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ぐだ男「おうち帰る」 マシュ「は?」
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154 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/11(月) 20:11:16.66 ID:iMg8tRJp0
休憩します!
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/11(月) 20:34:15.39 ID:iE3nrCtto
ラフムの事をマシュって言うのやめろよ!
156 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/11(月) 20:36:27.61 ID:iMg8tRJp0
十分後
マシュBB「……というわけで、私がここからカメラ搭載ドローンで二人を監視する感じで」
エリザ「これ私のときにも使われるんだ、と思うと複雑だけど、今は心強いわ。やるじゃないBB」
マシュBB「えへへー。それほどでもー!」
エリザ「でもマシュの顔でBBの笑顔されると吐きそうになるから笑わないで?」ニコニコ
マシュBB「そろそろ訊こうかと思っていたんですが、なんでみんな私に当たり強いんですか。この旅を手配したのも私ですよ?」
デオン「自分を知れ」
茨木「そもそもBB。汝、吾らのこと好きじゃないだろう?」
BB「……」
BB「てへっ?」
デオン「お前のそういう自分に不利な質問をされたときに適当にはぐらかすところを一番信用していない」
157 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/11(月) 20:40:32.45 ID:iMg8tRJp0
エリザ「ねえ。さっそくコレ飛ばしてみせてよ」
マシュBB「えー。今ですかー? しょうがないですねー」
カチッ ブゥゥゥン
デオン「おお。飛んでるな」
茨木「ふむ。だが動かせない、というのでは笑い話にもならんぞ?」
マシュBB「大丈夫ですよーっと。ほらほら」
ブゥゥゥン
エリザ「きゃあ!? こっちに飛ばさないでよ!」
マシュBB「逃げろ逃げろーーー! 迷宮の出口に向かってよーーー!」ゲラゲラ!
ザザッ
BB(ん? 本体の方で何かがあったようですね。一体何が……ッ!)
158 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/11(月) 20:44:44.41 ID:iMg8tRJp0
カルデア
BB「なんか心配になっちゃって、ついに巌窟王さんの方にもカメラ飛ばしちゃいました……」
BB「さぁて、どうなってるかな。そろそろ脱出できたかなー」
ピッ
巌窟王「」プカー
赤松「巌窟王さんが水槽の中でぷかぷか浮いてるーーーッ!」ガビーンッ!
最原「巌窟王さーーーんッ!」
ガブガブガブッ
百田「ま、まずい! 巌窟王がピラニアに食われッ……!」
巌窟王の骨「」ジャァァァン!
アンジー「骨になっちゃったね」
最原「今度こそ絶対死んだーーーッ!」ガビーンッ
BB「ブーッ!?」
159 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/11(月) 20:47:43.14 ID:iMg8tRJp0
マシュBB「がっ、巌窟王さーーーん!?」ガビーンッ
エリザ「ぎゃあああああ!」ガリガリガリッ
茨木「おいBB! BB! エリザの角がドローンに削り取られているぞ! BBィーーーッ!」
マシュBB「……あっ。令呪一角で復活した……よかったー、ギリギリ間に合って」フー
エリザ「なくなるー! なくなるー! 私のチャームポイントがなくなっちゃうー!」ガリガリガリッ
デオン「やっぱりBBは信用するべきじゃないな」
160 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/11(月) 20:53:09.60 ID:iMg8tRJp0
休憩します!
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/12(火) 09:50:08.29 ID:WOv1jxLJ0
乙乙
これ、英霊を食べたピラニアぇ…。
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/12(火) 10:00:19.92 ID:KPyRZKd0o
そのピラニアを焼いて食べたら油が飛んで親指に直撃にワンチャン
163 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 22:13:14.74 ID:3k0JJ4pp0
ぐだ男&ジャックサイド
ジャック「……」
ジャック「今、なんて言ったの?」
ぐだ男「俺の家はしばらく連れて行かない。このままどこかで遊ぶぞ」
ジャック「マジカルなステッキの出番?」ギャランッ
ぐだ男「ナイフだそれは。落ち着け」
ジャック「マジ狩る腹裂くー……」キャルンキャルン
ぐだ男「物騒な呪文やめて。仕方ないだろ、うちの両親二日酔いなんだから」
ジャック「むー」
ぐだ男「その代わり、今からドンキ行って、適当なボール買ってさ。公園で遊ぼう?」
ぐだ男「ダメか?」
ジャック「……仕方ないなぁ」ニコッ
164 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 22:16:40.92 ID:3k0JJ4pp0
ドンキ
ジャック「狭い! 棚が高い! 凄い!」キラキラキラ
ぐだ男「いつ来ても圧迫感あるよなー……えーとボールはっと……」キョロキョロ
ジャック「おかあさーん! お菓子も買っていい?」
ぐだ男「五百円までに抑えろよー」
ジャック「はーい!」
ジャック「……」
ジャック「きのこ? たけのこ?」
ぐだ男「宗教戦争が起こるから、その二つはやめてくれ」
165 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 22:23:09.82 ID:3k0JJ4pp0
ジャック「むいー。五百円で買える量って結構少ないね?」
ぐだ男「充分だ充分」
店員(あの二人、兄妹かしら。ふふ、随分と微笑ましい……)
ジャック「おかあさーん、あれ何ー?」
店員「!?」
ぐだ男「……大人の玩具だな。ジャックには必要ないかなー」
ジャック「ふーん」
店員(えっ。おかあさん? 若っ! そして男っぽい!)ガビーンッ
ぐだ男(あの店員やたらこっち見て来るな……?)
166 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 22:34:11.74 ID:3k0JJ4pp0
公園
ぐだ男「ということで辿り着いたぞ、公園!」
ジャック「わーい!」
ぐだ男「ボールを持てい!」
ジャック「はーい!」
ぐだ男「……何して遊ぼうかな……トス、レシーブ、二人でのリフティング……」
ジャック「……」
ぐだ男「ジャック?」
ジャック「あれなーに?」
ぐだ男(と、言ってジャックが指さしたのはブランコだった)
ぐだ男(二つ席が並んでおり、もう片方では母親が娘のブランコを押してやっている)
ぐだ男「ブランコだな」
ジャック「そうじゃなくって、後ろであの女の人は何してるのかなって。危なくない?」
ぐだ男「……」
ぐだ男「よし。最初はアレ乗るか」
ジャック「?」
167 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 22:43:24.68 ID:3k0JJ4pp0
ジャック「あははははははっ! 楽しいー!」
ぐだ男「おーう。それはよかった。もっと押すかー?」
ジャック「あははっ! 落ちちゃうよー!」
ぐだ男(お前の身体能力なら一回転したところで問題なさそうだけどな)
おばちゃん「あら。妹さん?」
ぐだ男(隣でブランコ押してたお母さんに話しかけられた)
ぐだ男「みたいなものです」
おばちゃん「ふふっ。いいわね、仲良くて」
ぐだ男「家族ですからね」
ジャック「おかあさーん! ジャンプしてみてもいいー?」
ぐだ男「絶対にやめろ! 色々バレる!」
おばちゃん(おかあさん?)
168 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 22:49:33.11 ID:3k0JJ4pp0
十分後
娘「一緒に遊ぼう! 砂場で山とか作ってみよう!」
ジャック「いいよー! 最終的には蹴って崩そう!」
キャイキャイ
ぐだ男(なんか流れで仲良くなってしまった……まあ情操教育的には良さそうだし、いいか)
おばちゃん「ふふっ。ごめんなさいね。うちの子と遊んでもらっちゃって」
ぐだ男「いえ。こちらこそ」
おばちゃん「ところで、砂場ってたまにとんでもない物が埋まってたりするから、後で手は洗わせないとダメよ?」
ぐだ男「とんでもないもの?」
おばちゃん「犬とか猫とかのフンとか」
ぐだ男「……気を付けておきます」
ぐだ男(手慣れてるなー)
ぐだ男「……」
ぐだ男(ああ、平和だ! 地縛霊が強化されたり、無駄にチャフをバラまいたりしない!)
ぐだ男(帰ってきてから一番平和かもしれな――!)
ジャック「ん?」ピクッ
ぐだ男「お?」
169 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 22:56:17.97 ID:3k0JJ4pp0
ジャック「ねえ。このバケツで水をくんできてくれない?」ニコニコ
娘「うん、いいよ! すぐに持ってくるねー!」
ジャック「……」スンッ
ぐだ男(ジャックは友達が自分から視線を逸らし、背を向けた時点でナイフを取り出した)
ぐだ男(あの角度からだと彼女の体に隠れておばちゃんからは何も見えないし、友達は言わずもがなだろう。背中に目玉でも付いてない限り)
ぐだ男「ジャック!?」
ジャック「ひょいっと」ブンッ!
ぐだ男(ジャックは一息でナイフを投げた。道路側に向かって)
ぐだ男(ナイフは道路を走っていた車のタイヤに激突。パンク音が響き、大きくバランスを崩した車体はガードレールにぶつかって停止した)
ガシャァァァン!
娘「えっ!?」ビクッ
おばちゃん「……事故?」
ジャック「おかあさーん! あの車、交番の指名手配の写真に載ってた人が乗ってるー!」
ぐだ男「はっ?」
ジャック「児童性愛者で連続殺人鬼のやばい人が乗ってるー!」
ぐだ男「はあっ!?」ガビーンッ!
170 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 23:04:46.85 ID:3k0JJ4pp0
連続殺人鬼「ぐ、ご……!」ガチャリンコ
ぐだ男(中から血を流しながら出てきたのは、確かに人相が悪い男だった)
ぐだ男「……えーと、ちょっと待て。ちょっと待てよー……確かにあの顔は見覚えがある!」
ぐだ男「まずい。なんてこった! 人違いじゃない! 本物だ!」ガビーンッ
ジャック「あと、多分中に数人……うん、一応数人いる」
ぐだ男「……なんで『一応』なのかわかっちゃったよ。クソッ!」
おばちゃん「な、な……!?」ガタガタ
ぐだ男「ジャック! 面倒なことになる前にアイツを――!」
連続殺人鬼「ひっ! く、来るな! 中にいるヤツを殺すぞ!」
ぐだ男「……ッ!」
ジャック「……」
ジャック「え? もう死んでいる人を、どうやって殺すの?」
連続殺人鬼「なっ……!?」
連続殺人鬼「……」
ジャック「……」
ジャック「あはっ! バカだね! 苦し紛れでも反論すればバレなかったのに!」ニヤァ
連続殺人鬼「!?」
ぐだ男(このロリおっかねぇーーー!)ガビーンッ!
171 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 23:17:20.42 ID:3k0JJ4pp0
連続殺人鬼「……はっ! なら別にいいさ! 人質なんて現地調達できるんだからなぁ!」ダッ
娘「え?」
ぐだ男「まずい! ジャック!」
ジャック「はぁい」ヒュパッ
連続殺人鬼「捕まえたァ」ガシッ
娘「い、いやあ! 離して!」
ジャック「大丈夫。もう離れてるよ」
ズルッ
ボトッ
連続殺人鬼「……」
連続殺人鬼「は? 俺の……手首が……?」
ジャック「綺麗に切ったから、今すぐ手術すればくっつくよ?」ニコッ
娘「……」
娘「」フッ バターンッ
ぐだ男「あーーー! いたいけな少女に余計なトラウマができたーーー!」ガビビーンッ
おばちゃん「……」ガタガタ
ぐだ男(彼女に至っては恐怖で喉が機能してない! 本当にごめんなさい!)
172 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 23:28:26.53 ID:3k0JJ4pp0
連続殺人鬼「ひ、い、ぎゃああああ! 助けっ――!」
ジャック「当然助けないよ?」ヒュパッ
連続殺人鬼「ほべっ」ドターンッ
連続殺人鬼「あ、あれ……俺の足……俺の足首が……!?」ウゾウゾ
ジャック「いもぉーむしー」ルンルン
ぐだ男「粉雪のリズムで残酷なワード口ずさむのやめてくれ!」
ズシュッ グチャッ バキッ
連続殺人鬼「ぎゃああああああああああっ! や、やべて……死にたくな……死にたくない……!」
連続殺人鬼「お、お願い、助けて……!」
ジャック「なんで?」
ぐだ男(なんで!?)ガビーンッ
ジャック「あなたが殺した女の子たちは、同じことを言わなかったの?」
連続殺人鬼「あ、あぎゃ、いぎいいいい……!?」
ジャック「どっちにしろ殺さないけどね。おかあさんに怒られちゃうもん」
ジャック「ねっ?」ニコニコ
ぐだ男「……」
ジャック「殺した方がよかった?」
ぐだ男「いや、いい。それでいい。切り口綺麗だから確かに手術すれば問題なくくっつきそうだしな……」
ぐだ男(流石に両手両足はやり過ぎだけどな……)
ぐだ男「失血死しないよう最低限の処置はしてやれ。後はもう全部BB頼みだ」
ジャック「はーい!」
ぐだ男(すまん、BB)
173 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/12(火) 23:29:34.86 ID:3k0JJ4pp0
続きは明日の夕方!
ネロ祭、かなり遅れてるぜ……!
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 01:09:09.71 ID:yBpl2eiuo
死んだ方が幸せだったかも…
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 09:17:43.53 ID:1OSa0fCdo
ネロ祭りは体操服はあっても着替えさせる英霊がいないんだよな…
>>1
乙ー 続き待ってるぜ
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 17:29:52.93 ID:rkFB2vG0O
監獄服メイヴちゃんかわいい(現実逃避)
更新待ってるよ
177 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 19:57:54.04 ID:XTNvSKUc0
ジャック「ふいー! 終わったー!」キラキラキラ
ジャック「さーてとっ。それじゃあ砂の山の続きを……?」
ジャック「あれ? 寝てる。しょうがないなぁ、こんなところで」
娘「」チーン
ぐだ男(ショッキングすぎる絵を間近で見た挙句に、かなりの血飛沫を浴びたんだから仕方ないよなぁ……)
ぐだ男(……)
ぐだ男(そういえば最初は俺も、ジャックの蛮行を見たときは吐いたな……イヤな慣れだ)
ジャック「ねえ。大丈夫? そんなところで寝たら風邪引く……」
おばちゃん「……!」ダッ
ドンッ
ジャック「きゃっ」
ぐだ男「ジャック!」
ぐだ男(おばちゃんが友達を心配するジャックを突き飛ばして、気絶してぐったりしている小さな体を抱き上げた)
ぐだ男(……まあ、これだけやったら当然の反応か)
おばちゃん「……」ガタガタ
ジャック「……え? どうしたの? 私たち、何かした?」
ジャック「なんでそんなに怖い顔で睨むの?」
ぐだ男「ジャック」
ジャック「……助けてあげたのに……ねえ。なんで?」
ぐだ男「ジャック!」
ジャック「……」
ぐだ男「行こう。人が集まると逃げきれなくなる」
ジャック「……うん、わかった」
178 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 20:09:19.59 ID:XTNvSKUc0
虚構殺人遊戯 才囚学園
最原「そうか……犯人は星くんの研究教室と、体育館の間をロープウェイで移動したんだ!」
星「なるほど。俺の研究教室と体育館の窓だと、俺の研究教室の方が高いからな。一方通行だがトリックは成立させられる」
百田「決まりだ! 犯人は巌窟王の死体を、星の研究教室から体育館まで直に運んだんだ!」
アンジー「……」
アンジー「うーん、本当にそうかなー?」
最原「えっ?」
真宮寺「おや? 夜長さんには、何か反論があるみたいだネ」
アンジー「いや、痕跡は残っているから、トリックが使用されたという一点のみは賛成なんだけどさー……」
アンジー「それ、かなり難しくないかなって思っただけなんだよねー」
最原(難しい……?)
巌窟王「……アンジー。余計なことを言うな」
アンジー「おっと。ごめんなさい神様」
春川「……前から訊きたかったんだけど、夜長はなんでソイツのことを神様って呼んでるの?」
巌窟王「その説明は面倒だ! 省け!」ギンッ
最原(今更だけど、被害者が議論に参加している殺人事件って前代未聞だよな……)ズーン
179 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 20:21:20.01 ID:XTNvSKUc0
最原(……いや、待てよ。巌窟王さんを見て気付いたけど、アンジーさんが言った『難しい』の意味って……!)
最原「体格……?」
巌窟王「!」ギクリ
最原「そうか。手作りのロープウェイで、ただでさえ足場が不安定なのに、巌窟王さんの体を乗せた状態でロープウェイを使うのは……!」
入間「犯人自身の体重も加わっていたはずだから、発車、走行中、停車のいずれにおいても危険度は高ぇーだろうな?」
入間「言うなれば……夜の田舎道を全裸で歩くようなスリル……あぁん、想像しただけで……!」
王馬「入間ちゃんって本当存在自体が不快だよね」
入間「」
アンジー「ちなみに神様の身長は185cm、体重は75kgだよー!」
巌窟王「アンジー!」
アンジー「……ごめんなさい」シュン
最原(……? なんだ? 巌窟王さんのさっきからの態度……)
最原(焦ってる?)
百田「確かに不可能じゃないにしろ、かなり難しそうだな……」
春川「そもそも、最原の推理が間違ってるって線は?」
赤松「痕跡がこれだけ残っているんだから、今更その線を考えるのは難しいと思うんだけど……」
巌窟王「どうでもいいではないか! 俺の死体はロープウェイで運ばれたのだ!」
巌窟王「その点を加味するに、既に怪しい人物を指摘することすら可能なはずだが!?」
最原「……」
最原(やっぱりだ……巌窟王さんは何かを隠している!)
最原(確かに今の段階でも犯人を指摘することは可能だけど……)
最原(……?)
最原(……そう、か! 巌窟王さんが隠したいのって、もしかして!)
180 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 20:29:35.48 ID:XTNvSKUc0
最原「……事件の全貌が見えたかもしれない」
茶柱「わかりました! やっぱり最原さんの推理が間違っていたんですね!」
最原「違くてさ。そもそもの話、僕たちが星くんの研究教室に目を付けたのって、水槽の中に手錠が落ちていたからだよね?」
最原「僕たちはさっきまで、巌窟王さんを溺死させるときに、抵抗を弱めるために手錠を付けたものだと思っていたけど……」
最原「だとしたら、どうして手錠が水槽の中に落ちてたのかな? 溺死させた後でしまえばよかったのに」
巌窟王「……」ギリッ
東条「そう言われると不自然ね……単純に鍵が見つからなかった、という可能性は?」
夢野「星に嫌疑をかけるため、あえて残しておいたとも考えられるのう」
最原「多分これは犯人のちょっとした工作の副産物だよ」
百田「ちょっとした工作、だと?」
最原「……ひとまず、最初から考えてみよう」
最原「巌窟王さんの、本当の『死因』からさ!」ズバァァァンッ!
巌窟王「ぐぅっ……!」グサッ
181 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 20:41:44.66 ID:XTNvSKUc0
入間「水の中にいたんだから溺死だろ? あったりまえじゃねーかダサイ原」
最原「それなんだけど、モノクマファイルには巌窟王さんの死因が書かれてなかったんだよ」
最原「というか全体的に、今回のモノクマファイルは当てにならないほど情報がなかったよね?」
百田「死亡推定時刻すらわかんなかったからな……犯人のトリックの要なんだから当然だけどよ」
キーボ「……この話運びからすると、最原クンにはもうわかっているんですね? 巌窟王さんの本当の死因が」
巌窟王「……話を脱線させるな。もう犯人など決まっているだろう」
最原「……」
最原「巌窟王さんの本当の死因は『失血死』だ」
巌窟王「ちぃっ……!」
赤松「し、失血死? 溺死じゃなくって……?」
最原「星くんの研究教室のシンクを調べた人ならわかると思うんだけど、あれって事件発覚後には過剰なほど洗浄されてたんだよ」
百田「ああ。すっげー薬品臭かったな。多分アレは漂白剤、か?」
最原「変だよね。ただの溺死なら、こんなにシンクを洗う必要なんかないのに」
最原「逆に言うと、あのシンクは洗われる前は、なにか取り返しの付かない汚れがビッシリ付いてたんじゃないかな?」
最原「つまり……巌窟王さんの血で汚れていたはずなんだ!」
最原「いや、それどころじゃない。多分、巌窟王さんの血でシンクが満たされていたはずだ!」ズバァァン!
茶柱「み、満たされていたッ!?」ガビーンッ
白銀「血液でッ!?」ガビーンッ!
182 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 20:48:59.90 ID:XTNvSKUc0
真宮寺「ククク……なるほどね。話が見えて来たヨ」
真宮寺「犯人は巌窟王さんの血液を抜き、体重をその分だけ削減した……最原くんはそう言いたいんだネ」
真宮寺「でも最原くん、その推理には穴があるよ」
最原「犯人は血を抜いて巌窟王さんの体重を軽くしたいのに、人体から血液を抜くと死んでしまう……って点なら解決できるよ」
真宮寺「え?」
茶柱「えーっと……最原さんは当たり前のことを何しみじみと言っているんですか?」
春川「医学的に、人体から血液をすべて抜くのはほぼ不可能って話だよ」
春川「まず出血が起こるのは『心臓が動いている間のみ』だからね」
百田「終一の推理は『巌窟王の死体を軽くするためには血液を抜く必要があるが、血液を抜くと血流が止まる』っつー矛盾があるわけか」
最原「平気だよ。それでも人体はかなり軽くなるはずだ」
最原「巌窟王さんが死にそうになる度に『蘇生』させればいいんだからさ!」
巌窟王「よせ……その先は地獄だぞ」ギリィッ!
183 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 20:59:25.64 ID:XTNvSKUc0
最原「星くんの研究教室には送球装置があったんだけどさ。それのコンセントが不自然に切断されていたんだよ」
最原「多分、犯人は巌窟王さんの体を生きた状態でシンクに固定して、手首かどこかを切り裂いた後、水をためたシンクに手首を突っ込ませたんだ」
最原「おそらくそのときの巌窟王さんの姿勢は、傷が心臓の位置より低くなるように、身をシンクの淵に寄りかからせる形になっていたはずだよ」
最原「気絶させた巌窟王さんの死体から血液を抜いていく過程で、巌窟王さんが死にそうになったときに……」
最原「犯人は切断したコンセントを使って巌窟王さんの体にショックを与えたんだ」
入間「……は!? なんだその超原始的AED! マジで言ってんのか!?」ガビーンッ
最原「乱暴でも後遺症が残ってもどうでもよかったはずだよ。だって、最終的には殺すんだからさ。いくら乱暴でも構わない」
赤松「……ちょ、ちょっと待って。最原くん。何を言って……!」
最原「こうやって犯人は、巌窟王さんの体から血を抜き、死にそうになったらショックで蘇生させ……」
最原「また血を抜いて、死にそうになったらショックで蘇生させ……」
最原「それを何度も何度も繰り返して……!」
東条「待って。仮にそれで致死量を遥かに超える量の血を抜いたとしても、まだ彼の体はかなりの重さが残っていたはずよ?」
東条「そんな工作をしたところで、気休めにしかならないわ」
最原「……」
最原「折りたたんだんだ」
キーボ「は?」
巌窟王「ッ!」
184 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 21:08:18.06 ID:XTNvSKUc0
最原「巌窟王さんはマントを着こんでて、その体は水槽の中でもほとんど隠れてたけどさ」
最原「そのときの巌窟王さんの五体は、果たして無事だったのかな?」
白銀「ピラニアに食べられちゃったわけだから、地味に無事じゃないよね?」
最原「その前は?」
赤松「……ピラニアに食べられる前の、巌窟王さんの状態?」
王馬「うーん、わからないなー……『誰かさん』がアンジーちゃんを急かして、巌窟王ちゃんをさっさと蘇生させちゃったからね」
王馬「ほとんど検視はできなかったんだよねー。誰かさんのせいで!」
最原「……」
最原「僕は……覚えてるよ。巌窟王さんの骨、特に手足の関節や骨は、外れていたり折れていたり、酷い有様だった」
アンジー「アンジーも覚えてるよー! 神様のことを一瞬たりとも見逃せないからねー!」キラキラキラ!
アンジー「あ、なんならその光景を絵に描いたものを持ってきてるけど?」
赤松「い、いい。見たらなんか気分悪くなりそうだから……」
百田「……終一。折りたたんだって、まさか……!」
最原「重さを軽減できたら、次は大きさだ。そのときの巌窟王さんの状態が無事だったとは思えない」
最原「不自然に残ったあの手錠は、多分留め金の代わりに使われたんだ」
最原「巌窟王さんの死体は、あの時点では『自分の胴体を自分の手足でがんじからめに縛り付け、それを手錠でロックする』ような姿勢だったはずだよ」
赤松「えっ!?」
天海「……それは……想像もしたくないっすね……」
天海「だとすると、巌窟王さんがさっきから妙に焦っているのは、それを思い出したくないから?」
アンジー「神様には忘却補正があるから、元から何一つとして忘れないってー!」
巌窟王「……」
185 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 21:13:54.08 ID:XTNvSKUc0
王馬「にししっ! いやぁ、そうかそうか! わかっちゃった! 巌窟王ちゃんも優しいよねー!」
王馬「ねえみんな! 仮に最原ちゃんの推理が本当だったとしたら、犯人はどんな人物だと思う?」
茶柱「ど、どうって……」
赤松「ここから出るためだからって、私たちを信じてくれていた巌窟王さんを拷問じみた手段で殺して……」
赤松「しかも、殺した後も巌窟王さんの体をまるで物みたいに扱って……!」
赤松「……」
王馬「許せない。いや……そうは思ってないヤツも『怖い』とは思ったはずだよ」
王馬「思い出してほしいんだけど、巌窟王ちゃんの理念は『全員揃っての脱出』でしょ?」
王馬「だとしたら、間違っても言えないよねぇ……自分を殺した人間が、まさかそんな残酷なヤツだったなんて!」
巌窟王「……」
東条「確かに……ここまでの蛮行を犯した人間と、今まで通り接することができる人なんていないでしょうね」
春川「今回のクロもどうせ巌窟王が助けるんだと思っていたけど、この分だと考え直した方がいいかもね」
巌窟王「春川……」
186 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 21:20:29.73 ID:XTNvSKUc0
百田「で? どうなんだ巌窟王! お前、本当にそんな酷ェ殺され方したってのかよ!」
百田「それでもお前は黙ってるってのかよ!」
巌窟王「……」
赤松「巌窟王さん、答えて……! 全部覚えてるんでしょう? だったら……!」
最原「……その献身は、間違ってるよ」
巌窟王「何?」
最原「いくら僕たちを助けるためだからって……自分のことをそこまで犠牲にするなんて」
最原「自分の死の真相を隠そうとするなんて……!」
最原「そんな献身なら、僕たちはいらないんだ!」
巌窟王「――」
巌窟王「くは……は……」
巌窟王「クハハハハハハハハハハ」
巌窟王「クハハハハハハハハハハハハハハ!」
巌窟王「違う、違う違う!」反論!
187 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 21:28:18.86 ID:XTNvSKUc0
巌窟王「献身……献身と宣ったか? よりにもよってこの俺にッ!」
最原「えっ?」
巌窟王「ならば答えてやろう。俺の死因は溺死だッ! それ以上でも以下でもない!」
最原「う、嘘だ! それなら何で、さっきの巌窟王さんは焦ってたんだよ!」
巌窟王「そんなことはどうでもいい! 被害者の俺自身が証人だ!」
巌窟王「お前の推理は間違っているぞ! 一丁前に調停者を気取るな、探偵!」ギンッ!
最原「……」
最原「曲げる気はない」
巌窟王「なにィ?」
最原「僕は……僕自身のために、この主張を曲げる気はない」
最原「真相を知らなきゃ、僕たちは前に進めない!」
最原「どんな罪を犯したのか知らないと、僕たちは何も許せない!」
最原「何よりも、あなたの名誉のためにも、この裁判は中途半端なところで終わらせちゃダメなんだッ!」
巌窟王「……許すため、と来たか。俺には永遠にない発想だな」
巌窟王「いいだろう。そこまで言うのならば覚悟を決めろ。俺は容赦はしない」
巌窟王「貴様の推理で! 俺の反論を! 見事斬り伏せてみせろッ! 最原終一ィ!」ボウッ!
188 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 21:32:01.32 ID:XTNvSKUc0
カルデア
BB「おおー。なんか盛り上がってきましたねー。あの巌窟王のガン飛ばしに堪えるなんて、あの子も中々肝が……」
prrrrr
BB「っと、マスターから電話だ。いいところなのに」
ピッ
BB「はいはーい、こちらBBちゃんでーっす。どうかしましたかー?」
ぐだ男『BBィーーー! 今ちょっと警察に追われてるんだけど、どうしたらいい!?』
BB「いいところだったのに超の付くほどのハードワーク持ってきましたねぇ!」ガビーンッ!
189 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 21:39:22.74 ID:XTNvSKUc0
休憩します!
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 21:50:53.28 ID:PN8Z/pNAO
サイドストーリーが本編じみてきた
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 21:52:33.20 ID:hdZoMRXWo
裁判の続きはよ
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 22:07:57.90 ID:tU7A9Yhmo
カルデアに強制送還されなかったってことは、がんじがらめの状態でもまだ息があったってことだよな…
抵抗できなかったのかしなかったのか分からんけど、エッグい死に方させるわ
しかも忘却補正でその時のこと忘れられないし、どうあがいても地獄
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 22:11:15.91 ID:tU7A9Yhmo
あれ、失血死だから違うか
結構前に死んでるのに何故令呪が間に合ったんだ
194 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 22:21:47.07 ID:XTNvSKUc0
>>193
サイドストーリー故に特に理由はないです。
仮に理由付けるなら『死んでも脱出不可能な空間だから』です
195 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 22:40:36.16 ID:XTNvSKUc0
もしくはアンジーの令呪が『FGO式令呪』ではなく『EXTELLA式令呪』だとお考え下さい。HP0になっても一画で復活。
ただしお察しの通り使用したら戻ってきませんけどね! 残り一画!
196 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/13(水) 22:45:00.94 ID:XTNvSKUc0
あと今回の裁判の犯人は本編の第二章の犯人と完璧に同一人物な上に、ここはダンガンロンパスレではないので!
結末は!
描けないぜ! ネタバレ注意って描き忘れたしな!
また明日の夕方に!
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/14(木) 09:41:04.93 ID:bR3+HuAio
サイドストーリーが長くなるなら分けて欲しいかなって
メインのお話読みたいのに行き成り長いサイドは首をかしげる
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/14(木) 18:50:47.14 ID:HKjW9SYyo
サイドストーリーの方、ネタバレありで一つのストーリーとして読みたい感あるからスレ分けるならそれはそれでありがたい
メインストーリーが細切れになるのももったいないしね
199 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 20:21:32.58 ID:Q+OkZrTU0
ジャック「おかあさーん。大分包囲網が完成してきてるから、最終的には何人か解体しないとダメになるかも」
ぐだ男「我慢して! 最悪の場合、俺が全部の罪背負って逮捕されるから!」
ジャック「えー? やだ」
ぐだ男「というわけで、俺が逮捕されて警察の人たち皆殺しか、逃げ切って全部丸く収まるかのどちらかだ!」
ぐだ男「助けてくれ!」
BB『あっあー……随分と楽しいことになってますね』
BB『うーん、いつもなら無駄に遠回りさせて面白おかしく甚振った後で助けるんですが……』
ぐだ男「おい」
BB『今はちょっとこっちも別件で忙しいので、全力を尽くしましょう!』
BB『そうですね。近くのカーショップにオートパイロット搭載の試験車があるので、それに乗ってくれれば脱出させます』
ぐだ男「カルデアから操作するのか? ラグが酷くなるだろ」
BB『今は大丈夫です。今はね』
ぐだ男「……あー?」
200 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 20:24:52.83 ID:Q+OkZrTU0
ぐだ男「まあいい! とにかくカーショップにゴーだ!」
ジャック「あはは! 今日はもうずっと楽しいね、おかあさん!」
ぐだ男(お前はそうだろうけどなぁ)
五分後
店員「いらっしゃいませー」
ぐだ男「ジャック!」
ジャック「はいはーい!」
ザクッ
バラッ
全裸の店員「……」
全裸の店員「きゃー!?」ガビーンッ
ぐだ男「おーっし! 今の内だ! さっさとオートパイロット付きの車を探すぞ!」
BB『いやぁー、手段を選んでられない状況とは言え、最低ですねー』
ぐだ男「平和的に無力化させただけだ!」
201 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 20:30:18.42 ID:Q+OkZrTU0
ぐだ男「……ナンバープレート確認! これだな!」
ガチャリンコ
ぐだ男「乗ったぞBB!」
BB『体験用の車だから、営業中は当然鍵がかかってないと思いましたとも!』
BB『ハッキング開始!』
BB『完了!』
ぐだ男「速ッ!」
BB『あとはマシュさんに乗り移った私ゲフンゲフン、じゃなくて紛れもなく私が操作します!』
ぐだ男「……」
ぐだ男「……は? 今、なんて?」
BB『質問は受け付けなーーーい!』
ギュイイイイインッ!
ぐだ男「いげっ」
ジャック「うわ、酷い運転」
BB『最後のガラスをぶち破れーーー!』
ガシャーーーンッ!
ぐだ男「余罪がどんどん増えて行ってる気がするーーー!」ガビーンッ!
202 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 20:35:35.03 ID:Q+OkZrTU0
BB『一晩の間、絶対安全に過ごせる隠れ家を用意しましょう』
BB『一晩もあれば、後は私があなたたちの罪を綺麗さっぱり痕跡すら残さず消してあげますよ』
BB『カースド・キューピッド・クレンザーです』
ぐだ男「それそんな宝具だったっけ?」
BB『ま、いいじゃないですか。どうでも』
ぐだ男「まったく……」
ジャック「おかあさん。この先、多分検問所だけどどうするの?」
ぐだ男「……おい。加速してないか?」
BB『え? そうじゃないと検問所をぶち破れないでしょう? 当たりまえじゃないですか』
ぐだ男「ジャックー。衝撃がかかるだろうからシートベルトしめておこうなー」カチャカチャ
ジャック「はーい!」カチャカチャ
203 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 20:45:48.64 ID:Q+OkZrTU0
ガシャァァァンッ!
警察官A「ぎゃあああああああ!」
警察官B「イ゛ェアアアアアア!」
警察官C「ひでえぶすっ」
ジャック「あははははははっ! 人がゴミのようだー!」
ぐだ男「あはははははは。もう何も見たくねぇー」
BB『全員死んでませんよ?』
ぐだ男「多分俺の心がそろそろ壊死する」
ぐだ男「……まあ、一段落したな。お母さんに今日は帰れないってメール打っても?」
BB『問題ありません』
ぐだ男「はあ……ある意味好都合だけどさ」ポチポチ
ジャック「二人きりだね、おかあさん」
ぐだ男「お? おう」
BB『いや私もいますけど』
ジャック「黙って? 解体されたい?」ニコニコ
BB『……はーいはい』
204 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 20:52:54.87 ID:Q+OkZrTU0
BB(……ちっ。状況が状況だったとは言え、ハメられた感が満載ですね)
BB(辿り着く隠れ家は当然センパイの家ではなく、ジャックさんと二人きりで夜を明かす)
BB(近くに彼を助けるサーヴァントも当然いない。令呪で呼ぼうにも、呼ぼうとしたその時点で瞬殺できる俊敏の持ち主ですしねぇ)
BB(彼女の道徳心と常識の枷を一度でも解いてしまったらお終いですよ、センパイ)
ぐだ男「あー、腹減った」
ジャック「……」
ジャック「おなか……?」
BB(……)
BB(きっと! 大丈夫! 多分!)
205 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 21:01:58.78 ID:Q+OkZrTU0
カルデア
BB「さてと。東京の方の私に後は任せるとして、こっちはこっちで視聴を続行しないと!」
BB「あ。もう投票終わって……あーあー見逃しちゃいましたよ」
BB「まあいいや。今からでも楽しくなりそうですし」
ブツンッ
ダヴィンチのアナウンス『えー。緊急連絡。緊急連絡』
ダヴィンチ『エジソンとテスラの大喧嘩の結果、カルデアのほぼ全電力系統にサージが発生』
ダヴィンチ『ごめんねー! 電源を落としちゃいけない重要機関以外の電力供給はストップさせてもらうよーん!』
BB「あんっの電気バカコンビ共ーーーッ!」ガビーンッ
電力が復旧した後、学園の方のゴタゴタはほとんど片付いていた。ただ当然BBには過程がわからなくなったが。
その後、BBの仕返しによってエジソンとテスラは『君の名は』状態になり、二人は自殺寸前まで精神が摩耗しました。めでたしめでたし。
206 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/14(木) 21:04:52.14 ID:Q+OkZrTU0
今日のところはここまで!
207 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 18:23:34.68 ID:w+CSx/f80
赤の章(現代悪童旅情 東京〜BBちゃん危機一髪〜)と黒の章(虚構殺人遊戯 才囚学園〜巌窟王の学級日誌〜)でスレ分けしようかな……まあどっちにしても時系列同じだからスレ分けしたところで多少はリンクさせるけど……
まあいいや。ひとまず再開します! あと十分くらいで!
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/15(金) 18:44:16.23 ID:kV+TRAs2O
ダンガンロンパは蛇足でしょ
209 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 18:48:55.50 ID:w+CSx/f80
マシュBB『はい到着ーーー! ここがあなたたちの隠れ家ですよー!』
ジャック「わーい! ついたー! 最悪の運転からやっと解放されるー!」
ぐだ男「繊細さの欠片もない運転だったな……!」
マシュBB『えへっ』
ぐだ男「ところでさっきから気になっていたんだが……」
ぐだ男「なんか声がマシュになってないか? BB」
マシュBB『……』
ぐだ男「……いや、気のせいか? 喋り方は完全にBBだもんな……」
BB(よかったー、電話越しで)
210 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 18:56:04.67 ID:w+CSx/f80
ぐだ男「で。ここが隠れ家、ね」
マシュBB『御覧の通りの廃ビルです。潰れる前はパチンコ屋だったそうですよ』
マシュBB『明日の夕方までは絶対に人っ子一人来ません。安心して休んでください!』
ぐだ男「食事はどうしたらいい?」
マシュBB『生活必需品はおおよそ中に取り揃えておいたので、中から一切でなくとも問題ないですよ!』
ぐだ男「……身から出た錆なんだからお前にこんなことを言うのは、本当、かなーり癪なんだが」
マシュBB『なんです?』
ぐだ男「マジでごめん。もうちょいソフトに事件を解決してたら、こんなことには……」
マシュBB『よしてくださいな。共犯者からの謝罪なんて聞きたくありません』
ぐだ男「……」
マシュBB『じゃ、そういうことで。あ、そうだセンパイ』
マシュBB『コンドームはあえて設置しておきませんでした! 褒めて!』
ぐだ男「ぶっ殺すぞッ!」
211 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 19:05:24.86 ID:w+CSx/f80
ぐだ男(……さて。電話を切った今気付いたが、BBは『外に出るな』とは言わなかったな)
ぐだ男(アイツが言ったのは、この隠れ家の安全性と利便性のみだ)
ぐだ男(理由はわかる。多分、アイツはジャックのことを警戒してんだろうなぁ)
ぐだ男(いざってときは逃げても構わない、か……余計な気を回してるな。ファッション系ラスボスめ)
ジャック「おかあさーーーん! なんでかわからないけど、中に高橋留美子作品が大量に揃ってるーーー!」
ぐだ男「余計な気を回しすぎだアイツは! 本当にッ!」
ジャック「見ないの?」
ぐだ男「見るよッ!」
212 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 19:15:56.43 ID:w+CSx/f80
ホテル
マシュBB「……別に今日も、昨日までみたいに観光しててもよかったんですよ?」
マシュBB「私だけでカメラのセットアップはできますし?」
デオン「それなんだが、無計画にじゃんけんでマスターに同行するサーヴァントを決めていた弊害が出てな」
エリザ「今日はジャックの計画していた観光プランを実行する予定だったんだけど、ほら、ね?」
マシュBB「ああ。その点をまったく考慮せずに送り込んだから手持無沙汰、と」
マシュBB「アホしかいないんですか、ここは」フゥ
茨木「ふん。バグの化身に言われたくはないな」
マシュBB「そういえば、昨日と一昨日の旅行計画は誰と誰のものなんですか?」
エリザ「昨日が私」
デオン「浅草が私だな」
茨木「明日は吾が計画した『すいーつびゅっふぇ蹂躙計画』よ。池袋にあるらしいからな?」ニヤァ
マシュBB「あ、それ私も興味ありますね。連れてってくれます?」
茨木「……汝を仲間外れにすると、魔酒も自動的に仲間外れになってしまうからな」
茨木「仕方あるまい」チッ
マシュBB「ありがとうございまーす!」ッシャァ!
213 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 19:28:45.99 ID:w+CSx/f80
マシュBB「お、映った映った……!」
デオン「む? ここは廃ビルか? なんでこんなところに」
マシュBB「色々あったんですよねー」
エリザ「そういえばBB。さっき子イヌと電話してたみたいだけど」
マシュBB「説明はしますけど、今は……よし。カメラの自動操縦AIは正常に機能中」
マシュBB「あとはセンパイにバレない限りはオールタイム監視です」
茨木「BBは頭がいいな。何故そんなに残念なのか不思議なレベルの頭の良さよ」
マシュBB「褒めるフリして貶すのやめてくれません?」
エリザ「……なんかもうマシュの姿をしたBBに慣れてきちゃったわ」
デオン「む。しまった。私もだ。もう違和感がない」
茨木「早めに解決しないと取り返しがつかなくなるかもな……?」
214 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 19:40:11.39 ID:w+CSx/f80
ジャック「……」
ジャック「鉄砕牙って初期と終盤で明らかに太さが違うよね」
ぐだ男「読むの早いな!?」ガビーンッ
ジャック「おかあさーん。お腹空いたー」
ぐだ男「はいはい。じゃあ何か作ろうか」
ぐだ男「……」
ぐだ男「インスタントしかねぇな。BBのヤツ、ツメが甘いぞ」
ジャック「お湯はあるよ? 電気通ってるから、ポットもあるし」
ぐだ男「うーん。味気ないけど……仕方ないか」
215 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 19:59:30.06 ID:w+CSx/f80
マシュBB「サーヴァントに食事は必要ないってもうわかってるはずなのになぁ」
エリザ「だって、本当にお腹が空いた気がするんだもの。要求くらいするわ」
デオン「……彼女の場合は本当にお腹が空いているのか疑問だけどな」
デオン「単純に甘えているだけかもしれない」
茨木「『甘えているフリ』をしているだけ、とも言えるな」
茨木「……吾はその気になれば全力でマスターに甘えることができるが、アレは違うだろう」
エリザ「そういうのやめましょう。気が滅入ってくるから」
茨木「くは。すまぬな」
マシュBB「……」
BB(なんかみんな思い思いの方向にぶっ飛んでる割には仲いいんですよねー)
マシュ(特異点で背中を預ける生活を続けていれば、さもありなんです)
BB(私も仲良くしたいなー!)キラキラキラ
マシュ(……ある意味でもう馴染めているような……いえ、なんでもないです)
216 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 20:11:10.05 ID:w+CSx/f80
マシュBB「……あ。忘れてた。そういえばこの状態だと……」
茨木「どうした?」
マシュBB「いえ。二つの人格を独立させた状態で一つの脳にぶち込んでいる状態だと、ちょっと困ったことがあって」
デオン「なんだ。こちらの問題か。いいだろう、もう消えていいぞ」
マシュBB「スイーツビュッフェ行くまで消えません!」
マシュBB「いえ、そんな大した問題じゃないんですよ。ただ『睡眠が必要になる』って副作用があるだけで」
茨木「……別に寝てもよいが」
マシュBB「寝方を忘れました」
エリザ「AI特有の悩みね」
マシュBB「ジャックさんの荷物ってどこです? 彼女には違法ラインの強力な睡眠剤を渡しておいたんですが」
マシュBB「今日はそれ使って寝ます」
デオン「それなんだが、BB。どうしてジャックにだけ色々と危険な玩具を渡したんだ?」
マシュBB「このメンバーの暴走を止めてくれるサーヴァントとして私が送り込んだ子ですからねー」
エリザ「えっ。聞いてないんだけど」
デオン(荷物の中に天然痘ウイルスがあったのは、そのせいか……)
エリザ「まあいいわ。ジャックの荷物はここよ」
マシュBB「さぁて、それじゃあ睡眠薬を拝借してっと……」ガサゴソ
マシュBB「……」
マシュBB「あれ? ない」
デオン「は?」
マシュBB「おかしいですね。ちゃんとここに入れておいたはずなんですが」
茨木「ここにないのなら、ジャックが持っているのではないか?」
エリザ「ああ、アレじゃない? 今、ジャックが子イヌの飲み物に砕いて混ぜた粉末」
マシュBB「ああ、アレですね」
デオン「あ。マスターが寝た」
全員「……」
全員「ジャアアアアアアアアアック!?」ガビーンッ!
217 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 20:13:05.67 ID:w+CSx/f80
休憩します!
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/15(金) 20:21:12.60 ID:7uIAKNwDO
まあそうなるわな悪属性だし
219 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 20:37:09.87 ID:w+CSx/f80
ジャック「……さーてとっ。今から色々やっちゃうよ!」
ジャック「マシュと契約しているせいで防毒の加護があるからどうだろうなって思ってたけど……」
ジャック「問題なさそうだね。うーん、薬の類は通るのかな? わかんないや」
ジャック「じゃあさっそく」
prrrrrr!
ぐだ男「う、ぐ……電話……!?」
ジャック「あ、やっぱり効き目薄かった」
ジャック「ひょいっと」
スパッ
ジャック「携帯の処理終了。これで今度こそグッスリだよ、おかあさん!」
ぐだ男「ぐー」スヤァ
220 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 20:44:15.73 ID:w+CSx/f80
エリザ「今から賭けの内容変更していい?」
マシュBB「いやぁー。もうノーモアベットでしょう」
茨木「呑気だな」
マシュBB「……あっ、痛っ! やめっ……!」
デオン「ん?」
マシュ「先輩ーーーッ! 起きて! お願い起きてーーー!」
エリザ「あ。やっと肉体の主導権戻ったわね」
デオン「おかえりマシュ」
マシュ「ただいまです! そんなこと言ってる場合じゃないですけど!」
茨木「……ま、大丈夫であろうよ」
マシュ「えっ?」
茨木「仲間だぞ。信じてみせよ」
マシュ「……」
エリザ「いや丸め込まれちゃダメよ。茨木の言ってることは典型的な詭弁だから」
エリザ「世の中には信じちゃいけない仲間もいるでしょうに」
221 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 20:58:33.66 ID:w+CSx/f80
ジャック「何しよっかな。何しよっかな」
ジャック「……」
ジャック「そういえば茨木、おかあさんのこと食べてたけど……」
ジャック「そんなにおいしかったのかな?」
サクッ
ジャック「うーん……あんまりパッとしないなぁ。私たちの趣味じゃないや」ペロペロ
ぐだ男「ジャック……!」
ジャック「……」
ジャック「やっぱり効き目薄いね? あんまり効いてないでしょ」
ぐだ男「お、前っ……」
ジャック「なぁに、おかあさん。なんでも聞くよ?」
ジャック「……聞くだけ、だけど」
ぐだ男「別に睡眠薬なんてなくっても……俺は抵抗なんかしないぞ……!」
ジャック「……」
ぐだ男「怖がってるのか? いつもはこんな小細工、使わないのに……」
222 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 21:03:37.98 ID:w+CSx/f80
ジャック「……」
ジャック「忘れてたんだけどさ。私たちって、殺人鬼だったんだよね」
ジャック「おかしいよね。公園でアイツを切り刻むまでは、本当に普通の女の子の気分だったんだよ」
ジャック「普通の人が誕生日や自分の名前を忘れないのと同じくらい、私たちは私たちのことを殺人鬼だってことを覚えてるのにさ」
ジャック「だからまあ、ショックだったなぁ。助けた相手に、あんな目で見られるなんてさ」
ぐだ男「あれは仕方なかっただろ」
ジャック「……でも理不尽だよ」
ぐだ男「……」
ぐだ男(まあ、確かに。そう言われると、ぐうの音も出ない)
ぐだ男(別にバケモノに産まれてきたくって産まれたわけじゃないしな)
223 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 21:10:46.67 ID:w+CSx/f80
ジャック「……ねえ。抵抗しないって、どこまでのことを言ってるの?」
ぐだ男「……」
ジャック「茨木みたいに全身噛み傷だらけにする程度なら大丈夫? デオンみたいに父親母親を邪魔者扱いされて排除されるのもOK?」
ジャック「腹を裂かれても、悲鳴を上げないでいてくれる?」ギャランッ
ぐだ男「痛いのはイヤだよ。当然だろ」
ジャック「そっか」
ぐだ男「……でも、そんなことする必要は特にないだろ」
ジャック「……そう?」
ぐだ男「別にさ、そんなことしたくって睡眠薬入れたわけじゃないもんな」
ジャック「……」
ぐだ男「ジャック……おいで」
ジャック「……ッ!」
ヒュッ!
224 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 21:18:50.35 ID:w+CSx/f80
ぐだ男「……ああ、もう。世話を焼かせる……」
ぐだ男「抱き着きたいのなら初めからそう言えって」
ジャック「……ううっ……うえっ……!」
ぐだ男「ほら。体が怠くって、お前の頭を撫でるのにすら一苦労だ。どうしてくれるんだよ」
ジャック「だって……! 昼間に拒絶されたの、本当に……!」
ぐだ男「よくあることだ。これからも何回もある」
ぐだ男「でも大丈夫だ。お前のこと受け入れてくれるヤツなんて、俺含めて他にいくらでもいる」
ぐだ男「……俺は大丈夫だから。薬なんていらなかったんだよ」
ジャック「ごめんなさいっ……! おかあさん、ごめんなさいいっ……」
ぐだ男「……」
ぐだ男「あ、まずい。もう意識が……」
ぐだ男「ジャック……俺は……俺のことを慕ってくれるお前のことを……」
ぐだ男「……」
ジャック「……うう、うええ……!」
ジャック「うえええええええええん……!」
225 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 21:24:45.60 ID:w+CSx/f80
マシュBB「……」
マシュBB「ムカつきますね。本当に死んだみたいな顔で寝てますよ」
エリザ「いつの間にか肉体の主導権奪い返しているアンタの方がムカつくわよ」
デオン「マシュー。遠慮はいらないよー。どんどん肉体の主導権を勝ち取っていくんだぞー」ニコニコ
茨木「……ま、吾を従えるマスターが、こんなところで死ぬ道理もあるまいよ」
茨木「信じていたぞ?」
エリザ「ポンコツ首魁のくせして、たまにガチのカリスマ見せるわよね。アンタって」
茨木「たまにではない! 常に出ているから汝が気付いていないだけよ!」
マシュBB「ま、これで峠は過ぎましたかね。後に残っているのは……」
マシュBB「……残って、いるのは……?」
エリザ「……」ニヤァ
マシュBB「……」
マシュBB「あっ」
デオン「気付いたか。まだ峠は残ってるぞ」
226 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/15(金) 21:25:57.84 ID:w+CSx/f80
続きは明日ー!
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 09:48:04.09 ID:Fi4KCLR4o
ぐだ子じゃないしエリちゃんなら大丈夫やろ(慢心)
228 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 09:52:16.36 ID:7bRVCpvu0
虚構殺人遊戯 才囚学園
巌窟王「……理解に苦しむな。またやるのか。マジックショー」
夢野「マジカルショーじゃ! ……とかお主に言ってもなんか虚しいが……」
夢野「細かいことはよいか。今度は屋外で、この大量の風船を使ったショーをするんじゃ!」
巌窟王「アンジーはどうした? 今回は手伝っていないのか」
東条「捕まえようとしたのだけど、断られてしまったの。何か用事があったようね」
巌窟王「ふむ。今日は妙に落ち着かない様子だったからな。ヤツもヤツで何か考えているのだろう」
巌窟王「まあいい。我が仮初のマスターの理念に従い、お前たちが望むのなら手を貸してやらないこともないが?」
夢野「お主本当にアンジーのことが大好きじゃのう」
巌窟王「俺が? クハハ、まさか!」
巌窟王「俺のマスターは過去現在未来にただ一人。あれとはお互いの利害の一致に伴った薄っぺらな関係しかない」
巌窟王「この関係に抱く想いも、同様に薄っぺらなものだとも」
巌窟王「大体アレは共に歩むにしては幼過ぎる。雛鳥のように後ろをヨチヨチ歩きでついてくる程度が関の山だろうよ」
東条「その割には甘やかしているように見えるけど」
巌窟王「サーヴァントだからな!」ギンッ!
229 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 09:58:52.31 ID:7bRVCpvu0
百田「まあ、確かにアンジーに対して特別扱いはしてねぇだろうな」
百田「テメェは俺たちのことみんなが大好きなんだもんな! わかってるぜ!」ニカッ
巌窟王「……気持ちの悪いことを言うな」
夢野「百田。お主どこから湧いて出てきた」
百田「終一を探してたら派手な風船が大量に見えたからよ。ちょっと寄ってみただけだ」
夢野「ついでじゃ。百田も手伝うがよい。風船がもっと大量に必要だから……って、あ!」
フワッ
夢野「あー。一個無駄にしてしまったわい」
巌窟王「クハハ! 任せろ! あの程度の高さ、造作もない!」
ドンッ!
東条「……跳んだわね」
夢野「あ、キャッチした」
百田「おお。無駄に一回転して校舎の屋根に着地したな」
230 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 10:03:23.45 ID:7bRVCpvu0
巌窟王「クハハハハハ! どうだ!」
百田「無駄にテンション上げてるなー」
夢野「造作もないって自分で言ってたのにのう」
東条「巌窟王さん。そこ結構な急斜面になってるから、気を付けて降りてね」
巌窟王「任せろ! 昇ったのだから降りることなぞ更に容易い――」
巌窟王「む?」
巌窟王(裏庭に誰かいるな……あれはアンジーと最原か?)
巌窟王(一体何をして……)
アンジー「終一ー! アンジーのお婿さんになってー!」キラキラキラ
最原「ええっ!?」
巌窟王「!?!?」ガビーンッ!
ズルゥッ
百田「足を滑らせたーーーッ!?」ガーンッ!
夢野「言わんこっちゃない!」
231 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 10:07:59.79 ID:7bRVCpvu0
巌窟王(バカな……あの子供のように俺の後ろを付いて回っていた夜長アンジーが……!?)
巌窟王(俺はいつかカルデアに帰る。きっとその後、アンジーは幸せな一生を過ごすのだろう)
巌窟王(美術に生き、誰かと出会い、誰かと別れ、誰かと添い遂げ、誰かを見送り誰かに見送られる……)
巌窟王(そんななんでもない、しかし掛け替えのない一生を過ごすのだ……そう思っていた。だが……)
巌窟王(この落下するような浮遊感……俺はショックを受けている?)ヒューッ
百田「うおおおおお! 巌窟王が屋根から落ちたーーーッ!」
ベシャッ
東条「あ、よかった。土の部分に落ちたから、多分死んではいないわ」
夢野「巌窟王ーーーッ!」ダッ
232 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 10:16:58.02 ID:7bRVCpvu0
巌窟王(まさか……こんなに早いとは。神への信仰がなければ、あるいは俺がいなければ何もできない、あの童女が……)
アンジーの幻影『神様ー! 追いかけっこしよー!』
アンジーの幻影2『神様ー! 新しい絵を描きたいなー!』
アンジーの幻影3『神様ー! もうちょっと髪を洗う手つきを優しくしないとハゲちゃうよー!』
東条「大丈夫? 気分はどう?」
巌窟王「気分……だと……?」
巌窟王「……」
巌窟王「胸が張り裂けそうで苦しい」
東条「緊張性気胸になっている恐れがあるわね。処置を開始するわ」
夢野「ヒンッ!! 死ぬな巌窟王!」
巌窟王(相手はあの最原か……俺と舌戦を繰り広げ、勝ってみせたあの探偵……)
巌窟王(……)
巌窟王「認めない……まだ不十分だぞ探偵め……!」
東条「百田くん。そこにあるレンガを取ってくれるかしら?」
百田「お? これか」ヒョイッ
巌窟王「クハハハハハッ! 俺はまだ、認めないぞ!」ギンッ
巌窟王「ここから先に進みたければ俺を倒してから――!」
東条「麻酔!」
ガンッ
巌窟王「」ガクリ
東条「あなたには治療が必要よ」
百田「それ本当に麻酔か?」
夢野「巌窟王ーーーッ!」ガビーンッ!
233 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 10:21:37.93 ID:7bRVCpvu0
ぐだ男「父ちゃんかお前はッ!」ガバァッ
ぐだ男「……夢か……どんな夢だったか忘れたけど……」
ぐだ男「ん。ここは……ああそうか。逃走中だったな」
ジャック「……すー……」スヤァ
ぐだ男「……」
ぐだ男「……後でBBに電話するか。心配されてたみたいだしな」
ぐだ男「次は誰と一緒になるんかなー」
ぐだ男「……」
ぐだ男「エリザだったら今度こそ死ぬかもな……」
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 10:28:34.79 ID:jz6nI7wb0
岩窟王とぐだ男の黄泉路に手招かれコンビww
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 10:51:31.69 ID:p8z5A4ILo
東条さんに婦長が憑依してる…
236 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 10:55:04.51 ID:7bRVCpvu0
近場の商店街
ぐだ男「だー! やっと見つかった! 公衆電話!」
ジャック「ごめんね。うるさかったから、つい斬っちゃった」
ぐだ男「物理的に斬ることないだろ! 何も!」
ぐだ男「えーと、小銭小銭……」
ジリリリリリリンッ
ジャック「……公衆電話が鳴り始めたけど?」
ぐだ男「ご丁寧にどうも」
ガチャリ
マシュBB『おっはー! 大丈夫ですか。生きてますか。死は救いだと思いますかー?』
ぐだ男「ああ。お前のお陰でなんとかな。もう外を歩いてても大丈夫か?」
マシュBB『大丈夫ですよ。もうあなたたちの罪は綺麗さっぱりなかったことになりました』
マシュBB『ひとまず、どこかでタクシーを拾ってホテルまで来てくださいな』
マシュBB『料金は旅行サーヴァントたちが立て替えますので』
ぐだ男「了解。ジャックを返しに行くよ」
ぐだ男「……で。次に俺と同行するサーヴァントって」
マシュBB『……聞きたいです?』
ぐだ男「……その態度で既に答えたも同然だよ……!」
237 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 10:59:47.33 ID:7bRVCpvu0
休憩します!
238 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 14:06:37.03 ID:7bRVCpvu0
ホテル
マシュBB「センパイ! よかった! 無事だったんですね!」
ぐだ男「おお、マシュ! 心配かけるようなことは何も起きなかった……ぞ?」
ぐだ男「……」
ぐだ男「……?」
デオン(凄いな。この短時間でもう違和感を覚えてるぞ)
エリザ(面白いから黙ってましょう)プププ
マシュBB「センパイに何かあったらと思うと……私……私……!」
マシュBB「センパーイ!」ダッ
ガシッ
マシュBB「……抱き着こうとしたんですけど、どうして抵抗するんですか?」ギリギリ
ぐだ男「い、いや。なんでだろう。悪寒が酷いっていうか……」ギリギリ
マシュBB「センパーイ。後輩からの好意は素直に受け取るべきですよー?」ニコォ
ぐだ男「……」
ぐだ男「BBじゃねぇかコイツ!」ガビーンッ
茨木「おお。凄いな。バレないように最低限の演技はしていたのに、もう気付いたか」
ぐだ男「マシュの表情でBBの笑い方すんのやめろ! 死ぬほど気持ち悪い!」
マシュBB「オブラートに包むとかできないんですかね?」
239 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 14:21:36.34 ID:7bRVCpvu0
かくかくしかじかBBかわいい
ぐだ男「お前なー……マシュに迷惑だからそういうのやめろって……」
マシュBB「えへっ?」
茨木(凄いな。マスターに関する監視についての話題には一切触れずに、旅行サーヴァントのサポートのために来たという口実で誤魔化したぞ)
デオン(伊達にラスボスじゃないんだなぁ)
エリザ(真相を抱えたまま泥を被って肝心なところを隠すのは大得意なヤツだからね)
マシュBB「別にいいじゃないですかー。マシュさんにも一応許可取ってますしー」グリグリ
ぐだ男「事後承諾だろ、その話だと。どう考えても。脇腹のあたり指でグリグリすんのやめろ」
マシュBB「セーンパーイ! 許してくださいよー! 私だって頑張ってるんですよー!」ガシッ
ぐだ男「腰のあたりに纏わりつくのやめろ! 鬱陶しい!」
マシュBB「ほらほらー! 色々と押し付けてあげますからー!」グイグイ
マシュBB「あ、でも心まで好きにできるとは思わないでくださいね! 既に私、好きな人いますので!」
ぐだ男「もう何回も聞いてるからわかってるよ!」
エリザ「……」
エリザ「あれやばいんじゃない?」
デオン「何が?」
エリザ「だってマシュの人格は眠ってるわけじゃないんでしょ?」
茨木「あっ」
マシュBB「……あれ? なんか体温が不自然に上がってきました。あれぇ?」カァァ
デオン「BB! 今すぐマスターから離れろ! マシュの人格の方が限界に近づいてる!」
マシュBB「げっ! さっきから妙に静かだと思ったら!」ガビーンッ!
ぐだ男「……」
ぐだ男「そうだ! お前今、マシュじゃん! やばい、無邪気にじゃれすぎた!」
エリザ(BBと普段からそんなことやってんの?)
デオン(酔狂だなぁ)
240 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 14:33:26.77 ID:7bRVCpvu0
マシュBB「今クールダウン中です。いやー、参った参った。初心な女の子とボディをシェアするのって大変ですね」
エリザ「はっ! 純情さで言えばあなただって」
マシュBB「スミス&ウェッソーーーン! あの竜娘を黙らせてよー!」
マシュBB「もーう、BBちゃんはしょうがないなー!(裏声)」
マシュBB「はい! M500−−−!(裏声)」チャリラチャッチャチャーン
エリザ「えっ」
マシュBB「ファイア」カチッ
ドバァァァァンッ!
エリザ「ぎゃああああああ! 危ねぇーーーッ!」ガビーンッ
茨木「これを扱っていたのが狂スロットであれば間違いなくサーヴァントでも死んでいただろうなぁ」
ぐだ男「日本で当たり前みたいにリボルバーをぶっ放すなーーーッ!」
241 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 14:40:23.14 ID:7bRVCpvu0
ぐだ男「……で。大体予測はできているが、今日俺に同行するサーヴァントって……」
マシュBB「アレです」
デオン「アレだ」
茨木「アレよ」
ぐだ男「……」
エリザ「満を持して登場した……そう! 私よ!」
ぐだ男「ですよね……」
マシュBB「ご安心を。一応、彼女からは『槍以外の拷問器具や武器』は取り上げてますので」
ぐだ男「槍があればチェイテ城呼べるんだから関係ないだろ……」
マシュBB「……気休めには充分でしょう?」
エリザ「ふふっ。妙な心配はしなくても大丈夫よ子イヌ」
エリザ「今日はしないわ。今日はね」
ぐだ男「……今日は、か……」
242 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 14:43:10.96 ID:7bRVCpvu0
ジャック「おかあさーん!」タッタッタッ
ぐだ男「お。ジャック。どうかしたか?」
デオン「む。そういえばさっきから姿が見えなくなっていたな。どこに行ってたんだ?」
ジャック「荷物漁ってたー!」
茨木「あの愉快な玩具群を……?」
ジャック「これあげるー!」
ぐだ男「……これ何?」
ジャック「GPS−! 行方不明になっても安心! すぐ見つけてあげるね!」ニコニコ
ぐだ男「あ、ありがとう……」
ぐだ男(行方不明になるような目に遭うのか……)
エリザ「別れの挨拶は済んだかしら。じゃあ、行くわよ!」
243 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 14:43:54.72 ID:7bRVCpvu0
休憩します!
244 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 18:08:19.64 ID:7bRVCpvu0
マシュBB「……さぁて。ここからは私たちVSエリザさんの知恵比べになりますね」
デオン「そしてエリザはその知恵比べにすぐ飽きて即行でいつも通りの悪行に戻るだろうな」
茨木「容易に予測できすぎる……」
ジャック「大丈夫大丈夫。早速最初の知恵比べには勝ってるから」
マシュBB「……荷物を漁ってきただけじゃなかったんですか?」
ジャック「そんなに大したことはしてないけど、荷物の内容の確認はしてきた」
ジャック「あのね? デオンのときに使われたチャフを覚えてる?」
デオン「ああ。ちゃんと纏めてペットボトルに詰めてジャックに返したヤツだろう?」
ジャック「で、それを更に私たちが改めて散布装置にぶち込んでみようかな……」
ジャック「ってところで考え直して、改造したの」
マシュBB「え? 改造?」
ジャック「あのね? あれってピンを外してから数秒で起爆するようになってたけど、ピンを抜いた途端に起爆するようにしたんだよ」
ジャック「で、中身も変えた。今アレの中に入っているのは、デオンに対する天然痘みたいなエリザへの対抗策だよ」
マシュBB「……えっ? アンデルセンさんに作ってもらったアレ?」
ジャック「アレ」
245 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 18:13:45.53 ID:7bRVCpvu0
エリザ(ふっふっふ……まさか連中は思ってもないでしょうね)
エリザ(私がチャフをジャックの荷物の中からこっそり持ち出してきたなんて!)
※バレてます。
エリザ(今は自動操縦状態になっているドローンが私たちを見張っている状態だけど)
エリザ(さて、ここでチャフをバラまいたら果たしてどうなるかしら?)
エリザ(ドローンは使用不可。その間に私は子イヌを連れてどこかへ蒸発)
エリザ(さぞ驚くことでしょうねぇ! 間抜け面を拝めないのが残念だわぁ!)
エリザ(さあ! 早速コレを使って……)
エリザ「……」
エリザ「こ、子イヌ。ちょっと聞きたいことが……」
ぐだ男「なに?」
エリザ「これ、ピンってどこにあるんだと思う?」
ぐだ男「……え。これチャフじゃん。なんで持ってるの」
エリザ「え、ええと……」
ぐだ男「使っちゃダメだぞ」
エリザ「……」
エリザ「……はい……」シュン
246 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 18:21:44.64 ID:7bRVCpvu0
ホテル内
どっかの学士『ああんの、どこに出しても恥ずかしいド低級サーヴァントがああああああ!』
マシュBB「という声がどこからか聞こえてくる程度には予想以上におバカでしたね」
ジャック「……せっかくの『人間化アンプル』が……」
茨木「人間化?」
デオン「……まさか、アンデルセンに作ってもらった品物というのは……」
マシュBB「人外を条件付きで人間へと変える宝具……だったんですが」
マシュBB「ほら。人魚姫は声を代償に人間へと変わっていたでしょう? それと同じものがあの中に入っていたんです」
デオン「普通なら声が出せなくなるというのは紛れもなく副作用、デメリットなんだろうが……」
茨木「エリザに対してのみは『竜の力が使えなくなる』のと『声が出せなくなる』のとで、メリットしか存在せんな」
マシュBB「作らせるのめっちゃ苦労したんですよー! サンクトペテルブルクにカンヅメにさせたりして!」
マシュBB「そう! デオンくんちゃんさんも大好きな、あのサンクトペテルブルクにぶち込んだりして!」
デオン「マシュに感謝しろ。特に感謝しろ。さもなくばこの場でお前の首を斬り落していた」
ジャック「落ち着きなよー」
247 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 18:36:12.23 ID:7bRVCpvu0
エリザ「あっ! そうだ! カラオケ! カラオケというものに行ってみたいわ!」
エリザ「私、日本に来たら絶対にコレだけはやっておきたいと思っていたもの!」
ぐだ男(絶対言うと思った!)ガビーンッ
ぐだ男(さて、ここでエリザをカラオケに連れて行ったとしよう。被害人数は如何ほどになるだろうか)
ぐだ男(ソニックブレスがカラオケの個室内で留まるわけもなく、おそらく防音装置を突き破って隣の部屋の人間も死亡)
ぐだ男(更にはわけのわからない共振作用が起き、建物そのものにダメージが行く)
ぐだ男(大地震か終末が来たかのように揺れる建物。エリザの声のダメージが比較的少ない離れた距離にいた者も逃げ遅れ……)
ぐだ男(最終的な被害者は三桁を下らないだろう!)シャキーンッ!
ぐだ男(ということを彼女に素直に言ったところで)
エリザ『いくらなんでもそこまで大きな声は出ないわよ!』
ぐだ男(という『自分自身が音痴である』という点を完全無視した反論で強引に連れていかれてしまうだろう)
ぐだ男(考えろ……! 被害者が一人たりとも出ない、誰もが幸せになる結末を夢想するんだ……!)
ぐだ男(何か……何かないか……!)
エミヤ『――ついて来れるか』
ぐだ男(エミヤ……! 俺に力を貸してくれ……!)
248 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 18:40:28.54 ID:7bRVCpvu0
ぐだ男(今打てる最善の手がある! それは!)
ぐだ男「その前にさ。俺、昨日は家に帰ってなかったんだ」
ぐだ男「お母さんのところに帰って安心させたいんだけど」
エリザ「あ、そうね。家族は大事だわ」
エリザ「いいでしょう。まずは先にそっちね!」
ぐだ男(先延ばし! ひとまずコレで時間を稼ぐ!)
ぐだ男(考えろ……逆転の一手をその間に考えるんだ……!)
249 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 18:46:20.58 ID:7bRVCpvu0
池袋
マシュBB「うーん。エリザさんがピンを抜いて散布装置を起爆させてくれれば全部丸く収まったのですが」
ジャック「おかしいね。頭脳戦って知能での殴り合いのはずなのにね」
デオン「相手のバカさ加減を計算に入れていなかったせいで逆にこちらがドツボに嵌まるとは」
茨木「実はわざとやっているのではないか?」モヒモヒ
マシュBB「エリザさんですからねー。どちらとも言えるはずです」
マシュBB「……」
マシュBB「さっきからなんか視線を感じるのですが」
デオン「茨木を見ているのだろう。体格にしてはありえないほど食べているからな」
茨木「む? 食べ放題のすいーつびゅっふぇなのだろう? 食べて当たりまえなのではないか?」
ジャック「ひとまずこの場にいる全員の目玉を抉れば視線は気にならなくなるよ?」
マシュBB「ナイスアイディーア!」グッ
デオン「やめろ」
250 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 18:47:44.09 ID:7bRVCpvu0
夕飯食べます!
251 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 19:40:22.81 ID:7bRVCpvu0
マシュBB「……いや。対抗策はまだ残されてますね」
デオン「アンプル以外でか?」
マシュBB「歌姫の方をどうにもできないのなら、干渉できる場所は限られるでしょう?」
ジャック「……ああ、なるほどね」
茨木「舞台か」
マシュBB「ピンポーン!」
デオン「できるのか?」
マシュBB「この大都市全域を停電させたら、流石にカルデアからの粛清は免れないでしょうから……」
マシュBB「それ以外の方法でカラオケボックスを潰す方法は……」
マシュBB「いえ、違いますね。舞台をぶっ潰すのではなく、歌姫を舞台に行かせない方向で考えるべきです」
デオン「……どうやら考え付いたようだな。認めたくないが、お前の頭脳に関しては信頼している」
マシュBB「あはっ! もっと素直に褒め称えてくださいよー!」
マシュBB「……さて。やりますか」ニヤァ
252 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 19:48:43.01 ID:7bRVCpvu0
ぐだ男の家
ぐだ男「ただいまー!」
母「あら。お帰りなさい。昨日はお楽しみでしたね?」
ぐだ男「冗談でも息子に向かって言うセリフじゃないィ!」ガビーンッ
母「……で。そちらの子は?」
エリザ「お初にお目にかかります。エリザベート・バートリーと申しますわ」ペコリ
ぐだ男「え」
エリザ「今日は彼の誘いに甘え、こうして付いてきた次第です」
エリザ「この国には来たばかりで、右も左もわからない小娘ですが、どうかよろしくお願いいたします」ニコリ
ぐだ男「……!?」
ぐだ男「あっ」
ぐだ男(そういえばコイツ、忘れがちだけど貴族だった!)ガビーンッ!
母「あらあらまあまあ……」
母「随分と上品な子ね」
ぐだ男(エリザのことを評しているとは思えないような言葉が出てきた!)
253 :
爆死の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/09/16(土) 19:55:08.58 ID:7bRVCpvu0
母「……」
母「その角と尻尾は?」
エリザ「あっ」
ぐだ男「まあそうなるよね! そこ気になるよね!」
エリザ「ど、どうしよう子イヌ! せっかくキメたのに早速化けの皮が剥がれちゃう!」アタフタ
ぐだ男「あー……」
ぐだ男「別にいいんじゃないか? 外行きの態度で固める必要はないって」
エリザ「むいー……!」
ぐだ男(演技でできるレベルを遥かに超えていたけどな)
ぐだ男(やっぱコイツ、お嬢様なんだなぁ……)
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