ほむら「貴女がくれたもの」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:18:31.92 ID:4RLwC4O6O
キュウべぇ「魔女の気配がしたから来たのさ」

キュウべぇ「それで、契約する気にはなったかい?」

藍「お前は其ばかりだな」

キュウべぇ「それが僕の仕事だからね」

キュウべぇ「まどかとさやかはどうだい?」

さやか「うーん、私はまだいいかな。願いも決まらないし」

まどか「私もまだ・・・ごめんねキュウべぇ」

マミ「キュウべぇ、あまり急かすものじゃないわ」

キュウべぇ「僕としては早く契約して貰いたいんだけどね」

キュウべぇ「マミだって、仲間が居れば戦いが楽になるだろう?」

マミ「それはそうだけど。急かすものじゃないわよ」

マミ「彼女たちは時間があるのだもの、しっかり考えて決めた方がいいわ」

まどか「そう言えば、マミさんの願いって何ですか?」

マミ「私は―――」

さやか(あ、重い話だこれ)

マミ「・・・家族で旅行に行った帰りに事故に遭ってね」

マミ「夢中で助かりたいと願ったの・・・」

マミ「考えてる余裕なんてなかった」

マミ「だから、あなた達にはちゃんと考えて願いを決めて貰いたいの」

さやか「マミさん・・・」

まどか「ごめんなさい・・・私・・・」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:27:10.92 ID:4RLwC4O6O
藍「まどかが気に病むことじゃ無いさ」ポンッ

まどか「でも、マミさん辛そうな顔してた・・・」

マミ「平気よ、もう昔の事だもの」

マミ「さあ、暗い話はお仕舞い! この後時間あるかしら?」

マミ「よかったら、家でお茶しない?」

さやか「良いですねー」

さやか「行こっか、まどか、藍」

まどか「うん!」

藍「そうだね、お邪魔させて貰おうか」

マミ「決まりね」

藍(暫くは彼女達と行動を共にして様子を見るか)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:27:51.23 ID:4RLwC4O6O
――マミのマンション


マミ「どうかしら、新作のケーキなんだけど」

さやか「めちゃうまっすよ」

藍「ああ、おいしいよ」

まどか「マミさんの手作りなんですか?」

マミ「ええ、趣味でね。よくお菓子作りをするの」


――少女談笑中――


さやか「やばっもうこんな時間!?」

まどか「うそ、早く帰らなきゃ」

藍「お暇しようか。マミさん、御馳走様でした」

まどかさやか「マミさん、さようなら」

藍「また、学校で」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:28:46.10 ID:4RLwC4O6O
――マミのマンション外


藍「送っていくよ、夜道は物騒だからね」

まどか「え、悪いからいいよぉ」

藍「女の子を一人で帰すわけにはいかないだろう」

さやか「藍だって女の子じゃん」

藍「私はいいのさ、人間相手なら負けないしね」

さやか(これがイケメンか)

まどか「それじゃ、お願いしようかな」

藍「ああ、任せてくれ」

さやか「うんうん、しっかりまどかを守ってやってくれたまえ」

藍「さやか、君もだよ」

さやか「え?」

藍「まどかの後だから、遠回りになるが」

さやか「いやいや、私はいいよ」

藍「私がそうしたいんだ。駄目かい?」

さやか「だ・・・駄目じゃないけど・・・///」

まどか「えぇー」

まどか(こんなの絶対おかしいよ!)

まどか(でも、藍ちゃんってかっこいいもんね)

まどか(私もあんな風になれたらなぁ)
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:30:04.31 ID:4RLwC4O6O
――翌々日放課後


藍「ようやく終わったね」

さやか「疲れた〜、いやー今日もいっぱい学習したわ」

まどか「さやかちゃんは一日中寝てただけじゃん」

仁美「さやかさん、授業はちゃんと受けなくてはいけませんわ」

さやか「難しい話を聞いてるとつい・・・」

藍「一人だけ、補修になっても知らないぞ」

さやか「う・・・それは勘弁」

藍「後で見てあげるから、しっかり勉強する事」

さやか「ありがとうございます。神様仏様藍様!」

藍「全く、調子の良い」ヤレヤレ

藍「じゃあ、家に行こうか」

仁美「楽しみですわ」ワクワク

さやか「藍の家は初めてだもんね」

まどか「藍ちゃんも一人暮らし何だよね?」

藍「ああ、そうだよ」

仁美「も?他にも、どなたかいらっしゃるのでしょうか」

藍「最近知り合った先輩が一人暮らしでね」

藍「まどかは、その事を言っていたんだろう」

仁美「そうでしたの」

藍「こっちだよ」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:30:41.87 ID:4RLwC4O6O
――少女移動中――


――藍のマンション


さやか「すっげぇ・・・」

仁美「最近出来た、見滝原スカイタワーですわね」

まどか「藍ちゃん、ここに住んでるの?」

藍「ああ、そうだよ」

さやか「何階に住んでるの」

藍「最上階だ、狭いところだけど眺めは良いよ」

まどか「これが狭いって・・・」

さやか「藍って、もしかしてお金持ち?」

藍「普通だと思うよ。向こうの家が広いってのもあるだろうけどね」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:31:21.36 ID:4RLwC4O6O
――藍の部屋


藍「用意してくるから、適当に寛いで居てくれ」

さやか「・・・あたしの家の4倍はあるんだけど」

まどか「藍ちゃんの実家ってどんな所だろうね?」

仁美「確かに、気になりますわね」

さやか「行ってみたいけど東北じゃねぇ」

さやか「んーしかし、良い眺めだね」

まどか「見て、さやかちゃん。富士山見えるよ」

さやか「おー! マジだ! すっげぇ」

キャッキャッ

藍「中々のはしゃぎ振りだね」

仁美「すみません、騒いでしまって」

藍「別に平気さ、皆お茶にしようか」

まどか「はーい」

さやか「待ちくたびれたよ」

藍「どうぞ」コトッ

藍「クレープ・シュゼットだ、口に合うと良いんだが」コトッ

さやか「すっげぇ、こんなの初めて見た」

まどか「これ、藍ちゃんが作ったの?」

藍「そうだよ。他にもレシピはあるから今度は別なものを作ろうか」

仁美「美味しそうですわ。早速いただいても宜しいですか?」

さやか「そうだね。早く食べよう!」

藍「ああ、どうぞ」

藍「二人は紅茶でいいかな?」

まどかさやか「うん」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:31:55.97 ID:4RLwC4O6O
藍「どうぞ、仁美」コトッ

仁美「ありがとうございます。藍さん」

藍「まどかとさやかも」コトッ

さやか「サンキュ」

まどか「ありがとう」

さやか「思ったんだけどさ、一人暮らしってことは料理も自分で作ってるんだよね?」

藍「そうだけど?」

さやか「藍の料理が食べてみたいなーなんて」

藍「なら、明日のお弁当で良いかい?」

さやか「マジでいいの?」

藍「其くらい構わないよ」

さやか「やりぃ!」

まどか「もう、さやかちゃんったら」

仁美「あまり迷惑を掛けてはいけませんわ」

藍「いいさ、多目に作っていくから皆で食べようか」

まどか「私達もいいの?」

藍「勿論!」

さやか「明日の昼が楽しみだわ」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:32:40.23 ID:4RLwC4O6O
――翌日昼


さやか「ようやく昼休みだ!」

まどか「さやかちゃん、ずっとお腹鳴ってたもんね」

さやか「き、聞こえてた?」

藍「教室中に響いてたと思うよ」

藍《ほむらも良かったらどうだい?》

ほむら《折角だけど、私は遠慮しておくわ》

さやか「あたしってホントばか・・・」グー

藍《そうか、たまには君と食事がしたかったが》

ほむら《あなたは、何故私に関わろうとするのかしら》

藍「其じゃ、屋上に行こうか」

藍《理由が要るのかい? なら、君と友達になりたいからだ》

ほむら《ふざけないで!》

藍《君が聞いたんじゃないか》

藍《まあいい、今夜二人きりで話がしたい》

ほむら《!》

ほむら《そうね、私もあなたに聞きたいことがあるわ》

藍《今夜八時に家に来てくれ、住所は後で渡す》

ほむら《わかったわ》
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:33:24.92 ID:4RLwC4O6O
――屋上


まどか「あ、マミさんだ」

さやか「ホントだ! おーい、マミさーん」

藍「こんにちは、マミさん」

マミ「こんにちは、皆でお昼?」

藍「ええ、よかったら一緒にどうです?」

マミ「私も一緒で良いのかしら?」

さやか「もちろんっすよ!」

藍「仁美、彼女が昨日話しに出た巴マミさんだ」ボソ

仁美「そうでしたの」

仁美「初めまして巴先輩。私志筑仁美と申します」

仁美「巴先輩の話はさやかさん達から伺ってますわ」

マミ「初めまして、志筑さん」

マミ「改めて・・・巴マミよ、宜しくね」

仁美「こちらこそ、宜しくお願い致しますわ」

藍「さて、挨拶も済んだことだし、ご飯にしよう」

さやか「待ってました!」グー

マミ「あら? 八雲さんの手作りかしら」

藍「ええ、マミさんもどうぞ」

さやか「んー、めっちゃ旨い!」

仁美「家のシェフよりも美味しいですわ・・・!」

まどか「パパのよりも美味しい・・・」

マミ「本当・・・すごく美味しいわ!」

藍「ふふっ、そう言って貰えると作ったかいがあるよ」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:34:15.24 ID:4RLwC4O6O
――夜、藍のマンション


ほむら「ここね」

ほむら「随分大きなマンションに住んでいるのね」

ほむら(部屋は最上階だっわね)ピッピッピッ

藍[待ってたよ、上がってくれ]



ほむら「それで、話って?」

藍「そう逸るな、コーヒーで良いかい?」

ほむら「・・・ええ」

藍「はい」コトッ

ほむら「・・・ありがとう」ズズッ

ほむら(あ、美味しい)

藍「まだ、君の目的は話して貰えないのか?」

ほむら「言ったでしょう、私はあなたを信じたわけではない」

ほむら「それに・・・もう誰にも頼らないと決めたのよ」

藍「寂しいことを言うね」

藍「私も言ったはずだ」

藍「君を信じて要ると」

ほむら(・・・・・・)

ほむら(真っ直ぐな目、吸い込まれそうな程に・・・)

ほむら「あなたは強いのね」

藍「そんな事は無いさ・・・」

藍(私がもっと強ければ、紫様にあんな事などさせなかったのに)
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:34:51.15 ID:4RLwC4O6O
藍「君の話を聞く前に・・・・・・」

藍「私の目的を話しておこう」

ほむら「!」

藍「私はある方の命により此処に来た」

ほむら(ある方の命?)

藍「其の御方が言うには、近い未来世界を滅ぼしうる異変が起こるそうだ」

ほむら(未来・・・世界が滅ぶ・・・・・・)

ほむら(まさか・・・まさか!)

藍「私は、其を未然に防ぐために来た訳だ」

ほむら「美国織莉子・・・」

藍「美国? 誰だい其は?」

ほむら「あなたもまどかを殺すつもりね」

藍「何を言ってるんだ」

ほむら「まどかに近づいたのはそれが目的ね」

藍「落ち着けほむら、言ってる事が滅茶苦茶だぞ」

ほむら「まどかは、殺させない!」チャキッ

藍(聞く耳持たずか・・・)

藍「落ち着け! 取り敢えず銃を下ろすんだ」

藍(だが、今ので少し見えてきたな)
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:35:40.34 ID:4RLwC4O6O
藍(ほむらはまどかを守るために動いている)

藍「私がまどかを殺す訳が無いだろう?」

藍(そして異変には、まどかが関係している)

藍(別の誰かも異変を防ぐ為、まどかを狙っている)

ほむら「言ったでしょう、私はあなたを信用してないって」

ほむら「危険分子は排除するまで」パスパスッ

ほむら「なっ!?」

ほむら「弾が止まってる!」

藍「やれやれ、札を一枚無駄にしてしまった」

ほむら「くっ・・・!」

藍「遅い!」ビタッ

ほむら「体が…動かない!」

ほむら「何をしたの? あなたは何者?」

藍「金縛りの札を貼っただけだよ」

藍「こうでもしないと、話が出来なそうだったからね」

藍「まず、私は織莉子と言う人は知らない」

ほむら「嘘よっ! そうでなければあんなこと知ってる筈がない!」

藍「まあ、聞け」

藍「私は、私の主の命により来たんだ」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:36:12.88 ID:4RLwC4O6O
藍「其の方の名は、八雲紫様。私が誰よりも尊敬し敬愛している御方だ」

藍「紫様は賢者と称される方でな、何でもお見通しなのだ」

藍「今回の異変を事前に知った紫様は、私を使わせたと言う訳だ」

藍「当然、私が来た以上犠牲等出しはしない」

藍「それと、まどか達と友達になったのは偶々だが」

藍「君には意図的に近付いた」

藍「紫様が、現地の魔法少女と接触し協力を仰げと仰ったからね」

ほむら「そのために私に近づいてきたのね」

藍「君が現れたことで取り巻く環境が変わったからね」

藍「君の存在が鍵になると思ったんだ」

藍「私は目的を果たしたら彼方に帰るよ」

藍「だが、まどか達は友達だ。友達を犠牲にする気はない」

藍「だからこそ、君に協力して欲しいんだ」

ほむら「本当・・・真っ直ぐな目」ボソ

藍「ん? 目がどうかしたか?」

ほむら「いいえ・・・・・・良いわ、協力してあげる」

藍「本当か!」

ほむら「ええ、但しあなたも私に協力して頂戴」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:36:51.88 ID:4RLwC4O6O
藍「勿論だ! それと、拘束して悪かった」ペリ

ほむら「構わないわ」

藍「そうだ、此を渡しておこう」

ほむら「お札?」

藍「通信用の護符だ」

藍「此で、ほむらからも連絡が取れるよ」

ほむら「それって、この間使ってたやつ?」

藍「ああ、盗聴される心配もない」

藍「特にあの白饅頭。あいつはどうにも気に入らないからね」

ほむら(白饅頭・・・)

ほむら「確かに、キュウべぇは信用ならないわ」

ほむら「巴マミはキュウべぇを信じきっている」

ほむら「友達であるキュウべぇを襲ったことで、私は敵対視されてしまっている」

藍「其処は私が上手く取り持とう」

ほむら「策があるの?」

藍「単純だが、魔女に苦戦する彼女を助けるのはどうかな?」

ほむら「それなら、おあつらえ向きな魔女がいるわよ」ニヤリ

藍「ふふっ」

ほむら「何よ? 笑ったりして」

藍「いや、随分楽しそうな顔をすると思ってね」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:37:23.77 ID:4RLwC4O6O
ほむら(・・・楽しそう?)

藍「仏頂面してるよりも、ずっと良いよ」クク

ほむら「そうね・・・」

ほむら(思えば、ずっと一人で無理をしてきたものね)

ほむら(誰にも頼らないと決めて、肩肘はって強がって・・・)

ほむら(藍、あなたは不思議な人ね・・・)

ほむら(死んでも言わないけど・・・・・・)

ほむら(ありがとう)

藍「ほむら? 大丈夫か?」

ほむら「え、ええ。平気よ」ビクッ

ほむら「えぇと、何だっけ・・・そう! 三日後に病院に魔女が出るわ」

藍「何故わかる?」

ほむら「統計よ」

藍「そうか」

ほむら(え? 納得した?)

ほむら「この結界の主に、巴マミは敗れるわ」

藍「成る程、マミさんを助けつつ魔女を倒し」

藍「疲弊したマミさんにGSを使い、ほむらが利己的な魔法少女ではないと伝えるんだな?」

ほむら「理解が早くて助かるわ」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:38:04.18 ID:4RLwC4O6O
藍「さやか辺りじゃ理解の“り”の字も出ないだろうね」フフ

ほむら「目に浮かぶわ」フフ

藍「ほむら、折角だし晩御飯食べて行きなよ」

藍「君も一人暮らしだったろう?」

ほむら「そうね、頂くわ」

ほむら(もう一度だけ、信じてみようかしら)

ほむら(彼女となら、私の目的を達成出来るかもしれない)

藍(美国織莉子か・・・・・・少し探ってみるとしよう)
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:38:46.36 ID:4RLwC4O6O
――翌日、集合場所


藍「おはよう、さやか」

さやか「おはよ! 藍」

藍「珍しく早いね」

さやか「さやかちゃんだって、いつも遅れる訳じゃありませんよ」

藍「いつもこうだと良いんだけどね」クス

さやか「い、良いじゃん、間に合ってるんだし///」

藍「・・・」

藍「恭介の具合あまりよくないみたいだな」

さやか「うん・・・」

藍「今日もお見舞いに行くんだろう」

さやか「もっちろん! 昨日またレアなCD見付けたんだ」

藍「さやか、その事なんだけど」

藍「たまにはCD以外の物にしたらどうだろうか」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:39:34.64 ID:4RLwC4O6O
さやか「どうしてさ?」

藍「自分で弾けないのにCDを貰うのは辛いんじゃないかと思ってね」

さやか「うぅん、そう言う考え方もあるか・・・」

さやか「じゃあ、何を持っていけば良いのかな?」

藍「其こそ何だって良いのさ、さやかの気持ちが籠っているなら」

さやか「んー、いざ違うものとなると・・・」

藍「手作りのお菓子なんてどうだい?」

さやか「無理無理! 藍やマミさんみたいにはいかないって」

さやか「第一料理なんてしたことないし」

藍「私が教えるさ、クッキーくらいなら簡単に作れるしね」

さやか「な、ならお願いしようかな」 

藍「任せてくれ。早速今日の放課後作ろうか」

さやか「恭介・・・・・・喜んでくれるかな?」

藍「ああ、必ずね」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:40:44.86 ID:4RLwC4O6O
――学校


さやか「転校生・・・!」

まどか「ほむらちゃん・・・」

藍「おはよう、ほむら」

さやか「ちょ、ちょっと藍」

ほむら「おはよう、藍」

さやか「え?」

さやか『どう言う事さ、何で藍と転校生が仲良くしてる訳?』

さやか『あんた、今度は何を企んでるの?』

ほむら『別に何も企んでなんかいないわ』

さやか『嘘! そんなはずない』

藍『さやか、落ち着け』

さやか『藍、騙されちゃ駄目だよ。あいつはまどかを襲ったやつなんだ』

藍『さやか、其は誤解だ。それに彼女には彼女なりの理由がある』

さやか『どんな理由があればまどかを襲うことになるんだ』

藍(まさか、さやかが此処まで融通の利かない奴だとは)

ほむら『私があの時狙ってたのはキュウべぇよ』

マミ『あら、どんな理由があってキュウべぇを狙ったのかしら?』

さやか『マミさん! やっぱりあいつは敵ですよ、マミさんの友達を襲ったんだもん』

藍《ほむらの苦労も解るよ。彼女達は、思い込みが激しすぎる》

ほむら《そう言って貰えると助かるわ》

藍《とは言え、此のままでは収集が着かないな》

藍《ほむら、不本意かもしれないが謝って貰えないか?》

藍《また、晩御飯を御馳走するからさ》

ほむら《・・・飛び切り美味しい物をお願いするわ》

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:41:43.92 ID:4RLwC4O6O
藍《任せてくれ、魂が浄化される程の逸品を作ろう》

ほむら『ごめんなさい、私が悪かったわ。もうキュウべぇを狙ったりしないわ』

さやか『私は何でキュウべぇを襲ったか聞いてるんだ!』

藍『さやか、謝ってる相手を其以上責めるのはみっともないぞ』

藍『ほむらは皆と仲直りしたかったが、キュウべぇを襲った手前話しかけづらかったみたいでね』

藍『私に仲を取り持って貰えないかと相談してきたんだ』

さやか『・・・何で藍に話したのさ』

藍『さやか達はご覧の通りだし、まどかはこう言った事に向いていない』

藍『仁美に頼む訳にもいかないから、私と言う訳だ』

ほむら《良くぽんぽんと話が出てくるわね》

藍《相手を納得させるには勢いも大事さ。少しでも“そうかも”と思わせれば勝ちだ》

藍《まあ、信じやすくする術も使ってるけどね》

ほむら《便利なものね》

マミ『八雲さんがそう言うなら・・・良いわ許してあげる』

マミ『でも、今度キュウべぇを虐めたら許さないわよ』

ほむら『わかったわ』

さやか『その・・・悪かったよ』

まどか『よかったぁ、これで皆仲直りだね』

仁美「あら? 皆さん集まってどうされたんですの?」

藍「ほむらと話をしてたんだ」

藍「今日の昼は、ほむらも一緒だよ」

仁美「まあ! それは楽しみですわ」

まどか「転校生二人とも私達が独占しちゃったね」ウェヒヒ


56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:42:41.24 ID:4RLwC4O6O
――放課後、藍のマンション


藍「――――で、後は型で抜いてオーブンで焼けば出来上がりだ」

さやか「上手くいくかな?」

藍「さやかは心配性だな。大丈夫だって」

藍「焼けるまで一息着こうか。お茶でも淹れよう」

さやか「ありがとう、藍」



さやか「出来たー!」

藍「どれ、一枚・・・」サク

藍「うん、良く出来てる。ほら、さやかも」

さやか「ん、ホントだ! スゲーうまい!」

藍「言ったろう? 大丈夫だって」

藍「今なら面会時間も十分間に合う」

さやか「うん、ありがとう藍」

さやか「行ってくるね」

藍「ああ、気を付けてな」

さやか「もう! 子供じゃないっての!」

藍「ふふっ、すまない」


57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:43:21.63 ID:4RLwC4O6O
――病院


さやか「恭介ー、来たよ」

恭介「いらっしゃい、さやか」

恭介「今日もCDを持ってきてくれたのかい?」

さやか「ふふふ、今日はさやかちゃん特製のクッキーなのだ!」

恭介「珍しいね、さやかがお菓子作りなんて」

さやか「たまにはね。さやかちゃんだってこれくらいは出来るんですよ!」

恭介「正直言うとさ、CDを持ってきてくれるのは嬉しかったんだけど辛くもあったんだ」

さやか「ごめん・・・気が利かなかったよね」

恭介「そんな事はないよ。さやかなりに考えてくれてたんだろう?」

恭介「それに、お見舞いに来てくれるだけで嬉しいしね」

さやか「恭介・・・」

藍「どうやら上手くいったようだね」

さやか「おわああぁぁ」

さやか「なななな、何で藍が?」

藍「驚き過ぎじゃないかな?」

藍「助言した手前気になってね」

恭介「君は・・・?」

藍「私は八雲藍。君のクラスメイトだ」

藍「気軽に藍と呼んでくれ」

恭介「そんな・・・初対面の女の子を名前でなんて呼べないよ」

藍「まあ、好きに呼んでくれて構わないよ。私は恭介と呼ばせて貰うけど」

恭介(随分サバサバした性格だな)

恭介「うん、構わないよ」

恭介(さやかと気が合いそうだな)クス
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:43:55.04 ID:4RLwC4O6O
藍「君の話はいつも、さやかから聞いているよ。事ある毎に恭介がー恭介がーってね」

さやか「ちょ、ちょっと藍! 何言ってんのさ!」

藍「ん、駄目だったかい?」

恭介「あはは、さやか。八雲さんに悪口言ってないだろうね?」

さやか「そんな事言わないよ!///」

藍「恭介、あまり手の具合が良くないらしいね」

恭介「うん、まだ動かないんだ・・・でも僕は諦めないよ」

恭介「この手を治して、またバイオリンを弾くんだ」

藍「ああ、諦めなければ道は拓ける」

藍「今直ぐでなくても、いつか必ずね」

さやか「そうだよ! きっと治るからさ、諦めないで頑張ろうよ」

恭介「ありがとう。さやか、八雲さん」

藍「なに、私は大したことはしてないさ」


59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:44:46.16 ID:4RLwC4O6O
――翌日、放課後


藍(さて、件の美国織莉子とやらに会いに行くか)

藍(魔力の残滓から式に捜させたが、我々の能力はホントに便利なものだな)


――美国邸


藍(・・・・・・これはまた、随分と斬新なデザインの家だな)

ピンポーン

ガチャ

キリカ「誰だい、君?」

藍「八雲藍と申します。此方は美国織莉子さんのお宅ですよね?」

キリカ「そうだけど、織莉子に何の用?」

藍「少しお尋ねしたいことがありまして」

キリカ「・・・ふむ? ちょっと待ってて」

キリカ「織莉子、客人が来てるけどどうする?」

織莉子「どんな方かしら?」

キリカ「魔法少女では無いみたい。見滝原の制服を着てるよ」

織莉子「いいわ、通して頂戴」

キリカ「待たせたね、上がってくれ」

藍「お邪魔します」

藍「突然御伺いして申し訳ありません」

キリカ「ホントだよ、私と織莉子の二人きりの時間を邪魔してくれて、客人は礼儀と言うものを知らないのかな」

織莉子「キリカ、口が過ぎるわよ」

キリカ「ご、ごめんよ織莉子。謝るから嫌いにならないで」

織莉子「大丈夫よキリカ、私があなたを嫌いになるなんて事はないわ」

キリカ「織莉子/// 私も織莉子のこと大好きだよ」

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:45:50.20 ID:4RLwC4O6O
藍「話を進めても良いでしょうか?」

藍(中々重症だな・・・)

織莉子「ええ、ごめんなさい」

藍「改めまして、私は八雲藍と申します。此方はお口に合うかは解りませんが、宜しければ召し上がって下さい」

織莉子「ご丁寧にすみません、美国織莉子です。今お茶を淹れて来ますので掛けて居てください」

藍「では、失礼致します」

キリカ「織莉子のお茶は最高にして至高の逸品だからね、有り難く頂くように」

藍「ええ、そうさせて頂きます」ニコ

藍「失礼ですが、貴女は?」

キリカ「私は呉キリカ、織莉子のパートナーだよ」

藍「キリカさんですね、改めて宜しくお願いします。お二人は一緒に暮らしていらっしゃるのですか?」

キリカ「私が一方的に織莉子の所に押し掛けてる感じだけどね」

織莉子「お待たせ、折角なのでお菓子も頂きましょう」

キリカ「それは、客人の手作りかい?」

藍「藍で良いですよ。趣味でお菓子作りをしていますので、これくらいのものでしたら簡単に出来ますよ」

キリカ「なら、そう呼ばせて貰うよ」

キリカ『今のところ、不信な点はないね』

織莉子『ええ、警戒すべき所は見られないわ』

キリカ『気にしすぎだったかな?』

織莉子『注意してしすぎると言うこともないわ、もう少し様子を見ていきましょう』

キリカ『解ったよ織莉子』

藍「早速ですが、本題に入らせて頂いても宜しいでしょうか?」

キリカ「そう言えば織莉子に話があるんだったね」

織莉子「私に?」

藍「単刀直入に言います。貴女の目的は最悪の魔女の出現を未然に防ぐことで間違い有りませんか?」

61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:46:30.04 ID:4RLwC4O6O
織莉子「なぜそれを!?」

藍「少々調べさせて頂きました」

藍「幸いにもまだ事を起こしていない様子でしたので、出来れば話し合いで解決したいと思いまして」

キリカ「目的を知られてるなら、君をこのまま帰すわけにはいかないね」パアァ

織莉子「待ちなさいキリカ!」

キリカ「織莉子?」

織莉子「藍さん、と言ったわね」

藍「はい」

織莉子「何故知っているのかは一先ず置いておきましょう」

織莉子「あなたは話し合いで解決したいと言いましたが、それは彼女を狙うなと言うことですか?」

藍「いえ、彼女だけではありません。他の魔法少女もです」

織莉子(魔法少女狩の事も知っている?)

織莉子(まだ計画の段階なのに・・・・・・)

織莉子「そうしたとして、あれを防ぐ手立てはあるのですか?」

織莉子「魔法少女の契約をしてからでは遅いのですよ」

藍「契約をしただけなら手の打ちようはあります」

藍「私が気にしているのはあなた達のことです」

織莉子「あなたに気にして貰う必要はありません」

藍「手を汚してからでは遅いのですよ」

藍「あなた達はまだ若い」

藍「だからこそ其が最善だと思っている。自分の手を汚すことを厭わない」

藍「此から先、それは一生付きまとうでしょう」

藍「罪はいつか許される。でも、あなたの心は其を赦さない」

藍「人は後悔する生き物です。一度闇に染まってしまえばあなたはあなたを赦せなくなる」

藍「逸れでも、普通の人ならまだ良いでしょう。だが魔法少女にとってそれは死を意味する」


62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:47:14.81 ID:4RLwC4O6O
藍「織莉子さん、貴女は貴女達の幸せのために、その世界を守るために戦っているのでしょう?」

藍「では貴女は何と戦っているのですか? 貴女は誰と戦っているのですか? 貴女の守るべきものは何ですか?」

藍「貴女はもう少し廻りに目を向けた方がいい」

藍「貴女は一人ではない、二人だけでもない。貴女が気付いていないだけです」

藍「貴女を助けたいと思う人は沢山居ます、貴女の幸せを願う人も」

藍「少なくとも、此処に一人居ます」

藍「闇に堕ちるのではなく、光を求めて下さい」

藍「私も出来る限り力になります」

キリカ「ご高説どうもありがとう、でも私達には他の奴らは必要ないよ」

キリカ「勿論君もね」

織莉子「キリカ、待ちなさいと言ったでしょう」

キリカ「織莉子? わ、解ったよ」

織莉子「藍さん、あなたの言いたいことは解りました」

織莉子「ですが問題が解決したわけではありません。あれを何とかしなければ未来など無いに等しいのですよ」

藍「その為に仲間が要るのですよ」

藍「一人で出来ないことは皆で何とかすればいい」

藍「それに、此処では言えませんが策がない訳ではありませんので」

織莉子「何故ここでは言えないのですか?」

藍「何処で奴らが見ているかわかりませんので」

藍「あれに知られるのは得策ではありませんから」

藍「今度は是非うちに来てください。歓迎しますよ」

藍「それと、此を渡しておきます」スッ

織莉子「お札? これは・・・・・・?」

藍《通信用の護符です。魔法少女の念話と違い盗聴される心配もありません》

藍《やり方は同じ様なものです》


63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:48:02.45 ID:4RLwC4O6O
織莉子《あなたは一体?》

藍《逸れも、何れお話しします》

藍「今日のところは此で失礼します」

藍「念を推しておきますが、くれぐれも道を間違いませんように」

藍「其では、失礼致します」


*


織莉子「ねえキリカ、彼女のことどう思う?」

キリカ「藍のことかい? 正直胡散臭いかな」

キリカ「今一目的がはっきりしないし」

キリカ「彼女の仲間と言うのも気になるしね」

織莉子「でも、彼女の言葉に心牽かれてしまう私がいるのも事実・・・」

キリカ「なんにせよ、悩むくらいなら行動した方が良いと思うよ」

織莉子「そうね・・・今度はこちらから接触して見ましょうか」

キリカ「私は織莉子に従うよ、織莉子が藍を信じるなら私もそうするだけさ」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:48:38.10 ID:4RLwC4O6O
――翌々日、放課後


まどか「上条くん、どうだった?」

さやか「うん・・・あんまり良くないみたい」

藍「気が滅入って無ければ良いが」

まどか「さやかちゃん、藍ちゃん! あれって」

さやか「嘘・・・」

キュウべぇ「GSだ! まずいよ、孵化しかしかかってる」

まどか「それって・・・」

キュウべぇ「このまま孵化したら、沢山の犠牲者が出るだろうね」

さやか「そんな・・・恭介!」

さやか「まどか、マミさんの連絡先知ってる?」

まどか「ううん」

さやか「なら、まどかはマミさんを呼んできて」

藍「さやかはどうするんだ?」

さやか「あたしは、ここで見張ってる!」

藍「無茶だ、危険すぎる!」

さやか「このまま放っておけないよ」

キュウべぇ「なら、僕がさやかに着いているよ」

キュウべぇ「中からテレパシーでマミを案内出来るし、最悪契約することも出来るしね」

藍「なら、私とまどかでマミさんを探そう」

藍「まどかはあっちを頼む。見つけたら互いに連絡を」

まどか「わかった」タタタ

藍「さやか、一応これを渡しておくよ」

さやか「これは?」

65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:49:10.80 ID:4RLwC4O6O
藍「護符さ。あまり強い攻撃には耐えられないが、無いより良いだろう」

藍「くれぐれも無茶はしないでくれ」

さやか「わかった。ありがとう、藍」

藍「直ぐに戻る!」タタタ

藍(此処までは筋書き通り)

藍(だが、油断は出来ないな)

66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:49:42.73 ID:4RLwC4O6O
まどか[藍ちゃん、今マミさんと病院に向かってるところだよ]

藍[わかった、私も直ぐに向かう]ピッ

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:50:26.96 ID:4RLwC4O6O
マミ「ここね」

マミ「無茶し過ぎって言いたい所だけど、今回は目を瞑るわ」

マミ「さぁ、行きましょう」

まどか「はい」

藍「まどか! マミさん!」

まどか「藍ちゃん」

マミ「八雲さん」

藍「間に合った様ですね・・・行きましょう」

マミ「ええ」

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:51:05.34 ID:4RLwC4O6O
――【お菓子の魔女結界内】


ほむら「待ちなさい」

まどか「ほむらちゃん・・・」

マミ「なにしに来たのかしら?」

ほむら「今回の魔女は私が狩る」

ほむら「中の二人の安全も保証するわ」

マミ「キュウべぇの件は許したけど、あなたを信用した訳じゃないわ」シュルシュル

ほむら「馬鹿っ! こんなことしてる場合じゃ」

ほむら「今回の魔女はいつもとは違う、あなただけじゃ――」

マミ「負けるとでも言いたいの?」

マミ「心配しなくても、私は負けないわ」

マミ「覚えていたら帰りにほどいてあげる。行きましょう二人とも」

まどか「ほむらちゃん・・・」

マミ「鹿目さん! 行くわよ!」

まどか「は、はい」

藍《すく戻る》

ほむら《ええ、お願い》

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:51:55.54 ID:4RLwC4O6O
藍(頃合いか・・・あの扉を通ったときに入れ替わろう)


――少女移動中――


藍「ほむら、大丈夫か?」

ほむら「ええ、それより早く拘束を」

藍「わかってる。来い、前鬼」

ほむら「それが式神?始めて見たわ」

藍「驚かないんだな」

ほむら「異形の存在なら見慣れてるもの」スタッ

藍「そうか・・・」

藍「行こう」

ほむら「ええ。それより向こうは平気なの?」

藍「式と入れ替わったから、様子を見てまた入れ替わるよ」

藍「何かあっても、彼方の私が対応してくれるだろう」

ほむら「本当に便利なものね」

藍「さあ、急ごう」


*


マミ「もう、何も怖くない」

藍(良いタイミングだな。今のうちに入れ替わろう)

マミ「ティロ・フィナーレ」

まどか「やった!」

さやか「さっすがマミさん!」

お菓子の魔女「・・・」ズル

産地直送恵方巻「アーン」グァバ

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:52:30.55 ID:4RLwC4O6O
まどか「ま、マミさん・・・」ガクガク

さやか「マミさんが・・・食べられ・・・」ガクガク

キュウべぇ「まどか、さやか、藍! 早く契約を!」

ほむら「その必要は無いわ」

まどか「ほむら・・・ちゃん?」

まどか「あ! マミさん!」

さやか「マミさん! よかった!」

ほむら「あの魔女は私が狩る。あなたはそこに居なさい」

マミ「暁美さん・・・・・・」

藍(此処までは予定通り。後は仕上げを講じるのみ)


――少女戦闘中――


さやか「て、転校生・・・食べられちゃったよ」

まどか「さやかちゃん、あそこ!」

さやか「いつの間に!? 瞬間移動?」

ほむら「これで終わりよ」

お菓子の魔女「」ドガァドカンドカン

ほむら「マミ、大丈夫? あなた達も平気かしら?」

まどか「うん・・・」

さやか「転校生、助かったよ」

マミ「ごめんなさい・・・まだ脚が・・・」ガクガク

ほむら「掴まって、肩を貸すわ」

藍「・・・」スッ

藍「・・・」バチィン

71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:53:12.36 ID:4RLwC4O6O
ほむら「藍!?」

さやか「ちょっと藍、あんた何してんの!?」

まどか「藍ちゃん・・・」

藍「どれだけ自分に自信があるかは知らないが、他者の忠告を無視した挙げ句この様とは」

藍「慢心は油断を生み、油断は死を招く」

藍「マミ、君に戦う資格はない」

さやか「藍、あんた何言ってんのさ」

まどか「藍ちゃん、言い過ぎだよ・・・マミさんは私達の為に戦ってくれてるのに」

藍「人々の為に戦っているという心こそ傲りだ」

藍「マミ、君はヒーローにでもなったつもりか?」

藍「君は只の女の子だ、出来ることは限られている」

藍「君がどんなに崇高な志を持とうと、戦いとは非情で醜いものだ」

さやか「藍、そんな言い方無いだろ! あんたの事見損なったよ」

藍「なら、残酷な事実を伝えてやろう」

藍「ほむらが来なければマミは死んでいた」

藍「当然私達も無事では無かったろう」

藍「そして、その原因を作ったのは・・・彼女自身だ!」

藍「マミは、ほむらの忠告を無視したあげくリボンで拘束をした」

藍「ほむらが抜け出せてなければ、最悪全員死んでいただろう」

さやか「そんな・・・マミさん・・・・・・」

さやか「嘘ですよね・・・? マミさん」

マミ「本当よ・・・」

藍「マミ、悪いがこれ以上君とは付き合えない」

藍「命が幾つ有っても足りないからね」

藍「行こう。さやか、まどか」

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:53:48.70 ID:4RLwC4O6O
藍《マミの事を頼む》

ほむら《わかったわ》

藍「・・・・・・」

藍「ふう、ヒールを演じるのも苦労するな」

さやか「ヒールって・・・さっきの態とだったの?」

まどか(そんな・・・さやかちゃんが難しそうな言葉を知ってるなんて・・・)

藍「ああ、だが此で二人の蟠りも無くなっただろう」

藍「遣るべき事は沢山有るが、今日はその第一歩と言った所だ」

藍「ところで二人とも、まだ魔法少女になりたいかい?」

まどか「それは・・・」

さやか「あんなとこ見ちゃね・・・」

藍「其が普通だよ」

藍「ベテランのほむらはマミに捕らえられ、其のマミも隙を着かれ死にかけたんだ」

藍「戦わずに済むなら其に越した事はない」

藍「さあ、今日はもう帰ろう」

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:54:21.20 ID:4RLwC4O6O
――翌日放課後、病院


さやか「恭介ー、来たよ」

恭介「・・・」

さやか「どうしたの? 暗いよ恭介」

さやか「あ、今日はね―――」

恭介「さやかは、何でいつもお見舞いに来るんだい?」

さやか「それは・・・恭介の事が心配だから・・・」

恭介「本当は手の動かない惨めな僕を見て、優越感に浸ってるんじゃないのか?」

さやか「そんな訳ないじゃん! どうしちゃったの恭介?」

恭介「僕の手・・・もう動かないんだ」

恭介「医者に諦めろって言われたんだ。現代の医学では治らないって」

さやか「え? ・・・嘘・・・」

さやか「でも、藍だって言ってたじゃん。諦めなければいつかきっと治るって、恭介だってそう言ってたじゃんか」

恭介「さやかには分からないよ・・・」

恭介「どんなに希望を持ったって、その現実を突き付けられてしまったら・・・」

恭介「希望も、心の支えも、僕の全てが崩れ去ってしまったんだ!」

恭介「もうこんな手必要無いんだよっ!!」ガシャン

さやか「やめて! やめてよ恭介!」

恭介「痛みさえ感じない・・・」

恭介「奇跡や魔法でもない限り、治らないんだ・・・」

さやか「あるよ。奇跡も魔法も有るんだよ!」

恭介「慰めは止してくれ・・・・・一人にしてくれないか」

さやか「・・・」ダッ

藍「さやか?」オット

藍「・・・失礼するよ」コンコン

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:54:57.48 ID:4RLwC4O6O
恭介「・・・」

藍「さやかが飛び出して行ったが、何か有ったのかい?」

恭介「・・・」

藍「私でよければ話を聞こう」

藍「話した方が楽になる事も有る」

恭介「・・・僕の手」

藍「うん」

恭介「もう動かないんだ・・・医者に諦めろって……」

藍「そうか」

恭介「慰めたりしないんだね」

藍「慰めて欲しかったのかい? なら何故さやかにあたったんだ」

恭介「分かってる。さやかは何も悪くない」

恭介「でも・・・怖いんだ、堪らなく。その事実が・・・言葉が」

恭介「僕は・・・僕・・・は・・・」

藍「恭介」ギュッ

恭介「八雲さん!? なっなにを///」

藍「バイオリンが弾けなくたって恭介は恭介だ」

恭介「……でも、バイオリンが弾けない僕には何の価値も無いよ……」

藍「さやかがそう言ったのか? 私がそう言ったか?」

恭介「それは・・・」

藍「なあ恭介。何で君はバイオリンを弾くんだ? 誰の為に弾いているんだい?」

藍「自分の為かい? 君を評価してくれる大人の為か? それとも・・・」

恭介「僕は・・・・・・」

恭介「・・・・・・僕のバイオリンで・・・・・・さやかが笑ってくれたから・・・」

恭介「初めは・・・それだけだったんだ」

75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:55:32.23 ID:4RLwC4O6O
恭介「ただ、彼女の笑顔が見たかった」

恭介「でも、それももう叶わない」

恭介「さやかだって、僕のバイオリンが聴きたいから毎日お見舞いに来てくれたんだろう」

藍「合っているけど、百点満点では無いな」スッ

恭介「どう言うこと?」

藍「君達は似た者同士だな」

藍「笑って欲しいからさ」

恭介「笑顔の為・・・」

藍「なあ、恭介。前に進むだけが道じゃ無いだろう?」

藍「回り道をしたって良い。後ろに戻ったって良いじゃないか」

藍「後ろを振り返った時、そこには何がある? 誰が居る?」

藍「いつだって、さやかが居てくれるんじゃないのか?」

藍「立ち止まったって良い。君を支えてくれた人と笑い会えるのならね」

藍「いつかまた君が前に進む決心をしたとき、その時は私が道を照らそう」

恭介「八雲さん・・・」

恭介「・・・・・・?」

恭介「手が・・・指が動く・・・」

藍「何?」

藍「まさか・・・」

藍(さやかが契約を・・・)

藍「恭介、奇跡は簡単には起こらない」


76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:56:30.71 ID:4RLwC4O6O
藍「その代償は君が思うより大きいものだろう」

恭介「どう言うこと? 八雲さんは何か知ってるの?」

藍「一人の少女が悪魔と契約してしまったのさ」

恭介「まさか・・・さやかが」

藍「其はとても残酷な話だ」

恭介「さやかは? さやかに何があったの?」

藍「其を聞けば君は後悔するかもしれない、苦悩と呼ぶには重すぎる話だ」

恭介「それでも・・・・・・僕は聞きたい。さやかの身に何が起こったのかを」

藍「・・・いいだろう」

藍「恭介、君は宇宙人や幽霊を信じるかい?」

恭介「僕はさやかに何があったか聞いてるんだよ!」

藍「妖怪の存在は?」

恭介「・・・前の僕なら信じられ無かったと思う」

恭介「でも、それが何だって言うんだい?」

藍「先程悪魔と言ったが、あれは宇宙人らしい」

恭介「らしい?」

藍「私も人から聞いたのでな」

藍「其事態は疑っては無いが・・・話を戻そう」

藍「結果から言えば、さやかは宇宙人と契約し魔法少女となった」

恭介「魔法少女って、テレビや漫画の?」

藍「まあ聞け、質問には後で答えよう」

77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:57:27.61 ID:4RLwC4O6O
藍「たった一つの奇跡と引換に、さやかは戦いの宿命を背負ってしまった」

藍「魔法少女は魔女と呼ばれる存在と戦い続けなければならない」

藍「魔法少女は契約の際、ソウルジェムと呼ばれる宝石を生み出す」

藍「其は文字通り魂を結晶化させたものだ」

藍「魔法少女は無意識の内に、魂が抜け殻の肉体を操っている」

藍「当然只生活するだけで、ソウルジェムは魔力を消費し濁っていく」

藍「そして其の魂が濁りきった時、魔女へと変貌する」

藍「濁りを取り除くには魔女を狩り続け、魔女の持つグリーフシードを手にいれなければならない」

藍「終わりの無い戦いは彼女の身体を縛るだろう」

藍「誰からも称賛されない苦しみは彼女の心を蝕むだろう」

藍「そして最後には自らも魔女になる」

藍「其はお伽噺の様でとても残酷な話だ」

藍「……何か質問は?」

恭介「さやかは・・・・・・魔法少女になってしまったのかい?」

藍「恭介の手が治ったのが証拠だ。十中八九さやかは契約しているだろう」

藍「他の誰かが其を願うとは考えられないからね」

恭介「八雲さんも・・・魔法少女なのかい?」

藍「私は違うよ。此の話は別の魔法少女から聞いた」

恭介「八雲さんは平気なの・・・?」

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:59:18.76 ID:4RLwC4O6O
藍「平気な訳無いだろう。さやかには人のままで居て欲しかった」

藍「其のために君達に干渉していたが、運命は変えられなかったようだ」

恭介「さやかはこの事は?」

藍「知らないだろうな」

恭介「その宇宙人は、何でこんな酷いことをするんだい?」

藍「宇宙の延命の為らしい。魔法少女が魔女になる際エネルギーが発生するらしく」

藍「其を集め宇宙の寿命を延ばすのが目的らしい」

恭介「そんなことの為に・・・さやかは・・・・・・」

藍「ああ、許される事じゃない」

藍「恭介、今度は君がさやかを支えてあげるんだ。私も出来るだけの事はしよう」

恭介「わかった、さやかの事は任せてくれ」

藍「頼む」

藍「また来るよ」ニコ


79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 17:59:54.66 ID:4RLwC4O6O
――市街地


まどか「あれ・・・仁美ちゃん?」

仁美「あら、鹿目さん。ごきげんよう」

まどか「どうしたの仁美ちゃん、どこに行くの?」

仁美「ここよりも素晴らしい場所ですわ」

仁美「そうですわ、鹿目さんも一緒に行きましょう。それが良いですわ」グイ

まどか「わ・・・ひ、仁美ちゃん」

まどか(様子が変だよ・・・・・・!)

まどか「魔女の口付け・・・そんな!」

仁美「何をしているんですの?早く行きましょう」

まどか「そ、そうだね。行こう、仁美ちゃん」

まどか(このままじゃ仁美ちゃんが・・・)

まどか(マミさんに連絡しなきゃ!)

まどか(・・・駄目、あんなことがあったばかりなのに)

まどか(マミさんにお願い何て出来ないよ)

まどか(ほむらちゃんは番号知らないし・・・)

まどか(藍ちゃんなら・・・・・・藍ちゃんなら何とかしてくれるかも)


80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:00:30.60 ID:4RLwC4O6O
まどか[もしもし、藍ちゃん!]

藍[やあ、まどか。どうしたんだい?]

まどか[仁美ちゃんが大変なの、首に魔女の口付けがあって―――]

藍[落ち着いて、今どの辺りに居るか分かるかい?]

まどか[今は、××の辺りだよ。街外れの工場に向かってるみたい]

藍[わかった、直ぐに行くから絶対無茶はするな。ほむらには私から連絡しておくよ]

まどか[お願い、藍ちゃん]ピッ

藍《ほむら、仁美が魔女の口付けを受けた。分かるか?》

ほむら《箱の魔女ね。恐らくまどかも一緒ね》

藍《ああ、私は今向かってる。君も来てくれ》

ほむら《わかったわ》

ほむら「マミ、魔女が現れたみたいなの。悪いけどちょっと出てくるわね」

マミ「ええ、私の事は気にしないで」

ほむら「直ぐ戻るわ、帰ったら夕飯にしましょう」

マミ「ええ、待ってるわ」


81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:01:12.98 ID:4RLwC4O6O
――工場内


工場長「俺は駄目な奴だ・・・こんな小さな工場ひとつ満足に切り盛り出来なかった」

サラリーマン「こんなはずじゃない・・・・・・俺は・・・ホントはもっと出来るんだ」

OL「どうして・・・いつも私ばかり怒られなくちゃいけないの?」

まどか「ど、どうしよう・・・このままじゃ」

まどか「藍ちゃん、早く来て」

まどか「!」

まどか「あれは・・・前にママが混ぜちゃ駄目だって言ってた・・・!」

まどか「止めなきゃ!」ダッ

仁美「鹿目さん、邪魔をしてはいけませんわ。あれは神聖な儀式ですの」

まどか「でも、あれ危ないんだよ! 皆死んじゃうよ!」

仁美「そうですわ、私達は不浄な肉体を捨て、素晴らしい世界へ旅立ちますの」

まどか「そんなの間違ってるよ、死んじゃう事が素晴らしい訳無い!」

藍「まどかの言う通りだ」ガシャーン

まどか「藍ちゃん!」

「よくも儀式の邪魔を」

藍「何が儀式だ。とは言え、操られた人に言っても仕方ないか」ピッ

藍「そこで大人しくしていることだ」

藍(ほむらはまだ来ないか)

藍「まあいい、私の友達を苦しめた償いはして貰わねばな」

まどか「藍ちゃん、何したの?」

藍「捕縛の術を使ったんだ」

藍「まどかは仁美達と此処に居てくれ。私は魔女の元に行く」

まどか「大丈夫なの? ほむらちゃんを待った方が・・・」

藍「平気さ」


82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:01:46.77 ID:4RLwC4O6O
――【箱の魔女結界内】


藍「何もない空間だな」

藍「・・・早速御出座しか」

使い魔「××××××」

藍「邪魔だ」バラララララ

藍「弾幕も久しぶりだな。ごっこにすら成らないが」

箱の魔女「・・・・・・」

藍「あれが魔女か、ブラウン管のテレビにしか見えないが・・・」

藍「・・・元魔法少女でも容赦はしない」

藍「人を呪わば穴二つ」

藍「お前の分は私が掘ってやろう」

箱の魔女「××××××」ザーザザ

藍「精神攻撃か、下らない」

藍「そんなもの効くわけ無いだろう!」

藍「去ね」ガシャァン

藍「景色が戻っていく・・・終わったようだね」

ほむら「藍! まどかと仁美は無事?」

まどか「ほむらちゃん! 大丈夫だよ」

藍「二人とも無事だよ。すまないな、君を待たずに動いてしまって」

ほむら「構わないわ。それにしても、魔法少女でもないのに魔女を倒すなんて」


83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:02:29.72 ID:4RLwC4O6O
ほむら「あなたには本当に驚かされるわ」

さやか「あるぇ〜、さやかちゃんの出番は?」

ほむら「さやか、居たのね」

まどか「さやかちゃん!?」

藍「すまない、さやか。急を要したものでな」

さやか「あーうん、いいよいいよ」ワタシノデビューセンガ

ほむら「それより、早く引き上げましょう」

ほむら「警察に連絡したから、直に来るでしょう」

藍「そうだね。さやか、まどかを送ってあげてくれ」

藍「私は仁美を送るよ」

さやか「わかった、またね」

まどか「バイバイ。藍ちゃん、ほむらちゃん」

ほむら「またね」

藍「また明日」

藍「・・・・・・」

藍「結局さやかは契約してしまった」

ほむら「ええ、何とか魔女化しないようにしましょう」

藍「ああ、ほむらも無理はするなよ」

ほむら「平気よ」


84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:03:16.26 ID:4RLwC4O6O
――住宅街


仁美「ぅ・・・ん・・・ここは?」

仁美「藍・・・さん?」ボー

藍「気が付いたかい?」

仁美「私・・・一体・・・・・・」

藍「覚えてないか、君は集団自殺に巻き込まれていたんだ」

仁美「え?」

藍「兎に角、無事で何よりだ」

仁美「私が、集団自殺?」

藍「あの場に残していく訳にはいかないから私が連れて来たんだ」

仁美「ありがとうございます」

藍「君に気付いたのはまどかだよ、彼女にも後で礼を言って置くことだ」

仁美「はい・・・藍さんも、助けていただいて本当にありがとうございました」

仁美「志筑の娘が自殺だなんて何を言われるかわかりませんわ」

藍「しかし、集団自殺とは穏やかじゃないね」

藍「何か思い当たる事でもあるかい?」

仁美「・・・・・・」

藍「まあ、無理に聞きはしないよ。語らずとも、誰かが傍に居るだけで救われる事もある」

仁美「・・・・・・」

仁美「藍さんにとって・・・」

藍「ん?」

仁美「藍さんにとっての私ってなんなんですの?」

藍「・・・そうだね」

藍「私の淹れたコーヒーを、美味しそうに飲んでくれる女の子・・・かな」


85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:03:55.37 ID:4RLwC4O6O
仁美「それだけですの?」

藍「其だけさ」

藍「其が私の幸せであり、私の全てとも言える」

藍「別に難しく考える必要は無いさ」

藍「仁美はさ、志筑の名前を意識し過ぎなんじゃないか?」

藍「もっと自由にして良いと思うが」

仁美「自由・・・ですか?」

藍「悪い言い方をするなら、我が儘にって事だ」

藍「言われた事をこなすのも素晴らしい事だが、自分で考え行動するのも大切な事だ」

藍「たまには、親や周りの大人達に逆らうのも良いんじゃないか?」

仁美「そんなこと・・・・・・」

仁美「・・・確かに、少しも考えたこと無いと言えば嘘になりますが」

仁美「志筑の家に生まれた以上、仕方の無い事ですわ」

藍「君の言わんとする事は分かるさ」

藍「だが、これだけは言っておこう」

藍「私は“志筑”と友達になった訳ではない、仁美と友達になったんだ」

藍「仁美が自分の意思で何かを成す決心をしたなら、私は自分の全てを以て答えるよ」

仁美「藍さん・・・」

藍「着いた様だね。今日はゆっくり休むと良い」

藍「またね、仁美」

仁美「はい、また明日」

藍(仁美の問題はまだ時間が掛かりそうだな)


86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:04:32.88 ID:4RLwC4O6O
*


まどか「さやかちゃん、契約しちゃったんだね」

さやか「うん・・・どうしても叶えたい願いがあってね」

まどか「それって、上条君の事?」

さやか「まあね、やっぱり私はあいつにバイオリンを弾いていて欲しいんだ」

まどか「さやかちゃんは怖くないの? マミさんだってあんな目にあったのに・・・」

さやか「友達を無くす方がよっぽど怖いよ」

さやか「だから、後悔なんてあるわけ無いよ」

まどか「さやかちゃん、無理だけはしないでね」

さやか「まどかは心配性だなぁ、大丈夫だって!」

さやか「でも驚いたな〜、魔女を探してたらまどかと仁美が居るんだもん」

まどか「私もびっくりしたよ、さやかちゃん何にも言ってくれないんだもん」

さやか「ごめんごめん」

さやか「でも安心して、これからの見滝原は魔法少女さやかちゃんがガンガン守っちゃいますからね〜」

さやか「まどかは泥船に乗ったつもりで居なよ!」

まどか「それを言うなら大船だよ」

さやか「泥船じゃなかったっけ?」

まどか「全然違うよ、さやかちゃん」


87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:05:04.76 ID:4RLwC4O6O
――翌日


まどか「藍ちゃん、おはよう」

藍「おはよう、まどか、さやか」

さやか「おはよう、藍」

藍「後は仁美だけか、彼女が遅れるのは珍しいね」

さやか「そう言えばそうだね」

仁美「すみません、遅れましたわ」

藍「噂をすればなんとやら・・・」

まどか「おはよう、仁美ちゃん」

さやか「おはよう」

仁美「おはようございます」

仁美「お待たせしてしまったようで・・・申し訳ありません」

藍「構わないさ」

藍「それじゃ、行こうか」


88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:06:27.62 ID:4RLwC4O6O
――放課後


さやか「ごめん皆、私は病院に寄って帰るね」

藍「ああ」

まどか「うん、上条君によろしく」

藍「仁美は今日も稽古が有るのかい?」

仁美「はい、ですが少しでしたら時間が取れますわ」

藍「なら、今日は何時もの喫茶店に行こうか」


――病院


さやか「やっほー、恭介!」

恭介「やあ、さやか」

さやか「具合はどう?」

恭介「聞いてくれ、手が動くようになったんだ」

さやか「本当? 良かったね恭介!」

恭介「足の方はまだ治ってないから、退院するのは少し先になるかな」

さやか「他に悪いところは無い?」

恭介「大丈夫だよ、無すぎて怖いくらいさ」

恭介「ねぇ、さやか」

さやか「なに? 改まっちゃって」

恭介「昨日はごめん、僕が無神経だった・・・」

さやか「もういいじゃん、お互い悪かったってことで!」

さやか「今は治ったことを喜ぼうよ」

恭介「そうだね・・・でも実感が無くて」

さやか「うん・・・無理もないよね」

さやか「よし! この話しはこれでお仕舞い」


89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:06:56.88 ID:4RLwC4O6O
さやか「恭介、ちょっと一緒に来て!」

恭介「何処にいくんだい?」

さやか「ふふ〜、何処でしょう?」

恭介「これは・・・屋上?」

さやか「あはは、流石に気付くか」

恭介「屋上に何か有るのかい?」

さやか「着いてからのお楽しみだよ」

恭介「随分と勿体ぶるね」

さやか「まぁね・・・っと、着いたよ」

恭介「父さん? 母さんも・・・」

恭介「一体・・・」

上条父「お前からは処分してくれと言われたが、どうしても捨てられなくてな」

上条父「取っておいたんだ」

恭介「僕の・・・バイオリン・・・・・・」

上条父「弾いてみてくれないか」

さやか(これが私の願い)

さやか(後悔なんてある訳無い)

さやか(私、今最高に幸せだよ)


90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:07:31.36 ID:4RLwC4O6O
――展望台


杏子「・・・・・・」

キュウべぇ「本当に彼女と事を構える気かい?」

杏子「だってチョロそうじゃん」

杏子「瞬殺っしょ、あんな奴」

杏子「マミの奴がリタイアしたって聞いたから来たのに」

杏子「あんな奴に、こんな絶好の狩場を渡すなんてさ」

キュウべぇ「しかし、君の思うようには行かないかもね」

キュウべぇ「この街には他にも魔法少女が居るからね」

杏子「はぁ? 何さそれ」

杏子「そんなこと言ってなかったじゃんか」

キュウべぇ「聞かれなかったからね」

杏子「ふん、相変わらずだね」

杏子「で? 何者なのさ、そいつ」

キュウべぇ「僕にもよくわからない」

杏子「そいつもあんたと契約して魔法少女になったんでしょ?」

キュウべぇ「僕は彼女と契約した覚えがない、彼女は極めつけのイレギュラーだ」

キュウべぇ「どういう行動に出るか、僕にも予想出来ない」

杏子「上等だ、少しは楽しめそうじゃん」


91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:08:00.55 ID:4RLwC4O6O
――藍の部屋

藍「さやかが契約してしまったが、此からの方針はさやかの魔女化阻止でいいのかい?」ハイ コーヒー

ほむら「ええ、それについて何だけど」アリガト

ほむら「佐倉杏子を仲間にしようと思う」

藍「どんな子何だい?」

ほむら「利己的な魔法少女よ、GSを得るために使い魔を見逃したりしてるわ」

藍「何と言うか・・・さやかとは正反対な感じだな」

藍「大丈夫なのかい?」

ほむら「ええ、何時も反発し合いながらも一番仲が良いわ」

藍「ほう、さやかの嫌いなタイプだろうに」

藍「どういう訳だい?」

ほむら「杏子にも色々事情があるのよ」

ほむら「元はマミの様に正義を志す魔法少女だったの」

藍「なるほど、興味が湧いたよ」

ほむら「でも、和解するまでが大変よ」

ほむら「さっきも言ったけど、利己的で馴れ合うのを由としてない」

ほむら「何度か勧誘に失敗しているわ。相応の見返りを提示しても断られる事もあったわね」

ほむら「あ、おかわり頂戴」スッ

藍「わかった、私も慎重に動くとするよ」ハイハイ

藍「それで、その杏子がさやか対策って事かい?」

ほむら「ええ、近いうちに会いに行くつもりよ」

藍「私も同行しても構わないかい?」

ほむら「そのつもりよ」


92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:42:52.99 ID:4RLwC4O6O
ピンポーン

藍「はい、八雲です」

緒莉子[美国です。夜分にすみません]

藍「構いませんよ。どうぞ、上がって下さい」ピッ



藍「ようこそいらっしゃいました。此方にいらしたという事は少しは信用して頂けたのでしょうか」

緒莉子「それを見極めに来たのよ」

藍「左様でしたか。今お茶を入れますので少々お待ちを」

緒莉子「お構いなく」

藍「いえいえ、お客様にお茶も出さない等失礼ですわ」

藍「前回緒莉子さんにも頂きまたし、比べるべくもない事とは思いますが私のお茶も飲んでいってください」

緒莉子「そこまで言うのでしたら頂きましょう」

藍「ところで本日はキリカさんはご一緒ではないのですか?」

緒莉子「キリカは少し用がありまして……それにいつも一緒と言う訳ではありませんし」

藍「これは失礼しました。仲が宜しいようでしたのでご一緒にいらっしゃるものと思っておりました」

緒莉子「一緒には住んでいますが、常に一緒と言う訳ではありませんよ」

藍「それもそうですわね。どうぞ、お口に合うと良いのですが」

緒莉子「頂くわ」

緒莉子「……美味しい。私も自信があったのだけど……負けたわ」

藍「ありがとうございます」

緒莉子「ここならキュウべぇに盗聴される心配はないのでしたね」

藍「はい。まず敷地に一つ、そして建物全体に一つ、最後にこの部屋に一つ結界を張っております」

藍「あれもそれなりの科学力を持ってはいるようですが、私はそれ以上の者を知っておりますので」

緒莉子「結界?あなたは人間なのでしょう?」

藍「其れも含めて、お話致します」

93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:43:35.00 ID:4RLwC4O6O
藍「これからお話しすることは他言無用でお願い致します。尤も、こんな荒唐無稽な噺を信じれ無いでしょうが」

緒莉子「いいでしょう、話してください」

藍「先ず、先ほどの質問ですが、私は人間ではありません」

緒莉子「人間ではない?なら貴女も魔法少女だと言うのですか?」

藍「そう警戒しないでください、私は魔法少女でもありませんよ」

緒莉子(人間でも魔法少女でも無い? なら何だと…)

藍「私はあなた達人間が妖怪と呼ぶ存在です」

緒莉子「妖怪!? そんなものが居るはずがないわ」

藍「そうですね。この姿のままでは信じられないでしょう」ズズ…

緒莉子「なっ・・・その姿は!?」

藍「私は九尾の狐。主の命によってこの地に参りました」

藍「私の役目はこの地で起こる厄災を未然に防ぐことです」

緒莉子「厄災・・・最悪の魔女の出現ですね」

緒莉子「なら、鹿目まどかを殺すしか方法はないわ」

藍「必ずしも殺す必要はありませんよ」

藍「貴女達にとってもデメリットしかないでしょう」

緒莉子「なら如何すると言うのですか? 具体的な案がないのなら貴女と手を組むことは出来ませんわ」

藍「前にも言ったと思いますが、魔法少女に成っただけなら遣り様はあります」

藍「っと、その前に緒莉子さんは魔法少女についてどこまで知っていますか?」

緒莉子「最後には魔女になるという事は知っていますが」

藍「SGが自身の魂という事は知っていますか?」

緒莉子「・・・! いえ、それは知りませんでした」

緒莉子「でも、それが何か?」

藍「我々ほど魂の扱いに長けている者もいないでしょう」

藍「結晶化された魂を修復し体と定着させることも可能です」

94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:44:19.22 ID:4RLwC4O6O
緒莉子「つまり、人間に戻せるという事ですか!?」

藍「貴女達には出来なくても妖怪の私には出来るのですよ」

藍「或いは魔法少女自体に成れない様、力を封印する事も出来ます」

藍「まどかについては私の方で確実に対処します。貴女達が手を汚す必要はないのですよ」

緒莉子「わかりました。貴女の言葉を信じましょう」

藍「貴女さえ良ければここで人間に戻す事も出来ますが・・・」

緒莉子「いえ、それは遠慮しておきます」

緒莉子「救世の必要が無くなったとはいえ、遣るべき事が無くなった訳ではありませんので」

緒莉子「それに、キリカに何も言わず私だけ人間に戻るなんて出来ませんもの」

藍「そうですか・・・」

藍「緒莉子、世界は貴女に優しくないかもしれない。それでも、貴女が正しきことを続ける限り私は貴女の為に動くと約束しましょう」

藍「貴女の弱さも、悲しみも私が受け入れましょう。無理に変わろうとしなくていいのです、人には時間が必要なときがあります」

緒莉子「今が変わるべき時よ」

藍「なら、私と共に来ますか?」

緒莉子「ええ、私達の未来のために」

95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:47:02.01 ID:4RLwC4O6O
――翌放課後、いつもの喫茶店


ほむら「話って何?」

まどか「さやかちゃんの事何だけど」

まどか「ほむらちゃんも、さやかちゃんと仲良くして貰いたくて・・・」

ほむら「貴女は、それを私に言うの?」

ほむら「お願いしたければ、藍にでも言いなさい」

まどか「藍ちゃんに言ったら、任せとけって」

まどか「でも、ほむらちゃんにもお願いしたいの」

まどか「ほむらちゃんが仲良くしてくれたら・・・協力して戦ってくれたら」

まどか「ずっと安全だと思うんだ」

ほむら「・・・」

まどか「さやかちゃんはさ、思い込みが激しくて、意地っ張りで、すぐ人と喧嘩することもあるけど」

まどか「誰かの為に戦える、真っ直ぐな人なの」

ほむら「魔法少女としては致命的ね」

ほむら「度を越した優しさは甘さに繋がり、蛮勇は油断となる」

ほむら「そして、どんな献身にも見返りはない」

まどか「そんな言い方止めてよ!」

ほむら「さやかは契約すべきではなかった」

ほむら「さやかが契約したのは私のミスよ」

ほむら「だからと言う訳ではないけど・・・」

ほむら「なるべく気にかけるようにはするわ、でもそれだけよ」

まどか「ほむらちゃん・・・ありがとう!」


96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 18:47:42.37 ID:4RLwC4O6O
――病院


藍「やあ、恭介」

恭介「こんにちは、八雲さん」

藍「具合はどうだい?」

恭介「良すぎて恐いくらいさ」

恭介「でも、そのせいでさやかは・・・」

藍「今は其を言っても仕方ないさ」

藍「怪我の回復を喜ぶべきだ、その方がさやかも嬉しいだろう」

藍「それと魔法少女の件は、さやかから話してくるまで触れない方が良いだろう」

恭介「わかってる」

藍「ならいいさ」

藍「遅くなったが、お見舞いの品だ」

藍「甘いものは平気だったかな?」

恭介「大丈夫だよ、ありがとう」

恭介「さっきから良いにおいがするから気になってたんだ」

藍「お茶も持って来てるんだ」

藍「たまには一緒にどうだい?」

恭介「頂くよ」

恭介「これって手作りかい?」

藍「ああ、その方が愛が伝わるだろう?」

恭介「ぶっ」ゲホゲホ

恭介「冗談は止めてくれよ」

藍「ははは、すまん。君にはさやかが居るものな」

恭介「またそうやってからかって・・・」

恭介「八雲さんには、好きな人は居ないのかい?」

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:48:38.19 ID:4RLwC4O6O
藍「好きなひとか・・・」

藍「私には居ないな」

藍「だが・・・この身をかけて守りたいひとなら居るよ」

藍「ただそのひとの為だけに生きる」

藍「そう思わせるひとが」

恭介「八雲さんにそこまで言わせる人か・・・」

恭介「どんな人なんだい?」

藍「凄いひとだよ」

藍「私が最も尊敬し、敬愛している方だ」

恭介「八雲さんは本当にその人の事が大切なんだね」

藍「まあね」

恭介「でもそれって、その人を好きなんじゃないの?」

藍「恋愛感情とは違うさ」

藍(此の想いはそんな次元のものではないさ)

藍「ただ、この世の誰よりも大切なひとではあるな」

恭介「すごいな、そこまではっきりと自分の気持ちを口に出来るなんて」

藍「確かに想いを伝えるのは容易いことではないな」

藍「だが、口にしなければ何も伝わらないぞ」

恭介「それはそうだけど、そんなに簡単にはいかないよ」


98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:49:23.45 ID:4RLwC4O6O
藍「まあ、そう焦ることはないさ」

藍「ところで退院はいつ頃になるんだい?」

恭介「足の方も治りが早いみたいで、近いうちに退院出来るだろうってさ」

藍「そうか、なによりだ」

藍「退院前にはさやかにも伝える様に、彼女も喜ぶだろう」

恭介「そうするよ」

藍「それじゃ、私は行くよ」

恭介「アップルパイご馳走さま、美味しかったよ」

藍「構わないさ、私が好きでやっている事だ」

藍「また―――」

藍「次は学校で」ニコ


99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:50:27.40 ID:4RLwC4O6O
――さやかのマンション前


まどか「さやかちゃん!」

さやか「まどか?どうしたのさ」

まどか「その・・・一人で平気?」

さやか「平気だよ、マミさんだってそうしてきたんだし」

さやか「後輩としてこれくらいはやらなくちゃ」

まどか「私も連れていって貰えないかな?」

まどか「足手まといになるのはわかってる・・・付いていける所までで良いの」

さやか「頑張り過ぎじゃない?でも凄く嬉しい」

さやか「私の手、震えてるの分かる?」

さやか「魔法少女として戦って行かなくちゃいけないのに怖いんだ」

さやか「一人が心細いなんてさ、情けないよね」アハハ

まどか「そんなこと無いよ」

まどか「一人で戦える方が凄いんだよ」

さやか「まどか・・・うん、一緒に行こう」

さやか「私が守るから安心して、一緒に魔女をやっつけよう」

キュウべぇ「危険は承知のうえなんだね?」

さやか「一人だと無茶しそうだしさ、まどかがいると思えば冷静になれるよ」

キュウべぇ「考えがあっての事ならいいんだ」

キュウべぇ「まどか、君にも考えあっての事何だろう」

キュウべぇ「実際、君がいることで最悪の事態に備えて一つだけ切り札を用意できるしね」


100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:51:28.90 ID:4RLwC4O6O
さやか「!」

さやか「SGに反応が!」

キュウべぇ「この反応は使い魔の物だね」

さやか「こっちは初心者だし、簡単な方が良いよ」

キュウべぇ「油断しないで」

さやか「わかってる」パァァ

さやか「これでも食らえ!」

さやか「良し!当たっ―――」

ギィン

さやか「!」

さやか「弾かれた!?」

杏子「ちょっとちょっと、何してんのさ」

さやか「見りゃ分かるでしょ」

さやか「あぁ、逃がしちゃう!」

杏子「待ちなって、あれは使い魔だよ」

杏子「倒したところでGSは手に入らないよ」

杏子「あんた、そんなことも知らないのかい?」

さやか「あれを放って置いたら誰かが犠牲になるのよ」

杏子「それで良いのさ、4、5人食わせてやれば魔女になるんだし」

杏子「そうすればGSだって孕むんだから」

さやか「魔女にするために誰かを犠牲にするって言うの?」

杏子「あんた、食物連鎖って知ってる?」


101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:52:11.22 ID:4RLwC4O6O
さやか「・・・それがどうしたのよ」

まどか(さやかちゃん、知らないんだろうな)

杏子(小学校で習ったよな?)

杏子「弱い人間を魔女が食う、。その魔女を魔法少女が食う」

杏子「そう言う強さの順番何だよ」

杏子「まさか、やれ正義だの、やれ人助けだなんて」

杏子「おちゃらけた理由で契約したんじゃないよね?」

さやか「だったら何だって言うのよ!」

杏子「ちょっとやめてくれない?遊び半分で首突っ込まれるのは迷惑なんだよね」ヒュン

さやか(柄が分かれ―――)バキッ

さやか「ぐ・・・ぅ」ドサ

杏子「トーシロが、ちっとは頭を冷やしな」

さやか「ま・・・て・・・・・・」

杏子「へぇ?全治三ヶ月ってくらいには傷を負わせた筈なんだけどね」

さやか「生憎、私は癒しの祈りで契約したんだ」

さやか「回復力なら人一倍だよ」

杏子「だからなんだってのさ、そうやって傷の舐め合いをしてるのがお似合いだよ」

杏子「帰ってお友達に慰めてもらいな」

杏子「負け犬」

さやか「あんたみたいなのが居るから・・・」

さやか「あんたみたいなのが居るからマミさんが!」

杏子「―――――っ!」

杏子「うぜぇ、超うぜぇ」

さやか「だまれ!」

杏子「言って聞かせても分からない、殴っても分からないバカじゃ」

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 18:52:59.54 ID:4RLwC4O6O
杏子「後は殺しちゃうしか無いよねぇ」

さやか「負けない! 負けるもんか!!」

まどか「どうして・・・ねぇどうして味方同士で戦わなきゃいけないの?」

まどか「キュウべぇ、二人を止めてよ」

まどか「こんなのって無いよ」

キュウべぇ「僕にはどうすることも出来ない」

キュウべぇ「でも、どうしても力づくでも止めたいなら方法がない訳じゃないよ」

キュウべぇ「君が魔法少女になればいい」

キュウべぇ「あの戦いを止めるには、同じく魔法少女じゃなければ無理だ」

キュウべぇ「でも、君にはその資格がある」

キュウべぇ(もう一押しかな)

まどか「私が契約すれば・・・」

キュウべぇ「美樹さやかを助けたくないのかい?」

杏子「終りだよ」ジャキ

まどか「私・・・」

ほむら「それには及ばないわ」フワッ

杏子「なっ!?」スカッ

杏子「!」ハッ

さやか「え!?」

まどか「ほむら・・・ちゃん?」

さやか「お前・・・」

杏子「何しやがったてめぇ!」スカ

杏子「!」

杏子(まただ、どういう事だ・・・?)

さやか「転校生、邪魔しないで!」

103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:03:15.09 ID:4RLwC4O6O
ほむら「退きなさい、貴女に佐倉杏子の相手は無理よ」

さやか「あんたには関係ない!」

杏子「・・・あんた、何処かで会ったかい?」

ほむら「・・・」

藍「さやか、落ち着け」

さやか「藍? 止めないで!」

さやか「―――!」ビク

藍「お前か? さやかを虐めたのは」

杏子「〜〜〜〜っ!」ゾク

杏子(ヤバい、あいつはヤバい)

杏子(あたしの本能がそう告げている)

杏子「悪いがここは退かせてもらうよ」ガキン ヒュヒュン バッ

藍「さやか、頼むから無茶はしないでくれ」

さやか「だけどあいつは―――」

藍「さやか!」

さやか「―――っ」グッ

藍「私は君が心配なんだ」

藍「前にも言っただろう? 魔法少女とて万能ではない」

藍「君は君に出来ることをすればいい」

藍「一人で解決できない事は私達が力になる」

藍「相手を許せないのも解る。でも無茶はしないでくれ」

さやか「・・・ごめん、ちょっと意地になってた」

さやか「転校生も、ごめん」

ほむら「構わないわ」

藍「さやかが無事なら其で良いさ」

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:04:30.26 ID:4RLwC4O6O
まどか「ほむらちゃん・・・助けてくれたの?」

ほむら「・・・・・・あなたは」

ほむら「一体何度忠告させるの?」

ほむら「何処まで貴女は愚かなの」

まどか「ぅ・・・」

さやか「あんた、そんな言い方―――」

ほむら「貴女は黙ってて」

さやか「なっ?」ムカ

ほむら「貴女は関わりを持つべきではないわ」

ほむら「散々言って聞かせたわよね?」

ほむら「愚か者が相手なら、私は手段を選ばない」

まどか「っ!」

藍「ほむら、そこまでだ」

ほむら「・・・・・・」コツッコツッ

さやか「何なのさあいつ!」

さやか「少しはいい奴かもって思ったのに」

藍「ほむらは間違いなくいい奴だよ、少し不器用なだけさ」

藍「彼女の変わりに謝るよ。すまなかった」

さやか「藍が謝ることじゃ無いよ」

藍「私ももう行くよ」

藍「さやか、まどかの事を頼む」

さやか「わかった」

藍「ほむら、待ってくれー!」

さやか「藍は何であんなにほむらに気をかけるんだろ」

キュウべぇ「何にせよ、暁美ほむらが何を考えているか分からない以上気をつけて」

105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:05:30.06 ID:4RLwC4O6O
―――ゲームセンター


杏子「後に立たれると気が散るんだけど」

藍「すまない、前には立てなかったものでな」

杏子「そう言う事を言ってるんじゃ―――」

藍「単刀直入言おう」

藍「私達の仲間になってほしい」

杏子「やなこった」

藍「理由を聞いても良いかな」

杏子「そんなもんねぇよ」

藍「そうかな?」

藍「君は一見粗暴に見えて、その実とても洗練された言動をしている」

藍「相手の事を良く観察してると言える」

藍「考え無しにものを言ったりしないだろう」

杏子「まぁ、あたしだって得体の知れない連中に仲間になれって言われて」

杏子「はい、わかりましたって言うほどバカじゃないさ」

杏子「それに、あんたらの仲間になるってことは」

杏子「あの青いのや巴マミが居るってことだろ?」

杏子「尚更お断りだね」

藍「なるほど、しかし私達も其で諦める程物分かりは良くないよ」

藍「どうしても君の力がいる」

杏子「どうしてあたしに拘る」

杏子「仲間ならあいつらが居るし、あんたらだってそうとうな実力者だろ?」

ほむら「彼女達だけでは不十分よ」

ほむら「現状では巴マミに戦闘は不可能」

ほむら「美樹さやかも契約したばかりで力不足」

106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:06:08.73 ID:4RLwC4O6O
杏子「だから、なんでそんなに仲間が必要なのさ」

ほむら「2週間後にワルプルギスの夜が来る」

杏子「なぜ解る?」

ほむら「私達の能力に由るものよ」

杏子「あんた達の・・・ね」

ほむら「私はワルプルギスさえ倒せればそれで良い」

ほむら「やつを倒せたら私はこの街を出ていく」

藍「因みに、私も問題が解決したら此処を去る事になる」

ほむら「巴マミには話を通しておくから、後は貴女の好きにしたら良い」

杏子「ここを好きに出来るってのは魅力的だが」

杏子「あんた達には残って貰うよ」

杏子「あたし一人でマミとあのトーシロの相手はごめんだ」

杏子「あんた達に間に入って欲しい」

藍「それは、仲間になってくれると言うことかい?」

杏子「ああ、あんたらの事気に入ったよ」

杏子「まるで正反対の目をしているのに、瞳の奥には強い意思を感じる」

杏子「ほら、食うかい?」

藍「頂こう」ポリポリ

ほむら「貰うわ」パキッ

藍「二人ともこの後時間は有るかい?」

藍「よければ、家で夕餉でもどうかな?」

杏子「マジで? 行く行く!」

ほむら「藍の料理は絶品よ、当然私も行くわ」


107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:06:47.47 ID:4RLwC4O6O
――翌日、路地裏


キュウべぇ「時間が経ちすぎてる」

キュウべぇ「昨日の使い魔は完全に逃げてしまっているね」

さやか「そう・・・」

まどか「ねぇ、さやかちゃん」

さやか「?」

まどか「このまま魔女退治を続けてたら、また昨日の子と会うんじゃないの?」

さやか「当然そうなるだろうね」

まどか「だったらさ、先にあの子ともう一度会って、ちゃんと話をしておくべきじゃないかな?」

まどか「じゃないと、またいきなり喧嘩の続きになっちゃうよ」

さやか「・・・・・・」

さやか「喧嘩ねぇ・・・」

さやか「夕べのあれが、まどかには只の喧嘩に見えたの?」

まどか「・・・ぇ?」

さやか「あれはね、正真正銘殺し合いだったよ」

さやか「お互い嘗めてかかってたのは最初だけ」

さやか「途中からは、あいつも私も本気で相手を終わらせようとしてた」

まどか「そんなの・・・尚更駄目だよ」

さやか「だから話し合えって?」

さやか「バカ言わないでよ!相手はGSの為に、人間を餌にしようって奴なんだよ」

さやか「どうやって折り合い付けろって言うの?」

まどか「さやかちゃんは、魔女をやっつけるために魔法少女になったんでしょ?」

まどか「あの子は魔女じゃない、同じ魔法少女なんだよ・・・」

まどか「仲良くする方法だってきっとあると思うの」

まどか「やり方は違っても、魔女を倒したいって気持ちは同じでしょ?」

108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:07:20.66 ID:4RLwC4O6O
さやか「そんな訳無い!転校生だって何を考えてるのか解らないし」

さやか「やっぱり・・・マミさんだけが特別な魔法少女だったんだ」

まどか「そんな・・・それは違うよ」

さやか「夕べ逃がした使い魔は小物だったけど、それでも人を殺すんだよ?」

さやか「次にあいつが狙うのは、まどかのパパやママかもしれない」

さやか「たっくんかもしれない、それでもまどかは平気なの?」

さやか「放って置こうって奴を許せるの?」

さやか「私はね、ただ魔女と戦うだけじゃなくて、大切な人を守りたくて魔法少女になったの」

さやか「だから・・・魔女より悪い人間がいるなら、私は戦うよ」

さやか「それが、魔法少女でも」カツッカツッ

まどか「さやかちゃん・・・」

まどか「キュウべぇも何とか言ってよ」

キュウべぇ「僕から言わせて貰うと、無謀すぎるってことだけだ」

キュウべぇ「今のさやかでは、暁美ほむらにも佐倉杏子にも勝ち目はない」

キュウべぇ「でも、さやかは聞き届けてくれないよ」


109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:07:56.30 ID:4RLwC4O6O
――マミのマンション


ほむら「ご飯出来たわよ」

マミ「ありがとう。でも、病人って訳じゃ無いんだからこれくらい出来るわよ?」

ほむら「気にすることは無いわ、私が勝手にやっているだけだから」

マミ「素直じゃないのね」

ほむら(学校にも行けないのに良く言うわね)

ピンポーン

マミ「あら?誰か来たみたいね」

マミ「はい、巴です・・・って鹿目さん!?」

ほむら「え!?」

ほむら(何故まどかが)

マミ「ええ、良いわよ」

マミ「それと、今―――」

ほむら「私が居ることは言わないで」ボソッ

まどか[どうかしたんですか?]

マミ「ううん、今夕飯を食べていたところだから」

マミ「私だけ食事しながらになっちゃうけど」

まどか[す、すみません!お食事中に・・・」

マミ「平気よ、今開けるわ。玄関も開けておくからそのまま入って」ピッ

マミ「どうして鹿目さんには秘密なの?」

ほむら「そう言う訳ではないのだけど」

ほむら「酷いことを言ってしまった手前、会わせる顔がないの」

マミ「あなたって本当・・・」

ほむら「何よ?」

マミ「何でもないわ」

110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:08:38.22 ID:4RLwC4O6O
マミ「でも、もう少し素直になっても良いんじゃない?」

ほむら「善処するわ」ガラガラッ

ほむら「また来るわ」バッ

マミ「何も窓から出ていかなくても良いのに・・・」

まどか「お邪魔します」ガチャ

まどか「すみませんマミさん、こんな時間に・・・」

マミ「気にしないで」

マミ「待ってて、今お茶を淹れるわ」

まどか「い、いえ大丈夫です」

マミ「好意は素直に受け取って置きなさい」

まどか「す、すみません」

マミ「ふふっ、謝らなくていいのよ」

マミ「それで、今日は何かあったのかしら?」ハイ コトッ

まどか「ありがとうございます」

まどか「その・・・さやかちゃんの事なんですけど」

マミ「そう言えば契約したんだったわね」

まどか「あれ?何で知ってるんですか?」

マミ「暁美さんに聞いたのよ」

まどか「ほむらちゃんに?」

マミ「あれ以来、あなた達二人はあまり来てくれてないけど」

マミ「暁美さんと八雲さんは良く来てくれるわ」

マミ「八雲さんにいきなり土下座されたときは驚いたわね」クスクス

まどか「そんな事が・・・私全然知りませんでした」

マミ「美樹さんの事だったわね、佐倉さんとぶつかっているとか・・・」

まどか「そうなんです・・・止めたいのに、私じゃどうしようも出来なくて」

111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:09:21.90 ID:4RLwC4O6O
マミ「暁美さんも色々動いてくれているみたいだし、一度思いっきりぶつかってみるのも良いんじゃないかしら」

まどか「そんな・・・魔法少女同士で戦うなんておかしいですよ」

マミ「鹿目さん、戦わなきゃ答えの出ないときもあるのよ」

マミ(あの時の私はそれが出来なかった)

マミ(戦おうと、何度ぶつかろうと、この手を離さずにいれば・・・)

まどか「でも・・・さやかちゃんが遠くに行っちゃった気がして・・・・・・」

まどか「このままじゃ、取り返しの付かないことになりそうで」

マミ「佐倉さんの方は、暁美さんがなんとかしてくれるわ」

マミ「美樹さんの方は、私も話をしてみるけど」

マミ「出来るだけ鹿目さんが付いていてあげて」

まどか「はい・・・」

マミ「こんなことしか言えなくてごめんなさい」

マミ「本当なら、私が先頭に立って解決しないといけないのに」

マミ「まだ戦うのが恐いの・・・情けない先輩でごめんね」

まどか「そんな、今でもマミさんは私達の憧れの先輩ですよ」

マミ「ありがとう、そう言って貰えると嬉しいわ」

マミ「今日はもう遅いし帰りなさい」

まどか「はい・・・あの、また来ても良いですか?」

マミ「もちろんよ、いつでも来て頂戴」

まどか「はい、今度はさやかちゃんも連れてきます」

マミ「ええ、待ってるわ」

まどか「お邪魔しました」バタン


112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:10:06.13 ID:4RLwC4O6O
――藍のマンション


藍「それで相談って?」

仁美「最近さやかさん達と距離を感じてしまうんです」

仁美「何か、隠し事をされているような・・・」

仁美「藍さんなら、何か知っているのではないかと思いまして」

藍「ふむ」

藍「仁美に話さないのは友達を巻き込みたくないと思っての事じゃないか?」

仁美「それでも・・・友達として何の相談もないのは寂しいですわ」

藍「確かに私は、さやか達が何をしているか知っている」

仁美「でしたら!」

藍「さやか達が言わないのに私が言うわけにはいかないよ」

仁美「そう・・・ですか・・・・・・」

藍「さらに言えば、私はさやか達にも秘密にしていることがある」

仁美「さやかさん達にもですか?」

藍「私はある目的のため、ほむらと手を組んでいる」

仁美「暁美さんと?」

仁美「そう言えば、暁美さんが来た頃からでしょうか・・・」

仁美「私に隠し事をしていると感じるようになったのは」

藍「仁美は鋭いね」

藍「ほむらが現れたことで転機が訪れたのは確かだよ」


113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:10:43.68 ID:4RLwC4O6O
仁美「教えてくださいまし、ある目的とはなんですの?」

仁美「さやかさん達は何をなさっているんですの?」

藍「仁美は何故其を知りたいんだい?仲間はずれは嫌だから?逸れとも・・・」

仁美「勿論それもありますわ。でもそれ以上に、何も知らず、何も出来ない事が歯痒いんです」

仁美「さやかさん達が何か悩んでいるのは知っています」

仁美「私では力にはなれないかもしれない・・・でも話を聞くことは出来ます。せめて相談してくれたら・・・・・・」

藍「日常と非日常は常に危ういバランスの上で成り立っている」

仁美「藍さん?」

藍「幻想の世界はいつも隣に在る」

藍「さやか達は非日常の世界に足を踏入れてしまった」

藍「私から言えるのは其くらいだ」

仁美「非日常の世界・・・」

藍「もう一つ、君が口外しないと誓えるなら秘密を教えよう」

藍「これは私に関する事だが、ほむらにも話していないことだ」

藍「つまり、私と仁美だけの秘密と言うことになる」

仁美「何故、私にそれを?」

藍「今の私に言えるのは自分の事くらいだ」

藍「それに・・・秘密を共有するって何か特別な感じがするだろう?」ニヤッ

仁美「確かに、ちょっとワクワクしますわね」クスッ

藍「だが、これを聞いたら君も非日常の世界に足を踏み入れることになる」

藍「君にその覚悟はあるか?」


114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:12:29.17 ID:4RLwC4O6O
仁美「どんな世界であろうと、私はそれを受け止めるだけですわ」

仁美「教えてくださいまし、藍さんの秘密を・・・」

藍「わかった・・・」

藍「私は非日常の・・・・・・幻想の世界から来た」

藍「今は人の姿をしているが、私は人間ではない」

藍「君達が妖怪と呼ぶ存在だ」

仁美「妖怪・・・・・・ですか?」

藍「言葉だけでは信じられないだろう」ドロロンパ

藍「これで信用してもらえたかしら?」

仁美「なっ!? あ? え?」

藍「驚かせてすまないね、私は九尾の狐。此が本当の私の姿よ」

藍「此の地には主の命で来たの」

藍「私はその目的を果たしたら彼方へ帰るわ」

仁美「そ・・・その目的とはなんなんですの?」

藍「此の地で起こる災いを未然に防ぐこと」

藍「今からおよそ二週間後に、それは起こるわ」

仁美「それは、確かなことなのですか?」

藍「ええ、なにもしなければ間違いなく起こる」

藍「その前触れとしてスーパーセルが発生するわ」


115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:13:45.24 ID:4RLwC4O6O
藍「其だけでもかなりの被害になるでしょうね」

仁美「そんな・・・・・・一体どうすれば・・・・・・」

藍「その為に私が居るのよ。スーパーセルにも原因があるわ、其を倒せば危機は回避できるでしょうね」

藍「但し、自然災害は避けられないでしょうから、避難する必要はあるわね」

藍「仁美には、その際の避難場所の確保と迅速な避難が出来るよう手を回して貰いたいの」

仁美「解りましたわ、私も全力でバックアップさせて頂きます」

藍「ありがとう」

仁美「あのっ! 藍さん、お願いがあるのですが」

藍「何かしら? 私に出来ることなら構わないわよ」

仁美「その・・・・・・尻尾に触らせ頂けますか?」

藍「ああ、其くらい構わないよ」モフリ

仁美「あふ・・・・・・」ビクン

仁美「し、失礼致しました///」

仁美「ふかふかもふもふですのね」モフモフ

藍「自慢の尻尾だもの」フリフリ


――少女もふり中――


藍「日も暮れてきたけど、どうする?」

仁美「そうですわね、そろそろ御暇させて頂きますわ」

藍「なら送っていくわ、夜道は危ないもの」ドロン


116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:14:22.42 ID:4RLwC4O6O
――鹿目家


まどか「ママ、ちょっといいかな?」

まどか「・・・・・・」

まどか「友達がね、大変なの」

まどか「やってることも、言ってることも、多分間違ってなくて」

まどか「なのに、正しいことを頑張ろうとすればする程、どんどん酷いことになっていくの」

詢子「良くあることさ」

詢子「正しいこと積み上げていってもハッピーエンドになるって訳じゃない」

詢子「寧ろ皆が皆自分の正しさを信じ込んで意固地になる程に、幸せは遠ざかって行くもんだよ」

まどか「間違ってないのに幸せになれないなんて・・・酷いよ」

詢子「・・・そうだねぇ・・・・・・」

まどか「私・・・どうすれば良いんだろう?」

詢子「そいつばかりは他人が口を突っ込んでも綺麗な解決にはならないな」

まどか「・・・・・・」


117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:15:01.48 ID:4RLwC4O6O
詢子「・・・例え綺麗じゃない方法だとしても、解決したいかい?」

まどか「・・・うん」

詢子「なら、間違えればいいさ」

まどか「え?」

詢子「正しすぎるその子の分まで、誰かが間違えてあげれば良い」

まどか「間違える?」

詢子「ズルイ嘘をついたり、怖いものから逃げ出したり・・・でもそれが、後になって正解だったって分かることもある」

詢子「他にどうしようもない程どん詰まりになったら、逸そ間違えるのも手なんだよ」

まどか「それがその子の為になるって、分かって貰えるかな?」

詢子「分かって貰えないときもある・・・特に直ぐにはね」

詢子「言ったろう? 綺麗な解決じゃないって」

詢子「その子の事諦めるのと、誤解されるの・・・どっちがましだい?」


118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:16:11.68 ID:4RLwC4O6O
――上条邸前


さやか「恭介、退院したって言ってたよね」

さやか「話って何だろ?」

さやか「・・・うー緊張してきた」

さやか(バイオリンの音・・・本当に治ったんだ)

さやか(・・・恭介)

杏子「そんなところで何してんのさ」

さやか「あんたは・・・!」

杏子「会いたいなら会えば良いじゃないか」

さやか「あんたには関係無い!」

杏子「ここの坊やなんだろ? あんたの願いの対象は」

さやか「だったらなんだって言うのよ」

杏子「たった一度の願いを他人のために使うなんて馬鹿な事したもんだね」

さやか「何も知らないくせに、知ったようなことを言うな!」

杏子「分かってないのは、あんたの方だ」

杏子「魔法ってのは徹頭徹尾自分の為に使うもんだよ」

杏子「他人の為に使ったってろくな事にはならないのさ」

杏子「巴マミはそんな事も教えてくれなかったのかい?」

さやか「黙れ!」

さやか「私は、あんたとは違う!」

さやか「この力は、ひとの為に使うと決めたんだ」

さやか「マミさんだって、ずっとそうやって来たんだ」

杏子「それでどうなるってのさ」

杏子「誰もあんたを見ちゃくれない。ここの坊やもね」

杏子「あんただって、本当は分かってるんだろ? だから会いに行けず、ただ眺めているだけしか出来ない」

119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:17:02.70 ID:4RLwC4O6O
さやか「そんなことはない! 私はただ確認してただけだ」

さやか「私の願いを、私の守りたいものを」

杏子「そんなことしないと、もう忘れてしまいそうなのかい?」

杏子「所詮はその程度の願いだった訳だ」

さやか「違う!」

杏子「坊やを物にしたいなら冴えた手が有るじゃないか」

杏子「折角手に入れた魔法でさぁ」

さやか「・・・何なのさ?」

杏子「今すぐ坊やの家に乗り込んでいって、二度と手足が使い物にならないよう潰してやりな」

さやか「な・・・!?」

杏子「あんたなしじゃ生きられない体にしてやるのさ」

杏子「そうすれば、身も心も坊やはあんたのものだ」

さやか「―――っ!」

杏子「気が引けるってんなら、あたしが変わりに引き受けても良いんだよ?」

杏子「同じ魔法少女のよしみだ」

杏子「御安い御用さ」

さやか「お前だけは・・・お前だけは絶対許さない!」

杏子「場所を変えようか、着いてきな」


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:17:53.53 ID:4RLwC4O6O
――歩道橋


まどか「さやかちゃん、ダメ!」ウェイ

さやか(SGが!)

ほむら「はっ!?」カチ

杏子(消えた・・・あいつは何処に?)

さやか「まどか、あんた何て事をしてくれたの」

まどか「だってこうしないと・・・さやかちゃん、あの子と戦ってたでしょ?」

さやか「そうだよ!そのつもりでここに来たんだ!」

杏子「なああんた、何でSGを投げ捨てたんだ?」

キュウべぇ(おかしい・・・SGはとっくに100m圏外に行っている筈なのに)

キュウべぇ(何でさやかの体はまだ動いているんだ?)

まどか「だって、変身できなければ戦いにならないんじゃないかって思って・・・」

杏子「そりゃ、あたしだって生身の魔法少女と戦うほど馬鹿じゃないけどさ」

杏子「あんたの行動は突拍子も無さすぎる」

杏子「いくらなんでもSGを投げるなんて普通じゃねぇ」

キュウべぇ「杏子の言う通りだよ、まどか」

キュウべぇ「いきなり友達を投げ捨てるなんてどうかしてるよ」

まどか「なに?どう言うこと?」


121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:19:03.70 ID:4RLwC4O6O
鴉「カァー」

ほむら「鴉?」

ほむら「あれは!美樹さやかのSG」

ほむら「どうして鴉が?まぁ良いわ、返してもらうわよ」チャキ

鴉「やあ、ほむら。遅かったね」

ほむら「!?」

ほむら「この声・・・藍なの?」

鴉「ああ、式神を介してしゃべっているんだ」

鴉「しかし君らしくないな、こんなことになるとは」

ほむら「ええ、まどか行動を読めなかった私のミスよ」

鴉「それよりも、さやかのSGを早く渡してやれ」

鴉「あいつが余計なことを言う前にね」

ほむら「そうね。助かったわ、藍」

鴉「気にするな」


122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:20:16.98 ID:4RLwC4O6O
*


キュウべぇ「だから、さやかはさっき君が投げ捨てちゃったじゃないか」

まどか「キュウべぇ・・・何を言っているの・・・?」

キュウべぇ「何故さやかがまだ動けているかは分からないけど、そっちは脱け殻なんだってば」

さやか「私が脱け殻? 何を言ってるのよ? 説明して!」

キュウべぇ「やれやれ、人間と言うのは理解が遅くて困るね」

キュウべぇ「良いかい? 魔法少女と契約を取り結ぶ僕達の役割は、君達の魂を抜き取りSGに変換することなんだ」

さやか「何よ・・・それ・・・」

杏子「そんなの聞いてねぇぞ! それじゃあたし達・・・ゾンビにされたようなもんじゃねえか」

キュウべぇ「むしろ便利だろう? そのお陰で君達は今日まで戦って来れたんだ」

キュウべぇ「心臓が破裂しようと、ありったけの血を抜かれようと、魔法を使えば元通りだ」

キュウべぇ「そもそも壊れやすい人間の体で戦ってくれだなんて、とてもじゃないけどお願い出来ないよ」

ほむら「もういいわ、消えなさい」ゴリッ

キュウべぇ「どうやら無事見つけられた様だね」

ほむら「聞こえ無かったのかしら?」パスッ

キュウべぇ「」グチャ

まどか「ひっ・・・」

キュウべぇ「無駄なことだと分かってるくせに」スッ

さやか「え? キュウべぇがもう一匹?」

キュウべぇ「無暗に個体を潰すのは止めてくれないかな、勿体ないじゃないか」モグモグ

杏子「なっ・・・自分の死体を喰ってやがる・・・」

ほむら「これで分かったでしょう?コイツらがどういう存在か」

さやか「ねぇ、転校生はこの事知ってたの?」

ほむら「・・・ええ、知っていたわ」

さやか「だったら・・・」

さやか「だったら! なんで教えてくれなかったのさ!!」

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:21:11.45 ID:4RLwC4O6O
ほむら「私も藍も忠告したわよね、こんなものになるべきじゃ無いと」

ほむら「それとも、知っていたら契約しなかったのかしら」

ほむら「私はね・・・自分の人生を、命を捨ててでも叶えたい願いがあった」

ほむら「あなたは違うのかしら? 美樹さやか」

まどか「・・・・・・ほむらちゃんの願いって?」

ほむら「・・・今となってはもう遅い。人に戻ること何て出来ないのだから」

ほむら「これからどうするか考えておきなさい」

ほむら「失礼するわ」

さやか「何だよ・・・それ・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・」

杏子「・・・」


124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:22:05.80 ID:4RLwC4O6O
――藍のマンション


藍(さやかにばれてしまったか)

藍(自暴自棄になってなければ良いが・・・)

藍(さて、次はどう動くか考えねばな)


――さやかの部屋

さやか「騙してたのね・・・私達を・・・」

キュウべぇ「僕は魔法少女になってくれと、きちんとお願いしたはずだよ」

キュウべぇ「実際の姿がどう言うものか、説明は省略したけれど」

さやか「何で教えてくれなかったのよ!」

キュウべぇ「聞かれなかったからね」

キュウべぇ「それに、暁美ほむらも言っていただろう」

キュウべぇ「君は真実を知ったら契約をしなかったのかい?」

キュウべぇ「あの願いは、間違いなく君の心からの願いだったはずだよ」

キュウべぇ「戦いの運命を受け入れてでも叶えたい願いがあった」

キュウべぇ「それは間違いなく叶ったじゃないか」


125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:23:28.91 ID:4RLwC4O6O
――翌日 学校


藍(さやかは休みか)

藍《ほむら、この時期のさやかの状態と傾向を教えてくれ》

ほむら《どうするつもり?》

藍《無論彼女を救う。放っておけば不味いことになるのは明らかだ》

ほむら《一筋縄ではいかないわよ》

ほむら《真実を知った彼女はまどかの手さえ払い除けているもの》

藍《それでもだ。私は誰かを諦めたくはない》

ほむら《あなたならそう言うでしょうね》

ほむら《美樹さやかの事はあなたに任せるわ》

藍《任せてくれ。それで、さやかは?》

ほむら《この時期の彼女は非常に不安定よ》

ほむら《志築仁美からの宣戦布告により、それはより悪化する事になる》

藍《其については大丈夫だろう。恭介の心はさやかに向いている》

ほむら《あなた、何かしたの?》

藍《まあ、少しな》

藍《ひとつ問題が有るとすれば、さやかが其を素直に受けられるかどうかだ》

ほむら《そうね・・・今の彼女は意固地になってる》

藍《さやかが自分の心と向き合ってくれればいいんだがな》

藍《とは言え、そんな簡単には割り切れないか》


126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:24:11.42 ID:4RLwC4O6O
ほむら《ええ、魔法少女の真実を知ったからこそ悩み苦しむことになる》

ほむら《やはり、彼女は魔法少女に成るべきではなかった》

藍《今更其を言っても仕方ないさ》

ほむら《・・・・・・》

ほむら《美樹さやかは今後、自棄になり魔女狩りを続けて行くわ》

ほむら《痛覚を遮断し、傷付く事も構わず戦い続ける》

ほむら《そうなってしまえば本当に最後よ》

藍《わかった。そうなる前に何とかするよ》

藍《杏子はどうする?》

ほむら《杏子も美樹さやかに接触するでしょうね》

ほむら《早ければ今頃会ってるかも知れないわ》

藍《そうか・・・》

ほむら《杏子とも話をして三人であたっていきましょう》

藍《わかった》


127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:24:52.22 ID:4RLwC4O6O
――昼休み、屋上


まどか「ほむらちゃんは知ってたんだよね・・・どうして教えてくれなかったの?」

ほむら「前もって話しても、信じてくれた人は今まで一人も居なかったわ」

まどか「キュウべぇはどうしてこんな酷いことをするの?」

ほむら「あいつは酷いとさえ思ってない、人間の価値観が通用しない生き物だから」

ほむら「何もかも奇跡の正当な対価だと、そう言い張るだけよ」

まどか「全然釣り合ってないよ・・・あんな体にされちゃうなんて」

まどか「さやかちゃんは、ただ好きな人の怪我を治したかっただけなのに・・・・・・」

ほむら「奇跡であることに違いはないわ」

ほむら「不可能を可能にしたんだから」

ほむら「美樹さやかが一生を費やして介護しても、あの少年が再び演奏をできる日は来なかった」

ほむら「奇跡はね、本当なら人の命でさえ購えるものでは無いのよ」

ほむら「それを売って歩いてるのがあいつ」

まどか「・・・・・・」

まどか「さやかちゃんは・・・元の暮らしには戻れないの?」

ほむら「人には出来ることと出来ないことがある。魔法少女であってもそれは変わらない」

ほむら「私や藍が如何に尽力しようと、結局は美樹さやか自身が折り合いを着けるしかない」

ほむら「あなたには彼女を救う手だてなんて無い、あなたが引け目を感じる必要もない」

まどか「ほむらちゃん・・・どうしていつも冷たいの?」

ほむら「そうね・・・・・・きっともう人間じゃないから、かもね」


128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:25:36.28 ID:4RLwC4O6O
――廃協会


――少女身の上話中――


杏子「親父に全てのからくりがばれて、それでこのありさまさ」

杏子「あたしを残して一家無理心中」

杏子「他人の都合も考えずに勝手な願いをしたせいで、大切だったものはみんなこの手を零れていっちまったよ」

杏子「その時さ、馬鹿なあたしでも漸く分かったんだ。奇跡ってのはタダじゃない」

杏子「希望を願った分だけ、それと同じ分だけ絶望もまき散らされる」

杏子「そうやって差引をゼロにして世の中ってのはバランスが成り立ってるんだよ」

さやか「どうしてそんな話を私に……?」

杏子「あんたも開き直って好き勝手にやればいい。自業自得の人生をさ」

さやか「それって変じゃない? あんたは自分のことだけ考えて生きてるはずなのに、私の心配なんかしてくれるわけ?」

杏子「あんたもあたしと同じ間違いから始まった。これ以上後悔するような生き方を続けるべきじゃない」

杏子「あんたはもう対価としては高すぎるもんを支払っちまってるんだ」

杏子「だからさ、これからは釣り銭を取り戻すことを考えなよ」

さやか「……あんたみたいに?」

杏子「そうさ。あたしはそれを弁えてるが、あんたは今も間違い続けてる。見てらんないんだよそいつが」

さやか「あんたのこといろいろ誤解してた。そのことは謝るよ……ごめん」

さやか「でもね、私は人のために祈ったことを後悔してない」

さやか「その気持ちを嘘にしないために、後悔だけはしないって決めたの……これからも」

杏子「なんであんたは……」

さやか「私はね、高すぎる物を支払ったなんて思ってない」

さやか「この力は使い方次第でいくらでも素晴らしい物に出来るはずだから」

さやか「それからさ……あんた、そのりんごはどうやって手に入れたの?お店で払ったお金はどうしたの?」


129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 19:27:38.30 ID:4RLwC4O6O
杏子「いや、藍に貰ったんだけど……」

さやか「え? あ……そうですか」

さやか「なんか……ごめん」

杏子「別にいいけどさ、疑われるようなことしてるあたしが悪いんだし」

さやか(気まずい!)

さやか「な…なんであんたが藍からりんごを貰ったりしてるのさ!」

杏子「今は手を組んでるからね。利害が一致すれば手を組むのはどこの世界も同じだろう?」

さやか「あんたが裏切らないって保証はどこにも無いだろ」

杏子「それはあいつらにも言えることだ。まだ手を組んだばかりだし、これ見よがしに隙を見て襲い掛かってくるかもしれない」

杏子「それでもさ、信じてみてもいいかもって思わせてくれるのさ……あいつは」

杏子「なにより藍の飯は旨いし、食に対する妥協の無さは好きだしね」

さやか(完全に胃袋つかまれてるじゃん)

さやか「そ……そういう事なら、私も信じてあげるよ!」

杏子「いや、別にいい」

さやか「何でよ!? 私だけ仲間はずれみたいじゃん!」

杏子「と言ってもさっきの今だしなぁ」

さやか「私たちは魔法少女なんだよ! 他に同類なんて居ないんだよ!?」

藍《杏子、そろそろご飯だから帰ってきてくれ》

杏子《お! もうそんな時間か。すぐ戻る》

杏子「悪いな、飯の時間だから帰るわ」

さやか「おかしいでしょ! なんでこのタイミングで帰るのよ」

杏子「だって温かい飯のが旨いだろ?」

さやか「そういうことを言ってるんじゃない!」ダンダンッ

杏子「情緒不安定すぎだろ……じゃぁあんたも早く帰りなよ」

さやか「ちょっと待って、私も一緒に行く!」

130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 19:29:06.22 ID:4RLwC4O6O
杏子「はぁ? 飯時に行きなり来るとか非常識にも程があるだろ」

さやか「う……てか、何処に行くつもりよ?」

杏子「何処って、藍の家だけど?」

さやか「はぁ!? 何で藍の家に……ってそういや手を組んでるんだっけ」

杏子「そういう訳だから。またな」

さやか「ちょちょちょちょ……待ってってば」

杏子「なんだよ、まだ何か用か?」

さやか「う…えーっと……その」

杏子「別に今日じゃなくてもいいだろ? 考えをまとめてからにしてくれ。早くしないとほむらに皆食われちまう」

さやか「なんでそこで転校生が出てくるのさ」

杏子「手を組んでるって言ったろ。最近は三人で飯食ってるんだ」

藍《杏子、早くしてくれ。ほむらがすごいそわそわしてる》

杏子《今いく!》

さやか「ねぇやっぱり私も一緒に行っていい?」

杏子「それはあたしが決める事じゃないね。だいたいさ、親が居る奴は親と食うべきなんじゃないの?あんたの為に作ってくれてるんだろ」

さやか「それは……そうだけど」

杏子「そう言う訳だからまたなー」バッ

さやか「あ、ちょっ」

さやか「……もう居ない」

さやか「親と食べるべき……か」

さやか「今まで当たり前に思ってた事って、別に当たり前でもなんでもなかったんだよね…」

さやか「帰ろう…」


131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 20:17:38.54 ID:Ynky+2Qyo
期待しかない
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 20:25:41.41 ID:MnB5cCIvO
ええぞ
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 23:15:08.46 ID:04CIKkrqo
すっげえ文量だ
楽しみ
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 08:12:16.78 ID:A26Xsmu7o
キリンがさかだちしたピアス
フラッグチェックのハンチング
ユニオンジャックのランニング
232.93 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)