ことり「花になろう」

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319 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:07:41.27 ID:2Lo9u+rk0
絵里「…答えはすぐに見つかるわよ」

ことり「え?」


絵里「さっきステージには欠けてるものがある、だからことりはあそこで笑うことさえ出来なかった」


ことり「欠けてるもの…?」

絵里「その答えはすぐに出るから、今は今に集中しなさい」

ことり「う、うん…」

ことり(リハーサルを終えて教室に戻った)

ことり(そしたら穂乃果ちゃんがとんでもないことを言いだした)


ことり「お泊り?!」


穂乃果「そう!学校にお泊り…出来ないかな…?」

海未「む、無茶かと…」

ことり「…ううん!無茶じゃない!お母さんに頼んでみる!」

穂乃果「うん!お願い!」

海未「ええ?!大丈夫なのですか?!」

ことり「大丈夫!お母さん優しいから!」

タッタッタッ!

海未「あ、ちょっと!」
320 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:08:25.39 ID:2Lo9u+rk0
ことり「絶対説得しないと…!」

ことり(やってそうでやってなかったお泊り、とても楽しそうだと思った)

ことり(穂乃果ちゃんと過ごす時間も残り少ないんだ、さいっこうに楽しめる時間を作らないと)

ガチャンッ!

ことり「お母さん!!」

ことりママ「ど、どうしたのことり…」


ことり「今日学校でお泊りさせて!!」

321 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:09:54.43 ID:2Lo9u+rk0
〜夜

凛「んにゃあああ!!!ごきぶりいいいい!!!」

花陽「ぴゃああああああ!!!?」

海未「きゃああああああ?!?」

にこ「うっわ…」

穂乃果「な、なんか早いね…出るの…」

希「まぁ廊下なのが救いやん、早く調理室にいこ?」

穂乃果「あ、そうだね」

ことり「…」キョロキョロ

希「ん?どうしたん?」

ことり「ご、ゴキブリもういないかなって…」

穂乃果「あははは!大丈夫だよ!」
322 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:11:11.21 ID:2Lo9u+rk0
希「あっ!ゴキブリ!!」

ことり「っ?!」

ことり「きゃあああああああああ?!?!」ピョンピョン

希「あっははははは!嘘だよウソ!」

真姫「ぷっくくく…ぷはっ…」

穂乃果「ことりちゃんか〜わいい〜」クスクス

ことり「も、もー!希ちゃんっ!!」プンプン

絵里「からかうのも大概にしときなさいよ希は…」

希「あははごめんって」

にこ「あ、ゴキブリ」

絵里「ひゃああっ?!」ビクゥ!

絵里「っていないじゃない!」

にこ「ふっ…」

絵里「にこ!あなたねぇ…」

穂乃果「あはは…でもやっぱり学校でお泊りするのはなんかワクワクするし楽しいね!」

凛「ねっ!」
323 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:11:50.83 ID:2Lo9u+rk0
海未「まさか本当に受諾するなんて…」

ことり「お母さん、なんだかんだすごく甘い人だから…」

プワプワプワ


ことりママ『お泊り…?!そういうのは事前に報告を入れないとダメなんだけど…?』

ことり『えっ…じゃあ…』シュンッ

ことりママ『……でも今回は特別よ?いいわよお泊りして』

ことり『ホント?!』キラキラ

ことりママ『教室とかは飾りつけやらなんやらでごっちゃだろうし寝る時はここを使いなさい、料理は調理室を使いなさい』

ことりママ『食材とかは大丈夫?私が持っていこうか?』

ことり『あ、うんじゃあお願い』

ことりママ『ええ分かったわ』


プワプワプワ…

ことり「…甘いなぁ」

ことり(改めて感じる親バカさ、でもこの甘さに感謝しないといけない)

ことり(ことりもいいお母さんを持ったなって悔しいけどなんだか誇りに思ってきちゃって、今日だからこそ言えるけどことりのお母さんは最高のお母さんだった)


ことり(そして今、学校の薄暗い廊下を歩く九人の姿がある)

324 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:13:04.70 ID:2Lo9u+rk0
にこ「料理は私主体でやるからちゃんとやりなさいよ、食べるものなんだから」

凛「わかってるよ〜」

穂乃果「もちろん!本気でやるよ!」

ことり「ついたね、ちょっと待ってて鍵開けるから」

ガチャッ

ガララ

にこ「そこに食材置いといて、作るのは無難にカレーよ」

花陽「おお!!」

希「定番やね!」

凛「テンションあがるにゃー!」


絵里「よしっ!料理作るわよー!」


「おー!」


ことり(みんなでカレーを作った、こんな経験滅多にないと思う)
325 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:17:25.88 ID:2Lo9u+rk0
にこ「だー!にんじんの皮向きはもっと丁寧にやりなさい!」

穂乃果「ご、ごめんなんか難しくって」アハハ

絵里「こ、こう?」

ことり「そうそう、そんな感じ」

希「ふふふっ玉ねぎの切り方も知らんの?えりちは」クスクス

絵里「だ、だって玉ねぎを切ることなんてないから仕方ないじゃない!」

真姫「ことりは流石ね」

ことり「ま、まぁお料理好きだからね」

花陽「ご飯炊けたよー!!」

希「お、いいね」

にこ「こっちももう出来てるわ、後はあいつらだけね」

ことり「ことりのはもう大丈夫だよ」

絵里「うぅ…ぐすっ…」ポロポロ

希「玉ねぎ切っただけでそんな泣くんか…」
326 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:18:26.27 ID:2Lo9u+rk0
凛「凛もいいよー!」

穂乃果「私もー!」

にこ「んー…あんたらは相変わらず雑だけどいいわ、妥協するわ」

穂乃果「やったー!」

凛「いえーい!」

ことり(みんなと一緒にいる泡沫の時間の中で感じるものは些細なことでも膨張してとても大きなものに感じた)

ことり(息を吸うタイミングが重なったり、連鎖するようにあくびをしたり、喋るタイミングがかぶったり、そんな些細なことが嬉しく楽しく照れくさく感じた)

ことり(まぁ結局何を思っても最後に感じるのは)


ことり(ホントに楽しかった、ということ)


ことり(カレーを食べ終わったら次はどうしようという話になった)

ことり(色んな案が飛んだけど採用されたのはこれだった)
327 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:19:30.27 ID:2Lo9u+rk0


穂乃果「屋上に行かない?」


ことり「屋上?」

穂乃果「うんっ!星とかあると思って!」

希「いいやん、みんなで夜空を見に行こうや!」

絵里「そうね、そうしましょう」

凛「よーしっ!いっくにゃー!」

花陽「おー!」

真姫「お、おー」

にこ「おー」

ことり(屋上に上り夜空を見ることだった)

ことり(食器を洗ってやることをやって調理室から出た、如何せん廊下にはゴキブリがいたからドタバタ走りながら屋上についた)
328 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:22:40.49 ID:2Lo9u+rk0
ことり「うわあ…!」

穂乃果「すごーい!」

海未「…綺麗ですね」

ことり(まず屋上に出て放たれた言葉は、驚きと魅了の言葉だった)

絵里「幻想的ね」

にこ「…そうね」

希「ええなぁこういうの」

凛「…」

花陽「どうしたのそんなぽかーんとしちゃって」

凛「あ、ううんすごく綺麗で見惚れちゃって…」アハハ

真姫「綺麗ね…」

ことり(幻想的な空に全員が見惚れてた)

ことり(ことりの瞳には満天の星が映ってた、久々の夜空で夜の景色も忘れてしまってた)

ことり(月が光ってた、白く黄色く光ってた)

ことり(月が綺麗で、星が綺麗で、次第にその夜空が滲みだした)

ことり「…」

ポロポロ

穂乃果「わぁ?!ことりちゃん泣いてどうしたの?!」

ことり「あ、ううん…綺麗で…」

海未「ふふふっ想像力豊かなことりは何を想像したのですか?」クスッ

ことり「も、もーからかわないでよ」

海未「すいませんね」フフッ

ことり「もー…」
329 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:23:55.20 ID:2Lo9u+rk0


穂乃果「…明日、頑張ろうね」


ことり「もちろん!」

海未「はいっ!」

絵里「超頑張るわよ!」

希「精一杯楽しもな!」

にこ「弾ける準備は出来てるわよ!」

凛「凛もっ!」

花陽「頑張りましょう!」

真姫「本気でやるわよ!」


「おー!」


穂乃果「…ふふっ」

絵里「あはは」

ことり「えへへっ」

凛「んふふふ」
330 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:25:39.46 ID:2Lo9u+rk0
にこ「さっ理事長室に戻るわよ」

希「戻ったらトランプとかジェンガとかで遊ぼっか!」

真姫「いいわね、負けないわよ」

凛「凛もいくいく!」

花陽「私も!」

スタスタスタ

ことり(夜景と夜空に満足したのか、みんなは帰っていった)

ことり(そして三年生、一年生のみんなが屋上から離れた時のこと)

海未「穂乃果とことりはどうしますか?」

ことり「ことりはもうちょっとここにいたいかな」

穂乃果「私も」

海未「そうですか、じゃあ先行ってますね」

穂乃果「うん!後でいくよ」

ことり「ことりも!」

海未「はい、それでは」

スタスタスタ

ガチャンッ
331 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:26:52.99 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…」

穂乃果「…」

ことり(海未ちゃんも理事長室に戻り穂乃果ちゃんとことりの二人っきりになったんだ)

ことり(だからこそ、話す内容もちょっぴり切ない話だった)


穂乃果「……“明日”だね」


ことり「…そうだね」

穂乃果「さよならは…言わないよ」

穂乃果「私とことりちゃんはいつでも一緒、そうでしょ?」

ことり「…うん」

ことり「いつ…消えちゃうの?」

穂乃果「分からない…けど、ダンスを終えるまでは消えないと思う」

ことり「そっか…」

穂乃果「私ね、みんなで、みんなと一緒に何か大きなことをするのが夢だったの」
332 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:28:18.18 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…」

穂乃果「欲張りをいえばもっともっと大きなこと、たくさんしたかったけど私が生きれるのは二週間だけだから、あのステージでみんなで踊れるっていうのはホントに嬉しかった」


穂乃果「だからあのステージに悲しみはいらない」


穂乃果「例え私の命日だとしても、あのステージだけはさいっこうのステージにしよ…?」ウルウル

ことり「…!」

ことり(穂乃果ちゃんの潤んだ瞳をみてこっちまで泣きそうになった)

ことり(ことりは穂乃果ちゃんと別れること、人生で最大の不幸だと思ってる)


ことり(ただ、穂乃果ちゃんにとっては明日という日を迎えることが全ての終わりであることにことりとの差を感じるんだ)


ことり(一番泣きたいのは、一番悲しいのは穂乃果ちゃんであることをことりは知ってる)


ことり「…泣かないでよ」

穂乃果「えへへ…ごめんね…」
333 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:29:55.98 ID:2Lo9u+rk0
ことり「悲しいことはやめよう?もうみんなのところいこうよ!」

タッタッタッ

ことり(本番前に辛い思いなんてしたくないから、穂乃果ちゃんの泣き顔なんて見たくないから、また別れに怯えるのが怖いから)

ことり(無理矢理話をぶった切ってみんなのところへ行こうとした)


ことり(そんな時、聞こえた)


ことり(後ろから、響くような叫ぶような囁くような声が聞こえた)


穂乃果「ことりちゃん」

ことり「!」

フワァ…

ことり(振り返った瞬間、浮遊感を感じた)

ことり(そして次に感じるのは生暖かい風と無数に飛び散る花びらの舞)

ことり「穂乃果…ちゃん?」

ことり(そして次第に見えるのは大きな水たまりのその向こうの白い花畑に凛々しく立つ穂乃果ちゃんの姿)
334 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:31:24.01 ID:2Lo9u+rk0


『よーしっ!もう一回!』


ことり『!!』

ことり『穂乃果ちゃん?!』


ことり「!」

ことり(あの時の続きなのかな、あのブラックアウトした視界の続きなのかな)

ことり(全く頭になかったあの記憶が突然脳裏を過った)

ことり(空は、夜でもなく昼でもなく)


ことり(日が沈もうとしてる夕方だった)


穂乃果「ねえことりちゃーん!」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ちょっとお話しようよー!」

ことり「お話ー?!」

穂乃果「そうだよー!」
335 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:32:47.00 ID:2Lo9u+rk0
ことり「何なの話ってー!」

穂乃果「えっとねー!ことりちゃんはねー!」

ピチャピチャッ

ことり「!」

ことり(喋りながら、あの水たまりを歩いて穂乃果ちゃんはこっちへ向かってきた)

穂乃果「みんなに信用されてるんだよ!」

穂乃果「この二週間、みんなの想い聞かなかったー?!」

ことり「みんなの想い…」
336 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:34:22.18 ID:2Lo9u+rk0


希『もし、本当にそういうことが起こったらウチはそうするかな』


花陽『“本当の”小泉花陽は、みんなに“本気の”エールを送る人だから♪』


海未『困った時は、泣きたい時は、縋りたい時はいつでも頼ってください』


凛『…だからお礼がしたかったんだ』


にこ『私のチカラは、誰よりも強く相手の背中を押してあげることだから』


絵里『私のチカラはその人にしてあげられることに全力を尽せることだから』


真姫『これからも、どうぞよろしくお願いしますってね』

337 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:35:05.40 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…聞いたよ!聞いた!」

穂乃果「どう思った?どう感じた?」

ピチャピチャッ

ことり「ことり、頑張らなきゃって思った!困った時は手を貸してくれて!相手が悩んでる時はことりが手を貸す!ううん!手を差し伸べる!」


ことり「今あそこにいる九人がさいっこうのメンバーだと思った!」


ことり「その人にしか出来ないことを尊重して!本気で笑いあって本気で何かをして本気で今という日を走り抜ける!」

ことり「本気の集団だよ!いつだって!ずっとずっとことりたちは!」

穂乃果「そうでしょー!だからこそことりちゃんはもう大丈夫なんだよ!」

ことり「大丈夫?」

穂乃果「私がいなくてももう大丈夫!」


穂乃果「ことりちゃんは強いから!」
338 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:35:37.01 ID:2Lo9u+rk0




穂乃果「ことりちゃんのチカラは既に輝きだしてるから!!!」



339 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:36:40.47 ID:2Lo9u+rk0
ことり「ことりの…チカラ…?」

穂乃果「うん!」

ピチャッピチャッ

穂乃果「ことりちゃん、この前はこの水たまり飛び越えられなかったでしょ?」


ことり『跳べるっ!』


穂乃果「あの時のことりちゃんにはみんなの想いがなかったら飛べなかった!」

穂乃果「ことりちゃんがまだ自分のチカラを発揮出来てなかったから飛べなかった!」


穂乃果「でももう“翔べる”よ!」


穂乃果「翼なんていらない!ことりちゃんの足だけで!駆けて翔んで!」


ギュッ

ことり「!」

ことり(ことりの手と穂乃果ちゃんの手が合わさった)

ことり(その瞬間花びらは空高く舞い上がった、下から上へと突き抜ける風と花びら)

ことり(それはどこまでも、空高く空高く宇宙へと舞い上がっていく)
340 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:38:37.82 ID:2Lo9u+rk0
ことり「と、翔ぶって」

穂乃果「そのままだよ!この水たまりを翔び越える!」

ことり「え、えぇ?!無理だよ!」


穂乃果「無理じゃない!」


ことり「!」

穂乃果「もう、明日この空になる頃には私はいない」

穂乃果「今度はことりちゃんの番」



穂乃果「ことりちゃんがみんなを引っ張る、みんなの太陽になる番だよ」



ことり「!!」

穂乃果「ほらっ!あそこに足跡があるでしょ?」

ことり「う、うん」

ことり(ことりの後ろの坂にはこちらへと向かう足跡がしっかりと残ってた)
341 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:39:21.79 ID:2Lo9u+rk0
穂乃果「あれが私の足跡、あれが私の翔んだ軌跡」

穂乃果「次はことりちゃんが翔ぶんだよ、ことりちゃんがその道に」



穂乃果「新しい軌跡/奇跡を生むんだよ!!」



ことり「!」

穂乃果「だから走って!」

穂乃果「あの坂のてっぺんから!あの坂のてっぺんから走って翔んで!」

ことり「…うん!」

ことり「ことり翔ぶよ!」

穂乃果「うんっ!」

スタスタスタ

ことり「すー…はー…」

ことり(坂のてっぺんに上り目を瞑って深呼吸をした)
342 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:40:31.74 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…よしっ」

ことり「行くよ!」

穂乃果「うん!」

ダッ

タッタッタッ! タッタッタッ!


穂乃果「いっけええええええええええ!!!」

ことり「はああああああああああああッ!!!」


ピョーンッ!


ことり(浮いた、空高く翔んだ)


ことり(空へと続く花びらと一緒に翔んだ)


ことり(翔び空中に浮いてる間に聞こえた)

ことり(穂乃果ちゃんの言葉)


穂乃果「ことりちゃん」


ことり「!」

ことり「穂乃果ちゃん?」
343 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:41:37.17 ID:2Lo9u+rk0


穂乃果「私のチカラはみんなを本気にさせること」


穂乃果「みんなを引っ張ってやる気を出させてみんなで楽しめる場を作ること」

穂乃果「ことりちゃんが翔んだ今、私の役目はもう終わった」

穂乃果「…頑張れ!ことりちゃん!ずっと応援してる!」

穂乃果「後は楽しもう!後は笑おう!」

穂乃果「ことりちゃんのチカラで!」


穂乃果「ことりちゃんはホントにすごいチカラの持ち主だよ!」


ことり「何それ?!ことりのチカラって何なの?!」


穂乃果「ことりちゃんのチカラは―――――――!」


ことり(その声が耳に届いた瞬間ことりは白い花畑に足をつけた)

ことり(そして同時に視界が)


ことり(ホワイトアウトした)

344 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:42:06.99 ID:2Lo9u+rk0
「正解は、一つじゃないよ」


「ことりちゃんがそう思ったなら、それが正解なんだから」


「明日、頑張ろうね」
345 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:42:34.44 ID:2Lo9u+rk0



「私とことりちゃんの“最後の日”」


346 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:43:31.35 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…はっ!」

絵里「おきなさーい!朝よー!」

海未「絵里、もうちょっと静かにした方が…」

絵里「こうでもしないと起きない人がいるのよー!」

穂乃果「むにゃむにゃ…あと五分…」

絵里「ほらっ!」

海未「まったく…」

ことり「…朝」

ことり(気付いたら朝だった、あの水たまりの場所を翔んでから記憶がない)

ことり(もう、本番は目の前だった)

にこ「うるさいわね…」

真姫「ホント何よ…」

絵里「やっと目が覚めたわね、今日よ!音ノ木坂祭り!」

花陽「うぅん…?もう朝…?」

海未「おはようございます花陽」

花陽「お、おはよう」

凛「ぐー…ぐー…zzz」
347 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:44:50.16 ID:2Lo9u+rk0
ガチャッ

希「お、みんな起きてるやん!」

ことり「希ちゃん、起きてたんだ」

希「ウチはいつも早起きやからね、それより早く着替えよう?みんなそれぞれクラスで使う服あるやろ?」

海未「そうでした…メイド服って意外に着るの大変なんですよね…」

ことり「ふふふっじゃあことりが手伝うから」

海未「す、すいません」

絵里「こらっ!穂乃果おきなさーい!」

穂乃果「うわー!遅刻ー!!?」

穂乃果「…て、あれ?」

にこ「なにやってんだか…」

ことり「あはは…」

凛「んん…」

海未「おはようございます、凛」

凛「あぁおはよう…」

真姫「凛には珍しいひっくいテンションね…」

花陽「凛ちゃん寝起きには弱いから…」アハハ
348 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:45:40.68 ID:2Lo9u+rk0
海未「じゃあ穂乃果、ことりメイド服に着替えますよ?」

穂乃果「あ、うん!」

ことり「はーい」

海未「あ、お手洗いに行くので先に行っててください」

ことり「分かったよ」

ガチャッ
349 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:47:42.11 ID:2Lo9u+rk0
スタスタスタ

穂乃果「…もうすぐだね」

ことり「そうだね」

ことり「…!穂乃果ちゃんそれ…!」

穂乃果「…ん、あぁ大丈夫、ステージが終わるまでは持つから」

ことり「う、うん…」

ことり(穂乃果ちゃんの体が透けてた)

ことり(少ししたら元に戻ったけどなんか実感しちゃったんだ)


ことり(本当に終わりが近づいてるんだって)


ことり「…よしっこれで大丈夫」

穂乃果「うわー!メイド服ってかわいいね!」ヒラヒラ

海未「ええお二人ともすごく似合ってますね」

穂乃果「海未ちゃんも似合ってるよ〜!」

海未「そ、そうですか?ありがとうございます」テレッ

ことり「ふふふっ」クスッ

ことり「じゃあ穂乃果ちゃんは今日、呼び込みお願いね」

穂乃果「うん!任された!」
350 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:50:40.25 ID:2Lo9u+rk0
ことり「私はお料理作る係と接客の兼業だからよろしくね」

海未「分かりました」

穂乃果「海未ちゃんは何係だっけ?」


海未「…マスコット係と接客の兼業です」


穂乃果「マスコット係?」

海未「お客さんと写真を撮ったりご奉仕する係だそうで…」

ことり「海未ちゃん可愛いからマスコットに選ばれて当然だよ♪」

海未「うぅ…」

ことり(朝早くから三人で盛り上がった)

ことり(時間が立てばクラスのみんながきて各自準備に取り掛かってた)

希「お、メイド服いいね〜後でお客さんとしていくな〜」

穂乃果「おお!そのなにその恰好!」

希「魔女やで?ウチらはお化け屋敷をするんだけどウチは呼び込み係やから怖くない恰好でも大丈夫!」

ことり「ふふふっ可愛いね」
351 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:52:28.78 ID:2Lo9u+rk0
凛「にゃー!ソーラン!ソーラン!」

海未「あれは…」

真姫「ちょ、ちょっと待ちなさいって!」

穂乃果「おーい!凛ちゃーん!」

凛「えっへへー!みんなー!」

ことり「その服ははっぴ?」

凛「そうそう!凛のクラスは無難に射的とかそういうのをするから!」

海未「なるほど…」

ことり「真姫ちゃんも凛ちゃんも似合ってるね♪」

真姫「あ、ありがとう…」

凛「えへへっ!」

ことり(みんなも準備万全のようでことりたちに顔を見せに来てた)
352 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:55:50.26 ID:2Lo9u+rk0


絵里「音ノ木坂祭り、始まりよ!!」


ことり(そして始まった音ノ木坂祭り、平日とはいえどお客さんの数は文化祭と勝るとも劣らないほどの大盛況だった)

ことり「いらっしゃいませ♪」

海未「い、いらっしゃいませ!」

ことり(ここのクラスには海未ちゃんもいて、穂乃果ちゃんの元気いっぱいな呼び込みもあってお客さんが行列を作るほどだった)

海未「ことり!ご指名入ってますよ!」

ことり「え、またことり?!」

「いいよ!私たちで作っとくから行ってきな!」

ことり「う、うんごめんね」

スタスタスタ

ことり「いらっしゃいませ♪今日はどうなさいますか?お料理ですか?写真撮影ですか?」


ことり「それともわ・た・しですか?」ニコッ


ことり「…ふふふっなんて冗談です、どうなさいますか?」

ことり(不思議なことにことりが人気だった)

ことり(それに海未ちゃんもいたからホントにホントに休める時間が無くて、大変だった)

ことり(でも、この時間が楽しくて楽しくて仕方がなくて、呼び込みを終え帰ってきた穂乃果ちゃんも接客に参加して更なる混沌の渦を巻き起こした)
353 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:56:33.09 ID:2Lo9u+rk0
穂乃果「いらっしゃいませ!」

海未「いらっしゃいましぇ…ううぅ…!」

穂乃果「あははー!海未ちゃん噛んだー!」

海未「う、うるさいです!」

ことり「あはは…」

ことり(時計を見るたびに小さい方の針が大きく動いてて、気付けば昼が過ぎてた)

海未「ことり!ご指名入ってます!」

ことり「い、今いく!」

ことり「ごめん任せるね」

「いってらっしゃい!」

穂乃果「ことりちゃんご指名きてるよー!」

ことり「ま、待ってぇ〜!」

絵里「ことり!そろそろ準備しないと間に合わないわよ!」

ことり「え、えぇ〜?!」
354 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:57:29.07 ID:2Lo9u+rk0
穂乃果「じゃあそっちいこっ!」

海未「す、すいません!私たち穂乃果、ことり、海未は体育館の見せ物ステージでダンスと歌を披露させていただきます!よかったらそちらの方でもよろしくお願いします!」

ワーワーワー!

海未「いきましょう、ことり、穂乃果」

ことり「うん!」

穂乃果「ほいさっさ!」

絵里「よしっ行きましょう」

タッタッタッ!

絵里「というかそっちは大盛況ね!」

ことり「お客さんが全然減らないよ!」

海未「ホントですよ!もう休める時がなくて」

穂乃果「ねー!」

絵里「いいじゃない!人気の証拠よ?」

穂乃果「そうだね!」
355 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 00:59:44.98 ID:2Lo9u+rk0
絵里「衣装は理事長室に置いてあるからそこで着替えましょう」

穂乃果「うん!」

海未「分かりました」

ことり「了解!」

ことり(理事長室で衣装に着替えた、事前にサイズは確認してことりが完璧に仕上げてきたから衣装問題は特になかった)

凛「うわー!すごいよこれ!」

穂乃果「ねっ!すごいすごい!」

にこ「いい衣装じゃない」

花陽「そうだね!」

ことり「…よしっ」

海未「頑張りましょうね」

希「楽しんでいこうな?」

穂乃果「超盛り上げちゃうよ!」
356 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:00:43.01 ID:2Lo9u+rk0
ことり「よしっ!体育館に向かうよ!」


「おー!」


ことり(体育館のステージ裏に向かった、今ちょうどことりたちのラストステージから一つ前の出し物が行われてる)

ことり(来るなりなんなりで曲や人数の最中確認をし、後は待つだけになった)

ことり「…」


ドクンッ


ことり「…っ」

ことり(そして襲うはあの時の恐怖)

ことり(怖くて喋ることも笑うことも出来なかったあのステージ、緊張感、圧迫感、失敗出来ないという気持ちから生まれる強い念)

ワーワーワー!

ことり「うっ…」クラッ

ことり(耳の奥にまで響き渡る歓声で目が眩んだ)

ことり(ここで踊れるのかな、ここで歌えるのかな、ここで楽しめるのかな)

ことり(そんな三つの思いが心の中でくるくるくるくる回ってる)
357 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:01:48.54 ID:2Lo9u+rk0
トンッ

ことり「!」

ことり(そんな時肩に何かを感じた、何かが置かれるようなそんな感覚)


穂乃果「ことりちゃんはもう、一人じゃないよ」


穂乃果「みんないる、みんないるから怖くない」

穂乃果「みんながついてるから失敗だって恐れない」

穂乃果「みんなを信じることで乗り切れるんだ、ことりちゃんはもう一人じゃない」


穂乃果「ことりちゃんには信じる相手がいるから、大丈夫」


絵里「…分かった?ことり、あの時の答え」


絵里『さっきステージには欠けてるものがある、だからことりはあそこで笑うことさえ出来なかった』


ことり「!!」
358 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:02:56.82 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…」チラッ

海未「ふふふっ任せてください」

にこ「私が背中を押してやったんだからぜぇったいに楽しくするわよ!」

花陽「この機会を逃していつ楽しむんですか!今しかありません!」

希「その通り!お客さんをウチラの本気《カオス》の渦に巻き込んじゃうよ!」

凛「ことりちゃんが教えてくれたんだからね!輝くことの楽しさを!」

真姫「ここまで来たんだから頑張りましょう、最後の最期まで、本気よ」

「頑張れ!」

「応援してるよ!」

「期待してるぞ〜!」

ことり「みんな…!」

ことり(あの時の答え、分かったよ絵里ちゃん)

ことり(そういうことなんだね、欠けたものって)

ことり(…そうだよね、あの時はなかった)

ことり(いなかった)


ことり(みんな、という存在がなかったんだもん)


ことり(みんなとならどこまでもいける、みんなとなら笑いあえる)



ことり(みんなとならこのステージで踊れる!)


359 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:04:23.81 ID:2Lo9u+rk0
ことり「よーしっ!みんな頑張ろう!」


「おー!」


穂乃果「始める前に何かしよ!」

海未「何か?」

穂乃果「みんなピースして!」

凛「ピース?」

穂乃果「そうそう!これをこうやって繋げるの!」

絵里「おお」

希「なんかいいねこれ」

穂乃果「でしょー?この状態でえっと…ことりちゃん耳貸して!」

ことり「え?あ、うん」

穂乃果「えっとね―――――」ゴニョゴニョ

ことり「…うん!分かった!」
360 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:05:12.78 ID:2Lo9u+rk0
ことり「μ’s!番号言っていくよ!」

にこ「番号?」

真姫「なにそれ?」

ことり「いち!」

穂乃果「に!」

海未「え、あ、さんっ!」

凛「じゃあ凛はよん!」

花陽「じゃあ私も続いてごっ!」

真姫「ろ、ろく!」

希「じゃあななもーらい!ななっ!」

にこ「じゃあはち!」

絵里「きゅう!」



ことり「μ’s!ミュージックスタート!」



「おー!!」

361 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:06:38.03 ID:2Lo9u+rk0
穂乃果「あはは!みんなノリいい〜!」

真姫「何かするならちゃんと言いなさいよ…」

希「でもでもいいやん!ウチららしくて」

絵里「そうね、とにかく何も考えずに前へ突っ走る姿勢はちょっと合ってるかも」

ことり「えへへ」

「μ’sのみんな!もうだよ!」

ことり「!」

にこ「きたわね」

海未「楽しみましょうね!」

絵里「ええ!」

凛「よーしいっくにゃー!!」

真姫「すー…はー…よしっ準備おっけーよ!」

花陽「私も!」

希「みんな見といてよー!ウチらのステージ!」

「続きましてラストステージを飾るのは、この学校の生徒九人で結成されたグループ」


「μ’sの皆さんです!」


ウオオオオオオ!
362 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:07:54.98 ID:2Lo9u+rk0
ことり「よしっ!いくよ!」

タッタッタッ

ことり「皆さんこんにちは!μ’sです!」

ことり「私たちμ’sは今日のために!今日のこのステージのためにダンスを練習し歌を作り、それを歌えるようにしてきました!」

ことり「笑いがあってちょっぴり涙があって、時に問題があったりしました!」

ことり「そんな大量の想いが詰まった今日の一曲、聴いてください!」



ことり「Wonderful Rush!」



ことり(辺りが静まった、スポットライトの光とことりたちの想いだけが輝くこのステージ、注目はもちろんステージに立つみんなと、センターのことりだった)
363 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:09:42.75 ID:2Lo9u+rk0
「Dan dan ココロ!Dan dan アツク!夢いっぱい叶えてみせるっ!」

「Dan dan ススム!Dan dan ハジケル〜!」


ことり「未来をしっかり見てっ!」


「Hi hi ススメ!まだまだLet's go!Hi hi ススメ!ほらほらlet's go!!」

ことり(歌が始まると同時に歓声が沸きあがった、一部の人はサイリウムを持ってたみたいで観客の間にはちらちらと光が見えた)

ことり(まだ始まりだというのに会場のボルテージはMAXといっていいほどだった)

ことり(ダンスも歌も完璧、このステージは見る人を魅了するパフォーマンスそのものだったと思う)
364 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:10:48.11 ID:2Lo9u+rk0
「これからのWonderful Rush!みんな幸せになるため〜!」

「新しい世界♪探し行こうよ〜!」

「迷ったらWonderful Rush!僕は〜輝きを信じて〜♪」

「遥か遠くの虹だけど…そうきっと掴んで!」

「uh〜hi!」

ワーワーワー!

ことり(会場の熱気は更に熱くなった、このステージでは汗も煌いて何もかもが輝きだしてたんだ)
365 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:11:24.30 ID:2Lo9u+rk0
「Hi hi ススメ!まだまだLet's go!Hi hi ススメ!ほらほらLet's go!!」


ことり「未来をつかまえて!」

にこ「人生気分で上下左右♪」

真姫「運命ときに急展開!」

花陽「最低↓!」

穂乃果「最高↑!」

希「最大↑!」

海未「最新↑!」


えりりん「Let's go!遠くに Super jump!!」ピョーン!


ことり(よく見れば観客の数は体育館じゃ入りきらないほどのフルだった、熱気が、歓声が、私たちの声が体育館の外にまで聞こえて、それにみんなつられてくるんだ)

ことり(時々歌って踊ってるとみんなと目が合う、それに合わせてウィンクをするんだけど、それだけで伝わってくるんだ)


ことり(今がどんなに楽しいか、見える瞳が全てを語ってるんだ)


ことり(それは言わずもさいっこうの、さいっだいの、さいっしんの本気のステージだった)

366 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:12:23.50 ID:2Lo9u+rk0
海未「大事だよ♪」

ほのえり「なんだっけ?」

花陽「小さな努力!」

のぞりん「そうだった!」

にこ「いまが好きで♪」

ことまき「愛なんだ?」

穂乃果「ぶつかるんだ!!」

うみえり「そうなんだ!」

希「勢いよくね♪」

りんぱな「大胆に?」

真姫「一生懸命!」

ことにこ「そうだった!」

絵里「勢いつけて♪」

ほのうみ「大胆に?」


「一生懸命だっ!!」


ことり(瞳と瞳を合わせて掛け合いのバトンタッチをした、笑顔も忘れてないよ)

367 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:12:57.83 ID:2Lo9u+rk0
「始まりのWonderful stage!みんな次の場所立つんだ〜♪」

「めぐり逢う季節〜新鮮な景色〜♪」

「胸はずむWonderful stage!ぼくが〜目指すのは綺麗な〜♪」

「遥か遠くの虹だから…さぁ、出発だよっ!!」


パチンッ


ことり「!」

穂乃果「?!」

真姫「うそ…」

絵里「こんな時に…!」

ことり(歌が止まった、照明が消えた、何かのトラブルだと思う)
368 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:13:54.13 ID:2Lo9u+rk0
ザワザワ ヤザワザワ

ことり(ざわつく観客とステージの上のみんな)

ことり「…」


ギュッ


ことり(ただ、ことりは焦らなかった)


ことり(心の中にあるのはただ一つの未来と答え)

ことり(口から出たものはことりの執念と想い)


ことり(あぁ、これなんだ、これが私のチカラなんだ)

ことり(なんで気付かなかったんだろう)

ことり(ことりのチカラって、こんなにもすごいものだったんだ)
369 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:16:10.52 ID:2Lo9u+rk0
ことり「すー…はー…」

ことり(ことりのチカラは)

ことり「…よしっ」

ことり(誰よりも明るく)

ことり「いくよっ」

ことり(誰よりも優しく)

ことり「はー…」

ことり(誰よりも楽しく)



ことり「Wonderful…♪」



ことり(みんなを幸せにすること!)



ことり(無理矢理を押し通して不可能を可能にすること!)


ことり(みんなを引っ張って楽しい未来を作ること!)


ことり(真姫ちゃんごめん、ここのWonderfulは真姫ちゃんのパートだったけど…今は…仕方ないよね)
370 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:16:38.40 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…」チラッ

真姫「!」パチパチッ

ことり「ふふっ」

ことり(真姫ちゃんの方に向いたらウィンクをしてくれた、いいよって瞳が語ってた)

ことり「…」チラッ

にこ「!」コクンッ

ことり(次のパートはにこちゃんだ、にこちゃんに顔を向けてバトンタッチをした)

ガタンッ

ことり(スポットライトも照明も回復した、音楽は出ないけど熱気ならまだまだある)

ことり(もう、輝ける準備は出来てるよ)


ことり(もう、本気でやれる準備は出来てるよ!)

371 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:19:00.84 ID:2Lo9u+rk0
にこ「Wao!どうしようか?Dreams Come True!」

にこ「当然!Let's go!」


「Three!Two!One!ZERO!」


「Hi hi Super jump!Oh yeah Super jump!」

「Life is Wonder!まだまだ Let's go!」

「Hi hi Super jump!Oh yeah Super jump!!」


ことにこまき「Life is Wonder!Wonderful Rush!」


「はいっ!」

372 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:21:18.17 ID:2Lo9u+rk0
ことり「もっと近くで〜語りあいたいな〜♪」

ことり(ことりの想いはみんなに、観客に届いてるだろうか)

ことり「頷いた君とどこまで♪走ろうか〜?」

ことり(ことりの瞳は輝いてるだろうか)

真姫「果てまで〜♪」

ことり「走ればいいさっ♪」

ことり(ことりの心は限界を迎えてるのだろうか)

にこ「限界なにそれ?No Thank you!OK!」

ことり「Oh Yeah〜♪」

ことり(…うん、そうだよね)

ことり(限界なんてないよ、どこまでもずっとずっといける)

ことり(みんなとなら、出来ないことなんてないよ)

ことり(ことり、もう決まってたよ、穂乃果ちゃんがずっと傍にいてくれたから、辛い時にそっと支えてくれたのは穂乃果ちゃんだったから)

ことり(この出逢いに再び感謝して、この出逢いに一生の運命を感じて、この出逢いを無駄にしない)
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 01:21:49.75 ID:RcfUbAUSO
正直歌詞そのまま載せるのはどうかと思うんだよな
374 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:23:43.90 ID:2Lo9u+rk0


ことり(ことりは一生、幸せでい続ける!)


ことり(絶望にも負けない!一人じゃないから!みんなを笑顔にしてみせる!一人じゃないから!)

ことり(穂乃果ちゃんがいなくても笑ってみせる!一人じゃないからっ!!)


ことり(だから…ことりの隣、ずっと歩いてくれるよね?)


ことり「みんな…」


「心配いらない All right!!」


ことり「!」

絵里「当たり前でしょ?」

希「いつでも一緒やん♪」

にこ「しょうがないわねぇ…」

凛「凛はいつでもみんなと一緒だよ!」

花陽「私だって!」

真姫「多少の無理くらい突っ走ってやりましょうよ!」

海未「私たちは、九人で一つですから!」


穂乃果「ことりちゃん、私もずっと一緒だよ!」

375 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:24:31.80 ID:2Lo9u+rk0
ことり「えぇ?!みんな…どうして…?」

海未「ことりの考えてることくらいわかりますよ」

絵里「ねっ」

希「ねー」

ことり「えぇ?!そ、そんなわかりやすかったかな…」

にこ「ええわかりやすすぎよ」

真姫「…でもわかりやすすぎるからこそ」

凛「ことりちゃんの本心が聴けた!」

花陽「私たちも後に続くよ!」

穂乃果「いこう!」


ことり「みんなっ…!」


ポロポロ…


ことり(このみんなのところが、ことりがいるべき場所だってこと、痛いほど感じた)

ことり(幸せすぎて涙が出てきた、涙を流しながら思ったんだ、誓ったんだ、決意したんだ)
376 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:26:18.78 ID:2Lo9u+rk0


ことり「このステージ、踊り切るよ!」


「うんっ!」


〜〜〜♪


ことり(歌が流れ出した、さいっこうのタイミングだよ)


ことり(これなら、精一杯輝けるねっ!)


「これからのWonderful Rush!みんな幸せになるため〜♪」

「新しい世界〜♪探しに行こうよ〜♪」

「迷ったらWonderful Rush!僕は輝きを信じて〜♪」

「遥か遠くの虹だけど〜」


「いつか手にする!」

377 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:27:03.91 ID:2Lo9u+rk0
「Wonderful stage!みんな次の場所立つんだ〜♪」

「めぐり逢う季節♪新鮮な景色〜♪」

「胸はずむWonderful stage!僕が目指すのは綺麗な〜♪」

「遥か遠くの虹だから…さぁ、出発だよ!」

「uh〜hi!」


「Dan dan ココロ!!Dan dan アツク!!夢いっぱい叶えてみせるっ!!」

「Dan dan ススム!!Dan dan ハジケル〜!!」



「未来をしっかり見てっ!!」



「Uh〜Hi!!」


ワアアアアアアアア!ウオオオオオオオオ!


ことり「ありがとうございました!」

アンコール!アンコール!アンコール!

ことり「ええ…アンコール…?!」

真姫「歌用意してないわよ?」

絵里「困ったわね…」
378 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:27:53.57 ID:2Lo9u+rk0
ことり「どうする…?穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…ふふふっもう決まってるんじゃない?」

にこ「え?」

穂乃果「ことりちゃんはもうどう答えるか、心の中で決心がついてると思うんだけど違うかな?」

ことり「…ふふっ正解」

海未「なんだ、でしたらそれを言ってくださいよ」

ことり「…いいの?」

希「渋る必要なんてないよ、主役《センター》はことりちゃんだよ?」

ことり「…うん!」


ことり「皆さん!」


ことり「大変申し訳ないのですが今日はアンコール用の曲を用意してなかったのでアンコールをすることは出来ません!」


花陽「えぇ?!そういう?!」

凛「意外にゃ…」
379 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:29:00.50 ID:2Lo9u+rk0


ことり「ですが!安心してください!」



ことり「次回のステージは文化祭!」



ことり「文化祭で皆さんが楽しめるパフォーマンスをご用意しておきますので、文化祭も是非!」


ことり「私たちのステージを見に来てください!」


ワアアアアアアアアアアア!!


ことり「えへへ」

希「なるほど」

絵里「いい答えじゃない」

凛「おお!ってことはまた出来るんだね?!また踊れるんだね?!」

真姫「ええ」
380 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:29:37.33 ID:2Lo9u+rk0
海未「あはは…ことりらしい…んですかね」アハハ

花陽「これはまた頑張らないといけませんね!」

穂乃果「ことりちゃん、やっぱりすごいよ」

ことり「えへへ、そうかな?」

穂乃果「うんっ!」


「μ’sの皆さんありがとうございました!素晴らしいダンスと歌でしたね!」


ことり「いこっか」

穂乃果「うんっ!」

海未「はいっ!」

スタスタスタ

ことり(ステージ裏に戻りほっと一息をついた)
381 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:30:39.35 ID:2Lo9u+rk0
絵里「お疲れ様!最高のステージだったわ!」

希「ねっ!」

海未「歌とかが無くなった時はどうなるかと思いましたがことりのおかげで助かりましたね」

真姫「ありがとう、ことりのおかげで乗り切れたわ」

ことり「ううんいいのいいの!」

凛「次回も頑張るよー!」

にこ「ええ!」

花陽「もちろんだよ!」

絵里「次回は三曲くらいやっちゃう?」

海未「えぇ?!それは負担が大きいのでは…?」

真姫「私は別にいいわよ?」

希「おっじゃあやっちゃう?」


「あははははは!」


ことり(みんなで笑うのも束の間、とうとうの魔法が解ける鐘も間近なようだった)
382 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:31:50.70 ID:2Lo9u+rk0
穂乃果「!」

ことり「穂乃果ちゃん…!それ…!」

穂乃果「…終わりが近づいてるんだ」

穂乃果「…行かなきゃ」ダッ

絵里「あ、穂乃果?!」

ことり「っ!」ダッ

海未「こ、ことり?!」

タッタッタッ!

ことり「どこいくの?!」

穂乃果「神社だよ!帰りはあそこだから!」

ことり「…!行っちゃうの…?」

ピタッ

穂乃果「…うん、ごめん」

ことり「……そっか、じゃあ最後までついてっていい?」

穂乃果「……うん、いいよ」

タッタッタッ!

ことり(穂乃果ちゃんの背中を追いかけた)

ことり(ライブ後だというのに穂乃果ちゃんの足は速くて、時々追いつけなくなりそうな時があった)

ことり(ことりの後ろにみんなの姿はなかった、Wonderful Rushの衣装を着たままで街中を二人で駆け抜けてた)

ことり(出し物の方はどうなったのかな、MVP取れたかな)


ことり(…取れてるといいな)

383 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:33:12.49 ID:2Lo9u+rk0
「えぇ〜MVPの発表です!」

ザワザワ ザワザワ

「MVPは…」


「μ’sの皆さんです!」


オオオオオオオオ!!


「それではμ’sの皆さんに登場していだきましょう!」

「どうぞ!」

シーン…

「…あれ?」

ことりママ「うふふふっごめんなさい、ちょっとμ’sの皆さんは席を外してて」

「理事長!?」

ことりママ「代わりに、センターの南ことりさんから皆さんへ向けてのメッセージを預かっています」

ことりママ「えー今回はMVPになった感想の代わりとしてこれを読ませていただきますね」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 01:33:31.52 ID:2Y+zrNoY0
台詞に歌詞を使うのやめた方がいいよ
385 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:34:02.45 ID:2Lo9u+rk0
ペラペラ

ことりママ「では読みます」


「皆さん、この度は私たちμ’sのステージを見ていただき誠にありがとうございます」

「大変申し訳ないのですがおそらく今この場には私たちμ’sはいないと思います」

「ですから感想をいうことは出来ませんが、ちょっとしたお話を皆さんに聞いてもらおうと思ってこのメッセージを残しました」


ことり「穂乃果ちゃんまってぇ〜…」

穂乃果「ほらほらっ!速く速く〜!」

386 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:35:00.99 ID:2Lo9u+rk0
「今回歌ったこのWonderful Rushという歌はみんなに楽しい未来があるんだよ、という想いを込めた歌です」

「だから曲も歌詞もとにかく元気で、明るいモノにしたんです」

「ですが元々、この歌にはちょっとした秘話があるんです」


穂乃果「後半分!」

ことり「速いよぉ〜…」

387 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:36:11.52 ID:2Lo9u+rk0
「始まりは二週間前、私はとある大切な親友と出逢いました」

「久々の再開に胸をはずませました、そしてその親友がいたことにより毎日がものすごく楽しくなって、いつしか時を忘れてしまったんです」

「そんな中で丁度再開してから一週間が経ったとき、その親友からこんなことを言われました」


「私は後一週間しか生きれない、と」


ザワザワ ザワザワ


穂乃果「…クレープ買ってこうか!」

ことり「い、いいの?」

穂乃果「うん!いいよ!私が奢るよ!」

388 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:36:50.14 ID:2Lo9u+rk0
「私は酷く絶望しました、その一週間の余命に私はどうすることも出来なくてただ死に近づく時間に恐怖を感じていました」

「そんな時、私の他の親友がこんなことを言ってくれたんです」


「残り一週間しかなくてどうにもできないなら、その一週間で精一杯楽しむのがその人の為でもあって自分のためでもある、と」


「その言葉は心にグサッと刺さりました、そして同時にこれだ、と思いました」

「その後、その親友と思いっきり遊びました」

「カラオケにいってゲームセンターによってコスプレをしてそしてこうやって歌とダンスをして…」


穂乃果「…もうすぐだね」

ことり「…そうだね」

389 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:37:28.26 ID:2Lo9u+rk0


「…それでお気づきの方もいるかもしれません、その親友の命日は今日なんです」


ザワザワ ザワザワ


「だから、その親友のためにさいっこうのステージを踊りたかった」

「そしてその親友のさいっこうの舞台を用意したかった」

「ここまで聞いて何の話だ、って思うかもしれませんがこの会場を皆さんが盛り上げてくれたこと、大いに感謝します」

「皆さんのおかげで親友のために、さいっこうのステージでライブをすることが出来ました」

「だから、このメッセージを聞いてる今はきっと私はその親友と会ってるのだと思います」

「勝手ながら申し訳ないありません、今ここにμ’sがいないのは私の我が儘です」

「ライブの最後に言った通り、次のステージは文化祭です」


「その時にまた、皆さんに会えるのをお待ちしております」


ことりママ「…以上です」

390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga !red_res sage]:2017/09/14(木) 01:38:26.40 ID:RcfUbAUSO
歌詞載せるのはアウト
391 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:40:02.20 ID:2Lo9u+rk0
タッタッタッ!

穂乃果「…ついたね」

ことり「…うん」

穂乃果「…!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん…!」

ことり(穂乃果ちゃんの体は更に透けてた)

ことり(まだ触れられるけどもうちょっとしたら、完全に消えてしまいそうだった)

ことり「穂乃果ちゃん…!」


ことり「ほのがぢゃん!!」


ポロポロポロ…


穂乃果「ことりちゃん…!泣かないでよ…ッ!!」

穂乃果「いきなり神社にきて…そんな…泣かれたら…私だって…」ギリッ


ポロポロ…

392 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:41:27.50 ID:2Lo9u+rk0
ことり「ふぇええええええええん!!!」

穂乃果「うわああああああああ…!」

ギューッ

ことり「もっと一緒に…!もっと一緒にいたいよぉ…!!」

穂乃果「私だって…!私だってもっといたいよ…!」

ことり「ねえ行かないでよ…!!行かないでよ!!」

穂乃果「無理なんだよぉ…うえええぇぇん…!!」

穂乃果「この二週間…さいっこうに楽しかったね…!」

ことり「うんっ…!」

穂乃果「いっぱい遊んでいっぱいバカやっていっぱい本気を出した…!」

穂乃果「もっともっと遊びたかったね…!!」

ことり「うんっ…!!」

ことり(涙を堪えようとしても無限に出てくる涙を止めれなかった)

ことり(もう泣かないって密かに決めてたのにどうして別れというのはこんなにも切なくて心にくるんだろう)

ことり(段々と感触が薄れる穂乃果ちゃんの体、それでもことりはまだ穂乃果ちゃんの体を必死に掴んでた)
393 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:42:40.70 ID:2Lo9u+rk0
ことり「穂乃果ちゃん…穂乃果ちゃん…!」

穂乃果「ことりちゃん、私ことりちゃんのことだいっすきだよ…!」


穂乃果「世界で一番好き…!宇宙で一番好き…!!前世でも前前世でも来世でもずっとずっと一生いっちばん大好き!!!」


ことり「ことりだって穂乃果ちゃんのことが大好き!!」


ことり「世界で一番!この世で一番!宇宙で一番!どこの時代の誰よりもずっとずっとずーっと大好き!!!」


ヒラヒラヒラ


ことり(花びらが舞ってた)

ことり(もう、終わりなのかもしれない)

ことり(ただ、皮肉にもこの若干オレンジ色の空に赤い花びらが舞うこの光景は綺麗だった)

ことり(ことりたちの叫びも“何か”と共鳴してどこまでも木霊してた)
394 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:43:36.39 ID:2Lo9u+rk0
穂乃果「この世界での出逢い、ずっと忘れないよ!」


穂乃果「私という花とことりちゃんという花が出逢った奇跡!」


穂乃果「花びらとして舞い、その花びらが重なった奇跡!!」


穂乃果「私は一生忘れない!来世になっても絶対に忘れない!」


ことり「ことりだっておんなじだよ!!」


ことり「穂乃果ちゃんはことりの運命の人だよ!」


ことり「来世でも絶対に会おうね!」


穂乃果「もちろん!」

タッタッタッ!

ことり「あ、穂乃果ちゃん!」

ことり(突然走り出して門の下をくぐりことりと穂乃果ちゃんが出逢ったあの場所に辿り着いた)
395 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:44:55.14 ID:2Lo9u+rk0
穂乃果「…えへへ、もう時間みたい」

ことり「…!」ウルッ

穂乃果「さよならは…言わないよ」


穂乃果「来世でまた逢うんだもん…でも、やっぱり言うよ」


穂乃果「さようなら」


ことり「!」

ポロポロ…

ことり「うぅ…ぐすっ…ひぐっ…」ゴシゴシ

穂乃果「…勘違いしないでね、さようならっていうのは」


穂乃果「いつかまたねの意味だよ」


ことり「えっ…」

穂乃果「きっと私が消えたら世界はまた、私が死んだ世界に戻ると思う」


穂乃果「でも、消えないよ」


穂乃果「私がこの二週間に残した軌跡と想いは、どこにもいかない」

穂乃果「ことりちゃん自身が持ってくれてるしこの世界にも形として残ってるし」

穂乃果「ことりちゃん、最後にもう一度だけいうね」



穂乃果「大好きだよ、ことりちゃん」


396 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:45:23.68 ID:2Lo9u+rk0
キラキラ


ことり「!!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ありがとうことりちゃん、この二週間は私の宝物」

穂乃果「あ、あとこれだけは忘れないで」


穂乃果「私はいつでもことりちゃんの傍に――――――――」

397 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:46:12.94 ID:2Lo9u+rk0




「いるからね♪」



398 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:47:05.71 ID:2Lo9u+rk0
キラキラキラ…


ことり「穂乃果ちゃん…!」

ことり「…うああああああああ…!」

ことり「ああああああああああああああ!!!」

ことり「うぅうおぇっ…ひっ…うぐぅ…!!」

ことり(穂乃果ちゃんは消えた)

ことり(穂乃果ちゃんと踊って歌って最高に楽しんだのにどうしてことりの心はこんなにも悔しがってるんだろう?)


ことり(なんでこんなにも涙が出るんだろう?)

399 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:48:46.82 ID:2Lo9u+rk0
ことり「ひっ…ぐすっうっ…」

ことり「うはあはあああああん…」

ギューッ

ことり「!」

ことり(大きな声を出してただ泣いてた時、後ろから誰かが肩に手をかけるよう優しく抱きついてきたんだ)


ことり「海未…ちゃん…?」


海未「何があったかわかりませんが、きっと辛いことがあったんでしょう?」

ことり「うぅ…うん…!」

海未「そうですか…」


ギューッ


ことり「…」

海未「今は…何も言いません…」

海未「今は…」


海未「本気で泣いてもいいですよ…?」


ことり「…うぅ…うああああああああ…!」

ことり(その時は海未ちゃんに抱き着いてずっと泣いた)
400 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:50:36.56 ID:2Lo9u+rk0


海未「…パーティーでもしましょっか!」



ことり「…ぅえ?」



海未「泣いてたら穂乃果も悲しみますよ!ほらっ!早く早く!」



ことり「わわわー!」



ことり(その後はみんなでパーティーをした、あまりことりは盛り上がれなかったけどそれでも楽しさだけは伝わってきた)

ことり(だから、穂乃果ちゃんがいない今でも楽しいという感情を感じられるのだから)



ことり(ことりもまた、この人生を楽しく生きないとね)


401 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:51:43.91 ID:2Lo9u+rk0
〜一ヶ月後

キーンコーンカーンコーン

ことり「さよならー!」

タッタッタッ!

海未「あ、ことり!明日忘れないでくださいよー?」

ことり「はいはーい!」

タッタッタッ!

凛「あ、ことりちゃん!」

ことり「凛ちゃん!どうしたの?」

凛「えへへーねえ見てよ見てよ〜この白いワンピースの凛!!」

ことり「おお!可愛いいい!!」

凛「えへへ…ことりちゃんのその言葉が聞きたくって〜」デレデレ

ことり「可愛いよ!凛ちゃん!」

花陽「ま、待って〜!」

真姫「こらー!その姿で学校中を走り回るなー!」

凛「えへへ〜ごめんねことりちゃんに見せたくて!」

真姫「まったく…」
402 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:52:39.59 ID:2Lo9u+rk0
花陽「ことりちゃんは今帰るところ?」

ことり「ん?んーまぁ10分程度だけど用事があってね」

花陽「…?よくわからないけどそっか」

絵里「あ、ことり!」

ことり「あ、絵里ちゃんどうしたの?」

絵里「…今日何の日か分かる?」

ことり「…え?分からない」

真姫「なんかあったっけ?」

花陽「なんかの記念日とか?」

凛「あ、誰かの誕生日?!」

絵里「ちっがーう!今日はお泊り会する約束だったでしょ!真姫の家で!」

真姫「…あ、そうだった」

ことり「そうだったー?!」

凛「え、みんな忘れてたの?」

花陽「私も度忘れしてた…」
403 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:53:37.16 ID:2Lo9u+rk0
絵里「もー!せっかくの楽しみが無に帰すところだったわよ!」

ことり「あははごめんね?家に帰ってすぐ準備するね!」

絵里「え、ええ」

凛「じゃあ凛も準備してこよっとー!」

真姫「あ、その着替えてから外に出なさいよね!」

凛「わかってるー!」

花陽「じゃあ私も準備するね、そのまま真姫ちゃんの家向かえばいいかな?」

真姫「え、ええいいわよ」

花陽「分かった、じゃあね」

ことり「うん!ばいばい!」

絵里「よしっこれで」


希「後は希だけね!」


絵里「そうそう!」

絵里「ってあれ?!」

希「ふっふ〜んえりちの探してるのんたん登場やで〜」
404 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:54:03.12 ID:2Lo9u+rk0
ことり「希ちゃん!」

希「お泊りならバッチリ覚えてるから安心しとき〜」

絵里「ならいいけど…」

ことり「じゃあとりあえずことりはいくね!」

希「ほーい」

絵里「真姫の家よ〜」

ことり「はーい!」

タッタッタッ!
405 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:54:29.77 ID:2Lo9u+rk0
希「…最近のことりちゃん、変わったね」

絵里「ええ、ものすごく変わったわ」

希「まるで穂乃果ちゃんみたいやん」

絵里「ええ、穂乃果みたい…だけど厳密にいえば違うのかしら」

希「…そうやね、ウチもそう思う」

絵里「なんか、ことりの姿をみてると私も頑張らなきゃって思うのよ」

希「奇遇やね、ウチもそうなんよ」


絵里「…あれがことりのチカラなのかしらね」

406 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:54:57.23 ID:2Lo9u+rk0
ことり「ふふふっ」

ことり(穂乃果ちゃんがいなくなって一ヶ月が経った)

ことり(穂乃果ちゃんが消えちゃったのは悲しかったけどもう大丈夫、今ではみんなと仲良く過ごしてる)

ことり(そして一ヶ月経った今でも、あの二週間を鮮明に覚えてる)


ことり(忘れるはずのないさいっこうの二週間を)


ことり(喜怒哀楽だけじゃ表現出来ない多すぎて激しすぎる感情の数々とみんなで笑いあったあの光景)

ことり(寂しくなったらその二週間を思い出してる)

ことり(それだけ大事な人との記憶だったから)
407 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:55:37.54 ID:2Lo9u+rk0
真姫「ことり!」

ことり「!」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「ねえ突然だけど話を聞いてくれない?」

ことり「う、うんいいけど」


真姫「私ね、このグループにはもう一人、誰かがいたような気がするのよ」


ことり「!」

真姫「そう考えると心にぽっかりと穴が空いたような感覚がするの」

真姫「それでこの感覚は何なんだろうと思って…」

ことり「…」

ギューッ

真姫「うぇっ?!どうしたのことり…」

ことり(真姫ちゃんは感覚で覚えてるんだ)

ことり(あの二週間を、本物ではあったけど幻でもあったあの二週間を)

ことり(だから、ことりはそっと抱きしめた)
408 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:56:54.87 ID:2Lo9u+rk0
ことり「…九人いたのかもしれないね」

ことり「九人…うん、でも今は八人だから」


ことり「真姫ちゃんのその心の穴はことりで埋めて?」


ことり(ことりはそう言った、この世界に穂乃果ちゃんはもういない)

ことり(だからことりが頑張っていく)



ことり「…お参りしてこっと」

スタスタスタ

ことり「…よしっ」

ことり(真姫ちゃんと別れ、正門を抜け少し歩いて階段を上り境内に入った)

ことり(もう、悲しさなんてないよ)

ことり(今でも穂乃果ちゃんが近くにいてくれるから、何も悲しくなんかない)
409 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:58:10.19 ID:2Lo9u+rk0
ポツ…ポツポツ…

ことり「ひゃっ?!あ、雨?!」

ことり(デジャヴを感じる突然の雨、梅雨も終わったと思うんだけどそれはそれは奇妙な雨だった)

ザーザーザーザー…

ことり「…ふふふっ」

スタスタスタ

ことり(ただ、今日の、今のことりは違う)

ことり(雨も素直に受け止めることりだから、“歩いて”お賽銭に向かった)

ことり「うひゃあ…結構濡れちゃったなー…」アハハ

ことり「ま、とりあえず!」

チャリン…パン…パン!

ことり「………」

ことり「…うん、これで穂乃果ちゃんも安心だね」

ことり「…」

ことり(“隣、いいですか?”という言葉を待ってたことりがいたのかもしれない)

ことり(あの時はそうだった、穂乃果ちゃんが突然現れてそれでそれで…)

ことり(…ふふふっなんでこんなに焦ってるんだろう)
410 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 01:59:23.53 ID:2Lo9u+rk0
ことり(穂乃果ちゃんには感謝しないといけない)

ことり(穂乃果ちゃんがことりに残したもの)



ことり(それは“今”という現実の宝物)



ことり(今がすごく楽しい、今がすごく面白い)

ことり(さいっこうの人生だよ、ことりの人生は)

ことり「…」

ことり(ねえ穂乃果ちゃん、今ことりの近くにいるのかな?)

ことり(ことり、すごく楽しく生きてるよ)

ことり(“あの時”とは違うよ)

ことり(それもこれも全て、穂乃果ちゃんのおかげだよ)
411 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 02:00:28.27 ID:2Lo9u+rk0
ことり「すぅ…」



ことり「雨、止めー!!!」



ザー…ポツポツ……ポツッ…

キラキラキラ…

ことり「わぁ…?!」

ことり(ことりの想いよ、時を超え永遠に響け)

ことり(喜び、悲しみ、怒り、楽しみ、全ては花びらであること)

ことり(ことりはまだ“花”であること)


ことり(これから咲き誇っていこう)


ことり(これからまた花を咲かせよう)

412 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 02:01:47.76 ID:2Lo9u+rk0
ことり(そして明日も)

ことり(明後日も)

ことり(来週も)

ことり(再来週も)

ことり(来月も)

ことり(来年も)

ことり(十年後も)

ことり(来世も)

ことり(来来世も)

ことり(来来来世も)

ことり(来来来来世も)

ことり(その先の未来時代永劫にずっとずっとずっとずーっとずーっとずーっっと!)
413 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 02:02:31.02 ID:2Lo9u+rk0



ことり「たまたまだよね、きっと」


414 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 02:02:59.79 ID:2Lo9u+rk0


ことり(穂乃果ちゃんの傍で――――――――――――)




ことり(――――――――花になろう)




END
415 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/09/14(木) 02:05:25.07 ID:2Lo9u+rk0
ということで終わりです
ここまで見てくれた方本当にありがとうございました
次回もまたよろしくお願いします
https://i.imgur.com/ejtUfum.jpg
416 : ◆iEoVz.17Z2 [sage]:2017/09/14(木) 02:06:11.77 ID:2Lo9u+rk0
それと歌詞の指摘してくれた方ありがとうございました
以後気を付けます
417 : ◆iEoVz.17Z2 [sage]:2017/09/14(木) 02:09:56.52 ID:2Lo9u+rk0
最後に、良かったら前作と前々作もよろしくお願いします

凛「天使と悪魔…?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500395007/

海未「二つの光に導かれて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496426196/
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 02:24:40.52 ID:MPtMXzQ2O
ORANGE RANGEかな?
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