【ガルパン】西「四号対空戦車?」 後期型

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

247 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 17:52:34.38 ID:9R9XbWYA0


ダージリン「そうよ。あなたってば急に気絶してそのまま病院送りだったのよ?」

西「あははは…」

ダージリン「まぁ…でも、お医者様によると疲れてただけで身体に異常は無いって言うから安心したわ」

西「恐縮です。またダージリンにご迷惑をおかけしました」

ダージリン「良いわよ。私があなたにしてくれたことに比べたらこんなのお茶の子さいさいですわ」

西「あははは。…懐かしいですね」

ダージリン「そうね…」

西「あの時もこうやって病院のベッドで目がさめたら、横にダージリンがいましたね」

ダージリン「ええ」


西「そして色々ツネられたり叩かれたりして」

ダージリン「あらあら。随分と思い出を美化してくださるわね?」ワキワキ

西「なっ! 病人相手に攻撃は反則ですぞ!!」

ダージリン「それだけ元気があればもう大丈夫ね。何しろ2日も眠りこけていたのだから」

西「えっ…2日も?」

ダージリン「ええ。そうよ」

西「…大洗の皆さんは?」

ダージリン「帰っちゃったわよ?」

西「う…」

ダージリン「う?」

248 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 17:57:14.81 ID:9R9XbWYA0


西「うわぁぁぁぁぁぁん!! 練習試合したかったのにぃぃぃ!!」


ダージリン「あんな身体では練習試合どころか指相撲も無理よ。今はしっかり体を休めることに専念なさい」

西「むぅ…かしこまりでございます…」シクシク

ダージリン「それに、大洗の学園艦は近隣の港に停泊しているから、日程さえ合えばいつだってお誘いできるわ」

西「ほ、本当ですか!?」

ダージリン「ええ。何故かプラウダ高校も近くに浮かんでいたから、またエキシビジョンマッチ戦も出来るんじゃないかしら?」

西「しますします! 是非ともやりましょうぞ!!」

ダージリン「今度はみほさんの足を引っ張らないようにするのよ?」

西「え?」

ダージリン「…何かしら?」

西「ダージリンはまたそっち側なのです?」

ダージリン「…味方がいいの?」

西「はい」

ダージリン「そう。ならば私の足を引っ張らないように頑張って頂戴」

西「ダージリンこそ私の背中撃たないで下さいよ? なにせ先の戦いで」


ツネッ!!


西「あいたぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!」

ダージリン「一回勝ったぐらいで調子に乗らない!」

西「つぅぅぅ…」ヒリヒリ

ダージリン「全く。こういうお馬鹿なところは今も昔も変わらないのだから…」

西「ダージリンも暴力的なところは」

ダージリン「なにかしら?」

西「ナンデモゴザイマヘン」

249 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:00:44.28 ID:9R9XbWYA0


ダージリン「やれやれですわね。…そろそろ私は行くけど、一人でお留守番出来る?」

西「む。子供扱いしないで下さい」

ダージリン「あなたは手のかかる子供よ。私が責任持ってお世話するから安心して頂戴」

西「むぅ…」

ダージリン「お医者様は目がさめたら退院しても大丈夫って言ってたけれど、無理はしちゃ駄目よ?」

西「え? もう退院しても大丈夫なのですか?」

ダージリン「ええ。もともと疲れが原因なのだから、それが回復すれば明日にでもここを出れるわ」

西「そ、そうですか…」

ダージリン「そうよ。退院したらちゃんと連絡するのよ?」

西「はーい」


250 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:01:51.21 ID:9R9XbWYA0



【翌朝】



プルルルルル プルルルルル



西「…モケ………」zzzz....



プルルルルル プルルルルル



西「……にんにく……とかしちゃだめ……」スピー



プルルルルル プルルルルル



西「…麺に乗っけて……海苔と一緒に………?」パチッ



西「……電話…?」


ピッ


251 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:02:43.53 ID:9R9XbWYA0


『もしもし』


西「…ぁぃ」ネボケー

『…アンタまだ寝てたの?』

西「…?」

『もしもし? 聞いてるの?』

西「……だれ」ポケー


『エリカよ』


西「………ペリカ?」

『エリカよ! エ・リ・カ! 逸見エリカ!!』

西「ケツ見ぃ…?」

エリカ『い・つ・みィ!!!』


西「…もっと静かに話さないと周りの人に迷惑ですよ?」



252 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:03:22.23 ID:9R9XbWYA0


エリカ『いい根性してるわねアンタ…』ワナワナ

西「どうも…」

エリカ『こっちはアンタの茶番に付き合っているほど暇じゃないわよ』

西「それで、どういったご用件で…?」

エリカ『何処かに遊びに行くわよ』

西(………暇じゃん)





 :||― ・・・・・



253 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:05:07.96 ID:9R9XbWYA0


【街】



西「珍しいですね。逸見さんからお誘いがくるなんて」

エリカ「いけなかったかしら?」

西「悪いとは一言も言ってませんよ?」

エリカ「…」

エリカ「…前より良くなったじゃない」

西「ん?」

エリカ「顔色。少し前まで顔は土気色で目充血してクマが出来てたでしょ」

西「あぁ。…まぁ、問題が何とか解決してくれましたので」

エリカ「そう。突撃バカのアンタをあそこまでさせるなんて、ホントにどんな問題なのかしらねぇ」

西「泳げない人を引き揚げる問題です」シレッ

エリカ「なっ! うるっさいわね!!」

西「あははは」



ピロリロリン

254 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:12:59.10 ID:9R9XbWYA0


西「お、メールだ。ノンナさんからだ」

エリカ「ノンナ…ってプラウダ高校の?」

西「ええ」

ピッ




-------------------------------

件名 : Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Fw:Здравствуйте.


[本文]


ノンナです。

体調を崩されたとのことですが、大丈夫なのでしょうか?

まだまだこれから寒くなる一方ですので、暖かい格好をしてゆっくり休んでください。



追伸: 最近、顔文字を入力するのが楽しいです


(^ω^(⊃*⊂) 


↑この顔文字、何かを持っているみたいですけど

なんだか可愛いですよね。


-------------------------------




西「そうだ。ノンナさんにはまだ報告してないし、せっかくだからお誘いするか」

エリカ「えっ? ここに呼ぶの?」

西「駄目ですか?」

エリカ「べ、別に良いけど…」





-------------------------------

件名 : Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Fw:Здравствуйте.


[本文]


絹代です

おかげさまで無事に問題が解決し、ぐっすり休むことができたので元気になりました。

ところで、今、黒森峰の犬と遊んでいるのですが、ノンナさんもご一緒しませんか?


-------------------------------



ピッ


西「送信完了!」


255 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:14:56.47 ID:9R9XbWYA0


プルルルル プルルルル


エリカ「反応早っ!」

西「あっはっは。早速ですな」ピッ



ノンナ『Здравствуйте. 絹代さん』

西「こんにちはノンナさん」

ノンナ『いかがですか? その、お身体の方は』

西「問題が片付いたおかげで何とか元気になりましたよ」

ノンナ『! хорошо...отлично...!』

西「あはは。ノンナさんにも色々ご心配おかけしました」

ノンナ『いえ、とんでもない…! …それで、用件なのですが』

西「ええ。今ちょうど、黒森峰のアレと遊びに行こうとしてたんですが、ノンナさんもご一緒にと思いまして」

エリカ「ちょっと! "アレ"って何よ!!」

ノンナ『(…"アレ"?)よろしいのですか?』

西「ええ。歓迎しますよ」



〜〜〜〜〜

256 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:16:27.92 ID:9R9XbWYA0


ノンナ「こんにちは。絹代さん…と」

エリカ「エリカ。逸見エリカよ。黒森峰の」

ノンナ「こうやって対面するのは初めてですね。プラウダ高校のノンナと申します」

エリカ「知ってるわよ。プラウダの <ツネッ!> いだぁっ!!?」

西「ノンナさんに失礼な態度取らないで下さい。怒りますよ?」

エリカ「わ、悪かったわよ…!」ヒリヒリ

ノンナ「恐縮です」

西「…ところで、私達はこれからどこへ向かおうと?」

エリカ「決めてなかったの?」

西「あんたが誘ったんじゃないかっ!」

エリカ「あぁ…そうだったわね」

西「まったく…」

エリカ「そうね…」




エリカ「ゲームセンターにでも行こうかしら?」

257 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:18:29.75 ID:9R9XbWYA0

西「え」

エリカ「なによ…」

西「いやぁ、逸見さんもそういうところ行くんだなーって」

エリカ「まるで私はゲームセンターに行かないとでも」


西(エリカ真似)「ゲームセンターぁ? ハッ! お子様じゃあるまい」


西「…とでも言そうですし」

エリカ「なっ…!」

ノンナ「そっくりですね」

エリカ「言うわけないじゃない! 第一全ッ然似てないわよ!」


ノンナ「ふふっ」

西「おろ?」

ノンナ「お二人はとても仲が良いのですね」

エリカ「…犬猿の仲ってヤツよ」

西「イヌと飼い主の関係です。あ、もちろんコッチが犬です」

エリカ「はぁ?!」

西「あ、もちろん私とノンナさんは仲の良いお友達ですよ」

ノンナ「ふふっ。お友達です」

西「ロシア語でお友達って何と言うんでしょうか? "アミーゴ"でしたっけ?」

ノンナ「Ваш другです」

エリカ「アミーゴはスペイン語よ」

西「ドルグ…? 覚えました。忘れたらまた教えてください」

エリカ「覚えたと言うのかしらそれ…」


258 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:19:44.17 ID:9R9XbWYA0


【ゲームセンター】



西「こういうところに来るのは初めてですね」

ノンナ「同じく。このような騒がしい所には行きません」

エリカ「私もよ」

西「え」

ノンナ「え」

エリカ「えっ」

西「初めてなのにゲームセンターへ?」

エリカ「い、良いじゃない! 高校生なんだからこういうところに行ってみたって!」

西「高校生じゃなくても行っても良いかと」

エリカ「うるさいわよ! とにかく行ってみたかったのよ」

ノンナ「確かに、今時の高校生はこういう場所を好むかもしれません」

西「ええ。私達には想像出来ませんな」

エリカ「…仮にも高校生よ? あなたたち」

259 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:21:16.68 ID:9R9XbWYA0

ノンナ「ゲームセンターといえば」

エリカ「ん?」

ノンナ「"ぷりきゅあ"というものをニーナ達がやったとのことで…」

エリカ「ぷりきゅあ?」

ノンナ「ええ。同志たちと写真を撮影する」

西「昔練習試合をした時、"ぷりきゅあ ぷりきゅあ" とアンツィオ高校の皆さんが歌ってましたな」

エリカ「プリクラでしょ。あとアンタの言いたいのはフニクリ・フニクラよ」

ノンナ「それです」

西「それです」


エリカ「…まったく。女子高生とは思えないわね」

ノンナ「逸見さんは女子高生らしいですね」

西「このツンツンしてチクチクしてるところ、紛うことなき女子高生ですな」

エリカ「どう見たって女子高生でしょーがっ!」

西「確かに。戦車道やってなかったら一日中ゲームセンターとかカンオケに入り浸ってそうですな」

エリカ「カンオケじゃなくカラオケよ。勝手に殺さないで頂戴」

西「お、あっちの機械は空っぽのようですぞ。行きませう!」

ノンナ「だー」

エリカ「ちょっと聞いてんの!?」



〜〜〜

260 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:22:22.17 ID:9R9XbWYA0



『お金をいれるんだぞ!』




西「…随分と高圧的ですな」

ノンナ「さすがに我が校もここまで強引では…」

エリカ「そういう仕様なのよ」チャリン



『画面に向かってポーズをとるんだぞ!』


西「ポーズってお寺で修行する人ですよね」

ノンナ「…両手を合わせて黙想をすれば良いのでしょうかか…」

西「プリクラというより寺子屋ですな…」

エリカ「…突っ込まないわよ」ハァ...




『3…2…1…パシャッ!!』

261 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:26:51.20 ID:9R9XbWYA0


西「…」

ノンナ「…」

エリカ「…」



___________________
|         |
|  (´ ゚д゚`)  |
| ( ゚д゚ )( ゚д゚ ) |
|_________|




西「なんと申しますか…」

ノンナ「思っていたものと違います。今の学生はこのようなものに青春や娯楽を感じているのでしょうか…」

エリカ「そりゃこんな無表情じゃそうなるでしょ! これじゃ履歴書に貼る写真じゃない!」

ノンナ「申し訳ありません。こういう時どんな顔をすれば良いのか…」

エリカ「笑えばいいのよ」

西「画面の向こうにカチューシャさんがいると思って」

ノンナ「なるほど…!」ニコッ

西「私も向こうにダージリンがいると思って」ニコッ

エリカ「じ、じゃぁ…隊長が…」ニッ


パシャァァァァァァァ!!!!!

262 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:28:41.83 ID:9R9XbWYA0


西「お、逸見さんが笑っておられる?」

エリカ「何よ。私だって笑う時くらいあるわよ」

ノンナ「良い笑顔です」

エリカ「そ、そう…?」←ちょっとうれしい

西「笑顔は良いんですが、如何せん中身がアレでして…」ウーム

エリカ「失礼ね! 中身だって良いに決まってるでしょ!!」


西「…で、写真を撮影した後は如何なさるのですか?」

エリカ「外に出てタッチペン使って落書きするのよ」

西「落書き…歴史の教科書とかにやるヤツですかな?」

エリカ「まぁそんな感じよ。多分…」

ノンナ「落書きといえば、同志レーニンに毛髪を描いて差し上げた事なら…」

西「お、奇遇ですな。私も東條閣下に。やることは皆同じですな」タハハ

エリカ「授業中に何やってんのよ…」

ノンナ「逸見さんはご経験無いのですか?」

エリカ「………アドルフのヒゲを増やすくらいなら」

263 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:47:51.45 ID:9R9XbWYA0



『写真をデコレーションしやがれ!』



エリカ「はい、タッチペン」

西「恐縮です。…で、こやつでどうすれば?」

エリカ「そいつで画面タッチして、ペンの色や太さ、スタンプとかを選択するの」

西「ほうほう。"はいてく"ですなぁ」

ノンナ「革命的です」

エリカ「そうよ。例えばこんな感じに」カキカキ

西「ぬぁっ?! どうして私にヒゲつけるんですか!」

ノンナ「意外に似合いますね」

エリカ「あはは、よく似合ってるわよ」

西「じゃぁこうします」ペケ

エリカ「ちょっと! なんで私にバッテン描くのよ!?」

西「わっはっは! これで邪魔者は消えた! あとは私とノンナさんで仲良く西ノンを楽しみませう!」

ノンナ「ふふっ。まるでスターリン政権時のトロツキーですね」

エリカ「物騒な話ね…」ケシケシ

西「あ゛っ! バッテン消された!」

エリカ「却下よ却下」


264 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:49:14.65 ID:9R9XbWYA0



エリカ「なかなか悪くないわね」

ノンナ「…」

西「この写真って皆さんどうされるんでしょうか」

エリカ「好きなところに貼ればいいんじゃない? 携帯電話とか手帳とか」

西「なるほど」

ノンナ「…」

西「ノンナさん…?」


ノンナ「これが…プリクラなのですね…!」シンミリ

西「ものすごく嬉しそうですね」

ノンナ「ええ。とても嬉しいです」ホッコリ

エリカ「良かったじゃない」

ノンナ「ありがとうございます。一生の宝にします」

エリカ「そ、そこまで…」アハハ

西「では私も墓場に入れましょう。いや、いっそ遺影に…!」

エリカ「遺影にプリクラ使うバカがどこにいるのよ」

265 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:50:28.88 ID:9R9XbWYA0


西「おや? あちらにも何やら面白そうなのがありますね?」



エリカ「ああ。あれはバッティングセンターね」

西「おお、これが噂の…」

ノンナ「テレビでは見たことありますが、実物は初めてです」

エリカ「あなたたち、野球知ってるの?」

西「ええ。一応。暇なときは見てます。軍神ティーガースが今年は不調で残念ですが」

ノンナ「カチューシャがよく見てます。大新井という選手が好きとのことで」

エリカ「…そう」


エリカ「じゃぁ、一発やってみようかしらね」チャリン


266 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:53:52.82 ID:9R9XbWYA0


テーレッテレー


『ワイノ ゴーソッキュー オマエニ ウテルカ!!』


西「ずいぶんやかましい機械ですな」

ノンナ「品性を疑います」

エリカ「そういうものよ」


ガコン!

シュッ

ビュルルル!!



スカッ..



西「すとらぁーいく!」

ノンナ「おおお…!」キラキラ

エリカ「チッ…」




シュッ

ククッ!!

カキーン!




西「あ、今度はファールですな」

エリカ「変化球はタイミングが狂うのよ! もう一回!!」


 ・

 ・

 ・


267 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:56:09.24 ID:9R9XbWYA0



エリカ「…フン。初めてやった割には上出来ね」

西「凡打が多かったですけどね」

エリカ「…大新井が悪いのよ。アイツ変化球ばっか使うんだから」

ノンナ「次は、私にやらせて頂けないでしょうか…!」

西「どうぞどうぞ」




『キミ達にボクのボールが打てるかな? まぁ、キミ達には無理だろうね』




エリカ「如何にも"お坊ちゃま"という風貌の投手ね」

西「まるで逸見さんみたいです」

エリカ「どういう意味よ…」

ノンナ「…」

268 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 18:57:33.39 ID:9R9XbWYA0


シュッ グォーン

ブンッ!


エリカ「…空振りね」

西「なかなか手ごわいですな…」


ノンナ「Нонна Успокойся...анализ атаки противника....」ブツブツ


西「…ノンナさんは何と仰ってるのです?」

エリカ「わからないわよ。ドイツ語ならまだしもロシア語なんて…」


シュッ ククッ!


ノンナ「Моя победа!」


カキーーーーーーン!!!


西・エリ「おおっ!」


『弟よ…帰って特訓だ………』ガクッ



西「流石ですぞノンナさん! 見事な一撃でした!」

エリカ「なかなかやるじゃない…」

ノンナ「この感触、癖になりそうです」ウットリ



このあと西も挑戦したが、ファールチップがエリカに命中して終わった。


269 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:03:29.82 ID:9R9XbWYA0


西「しかし、あのように誇示されると負けん気の血が騒ぎますね」

エリカ「気持ちはわかるけど、のめり込み過ぎると血は騒いでも財布が静になるわよ?」

西「むむ…」

ノンナ「次回お相手する時までに鍛えなければなりませんね」

西「そうですね。帰ったら特訓しましょう」

エリカ「…バッティングセンターじゃなく戦車道の特訓をなさい」

西「勿論。実を言うと、聖グロにいる間に一度だけ知波単に戻りまして」

ノンナ・エリカ「えっ?」

西「聖グロと知波単の練習試合が終わって数日後にコッソリと」

エリカ「そんなの聞いてないわよ」

西「まぁ、聞かれなかったので」

エリカ「ぐぬ…」


270 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:07:03.02 ID:9R9XbWYA0


西「まぁ、聖グロにいながらもやっぱり母校が気になったもので…」




〜〜〜〜〜〜


【回想 知波単学園に戻った西さん】


西「ただいま諸君。ちゃんと元気にしていたか!?」

玉田「西隊長殿! お帰りなさいでありますっ!」

細見「細見、日夜鍛錬に励んでおりました!」

福田「福田! 一生懸命練習しました!!」

西「そうかそうか。良いことだお前たち!」


西「ところで、聖グロの"ぶえにふうき"さんとやらから話を聞いたぞ?」

玉田「ん?」

細見「何をですかな?」


西「 "英語どころか数学も赤点ギリギリですし、世界史も"間一髪だった"と申しておりまして…" 」


細見「お゛っ!?」


西「 "勉強に関しては"からっきし"なのであります。困ったものです…" 」


玉田「え゛っ!!」


西「 "まさに弁慶の泣き所であります…" 」


福田「げっ!!」


西「…とのことだ」ニコニコ


271 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:09:28.30 ID:9R9XbWYA0


玉田「あ、あのですね…!」

細見「これには深〜いワケがございましてですな!」

福田「やむにやまれぬ事情があったのでありますっ!」

西「お、そうか」ニコニコ

玉田「ええ。まさにその通りであります!」

西「ならば仕方あるまいなぁ。あっはっはっはー」

三人「わっはっはっは!!」



西「」ギロッ



三人「え」





西「お前らの練習態度はなんだァァァァァ!!」


西「本ッ当に強くなろうって気があんのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


西「私が根性を叩き直してやるッ!! 今すぐ練習場に集合ォォォォォ!!!!」


玉・細・福「ひぃぃ!!!」




272 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:10:39.93 ID:9R9XbWYA0


西「まずはランニング!」


西「次はダッシュ100本!」


西「次は腕立て伏せ500回!」


西「次! 腹筋1000回!!」


西「次ィ! 手押し車100回!!」


西「次は全員着ているものを脱げっ!」

西「向こうに見える埠頭まで泳げっ! そして戻って来い!!」

全員「!!?」

細見「い、いくらなんでも無茶ですぞ!!」

玉田「埠頭がすごく遠いでありますっ!!」

福田「埠頭というより不当ですぞ西隊長殿!!」

女仙「ノー! ノー!」


ガヤガヤ ワーワー!

アーダコーダソーダプラウダ



西「ゴチャゴチャ文句言うなァァァァァァ!!!!!」



「ひィィィィ!!!」


ザッパーン!!


〜〜〜〜〜〜〜


273 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:12:16.64 ID:9R9XbWYA0



【そして再びゲームセンター】



西「…という感じですな。いやーなかなか良いストレス発散になりましたよ」ワッハッハッハ

エリカ「…アンタ…自分に出来ないこと部下に指示するのどうかと思うわよ……」

西「いや、私も一緒にやりましたよ?」

エリカ「え」

西「命令しといて自分がやらんのもどうかと思ったので」

エリカ「…ちゃんと最後までやれたの?」

西「泳いだあとはヘトヘトでしたね。晩御飯が美味しかったのであります」

ノンナ「…」

エリカ「私ですらそんな鬼畜な練習はさせないわよ」

西「私が一年の頃はこの手の訓練はよくやってましたけどね」

エリカ「体よりも頭鍛えなさい」


ノンナ「…」

エリカ「あなたはあなたで何企んでんのよ…」

ノンナ「いえ、ニーナやクラーラの練習に良いかと思いまして。特に最後の水泳は」

エリカ「死人出るわよ?」

西「むしろ逸見さんこそやった方が良いのでは?」

エリカ「何でよ!」

西「泳げないから」

エリカ「っぐ…」

274 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:13:05.79 ID:9R9XbWYA0


「っしゃぁぁぁぁ!!! 取ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



ノンナ「おや?」

エリカ「随分とやかましいわね」

西「…この声」


「やったやった! ついにマジノカード全種類コンプしたっ!」

「あっはっはっはー! 今日は最高の日だなぁ〜!」

「やったぁ〜やったぁ〜 ららりらりりらぁ〜りぃ〜りぃ〜るぅぅ〜♪」クルクル



西「………ルクリリさん?」


ルクリリ「え」ピタ...


西「…」

エリカ「…」

ノンナ「…」


ルクリリ「」


275 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:14:50.13 ID:9R9XbWYA0



ルクリリ「…私、ルクリリという人じゃありません。西呉王子グローナ学園のマリルリという者です。初めまして」



西「嘘おっしゃい! 聖グロのルクリリさんじゃないですかっ!」

ルクリリ「うわぁぁぁ見られたぁぁぁぁ!!」

エリカ「何というか…ブザマね………」

ルクリリ「ふぇぇぇん……聖グロではクールビューティーな女で通してたのにぃ………」シクシク

西「…それはないと思います」

ルクリリ「こんな小っ恥ずかしいところ見られたら私もう生きていけない…」メソメソ

ノンナ「そんなに自分を責めないでください。誰にだって過ちはあります」

ルクリリ「一発の過ちが大きすぎるよぉ………」ズーン

西(聖グロにいた時はこれ以上に恥ずかしいルクリリさんをいくらでも見たことありますけどね。お召し物丸出しで爆睡してたりとか)

276 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:16:06.99 ID:9R9XbWYA0


ルクリリ「ぅぅ…今日は厄日だ………」


エリカ「…で、あなた一体誰なのよ」

ノンナ「確か聖グロの……フグリリさんだったでしょうか…?」

エリカ「ふぐ…!」

西「聖グロのルクリリさんですよ」

エリカ「へぇ。聖グロの…ね」


ルクリリ「…」ショボン


ノンナ「すっかり意気消沈しておられます」

エリカ「そりゃあんな姿を人様に見られたら…ね」

西「黒歴史というか聖グロ歴史というか…」

エリカ「…面白くないわよ」

277 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:17:38.30 ID:9R9XbWYA0

エリカ「…あなたも2年生なのかしら?」

ルクリリ「そうだよ…来年3年生…」シュン

ノンナ「聖グロの2年生といえば…」

西「僭越ながら、ルクリリさん以外の方は知らないです」

エリカ「…ということは」

ルクリリ「うん…聖グロの隊長…」

西「…」

ノンナ「何かお悩み事でも?」

ルクリリ「だって…私って隊長ってガラじゃないもん…」

西「そうですか?」

ルクリリ「そうですよっ! 私よりも"ヴェニフーキさん"っていうもの凄ーく強い人がいるのに…」


エリカ「…」チラッ

ノンナ「…」チラッ


西「ぐっ…!」

278 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:28:35.84 ID:9R9XbWYA0


ルクリリ「いつの間にかいなくなっちゃうから、ダージリン様やアッサム様は私を選ぶんだもん…」シクシク

エリカ「…」

ノンナ「…」

西「………」

ルクリリ「え…なに? どうしたの…???」

西「…すみません」

ルクリリ「へ?」


エリカ「その、ヴェニフーキっての、聖グロではどんなヤツだったの?」

西「なっ!」

ノンナ「実に興味深いです。同じ砲手として、ぜひ知っておきたいです」

西「の、ノンナさんまで?!」


ルクリリ「んー…そうだなぁ。戦車道に関しては間違い無く聖グロ一だと思うなぁ。アッサム様も認めていたし」

ノンナ・エリカ「ほう…」チラッ

西「」

279 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:34:53.57 ID:9R9XbWYA0


ルクリリ「…ただ、性格がちょっとアレで、頑固と思ったら意外に自由人なところもあって、そのせいでよくアッサム様に怒られたかな?」

ノンナ「そうなのですか」チラッ

エリカ「ヴェニフーキってヤツ、意外にやんちゃ娘なのね」チラッ

西「」


ルクリリ「だけどその反面、後輩からすごくウケが良くて、"ブラックプリンスに乗った白騎士"とか"胸のあるイケメン"って密かにファンクラブまで出来てたね」

ノンナ「まぁ。素敵な話ですね」

エリカ「リア充ってやつね」

西「」


ルクリリ「うん。他校の生徒からも好評で、話によると告白した人もいるって話だよ? …本当かなぁ」

ノンナ「本当なのでしょうか?」チラッ

エリカ「本当なのかしらねぇ…?」チラッ

西「」


西「…あー、ルクリリさん?」


ルクリリ「ん?」

西「私、その"ぶえにふうき"殿とやらから言伝を預かっております」

ルクリリ「ふぇ? ことづて?」


西(ヴェニフーキ真似)「我が校にはやたら口達者な小娘がいる」

西(ヴェニフーキ真似)「そいつが良からぬ事を喋るようなら、その口を針と糸で縫い付けろ」


西「…と」

ルクリリ「」

ノンナ「ふふ。ヴェニフーキさんそっくりです」

エリカ「本当よね。近くにアイツがいるかと思わず身構えたほどよ」

西「…やれやれ」

280 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:37:24.82 ID:9R9XbWYA0


西「まぁ…その、戦車道に関してはダージリンやアッサムさんから指南を受けるとして、あとはお上品な振る舞いをすれば大方大丈夫なのでは?」

ルクリリ「わ、私に上品な振る舞いだなんて…!」

エリカ「出来る出来ないじゃなく"やる"のよ」

ノンナ「数をこなせば必ず身につきますよ」

ルクリリ「そ、そうだけど…うぅ…」

西「何か、悩み事でも?」


ルクリリ「ヴェニフーキさんに丸投げして悠々自適な学園生活を送る私の計画がぁ…」


西「…」ピキッ

エリカ「良いじゃない。その"ヴェ何とか"よりアナタの方が人望があると思えば」

ルクリリ「! そ、そうだよねっ! ヴェニフーキさんなんかよりも私の方が

ゲシッ!!

ルクリリ「あいたっ!? な、なんで今足踏んだの?!」ヒリヒリ

西「…なんか癪に障ったのでつい」イライラ

ルクリリ「うぇぇ…」ヒリヒリ

エリカ「…アンタだんだん暴力的になってない?」

西「気の所為ですよ。そんなことより、ルクリリさん」

ルクリリ「な、何でしょう!」オロオロ



281 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:39:19.84 ID:9R9XbWYA0

西「こんな格言、知ってますか?」


ルクリリ「えっ…?」

西「"予ハ常ニ諸子ノ先頭ニ在リ"」

ノンナ「陸軍中将の栗林忠道の言葉ですね」

エリカ「ダージリンの真似してるつもり?」

西「"さん"をつけろデコスケ野郎」


ルクリリ「…その格言が一体?」

西「適度な厳しさと優しさがあれば自ずと人はついていきますよ」

ルクリリ「そう…かな?」

ノンナ「ええ。絹代さんの仰ることは至極真っ当な意見です」

エリカ「腐っても知波単学園の隊長だからね」

西「腐ってもは余分です」

ルクリリ「そ、そっか…絹代様も隊長だもんね!」


ノンナ「同い年なのに絹代"様"って呼ばれてるんですね?」

西「ええ…どういうわけか」

ルクリリ「色々あったんですよ。あ、そういえばウチのローズヒップやオレンジペコも"絹代様"って呼んでますよね。他校の人には"さん"付けなのに」

エリカ「…意外に人望あるのね、あなた」

西「…恐縮です」

282 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:40:44.91 ID:9R9XbWYA0

ルクリリ「よ、よーし! 私も隊長として頑張るぞい!!」オーッ

ノンナ「ライバル校ながら応援しています」

エリカ「試合になったら手加減しないわよ?」

ルクリリ「へへん。ヴェニフーキさんが見たら発狂するくらい立派にまとめあg


ツネッ!


ルクリリ「痛い痛い痛い痛いいだぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」

西「調子に乗らない」

ルクリリ「な、なんで絹代様が怒るんですかっ!?」

西「なんとなく癪に障ったものですから、その"ぶえにふうき"殿とやらの気持ちを代弁してみた次第です」

ルクリリ「り、理不尽だぁ…」

エリカ「やっぱりアンタ、確実に暴力的になってるわよ…」

西「気のせいです」

ノンナ「ふふっ」

283 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:46:35.70 ID:9R9XbWYA0


♪〜Расцветали яблони и груши,Поплыли туманы над рекой.....


ノンナ「すみません。同志から連絡です」

ピッ

「……はい…ええ………わかりました。…ええ。テレビはちゃんと明るい部屋で見るように。それと……はい。それでは…」


西「…」

エリカ「…」


ノンナ「あの、名残惜しいのですが、同志から帰還命令が下されたので、私はこれにて失礼します」

エリカ「あら、残念ね」

西「カチューシャさんからですか?」

ノンナ「ええ。お腹が空いたとのことですので。もし宜しければまた…」

西「ええ。またお誘いします」

ノンナ「! 今日は色々とありがとうございました」フカブカ

西「こちらこそありがとうございます」フカブカ

エリカ「まぁ…楽しかったわよ」

西「」グイッ

エリカ「んぐ!? 引っ張るなっ!」フカブカ


284 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 19:53:36.94 ID:9R9XbWYA0


西「ノンナさんも元気になったようで良かったです」

エリカ「…あの人も口数や表情は少ないけど副隊長として色々苦労しているのでしょうね」

西「ええ。皆何かしら悩みや不安を抱えながら生きてるんですよ」

エリカ「…アンタが言うと妙に説得力あるわね」

西「恐縮です」


♪ Ob's stürmt oder schneit, Ob die Sonne uns lacht, Der Tag glühend heiß


エリカ「…っと、まほさんからだ。ちょっと失礼」

西「了解」


「…はい、かしこまりました。…直ちに戻ります!」



エリカ「…悪いわね。私も"帰還命令"が下されたから今日はここでお暇するわ」

西「ちゃんとノミやダニを落として足を綺麗にしてから家の中に入るんですよ?」

エリカ「犬畜生と一緒にするなっ!!」

西「あははは」

エリカ「全く。…まぁ…」

西「ん」


エリカ「…楽しかったわ。たまにはこういうのも悪くないわね」


西「ええ。戦車道も良いですけど、そればかりでは偏食になりますので、息抜きは必要ですね」

エリカ「そうね。みほが大洗で楽しくやってるのを見て、少し羨ましいと思っただけに、こういう何気ない学生生活が眩しく見えたのかしら」

西「何気ない日常って思っている以上に尊いものですからね」

エリカ「違いないわ。…それじゃ、またお会いしましょう」

西「ええ」

285 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 20:36:07.45 ID:9R9XbWYA0


西「さて。残るは私だけか…」


ツンツン


西「…ん?」

ルクリリ「(´・ω・`)」

西「んおっ!? る、ルクリリさん!? 」

ルクリリ「…ずっといたのに」シュン

西「え、あ…すみません…?」

ルクリリ「どーせ私は聖グロでも存在感の薄い女ですもん…」

西「ま、まぁまぁ…。ルクリリさんはこの後どうされるんですか?」

ルクリリ「え? うーん。今日は欲しいものゲットしたし、あまり遅いとまた怒られるから帰ろうかな」

西「そうですか」

ルクリリ「あ、絹代様よかったら聖グロに来ない?」

西「え? 宜しいのですか?」

ルクリリ「以前、ダージリン様と一緒にしてたこともあるし、多分大丈夫だと思うよ?」

西「そ、そうですかね…」

286 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 20:41:42.96 ID:9R9XbWYA0

ルクリリ「大丈夫だよ。空き部屋あるし、ダメだったらウチらが使ってる相部屋もあるからさ!」

西「相部屋?」

ルクリリ「そうだよ。みんなで集まってゲームしたりする部屋するんだ!」

西「ほうほう」


プルルルル プルルルル


西「おっと、ダージリンからだ」

ルクリリ「ん? ダージリン様?」


ピッ


西「はい、絹代です」

ダージリン『絹代さん! あなた病院抜け出して何処にいるのよ?!』

西「わっ! すみません!! 逸見さんやノンナさん達と出かけておりましたっ!!」

ダージリン『…全く。退院したら連絡しろとあれほど言ったのに…』

西「すみません…」

ダージリン『病院の看護婦さんからチャーチルのプロモデル? を渡されたけど、あなたがそんな態度ならコレ、私が勝手に作るわよ?』

西「あっ! ダメです! それまだ作りかけなんですぞ!!」

ダージリン『あらあら。どうしましょうかね?』


西「む! 今から聖グロ行きますから持って来て下さい!」

ダージリン『え? 聖グロリアーナに来るの?』

西「ええ。ルクリリさんに強要されたので行きますよ」

ルクリリ「べ、別に私は強要してないよ!?」

287 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 20:45:50.82 ID:9R9XbWYA0


ダージリン『ふふ。でしたらいらっしゃい。ちゃんとあなたのお部屋も綺麗にしてあるわ』

西「あはは。恐縮です。でも出来ればダージリンの…」

ダージリン『あらあら…。今度こそ"不純交友"になってしまうわ』

西「む…」

ダージリン『嘘よ。気をつけていらっしゃい。あと、ルクリリにも早く帰ってくるように伝えて下さるかしら』

西「かしこまりでございます! では後ほど」ケイレイ!


ピッ


西「…と、いうわけで聖グロに行きませう」

ルクリリ「だ、ダージリン様何て言ってたの?」オロオロ

西「なんかルクリリさんのおやつは"都こんぶ"とのことですよ?」

ルクリリ「うぇぇぇぇ!?」ガーン

西「まぁ、聖グロに行きましょう」

ルクリリ「都こんぶ…紅茶に合うのかなぁ……」ズーン

288 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 21:00:52.31 ID:9R9XbWYA0




少し前までは、こんな何気ない学生生活をもう一度送れるなんて思わなかった。

ギスギスした人間関係、ドロドロした疑惑・不信。それらに埋もれて生きるのが精一杯だと思ってた。

今こうして、元通りの生活を送れるようになったのは、あのとき一生懸命戦ったから。

私達が死に物狂いで戦って、そして勝ち取った日常という権利だ。

以前までは当たり前すぎて何も感じなかった平凡な日常だけど、失って初めてその尊さに気が付けた。

だから、これからは平凡だけど有り難い日常を享受しつつ、全速前進で今を生きたい。






「ただいま。ダージリン」

「お帰りなさい。絹代さん」







私と大切な人たちが生きる道を守るために戦ったあの日々を、私はこの先もずっと忘れない。




                                     おしまい。

289 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2017/10/28(土) 21:02:50.22 ID:9R9XbWYA0


それではHTML化依頼を出してきます。

前回、前々回につづいて読んでくれた人、レスしてくれた人ありがとうございます。

290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/28(土) 21:09:31.92 ID:yDYIWIcSO
乙でした
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/29(日) 08:28:03.62 ID:BXzVjhn+o
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/29(日) 12:13:17.20 ID:bMJ1JfF7O
乙です
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/30(月) 01:45:05.49 ID:geyYGEWR0

遂に完結
とても面白かった


ところで、

>>クルセイダー会「私の孫も操縦手をやってるが、何しろぐうたらでねぇ。あんたたちの爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだよ」
>>チャーチル会「あんたのお孫さんも聖グロリアーナへ入れてあげれば良かったのに」
>>クルセイダー会「冗談じゃないよ。私の頃と違って今は学費がべらぼうに高すぎる。それにあの子は今の学校で楽しくやっている」

クルセイダー会の会長が冷泉久子と妄想してしまったのは私だけだろうかwww
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 00:17:35.29 ID:ZvmVbBz6O
乙でした。
いつの間にか続編が出来ていたのか…!!
最初から一気に読みました。

完結お疲れ様でした。
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 22:15:10.95 ID:EoyejRdUO
象からきましたこれから読む
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/14(水) 14:02:59.30 ID:mY/hsdA3o
読了。最後駆け足気味なのと、正体を全員にバラしたのが残念だったかな。

すげー面白かった
275.66 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)