穂乃果「なんでも屋だよ!」ことり「第3部ですっ!」

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47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:34:03.86 ID:v/V7mKqN0
アリス「ちょ…ちょっと!誰よ!あんた達!鍵は?なんで入ってこれたの!?」

黒服「はははっ、マダムAの権力を持ってすれば、ホテルの鍵ぐらい、わけないですよ」

アリス「ま、マダムAっ…!!??」

花陽「こ…この人達が……!」

黒服「ダメじゃないですか、アリスさん…マダムAの居場所を言おうとするなんて…」

黒服「あなた達もですよ?マダムAのことを、これ以上詮索するのは止めなさい?いち高校生の手に負える事ではないですよ」

穂乃果「や…止めないもんっ!おじさん達が、ことりちゃんを攫ったんでしょ!?返してよ!」

黒服「攫った?あの子は自分から来たんですよ?」

穂乃果「違うよっ!ことりちゃんはっ…」

希「穂乃果ちゃん!落ち着いて…言い争っても、なんの解決にもならんよ」

穂乃果「むぅ…」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:35:08.65 ID:v/V7mKqN0
黒服「さっ…!解散解散!アリスさんは、今まで通り平穏に暮らし、あなた達は日本に帰ってください!」

アリス「あんた達の言う通りになんて、するわけないでしょ…!」

アリス「海未!聞きなさいっ!!」

海未「…!?」

黒服「おい、何を言うつもりだ」

黒服「場合によっては、暴力を使わざるを得ない事になるぞっ!」

アリス「いい?マダムAの居場所はね…!」

黒服「お、おい!…ちっ…取り押えろ…!!」

アリス「このホテルの地下よっっっ!!!!」

黒服「そこまでだっ…!」グオオオオ!!!

アリス「きゃ…!」

ガンッッ!!!!!

黒服「う…うぐ……」ドサッ…

アリス「え…?」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:35:37.42 ID:v/V7mKqN0
海未「ありがとうございます…アリスさん。あなたの覚悟しかと受け止めました。後は私達にお任せください」

黒服「な…!なんだこいつ!戦闘訓練を積んだ俺たちより強いってのか…!?」

海未「あなた達…覚悟はできていますか…?」ゴゴゴゴゴゴゴ…

黒服「くっ…」

アリス「ジャ…ジャパニーズサムライ…」

海未「みなさん!ここは私が引き受けます!先に行ってください!」

穂乃果「う、海未ちゃん、かっこいいっ!」

凛「すごいにゃ!海未ちゃん強いにゃー!」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:36:09.59 ID:v/V7mKqN0
黒服「逃がさねえぞ!!」グオオオオ!!!

凛「きゃっ!」

絵里「と、とおっ!」ドカッ!!

凛「え、絵里ちゃん!」

絵里「海未!私も残るわ!さすがに一人残すのは不安だもの!」

海未「ありがとうございます!絵里!」

絵里「さ!みんなは早く、ことりのところへ!」

希「う、うん!エリチも気をつけてね!」タッタッタッ
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:37:33.46 ID:v/V7mKqN0
ガチャ!

黒服「あっ!出て来たぞ!追えっー!」

にこ「なぁー!廊下にもいるの!?もう!」

凛「逃げるにゃーー!」タッタッタッ

黒服「待てコラッーー!!」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:38:30.89 ID:v/V7mKqN0
にこ「くっ…数が多いわね…」タッタッタッ

にこ「希ぃー!」キキィィーーッ!

希「あいさー!」

にこ「私達で食い止めるわよっ…!」

希「おっけいやで、にこっち…!」

真姫「な!そんな!二人とも!」

希「ええんやで、真姫ちゃん。これじゃあ、いつか追いつかれる…誰かが残らなきゃダメなんや」

にこ「そうよ!こういう仕事は先輩に任せなさい!」

真姫「希…にこちゃん…」

穂乃果「ごめんっ!二人とも!私、必ずことりちゃんを助けて戻ってくるからっ…!それまで頑張って!」

希「ありがとな、穂乃果ちゃん、さ!急いで!ことりちゃんが待ってるよ!」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:40:00.77 ID:v/V7mKqN0
穂乃果「うん!ありがとう!二人とも!」

穂乃果「行くよ!真姫ちゃん!凛ちゃん!花陽ちゃん!」タッタッタッ

凛、花陽「うんっ!」タッタッタッ

黒服「待てコラ!行かせるわけねぇだろ!」

黒服「いい、行かせろ」

黒服「?…なんでだよ!」

黒服「あの先には、マダム直轄黒服集団がいる」

黒服「…!?」

黒服「あぁ〜…それなら問題ねぇや」

にこ「な…なによ!そのマダム直轄黒服集団ってのは…!」

黒服「そうだな…冥土の土産に教えてやるよ…あいつらは、マダムAの命令なら何でもこなす冷酷なロボットのような奴らさ。お前らのお仲間さんも無事では済まないだろうよ…」

希「な………」

希(穂乃果ちゃん…大丈夫やろか…)

穂乃果「はぁ…はぁ…ことりちゃんっ…!」タッタッタッ
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:40:47.32 ID:v/V7mKqN0
ことり監禁部屋−

マダムA「ボンジュールことり〜、元気にやってる〜?」

ことり「元気なわけないでしょ…!」

マダムA「まあまあ、そう怒らないで?今日は、あなたに良い知らせを届けに来たのよ?」

ことり「良い知らせ?」

マダムA「えぇ、なんと、あなたのお友達がね、助けに来たのよっ!ふふっ、笑えるでしょ!」

ことり「えっ……!?」

マダムA「日本からはるばるフランスに来て、遂には私の居場所まで突き止めてね、いや〜敵ながらあっぱれよ。すごいわ、いち高校生にしては、やるじゃない」

ことり「み、みんなは…!今どこに…!!」

マダムA「さぁ?知らないわ、でも、今頃、黒服集団に取っ捕まってるんじゃないの?なにはともあれ、あなたの所まで辿り着ける可能性はゼロよ」

ことり「そ、そんな…」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:41:14.49 ID:v/V7mKqN0
穂乃果、一年生サイド−


黒服「そこまでだ」

凛「う….」

花陽「あわわ….どうすれば…」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:44:13.29 ID:v/V7mKqN0
穂乃果「と…通してよっ!!私は…ことりちゃんを助けに行かなきゃいけないのっ!!」

黒服「助けに…?それはおかしくないか?私達はマダム直轄黒服として、南ことりの世話をしていたが、彼女は、君たちのためを思って来た、と言っていたぞ」

黒服「君たちが今やっている事は、南ことりの意思に反する事になるんじゃないのか?」

穂乃果「違う!」

黒服「違う?何故、そこまで断言できる」

穂乃果「分かるんだよ、幼馴染だから、小さい頃からずっと一緒に居たから…」

穂乃果「ことりちゃんは無理してる…!」

穂乃果「私達のためって言って、自分のやりたい事を我慢してる…!!」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:44:43.76 ID:v/V7mKqN0
黒服「だからと言って、今、君たちがやってる事が、南ことりのためになるとは限らないぞ」

黒服「彼女は分かってる。自分達じゃどうにもならない力がある事を…。自分が犠牲になるしかない事を…。君たちは、彼女のその覚悟を、ぶち壊しているんだぞ…!」

穂乃果「犠牲になるしかない…?私達のために…?」

穂乃果「そんなの…こっちからしたら大迷惑だよっ!!」

真姫「は、はぁ?穂乃果、あんた、なに言って…」

穂乃果「私は、ことりちゃんが大事なのっ!本当に私の事思ってくれるなら、残って欲しかったよっ!!一緒に背負わせて欲しかったよっ!!仲間なんだからっっ!!!」

凛「穂乃果ちゃん…」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:45:20.91 ID:v/V7mKqN0
黒服「…」

黒服「だが、君たちでは、本当にどうしようもないぞ」

穂乃果「なんとかするもんっ!」

黒服「そうか…じゃあ…」

黒服「なんとかしてみろ…」ゴゴゴゴゴゴゴ

花陽「うっ…」タジッ…
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:45:54.51 ID:v/V7mKqN0
穂乃果「…っ」

穂乃果「って…てやあああああっっ!!」タッタッタッ

パシッ!

穂乃果「…え?」

黒服「弱いパンチだな…」

穂乃果「うぅ…」

黒服「そんな拳で、私に勝つつもりだったのか…?」

穂乃果「…っ…か…勝つもん!」

黒服「ふっ…そうか」

黒服「全く……聞いていた通りだな…ふふ…」

穂乃果「へ?」

黒服「君が、高坂穂乃果だろ?」

穂乃果「は…はい。そうですけど…」

黒服「南ことりが良く話してくれたぞ…。嬉しそうにな…」

穂乃果「ことりちゃんが…?」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:46:55.33 ID:v/V7mKqN0
黒服「なんでも屋とかいうのをやっているんだって?」

穂乃果「はい…。やってます…」

黒服「じゃあ、おじさんからの依頼を聞いて貰っていいかい?」

穂乃果「へ?依頼っ!?」

穂乃果「ど、どうゆう事ですか!?さっきまでのは…!?」

黒服「あはは、脅かして申し訳なかった。さっきのは君たちの覚悟を試したかったんだよ」

黒服「もちろん、合格だったがな」

穂乃果「え…ええええええ!!??」

黒服「驚くのも無理はない。俺も、こんな事をしている自分に驚いてる」

穂乃果「な、なんで、こんな事を…?」

黒服「さっき、私達が、南ことりの世話をしていると言ったよね」

穂乃果「は、はい…」

黒服「そうやって彼女に接していたらね…なんだか自分達のやってる事に疑問を持つようになってしまってね…」

黒服「まあ、つまるところ、私達はみんな、南ことりのファンだって事だよ」

穂乃果「えぇ…」

真姫(この人たち…大丈夫かしら…)
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:47:42.18 ID:v/V7mKqN0
黒服「あ、別に変な意味はないぞ。純粋にファンなんだ」

凛「いや、それがおかしいんだにゃ…」

黒服「はっはっはっ、まあ、そんな事はどうでもいいさ。とにかく、私達の依頼を聞いて欲しいんだ」

穂乃果「…っはい!なんでもどうぞ!私達なんでも屋は依頼は断りませんからっ!」

黒服「そうか、頼もしいな…それじゃあ…」

黒服「南ことりを助けて欲しい」

穂乃果「〜っっ!!」

穂乃果「分っかりましたっっ!!!その依頼、なんでも屋が、命に代えても遂行しますっ!!」

黒服「あぁ…頼んだぞ」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/06(水) 22:48:17.07 ID:v/V7mKqN0
黒服「これは、南ことりの部屋の鍵だ。必要になるはずだ」

穂乃果「ありがとうございますっ!」

黒服「それと、これより先に部外者が入ると、防衛システムが働くようになってる。そればっかりは私達ではどうしようもない。くれぐれも気をつけて進んでくれ」

穂乃果「はいっ!本当にいろいろありがとうございました!」

黒服「いいのさ、さあ、早く行きなさい。友達が待っているよ」

穂乃果「はいっ!」

穂乃果「よしっ!行こう!真姫ちゃん!凛ちゃん!花陽ちゃん!」タッタッタッ

真姫「えぇ…!」タッタッタッ

凛「分かったにゃ!」タッタッタッ

花陽「はい…!」タッタッタッ

黒服「…」

黒服「彼女達なら、マダムの事も…」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 01:13:36.63 ID:L3qepY+j0
正直つまらない
なんか話を無駄に壮大にしようとしてない?
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 06:12:37.71 ID:SXGjwPnd0


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凛「ここから、床の色が違うにゃ…」

花陽「うんっ…きっと、ここに入ると防衛システムが働くんだと思う…」

真姫「とにかく…行くしか無いわね…」

穂乃果「うんっ…!みんな、本当に気をつけてね…!」

穂乃果「行くよ…」スッ…

警報「ブーーーーーー!!!!!ブーーーーーー!!!!!ブーーーーーー!!!!!」

穂乃果「わわっ!」

真姫「う…うるさ…」

シャッター ガラララララララララッッッッッッッ!!!!

穂乃果「え!ちょ…」

シャッター ガシャアンッッ!!!

花陽「ほ、穂乃果ちゃんっ!!??」

凛「そんな!穂乃果ちゃんだけ、あっち側にっ!」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 06:13:08.56 ID:SXGjwPnd0
穂乃果「おーーい!みんなーー!」

真姫「あ、穂乃果!よかった声は聞こえるのね!」

穂乃果「ど…どうしよう…」アセアセ

真姫「ちょっと!狼狽えるんじゃないわよっ!こうなった以上、別々に行動するしかないでしょ!私達は私達で、他の道を探してみるから、穂乃果は先に行ってて!」

穂乃果「う、うん…!分かった!穂乃果も頑張るよ!」

穂乃果「よーし!待っててね!ことりちゃん!」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/09/07(木) 09:19:47.40 ID:pXPvUip90
おもしろい
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:17:08.12 ID:SXGjwPnd0
ことり監禁部屋−

警報「ブーーーーーー!!!!!ブーーーーーー!!!!!ブーーーーーー!!!!!」

ことり「な…なんなの…この音…」

マダムA「こ…これって…」

マダムA(まさか…しくじったの?日本の女子高校生相手に…!?)

マダムA「こ…ことりっっ!!」ガシッ!

ことり「わっ!な、なんですかぁ!?」

マダムA「逃げるわよっ!奴らが、ここに来る…!」

ことり「え?奴ら…?それって…」

マダムA「あんたが知る必要は無いわっ!あっちに外に続く秘密の通路があるから、早く行くわよっ!!」グイッ!

ことり「わわっ!」グイグイ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:17:34.11 ID:SXGjwPnd0
警報「ブーーーーーー!!!!!ブーーーーーー!!!!!ブーーーーーー!!!!!」

マダムA「急ぐわよ!」タッタッタッ

ことり「ちょ…ちょっと…」タッタッタッ

ことり(…)

ことり(この焦り方……)

ことり(もしかして…穂乃果ちゃん達が……)

ことり「っは…離してくださいっ!!」バッ!

マダムA「おわっ」ズッターン!
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:18:03.54 ID:SXGjwPnd0
マダムA「あ…あんた!この私に乱暴するなんて…」

ことり「すみませんっ…で、でも!私は、あなたの思い通りにはなりませんからっ!」

マダムA「な…何言ってるのよっ!!!あんたは私のものよっっ!!!」

ことり「違いますっ!私は…私は私のものです…!!」

ことり「私は、みんなのために、自分の意思でここに来た…!そして今も、みんなのために、自分の意思であなたに反逆しますっ…!」

マダムA「自分の意思ぃ〜??生意気言ってんじゃないわよっ!!みんなのため、みんなのためって、いつまでも自分のために行動できないあんたに…自分の意思なんてあるわけないでしょっ!!」

ことり「違います!みんなのために動くのが、私の意思ですっ!」

ことり「こんな私のために、ここまでしてくれる仲間達のために行動する事が…!私の一番やりたい事なんですっ!!」

マダムA「あ…あんた…」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:18:40.57 ID:SXGjwPnd0
ことり「マダムAさん…ことりは、もう逃げます…今までお世話になりました…」タッ!

マダムA「ちょ…待ちなさいよ!」

マダムA ズッキィッ

マダムA「いっ…」

マダムA(クソ…さっきので足が…)

マダムA「クソ!クソ!クソー!南ことりぃ〜っっ!!!」

マダムA「何が自分のやりたい事よっ!やりたい事やって生きていける程…世の中甘くないのよっ!!!」

マダムA「潰してやる…」

マダムA「教えてやる…世の中厳しさを…」

マダムA「自分のしたい事ばかりじゃ、どうにもならない世の中の厳しさを…!!!」

携帯 スッ…

マダムA「ふっふふふ…この携帯で、私が一言連絡を入れれば、あんたの学校は、すぐに廃校になるわ…!」

マダムA「しくじったわね…!南ことりぃ…!私には、これがあるのよっっ!!!」

真姫「そこまでよ」ガシッ…
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:20:25.85 ID:SXGjwPnd0
マダムA「え…だ、誰よ…あんたら…」

真姫「南ことりの友達よ、あんたがマダムAね」

凛「ことりちゃんをどこにやったにゃー!」

花陽「ことりちゃんはどこですか…!」

マダムA「なっ……」

マダムA(こいつら…もうここまで…)

マダムA「クソ…」

マダムA「クソ…クソ…クソッ…!」

真姫「な…なんなの…?」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:21:02.60 ID:SXGjwPnd0
マダムA「許さない…許さないんだから…!」

凛「…なんか怖いにゃ…」

マダムA「私の思い通りにならないなら…」

マダムA スッ…

花陽「え…?ボタン?」

真姫「ちょ…!待ちなさいっ!」バッ!

マダムA「もう遅いっ!」

マダムA「消えてなくなれぇいっっ…!!」ポチッ

ドッカアアアアアアアアアアアアアアンッッッッッッッ!!!!!
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:21:35.87 ID:SXGjwPnd0
花陽「きゃっ…!」

真姫「な…何っ!?」

凛「地震っ!?」

マダムA「あはははははははははははっ!!!!地震じゃないわ!今、押したのは崩壊スイッチ…!あと10分もすれば、全てが瓦礫の下よっっ!!」

凛「じゅ…10分っ!?」

花陽「そ…そんな!みんな、逃げなきゃ…!マダムAさんも…」

マダムA「無駄よっ!」

シャッター ガラララララララララッッッッッッッ!!!!

シャッター ガラララララララララッッッッッッッ!!!!

シャッター ガシャアンッッ!!! ガシャアンッッ!!!

真姫「なっ…!さっき通ってきた道が…!」

花陽「それに、マダムAさんも…!」

マダムA「あはははっ!これで、あんた達はもう逃げられない…!私も助けられない…!ジエンドよっっ!!!」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:22:03.52 ID:SXGjwPnd0
凛「そ、そんな…」

真姫「こ…これじゃ…」

花陽「私達…死んじゃうの…?」ウルウル

にこ「真姫!凛!花陽!」

真姫「え?この声は…」

花陽「に、にこちゃん!それに、希ちゃんも!」

希「助けに来たで!」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:22:30.27 ID:SXGjwPnd0
にこ「ていうか、さっきからこの揺れは、なんなのよ!危なっかしくてしょーがないわっ!」

真姫「あと10分で、この建物が崩壊するのよ!死にたくなかったら、早く道教えなさい!」

にこ「ちょっと!助けに来てやったのに、なんで命令するのよ!私達だってねー…」

希「にこっち、今は、そういうのいいから!早く逃げよ!」

にこ「…分かったわよ…」

にこ「そういえば、穂乃果は?一緒に居たわよね?それに、ことりは見つからなかったの?」

花陽「ことりちゃんは見つからなかった…穂乃果ちゃんとは、はぐれちゃった…」

花陽「で、でも…!穂乃果ちゃんなら…きっと…」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:22:58.72 ID:SXGjwPnd0


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ことり「うぅ…」ズキズキ…

ことり「さっきの揺れで足が…」ズキズキ

ことり ズキ!

ことり「いったぁ…」

ことり「うぅ…どうしよう…このままじゃ…」

穂乃果「こ…ことりちゃんっ!!!」

ことり「え?」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:23:32.02 ID:SXGjwPnd0
穂乃果「ことりちゃんだっ!やっと会えた!わーい!ことりちゃーーん!!」ダッ!

ことり「わーー!ちょちょ、穂乃果ちゃん!来ないでっ!!今、怪我してるからぁ!」

穂乃果「え…怪我?だ、大丈夫?」

ことり「う…あんまし大丈夫じゃないかも…」

ことり「でも、弱音は言ってられないよ…!さっきから揺れが止まないし…なんとか歩けるから早く逃げようっ!」

穂乃果「ことりちゃん…」

穂乃果 スッ…

ことり「わわっ!穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「大丈夫だよ、ことりちゃん…。いろいろ一人で背負わせちゃって、ごめんね。後は、穂乃果に任せて」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:24:16.62 ID:SXGjwPnd0
ことり「ほ、穂乃果ちゃん…でも…お姫様抱っこなんて…」

穂乃果「…ふぐ……」

ことり「………大丈夫?」

穂乃果「だっ…大丈夫だよ…!」ニコッ…

穂乃果「さ…さあ…行こうか…」

穂乃果「ふぬぬ…」ズン…

穂乃果「ぐぬぬ…」ズン…

ことり(あはは…これ、私が歩いた方が早いんじゃ…)

ことり(でも…あったかいなぁ…)

ことり「ありがとう…穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…へ?ことりちゃん、何か言った?」ズン…

ことり「ううん、なんでもないよ♪」

穂乃果「…?」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:24:52.37 ID:SXGjwPnd0
ことり「穂乃果ちゃん、重たいなら、やめていいよ?」

穂乃果「え!?だ、大丈夫だよぉ〜!軽いって!ほんとに!」

海未「あっ…!いました!穂乃果!ことり!」

絵里「本当だわ!穂乃果ー!ことりー!」

ことり「わー!二人も来てくれたんだ…!」

穂乃果「う、海未ちゃん…絵里ちゃん…」

海未「今、そっちに行きますね!」タッタッ

海未「わわっ…ちょ…ほんとに揺れが激しくなってきました…」グラグラ

絵里「早くしないと崩れるわね…」グラグラ

穂乃果「く、崩れる!?」

ことり「どういう事!?」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 20:25:20.01 ID:SXGjwPnd0
海未「揺れが始まった時に、黒服の方達が言っていたんです…建物の崩壊が始まったと…」

絵里「えぇ…でも、そのおかげで黒服が退散してくれたわ」

ことり「そんな事が…」

海未「それより、なんで穂乃果はことりをお姫様抱っこしてるのですか?」

穂乃果「あっ、それは、ことりちゃんが足を怪我しちゃって…」

ことり「ごめんねぇ…穂乃果ちゃん」

海未「そうだったんですか…じゃあ、ここからは私が代わります」ヒョイッ

ことり「わっ!」

穂乃果「す…すごい…そんな軽々と」

海未「…?ことりは軽いですよ?」

ことり「…///」キュン…

穂乃果「あっー!ことりちゃん私の時は、ときめかなかったのに、ときめいてる!」

穂乃果「ショックー!」

海未「なんですか…それ…」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:22:45.85 ID:SXGjwPnd0
絵里「ほら!くだらない事言ってないで、早く逃げるわよ!なんでも、10分で崩れるらしいわ。急ぎましょ」

海未「はいっ!」

海未「ほら、穂乃果!行きますよ!」

穂乃果「うん…!」ダッ

穂乃果「わっ…!」コツンッ

穂乃果 「ぎゃっ…!」スッテーン!
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:23:11.86 ID:SXGjwPnd0
海未「…穂乃果…何やってるんですか…」クルッ…

絵里「あっ!海未っ!!危ないっっっ!!!」グイッ!

海未「わっ…!」

瓦礫 ガラガラガラガラガラガラガラガラドッシャアアアアンンッッッ!!!
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:24:29.00 ID:SXGjwPnd0
海未「が、瓦礫が…ほ、穂乃果がまだ、あちら側に居るのに…っ」

絵里「そんな…!」

絵里「穂乃果!穂乃果ぁっ!!」

ことり「穂乃果ちゃんっ!!」

グラグラ…ガラガラ…

海未「こ…声が聞こえない…」

ことり「嘘っ……」

海未「穂乃果……」ヘタリ……
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:25:16.35 ID:SXGjwPnd0
穂乃果「海未ちゃーん!」

海未「え?穂乃果!?穂乃果ですか!?無事ですか!?」

穂乃果「う、うん!さっき、ちょっと気を失っちゃってたけど、すぐ戻ったよ!体は、何もないから、私は私で出口を探すね」

ことり「そっか…良かった…」

絵里「…よ…良くないわ……」

ことり「…え?」

絵里「無理なのよ……」

絵里「出口は、もう私達側にしか無いわ……」

穂乃果「え?」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:25:58.44 ID:SXGjwPnd0
海未「すみません…穂乃果……」グスグス…

海未「先程、ここに来る前に道を確認してきたんです…それで、今生きてる道はここが最後だったんです………」グスグス…

穂乃果「…海未ちゃん…」

海未「うぅ…嫌です…穂乃果と別れたくないです…私は…私は…」グスグス

ことり「だ…大丈夫だよっっ!!!」

海未「……ことり…?」

ことり「マダムAが、さっき言ってたんだよ!外に繋がる秘密の通路があるってっ…!!」

絵里「ほ、本当っ!?それなら!」

穂乃果「うん…!私、その通路探してみるよ…」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:26:34.38 ID:SXGjwPnd0
海未「で、でも…!秘密の通路なのでしょうっ!?見つかるか分かりませんよ!?見つからなかったら、どうするのですかっ!!」

穂乃果「見つかるよ…」

海未「…え?」

穂乃果「見つかる…」

穂乃果「今なら、きっと見つかるんだよ…」

絵里「穂乃果…」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:27:23.58 ID:SXGjwPnd0
穂乃果「やっと、ことりちゃんを助けられて、今回の旅で、みんなとも、もっと仲良くなれて…私まだまだやりたい事が沢山あるんだよ…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「絶対見つかる…!私は、こんな所で死ぬわけにはいかないからっ……!!!」

海未「そ…そんな!そんな理由で、穂乃果を置いてなど…!!」

絵里「海未…行きましょう」

海未「絵里っ!あなた、穂乃果を見殺しにするのですかっ!!」

絵里「違うわ、海未。私は穂乃果を信頼するのよ」

海未「絵里…」

ことり「海未ちゃん…私も、穂乃果ちゃんを信じるよ…きっと、穂乃果ちゃんなら、なんとかなるはずだから…」

海未「ことり…」

穂乃果「海未ちゃん…心配してくれてありがとね…でも、このままじゃ、海未ちゃん達も危ないから…」

海未「穂乃果…」

海未「うぅ〜…」

海未「かっ…必ずです!」

穂乃果「え?」

海未「きっと、じゃなくて必ずですっ!必ず帰ってきてくださいっっ!!そうじゃないと100回ビンタしますっ!」

穂乃果「あはは…それはヤダなぁ…」

絵里「ふふっ…」

ことり「ふふふっ」

海未「もうっ!笑ってる場合じゃないですよ!行きましょう!穂乃果も、すぐに秘密の通路を探してくださいっ!」

穂乃果「ラジャー!」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:27:59.00 ID:SXGjwPnd0
ことり「穂乃果ちゃん!また、後で会おうね!」

絵里「穂乃果!必ず帰ってきなさいよ!」

穂乃果「うんっ!」

穂乃果「…」

穂乃果「…行ったかな?」

穂乃果「…すぅ〜」

穂乃果「いったああああああああああああいっっっっ!!!!」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:28:27.67 ID:SXGjwPnd0
穂乃果「めちゃくちゃ瓦礫当たったよっ!痛いよ!動けないよぉ!!」

穂乃果「あぁ…どうしよ…ほんとに痛くて動ける気がしない…」

穂乃果「……」

穂乃果「うぅ…ぐす…」ポロポロ

穂乃果「わ…私…死んぢゃうのかな…うぅ…」ポロポロ

穂乃果「まだ、やりたい事沢山あったのに…」ポロポロ

穂乃果「せっかく、ことりちゃんも助けられたのに…」ポロポロ

穂乃果「やだよぉ〜…死にたくないよぉ〜…」ポロポロ
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 21:29:44.08 ID:SXGjwPnd0
マダムA「あら…」

マダムA「….なんだ、まだ、人がいたのね…」

穂乃果「ふぇ…?」グス…
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 18:34:39.19 ID:wxACQNaU0
マダムA来たーーーーーっ!!!
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:10:49.38 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「おばさん…誰?」

マダムA「私…?…………そうねぇ…誰でも良くない?どうせ、私達はここで死ぬわけだし…」

穂乃果「死…」ウルウル

マダムA「あーもー!泣かないの!ったく…」

マダムA「…こんなガキに、してやられたなんてね…」ボソッ…

穂乃果「え?今何か言いました?」

マダムA「何でもないわ…」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:11:16.55 ID:HZBhdYL/O
マダムA「それよりも、少し楽しい話でもしない?死ぬと決めたけど、さすがに一人でっていうのは少し寂しくってね…」

穂乃果「決めたって…おばさんは、死んじゃってもいいんですか…!?」

マダムA「いいわ」

穂乃果「えぇっ!?」

マダムA「ていうか、どっち道死ぬでしょ。あなたも見たところボロボロだし、私も足を怪我して歩くのがやっと…」

穂乃果「っ…」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:11:47.81 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「っで、でも!諦めちゃダメですよ!諦めなければ、きっと…!」

マダムA「別に、私は怪我してるから死ぬって言ってるんじゃないわ…」

穂乃果「え…」

マダムA「私はね、とっくの昔に死んでたのよ。今まで無駄に生きたわ…やっと死ねる…むしろ嬉しいくらいよ…」

穂乃果「そんな…!生きてれば、いつかきっと楽しい事がありますよ!」

マダムA「あははっ、久しぶりに聞いたわ…そんな綺麗事…」

マダムA「無理なのよ…私にはね…。もう人生を楽しむなんてできない…いや、しちゃいけない…」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:12:29.51 ID:HZBhdYL/O
マダムA「………あなたから見て、おばさんはどんな人に見える?」

穂乃果「…え?ん〜…優しそう…」

マダムA「優しそうっ!?はははっ!あなた面白いわね〜!」

マダムA「私は優しいとは真逆…今まで何人もの人間を自分のために貶めてきた」

マダムA「最初は、そんな事するつもりなかったんだけどね…。どうしても叶えたかった夢があってね…」

マダムA「でもだからといって、そのために他の人を利用するなんて最低よね」

穂乃果「夢…」

穂乃果「確かに…それは悪い事だと思います…」

マダムA「でしょ?だから、私はもう…」

穂乃果「でも!だからって諦める事はないですっ!まだ今からでも、その人達に謝って…」

マダムA「ダメなのよ。もう、取り返しがつかない…」

穂乃果「そんな事な…」

マダムA「そんな事ある…!」

穂乃果「だから、大丈夫ですって!」

マダムA「…っ」

穂乃果「人間やろうと思って、やれない事は無いです!」

マダムA「…また、そんな綺麗事を…っ」

穂乃果「……?」

マダムA「っ……あなたは、まだ若いから分からないんだろうけどっ…いくら頑張ってもダメな事はあるのよ…っ」

穂乃果「そんな事ないですって!」

マダムA「だからっっっ!!!!」バンッ!!

穂乃果「わっ…」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:13:10.16 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「お…おばさん…?」

マダムA「……おばさんじゃないわ……」

穂乃果「…え?」

マダムA「…私は、マダムAよ」

穂乃果「えっ…!?」

マダムA「あなたから南ことりを奪った人間よ」

穂乃果「…!」

マダムA「あなたの友達を騙して…!ひどい目に合わせて…!あげく、殺そうとまでした…!私は、そんな人間なのよっ…!!!」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:13:40.34 ID:HZBhdYL/O
マダムA「………どう?これでも、まだ大丈夫だと言える?」

穂乃果「…」

マダムA「言えないわよね」

穂乃果「…大丈夫です」

マダムA「はあ!?何?それは?…意地?私に言い負かされたみたいで悔しいから?そんな無根拠な発言は求めてないわ…!あなたの本心を聞きたいのよ!」

穂乃果「本心です…!確かに、ことりちゃんを辛い目に合わせた事に私は怒ってます…!」

穂乃果「でもっ!さっき話したマダムAさんは、ちゃんと申し訳ないって思ってたじゃないですか!」

穂乃果「私は……それが聞ければ十分です!」

穂乃果「私はあなたを許せます…!」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:14:09.70 ID:HZBhdYL/O
マダムA「許すって…」

マダムA「あ…あんた一人が許したって意味ないのよ!私は今まで沢山の…」

穂乃果「全員に謝りましょう」

マダムA「…はぁ!?」

穂乃果「会って本心で話せば、きっと許してくれます…」

穂乃果「マダムAさんは悪い事はしたけど、悪い人じゃないもの…」

マダムA「許すわけないじゃない…」

穂乃果「大丈夫ですっ!」

マダムA「…また、それ……」

マダムA「大丈夫…大丈夫…って」

穂乃果「だって本当に大丈夫なんですもん!」

マダムA(なんて真っ直ぐな目で見てくるのよ…)
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:14:37.33 ID:HZBhdYL/O
マダムA「はぁ…呆れたわね…」

マダムA「でも、私達死ぬのよ?」

穂乃果「はっ!そ、そうだったぁ〜…ど、どうしよ…」オロオロ

マダムA「ったく…この子は…」

マダムA「さっきまでの威勢はどうしたのよ…」

穂乃果「だ…だってぇ〜…」ウルウル

マダムA「ほら…もう泣かないの…」

マダムA「大丈夫だから…」

穂乃果「え?…」

マダムA「あるのよ…秘密の通路が」

穂乃果「えっ!本当ですかっ!って…ああ!!そういえば、ことりちゃんに言われたんだっけ!」

穂乃果「完全に忘れてたぁ〜!」

マダムA「なんなの…もう…」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:15:07.90 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「じゃあ、死なずに済みますねっ!」

マダムA「そうね」

穂乃果「そしたら、マダムAさんも、ちゃんも全員に謝って、やり直せますね!」

マダムA「…そうね」

マダムA(やり直す…か)

マダムA(この子が言うと、本当にやれそうに思えてしまう…)

マダムA(でも…無理ね)

マダムA(私のした事が許されるはずない…)
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:15:51.97 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「良かったですね!マダムAさん!」

マダムA「ふふっ、そうね…」

マダムA(ま、この子はそんな事知らなくていい…)

マダムA(どこまでも、その綺麗事を突き通して見せなさい…)

マダムA(いつか、壁にぶつかるその時までね…)

マダムA(私も応援してるわよ…)


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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:16:23.07 ID:HZBhdYL/O
建物の外−


ことり「うぅ…穂乃果ちゃん…」

黒服「マダム…」

にこ「まずいわね…もうそろそろ10分経つわよ…」

海未「大丈夫です…大丈夫…大丈夫…」

絵里「穂乃果…」

真姫「…っ」(穂乃果……)

花陽「穂乃果ちゃん…」

ガラガラ……ガラガラガラ……

希「っ…も、もう建物が…」

ことり「大丈夫…秘密の通路が見つけられれば…」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:16:58.56 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「あっ…お、おーーいっ!!みんなぁっーーー!!!」

凛「き、来たにゃっっ!!」

海未「穂乃果っっ!!!」ダッ!

ことり「穂乃果ちゃんっ!!!」ダッ!

穂乃果「わー!二人ともー!良かった…!ちゃんと逃げられたんだね!」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:17:32.53 ID:HZBhdYL/O
マダムA「ちょっと…どうでもいいから早く、この子背負うの代わってくれない?」

海未「あっ…は、はい!」

穂乃果「あはは…ごめんねー」

ことり「…」

ことり「マダムAさん…」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:18:13.12 ID:HZBhdYL/O
穂乃果「あっ!ことりちゃん!マダムAさんはね、穂乃果をここまで…」

マダムA「黙ってなさい」

穂乃果「え?」

マダムA スッ…

黒服「…っ!?」

黒服「マ、マダムが頭を…!」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:18:47.10 ID:HZBhdYL/O
マダムA「これで許してもらえるとは思ってない…私の残りの一生をかけても償えない…そう思ってるわ…」

マダムA「それでも…言わせてもらう…」

マダムA「本当にっ…ごめんなさいっ…!」

マダムA「私は…あなたに酷い事をしたわっ…どうしようもないほどに…あなたの夢を壊そうとした…あなたの未来を奪おうとした…自分のためにっ…本当に…本当に…ごめんなさいっ…!」

黒服「マダム…」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:19:28.37 ID:HZBhdYL/O
ことり「…」

ことり「顔を上げてください…」

マダムA「…」

ことり「謝ってくれて、ありがとうごさいます」

ことり「でも、私…まだ、あなたの事許せません」

マダムA「…っ!」

穂乃果「こ、ことりちゃん!」

ことり「だから、私のお願いを聞いてください」

マダムA「…?」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:20:11.64 ID:HZBhdYL/O
ことり「私が大人になってデザイナーとしてスタートを切る時に、マダムAの所で雇わせてください」

マダムA「…え?」

マダムA「い…いやいやいや…私は、もうダメよ…今までの作品は全部、自分が作った物じゃないし…それに、ここまでの事をして、続けていいとは思ってないわ…」

マダムA「申し訳ないけど…あなたの頼みは…」

ことり「じゃあ、私はあなたを許しません」

マダムA「…!」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:20:46.43 ID:HZBhdYL/O
ことり「続けていいと思ってないなら、続けてください。逃げないで向き合ってください。それに、あなたの作る作品は私は好きでしたよ」

マダムA「なっ…み、見たの!?私の作品…」

ことり「はい…。黒服の人に見せて貰いました…」

黒服「…」

マダムA「そ…そうなの…。センスないでしょ?私の…ダメダメよね?」

ことり「そんな事ないです。熱意が伝わってくる良い作品でした」

マダムA「…っ!」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:21:21.77 ID:HZBhdYL/O
ことり「私だけじゃない…夢を奪われた女の子達のためにも、続けてください」

アリス「そうね…妹もきっとそれを望んでいるわ」

マダムA「あ…あなた達…」

マダムA「ふふっ…」

マダムA「鬼ね…まだ私に苦労しろと…」

穂乃果「マダムAさん…」

マダムA「分かったわ…。やってやろうじゃないの…」

マダムA「トップデザイナーとして待ってるわよ!南ことりっ!」

ことり「っはい!」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/09(土) 15:21:57.65 ID:HZBhdYL/O
マダムA(はぁ…全く…この子もこの子で恐ろしいまでに優しくて強い子…)

マダムA(すごい子達だわ…本当に…)

マダムA(この子達なら本当に最後まで綺麗事を押し通すのかもね…)

穂乃果「よーしっ!じゃあ一件落着って事で…!フランス観光だぁーー!!」

全員「わーい!」

第9話「なんでも屋とことり」完
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 18:45:42.75 ID:ymYM+anB0
おもしろかった
いい話だわ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 21:59:31.29 ID:tzuzQ2Dw0
第10話「なんでも屋とA-RISE」


夏休み−


ミーンミンミンミーン… ミーンミンミンミーン…

にこ「いや〜、まさか真姫ちゃんから遊びの誘いがあるとはねぇ〜」ニヤニヤ

真姫「な…なによっ!悪い!?////」

にこ「いや、別に悪くはないけどぉ〜」ニヤニヤ

にこ「真姫ちゃんの誘い方が、あまりにも可愛かったから」ニヤニヤ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:00:00.76 ID:tzuzQ2Dw0
昨晩−

にこ「ん?真姫から電話だわ。なにかしら…」

にこ「もしもし、真姫?どしたの」ガチャリ

真姫「…」

にこ「…ん?」

真姫「…」

にこ「……あれ?真姫いる?」

真姫「あ…」

にこ「あ?」

真姫「明日…遊ぼ…」

にこ「…」

にこ「…は?」

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115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:00:31.32 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「遊ぼって…!小学生かっ!」ゲラゲラ

真姫「わ、笑わないでっ!///」

真姫「だ、だって!しょうがないじゃない!私だって別ににこちゃんと遊びたくて、にこちゃんに声かけたんじゃないからね!一昨日、たまたまパパから見たかった映画のチケット2枚貰えて、私がたまたま今日しか空いてなくて、それで、チケットもう一枚かって凛と花陽と観に行こうと思ったら、たまたま凛も花陽も空いてなくて、しょうがないから他の人を探そうってなった時に、たまたま、昨日LINEしたにこちゃんがトークの一番上にきてたから、それでなんとなく電話してみたら、にこちゃんがOKだったから、もしも、にこちゃんの予定が合わなかったら、全然他の人でも良かったのよ!だから、にこちゃんを誘ったのはただの偶然で、私がにこちゃんと遊びたかったとかそういうんじゃないんだからね!」

にこ「言い訳なっがいわね…」

真姫「べ、別にいいでしょ!ていうか、急がないと映画の時間遅れるわよ!にこちゃんが服選んでて、出るの遅かったんだから!」

にこ「うっ…すみません」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:01:25.04 ID:tzuzQ2Dw0
お婆さん オロオロ…オロオロ…

にこ「ん?あのお婆さんどうかしたのかしら…」

お婆さん オロオロ…オロオロ…

真姫「なにか困ってそうね、ちょっと声かけてみましょうか」

にこ「あれ?いいの真姫ちゃん、急がないと映画遅れるんじゃないの?」ニヤニヤ

真姫「それより大事な事があるわ、それに、私達困ってる人を助ける部活入ってるでしょ?」ニコリ

にこ「ふふっ、そうね。真姫ちゃんも、なんでも屋らしくなってきたわね」

真姫「なによ、前からそうよ」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:02:00.32 ID:tzuzQ2Dw0
??「今、なんでも屋と…」

??「あぁ…確かに言ったな」

??「決まりね…ちょっと、そこのあなた達!」

にこ真姫「…?」

??「あなた達が噂のなんでも屋ねっ!!」

にこ「……そうだけど、あんた達誰よ」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:02:27.51 ID:tzuzQ2Dw0
あんじゅ「あ、自己紹介が遅れちゃったわね、ごめんなさい、私はあんじゅ、優木あんじゅよ」

英玲奈「私は英玲奈だ、よろしく」

ツバサ「そして、私がリーダーの綺羅ツバサよ」

真姫「…はぁ…」

ツバサ「つり目のあなた!…今、リーダーって何のリーダー?と疑問に思ったでしょ」

真姫(思ってないけど…)

ツバサ「いいわ、答えてあげる。私はA-RISEのリーダーよっ!!」

にこ「…はぁ…」

ツバサ「ツインテールのあなた!…今、A-RISEって何?と疑問に思ったでしょ」

にこ(思ってないけど…)

ツバサ「いいわ、答えてあげる。A-RISEはね、UTX高校が有する、ここ秋葉原全体を行動範囲としたお助け集団なのよっっ!!」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:02:56.83 ID:tzuzQ2Dw0
真姫「……そうですか」

ツバサ「…!?」

ツバサ「…な、なんかイマイチ反応が…」コソコソ

英玲奈「おかしいな…なんでも屋は熱血で高血圧集団と聞いていたか…」コソコソ

にこ「そりゃ、うちのアホリーダーだけでしょ…」

あんじゅ「きっと…恐れをなしてるのよ…自分達だけだと思ってた専売特許を奪われて…」コソコソ

ツバサ「なるほど…!…じゃあ、あんまりいじめるのも可哀想ね…」コソコソ

ツバサ「あなた達…!今日のところは勘弁してあげる!あのお婆さんは私達に任せて、デートでもしてなさい!」

真姫「デ、デデデデデート!?///」

にこ「デートじゃないわよ」

真姫(デートじゃなかった…)ガーン…
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:03:31.08 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「まあ、お婆さんをあんた達が助けてくれるって言うなら、喜んで任せるわ、頼むわね」

真姫「そうね…映画の時間もあるし」

ツバサ「……」

ツバサ「ほ、本当にいいのね!?私達が助けちゃってっ!!本当に助けちゃうわよ??バシッと解決しちゃうわよ!??」

にこ「あー、そうしてくれると助かるわ」

にこ「行きましょ、真姫」トコトコ

真姫「えぇ…」トコトコ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:04:03.53 ID:tzuzQ2Dw0
あんじゅ「本当に行っちゃったわね」

英玲奈「あぁ…」

ツバサ「…っはははははは!!!やったわ!これで、この街のお助け集団は私達で決定よっ!!勝ったわ!勝利よ!勝利!」

あんじゅ「なんか、見苦しいわね」

ツバサ「関係ないわ、さっ!お婆さんを助けにいきましょう!」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:04:32.88 ID:tzuzQ2Dw0


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真姫「変な人達だったわね」

にこ「そうね、まあ、でもちゃんとお婆さんの事は助けてくれそうで良かったわ」

近所のおばさんA「最近、あのお婆さん、頻度が高くなってなあい?」

近所のおばさんB「そうねぇ…心配だわぁ…」

真姫(あのお婆さんって、さっきのお婆さんの事かしら…)

近所のおばさんA「もうお孫さんはいないのにねぇ…」

にこ(お孫さん…?)

近所のおばさんB「そうねぇ…見てるこっちが辛いわ…」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:05:01.07 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「あ…あの…」

近所のおばさんA「あら、私?何か用かしら?」

真姫「さっき話してたお婆さんの事、ちょっと知りたいんですが…」

近所のおばさんA「…え?」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:06:10.35 ID:tzuzQ2Dw0


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ツバサ「ふむふむ…」

お婆さん「なんとかなりますかねぇ…」

ツバサ「大丈夫です!お婆さんのお孫さんは必ず私達A-RISEが見つけますっ!」

お婆さん「おぉ…そうか、頼むわね、新井さん」

ツバサ「え…いや、新井でなくA-RISE…」

お婆さん「そうか、新井さんか…頼むわね…」

ツバサ「…」


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125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:06:39.80 ID:tzuzQ2Dw0
近所のおばさんA「あのお婆さんはね、ご主人を早くに亡くしてね、ずっと独り身だったのよ。それから少し元気が無くなってね…」

近所のおばさんA「そんな時ね、静岡に居るお孫さんがね、東京の大学に出るっていうんで、一緒に住む事になったのよ」

近所のおばさんA「あの頃は、お婆さんも楽しそうだったわね〜…お孫さんも綺麗で礼儀も正しくて良い子だったわぁ」

近所のおばさんB「そうそう!あの子は本当に良い子だったわ、それにハーフだかなんだか知らないけど、綺麗な金髪でね〜、近所でも有名だったわ」

近所のおばさんA「でもね、そんな幸せの真っ只中、事故が起きたの」

にこ「事故…?」

近所のおばさんA「えぇ…お婆さんがお孫さんを乗せて車を運転してたらね…誤ってトラックと衝突しちゃってね…」

真姫「そんな…」

近所のおばさんA「その事故で、お孫さんは亡くなってしまったのよ…その時からね、お婆さんがショックからか、ボケてきてね…」

近所のおばさんA「事件から一年経った今でも、こうして、お孫さんを探してフラフラしてるのよ…」

にこ「そんなことが……」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:07:09.35 ID:tzuzQ2Dw0


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ツバサ「どうやって探しましょうか…」

あんじゅ「そうねぇ、1年近く居ないって言ってたものねぇ…」

英玲奈「警察に相談した方が良くないか?」

ツバサ「そうよね…さすがに警察に言った方が…」

にこ「やめなさいよ」

ツバサ「えっ?…あ、あなたは…」

ツバサ「ツインテールっ!!」

にこ「にこでいいわよ…」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:07:48.65 ID:tzuzQ2Dw0
真姫「あなた達が探してる人はもうこの世に居ないのよ」

ツバサ「…え?」


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あんじゅ「そんな事が…」

英玲奈「そんな…じゃあ一体どうすれば…」

ツバサ「これは…お手上げね…どうしようもないわ…」

にこ「あら?諦めるの?」

ツバサ「っ…しょ、しょうがないでしょう!?もう、お婆さんの探してる人は居ないんだし…それにお婆さんはボケちゃってるし…」

真姫「別にそれが諦める理由にはならないわ」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:08:16.31 ID:tzuzQ2Dw0
にこ「なんだ、A-RISEってのも大した事ないのねぇ〜」

ツバサ「じゃっ…じゃあ!あなた達ならやれるって言うの!?」

にこ「やれるわ」

ツバサ「なっ…ど、どうやって!?」

にこ「あのお婆さんはボケかけてるんでしょ?じゃあ、それを逆手にとってやればいいのよ」

ツバサ「逆手に…?」

にこ「えぇ、つまり、誰かが孫のフリをして、ちゃんとお別れを言うって事よ。簡単でしょ?」

ツバサ「た、確かに…それならいけるかも…」

英玲奈「でも、その孫は金髪なんだろ?さすがに騙せないんじゃないか?」

にこ「ふっふっふっ…それがいるんだなぁ〜、ぴったりの人間が…」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:08:50.28 ID:tzuzQ2Dw0
にこ スッ…

真姫「なるほど、絵里を呼び出すのね」

にこ「えぇ、どうせ家で暇してるでしょ」

真姫「ありそうね。テレビ見ながら「暇だわ」って言ってそう」

にこ「はははっ、真姫!あんた面白い事言うわね!絵里ならありそうだわ」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

絵里家

テレビ ヒツジノショーン♪ヒツジノショーン♪コロンデモタダジャオキナイゼ♪

絵里「暇だわ」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:09:38.98 ID:tzuzQ2Dw0
絵里(夏休みだからNHKでアニメ沢山やってくれるのは、ありがたいけど…)

絵里(ひつじのショーンは、私もう3週ぐらいしてるわよ…)

電話 プルルルルルルル…

絵里「…!?電話!にこから電話だわ!」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:10:25.23 ID:tzuzQ2Dw0


−−−−−−−−−−−−−−−−−−


にこ「というわけで、こちら絢瀬絵里さんよ」

絵里「よろしく♪」

ツバサ「よ、よろしく」

ツバサ「あなたも、その…仲間なの?」

絵里「仲間…?……えぇ…!そうよ!仲間よ!仲間」

ツバサ(そう…この人もなんでも屋なのね)

真姫(なんか誤解が生じてそうだけど、めんどくさいから黙ってよ…)
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:10:58.46 ID:tzuzQ2Dw0
絵里「それで私はなんで呼び出されたの?」

にこ「とある人になりきってもらうわ」

絵里「…え?」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:54:32.04 ID:LNbBcPuGO

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絵里「なるほどね、分かったわ!お婆さんのためだもの、任せて頂戴!」

真姫「そう、助かるわ」

にこ「死んだ人が会いに来るんだから、神秘的な感じで頼むわね」

絵里「神秘的!?む、難しいわね…」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:55:06.19 ID:LNbBcPuGO
ツバサ「ねえ、それなら、それっぽい服が必要なんじゃない?」

真姫「そりゃ、確かにあればいいけど」

ツバサ「あんじゅ」

あんじゅ「はぁ〜い、できてるわよ〜」スッ

絵里「わ〜!白くて神秘的な服ね、綺麗だわ!」

にこ「えぇ!?これ、いつ作ったのよ!」

あんじゅ「さっきよ、ツバサがね、あなたの作戦を聞いた時に必要になるだろうって言ってきてね」

あんじゅ「そこの服屋でいろいろ借りて作ったの」

英玲奈「あんじゅの服作りはプロの領域だからな」

にこ「はぁ〜…すごいわね、あんたら」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:55:43.22 ID:LNbBcPuGO
絵里「でも、これでより神秘的になったわ!私、行ってくるわね!」タッタッタッ!

真姫「ああ!絵里!」

にこ「行っちゃったわね」

英玲奈「言う事なにも考えてないけど、大丈夫なのか?」

にこ「…」

にこ「多分大丈夫じゃないわ…」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:56:19.51 ID:LNbBcPuGO

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お婆さん「あ、あんたは一体…」

絵里「私は…」

絵里(あちゃー…名前聞いてくるの忘れちゃった…)

絵里「私は…」

絵里「私は…」

お婆さん「私は…?」

絵里「……私は、孫よっ!!」

お婆さん「孫!?」

絵里「えぇ、孫よ!」

お婆さん「孫!?」

絵里「そう!孫!」

お婆さん「そうか、それで誰の孫なんじゃ?」

絵里「…」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:57:02.47 ID:LNbBcPuGO


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絵里「うぅ〜…にこ〜…失敗したわ〜…」

にこ「ほら、やっぱり」

絵里「名前が分からなかったのよ〜」

真姫「名前…確かに、それが無いとキツイわね…」

英玲奈「そんな事ないぞ」

にこ「そうなの?」

英玲奈「あぁ、例えば、オレオレ詐欺なんかがいい例だ。これを使えば、名前を相手から自然に聞き出す事ができるぞ」

絵里「確かに!じゃあ、私の場合は、わたしわたし詐欺って感じかしら」

英玲奈「そうだな、それがいいだろう」

英玲奈「それと、その後のセリフも考えた方がいいだろう。ここで成功させないと、さすがに3回目はバレるだろうからな」

絵里「そうね、助かるわ!ありがとう!」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:57:32.42 ID:LNbBcPuGO


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にこ「へぇ〜、あんたすごいわね〜。よくこんなに、いいセリフがポンポンと出てくるものね」

英玲奈「まぁ、私は詩を書いてるからな」

絵里「詩!?すごいわね」

真姫「えぇ、さっきの服といいA-RISEってタレント揃いね」

にこ「約一名、何もやってない人がいるけどね」

ツバサ「!?ちょっと!それ私の事!?」

あんじゅ「ツバサはピアノ弾けるわよ、それも結構上手く」

ツバサ「そ、そうよ!ナイスフォローよ!あんじゅ!」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:58:02.12 ID:LNbBcPuGO
にこ「でも、ピアノって…」

真姫「今は全く関係ないわね」

ツバサ ガーン…

絵里「あっ、でも、さっきお婆さんの家行った時に、奥にピアノが見えたわ。それって使えないかしら」

ツバサ「ほんと!?」

にこ「もし、それが使えるなら、更に神秘的になるわね」

ツバサ「じゃあ、やるしかないわね!」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:58:30.76 ID:LNbBcPuGO
にこ「そうね、やれるならやった方がいいわね。じゃあ、真姫、あんたもやる?」

真姫「え…」

真姫(言わないでいようと思ったのに…)

ツバサ「あら、あなたもピアノ弾けるの?」

真姫「ま、まぁ…」

ツバサ「じゃあ、連弾しましょ!私についてこれるかしら!」

真姫「は、はぁ…」

真姫(うーん…これは、めんどくさい…)

絵里「よーし!それじゃあ、行きましょ!なんだか今度はいける気がするわ!」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:59:18.17 ID:LNbBcPuGO

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お婆さん「あ、あんたは一体…」

絵里「わたしよ…わたし、忘れたの?」

ピアノ ♪〜〜♪〜〜♪〜〜

お婆さん「も、もしかして…○○○か!?」

絵里「えぇ…○○○よ…」

お婆さん「そうか…そうか…やっと来てくれたか…」

お婆さん「これでまた一緒に暮らせるのお」

絵里「…」

絵里「それはできないわ…」

お婆さん「…え?」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 17:59:46.38 ID:LNbBcPuGO
絵里「ふー…」

にこ「お疲れ様」

ツバサ「大成功だったわね!」

英玲奈「あぁ、お婆さんも、ちゃんと死を受け入れてくれたし、これからは前向きに生きてくれるだろう」

絵里「でも、少し心が痛むわね」

真姫「いいのよ、方法は嘘であれ、お婆さんを救ったのは真実なんだから」

絵里「真姫…」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:00:17.60 ID:LNbBcPuGO
ツバサ「はぁ…今回は完敗ね」

にこ「完敗?」

ツバサ「えぇ…お助け集団として完敗したわ」

真姫「そんな事ないわよ。A-RISEにも随分助けられたわ」

ツバサ「ありがとう、でも私達はあなた達の手助けをしただけ。お婆さんを助けたのは、あなた達なんでも屋よ」

絵里(あれ?私はなんでも屋では無いわよね…)

英玲奈「あぁ、君たちの諦めない心がお婆さんを救ったんだ」

あんじゅ「素晴らしかったわ」

にこ「いや〜、それほどでも」ニコニコ
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:01:02.07 ID:LNbBcPuGO
ツバサ「同じ地区に、こんなにも頼もしい同業者がいるとはね…私達も、まだまだだわ」

ツバサ「でも、次は負けないわよ!」

真姫「私達は、その時その時に全力で挑むだけよ。別に勝敗は競ってないわ」

ツバサ「じゃあ、勝手に競わせてもらうわ」

ツバサ「さて、お婆さんも助けたし、私達は行くわね。今日は楽しかったわ。ありがとう」

にこ「そう、私達も楽しかったわ。またいつか、どこかでね」

ツバサ「えぇ!また会いましょう!なんでも屋3人衆!」

絵里(なんでも屋3人衆!?)

真姫「さようなら〜」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:01:31.23 ID:LNbBcPuGO
にこ「……行ったわね」

真姫「えぇ、やっぱり変な人達だったわ」

絵里「ちょ、ちょっと!私、なんでも屋じゃないわよね??なんか、3人衆とか言われたけど」

絵里「それに、あなた達なんでも屋って5人よね??撤回しなくてよかったの!??」

にこ「いいんじゃない?別に、めんどくさいし」

真姫「それに、絵里も半分なんでも屋みたいなもんじゃない」

絵里「えっ、そうなの??」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:02:43.92 ID:LNbBcPuGO
にこ「それより、これからどうする?映画の時間終わっちゃってるけど」

真姫「そうね、せっかく外に出てるわけだし、3人でどこか遊びに行きましょうか」

絵里「あら、いいわね!じゃあ、ボーリング行きましょ!私得意なのよー」

にこ「いいじゃない!勝負よ!」

真姫(ボーリングなんて初めてだわ…なんとかなるかしら…)


第10話「なんでも屋とA-RISE」完
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 18:05:33.59 ID:LNbBcPuGO
読んでくださった方、ありがとうございました!

これにて「第3部完」です。そろそろaqoursのテレビアニメ放送が始まるので、「第4部」をあげるのは先になるとは思いますが、また読んでいただければ幸いです。
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