【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】

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265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 23:01:37.83 ID:hC5X+dqJo
乙です
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 23:45:19.04 ID:fTO7/fSA0
267 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 21:04:21.39 ID:qBrf68q60
こんばんは。そろそろ始めます



=====此処から=====
268 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 21:19:44.53 ID:qBrf68q60
「……」

一人、眠るアルジール。霧に満ちた世界で、時間だけが流れる。
輝く月だけが、夜を照らす。音のない闇は、穏やかに、少女を包んでいた。



しかし、その静けさは、突然に破られることになる。

「っ」

ぞわりと、アルジールの背筋を冷たいものが奔る。
寝袋を直ぐに這い出、背嚢から鉈を背負う。そして、それを構えて、彼女は目を凝らした。
霧の向こう。それは、確かに存在していた。
林の若木と見紛う程、巨きなヒトガタ。
それにまとわり付き、不気味に月光を照り返す、粘着質の液体。
頭と思しき所から垂れ下がった、異様に長い舌。
その頭の殆どを覆う、余りにも大きな口。

異形。アルジールは、思わず声を漏らした。

「……あ、くま」
269 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 21:34:07.51 ID:qBrf68q60
そんな馬鹿な、と、乾いた喉を唾で濡らし、早まった呼吸を抑えようとしながら、思う。
人を襲い、喰らい、恐怖させるモノ。探険家にとって、絶対に回避せねばならない厄災の一つ。それが、悪魔であった。
極限の修練を積んだ武人か、完全に武装した正規軍一個小隊。
さもなければ、悪魔祓いと呼ばれる、”教会”の私設部隊でも無ければ、例え最弱の個体であっても、対抗は不可能。
そんな化物が、それだった。

しかし、探険家は、それの恐怖をよく知るが故に、ギルドという組織を通して、徹底的にその情報を集めている。
特に、各地の支部が受け持つ地域においては、それら「らしい」というだけの、噂話の様な情報であっても、一つ残らず集め、確認する。
そして、もし本当にそれが居たのならば、即座に軍に通報し、これを討伐する。
連邦という国に於いてこの方針は、他の安全策を一段上回る重要性を以て認識され、実際に徹底されている。
そのギルドが、居ないと言った。その地域に悪魔が出ることなど、有り得ない筈なのだ。

だが、現に、それはそこにいる。
アルジールの目線の先、その巨体であれば、五秒あれば此方に辿り着く、という、至近の距離に。

このままでは死ぬ。アルジールは、確信した。

(にげなきゃ)
(はやく、にげなきゃ)



二桁コンマ安価:↓1 100-運命【30】以下が出ると……
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 21:36:08.05 ID:cluUj6BDO
271 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 22:04:41.00 ID:qBrf68q60
乾いた音。瞬間、アルジールの身体が固まる。
足元を見下ろせば、無意識に後退っていた足が、小枝を踏み折っていた。

(あ)

形振り構わず、逃げ出す。鉈も振り捨て、脇目も振らず、霧の中を走る。
ちりちりと背筋に感じる嫌な感覚。それを振り切ろうとして、必死に。

だが、悪魔と呼ばれるそれは、逃走を許さなかった。

一つ、二つ、三つ。その歩みは、僅か三つで、彼女が離した距離を無にした。
四つ、五つ、六つ。その歩みは、僅か六つで、彼女が持った距離を無にした。
逃げるその背は、悪魔の目の前にあった。

「ひっ」

二桁コンマ安価:↓1 100-運命【30】以下が出ると……
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 22:05:07.05 ID:ID4Xdpcao
はい
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 22:10:05.82 ID:SKyVSJ5V0
これヤバイな・・・
274 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 22:31:57.38 ID:qBrf68q60
「あっ……」

霧が、彼女の敵となった。
湿った空気を身に纏った草原は、露を含む。それが彼女の足を滑らせた。

転げ、大地に身を伏せる。
慌てて立ち上がろうとして、アルジールはそれを見た。
目の前に迫る、醜悪なるモノ。
己を喰らわんとして、その顎を開くモノの姿を。

「や……」



選択安価:↓1
1.叫ぶ
2.助けを呼ぶ
3.祈る
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 22:39:25.53 ID:S1IMW1wIO
2
276 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 22:47:00.63 ID:qBrf68q60
「誰か、助けて――」

最早、意味を為さないであろう、人に聞き取れない程の声。
それでも、アルジールは声を上げた。
自身を助ける事を望む、その声を。





「――伏せるんだ」

故にこそ。
意味を為さぬと考えながらも、それでも上げたその声は、彼女自身を救う切っ掛けになった。
277 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 23:03:05.93 ID:qBrf68q60
「――――」

突如、閃光が煌めく。咄嗟に伏せた顔にまで届くその光は、直接見ていない筈のアルジールの視界をも遮った。
しかし、それより影響が大きかったのは、悪魔の方であった。
恐らくは、光に弱い種類だったのだろう。閃光が止み、視界が戻ったアルジールは、苦悶の咆哮を上げ、逃走していく悪魔の後ろ姿を見た。

「……た、すかった?」

呆然と、その場で立ち尽くす。
自分の生命が助かったのだという、その事実。それを咀嚼するまでは、もう暫くの時間を必要とした。
そして、この生命を救ってくれた何者かが存在している事へ思い至るまでは、更に少し。

「ふむ。ようやく落ち着いたと見える」
「あ……」

その声の主は、彼女の背後から姿を現した。
擦り切れきった外套。土気の色をしたそれは、すっかり草臥れきっている。
目深に被った鍔広の帽子が落とした影は、月を隠し、人影の顔を隠していた。

「さて、立てるかな。お嬢さん」
278 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/11(水) 23:07:17.79 ID:qBrf68q60
=====此処まで=====

今日は此処まで。
取り敢えず、新キャラ登場です。登場自体は予定通りですが、こんな形になるとは予想外……
時の運といえばそうなんですが、実はあと少しでバッドエンドに成りかけてたり。
回避出来てひとまず安心です。

明日も九時頃から出来ると思います。
お付き合い、有難うございました。お疲れ様でした。
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 23:10:44.28 ID:dM+M/EMSO
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 00:20:10.27 ID:l/nDkuTJo
あぶねぇ
おつ
281 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/12(木) 21:32:10.84 ID:3lnUYl2J0
こんばんは。そろそろ始めます



=====此処から=====

「……えっと、はい。立てます」
「結構」

戸惑いながら、アルジールはその人影を見やる。
ひとまず、立てる。抜けたかと思いきや、自身でも意外なことにしっかりとしている腰を上げる。
さて、これはどうしたものだろうか。彼女は、混乱の内に、人影と相対した。

自由安価:↓1 アルジールはどうする?
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 21:32:57.49 ID:dBcky19So
感謝の言葉を述べつつ自己紹介
283 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/12(木) 21:44:01.38 ID:3lnUYl2J0
「えと、助けて頂いて、有難うございました。私、アルジールです。探険家をしてます」

何はともあれ、人に助けられたなら感謝を。そして、初めて会った人間には自己紹介を。
骨身にまで染み付いたその行動は、彼女の親に叩き込まれた習慣だった。

「ほう、探険家。同業だったか。とまれ、感謝の言葉は有難く頂戴しよう」



二桁コンマ安価:↓1 (魅了*10)+20+コンマ値で、「初期好感度」を決定
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 21:46:00.37 ID:h1DXpaXmO
285 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/12(木) 22:24:04.28 ID:3lnUYl2J0
「しかし、中々礼儀の成ったお嬢さんだ。好ましい人間の様に見える」
「え? あ、有難うございます」

自己紹介しただけで、高評価。少し、背筋が痒くなる。
アルジールは元々、愛想が無い。ぶっきらぼうな物言いをしてしまう性分で、人からよく見られることが少なかった。
一応、探険家として活動するにあたり、必要最低限のマナーというものは身につけたが、所詮付け焼き刃だ。
それだけに、こんな風に言われると、面映い……というより、自分の事を言っているように思えず、実感がなかった。



「さて、礼儀を受けてはこれに応えるのが筋だろう。私も、自己紹介させてもらおう」

それから、その人影は、鍔広の帽子を取り、それを胸に当てて、軽く一礼した。

「私は、そうだな。イーゼル。イーゼル・バックスだ。君と同じ、探険家だ。宜しく頼むよ」

影が消え、漸く月明かりに照らされたその顔は、壮年を迎えた年頃の、男性のものだった。



イーゼル・バックスの初期好感度が67に設定されました。
286 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/12(木) 22:59:35.11 ID:3lnUYl2J0
「ふむ……所で、お嬢さん。君は、どうやら見たところ、駆け出しのようだが」
「えぇ、はい。実を言うと、つい一週間ほど前に活動を始めたばかりで」
「ほう。これは驚いた。そんなルーキーが、悪魔を相手に逃げ出す根性を持っているとは……」

顎に手を当てながら、目を細める。
イーゼル・バックスを名乗るその男は、どうやら、アルジールよりは遥かに、探険家としてのキャリアが長いようだった。
その体験からだろうか。彼は、彼女の今日の行為について、高い評価を下していた。

「……どうだろう、アルジール君。私の勝手な見立てによれば、君には、何か良いものがあるように見受けられる」
「もしよければ、だが。先達として、君の成長を手伝おうかと思っているのだが」
「手伝い……?」
「そう。具体的には、私が持つ技術・知識の伝授だ」
「この歳になるとね。未来ある若者を育てる事に、大いに楽しみを覚えるように成っていてね」
「出来れば、受けてもらえると、私にとっても良いのだが……さて、どうだろう?」

「えっと……」

アルジールは、この突然の申出を、頭の中で吟味した。
突然現れた、見知らぬ人間。これが故郷なら、怪しいと言って断る所だが。
受けようか、受けまいか。どうしようか?



自由安価:↓2 バックスの申出を受ける? 受けない?
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 23:00:45.29 ID:xzQFie6kO
受ける
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 23:03:59.44 ID:FcpJ+ZzdO
受けない
289 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 00:02:40.38 ID:t/S/PhQg0
「……いえ。結構です」

暫く考えて、アルジールは、それを断ることにした。
返事を聞いて、イーゼルの顔は、少し曇る。

「そう、か。要らぬお節介、という奴だったかな」
「あ、いや。そうじゃなくって」
「ふむ?」

沈黙。
決して、不満がある訳ではない。
その様子からして、アルジールがこの男性から学ぶ所は大であるのは、明白だ。
身なり、装備、立ち居振る舞い。少なくとも、駆け出しの探険家とは比べ物にならない経験を、彼は積んでいる。
その教えを請うことが、マイナスになる筈はなかった。
ただ、

「その。自分で、色んな物を体験してみたくて」
「――――」

イーゼルは、幾つか皺の刻まれたその顔に、曖昧な表情を浮かべる。
郷愁、だろうか。何かを懐かしむ様に、目を細める。

「そうか。未知の探求こそは、我々探険家の本領だ。それを遮るわけにはいかないな」

そして、彼は首肯し、断りを受け容れた。

「……まぁ、しかし。それにしても、全く何もしない、という訳にもいかないな」
「え?」
「これは、私の我儘だと思って聞いてほしいのだが」
「折角こうして出会えた縁というものが在る。このまま別れるというのも、勿体のない話だ」

彼はそう言うと、アルジールを誘い、近くの倒木に座った。

「贈り物、として考えてほしいのだが。何か、君が聞きたいことがあれば、これに答えようと思う」
「聞きたいこと……?」
「そうとも。私の遍歴も長い。君にとって、どうしても知りたいことがあるのなら、私の知る限りを教えよう」
「無論、私の勝手な物言いだ。これも不要というなら、無理に押し付けるつもりはないが」
「此方は、どうかね?」



選択安価:↓2 バックスに何を聞く?

1.姉の事
2.バックスの事
3.助けた時の「閃光」
4.悪魔の事
5.その他(自由記述)
6.何も聞かない
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 00:03:23.17 ID:DovMHzIyo
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 00:03:39.98 ID:ihi7VMUDO
292 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 00:05:55.02 ID:t/S/PhQg0
=====此処まで=====

安価、了解です。今日は此処まで。

すみません、本当ならもっと早く進行出来た筈なんですが……
色々、面倒がありまして、遅くなった割に進みが悪く、お待たせしてしまいました……
暫く、これくらいのスローペースで進むことが多いかと思います。ご迷惑をおかけします。

では、お付き合いいただき、ありがとうございました。
お疲れ様でした。
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 00:06:13.03 ID:DovMHzIyo
乙でした
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 00:09:22.64 ID:1RZgcweD0
おつおつ
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 00:23:40.45 ID:1lERmofho
おつの
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 09:50:17.61 ID:rMZypqP10
必要になったら色々教えてもらおう
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 19:40:38.87 ID:eCqPPs6E0
>>274で2を選ばなかったらBADENDだったとしたら、アルジールは本当にギリギリの生還という事か
298 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 21:21:18.24 ID:t/S/PhQg0
こんばんは
ちょっと面倒がありましたので、9時半までお待ちを
最悪、今日はお休みかもしれません
299 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 21:34:02.02 ID:t/S/PhQg0
何とか出来そうなので、開始します

>>297

其処の選択肢も確かに大事なポイントだったんですが、それ以上に運命の失敗が大きかったですね……
此処まで連続してとは正直思っていなかったので

=====此処から=====
300 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 21:55:15.18 ID:t/S/PhQg0
「じゃあ、その。バックスさんの事を聞きたいです」
「私の、かね」

それは、探険家としての経歴を? そう尋ねられるが、アルジールは首を振る。

「私以外の探険家って、お姉ちゃ……姉以外に知らなくて」

アルジールには、探険家として家を出た姉が居た。
時折、家に帰ってきては、自分と遊んでくれる、優しい姉だった。
しかし、何故そうした道へ進んだのか、とか、探険とはどんなものだったか、とか、そうした体験は、余り話してくれなかった。
だから、そうした辺りの事情がどうなっているのか、ふと気になったのだ。

しかし、よく考えれば、出会って直ぐの相手に聞くことではなかっただろうか。
そこに思い至り、慌てて訂正しようとしたが、バックスは、何処か納得した様に頷いていた。

「そういう事なら、話すに吝かではないよ」
「ほ、本当ですか?」
「無論だとも。虚偽は罪。これでも私は、意外と信心深くてね」
「一度言ったことを、覆しはしない?」
「然り。まぁ時には、我らの主にお目こぼしを願うこともあるが」

そういって、彼は、彼自身の物語を語り始めた。
301 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 22:21:06.52 ID:t/S/PhQg0
「とは言っても、そう珍しいものではない。私自身も、父親が探険家だったのさ」
「昔から、彼は多くの探険をし、多くの物を見つけ、多くの事を書き記した。無論、人の知識を得ることにも貪欲だった」
「その蓄積が、私の家には山のように積み上がっていた訳だが。それを見る内に、影響されて……といったところさ」
「そうだったんですか……」

彼の語ったのは、アルジールの理由に、極似通ったものだった。
こういう理由で始める事って、案外多いのかしらん……と、彼女がぼんやり思っていると、バックスは、言葉を続ける。

「意外かもしれないが、この家業は、親の跡を子が継ぐ事が珍しくない」
「そもそも、全くのゼロから探険家を志す者の方が、圧倒的に少数派だ。何しろ、未知の領域を踏破していく、とても危険な職だから」
「だが、もし一人がそうして探険家となると、縁者が続いて探険家になる可能性が高まる。何故か分かるかね?」
「えっと……探険の話を聞かされて、興味が出るから?」
「探険の話を聞かされて、というのは間違っていない。しかし、興味をひかれる以上に、それは『ノウハウの継承』になる」
「ノウハウ……」
「つまり、探険家としての経験の一部を、体験談として引き継げるわけだ。こうすると、探険家としての活動中に、無為に生命を落とす可能性が下がる」
「危険を回避出来るなら、探険家という職業は、とても稼ぎの良いものと言える。君も、旧世界の遺物の価値は知っているだろう?」
「はい。確かに、モノによっては凄い値段が付くみたいで……」
「となれば、一攫千金を狙う人間が、これに倣う可能性が高まる。こうして、探険家を担う人間はどんどん増えていく、という訳だ」
「成る程……」

その後、彼女は、探険家という職に纏わる彼の過去について、幾つかの話を聞くことが出来た。
今の今まで、終ぞ姉から聞くことの出来なかった、探険家についての知識。
これを知れば、姉に近づくことが出来るだろうか。バックスの話を聞きながら、彼女はそう思った。
302 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 22:34:58.70 ID:t/S/PhQg0
……気がつけば、空が白み始めている。
アルジールは、自分が随分長い間バックスと語らっていた事に気づいた。

「あの、お話、有難うございました。とても勉強になりました」
「何、私も、久々にこうして楽しい時間を過ごせた。礼を言うよ」

微かに、口の端を上げるバックス。皺が刻まれ始めたその顔は、少しだけ、笑っているようだった。

「これからも、何処かで会うことがあるかもしれない。その時には、またこうして語らえればいいな」
「はい。また、その日が来たのなら」

それからふと、彼はかがみ込むと、自身の履く靴から、一つの鋲を取り外した。
立ち上がると、彼はアルジールの手を取り、その中に鋲を握らせる。

「危難無き旅路を願って、泡沫の縁を此処に結ぶ。君の未来に、幸あらんことを」

幸せを祈るまじない。昔話で見た、古めかしい験担ぎだった。
どうやら、彼が信心深いというのは本当らしい、と思い、アルジールは微笑した。

「有難うございます。貴方の未来にも、幸せがありますように」



イーゼル・バックスと知り合った。
好感度が上がった。67→70
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 22:37:49.20 ID:eCqPPs6E0
こういう語らいすき
304 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 22:38:06.25 ID:t/S/PhQg0
4月9日 1/6 霧の高原の村 達成値:166/200

それから、アルジールはバックスと別れ、自分が寝床としていた場所に戻った。
幸いというべきか、置いていた荷物に特に欠けはなく、悪魔の痕跡もない。
安堵のため息を付き、そして、自分が悪魔に出会って生き延びた幸運に感謝する。
暫く、そうして祈った後、彼女は自分の頬を軽く叩いた。

「さて、これからどうしようかな」

アルジールはどうする?(体力:48/48)

1.探索
2.調査
 (1)疎らな林
3.休息
4.移動
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 22:40:21.72 ID:1lERmofho
2
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 22:41:30.13 ID:WVvwMIMKo
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 22:42:23.95 ID:eCqPPs6E0
4 
悪魔が現れた場所は危険と判断し、村外れに拠点を移す
308 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 22:50:13.21 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====

↓1ェ……
何だってこう物忘れが酷いのか

=====システム=====



アルジールは調査を行った。

「……そういえば、昨日の悪魔」

彼女は、まさに昨日、自身の身に降り掛かった災いを思い出す。
悪魔というのは、基本的に夜行動するとされている。理由は不明だが、実際、昼間に被害が出ることは少ない。
だから、まさか今襲われることはあるまい……と思うが、どうにも、あの恐怖を思い出すと不安になる。
其処で、彼女は、自分が調査したエリアをもう一度調査し直した。

「……ふぅ。痕跡は無いみたい」

結果としては、当座の心配はなさそうだ、という所だった。
それを理解し、彼女は少し、自分の中の恐怖が薄まるのを感じた。



探索達成値が4上がった。20/200
309 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 22:50:54.57 ID:t/S/PhQg0
4月9日 2/6 霧の高原の村 達成値:170/200

「よし……」

アルジールはどうする?(体力:48/48)

1.探索
2.調査
 (1)疎らな林
3.休息
4.移動

↓1
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 22:51:12.89 ID:WVvwMIMKo
311 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 22:55:25.64 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====

うわぁまた抜かった……
ワンテンポ確認してから投稿しないと……

=====システム=====



アルジールは探索を行った。

「じゃあ、後少し、此処を探険しきっちゃおう」

周りへの警戒は怠らず、注意深く探索を行うアルジール。
残念なことに、特に何かを見つけることはなかったが、注意深い観察のおかげで、地形の探索はとても良く進んだ。

探索達成値が10上がった。180/200
312 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 22:56:21.73 ID:t/S/PhQg0
4月9日 3/6 霧の高原の村 達成値:180/200

「この分だと、もう少しで終わるかな……」

アルジールはどうする?(体力:48/48)

1.探索
2.調査
 (1)疎らな林
3.休息
4.移動

↓1
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 22:57:00.54 ID:eCqPPs6E0
2(1)

安価入れ忘れた時は自動的に↓1って事でどうだろう?
314 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 23:05:35.62 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====

>>313

それが良さそうですね……これからはそうさせて頂きます。
ご意見、有難うございます。

=====システム=====



アルジールは調査を行った。

「そういえば、まだこの林。調べきってないんだよね」

様々なものが見つかったので、そういえば手付かずの部分があった……と、彼女は、林を調べ直した。
見てみれば、どうやら、林を作っている木々は、皆同じ種類であるらしい。
それも、建材などによく利用される種類であることも、何となく知れた。彼女の故郷には、未だ木造りの家も多い。

「……もしかして、木材の為に植えられたのかな?」



探索達成値が6上がった。186/200
315 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 23:06:34.59 ID:t/S/PhQg0
4月9日 4/6 霧の高原の村 達成値:186/200

「態々木を植えるってことは、昔はこのあたりも、荒れた土地だったのかな」

アルジールはどうする?(体力:48/48)

1.探索
2.調査
 (1)疎らな林
3.休息
4.移動

↓1
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:10:21.68 ID:tTD5+onnO
4
317 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 23:11:56.01 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====

>>316

済みません、4を選択する場合は、何処へ行くのかを併記してください。

=====システム=====
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:29:02.35 ID:eCqPPs6E0
安価有効なら>>307
319 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 23:52:28.24 ID:t/S/PhQg0
アルジールは、拠点を村の傍に移すことにした。
昼間であれば安全性は保証されるが、夜は話が別だ。
それまでに、村の様な、安全な場所に移るべきだと考えたのだ。
幸い、昨日の悪魔は特に光に弱い様子だった。
まだ街灯の普及は充分ではないが、その分、村の警備はしっかりしており、篝火の類も多い。
明かりさえあれば、そう襲われることもないだろう。

一先ず、荷物などは全て村の外れにまで引き上げ、其処を仮の拠点に定める。
その後、村の有力者に話を通し、悪魔の出現を、情報として伝える。
これだけで、大分危険は減る筈。

「いやはや、しかし、悪魔に出会ってよく生き残ったものだ」
「あぁ、助けてくれた人がいたので」
「おや、そうだったか。では、その御仁にも、謝辞の一つでも送らなければならないな。そうでなければ、我々は悪魔の事を知らずにいたのだから」
「そうですね……」



拠点を村外れに移した。
夜の運命判定がなくなった。
320 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/13(金) 23:57:35.12 ID:t/S/PhQg0
4月9日 5/6 霧の高原の村 達成値:186/200

「一先ず、安心かな……」

アルジールはどうする?(体力:48/48)

1.探索
2.調査
 (1)疎らな林
3.休息
4.移動

↓1



=====此処まで=====

今日は此処まで。ぼちぼち進んだかな……
ところで、皆さんにお聞きしたいのですが、現状のこのシステム、不便ではないでしょうか?
私としては、種族能力の「観測者」によるコンマ値の改竄等、
能動的に使用可能な技能の類を使う、という選択肢がないのが、少し分かりにくいかと気づいたので、これについて追加しようとは考えています。
その他、何か改めた方が良い、というものがあれば、ご指摘頂ければと思います。
頂いたご指摘を参考に、この探険が終わった後、諸々を改良して行きたいと思います。

それでは、お疲れ様でした。
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 00:05:59.56 ID:BSt+PJ2e0
おつ
1

・種族能力含めステータスはレス遡らないと数値忘れてる時あるから、カッコ内に体力以外のステも併記してほしい
・「観測者」スキルも、↑レスのような行動前の安価決めの文章内にスキルの使用回数(例:スキル「観測者」1/1 みたいに)が分かるようにしてもいいかも
・達成値は現状より数値を下げた方が展開が速いとは思う
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 00:43:35.65 ID:UQP2LYw50

たしかに達成値はもう少し少なくしていいかも
323 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/14(土) 22:49:50.35 ID:Ft13XpC20
こんばんは
今日はおやすみという事でお願いします。明日も出来るかちょっと微妙です
ご意見、有難うございます。適宜対応していきたいと思います。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 22:58:27.69 ID:c47tz35lO
乙乙了解よ
325 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/16(月) 22:14:18.94 ID:CaNAVm820
済みません、木曜日までちょっと書けそうにないです
お待ち頂いている方には申し訳ありませんが、暫くお休みということで……
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 22:29:58.98 ID:BjNblBIbo
気が向いた時に更新してくれればそれでいいのよー
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 22:30:38.09 ID:P8qXXAULo
了解しました
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 22:41:46.74 ID:OoOs/8oN0
了解
リアル優先でね
329 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 20:51:23.80 ID:hXMEzEEd0
こんばんは……昨日は出来ませんでしたが、今日はやります
九時過ぎ頃から始めます
330 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 21:15:12.51 ID:hXMEzEEd0
そろそろ始めます。
達成値については、減らす方向で考えていこうと思います。

=====此処から=====
331 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 21:18:57.95 ID:hXMEzEEd0
アルジールは探索を行った。

「さて……」

安全の確保、そして悪魔発見の連絡。
一通り行うべき事を行ってから、彼女は再び探索に戻った。
とはいっても、もうこの近辺の調査はかなり進んでいる。
調べきれていない範囲を総ざらいするようにして、虱潰しに歩き続けた。

探索達成値が7上がった。193/200
332 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 21:20:50.43 ID:hXMEzEEd0
4月9日 6/6 霧の高原の村 達成値:193/200

「もう少し。今日中に終われるかな……?」

アルジールはどうする?:↓1

【コマンド】
1.探索
2.調査
 (1)疎らな林
3.休息
4.移動
5.技能
 (1)観測者(1/1)

【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)

体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70

種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 21:22:17.54 ID:VybKmjSlo
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 21:22:32.86 ID:Jw6GuQ/Uo
1
335 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 21:26:11.30 ID:hXMEzEEd0
アルジールは探索を行った。

「〜〜〜♪」

もう、この霧の高原は、彼女にとって庭も同然と言っても良かった。
大体、何処にどんなものがあるかは頭に入っている。
引き続き探索を続け、もう少しで完了、というところまで漕ぎ着けた。



探索達成値が5上がった。198/200
336 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 21:31:48.75 ID:hXMEzEEd0
4月10日 1/6 霧の高原の村 達成値:198/200

「ふぅ……眠るのに安全を気にしなくていいのは、いいなぁ」

村の近くは、夜も明かりが灯っていた。
こうしている分には、悪魔も獣も寄ってはくるまい。
アルジールは、その安心感に浸っていた。



アルジールはどうする?:↓1

【コマンド】
1.探索
2.調査
 (1)疎らな林
3.休息
4.移動
5.技能
 (1)観測者(1/1)

【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)

体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70

種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 21:32:30.65 ID:eXzrTAMDO
2
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 21:36:05.65 ID:eXzrTAMDO
「観測者」の能力って、使った次の安価のコンマを変動させるの?
339 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 21:48:32.73 ID:hXMEzEEd0
=====システム=====

>>338
あー……そうか、先に使用を宣言しても、改変すべきコンマが出てないから意味がないですねこれ。
済みません、一回撤廃します。次の更新の時までにエラッタします。

=====システム=====



アルジールは調査を行った。

「最後に、此処の全体を見回ってみよう」

いよいよ以て、最後の探索・調査である。
最初の探索ではあったが、様々な事があったのを思い出す。
獣、悪魔、遺物、骨、そして同業者。
それと出会った場所を巡りながら、未調査のエリアを探索した。



探索達成値が7上がった。205/200
探索達成! 『霧の高原』の探険が完了した。
340 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 21:49:10.41 ID:hXMEzEEd0
=====システム=====

十分程離席します、済みません

=====システム=====
341 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/20(金) 22:32:42.57 ID:hXMEzEEd0
「ふぅ……これで、未踏領域は大体埋めたかな」

霧の高原自体は、実の所、完全に人跡未踏の地であるという訳ではない。
其処に村が存在し、人が暮らしている上、直ぐ側を鉄道が通っているのだから、ある程度、その地勢については調査も行われた。
しかし、それでも尚探索の手が及ばない領域というのは存在している。
主に、アルジールの様な探険家が出向くのは、そうしたエリアだった。
それは俗に「未踏領域」と呼ばれているが、アルジールは、彼女に割り当てられたこの未踏領域について、探険を完了した。
探険が終われば、次に来るのは、その情報の報告である。
その為には、一度トラムツキーのギルドに戻らなければならない。

となると、此処に設置した拠点は、完全に引き払う必要がある訳で。
一息つき、彼女は、自分の前に鎮座している自分の拠点を片付け始める。
極短い間とはいえ、自分の家であった場所というのは、意外と愛着が湧くものだと、そうしている内に、彼女は発見した。

初めての探険というのは、大変だったが、自分にとって良い経験になったのではなかろうかと、そう思う。
探険家として、姉に近づき、そしてその痕跡を追う。彼女の目的に、また一歩近づけた。

「これからも、頑張らないとね」

ぽつりとつぶやいて、彼女はまた、引き払いの為の片付けを続けた。



=====此処まで=====

済みません、今日はこれ以上続けられないので、此処で切り上げます。
明日以降、探険から帰ってきた時の処理を行ってから、拠点行動に移ろうと思います。

……ところで、このスレの世界観には、実はドマイナーな元ネタが存在しています。
幾つかネタは仕込んでありますが、お気づきになった方、いらっしゃるでしょうか。
もしいらっしゃったら……ちょっと嬉しいですね。

では、短いながらお付き合い頂き、有難うございました。
お疲れ様でした。
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 22:53:18.43 ID:eXzrTAMDO
乙です
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 22:54:03.39 ID:VybKmjSlo
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 23:14:07.70 ID:Jw6GuQ/Uo
おつおつ
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/21(土) 12:05:09.21 ID:cCawJgOZO
おつ。elonaじゃないな、多分。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/22(日) 23:27:51.29 ID:Edh8+1Pp0
おつ今日もおやすみか

観測者スキルについてなんだけど、物語中でアルジールが死亡した時に使用回数が残っている場合に限って
自動的にスキル発動して死亡前に戻る、とかは欲しい(多分、想定した使用例だとは思うけど)
347 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/24(火) 08:52:22.73 ID:0PahHe42O
音沙汰なく済みません……アレコレ面倒があったもので
今週末、多分金曜日まで更新はできません。お待たせしてしまって申し訳ないです

システム面へのご指摘、有難うございます
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 12:34:59.20 ID:ADdh2cHK0
了解
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 23:18:33.11 ID:mbaIm/U70
了解
再開待ってるよ
350 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 20:25:35.10 ID:QZBVreD60
こんばんは
今夜の九時半頃、再開したいと思います

ようやく時間が出来た……
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 20:51:07.52 ID:noDPaSxt0
今日も無理っぽい?
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 20:52:28.45 ID:noDPaSxt0
あれ?レスが反映されてなかった。>>351何でもないです
353 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 20:52:40.22 ID:QZBVreD60
>>351

やれることはやれますが、開始は九時半からなので、もう少しお待ち下さい
354 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 21:34:34.73 ID:QZBVreD60
そろそろ始めます。
観測者スキルについて、改訂を加えました。今日の更新の終了時に、内容を紹介します。
後、ステータス表示も少しいじります。

=====此処から=====





暫くして、彼女は探索の拠点の引き払いを終えた。
そろそろ、此処からも離れる頃合いだ。

「戻ろう」

背嚢を背負い上げ、駅へと向かう。
鋭い汽笛が、彼女の立ち去った後の高原に響き渡る。やがて、それは霧に吸い込まれて、少しずつ消えていく。
村から離れた、切り立った崖の下。石を突き立てただけの粗末な墓が、静かに、それを聞き届けていた。



=====INFO=====
三日間が経過しました。
アルジールは『トラムツキー』に移動しました。
355 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 21:39:16.41 ID:QZBVreD60
4月13日 1/6 魔都メルシュテル・トラムツキー

「帰ってきた……」

三日後。アルジールは、トラムツキーへと戻っていた。
長い列車旅を終え、暫くぶりに戻ってきた大都会の空気は、淀んで濁っていた。

「えっと……確か、探索が終わったら」

客車から降り、荷物を背負い直して、懐から紙片を取り出す。
それは、初日に管理者から渡されたもの。細則について、全てを記憶しておける程頭の働きが良くないアルジールは、それを常に持ち歩いていた。
紙片を広げ、確認する。曰く、
「探索から帰還したものは、探索したエリアについて情報をまとめ、これをギルドの長に提出。
 同時に、発見した遺物等があれば、ギルドに引き渡して鑑定を行う。
 遺物の扱いは、発見者に一任する」。

「今回は、情報のまとめはもう終わってるから、モノを引き渡せばいいのかな」

やることが分かったなら、行先は決まっている。
彼女は、足早にギルドへと向かった。
356 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 21:47:40.71 ID:QZBVreD60
「ようこそ、探険家ギルド『連邦』支部へ。ご用件は何でしょうか?」

久し振りに聞いた管理者の声は、初めて聞いた言葉と一言一句違わず、その調子まで全く変わらなかった。

「こんにちは、アルジールです」
「おや。お帰りなさい、アルジールさん。悪魔発見の報、受け取りました。良く生き延びて、帰ってきてくださいましたね」

驚いた。探険家と距離を置きそうな印象がある彼女が、労いの言葉を掛けてくれたこともそうだが、
ほんの数日前に伝えたばかりの悪魔の情報を、もう知っている。
どうやって知っているのだろうか。疑問に思うが、それはさておき、まずは報告だった。

「はい。帰ってこれました。それで、今から霧の高原について報告したいんですが、大丈夫ですか?」
「結構。では、お伺いしましょう」

それから、彼女は、初めての探険についての報告を始めた。
其処がどのような場所だったか。どのような発見があったか。其処からどのような事実が推測されるか。
ゆっくりと、辿々しくも確実に、それを伝える。
知らず、彼女の語りには、熱が入っていく。管理者は、その様子を、静かに見つめていた。
357 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 22:03:23.05 ID:QZBVreD60
「……えっと……うん。これで、報告はおしまいです」
「はい、確かに。探険家アルジール、貴方の探険報告を受領しました」

暫くして、報告は終わった。
額に汗さえ浮かべ、精神の興奮を隠そうともしないアルジールは、達成感に満たされていた。
しかし、彼女にはもう一つ、やることが残っている。

「……あ、そうだった。後、発見した遺物の鑑定をお願いしたいんですが」
「わかりました。では、お見せください。此方で一度預かり、翌日にお伝えいたしましょう」

アルジールは、彼女の背負った背嚢を開き、その中から遺物を取り出し始めた……



=====システム=====
此処で、発見した遺物の鑑定について解説します。
今回アルジールが発見した遺物は、以下の通りです。

・懐中時計?
・黒い箱?
・巨大な機械の情報
・ゴム線?
・凹んだ金属板
・薄っぺらな板
・苔むした軽石(骨)の情報
・ガラス球?

これらの内、どの情報を提供し、どの情報を提供しないかを選べます。
基本的には全てを提供するものですが、極稀に、
『それを発見された時点で、連邦政府がそれを奪っていってしまう貴重品』等、それを人に知らせる事自体が危険を伴う品が存在します。
こうした情報まで提供してしまうと、以降、『何か』があるかもしれません。
この為、時には、意図的な隠蔽も必要になることがあります。

因みに、今回も一つだけ、こうした『特別な品』が存在しています。
よく考えた上で、選択してください。

記述安価:↓1 何を見せるか、何を見せないか。
358 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 22:04:33.02 ID:QZBVreD60
……済みません、よく考えろって言っておきながら↓1はないですね。
条件を訂正します。『22:15分に最も近い有効な安価』を採用するものとします。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 22:08:36.50 ID:66A0oPs8O
中にデータが入ってそうな薄っぺらな板は見せない
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 22:15:23.37 ID:gewXYvHeO
巨大な機械の情報以外全て出す
361 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 22:37:10.55 ID:QZBVreD60
はい、了解しました。
これが『特別な品』なのかどうかは……お楽しみです。

=====システム=====



(……あ、そうだ。あの大きな機械、私がちょっと調べてみたいんだよね。これは後にしておこう)

アルジールは、全てを提出する前に、そう思い立ち、『巨大な機械の情報』だけを出さないことにした。

「確かに、受け取りました。また明日、お越しください」
「明日ですね。分かりました」
「報奨金については、探険の調査報告に対するものと一纏めに、明日お支払いするということになります」
「はい」
「結構。では、お疲れ様でした。探険の疲れも残っているでしょう。ゆっくり休憩することも、考えてくださいね」
「有難うございます」

こうして、彼女の初めての探険は、完全に終了した。
まずまず、生命はしっかりと持って帰り、それなりの成果を挙げた。
彼女の探険家としての生活は、一先ず、良好な滑り出しを切った。
これから、彼女がどうやって生きていくのか。それは、彼女の選択次第である。



=====INFO=====
『霧の高原』の探険を完遂した。
『技能学習点』を1点獲得した。
362 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 22:55:11.22 ID:QZBVreD60
=====此処まで=====

きりが良いところまで来たので、今日は一旦此処で止めます。明日は、多分昼過ぎあたりから出来るかと。
人がいるようなら、大体15:00くらいから始めようと思います。

では、此処までやってきて、皆さんから頂いた意見や自分で気づいた点に基づき、幾つかのエラッタや表記改訂を行いたいと思います。



・探索達成値は、200では多すぎるということなので、基本的に100に下げます。
 但し、『ストーリー上重要な場面』を含む探険先では、また200に戻したいと思います。

・種族技能「観測者」の効果を、以下のように変更します。

種族能力:「観測者」
……任意のタイミングに於いて、一日一回だけ、直前に行ったコンマ判定時の数値を最大+−50する事が可能。
  使用する際は、コンマ判定が確定した後、筆者が続きを記入するまでの間に使用を宣言し、どういった数値へ変更するかを併記してください。
  宣言と改変先数値を確認し次第、それに合わせて、それから先の記述は書き換えられる。
  また、致命的な状況に追い込まれた時、『使用回数が残っていなくとも』自動で発動して危機を脱することが出来る。
  但し、後者の効果の発動時には特殊なコンマ判定があり、この際にある条件を満たすと……?

・行動の安価を取る際、【コマンド】欄及び【ステータス】欄を併記します。
 分量が多くて読みにくい、という風になるまでは、この表記を維持します。

・【ステータス】欄に、「所持アイテム」及び「装備」の項目を追加します。
 見たままの内容です。此処に含まれていないものは、アルジールは持っていないものと考えます。

・現地での探険を「完了」した後、その成果をギルドに報告し、探険の全行程を「完遂」することで、『技能学習点』を獲得します。
 この点数を、習得したい技能Lvと同じ値だけ使うことで、新しい技能を習得したり、既に習得した技能のLvを高めたり出来ます。
 詳しくは次回の更新時にお伝えします。

・拠点での行動時、【ステータス】欄に「所持金」の項目を追記します。
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 23:05:05.11 ID:66A0oPs8O
364 : ◆nN35Xsj1FM [saga]:2017/10/27(金) 23:12:56.38 ID:QZBVreD60
それと、此処までで幾つか頂いたレスに対して、勝手ながら返信を……

>>164
遺物の正体については、次回の更新で明らかになります。
見た目の情報だけで色々と考えて頂けると、此方も楽しいので、お付き合い頂いて嬉しいです。

>>235
有難うございます。そう言って頂けると、幸いです。

>>296
ふむ……。その案、頂きます。その内実装してみます。

>>303
良かった。この語らいの所は力を入れたので、評価してもらえると嬉しいです。

>345
Elona……やった事はありませんが、知っているだけは知ってます。
あのゲームとはまた違いまして、あれよりも更にマイナーです、多分。
元ネタが気になるな、という方は、『ソレグレイユ』でググってみると出てきます。



この他、何か質問や疑問があれば、お書きいただければ返信致します。
では、今日もお疲れ様でした。
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