京太郎「死んでも生きる」良子「死んでも一緒」

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102 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 00:52:26.32 ID:ttV2FiM10


京太郎「ふむ、この状況なら、これ切ります」ユビサシ

良子「思ったより普通に打てるんですね」

京太郎「こっち来てからも勉強してましたから」

良子「今なら案外いいとこいけそうですね、それにどことなくプレッシャーも感じますし」

京太郎「プレッシャー? なぜに?」

良子「霊体うんぬん抜きにしても、おそらくなにか芽生えかけているか……」

京太郎「?」

良子「いえ、とりあえずこの調子で続けましょうか」

京太郎「んー触れたらもうちょっとなぁ」ハァ

良子「そういうのは生のボディになってからで十分、です」フッ

京太郎「生身になってからも会ってくれるんっすね!」

良子「……言葉のあやです」

京太郎「ですよねー」アハハ

良子「でも奇妙な縁ですが……悪くありません」フッ

京太郎「……よっしやる気出てきた!」

良子「こんなんでですか?」

京太郎「十分です!」グッ

良子「……それじゃ、がんばりましょう」フッ

京太郎「うっす!」

103 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 01:22:25.05 ID:ttV2FiM10


―――翌日【朝】


良子「起きてください」ユサユサ

京太郎「んぁ?」

良子「おはようございます」フッ

京太郎「……結婚しよ」

良子「……冗談でもそういうことは言わないことです」コツッ

京太郎「あぅっ……うっす、ついつい」

良子「まったく……おはようございます」

京太郎「あ……おはようございます!」ニッ

良子「やけに嬉しそうですね」

京太郎「いやぁ、挨拶できる相手がいるって良いなぁ!」

良子「……それはなによりで」フッ

京太郎「さて、今日はどうしますか?」

良子「私は行くところがあります」

京太郎「え、どこに?」

良子「ワークです」

京太郎「あ〜仕事かぁ」

良子「ここにいますか?」

京太郎「あ〜ご一緒しても?」

良子「ええ、どうぞ」フッ

京太郎「よっし、今日も一日頑張るぞー!」

良子「今日こそなにか見つかれば良いですね」

京太郎「まぁそこは時の運ってことで……熊倉さんがなんとかしてくれないかなぁ」

良子「良いニュースを待ちましょう」

京太郎「うっす!」

良子「朝御飯をそこらで済ましてから行きますので」

京太郎「了解です!」

104 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 02:28:49.00 ID:ttV2FiM10


―――【喫茶店】


京太郎「テレビ局近くって大概喫茶店ありますよね」

良子「儲かりますからね、ある程度芸能人も来るでしょうし」

京太郎「なるほど……なぜわざわざ端の方の席に?」

良子「小声とはいえ静かな雰囲気ですから、あまり人が多くない端の方にしました」

京太郎「……ああ、気を遣ってもらっちゃって」

良子「いえ」


「お待たせしました、サンドイッチのセットです」コトッ

良子「センキュー」

「はい、ごゆっくり」ニコッ タユン

京太郎(おっぱい!)


良子「……見すぎですよ」

京太郎「え、あ、ええ……」

良子「さて、いただきます……」

京太郎(飯かぁ、良いなぁ……)

良子「……」

京太郎(でも、匂いは感じる。それでも空腹感はない、か……)

良子「一口、食べますか?」

京太郎「食べれれば良いですね」ハァ

良子「私との接触が必要、ですか……それじゃ、右手、出してください」

京太郎「持ち上げられませんし」

良子「ふ、不本意ですが、食べさせてみましょう」カァッ

京太郎(……そういうのもあるのか!)

良子「で、では」スッ

京太郎「失礼!」ギュッ

良子(お、おかしい、慣れるどころか前よりも緊張が……!)

京太郎(な、なんだか妙な感じ……いや、なんつーかその)


良子「で、では……」

京太郎「は、はい」

良子「あ、あ〜ん」

京太郎「あ、あ〜ん」


トシ「なにやってんだいあんたら」


京良「!!?」ビクゥ

105 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 02:38:27.38 ID:ttV2FiM10


京太郎「くくく、熊倉さん!?」

良子「ほ、ホワイ!? なぜここに!?」

トシ「感覚を感じて来てみたらって感じかね」

良子「なんですかそれ」

京太郎「感って三回言ってる」

良子「どーでも良いです」

京太郎「確かに」

トシ「で、来てみたら二人がイチャイチャしてたってわけさ」

良子「いちゃっ!?」カァッ

京太郎「いやいやそういうんじゃないですから!」

トシ「どうでも良いよ、そう見えたってだけで」

京太郎「どうでも良いって……」

トシ「で、なにしてたんだい?」

京太郎「え、ああ、それが……」

106 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 02:49:35.50 ID:ttV2FiM10


京太郎「―――ということで」

トシ「なるほど」フム

良子「そ、そいうわけで誤解ですから」

京太郎(全面否定ですか……ですよね!)

トシ「……なら、続けてくれて結構さ」

京良「え」

トシ「試してみる価値はあるんじゃないかい?」

京太郎「ま、まぁ」

良子「そうですが……」

京太郎「……」チラッ

良子「……」チラッ

バッ

京太郎(ど、どうする、いやどうなる!)

良子(し、しかし須賀君が生身にリバースできる足がかりになる可能性が……な、ならばっ!)


良子「あ、あーん」

京太郎(正気ですか!?)
107 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 03:32:36.32 ID:ttV2FiM10


良子「わ、私だって恥ずかしいんですから、早く、してくださいっ」カァッ

京太郎(おっきした)

京太郎「で、ではいただきます……あーん」パクッ

良子「ど、どうですか?」


京太郎(味はするが……噛めない)

ハムハム

京太郎「……」

良子「まさか、噛みきれない……リモコン状態?」

京太郎「……」

良子「……離して良いですよ」

京太郎「……」スッ

良子「まさかこんなことになるとは」

トシ「おおよその予想通りだね」

京太郎「すんません」

良子「謝ることじゃありませんよ」フッ パクッ

トシ「あ」

京太郎「あ」

良子「?」モグモグ


京太郎「その、えっと……お、俺が口付けたとこ、ですけど」

良子「……!!?」

トシ「大胆なことするねぇ」ヤレヤレ

良子「!!!?」ボンッ

京太郎「あ〜すんません」

良子「べべべ、別に気にしてませんからっ、だ、だってゴーストの口に入った、も……の……」マッカ

京太郎「……味は、しました」

トシ「京ちゃんがしゃぶったものと」

京太郎「言い方ァッ!」

良子「!」パクパクパク

京太郎「ああ、血迷った!」

良子「ごごご、ごちそうさまですっ」

トシ「おお、全部食べた」

京太郎(変な気分になっちゃう)カァッ

108 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 03:40:24.46 ID:ttV2FiM10


良子「い、今のはなかったことにします!」

トシ「なんの収穫もなしかい?」

京太郎「ああいや、味がしたんで……」

トシ「……生きてるのは実感できたかい?」

京太郎「まぁ、はい、死んでるんですけど……ちょっとは希望をもてました」ハハッ

良子「……」

トシ「ま、なんかあったら味わうだけして捨てるって手もあるだろうしね、おすすめはしないけど」

京太郎「もったいないですもんね」アハハ

良子「……い、良いです。わ、私が全部イットします」フイッ

京太郎「えっ」

良子「それにほら、なんか変な涎がついたりするわけじゃないですし、はい」コクリ

京太郎「戒能さん、無理しなくても」

良子「し、してません!」

京太郎「……じゃあ、味、欲しくなったときにはお願いします」フッ

良子「お、おふこーす」コクリ


トシ(ちょっとずつ、仲良くはなってんのかね……私ももうちょっと調べなきゃか、このパターンは初めてだし)


良子「と、とりあえず仕事にいきます!」

京太郎「あ、はい!」

トシ「京ちゃん、一緒に来るかい?」

良子「え」

トシ「暇だろうし、インターハイ、見に行く?」

京太郎「え、あ……」

京太郎(まぁ仕事中に一緒にいても邪魔だろうし、辺りフラフラするってのもなぁ)

京太郎「それじゃご一緒します!」

トシ「ん、そんじゃ行こうか」

京太郎「はい」コクリ

良子「……それでは仕事終わりにですね、須賀君」フッ

京太郎「はい、また!」

京太郎(よかったぁ、このまま追い出されるかと思った)
109 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2017/12/04(月) 03:43:37.36 ID:ttV2FiM10

ここまでー

やったね京ちゃん!
マニアックなプレイみたいなことできるよ!

とりあえず次回、トシさんと行動

幽霊が見える人間なんてそうそういないって
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 05:12:41.62 ID:c/lVjf90o
かいのーさんかわいい
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 12:28:48.82 ID:ToTSNmmv0
生きろ
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 15:53:51.63 ID:MB5VOPcz0

イチャイチャしやがって
これ幽霊見えるキャラ出てくるパターンだ!
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/05(火) 22:10:36.81 ID:2SdhyAfj0
かいのーさんスレって珍しいしおもしろいやん
京ちゃんこのまま何年もだったら辛いな
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/07(木) 09:48:04.79 ID:ny2iIHoN0
夢が咲く春
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/10(日) 19:36:36.00 ID:PS2eDG5R0
まだかね?
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/12(火) 04:04:01.89 ID:kp5qWD2Zo
まってるでー
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 02:42:40.86 ID:VG4SjburO

新しいスレ立てたのか誘導なかったから気付かんかった
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/15(金) 01:05:56.01 ID:hhPwCVHz0
待ってますよ
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/25(月) 20:24:20.03 ID:J/vpzkkuo
待ってるぅーんだ
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/10(水) 02:09:16.21 ID:G7vUg+czO
私まーつーわ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/25(木) 02:55:05.46 ID:3iRCsvuh0
イッチ待ってるでー
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 01:15:16.49 ID:Y70GfamPo
続いてほしいな
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 08:09:32.11 ID:ZDVclnTGo
待ってる
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 21:26:30.67 ID:hJzCBMqyo
待ってる
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 10:36:24.34 ID:aXIBs+X/o
まだか
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 00:55:34.52 ID:dchHNEHDo
いかんのか
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 14:35:36.81 ID:h+MUqiKA0
まだ?
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 14:39:34.31 ID:h+MUqiKA0
まだ?
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 11:22:22.06 ID:y4iSGI3a0
去年からこっち、どっちのスレも更新途絶ってことは>>1の身に何かあったんかね
130 : ◆Bc4KZX4MNU [sage]:2020/08/19(水) 18:05:13.84 ID:PfnneMLV0
ご心配おかけしましたー
帰ってきたけどもプロットもなくてこのあとどーやって進めるつもりだったのかほとんど覚えてない…
とりあえずなんとか終わらせたいので落としどころというか続きというか
なにはともあれ、なんとかしたい
131 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 22:07:24.20 ID:6xgUDqVY0

よっしゃ久々に再開するゾイ
プロットは消え去ったから
いわゆるライブ感で戦ったる!
132 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 22:14:32.54 ID:6xgUDqVY0

―――【インターハイ会場:廊下】


京太郎「ふぇ〜咲のやつすっごい強かった」

トシ「まぁ、あれは別格だね」

京太郎「そうなんっすか?」

トシ「世界の中心だからね」

京太郎(ボケ?)

トシ「まぁわからなくてもいいけど……というか、今回はさらにアレを強くするブーストもかかってたし」

京太郎「強化?」

トシ「そーいうこと、まぁ原因なんて一つなわけだけど……決意やら心持やら」

京太郎「それって……ああ、そういうこと」ハハッ

トシ「京ちゃん、宮永咲のことにしては勘いいねぇ」

京太郎「幼馴染っすから!」エッヘン

トシ「そりゃなによりさ」フッ

京太郎「生き返ったら焼肉でもおごってやるかぁ」

トシ「ありがとう」

京太郎「のっかる気!?」

トシ「なんてね……焼肉なんてそんな食えるもんでもないし」

京太郎「……」

トシ「誰が年寄りだい」

京太郎「なにも言ってないし」


???「あ? そんなとこでなにやってんだ」

トシ「おや?」

京太郎「へ?」
133 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 22:25:20.99 ID:6xgUDqVY0


トシ「あら、誰かと思えば」

京太郎「おー!」

???「自分とこの生徒は……ってお前にゃ関係ないか」

トシ「まぁね、わかるし」フッ


京太郎「大沼、秋一郎……」


秋一郎「呼び捨てかよ、まぁわからんでもねぇけど」

京太郎「ふぇ?」

トシ「おや、そうか……そりゃそうだ」ハハッ

秋一郎「悪霊連れてなにやってんだ」

京太郎「悪霊!? 呼び捨てにしたのはわるかったですけど! てか見えてるんですか!?」

秋一郎「まぁな」

京太郎「ま、まぁなって……軽い」

秋一郎「あれか、清澄の小僧か」

京太郎「あ、知ってるんですね」

秋一郎「まぁあんだけ連日報道されてりゃな」

京太郎(結構、大事になってんな……)

トシ「まぁそりゃ宮永咲も勝ちまくりってもんだよ」

京太郎「なんっすかそれ」

トシ「状況が状況だからね、てかあんたも考えてよ」

秋一郎「あ? なにが?」

トシ「京ちゃんをもとに戻す方法」

秋一郎「お前にわからないことがわかるかよ……」

京太郎(トシさん相手に頭が上がらないタイプ……? 意外だ)

秋一郎「まぁいいか……いいんだな?」

京太郎「あ、俺は協力してもらえるなら是非!」

トシ「てことさ」

秋一郎「……で、どこいくんだ?」

トシ「さて、どこがいい?」

京太郎「え、俺!?」

トシ「冗談、おちゃめな」

京太郎「うざ」

トシ「成仏させるよ」

京太郎「ひぇっ、ごめんなさい」

134 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 22:35:32.85 ID:6xgUDqVY0


―――【数時間後:テレビ局前】


良子「ふぅ……」テクテク

はやり「はやっ、お疲れかな?」

良子「ビコーズ……まぁ大したことでもありませんが」

はやり「珍しいからね、それでも……良子ちゃんが疲れてるの」

良子「そう、ですか?」

はやり「うん!」

良子「いえ、疲れてるというより……ボディというより、メンタル」

はやり「はやぁ……もしかして」

良子「なんです?」

はやり「恋だ!」

良子「……」

はやり「……?」


良子「……はやぁっ!!?」


はやり(パクり?)

良子「なななっ、なにいうんですか!!?」

はやり「え、マジ? 図星?」

良子「の、ノー! 違う! 違います!」

はやり(えー)


トシ「戒能」

良子「ドワォ!!?」

トシ「ゲッター?」

良子「ななな、なぜここに



135 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 22:42:52.01 ID:6xgUDqVY0


良子「ななな、なぜここに!!?」

トシ「いやそりゃ……ねぇ?」

はやり「はや?」


京太郎「うお、はやりん」


良子「な、なぜ? ホワイ!」

トシ「だからぁ」

はやり「よ、良子ちゃん!」

良子「どうし……」

はやり「べべべ、別に今どき珍しくないっていうか普通だけど!」

良子「な、なにか壮大な勘違いが!」

はやり「ごごご、ごゆっくりー!」ダッ


良子「オーマイガッ! オーマイガッ!」

京太郎「バンデッド・キース?」

トシ「キース・ハワード?」


京トシ「トムの勝ちデース!」

良子「しゃらっぷ!」
136 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 22:55:57.73 ID:6xgUDqVY0


―――【帰り道】


京太郎「ごめんなさいってばー」

良子「大変ですよまったく……」プンスコ


京太郎(トシさんと別れて帰路を歩いているわけだが……)


京太郎「生身に戻ったら誤解ときますから〜」

良子「絶対ですよ?」ムゥ

京太郎「約束っす!」ニッ

良子「まったくもう……許してあげます」ハァ

京太郎「いやぁでも今日いいことがあって」

良子「ん、いいこと?」

京太郎「なんと……麻雀ができたんです!」エッヘン

良子「……へ?」ピタッ


京太郎「っと……いや〜トシさん曰く、麻雀なら異能やそれに通ずるものを濃く反映するからとか言ってましたけど」

良子「……」ジトー

京太郎「……え、なんの目ですか!?」

良子「約束」ボソッ

京太郎「え?」

良子「最初に麻雀するのは、私だと思ってました」ムゥ

京太郎「え、いやそれは……て、てかそれは生身に戻ったらって」

良子「そうですが、特別なものだと思ってました。須賀君の次打つ麻雀……」

京太郎「ご、ごめんなさい?」

良子「……知りません」フイッ

京太郎「え〜! そんな拗ねます!!?」

良子「別に、拗ねてません……」


良子(なぜ、こんな……でも、おもしろくありません……)

137 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 23:03:54.44 ID:6xgUDqVY0


京太郎「生き返ったらちゃんと最初は戒能さんにしますから〜!」

良子「べ、別にそんな……き、気にしてるわけじゃ」

京太郎(絶対嘘! てかなんでそんな気にしてくれんの!? 勘違いしちゃう!)

良子「どうせあの宮永照のシスターや原村和と……」

京太郎「なんで対抗意識!?」

良子「対抗意識なんて……!」


良子(ノー! これは間違いなく対抗意識では!? な、なぜ!!?)


良子「……も、もうやめにしましょう」フイッ

京太郎「へ? なんでまた急に? 別に、こっちとしては助かりますけど」

良子「と、ともかく……ま、麻雀しましょう麻雀……私が鍛えてあげますとも」

京太郎「え、またプロに教えてもらえるとか嬉しい!」

良子(経験ありですか……というより今日でしょうけど……ってまた私は!)ガー

京太郎「ど、どうかしました?」

良子「いえ、なんでも……」

京太郎「でも顔が赤」

良子「三倍速で帰ります!」

京太郎「ん〜シャア専用!」
138 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 23:25:27.90 ID:6xgUDqVY0

―――【ホテル】


京太郎「ふぃ〜なんか落ち着くようになっちゃったなぁ」アハハ

良子(ん、クールさを取り戻しました)コホン


京太郎「おーチャンネル変えれる!」

良子「え……は、ハンドを……手を、つながなくてもですか?」

京太郎「はい!」ポチポチ


デュエッ!

マンゾクデキネェゼ

イッポンマンゾク!

カットビングダ!

オタノシミハコレカラダ!


良子「た、確かに……も、持ち上げたりは?」

京太郎「あ……ぬんっ!」

良子「……」

京太郎「てっ、ほぁっ! ズェアッ!」

良子「……」

京太郎「……」

良子「……」

京太郎「……無理でした☆」テヘッ

良子「でしょうね」

京太郎「……」

良子「手を、つないでみますか?」スッ

京太郎「いいんですか!?」

良子「い、今更です」フイッ

京太郎「で、では失礼して」スッ ギュッ

良子「ひゃうっ!?」ビクッ

京太郎「!!?」

良子「つ、強く握りすぎですっ!」マッカ

京太郎「す、すみません!」

良子「や、やさしくお願いします……」

京太郎(おっきするわ、こんなもん……!!)

スッ キュッ

良子「んっ」

京太郎「で、では……てい!」ガッ

良子「どう、ですか?」

京太郎「これは……!!

良子「!」


京太郎「ダメでした☆」テヘッ

139 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 23:39:27.63 ID:6xgUDqVY0


―――【ホテル:バスルーム】

チャポン

良子(それにしても……麻雀ができる、ですか)


元来、麻雀とはそいうものだと良子自身も理解はしていた

異能をそのままに表現すゲーム

盤上の死合、闇のゲームと言っても差し支えない


良子(しかし、いえ……私も神霊の力をレンタルして戦う者、否定はできませんね)


しかし、それが単体で麻雀を打つことなどあるだろうか


良子(生霊だから、でしょうか?)


彼がイレギュラーなのは確かなのだが、前代未聞ということはあるのだろうか?

しかして、熊倉トシが不明と言っているのだからそれに近いだろう

もしかしたら一生このままかもしれない。そんな不安を抱えていないわけがないのだ


良子「さすがに、このままは不憫が過ぎます……っ」クシュッ


くしゃみが抑えきれなかったが小さく収めた

彼が明るくしているのだからこっちが必要以上に深刻な雰囲気を出すのもよくないなと、頷く


良子(それにしても、できることが増えたというのは……生身に近づいた、ということで良いんでしょうか?)


どこか違和感を抱きつつ、くしゃみが漏れる


良子「長風呂が、過ぎましたか……」バシャッ

140 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/22(土) 23:58:00.04 ID:6xgUDqVY0

―――【ホテル】


良子「ん、なにしてるんですか?」

京太郎「いや〜麻雀の番組やってたんでそれ見てっ……!?」


良子「?」ポカポカ


京太郎(風呂上り戒能さんは男子高生には刺激つえー色っぽー)

良子「いいですね、麻雀……期待しますよ?」クスッ

京太郎「え、いや! けけけ、県の個人戦予選で落ちた男っすよ!?」

良子「その時よりも、エヴォリューションしているでしょう?」

京太郎「ま、まぁ……」

良子「それに、することに意味があるんです」

京太郎「……そういうもん、ですかね?」

良子「ええ、そういうものです。それにあまりにひどいようなら……しっかり修行をつけてあげます」フフッ

京太郎「そりゃうれしい」ハハッ

良子「さて……そろそろ寝ます」

京太郎「早いですね?」

良子「……なんだか、体調が」

京太郎「え〜大丈夫ですか?」

良子「寝れば治りますよ」

京太郎「なら、いいんですけど」

良子「それでは、グッナイ」

京太郎「お休みなさい」フッ


ガチャッ バタンッ


京太郎「……おし、もっと麻雀勉強しないと!」グッ


141 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 00:06:27.03 ID:GUHzig1K0


―――【翌朝:ホテル】


良子「ん〜」

ユサユサ

良子「むぅ……」

京太郎「戒能さん!」

良子「へ?」

京太郎「仕事、そろそろ起きないと余裕なくなりますよ?」

良子「へ、は……あ、あぁ、そーりー」

京太郎「……大丈夫っすか?」

良子「な、なにがですか?」

京太郎「顔が真っ赤ですけど」

良子「……?」

京太郎「失礼……」スッ

良子「んっ……!!?」


良子(すすす、須賀君の手が額に!?)

京太郎(相手の体温はわかるけど……しかしまぁ、俺に体温がないのが問題だ)


良子「すすす、すぎゃっ、すがくっ……」

京太郎「……」スッ

良子「で、そそそ、その……わかり、ました?」

京太郎「……体温計持ってきます。確かあった気が」タタタッ


良子(……緊張し損じゃないですかっ!!)
142 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 00:14:26.04 ID:GUHzig1K0


良子「……37度7分」

京太郎「平熱は?」

良子「35度8分」

京太郎「がっつり熱ですね」

良子「oh……」

京太郎「休めないっすよね」

良子「まぁ……とりあえず収録時以外は安静にして過ごします」ケホッ

京太郎「そうしてください」

良子「ん、心配かけますね」

京太郎「いやぁ、えっと、とりあずついて行っても大丈夫ですか?」

良子「熊倉さんといなくて、平気なんですか?」

京太郎「いや、むしろ今日は良子さんと一緒にいたいっていうか」

良子「んっ……」

京太郎「だめ、ですか?」

良子「い、いえ……」


良子(体調不良のせいでしょうか……やけに、うれしく感じてしまう)フゥ


京太郎「あ、てかこんなゆっくりしてて平気ですか?」

良子「平気はありません」コホッ

京太郎「oh……」

143 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 00:25:35.74 ID:GUHzig1K0
>>142 つい癖で『良子さん』って書いちゃったけど『戒能さん』です



―――【テレビ局:廊下】


良子「うぅっ……」

京太郎「大丈夫っすかマジで、肩かしますよ」

良子「いえ、見られたらまずい……」

京太郎「でも……」

良子「んうぅ」フラッ

京太郎「いや、やばいですって……絶対、熱上がってますよ」

良子「し、しかしですね……」

京太郎「ワークが大事なのはわかりますけど」

良子「だ、誰がワーカーホリックですか」

京太郎「言ってませんから」

ガチャッ

良子「が、楽屋」フラッ

京太郎(大人……っていうか、有名人って大変だなぁ)

良子「あうっ」フラッ

京太郎「ちょ!」

良子(まずっ、このままじゃ机のかどっ)

京太郎「おおぉぉっ!」バッ

良子「!?」ガバッ


ドサンッ


京太郎「ぐおっ!」

良子「あうっ」
144 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 00:32:52.59 ID:GUHzig1K0


咄嗟に飛び出した京太郎が、良子を抱えるようにして転がる

地面に背中を打ち付けて、霊体にも関わらずうめき声をあげる京太郎

そんな彼に抱きしめられたままの良子


京太郎「普通にいてぇ……って大丈夫っすか戒能さん!?」バッ

良子(で、でっかい……あ、あったかい……は、ハートがエクスプロージョンしそうでっ……ね、熱のせい!!?)

京太郎「戒能さん!!?」


抱きしめていた体勢から素早く京太郎は良子を寝かすような体制に変える


良子(すすす、須賀君の、あ、厚い胸板がっ、腕が……あ、わわっ、ね、熱のせい熱のせい! 熱の……!



145 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 00:45:22.77 ID:GUHzig1K0

良子「あうっ〜……」バタンキュー

京太郎「か、戒能さぁん!?」

ガチャッ

京太郎(寝かせねば!)バッ


はやり「良子ちゃん、大きな音したけどってはやぁっ!!?」

京太郎「ナイスはやりん!」

はやり「そんなこと言ってる場合じゃ……ってなに今の!?」

京太郎「え、聞こえた!?」

はやり「気のせい、だよね……てかスタッフ!」

京太郎(あれ、だめだった?)


はやり「スタッフ! スタッフ〜!!


京太郎(でも、これで安心かぁ……いや、マジでこうなる前になんとかしたかった……)

146 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 00:51:03.25 ID:GUHzig1K0

―――【楽屋】


良子「はっ!?」バッ

良子(こ、ここは……!!?)

はやり「あ、起きた? もう収録終わって……」

良子「はやりさん!?」

はやり「あ、うん……ここで倒れてたんだよ? 救急車呼ぼうとしたら熊倉さんがきて」


良子(な、ならあれは夢じゃなくて……)モンモン


はやり「……えっと、大丈夫?」

良子「あ、あれは……あの、感触はっ……」

はやり「え?」

良子「……はうぅっ!」ギュッ

はやり「え、自分の体抱いてどうした!? 寒い!?」

良子「あうぅっ」ボンッ

はやり「いやむしろ真っ赤だ! なにこれどういう状況!!?」

良子(す、須賀君のフェイス……ま、まともに、る、ルックできるでしょーか……)マッカ

147 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 01:02:26.69 ID:GUHzig1K0

―――【テレビ局:廊下】


京太郎「驚きましたよ」

トシ「こんなこともあろうかと、ね」ドヤッ

京太郎「へー」

トシ「おや、案外リアクション低い」

京太郎「なんかできそうなんで意外性が薄い」

トシ「信用されてるようでなにより」

京太郎「え、そう聞こえるの?」

トシ「ところで京ちゃん」

京太郎「ん?」

トシ「思ったより麻雀弱いよね」

京太郎「なんで!? 傷つけにきたの!?」

トシ「いやそうじゃなくて、能力とかないじゃない?」

京太郎「HAHAAH! 麻雀に能力とかSOASOA」

トシ「いや、清澄でよく言うよ」

京太郎「ですよね……はい、しかしてわたくし能無しでして」


トシ「……意外だったね」

京太郎「言われ飽きたわ!」

トシ「いやそうじゃなくて、敵の能力を食ったり、ドラを支配したりないなって」

京太郎「なんっすかそれ、ほしい」

トシ「うーん……ないかぁ」

京太郎「はい」キッパリ


トシ「……清澄だし、起点に近い?」ブツブツ

京太郎「おばあちゃん大丈夫?」

トシ「扱い慣れてきたね」

京太郎「多少は……」

トシ「へいsiri、霊の成仏のさせかた」

京太郎「お待ちになってお待ちになって!」

トシ「たく」

京太郎「いやまぁ……なにはともあれ助かりましたよ。戒能さんも無事でよかったぁ」ホッ

トシ「……」

京太郎「なんっすか?」

トシ「……惚れた?」

京太郎「……」

トシ「……好きなん?」

京太郎「……」

トシ「……」

京太郎「……へぁっ!!?」カァッ

トシ「わかりやすっ」
148 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/23(日) 01:06:48.88 ID:GUHzig1K0

とりあえずここまでー
なんとなく進んだ気もする!
次も頑張るゾイ
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/23(日) 08:11:03.02 ID:5kIMz7aX0

かいのーさんかわいい
イッチの単一ヒロイン系はハーレム物とまた違っていいね
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/23(日) 13:29:22.41 ID:gcVmWC/r0
おおうこっちも再開か!嬉しいです
貴重な大沼プロ出演
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/24(月) 11:10:05.62 ID:cHzv1ms90
良いですね
乙です
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/24(月) 18:00:20.58 ID:fdM8XgWp0
乙です
意識しちゃってんねー、惹かれあってるねー。最高です。
153 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/24(月) 22:47:51.99 ID:ecS4atmg0

おっしゃ再開やー
サクサク進めてくよー
と言いつつ理想通りにいくかどうか
154 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/24(月) 23:03:03.09 ID:ecS4atmg0


―――それから少しして【喫茶店】


京太郎「え、てか戒能さん大丈夫なんっすか?」

トシ「なにが?」

京太郎「いやあんなふらふらしてたのにここに呼んじゃ……」

トシ「大丈夫だよ」

京太郎「いやいや、やっぱ迎えに!」

トシ「ほんと好きだねぇ」

京太郎「い、いやそういうんじゃっ!」

トシ「はいはい、いいから座りな」

京太郎「いやよくなっ」


良子「お、お待たせしました」


京太郎「!!!!?」ビクゥッ

良子「?」

京太郎「だだだ、大丈夫っすか!?」

良子「イエス、すっかりですよ……心配かけました、須賀君……」フイッ

京太郎(ん、顔、そらされた?」

良子「……っ」カァッ

トシ(おやおやこれは?)

京太郎「と、とりあえず、こ、これからは無茶しないでくださいよっ」

良子「か、かしこまりましたっ」

トシ(なんだこれ)

155 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/24(月) 23:13:07.11 ID:ecS4atmg0


京太郎「にしても、なんでこんなすっかり?」

トシ「そういうもんだったのさ」

良子「と、ともかく元気になったのでオーライです」

京太郎「え〜心配っすよ。まぁ俺がそばにいるんで……できる限りは助けますけど」

良子「お願い、します」カァッ

京太郎「お任せあれ!」ビシッ

トシ「ダメな奴だよそれ」

京太郎「なんてこというの!?」


トシ「……ともかく、元に戻るために役立ちそうなことは見つけたけど」


京良「ふぁっ!?」

トシ「なに驚いてんだい、あたしがなんにもしてないとでも?」

京太郎「え……しょ、正直」メソラシ

トシ「正直だね、嫌いじゃない」

良子「と、ともかくどういうことですか?」

トシ「……麻雀、だね」

京太郎「なんでもかんでもオカルトは麻雀っていえばいいと思って!」

トシ「ほぼそうだし」

京太郎「くっ、否定できない……!」

トシ「戒能、意味はわかるかい?」

良子「……さっぱり」

トシ「さっぱりか」

良子「さっぱりです」

トシ「……ん〜、未練、かね」

良子「未練?」

トシ「そう、小さい未練だけど……この子にとってはでっかい未練」

京太郎「ディスられてます?」

トシ「いや、褒めてる」

京太郎「え〜」

156 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/24(月) 23:26:48.29 ID:ecS4atmg0


良子「というより、なんで役立ちそうなこと?」

トシ「ん?」

京太郎「確かに、それってむしろ確信じゃ?」

トシ「いいや、まぁ……」チラッ

京太郎「?」

トシ「方法自体は正解だと思ってはいるけど……」チラッ

良子「……?」

トシ「ん〜京ちゃん」

京太郎「はい」

トシ「自分の未練に対して……これが原因っていう確信は?」

京太郎「え〜」

トシ「ね? わからないだろ?」

京太郎「ん〜」ムムム

トシ「こういうことさ」コクリ


良子「なるほど、未練がわからない……と」

京太郎「うおー未練が多すぎる!」

トシ「一番でっかいやつは?」

良子「確かに大きな未練を解決してやると成仏するって聞いたことあります」

京太郎「どこ情報っすか、てかそんな介護してもらわないとなんて……」ハァッ

トシ「なに落ち込んでんだい」

京太郎「いや、死にかけてからもこんな迷惑かけるとは……」

良子「……」ムッ

京太郎「つくづく」


良子「ノー」

京太郎「え?」

良子「ノー、別に、迷惑だなんて思ってません」

京太郎「へ?」

良子「迷惑だと思ってるならそもそも関わりません、それに一緒にいません……」

トシ「……」フッ

良子「最初はなし崩しでしたが……今は違います。

京太郎「戒能、さん?」

良子「私が、須賀君……貴方を、助けたいんです」ジッ

京太郎「……ふぇあっ!?」カァッ

良子「だから、生身に戻るまでは……い、一緒にいてもらいます」カァッ

京太郎「は……はぃ」

良子「よ、よし! では二人で考えましょう! 須賀君の、やり残したこと、やりたいこと!」

京太郎「んっ……」コクリ


トシ(やれやれ……やれやれだよ、やれやれ)

157 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/24(月) 23:41:43.39 ID:ecS4atmg0


―――【帰り道】


京太郎「う〜む」

良子「ふむ、やはり思いつきませんか?」

京太郎「思いつきすぎるっていうか……」

良子「oh……なるほど」

トシ「かたっぱしからやってってみれば?」

京太郎「え、い、いやでもっ!」

良子「それです!」

京太郎「まさかの乗り気!? 大量っすよ!?」

良子「インディード、当然です」

京太郎「え〜」

トシ「例えば? 言いにくいってことは……美人とデート、とか?」ケラケラ

京太郎「え、あ……え〜」メソラシ

良子「……は、はやりさんとか見えないものですかね」

京太郎「い、いやそういう問題ではなく」

良子「?」

トシ(ふっ、我ながらナイスサポートしてしまったようだね)

京太郎「そ、その……と、とりあえずそれは置いといて


158 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/24(月) 23:45:58.24 ID:ecS4atmg0

京太郎「そ、その……と、とりあえずそれは置いといて!」

良子「?」

京太郎「ま、麻雀! 麻雀強くなりたいっす!」

良子「え、あ……そ、そうですね。ではそれで……」


トシ(チィッ!)

トシ「チィッ!」


良子「ワッツ? なぜ舌打ち?」

トシ「いや、なんでも……」ジト

京太郎「うっ……」メソラシ

トシ「まぁ、とりあえず麻雀付き合ってやればいいんじゃないかい?」


良子「むぅ、生身になってからというう約束だったんですが……」

トシ「まぁいいじゃないか」

京太郎「す、すみません! でも、お願いします!」バッ

良子「嫌ではありませんよ……では、徹底的に仕込みますよ。戒能流を」ドヤッ

京太郎「あ、はい。お願いします!」バッ

京太郎(ドヤ顔かわいいな!)


トシ「ふぅ〜む……」

159 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/25(火) 00:10:50.79 ID:3l07QoVb0


良子「ではどこから……」

京太郎「あ、いや結構基本のほうからお願いできたら」

良子「でしたら……」


???「ん、誰かと思ったら」


良子「え、大沼さん」

良子(確か京太郎が見えるとか……むぅ、霊能力持ちというわけでもないのに)

京太郎「お、大沼……プロじゃないですか!」

秋一郎「おう、悪霊も元気そうだな」

京太郎「幽霊が元気なわけないじゃないっすか……てか悪霊やめてくださいよ!」

秋一郎「おう、考えとくわ」ケラケラ

良子「……」ジッ

秋一郎「?」

トシ「まったくあんたは……」

秋一郎「……あ〜なるほどな、悪いな悪りょ、須賀」

京太郎(お〜トシさんと一声!)

秋一郎「なんか微妙に複雑だなぁ」

京太郎「え、なにがっすか?」

秋一郎「さてな……また麻雀しようぜ須賀」

京太郎「え、マジっすか!?」

秋一郎「ああ」

京太郎「あざっす!」

良子「素質はあるよう、ですね」

秋一郎「まぁな、わかるやつにゃわかるだろ」

京太郎「部長にも言われました!」エヘンッ

良子(むぅ、少しかわいい)

秋一郎「社交辞令じゃなきゃいいな悪霊」

京太郎「ふぇあっ!?」ガーン

良子「大沼さん!」

秋一郎「冗談だよ冗談」
160 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/25(火) 00:26:38.08 ID:3l07QoVb0

―――【ホテル】


良子「まったく大沼さん」プンスコ

京太郎「ま、まぁまぁ」

良子「……とりあえず!」

京太郎「?」

良子「特訓です!」

京太郎「え、マジで付き合ってくれるんっすか!?」

良子「もちろんです!」

京太郎「おーそれでは、お願いします!」

良子「さて、ネトマにはなりますけど、キーは打てますよね?」

京太郎「……たぶん?」

良子「ま、まぁリモコンいけたしいけるでしょう」

京太郎「お、おっす!」

良子「ふふふ、京太郎を私カラーに染め上げましょう!」


京太郎(ちょっとエロいこと考えてしまった!)カァッ

良子(ちょっとエッチなこと考えてしまいました!)カァッ

161 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/25(火) 00:30:21.23 ID:3l07QoVb0

とりあえずここまでー
本筋が進んだような進んでないような
とりあえず成仏条件提示

まぁ今後もいろいろある予定

そんじゃまたー
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/25(火) 15:22:20.79 ID:AzBkP1Yk0

この徐々に惹かれあってく感じいいね!
未練がなんなのか気になるとこだ
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/25(火) 21:54:08.18 ID:jWKRZ0yP0
おつです!
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/26(水) 09:45:24.49 ID:DA4DJBUy0
良い!良い!
165 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/26(水) 23:37:19.43 ID:5YibGIbc0

おっし投下開始してっくよー
頑張って進めてくゾイ
正直プロットもなにもなしに進めてるから不安極まりないけど
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 23:47:31.16 ID:GHBj+OYOo
舞っていた
167 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/26(水) 23:53:26.58 ID:5YibGIbc0


―――【翌朝】


カタカカタ

京太郎「ふむ……一位を連続して取れたのは俺が強くなったか、相手がよかったか」

カタカタ ガチャッ

京太郎「うおっ!?」ビクッ

良子「ん……起きてたんですか?」

京太郎「え、あ……もう朝!?」

良子「イエス……まぁかまいませんが……ふぁ〜」

京太郎(寝起きの戒能さんがなんか、今までより意識してしまうっ!)

良子「寝なくて、平気ですか?」

京太郎「オフコース! モーマンタイです!」

良子「……なら、いいんですが」

京太郎「あ、そういえば今日はどうするんです?」

良子「ん〜個人戦、決勝は明日ですしねー」

良子(ワンチャ、未練が『個人戦の清澄の優勝が見たい』とかだったら、見ないわけにはいきませんし……)


京太郎「あ、てかこの時期なら仕事か」

良子「まぁ午前中は、ですけれど」

京太郎「なるほど……とりあえず、ついて行っても良いですか?」

良子「ええ、麻雀の勉強になることもあるでしょうし」クスッ

京太郎「ありがとーございます!」ニコッ

良子(っ……か、かわいい)
168 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/26(水) 23:59:37.57 ID:5YibGIbc0


―――【とあるホテル】


キュピーン

トシ「完落ち、いやちょっと手前か!」ハッ

?????「ン?」

?「気にしなくていいって、きっとこの歳になるといろいろ」

??「うちの村のそんちょーみたいな感じかなー?」

??「言い過ぎな気が」ダル

??「……誰も心配しないの?」


トシ(年寄扱い……いや、年寄なんだけど)
169 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 00:16:30.20 ID:ad+YdYIv0

―――【テレビ局:スタジオ】


良子「くれぐれも、ムーヴしすぎないでくださいよ?」ボソボソ

京太郎「いやー子供じゃないんですから」

良子「……いや、子供ですから」ジト

京太郎「うっ、まぁまぁ……戒能さんのことずっと見てますから!」グッ

良子「っ!!?」カァッ


京太郎(あれ、なんか失敗した気がする)


良子「……お、おーけー、ともかくわかりましたっ」フイッ

京太郎「あ、はい」

良子「しっかりルックしていてください」フッ

京太郎「い、イエス!」

良子(なんてかっこつけてしまいましたけど、ただのコメンテーターなんですよね)
170 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 00:26:25.43 ID:ad+YdYIv0


京太郎「ふぇ〜あ、はやりん出てきた……佐藤アナもだし、エロい……」

京太郎(てか、未練をなくして体に帰るかぁ……そんなことできるもんかねぇ)


ガヤガヤ


京太郎「俺の未練なんて、多すぎるしなぁ……」


片岡優希、原村和、竹井久、染谷まこ、そして宮永咲

そられに囲まれた夏

自らは当初、ただ原村和にあこがれて入部しただけであった麻雀部

ただ、今ではすっかり本気で……五人と共に全国に名を馳せて、そして……


京太郎「俺は、なにを求めてたんだろう……」


スタジオの、裏の方で座って良子が話をする姿を眺める


京太郎「俺の夢って、未練って……」


夢は呪いであると、誰かが言っていた

叶えることができなければずっと呪われ続けると

故に、呪われているのだ。自分は―――


京太郎「あぁ……それこそ俺って、文字通り―――未練がましいなぁ」


自己嫌悪に陥るのは、彼女に迷惑をかけていると思うから

もっと言うと、彼女だけではなく仲間たちにもだ

大好きだった麻雀部に帰りたい自分と、帰りづらい自分


京太郎「あ〜……麻雀うちてぇ」


幽霊となった自分にできることといえばそれぐらい、だろう

171 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 00:43:33.49 ID:ad+YdYIv0


―――【病院:京太郎の病室】


咲「まだ起きないんだ……まったくもう」

京太郎「」

咲「みんな待ってるんだよ」

ググッ

咲「っ……京ちゃん、バカなのに物事、難しく考えすぎなんだよ」

和「……咲さん」

和(私も須賀君の手、ねっとり握りたいです)

咲「早く帰っておいでよ、みんな待ってるんだから……ね」


和「……三人が、下で待ってますよ」

咲「うん」コクリ

和「……ちょっと、ちょっとだけ残っていいですか?」

咲「……」

和「……」オソルオソル

咲「……」

和「……」


咲「……ダ・メ♪」

和「ええ!? なんでですかぁっ!?」

咲「寝てる相手をどうにかしようなんて卑怯だよ。正々堂々と誰かと競って、はい閉廷」

和「え〜!!」

咲「いい加減にしないとカンするよ!」クワッ

和「ひぇっ」ジワッ

172 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 01:08:05.84 ID:ad+YdYIv0


―――【数時間後】


京太郎「はぁ〜」

良子「どうしました?」ボソッ

京太郎「ひゃっ!?」ビクッ

良子「なんですか、そのニューハーフチックな声」

京太郎「ず、ずいぶん具体的ですねぇ!?」

良子「なんかそんな別ディメンションの声が」

京太郎「どーしたんっすか!?


良子「……ん、いつも通りですね」クスッ

京太郎「え、あっ……す、すみません」

良子「そういうときはそーりーではないでしょう?」

京太郎「せ、センキュー」

良子「なぜイングリッシュ?」

京太郎「ああいや、なんとなく?」

良子「ふふっ……まぁ、とりあえず次の仕事場に移動しましょう」

京太郎「さすが売れっ子ですね」

良子「新人賞ですから……道中の車でネトマでもしましょう」

良子(須賀君のいう通り私が牌を切っていったりするだけのネトマですけど)

京太郎「はい!」ニッ

良子(それにしても、なにを悩んでたのか……)フム

173 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 01:27:15.61 ID:ad+YdYIv0

―――【道中:車内】


京太郎(タクシー移動とかすごいなぁ……)

良子「ん」

京太郎「ああ次……四索?」

良子「ん……」タンッ

京太郎「お……じゃあリーチ」

良子「ふむ」タンッ

京太郎「……」ググッ

良子「ジャックポット、ですね」

京太郎「おっしゃリーチ一発!」

良子「ナイスです」

京太郎「俺もちったぁ進化したってことですかね!」エヘン

良子「昨日の須賀君しか知りませんけど……飲み込みが早いですね」

京太郎「ふふふ、褒めてもなんにも……なんかしか出ませんよ」

良子「なに出るんですか」

京太郎「え……エクトプラズム?」

良子「ちょっとなに言ってるかわからないです」

京太郎「あ、俺もです」

174 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 01:41:43.27 ID:ad+YdYIv0


―――【テレビ局前】


京太郎「また別局って……多忙ですねー」

良子「まぁ多少は」

京太郎(やっぱ麻雀のスーパーエースって違うなぁ)

良子「今回の企画は……っ」ケホッ

京太郎「あ、ほらぁ治ってないんじゃないですか?」

良子「あ、ああいえ……」

京太郎「マジ気を付けてくださいよ?」

良子「……いざとなれば、助けてくれる、でしょう?」カァッ

京太郎「え、いや……もちろんっすけど!」

良子「ん、それで十分です」クスッ

京太郎「は、はい」コクリ


京太郎(誰よりもなによりも君だけを守りたい〜〜!!)

175 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 02:01:03.88 ID:ad+YdYIv0

―――【スタジオ】


京太郎「俺は例によってみてるだけだけど……うへぇ、宇野沢栞のおっぱいでけ〜」

良子(む、須賀君……まさか……)ジトー

京太郎(こ、この距離でわかるのか!?)


スタッフA「やっぱしおりんいいよな〜」

スタッフB「俺はるねちんが……

ディレクター「ほら、黙って仕事しろ」

京太郎(テレビの仕事もおもしろそうだなー)


良子「ですのでこの場合ですが、こっちを切るということができれば」

京太郎(かっこいいな〜てか能力とかいいな〜)

良子「イグザクトリィ、完全な正解、というものはありませんから……」

京太郎(戒能さん……)
176 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 02:23:18.57 ID:ad+YdYIv0


―――【収録終了後】


良子「ふぅ、お疲れ様でした」

「お疲れさまです!」

「さすがです戒能さん! 私の娘がファンでして!」


スタッフA「さすがだなぁ〜」

スタッフB「憧れちゃうな〜」

スタッフAB「かっこかわいいな〜」


京太郎(同意……さて、喋りかけないようにしつつ隣に)テクテク

良子(ん、須賀君……ちょっと気になるところはありましたが、ずいぶん真剣に見てましたね)

京太郎(頑張って戒能さんとちゃんと麻雀できるようになんないと!)グッ


ディレクター「戒能さん戒能さん」

京太郎(あ、さっきの偉そうな人)

良子「ん? どうしました?」

ディレクター「このあとなんだけど、一緒に食事でもどうかな?」

良子「あ、いや〜その……みなさんで?」

ディレクター「二人で」ボソッ

良子「い、いえでも」

ディレクター「浮いた噂もないし、その手のことはないっしょ?」

良子「まぁそうなんですが……」

ディレクター「なら……それとも狙ってる子いるとか?」

良子「はえっ!? の、ノーノー! そんなことはナッシング!」カァッ

ディレクター「あれ図星? ならうまく会えるようにしてあげるから」


京太郎(なんだこの女ぁ!)

スタッフA「あ〜悪い癖出てるねこれ」

スタッフB「まぁいつも通りっちゃそうだけど」


良子「と、ともかくすみませんっ。今回は」ケホッ

ディレクター「え〜いいじゃん〜」

良子「で、ですからっ」

ディレクター「男?」

良子「ち、ちがっ」

ディレクター「ノーカンってことでさ」

177 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 02:31:04.06 ID:ad+YdYIv0


ディレクター「ね? ちょっとだけだから」

良子(うぅっ、す、須賀君っ……って前みたいなのは無理ですし)チラッ

京太郎「っ!」

ディレクター「ちょっとだけ! ちょっとだけ!」サワッ

良子「ひっ!?」ビクッ


京太郎「良子さんから手ぇはなせテメェっ!!」クワッ


パリンパリンパリン バコン


良子「っ!!?」ビクッ

ディレクター「きゃっ!?」

スタッフA「うわっ停電!?」

スタッフB「てか照明割れて、ってケガないですかみなさん!!?」


「うえ〜るねさぁん!」

「ちょ! 落ち着けっておい!」


良子「こ、これは……」

京太郎「え、これ……」


ディレクター「なにこっ……えほっえほっ、息苦しっ」バタッ

スタッフA「え、ええ!? 大丈夫ですか!!?」

スタッフB「救急車!」


京太郎「え……」

良子「す、須賀君……?」


京太郎「お、俺……が?」

178 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/27(木) 02:34:29.11 ID:ad+YdYIv0

とりあえず今回はここまでー
こっからちょっといろいろとあったりなかったり
ウルトラ面倒くさい感じになったりならなかったり

また近々投下しますでございますー
それじゃまたー
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/27(木) 09:10:43.28 ID:YgtPSf7d0

お互いの距離感近づいてきていい感じになってきたけど
なんだか不穏な感じになってきたな
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/27(木) 13:45:01.51 ID:yHfHs1G20
別ディメンション…うっ頭が
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 02:41:58.74 ID:ugT0Ig/J0
おつ
これはどうなるやら…
咲さんのお見舞いシーンがいじらしくてとても好き
182 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 00:54:32.54 ID:/AzeQ1+m0

おっし、ちーっとだけ投下しよ!
臨海も進めんとあかんしね
ちょっとしめっぽい話があったりなかったりあったり
183 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 01:07:04.55 ID:/AzeQ1+m0


京太郎「俺、こんなっ……」

良子「す、須賀君っ」ガシッ ダッ

京太郎「えっ」


スタッフA「え、戒能さん!?」

スタッフB「とりあえずDを!」


―――【階段踊り場】


京太郎「ここまでする気なんて」

良子「の、ノープログレム、わかってます」」

京太郎「でもっ、なんで突然こんなっ……」

良子「大丈夫、大丈夫ですから……」ギュッ

京太郎「だって……」

良子「大丈夫、たまたま感情が暴走してしまって、たまたまタイミングが悪かったんです」

京太郎「ほ、本当、ですか?」

良子「ええ」コクリ

京太郎「……あんなの、初めてなんですっ」

良子「助けてくれようと、したんですね?」

京太郎「そ、それはっ」

良子「……センキュー、ありがとう」

京太郎「っ」

良子「ね、平気ですから」ギュッ

京太郎「はぃ……」

良子(この子は、悪くない……そう、あえて言うなら)

京太郎「で、でもあの人っ」

良子「そちらも、それほど大事には至らないはずです。わかります」

京太郎「なら、よかったです……」

良子(この子を守って、体に返す、それまでは……)

京太郎「えと、そのっ」

良子(最初はなし崩しでしたが、今は違う……私はこの子を助けてあげたいと、そう……)

京太郎「か、戒能さんっ」

良子「ん、どうしました?」

京太郎「そのっ、さ、さすがにっ」

良子「あっ」

京太郎(あ、頭を抱きしめられるってのはそのっ、感触がっ、しゅんごいっ)

バッ

良子「そ、そーりー!!」

京太郎「い、いえいえ!」

京太郎(こちらはセンキューです!)

良子「それでは、戻りましょう?」

京太郎「は、はいっ」コクリ

184 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 01:16:22.57 ID:/AzeQ1+m0

―――【ホテル】


トシ「んっ」キュピーン

?「どうしたんですか?」

トシ「いや、あんまよくない感覚がしたんでね」

?「えっと……」

トシ「いやボケとかじゃなくて」

?(まだなにも言ってない……)


トシ「ん〜これも因果、いや違うか……?」


?「ボケですか?」

トシ「違うって言ってるだろう」

?「でも……」

トシ「そのかわいそうなもの見る目をやめな」

???「おい」

トシ「ん? 大沼?」

秋一郎「ちょいとな……あのガキをなんとかする方法」

トシ「おや思ったより早かったね」

秋一郎「まぁな、ただ専門家曰く微妙な感じらしくてな」

トシ「園城寺とかと一緒かと思ったけど、それはないか?」

秋一郎「さてな、とりあえず……いくぞ」

トシ「はいよ……ってことで塞、行ってくる」

塞「え、なんかの予防施設ですか?」

トシ「ぶっとばすよ」
185 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 01:26:50.46 ID:/AzeQ1+m0


―――【街中】


良子「大事ないようでよかったじゃないですか」

京太郎「そうですかねぇ」

良子「ええ、そうです」

京太郎「はぁ〜」

良子「ん、暗いですね」

京太郎「思うとこありますよぉ、自分のせいっすもん」

良子「……気分転換にデートでもしていきますか?」クスッ

京太郎「ちょっ、そ、そーやってからかわないでくださいよっ!?」カァッ

良子「ふふっ、かわいいのでつい」

京太郎「か、かわいいって……」

良子(私も羞恥心がないわけでもないんですが……)

京太郎「?」

良子「い、いえなんでもっ」フイッ

京太郎(ん〜?)

良子「なにはともあれ、なかなかに早い時間に帰れましたし……今日も麻雀、頑張りましょうか」クスッ

京太郎「うっす!」グッ
186 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 01:35:31.34 ID:/AzeQ1+m0

―――【ホテル】


京太郎「ふぇ〜疲れた」

良子「ん、かなりものになってきましたね。もともと結構打てました?」

京太郎「いや、全然……ボッコボコにされてましたよ」

良子(まぁ清澄で、ですからね)

京太郎「もーちょっとなんとかして、あいつと、並べるくらい。せめてあいつらの練習になるぐらいの」

良子(考えすぎなのは元来のものか、そうなってしまったのか……)

ギュッ

京太郎「ふぇあっ!?」

良子「……大丈夫ですよ。貴方は十分強くなれる」ポンポン

京太郎(いやいや、座ってる後ろから抱きしめられたらその、またおっぱいが! ありがとうございます!)

良子「なんならミラクルパワー、発揮できちゃうかもしれませんよ?」

京太郎「へ?」

良子「千里山の園城寺怜がそんなことがあった気が」

京太郎「おお! それはいいこと聞いた!」

良子「ん、ですから頑張らないと」

京太郎「はいっ! ……えっと、でもですね」

良子「ん?」

京太郎「その、これ、恥ずかしいっていうか……」

良子「須賀君は、レディのバストばかり見てますからね……」

京太郎「ふぇあっ!? いいい、いやですからむしろ当たってるというか!」

良子「わざとです」マッカ

京太郎(え、どういう状況!?」

良子「……その、ご褒美、に……なりますか、ね?」

京太郎「は、はいっ……めっちゃ」カァッ

良子「そ、そうですか……では、あと、少しだけ……」ギュッ

京太郎(生殺し!)
187 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 01:46:28.80 ID:/AzeQ1+m0


―――【その後】


京太郎(にしても、あんなことができるとは……)


京太郎「……いや、あんまり考えないように」

タンッ

京太郎「うあ〜一位浮上とはいかないかぁ」

カタッ

京太郎(でもまぁ、強くはなれたかな? でもこの数日で結構、見てた影響とかもあんのかね)


タコスを作った思い出が強い

それでも確かにみんなの麻雀を見て、竹井久たちの解説も聞いて

確かにためにはなった夏だったのだ


京太郎(来年こそ、か……来年、あるよな?)

京太郎「俺、このまま……って」


カタッ


京太郎「これ、まさか……えっ」


188 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 01:56:30.48 ID:/AzeQ1+m0


―――【翌朝:ホテル】


良子「んぅ、おはようございます」ケホッ

京太郎「良子さん! 良子さんっ!」

良子「ん?」

京太郎「ほら、ほら!」

良子「それは……リモコン?」

京太郎「俺、モノを持ち上げられるようになったんですよ!

良子「え……あ、ほ、本当ですか?」

京太郎「はい! ノートパソコンも! ソファだって!」

良子「……」

京太郎「引き出しを出したりも!」

良子「……!!?」

京太郎「へへっ、おどろきましたか!? 水道出したりもできるしめっちゃ人間に近寄ってきましたよ!」

良子「た、確かに……」

京太郎「これで良子さんの役にも立てるし……もしかしたら戻れるようになるかも!?」

良子「そう、ですね」

京太郎「へへっ!」ニコッ

良子(ジーザス……)


ピンポーン


京太郎「お、来客! 俺も出れるかな?」

良子「さ、さすがに無理でしょう。声まで届けばそれはよっぽど」

京太郎「あ、そうですよね」

良子「そうですよ」ピッ


トシ『戒能ーいるかい?』

良子「熊倉さん?」

トシ『ん、いたか』

良子「ロックを解除しますので」ピッ


京太郎「こんな朝早くからどうしたんですかね?」

良子「さ、さぁ……

189 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 02:06:39.68 ID:/AzeQ1+m0


ガチャッ


トシ「戒能、京ちゃんは?」

京太郎「あ、ここに!」

トシ「ん……その、手にもってるのは?」

京太郎「ああ、リモコンっす……持てるように!」

トシ「そっか、やばいね」


京太郎「なにがっすか?」


良子「や、ヤバイなんてこと……」ケホッ

トシ「……いや、ヤバイね」

良子「ですからっ」

トシ「戒能、あんた……なにが理由で?」

良子「り、理由なんてっ、助けたいと思ったからで」

トシ「それとこれとは話が別だろう?」


京太郎「え、なんの話で」


トシ「四六時中一緒にいるんだ。しかも徐々に力が強くなってんのに……あんたも限界で」

良子「ですからっ、彼が私を助けてくれたっ、私は彼を助けた。それで、十分でしょう?」

トシ「……酷な話だけどそれは」

良子「なにもっ……えほっげほっ」


京太郎「よ、良子さんっ!?」

トシ「京ちゃんも」

京太郎「へ?」

トシ「それが……霊体のままモノを持てるようになったのが、人間に近づいたと、思うかい?」

京太郎「……え?」

良子「っ」

トシ「戒能、これは違う……誰が幸せになる?」

良子「誰も不幸になりませ」

トシ「なるんだよ。みんな」

良子「っ……この子、須賀くんは、すべて忘れてしまいますよ?」


京太郎「えっ」


トシ「でもこのままではいられないだろう?」

良子「わかってます。でもっ」

トシ「先延ばしにしてもしようがないことさ……」
190 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 02:14:33.07 ID:/AzeQ1+m0


京太郎「なんですかっ、どういうことっすか? 知ってたんですか?」

良子「そ、れは……どちらにしろ、まだ戻れる条件もわかって」

京太郎「でもどうしてっ、なんでそれなら麻雀教えたりなんて……未練を、なくすためですか?」

良子「それだけでは、ありませんっ」

トシ「京ちゃんが嬉しそうにするからとか、そういうことだろ?」

良子「っ」

京太郎「なんで、そんな……」


良子「私だって、よくわかりません」

京太郎(どう、すれば……」

トシ「京ちゃん……潮時だよ、本気であんたを“あの世へ送る”か“未練をなくして戻す”かの二択だ」

京太郎「そんな二択っ」

トシ「……いや、二択だ。どちらかを選ぶことになる」

京太郎「後者を選ぶに決まって」

トシ「期限があるよ。あんたもあんた自身の未練を本気でわかってない今は」

京太郎「だって、それでも期限まであがいて」

トシ「まぁそれも手っちゃ手だけど、わりと時間はないからね」

京太郎「な、なんで?」

トシ「ものを持てたねぇ……心霊現象でいうと物が浮いたって結構なことだよ?」

京太郎「っ……」


トシ「それに」

良子「熊倉さんっ」ケホッ

トシ「戒能……」

京太郎「隠さないでくださいよっ」

良子「す、須賀君……」

京太郎「いいです。だってもう……俺、テレビ局の照明を壊したり、偉い人を体調不良にし、た……り……」ハッ


良子「っ……須賀君っ」ゲホッ

トシ「京ちゃん……」

京太郎「お、俺か、俺のせい、なんですか?」

良子「い、いやっ、これは……!」
191 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 02:16:57.88 ID:/AzeQ1+m0


京太郎「俺が、近くにいるから?」


秋一郎『悪霊連れてなにやってんだ』


京太郎「俺、悪霊なんですか?」
192 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/08/29(土) 02:17:56.72 ID:/AzeQ1+m0

今回はここまでー
また近々投下したりする所存ー
湿っぽい感じだけども

ではまたー
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/29(土) 03:11:58.34 ID:uOrwEt2O0
うおお展開的にも戒能さんのヒロイン力がすごい…
乙です
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/29(土) 16:33:46.32 ID:1pw4l2JHO
まあ幽霊として色々出来るようになるって事はその分だけ人間としての理から外れるって事だからなぁ
肉体って言う器というか重りが無い分、精神が不安定で暴走し易いだろうし
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/30(日) 03:08:28.00 ID:SBOR4KVM0
乙です
戒能さんの庇う様なセリフが辛い…。トシさんが真面目になってるとガチでヤバイ状態なんだなってなるね
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/31(月) 12:45:40.84 ID:OoBq44ac0
ゴォォストバスターズッ!!
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/02(水) 05:48:55.94 ID:nfKOcQbIo
乙!
198 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/09/15(火) 15:20:32.01 ID:y2PTvyFP0
よーやく時間が取れた
結構空けてしまったので昼間からひっそりと開始
イッチの書いてた非安価の中ではなかなかに早く終わりそう
199 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/09/15(火) 15:37:14.90 ID:y2PTvyFP0

京太郎「俺は……悪霊、なんですね?」

良子「ちがっ!」バッ

京太郎「こ、この状況でこれ以外にないでしょう!?」

トシ「……」

京太郎「なにが、助けたって……あんなん、ただのマッチポンプじゃねぇかっ!」クワッ


バチンッ


良子「きゃっ」

トシ「電気が……」

京太郎「っ!」

トシ「……ま、大体はあってるね。京ちゃんの言う通り、京ちゃんは現在、存在するだけで周囲のものを」

良子「熊倉さん!」

トシ「知らないままも残酷だよ。それになにかあってからじゃ、京ちゃんがまたこうなる」

京太郎「っ……話して、くださいよ」

トシ「ああ」コクリ

良子「す、須賀君はっ」

京太郎「……」

トシ「まぁ簡単に言えば悪霊……生命が輪廻転生する狭間」

京太郎「意味が、わかんないんですけど」

トシ「だろうね。結局、根本を説明したところですべて無意味。今の現状を再確認すべき、かね」

良子「な、なにを一人で納得しているんですかっ!」

トシ「私もこういう“パターン”は初めてだからね。困ってんだよ」

京太郎「つまりっ、俺はどうすれば、悪霊は、消えればさっさと成仏のプロセスを教えろって言ってんです!」

トシ「……戻る方法はさっき言ったろう。あんたが、未練を“思い出す”のさ」

京太郎「……そうじゃなくて」

トシ「戻る方法だよ京ちゃん」

良子「須賀君、なんで……死ぬんですよ? 体は生きている! まだあきらめるのはっ」

京太郎「……一人で、どうやって見つけるんですか、なら成仏させてもらったほうが」

良子「私がっ、私がいるじゃないですか!」

京太郎「それが嫌なんですよ!」
200 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/09/15(火) 15:50:51.55 ID:y2PTvyFP0


良子「え……」


京太郎「……戒能さん、優しいから、きっと生身に戻れるように俺のために、だからっ」

トシ「……」

京太郎「誰かを不幸にするぐらいなら、俺は」

トシ「本来の霊であるなら未練をなくして輪廻転生の輪に還す。だけど京ちゃんの場合は“肉体に帰る”ことになる」

京太郎「成仏、っていうか……その場合」

トシ「ああ、無理矢理に祓うっていう形であの世、というか輪廻転生に乗せるってことになるね」

京太郎「負の無限力」

良子「え、須賀君、なにを?」

京太郎「っ、いま……なにを?」

トシ「思い出さなくていい。ただタイムリミットは近いんじゃないかい」

京太郎「そ、そのタイムリミットがあるってのがわかんないんですよ!」

トシ「簡単さ、あんたはふつうじゃないからね。せいぜい二週間が限度、だろうね」

京太郎「なっ!?」

良子「た、タイムリミットになった場合、どうなるんです?」

トシ「さぁ、そこまでは……還るのか、それともその狭間で合一されるのか」

京太郎「っ……つまり、まともな状態ではいられない、と?」

トシ「そういうことさ」

京太郎「……」

トシ「でも、他人を不幸にするぐらいならそっちを選ぶんだろう?」

京太郎「っ……なんでも、知ってる風なことを言いますね」

トシ「さて、どうだったか」
201 : ◆Bc4KZX4MNU [saga]:2020/09/15(火) 16:07:48.81 ID:y2PTvyFP0


良子「須賀君、まだ、二週間……」

京太郎「二週間っ! 二週間も一緒にいてみろ! 戒能さん、あんたがっ」」

良子「いいんです!」

京太郎「いいもんか! 俺がよくないっ! いやだ!」


トシ「京ちゃん……」


京太郎「いやなんですよっ、自分が無力なのも嫌だけど、それ以上にもっといやなのは!」

良子「すがくっ」

京太郎「誰かに迷惑かけてっ、その癖に期待に応えられなくてっ」

トシ「……」

京太郎「っ!」ダッ


良子「京太郎っ!!」



ダダダッ ガチャッ バタンッ



良子「っ……なんで、あんなことっ」

トシ「私だって言いたくなかったけど、しょうがないだろ。どうしようもない」

良子「どうかしようがっ」

トシ「いいや、答えはノーだ」

良子「っ……」

トシ「あの子、本来のルートなら結構ナイーブだからね。今回はあんたがしっかりやりな」

良子「え?」

トシ「あの子のこと、もうちょっと成長したらさ、いい男になるよ。外も内も……」

良子「……」

トシ「悪霊になっても悪霊を使っても……麻雀も、さ」

良子「熊倉さん、あなたは」

トシ「頼んだ」

良子「……thank you」

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