平塚jk「おい八幡、部活行くぞ」八幡「勘弁してくれ……」

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26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 16:56:49.50 ID:krHEmvlP0
ギャラリー<ザワザワ

戸部「相手に1ゲームも与えずに最後まで来るなんて流石っしょ!」

三浦「弱すぎて話にならないっつーの」

葉山「ちょっとレベルが違いすぎたかな……」

平塚「………」ゴゴゴゴゴ


 怒りメーターがマックスに達している平塚静の隣で、俺はどうすれば最も穏便に解決するか考えていた。

 一番難しいのは俺達がここから逆転する事だろう。正直初心者の俺と平塚静じゃあ相手になっていない。

 普通に考えれば俺達がコートを借りているんだと正論を振りかざす事だが、あっちはパリピだから話を聞いてくれる訳がない。平塚静の怒りも収まらないだろう。


八幡(だったら、これが一番早いか……)


 ――カランッ


葉山「……ヒキタニ君?」

三浦「?」

平塚「比企谷、君のサーブだぞ。ラケットをひろ……」

八幡「………」


 もっとも簡単にして収まりの効く方法。

 それは土下座だ。

 試合が終わってからだと平塚静の怒りをぶつける場所がないが、俺がこうして終わらせれば俺に向くだろう。

 葉山達だって土下座されてまでコートを奪おうとはしないはずだ。ギャラリーの目もある。

 戸塚彩加の目的を果たす為にもコートを奪われる訳にはいかない。


 よって、この場でこうする事が最適解であり、最善な――


雪乃「情けないわね。それでも奉仕部の一員なのかしら」

八幡「!!」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 17:04:50.46 ID:krHEmvlP0

 突如現れた雪ノ下雪乃は俺のやろうとしている事を全て見抜いていた。

 ゛見抜いていた上で”、俺を見下していた。


八幡(゛負け逃げは許さない”ってか……)


 普段なら「それがどうした」と鼻で笑っていた所だが、今の俺はそれを無視できない事情があった。


平塚「………」ジッ

 平塚静の目に敗北の二文字がなかったからだ。

 確かに土下座をすれば事は収まるかもしれない。

 形はノーゲームに出来るし、負けてないと言い張る事は出来る。


 だが、負けは負けなのだ。ギャラリー達の目には平塚静の敗北が映る事だろう。


 何故だかそれは認められなかった。何が何でも勝たなければ。その為には――、



【スポーツの基礎は体力だ。技術も知識も体力を前にすれば無力。1に筋トレ2に筋トレ、34は喧嘩で5に筋トレだ】



八幡「……平塚先輩、ちょっと」

平塚「?」

八幡(まともにやっても勝ち目はないです)ボソボソ

平塚(だったどうする?)

八幡(こっちの土俵に引きずり込みましょう)

平塚(土俵?)

八幡(これは立派な縄張り争い、つまりは喧嘩です。スポーツじゃない。だったら――)

平塚(……なるほど)ニヤリ


 悪魔の笑みがこぼれた。


28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 17:11:55.53 ID:krHEmvlP0
三浦「つーか早くするっしょ」

八幡「へいへい」


 サーブは俺、レシーブは葉山、前衛に平塚静と三浦優美子、完璧な構図だ。


八幡(葉山のレシーブが平塚先輩に行くように出来るだけ角に打ち込む!)スッ


 ワイドにスライスすれば流石の葉山でも中途半端なレシーブしかできないだろう。


八幡「……っ!!」シュパッ


 渾身のサーブが決まる。

葉山「ヒキタニ君やるなっ!」パシッ

 緩めのレシーブが平塚静の方向に飛んだ。想定通りだ。

平塚「………」ゴゴゴゴゴゴゴ

三浦「どうせ緩いボレーしかこないっしょ!!」

八幡「……緩いボレー、ね」


 三浦優美子はあまりにも平塚静を知らなさすぎる。


葉山「抜けてもフォローは任せろ!」


 葉山隼人はあまりにも楽観的過ぎる。


戸部「決まりっしょ!」


 戸部とギャラリーは外野だからと言って甘すぎる。




 平塚静が゛どんな人間”か、この場で知るのは――。



平塚「おおおおおっと!! 手が!! 滑っ、たぁあああああああああ!!!!」ブンッ


 渾身の一撃が放たれる。



 ―――光速のラケット、平塚静一号が。



29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 17:20:49.17 ID:krHEmvlP0


 ――ギュンッ!!


三浦「きゃあぁっ!?」ビクッ

葉山「優美子!!」


 猛スピードで優美子の頬をかすめたラケットは降下する事無くフェンスにぶつかった。

 ギャラリー達が唖然とした表情でこちらを見ている。


三浦「……あ、あぶねぇっしょ!!」

平塚「ああ、そうだな。危ないな。……だったらリタイアするか?」ニヤリ

三浦「!!」

葉山「っ!!」

戸部「き、きたねぇっしょ!」


 ギャラリー達がブーイングをあげる。

 だが、平塚静はしれっとした表情で、


平塚「今、私を批判した者達の中にサーブをきちんと決められる者は何人いる?」

戸部「……っ」

平塚「私を否定するほど勇気のある者達だ。“失敗すればどうなるか”……分かっているな?」ギロリ


 この瞬間、ギャラリー達は思い出した。

 平塚静が何者で、平塚静がどういった存在か。

 ――その恐怖を。


葉山「……棄権する」

三浦「はぁ!?」

八幡「……負けでも良いと言う事か?」

三浦「そんな「ああ、負けで良い」


 流石は“良い人”葉山隼人。お前ならそう動いてくれると思ってたよ。


30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 17:25:41.79 ID:krHEmvlP0
平塚「……すまんな彩加君。君の期待には――」

彩加「ありがとうございます!!」

平塚「え?」

八幡「え?」

 ろくに練習もできず、スポーツマンシップを破壊するような行動に対してお礼?

彩加「僕、気付きました! スポーツとは戦い! 勝つ為に出来る事は何でもしなくちゃいけないって!」

平塚「……お、おお、そうだ、な?」

 好意的解釈が過ぎて平塚静の顔が戸惑いに歪んでいる。

彩加「先輩を見習って僕も全力を尽くします!!」

平塚「そ、そうだぞ! 君なら出来る! 私みたいになるんだ!」

彩加「はいっ!!」


 ……もしかして俺は取り返しのつかない過ちを犯してしまったのではないだろうか。


彩加「……比企谷君もありがと」エヘヘ///

八幡「っ!!」ドキッ

彩加「これからも……よろしくね」ニコッ

八幡「お、おう……」ポリポリ///


 これで良かったんだよ……な?


31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 17:26:34.65 ID:krHEmvlP0
いったんくぎります! 色々と省いてしまったから無理やり感しかなかったすまん! 20分後くらい!
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 18:08:02.95 ID:c0EwcYYtO
>>25で戸塚からラブをもらえてない件について
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 18:21:07.40 ID:krHEmvlP0
結局ラブコメに持って行ってしまいそう。続き行きます
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 18:33:52.95 ID:krHEmvlP0
八幡の教室。昼休み。


クラスメイト「……ちっ」ジロッ

八幡「………」

クラスメイト「………」ジトッ

八幡「………」


 かつてない居心地の悪さ。

 テニスコートの出来事以来、俺のクラスでの評価はこれ以上にないほど落ちていた。苛められないのが不思議なくらいだ。


八幡(ビビってるんだろうな。平塚先輩に)


 そう考えると滑稽だ。女一人にビビってる高校生が俺を威嚇する。普段はパリピでカースト上位を気どっていていも、暴君の前には等しく無価値。

八幡「へっ……」

結衣「ヒッキー何笑ってるの……キモいよ」

八幡「……えっと…」

 誰だこの人。

結衣「ひどっ!? クラスメイトじゃん!?」

八幡「あ、ああ、そうだったな。初めまして」

結衣「初めましてー♪ ……って違う! ずっと一緒じゃん!」

八幡「そうだったか?」

結衣「そうだよ! つーか早く優美子に謝った方が良いよ?」

八幡「謝るような事してねぇ」


 厳密に言えば土下座するような事をした覚えはある。嫁入り前の娘の顔に傷をつけかけたのだ。


結衣「そりゃこっちだって調子に乗ってた所はあるかもしれないけど、あれはやりすぎだって!」

八幡「こっち? お前あっち側の人間か?」


 あっち側の人間が何の用だ? また俺を騙すつもりか……ってそれは過去の話だった。


結衣「あ、それはちが……いや違わないけど……でもそう言う意味じゃなくて!」

三浦「結衣! ジュース買いに行くっしょ!!」

結衣「あ、うん!」

八幡「……ほれさっさと行け」

結衣「……早く仲直りしてね」ジッ…

八幡「……っ///」


 ……仲直りも何もあいつとは最初から何の関係でもない。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 18:43:48.19 ID:krHEmvlP0
放課後。

平塚「ふむ、それはつまり三浦優美子は君に恋しているということだろう」

八幡「……は?」


 なぜそうなる!?


平塚「いや青春じゃないか! 由比ヶ浜結衣というキューピッドは三浦優美子の恋心をなんとか成就させてやりたいと君に近づき、無理やりではない程度に仲直りを促す。そして君は悩み、苦しみ、次第に三浦優美子の事ばかり考えるようになる」

八幡「………」

平塚「恋とはつまり依存度なのだよ比企谷八幡。好きか嫌いかではない。浅いか、深いか。深く潜れば潜るほど、その恋は大きくなっていく」

雪乃「………」

平塚「これはもはや奉仕部案件だ! 依頼されなくても目の前の面白い事があったら手を出す! それが我ら奉仕部!」


 心の声ダダ漏れじゃねぇか。


八幡「具体的には何をする気なんすか?」

平塚「そうだな…………恋はフィーリングとハプニング、そして――」


雪乃「タイミング」


 雪ノ下雪乃がパタンと力強く小説を閉じた。本を大事にする彼女には珍しい行為だった。


36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 18:49:41.19 ID:krHEmvlP0
某カラオケ屋。


三浦「ちょ……え? 何……これ」

八幡(まじかよこれ……)


 十人ほど入れそうな大部屋の中心に三浦優美子はぽつりと座っていた。両腕はギュッと縄で縛られ、目隠しは何重にもされている。

 平塚静はファミレスで放課後をエンジョイしていた彼女を無理やり誘拐してきたのだ。


平塚『君は何故この状況になったか分かっているか』


 カラオケのボイスチェンジ機能を使って低い声を出す平塚静。


三浦「わかんねーし! つーか犯罪っしょ! これ!!」

平塚『自分に嘘をついたまま日々を過ごす。これも神は犯罪と定義している』

三浦「はぁ!?」

平塚『君には好きな人がいるな』

三浦「!?」


 ビクリと肩を震わせる三浦。もはや女王の面影もない。


平塚『嘘を吐けば……』


 バァンッ!!


三浦「ひっ!?」


 最大音量のマイクの前で手を叩く平塚静。やはりこの人は鬼だ。


平塚『もう一度問う。恋をしているな?』

三浦「し、してるっしょ! だからなんだよ!!」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 18:52:44.58 ID:krHEmvlP0
平塚『それはクラスメイト相手だね?』

三浦「そうだよ!」

平塚『身長は』

三浦「高い方だよ!」

平塚『顔は』

三浦「ジャニーズよりかっけーし!」

平塚『性格は』

三浦「めちゃくちゃ良い奴!」

平塚『……く、クラスの評価は?』

三浦「最高っしょ!」


八幡(まぁ最初から分かってた事だがな……)


 三浦優美子が葉山隼人に恋していることは周知の事実だ。

 そんなことはカラスだって知ってるのにここからどうするつもりなのだろうか……。


平塚『………ふむ』


38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 18:53:28.36 ID:krHEmvlP0



平塚『つまり君は比企谷八幡に恋しているということで間違いないね?』



三浦・八幡「「馬鹿なの!?!?!?」」


39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 18:58:04.44 ID:krHEmvlP0
八幡「あ……」

三浦「今の声、ヒキタニ!?」

平塚『声だけで誰か分かるなんて、やはり君は「んな訳ねーっしょ!!」

三浦「だれがこいつに恋するんだよ!! つーかヒキタニ! 早く放せ!!」

八幡「………」ドウスレバ…

平塚『ふむ、何故君は比企谷八幡に恋しないのかな?』

三浦「えっ……」

平塚『それなりの理由があるのだろう?」

三浦「いや……」

平塚『顔か?』

三浦「別に……顔は普通だと思うっしょ」

八幡(普通に答えていくのか……こいつ馬鹿なのか、それとも根は優しいのか)

平塚『性格か?』

三浦「中身は良く知らないっしょ」

平塚『じゃあなぜそう言いきる?』

三浦「クラスでも目立たないし、うちらのグループと仲良くないし」


平塚『ふむ、では君はクラスで目立ってて自分達と仲のいい子を好きになるんだね?』


三浦「……っ」カァ///

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 19:03:09.68 ID:krHEmvlP0
平塚『まぁ若い頃にありがちではあるが、君達はいずれ卒業し、バラバラになるだろう。その時に君のグループとやらは存在しているのだろうか?』

三浦「それは……っ」

平塚『もう一度問う。君は比企谷八幡に恋をする可能性は本当に0なのか?』

八幡「………」

三浦「………」

平塚『…………比企谷、彼女を放してやれ』

八幡「えっ……?」

平塚『まちが……彼女は本当の恋を知る事が出来た。もはやこれ以上の拘束は無意味だ』


 普通に間違えたって言いかけたなこの人。


八幡「……ほれ」シュル

三浦「……ありがと」

八幡「お礼言われる立場じゃねぇよ」

三浦「こいつに命令されてたっしょ?」

八幡「……止められなかった時点で同罪だ」

三浦「……ということは…」ジッ

八幡「……?」



三浦「あーしがヒキタニの事が好きな可能性、少し期待してたって事?」ニィッ///



八幡「……っ///」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 19:06:11.02 ID:krHEmvlP0
三浦「まぁあーしが好きなのは隼人だし、ありえないんだけどさ」ノビーッ

八幡「………」

三浦「少し気付かされることもあったっしょ!」

平塚「うむ、それこそが私の「つーか黙れ犯罪者」

平塚「………しゅん」

三浦「せっかくだし、歌って帰ろうかな」ポンポン

八幡「?」

三浦「罪滅ぼしに付き合えっしょ」ニコッ

八幡「……あ、ああ…」


平塚「犯罪者……。初めて言われた……」ボソボソ


42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 19:08:23.16 ID:krHEmvlP0
某ファミレス


雪乃「つーかつーかっしょ。あーしつーかっしょ」

戸部「あの……雪ノ下さん? 優美子は……」

雪乃「雪ノ下? つーか誰っしょつーか。あーし優美子っしょ」

葉山「……まぁ、ラインでカラオケ行ってるって来たし、ヒキタニ君が一緒なら大丈夫だろ」

雪乃「つーかつーかっしょ」ファサッ



続く
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 19:09:21.98 ID:krHEmvlP0
ちょい休憩。由比ヶ浜を本筋に絡めるか、林間学校に行くか迷い中
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/07(土) 19:10:09.46 ID:d4XKl8vH0
両方やればいいよ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 22:34:05.00 ID:fyeEaCqdo
ゆきのんが完全に手下1号で草
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 23:38:07.47 ID:krHEmvlP0

 かつて。

 由比ヶ浜結衣は愛犬の散歩中、平塚静が蹴り飛ばした痴漢とぶつかりそうになった事がある。その勢いは大砲のようで、愛犬と共に死を悟ったレベルだった。

 結果的には一人の少年が間に割ってきたおかげで怪我ひとつしなかった。その少年は二週間ほど入院する事になり、由比ヶ浜結衣はその恩をずっと覚えている。

 それと同時に由比ヶ浜結衣は平塚静への恨みも強く抱いていた。


結衣(ヒッキーを早くあの地獄から救わなきゃ……)


 痴漢を蹴り飛ばした事自体は襲われていた女性を助けるためだったらしいし仕方ないと割り切っている。

 だが、平塚静がいつもやりすぎる事は目に余るし、退院してきた比企谷八幡を連れ回している事は全くもって許容できない。

結衣「平塚静先輩、あなたは私の敵です」

 一年間、彼女を恨み続けた。

 腕力では敵うはずもなく、そもそも由比ヶ浜は好戦的な性格ではない。

 彼女に出来ることと言えば――、



 カーン、カーン、カーン!



 丑三つ時に藁人形を叩くことぐらいだった。



結衣「あの人が呪われれば、きっと人並みの体力に堕ちるはず」カーンカーン

幽霊「………」

結衣「ヒッキー、私に任せてね。私がなんとか……」カーンカーン

幽霊(こいつ……負のオーラ出まくりで心地いい……)ニコッ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 23:40:54.18 ID:c0EwcYYtO
本人が憑かれとるやん
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 23:41:10.38 ID:krHEmvlP0
三浦「つーか結衣、あんた顔色悪過ぎじゃね?」

結衣「……え?」ゲッソリ

戸部「マジっしょ! なんかあったんなら俺達に言うっしょ!」パリピッ

葉山「悩み事があるなら言ってくれ。きっと力になれるはずだ」

結衣「う、うん……そうだね…」

全員「………」ジッ

結衣「………っ」

結衣(言えないっ! 人を呪おうとして幽霊にとりつかれたなんて!!)ウゥッ


八幡「………」

八幡(なんかあいつの近く歪んでね?)


幽霊(こっちみてる死んだ魚みたいなやつも心地良さそう)

彩加「ねぇねぇ八幡、一緒にお昼ご飯食べよう」ニコッ

幽霊(あ、ダメだ。一緒にいる奴の光が強すぎて浄化される)
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 23:42:47.07 ID:krHEmvlP0
結衣「……はぁはぁ」

結衣(階段昇るのもしんどい。やっぱ私……とりつかれて死ぬのかな……)ゼェゼェ

結衣「……あ」フラッ

結衣(死――――)



 ガシッ



結衣「……だ、…れ?」ガクッ

??「………」フム
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 23:47:12.52 ID:krHEmvlP0
放課後。奉仕部教室。


八幡「……うす」ガラッ

平塚「今日は早いな比企谷」

八幡「二分で来なければ殺すってライン入れたの誰……だ…」チラッ


結衣「………」マッパ


八幡「は、はぇ!?」カァ///

八幡(な、ななな、何で教室の机の上に裸の女の子が寝ころんでるんだよ!? 怪異が出てくる物語ですかこれ!?)

平塚「どう思う比企谷」

八幡「どどど、どうって、どうってことないですよはいこれ」

平塚「……? この子、まともじゃないと思うんだ」

八幡「いやいやいや、そりゃこんな所で裸でいるんだ、まともな訳がないでしょうよ」

平塚「ああいや、それは私が脱がした。布が勝手に少女の身体を絞め殺そうとしてたからな」

八幡「はい????」


 布が、絞め殺す?


平塚「恐らくこの子……憑かれている」キリッ


 本当に怪異の物語だった。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 23:54:03.19 ID:krHEmvlP0
八幡「だ、だからって裸のままはまずいだろ」ヌギッ


 季節は春、ブレザー着てて良かった。


平塚「……ふむ、どうやら他人の服なら絞めつけられないようだな」

八幡「暴力振るいすぎてアドレナリンにやられたんすか?」

平塚「私は至ってまともだ」ゴスッ

八幡「まともな人間は……殴ったりしねぇ……」ボロボロ

平塚「私も数々の不思議体験はしてきたつもりだが、幽霊を相手にした事はない」

八幡「そりゃそうだろ」

平塚「比企谷、この子の身体に触れてみろ」

八幡「へ、へぁ!?」

平塚「できるなら心臓に近い方が良い」グイッ

八幡「ちょっ!?」


 ふに


八幡(柔らか……え?)


 殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意
 殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意
 殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意
 殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意


八幡「なんだこれ!?」ゾクッ

平塚「やはり君もダメか」ヤレヤレ

八幡「てことは平塚先輩も?」

平塚「ああ、つーか静さんと呼べ」ゴスッ

八幡「……静さんもすか?」

平塚「どうやら君は歩く負のオーラ製造機で、私は業を背負い過ぎているらしい」

八幡「どこの暗殺者だよ……」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 23:57:05.19 ID:krHEmvlP0
平塚「恐らく雪ノ下もダメだろう。彼女の家もあれで明るくはないからな」

八幡「そうなんすか? ていうか何を探しているんですか?」

平塚「何を言っているんだ比企谷。



 お祓いと言えば巫女さんだろう?」



八幡(自信満々すぎる……)


 あまりにも突き抜けすぎて、逆に説得力さえ感じる。


八幡「あ、一人心当たりが……」

平塚「連れてこい。巫女の服はそこにあるから持って行け」

八幡「………」

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/07(土) 23:59:28.24 ID:krHEmvlP0
彩加「ぼ、僕が巫女さんなんて無理だよぉ!」スラッ

八幡「似合っているぞ」ウゥ…///

彩加「何で泣くの八幡!?」

八幡(お前があまりに神々しいからだ)グッ

彩加「でも本当に僕にはそんな力……」


結衣『やめろぉおおおお! そいつを近づけるなぁああああ!』


彩加「………」

平塚「効いてるな」

八幡「すがすがしいほどに」

彩加「………」

結衣『やめろぉおおおおおおおお』
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/08(日) 00:02:43.90 ID:H8RJ8FIA0
平塚「よし、トドメだ。比企谷、由比ヶ浜の唇を思い切り吸うんだ」

八幡「……なななな、なんで俺が!?」カァ///

平塚「こういうのは異性のキスって相場が決まってるだろう」

彩加「……あれ?」

八幡「くっ……俺しかいないのか……」

彩加「……あれ???」

八幡「……すまん見た目ビッチな女子…俺とキスすることになるなんて……」クッ

八幡(慰謝料請求されたら払う義務さえ生じる)



幽霊(結衣)『いやーキモいっす』スゥ…



平塚「八幡とキスしたくなさ過ぎて成仏したぁああああああ!!」

八幡「……………………」

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/08(日) 00:07:32.09 ID:H8RJ8FIA0
結衣「……あ、あれ? 私……」

結衣(階段から落ちそうになって……それで……)

八幡「おお、起きたか」

結衣「ヒッキー?」

結衣(もしかしてヒッキーが私を……)ドキドキ

八幡「危なかったな。後少しで(呪いで)死ぬ所だったぞ」

結衣(やっぱりヒッキーが階段から落ちる私を助けてくれたんだ!)

八幡「立てるか?」

結衣「う、うん……」

結衣(身体が軽い……)

八幡「じゃあ俺も帰るけど、また暇な時に寺に行ってお祓いしてもらえ」ジャアナ

結衣「???」バイバイ


 こうして、一人の幽霊が成仏し、一人の少女が救われた。

 一人の少年の尊厳が失われ、一人の少年が男の娘への道を歩み始めたが、一番の原因の女は――、


平塚「全て私のおかげだな! ははははは!」


 何も分かっていない様子だった。



 続く。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/08(日) 00:08:41.98 ID:H8RJ8FIA0
今日はここまで! 明日は更新できないかもしれません!

林間学校行くのと川崎さんどっちが良いか意見をおねしゃす!
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 00:32:33.90 ID:jFs4UhsLO
自分の書きたい方を書くといいんじゃないかな
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 00:34:01.37 ID:kCaypJbWO
林間いこう
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 11:51:17.01 ID:9NixntyMO
サキ何とかさんお願い
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/09(月) 11:46:58.18 ID:+yrbl/9dO
本当に書きたいこと書いてるみたいで清々しいな
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/09(月) 12:09:12.78 ID:GbtmpxVcO

書きたい方でいいけど個人的には川本さんが見たい
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/09(月) 23:37:42.47 ID:89oRpd/oO
個人的には小町欲しい
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/29(日) 20:02:46.86 ID:6aRP6Kz6o
はよ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/23(土) 15:26:13.10 ID:2hUcbb19O
はよ
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/02(水) 02:17:59.08 ID:Tv6knbkco
まだか
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