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妹「ヤバい」
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1 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 21:57:16.78 ID:+E/9FGmb0
皆さん、ちょっと聞いてください!
私の家で今朝、ヤバいことが起こったんです。
本当です、ガチでヤバい。
どう切り出せばいいのか分からない……
でも本当にヤバくて、どうしようもなくて、本当にガチでヤバいんです。
まさか姉があんなことするなんて自分でも混乱してます。
ああもうホントにヤバい。どうしようマジでガッチガチのガチでヤバい。
ガッチガチなんて言葉が飛び出すくらいヤバい。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1511614636
2 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 22:02:14.23 ID:+E/9FGmb0
今、リビングでこれを打ち込んでます。
右隣に33型の薄型テレビが置いてあって、インディ・ジョーンズ魔球の伝説が流しっぱになってます。
テーブルはオーク材で……いや、そんなことはどうでもいいんです! 違うんですよヤバいのは!
姉が、目の前のソファに姉が座ってんスけど、その姉が……。書いていいのかな……。
その、姉が……
殺し屋を雇っておりまして……
3 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 22:05:11.82 ID:+E/9FGmb0
多分、みなさん『はぁ?』と眉をひそめたと思います。
見るのをやめた、という人もいるでしょう。
でも、ガチです。姉は殺し屋を雇っている。友人はおろか私や母さんにも打ち明けてない。
本人だけが知ってるヤバい事実。ガッチガチのガチでヤバすぎる事実。
どうして私が知ったのかと言いますと、実は打ち明けられたんです。
姉本人から。
4 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 22:11:02.68 ID:+E/9FGmb0
ー今朝ー
姉「楓、新聞取ってきて」
私「うん」
いつものように私が新聞を取りにポストへ行くと……
私「ひゃっ! なによ、この液体……!」
なんか赤黒い液体がポタリ、ポタリとポストから滴っていました。
最初は郵便物のインクが漏れたのかなと思ってたんですけど、妙に粘り気があるし、何しろ臭いんです!
なんつーか、鼻につくっつーか……錆びた鉄みたいな匂いがしましとぇ。
それで、私はその液体が血かもしれないって。で、ポストの扉を開けてみたら……
私「ひいいッ! 生首!」
新聞の代わりに、人の生首が圧縮されて押し込められてました……
もう、生きた心地がしませんでした。その場で吐いて、泣き叫んで、頭がぐらぐらして。
思い出すだけで吐きそうです……。
5 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 22:15:35.86 ID:+E/9FGmb0
私「ね、姉ちゃん! ポストに人の生首が!」
姉「ああ、それアタシね」
私「え!?」
姉「もっと詳しく言えば『私が雇った殺し屋の仕業』といったところかしら?」
私「意味が分からない。まったく」
姉「あんたには理解できないでしょうね。とにかく、生首を持って来なさいよ」
私「いやだよ、あんな気持ち悪いもの……」
姉「持って来なさい。そしたら説明してあげる」
私はトングで生首を挟み、姉の元へ持っていきました。
なりふりなんてかまっていられなかった。夢だよね、これ。
そんな風に言い聞かせながらも、パジャマに染みた汗はじっとりと冷たく濡れていました。
6 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 22:23:33.93 ID:+E/9FGmb0
姉「イアー、良いツラ構えじゃないの」
食卓の上に置かれた首を見て、姉は飛び跳ねていました。私には理解できなかった。この状況が理解できなかった。
朝の食卓、中央に潰れた人の首、それを眺める女子学生。異様としか思えませんよ! なんなんですか! 本当に! ガチで!
私「事情を説明してもらいます」
姉「事情? そうね、気に入らない奴を間接的に殺した。くらい?」
私「意味が不明だ!!!!!」
姉「不明じゃないわ、明瞭ね。あんたにだって一人はいるでしょ? 殺したくなるほど憎いヤツ」
私「私は、あなたを殺したい気分でいます」
姉「そうそう、それよそれ。四組の奏って知ってる? ほら、下級生の間でも美人っつーことで有名じゃない」
私「確かに、ミスコンで優勝した先輩ですよね」
姉「アタシより可愛かったから殺した。それが理由」
7 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 22:34:29.35 ID:+E/9FGmb0
姉はイカれています。頭がおかしい。
自分よりかわいいだけで、殺し屋に標的として依頼してしまうなんて。
これはガチでヤバいこと。本当にヤバい。しかも夢ではない。
こうやって打ち込んでいるわけですけど、語彙力がチンパン並みと思われたかもしれない。
ですが仕方ないんです。衝撃的な出来事は人をチンパンジーにさせる。
今朝の私も、チンパンジーでした。
私「すぐに警察は動きます。あなたはただでは済まない。裁きを受けるべきだ」
姉「あらそう、果たして警察にアタシを捕まえることはできるのかしら?」
私「どういう意味ですか」ギリッ
姉「文字通りの意味よ。奏を殺したのはアタシじゃない。そして、この事実を知るのはあんただけ」
私「つまり……」
姉「あんたにも死んでもらうわ」
私「ば、馬鹿なッ!!!」
や、やられる! ……けど、私は死ななかった。死んでないからこうやって書いてるんですけどね。
殺し屋に依頼するのを忘れていたそうです。あくまで彼らは金のために行動する。
契約が成立しない以上、姉は客でなく『ただの人』らしい。
ホッとしました。ガチでホッとしました。その後普通に登校したんですけど、手の震えが止まらなかった。
いつどこで襲われるんだろう。そればっかり考えてた。今も震えてます。
8 :
◆svIrwpE34U
[saga]:2017/11/25(土) 22:48:41.19 ID:+E/9FGmb0
というわけで、私も殺し屋を雇うことになりました。
何もせずに殺されるものですか。殺される前にこっちが叩ッ潰してやる。
私は闇サイトを経由して殺し屋ネットに辿り着きました。
真っ暗な画面の中央に、赤い英文字がズラズラ書いてあります。
私は目の前でガリガリ君コーンポタージュ味を舐めている姉をチラッと一瞥しました。
私(標的にされてることも知らずに呑気ね。まぁいい、その呑気さが命となるのよ)
姉「ねぇ、楓」
私「どうしたの? 姉ちゃん」
姉「あんたの依頼、出したから」
私「依頼?」
姉「一週間後、ボリビアから手練れの暗殺者が来るわ。安心して、一瞬で終わる」
私「一週間? その間に通報するけど」
姉「あんたは絶対にそんなことはしない。これはあんたとアタシ、姉妹の問題。第三者の介入など許さないでしょう。それに、見えてるわよ」
振り向いた私は愕然としました。
背後のガラスに、パソコンの画面がはっきりと映っていたのです!
姉「へェー、あんたも依頼出したんだ。こいつァ、ちぃと面白くなってきたんじゃあねーの」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/26(日) 06:12:03.38 ID:nJ1+AF8VO
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