多田李衣菜「大喜利で強くならなきゃ」

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24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/11(土) 00:21:22.29 ID:6AeUwQnI0
??「各ブロック1位で準決勝進出、ほんで準決勝で1組脱落して生き残った2チームで決勝や。
   せやから、初戦を勝ち進んで貰わんと困るでー」

李衣菜「へ? えっと……ああっ!」

難波笑美「お、なに? ウチのこと知っとるん? うれしーなー!
     まーでも自己紹介や! ウチは難波笑美、あんたの相方の前川みくちゃんのライバルや!」

李衣菜「えっ、ら、ライバル……? あ、私はリーナ! 多田李衣菜!」

笑美「おう、李衣菜ちゃん! よろしゅーな!
   予選で勝ち抜いて貰わないと、準決勝でみくちゃんと当たれんから、しっかり頼むで!」

李衣菜「う、うん! よく分かんないけど何にしろ頑張るよ!」

笑美「いや、よく分かってないんかいっ!
   あ、でもCブロックってあんきらのとこやん! うわー、きっついなー!」

李衣菜「あんきらって……え、そんなに強いの?」

笑美「そら、優勝候補やわ。2人とも、とんでもなく面白いで。
   一度流れに乗ったら、もう手がつけられへん。
   ステアウェイの方は……渋谷凛ちゃんは名前は聞くけど、森久保?っちゅー子は、よー知らんなあ……」

李衣菜「そうなんだ……」

??「笑美しゃーん! ちょっとファスナー! ファスナー下ろしてくれんとねー!?」

笑美「ん、今行くわー! ほな李衣菜ちゃん、気張りやー♪」

李衣菜「あ、うん! 教えてくれてありがと! ……行っちゃった」

雪美「………………びっくり……した」

こずえ「……zzz」

李衣菜「テンション高い子だったなあ」

李衣菜「でも、そっか……あの子が、みくの……」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/11(土) 00:22:33.00 ID:6AeUwQnI0
雪美「…………そろそろ……Aブロック……」

李衣菜「あ、そっか。そろそろ2人とも、出番だもんね」

雪美「…………私たち……も……」

李衣菜「ん?」

雪美「……また…………李衣菜と……大喜利がしたい……。
   だから……必ず…………勝つ……」

こずえ「こずえはねー……おおぎり、つよいんだよぉー……。
    おおぎりしてるときはねー………ねむくないのぉー……ふわぁ……」

雪美「……見てて……」

雪美「私と……こずえの……輝くところ…………」

雪美「……必ず……会いにいく……から……」

李衣菜「うん……」

李衣菜「……うん! 袖で見てる! ……頑張ってね!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/11(土) 00:23:40.78 ID:6AeUwQnI0





菜々「ゼーッ! ゼーッ! あ、ありがとぉー!
   ……ちょ、ちょっと待っててねー!
   テンション上げ過ぎちゃった……ゼーッ! ゼーッ!
   よしっ! じゃ、じゃあ、早速始めますよーっ!

   Aブロック、アイドル入場ッ!」





第10節 ペストパーキンママ 了
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/11(土) 00:31:03.49 ID:6AeUwQnI0
※ぽまいら手荒い歓迎サンキューな! 少しは自重汁www
※失礼しました。何でもありません。
※どんな形でも感想は励みになってます。本当にありがとうございます。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/11(土) 20:50:54.49 ID:P87IkpD2o
見てるぞ
29 :高垣楓「大喜利大会“DUO”?」 [saga]:2017/11/12(日) 00:46:16.60 ID:Wcv3uAVJ0
高垣楓「大喜利大会“DUO”?」

川島瑞樹「そう、来月の土曜日。
     アイドルが2人1組で出られる大喜利大会なんだけど……楓ちゃん、興味ない?」

楓「私が、ですか?」

瑞樹「そう、一緒に出ない?」

楓「大喜利大会、ですか……」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 00:47:44.71 ID:Wcv3uAVJ0
楓「……いえ、ごめんなさい。
  私って……その、そういう大喜利じゃないので……」

瑞樹「あら、どういうこと? 私、楓ちゃんの大喜利、大好きよ」

楓「ふふっ、ありがとうございます」

楓「でも、そうじゃないんです。
  私の大喜利って……大会に出たりとか、そういう大喜利じゃないんですよ」

瑞樹「そんな事ないわよ。楓ちゃんの大喜利、面白いじゃない」

楓「そうですか? ……そう言ってもらえると、嬉しいですね。
  でも、ええ、そうじゃないんです」

楓「私、大喜利が好きです。
  それは……大喜利がとても楽しくて、同時に、酷く“寛容”だから」

瑞樹「寛容?」

楓「はい、大喜利はとっても寛容です。
  手を挙げて、指名されたら私の時間。その間は、何をしても良いんです。
  歌を歌ったって、絵を描いたって、何をどれだけ語ったって……回答という体裁さえ成していれば、許されてしまう。
  いえ、体裁を成していなくても、“体裁がない”という回答にされてしまうかもしれません。ふふっ……。
  そして、大喜利は、そんな無秩序なことに、みんなが耳を傾けてくれます」

瑞樹「まあ……そうとも言えるわね」

楓「ええ。だから私にとって……大喜利って、みんながダジャレを聞いてくれる、とっても都合のいい場所なんです」

瑞樹「ダジャレを、聞いてくれる場所?」

楓「はいっ、実は私、ダジャレを言うのが好きなんです。ふふっ」

瑞樹(分かるわ)
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 00:48:41.60 ID:Wcv3uAVJ0
楓「回答という形にまとめてしまえば、ダジャレはダジャレ回答になります。
  勿論、それは自己責任ですけれど……。
  でも、私にとって大喜利は、普段の生活で言いにくいダジャレを、自由に言える場所なんです」

瑞樹(“普段の生活で言いにくい”ダジャレ?)

瑞樹「え、えっと……それで、どうして、ごめんなさいになるのかしら?」

楓「ダジャレって、副菜なんです」

瑞樹「……副菜?」

楓「はい。大喜利においてダジャレは回答の一形態ではあるけれど……決して主人公にはなれません。
  票を稼げる訳でも、対戦相手を圧倒できる訳でもありません。
  お題に真摯に向き合っている人には、きっと勝ち目がありません。
  “大喜利の強さ”とは、全く無縁のものです。
  ……だから、私は大会では、川島さんの足を引っ張っちゃうと思います」

楓「だから……川島さんは、他の人を誘って下さい。
  私、川島さんの大喜利が大きい場所で認められるところ、見たいですし」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 00:53:24.85 ID:Wcv3uAVJ0
瑞樹「……て……ょ」

楓「川島さん?」

瑞樹「何言ってんのよ……!」

楓「あ、あら?」

瑞樹「私は楓ちゃんと大会に出たいのー! 何でそんなこと言うのよー! わーん!」

楓「ちょ、ちょっと、川島さん?
  あの、あの、落ち着いてください、ここ、事務所で、小さい子も、見てるので」

瑞樹「わーん! 私は楓ちゃんの大喜利が好きなのー!
   だって楓ちゃん、川島会以外では大喜利やってくれないしー!
   みんなに楓ちゃんのダジャレ回答を見てもらいたいのー!」

楓「え、あの、えっと、はい、出ます、出ますから、ね、だから泣き止んで下さい。
  そうだ、川島さん。今夜飲みましょ、大喜利しながら、今夜、
  だから、″泣いたー″らだめですよ。ですから、ねえ、川島さん」

瑞樹「わーん!」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 00:55:43.09 ID:Wcv3uAVJ0
〜現在・ライブハウス〜





楓(……あのときは大変だったな)

菜々「それでは、予選Aブロック、お題はこちらです!」





【お題】「このメルヘン少女、にわかだな?」と思った理由





楓(でも、川島さんが私の大喜利をみんなに見せたいのなら……)

涼宮星花「はい」

菜々「はい、『青』ユニゾンデュエット!」

星花「はいどうぞ、水筒に入れてきましたわ! 『あったか〜いドデカミン』!」

菜々「ええ何それ!?
   せめてスープとかにしてくれませんか!? ドデカミン!?」

楓(私は、自分の出来るダジャレを……)

佐城雪美「はい……」

菜々「はい、『赤』NEOTENY!」

雪美「…………『スキップで』……」

雪美「………………」

雪美「『雀荘に入った』…………」

菜々「ノ゛ウッ!
   メルヘン少女が雀荘はノ゛ウッです! ギルティーですっ!」

楓(思いつく限り出して……)

瑞樹「はぁい!」

菜々「はい! 『黄色』アンチエイジャーズ!」

瑞樹「「あなたはどこから来たの? ここに座ってお話しましょう?」
   「うん、いいよ」
   「わぁ、ありがとう。 よっこいしょういち 」
   『よ っ こ い し ょ う い ち 』」

菜々「あははははっ!
   ナナが小さい頃に流行ってたやつ! メルヘン少女が絶対言わないギャグじゃないですかあ!」

楓(全力の『私の大喜利』をするのみ、です)

楓「はいっ」

菜々「続けて『黄色』アンチエイジャーズ!」





楓「はい、『いっぱいご飯を食べて「お腹タプンツェル」って言ってる』」




34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 00:57:08.80 ID:Wcv3uAVJ0
菜々「終了ですっ!
   さあっ、5人の審査員の票が単独で一番多く入ったチームが出た時点で勝敗は決します!
   それでは、札を上げてください! どうぞ!」

菜々「赤、赤、青、続行、赤!
   赤3票、青1票! 予選Aブロック勝者、『NEOTENY』!」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 00:59:23.74 ID:Wcv3uAVJ0
〜楽屋〜



楓「お疲れ様です」

瑞樹「いやー、負けちゃったわね! 楓ちゃん、ありがとね。一緒に出てくれて」

楓「あ、いえ、やっぱり結果的に私が足を引っ張っちゃいました。川島さん、ウケてたのに……」

瑞樹「あれはちっちゃい子達が凄かったのよ、楓ちゃんのせいじゃないわ」

瑞樹「それに、楓ちゃん。
   本当は、そんなに残念だなんて、思ってないんじゃない?」

楓「えっ、どうしてですか?」

瑞樹「鏡見てご覧なさいよ、ずーっとニヤニヤしてるわよ?」

楓「えっ……私、ニヤけてます?」

瑞樹「それはもう、すっごく。ウケて、嬉しいんでしょ」

楓「私……ニヤニヤ……」

??「あっ、あのっ!」

瑞樹「あら?」

水本ゆかり「あ、あの、すみません。お話中でしたでしょうか。
      ごめんなさい、星花ちゃんがどうしてもって、聞かなくて」

涼宮星花「高垣さん、その、凄く格好良かったです!
     ずっとダジャレを貫き通すなんて、感服いたしました!
     私、私、ファンになってしまいましたわ!
     これからも応援してます! 握手、してください!」

楓「あ……」

楓「え、っと……」

瑞樹「楓ちゃん」

楓「……ふふっ、そうですね」

楓「ありがとうございます」

楓「こんなにエールを貰“えーる”だなんて、私、嬉しいですっ」





第11節 夜想曲はいま響きはじめた 了
36 :桐野アヤ「アタシらの大喜利の出番だ」 [saga]:2017/11/12(日) 20:38:20.91 ID:Wcv3uAVJ0
桐野アヤ「アタシらの大喜利の出番だ」

泰葉「…………」

アヤ「泰葉、Aブロック決まったぞ。NEOTENYだ」

泰葉「ありがとう、やっぱりあそこがきたんだね。どうだった?」

アヤ「いや……悔しいぐらいメチャメチャ面白かった」

泰葉「ふふっ。……じゃあ、私たちも行こう?」

アヤ「……おうっ!」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:39:00.36 ID:Wcv3uAVJ0
〜舞台袖〜



李衣菜「あ、泰葉ちゃん!」

泰葉「李衣菜ちゃん、久しぶり! こないだはありがとね」

李衣菜「こちらこそ! Bブロック、頑張ってね!
    準決勝、必ず行くから!」

泰葉「……!」

泰葉「……うん、先に待ってるね!」

アヤ(泰葉の友達かな……? ……って、わ、なんだあの黄色いの……!?)
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:40:53.82 ID:Wcv3uAVJ0
〜舞台〜



菜々「ではではっ! お待ちかねのBブロックで〜す!
   アイドル入場! まずは『赤』どすえレベル!」

小早川紗枝「よろしおす〜。(手をふりふり)」

ヘレン「(寒風摩擦のポーズ)」

菜々「そして、『黄色』爆笑エブリデイ! ……って、なんだあれはー!?」

難波笑美「やーやー、よろしゅーよろしゅー」

上田鈴帆(カレーメシ)「腹が減ったらカレーメシ! カレーメシ君となった上田鈴帆のお出ましだーっ!」

鈴帆「……って、あ、あれっ!? 椅子に座れない!? ちょっと!! 笑美しゃん!! 椅子座れんったい!!」

笑美「脱いで来ぃやそんなもん!」

鈴帆「うぅ……。(黄色の全身タイツ)」

笑美「いやここで脱ぐんかーい!」

アヤ「(ぽかーん)」

泰葉「アヤちゃん、アヤちゃん! 行こ!」

アヤ「え? あ、お、おう!」

菜々「そして最後は『青』ドーリードール! さあ、この混沌とした戦場を抜け出すのはどのチームなのかー!
   では、お題はこちらですっ!」





【お題】ロボットのコンビニ店員のダメダメエピソード





菜々「では、大喜利スタート!」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:42:51.65 ID:Wcv3uAVJ0
アヤ(ロボットの、コンビニ店員……)

ヘレン(スッ)

菜々「はい! 『赤』どすえレベル!」

ヘレン「ピーーーガガーーーーウィンウィンウィンガーガーガガーーーピーーーポピーーーポーーーーーー。
    『電話回線でネットに接続している』」

菜々「いや懐かしい音! ロボットなんだから、せめてもっとハイテクな繋げ方して下さいよ!」

アヤ(あ、あれを1答目に出せるのか……!?)

アヤ(いや、気にしちゃダメだ、ペンを止めるな……!)

アヤ「は、はいっ!」

菜々「はい、『青』ドーリードール!」

アヤ「えとっ、『「休憩をいただきます」と言って休憩を取る』!」

菜々「あはは、ロボットなのに! あ、でも充電とか必要なのかな? でも、腹立ちますね〜」

アヤ(あ、あんまりウケてない……)

笑美「えー……はい」

菜々「『黄色』爆笑エブリデイ!」

笑美「「イラッシャイマセ。タマゴ1ツ……ア、スミマセン」
   「牛乳1ツ……ア、スミマセン」
   「250円トポイントカード、オ預リシマス……ア、スミマセン」
   『触るものすべて握り潰してしまう』」

菜々「すみませんじゃないですよ!? 握力がぜんぜん実用化できてない! ポイントカード返してくださーい!」

アヤ「……!」

アヤ(う、ウケ方が、空気がまるで違う……)

アヤ(こ、このままじゃ……)

泰葉「はい」

菜々「はい、『青』ドーリードール!」

泰葉「『計算がぜんぜん合わない』」

菜々「嘘でしょ!? そこロボットの一番得意なとこじゃないんですか!? ただの足し算ですよ!?」

アヤ「あ……」

泰葉「大丈夫、落ち着いて。(ぼそっ)」

アヤ(泰葉……)

紗枝「はぁい」

菜々「『赤』どすえレベル!」

紗枝「えー……あなた、いま、この商品を取りはりましたね?
   透視スコープで、ポケットの中に、キャラメルを確認しました。
   既に警察を呼びましたので、裁判で有罪が確定次第、刑が執行されるでしょう。
   いままでの人生、お疲れさまでした。
   『ロボットは初犯でも融通が利かない』」

菜々「犯罪者側の意見! 確かに万引きとかに容赦なさそうですけど!
   人生お疲れさまでしたは、イヤですねえ! さあ、そろそろラストです!」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:44:22.47 ID:Wcv3uAVJ0
アヤ(だ、ダメだ……)

アヤ(頭が真っ白で、ペンが動かない……!)

アヤ(泰葉が、泰葉がせっかく勇気付けてくれたのに……!)

鈴帆「え〜、はいっ!!」

菜々「はい、じゃあラストは『黄色』爆笑エブリデイ!」

鈴帆「はいっ! えー、『おつりが口から出てくる』、
   『遠心分離機で肉まんと紙を分離してくれる』、
   『レジと合体して西の空に飛んでいく』、
   『発射したカラーボールで犯人を貫く』…………」

菜々「いやボケすぎ! ボケすぎ!! 何考えてんですか!? そんなに処理できないですよ!?
   小分けに出して下さいって! 終了、終了でーす!」

アヤ(お……)

アヤ(終わった……)

菜々「いやー、しっちゃかめっちゃかなブロックでしたが、審査に参りましょう!
   それでは、審査員の皆様、面白かった色の札を上げて下さい! それでは一斉に、ジャッジ!」

菜々「黄色、黄色、黄色、黄色、黄色! 黄色満票!
   勝者、『黄色』爆笑エブリデイ!」

笑美「しゃーっ!!」

鈴帆「いぇーい! やったばい!!」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:45:00.90 ID:Wcv3uAVJ0
〜廊下・自販機コーナー〜





アヤ「……はあ」

アヤ(泰葉、泣いてたな。泰葉の友達に任せちまったけど……大丈夫かな)

アヤ(いや、それよりも……アタシ、だよな)

アヤ(手も足も、出なかった)

アヤ(みんな凄いなあ。あんな面白いこと思いついて、あんだけ爆笑を取って)

アヤ(アタシだけだ)

アヤ(アタシだけが、置いてかれてる)

アヤ(もう、ずっと……ずっと、そうだ)

アヤ(何回大会に出ても、ちっとも、変わらない……)

アヤ「……大喜利、辞めちまおうかな」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:45:49.40 ID:Wcv3uAVJ0
こずえ「やめちゃうのぉー…………?」

アヤ「えっ、あ……いつからそこに……!?」

こずえ「…………………のせてぇー。(アヤの膝に座る)」

アヤ「わっ。……お、おう」

アヤ(確か、この子は……Aブロックの……)

アヤ(……こんな小さい子がウケてるのに、アタシは……)

こずえ「…………なでてー?」

アヤ「え? う、うん。(撫で)」

こずえ「ふあー…………。(撫でられ)」

アヤ「あー……すごかったな、Aブロック。見てたよ、面白かった」

こずえ「…………ありがとー……」

アヤ「凄いな、お前。アタシには、あんな自由な発想はできないよ」

こずえ「…………じゆーなはっそー?」

アヤ「面白いこと考えるってことだよ」

こずえ「……ふーん…………」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:47:48.88 ID:Wcv3uAVJ0
こずえ「…………こずえねー…………かんがえるのねー……すきだよぉー…………」

こずえ「……たくさんかんがえるとねー……しずかになるのー…………」

アヤ「静か?」

こずえ「……おとがねー……なくなるのー…………」

アヤ「……音が、無くなる」

こずえ「…………かんがえるのー……おもしろいことー…………あとねー……つたえることー…………」

アヤ「伝えること?」

こずえ「…………きょーかんが……だいじって……ゆきみがいってたのー……」

こずえ「……おもしろいことをねー……おもいつくだけじゃねー……だめなのー……。
    …………どーいおーかとかねー……かんがえるんだよー……。
    おもいつきをねー……おもしろくするのー……………」

こずえ「…………ふわぁ」

アヤ「思いつきを……面白く……」

アヤ(……そっか、こいつ)

アヤ(“集中”してるんだ)

アヤ(思いついてるだけじゃねーんだ)

アヤ(頭の中で、回答に使う言葉の取捨選択や、答え方を、ブラッシュアップしてんだ)

アヤ(アタシは……)

アヤ(アタシは、答えに向き合えてたか)

アヤ(ボードの文字の配置、言い回し、ボードを出すタイミングに、自信を持って、余裕を持って、答えられてたか)

アヤ(一答に真剣にならなきゃ、いけなかったんじゃないか)

こずえ「…………かんがえるのねー…………たのしいからねー……」

こずえ「こずえー……もうおにんぎょうじゃないよぉー……」

アヤ「! ……おまえ……」

こずえ「……ふわぁ」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 20:49:49.02 ID:Wcv3uAVJ0
アヤ「…………うん」

アヤ「……なあ、こずえ」

こずえ「……なぁにー……?」

アヤ「聞いてくれるか? ……お題、『ロボットのコンビニ店員のダメダメエピソード』」

こずえ「………………いーよぉー……」

アヤ「……『「自分、休憩入りま〜す!」と叫んで、その場にしゃがみ込む』」

こずえ「………………」

こずえ「………あはー……おもしろーい。(にこー)」

こずえ「………………」

こずえ「…………よしよししてあげるぅー…………よしよしー……よしよしー……」





第12節 泣かないでペトルーシュカ 了
45 :多田李衣菜「大喜利やるぞー!」 [saga]:2017/11/13(月) 21:10:12.47 ID:ubuZ4tcv0
多田李衣菜「大喜利やるぞー!」

李衣菜「アスタリスクー、ファイ!」

みく「おー」

李衣菜「ファイ!!」

みく「……おー」

李衣菜「ファイッ!!!」

みく「あーもー、いい加減にするにゃー! 恥ずかしい!」

李衣菜「えー、だってこの方が気合い入りそうじゃん……」

みく「そもそもなにこれ!?
   円陣を2人で組んでるとこなんか見たことないにゃ! 他人からはアマレスにしか見えないから!」

李衣菜「えー」

泰葉「あはははっ。ふたりとも、いつも通りって感じかな?」

みく「もー、なんか李衣菜チャンのせいで緊張感薄れちゃったにゃあ」

泰葉「でも、平常心は大事だからね。落ち着いて、楽しんできてね」

みく「泰葉チャン……。……ん、ありがとね」

泰葉「2人には心配かけちゃったね。大丈夫、私はもう平気だよ」

李衣菜「まあまあ、泰葉ちゃんも円陣組む?」

みく「やらないにゃ!」ばかなの!?
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/13(月) 21:12:22.92 ID:ubuZ4tcv0
??「うぇへへへへー! 円陣だって、おもすぃろーい☆ 杏ちゃんもぉー、やろぉー!」

??「いや、杏はやらないよそんなめんどくさいこと……え、ちょ、肩」

??「じゃあ、いっくよおー! そーれ☆」

??「ぐわああああ! きらり! 肩が! 肩が壊れる! 肩が破壊される!!
   関節キメたまま持ち上げないで、きらりぃー!!」

??「あわわわ、ごめんゅ……。杏ちゃん、だいじょうぶー?」

??「杏はもうダメだ……肩が粉砕されたから、ここで寝てるよ……ガクッ」

??「うきゃー! だぁめぇー! これから出番なのぉー!」

李衣菜「え、その子大丈夫……?」

??「んうぇ? あ、大丈夫だよぉー!
   杏ちゃん、ちょぉーっとおやすみしようとしてるだけにぃ☆」

李衣菜「そ、そうなんだ……」

諸星きらり「あ、きらりは諸星きらりだよぉー! この子は双葉杏ちゃん! よろしくにぃ☆」

双葉杏「……よろしくー」グデー

李衣菜「よろしくね。私、多田李衣菜。で、こっちの猫耳をつけてらっしゃる方が前川みくだよ」

みく「尊敬語で紹介するのやめて? 次の試合は頑張ろうね!」

きらり「いっぱい大喜利しようにぃ☆ にょわ? 杏ちゃん、スタッフの人呼んでるよ。行かなくちゃ! そぉれー☆」

杏「えー、きらりだけで行ってき……ぐわああああ! 引きずらないできらりぃぃぃぃ!」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/13(月) 21:13:20.16 ID:ubuZ4tcv0
李衣菜「……行っちゃった」

泰葉「気をつけてね。あんきらは、本当に強いよ」

みく「泰葉チャン、知ってるのにゃ?」

泰葉「2人とも第一線で戦ってて、何度も優勝経験のあるプレーヤーだよ。
   安定感があって、手数も多いし、回答の平均値も高いし、場を支配する力もある。
   その2人が揃ったときはなおさら」

李衣菜「そ、そんな凄いんだ……」

泰葉「うん、何度か見たことあるけど、本当に凄かった」

泰葉「例えるなら……そうだね」

泰葉「まるで、ブルドーザーがなぎ倒していくみたいだったな」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/13(月) 21:15:17.33 ID:ubuZ4tcv0
〜舞台〜



菜々「さー、お待たせしましたっ! 最終ブロックを制するのは誰なのかー! 緊張の一戦が始まります!」

菜々「Cブロックのアイドルの入場です! まずは『赤』あんきら!」

きらり「にょわー☆ きらりだにぃ! おっすおっすぅ!」

杏「へいへい、やりますかねー」

菜々「次は、『黄色』*(Asterisk)!」

みく「にゃー! よろしくねー!」

李衣菜「ロックにいくよ!」

菜々「そして最後はー……『青』ステアウェイ!」

渋谷凛「…………。(ぺこり)」

森久保乃々「むりくぼですけど……大喜利なんてむちゃくぼなんですけど……!」

菜々「以上3組のうち、1チームだけが抜け出ることができます!」

李衣菜(お客さんがいっぱいいる……やっぱり、歌ったりするのとは、違う緊張感だ……)

李衣菜(泰葉ちゃんが言うには、あんきらがこの試合の最右翼らしいけど……きっと私は、そんなこと気にしてる場合じゃないんだよね)

李衣菜(マイクの使い方、ボードの出し方だけ気をつけて……いつも通りに……)

李衣菜(相手がどんなに強くても、大丈夫)

李衣菜(失敗しても、隣にはみくがいる)

李衣菜(私は、ただ目の前の大喜利を……楽しむ!)

菜々「では答えていただきましょう! お題はこちら!」





【お題】こんなお寺は楽しい





菜々「では、スタートですっ!」

きらり「はーいっ!」

菜々「はい、『赤』あんきら!」

きらり「はい! えー、『お坊さんが「かーつ!」って言いながら、飴ちゃんをくれゆ』!」

菜々「お坊さん優しい! いや飴は嬉しいですけど、なんで喝って言ってるんですか!?」

みく「はいっ!」

菜々「はい、『黄色』*(Asterisk)!」

みく「『水をかけるたびに墓石の色が変わる』」

菜々「お墓詣りがちょっとだけ楽しくなりそう! 何度もお水かけたくなりますね!」

杏「ん」

菜々「はい、『赤』あんきら!」

杏「『バコーン!て本堂が開いて、「10:30」って出てくる』」

菜々「鳩時計みたいになってる! お賽銭入れてるときとかびっくりしそう!」

きらり「はいはーいっ!」

菜々「はい、またも『赤』あんきら!」

きらり「これは嬉しいにぃ☆ 『精進落としでケーキがいーっぱい出たし、法要も3分で終わった☆』」

菜々「嬉しいにぃ☆じゃないですよ!? 構成が身勝手すぎる! ご先祖様怒りますよ3分で法事終わったら!」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/13(月) 21:18:56.55 ID:ubuZ4tcv0
李衣菜(あんきらはやっぱり手数は凄いなあ、しっかりウケてるし)

李衣菜(だけど……)

李衣菜「はいっ!」

菜々「『黄色』*(Asterisk)!」

李衣菜「ゴーン……ワンツースリーフォー!」

李衣菜「プップー! スタタン、ドコドン、プップップー!」

李衣菜「『鐘をゴーンてやると、ジャムセッションが始まる』!」

菜々「ジャズバンドがずっと待機してる! あははははっ! 楽しそう!」あとラッパの音へたっぴ!









李衣菜(き……)

李衣菜(き……!)

李衣菜(気ー持ちいー!! お客さんにウケるって、すごい快感……!
    ゾクゾクする! なにこれ!? こんなに気持ち良くていいの!?)

李衣菜(私の回答で、笑ってくれて、客席が揺れて、まだ余波みたいのが、残って……!)

李衣菜(や、やば……何これ脳内麻薬? 気持ちがふわふわしちゃう……!)

李衣菜(お、落ち着け私〜!)

杏「はい」

菜々「『赤』あんきら!」

杏「あっはっはっ、こんなに〜? うっそ〜? こんなことしていいの〜? 何回でもー? ホントにー?」

杏「『賽銭のつかみ取りがアツい』」

菜々「なんでそんなことさせてんですか!? お金ですよ!?」

みく「はいにゃ!」

菜々「『黄色』*(Asterisk)!」

みく「コロコロコロコロコロコロコロコロ」

みく「『木魚がどこまでも転がっていく』」

菜々「いや慣性の法則! 転がりやすい形してないですよあれ!? ちょっと原理を教えて下さい!」

菜々「さあ、そろそろ時間ですね!」

李衣菜(うう、なんかふわふわして何も思いつかなかった……お寺って要素少ないなあ。
    でも、みくもいいの出してるし、ここはよっぽどおっきいの出ない限りは……)

凛「はい」

菜々「はい、ここで『青』ステアウェイ!」

凛「『入り口のばかでかい金ぴかの大仏が』」

凛「『ダブルバイセップスのポーズしてて』」

凛「『ふーん結構キレてるじゃん、って思ったんだけど』」

凛「『帰るとき見たら、モストマスキュラーのポーズになってた』」

菜々「真顔で何言ってるんですか!? 入り口にでかい金ピカの大仏も謎だし! ボディビルに詳しいのもよくわからないし!
   ふーん結構キレてるじゃんじゃないです! あははっ!」

李衣菜(げっ!? な、なにあの子!? 時間いっぱい使って、メチャクチャなこと言って、凄いウケてる……!)
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/13(月) 21:19:38.79 ID:ubuZ4tcv0
李衣菜(げっ!? な、なにあの子!? 時間いっぱい使って、メチャクチャなこと言って、凄いウケてる……!)

菜々「さあ、もういませんね! 終りょ……って、あら?」

李衣菜(ん、まだ回答者が……)

李衣菜「……えっ?」











第13節 キレイな夢を見たんだ 了
51 :森久保乃々「大喜利なんてむりくぼなんですけど」 [saga]:2017/11/14(火) 14:35:35.03 ID:Ld7mCUcY0
森久保乃々「大喜利なんてむりくぼなんですけど」

乃々「…………」

乃々「そろそろ出番なのに、逃げてきてしまったんですけど……」

乃々「…………」

乃々「もりくぼは、なぜこんなことに……」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:37:06.49 ID:Ld7mCUcY0
〜回想・事務所〜



凛「乃々、“DUO”に出場するから予定空けといてね」

乃々「えっ」


53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:37:44.28 ID:Ld7mCUcY0
〜現在・倉庫〜



乃々「…………」

乃々「そこにもりくぼの意志は無かったんですけど……」

乃々「…………」

乃々「……もりくぼいぢめ?」

乃々「……ううー」

乃々「大喜利なんて、む〜りぃ〜……」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:38:36.51 ID:Ld7mCUcY0



乃々(もりくぼは、人前で大喜利をしたことがありません)

乃々(それどころか、ろくに大喜利に触れたことすら、ありません)

乃々(もりくぼは)

乃々(もりくぼは……ただ、一度だけ……(イヤホン装着))


55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:41:40.92 ID:Ld7mCUcY0
レコーダーの音「ピッ」

レコーダーの音「えー、R.N.ベース練習中さんには、2ギルティと番組特製一升瓶ストラップを進呈します!
        おめでとうございまーす!」

レコーダーの音「いや〜、わかるわ〜。はい、それでは次の投稿は……あら、この人も初採用ね。
        R.N.森乃こりすさんからの投稿です。

        『【お題】なんだこれ? ラーメンのスープを飲み干したら丼の底に書かれてた言葉、一体なに?』」

レコーダーの音「デデデン!(SE)」

レコーダーの音「『割り飯あります』」

レコーダーの音「……あはははっ! いやいやいや! こっちは飲んじゃった後だから! スープ飲む前に教えて!」

レコーダーの音「初投稿だって、面白わねー」

レコーダーの音「あー、でも良く考えたら、ラーメンに割り飯ってあんまり聞いたことないかも?」

レコーダーの音「確かにつけ麺とかなら聞いたことあるわね。早苗ちゃんは、ラーメン食べるときとか、ご飯頼んだりするの?」

レコーダーの音「そうねえ、お酒飲んだ後とかに、ラーメンに半ライス入れると……やっぱりテンション上がっちゃうわね!」

レコーダーの音「あら野生的! もはや炭水化物のパレードよ、それ。じゃあ早苗ちゃん、ジャッジをお願い!」

レコーダーの音「はい、えー……R.N.森乃こりすさんには1ギルティと特製ストラップの贈呈です!
        面白かったわよ、また投稿してね! おめでとうございまーす!」

レコーダーの音「さあ、次のお便りはピッ」

レコーダーの音「ピッえー……R.N.森乃こりすさんには1ギルティと特製ストラップの贈呈です! 面白かったわよ、また投稿してピッ」

レコーダーの音「ピッ製ストラップの贈呈です! 面白かったわよ、まピッ」

レコーダーの音「ピッ面白かったわよピッ」

乃々「…………」

乃々「…………みじめなんですけどぉ……。(うずくまり)」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:42:40.99 ID:Ld7mCUcY0



乃々(深夜、詩を書いてるときに息抜きにつけたラジオ)

乃々(ほんの出来心で送ったメールが、いきなり採用されて……それが、とても嬉しくて……アーカイブを録音までしてしまって……)

乃々(でも、それからもりくぼは、投稿なんかできませんでした……)

乃々(しようと思っても、お題を前にすると、思考が、手が、言葉が止まってしまって……難しくて、怖くて)

乃々(誰かに、こんなつまらないものをどうして出したんだ、なんて怒られてしまいそうで)

乃々(もりくぼは、どうしてもメールを送れませんでした)

乃々(だけど、それでも)

乃々(人から面白いなんて言ってもらえたのは、あれっきりだから)

乃々(……もりくぼは、それにしがみついてしまいます……)


57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:43:25.43 ID:Ld7mCUcY0
凛「乃々」

乃々「あ……凛さん」

凛「探したよ。乃々は、かくれんぼが上手いね?」

乃々「あの、え、と……」

凛「でも、やっぱり乃々は凄いな」

乃々「……はい?」

凛「ここで集中力を高めてたんだね。暗闇で、音を遮断して……」

乃々「ち、ちがいますけど……」

凛「でも、もうそろそろ私たちの出番だよ。頼りにしてるからね、乃々。(手を取る)」

乃々「ちがうんですけど……。(連行)」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:44:46.38 ID:Ld7mCUcY0
〜廊下〜



??「あ、いた! しぶりーん!」

凛「未央、卯月」

島村卯月「間に合いました! まだ出番じゃないですよね!」

凛「うん、もうすぐだけどね」

卯月「お仕事が長引いちゃって……でも、来られて良かったです!」

本田未央「頑張って仕事終わらせてきたんだからね! しぶりんがガツーンと爆笑取るとこ、楽しみにしてるよ!」

卯月「それでは私たちは客席に行くので、応援頑張りますね! 楽しんできてね、凛ちゃん!」

凛「うん、ありがとう」

乃々「…………」

凛「ほら、乃々。行こう?」

乃々「は、はい……」

乃々「…………」

乃々(もりくぼは、あんなきらきらした人達を直視したら、浄化されてしまうんですけど……)

乃々(あの2人は……確か凛さんと同じユニットの人……)

乃々(……お友達はたくさんいるのに、凛さんは、どうしてもりくぼなんかと大会に出ようなんて……)

凛「さ。行くよ、乃々」

乃々「え? あ」



菜々「そして最後はー……『青』ステアウェイ!」



凛(ステージへ出ていく)

乃々「むりくぼですけど……大喜利なんてむちゃくぼなんですけど……!」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:46:38.23 ID:Ld7mCUcY0
〜舞台〜



乃々(言われるがままに舞台に出てきてしまったんですけど……)

乃々(たくさんのお客さんが、もりくぼたちを見てる……。
   ライトでよく見えないけれど、あそこには本田未央さんと島村卯月さんたちも、多分いる……)

乃々(もりくぼは……もりくぼは……)



菜々「では答えていただきましょう! お題はこちら!」



乃々(え、あ、お題……)

乃々(……?)

乃々(こんなお寺は楽しい……?)

菜々「では、スタートですっ!」

乃々「あ……」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:47:45.70 ID:Ld7mCUcY0



■■■「はい! えー、『■坊■んが「かーつ!」■■言■なが■、■ち■■をくれゆ』!」



乃々(…………)

乃々(視界が、ゆらぐ)



■■「『■を■け■■■■墓■■■が変わ■』」

■「『バ■■■!■本■■開い■、「■■■■■」っ■■■くる』」



乃々(頭の中が冷たくて、顔が熱くて、耳が音を拒否して、口の中がからからに渇く)

乃々(会場が、もりくぼを置いて、沸き立ってる)

乃々(お寺ってなんですか。楽しいってなんですか。ホワイトボードが白いのは何でですか)

乃々(凛さんは……?)

凛「…………」

乃々(あんなに沢山、ホワイトボードに書き込んで……消して、また書いて……)

乃々(ああ……)

乃々(ここにいる人たちは、もりくぼのはるか先を、走ってる……)
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:50:05.45 ID:Ld7mCUcY0



■■■「『■■■■■やると、■■■セッ■■■■始■■』!」



乃々(!!)

乃々(会場が、揺れた)

乃々(なんて言ったのかすら、分からないけれど)

乃々(これは、勝負が決まった揺れですよね)

乃々(拍手、笑い声、拍手、拍手、笑い声)

乃々(もりくぼをおいて、大喜利がすすんでいく)

乃々(ああ……)

乃々(ああ……!)

乃々(もりくぼは……!!)



凛「……乃々?」

乃々「ぁ…………ぅ…………」

凛「……乃々、つかまって」

乃々「え……?」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:51:29.32 ID:Ld7mCUcY0
乃々(私の膝の上に、凛さんの左手が)

乃々(凛さんはそのまま、ボードに向き合って、回答を書いて……て……)

乃々(凛さんの手が、震えてる……?)

乃々(私は、この手を……)

乃々(もりくぼは……!)



凛「はい」

菜々「はい、ここで『青』ステアウェイ!」



凛「『入り口のばかでかい金ぴかの大仏が』」

凛「『ダブルバイセップスのポーズしてて』」

凛「『ふーん結構キレてるじゃん、って思ったんだけど』」

凛「『帰るとき見たら、モストマスキュラーのポーズになってた』」



菜々「真顔で何言ってるんですか!?」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:52:34.46 ID:Ld7mCUcY0



乃々「……!」

乃々「ぁ、く、ぁ……」

乃々「……ぅぁ……っ、ぁ!(キュ、キュキュ)」

乃々(つかむ……つかみます……! この凛さんの手から、力をもらいます……!! もらって、書きます……!!)

乃々(もりくぼは、凛さんの力に、なりたいです……!)

菜々「さあ、もういませんね! 終りょ……って、あら?」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:53:52.93 ID:Ld7mCUcY0
乃々「うっ、ううっ、うえっ、えぐっえぐっ、うぇぇぇぇ……!!(挙手)」

菜々「へ!? だ、大丈夫ですかっ? え、ええーっと……では、『青』ステアウェイでラストです!」

乃々「っぐ、うえっ、えっえっえっ、ふぐぅえ、おえっ……!!」

乃々「っ、ぐぇ、えうっえっくっ、う……!!」





乃々「っぐう……『ベイブレードが』ぁぁ……『あそびほうだい』っ……っふぐぅ……!!」




65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:54:29.58 ID:Ld7mCUcY0




















66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:55:34.94 ID:Ld7mCUcY0



「ぎゃははははっ!」「泣きながらベイブレードて!」「あははははっ!」
「いやなんで泣いてんのあの子!?」「楽しいお寺のお題でしょ!?」
「あはははは!」「一体なんなんだよあのチーム!」「号泣しながら大喜利してる人初めて見た!」
「ハッハッハ」「いやいやいやいや!」「なんでお寺にベイブレードあんの!?」
「おもしろいけど、全体的になんでなんだよ!」「きゃははは!」
「面白いけどぉ! いやたしかに面白いけどぉ!」「ワハハ」「情緒やばすぎでしょ!」
「なんでこの時代にベイブレードなんだよ!」「最後の最後に号泣しながら!」
「何なのあの子初めて見たんだけど!」「あっはっはっはっはっ!!」
「わはははは!」「ミラクル過ぎるよ!」「何この一答!」「メチャクチャな大喜利すぎ!」
「号泣しながらベイブレード!」「ひーっ、ひーっ、マジやばい……!」「あはははは……!」


67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:56:09.71 ID:Ld7mCUcY0
乃々「ぅ……ぅえ……?」

凛「……やったね、乃々」

乃々「ぁ、凛、さん」

菜々「はい、終了! 終了です! 終了ーー!」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:57:28.40 ID:Ld7mCUcY0
〜楽屋〜



凛「乃々、お疲れ様」

乃々「あ、あぅ、凛さぁん、あの、もりくぼが、もりくぼがご迷惑ををを……!」

凛「ぜんぜん。すごく、乃々らしい回答だったよ。組んでくれてありがとう、乃々」

乃々「う、うぅ……あの、なんで凛さんは……もりくぼを?」

凛「なんでって?」

乃々「だ、だって、凛さんは、ニュージェネレーションとか、トライアドプリムスとか……。
   いろいろな子と交流があって……もりくぼじゃなくても、良いと思うんですけど……」

凛「え? ああ、そういうこと」

凛「うーん、そうだね」

凛「それは……乃々が一番ウケたがってるように見えたから、かな。(ポケットの中から鍵を取り出す)」

乃々「え?」

乃々「……ああっ!」

乃々「そ、その一升瓶のストラップ……! こ……これ……!(ポケットからストラップの付いたレコーダーを取り出す)」

凛「ふふっ。ウケることができて良かったね」

乃々「え、嘘……そんな……」

凛「あ、そうだ。
  今度、あのラジオやってる川島さんが主催の大喜利会、今度の月曜日にあるらしいから、予定空けといてね。
  楽しみだね、乃々」

乃々「ええっ!?」

乃々「む……む……!!」

乃々「むぅ〜りぃぃ〜〜〜〜!!!」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 14:58:54.07 ID:Ld7mCUcY0





菜々「それでは、Cブロックのジャッジをお願いします! どうぞ!
   ……黄色、青、続行、赤、黄色! 赤青1票、黄色2票!

   勝者、『黄色』*(Asterisk)ー!」








第14節 誰かの夢が始まる日 了
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/14(火) 15:01:34.20 ID:Ld7mCUcY0
※ひとまず更新はここまでです。お付き合い下さいましてありがとうございました。
※OOGIRIM@STER、続きはまた7〜8話ぶん書き終えたらスレ立てします。
※多分次回更新でDUO編が終わると思います。
※HTML化を頼んできますね。
※コメント等いただけたら、大変励みになります。
※大喜利は楽しいんですよ。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/14(火) 20:23:04.04 ID:qVSzOpISo
見てるぞ
頑張れ
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/15(水) 00:51:54.63 ID:v5Xy2zpq0
面白かったよ、凛のネタが一番好きかな、個人的にはフリップ使って欲しかったけど
そうすればウサミンの「ボディビルに詳しいのもよくわからないし! 」が不自然じゃないし
だりーが驚く点も『あんな風にフリップ使ってる』って今までの自分に足りない物を見つけた感に出来るし


凛「『入り口のばかでかい金ぴかの大仏が』」

凛「『ダブルバイセップスのポーズしてて』」

フリップダシー
⊃ https://imgur.com/7Mxmxn3.jpg ⊂



凛「『ふーん結構キレてるじゃん、って思ったから帰るときもう一回見たら、モストマスキュラーのポーズになってた』」

スッ
⊃ https://imgur.com/Fdhn2u8.jpg ⊂


73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/15(水) 16:41:18.57 ID:lWrpidXA0
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