【ミリマス】その仕事場は(プロちゃんにとって)タブー

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29 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/20(金) 06:38:59.42 ID:BDU4dsSw0
>>28訂正
〇「ほんなら頼むわ店員さん」
×「ちょっと頼むわ店員さん」
30 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/20(金) 06:40:17.27 ID:BDU4dsSw0
===

そして時が過ぎること数十分。茜ちゃんたち二人は今、
最初に出会ったフードコートの隅の席に座ってぼんやり人混みを眺めてた。

テーブルの上には冷めたポテトに丸められたハンバーガーの包み紙。
それから新しく増えた紙袋も。

緩慢な動作で食後のコーヒーを一口すすり、プロちゃんがポツリと呟いた。

「しっかし……驚いたな」

「うん、驚いたね」

「星梨花が真っ赤なブラを持って来た時は――」

「茜ちゃんもとうとう勝負下着の一つや二つ、持つべき時が来たと思ったよ」

「……結局買ったし」

「断れないじゃん」

「お金も俺が払ったし」

「ホンマ、アニキおおきにやでっ♪」

「全くこいつにはかなわんわー……」

でもプロちゃん、参ったように頭を掻くとスッと椅子から立ち上がって。

「あれ? プロちゃんどこ行くの?」

「トイレ。そろそろ星梨花が上がりだから」
31 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/20(金) 06:41:26.17 ID:BDU4dsSw0

リュックサックを手に持って、その場を離れて行っちゃった。
置き去りにされて待つこと数分、戻って来たプロちゃんはいつものスーツ姿になっていて。

「着替えて来たんだ」

「ちょちょいとな」

「いけないんだー、トイレなんか使っちゃって」

「大目に見ろよ。それに俺、クラークケントのファンなんだ」

トイレから出て来るスーパーマン? それはちょっと様になってないような。

「それより茜、帽子と眼鏡返せよな。後、そのジャンパーだってしまっとけ」

「はいはい。星梨花ちゃんに気付かれないように……ね?」

「そういうこと。察しがよくて助かるよ」

「当然! 茜ちゃんはいつだって、プロちゃんの相方なんだから」

言って、最後のポテトを口に運ぶ。

帽子と眼鏡もプロちゃんに返してジャンパーを紙袋にしまっていると、
件のお店の入り口から星梨花ちゃんが丁度現れた。

鞄からスマホを取り出して辺りを見回すと、プロちゃんを見つけて駆けて来る。
32 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/20(金) 06:42:40.37 ID:BDU4dsSw0

「プロデューサーさん! お迎え、ありがとうございます」

それから一緒に座ってる私を見つけると、「あれ? 茜さんもご一緒なんですか?」なんて不思議そうな顔で首を傾げ。

「茜さん、今日はお休みだったんじゃ」

「うん、そうなの。で、ここに買い物にやって来たらたまたまプロちゃんと会っちゃって」

「俺もちょっと早めに着いたからな。星梨花の仕事が終わるまで、二人でお茶してたってワケさ」

私とプロちゃんの息の合った説明を聞いて、星梨花ちゃんが少しだけつまらなそうな顔になる。

「そうなんですか……。私もお仕事じゃなかったら、お茶をご一緒したかったです」

「いやいや星梨花。仕事が無いと俺たちここに居ないからね?」

「まぁまぁプロちゃんそんなこと言わず。星梨花ちゃんもお仕事終わりでしょ?
飲み物一杯ぐらいなら、ここで喋って帰ればいいよいいよ」

結局、それからさらに十数分。

茜ちゃんたちは星梨花ちゃんの語る職業体験の感想を「ふんふん」「なるほど」
「大変だったね〜、星梨花ちゃん」なんて感じで聞いていき、最後はプロちゃんが彼女の頭に手をやって。

「うん! 俺がついてなかったのに一人でよく頑張ったな、星梨花」

星梨花ちゃんの頭をなでなでなで……。
そうして、「えへへ」と照れ臭そうに笑う彼女の笑顔に胸がキュン。

う、ん……これは、この気持ちは、決してほんわかとしたトコから来てる感情じゃなくて。
その正体を知ってるから、私も顔に出すワケにはいかなくて。
33 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/20(金) 06:48:27.39 ID:BDU4dsSw0

「ねぇ、プロちゃん」

「ん? どうした茜、改まって」

「……大切なこと、忘れてない?」

そう、そうだぞこのヤボめ。
星梨花ちゃんを褒めるよりもまず先に、労う相手がいるでしょーが!

……茜ちゃんは、そう思って言ったつもりだったのに。

「おっ、そういえばもうこんな時間なのか。そろそろ事務所に戻らないと、次のお迎えに遅れるな」

プロちゃんったら、時間について訊かれたんだと勘違い。バカ! バカバカバカバカバカバーカっ!!
星梨花ちゃんにバレちゃダメな手前、こっちからおねだりするわけになんていかないのに……気づいてくれたっていいじゃんか!

でもそんな私の葛藤を知らないプロちゃんに「じゃ、行くぞ」と急かされて、
星梨花ちゃんが慌てた様子で紙コップのジュースを飲み干した。

それから二人は一緒になって席を立つと。

「それじゃ、俺次の現場だから。茜もオフを楽しめよ」

「また明日、劇場で会いましょうね茜さん」

そのまま、二人仲良く事務所に戻るために歩き出す。

「うんうん、じゃあまた劇場でねー!」……なんて笑顔であげた手をフリフリ、
二人が見えなくなるまで目で追う私はなんなのさ。

急に騒がしさを増したフードコート。
雑踏の喧騒に紛れながら、自分で自分の前髪をそっとひと撫で呟いた。

「ん、もう! プロちゃんめぇ〜……今に見ろぉ!」」

もうホントにあったま来たんだから!これからの茜ちゃんはもっーともーっとワガママに。

その手を焼かせて焼かせて焼かせまくって――それこそ拒めど逃げども行けどもだ――
私から目を離す暇なんて無いぐらい、アナタを困らせてやるんだからっ! もぉーっ!!
34 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/20(金) 06:50:06.47 ID:BDU4dsSw0
===
今回の話はこれで終了。以上、速やかに帰りなさい。
35 : ◆NdBxVzEDf6 [sage]:2017/10/20(金) 08:13:01.67 ID:RtDAv2PM0
他の現場でもこんなめんどくさいことしてるのかな……
乙です

>>25
箱崎星梨花(13)Vo/An
http://i.imgur.com/eGjqKgM.jpg
http://i.imgur.com/OvxOq2E.jpg
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 12:02:51.39 ID:erhGXKBdO
茜ちゃんナデナデ乙
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 13:05:32.68 ID:SXw2cVOGO
茜ちゃんの下着見たい乙
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 13:13:54.07 ID:vkSw49umO
星梨花も大胆になったんだな…乙
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/21(土) 16:12:38.96 ID:Til/9q3qO
つづきはよ
茜かわいいぞ
おつ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/21(土) 23:20:45.19 ID:IuqkYLJ5o
乙レイヨロレイヨロ
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