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吹雪「お姉ちゃん」
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26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:22:28.91 ID:443o1TvT0
翔鶴「そういうのは具体的に言うのは難しいかもしれないわね。それに私も、何か特別なことをしてるってわけじゃないわ。ただ瑞鶴を大切にしているだけよ」
瑞鶴「翔鶴姉……!」ジーン
夕立「てことは、やっぱりLOVEっぽい?」
翔鶴「LOVE?」
吹雪「実はさっき金剛さんとも話して……」
◇
瑞鶴「へぇ。なんか、らしいって感じね」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:23:43.76 ID:443o1TvT0
翔鶴「確かに金剛さんらしいわ。でも、私はあまり、その、抱きつくっていうのはないかしら。むしろそれより」スッ
瑞鶴「……?」
翔鶴「大好きよ、瑞鶴」ボソッ
瑞鶴「ひゃあっ!」ゾクゾク
翔鶴「スキンシップもいいけど、こうやって言葉にして気持ちを伝えることも大切だと思うわ。やってみてね」フフフ
吹雪「あ、は、はい! がんばります! はい!」
瑞鶴「うぅ〜はずかしい……」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:28:37.02 ID:443o1TvT0
吹雪「言葉で気持ちを伝える……かぁ。少しはずかしいけど、これなら私でもできるかなあ」
夕立「金剛さん、翔鶴さんときて、次は誰にするっぽい?」
吹雪「う〜ん……ん? あっあれは!?」
夕立「ぽい?」
睦月「ああ、あそこにいるの、赤――」
吹雪「赤城先輩〜!」ダッ
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:30:08.05 ID:443o1TvT0
赤城「あら吹雪さん。こんにちは」
吹雪「こんにちは赤城先輩! あ、加賀さんも」
加賀「私はおまけですか」
吹雪「あ、いえ、そんなことは……」アハハ
夕立「吹雪ちゃ〜ん!」
睦月「もう、急に走り出すなんて、ひどいよ!」
吹雪「あ、ごめんね二人とも」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:33:05.79 ID:443o1TvT0
加賀「さわがしい人たちね……」
赤城「なかよしさんですね。何をしてたんですか」
吹雪「今、お姉ちゃん調査をしてるんです!」
◇
赤城「なるほど……」
加賀「赤城さん……」
赤城「私たちは力になれそうにありませんね。姉妹艦がいませんから」
吹雪「いえいえ、お気持ちだけで十分です!」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:34:06.66 ID:443o1TvT0
加賀「吹雪さん」
吹雪「……? ……何ですか?」
加賀「あなたは、どうして姉になりたいのかしら」
吹雪「それは……うまく言えないけど、憧れみたいなものがあるんだと思います……」
加賀「そう……それならそれでいいけれど。でも言わせてもらうなら、大切なのはまず何よりも信頼じゃないかしら」
吹雪「信頼……」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:35:31.14 ID:443o1TvT0
加賀「これがなければ、どんな関係でもむなしいものよ。でも逆に、これがあればどんな関係でも素晴らしいものになるわ。私と赤城さんは姉妹ではないけれど、一航戦という他の誰にも負けない絆でつながってる」
赤城「加賀さん……」
加賀「そのことを、しっかり考えてちょうだい」
吹雪「うぅ……分かりました……でも、信頼ってどうすれば……」
加賀「それは簡単よ」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:36:13.54 ID:443o1TvT0
吹雪「へ? どうすれば……?」
加賀「ごはんを一緒に食べる。これが一番ね」
吹雪「え、それだけですか!?」
赤城「賛成です! お腹がいっぱいだと幸せですものね!」
加賀「さすがです赤城さん」
吹雪「えぇ〜……」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:39:39.66 ID:443o1TvT0
吹雪「信頼って何だろう……」
夕立「吹雪ちゃんが哲学的なことを言い出したっぽい!?」
睦月「吹雪ちゃん。難しく考えないほうがいいんじゃないかな」
吹雪「でも……」
睦月「加賀さんが言ってたみたいにさ、ごはんに誘ってみようよ。そこからだんだん仲良くなっていこうってことでいいじゃない」
吹雪「うん……」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:40:10.96 ID:443o1TvT0
夕立「それはそうと、お腹が空いてきたっぽい……」
睦月「あ、ちょうどいいね。今から誘ってみれば?」
吹雪「間宮も断られたのに受けてくれるのかな。それに叢雲ちゃんが今どこにいるのかもわからないし……」
睦月「吹雪ちゃん、また弱気になって……」
夕立「とりあえず食堂行くっぽい!」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:43:23.11 ID:443o1TvT0
食堂
睦月「あれ? あそこにいるの神通さんかな」
夕立「神通さんこんにちは!」
神通「こんにちは、夕立ちゃん、睦月ちゃん、吹雪ちゃん」
睦月「お一人ですか?」
神通「ええ。川内姉さんはまだ寝てますし、那珂ちゃんはライブがどうとかで……吹雪ちゃん、どうしたんですか?」
睦月「あー、吹雪ちゃんは今、弱気モードになってて……」
夕立「きっと食べれば元気出るっぽい」
睦月「赤城さんじゃないんだから……」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:44:21.57 ID:443o1TvT0
吹雪「神通さん。神通さんにお聞きしたいことがありますっ」
神通「な、なんでしょうか」
吹雪「信頼って……何なんでしょうか……」
夕立「趣旨を見失ってるっぽい」
◇
吹雪「というわけなんです……」
神通「……」
吹雪「なんだか、何も考えずに、お姉ちゃんになりたいなんて浮かれてた自分が恥ずかしくて……」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:47:50.00 ID:443o1TvT0
神通「お話は分かりました。けど吹雪ちゃん。思い悩むことじゃないと思いますよ」
吹雪「え?」
神通「聞くかぎり、加賀さんは信頼が大事と言っただけで、吹雪さんのお姉さんになりたいという願いまで否定したとは思いません。自分の思いを取り下げる必要はないかと……」
吹雪「そう、ですか?」
神通「はい。それに叢雲さんという方も、きっと吹雪ちゃんとはまた違った意味で不器用なんだと思います。食事、ぜひさそって話し合ってみてください。その時、姉として見てほしいと伝えましょう」ニコッ
吹雪「で、でも、信頼が先じゃあ……」
神通「信頼を得ても、姉のようになれるかはわかりません。例えば、あそこにいる二人……」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:50:55.45 ID:443o1TvT0
北上「……」モグモグ
大井「……」イチャイチャ
◇
神通「あの二人……というより大井さんの気持ちは特殊といえるほど強いものでしょう。けど姉妹という感じはありませんね」
吹雪「なるほど……」
神通「吹雪ちゃん。姉妹艦のあり方は様々です。あなたと叢雲さんが、どうなるかは分かりませんが、どうなりたいかは伝えるべきです。形から入る、ということもあります」
吹雪「……」
神通「それでは、私はこれで」
吹雪「あ、はい! ありがとうございました!」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 09:55:00.15 ID:443o1TvT0
吹雪「形から入ることも大切……かぁ」
睦月「信頼も、形も、どっちもあってこそってことだね」
夕立「どっちにしろ、叢雲ちゃんとちゃんと話す必要があるっぽい。そろそろ調査やめるっぽい?」
吹雪「うっ、もうちょっとだけ続けようよ。ほら、大井さんと北上さんの話も聞いてみようよ!」タタッ
睦月「もうっ、吹雪ちゃん、怖気づいちゃだめだよ」
夕立「でもあの二人に近づけるのはむしろ勇気があるっぽい」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:00:26.39 ID:443o1TvT0
吹雪「大井さん。北上さん」
北上「あー、吹雪ちゃん。やっほー」
大井「ちょっと、見てわからない? 私たち今忙しいのよ」チッ
北上「といっても、ダラダラ食べてるだけだけどね。なんか用? 部隊の連絡?」
吹雪「いえ、そういうわけでは……」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:01:16.86 ID:443o1TvT0
大井「ならはやく、さっさと要件を言いなさい!」ビシッ
吹雪「あぅ、はい……」
◇
北上「ふ〜ん」
吹雪「それで、お二人は姉妹って感じじゃないですよね」
北上「そうだね〜大井っちとは親――」
大井「とうぜんよ! 私と北上さんの関係は一言では表せない、深海よりも深い深い深〜い絆で結ばれているのよ!」
夕立(予想通りの反応っぽい……)
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:04:19.46 ID:443o1TvT0
吹雪「そ、そうなんですね」
大井「そうよ!」
北上「でも、私もお姉ちゃんって呼ばれてみたいかも」
大井「へ?」
北上「大井っち呼んでみてよ」
大井「え、北上さん? で、でも私は、その、いやでも北上さんのお願いだし……いやでも……」ブツブツ
夕立(なんかブツブツ言いだしたっぽい……)
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:07:14.98 ID:443o1TvT0
北上「いいじゃん、上の二人には普通に言ってるんだし」
吹雪「上の二人?」
北上「うん」
吹雪「あれ、北上さんと大井さんって、他にも姉妹艦いましたっけ」
北上「いるよー。ほら、ちょうどあそこに」
◇
球磨「クマー……」グダー
多摩「ニャー……」グデー
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:08:12.16 ID:443o1TvT0
吹雪「えっ、そうでしたっけ!?」
北上「そうだよー。ふだんあんまり話さないけど」
吹雪「へぇ〜そうなんですね。あの二人はお姉ちゃんらしいところってあります?」
北上「うーん……」
大井「北上姉さん!!!」
北上「わっ、びっくりさせないでよ、大井っち」
大井「びっくりって……ひどいです! 北上さんが呼んでほしいって言ったんですよ!」
北上「うん。大井っちかわいかったよ」
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:12:15.40 ID:443o1TvT0
大井「かっ! も、もう北上さんったら……」クネクネ
北上「それでさー今、球磨姉ぇと多摩姉ぇの話になったんだけど」
大井「球磨姉さんと多摩姉さん?」チラッ
北上「うん。どこが姉らしいんだーってさ」
大井「うーん……」
吹雪「……あまりなさそうですか?」
大井「!」ムッ
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:12:57.16 ID:443o1TvT0
大井「そんなことないわよ。ふだんあんな感じだけどね、いざという時はすっごく頼りになるのよ!」
吹雪「いざという時頼りに……」
大井「そう! それで十分でしょ! 年がら年中ベタベタしてりゃいいってもんじゃないの! わかった!?」
吹雪「は、はい!」
睦月(大井さんが言っても……)
夕立(説得力ないっぽい……)
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:17:53.65 ID:443o1TvT0
吹雪「おいだされちゃったね」
睦月「でもどういうことがお姉ちゃんなのか、また一つ分かったじゃない。いざとなれば頼りになる。吹雪ちゃんみたいだね!」
吹雪「ええっ、私、そうかなあ……」テレテレ
睦月「うん。吹雪ちゃんならきっと頼れるお姉ちゃんになれるよ!」
夕立「でもむしろ、いざってとき以外はちょっと頼りないっぽい」
吹雪「あうう〜……」
睦月「もうっ! 夕立ちゃん!」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:19:36.28 ID:443o1TvT0
利根「おもしろい話をしておるな」
睦月「あ、利根さん。それに筑摩さんも」
筑摩「こんにちは」
利根「おぬしら、そういうことは吾輩に相談するのじゃ。なんといっても、筑摩より少しお姉さんなのだからな!」
吹雪「えっとじゃあ、お姉さんとして、どういう心掛けをしていますか」
利根「うむ。吾輩は筑摩の姉として恥じのないよう、いつでも威厳を示しておる!」
吹雪「威厳、ですか?」
利根「上に立つ者として当然のことじゃ」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:20:37.79 ID:443o1TvT0
夕立「よく分からないっぽい」
利根「む? 難しかったか?」
筑摩「私からもいいですか?」スッ
吹雪「あ、はい。ぜひ!」
筑摩「ありがとう。威厳とはちょっと違うけど、私が姉さんを姉さんらしいって思うのは、少し偉そうで、甘えんぼうなところよ」
吹雪「偉そうで甘えんぼう、ですか?」
筑摩「わがまま、とも言えるかしら」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:21:15.62 ID:443o1TvT0
利根「むっ! ちくまー!」
筑摩「でも、そんなことができるのは、上に立つ者、だからでしょう姉さん」フフフ
利根「む? う〜ん……ま、そうじゃな! 少々わがままなくらいが目上の者としての威厳があって良いのかもしれん! わかったかおぬしら!」
吹雪「は、はい」
利根「では行くぞ筑摩!」
筑摩「はい。姉さん」フフフ
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:24:03.84 ID:443o1TvT0
睦月「嵐のようだったね……」
吹雪「でも威厳かぁ、それにわがまま……」
夕立「吹雪ちゃんとは正反対っぽい」
睦月「吹雪ちゃん真面目だもんね……」
吹雪「……」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:25:54.05 ID:443o1TvT0
夕立「もう日が暮れるっぽい」
睦月「どうだった吹雪ちゃん。少しは参考になったかな?」
吹雪「うん。二人ともありがとう。……明日、学んだことを生かして、叢雲ちゃんに声をかけてみるよ! 何度ふいにされてもあきらめない! 私と叢雲ちゃんも、みんなみたいなステキな関係になりたいもん!」
睦月「その意気だよ、吹雪ちゃん!」
夕立「やれー! 当たってくだけるっぽいー!」
吹雪「よーし、やるぞー!」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:27:50.34 ID:443o1TvT0
翌日
吹雪「あっ、いた……!」
睦月「吹雪ちゃん。がんばって!」
夕立「ファイト〜!」
◇
吹雪「叢雲ちゃ〜ん!」ダキッ
叢雲「きゃあっ! ちょっと、何するのよ!」
吹雪「愛してるよ……」
叢雲「うああ! は、離れて!」バッ
吹雪「あ……」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:28:47.93 ID:443o1TvT0
叢雲「信じられない! あなたなんなの!?」
吹雪「わ、私? お姉ちゃん! あなたのお姉ちゃんだよ叢雲ちゃん!」
叢雲「はあ!?」
吹雪「ほら、お姉ちゃんって呼んで! さあ!」
叢雲「イヤよ! ほとんど初対面の相手にこんなことするなんて、友達にすらなりたくないわ!」
吹雪「そ、そんな……!? でもほら私、いざって時には頼りになるんだよ!」
叢雲「そんなの自分で言うこと!? 信じられるわけないでしょ!」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:29:27.48 ID:443o1TvT0
吹雪「信じる……信じ……信頼……! そうだ、私たち、まだ全然お互いを知らないよね。いっしょにごはんを食べながら、話そうよ! 信頼って大事だよ!」
叢雲「は、はあ? 何急に……」
吹雪「だからね!」
叢雲「?」
吹雪「叢雲ちゃんがおごって! 私が目上なんだし!」
叢雲「」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 10:35:57.85 ID:a3/DCYJSO
見てるぞい
アニメ艦これって感じ
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:51:54.19 ID:443o1TvT0
吹雪「だめだぁ〜……」グデーン
睦月「うん……だめだね……」
夕立「ここまで不器用だと手の施しようがないっぽい……」
吹雪「うあ〜ん、ひどいよ二人とも。今まで何だかんだでなぐさめてくれてたのに……」
夕立「それで、叢雲ちゃんは?」
睦月「あの後、逃げるように離れていったもんね……」
吹雪「聞いた話だと、今日はもう遠征に行ったみたい……初任務だって……」
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:53:14.26 ID:443o1TvT0
睦月「ありゃ、それを知ってれば、激励の言葉でもかけてあげられたのにね」
夕立「激励どころか、気をそらしてたっぽい」
吹雪「うぅぅ……だめだなぁ私……こんなことじゃ――」
長門『聞け。秘書艦の長門だ』
吹雪「うあっ」ビクッ
夕立「ぽい?」
睦月「何だろう?」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:56:26.84 ID:443o1TvT0
長門『先ほど遠征部隊から救援要請があった』
睦月「遠征って……」
吹雪「もしかして……叢雲ちゃんがいる部隊!?」ガタッ
長門『鎮守府近海にて戦艦を旗艦とする部隊と会敵。至急援軍を要請とのことだ』
吹雪「大変……叢雲ちゃん!」ダッ
夕立「あっ、吹雪ちゃん!」
長門『よって提督より第五遊撃部隊への出撃命令が下った。これより即出撃、遠征部隊を保護し、敵を殲滅せよ!』
長門『暁の水平線に勝利を刻むのだ!』
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:57:54.89 ID:443o1TvT0
海上
叢雲「当たらない……!」
叢雲(これが実戦……相手も私も動いてるのに、どうすれば……!)
叢雲「こうなったら……!」チャキッ
電「……! 叢雲さん! 止まっちゃダメなのです!」
叢雲「え……キャアア!」
電「叢雲さん!」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 10:58:55.23 ID:443o1TvT0
叢雲(痛い……痛い……装甲が……これは中破? 大破? わからない……でも、とにかく今は動かないと……)
叢雲「うぐっ……!」
叢雲(ダメ……足が動かない! どうすればいい!? どうすればいいの!?)
深海棲艦「……」チャキッ
叢雲(あ……終わる……終わり……? もう終わり……? 私また沈むの……? また、暗い、暗い、海の底に……)
叢雲「イ、イヤアアアア!」
深海棲艦「……」ドーン!
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:00:09.69 ID:443o1TvT0
吹雪「叢雲ちゃん! あぐぅ!」
叢雲「……! あ、あれ……? あ、あんた、何して……ちょっと大丈夫なの!?」ユサユサ
金剛「大変デース! 二人は後ろに下がっててくだサーイ! みなさん、フォロミー!」ドーン!
大井「北上さん!」
北上「ほーい」
瑞鶴「いっくわよー!」
加賀「ここはゆずれません」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:02:11.08 ID:443o1TvT0
入渠ドック
吹雪「……ん……あれ、私……」
叢雲「……気がついた?」
吹雪「あ……叢雲ちゃん……叢雲ちゃん!?」ザバッ
叢雲「きゃあ、ちょ、さわらないでよ!」
吹雪「大丈夫だった!? ケガは!?」
叢雲「だ、大丈夫よ……そんなことよりあんた、自分の心配したらどうなの?」
吹雪「へ? 私?」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:02:54.46 ID:443o1TvT0
叢雲「救援に来て、いの一番に大破したじゃない」
吹雪「あ、あはは〜……うん、大丈夫だよ」
叢雲「……」
吹雪「……」
叢雲「……ねぇ」
吹雪「……なあに、叢雲ちゃん」
叢雲「どうして、私をかばったりしたのよ」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:03:41.41 ID:443o1TvT0
吹雪「……ふふっ、それはね……私が叢雲ちゃんのお姉ちゃんだからだよ」
叢雲「意味わかんない……」
吹雪「お姉ちゃんっていうのはね、叢雲ちゃん」ギュッ
叢雲「……」
吹雪「妹のことが大好きで」
吹雪「何より信頼してて」
吹雪「わがままだけど、いざってときは頼りになって」
叢雲「……」
吹雪「それで、妹にお姉ちゃんって呼ばれたいものなんだよ」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:04:49.21 ID:443o1TvT0
叢雲「……ふんっ変なの。それなら私、お姉ちゃんなんて絶対なりたくないわ」
吹雪「……」
叢雲「妹をかばって……怖くて……痛いはずなのにかばって……」ジワ
吹雪「……」
叢雲「それで……それで……大破して……も、もう少しで、轟沈、するところで……そんな……」グスッ
吹雪「叢雲ちゃん!」ギュー
叢雲「!」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:06:41.63 ID:443o1TvT0
吹雪「大丈夫。大丈夫だよ。お姉ちゃんだもん。絶対沈まないし、絶対、助けてあげる……」ナデナデ
叢雲「……お、お姉ちゃん! お姉ちゃん!」
吹雪「うん……」
叢雲「怖かった……怖かったよぉ〜! うええええん!」ギュー
吹雪「よくがんばったね叢雲ちゃん。えらいえらい」ナデナデ
叢雲「うえええ〜ん……お姉ちゃ〜ん……」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:08:06.37 ID:443o1TvT0
叢雲「いい!? 忘れなさい!」
吹雪「えぇ〜そんなぁ……」
叢雲「絶対よ! そして誰にも喋らない!」
吹雪「えー……じゃあ、お――」
叢雲「言わない! 呼ばない! あんたなんか吹雪で十分でしょ! じゃあもう行くから、できるだけ話しかけないでよね!」スタスタ
吹雪「ちょ、ちょっと待ってよ〜!」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:09:07.81 ID:443o1TvT0
夕立「これは……けっきょくお姉ちゃんにはなれなかったっぽい?」
睦月「えへへ、どうだろうね。姉妹艦の関係は色々だもん。もしかしたらあれも、お姉ちゃんの一つ、なのかもしれないよ?」
◇
吹雪「叢雲ちゃ〜ん!」
叢雲「ああっもう、しつこいわね!」
叢雲「お姉ちゃん……」ボソッ
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 11:09:36.15 ID:443o1TvT0
終わりです
ありがとうございました
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 11:33:11.74 ID:bkeqvS8vo
乙です最高ですた
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 12:27:25.27 ID:G1RuNVyUo
おつおつ
むっきーやぽいぬバージョンも待っておるぞ
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 21:01:47.97 ID:GIeiUk/Ko
乙
ふぶむら尊い…もっと流行って
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/13(月) 01:56:21.63 ID:bLrmUJc8o
よいぞ
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荒巻@中の人 ★
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