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吹雪「どうして鎮守府に敵が…?」
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63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:48:49.77 ID:oMT0tnpHO
龍驤「これはなぁー、寝っ転がって入るんやでぇ」ゴローン
吹雪「寝っ転がってですか? え、えっと、おおっ! 私の身長と湯船の長さがぴったりですっ!」ゴローン
吹雪「なんだか寝ながらお風呂入るって変な感じですね! でも、あったかくて気持ちいいかも…」
白雪「あっ、じゃあ私は吹雪ちゃんの隣に…」ゴローン
吹雪「わぷっ、水位が上がって…えっと、この段差に頭をのせれば大丈夫かな…」
白雪「ご、ごめんね。大丈夫、吹雪ちゃん?」
吹雪「うん、大丈夫だよ! って、この段差がちょうど枕代わりになって…、本当にこのまま寝ちゃいそう…」
白雪「枕代わり…、えっとこうかな? …あっ、ほんとにちょうどいい枕かも」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:50:28.43 ID:oMT0tnpHO
龍驤「こらこら、二人とも寝たらあかんでぇ」(ウチの身長だと足が延ばせないから膝小僧がちょっと寒いなぁ)
吹雪「ふぁぁーい…」ムニャムニャ
龍驤「欠伸で返事かいな」
白雪「うっ、まずいですね…このままだと本当に寝ちゃいそうです…」
白雪「吹雪ちゃんも本当に寝ちゃダメだよ。さ、上がろ?」
吹雪「あ、うん…そうだね。そろそろ上がろっか」バシャー
龍驤「それにしても…キミら髪の毛おろすと見分けがつかへんなぁ。白雪の髪の毛がちょいと茶色がかってるから分かるけど、もし黒かったらホントに分からへんでぇ」マジマジ
吹雪「そんなに似てますか…?」
白雪「うーん、でもこういうのって本人たちは分からないって言うし…」
龍驤「まぁ姉妹なんやし、似てても不思議じゃないなぁ。さっ、湯冷めする前に着替えるでぇ!」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:17:58.52 ID:oMT0tnpHO
♦ ♦ ♦
龍驤「んで、キミらはどうする? もう寝るん?」
吹雪「はい、すっごく眠いので…」
白雪「私も、もう寝ようと思ってます」
龍驤「そう? なら、おやすみ。ゆっくりやすみや〜」
吹雪「はい、おやすみなさい」
白雪「おやすみなさい、龍驤さん」
龍驤「さて、ウチは川内と古鷹と合流しようかなぁ」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:19:22.17 ID:oMT0tnpHO
〜吹雪型の部屋〜
吹雪「ふぅ、今日は疲れたね…」ゴロン
白雪「そうだね」
吹雪「そういえば、白雪ちゃんと二人っきりって初めてだね」
白雪「そうだね、私たちが着任する頃にはもう叢雲ちゃんがいたから…」
吹雪「叢雲ちゃんも頑張ってるかなぁ」
白雪「きっと大活躍してると思うよ! 叢雲ちゃんの練度すっごく高いし」
吹雪「そうだね。うん、私たちも頑張らないとね!」
白雪「そうだね、頑張ろ!」
吹雪「それにしてもこの生活が後、1週間かぁ。大丈夫かなぁ…」
白雪「そうだね…。でも一応お水の確保は出来そうだし、ゴーヤちゃんとユーちゃんが魚をたくさん獲ってくれるからなんとかなるんじゃないかな?」
吹雪「うーん、そうだよね!」
白雪「うん! それじゃあ、今日はもう寝ようか? おやすみ、吹雪ちゃん」
吹雪「うん、白雪ちゃんもおやすみ」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:22:26.49 ID:oMT0tnpHO
〜朝潮型の部屋〜
霞「えっと、清霜はそこの朝潮ねぇの布団使ってね」
清霜「うん、分かった!」
霞「なんか朝潮ねぇ以外と部屋で一緒なんてちょっと違和感…」
清霜「朝潮型で着任してるのは朝潮ちゃんと大潮ちゃんと霞ちゃんだっけ?」
霞「そうよ。いつもは大潮ねぇがうるさいけど、いざ居なくなっちゃうと少し物足りないわね…」
清霜「霞ちゃんってお姉さんたちが大好きなんだねっ!」
霞「なっ! …ま、まぁ尊敬はしてるわね。二人とも自慢のお姉ちゃんよ、練度もすごいし頼りになるし」
清霜「霞ちゃんには姉妹の艦娘さんがいて羨ましいなぁ」
霞「そういえば、夕雲型で着任してるのは清霜だけだっけ?」
清霜「うん、そうなんだぁ」
霞「うーん、まぁ小さい鎮守府だからね…」
清霜「うん…。でも、私寂しくないよ!」
霞「そうなの?」
清霜「うん! だって霞ちゃんがいるもんっ!」
霞「そ、そうなの? …あ、ありがとね清霜」ゴニョゴニョ
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:25:08.16 ID:oMT0tnpHO
〜潜水艦の部屋〜
伊58「ユー、布団まで頑張るでち」
U-511「うん、あと少し…」ウトウト
伊58「ふぅ、なんとかベッドまでつけたでち…」
U-511「ゴーヤ、Danke…」ドサッ
伊58「ちょっとユー! そんなに勢いよく倒れて大丈夫?」
U-511「すぅ…すぅ…」zzz
伊58「あれ、もう寝ちゃったの? は、はやいでちね…」
伊58「それにしても、この部屋に来てから思っていたんだけど本当に何もない部屋でち…」
伊58「訓練は何度かしたけど着任してからまだ一回も出撃してないんだよね…。初日と2日目はよっぽど暇な鎮守府だとおもったけど…」
伊58「大規模作戦が発令されたって聞いて出撃する間もないくらい提督は忙しかったって納得したでち」
伊58「イムヤは大丈夫かなー。元気でやってるといいけど…」
ひょいっ
伊58「それにしても、この髪飾り…。なんでゴーヤの髪飾りがベッドの横にあったんだろう…?」
伊58「ゴーヤは自分のを持っているのにどうして着任したてのゴーヤの部屋にもう一つ同じ髪飾りがあったのかな…」
伊58「うー、考えても分からないよぉ…。うん、もう寝ちゃうでち!」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:26:13.78 ID:oMT0tnpHO
♦ ♦ ♦
〜鎮守府見張り室〜 2200
龍驤「お二人さん、風呂あがったでぇ」
川内「おっ、来たねー!」
古鷹「吹雪ちゃんと白雪ちゃんは寝ましたか?」
龍驤「もう寝るって言ってたで」
古鷹「そう…、みんな活躍してくれたもんね」
川内「さぁーて、じゃあ早速夜戦に…」
龍驤「夜戦って…。キミ、それよりも今は話し合いやろぉ?」
川内「あっ、そうだったね…うーん、せっかくの夜なのに夜戦出来ないなんてー!」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:27:24.69 ID:oMT0tnpHO
古鷹「え、えっと、じゃあ早速今の状況について話し合おうよ!」
龍驤「そうやな、明らかに異常事態やで、これは」
川内「そうだね、駆逐艦の娘達は楽観的に見てるけど明らかにおかしいよ」
古鷹「明らかにおかしいのは2点。1つ目は、食料、真水がなかったこと。無線室が使えなかったって言うのはもしかしたら提督たちが出発した後に壊れてしまった可能性があるけど食料がないって言うのは考えられないよね」
川内「そうだね、もし無くても何か一言くらいはあってもいいよね」
龍驤「あきらかにおかしいよなぁ」
古鷹「そして2つ目。1週間という間、この鎮守府で過ごすというのに私たちに何も指示がくだらなかったこと」
龍驤「それや。1週間もの間、鎮守府を留守にするというのに提督はウチらに何も指示を出さなかった」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:28:41.47 ID:oMT0tnpHO
川内「そうだよね。私たちは着任したばかりでまだまだ鎮守府の事には詳しくない。普通なら、鎮守府の管理などで注意事項などを言ってくれるはず」
古鷹「出発までそこまで時間がなかったわけでもないのにおかしいよね」
龍驤「そうやなぁ。これじゃぁまるで…」
古鷹「そうだよね…。これじゃ、『捨てられた』みたいだよね」
川内「うっ!…まぁ、薄々気づいていたけどさ。いざ、言葉にされると現実味を帯びるね…」
龍驤「ま、まぁ、まだ決まったわけではないやどな。燃料が少し残っていたり、それにユーやゴーヤは本当に着任したばかりやからな」
古鷹「そうだよね。捨てると決まっている鎮守府に新しい艦娘を着任させるわけないと思うけど…」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:30:48.13 ID:oMT0tnpHO
川内「うーん、考えれば考えるほど分からないなぁ」ノビー
キラッ
川内「んっ?」ゴシゴシ
古鷹「川内ちゃん、どうかした?」
川内「…今、海の向こうでなにか光らなかった?」
龍驤「ん? ウチには見えへんかったでぇー、なにかあったんか?」
川内「うーん、見間違いかなぁ…」
古鷹「月の光が反射しちゃったんじゃないかな? ここは基本的に船は通らないし、ほど近い陸地もないし」
川内「うーん、月の光だったのかな」
龍驤「まぁ、とにかく駆逐艦と潜水艦に余計な気を負わせる必要もないから捨てられたっちゅう可能性は今は黙っとこうな」
古鷹「そうだね。捨てられたって言う確証がないのに不安を煽る必要はないよね」
川内「そうだねっ!」
龍驤「そんじゃ、ある程度話もまとまったことだしウチらも交代で休もかー?」
川内「えーっ、せっかくだしなんかしたーいっ!」
古鷹「でも、明日もいろいろしないとだし…ちゃんと休んでおかないとダメだと思うな」
川内「むぅ…分かったよ」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:33:47.78 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
・9月13日 0500
吹雪「ふわ〜ぁ…よし」ヌギヌギ
吹雪「今日もランニングを、っと待って。そういえばいつもはランニングしたら当たり前のようにご飯を食べてたけど…今日はご飯、ないんだよね?」
吹雪「…給仕の人や鳳翔さん、間宮さんには感謝しないとだね。本当にいつもありがとうございます」
吹雪「うん、せっかく起きたし私が作ろうかな。まぁ作るとは言っても昨日のお魚と麦米と味噌汁しか作れないんだけどね…」
吹雪「味噌汁は…ワカメの味噌汁かな? …朝ごはん食べ終わったらアサリとか採りに行ってみようかな。…採れるかな?」
吹雪「まぁ、とにかく厨房に行かないと」
〜厨房〜
吹雪「よし、着いた…ってあれ、古鷹さん?」
古鷹「あれ、吹雪ちゃん?」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:38:19.79 ID:DzKxoHjA0
吹雪「あ、おはようございます古鷹さん!」
古鷹「うん、おはよう! もしかして朝ご飯作りに来てくれた?」
吹雪「はいっ!」
古鷹「そっかぁ。あれ、今日はランニングはしなくていいの?」
吹雪「あ、はい。今日はご飯を作らないとなって思って…って、私がランニングしてたの知っているんですか?」
古鷹「うん、吹雪ちゃん着任してから毎日朝早く走っているでしょ?」
吹雪「は、はい! まさか見られてたなんて…なんだかちょっと恥ずかしいです…!」カァァ///
古鷹「なんで恥ずかしいの? 私、吹雪ちゃんが着任してからは吹雪ちゃんのランニングを見ることで今日も一日頑張ろうって思ってたんだ」
吹雪「そ、そうだったんですか! え、えっとありがとうございます…?」
古鷹「お礼を言うのは毎日元気をもらってたこっちの方だよ、ありがとね吹雪ちゃん」ニコッ
吹雪「…!」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:39:27.58 ID:DzKxoHjA0
古鷹「今日だって走ってきていいんだよ? 朝ごはんは私が作るから」
吹雪「い、いえっ! 私も手伝いますよ! 二人でやればすぐです!」
古鷹「そうだね。じゃあ一緒に作っちゃおっか」
吹雪「はいっ!」
川内「古鷹ー、なんか手伝おうかっ?」
川内「あれ、吹雪も起きてきたんだ? おはよっ!」
吹雪「おはようございます! 川内さんももう起きてたんですね!」
川内「もうって言うかずっと起きてたけどね」
吹雪「えっ」
古鷹「川内ちゃんったら、ちゃんと寝てって言うのに全然寝ようとしないんだもん」
川内「まぁまぁ、いいじゃんいいじゃんっ! それより何か手伝おうか?」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:40:14.58 ID:DzKxoHjA0
古鷹「うーん、簡単なものしか作らないし私と吹雪ちゃんで作っちゃうから大丈夫そうかな」
川内「そう? んー、じゃあみんなを起こしてくる?」
吹雪「えっと、ご飯は後15分くらいで出来そうなので、できればお願いしたいです!」
川内「オッケー! じゃあ起こして食堂に呼べばいいかなっ?」
古鷹「うん、じゃあお願いね」
川内「了解したよっ!」テクテク
古鷹「じゃあ、川内ちゃんが起こしてきてくれる間に完成させちゃわないとね」
吹雪「はいっ!」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:43:10.18 ID:DzKxoHjA0
〜食堂〜
白雪「吹雪ちゃん! ごめんっ、私全然吹雪ちゃんが起きたの気づけなくて朝ご飯のお手伝いできなかったよ…」
吹雪「そ、そんなに謝ることないよ白雪ちゃん。私だって今日はたまたま古鷹さんのお手伝いしただけだから」
白雪「…次、何かすることとかあったらすぐ私に言ってね? 何でも手伝うから!」
吹雪「うん、ありがと白雪ちゃん」
清霜「みなさん、おはようございます!」
霞「おはよう」
伊58「おはようでち! …朝ごはんありがとでち!」
U-511「Guten Morgen。おはようございます、みなさん」
龍驤「おはようさん! お、出来とるなぁ」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:07:35.20 ID:DzKxoHjA0
古鷹「うん、とはいっても昨日の夜ご飯とほとんど同じだけど…」
川内「いやいや、ありがたいよ!」
龍驤「それじゃあ、いただきます!」
「「いただきます!」」
伊58「朝ご飯を食べないと力が出ないでちからね」
U-511「和食はやっぱりおいしい…」
清霜「たくさん食べて戦艦になるぞー!」
霞「うん、おいしいわね」
〜食後〜
古鷹「ところで、これからの予定なんだけど…」
吹雪「とりあえず、やらないといけないのはお水の確保ですね!」
古鷹「そうだね、また昨日の所で補給だね」
霞「今日は私に任せなさいっ!」
清霜「清霜も手伝うよっ!」
古鷹「じゃあ水汲みは私と霞ちゃんと清霜ちゃんでやるね」
吹雪「私は食器の片付けとか昨日の洗濯物とかを片付けちゃいますね!」
白雪「あ、私も手伝うよ!」
龍驤「じゃあ、ウチも手伝うでぇ!」
吹雪「ありがとうございますっ!」
川内「じゃあ私たちは、また魚を獲りに行こうか?」
伊58「海の中ならまかせるでち!」
U-511「ユーも頑張ります」
古鷹「よし、とりあえず役割は決まったね」
霞「そうね」
清霜「今日はお水だけじゃなくて、食べられそうな山菜とかあったら採ってきますねっ!」
龍驤「おぉ、それは助かるなぁ」
吹雪「楽しみにしてるねっ!」
白雪「山菜があれば、油も少し余ってたしてんぷらが作れるかも…」
川内「よし、じゃあご飯も食べ終わったし動き始める?」
龍驤「そうやなぁ、じゃあ行きますか」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:08:53.57 ID:DzKxoHjA0
古鷹「じゃあ、また後でね」
白雪「みなさん、気を付けてくださいね!」
霞「ただ、水を運ぶだけなんだから危ない事なんて別にないけど…」
清霜「うん、気を付けていってくるね」
古鷹「じゃ、霞ちゃん、清霜ちゃん行こ?」
霞・清霜「「はーい!」」
川内「ゴーヤとユーは私がしっかり見ておくから安心してよ!」
伊58「昨日よりもたくさん獲ってくるでち!」
U-511「期待していてください…」
川内「よーし、いこーっ!」ムニャムニャ
吹雪(川内さんだいぶ眠たそうだけど大丈夫かなぁ…)
吹雪「じゃあ、私たちも始めますか?」
白雪「うん、そうだね!」
龍驤「よぉーし、ぱっぱと終わらせるでぇー!」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:09:57.43 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜川内・伊58・U-511サイド〜
川内「ムニャムニャ…」
伊58「川内ー、川内ったらぁ!」
川内「はっ!ど、どうしたの?」
U-511「川内さん、眠いの…?」
川内「あ、あぁー、やっぱり朝は眠いねぇ…」
U-511「川内さん、少し眠ってても大丈夫です…」
川内「え、でも…」
伊58「川内は潜れないから、少し位休んでてよ! お魚はゴーヤたちに任せるでち!」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:11:29.24 ID:DzKxoHjA0
川内「ん、そうかな? …じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ寝させてもらうねっ」
U-511「ユーとゴーヤに任せて」
川内「うん、お願いね…」
川内「すぅ…すぅ…」zzz
伊58「よーし、ユーどっちがたくさん獲れるか勝負でち!」
U-511「負けない…!」(川内さん、よくこんなところで眠れる…)
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:13:45.52 ID:DzKxoHjA0
〜1時間30分後〜
伊58「だいぶ獲れたねー」
U-511「ちょっと疲れた…、えっと…1時間30分くらい経ってる」
伊58「そろそろ戻るでち?」
U-511「うん、じゃあ川内さんを…川内さん、川内さん…起きてください」ユサユサ
川内「ん、んんっ…夜…?」
伊58「川内、大分獲れたからそろそろ戻るでち」
川内「あっ、そっか私眠ってたんだっけ…、ってすごい獲れてるじゃんっ!」
伊58「ゴーヤたちにかかれば楽勝でち!」
川内「うんうん、これだけあれば大分持つんじゃないかな! ワカメもたくさんだね!」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:14:44.88 ID:DzKxoHjA0
ざざざーんざざざざーん
U-511「今日は波があんまりたってなくて海が透き通ってたからやりやすかったです」
川内「ん、そうだねー、天気も良くて風もほとんどないし、海も…」
ざざざざざざざざざ
川内「ん…あれ、なんだろ…?」ゴシゴシ
伊58「どうしたでちか?」
川内「なんだろ、なんか黒い点が近づいてきてない?」
U-511「うーん、ユーには見えないです…」
川内「…いや、確かに見えるよ。…なんだか嫌な予感がする」
伊58「ど、どうしたんでち川内、そんなに考え込んで。鳥とかの群れじゃないの?」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:24:33.47 ID:DzKxoHjA0
川内「ゴーヤ、ユー、魚雷は装備してきてる?」
伊58「ぎょ、魚雷でちか?」
U-511「一応、装備はしてきてます…」
川内「良かった…」ボソッ
川内「ごめんちょっと水偵を飛ばすよ。お願いっ!」ブゥーン
U-511「どうしたのかな…」
ざざざざざざ…ざざざざ…
川内「…やっぱり! 駆逐、軽巡一隻ずつ! 敵艦だよっ!」
伊58「えっ!? て、敵でちか!?」
U-511「て、敵? ど、どうしよう、とりあえずみんなに…」アタフタ
川内「だめだよっ! ここから鎮守府まではそこそこ距離があるっ! 水偵もまだ戻ってきてないから助けは呼べない、ここで迎え撃つよ!」(あの程度なら私達だけでやれる…!)
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:25:43.25 ID:DzKxoHjA0
伊58「そ、そんないきなり言われてもまだゴーヤとユーは実戦経験が…」
川内「それでも、やるしかないよ! ゴーヤとユーは先制で魚雷を撃つ準備をして! 二人とも軽巡を狙ってね!」
川内「少しは訓練したでしょ?」
U-511「はい、ユーもゴーヤも先制魚雷を打つ訓練は少しだけどしました」
川内「それなら大丈夫! 訓練通りにやれば必ず当たるから! 駆逐は私が沈めるから、2人はとにかく軽巡を狙って!」
伊58「わ、分かったでち! 怖いの二つ…大丈夫、ゴーヤなら大丈夫!」バシャーン
U-511「ユー、出ます」バシャーン
川内「くるよっ!」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:26:50.11 ID:DzKxoHjA0
駆逐イ級「」ざざざざ
軽巡ホ級「」ざざざざ
川内「よし、砲雷撃戦よーい! 撃てー!」
伊58「ゴーヤの魚雷さんはお利口さんなのでち!」ドゴーン
U-511「Feuer!」ドゴーン
シュルルルルルッルル
どがーんっ!
敵軽巡「ぎゃぁぁ!」ぱらぱら…(砕け散る音)
川内「敵軽巡、撃破! 後は駆逐だけっ…!」シュー
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:28:18.41 ID:DzKxoHjA0
敵駆逐「ぐおおおおおっ!」
川内「夜戦じゃないけどこれくらいならっ…! 沈めっ!」ドガドガーン
敵駆逐「ぐぎゃあああっ!」ぱらぱら…
ぱりぱりぱりーん…しゅぅぅぅ
川内「敵駆逐撃破っ! ゴーヤ、ユー勝ったよ!」
伊58「や、やったでちっ! ユー、初撃破だよー!」
U-511「ユー、やったよ。軽巡倒せたよ」
川内「うん、二人ともいい先制だったよ! 初めての実戦なのに初撃でしとめるなんてすごいよっ!」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:29:29.19 ID:DzKxoHjA0
U-511「敵の駆逐艦、軽巡初めて見ました。目が青かった…」
伊58「怖いの倒せてよかったー!」
川内「よし、それじゃあ二人はお魚持って先に戻ってみんなにこの事を報告しておいて!」
伊58「わかったでち」
U-511「川内さんは、どうするんですか?」
川内「私は一応、鎮守府の周りに敵がいないかどうかを確認してから行くよ」
U-511「分かりました…、じゃあ先に戻ってます」
伊58「川内も気を付けるでち」
川内「うん、ありがとねっ! じゃあよろしくっ」
伊58・U-511「「了解」」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:34:06.62 ID:DzKxoHjA0
川内「…さて、一応確認しておかないとね。それにしてもなんで駆逐と軽巡が来たんだろ…?」
川内「…問題はあの駆逐と軽巡がたまたまこの鎮守府に来ただけなのか。それともなにか目的を持ってこの鎮守府にやってきたのか」
川内「後者だとしたらまずい…。私たちはまだ着任したばかりで、練度は低い。それにゴーヤたちは今のが初の実戦で吹雪と白雪も確か実戦経験はないはず」
川内「それに燃料も少ないし、敵と戦う力はほとんどない…」
川内「とにかくみんな…いや、龍驤と古鷹と後で話し合いだね」
川内「よし、鎮守府の周りに敵もいなかったしとりあえず私も戻ろう」スタスタ
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:36:01.99 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜会議室〜
龍驤「なるほどなぁ…。でも、とにかく無事でよかったわ」
吹雪「まさか、そんなことになっていたなんて…」
白雪「ゴーヤちゃんもユーちゃんもすごいです!」
霞「駆逐と軽巡が2隻、どうして鎮守府に…?」
清霜「なんでだろう…」
川内「あっ、みんな揃ってるね」
古鷹「川内ちゃん、お疲れ様。大変だったね」(駆逐艦の娘達が心配そうにしちゃってるね…)
吹雪「でも、本当にどうして鎮守府に敵が…?」
川内「うーん、多分航路を外れちゃった敵だったんだと思うよ? …すごいぐにゃぐにゃと海の上を走っててとても目的地があるようには見えなかったし」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:37:52.95 ID:DzKxoHjA0
清霜「そうなんですか? でも…」
古鷹「私もそう思うな。だって小さいとはいえここは鎮守府だよ? たったの二隻なんてすぐ沈められちゃうもの。それに航路がめちゃくちゃだったんでしょ?」
川内「うん、だからそんなに心配することはないと思うよ」
霞「大丈夫よ、清霜! もし敵が来てもあたしがやっつけてあげるんだからっ!」
清霜「う、うんっ! でも私だって負けないよっ!」
龍驤「そうやな、たまたまはぐれた敵なんやからそこまで気にする必要はないやろ!」
古鷹「そうだね。…でも、これからは一応鎮守府近海を監視していた方がいいかもしれないね」
吹雪「そ、そうですね! 念には念をといいますし…」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:40:24.81 ID:DzKxoHjA0
龍驤「そうやなぁ、ならとりあえず今はウチが監視しに行くから」
川内「あっ、私も行くよ!」
伊58「お昼ご飯はゴーヤに任せるでち!」
U-511「ユーも手伝う…」
吹雪「あっ、私も手伝うよっ!」
伊58「吹雪は朝ごはんも作ってくれたし、お昼は私とユーで作るから大丈夫だよー!」
U-511「吹雪ちゃんと白雪ちゃんは休んでて大丈夫…」
吹雪「そ、そうかな? じゃあ、お任せするね?」
吹雪「じゃあ、私は鎮守府の裏の砂浜でアサリでも探しに行こうかな…」(アサリを漁りに…って思いついたけど言わない方がいいよね)
白雪「吹雪ちゃんアサリ採りに行くの? 私も行っていいかな?」
吹雪「もちろんだよっ! 霞ちゃんと清霜ちゃんも一緒に行かない?」
清霜「アサリ? もちろん私も手伝うよ!」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:41:41.18 ID:DzKxoHjA0
霞「それなら、あたしも手伝うわね」
吹雪「駆逐艦組だね! じゃあ早速行こうよっ!」トテトテ
伊58「まだお昼までは時間もあるしゴーヤたちは倉庫に行って魚雷の整備でもするでち」
U-511「魚雷は、大事…」
古鷹「じゃあ、とりあえずこれで解散ね。お昼までにはちゃんと食堂に集合ね? 駆逐艦の娘と潜水艦の娘はもし何かあったらすぐに私に報告してね」
古鷹「私は無線の確認をもう一度するために無線室にいるから」
「「はーい」」
古鷹「じゃあ、とりあえず解散ね」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:42:38.38 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜鎮守府4階見張り室〜
龍驤「それにしてもまさか航路を外れた敵艦が鎮守府の前を通るとはなぁ…」
川内「…そのことなんだけど、さっきは駆逐や潜水艦の娘がいたから言わなかったけどもしかしたら最初から鎮守府を狙っていたのかもしれないんだ」
龍驤「ん、どういうことや?」
川内「実は、さっきは目的もなしにぐにゃぐにゃ走ってるって言ったけど、敵艦は真っ直ぐにこの鎮守府めがけて航路を取ってたみたいなんだよ。まぁ、たまたまこっちに真っ直ぐ航路を取ってただけかもしれないけど…」
龍驤「なっ!?そ、それって…」
龍驤「で、でもちょっと待ちや! さっきも言ったけどここは小さいけどれっきとした鎮守府やで? いくらなんでもたったの二隻で…」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:44:30.44 ID:DzKxoHjA0
龍驤「それに、そもそも敵側がここに鎮守府があるっていう情報を持ってるかどうかすら怪しいで? ただ、陸地があったからちょっと寄ってみただけかもしれへんやん」
川内「うん、もしかしたらそうかもしれないけど…。でも今となってはこれを議論しても意味ないかも。だって、結局は敵艦を撃破せざるを得なかったし、敵側にこの鎮守府の存在がばれるのは時間の問題だよ」
龍驤「これはまずいで…。最低でも後1週間程度は他の艦娘は帰ってこない。いや、1週間たっても帰ってこない可能性さえある…」
川内「うん、それにこの島を脱出しようにも燃料はもうほとんどないし、近くに人が住んでいる島もない…」
龍驤「絶体絶命ってやつやなぁ、どうすればいいんや…」
川内「とにかく、1週間はなんとか生き延びて鎮守府を死守しよう。もしそれでも提督たちが帰ってこなかったら…」
龍驤「帰ってこなかったら…?」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:45:44.56 ID:DzKxoHjA0
川内「それはその時考えるしかないよねっ!」
龍驤「って、キミぃ、結構適当やなぁ…」
川内「だって、無線も使えない、この島から脱出も出来ない。だったらとりあえずはこの鎮守府を死守するしかないじゃんっ!」
龍驤「まぁ、せやな…。幸い弾薬、魚雷はそこそこあるみたいやしなにがなんでも1週間死守するでー!」
川内「やるしかないね!」
川内「…あっ、裏の砂浜で駆逐艦たちがじゃれ合ってる」
龍驤「なんやあの娘達はアサリを漁りに入ったんやないのか」チラッ
川内「…駄洒落?」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:46:37.13 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
霞「アサリを採りに行くってことは鎮守府の裏の海岸よね?」
吹雪「そうだね、裏の階段をぐるっと下っていこ!」テクテク
白雪「鎮守府の裏ってすごい崖だよね…」
清霜「だから、こんなに山の周りをぐるっと回るような階段の造りなんだね」
吹雪「そうだね、とても山を突っ切ってはいけないからね…」
霞「山をぐるっと回るからかなり遠回りよね」
白雪「でも、足腰は鍛えられそうだね」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:48:40.62 ID:DzKxoHjA0
〜砂浜〜
吹雪「ふぅ〜、やっと着いたねー!」
清霜「戦艦になるためにもたくさん採るっ!」
霞「アサリだけじゃなくて他のも採りたいわね!」
白雪「よーし、頑張ろうね!」
吹雪「あ、さっそくおっきいの見つけたよ、あっ」
霞「あ、あたしが先に見つけたのよ?」
吹雪「わ、私だよっ!」トリッ
霞「あーっ! あたしが見つけたのよー!」ガバッ
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:49:29.99 ID:DzKxoHjA0
吹雪「あっ、ちょっと霞ちゃん、飛びつかないでよっ!」ジタバタ
霞「返しなさーいっ!」グイグイ
吹雪「ちょ、ちょっと霞ちゃん、あははっ、く、くすぐったいよ!」
霞「アサリはあたしが貰ったわ」グッ
吹雪「やったなー…えいっ!」ガバッ
霞「きゃっ、ちょ、ちょっとやめなさいったら!」バタバタ
白雪「二人とも、服が砂まみれになっちゃってるよ!」
清霜「吹雪ちゃん、霞ちゃんと遊べて楽しそうだなー」チラッ
白雪「な、なにかな清霜ちゃん…?」
清霜「私たちも遊んじゃおっか!」ガバッ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:51:07.00 ID:DzKxoHjA0
白雪「ちょ、ちょっと清霜ちゃん!? あれは別に遊んでるわけじゃ」
清霜「問答無用でしょー!」
白雪「も、もう、みんな真面目にやってよー!」
〜数分後〜
吹雪「はぁ…はぁ…、アサリを採りに来ただけなのになんでこんな…」
霞「あ、アンタがしつこいからじゃない…」
白雪「もう、清霜ちゃんったら…」
清霜「なんだか、久しぶりに遊べた気がする!」
吹雪「でも、なんだかんだアサリは結構採れたね」
白雪「そうだね…だけど、かなり汚れちゃったし、お昼の前にお風呂入っておかないとダメだね」
霞「疲れた…」
清霜「じゃあ、お風呂行くよー!」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 20:55:50.32 ID:DzKxoHjA0
〜食堂〜
吹雪「戻りましたー」
龍驤「ん、もどったかー」
白雪「あ、龍驤さん見張りは…」
龍驤「あぁ、ゴーヤとユーに代わってもろたんや」
霞「そうなの? ならご飯食べ終わったら交代しに行かないとね」
清霜「そうだね!」
川内「そういえば無線の方はどうだった?」
古鷹「うーん、ダメみたい。うんともすんとも言わなかったよ」
龍驤「そうかぁ…まぁ、しゃあないわなぁ」
清霜「無線が使えないんじゃ、やっぱり私たちで頑張るしかないね!」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 20:58:20.05 ID:DzKxoHjA0
ドタドタドタ
伊58「た、大変でちっ!敵艦がこっちに向かってきてるでちっ!」
古鷹「ほんとっ!?」
U-511「まだ、遠くの方にいるけど向かっています…。ただ、ユーたちじゃ正確な艦種と数は分かりませんでした…」
龍驤「わかったで、全員出撃準備や! ウチと川内でまず敵艦隊の正確な数を把握するで!」
川内「了解!」
霞「行くわよ、みんな!」
吹雪「え、えっと…」アワアワ
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:01:19.59 ID:DzKxoHjA0
古鷹「吹雪ちゃんは初出撃だっけ?」
吹雪「は、はいっ! わ、私と白雪ちゃんは初めてです!」
古鷹「大丈夫、まずは落ち着くことが大事だよ!」
吹雪・白雪「「はいっ!」」
龍驤「まずは艤装をつけに行くで!」
♦ ♦ ♦
〜防波堤〜
龍驤「みんな、準備はできたか? 敵は駆逐4軽巡2の水雷戦隊や」
古鷹「目の色はどうだったの?」
龍驤「全艦とも青緑や」
川内「制空権は取ったよ!」
龍驤「よっしゃ、まずはウチがかましたるで! 艦載機のみんなお仕事やで!」
古鷹「ゴーヤちゃんとユーちゃんは先制雷撃の準備をよろしく! なるべく接触をしないように先制で出来る限り沈めるよ!」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:04:03.60 ID:DzKxoHjA0
伊58・U-511「「了解!」」
川内「私たちは龍驤、ゴーヤ、ユーが沈められなかった敵を沈めるよ!」
古鷹「よし、みんな単縦陣だよ!」
「「了解!」」
龍驤「よしっ! 軽巡ホ級一隻中破、駆逐イ級一隻撃破! …あとは頼むでっ!」
伊58「よし、ゴーヤたちの出番でち!」
古鷹「二人とも龍驤ちゃんが中破させてくれた軽巡を狙って雷撃お願い!」
U-511「了解しました、行きます! Feuer!」ドゴンッ
伊58「魚雷さん、お願いしますっ!」ドゴンッ
しゅるるるるるるるー
どがぁんっ!! ぱらぱら…
川内「よし、中破してた軽巡撃破! 隣の軽巡も小破したみたい! ナイスだよゴーヤ、ユー!」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:05:54.11 ID:DzKxoHjA0
古鷹「よし、みんな気を引き締めて! 砲雷撃戦、用意!」
ガチャ
ざざざーん…
ざざざざざーん……
軽巡ホ級「ぐがぁぁぁっ」
古鷹「てぇーっ!」
どがぁぁんっ!
駆逐イ級「ぐぎゃっ」ぱらぱら…
清霜「よしっ、一隻撃破っ!」
駆逐イ級「ぎゃあああっ!」
霞「清霜っ!」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:07:29.35 ID:DzKxoHjA0
どがぁんっ!
清霜「うわっ、あっぶなー…か、霞ちゃんっ!」
霞「くっ…油断しちゃダメでしょっ! けどっ、仕留め損ねたっ!」
吹雪「お願い、当たってくださいっ!」ズガンッ
駆逐イ級「ぐぎゃっ」ぱらぱら…
霞「ナイスよ、吹雪!」
吹雪「霞ちゃんが、ダメージを与えてくれたから当てられたんだよ!」
古鷹「沈んでっ!」ドガァンッ
軽巡ホ級「ぎゃぁぁっ」ぱらぱら…
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:08:38.96 ID:DzKxoHjA0
吹雪「さ、さすが古鷹さん、すごい火力です…!」
白雪「こ、これが実戦…!」
川内「ほら、白雪ぼやぼやしちゃダメッ! 後は駆逐だけだよっ!」
白雪「は、はいっ!」(訓練通りに訓練通りに…)
白雪「特型駆逐艦の力、ご覧くださいっ!」ズガンッ
駆逐イ級「ぎぃぃ!」
白雪「は、外し…」
川内「ナイス、白雪! 十分だよっ! よーっし、ファイアっ!」ドガン
どごぉん!
駆逐イ級「ぐぎゃあああ」ぱらぱら…
白雪「あ、ありがとうございます、川内さん。すいません、足を引っ張ってしまって…」
川内「いやいや、初の実戦にしては結構動けてたと思うよ!」
白雪「はい…」
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:11:45.65 ID:DzKxoHjA0
古鷹「よし、これで全艦撃破できたみたいだね。みんな怪我はない?」
吹雪「か、霞ちゃんが…」
霞「大丈夫、ちょっと擦っただけよ」
清霜「ご、ごめんなさい、私が油断したのを霞ちゃんが庇ってくれて…!」ウルウル
清霜「ごめんね霞ちゃん、私のせいで…」
霞「こんな怪我くらいなんともないったら! それより、この反省を活かして次は油断しないようにするのよ?」
清霜「う、うんっ!」
川内「私と白雪も無傷だよ!」
白雪「はい…」
古鷹「よし、じゃあとりあえず鎮守府に戻るよ! 入渠まではする必要ないかもしれないけど、霞ちゃんの傷口を消毒しないと」
「「了解!」」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:15:13.17 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜会議室〜
清霜「霞ちゃん、大丈夫…?」ソワソワ
霞「だから、ただのかすり傷だったら!」
清霜「う、うん…」
龍驤「…みんな集まった?」
吹雪「えっと、川内さんがいないみたいなんですけど…」
龍驤「あぁ、川内には見張りに行ってもらってるんや」
龍驤「それでや。これから話すことは大事なことやからしっかり聞いてや」
龍驤「みんなも分かってるかもしれんけど、この鎮守府は恐らく敵に見つかり、標的にされている」
伊58「こんなみんなが居ない時に…」
龍驤「とにかくや。司令官が帰ってくるまではウチらだけで、鎮守府を守らなアカン」
霞「やるしかないみたいね…」
清霜「で、でも本当に立ち向かえるんですか…? 弾薬や魚雷はまだ余裕があるみたいだけど、燃料は…」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:17:16.14 ID:DzKxoHjA0
白雪「そうだよね…今の出撃で燃料は一人一回補給したらなくなっちゃうくらいまで減っちゃいましたよね」
U-511「ユーは魚雷さえあれば…」
龍驤「そこでや、燃料の消費を抑えるために魚雷を主体にした戦い方に切り替えるで」
白雪「魚雷を主体にですか?」
龍驤「そうや、海に出てもなるべく動かず鎮守府の傍から魚雷を発射する。敵を鎮守府に近づけてしまうんは危険やけど、この状況じゃあしゃあないんや…」
古鷹「そうだね、とにかく燃料の消費は最小限にしないとね」
吹雪「…」ブルッ
古鷹「…吹雪ちゃん、大丈夫?」
吹雪「は、はい…、みんな頑張っているのに私だけ弱音は吐けませんので…」
古鷹「吹雪ちゃん…」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:19:58.80 ID:DzKxoHjA0
龍驤「…まぁ、気を張りっぱなしでも疲れてしまうからな? 適度に緊張はほぐすんやで」
伊58「そうでちね」
U-511「分かりました…」
龍驤「ウチは夜ご飯の準備してくるからみんなはリラックスしててや」
吹雪「…あっ、私も手伝います!」
龍驤「キミはすごい動いたんだから休んでな? ウチは艦載機飛ばしただけやからそない疲れてないんや」
吹雪「い、いえ、そんなに疲れてません! それになんだか身体を動かしてないと落ち着かなくて…」
龍驤「そう? そんなら手伝ってや!」
白雪「吹雪ちゃんがやるなら私も…」
龍驤「ありがとな、じゃあ一緒に作ろか!」
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/12(木) 21:26:00.27 ID:DzKxoHjA0
龍驤「じゃあ、ウチらは行くな」
古鷹「うん、じゃあお願いしちゃうね、ありがと」ニコッ
古鷹(よし…、一回考えをまとめてみよう)
古鷹(恐らく、私たちはこの鎮守府ごと捨てられた。資材の無さ、提督から指示がなかったこと、そもそも鎮守府に私達みたいな練度の低い艦だけ残された時点でおかしかったんだよ)
古鷹(でも、もし本当に捨てられたとしたら一体鎮守府を捨てる理由って何だろう…? 確かにこの鎮守府は不便なところにあるけど…)
古鷹(執務室に何かヒントがあるかもしれない…。勝手に入ったらダメだけど、みんなが危険に晒されてる以上、というよりも捨てられたんなら勝手に入ってもいいよね?)
古鷹(よし、今から見に行こう。本当はみんなで固まっていた方が行動しやすいけど…しょうがないよね)
古鷹(えっと、川内ちゃんは4階の見張り室、龍驤ちゃんたちは厨房だから、潜水艦の娘と霞ちゃん、清霜ちゃんはこの会議室にいてもらおう)
古鷹「霞ちゃん、私ちょっとお手洗いに行ってくるね? もし何かあったらみんなをよろしくね?」
霞「…! ま、任せてっ!」
古鷹「それじゃあ、お願いね?」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:28:58.57 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
・9月13日 1700
〜厨房〜
龍驤「よし…、夕飯は吹雪や白雪たちが採ってきてくれたアサリがあるからちょっと豪華にできるでぇー!」
白雪「そうですね…アサリご飯にアサリとワカメの味噌汁、それにユーちゃんとゴーヤちゃんが獲ってきてくれた魚ですね!」
龍驤「ワインが飲みたくなるなぁ〜」
吹雪「龍驤さん…」ゴソゴソ
吹雪「って、あれお水がもうない…」
白雪「あっ、あさりの塩抜きとか、私たちが体を洗い流したときに結構使っちゃったもんね…」
吹雪「龍驤さん、私、お水汲んできますね! 一人じゃそんなに持てないから白雪ちゃんも一緒に行こ!」
白雪「うん、手伝うよ」
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:31:43.86 ID:DzKxoHjA0
龍驤「そんなら、ウチは軽く下ごしらえしとくなぁ、よろしく頼むで!」
吹雪・白雪「「はーい!」」
吹雪「じゃあいこっか、白雪ちゃん!」トテトテ
白雪「うん」トテトテ
♦ ♦ ♦
吹雪「今度は山登りだねー」
白雪「アサリを採りに行ったときは階段で山の周りをぐるっと回っていったけど、今度は山の中だね」
吹雪「うん、なんかこうなってくると山の中にも階段が欲しくなるね…。歩きにくい…」
白雪「そうだね…、ん…? あれ、階段の方からなにか来てない…?」
吹雪「え、階段…?」山の上から覗き込む
駆逐イ級「」のっそのっそのっそのっそ
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:34:26.77 ID:DzKxoHjA0
吹雪「あ、あれって敵じゃんっ!」バッ
白雪「ふ、吹雪ちゃん、静かに! 体勢を低くして見つからないように!」バッ
吹雪「う、うん…。で、でもどうして敵が…。というよりそもそもあいつらって歩けたの?」ヒソヒソ
白雪「歩けたかどうかは分かんないけど…」ヒソヒソ
白雪「多分、私たちが鎮守府の正面でさっきの敵と会敵してる時に忍び込んだんだと思う…」ヒソヒソ
吹雪「そっか、その時に…。それに階段とはいっても山の木々で上からは見えにくくなっているし、そもそもこの島に入ってきてるなんて思わないから川内さんの見張りからも逃れていたんだね」
白雪「ど、どうする、吹雪ちゃん?」ボソボソ
吹雪「え、えっと、とりあえず敵の数を…」ヒョコッ
吹雪「敵駆逐3、敵軽巡1、後あれは…重巡かな?」ボソボソ
白雪「うん、多分重巡だと思うよ。そいつもいるから全部で敵は5だね」
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:39:36.82 ID:DzKxoHjA0
>>115
最後の二行の敵の数を訂正します
【訂正後】
吹雪「敵駆逐4、敵軽巡1、後あれは…重巡かな?」ボソボソ
白雪「うん、多分重巡だと思うよ。そいつもいるから全部で敵は6だね」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:40:51.30 ID:DzKxoHjA0
吹雪「と、とにかく、私達だけでは相手できないよ! 鎮守府に戻ってみんなに報告しないとっ!」
白雪「そうだねっ! あいつらの動き、かなりのろいみたいだし、行こうっ!」ダダダッ
♦ ♦ ♦
〜厨房〜
吹雪「龍驤さんっ! た、大変ですっ!」
龍驤「どうしたんや、そんなに慌てて」
吹雪「て、敵が、山の中から!」
龍驤「敵? なにがあったんや?」
吹雪「え、えっとえっと」
白雪「敵の駆逐が4、軽巡が1、重巡が1。鎮守府裏手の階段からこちらに近づいています。恐らく私たちが鎮守府正面で敵とやり合ってる時に忍び込んだと思われます」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:42:53.83 ID:DzKxoHjA0
龍驤「な、なんやって!? それで敵はどこまで来てるんや!?」
白雪「はい、敵は海面とは違いかなり動くのが遅いので少しなら余裕があると思いますけど、それでももう結構近くまで来てると思います」
吹雪「それと、山の木々がうまく敵の姿を隠していたみたいなので川内さんもまだ気づいてないと思います!」
龍驤「よし、分かった! 吹雪、キミは確か走るのが速かったよな?」
吹雪「は、はい! 多分他の人よりは速いと思います!」
龍驤「それなら、会議室にいる子らを呼んで来てや! 後、見張り室にいる川内もや!」
吹雪「了解ですっ!」ダダダッ
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:45:57.32 ID:DzKxoHjA0
龍驤「よし、ウチらは出来ることをやるで! 白雪、弾薬は積んでるか?」
白雪「はいっ! 連装砲と魚雷もありますけど…、陸地じゃ魚雷は使えませんね」
龍驤「よし、そんだけありゃ十分や! 敵側に空母はいないみたいやし、ウチが制空権を取るから、白雪は山に隠れながら、敵を撃破してや!」
白雪「は、はいっ!」(怖いけど…みんなを守らないとっ、私にできることを…!)
白雪(今度こそは…!)
♦ ♦ ♦
〜鎮守府裏手、森の中〜
龍驤「白雪、危なくなったらすぐに逃げるんやで? あいつらは動きがとろいんやろ?」
白雪「…はい!」
龍驤「…よし、行くで!」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:53:07.93 ID:DzKxoHjA0
龍驤「艦載機のみんなよろしく頼むで!」ブゥーン
ドガーンドガーン
龍驤「っち、ダメや、駆逐1隻撃破したけど他は近づいてきてるで!」
龍驤「白雪、頼むで!」
白雪「は、はいっ!」カマエッ
白雪「狙いよし…撃ち方はじめ…」ドガンドガガガガガ
重巡「うぼあーっ!」ノッソノッソ
白雪「っ…」(だ、ダメっ! 山に隠れながらだと木が邪魔で狙いが定まらないっ…)
白雪(このままじゃ、また足を引っ張っちゃう…)
龍驤「くっ、ダメや、火力が足りへんっ!」ヒューゥ(敵も大分鎮守府に近づいてきてる…!)
ドゴンッドガガガン
龍驤「よ、よし、軽巡中破や! …けど、止まらへん、このままじゃあかんでっ。吹雪はまだか!?」
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/12(木) 21:55:40.11 ID:DzKxoHjA0
白雪「…龍驤さん、ごめんなさい」
龍驤「ん、なんかいったk」
しゅばっ!
白雪「ここは通しませんっ!」ズガガ
駆逐イ級「ごぎゃああっ」ぱらぱら…
白雪「や、やりました! 敵駆逐撃破っ」
龍驤「白雪、何を勝手に階段の方に降りとるんや!」
重巡リ級「がぁ…」
龍驤「〜〜っ! さ、避けるんや!」
白雪「えっ」
重巡リ級「うぼぁーっ!」
どがんっどがぁんっ!
白雪「きゃあああっ!!」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:58:26.58 ID:DzKxoHjA0
龍驤「し、白雪っ!」
白雪「う、うぅ…」ボロッ(…やっぱり、私ってダメだな)
龍驤「ま、まずい! 白雪、走るんや! そんなところに居たら敵の格好の的に…!」
龍驤「くそっ、艦載機も間に合わんし…。ウチの足じゃなおさらやけどっ、助けるには走るしかあらへんっ! 白雪っ白雪、逃げるんや!」ダダダッ
白雪「っぐ…」ボロッ(龍驤さんの指示を無視して階段に降りて、結局迷惑をかけて。それなのに敵を止めることもできなくって、足を引っ張って…)
白雪「あぁ、ごめんなさい…」
重巡リ級「うぼぁーっ!」
どがぁんっ
白雪「ごめんね、吹雪ちゃん…」ギュッ
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:00:04.00 ID:DzKxoHjA0
白雪ちゃんっ!
白雪「えっ」(誰かに持ち上げられた?)
ずどーんっ!
吹雪「…よかった、間に合ったみたい」ニコッ
白雪「吹雪、ちゃん…」
吹雪「ごめんね、遅くなって!」
白雪「ごめん、ごめんね…吹雪ちゃん。うっ、ぅぇっ…ぐすっ」ポロポロ
吹雪「白雪ちゃん私が来るまで頑張ってくれたんだね、後は私に任せてっ!」
龍驤「吹雪っ、よくやったで!」
吹雪「はいっ!」
重巡リ級「うぼぁーっ!」どがんどがんっ
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/12(木) 22:03:01.49 ID:DzKxoHjA0
龍驤「吹雪っ! 川内達はどうしたんやっ!」
吹雪「そ、それが会議室にも見張り室にも誰もいなくて…」
龍驤「な、なんやとっ…いったいどういう事や」
敵重巡「うぼぁーっ!」どごぉぉん!
龍驤「あ、アカン、ここにきて敵の弾幕が激しくなっとる…! って、ま、まずっ」シュバッ
駆逐イ級「ぐぎゃああっ!」
どがぁんっ
龍驤「こ、こりゃあちょーっちピンチやで…」ボロボロッ
吹雪「りゅ、龍驤さん! くっ、私がみんなを守るんだからっ!」ドガァンッ
駆逐イ級「ぎゃぁぁぁっ」ぱらぱら…
吹雪「よ、よしっ」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/12(木) 22:05:42.01 ID:DzKxoHjA0
重巡リ級「うぼぁーっ!」
吹雪「うわっ、あ、危ないっ」ヒョイッ
龍驤「くっ、ふ、吹雪、一旦退くんや! 立て直すでっ!」
吹雪「は、はい! 白雪ちゃん! 白雪ちゃんしっかりして!」(すごいケガ…私がおぶるしかない…!)
吹雪「大丈夫だからね」オブリ
白雪「う、うぅっ…」
龍驤「吹雪、はよせい!」
吹雪「は、はいっ! はぁ…はぁ…」
ずがぁんっずどぉんっ
白雪「ふ、吹雪ちゃん…私はいいから、もうここで降ろして?このままじゃ吹雪ちゃんまで…」
吹雪「嫌だよ! 絶対助ける、白雪ちゃんを置いて行く位なら、ここでやられた方がましだよっ!」
白雪「吹雪ちゃん…」
龍驤「よ、よし、! 吹雪、白雪、こっちや!」
ずががんずどんっ!
吹雪「はぁ…はぁ…」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:07:04.67 ID:DzKxoHjA0
白雪「うぅっ…」(最後まで私は迷惑を、不甲斐ないよ…自分が情けないよ…)ギュッ
白雪「ほんとに…ごめん、ね……」ガクッ
駆逐イ級「がぁぁっ!」どがぁんっ!
龍驤「あかんっ! 吹雪、白雪避けるんや!」
しゅばっ
龍驤「ふ、ふるっ」
吹雪「よ、避けられなっ」(ここまでか…やっぱり私なんて…)
どがんどがぁんっ
吹雪「あ、あれ、無傷…?」
古鷹「大丈夫? 吹雪ちゃん、白雪ちゃん?」
吹雪「ふ、古鷹、さん…?」
古鷹「良かったよ、間に合って」ニコッ
吹雪「ふ、古鷹さん、わ、私の代わりに敵の攻撃を…」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:08:44.41 ID:DzKxoHjA0
古鷹「あんな駆逐艦の攻撃なんて、私には効かないから大丈夫だよ」
吹雪「古鷹さんっ、古鷹さんっ…私もうダメだと思って…白雪ちゃんもいるのに、避けられなくって…」ポロポロ
古鷹「吹雪ちゃん…」ナデナデ
吹雪「ごっ、ごめんなさいっ…」ポロポロ
古鷹「…」ギュッ
古鷹「さっ、泣いている場合じゃないよ。まだ敵はいるんだから、吹雪ちゃんまだ戦える?」
吹雪「はいっ!」
龍驤「吹雪っ! 白雪っ! 古鷹っ!」ズルッズルッ
古鷹「龍驤ちゃんも大丈夫!?」
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:14:52.36 ID:DzKxoHjA0
龍驤「まぁ、ちょっち、な。ほんのちょーっちだけまずいなぁ…たはは」
古鷹「…じゃあ、白雪ちゃんを頼めるかな? ここは私と吹雪ちゃんに任せて」
龍驤「…了解や。今のウチじゃ足手まといやしなぁ…」
龍驤「…中破しても大破してもええから、生きて帰ってくるんやでっ!」ニコッ
吹雪「はいっ! それじゃあ白雪ちゃんをお願いしますっ!」
龍驤「む、気絶しとるな。分かった、二人とも暴れてきてなっ!」グッ
龍驤(くぅっ、こりゃ足に来とるなぁ…。いや、ウチよりもまずは白雪を入渠させへんとダメや)ズルッズルッ
古鷹「よし、とりあえずは安心だね。吹雪ちゃん、今の敵の情報は?」
吹雪「は、はい、えっと…重巡1、駆逐1、軽巡1です!」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:18:19.19 ID:DzKxoHjA0
古鷹「了解。なら、まずは軽巡から沈めるよ」
吹雪「は、はいっ!」(…本当に勝てるのかな。敵の重巡、かなり大きい…)ブルブル
古鷹「…吹雪ちゃん、怖い?」
吹雪「い、いえっ、大丈夫ですっ!」ビシッ
古鷹「大丈夫、落ち着いて。私が必ず守るから。…同じ場所で眠るのは、前世の私達だけで十分だもんね」ニコッ
吹雪「…! はいっ!」ドキッ(震えがなくなった…)
古鷹「よしっ、行くよっ!」
吹雪「はいっ! 吹雪、頑張りますっ!」
吹雪「当たってくださいっ!」ズガガガッ
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:22:26.02 ID:DzKxoHjA0
古鷹「まずは、あなたですっ! 沈んでっ」ドガァンッ
軽巡ホ級「ぐぎゃあああっ」ぱらぱら…
吹雪「や、やりましたっ!」
古鷹「まだだよっ! 最後まで気を抜いちゃダメッ!」
吹雪「はいっ!」
古鷹「敵は連携を取れてない、私たちは連携を取っていくよ! まずは駆逐を沈めるよっ!」
吹雪「はいっ!」
古鷹「吹雪ちゃん、私が弾幕を張って二隻を足止めするからその間、吹雪ちゃんは駆逐を集中して狙って!」
吹雪「分かりました!」
重巡リ級「うぼぁーっ!」
駆逐イ級「ぐぎゃあああっ」
古鷹「吹雪ちゃん、おねがいっ!」ズガガガガガガガガガガガガッ
吹雪「今だっ!」ズガガガッ
駆逐イ級「ぎゃあああああっ」
吹雪「なっ、し、しずまなっ…」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:23:15.12 ID:DzKxoHjA0
重巡リ級「ぐがあああ」ずがぁんっ
吹雪「あっ、まず…」(…当たるっ)
古鷹「危ないっ」ギュー
ずどぉんっ!!!
古鷹「うぐっ…」
吹雪「ふ、ふるっ…」
古鷹「うっぐぅ…よ、よそ見しないっ! …沈んでっ」ズガガァン
重巡リ級「ぐがあああああっ」ぱらぱら…
駆逐イ級「ぐぎゃああああっ」
吹雪「古鷹さんっ! 今度は私がっ、守るんだからっ!」ズガガガンズガァンッ
駆逐イ級「ぐがぁぁ」ぱらぱら…
吹雪「はぁ…はぁ…」
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:25:20.08 ID:DzKxoHjA0
古鷹「…作戦完了だね、お疲れ様吹雪ちゃん」ニコッ
吹雪「古鷹さん…私…」
古鷹「ん、どうかした?」ボロッ
吹雪「わ、わたっ、し…ま、守られてばっかりで、ぐすっ…結局、古鷹さんに被弾させてしまって…、どうしていいか分からなくて…」ポロポロ(また…寒い、寒いよ…)ブルブル
古鷹「…でも、最後に吹雪ちゃんは私を守ってくれたよね?」
吹雪「あ、あんなのは…」
古鷹「私たちは艦隊(チーム)なんだよ? お互いが庇いあうのは普通の事なの。だから、私は吹雪ちゃんを庇ったの。でも、吹雪ちゃんも私を庇ってくれた」
吹雪「…」
古鷹「ね、だから、謝罪は無し! ね?」
古鷹「あ、もちろん感謝はしないとダメだよ? 吹雪ちゃん、ありがとねっ」ニコッ
吹雪(あったかい…。古鷹さんが私を暖かい場所にまで連れてきてくれたみたい…)
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 22:27:19.43 ID:DzKxoHjA0
吹雪「うっ…ぐすっ、は、はい…、あ、ありがとうございます、古鷹さん」ゴシゴシ
古鷹「…落ち着いた?」
吹雪「はい、ありがとうございます…」
古鷹「もう、吹雪ちゃんは白雪ちゃんのお姉さんなんだからそんなに泣き虫じゃだめだよ」ナデナデ
吹雪「あっ…は、はい…///」(う、うわわ、な、何これ、顔が熱いっ!)
古鷹「よし、じゃあみんなの所に戻ろうか?」
吹雪「はい!」
吹雪「…あ、そういえば、川内さんとかゴーヤちゃんたちってどこに行ったか知ってますか?」
古鷹「え? 会議室にいなかったかな?」
吹雪「いえ、居なかったですけど…」
古鷹「あれ、おかしいなぁ…。まぁ、白雪ちゃんと龍驤ちゃんも心配だしとりあえず鎮守府に戻ろっか?」ニコッ
吹雪「は、はいっ!」ドキドキ
古鷹「…」
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 00:13:07.98 ID:auf6yCdJo
ふむ
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:22:59.06 ID:aiS2sff8O
♦ ♦ ♦
・9月13日 1710(ヒトナナヒトマル)
〜見張り室〜
川内「ふぅー、そろそろ夜戦の時間だなぁ…。敵もどうせなら夜に来てくれればいいのに、ってこんな時に不謹慎だね…」
川内「それにしても、今日は全然寝てないからさすがに眠いー!」ノビー
川内「それにしても、穏やかな海…」
川内「…ん、鎮守府正面からまた何か」ジーッ
ざざざざざざざざざ・・・・・・
ざざざざざざざ・・・・・・・・
川内「て、敵艦隊っ! …軽巡1、駆逐3の水雷戦隊だっ」(眼は…青緑色に光ってるみたいだね)
ざざざざざざざざざ・・・・・・・・
川内「すっ、すごいスピードで真っ直ぐにこっちに来てる! くっそぉ、ここの放送も使えないし、走ってみんなに知らせないとっ」ダダダッ
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:24:52.18 ID:aiS2sff8O
〜会議室〜
がちゃっ
川内「みんなっ、いるっ!?」
清霜「どうしたんですか、そんなに慌てて?」
霞「古鷹はトイレに行ってるわよ」
川内「鎮守府正面から敵水雷戦隊が来ているよっ! みんな今すぐ準備してっ!」
伊58「了解でち!」
U-511「龍驤さん達は、呼ばなくてもいいんでしょうか…」
川内「敵はかなりのスピードで近づいてきてるっ! 厨房は鎮守府の裏手と繋がってるから呼びに行ってる暇はないよっ! 出撃場所に行くまでの途中、トイレによって古鷹だけ連れてすぐに出るよ!」
川内「それに、敵の数的にも私達だけで大丈夫だと思うからっ!」
「「了解!」」
〜移動中〜
川内「古鷹っ! …古鷹、トイレにいないじゃんっ!」
霞「そ、そんな…お、おかしいわよ! トイレに行くって言っていたのに」
川内「…とにかく急がないと! 私達だけでやるしかないね、ゴーヤ、ユー!」(古鷹がいないけど、敵は4隻…開幕雷撃をゴーヤとユーに2回ずつしてもらえば多分大丈夫なはず!)
伊58「な、なんでち?」
川内「二人の開幕雷撃で出来る限り撃沈するよ! …できる?」
U-511「はい、がんばります…!」
伊58「ま、任せるでち!」
川内「よし、行くよっ!」
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/14(土) 22:26:43.97 ID:aiS2sff8O
〜鎮守府正面〜
川内「やっぱり、相当速いペースで来てる…。ゴーヤ、ユー、今すぐ準備して!」
伊58「こ、怖いの沢山いるでち…!」
U-511「たくさんいるけど、負けません…!」
敵水雷戦隊「」ざざざざざざ…
川内「よし、準備はいいね…、開幕雷撃一発目…てぇーっ!」
伊58「魚雷さん、お願いしますっ!」シュルルッルルルル
U-511「ユーの魚雷さん、頑張って…!」シュルルルッルルル
駆逐イ級A「ぐぎゃあああああっ」ぱらぱら…
駆逐イ級B「ぐぎゃっ」
伊58「やったでちっ! 敵駆逐1隻撃破だよ!」
U-511「沈め損ねました…、敵駆逐中破です…!」
川内「上々! よし、二撃目行くよっ! ゴーヤ、ユー、魚雷の準備はオッケー?」
ずざざっ…ずざざっ…
霞「ちょ、ちょっと、なんだか水雷戦隊の後ろからなにか来てない…?」
清霜「本当だ、何か…」
川内「なっ、あれは重巡と…あと駆逐二隻!? どうして…」
軽巡ホ級「ぐぎゃああああああっ!」どががんっ
U-511「いやっ…!」ボロッ
伊58「ユーっ!?」
U-511「ご、ごめん、ゴーヤ…。ユー、ちょっと浮上を…」
伊58「ご、ゴーヤの魚雷さん! ユーの仇を…!」シュルルルッルッル
駆逐イ級C「がああああっ」パラパラ
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:29:14.32 ID:aiS2sff8O
どがぁんっ
伊58「や、やった…きゃっ!?」
伊58「う、うぅっ…あぁ、私の水着がぁ…」ボロッ
川内「ゴーヤ、ユー!」
U-511「ごめんなさい、ユー、やられちゃいました」ボロッ
伊58「ちょっと、痛い痛いでち…」ボロッ
川内「二人は、安全な場所へっ!」(ゴーヤとユーが駆逐2隻を撃破、1隻を中破してくれた。残りは第二陣も合わせて敵重巡1隻、軽巡1隻、敵駆逐3隻、そのうちの1隻は中破…)
重巡リ級「うぼあーっ!」
川内(私のミスだ、きっと第一陣の後ろに第二陣も控えてたんだ…! 第一陣の姿がやっと見えるくらいの時に見張り室を出ちゃったからその後ろの第二陣の存在に気づけなかったんだ…)
川内「くそっ、もっと慎重に動けばっ…!」ガンッ
霞「川内、なにぼけっとしてんのよっ! とにかく第二陣が来るまでに第一陣を沈めなきゃったら!」
清霜「そうですよっ! 重巡でもなんでも来てちょうだいっ!」
川内「…そうだねっ! よしっ、まずはゴーヤとユーが中破にしてくれた駆逐、その後に軽巡を倒すよ!」(そうだ、私が弱気になったらダメじゃんっ!)
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:31:44.44 ID:aiS2sff8O
川内「行くよっ! 砲雷撃戦よぉーい…てぇーっ!」ズガガガガンッ
清霜「戦艦並みの火力見せてあげるっ!」ズガガガガッ
霞「沈みなさいっ!」ズガガガガッズガガ
駆逐イ級B「ぐぎゃああああ」ぱらぱら
川内「よ、よしっ…」
清霜「川内さん、危ないですっ!」
川内「えっ」
重巡リ級「うぼぁーっ!」どがぁん
川内「くっ…」ヒョイッ
川内「っぶなぁー、ありがと清霜!」
霞「っく…、敵が集まっちゃったわね! とにかくやるしかないわっ!」
川内「…とにかく、頭数減らすよっ! まずは駆逐から!」
霞「分かったわ!」
清霜「了解ですっ!」
川内「よし、バリバリ行くよっ…!」ズガガ
重巡リ級「うぼぁーっ!」どごぉん
川内「〜〜っ! 霞っ! 避けてっ!」
霞「え…」
清霜「霞ちゃんっ!」ダキッ
清霜「きゃあっ!?」ボロッ
霞「き、清霜っ、清霜っ!」
清霜「あっ、か、霞ちゃ…、良かった。今度は私が霞ちゃんを守れた、かな?」ニコッ
霞「バカっ! …ばかっ! 清霜ったら、なんで…」ポロポロ
川内「くっ…、沈んでっ!」ズガガガッ
駆逐イ級D「ぐぁああああああ」ぱらぱら…
重巡リ級「うぼぁーっ!」
ずがぁんっ
川内「くっ、いくよっ…!」ズガガガガッ
重巡リ級「うぼあーっ!」ずごぉんっずごおんっ
川内「くっ…! だめだっ、私達じゃ火力が足りない…」
霞「清霜っ! 清霜っ! しっかりして!」ユサユサ
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:35:28.01 ID:aiS2sff8O
清霜「霞ちゃん…あたしは大丈夫、それに私達は艦娘なんだから敵を倒して…」
霞「…違うっ! あたしは艦娘だから清霜を助けるのよっ!」ギュッ
霞「艦娘の役目は敵を倒すだけじゃない、仲間を助けるのも艦娘の役目なんだったら! あたし達は前世の時からそうしてきたじゃないっ」ギュッ
軽巡ホ級「うがぁぁっ!」ずどぉんっ
霞「清霜っ!私が守らないとっ…」ガバッ
清霜「霞ちゃん、逃げっ…」
川内「霞、清霜っ!」(ダメッ、間に合わなっ)
ずだぁんっ
ズドドドドドッ
軽巡ホ級「うがぁぁっ」ぱらぱら…
霞「あ、あれ…無傷…?」
川内「ど、どういうこと…? 艦娘は私たち以外居なかったんじゃ…」
青葉「どーも、青葉ですっ! …状況が呑み込めないんですが、とにかく助けに来ました!」
青葉「ここは青葉にお任せっ…!」ズガガガッ
駆逐イ級E「ぐぎゃあああっ」ぱらぱら…
青葉「川内ちゃん、行ける!?」
川内「あっ、う、うんっ!」
重巡リ級「うぼぁーっ!」
どごぉんっ
青葉「おっと、危ないですねー! 次はこっちですよっ!」ズガガガガッ
敵重巡「ぐわぁぁっ!」
青葉「川内ちゃん、とどめ行っちゃって!」
川内「とどめだよっ!」ズガガガッズガガガッ
重巡リ級「ぐ、ぐぁぁ…」ぱらぱら…
川内「はぁ…はぁ…、て、敵艦隊撃破っ!」
伊58「や、やったでち!みんなすごいよぉー!」
U-511「す、すごい…」
霞「清霜、大丈夫?」
清霜「うん、私は大丈夫だよっ」
霞「良かった…!」
川内「よ、良かった…、みんな無事みたいだね!」ホッ
川内「良かった…本当に…」
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:38:41.01 ID:aiS2sff8O
青葉「あ、あのぉー、これってどういう状況なんですかね?」
川内「はっ! そっか、え、えっと…青葉、よね?」
川内「えっと…、どうして青葉がここにいるの? 確かウチには着任してなかったはずだし、そもそも鎮守府に残ったのは私達だけのはず…」
青葉「いや、青葉もよく分からないんですけど、ついさっき着任してこっちの方から砲撃音が聞こえてきたから来てみたら、敵に襲われてて…」
川内「う、うーん…って、この話は後回しにしよっ! 今はみんなを入渠させないとっ!」
青葉「う、うん、了解ですっ!」
霞「清霜、今治してあげるわ」オブリ
清霜「うん…ありがとっ! 霞ちゃんカッコ良かったよっ!」
霞「な、何言ってるのよ…、べ、別にあのくらい」ゴニョゴニョ
川内「ゴーヤ、よく頑張ってくれたね」オブリ
伊58「すみません…治してくだち…」
川内「大丈夫、すぐに治るよっ」
青葉「あ、あのー、新入りの青葉型 1番艦 重巡洋艦の青葉です。あなたはU-511さんですよね?」
U-511「は、はい、ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です…ユーとお呼びください」
青葉「お怪我が治ったら是非、お話しをっ!」
U-511「?」
〜入渠ドッグ〜
伊58「はぁー、痛いの痛いの飛んでいったよー」
U-511「ユー、万全です…」
霞「清霜、良かったわ…」
清霜「あの位ならすぐ治っちゃうよっ! 私、戦艦に近づけたかなぁー!?」
龍驤「いやはや、まぁみんな無事でよかったわぁ。それにしてもまさか、島の表と裏から同時に敵が侵攻してきてたとはなぁ…」
川内「敵側もこの島を本気で取りに来ているみたいだね…」
白雪「そうですね、明らかにこの島を標的にしています」
青葉「あのー、それでできれば事情を教えてほしいなーって」
龍驤「うーん、事情を話すと長くなるんやけどなぁ…。それにウチらもまだ分からないことが多いしなぁ」
川内「それよりも、私は青葉が何でここにいるのかが気になるよっ」
青葉「あー、そのことですけど、青葉もつい今さっき工廠で目を覚ましたばかりで何も分からないんですよね…」
龍驤「ほーん…」(…となると、捨てられたっていう可能性は減った、のか? 捨てる鎮守府にわざわざ新しい艦娘を着任させる必要はないもんなぁ)
川内「そっかぁ…、よしっ分かったよ! じゃあ、私たちも今の状況を教えるねっ!」
青葉「あっ、ちょっと待って下さいね…めもめも…、よしっ、いいよ!」
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:41:52.44 ID:aiS2sff8O
川内「まず、この鎮守府にどうして私達しかいないかだけど」
霞「2日前にこの鎮守府内の練度の高い艦娘はみんなはとある大規模作戦に参加するために別の大きな鎮守府に出発したわ」
清霜「ちなみに、みんなが帰ってくるのはあと5日位だと思いますっ!」
青葉「ふむふむ、なるほど」メモメモ
川内「まぁ、それでうちの鎮守府は小さいからみんなで分担して食事とかの担当を決めて取り掛かろうとしたんだよね」
白雪「はい。でも、そこで食料や水がないことが発覚して、さらに無線機器や鎮守府内の放送機器までもが使われてないことが判明したんです」
青葉「えっ!? ど、どういうことですかっ!?」
伊58「ゴーヤたちに言われても分からないよー、でも燃料とかもほとんど残ってなかったから助けを呼びに行くこともできなかったし」
U-511「それに、この鎮守府の周りには人の住んでいる島はないらしいです…」
青葉「な、なるほど、完全に陸の孤島状態だったんですね…」
霞「まぁ、ここはノンフィクションの陸の孤島だけどね」ボソッ
龍驤「それで、みんなで協力して食料や水の確保をしながら過ごしてたんやけどなぁ。…敵が攻めてきよったんや」
川内「うん、最初はこの鎮守府が目標かどうかわかんなかったけど、一旦撃破しちゃったから今は完全に狙われちゃってるってわけ」
青葉「ふむふむ…、なるほどそんなことが」
霞「だから、とにかくこの島で生き残るしかないってわけよ」
伊58「ゴーヤの魚雷さんにお任せでち!」
U-511「ユー、みんなの役に立てるように頑張ります…!」
川内「確かに、今は何とかなってるけどもし向こうが正規空母や戦艦を出して来たら…」
清霜「戦艦は強いからね…」
霞「…そんなこと言ったって現実は変わらないわ。とにかくあたし達にやれることをやりましょ」
白雪「そうだね。って、そういえば私まだご飯作ってる最中でした…。今から作りに…」バシャッ
白雪「…っつ」ズキッ
龍驤「ちょ、ちょっとキミ! 大破並みにぼろぼろの状態なんやからしっかり治さんとっ!」
白雪「そ、そうですよね…」ブクブク
龍驤「…」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:45:10.60 ID:aiS2sff8O
青葉「あっ、夕食はまだだったんですか? それなら青葉にお任せっ」
川内「それなら、私も手伝うよ。青葉はまだ厨房がどこにあるか分からないでしょ?」
青葉「じゃあ、お願いしますね。よろしく、川内ちゃん!」
川内「オッケー…って、そういえばいつのまにか夜になってる! よーっし行っくぞー!」ダダダ
青葉「あっ、ちょっと待ってよー!」ダダッ
霞「はぁ、全く慌ただしいわね」
清霜「そうだね」
霞「清霜はもう大丈夫?」
清霜「うんっ、もうたーっぷりお風呂入ったから治っちゃってるよ!」
霞「じゃあ私たちもそろそろ出ましょうか」バシャ
清霜「そうだね!」バシャ
霞「じゃあ、私と清霜は先にあがってるわね」
伊58「分かったでちー! ゴーヤはもうちょっと水の中で…」ブクブク
伊58「ほら、ユーも潜水艦なら潜る練習をするでち!」
U-511「分かった、練習しよう…」ブクブク
伊58「ゴーヤもっ」ブクブク
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:46:56.01 ID:aiS2sff8O
白雪「…」
龍驤「…悔しい?」
白雪「えっ? な、何か言いましたか?」
龍驤「さっきの敵との交戦。ウチの指示を無視して戦闘不能になって、吹雪に助けられて」
白雪「…いえ、あれは私の力不足だったのでしょうがないことだと思います」
龍驤「ふーん、そうか…」
白雪「はい、勝手に飛び出して、戦えなくなって、吹雪ちゃんに助けられて、龍驤さんや古鷹さんに迷惑をかけてしまって…」
龍驤「…」
白雪「私はきっと役に立てると思ってたのに…みんなを守りたかったのに…」
白雪「くっ…悔しいですっ…。役に立てない自分が、悔しいです…」ポロポロ
龍驤「…そうやなぁ」
白雪「うぅっ…、ぐすっ」
龍驤「確かに悔しいやろなぁ。…でも、それはウチも同じなんやで?」
白雪「え…?」
龍驤「ウチだって白雪を守れんかったもん」
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:48:39.87 ID:aiS2sff8O
白雪「で、でもそれは、私が指示を無視してしまって」
龍驤「それでも守れんかったのは悔しいんやっ! ウチの前で被弾しそうな仲間を救えなかったのは悔しいんやっ!」
白雪「龍驤さん…」
龍驤「だから、次は守る。 そう心に決めた」
龍驤「ウチなあの時の白雪を見てて思ったんや。きっとこういう…仲間を想う気持ちが強いほど命令を無視しちゃうんやろうなぁ、って」
白雪「え…」
龍驤「だから、ウチだって…もし、自分が『やるしかない』って思ったら指示に背いちゃうかもしれん、ってことや」
龍驤「だから、白雪は悪く無い、仲間が大切やったんやろ、守りたかったんやろ?」ナデナデ
白雪「りゅ、龍驤さん…う、うぅぅ…ご、ごめんなさい、わ、私、私っ…!」ポロポロ
白雪「うぅっ」ギュー
龍驤「お、おっとっと、ちょ、ちょっちキミ! は、裸で抱き着かんといてやっ!」アセアセ
龍驤「なんや、大人びて見えててもやっぱりまだ子供やなぁ」ナデナデ
伊58「ぷはぁっ!」バシャ
U-511「ぷはぁぁ」バシャッ
白雪「はっ!?」バッゴシゴシ
伊58「なかなかやるでちね、ユー!」
U-511「疲れた…少し休みたい」
龍驤「おーい、潜水艦のお二人さんもそろそろ上がるで!」
伊58「分かったでち」
U-511「はい」
龍驤「白雪も上がるでぇ」
白雪「はいっ」ビシッ(龍驤さんって、すごいな…)
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:53:56.88 ID:aiS2sff8O
♦ ♦ ♦
・9月13日 2000
〜敵艦隊撃破後、見張り室〜
古鷹(執務室の資料を見てなんとなく分かった部分があった。)
古鷹(まず、この鎮守府の提督は徹底した合理主義だってこと。これは前々から思っていたけど私たちの提督は艦娘と必要以上の接触はしなかった)
古鷹(資料などを見ても、出撃や建造でも本当に無駄がなかった。とにかく合理性を重視していたことから潜水艦の娘達の資材集めもなかなか大変だったみたい)
古鷹(もう1つ。鎮守府の場所の重要性だよね。この付近は無人の島が多数点在している場所らしい)
古鷹(…そして、私達には知らされてなかったけど資料を見る限りこの鎮守府は深海側の本拠地の一つとほど近い場所にあるみたい。だからこそ、敵に見つからないように鎮守府を大規模にできなかったのかもな…?)
古鷹(そう考えると恐らく最初に川内ちゃんたちが会敵したのは本当に迷った艦だと思う。ここは潮流の関係で自然に航行していれば流れつかない場所だし、そもそも今までばれていなかったのだから)
古鷹(でも、そう考えるとおかしいことも出てくる。川内ちゃんたちの後に続いた敵艦隊だ。ここに鎮守府があるって分かっているはずなのになんであんなに中途半端な戦力を差し向けたのだろう)
古鷹(向こうにそこまでの知能がなかった…? いや、島の表と裏から同時に侵攻してきたりある程度の戦略思考は持ち合わせているはず…)
古鷹(じゃあなんで…)
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:54:58.94 ID:aiS2sff8O
古鷹(うーん、だめだ、何も思いつかない)
こんこん
古鷹「」ビクッ
吹雪「古鷹さん、吹雪です!」
古鷹「吹雪ちゃん? どうしたの」ガチャ
吹雪「あの、やっぱり、わ、私も見張り手伝います!」
古鷹「いやいや、さっきも言ったけど見張りは私一人で十分だよ? 吹雪ちゃんは体を休めてて」
吹雪「わ、私、古鷹さんと見張りがしたいんです!」
古鷹「そ、そう? ならお願いしようかな」(一緒に見張りがしたいなんてもの好きな娘だね)
吹雪「あ、ありがとうございます!」
吹雪「あの、さっきはありがとうございました!」
古鷹「いやいや、こちらこそ吹雪ちゃんには助けられたよ。ありがとね」
吹雪「あ、は、はい///」
吹雪「…」
古鷹「…」(空気が…)
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/14(土) 22:56:33.59 ID:aiS2sff8O
古鷹「え、えっと…吹雪ちゃんは白雪ちゃん以外にも確か叢雲ちゃんが妹にいたよね?」
吹雪「は、はい! 叢雲ちゃんは練度が高いので司令官と一緒に大規模作戦に参加しに行っちゃいましたけど」
古鷹「そっかぁ。自慢の妹さんだね!」
吹雪「はい! 叢雲ちゃんはすごい強いので…私も負けないように頑張らないとっ!」フンス
古鷹「そうだね、叢雲ちゃんが帰ってくるまでに少しでも強くならないとね! というよりも吹雪ちゃんこの数日で大分練度上がったよね」
吹雪「そうですかね? 実践を何度もやっているからでしょうか?」
古鷹「恐らくね。 吹雪ちゃんだけじゃなくてここにいるみんなも少なからず練度は上がっているよ」
吹雪「な、なんだかやる気出てきました!」
古鷹「ふふっ」
吹雪「え、えっと…古鷹さんには姉妹が居ましたっけ?」
古鷹「うん、いるよ。加古って言う妹がいるんだけど…この鎮守府には着任してないんだ」
吹雪「そ、そうだったんですね」
古鷹「うん、でも今は吹雪ちゃんが妹みたいなものだから寂しくないかも!」ニコッ
吹雪「そ、そうですか、えへへ、なんか嬉しいです!」
古鷹「…吹雪ちゃんはこんな状況になっちゃったけど怖くない?」
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 22:58:15.63 ID:aiS2sff8O
吹雪「…怖くないって言ったら嘘になっちゃいます。でも、私には白雪ちゃんが、そしてみんながいるので、しっかりしないといけないんだって思うんです」
吹雪「古鷹さんが私を守ってくれたように、私もみんなを守りたいんです。」
古鷹「…吹雪ちゃんはもう十分みんなを守れてると思うよ」
吹雪「そ、そうですか?」
古鷹「うん!」
吹雪「な、ならもっと頑張りますね! 目標は叢雲ちゃん越えです!」
古鷹「ふふっ、きっと超えられると思うよ!」
吹雪「はい、私、もっと頑張りますよっ!」
古鷹(真っ直ぐな目…)
古鷹「…吹雪ちゃんは、もしもこのまま提督たちが戻ってこなかったらどうする?」
吹雪「司令官が…?」ウーン
吹雪「私は…私は、帰ってこなくても信じて待ち続けます」
古鷹「…どうしてかな? 私たちは状況的にこの鎮守府に置いてけぼりにs」
吹雪「司令官は帰ってこなかったとしても叢雲ちゃんは帰ってきてくれます。…約束したので」
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 23:00:19.35 ID:aiS2sff8O
吹雪「その為にも鎮守府は守ります。叢雲ちゃんが帰ってきたときに鎮守府を守れていなかったら、叢雲ちゃんに怒られてしまうので」タハハ
古鷹「…そうね」ニコッ
古鷹「なら、私は…そうだなぁ…。吹雪ちゃんが約束を守れるようにこの鎮守府を守ろうかな」ニコッ
吹雪「…っ!」カァァ///
吹雪「あ、え、えっと…」ドキドキドキドキ
古鷹「妹のお願いを聞くのはお姉ちゃんの役目だもんねっ!」
吹雪(…やっぱり私、古鷹さんの事が)
吹雪「…あ、あのっ!」
こんこん
吹雪「」ビクゥッ
川内「古鷹ー、見張り変わるよー!」
伊58「ご飯を食べてくるでち!」
古鷹「あれ、吹雪ちゃん何か言おうとした?」
吹雪「い、いやっ、何でもないです! え、えっとえっと早くご飯食べに行きましょう!」ダダダッ
古鷹「えっ、ちょ、ちょっと待ってよ吹雪ちゃん! 二人とも見張りの交代ありがとねー!」ダダッ
伊58「って、居ないと思ったら吹雪ここにいたでちね、それに相当お腹が減ってたみたいだし」
川内「そうね、きっと夜戦に備えるのよっ!」
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/15(日) 03:05:32.09 ID:8iL2FBG40
安価じゃないと何で人少ないかなあ…と、こういう艦これの質の良いss系をいつも見てて思う
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/15(日) 10:25:10.11 ID:8gN+Ljp8O
読んでるよ
続きはよ
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/15(日) 13:35:07.42 ID:eylTYw2o0
例え人が多くてもDASH島鎮守府みたいに必ずしもいいことがあるとは限らないからなぁ
かといって黙って見てても作者さんに読まれてるかどうか伝わらないから難しいね
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/15(日) 15:07:01.12 ID:j19OPfR00
読んでるよ
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 17:09:35.42 ID:1REbN0WmO
〜食堂〜
白雪「あっ、吹雪ちゃん! どこに行ってたの? 探しに行こうと思ってたところだったんだよ?」
吹雪「あ、ごめんね。古鷹さんと一緒に見張り室にいたんだ」
白雪「そうだったんだね」
吹雪「うん、白雪ちゃんも入渠終わったんだね! 良かったぁ」
古鷹「もうみんなはご飯食べたの?」
青葉「あっ、後は吹雪ちゃんと古鷹さんだけですよー!」
霞「青葉と川内が作ってくれたのよ」
清霜「おいしかったよっ!」
古鷹「へぇー、青葉が…」(それにしても白雪ちゃんたちの様子を見にちょっとだけドッグを覗いたら青葉がいてビックリだったよ)
青葉「むっ、どうして疑い深い顔を…」
吹雪「あ、あはは…じゃあ青葉さんいただきますね!」
青葉「どうぞどうぞ!」
古鷹「いただきます」モグモグ
古鷹「あ、なかなかおいしい」
青葉「きょーしゅくですっ!」ドヤッ
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 17:13:37.95 ID:1REbN0WmO
〜食後〜
古鷹「みんな、まだ眠くないかな?」
霞「まだまだ余裕よ!」
U-511「ユーも余裕です…」
古鷹「ありがとう! それじゃあさ、今から裏の階段を閉鎖しに行かない?」
龍驤「裏の階段…そうやな確かに壊しといたほうがええな。また裏から入り込まれたらかなわんからなぁ」
龍驤「敵は陸地での動きがのろかったみたいやし階段さえなければ山肌のあの崖を登ることは出来んやろ」
U-511「あ、あの…でもそれって、もし表側から敵が攻めてきたときにユーたちも裏から逃げることが出来なくなっちゃうんじゃ…」
霞「確かにそうね…、もしもの際に裏から逃げられないと手詰まりになっちゃうわよ! あたしは反対」
清霜「で、でも、もしも今日あったみたいに表と裏から入り込まれたらダメじゃない? …私は壊したほうがいいと思います」
霞「ちょっと清霜! それじゃあもし逃げなきゃいけないときどこに逃げるのよ! 鎮守府の裏手からはあの階段を通らないと海に出れないのよ!」
清霜「で、でもでも、もうどうせ燃料は少ないんだし、逃げられないんだったら片方の侵入経路閉じた方がっ…!」
霞「それでも、逃げる道は確保した方がいいったら! 後退しながら装備を整えて撃退することもできなくなるのよ? もし、裏道まで塞いじゃって追い込まれたらそれまでなのよ!?」
清霜「でもでもっ! 敵は固めて一網打尽にした方がっ」
霞「それで一網打尽に出来なかったらどうするのよっ!」
清霜「そ、それはっ…」
青葉「はい、みなさん落ち着いてください! 落ち着いて話し合いましょう!」
白雪「そうですね、まずはそれぞれの立場をはっきりさせましょう。裏の階段を崩して裏から敵を登れないようにするか、それともそのままにして逃げ道や装備を整える時間を確保できるようにするかですね」
龍驤「そうやな、じゃあまずは閉鎖する側の人は挙手してや」
龍驤「んー、ウチと古鷹と清霜と青葉の4人やな。ちゅーことは壊さない派は吹雪、白雪、霞、ユーやな」
吹雪「あ、あのっ、大事なことなので見張り室にみんなで行って川内さんとゴーヤちゃんの意見も聞きませんか?」
龍驤「そうやなぁ、一回全員集まるか」
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 17:19:09.96 ID:1REbN0WmO
〜見張り室〜
川内「ふーん、なるほどねぇ」
吹雪「で、川内さんとゴーヤちゃんはどちらがいいと思いますか?」
川内「そうだねー…」
伊58「ゴーヤは壊したほうがいいと思うよ!」
川内「えっ、壊さない方がよくないっ!?」
白雪「完全に分かれちゃいましたね…」
吹雪「どうしよう…」
青葉「あっ」
霞「どうしたの?」
青葉「青葉気づいちゃいました…!」
U-511「何に気づいたんですか…?」
青葉「いえ、見張りは常に1人つけるんですよね?」
古鷹「そうだね、常に1人はつけとく予定だよ」
青葉「それなら、すぐに裏の階段? とやらを壊せる装置を作っておいて、もしも島の表と裏両方から敵が来て本当にやむを得ないときにだけ階段を封鎖すればいいんじゃないですかね?」
霞「それなら、まぁ…。確かに両方からくる可能性と片方から大勢で来る可能性をどっちも考えたらそれが理想かもね」
清霜「青葉さんすごいですっ!」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 17:37:04.72 ID:1REbN0WmO
青葉「い、いえいえ、この位ならっ!」
古鷹(青葉がうまくまとめてくれたね)
川内「じゃあ、道を塞ぐ工作は私に任せてよっ! これもある意味夜戦だよねーっ!」
川内「じゃあ、行ってくるねーっ!」シュバッ
U-511(忍者…)
古鷹「あっ、ちょっと待って! みんなに言っておかないといけないことがあるんだった」(もうこんな状況になっちゃったし、これは共有しておくべきだよね)
川内「おっとっと」タチドマリ
龍驤「なんや?」
古鷹「実はさっき執務室に入ったんだけどね」
霞「なっ、ちょっとアンタ! 勝手に執務室に入っちゃったの!? 鍵かかってなかったの!?」
古鷹「かかってたけど緊急事態だし鍵は壊しちゃった!」
霞「い、いや、そんはハキハキ言われても…。はぁ、まぁいいわ、話止めちゃって悪かったわね」
古鷹「いやいや。それでね、分かったことが2つ」
古鷹「まずは提督の徹底的な合理主義。これは龍驤ちゃんたちなら分かるかもだけど、あの提督は基本的にはすべて機械的にこなすの。だから、私達との接触などもほとんどなかった」
龍驤「確かにそうや」
伊58「合理的、でちか…」ズキッ
古鷹「それともう1つ。この鎮守府の場所について」
古鷹「私も今までは特に気にしたことなかったけど、ここって明らかに鎮守府のある場所としてはおかしいよね」
川内「そういわれるとそうかも…」
古鷹「それでね…この鎮守府は、敵の本拠地から程近い場所にあるみたいなの」
白雪「そ、それって本当ですか…?」
古鷹「うん、本当だよ。私達には知らされてなかった、というか執務室に隠されるようにその資料が置かれてたから多分艦娘は誰も知らなかったんじゃないかな」
青葉(なんでそのことを艦娘に伝えなかったんだろう…? 別に伝えたからって悪い方向にはいかない、むしろ重要な立ち位置に責任感を持てると思うんだけど…)
古鷹「だからこそ、敵がいつ来るか分からないからこれからも見張りは確実にしないとダメなの」
吹雪「そうですねっ!」
古鷹「うん。とりあえずみんなに伝えなきゃいけないことはこれだけかな…」
清霜「はぁ、なるほどぉ。」
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 17:39:36.11 ID:1REbN0WmO
清霜「はぁ、なるほどぉ。」
霞「なんか、すごい情報だけど、それを今知ってもあたし達にはどうしようもできないわね…」
龍驤「そうやね…。今は考えても仕方がないから今日はもう休んだ方がええかもなぁ」
伊58「なら、最初はこのままゴーヤが見張りするでちよ」
U-511「…?」(ゴーヤ?)
U-511「川内さんは、裏の階段に仕掛けを作らないといけないから、ユーも見張り手伝います…」
吹雪「うん、分かったよ。じゃあ、夜は…3時間で交代に来るね!」
清霜「昨日は古鷹さんと川内さんと龍驤さんがやってくれたから今日はあたし達でやろっ!」
白雪「えっと、それじゃあ、今が2200で…、最初がゴーヤちゃんたちだから私と吹雪ちゃんは0100〜0400までだね」
霞「分かったわ。清霜、私たちは0400〜0700よ」
清霜「分かったよー! あっ、なら早く寝ないとっ! 戦艦になるためにも! 霞ちゃん行こっ!」ギュッ
霞「えっ、今日も一緒の部屋で寝るの!?」
清霜「もちろんだよっ! …ダメだった?」
霞「い、いや、別にダメじゃないけど…」
清霜「なら行こっ!」ダダッ
霞「あっ、ちょっと引っ張らないでよっ!」
吹雪「私たちもいこっか、白雪ちゃん!」
白雪「そうだね」
吹雪「皆さんおやすみなさい」
白雪「おやすみなさい」ペコリ
青葉「川内さん、階段を塞ぐ仕掛けとやらを手伝いますよ」
川内「ホント? それは助かるっ!」
龍驤「ウチも手伝おうか?」
川内「いや、2人で十分な簡単な仕掛けだから大丈夫そうかな」
龍驤「そうかぁ。なんや、本当にやることなくなってしもうたなぁ」
古鷹「そうだね、じゃあお言葉に甘えて今日は休ませてもらおうかな」
龍驤「そうやなぁ」
古鷹「それじゃ、見張りはよろしくね」
伊58「…わかったでち」
U-511「了解しました…」
龍驤「そんじゃ、ウチもいくなぁー。おやすみさん」トテトテ
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 17:58:27.89 ID:1REbN0WmO
伊58「ユーも疲れてたら寝てもいいよー、ここはゴーヤに任せるでち」
U-511「…ゴーヤ、なんだか元気、ない…?」
伊58「…別に何も」
U-511「ゴーヤにもいろいろあること分かってる…。でも、ユー、ゴーヤの事もっと知りたい。悩んでるなら一緒に悩みたい」
伊58「ユー…」
伊58「…これ」手サシダシ
U-511「これ、ゴーヤの髪飾り。…でも今髪についてるし二つ目、買ったの?」
伊58「ちがうよ、これ、ゴーヤが着任した時に潜水艦の部屋に置いてあったの」
U-511「部屋に置いてあった…?」
伊58「さっき、古鷹の話を聞いて分かっちゃったんだよ。自己紹介の時、吹雪がゴーヤの事、練度が高かった気がするって言ってたけど、多分この髪飾りはその練度が高かった前任のゴーヤの髪飾りでち」
U-511「前任…?」
伊58「ゴーヤの想像だけど…ゴーヤは同じゴーヤだから分かるでち」
伊58「…元の練度の高かったゴーヤはきっと解体されたんだと思うんだ」
U-511「…え?」
伊58「ゴーヤは練度が高くなると潜水空母になることができるの」
U-511「そうだよね、ゴーヤはすごい…」
伊58「…多分、前任のゴーヤは潜水空母になれる練度まで到達していて、てーとくに改造したいって申し出たんだと思うでち」
伊58「…ゴーヤはみんなを守れるように強くなりたいから、同じゴーヤならきっとこうするでち」
U-511「でも、それならどうして解体されたの…?」
伊58「…資材消費の増加や入渠時の効率が悪くなるからでち」
U-511「えっと…?」
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 18:02:07.01 ID:1REbN0WmO
伊58「全部ゴーヤの想像だけど…合理的な提督だから、この鎮守府で資材集めがメインなのに潜水空母になりたがっていたゴーヤを解体して、今のゴーヤ…いや、私を着任させたんだよ」
U-511「ひどい…」
伊58「…ひどくはないよ。だって、これは戦いなんだから、無駄は省かないとダメなんだよ」
U-511「でも…」
伊58「…資材集めだって重要な任務でち」
伊58「…でも、ゴーヤだって強くなりたい。この海を、みんなを守れる強さが欲しいでち」
伊58「でもっ、ゴーヤに求められるのは強さじゃないんだよ。効率的な資材集めの能力なんでち」
U-511「…ユーは、よく分かんないけど、資材集めは重要な任務、だと思う」
U-511「…そして、その任務をしていたゴーヤは、みんなを守っていた、と思います…」
伊58「それも分かってるよ…。でも、前任のゴーヤだって、今のゴーヤと同じように強くなりたかったはずだよ! 強くなってみんなを守りたいのに、強くならないことがみんなを守ることにつながる…」
伊58「…矛盾してるよね」
伊58「ゴーヤは、ゴーヤはどうすればよかったんでちか? 前任のゴーヤはどうすれば解体されずに済んだでちか?」
伊58「ゴーヤも…、今のゴーヤも潜水空母になりたがったら解体されるでちか!? ゴーヤはっ、ゴーヤはどうすればいいの!?」ポロポロ
U-511「ユーは…、ユーは潜水空母になれないし、ゴーヤの気持ちは理解できないかも…」
U-511「でも、ユーはゴーヤに居なくなって欲しくない…、ゴーヤの傍に居たい…」
U-511「でも、ゴーヤが潜水空母になりたいならユーには止められない…」
U-511「だから…あれ、ユーはどうすればいいの? ゴーヤが強くなりたいなら応援してあげたいけど、強くなったらゴーヤが居なくなっちゃう…」
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 18:03:40.67 ID:1REbN0WmO
U-511「じゃあゴーヤが強くならなかったらいなくならない…? でもそしたらゴーヤは潜水空母になれないし…」
U-511「あれ? あれ…?」グルグル
伊58「…っぷ、あはは、なんでゴーヤの悩みがユーの悩みになっちゃってるんでちか」ニコッ
U-511「ゴーヤ、急に笑い始めて…どうしたの…?」
伊58「…なんだか馬鹿らしくなっちゃったでち」
伊58「よしっ! ユー、悩んだときは眠るでち!」
伊58「ほら、布団の中にもぐって一緒に寝よー!」ギュー
U-511「きゃっ、ゴーヤ、ちょっと暑苦しいよ」
伊58「これで朝起きて布団の中からおはようございます、すればユーの悩みもゴーヤの悩みもなくなってるでち!」ギュー
U-511「ゴーヤ、ここは見張り室だよ、それにまだ見張りの時間が終わってない…」
伊58「あ、そうだったね、じゃあ交代が来たら早く部屋に戻って一緒に寝るでち!」
U-511「うん、分かったよ」
伊58「よーっし、しっかり見張るでちっ!」
U-511「うん」
伊58「…ありがとう、ユー」ボソッ
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