成香「今日は決戦なんです。妥協できませんっ」
揺杏「須賀のにーさんならなんでも喜んでくれるっしょ」
成香「お料理が上手な揺杏ちゃんに言われても……」
揺杏「じゃあ、デザートは私ってのは? 体にリボンでも巻いて」
成香「そそそそそんなっ、エッチすぎます!」メモメモ
揺杏(あ、そこはメモるのね)
成香「と、とにかくっ、おいしいって言ってもらって撫でてもらうために妥協はできないんですっ」
揺杏「あーあー、本音がだだ漏れだ」
成香「え、あ……」カァァ
揺杏「そんじゃま、これとこれとこれと……」ヒョイヒョイ
成香「ちょっ、勝手に放り込んじゃダメですよ!」
揺杏「牡蠣にレバーにニンニクに時期外れのウナギ! それに怪しげなドリンクを添えて……精力がつきそうなシリーズはどう?」
成香「せ、精力って……」
揺杏「まぁ、鍋にしとけば大体なんとかなるっしょ」
成香「そうなんですか?」
揺杏「カレーは誰が作ってもおいしいじゃん? あれも鍋の一種とみなせなくもないし?」
成香「たしかに……?」
揺杏「だから当たって砕ける精神でゴー!」
成香「は、はい!」
861 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 22:02:48.37 ID:XMtmsqjt0
京太郎「よーしよし、それじゃあまたな、花子」
揺杏「あ、動物しか話し相手がいない寂しい男だ」
京太郎「なんだ、お前もか」
揺杏「お前もってなにさ」
京太郎「ちょっと前まで獅子原も来てたんだよ」
揺杏「入れ違い?」
京太郎「泣く泣く勉強しに帰ったよ。檜森から電話あってさ」
揺杏「あらら、お気の毒に」
京太郎「本当にな」
揺杏「にーさんはもう暇人?」
京太郎「片付け終わったらな。今日はもう休んでいいって」
揺杏「いいね〜、じゃあ今夜はゆっくりできるってわけじゃん」
京太郎「そういや成香は一緒じゃなかったのか?」
揺杏「今頃台所で奮闘中だね」
京太郎「もう準備にかかってるのか」
揺杏「ありゃ相当張り切ってるねぇ。にーさんも嬉しいっしょ」
京太郎「まあ、怪我の心配はあるけどな」
揺杏「愛妻弁当ならぬ、愛妻料理ってやつだもんね」ニヤニヤ
京太郎「ったく、ニヤついてんじゃねーよ」
揺杏「んじゃ、私もちょっと覗いてくから、味については安心してよ」
京太郎「ああ、頼んだぞ」
揺杏「かしこまり」
862 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 22:08:58.45 ID:XMtmsqjt0
京太郎「……」ギンギン
京太郎(晩飯を食べてから体の調子がおかしい)
京太郎(具体的に言うと、ずっと勃ちっぱなしだ)
京太郎(原因として思い当たるのは……ないわけでもない)
京太郎(食材の組み合わせがおかしい鍋……それに、なんだか怪しいドリンク)
京太郎(岩舘め、変なこと吹き込んだんじゃないだろうな?)
成香「お、起きてますか?」
京太郎「起きてる。てか、全然眠気がない」
成香「それじゃあ……お、お邪魔しますね」
成香「……」モジモジ
京太郎「成香?」
成香「ひゃ、ひゃいっ」
京太郎「座らないのか?」
成香「す、座りましゅっ」ストッ
京太郎(なんで床に正座?)
京太郎(それよりも、こいつ見てたら……)ムラムラ
863 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 22:12:21.51 ID:XMtmsqjt0
京太郎「……なぁ――」
成香「あのっ」
京太郎「えっと、どうした?」
成香「きょ、京太郎くんからどうぞ」
京太郎「じゃあほら、せめて座布団使え。こっちが気になるだろ」
成香「あ、そうですね」
京太郎「で、そっちの用件は?」
成香「その、食後のデザートを――」
京太郎「いただきます」グイッ
成香「え、あ……ちょ、ちょっと待ってくださいっ」
京太郎「待たない。もう限界」
成香「違うんですっ、買ってきたケーキを一緒に食べようと思って」
京太郎「じゃあ、終わったら後で一緒に食おうぜ」ペロッ
成香「ひゃっ――な、舐めちゃダメですっ」
京太郎「なに言ってんだよ。期待してたくせに」
成香「そ、それは……」
『じゃあ、デザートは私ってのは?』
成香「〜〜っ」カァァ
京太郎「よし、否定しないってことはOKってことだな」
成香「はうぅ……優しくお願いします」
続きません
864 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/16(土) 22:18:33.12 ID:XMtmsqjt0
というわけで成香さんとくっついたら牧場で働くことになります
リュージはまったくのオリジナルです
あれだけ出てくるのに名無しはやりにくかったという理由です
んじゃ、失礼します
865 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/16(土) 22:28:02.43 ID:LHcWaI9iO
乙
田舎だから大声出してヤッても近所にバレないよね(偏見)
866 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/16(土) 23:38:36.04 ID:+eOuYISDO
乙
成香ちゃんはムッツり
867 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/17(日) 00:48:56.01 ID:T0f4mUyo0
なるかが積極的で萌えます。
868 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/17(日) 09:29:25.87 ID:IBkD3x6A0
乙です
一瞬牧場の牛にユキが混じってないか想像してしまい懺悔
869 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/06/17(日) 18:45:06.49 ID:g6P1UrqV0
乙ッ!
870 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/23(土) 23:46:53.94 ID:Cy5ya1Ru0
・どこかの未来、そんな彼女たちとの日々
京太郎「就活しようと思う」
霞「却下」
京太郎「なんでだよっ」
霞「する必要なんかないでしょ?」
京太郎「あるよ、ありありだよ」
霞「経済的には問題ないでしょ?」
京太郎「そういう問題じゃなくてさ、もっとこう……外との触れ合い的なさ」
霞「ふんふむ……一緒に買い物にでも行く?」
京太郎「新しい人間関係の構築とかさ!」
霞「やっぱり却下」
京太郎「だからなんでだよっ」
霞「だって、どこの女に手を出すかわからないでしょ?」
京太郎「俺をなんだと思ってる」
霞「聞きたいの?」
京太郎「あ、結構です」
霞「それに、そんなことする暇があると思うの?」
京太郎「……」
871 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/23(土) 23:50:07.48 ID:Cy5ya1Ru0
小蒔「京太郎様ー!」
霞「ほら」
京太郎「見つかっちゃったか」
小蒔「二人で内緒話ですか?」
霞「ええ、今日のご飯はどうしようかって」
小蒔「うーん……霞ちゃんが作るなら、なんでもおいしいですし」
霞「ふふ、ありがとう」
京太郎「……」ソロー
霞「ところで、旦那様に何か用なの?」
京太郎「うっ」ギクッ
小蒔「あ、そうでした」
小蒔「さ、京太郎様」ギュッ
京太郎「こ、これから学校だよな?」
小蒔「はい……ですからその前に一度、愛していただけたらと……」ポッ
京太郎「あれー? 昨日の夜もいたしたような?」
霞「小蒔ちゃん」
小蒔「なんですか?」
京太郎(お、物言いか? 信じてたぜ!)
霞「あまり時間がないから、三十分ぐらいでね」
小蒔「はい、頑張りますっ」
京太郎「……マジかー」ズルズル
霞「さて、お洗濯の準備をしなきゃね」
872 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/23(土) 23:53:29.89 ID:Cy5ya1Ru0
京太郎「ふぅ……」
初美「なにいい汗かいたー、みたいな顔してるですか」
京太郎「小蒔に付き合ってちょっとな」
初美「お盛んにも程があるのですよ」
京太郎「汗流したいな……風呂入れるか?」
初美「それなら少し時間を貰えれば……あ、そうだ!」
京太郎「あん?」
初美「お背中流すのですよ、旦那様♪」
京太郎「なるほど、それにかこつけて仕事をサボる算段と見た」
初美「うっ……な、なんのことですかねー?」
京太郎「まぁ、ほどほどにな。具体的には霞に怒られないように」
初美「だ、旦那様のお世話も私たちの仕事だから、サボりではないのですよ!」
京太郎「え、まさか本当に背中流す気かよ」
初美「姫様としたのですから、今更一回や二回は同じなのですよ」
京太郎「まぁいいや。お前相手だったら落ち着いてられそうだし」
初美「どういう意味ですかっ!」
京太郎「気にすんな。ほら行くぞ」
初美「うぅ〜、絶対やる気にさせてやるのですよ!」
873 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/23(土) 23:56:39.26 ID:Cy5ya1Ru0
京太郎「ふぅ……」
巴「お疲れ様です」
京太郎「なんで風呂入って疲れて出てくるんだろうな」
巴「少し休みますか?」
京太郎「毎日が日曜日みたいなもんだけどな」
巴「はっちゃんだったら大喜びですね」
京太郎「巴は?」
巴「私は……ちょっと困っちゃいますね。暇がありすぎるとなにをすればいいかわかりませんし」
京太郎「同感」
巴「ふふ、お茶用意しますね」
874 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/24(日) 00:00:24.95 ID:vLXs8XpF0
巴「あ、あの……旦那様?」
京太郎「ん?」
巴「これは……ちょっと」カァァ
京太郎「俺の膝の上、居心地悪いか?」
巴「そ、そういうことじゃなくて」
京太郎「じゃあ問題ないな」
巴「もう……お茶、飲みにくくないですか?」
京太郎「恥ずかしがる巴が可愛いから全然」サワッ
巴「んんっ……だ、旦那様」
京太郎「悪い、ちょっと我慢できなくなってきた」
875 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/24(日) 00:03:25.14 ID:vLXs8XpF0
京太郎「ふぅ……」
霞「ねぇ、今暇かしら?」
京太郎「わかってて聞いてるだろ」
霞「そうね」クスクス
京太郎「なにか買い物とかないか? 散歩がてら行ってくるけど」
霞「じゃあ明星と湧のこと、迎えに行ってもらえる?」
京太郎「こんな時間に?」
霞「一年生は午前授業なの」
京太郎「そうか。なら行ってくる」
霞「ええ、お願いね」
876 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/24(日) 00:06:40.80 ID:vLXs8XpF0
明星「お兄様、重くないですか?」
京太郎「全然。この倍はいける」
湧「ち、力持ちなんですね」
京太郎「ま、人並みにはな」
明星「……距離、近くなったね」
湧「え、そうかな?」
京太郎「逃げられてたことを考えたらしみじみするな」
湧「や、やめてください……その、思い出すと恥ずかしくなってくるし」
京太郎「ははっ、まだ買い物あんのか?」
湧「えっと、たしかこれだけです」
京太郎「なら後は帰るだけか」
明星「……」ムギュッ
京太郎「どうした、欲しいもんでもあるのか?」
明星「はい……だから、ちょっと寄り道しませんか?」
877 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/24(日) 00:11:12.21 ID:vLXs8XpF0
京太郎「ふぅ……」
春「遅かったね」
京太郎「ちょっと明星と湧に付き合って寄り道してた」
春「こんな夕方まで?」
京太郎「まぁ、時間を忘れてたのは認めるよ」
春「霞さんが怒ってた、というより呆れてた」
京太郎「あ、これ後で説教のパターンだ」
春「それで、なにしてたの?」
京太郎「なにって、ただの寄り道だよ」
春「ふーん」ポリポリ
京太郎「なに疑ってるんだよ」
春「疑ってない。確信してるから」
京太郎「決め付けにかかってないか?」
春「旦那様はウソが下手みたいだし」
京太郎「ったく、なにが目的だ?」
春「黒糖、食べたくない?」
京太郎「そうだな、小腹空いてるし」
春「じゃあ……んっ」
京太郎「口移しかよ……んっ」
春「んんっ……えっち」
京太郎「期待しといて何言ってんだよ」
春「……もう一個、いる?」
878 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/24(日) 00:20:41.55 ID:vLXs8XpF0
京太郎「ふぅ……」
霞「ちょっと話があるんだけど、いいかしら」
京太郎「こんな遅くに説教か」
霞「あら、それがいいならそうするけど」
京太郎「勘弁してくれ。ご用向きは?」
霞「慰労ね。今日も一日お疲れ様」
京太郎「大したことはしてないぞ」
霞「そうね」
霞「朝は小蒔ちゃんと、その後お風呂で初美ちゃんと、お昼前に巴ちゃんと」
霞「買い物帰りに明星と湧と、それで晩御飯前に春ちゃんと」
霞「こんなところかしら?」
京太郎「なんで全部把握してるんだよ……」
霞「さあ、どうしてかしら」
京太郎「まぁ、ちょっとハメを外しすぎた……いや、割といつも通りだな」
霞「ふふ、あなたがいるだけでみんな幸せそうなの、わかる?」
京太郎「お前もか?」
霞「私は……」
京太郎「まったく……ほら」グイッ
霞「あっ……」
京太郎「なんでも言えよ。サービス期間中だ」
霞「……少し、甘えてもいいかしら」ギュッ
京太郎「肩でも揉もうか?」
霞「もう、そうじゃなくて……んっ」チュッ
霞「私のことも、愛してくれる……?」
京太郎「もちろん」
続きません
879 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/06/24(日) 00:25:42.04 ID:vLXs8XpF0
というわけで巫女さんハーレムエンドのその後です
巴さんのエンディング条件さえ満たしていれば……
んじゃ、おやすみなさい
880 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/24(日) 00:36:50.10 ID:C7OCHLwRo
短命だな
881 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/24(日) 00:57:12.81 ID:bAhFpJVxo
乙
霞さんがギリギリだったからねぇ
巴さんは時間がなかったな
882 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:13:13.77 ID:Ps8+g9vo0
・どこかの未来、うたえりレイディオ
咏「さーて今日も始まったねぃ」
えり「今日は打ち合わせ通りに頼みますよ」
咏「このやりとり打ち合わせにあった?」
えり「放送前の注意事項みたいなものです」
咏「んじゃ、えりちゃん進行頼むぜぃ」
えり「三尋木プロもしっかりお願いします」
咏「えー?」
えり「ではなく、早速投稿メールからいきますよ」
咏「ふくすこコンビに対抗するためにラジオやらされてるとは言え、えりちゃんも大変だねぃ」
えり「だからあなたもやるんですよっ」
883 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:16:59.40 ID:Ps8+g9vo0
『三尋木プロといえば着物ですが、洋服を着ることはないんでしょうか?』
咏「まーた今更な質問だねぃ」
えり「着てますよね」
咏「オフの時とか、たまーにだけど」
えり「今度撮影の時どうですか?」
咏「イメージ崩れるんじゃね? 知らんけど」
『エイミーとはどれぐらいの付き合いなんでしょうか?』
えり「エイミー……というと、時々身につけているあのぬいぐるみのことですね」
咏「えりちゃん正解。ま、元々はゲン担ぎでつけてたものなんだよねっ」
えり「ゲン担ぎですか。なら、麻雀を始めてからとか?」
咏「そんな感じ。小学生ぐらいじゃね? 知らんけど」
えり「そこは知っててください」
咏「ちなみにセアミーって仲間もいるからよろしくっ」
えり「なんの宣伝ですか」
咏「というかさっ、こっちの質問ばっかだけど、えりちゃん宛ってないの?」
えり「あるにはありますけど……」
咏「じゃあ次はそれってことで」
884 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:20:39.15 ID:Ps8+g9vo0
『好きな人に中々気持ちが伝わらなくて困ってます! 針生さん何かアドバイスください!』
咏「恋愛相談……えりちゃんに?」
えり「なにか言いたいことでも?」
咏「さぁねぃ」ニヤニヤ
えり「ニヤニヤしないでください」
咏「ところで恋愛経験は?」
えり「私のことはいいですから、答えてあげてくださいよ」
咏「や、えりちゃん名指しじゃね?」
えり「恋の話題なら三尋木プロ向きかと。最近どうなんですか?」
咏「いやいや、あいつはまだまだだし? 師匠としては、そういうことは一回ぐらい大会で優勝してからでも――」
えり「ええ、そうですね。私はあなたの弟子の話をしたわけではありませんが」
咏「あ……えりちゃん、ちょっと意地悪すぎね? 知らんけどさっ」
えり「私から言えるのは、相手にストレートに気持ちを伝えましょう、ということですね」
咏「ま、それができたらって話だけどねぃ」
えり「では三尋木プロからもどうぞ」
咏「うーん……外堀を埋めるとか? 相手が逃げられない状況を作ればってことで」
えり「未成年になんてアドバイスを……」
咏「わっかんねー、全てがわっかんねー」ケラケラ
えり「まったく……次行きますよ、次」
885 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:25:38.52 ID:Ps8+g9vo0
『三尋木プロのお弟子さんについて詳しく!』
咏「あー……これ、どこまで言っていいのかね?」
えり「彼も雑誌のインタビューを受けていましたし、そこで掲載された範囲でなら」
咏「じゃあ……須賀京太郎、男、18歳、長野出身、背は高い」
えり「昨年度のインターハイで優勝した清澄高校麻雀部に所属していた、ですね」
咏「またなんとも面白みにかけるねぃ」
えり「と言うと思って、彼の知り合いに取材をしてきました」
咏「さっすがえりちゃん、事前の準備はバッチリだねっ」
えり「ええ、そういったものを素知らぬ顔で台無しにする人もいるんですけどね!」
咏「いや、知らんし」
えり「それではまずこちらから!」
886 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:32:50.46 ID:Ps8+g9vo0
『え? 三尋木プロの弟子になったことについて?』
『どうなんでしょうね。お世辞にも麻雀が強いわけでもなかったし』
『ああ、別に心配してるとかじゃないんですけど。長い付き合いだから、そこは信頼してます』
『あいつなら、そのうちきっとすごいことをやらかし――じゃなくて、やってみせるんじゃないですか?』
えり「元同級生の長野県在住、H.T.さんからでした」
咏「ま、猫船に乗ったつもりで任せとけばいいんじゃね? 知らんけど」
えり「なんですか猫船って。大丈夫なのか大丈夫じゃないのか、全くわかりませんよ」
咏「うふっは! たしかに!」ケラケラ
えり「……」イラッ
887 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:37:54.68 ID:Ps8+g9vo0
『弟子? 当然粛清ですね』
『ええ、夜道に気をつけろとは言ってありますから』
『でも、うたたんがそれを望まないなら……ううっ』
『僕は、僕はっ……!』
えり「……」
咏「いやぁ、人気者は辛いねぃ」
えり「み、三尋木プロのファンみたいですね……」
咏「辛いわー、熱狂的なファンがいて辛いわー」
えり「……同じく元同級生の長野県在住、I.N.さんからでした」
888 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:40:53.81 ID:Ps8+g9vo0
『ええっと、なんと言えばいいかよくわからないんですけど……少し、感慨深いですね』
『はい。私が教えたときはその、ほとんどなにも知らなかったので』
『私が最初の師匠? そんな……』
『でも、あの時間が彼の道を決めるきっかけになったなら……はい、誇らしいです』
えり「こちらも長野県在住、M.H.さんからでした」
咏「最初の師匠?」
えり「いわば、三尋木プロの先輩といったことでしょうか」
咏「ま、どっちが上かはすぐわかるんじゃね? 知らんけど」
えり「あら? もしかして――」
咏「いや、知らんし。知らんから次、次!」
889 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:43:17.01 ID:Ps8+g9vo0
『わぁ、プロのお弟子さんなんてちょーすごいよー! サインもらえるかなぁ?』
『京太郎様がプロに……! か、霞ちゃん! てれび、てれび見れるようにしましょう!』
『プロ……? ポストはやりんなら共演できるでしょうか?』
『ふぅん、キョウタロウがね……微妙だよね。もしダメそうだったら養ってあげてもいいけど』
『ええっ、京太郎くんが!? お、お祝い送った方がいいのかな!? ちょっとお姉ちゃんと相談してきますっ』
『うーん、そがん上手くなかて思うんですけどね。あ、応援はしますよ? 私ばフッた人ですけど!』
『そかー、須賀くんもいつまでも下手っぴやないっちゅーことやな』
『あわっ、キョータローが? むぅ、私もプロになって完勝しちゃうんだから! そしたら、また……』
えり「などなど全国津々浦々、コメントを頂いてきました」
咏「いやいや、力入れすぎじゃね?」
えり「交友関係が広いので、地元だけじゃ物足りないと――」
咏「お上の意見があったわけだ。辛いねぃ」
えり「ともかく、これで多少はリスナーの皆さんにも、彼の人となりが伝わったのではないでしょうか?」
咏「ポイントは男女比の偏りだぜぃ?」
えり「それだけ多くの人に慕われているということですね!」
咏「物は言い様ってね!」
890 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:45:42.98 ID:Ps8+g9vo0
えり「それでは、次のコーナーですが……え? 時間が押している?」
咏「えりちゃんさぁ、時間の管理はしっかりね」
えり「ええ、主に三尋木プロの脱線で時間を食ったような気がしますけども!」
咏「ところでさ、この番組ってなんて名前だっけ?」
えり「三尋木咏の適当レイディオです」
咏「人を指して適当とか酷くね? ここはもう、はりえりレイディオでいいっしょ」
えり「どうして私がメインみたいな番組名になってるんですか」
咏「そこはかとなく音楽家っぽさも加えつつ」
えり「はぁ……せめて私要素は半分でお願いします」
咏「なら、はりうたレイディオとか? はりうた、はりゅうた……うんうん」
えり「さりげに人の名字を全部使わないでくださいよ。他にもえりうたとかあるじゃないですか」
咏「自分の名前の方が先とか、えりちゃん案外目立ちたがり?」
えり「じゃあうたえりでいいですね!」
咏「や、こっちの方が目立っちゃうし」
えり「あぁもうっ!」
続かないよ
891 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/07/23(月) 22:47:55.48 ID:Ps8+g9vo0
というわけで弟子になった時の周りの反応ということで
弟子になったことというより、プロを目指していることに反応してる感じの人もいますが
んじゃ、風呂入って寝ます
892 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/29(日) 09:13:05.26 ID:ARBoHL3nO
おつん
893 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/30(月) 01:13:47.63 ID:V656UaBeO
乙
894 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/08/13(月) 01:50:50.67 ID:/37VJQP00
これで完全に完結か
乙でございました
895 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/08/13(月) 22:07:50.66 ID:6KBhcUaM0
・どこかの未来、面影に重ねる思いは
「ふむふむ、なるほどですねー」マジマジ
「あ、あの……」
「ああ、これはとんだ失礼を」
「は、離れてくれるとありがたいんですけど……」
「おや? もしかして女性は苦手なのですか?」
「苦手っていうより、慣れてないというか」
「そうですか……じゃあ、まずは私をお姉さんと呼ぶといいのですよ!」
「ええっ」
「……」ジー
「えっと……なんかついてます?」
「目と鼻と口?」タユン
「ふ、普通ついてますよね?(胸でかっ!)」
「……気になる?」
「そんなまさか胸なんて全然見てないですからっ……あれ?」
「ふふ、黒糖食べる?」
「え、あ……い、いただきます」
896 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/08/13(月) 22:11:18.70 ID:6KBhcUaM0
「え……うそっ――あ、明星!」
「なあに? そんなに慌てて……あら?」
「どうも、お邪魔して――」
「――お兄様っ」ギュッ
「むぐっ」
「いつお戻りになったんですか? ずっとずっとお会いしたかったです、お兄様……!」ギュウウ
「わ、私もずっと……」ウルウル
「む、むぐぐ……」
「明星っ、苦しそうにしてる」
「なに言ってるの? お兄様だったらこのまま抱え上げて……あら? なんだか縮みました?」
「それに、よくみたら若返ってるような……」
「……もしかして」
「……別人?」
「た、多分そうだと思います……」
「お茶のおかわり、いかがですか?」
「ありがとうございます……」
「お疲れですね」
「ちょっと長旅でしたから」
「それと、年上の女性に詰め寄られて、とか」
「あはは……僕の顔って珍しいのかな」
「というより、懐かしいんだと思いますよ。みんなも、私も」
「懐かしい……」
「それじゃあ、またなにかあったら呼んでくださいね」
「あ、はい」
897 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/08/13(月) 22:18:22.46 ID:6KBhcUaM0
「……」
(思い返してみれば、みんな見覚えのある人たちだった)
(永水女子、母さんのチームメイトだった人たち)
(僕が見た写真よりは成長していたけれど、20年も経ったことを考えれば若すぎるくらいだ)
『ご飯できましたよ〜』
(……あのぽややんとした母さんみたいに)
(だけど、一人足りない)
(巫女服を着た母さんのチームメイトは、もう一人いたはずだ)
(あえて言うなら、あの人が似てる気が……)
「すみません、お待たせしてしまって」
「あ、いや、そんな」
「私がお招きしたのに、お姉様方に任せっきりにしてしまいました」
「お姉様方?」
「はい。普段はいらっしゃらないんですけど、今日は特別なんです」
「あー……僕、ちょっと間が悪かったですね」
「いいえ、私のお客さんですから。こう見えて私、姫なんです」
「姫……」
898 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/08/13(月) 22:28:03.21 ID:6KBhcUaM0
(普通の女の子がそう言うのと違って、違和感はなかった)
(きっと本気で言っている)
(現実離れして綺麗なこの人が、この浮世離れした場所の姫)
(異論を挟む気も起きなかった)
(それは決して得意気に張られた胸に視線が行ってるからじゃなくて……いや、本当に)
「……あれ?」
(ふと、その背後にゆらめく何かを見たような気がして)
(目をこすって、こらしてみてもそこには何もない)
(……見間違いだったんだろうか)
「どうかなさいましたか?」
「えっと……ここ、広いですけど、普段は一人で住んでるのかなって」
「そんなことはないですよ。今日はちょっと不在ですけど、六女仙がいますから」
「あの、ご両親は?」
「今日はお母様もいらしてるんです。ご紹介しますね」
「え、ええっ、紹介!?」
(いやいやいや、ちょっと展開早すぎない!?)
(出会ってその日に両親に挨拶とか!)
899 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/08/13(月) 22:32:46.16 ID:6KBhcUaM0
「折角の新しいお友達ですもの」
「あ……お友達」
(急に現実に引き戻された気分だった)
(こうして家まで招いてくれたんだから、少なくとも嫌われてはいないとは思ったけど)
(それにしても……友達かぁ)
「あの、少し馴れ馴れしかったでしょうか? 私たち、初対面なのに」
「いやいやそんな!」
「良かった……実は、何故だかあなたのことは他人と思えなくて」
「え、それって……」
「なんだか、弟みたいだなって」
「……そうですか」
(そりゃまあ、どっちも自毛で色が同じだし、僕の方が年下だし?)
(客観的にそう見えなくはないのかもしれないけど)
(だからって弟って……)
「……」ズーン
「あら? もしかして体調が優れませんか?」
「いえ……いたって健康体です」
900 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/08/13(月) 22:37:41.08 ID:6KBhcUaM0
『入っても構わないかしら?』
「あ、お母様。どうぞ」
「えっ」
(まさかの心の準備ができないままボス戦突入)
(いやボスってなんだ落ち着け僕)
「初めまして、私は――」
(なぜか言葉が途切れた)
(いや、このパターンには覚えがある)
(ここで出会った大人たちは、みんな少なからず同じ反応を見せたのだから)
(この人も、きっと僕にだれかの面影を重ねているのだろう)
(ふと、見上げれば)
「ああ、ああっ……」ポロポロ
「お、お母様?」
(どこか母さんに似た、ものすごい美人の涙)
(明らかに、僕を見て泣いていた)
(こうなると経験の少ない僕はもう、うろたえるしかない)
(だから、二回目だというのに反応が遅れた)
901 :
◆zSdeXZwVBY
[saga]:2018/08/13(月) 22:41:17.60 ID:6KBhcUaM0
「――おかえりなさい」ギュッ
「むぐっ」
(さっきの人よりいくらか凶悪な質量が、同じように僕の呼吸を塞ぎにかかった)
(ヤバい、これは……)
「むぐぐ……」
「あの、もう離してあげたほうが……」
「おかえりなさい……京太郎」
(そしてブラックアウト)
(その直前に父さんの名前が聞こえた気がした)
(……気のせいかもしれないけど)
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