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吹雪「どうして鎮守府に敵が…?」
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15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:30:33.07 ID:TUzj6R8m0
〜食糧庫〜
吹雪「…これ、どういうことですかね?」
白雪「龍驤さん、司令官から何か聞かされてますか?」
龍驤「い、いや、何も聞かされてへん。ウチはただ1週間ほど鎮守府を空けるから留守は頼むって言われただけや」
吹雪「で、でもどうするんですか!? 食料が全然ないじゃないですか!」
白雪「ほんの少しの麦米と、調味料しか残ってないみたいですね…」
龍驤「…とりあえず、みんなに食料がなかったっていうことの報告や」
白雪「でも、どうして食料がほとんどないんでしょうか? 私たちが鎮守府に残るって分かっているなら食料のストック位、残してくれると思うんですけど…」
吹雪「そうだよね。この鎮守府は無人島にあるから食糧の確保が難しいって聞いたし…。何も伝えられないで行っちゃうなんて…司令官のうっかりですかね?」
龍驤「そないなことウチに言われても分からんなぁ…。まぁ、ここでぐちぐち言うててもしゃーないし、みんなの所に行くで」
吹雪・白雪「「はい!」」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:32:16.64 ID:TUzj6R8m0
〜無線室〜
龍驤「古鷹〜」ガチャ
古鷹「あ、龍驤ちゃん。今、急いで厨房に向かおうとしてたんだけど丁度良かったよ。一大事なの」
龍驤「ちょ、ちょっと待ちや! い、一大事ってどういう事や! こっちだって」
古鷹「無線機器、放送機器がなぜか全て使えなくなっているの」
吹雪「えっ、ど、どういうこと!?」
霞「あたし達だって分からないわよ。でも、機械がうんともすんとも言わないのよ…」
白雪「そんな…無線まで使えないなんて」
古鷹「無線までって…そっちも何か問題があったの?」
吹雪「じ、実は食料がなかったんです!」
霞「しょ、食料がないですって!? どういうことよっ!」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:36:08.88 ID:TUzj6R8m0
清霜「しょ、食料がないって…たくさん食べないと戦艦になれないのにー!」
龍驤「いったいどういうことや…? 明らかに様子がおかしいで」
龍驤「無線が使えないこと食料がないことも変やけど、一番おかしいのは司令官がそのことをウチらに伝えなかったことや」
古鷹「そうだね、みんなが慌てて出発したんならこういう事態もあるかもしれないけど、別に慌てて出発ってわけでもなかったよね」
吹雪「そうですね、3日前くらいには決まっていたので…。例え食料とかがないんだとしても私たちに伝えないなんてことはないですよね…?」
霞「あのクソ提督! 何考えてんのよっ!」
清霜「ホントに、司令官何してんの…ねぇ、何、何!」
白雪「ま、まぁまぁ清霜ちゃん落ち着いて?」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:09:38.93 ID:TUzj6R8m0
吹雪「でも、どうしますか? 無線も使えないんじゃ司令官に連絡も取れないし、なにより資材もほとんどないから他の鎮守府に行くこともできないし…」
白雪「そうだよね、それに食料を買う場所もないし…」
霞「はぁ、全くどうしてこんな不便なところに鎮守府を建てたのよ…」
清霜「はっ!」ピコーン
古鷹「どうかしたの、清霜ちゃん?」
清霜「これって、まさか私たちに与えられた試練なんじゃないですか!?」
吹雪「試練? どういうこと、清霜ちゃん」
清霜「これは司令官からの試練なんだよ!」
白雪「司令官…?」
清霜「だから! 私たち新米がこの何もない鎮守府で1週間生き抜くことが出来るかどうか試してるんだよ!」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:10:47.49 ID:TUzj6R8m0
吹雪「そっか! だから食料がなかったんだね!」
古鷹「えぇ…。そういう事じゃないと思うけどなぁ…」
清霜「きっとこの試練を乗り越えれば戦艦になれるんだよ! 霞ちゃんも頑張ろ!」
霞「ちょ、ちょっと清霜! アンタ、バカなの?」
白雪「私も、そうじゃないと思うなぁ…」
吹雪「そ、そうかなぁ?」
龍驤「はいはい! とにかく今はこの先食料をどうするかを考えへんとな。司令官に連絡がつかない以上本当にウチらで1週間生き抜かなアカンからなぁ…」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:12:01.00 ID:TUzj6R8m0
龍驤(それにしてもこれは一体どういうことや…?)
霞「食料って言ったって、うちの鎮守府は無人島でしょ? どうやって調達するのよ?」
龍驤「そうやなぁ、とりあえず山と海の二手に分かれて調達やな」
古鷹「それしかないね…。まぁ、とりあえず川内ちゃん達を呼ぼうよ」
龍驤「そうやなぁ…」
吹雪「でも、川内さん達はどこにいるんでしょうか?」
古鷹「あ、そういえばそうだったね…放送で呼び出そうにも放送機器は使えないし」
龍驤「ふふん、ウチに任せとき!」
霞「どうするのよ?」
龍驤「行くでー! 艦載機のみんなお仕事お仕事ぉ!」ブゥーン
吹雪「うわぁ、すごいです龍驤さん!」
清霜「すごいすごい!」キャッキャッ
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:12:54.94 ID:TUzj6R8m0
霞「何で艦攻を飛ばしたのよ、偵察機飛ばせばいいじゃない」
龍驤「うっ…。て、偵察機はウチが改二になるまで待ってや…。それにウチの艦攻は索敵もできるんや!」
古鷹「この場合索敵って言うのかな?」
白雪「ま、まぁ、とにかくこれで川内さん達を見つけるのも時間の問題ですね!」
龍驤「お、居たみたいやで! …って、もう食堂居るし!」
吹雪「そういえばもうそろそろ12時ですね、早く行きましょう!」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:13:48.28 ID:TUzj6R8m0
〜食堂〜
川内「みんなおっそいなー」
U-511「そうですね…」
伊58「もう12時なのに、全然ごはんの匂いがしないでち…ホントに作ってるのかなぁ〜」
龍驤「おーい、川内、ゴーヤ、ユー待たせてすまんかったなぁ。でも、ちょっと問題が起こってしまってなぁ」
川内「ん、問題?」
伊58「何かあったでちか?」
古鷹「うん。それで楽しみにお箸を用意してるとこ悪いけど今日のお昼ご飯は無しになりそうなの」
U-511「…どういうこと?」
伊58「アイスもないのぉ?」
吹雪「ゴーヤちゃん、お昼ご飯がないんだからアイスもないよ」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:15:44.72 ID:TUzj6R8m0
伊58「そんなぁ…」
霞「ちょっと話がずれてるわよ!」
清霜「えっとね、実は無線が使えなくて食料もなかったの!」
白雪「なんだか清霜ちゃんが言うと切迫感に欠けるような…」
川内「無線が使えなくて食料もない? どういう事よ?」
古鷹「ごめんね、私達にも分からないんだ。でも、事実なの」
龍驤「まぁまぁ、ここで喋ってても埒が明かん。とにかく食料がないと生きていけへんからな…」
霞「…そういえば、飲み水って備蓄あったっけ?」
白雪「そういえば、食糧庫に水はなかったし…」
清霜「貯水装置にあったお水も司令官とみんなが全部持ってっちゃっているよ!」
吹雪「そういえば、叢雲ちゃんが話してたの聞いたことあるかも…。うちの鎮守府は無人島にあって水道がないから真水は貴重だって」
川内「水がないって、それまずいじゃんっ!」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:16:45.88 ID:TUzj6R8m0
U-511「なんかよく分からないけど、大変そう…」
龍驤「これはまずいなぁ…。食料の方は何とかなるかもしれんけど、水がないのはあかんでぇ」
吹雪「と、とにかく、山の方に行けば湧き水とか出てるかもしれません! みんなで探しましょう!」
白雪「そうだね吹雪ちゃん、とにかく手分けして探しましょう」
龍驤「そうやな、とにかく水を優先して探すで! そんで、もし食べ物とかがあったら適宜場所を覚えとくようにな!」
「「はーい!」」
U-511「あ、あの…」
川内「ん、どうかしたユー?」
U-511「ユーたちが歩いて探すよりも、川内さんの装備にある水偵を飛ばせば…」
「「…あ」」
清霜「ユーちゃんすごい! よく気づいたね!」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:17:43.17 ID:TUzj6R8m0
霞「あ、あたし以外にも少しは出来るやつがいたようね。ほ、褒めてあげるわっ!」
川内「ユー、よく気づいたね! 私なんて装備してるのに全然気づかなかったよ…」
伊58「ユー、えらいでち!」ナデナデ
U-511「え、えへへ…」
吹雪「やったね、ユーちゃん! お手柄だよ!」
龍驤「それならウチの艦攻でも探せるで!」
白雪「じゃ、じゃあさっそくお願いします!」
古鷹「ちょっとまって! 燃料はどうするの? 海を渡ったり偵察機を飛ばすには燃料がないとダメだよね? でも、燃料は確か…」
吹雪「そういえばそうですね…。私たちはご飯を食べれば生きることが出来ますけど、海を走ったり、偵察機を飛ばすには燃料や資材がないと…」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:18:58.11 ID:TUzj6R8m0
U-511「ユー、間違えちゃったかな…?」
伊58「そんなことないよー! ユーは、いい案を出してくれたでち!」
川内「今のところ私の装備の燃料は満タンだけど、もし燃料も少なくなってるなら節約しないとだね! とにかく資材の確認だね、倉庫に行こうよ」
清霜「そうですねっ! ほら、霞ちゃん行こっ!」
霞「あー、もうっ! だからあんまりひっつかないでよぉっ!」テレテレ
吹雪「清霜ちゃんと霞ちゃんって仲いいよね」ボソボソ
白雪「なんだか、姉妹みたいだね」ボソボソ
川内「ほらほら、駆逐艦、早く行くよ!」
吹雪「あっ、ごめんなさい! 今行きますっ!」
古鷹「駆逐艦の子といると、こんな事態なのに気が軽くなるね」
龍驤「そうやなぁ〜。こんな時やからこそあの娘らにはあのままでいてほしいなぁ」
清霜「古鷹さんも龍驤さんもはやく来てくださいよー!」
龍驤「あっ、ちょっと待ちや!」
古鷹「ちょ、ちょっとみんな走るのはやいよー!」トテトテ
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:21:12.43 ID:TUzj6R8m0
〜倉庫〜
伊58「えっと、燃料は…」
U-511「…少しはあるみたいだけど、もうほとんどないね」
古鷹「これは、無駄遣いはできないね…」
川内「じゃあ、水偵は無し?」
龍驤「そうやなぁ。こんだけ少ないともしもの時に備えてなるべく使わないようにせんとあかんなぁ…」
吹雪「ちなみに弾薬は…」
白雪「弾薬はそこそこあるみたいだよ、魚雷も結構残ってるみたいだね」
伊58「おっきな魚雷大好きですっ!」
霞「でも、こんな状況じゃ弾薬や魚雷があってもねぇ…」
白雪(そもそも勝手に使っていいのかな? …まぁ、一大事だししょうがないよね)
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 09:22:31.36 ID:TUzj6R8m0
川内「まぁ、とにかく! 燃料が少ない以上なるべく自力でいろいろと動かないといけないね」
清霜「じゃあ、山で湧き水探すの? 冒険!?」
霞「ちょっと清霜! 遊びじゃないのよ!」
吹雪「え、えっとじゃあどうしますか? 飲み水の方が大事だから山班を6人、海班を3人っていう編成にしますか?」
龍驤「せやなぁ…、なぁ潜水艦のお二人さん。海潜って魚突いてこれたりする?」
伊58「もちろんだよぉー!」
U-511「まかせて。必ず成し遂げて見せます…」
龍驤「ほんなら、お二人さんには海潜って魚獲ってきてもらおうか! 潜水艦なら燃料の補給も少なくて済むしなぁ」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/09(月) 09:23:49.50 ID:TUzj6R8m0
古鷹「じゃあ、海班はせ、潜水艦の2人と…さっきまで同じ班だった川内ちゃんが付き添ってあげてよ。それで、もしもの時は水偵を飛ばしてくれれば…」
白雪「そうですね、緊急事態に備えて龍驤さんと川内さんは別になった方がいいですね」
川内「夜じゃないからちょっとテンション上がらないけど、任されたよ!」
清霜「じゃあ、私たちは山だねー! 戦艦と一緒に行きたかったけど…」チラッ
吹雪「残念だけど、戦艦のみなさんは全員司令官と一緒に行っちゃったよ」ペターン
白雪「でも、戦艦の人がいれば確かに安心できたかも…」ペターン
龍驤「まぁまぁ、ウチがおるんやから安心してやぁ!」ツルペタン
霞「…ちょっと清霜、なんで私たちの胸をチラチラ見てるのよぉ」ペターン
清霜「別に? 見てないよー」
古鷹「…私、一応重巡なんだけどな」チョコン
龍驤「それじゃあ、ウチら6人は山に…」
川内「私たち3人は海に!」
「「艦隊、出撃します!」」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/09(月) 11:09:14.38 ID:6/V98pGvo
鎮守府丸ごとの捨て艦戦法されたんか……
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/09(月) 17:39:19.53 ID:Md8eK6asO
廃墟鎮守府の人
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 21:54:14.40 ID:TUzj6R8m0
〜山班〜
龍驤「ちゅーわけで、現在1400。海班と落ち合うんが1800やからみっちり4時間湧き水探すでー!」
古鷹「ついでに食べられる果実や野草などがあれば採取してね!」
古鷹「でも! 分からないやつは触ったり食べちゃダメだよ! これは絶対大丈夫ってやつだけでいいからね?」
吹雪「分かりました! よぉし、吹雪頑張ります!」
霞「はぁ…ちょっと待ちなさい!」
清霜「どうしたの、霞ちゃん?」
霞「アンタ達、どうやって湧き水を探すつもり?」
吹雪「それは、適当に歩いて…?」
白雪「それしかないんじゃないかな?」
霞「はぁ…ほんっと、バカばっかりね」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 21:55:33.60 ID:TUzj6R8m0
古鷹「霞ちゃん、何かいい作戦があるの?」
霞「いい? まず探すのは湧き水が通った跡よ! それをみつけたらその跡を登っていけば見つかる可能性が高いわね」
龍驤「なるほどなぁ〜、そりゃ効率的や!」
霞「それと崖の下には要注意ね、普段は土の中に隠れている水脈がむき出しになってる可能性があるの」
清霜「わー、霞ちゃん物知りだねぇ! すっごいすっごい! 霞ちゃんすごいよー!」ダキッ
霞「だ、だからぁ、あんまり引っ付かないでってばぁ!」カァァ///
古鷹「でも、本当にお手柄だよ、霞ちゃん!」
龍驤「よっしゃ、じゃあ霞が言うてたことに気ぃつけて探すでー!」
吹雪・白雪「「はーい!」」
古鷹「それにしても…ここ、小さな島だけど真水の湧き水出てるのかなぁ…」
龍驤「それは、もう運任せやなぁ…」
吹雪「きっとありますよ!」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 21:56:35.72 ID:TUzj6R8m0
白雪「えっと、湧き水の後、崖の下…」ブツブツ
清霜「…あっ! 霞ちゃん、これって」
霞「何か見つけたの?」
清霜「この虫、なんて虫?」
霞「む、虫って…もうっ! 真面目にやってよ!」プイッ
龍驤「清霜ぉ〜、虫なんて無視や無視」チラッ
古鷹「…」
吹雪「あ、あははっ、虫と無視をかけたんですね!」
龍驤「よぉ分かったなぁ吹雪!」ニコニコ
白雪(吹雪ちゃん、偉いなぁ。ちゃんと先輩をたててあげて…私も見習わないと!)
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 21:58:17.21 ID:TUzj6R8m0
古鷹「はーい、みんな真面目に探すよ」(それにしても最後に水を飲んでからだいぶ経っちゃっているからさすがに喉が…)ゼェハァ
清霜「はーい。じゃあ、よく分かんない虫ばいばい」
霞「真面目に探すとは言っても…なかなか見つかるものじゃないわよね。足元も悪いし結構疲れるかも」
龍驤「せやなぁ…深追いは危険かもなぁ」
古鷹「でも、水がないとどうしようもないんだししっかり探さないと」
吹雪「そうですよね、あっ」ブルッ
白雪「ん、どうかした、吹雪ちゃん?」
吹雪「い、いや、ちょっとお手洗いに…と思ったけど鎮守府から結構離れちゃったからトイレがない…」モジモジ
清霜「吹雪ちゃんトイレしたいの? じゃあ私達向こう向いてるね!」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 22:03:03.91 ID:TUzj6R8m0
吹雪「そ、そんな外でなんて…」
龍驤「どうせ誰も見てへんねん、向こうの方でさっと済ましちゃい〜」
霞「ちょっと待った!」
吹雪「どうしたの、霞ちゃん?」
霞「今、かなりのどが渇いてる娘はいる?」
白雪「私はまだ大丈夫だよ」
清霜「私も、大丈夫そう!」
龍驤「ウチもまだ大丈夫そうやで」
霞「古鷹は?」
古鷹「じ、実は結構…」
龍驤「…無理もないなぁ。ウチと駆逐艦は身軽で足も軽いけど、古鷹は『何かあったら…』ちゅうて艤装をつけながらウチらについてきたんやから」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 22:04:12.95 ID:TUzj6R8m0
吹雪「ご、ごめんなさい古鷹さん! 古鷹さんの事を考えず、私たちのペースで行ってしまって…」
古鷹「い、いやいや、それは大丈夫だよ! みんなのせいじゃないから!」
清霜「ど、どうしよう!?」
霞「だいじょうぶよ。…吹雪、古鷹におしっこを飲ませてあげて」
吹雪「う、うん! …ん?」
白雪「か、霞ちゃん何言ってるの!?」アワアワ
霞「別に適当に言ってるわけじゃないのよ?」
霞「出したてのおしっこはほとんど無菌らしいの。だからこういう時にはおしっこを飲んで生き延びるんだって」
吹雪「で、でも…」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 22:05:14.32 ID:TUzj6R8m0
霞「とにかく! こんなところで脱水症状なんかになったら危険でしょ!」
龍驤「せやなぁ…、吹雪お願いできるか? その間にウチらはまた水を探すから」
吹雪「え、えっと…」チラッ
古鷹「…吹雪ちゃん、お願いできるかな? 私、さっきからちょっとふらつくし、みんなに迷惑かけないようにするにはしょうがないことだもん…」
吹雪「わ、分かりました。じゃ、じゃあその、ここではあれなんで向こうで…」スタスタ
古鷹「う、うん…」スタスタ
白雪「古鷹さん…、大丈夫かな」
霞「と、とにかくあたしたちだっていつまでも水を飲まないわけにはいかないんだから、頑張って探しましょ」
龍驤「そうやなぁ…」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 22:06:49.52 ID:TUzj6R8m0
白雪「それにしても霞ちゃんってサバイバルとか得意なの? すごい良く知ってるみたいだけど…」
霞「いや、偶然知っていただけよ。さっき吹雪も言っていたけどここって真水が貴重なのは知ってるでしょ?」
龍驤「そうやなぁ…、いつも大量に仕入れとったもんな。雨水の貯水装置もしっかりしとるみたいやし」
霞「それでね、ここに着任したての頃…といっても最近だけど、足柄に捕まってね。お酒に付き合わされたのよ」
白雪「うん」
霞「あんまり思い出したくはないんだけどね? 悪酔いした足柄が『はぁー、お手洗いしたくなっちゃたわぁ、でも立つのが面倒〜』って言ってきて…」
龍驤「ふむふむ」
霞「それであたしは、『だらしないわね、早く行きなさいったら!』って言ったら、足柄が『でも、確か尿って無菌なのよね? だったら、ここでしても水を零しちゃいましたぁ、で許されない?』なんてこと言ってきたのよっ!」
龍驤「あちゃー、そりゃぁそうとう悪酔いしとるなぁ」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 22:08:08.43 ID:TUzj6R8m0
霞「かなり泥酔してたわね…」
白雪「きっと霞ちゃんが着任したのがうれしかったんだね」
霞「そ、それでも、ちゃんとするところはちゃんとしないとダメなんだからっ!」
霞「ちょっと話が逸れちゃったわね。それで私が『ちょっと、ばっちいったらぁ!』って怒ったんだけど…」
霞「そしたら今度は大淀が『でも、尿は出した直後ならほとんど無菌だからサバイバルなどでは飲まれることもあるそうよ』って言ってきて…」
霞「で、そんな会話からここでは真水が必要って話になって、いろいろと水について教えてもらったの。湧き水の探し方とかもその時に聞いたのよ」
白雪「へぇ、そんなことがあったんだね」
龍驤「ちょっとキミィ、そんな楽しそうな飲み会ならウチも誘ってやぁ」
霞「あたしだって半ばむりやり参加させられたんだから他の人を誘うなんて無理よ!」
龍驤「そうかぁ〜、なら今度はみんなで飲むでぇー!」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:36:47.83 ID:TUzj6R8m0
白雪「でも、その知識が役立ったんだからすごいよね」
霞「そうね…ってあれ、清霜は?」キョロキョロ
吹雪「た、ただいま戻りました」
古鷹「みんな、ごめんね」
白雪「あ、吹雪ちゃんに古鷹さん。終わったんですか?」
吹雪「う、うん、なんとか、ね///」
古鷹「私も、大分ふらつきもなくなったし、とりあえず何とかなりそうだよ」
霞「ちょ、ちょっと二人とも! 清霜がどこに行ったか知らない!?」
吹雪「え、清霜ちゃん? 私たちの方には来てなかったけど…」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:37:57.62 ID:TUzj6R8m0
霞「ど、どこ行っちゃったの!?」
霞「清霜ー!!」
…………霞ちゃーん
霞「清霜っ!?」ダッ
龍驤「ウチらも行くでっ!」
吹雪・白雪「「はいっ!」」
古鷹「うんっ!」
霞「清霜っ!」
清霜「あっ、霞ちゃん見てみてぇー! なんだか湧き水の通り道みたいなのの跡を辿ってたら、お水あったよ!」バシャバシャ
龍驤「お、おぉ! でかしたで、清霜!」
白雪「すごいよ、清霜ちゃん!」
吹雪「お、お水だ! あ、あんなに恥ずかしい思いをしたのに、すぐ見つかっちゃうなんて…」ガックシ
古鷹「…吹雪ちゃん、ごめんね? 私が不甲斐ないばっかりに吹雪ちゃんに…」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:38:49.65 ID:TUzj6R8m0
吹雪「い、いえっ! そんなことないですよ! …そうですよね、今はお水が見つかったことを素直に喜びましょう!」
古鷹「…! そうだねっ」ニコッ
清霜「霞ちゃん、私やったよ! 褒めて褒めてっ!」ワクワク
霞「…バカっ!」
清霜「えっ…」
霞「バカバカぁっ! 清霜のバカぁー!!」ウルウル
清霜「霞ちゃん…」
霞「心配…心配したんだからぁっ!」ダキッ
清霜「うわっ!?」
霞「どこかに行っちゃったんじゃないかって…、またあたしの前から居なくなっちゃうんじゃないかって…」ギュー
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:41:20.40 ID:TUzj6R8m0
清霜「か、霞ちゃん、落ち着いて、ね?」
霞「…」ゴシゴシ
霞「…あたしったら、ダメね。清霜がせっかく水を見つけてくれたのに喜んだり褒めたりじゃなくてバカなんて言っちゃうんだから…ごめん、清霜」
清霜「…そんなことないよっ!」
清霜「あたし、嬉しかった…! 霞ちゃんに、褒めてもらえるよりも、霞ちゃんが心配してくれて…バカって言ってくれて嬉しかった!」
霞「清霜…」
清霜「バカって言われて…だけど、霞ちゃんがあたしを大切に思ってくれてるのが伝わってきて…」
清霜「とってもあったかい気持ちになったよ? お水を頑張って見つけて本当に良かったって思えた!」ニコッ
霞「清霜…、ありがとねっ」ニコッ
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:43:35.49 ID:TUzj6R8m0
清霜「そんなことよりっ! 霞ちゃんも喉乾いてるでしょ?」
清霜「お水飲んでよ! みんなも、たくさんあるから飲んで飲んでぇ!」
吹雪「うんっ、行こっ白雪ちゃん!」
白雪「うん!」
龍驤「はぁ〜、どうなることか思ったけどなんとかなったなぁ」
古鷹「そうだね、とりあえず水は確保できたね」
ごくごくごく
吹雪「ぷは〜、生き返るよっ!」
白雪「なんだかとってもおいしく感じるね」
龍驤「よぉ〜し、喉も潤ったし、水を持って川内たちんとこ行こかぁ」
古鷹「そうだね、きっと3人とも喉乾いてると思うし」
霞「そうねっ!」
清霜「お水をたくさん汲んでっ…」ジャバジャバ
古鷹「こういうのは私に任せてよっ!」ジャバジャバジャバ
吹雪「わぁ、古鷹さん力持ちです!」
清霜「よぉーしっ! じゃあ行こーっ!」オーッ
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:44:36.99 ID:TUzj6R8m0
霞「ちょっと清霜っ! 焦ると転ぶわよっ! …ほらっ!」ギュッ
清霜「あ、ありがと霞ちゃん!」ギュー
霞・清霜「「」」トテトテ
吹雪「二人とも手を繋いで、やっぱりすっごく仲良しだね」
白雪「なんていうか、さっきの霞ちゃんが清霜ちゃんに本心ぶつけてからさらにいい雰囲気になったね」
龍驤「ふ、古鷹、そんなに持って大丈夫かいな?」
古鷹「よゆーだよ! さっきまで迷惑かけちゃってたから挽回しないとね!」
吹雪「あ、白雪ちゃんも足元気を付けてね?」
白雪「ありがと、吹雪ちゃん。吹雪ちゃんも気を付けてね?」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:46:15.73 ID:TUzj6R8m0
〜波止場〜
吹雪「川内さーん、ゴーヤちゃーん、ユーちゃーん! お水とってこれましたよー!」
伊58「海の中からこんにちはー! あっ、お水持ってきてくれたんでちか?」
U-511「ユー、ちょうど喉が渇いてました…」
川内「水が見つかったんだね! 良かったー!」
白雪「清霜ちゃんが見つけてくれたんですよ。さぁ、皆さんもどうぞ!」
霞「清霜に感謝しなさいねっ」
伊58「水だ―! うーんっ! おいしいでちっ!」ゴキュゴキュ
U-511「生き返ります…」ゴクゴク
川内「はぁーっ、補給もばっちりねっ!」ゴクゴク
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:48:35.56 ID:TUzj6R8m0
龍驤「それで、そっちはどうだったんや?」
伊58「ふっふーん、見たらきっと驚くよ?」
清霜「えっ、どうだったのぉ?」
伊58「ドラム缶の中からー…こんにちはー!」ジャジャーン
古鷹「うわっ、すごいっこんなにたくさんっ!!」
川内「うん、ゴーヤもユーもすごかったよっ」
霞「さすが潜水艦、海の中なら敵なしね」
清霜「ゴーヤちゃんもユーちゃんもすっごいよー!」
吹雪「こんなにたくさん食べ切れるかなぁ…」
白雪「ま、まぁまぁ、保存しておいてもいいんじゃないかな?」
吹雪「あっ、そ、そうだったね」
龍驤「まぁ、こんだけあれば、当分は大丈夫やなぁ。水も見つかったし食料の方はなんとかなりそうやな」
古鷹「そうだね! …えっと、あ、なんだかんだもう日が落ち始めてきちゃったね」
霞「えっと、清霜が水を見つけてくれたから…まだ、1700ね」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:49:50.09 ID:TUzj6R8m0
川内「やっと、夜が来るのねっ!」
U-511「ユー、お風呂入りたいかもです…」
伊58「ゴーヤもお風呂入りたいよー」
川内「そうだね、潮風でもう髪の毛ぼっさぼさだよ…。これから夜戦なのにこんなんじゃテンション上がらないよー」
清霜「たっくさんお水持ってきたからお風呂も入れそうだよ!」
古鷹「じゃあ、とりあえず鎮守府に戻ろうか?」
「「了解!」」
吹雪「ふぅ、今日は一日中歩き回ったから疲れちゃったなぁ」ノビー
白雪「そうだね、私も疲れたなぁ…」
キラッ
吹雪「ん、あれ…?」ゴシゴシ
白雪「どうかしたの、吹雪ちゃん?」
吹雪「なんだろう…今、水平線上になにか光らなかった?」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 23:51:21.95 ID:TUzj6R8m0
白雪「水平線上に…? うーん、私には見えなかったけど…」
吹雪「うーん…、見間違いかなぁ…」
伊58「吹雪、白雪どうしたでちー? 早く来るでち」
吹雪「あ、今行くよー! ごめん白雪ちゃん。多分、私の見間違いだと思う。行こっ!」
白雪「うん、そうだね!」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 12:32:51.75 ID:hroaWonSO
♦ ♦ ♦
・9月12日 1900
〜鎮守府〜
白雪「夕ご飯、完成しました!」
吹雪「夕ご飯とはいっても、ゴーヤちゃんとユーちゃんが獲ってきてくれたお魚とわかめの味噌汁とほんの少しの麦米ですけど…」
清霜「うわぁ、すっごくおいしそう!」
霞「そうね、早く食べたいわね」
伊58「はやく食べようよー」
U-511「ユー、お腹すきました…」
川内「おっ、出来たんだっ!」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 12:36:00.15 ID:hroaWonSO
古鷹「こちらもお風呂の準備できてるからご飯食べ終わったら入ろうね」
龍驤「よぉーし、ご飯もできたしお風呂の準備もできたし…。ウチらだけでもなんとかなるもんやなぁ」
龍驤「というわけで、みんな座った?」
「「はーい」」
龍驤「それじゃあ、いただきます!」
「「いただきます!」」
清霜「うんっ、美味しいっ! よーし、たくさん食べて戦艦に…」
吹雪「ご飯は少ないけどお魚は多めに準備してるからたくさん食べれるよ!」
川内「夜の為に腹ごしらえしないとねっ!」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 12:38:07.85 ID:hroaWonSO
♦ ♦ ♦
古鷹「ふぅー、ごちそうさまでした」
清霜「おいしかったぁー! これであたしも戦艦に近づけたかな?」
霞「清霜ったらまた…」
伊58「満腹でち」
吹雪「お粗末様でした!」
白雪「お魚たくさん焼いたのに、なくなっちゃったね。ま、まぁ私もたくさん食べちゃったけど…」
U-511「ユー、ご飯食べたら少し眠くなってきたかも…」ウトウト
川内「ちょっと、ちゃんとお風呂入ってから寝ないとダメだよ!」
龍驤「じゃあ、キミ達はお風呂入ってやぁ。食器はウチと吹雪と白雪で片づけとくからなぁ」
霞「あたしたちも手伝うわよ」
吹雪「大丈夫だよ、この位なら3人でやっちゃえばすぐ終わるから! 霞ちゃんたちはお風呂入っちゃてて」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 12:39:28.15 ID:hroaWonSO
川内「そうだね、順番に入っちゃった方が効率良いし…だいぶ眠そうな娘もいるみたいだしねー! ここは任せても大丈夫?」
U-511「」ウトウト
白雪「もちろんです。みなさんはゆっくりくつろいでいてください!」
伊58「ユー、寝ちゃダメだよ! お風呂入らないとダメでち!」
古鷹「じゃあ、任せちゃうね? 3人ともよろしくね」
吹雪「はい!」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 12:43:20.20 ID:hroaWonSO
〜お風呂場〜
清霜「お風呂だー! 霞ちゃんはいろーう!」
霞「き、清霜っ! は、裸で抱き着かないでよぉっ! そ、その、いろいろ当たってるからぁ///」
伊58「あれ、なんかお湯少ない?」
U-511「ほんとだ…」
伊58「これじゃ、潜れないでちね…」
古鷹「みんなでお湯のかさまししながら入ろうね? いくら湧き水が見つかったからって限度はあるし節約しないとね」
伊58「そうでちね…」
川内「ふー、さっぱりするね!」バシャバシャ
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 06:09:03.29 ID:IKf+23Ua0
おもしろい
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:41:22.47 ID:oMT0tnpHO
清霜「霞ちゃん、髪洗ってあげるよっ!」
霞「そう? ありがとね。終わったらあたしも清霜の髪洗ってあげるわね」
清霜「霞ちゃんの髪さらさらだねー!」ワシャワシャ
伊58「ゴーヤもユーの髪を洗ってあげるでち」
U-511「Danke。ありがと、ゴーヤ」
川内「…私も洗ってあげよっか、古鷹?」
古鷹「え、いいよそんなの」
川内「えー、ちょっと残念かも」
古鷹「それより、夜の見張りの件だけど…」
川内「そうだね、駆逐の子と潜水艦の子は疲れてるだろうし私たちで、っていうか私だけでもいいけど、夜なら任せてよっ!」
古鷹「私も夜は得意な方だよ。だから二人で担当しようね、一人じゃつまんないでしょ?」
川内「ほんとっ!? やっぱり二人の方がテンション上がるよねー!」
川内(なんか古鷹が夜っていうとエロく聞こえるような…ま、いっか)
古鷹(これだけ騒がしかったら私も眠くならないと思うし…)
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:42:40.07 ID:oMT0tnpHO
霞「よし、清霜も洗い終わった?」
清霜「うん! 湯船に行こー!」
霞「そうね…うん、温度は丁度良いけど…」ザブーン
清霜「腰のあたりまでしかお湯がないね…」
伊58「ゴーヤに任せるでち!」ザブーン
U-511「ユーも手伝う…」ザブーン
霞「ん、かさが増えたけど、まだ肩までつかれないわね」
伊58「お湯の中潜りたいよー!」
川内「じゃあ、私たちが入れば肩までつかれる?」ザブーン
古鷹「さ、さすがに6人も入ると狭いね…」ギュウギュウ
古鷹(ご、ゴーヤちゃんの胸が…。せ、潜水艦だけど、仲間なんだし怖くない怖くない…)
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:44:08.78 ID:oMT0tnpHO
川内「あっはは、ぎゅうぎゅう詰めだねっ」
霞「なんだか、別の意味で暑苦しいわね」
清霜「確かにちょっと狭いかも…そうだっ! 私が霞ちゃんにもっとくっつけば少しは余裕ができるよねっ!」モギュー
霞「きゃっ!? ちょ、ちょっと恥ずかしいったら!」カァァ///
U-511「これが、日本のお風呂…やっぱり楽しいです」
川内「さっ、あんまり長湯してるとのぼせちゃうからそろそろ出よっかー!」
古鷹「そうだね」
伊58「ぎゅうぎゅう詰めで結局潜れなかったでち…」
U-511「ゴーヤ、明日海でたくさん潜ろ?」
伊58「そうでちね」
霞「終わったら、白雪と吹雪と龍驤を呼びに行かないとね」ワシャワシャ
清霜「そうだね!」ワシャワシャ(そういえば、次は三人しかお風呂に入らないけどお湯の量は大丈夫かな…?)
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:45:23.66 ID:oMT0tnpHO
川内「よしっ。はぁー、さっぱりした! じゃあ、龍驤たちを呼んでくるね」
古鷹「そうね、えっとみんなはこれからどうする? もう特に予定はないけど…」
伊58「ゴーヤはちょっとはやいけどユーと寝るでち」
U-511「Danke…」ムニャムニャ
清霜「私、霞ちゃんと一緒の部屋で寝たい!」
霞「えっ? そうね、今日は部屋に私一人だし、一緒に寝ましょ」
清霜「やった、霞ちゃんとお泊りっ!」
霞「お泊りって、ただ少し部屋が変わるだけでしょ…」
古鷹「今日はいろいろあって疲れたしゆっくりしてね? それじゃあ、おやすみ」
川内「おやすみー!」
古鷹「じゃあ、私たちは龍驤ちゃんたちを呼びに行こうか?」
川内「そうだねっ! よーし、夜だぁ!!」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:46:49.17 ID:oMT0tnpHO
〜食堂〜
古鷹「3人ともお待たせ」
吹雪「あっ、古鷹さん!」
古鷹「お風呂あがったから呼びに来たよ!」
白雪「ありがとうございます。あれ、他の艦娘さん達は…」
川内「あぁ、私たち以外は寝ちゃったよ! 今日は4人とも大活躍だったし疲れちゃったみたいだね」
古鷹「食器の片付けもありがとうね」
白雪「いえいえ、この位は別に何とも…」
龍驤「よし、ほんなら入りに行こうかー」
吹雪・白雪「「はい!」」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:47:46.27 ID:oMT0tnpHO
♦ ♦ ♦
〜風呂場(入渠ドッグ)〜
吹雪「うーん、なんだか私も眠いかも…」
白雪「吹雪ちゃんも? 実は私も…」
龍驤「ほっほーん、ならさっと入って今日はすぐ寝よか?」
吹雪「はい、そうします…」ワシャワシャ
白雪「汗でベトベトだったから気持ちいいですね」
龍驤「せやなぁ、潮風にもさらされたしさっぱりして生き返るようやなぁ」ワシャワシャ
ざっぱーん
吹雪「ふぅ、吹雪、綺麗になりました!」
白雪「うん、じゃあ、湯船に行こうか?」
吹雪「うん…って、なんかお湯が…」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:48:49.77 ID:oMT0tnpHO
龍驤「これはなぁー、寝っ転がって入るんやでぇ」ゴローン
吹雪「寝っ転がってですか? え、えっと、おおっ! 私の身長と湯船の長さがぴったりですっ!」ゴローン
吹雪「なんだか寝ながらお風呂入るって変な感じですね! でも、あったかくて気持ちいいかも…」
白雪「あっ、じゃあ私は吹雪ちゃんの隣に…」ゴローン
吹雪「わぷっ、水位が上がって…えっと、この段差に頭をのせれば大丈夫かな…」
白雪「ご、ごめんね。大丈夫、吹雪ちゃん?」
吹雪「うん、大丈夫だよ! って、この段差がちょうど枕代わりになって…、本当にこのまま寝ちゃいそう…」
白雪「枕代わり…、えっとこうかな? …あっ、ほんとにちょうどいい枕かも」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 21:50:28.43 ID:oMT0tnpHO
龍驤「こらこら、二人とも寝たらあかんでぇ」(ウチの身長だと足が延ばせないから膝小僧がちょっと寒いなぁ)
吹雪「ふぁぁーい…」ムニャムニャ
龍驤「欠伸で返事かいな」
白雪「うっ、まずいですね…このままだと本当に寝ちゃいそうです…」
白雪「吹雪ちゃんも本当に寝ちゃダメだよ。さ、上がろ?」
吹雪「あ、うん…そうだね。そろそろ上がろっか」バシャー
龍驤「それにしても…キミら髪の毛おろすと見分けがつかへんなぁ。白雪の髪の毛がちょいと茶色がかってるから分かるけど、もし黒かったらホントに分からへんでぇ」マジマジ
吹雪「そんなに似てますか…?」
白雪「うーん、でもこういうのって本人たちは分からないって言うし…」
龍驤「まぁ姉妹なんやし、似てても不思議じゃないなぁ。さっ、湯冷めする前に着替えるでぇ!」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:17:58.52 ID:oMT0tnpHO
♦ ♦ ♦
龍驤「んで、キミらはどうする? もう寝るん?」
吹雪「はい、すっごく眠いので…」
白雪「私も、もう寝ようと思ってます」
龍驤「そう? なら、おやすみ。ゆっくりやすみや〜」
吹雪「はい、おやすみなさい」
白雪「おやすみなさい、龍驤さん」
龍驤「さて、ウチは川内と古鷹と合流しようかなぁ」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:19:22.17 ID:oMT0tnpHO
〜吹雪型の部屋〜
吹雪「ふぅ、今日は疲れたね…」ゴロン
白雪「そうだね」
吹雪「そういえば、白雪ちゃんと二人っきりって初めてだね」
白雪「そうだね、私たちが着任する頃にはもう叢雲ちゃんがいたから…」
吹雪「叢雲ちゃんも頑張ってるかなぁ」
白雪「きっと大活躍してると思うよ! 叢雲ちゃんの練度すっごく高いし」
吹雪「そうだね。うん、私たちも頑張らないとね!」
白雪「そうだね、頑張ろ!」
吹雪「それにしてもこの生活が後、1週間かぁ。大丈夫かなぁ…」
白雪「そうだね…。でも一応お水の確保は出来そうだし、ゴーヤちゃんとユーちゃんが魚をたくさん獲ってくれるからなんとかなるんじゃないかな?」
吹雪「うーん、そうだよね!」
白雪「うん! それじゃあ、今日はもう寝ようか? おやすみ、吹雪ちゃん」
吹雪「うん、白雪ちゃんもおやすみ」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:22:26.49 ID:oMT0tnpHO
〜朝潮型の部屋〜
霞「えっと、清霜はそこの朝潮ねぇの布団使ってね」
清霜「うん、分かった!」
霞「なんか朝潮ねぇ以外と部屋で一緒なんてちょっと違和感…」
清霜「朝潮型で着任してるのは朝潮ちゃんと大潮ちゃんと霞ちゃんだっけ?」
霞「そうよ。いつもは大潮ねぇがうるさいけど、いざ居なくなっちゃうと少し物足りないわね…」
清霜「霞ちゃんってお姉さんたちが大好きなんだねっ!」
霞「なっ! …ま、まぁ尊敬はしてるわね。二人とも自慢のお姉ちゃんよ、練度もすごいし頼りになるし」
清霜「霞ちゃんには姉妹の艦娘さんがいて羨ましいなぁ」
霞「そういえば、夕雲型で着任してるのは清霜だけだっけ?」
清霜「うん、そうなんだぁ」
霞「うーん、まぁ小さい鎮守府だからね…」
清霜「うん…。でも、私寂しくないよ!」
霞「そうなの?」
清霜「うん! だって霞ちゃんがいるもんっ!」
霞「そ、そうなの? …あ、ありがとね清霜」ゴニョゴニョ
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:25:08.16 ID:oMT0tnpHO
〜潜水艦の部屋〜
伊58「ユー、布団まで頑張るでち」
U-511「うん、あと少し…」ウトウト
伊58「ふぅ、なんとかベッドまでつけたでち…」
U-511「ゴーヤ、Danke…」ドサッ
伊58「ちょっとユー! そんなに勢いよく倒れて大丈夫?」
U-511「すぅ…すぅ…」zzz
伊58「あれ、もう寝ちゃったの? は、はやいでちね…」
伊58「それにしても、この部屋に来てから思っていたんだけど本当に何もない部屋でち…」
伊58「訓練は何度かしたけど着任してからまだ一回も出撃してないんだよね…。初日と2日目はよっぽど暇な鎮守府だとおもったけど…」
伊58「大規模作戦が発令されたって聞いて出撃する間もないくらい提督は忙しかったって納得したでち」
伊58「イムヤは大丈夫かなー。元気でやってるといいけど…」
ひょいっ
伊58「それにしても、この髪飾り…。なんでゴーヤの髪飾りがベッドの横にあったんだろう…?」
伊58「ゴーヤは自分のを持っているのにどうして着任したてのゴーヤの部屋にもう一つ同じ髪飾りがあったのかな…」
伊58「うー、考えても分からないよぉ…。うん、もう寝ちゃうでち!」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:26:13.78 ID:oMT0tnpHO
♦ ♦ ♦
〜鎮守府見張り室〜 2200
龍驤「お二人さん、風呂あがったでぇ」
川内「おっ、来たねー!」
古鷹「吹雪ちゃんと白雪ちゃんは寝ましたか?」
龍驤「もう寝るって言ってたで」
古鷹「そう…、みんな活躍してくれたもんね」
川内「さぁーて、じゃあ早速夜戦に…」
龍驤「夜戦って…。キミ、それよりも今は話し合いやろぉ?」
川内「あっ、そうだったね…うーん、せっかくの夜なのに夜戦出来ないなんてー!」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:27:24.69 ID:oMT0tnpHO
古鷹「え、えっと、じゃあ早速今の状況について話し合おうよ!」
龍驤「そうやな、明らかに異常事態やで、これは」
川内「そうだね、駆逐艦の娘達は楽観的に見てるけど明らかにおかしいよ」
古鷹「明らかにおかしいのは2点。1つ目は、食料、真水がなかったこと。無線室が使えなかったって言うのはもしかしたら提督たちが出発した後に壊れてしまった可能性があるけど食料がないって言うのは考えられないよね」
川内「そうだね、もし無くても何か一言くらいはあってもいいよね」
龍驤「あきらかにおかしいよなぁ」
古鷹「そして2つ目。1週間という間、この鎮守府で過ごすというのに私たちに何も指示がくだらなかったこと」
龍驤「それや。1週間もの間、鎮守府を留守にするというのに提督はウチらに何も指示を出さなかった」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:28:41.47 ID:oMT0tnpHO
川内「そうだよね。私たちは着任したばかりでまだまだ鎮守府の事には詳しくない。普通なら、鎮守府の管理などで注意事項などを言ってくれるはず」
古鷹「出発までそこまで時間がなかったわけでもないのにおかしいよね」
龍驤「そうやなぁ。これじゃぁまるで…」
古鷹「そうだよね…。これじゃ、『捨てられた』みたいだよね」
川内「うっ!…まぁ、薄々気づいていたけどさ。いざ、言葉にされると現実味を帯びるね…」
龍驤「ま、まぁ、まだ決まったわけではないやどな。燃料が少し残っていたり、それにユーやゴーヤは本当に着任したばかりやからな」
古鷹「そうだよね。捨てると決まっている鎮守府に新しい艦娘を着任させるわけないと思うけど…」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/11(水) 22:30:48.13 ID:oMT0tnpHO
川内「うーん、考えれば考えるほど分からないなぁ」ノビー
キラッ
川内「んっ?」ゴシゴシ
古鷹「川内ちゃん、どうかした?」
川内「…今、海の向こうでなにか光らなかった?」
龍驤「ん? ウチには見えへんかったでぇー、なにかあったんか?」
川内「うーん、見間違いかなぁ…」
古鷹「月の光が反射しちゃったんじゃないかな? ここは基本的に船は通らないし、ほど近い陸地もないし」
川内「うーん、月の光だったのかな」
龍驤「まぁ、とにかく駆逐艦と潜水艦に余計な気を負わせる必要もないから捨てられたっちゅう可能性は今は黙っとこうな」
古鷹「そうだね。捨てられたって言う確証がないのに不安を煽る必要はないよね」
川内「そうだねっ!」
龍驤「そんじゃ、ある程度話もまとまったことだしウチらも交代で休もかー?」
川内「えーっ、せっかくだしなんかしたーいっ!」
古鷹「でも、明日もいろいろしないとだし…ちゃんと休んでおかないとダメだと思うな」
川内「むぅ…分かったよ」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:33:47.78 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
・9月13日 0500
吹雪「ふわ〜ぁ…よし」ヌギヌギ
吹雪「今日もランニングを、っと待って。そういえばいつもはランニングしたら当たり前のようにご飯を食べてたけど…今日はご飯、ないんだよね?」
吹雪「…給仕の人や鳳翔さん、間宮さんには感謝しないとだね。本当にいつもありがとうございます」
吹雪「うん、せっかく起きたし私が作ろうかな。まぁ作るとは言っても昨日のお魚と麦米と味噌汁しか作れないんだけどね…」
吹雪「味噌汁は…ワカメの味噌汁かな? …朝ごはん食べ終わったらアサリとか採りに行ってみようかな。…採れるかな?」
吹雪「まぁ、とにかく厨房に行かないと」
〜厨房〜
吹雪「よし、着いた…ってあれ、古鷹さん?」
古鷹「あれ、吹雪ちゃん?」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:38:19.79 ID:DzKxoHjA0
吹雪「あ、おはようございます古鷹さん!」
古鷹「うん、おはよう! もしかして朝ご飯作りに来てくれた?」
吹雪「はいっ!」
古鷹「そっかぁ。あれ、今日はランニングはしなくていいの?」
吹雪「あ、はい。今日はご飯を作らないとなって思って…って、私がランニングしてたの知っているんですか?」
古鷹「うん、吹雪ちゃん着任してから毎日朝早く走っているでしょ?」
吹雪「は、はい! まさか見られてたなんて…なんだかちょっと恥ずかしいです…!」カァァ///
古鷹「なんで恥ずかしいの? 私、吹雪ちゃんが着任してからは吹雪ちゃんのランニングを見ることで今日も一日頑張ろうって思ってたんだ」
吹雪「そ、そうだったんですか! え、えっとありがとうございます…?」
古鷹「お礼を言うのは毎日元気をもらってたこっちの方だよ、ありがとね吹雪ちゃん」ニコッ
吹雪「…!」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:39:27.58 ID:DzKxoHjA0
古鷹「今日だって走ってきていいんだよ? 朝ごはんは私が作るから」
吹雪「い、いえっ! 私も手伝いますよ! 二人でやればすぐです!」
古鷹「そうだね。じゃあ一緒に作っちゃおっか」
吹雪「はいっ!」
川内「古鷹ー、なんか手伝おうかっ?」
川内「あれ、吹雪も起きてきたんだ? おはよっ!」
吹雪「おはようございます! 川内さんももう起きてたんですね!」
川内「もうって言うかずっと起きてたけどね」
吹雪「えっ」
古鷹「川内ちゃんったら、ちゃんと寝てって言うのに全然寝ようとしないんだもん」
川内「まぁまぁ、いいじゃんいいじゃんっ! それより何か手伝おうか?」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:40:14.58 ID:DzKxoHjA0
古鷹「うーん、簡単なものしか作らないし私と吹雪ちゃんで作っちゃうから大丈夫そうかな」
川内「そう? んー、じゃあみんなを起こしてくる?」
吹雪「えっと、ご飯は後15分くらいで出来そうなので、できればお願いしたいです!」
川内「オッケー! じゃあ起こして食堂に呼べばいいかなっ?」
古鷹「うん、じゃあお願いね」
川内「了解したよっ!」テクテク
古鷹「じゃあ、川内ちゃんが起こしてきてくれる間に完成させちゃわないとね」
吹雪「はいっ!」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 18:43:10.18 ID:DzKxoHjA0
〜食堂〜
白雪「吹雪ちゃん! ごめんっ、私全然吹雪ちゃんが起きたの気づけなくて朝ご飯のお手伝いできなかったよ…」
吹雪「そ、そんなに謝ることないよ白雪ちゃん。私だって今日はたまたま古鷹さんのお手伝いしただけだから」
白雪「…次、何かすることとかあったらすぐ私に言ってね? 何でも手伝うから!」
吹雪「うん、ありがと白雪ちゃん」
清霜「みなさん、おはようございます!」
霞「おはよう」
伊58「おはようでち! …朝ごはんありがとでち!」
U-511「Guten Morgen。おはようございます、みなさん」
龍驤「おはようさん! お、出来とるなぁ」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:07:35.20 ID:DzKxoHjA0
古鷹「うん、とはいっても昨日の夜ご飯とほとんど同じだけど…」
川内「いやいや、ありがたいよ!」
龍驤「それじゃあ、いただきます!」
「「いただきます!」」
伊58「朝ご飯を食べないと力が出ないでちからね」
U-511「和食はやっぱりおいしい…」
清霜「たくさん食べて戦艦になるぞー!」
霞「うん、おいしいわね」
〜食後〜
古鷹「ところで、これからの予定なんだけど…」
吹雪「とりあえず、やらないといけないのはお水の確保ですね!」
古鷹「そうだね、また昨日の所で補給だね」
霞「今日は私に任せなさいっ!」
清霜「清霜も手伝うよっ!」
古鷹「じゃあ水汲みは私と霞ちゃんと清霜ちゃんでやるね」
吹雪「私は食器の片付けとか昨日の洗濯物とかを片付けちゃいますね!」
白雪「あ、私も手伝うよ!」
龍驤「じゃあ、ウチも手伝うでぇ!」
吹雪「ありがとうございますっ!」
川内「じゃあ私たちは、また魚を獲りに行こうか?」
伊58「海の中ならまかせるでち!」
U-511「ユーも頑張ります」
古鷹「よし、とりあえず役割は決まったね」
霞「そうね」
清霜「今日はお水だけじゃなくて、食べられそうな山菜とかあったら採ってきますねっ!」
龍驤「おぉ、それは助かるなぁ」
吹雪「楽しみにしてるねっ!」
白雪「山菜があれば、油も少し余ってたしてんぷらが作れるかも…」
川内「よし、じゃあご飯も食べ終わったし動き始める?」
龍驤「そうやなぁ、じゃあ行きますか」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:08:53.57 ID:DzKxoHjA0
古鷹「じゃあ、また後でね」
白雪「みなさん、気を付けてくださいね!」
霞「ただ、水を運ぶだけなんだから危ない事なんて別にないけど…」
清霜「うん、気を付けていってくるね」
古鷹「じゃ、霞ちゃん、清霜ちゃん行こ?」
霞・清霜「「はーい!」」
川内「ゴーヤとユーは私がしっかり見ておくから安心してよ!」
伊58「昨日よりもたくさん獲ってくるでち!」
U-511「期待していてください…」
川内「よーし、いこーっ!」ムニャムニャ
吹雪(川内さんだいぶ眠たそうだけど大丈夫かなぁ…)
吹雪「じゃあ、私たちも始めますか?」
白雪「うん、そうだね!」
龍驤「よぉーし、ぱっぱと終わらせるでぇー!」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:09:57.43 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜川内・伊58・U-511サイド〜
川内「ムニャムニャ…」
伊58「川内ー、川内ったらぁ!」
川内「はっ!ど、どうしたの?」
U-511「川内さん、眠いの…?」
川内「あ、あぁー、やっぱり朝は眠いねぇ…」
U-511「川内さん、少し眠ってても大丈夫です…」
川内「え、でも…」
伊58「川内は潜れないから、少し位休んでてよ! お魚はゴーヤたちに任せるでち!」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:11:29.24 ID:DzKxoHjA0
川内「ん、そうかな? …じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ寝させてもらうねっ」
U-511「ユーとゴーヤに任せて」
川内「うん、お願いね…」
川内「すぅ…すぅ…」zzz
伊58「よーし、ユーどっちがたくさん獲れるか勝負でち!」
U-511「負けない…!」(川内さん、よくこんなところで眠れる…)
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:13:45.52 ID:DzKxoHjA0
〜1時間30分後〜
伊58「だいぶ獲れたねー」
U-511「ちょっと疲れた…、えっと…1時間30分くらい経ってる」
伊58「そろそろ戻るでち?」
U-511「うん、じゃあ川内さんを…川内さん、川内さん…起きてください」ユサユサ
川内「ん、んんっ…夜…?」
伊58「川内、大分獲れたからそろそろ戻るでち」
川内「あっ、そっか私眠ってたんだっけ…、ってすごい獲れてるじゃんっ!」
伊58「ゴーヤたちにかかれば楽勝でち!」
川内「うんうん、これだけあれば大分持つんじゃないかな! ワカメもたくさんだね!」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:14:44.88 ID:DzKxoHjA0
ざざざーんざざざざーん
U-511「今日は波があんまりたってなくて海が透き通ってたからやりやすかったです」
川内「ん、そうだねー、天気も良くて風もほとんどないし、海も…」
ざざざざざざざざざ
川内「ん…あれ、なんだろ…?」ゴシゴシ
伊58「どうしたでちか?」
川内「なんだろ、なんか黒い点が近づいてきてない?」
U-511「うーん、ユーには見えないです…」
川内「…いや、確かに見えるよ。…なんだか嫌な予感がする」
伊58「ど、どうしたんでち川内、そんなに考え込んで。鳥とかの群れじゃないの?」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:24:33.47 ID:DzKxoHjA0
川内「ゴーヤ、ユー、魚雷は装備してきてる?」
伊58「ぎょ、魚雷でちか?」
U-511「一応、装備はしてきてます…」
川内「良かった…」ボソッ
川内「ごめんちょっと水偵を飛ばすよ。お願いっ!」ブゥーン
U-511「どうしたのかな…」
ざざざざざざ…ざざざざ…
川内「…やっぱり! 駆逐、軽巡一隻ずつ! 敵艦だよっ!」
伊58「えっ!? て、敵でちか!?」
U-511「て、敵? ど、どうしよう、とりあえずみんなに…」アタフタ
川内「だめだよっ! ここから鎮守府まではそこそこ距離があるっ! 水偵もまだ戻ってきてないから助けは呼べない、ここで迎え撃つよ!」(あの程度なら私達だけでやれる…!)
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:25:43.25 ID:DzKxoHjA0
伊58「そ、そんないきなり言われてもまだゴーヤとユーは実戦経験が…」
川内「それでも、やるしかないよ! ゴーヤとユーは先制で魚雷を撃つ準備をして! 二人とも軽巡を狙ってね!」
川内「少しは訓練したでしょ?」
U-511「はい、ユーもゴーヤも先制魚雷を打つ訓練は少しだけどしました」
川内「それなら大丈夫! 訓練通りにやれば必ず当たるから! 駆逐は私が沈めるから、2人はとにかく軽巡を狙って!」
伊58「わ、分かったでち! 怖いの二つ…大丈夫、ゴーヤなら大丈夫!」バシャーン
U-511「ユー、出ます」バシャーン
川内「くるよっ!」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:26:50.11 ID:DzKxoHjA0
駆逐イ級「」ざざざざ
軽巡ホ級「」ざざざざ
川内「よし、砲雷撃戦よーい! 撃てー!」
伊58「ゴーヤの魚雷さんはお利口さんなのでち!」ドゴーン
U-511「Feuer!」ドゴーン
シュルルルルルッルル
どがーんっ!
敵軽巡「ぎゃぁぁ!」ぱらぱら…(砕け散る音)
川内「敵軽巡、撃破! 後は駆逐だけっ…!」シュー
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:28:18.41 ID:DzKxoHjA0
敵駆逐「ぐおおおおおっ!」
川内「夜戦じゃないけどこれくらいならっ…! 沈めっ!」ドガドガーン
敵駆逐「ぐぎゃあああっ!」ぱらぱら…
ぱりぱりぱりーん…しゅぅぅぅ
川内「敵駆逐撃破っ! ゴーヤ、ユー勝ったよ!」
伊58「や、やったでちっ! ユー、初撃破だよー!」
U-511「ユー、やったよ。軽巡倒せたよ」
川内「うん、二人ともいい先制だったよ! 初めての実戦なのに初撃でしとめるなんてすごいよっ!」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:29:29.19 ID:DzKxoHjA0
U-511「敵の駆逐艦、軽巡初めて見ました。目が青かった…」
伊58「怖いの倒せてよかったー!」
川内「よし、それじゃあ二人はお魚持って先に戻ってみんなにこの事を報告しておいて!」
伊58「わかったでち」
U-511「川内さんは、どうするんですか?」
川内「私は一応、鎮守府の周りに敵がいないかどうかを確認してから行くよ」
U-511「分かりました…、じゃあ先に戻ってます」
伊58「川内も気を付けるでち」
川内「うん、ありがとねっ! じゃあよろしくっ」
伊58・U-511「「了解」」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:34:06.62 ID:DzKxoHjA0
川内「…さて、一応確認しておかないとね。それにしてもなんで駆逐と軽巡が来たんだろ…?」
川内「…問題はあの駆逐と軽巡がたまたまこの鎮守府に来ただけなのか。それともなにか目的を持ってこの鎮守府にやってきたのか」
川内「後者だとしたらまずい…。私たちはまだ着任したばかりで、練度は低い。それにゴーヤたちは今のが初の実戦で吹雪と白雪も確か実戦経験はないはず」
川内「それに燃料も少ないし、敵と戦う力はほとんどない…」
川内「とにかくみんな…いや、龍驤と古鷹と後で話し合いだね」
川内「よし、鎮守府の周りに敵もいなかったしとりあえず私も戻ろう」スタスタ
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:36:01.99 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜会議室〜
龍驤「なるほどなぁ…。でも、とにかく無事でよかったわ」
吹雪「まさか、そんなことになっていたなんて…」
白雪「ゴーヤちゃんもユーちゃんもすごいです!」
霞「駆逐と軽巡が2隻、どうして鎮守府に…?」
清霜「なんでだろう…」
川内「あっ、みんな揃ってるね」
古鷹「川内ちゃん、お疲れ様。大変だったね」(駆逐艦の娘達が心配そうにしちゃってるね…)
吹雪「でも、本当にどうして鎮守府に敵が…?」
川内「うーん、多分航路を外れちゃった敵だったんだと思うよ? …すごいぐにゃぐにゃと海の上を走っててとても目的地があるようには見えなかったし」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:37:52.95 ID:DzKxoHjA0
清霜「そうなんですか? でも…」
古鷹「私もそう思うな。だって小さいとはいえここは鎮守府だよ? たったの二隻なんてすぐ沈められちゃうもの。それに航路がめちゃくちゃだったんでしょ?」
川内「うん、だからそんなに心配することはないと思うよ」
霞「大丈夫よ、清霜! もし敵が来てもあたしがやっつけてあげるんだからっ!」
清霜「う、うんっ! でも私だって負けないよっ!」
龍驤「そうやな、たまたまはぐれた敵なんやからそこまで気にする必要はないやろ!」
古鷹「そうだね。…でも、これからは一応鎮守府近海を監視していた方がいいかもしれないね」
吹雪「そ、そうですね! 念には念をといいますし…」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:40:24.81 ID:DzKxoHjA0
龍驤「そうやなぁ、ならとりあえず今はウチが監視しに行くから」
川内「あっ、私も行くよ!」
伊58「お昼ご飯はゴーヤに任せるでち!」
U-511「ユーも手伝う…」
吹雪「あっ、私も手伝うよっ!」
伊58「吹雪は朝ごはんも作ってくれたし、お昼は私とユーで作るから大丈夫だよー!」
U-511「吹雪ちゃんと白雪ちゃんは休んでて大丈夫…」
吹雪「そ、そうかな? じゃあ、お任せするね?」
吹雪「じゃあ、私は鎮守府の裏の砂浜でアサリでも探しに行こうかな…」(アサリを漁りに…って思いついたけど言わない方がいいよね)
白雪「吹雪ちゃんアサリ採りに行くの? 私も行っていいかな?」
吹雪「もちろんだよっ! 霞ちゃんと清霜ちゃんも一緒に行かない?」
清霜「アサリ? もちろん私も手伝うよ!」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:41:41.18 ID:DzKxoHjA0
霞「それなら、あたしも手伝うわね」
吹雪「駆逐艦組だね! じゃあ早速行こうよっ!」トテトテ
伊58「まだお昼までは時間もあるしゴーヤたちは倉庫に行って魚雷の整備でもするでち」
U-511「魚雷は、大事…」
古鷹「じゃあ、とりあえずこれで解散ね。お昼までにはちゃんと食堂に集合ね? 駆逐艦の娘と潜水艦の娘はもし何かあったらすぐに私に報告してね」
古鷹「私は無線の確認をもう一度するために無線室にいるから」
「「はーい」」
古鷹「じゃあ、とりあえず解散ね」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:42:38.38 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜鎮守府4階見張り室〜
龍驤「それにしてもまさか航路を外れた敵艦が鎮守府の前を通るとはなぁ…」
川内「…そのことなんだけど、さっきは駆逐や潜水艦の娘がいたから言わなかったけどもしかしたら最初から鎮守府を狙っていたのかもしれないんだ」
龍驤「ん、どういうことや?」
川内「実は、さっきは目的もなしにぐにゃぐにゃ走ってるって言ったけど、敵艦は真っ直ぐにこの鎮守府めがけて航路を取ってたみたいなんだよ。まぁ、たまたまこっちに真っ直ぐ航路を取ってただけかもしれないけど…」
龍驤「なっ!?そ、それって…」
龍驤「で、でもちょっと待ちや! さっきも言ったけどここは小さいけどれっきとした鎮守府やで? いくらなんでもたったの二隻で…」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:44:30.44 ID:DzKxoHjA0
龍驤「それに、そもそも敵側がここに鎮守府があるっていう情報を持ってるかどうかすら怪しいで? ただ、陸地があったからちょっと寄ってみただけかもしれへんやん」
川内「うん、もしかしたらそうかもしれないけど…。でも今となってはこれを議論しても意味ないかも。だって、結局は敵艦を撃破せざるを得なかったし、敵側にこの鎮守府の存在がばれるのは時間の問題だよ」
龍驤「これはまずいで…。最低でも後1週間程度は他の艦娘は帰ってこない。いや、1週間たっても帰ってこない可能性さえある…」
川内「うん、それにこの島を脱出しようにも燃料はもうほとんどないし、近くに人が住んでいる島もない…」
龍驤「絶体絶命ってやつやなぁ、どうすればいいんや…」
川内「とにかく、1週間はなんとか生き延びて鎮守府を死守しよう。もしそれでも提督たちが帰ってこなかったら…」
龍驤「帰ってこなかったら…?」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:45:44.56 ID:DzKxoHjA0
川内「それはその時考えるしかないよねっ!」
龍驤「って、キミぃ、結構適当やなぁ…」
川内「だって、無線も使えない、この島から脱出も出来ない。だったらとりあえずはこの鎮守府を死守するしかないじゃんっ!」
龍驤「まぁ、せやな…。幸い弾薬、魚雷はそこそこあるみたいやしなにがなんでも1週間死守するでー!」
川内「やるしかないね!」
川内「…あっ、裏の砂浜で駆逐艦たちがじゃれ合ってる」
龍驤「なんやあの娘達はアサリを漁りに入ったんやないのか」チラッ
川内「…駄洒落?」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:46:37.13 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
霞「アサリを採りに行くってことは鎮守府の裏の海岸よね?」
吹雪「そうだね、裏の階段をぐるっと下っていこ!」テクテク
白雪「鎮守府の裏ってすごい崖だよね…」
清霜「だから、こんなに山の周りをぐるっと回るような階段の造りなんだね」
吹雪「そうだね、とても山を突っ切ってはいけないからね…」
霞「山をぐるっと回るからかなり遠回りよね」
白雪「でも、足腰は鍛えられそうだね」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:48:40.62 ID:DzKxoHjA0
〜砂浜〜
吹雪「ふぅ〜、やっと着いたねー!」
清霜「戦艦になるためにもたくさん採るっ!」
霞「アサリだけじゃなくて他のも採りたいわね!」
白雪「よーし、頑張ろうね!」
吹雪「あ、さっそくおっきいの見つけたよ、あっ」
霞「あ、あたしが先に見つけたのよ?」
吹雪「わ、私だよっ!」トリッ
霞「あーっ! あたしが見つけたのよー!」ガバッ
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:49:29.99 ID:DzKxoHjA0
吹雪「あっ、ちょっと霞ちゃん、飛びつかないでよっ!」ジタバタ
霞「返しなさーいっ!」グイグイ
吹雪「ちょ、ちょっと霞ちゃん、あははっ、く、くすぐったいよ!」
霞「アサリはあたしが貰ったわ」グッ
吹雪「やったなー…えいっ!」ガバッ
霞「きゃっ、ちょ、ちょっとやめなさいったら!」バタバタ
白雪「二人とも、服が砂まみれになっちゃってるよ!」
清霜「吹雪ちゃん、霞ちゃんと遊べて楽しそうだなー」チラッ
白雪「な、なにかな清霜ちゃん…?」
清霜「私たちも遊んじゃおっか!」ガバッ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 19:51:07.00 ID:DzKxoHjA0
白雪「ちょ、ちょっと清霜ちゃん!? あれは別に遊んでるわけじゃ」
清霜「問答無用でしょー!」
白雪「も、もう、みんな真面目にやってよー!」
〜数分後〜
吹雪「はぁ…はぁ…、アサリを採りに来ただけなのになんでこんな…」
霞「あ、アンタがしつこいからじゃない…」
白雪「もう、清霜ちゃんったら…」
清霜「なんだか、久しぶりに遊べた気がする!」
吹雪「でも、なんだかんだアサリは結構採れたね」
白雪「そうだね…だけど、かなり汚れちゃったし、お昼の前にお風呂入っておかないとダメだね」
霞「疲れた…」
清霜「じゃあ、お風呂行くよー!」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 20:55:50.32 ID:DzKxoHjA0
〜食堂〜
吹雪「戻りましたー」
龍驤「ん、もどったかー」
白雪「あ、龍驤さん見張りは…」
龍驤「あぁ、ゴーヤとユーに代わってもろたんや」
霞「そうなの? ならご飯食べ終わったら交代しに行かないとね」
清霜「そうだね!」
川内「そういえば無線の方はどうだった?」
古鷹「うーん、ダメみたい。うんともすんとも言わなかったよ」
龍驤「そうかぁ…まぁ、しゃあないわなぁ」
清霜「無線が使えないんじゃ、やっぱり私たちで頑張るしかないね!」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 20:58:20.05 ID:DzKxoHjA0
ドタドタドタ
伊58「た、大変でちっ!敵艦がこっちに向かってきてるでちっ!」
古鷹「ほんとっ!?」
U-511「まだ、遠くの方にいるけど向かっています…。ただ、ユーたちじゃ正確な艦種と数は分かりませんでした…」
龍驤「わかったで、全員出撃準備や! ウチと川内でまず敵艦隊の正確な数を把握するで!」
川内「了解!」
霞「行くわよ、みんな!」
吹雪「え、えっと…」アワアワ
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:01:19.59 ID:DzKxoHjA0
古鷹「吹雪ちゃんは初出撃だっけ?」
吹雪「は、はいっ! わ、私と白雪ちゃんは初めてです!」
古鷹「大丈夫、まずは落ち着くことが大事だよ!」
吹雪・白雪「「はいっ!」」
龍驤「まずは艤装をつけに行くで!」
♦ ♦ ♦
〜防波堤〜
龍驤「みんな、準備はできたか? 敵は駆逐4軽巡2の水雷戦隊や」
古鷹「目の色はどうだったの?」
龍驤「全艦とも青緑や」
川内「制空権は取ったよ!」
龍驤「よっしゃ、まずはウチがかましたるで! 艦載機のみんなお仕事やで!」
古鷹「ゴーヤちゃんとユーちゃんは先制雷撃の準備をよろしく! なるべく接触をしないように先制で出来る限り沈めるよ!」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:04:03.60 ID:DzKxoHjA0
伊58・U-511「「了解!」」
川内「私たちは龍驤、ゴーヤ、ユーが沈められなかった敵を沈めるよ!」
古鷹「よし、みんな単縦陣だよ!」
「「了解!」」
龍驤「よしっ! 軽巡ホ級一隻中破、駆逐イ級一隻撃破! …あとは頼むでっ!」
伊58「よし、ゴーヤたちの出番でち!」
古鷹「二人とも龍驤ちゃんが中破させてくれた軽巡を狙って雷撃お願い!」
U-511「了解しました、行きます! Feuer!」ドゴンッ
伊58「魚雷さん、お願いしますっ!」ドゴンッ
しゅるるるるるるるー
どがぁんっ!! ぱらぱら…
川内「よし、中破してた軽巡撃破! 隣の軽巡も小破したみたい! ナイスだよゴーヤ、ユー!」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:05:54.11 ID:DzKxoHjA0
古鷹「よし、みんな気を引き締めて! 砲雷撃戦、用意!」
ガチャ
ざざざーん…
ざざざざざーん……
軽巡ホ級「ぐがぁぁぁっ」
古鷹「てぇーっ!」
どがぁぁんっ!
駆逐イ級「ぐぎゃっ」ぱらぱら…
清霜「よしっ、一隻撃破っ!」
駆逐イ級「ぎゃあああっ!」
霞「清霜っ!」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:07:29.35 ID:DzKxoHjA0
どがぁんっ!
清霜「うわっ、あっぶなー…か、霞ちゃんっ!」
霞「くっ…油断しちゃダメでしょっ! けどっ、仕留め損ねたっ!」
吹雪「お願い、当たってくださいっ!」ズガンッ
駆逐イ級「ぐぎゃっ」ぱらぱら…
霞「ナイスよ、吹雪!」
吹雪「霞ちゃんが、ダメージを与えてくれたから当てられたんだよ!」
古鷹「沈んでっ!」ドガァンッ
軽巡ホ級「ぎゃぁぁっ」ぱらぱら…
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:08:38.96 ID:DzKxoHjA0
吹雪「さ、さすが古鷹さん、すごい火力です…!」
白雪「こ、これが実戦…!」
川内「ほら、白雪ぼやぼやしちゃダメッ! 後は駆逐だけだよっ!」
白雪「は、はいっ!」(訓練通りに訓練通りに…)
白雪「特型駆逐艦の力、ご覧くださいっ!」ズガンッ
駆逐イ級「ぎぃぃ!」
白雪「は、外し…」
川内「ナイス、白雪! 十分だよっ! よーっし、ファイアっ!」ドガン
どごぉん!
駆逐イ級「ぐぎゃあああ」ぱらぱら…
白雪「あ、ありがとうございます、川内さん。すいません、足を引っ張ってしまって…」
川内「いやいや、初の実戦にしては結構動けてたと思うよ!」
白雪「はい…」
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:11:45.65 ID:DzKxoHjA0
古鷹「よし、これで全艦撃破できたみたいだね。みんな怪我はない?」
吹雪「か、霞ちゃんが…」
霞「大丈夫、ちょっと擦っただけよ」
清霜「ご、ごめんなさい、私が油断したのを霞ちゃんが庇ってくれて…!」ウルウル
清霜「ごめんね霞ちゃん、私のせいで…」
霞「こんな怪我くらいなんともないったら! それより、この反省を活かして次は油断しないようにするのよ?」
清霜「う、うんっ!」
川内「私と白雪も無傷だよ!」
白雪「はい…」
古鷹「よし、じゃあとりあえず鎮守府に戻るよ! 入渠まではする必要ないかもしれないけど、霞ちゃんの傷口を消毒しないと」
「「了解!」」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:15:13.17 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
〜会議室〜
清霜「霞ちゃん、大丈夫…?」ソワソワ
霞「だから、ただのかすり傷だったら!」
清霜「う、うん…」
龍驤「…みんな集まった?」
吹雪「えっと、川内さんがいないみたいなんですけど…」
龍驤「あぁ、川内には見張りに行ってもらってるんや」
龍驤「それでや。これから話すことは大事なことやからしっかり聞いてや」
龍驤「みんなも分かってるかもしれんけど、この鎮守府は恐らく敵に見つかり、標的にされている」
伊58「こんなみんなが居ない時に…」
龍驤「とにかくや。司令官が帰ってくるまではウチらだけで、鎮守府を守らなアカン」
霞「やるしかないみたいね…」
清霜「で、でも本当に立ち向かえるんですか…? 弾薬や魚雷はまだ余裕があるみたいだけど、燃料は…」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:17:16.14 ID:DzKxoHjA0
白雪「そうだよね…今の出撃で燃料は一人一回補給したらなくなっちゃうくらいまで減っちゃいましたよね」
U-511「ユーは魚雷さえあれば…」
龍驤「そこでや、燃料の消費を抑えるために魚雷を主体にした戦い方に切り替えるで」
白雪「魚雷を主体にですか?」
龍驤「そうや、海に出てもなるべく動かず鎮守府の傍から魚雷を発射する。敵を鎮守府に近づけてしまうんは危険やけど、この状況じゃあしゃあないんや…」
古鷹「そうだね、とにかく燃料の消費は最小限にしないとね」
吹雪「…」ブルッ
古鷹「…吹雪ちゃん、大丈夫?」
吹雪「は、はい…、みんな頑張っているのに私だけ弱音は吐けませんので…」
古鷹「吹雪ちゃん…」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:19:58.80 ID:DzKxoHjA0
龍驤「…まぁ、気を張りっぱなしでも疲れてしまうからな? 適度に緊張はほぐすんやで」
伊58「そうでちね」
U-511「分かりました…」
龍驤「ウチは夜ご飯の準備してくるからみんなはリラックスしててや」
吹雪「…あっ、私も手伝います!」
龍驤「キミはすごい動いたんだから休んでな? ウチは艦載機飛ばしただけやからそない疲れてないんや」
吹雪「い、いえ、そんなに疲れてません! それになんだか身体を動かしてないと落ち着かなくて…」
龍驤「そう? そんなら手伝ってや!」
白雪「吹雪ちゃんがやるなら私も…」
龍驤「ありがとな、じゃあ一緒に作ろか!」
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/12(木) 21:26:00.27 ID:DzKxoHjA0
龍驤「じゃあ、ウチらは行くな」
古鷹「うん、じゃあお願いしちゃうね、ありがと」ニコッ
古鷹(よし…、一回考えをまとめてみよう)
古鷹(恐らく、私たちはこの鎮守府ごと捨てられた。資材の無さ、提督から指示がなかったこと、そもそも鎮守府に私達みたいな練度の低い艦だけ残された時点でおかしかったんだよ)
古鷹(でも、もし本当に捨てられたとしたら一体鎮守府を捨てる理由って何だろう…? 確かにこの鎮守府は不便なところにあるけど…)
古鷹(執務室に何かヒントがあるかもしれない…。勝手に入ったらダメだけど、みんなが危険に晒されてる以上、というよりも捨てられたんなら勝手に入ってもいいよね?)
古鷹(よし、今から見に行こう。本当はみんなで固まっていた方が行動しやすいけど…しょうがないよね)
古鷹(えっと、川内ちゃんは4階の見張り室、龍驤ちゃんたちは厨房だから、潜水艦の娘と霞ちゃん、清霜ちゃんはこの会議室にいてもらおう)
古鷹「霞ちゃん、私ちょっとお手洗いに行ってくるね? もし何かあったらみんなをよろしくね?」
霞「…! ま、任せてっ!」
古鷹「それじゃあ、お願いね?」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:28:58.57 ID:DzKxoHjA0
♦ ♦ ♦
・9月13日 1700
〜厨房〜
龍驤「よし…、夕飯は吹雪や白雪たちが採ってきてくれたアサリがあるからちょっと豪華にできるでぇー!」
白雪「そうですね…アサリご飯にアサリとワカメの味噌汁、それにユーちゃんとゴーヤちゃんが獲ってきてくれた魚ですね!」
龍驤「ワインが飲みたくなるなぁ〜」
吹雪「龍驤さん…」ゴソゴソ
吹雪「って、あれお水がもうない…」
白雪「あっ、あさりの塩抜きとか、私たちが体を洗い流したときに結構使っちゃったもんね…」
吹雪「龍驤さん、私、お水汲んできますね! 一人じゃそんなに持てないから白雪ちゃんも一緒に行こ!」
白雪「うん、手伝うよ」
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/12(木) 21:31:43.86 ID:DzKxoHjA0
龍驤「そんなら、ウチは軽く下ごしらえしとくなぁ、よろしく頼むで!」
吹雪・白雪「「はーい!」」
吹雪「じゃあいこっか、白雪ちゃん!」トテトテ
白雪「うん」トテトテ
♦ ♦ ♦
吹雪「今度は山登りだねー」
白雪「アサリを採りに行ったときは階段で山の周りをぐるっと回っていったけど、今度は山の中だね」
吹雪「うん、なんかこうなってくると山の中にも階段が欲しくなるね…。歩きにくい…」
白雪「そうだね…、ん…? あれ、階段の方からなにか来てない…?」
吹雪「え、階段…?」山の上から覗き込む
駆逐イ級「」のっそのっそのっそのっそ
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