【艦これ】北方のとある鎮守府の話・改二

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1 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:20:47.35 ID:4Oufeck40
【艦これ】北方のとある鎮守府の話・改
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493144424/
の続きです
忙しいあまりに前スレが全体的に雑なまま終わったので、そこの補足も含めていきたい

章ごとに書きためたものをまとめて投下するだけなので、結構間隔開くと思います。すまない…

このスレでなんとか三章と四章は書ききって、五章の触りまで行ければいいな…てか、できればこのスレで終わらせたい

とりあえず一個だけ書き忘れてた短編やっときますね

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1504585247
2 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:35:13.87 ID:4Oufeck40


《レポート0》


3 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:35:54.50 ID:4Oufeck40
唐突だが、以前私が深海棲艦とは何か、と尋ねたところ、ーーはこんな風に返してきた

彼らは個にして群にあらず、群にして個にあらず

・・・つまりはどういうことかと言うと、結局、その言葉どうりの意味であった
4 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:36:49.28 ID:4Oufeck40
深海棲艦とは、海に眠るあらゆる怨念、後悔や憎しみ、恨み、怒り。そういったものの混ざり合う存在なのだ

連中はある一個の個体として存在しているように見えるが、実際にはそうではない。奴らの中では多くの念が絡み合い、捻れ合い、犯し合い・・・そうしてある一つのカタチとして、私たちの視界に映り、あるいは捉えられるものなのだ
5 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:37:16.11 ID:4Oufeck40
そして連中は自身を形作るモノのことをよく理解している。よく把握している。なぜなら奴らは、元々その残滓の集まってできた、言わば念そのものなのだから

その証拠に、深海棲艦は皮肉にも艦艇として立派に機能している。砲撃や雷撃を行い、艦載機を飛ばし、哨戒や輸送まで行っている

・・・とどのつまり、彼女らは元々やり方を知っていただけなのだ
6 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:38:07.49 ID:4Oufeck40
これが、私がーーに教えられた真実であった。恐らく、そこに嘘偽りはないと思われる

だが、もしーーの言うことが全て事実だとするならば、奇妙な点がいくつもある
7 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:38:33.86 ID:4Oufeck40
一つはカラダだ。彼女らの体は確かにそこにあるように見えるが、果たして念だけによって彼女らは肉体を得ることは本当に可能なのか

艤装や艦載機にも謎が多い。連中の用いるそれらは、やけに生物じみた気味の悪いものが多く、それでいて我々のものと同質の部分も見受けられるのだから、非常に異質に思われる

もう一つは目的だ。深海棲艦は執拗に人間を襲い、今なお海の支配権を激しく我々と奪い合っているのだが、彼女らの本当の目的はどこにあるのだろうか

人間を全て殲滅すれば満足なのだろうか。それとも、海の全てを我が物にしたいのだろうか。はたまた、単なる気まぐれなのか、あるいは
8 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:39:40.39 ID:4Oufeck40

〜〜〜〜〜

深海棲艦の生態やその出自に関しては、未だわからないことが多すぎる

だがこの数年、徐々にではあるが、彼女らに関する調査は進展を見せているようだ

この調査がさらに進めば、奴らの行動原理や弱点、あわよくば連中を本拠地の居場所を突き止めることさえできるかもしれない

私も戦場で戦う立場ではあるが、微力ながら私たちの未来のためにも、これからもできる限り彼女らの調査に協力していきたいと思う

9 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/05(火) 13:43:36.74 ID:4Oufeck40
《レポート0》
おしまい
読んでくれた人いたら、ありがと

続きはいつになるかわからないけど、とりあえず次の海外遠征まではのんびりしたい。する。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/05(火) 17:43:38.54 ID:faMAUxIlo
おつー
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 10:41:50.40 ID:5hPpT1fk0
>>1
12 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/07(木) 15:13:37.57 ID:H0CpzQkp0
訂正です

>>8
×あわよくば連中『を』本拠地〜
○あわよくば連中『の』本拠地〜

誤字脱字ばかりですまない…
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 18:40:13.15 ID:86iwrE97o
Don't mind
14 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:24:02.40 ID:Mzva3VoV0
六月某日・昼

【横須賀鎮守府前】

提督「」ポカン

大和「・・・」

神風「・・・」

??「ちょっと〜!そんなとこでボケっと突っ立ってないで、早く中に入ってよ〜!」

提督「」

大和「・・・」

神風「・・・司令官?」ヒョコ

提督「な・・・」ガクガク

神風「・・・?」

提督「な・・・な・・・」
15 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:24:28.61 ID:Mzva3VoV0


提督「・・・なに、これ・・・」ポツリ


16 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:25:02.73 ID:Mzva3VoV0


〜 一週間前 〜


17 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:25:40.78 ID:Mzva3VoV0
五月某日・昼

【鎮守府・寝室】

提督「・・・と、いうわけなのです」

大和「はあ・・・合同演習、ですか」

提督「うん」

大和「横須賀鎮守府からのお招きですか」

提督「そうそう」コクコク

大和「・・・で、迎えの船を使って五日後に出発・・・」

提督「なのです」ムフ-

大和「・・・」フム

提督「・・・」
18 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:26:27.03 ID:Mzva3VoV0


大和「いや無理ですから」キッパリ

提督「ですよね〜・・・」


19 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:27:41.26 ID:Mzva3VoV0
大和「どう考えても無理です」

提督「・・・どうしても?」チラ

大和「どうしても」

提督「・・・ほんとのほんとに?」チラチラ

大和「・・・ほんとのほんとに」

提督「・・・」ジ-

大和「ぅ・・・」

提督「・・・」ウルウル

大和「・・・」ムムム
20 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:40:31.07 ID:Mzva3VoV0
大和「はぁ・・・」コホン

大和「・・・いいですか?そもそもまずですね、この鎮守府に艦娘が二人しかいない時点で、私たちは本当に最低限、ギリギリの艦隊しか組めませんよね」ピッ

提督「そうだね」

大和「おまけに艦種も駆逐艦と戦艦が一隻ずつ・・・せめて空母を一隻、できれば巡洋艦も一隻くらいはいないと、深海棲艦を相手にまともな戦闘は行えません」

提督「そうかなあ・・・」

大和「加えて、この鎮守府には装備や資材が全くと言っていいほどありません。手に入る見込みも、今のところは皆無です」

提督「なんとかしないといけないんだけどね・・・」

大和「・・・正直に言って、今の私達では、実践を想定した演習を行う意味がありません」

提督「う〜ん・・・でも、こないだ深海棲艦に襲われた時は、大和が頑張ってくれたおかげでなんとかなったし・・・」イジイジ

大和「・・・」イラッ

21 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:42:08.20 ID:Mzva3VoV0
ドンッ!

提督「!」ビクッ

大和「あの時は敵も単艦でしたし、加えて火力に劣る駆逐艦だったから、たまたま撃退することができただけですっ!一歩間違えれば、鎮守府諸共に壊滅していたかもしれないんですよ!?」キッ

提督「は、はい・・・」

大和「これから先、敵が艦隊を組んで攻め込んでこられた場合、私たちは対抗する術を現状何一つ持ち合わせていないんです。演習を行う前に、まずそちらの問題を片付けないでどうするんですかっ!?」ダンッ

提督「う、うぅ・・・」ムムム

大和「もっと危機感と責任感を持ってくださいっ!貴女はこの鎮守府の提督なんですよ!?」

提督「・・・」

提督「・・・た、確かに、おっしゃる通り・・・です・・・」ショボショボ

大和「・・・」ジッ

大和「・・・わかってもらえればいいんです」フゥ
22 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:43:52.43 ID:Mzva3VoV0
大和「ともかく。この話はこれで・・・」

提督「だが、断る!」キリッ

大和「・・・」

提督「・・・」フンスフンス

大和「・・・提督?」ニコォ

提督「ま、まあまあ、話を聞いてよ大和」ドウドウ

提督「これはね・・・絶好の機会なわけよ」ピッ

大和「絶好の機会」

提督「うん」

大和「・・・どういった意味でしょう?」

提督「ふっふっふっ・・・聞きたい?聞きたいの?聞きたいよね?」ニヨニヨ

大和「あ、いえ、別にそこまでは・・・」

提督「え・・・」

大和「・・・」

提督「」カクカク

大和「・・・」ハァ

大和「・・・理由を伺っても?」

提督「よしっ、じゃあ説明するよ!」ガバッ

大和(今日の夕食、どうしようかしら・・・)ポワポワ
23 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:53:05.84 ID:Mzva3VoV0
提督「まず一つ。私たちが演習に参加することで、貴重な実戦経験を積めるよね」ピッ

大和「まあ・・・はい」

提督「もう一つ。私たちが他所の鎮守府に出向くことで、私たちの存在を広くアピールできるよ」ピッ

大和「存在をアピール?」

提督「うん。ほら、ここの鎮守府ってさ、場所も場所だし、敵もあんまり寄りつかないから、どうしても他の鎮守府に比べて重要度が低いじゃない?」

大和「そうですね」

提督「だからさ、みんなの前ですっごい目立ってさ、『私たちもいるんだぞ〜!」、って、軍の連中に見せつけてやるんだよ!」

大和「はあ・・・それで、演習ですか」

提督「うんっ。少数の私たちが一艦隊を相手に互角に渡り合うところを見せられれば、あいつらの私たちを見る目も変わるよ、きっと!」

大和「・・・ですが、それに何の意味があるんですか?もし仮にその目論見が上手くいって私たちが注目を浴びることになったとしても、それで徳することはあまりないかと思いますけど・・・」

提督「ふっふっふっ・・・実はそうでもないんだよね」チッチッチッ
24 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 17:53:37.04 ID:Mzva3VoV0
提督「もし他の鎮守府の人たちにまで私たちが軍にとって必要な戦力だと認識されれば、上の連中も黙ってはいられないはずだよ。もし少数でも十分に戦力になると分かれば、例え辺境の鎮守府だとしても、人材や物資も含めてそれなりの支援を行わないわけにはいかないだろうからね」

提督「だから、私たちが資材や食料を手に入れるために、まずはあいつらの鼻を明かしてやる必要があるってこと!」グッ
25 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 18:29:02.83 ID:Mzva3VoV0
書いたデータが結構飛んだから、中途半端で申し訳ないけど続きはまた今度にします
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 18:32:46.25 ID:ruFbEeF60
乙です
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 21:39:17.66 ID:b07HonK3o
おつおつ
28 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 22:31:37.64 ID:Mzva3VoV0
>>24から続き

提督「・・・ね?演習に参加するには、妥当な理由だと思わない?」

大和「うぅん・・・そう上手くいくでしょうか・・・」

大和「というかそもそも、たった二隻で一艦隊と戦うなんて・・・」

提督「大丈夫っ!その辺のことは全部、この私に任せて!」

提督「きっと、上手く行かせてみせるから!」グッ

大和「・・・」ジッ

大和「・・・根拠はありますか?」

29 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 22:32:06.68 ID:Mzva3VoV0
提督「え・・・こ、根拠?」

大和「はい。私や神風さんに、貴女の言葉を信じさせるに値するだけの、明確な根拠です」

大和「そうでなければ、いくら貴女の頼みといっても、受け入れることはできません」

提督「それは・・・」

提督「・・・」

提督「・・・ない」

大和「・・・では・・・」スッ

提督「で、でもっ!」

大和「・・・」ピクッ
30 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 22:33:07.31 ID:Mzva3VoV0
バッ

提督「私が、この鎮守府の提督の、この私自身が!」

提督「貴女達の協力があれば、きっと上手くいく、ううん。絶対にいかせてみせる!」

提督「だから、お願いっ!私のことを信じてくれるなら、この鎮守府のためにも、どうか私と一緒に来てくださいっ!」ベチャ-

大和「・・・!?」ビクッ

大和(ど、土下座・・・)
31 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 22:33:35.22 ID:Mzva3VoV0
提督「・・・」ドゲザ-

大和「・・・」ジッ

大和「・・・何か妙案があるんですか?」

提督「・・・」

提督「・・・うん。幾つか」

大和「・・・そう」

大和(幾つか、ね・・・)

大和「・・・」ムゥ
32 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 22:34:07.61 ID:Mzva3VoV0
提督(・・・)ジッ

ギュッ

大和「・・・提督?」チラ

提督「・・・大丈夫だよ、大和」

提督「責任は全部、私が持つ」

大和「でも・・・」フイッ

提督「私を信じて・・・お願い」

大和「・・・」ム...

提督「・・・」ジッ

提督(大和・・・)

提督(彼女は、きっと・・・)

提督(・・・なら・・・)
33 : ◆PhE6LVcl/M [sage]:2017/09/28(木) 22:34:34.89 ID:Mzva3VoV0
スウッ

提督「ね・・・貴女の力を貸して、大和?」

大和「っ・・・!」ピクッ

大和(今の・・・)

提督「・・・」ジッ

大和「・・・」グッ

大和(・・・そんなのって、ずるい・・・)
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