市原仁奈「みんなのきもちになれるですよ!」

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69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/08(水) 02:23:25.29 ID:S5dsAuSl0
机の下の住人達が白目むいて泡吹いてそうな空間だねー
70 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:24:05.27 ID:jmZkLHZ30


響子「そ、それはしょうがないよー!」

響子「お仕事だったんだし――それにプロデューサーさんからは、ちゃんと夜に電話でおめでとうって言ってもらったし」

凛「ふーん、そっか」

凛「夜中に電話するのは悪いとか言ってたけど、ちゃんと私の言った通りにしたんだね」

凛「よかった」

響子「…………」ピクピク

71 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:26:04.56 ID:jmZkLHZ30


凛「っていうかさ」

凛「そもそも、なんで誰かがプロデューサーに薬を盛ったみたいな話になってるの?」

凛「プロデューサーが倒れていたとしても、普通そんなこと考えないよね」

凛「少なくとも真っ先には思い至らないよ」

凛「……まあ、普段からそういうこと、当たり前に考えてる人とかなら別だけど」

凛「ねえ、なんでそんな考えに至ったのかな――まゆ」

まゆ「……うふふ」

72 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:27:20.36 ID:jmZkLHZ30


裕子「あわわ……」

裕子(な、なんでしょうこの空間……! いるだけで胃が痛い……!)

裕子「に、仁奈ちゃん。ここは子供には――というか、まともな人間がいるには危険です」

裕子「トレーニングならどこか他の――」



仁奈「まってくだせー!」


73 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:28:01.12 ID:jmZkLHZ30


仁奈「みんな、まってくだせー!」

凛「仁奈……?」

仁奈「聞いてくだせー」

仁奈「今の仁奈は人の『きもち』が読めるんでごぜーます」

仁奈「思ってること、考えてることが分かるですよ!」

まゆ「仁奈ちゃんが?」

74 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:29:28.25 ID:jmZkLHZ30


仁奈「だから仁奈が……」

仁奈「仁奈が、みんなの『きもち』になるでごぜーます!」

仁奈「それでこの中に、プロデューサーをこんなにした人なんていねーって、しょうめーするですよ!」

仁奈「だからケンカしねーでくだせー!」

裕子「に、仁奈ちゃん……」

仁奈「見ててくだせー、ユッコおねーさん! 仁奈のしゅぎょーのせいかを!」

仁奈(今の仁奈なら、もう手をにぎらなくても相手の『きもち』が読めるですよ!)

仁奈「ムムムムーン!!」

仁奈「みんなのきもちになるですよ!!」ピカァアアアア

75 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:30:11.85 ID:jmZkLHZ30


『――。――――――』ジジッ

仁奈「ムム……」

『――――う。――! そ―――――』ジジジッ

仁奈「ムムムッ!!」

『――――だよ。なんとか――――』ジジジジジッ

仁奈「ムムムムーン!!!」

76 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:35:31.38 ID:jmZkLHZ30


『――あーあ。せっかく上手くプロデューサーにコーヒー飲ませられたのになぁ』

『あとは気分が昂ってきた頃を見計らって、いつもみたいに調子の悪いふりして仮眠室に連れ込もうと思ってたのに……』


『――うぅ、やっぱりあんなお薬を入れるなんて、悪いことはできないってことなのかな……』

『で、でもあんなにいつも料理美味しいとか、お嫁さんにぴったりだとか言われたら期待しちゃうもん……』


『――さすがに一筋縄じゃいかないね。まあこっちの手札は媚薬だけじゃないけど……』

『ああっ! あんなにプロデューサーが無防備なのに! 見てるだけなんて生殺しもいいところだよっ!』


『――うふふ。落ち着きましょう。あんな薬一滴でPさんが手に入るなんて思っていないでしょう』

『こんなのは彼との将来――その前のささやかな障害。この程度で私とPさんとの運命は引き裂けないのだから』


『でも不思議ですね。どうしてPさん、倒れているのかしら……』

『確かにあの薬、過剰摂取は厳禁って書いてあったけど……』

『おかしいなぁ』

『なんでだろ……』


『『『『分量はきっちり守ったはずなのに……』』』』



仁奈「………………」

77 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:36:20.80 ID:jmZkLHZ30


裕子「に、仁奈ちゃん……!」

裕子「それで、どうですか……?」

仁奈「へっ……?」

まゆ「Pさんをこんなにした犯人は、どの人だったのかしら?」

仁奈「ど、どの人……?」

仁奈「わっ……」

仁奈「わかんねーですよ……」

裕子「そんなっ!?」

78 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:37:40.33 ID:jmZkLHZ30


仁奈「ま、まってくだせー!」

仁奈「もう一回! もっかいやらせてくだせー!」

仁奈「次はちゃんと――」

凛「――いや、もう十分だよ」

仁奈「えっ……」

凛「ごめんね。別に仁奈の力のこととか、言ってることを疑ってるわけじゃないんだ」

まゆ「でも――たとえその力で犯人を突き止めたとしても、証拠となるのは仁奈ちゃんの証言だけになってしまいますから」

凛「犯人に『そんなのデタラメだ』って言われちゃえば、私たちはどうすることもできないからね」

仁奈「あっ……でも……」

79 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 02:38:49.06 ID:jmZkLHZ30


加蓮「まあ仁奈ちゃんの言う通りではあるよね。こんなことで言い争っても仕方ないし」

響子「そうだね。どうしてこうなったかより――これからどうするかを考えなくちゃ」

凛「どうするかなんて、愚問だと思うけど。だから問題は――」

まゆ「誰がするか、ですか?」
 
まゆ「それこそ愚問ですねぇ。そんなの――」


凛「私に決まってるよね」

響子「私しかいませんね」

加蓮「アタシの役目だね」

まゆ「まゆですよぉ」


裕子「つ、つまり……?」



「「「「最後まで立ってた奴!!!」」」」



裕子「あわわ……!」

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 04:46:20.64 ID:I7bwjlCto
ユッコがエロすぎてワロタ
茜ちんはそんなのみたらいかんで
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 05:10:33.10 ID:nPE7S21N0
茜は早く由里子あたりに相談しないと手遅れになると思うんだけど
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/08(水) 08:09:46.47 ID:Mtk0wPOlO
同じ成分のお薬(意味深)使うなんて仲が良いなぁ
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 09:34:00.30 ID:5ZXv9u1MO
出所一緒なんだろう
C.SさんかS.Iさんだろおそらく
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/08(水) 12:00:18.49 ID:S5dsAuSl0
Pがクスリ程度でどうにかなるハズがない。つまりこのPはニセモノだな!
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 12:33:40.48 ID:LvRxUfsqO
だとしたらそれ上回ってくるスタエナって一体…
86 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 13:09:51.44 ID:jmZkLHZ30


凛「言っておくけど――お空での仕事を見たくらいで、蒼の真髄を分かった気にはならないほうがいいよ」シャキン

響子「私、得意なんです♪ お料理もお掃除も――お片付けも、後始末も……」ジャラ

加蓮「アタシはこういうのあんまりなぁ……。だってみんな、ぶっ倒れたり、血を吐いたりした経験なんてないでしょ?」ガシャン

まゆ「あなたたちのこと、邪魔だなんてもう言いませんよ――邪魔にさえならないのだから」シュルシュル


裕子「あわわわ……」

87 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 13:11:20.96 ID:jmZkLHZ30


裕子「に、仁奈ちゃん!」

裕子「逃げましょう! 避難しましょう! ここはこれから地獄になります!」

仁奈「じごく……?」

裕子「ええ。刈り尽くす嵐のような、呑み尽くす大波のような――ここは災禍の渦中になります」

裕子「よくて全壊……。最悪、この辺一帯消えてなくなりますから……!」

仁奈「さいあく……」

裕子「さあ、はやくこちらに――」

仁奈「それって……」


仁奈(仁奈のせいで……?)


裕子「仁奈ちゃん……?」

88 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 13:12:13.24 ID:jmZkLHZ30


仁奈(仁奈がちゃんとできてれば……こんなことにはならなかった……?)

『――使い方を誤れば、大きな災厄と悲劇を引き起こすこともできる諸刃の剣』

仁奈(仁奈がまちがえたせいで……みんなケンカしちまう……)

『大きな力には大きな影響と――なにより責任が伴うもの』

仁奈(仁奈の責任……仁奈が悪いんだ……)

仁奈(……ごめんなさい)

89 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 13:15:53.03 ID:jmZkLHZ30


仁奈(ごめんなさいごめんなさい)ポタ

仁奈(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!)ポタポタ

仁奈(やめてくだせー……)

仁奈(ケンカはするのも見るのも嫌でごぜーます)

仁奈「みんなには仲良くしていてほしーですよ……」

仁奈(仁奈がいけねーから……仁奈が悪いから……)

仁奈(仁奈があやまるから……)

仁奈(だから――)

90 : ◆.UigIU7V92 [saga]:2017/11/08(水) 13:16:46.78 ID:jmZkLHZ30


 仁奈ちゃん

 そこで仁奈ちゃんが謝るのは――誤りですよ

 ふふっ……


裕子「……仁奈ちゃん」ポン

仁奈「えっ?」

仁奈「ユッコおねーさん……?」

裕子「仁奈ちゃんはさっき言いましたね」

裕子「私――エスパーユッコのサイキックが見てみたいと」

仁奈「う、うん……」

裕子「ならばその願い――叶えましょう!」スタスタ

91 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:25:39.56 ID:jmZkLHZ30


凛「……あれ、裕子まだいたんだ」

まゆ「早く仁奈ちゃんを連れて逃げてください。巻き込むつもりはないですけど――巻き込まない自信もないので」

裕子「あっはっは!」

裕子「みなさんまったく、何を物騒なことを言っているんですか」

裕子「物々しいにもほどがありますねー!」

加蓮「……こんな状況でもそんなこと言っていられるなんて。相変わらずお気楽だね」

響子「でも――私たちの得物を見てまでそう言っているんだったら――いささか能天気が過ぎるよ?」

92 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:27:01.48 ID:jmZkLHZ30


裕子「いいじゃないですか能天気」

裕子「平和な証拠ですよ」

裕子「皆さんだってそうでしょう?」

裕子「大仰なこと仰ってますが――」

裕子「手にしているのが"そんなもの"なんですから」

裕子「とってもコメディです!」

加蓮「そんなもの……?」

響子「って……!!」

93 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:38:45.57 ID:jmZkLHZ30


凛「私の蒼の剣が……青いサイリウムに!?」

まゆ「まゆの曲絃糸が……これ、タコ糸!?」

響子「私の単分子振動包丁が……おままごとセットになっちゃった!? 高かったのにっ!」

加蓮「アタシのファンネルビット……チョココロネだこれ!?」

凛「……これは一体!?」

裕子「いえいえ。皆さんがおもしろ手品合戦を始めようとしてたので、不肖、私も混ぜてもらおうと思って……」

裕子「私のサイキックを披露させてもらいました」

まゆ「さ、サイキック!? 裕子ちゃんが!?」

94 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:47:27.30 ID:jmZkLHZ30


裕子「そう」

裕子「――現実《すべて》を茶番《なかったこと》にするサイキック」


裕子「『大博打撃ち《オールパッション》』」

裕子「――皆さんのシリアスをなかったことにした!」


響子「シリアスを……」

加蓮「なかったことに……!?」

95 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:48:04.06 ID:jmZkLHZ30


裕子「――まあでも、なかったことにするまでもないですね」

裕子「アイドルである皆さんが、あんなものを手にしている時点でよっぽど茶番劇の三文芝居です」

裕子「皆さんのその手は――そんな下らないものを持つためにあるんですか?」

凛「裕子……」

96 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:50:04.31 ID:jmZkLHZ30


裕子「違うでしょう」

裕子「その手は歌を届けるマイクを握るために」

裕子「ファンからの声援を受け止め、返そうと大きく振るために」

裕子「感謝を伝え、元気を与えようと握手をするために」

裕子「絶対トップで輝くと――夢へと伸ばし、掴むために」

裕子「――そして苦楽を共にし、お互い高め合える仲間と繋ぐために」

裕子「絆を紡ぐために」

裕子「そのためにあるはずです」

97 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:51:19.36 ID:jmZkLHZ30


加蓮「……あーあ。これは堪えるなぁ……」

まゆ「そうですねぇ。さすがに裕子ちゃんにお説教されちゃうと、立つ瀬がないです」

凛「確かにね。ホント、なんであんなことで争ってたんだろ……」

響子「さっきまでの気持ちが嘘みたいです。もしかしたら――さっきまで渦巻いていた感情も、なかったことにされちゃったのかもしれませんね」

凛「……まゆ、加蓮、響子」スッ

まゆ「どうしました? 凛ちゃん」

凛「言わせないでよ、恥ずかしい」

凛「――仲直りの握手」

98 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:52:25.10 ID:jmZkLHZ30


加蓮「ふふっ。握手って、凛一人じゃ、三人と握手できないでしょ」

響子「そうだね。でも――」ギュッ

まゆ「ひとりがひとりと繋がって――」ギュッ

響子「ひとりひとりが繋げていけば――」ギュッ

加蓮「全員が繋がれる、か」ギュッ

凛「全員に伝えられる」

凛「みんな、聞いて」

99 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:53:21.86 ID:jmZkLHZ30


凛「私、いい場所知ってるんだ」

まゆ「人払いなら任せてください」

響子「道具なら色々と用意してあります!」

加蓮「親御さんや寮への連絡はやっとくよ」

P「」


We're the friends!〜♪

ハートの温度 スゴくアツい〜♪

おそろいのこの想い!!

100 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:54:40.05 ID:jmZkLHZ30


ワ、ワタシ、フクスウニンッテチョットキョウミガアッタンデス

アタシハタイリョクナイカラ、ローテーションッテツゴウイイカナ

タシカニ。Pサンヒトリダトサイテイサンカイハハゲンデイマスカラ

フフ、ナガイヨルニナリソウダネ

ズルズルズル……



裕子「――ふう!」

裕子「やれやれまったく。ホント皆さん手がかかるんですから」

仁奈「ユッコおねーさんすげーですよ!」

仁奈「さすがでごぜーます!!」

裕子「ふふっ! まあ正義の美少女サイキッカーにかかれば暴徒鎮圧くらい、赤子のスプーンをひねるより容易いですよ」

仁奈「それもすげーですけど、それだけじゃなくて――」

裕子「ん?」

101 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:55:38.48 ID:jmZkLHZ30


仁奈「ユッコおねーさん、仁奈のお願い、かなえてくれたですよ」

仁奈「仁奈のきもち――分かってくれたです」

仁奈「仁奈……ケンカみたくねーって思ってて……」

仁奈「仲良くしてほしーって思ってたですけど……」

仁奈「ユッコおねーさんは仁奈がなんにも言わなくても、仁奈のそのお願い、かなえてくれたですよ!」

仁奈「すげーです! やっぱさいきっくで仁奈のきもちになったですか?」

裕子「ああ、それですか」

裕子「――いえ。それにはサイキックは使ってません」

仁奈「そーなんですか?」

102 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:58:09.83 ID:jmZkLHZ30


裕子「サイキックを使わなくても分かりますよ」

裕子「仁奈ちゃんが悲しい気持ちだと――それを見ているこっちまで悲しくなりますから」

裕子「だからなんとかしたいって――なんとかして、またあなたに笑ってほしいって、思うんですよ」ナデナデ

仁奈「もしかしてそれも、仁奈のさいきっくですか……?」

裕子「あはは。ある意味そうかもですね」

裕子「仁奈ちゃんの――その魅力は、超常的ですから!」

仁奈「えへへ♪」

103 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 13:59:15.62 ID:jmZkLHZ30


――翌日


仁奈(みなさん、へいそはひとかたならぬごおんじょーにあずかりやがったるです!)

仁奈(市原仁奈でごぜーます!)

仁奈(今日もいっぱいレッスン、お仕事、しゅぎょーして、びしょーじょきぐるみさいきっくアイドル目指して、ゆーおーまいしんでごぜーますよ!)

仁奈(ん? あれは……)

104 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:06:32.66 ID:jmZkLHZ30


「ねえレナ。この前、雰囲気のいいバーを見つけたんだけど、今夜あたりどうかしら」

「……ごめんなさい。身体のことも考えて、お酒は控えろって言われてて……」

「今は大切な時期だそうだから……怒られちゃうわ……」

「禁酒? ワインがない生活なんて私には考えられないわね」

「志乃さんはそうでしょうね……。でも、なんだかレナ、やつれてない?」

「それに――さっきから、なに飲んでるの?」

「ビオママ」



千川ちひろ「ひー、ふー、みー……」パラパラ

ちひろ「うんうん。売り上げは順調ね……」

仁奈「ちひろおねーさん!」

ちひろ「あら、仁奈ちゃん。おはようございます」

仁奈「おはよーごぜーます!」

ちひろ「そうだ。今度のお仕事の衣装が届いてますから、試着お願いできる?」

ちひろ「新しいキグルミですよ」

仁奈「ホントでごぜーますか! やったー!」ピョンピョン

ちひろ「ふふ♪」

105 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:07:39.44 ID:jmZkLHZ30


『――で起きた、暴力団事務所爆発事件について――』

『――は取り調べに対して『やたら胸のでかい童顔と、やたら胸のでかいイケメンと、やたら胸のでかいヤンキーに襲われた』と供述しており――』

『警察では密輸していた新型麻薬による集団幻覚だと――』



仁奈「そうだ、ちひろおねーさん」

仁奈「ちひろおねーさんも、仁奈のしゅぎょーに付き合ってくだせー!」

ちひろ「しゅぎょー?」

仁奈「さいきっくとれーにんぐですよ!」

106 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:09:38.47 ID:jmZkLHZ30


「おっはよー茜ちん!」

「おはようございます茜ちゃん。何を見ているんですか?」

「お二人とも! 丁度いいところに来ました!」

「昨日手に入れたばかりの新作です! 一緒に鑑賞しましょう! 白熱しましょう!!」

「おっ、茜ちん推薦とは! どれどれー?」

「茜ちゃんのことだから、何かのスポーツですか?」

「はい! タイトルは『大乱交! スティックブラザーズ』といいまして――!!」



ちひろ「さいきっく? 裕子ちゃんみたいな?」

仁奈「そうですよ。こえーこととかねーです」

仁奈「ちっとじっとしててくだせー!」

ちひろ「えっと、こう?」

仁奈「じゃあいくですよー!」

仁奈「ムムムムーン……!」

仁奈「ちひろおねーさんのきもちになるですよ!!」


――――――
――――
――

107 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:10:21.68 ID:jmZkLHZ30


裕子「また曲がらなかった」

裕子「おっかしいなぁ……」

裕子「昨日のあの時は、こう、スプーンどころかすべてを螺子曲げるようなパワーを得た気がしたんだけど……」

裕子「一日経ったらすっかりさっぱり発動しないし……」

裕子「って、あれは……」



仁奈「………………」


108 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:10:58.87 ID:jmZkLHZ30


裕子「おはようございます仁奈ちゃん」

裕子「どうしたんですか? そんなところでぼーっとして」

仁奈「……あっ」

仁奈「ユッコおねーさん……」

109 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:12:11.88 ID:jmZkLHZ30


仁奈「仁奈……」

仁奈「仁奈、さっき、さいきっくしたですよ……」

裕子「おお。自主的にトレーニングとは感心ですね!」

裕子「それで、誰の『きもち』になったんですか?」

仁奈「……ちひろおねーさん」

裕子「ちひろさんですか! それは興味深いですね」

裕子「いつもプロデューサーや私たちのサポートでお世話になっていますが……、言われてみれば、これだけ付き合いが長いのに色々と知らないことも多い方ですから」

裕子「普段、どんなことを考えてるのか気になってしまうのが人情でしょう!」

110 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:13:02.93 ID:jmZkLHZ30


裕子「それでどうだったんですか?」

仁奈「へっ……?」

裕子「ちひろさんの『きもち』になって、どうでしたか?」

仁奈「そーですね……」

仁奈「なんつーか……」

111 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:13:50.04 ID:jmZkLHZ30



仁奈「にんげんっていいな……って……」



裕子「へ?」









112 : ◆.UigIU7V92 [sage saga]:2017/11/08(水) 14:19:50.69 ID:jmZkLHZ30


昔SS書いて使わなかったネタの寄せ集め

相葉ちゃんだったりしぶりんだったり、年下とからめば誰でもお姉さん属性発揮するのはいいですよね

誤字脱字、結局長いのはごめんなさい

読んでくれてありがとう
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 16:42:15.86 ID:HLkNoV3yo
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 18:43:05.69 ID:GBRHw7yDO
なんだ、結果おーらいか
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 18:48:05.81 ID:bq2Qm5omo
基本的には丸く収まったと思うが茜ちんはあかんやろ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 19:06:19.66 ID:x12/iezQo
誰だ茜にあんなもん渡したのは
大西か、それともお向かいの腐れ鳥か、しーまr^H^H^H^H島原か
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/09(木) 00:07:04.80 ID:rIDSJum+O
あ、あれ……プロデューサーって結局……あれぇ?
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/13(月) 23:52:21.13 ID:gnY2MtNmo
やち悪
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